JP2016043626A - 記録装置及びその制御方法、プログラム、記憶媒体 - Google Patents

記録装置及びその制御方法、プログラム、記憶媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】第1面の記録により記録シートが撓みやすくなっても、搬送不良を起こすことなく反転した記録シートを記録領域に搬送し、第2面への記録が可能な記録技術を提供すること。
【解決手段】記録装置は、積載部に積載された記録シートを給送する給送部と、給送部により給送された記録シートを搬送する搬送部と、搬送部により搬送された記録シートにインクを吐出して記録を行う記録部と、記録シートの表裏を反転させる反転部と、記録部による記録シートの表面である第1面に対する記録後に記録シートの裏面である第2面に記録を行う場合に、第1面の記録時におけるインクの吐出量に基づいて、搬送部および反転部を駆動する速度を制御する制御部と、を備える。
【選択図】 図8

Description

本発明は記録シートに記録を行う記録装置及びその制御方法、プログラム、記憶媒体に関する。
特許文献1には、記録シートの第1面に対する記録が終了してから第2面に対する記録が開始されるまでの時間を、第1面に記録するための画像データに応じて可変に設定するための設定手段を設ける構成が開示されている。
特開2003−48311号公報
しかしながら、特許文献1の構成では、第2面を記録ヘッドに対向する記録領域に搬送する途中で、搬送抵抗の大きい箇所を通る際に第1面記録時のインクにより記録シートが撓みやすくなった箇所で記録シートに折れなどが生じ、搬送不良が生じ得る。
上記の課題に鑑み、本発明は第1面の記録により記録シートが撓みやすくなっても、搬送不良を起こすことなく反転した記録シートを記録領域に搬送し、第2面への記録が可能な記録技術の提供を目的とする。
上記の課題を解決する本発明の一つの側面に係る記録装置は、積載部に積載された記録シートを給送する給送手段と、前記給送手段により給送された前記記録シートを搬送する搬送手段と、前記搬送手段により搬送された前記記録シートにインクを吐出して記録を行う記録手段と、記録シートの表裏を反転させる反転手段と、前記記録手段による前記記録シートの表面である第1面に対する記録後に前記記録シートの裏面である第2面に記録を行う場合に、前記第1面の記録時におけるインクの吐出量に基づいて、前記搬送手段および前記反転手段を駆動する速度を制御する制御手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、第1面の記録により記録シートが撓みやすくなっても、搬送不良を起こすことなく反転した記録シートを記録領域に搬送し、第2面への記録が可能となる。
実施形態の記録装置における記録シート反転動作を説明する図。 実施形態の記録装置における記録シート反転動作を説明する図。 実施形態の記録装置における記録シート反転動作を説明する図。 実施形態の記録装置における記録シート反転動作を説明する図。 実施形態の記録装置における記録シート反転動作を説明する図。 ローラの速度を切り替えなかった場合の記録シートの反転搬送中における挙動を説明する図。 実施形態の記録装置のブロック図。 実施形態の記録装置における第1面記録後の反転搬送時の速度を決定する処理の流れを説明する図。 実施形態の記録装置における反転速度選択テーブルを説明する図。 記録シートの第1面を複数の部分領域に分割した構成を説明する図。 各部分領域におけるインクの吐出量の算出結果を用いて第1面記録後の反転搬送時の速度を決定する処理の流れを説明する図。 実施形態の記録装置における反転速度選択テーブルを説明する図。 記録シートの第1面を複数の部分領域に分割し、各部分領域に設定した重み付け係数を例示する図。 実施形態の記録装置における反転速度選択テーブルを説明する図。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲によって確定されるのであって、以下の個別の実施形態によって限定されるわけではない。
(第1実施形態)
図1乃至図5は、本発明の一実施形態に係る記録装置における反転動作を説明する断面図である。最初に、図1のST1で示す図を用いて本実施形態における記録装置の概略構成について説明する。本実施形態における記録装置は、記録シートの第1面および記録シートの第2面(記録シートの第1面とは異なる面)の両面に記録が可能である。
図1のST1において、1は記録シートである。複数枚の記録シート1は給送トレイ11(積載部)に積載されている。2は給送トレイ11に積載された最上位の記録シート1に当接してこの記録シートをピックアップする給送ローラである。3は給送ローラ2によってピックアップされた記録シート1をシート搬送方向の下流側へ給送するための中間ローラである。4は中間ローラ3へ付勢され中間ローラ3とともに記録シート1を挟持して給送する中間ピンチローラ(中間従動ローラ)である。
5は中間ローラ3及び中間従動ローラ4によって給送された記録シート1を記録ヘッド7と対向する位置へ搬送する搬送ローラである。6は搬送ローラ5へ付勢され搬送ローラ5とともに記録シートを挟持して搬送するピンチローラである。
7は搬送ローラ5及びピンチローラ6によって搬送された記録シート1に対して記録を行う記録ヘッドである。本実施形態では記録ヘッドからインクを吐出して記録シート1に記録を行うインクジェット記録ヘッドであるとして説明する。8は記録ヘッド7と対向する位置で記録シート1の裏面を支持するプラテンである。10は記録ヘッド7を搭載してシート搬送方向と交差する方向へ移動するキャリッジである。記録ヘッド7はシート搬送方向と交差する方向へ移動するキャリッジ10に着脱可能に搭載されている。キャリッジ10の移動方向は記録シートの搬送方向(副走査方向)と交差する方向である(主走査方向)。
9は記録ヘッド7によって記録が行われた記録シートを装置外に排出するための排出ローラである。12,13は記録ヘッド7によって記録が行われた記録シートの記録面と接触して回転する拍車である。ここで下流側にある拍車13は排出ローラ9へ付勢されており、上流側にある拍車12は対向する位置に排出ローラ9が配されていない。拍車12は記録シート1の浮き上がりを防止するためのものであり押え拍車とも呼ぶ。
中間ローラ3及び中間従動ローラ4で形成される給送ニップ部と、搬送ローラ5及びピンチローラ6で形成される搬送ニップ部との間では、記録シート1は搬送ガイド15およびフラッパ20によって案内される。フラッパ20は中間ローラ3により搬送される記録シートの反力によって回動可能である。記録シート1は搬送ガイド15によって案内される。16は搬送パス内のシートの先端を検知するためのシート検知センサである。シート検知センサ16はシート搬送方向において中間ローラ3の下流側に設けられている。また14は記録シート1の先端、及び後端を検知するためのシート先後端検知センサである。シート先後端検知センサ14はシート搬送方向において搬送ローラ5の上流側に設けられており、記録シートの搬送方向と同じ方向に回動可能に構成されている。尚、記録シートの位置管理の構成は、シート検知センサおよびシート先後端検知センサ14を用いる構成に限定されず、例えば、一方のセンサ(シート先後端検知センサ14)を用いて、記録シートの位置管理を行うことも可能である。
図7は、本実施形態の記録装置のブロック図である。201は、各部動作やデータの処理などを制御するMPUである。MPU201は、後述するように、記録シートの第1面(例えば、表面)への記録後、記録シートの第2面(例えば、裏面)へ記録できるように記録シートの反転搬送を制御可能な搬送制御部としても機能する。202は、MPU201によって実行されるプログラムやデータを格納するROMである。203は、MPU201によって実行される処理データ及びホストコンピュータ214から受信したデータを一時的に記憶するRAMである。また、MPU201は、記録ヘッド7による第1面に対する記録後に第2面に記録を行う場合に、第1面の記録時におけるインクの吐出量に基づいて、搬送ローラ5、反転ローラ21、中間ローラ3を駆動する速度を制御することが可能である。
記録ヘッド7は記録ヘッドドライバ207によって制御される。キャリッジ10を駆動するキャリッジモータ204は、キャリッジモータドライバ208によって制御される。搬送ローラ5及び排出ローラ9は搬送モータ205によって駆動される。搬送モータ205は搬送モータドライバ209によって制御される。給送ローラ2及び中間ローラ3は給送モータ206によって駆動される。給送モータ206は給送モータドライバ210によって制御される。
ホストコンピュータ214には、使用者によって記録動作の実行が命令された場合に、記録画像や記録画像品位等の記録情報を取りまとめて記録装置と通信するためのプリンタドライバ2141が設けられている。MPU201は、I/F部213を介してホストコンピュータ214と記録画像等のやり取りを実行する。
液滴数検出部2011は、記録シートの第1面1−Aの記録時におけるインクの液滴数を検出(カウント)する。吐出量演算部2012は、液滴数検出部2011で検出された液滴数と、予め定められた基準吐出量とに基づいて、インクの吐出量(Duty A)を算出する。ROM202には、インクの吐出量と、搬送ローラ5、反転ローラ21、中間ローラ3を駆動するための速度と、を対応づけるテーブル(反転速度選択テーブル)が記憶されている。MPU201は、吐出量演算部2012によるインクの吐出量の算出結果に基づいて、反転速度選択テーブル(図9:TB1、TB2)を参照する。そして、MPU201は、第1面記録における吐出量に対応する速度を決定し、反転動作時の各ローラ(搬送ローラ5、反転ローラ21、中間ローラ3)の駆動速度を制御する。
閾値判定部2013は、吐出量演算部2012で演算されたインクの吐出量と予め設定された閾値とを比較して、インクの吐出量が閾値を超えるか否かを判定する。MPU201は、反転速度選択テーブル(図12:TB3、図9:TB2)を参照する。そして、MPU201は、閾値判定部2013の判定結果と、吐出量演算部2012によるインクの吐出量の演算結果とに基づいて、第1面記録における吐出量に対応する速度を決定する。そして、MPU201は、決定した速度により反転動作時の各ローラ(搬送ローラ5、反転ローラ21、中間ローラ3)の駆動速度を制御する。
図1のST1から図5のST10を用いて反転動作について時系列に説明する。ホストコンピュータ214からI/F部213を介して記録データが送信されると、MPU201で処理された後、RAM203に展開される。MPU201が展開されたデータに基づいて記録動作を開始する。
まず、図1のST1から図2のST3を参照して説明する。最初に、給送モータドライバ210によって給送モータ206が低速駆動される。これにより、給送ローラ2は7.6inch/secで回転される。給送ローラ2が回転すると、給送トレイ11に積載された最上位の記録シート1がピックアップされる。給送ローラ2によってピックアップされた記録シート1は、給送ローラ2と同方向に回転している中間ローラ3によって給送される。中間ローラ3も給送モータ206によって駆動される。本実施形態は、給送ローラ2及び中間ローラ3を備える構成で説明する。しかしながら、積載部に積載された記録シートを給送する給送ローラのみ備える構成であってもよい。
中間ローラ3の下流側に設けられたシート検知センサ16によって記録シート1の先端が検知されると、給送モータ206を高速駆動に切り替える。すなわち、給送ローラ2及び中間ローラ3は20inch/secで回転する。中間ローラ3を回転し続けることによって、記録シートの先端は、搬送ガイド15およびフラッパ20によって案内される。そして、記録シートの先端はシート先後端検知センサ14によって検知された後、搬送ローラ5とピンチローラ6で形成される搬送ニップ部に突き当たる。このとき搬送ローラ5は停止状態である。記録シートの先端が搬送ニップ部に突き当たった後も給送モータ206を回転させる。これにより、記録シートの先端が搬送ニップ部に突き当たった状態で整列し斜行が矯正される。
記録シートの斜行矯正動作が終了すると、搬送モータ205が駆動されることによって搬送ローラ5が回転を開始する。斜行矯正された記録シートは記録ヘッド7と対向するプラテン8上の所定位置まで頭出しされた後に、記録データに基づいて記録ヘッド7からインクを吐出することによって記録動作が行われる。尚、頭出し動作は、記録シートの先端が搬送ニップ部に突き当てられることにより搬送ローラ5の位置に一旦位置決めされ、その後、搬送ローラ5の位置を基準として搬送ローラ5の回転量を制御することにより行われる。
図1のST2では、搬送ローラ5によって記録シートを所定量ずつ間欠搬送する搬送動作と、搬送ローラ5が停止しているときに記録ヘッド7を搭載したキャリッジ10を移動させながら記録ヘッド7からインクを吐出する画像形成動作と、を繰り返すことによって記録シートに対する記録動作が行われる。
図2のST3において、記録シートの記録動作が終了すると、搬送ローラ5および排出ローラ9の回転が停止する。記録シートの後端が、搬送ローラ5およびピンチローラ6により形成される搬送ニップ部から抜けた状態で、記録シートを排出ローラ9と拍車13とで保持する。このとき、フラッパ20は自重により図2のST3のように下方に下がる位置にあり、反転搬送ガイド23、24へ記録シートを案内する。
図8のフローチャート(FC1)を用いて、第1面1−A記録後の反転搬送時の速度を決定する処理の流れを説明する。本処理はMPU201、液滴数検出部2011、および吐出量演算部2012の全体的な制御の下に実行されるものとする。ステップS1で、記録開始命令を受けた記録装置は記録を開始する。ステップS2にて自動両面記録であるかを判断し、自動両面記録でない場合は(S2−No)、ステップS9で記録を行い、処理を終了する(S8)。
自動両面記録である場合は(S2−Yes)、ステップS3へ移行する。ステップS3にて、記録シートの第1面1−Aの記録中にインクの液滴数を検出(カウント)する。ステップS4で、予め定められた基準吐出量(C1)を参照し、インクの吐出量(Duty A)を算出する。基準吐出量は予めROM202に記憶されているものとする。
ステップS5にて改行して、ステップS6にて記録が終了していなければ(S6−No)、処理をステップS2へ戻して同様の処理を繰り返す。一方、ステップS6の判定で第1面1−Aの記録が終了していれば(S6−Yes)、ステップS7へ移行する。ステップS7で、MPU201は、図9の反転速度選択テーブル(TB1、TB2)を参照して、第1面記録における吐出量(Duty A)に対応する速度を決定し、ステップS8に移行して処理を終了する。第1面に対する記録後に第2面に記録を行う場合に、ステップS7で決定された速度に基づいて、搬送ローラ5、反転ローラ21、中間ローラ3の速度が制御される。
MPU201は、吐出量(Duty A)に応じて反転動作時速度として、DV1〜DV4の中からいずれかを決定する。たとえば、記録シートのDuty Aが第1の閾値未満であれば、MPU201は反転動作時速度としてDV1を選択する。また、記録シートのDuty Aが、第1の閾値以上第2の閾値未満(第1の閾値≦A<第2の閾値)であれば、MPU201は反転動作時速度としてDV2を選択する。
反転速度選択テーブル(TB1)の参照により反転動作時速度が選択されると、MPU201は、更に、反転速度選択テーブル(TB2:選択テーブルリスト)を参照して、反転動作時の各ローラ(搬送ローラ5、反転ローラ21、中間ローラ3)の速度を決定する。例えば、記録シートのDuty Aが、第1の閾値以上第2の閾値未満(第1の閾値≦A<第2の閾値)であれば、選択される反転動作時速度はDV2となる。反転速度選択テーブル(TB2)の設定に基づき、反転動作時の搬送ローラ5の速度は、5.33inch/s、反転ローラ21の速度および中間ローラ3の速度は5.73inch/sとなる。
ここで、比較例として、反転速度選択テーブル(TB1、TB2)に従って、反転動作時速度を切り替えない場合の記録シートの挙動について説明する。記録シートの全域に記録を行う場合のように第1面1−Aに対する吐出量が多くなる場合(反転速度選択テーブル(TB1)で、A≧第3の閾値となる場合)、第1面1−Aの記録によるインクで記録シートは撓みやすくなる(記録シートの剛性は低下する)。このような状態で、記録シートを反転した際に記録シートに撓みが生じて各種ローラの搬送力が記録シートに正しく伝わらない場合が生じ得る。また、記録シート1の第1面1−Aの後端(第2面1−Bの先端)が反転搬送ガイド23、24から受ける抵抗により、第2面1−Bの先端に撓みが生じたり、折れたり、反転する記録シートの搬送方向を変えてしまうことがあり、搬送不良になる場合が生じ得る。
逆に、第1面1−Aの記録におけるインクの吐出量が少なく、記録シートの撓みにくさ(剛性)が低下していない場合、各ローラの速度を一律に低下させると、第2面1−Bの記録開始までに時間がかかり、記録装置のスループットが低下する場合が生じ得る。反転速度選択テーブル(TB1、TB2)を参照して、第1面記録におけるインクの吐出量に応じた反転動作時速度に基づいて、反転動作時の各ローラ(搬送ローラ5、反転ローラ21、中間ローラ3)の速度を制御する。これにより、第1面の記録により記録シートの撓みやすさが変化しても、搬送不良を起こすことなく反転した記録シートを記録領域に搬送し、第2面への記録が可能となる。
両面連続記録を実行する場合に、MPU201は、記録シートの第1面に対する記録動作が終了した後(図2のST3)、記録シートの記録面を第1面から第2面に反転(表裏を反転)するための制御を行う。MPU201は、フラッパ20、反転搬送ガイド23、24、反転合流パスガイド25および反転合流フラッパ26を経由して、搬送ローラ5側から中間ローラ3側へ、記録動作時の搬送方向とは反対方向である反転動作時の搬送方向に記録シートを搬送させる。反転搬送ガイド23、24は、記録シートの第1面を第2面に反転して、記録シートの第2面を記録面とする。MPU201は反転した記録シートを、反転合流パスガイド25により案内し、回動可能に支持されている反転合流フラッパ26を回転させて、中間ローラ3側から搬送ローラ5側へ搬送させる。
反転動作時の具体的な処理を以下、図2のST4〜図5のST10を参照して説明する。図2のST4〜図5のST10で示したD1〜D5は反転動作時における速度切替ポイントであり、各速度切替ポイントの近傍に記録シートを検出する検出部(記録シート検出部)が配置されているものとする。検出部(記録シート検出部)は、反転動作時において記録シートが搬送される搬送経路に配置され、記録シートを検出する。検出部が速度切替ポイント(D1〜D5)のいずれかを記録シートが通過したことを検出すると、MPU201は、検出部の検出結果に基づいて反転動作時の各ローラ(搬送ローラ5、反転ローラ21、中間ローラ3)の速度を制御することが可能である。
速度切替ポイントD1は、反転動作が開始され、搬送ローラ5とピンチローラ6の搬送ニップ部に記録シートが突入した直後の位置を示している。この速度切替ポイントD1は、記録シートが搬送ローラ5、搬送ガイド15またはフラッパ20から抵抗を受けて、搬送不良を起こす可能性のある位置である。尚、速度切替ポイントD1の位置は、ST4〜ST10において示す位置に限定されるものではなく、記録シートが搬送ニップ部に突入する前の位置で記録シートを検出するように配置してもよい。
速度切替ポイントD2は、反転ローラ21と反転ピンチローラ22により形成されるニップ部に記録シートが突入した直後の位置を示している。この速度切替ポイントD2は、記録シートの端部が反転搬送ガイド23、24から抵抗を受けて、搬送不良を起こす可能性のある位置である。尚、速度切替ポイントD2の位置は、ST4〜ST10において示す位置に限定されるものではなく、記録シートがニップ部に突入する前の位置で記録シートを検出するように配置してもよい。
速度切替ポイントD3は、記録シートの搬送方向が反転する位置を示しており、この速度切替ポイントD3は、記録シートの端部が反転搬送ガイド23、24から抵抗を受けて、搬送不良を起こす可能性のある位置である。
速度切替ポイントD4は、記録シートの搬送方向の反転後に記録シートが反転合流パスガイド25から受ける抵抗が大きくなる位置を示しており、反転合流パスガイド25からの抵抗により搬送不良を起こす可能性のある位置である。
速度切替ポイントD5は、反転合流フラッパ26の回動部の近傍の位置を示しており、この速度切替ポイントD5は、反転合流パスガイド25により案内された記録シートが反転合流フラッパ26を回動する際の抵抗により搬送不良を起こす可能性のある位置である。
反転搬送を開始する前に、MPU201は、反転速度選択テーブル(TB1、TB2)を参照して、インクの吐出量に対応する速度(反転動作時速度)を決定する。この処理は、図8のステップS7の処理に対応するものである。図2のST4において、反転速度選択テーブル(TB1、TB2)の参照に基づいて決定された反転動作時速度により、搬送ローラ5、反転ローラ21、中間ローラ3の速度を制御した反転搬送を行う。反転搬送の際、MPU201は、上述の速度切替ポイント(D1〜D5)のいずれかで、反転動作時速度を切替える制御を行う。搬送ローラ5および排出ローラ9は記録動作時とは反対方向(図中時計回り方向)に逆回転し、記録シートを搬送ローラ5とピンチローラ6の搬送ニップ部へ再突入させ、搬送ガイド15およびフラッパ20の方向へ搬送する。例えば、速度切替ポイントD1で反転動作時速度を切替える場合、搬送ローラ5の回転速度は、反転速度選択テーブル(TB1、TB2)の参照に基づいて決定された反転動作時速度に制御される。搬送ローラ5および排出ローラ9の逆回転開始と同時に、中間ローラ3も回転(図2のST4中、反時計回り方向に回転)する。また、搬送ローラ5および排出ローラ9の逆回転開始と同時に、反転ローラ21も回転する(図2のST4中、時計回り方向に回転)。このとき中間ローラ3および反転ローラ21の回転速度は、反転速度選択テーブル(TB1、TB2)の参照に基づいて決定された反転動作時速度に制御される。
図3のST5において、搬送ローラ5が図中時計回り方向に回転を続けると、記録シートの端部(第1面記録時の後端)はフラッパ20および搬送ガイド15により反転搬送ガイド23、24に向けて案内される。フラッパ20は、反転動作時の搬送方向に記録シートが搬送される際に、記録シートとの接触に応じて回転可能に構成されている。
図3のST6において、更に搬送ローラ5が図中時計回り方向に回転を続けると記録シートの端部(第1面記録時の後端)は反転ローラ21および反転ピンチローラ22へと搬送され、反転ローラ21および反転ピンチローラ22により形成されるニップ部に突入する。
図4のST7において、さらに搬送ローラ5および反転ローラ21が図中時計回り方向に回転を続けると記録シートの端部(第1面記録時の後端)は反転搬送ガイド23、24により案内される。そして、図4のST8において、さらに搬送ローラ5および反転ローラ21が図中時計回り方向に回転を続けると記録シートの端部(第1面記録時の後端)は反転合流パスガイド25により案内され、反転合流フラッパ26に到達する。反転合流フラッパ26は、反転動作時の搬送方向に記録シートが搬送される際に、記録シートとの接触に応じて回転可能に構成されている。記録シートとの接触により反転合流フラッパ26が回転し、記録シートの端部(第1面記録時の後端)は中間ローラ3および中間従動ローラ4により形成される給送ニップ部に突入する。給送ニップ部を通過した記録シートの端部(第1面記録時の後端)はシート検知センサ16により検知される。シート検知センサ16によって記録シートの端部(第1面記録時の後端)が検知されると、MPU201はそこからの先端位置を管理し、中間ローラ3および搬送ローラ5の駆動量を制御する。
図5のST9において、中間ローラ3を回転(反時計回り方向に回転)し続けることによって記録シートの端部(第1面記録時の後端)は、フラッパ20により案内されて再び搬送ガイド15へ合流する。さらに中間ローラ3を回転し続けると、第1面記録で説明したST1と同様に、記録シートの端部は搬送ローラ5およびピンチローラ6で形成される搬送ニップ部に突き当たり、斜行矯正を行う。
記録シートの斜行矯正動作が終了すると、図5のST10において、搬送モータ205が駆動されることによって搬送ローラ5が回転を開始する。記録シートは記録ヘッド7と対向する位置まで頭出しされるが、このとき記録シートの記録ヘッド7に対向する面は既に記録が行われた第1面とは反対の白紙である第2面となっている。頭出しが完了した記録シートの第2面1−Bに対して、記録データに基づいて記録ヘッド7からインクを吐出することによって記録動作が行われる。
本実施形態によれば、第1面1−Aのインクの吐出量に応じた反転動作時速度に基づいて、反転動作時の各ローラ(搬送ローラ5、反転ローラ21、中間ローラ3)の速度を制御する。これにより、第1面の記録により記録シートが撓みやすくなっても、搬送不良を起こすことなく反転した記録シートを記録領域に搬送し、第2面への記録が可能となる。
(第2実施形態)
本実施形態では、記録シートの第1面を複数の部分領域に分割し、部分領域ごとインク吐出量を算出する構成を説明する。本実施形態における記録装置の構成は第1実施形態の構成と同様である。
図10は、記録シートの第1面を複数の部分領域に分割した構成を説明する図である。図10において、矢印Aは、記録シートの搬送方向(副走査方向)であり、キャリッジ10の移動方向は記録シートの搬送方向(副走査方向)と交差する方向である(主走査方向)。図10のPT1において、複数の部分領域は、記録シートの搬送方向は副走査方向に沿って分割されている(Y1、Y2、・・・Yn)。記録シートの搬送方向(副走査方向)に沿って分割された部分領域を以後エリアいう。図10のPT2は、部分領域の構成例として、副走査方向の部分領域(エリア)が記録シートの幅方向(主走査方向に対応する方向)に沿って複数の部分領域(サブエリア)に分割されている構成例を示している(X1Y1、・・・XnYn)。PT1およびP2において、複数の部分領域(エリア、サブエリア)は、記録シートの第1面における記録領域を網羅している。
液滴数検出部2011は、記録シートの第1面を複数の領域に分割した部分領域ごとに、インクの液滴数を検出する。吐出量演算部2012は、部分領域ごとに検出された液滴数と、予め定められた基準吐出量とに基づいて、部分領域におけるインクの吐出量を算出する。また、吐出量演算部2012は、インクの色ごとに設定されている重み付け係数を液滴数に乗じた値と、基準吐出量とに基づいて、インクの吐出量を算出することが可能である。
次に、図11のフローチャート(FC2)を用いて、各部分領域におけるインクの吐出量を算出し、吐出量の算出結果を用いて第1面記録後の反転搬送時の速度を決定する処理の流れを説明する。本処理はMPU201、液滴数検出部2011、吐出量演算部2012および閾値判定部2013の全体的な制御の下に実行されるものとし、複数の部分領域(エリア)の構成は図10のPT1である場合を例とする。
図11のステップS11で、記録開始命令を受けた記録装置は記録を開始する。ステップS12にて自動両面記録であるかを判断し、自動両面記録でない場合は(S12−No)、ステップS24で記録を行い、処理を終了する(S25)。
自動両面記録である場合は(S12−Yes)、ステップS13に移行する。ステップS13では、吐出量の算出が必要とされているエリアであるか否かを判断し、吐出量の算出が必要でないエリアの場合(S13−No)、ステップS21に処理を進める。吐出量の算出が必要なエリアである場合(S13−Yes)、ステップS14へ移行する。
ステップS14では、第1面の記録中に各エリア(Y1、Y2、・・・Y(n))の液滴数を検出(カウント)する。ステップS15では、ステップS14で検出した液滴数をインクの色ごとに分別する。インクの色がブラック(以後、「PBK)」とする)である場合(S15−PBK)、ステップS16に処理を進める。一方、ステップS15の判定で、インクの色が、シアン(以後「C」とする)、マゼンタ(以後「M」とする)、またはイエロー(以後「Y」とする)である場合(S15−C、M、Y)、ステップS17へ移行する。
ステップS16では、検出した液滴数に重み付け係数として2を乗算する(この乗算結果をM)とする。また、ステップS17では、検出された液滴数に重み付け係数として1を乗算する(この乗算結果をN)とする。
ステップS18で、乗算結果M,Nの総和と、予め定められた基準吐出量(C1)とに基づいて、各エリア(Y1、・・・Y(n))におけるインクの吐出量(Duty1、・・・Duty(Yn))を算出する。上記の構成ではC、M、Yのインクの液滴数に対して、同じ重み付け係数として1を用いたが、C、M、Yのインクのそれぞれの色に、異なる重み付け係数を設定することも可能である。
ステップS19では、先のステップS18で算出されたインクの吐出量(Duty1、・・・Duty(Yn))と、予め設定されている閾値Athとの比較を行う。閾値判定部2013は、吐出量演算部2012で演算されたインクの吐出量(Duty1、・・・Duty(Yn))と予め設定された閾値Athとを比較して、インクの吐出量が閾値を超えるか否かを判定する。算出されたインクの吐出量(Duty1、・・・Duty(Yn))が閾値Athを超えない場合(S19−No)、処理をステップS21に進める。一方、算出されたインクの吐出量が閾値Athを超える場合(S19−Yes)、ステップS20へ移行する。
ステップS19の判定で、インクの吐出量が閾値を超えた場合に、ステップS20において、閾値判定部2013はインクの吐出量が閾値を超えたことを示すフラグを設定する。閾値判定部2013は各エリアに対応する閾値判定フラグf(n)に1を設定する。ステップS18で算出されたインクの吐出量(Duty1、・・・Duty(Yn))と、予め設定されている閾値Athとの比較は、各エリア(Y1、Y2、・・・Y(n))について行われる。各エリアについてインクの吐出量(Duty1、・・・Duty(Yn))が閾値Athを超えた場合、各エリアの閾値判定フラグf(n)に1が設定される。
そして、ステップS21にて改行して、ステップS22にて記録が終了していなければ(S22−No)、処理をステップS12へ戻して同様の処理を繰り返す。ステップS22の判定で、第1面1−Aの記録が終了していれば(S22−Yes)、ステップS23へ移行する。ステップS23で、図12の反転速度選択テーブル(TB3)を参照して、閾値判定フラグの設定値と、算出されたインクの吐出量とを用いて、インクの吐出量に対応する反転動作時の各ローラの速度を決定し、ステップS25へ移行して、処理を終了する。
反転速度選択テーブル(TB3)はROM202に記憶されているテーブルであり、インクの吐出量と、フラグの数に応じた速度と、が対応付けられている。MPU201は、反転速度選択テーブル(TB3)を参照して、インクの吐出量と設定されたフラグの数とに基づいて決定した速度により、搬送ローラ5、反転ローラ21、中間ローラ3の速度をそれぞれ制御する。閾値判定フラグf1〜f(n)において「1」が設定されている数は、閾値を超えたエリア数に対応する。MPU201は、反転速度選択テーブル(TB3)を参照し、閾値判定フラグにおいて「1」が設定されている数と、「1」が設定されているエリアのうち最大のインクの吐出量とに基づいて、反転動作時速度(DV1〜DV4)を決定する。ここで、最大のインクの吐出量を最大Duty:Amaxとして示す。
例えば、閾値判定フラグf1〜f(n)において「1」が設定されている数(閾値を超えたエリア数)が4つあるとする。4のエリア(部分領域)のうち最大のインクの吐出量(最大Duty:Amax)が、第2の閾値以上第3の閾値未満(第2の閾値≦Amax<第3の閾値)であれば、選択される反転動作時速度はDV3となる。反転速度選択テーブル(図9のTB2)の設定に基づき、反転動作時の搬送ローラ5の速度は、3.33inch/s、反転ローラ21の速度および中間ローラ3の速度は3.58inch/sとなる。
尚、図11のフローチャートの説明では、複数の部分領域の構成として図10のPT1の場合を例として説明したが、この例に限定されるものではない。例えば、図10のPT2のように、記録シートの搬送方向に沿った複数の部分領域(エリア)が記録シートの幅方向に沿って複数の部分領域(サブエリア)に分割されている構成例においても同様に適用可能である。この場合、各エリアにおけるサブエリアで、インクの吐出量を算出し、閾値との比較、閾値判定フラグの設定を行えばよい。MPU201は、反転速度選択テーブル(図12:TB3)を参照し、閾値判定フラグfにおいて「1」が設定されている数(閾値を超えたエリア数に対応する)と、「1」が設定されているエリア(サブエリア)のうち最大のインクの吐出量(最大Duty:Amax)とに基づいて、反転動作時速度(DV1〜DV4)を決定する。MPU201は、反転速度選択テーブル(図9:TB2)を参照して、決定した反転動作時速度(DV)に基づいて、各ローラ(搬送ローラ5、反転ローラ21、中間ローラ3)の速度を決定する。
速度切替ポイントD2で各ローラ(搬送ローラ5、反転ローラ21、中間ローラ3)の速度を、反転動作時速度に切替える場合の具体的な処理を、図2のST4〜図5のST10を参照して説明する。
図2のST4において、搬送ローラ5および排出ローラ9は記録動作時とは反対方向(図中時計回り方向)に逆回転する。搬送ローラ5は、例えば、7.5inch/s(図9のTB2:DV1に相当する速度)の速度で逆回転し、記録シートを搬送ローラ5とピンチローラ6の搬送ニップ部へ再突入させ、搬送ガイド15およびフラッパ20の方向へ搬送する。
搬送ローラ5および排出ローラ9の逆回転開始と同時に、中間ローラ3も回転(図2のST4中、反時計回り方向に回転)する(例えば、8.06inch/s(図9のTB2:DV1に相当する速度)。また、搬送ローラ5および排出ローラ9の逆回転開始と同時に、反転ローラ21も回転(図2のST4中、時計回り方向に回転)する(例えば、8.06inch/s(図9のTB2:DV1に相当する速度)。
図3のST5において、搬送ローラ5が図中時計回り方向に回転を続けると、記録シートの端部(第1面記録時の後端)はフラッパ20および搬送ガイド15により反転搬送ガイド23、24に向けて案内される。このときの搬送ローラ5は、例えば、7.5inch/s(図9のTB2:DV1に相当する速度)の速度で逆回転を続ける。
図3のST6において、さらに搬送ローラ5が、7.5inch/s(図9のTB2:DV1に相当する速度)の速度で、図中時計回り方向に回転を続けると記録シートの端部(第1面記録時の後端)は反転ローラ21および反転ピンチローラ22へと搬送され、反転ローラ21および反転ピンチローラ22により形成されるニップ部に突入する。
反転ローラ21と反転ピンチローラ22により形成されるニップ部に記録シートが突入したことを不図示の検出部(記録シート検出部)か検出すると、MPU201は、検出部(記録シート検出部)の検出結果に基づいて、反転動作時の各ローラ(搬送ローラ5、反転ローラ21、中間ローラ3)の速度を制御する。例えば、MPU201が反転動作時速度としてDV3を選択する場合、MPU201は反転速度選択テーブル(図9のTB2)の設定に基づき、搬送ローラ5の速度を3.33inch/sに制御する。また、MPU201は反転ローラ21の速度および中間ローラ3の速度を3.58inch/sに制御する。MPU201は搬送ローラ5の搬送速度(回転速度)を7.5inch/sの速度から3.33inch/sへと遅くするように制御する。MPU201は反転ローラ21および中間ローラ3の速度(回転速度)を8.06inch/sの速度から3.58inch/sへと遅くするように制御する。
ここで、比較例として、図6のST6bを用いて、各ローラの速度を上記の通り切り替えなかった場合の記録シートの反転搬送中における挙動について説明する。例えば、第1面1−Aの図中の領域Laは記録なし(白紙)の領域を示し、領域Lbは吐出量Dutyが閾値を超える領域(エリア)を示すものとする。第1面の記録により領域Lbは領域Laに比べて撓みやすくなっている。
記録シート(第1面1−A)の端部(第1面記録時の後端)が速度切替ポイントD2からLtだけ搬送されたとする。反転ローラ21の速度が、例えば、8.06inch/sのままで回転する場合、記録シート(第1面1−A)の端部(第1面記録時の後端)は搬送の際に反転搬送ガイド23、24との接触により抵抗を受ける。この抵抗により、記録シート(第1面1−A)の端部(第1面記録時の後端)は、領域Lbで記録シートに折れが生じたり、記録シートの搬送方向を変えてしまうことがあり、搬送不良になる場合が生じ得る。回転速度を切り替える(例えば、8.06inch/sから3.58inch/sへと制御する)ことで、記録シート(第1面1−A)の端部(第1面記録時の後端)が受ける抵抗を低減することができ、搬送不良の発生を抑制することが可能になる。
図4のST7において、速度切替ポイントD2で制御された速度に基づいて、さらに搬送ローラ5および反転ローラ21が図中時計回り方向に回転を続けると記録シートの端部(第1面記録時の後端)は反転搬送ガイド23、24により案内される。ST8では、速度切替ポイントD2で制御された速度に基づいて、搬送ローラ5及び反転ローラ21が図中時計回り方向に回転を続けると記録シートの端部(第1面記録時の後端)は反転合流パスガイド25により案内され、反転合流フラッパ26に到達する。
図5のST9において、速度切替ポイントD2で制御された速度に基づいて、中間ローラ3を回転(反時計回り方向に回転)し続けることによって記録シートの端部(第1面記録時の後端)は、フラッパ20により案内されて再び搬送ガイド15へ合流する。速度切替ポイントD2で制御された速度に基づいて、さらに中間ローラ3を回転し続けると、第1面記録で説明したST1と同様に、記録シートの端部は搬送ローラ5およびピンチローラ6で形成される搬送ニップ部に突き当たり、斜行矯正を行う。
記録シートの斜行矯正動作が終了すると、図5のST10において、搬送モータ205が速度切替ポイントD2で制御された速度に基づいて駆動されることによって搬送ローラ5が回転を開始する。記録シートは記録ヘッド7と対向する位置まで頭出しされるが、このとき記録シートの記録ヘッド7に対向する面は既に記録が行われた第1面とは反対の第2面となっている。頭出しが完了した記録シートの第2面1−Bに対して、記録データに基づいて記録ヘッド7からインクを吐出することによって記録動作が行われる。
本実施形態によれば、第1面1−Aのインクの吐出量に応じた反転動作時速度に基づいて、反転動作時の搬送ローラ5、反転ローラ21、中間ローラ3の速度を制御する。これにより、第1面の記録により記録シートが撓みやすくなっても、搬送不良を起こすことなく反転した記録シートを記録領域に搬送し、第2面への記録が可能となる。
(第3実施形態)
本実施形態では、記録シートの第1面を複数の部分領域に分割し、各部分領域に重み付け係数を設定してインク吐出量を算出する構成を説明する。本実施形態における記録装置の構成は第1実施形態の構成と同様である。また、部分領域の構成は第2実施形態で説明した図10のPT1、PT2と同様である。
図13のPT3は図10のPT1において、各エリアに対して重み付け係数E1を設定した例を示す図であり、PT4は図10のPT2において、各サブエリアに対して重み付け係数としてE2を設定した例を示す図である。図13における矢印Aは記録シートの搬送方向を示している。本実施形態において、吐出量演算部2012は、部分領域ごとに設定されている重み付け係数を液滴数に乗じた値と、基準吐出量とに基づいて、インクの吐出量を算出することが可能である。
図13に示すように記録シートの各部分領域(各エリア、各サブエリア)に設定した重み付け係数を、図11のインクの吐出量を算出する処理に適用する場合、ステップS16の処理は次のようになる。例えば、インクの色(ブラック:PBK)の重み付け係数を2に設定し、部分領域(エリア、サブエリア)の重み付け係数を3に設定する。この部分領域(エリア、サブエリア)で検出された液滴数に、インクの色の重み付け係数(2)と部分領域(エリア、サブエリア)の重み付け係数(3)とを乗算する(=液滴数×6)。すなわち、検出された液滴数に重み付け係数として6を乗算し、この乗算結果をMとする。
また、ステップS17では、インクの色(シアン(C))の重み付け係数を1に設定し、部分領域(エリア、サブエリア)の重み付け係数を3に設定する。この部分領域(エリア、サブエリア)で検出された液滴数に、インクの色の重み付け係数(1)と部分領域(エリア、サブエリア)の重み付け係数(3)とを乗算する(=液滴数×3)。すなわち、検出された液滴数に重み付け係数として3を乗算し、この乗算結果をNとする。
ステップS18では、インクの色の重み付け係数と部分領域(エリア、サブエリア)の重み付け係数とに基づいて算出された乗算結果M、Nの総和と、基準吐出量(C1)とに基づいて、各部分領域(エリア、サブエリア)におけるインクの吐出量を算出する。そして、算出したインクの吐出量と閾値Athとを比較する。
MPU201は、記録シートにおける各部分領域(各エリア、各サブエリア)に設定された重み付け係数をインクの吐出量の算出に反映することで、第1面1−Aに対する記録において、撓みやすくなった記録シートの部分を精度よく判定することが可能である。この判定結果を、反転動作時の各ローラの速度制御に用いることで、第1面の記録により記録シートが撓みやすくなっても、搬送不良を起こすことなく反転した記録シートを記録領域に搬送し、第2面への記録が可能となる。
(第4実施形態)
本実施形態では、速度を切替えるための位置(速度切替ポイント)に対応した複数の反転速度選択テーブルを用いて、反転動作時に搬送経路に沿って搬送される記録シートの位置に応じて各ローラの速度を制御する構成を説明する。
ROM202に記憶されているテーブルには、速度を切替えるための位置に対応して、各ローラの速度を制御するための速度情報を記憶する複数の反転速度選択テーブル(TB4a、TB4b)が含まれている。また、各ローラの速度を切替えるための位置(速度切替ポイント)に対応して、搬送経路に沿った異なる位置に、記録シートを検出する検出部(記録シート検出部)が複数個配置されているものとする。
MPU201は、搬送経路に沿って搬送される記録シートの位置に応じて、搬送ローラ5、反転ローラ21、中間ローラ3の速度制御を行う。すなわち、MPU201は、複数の検出部(記録シート検出部)の検出結果に基づいて、検出結果に対応する反転速度選択テーブル(TB4a、TB4b)を参照する。そして、MPU201は、反転速度選択テーブルの参照によりインクの吐出量に対応する速度を決定し、決定した速度により搬送ローラ5、反転ローラ21、中間ローラ3の速度を切替える。
図14のTB4aは速度切替ポイントD1、D4およびD5に対応する反転速度選択テーブルを例示する図であり、TB4bは速度切替ポイントD2およびD3に対応する反転速度選択テーブルを例示する図である。反転速度選択テーブルの構成例は、この例に限定されるものではなく、各速度切替ポイントに対応して、それぞれ異なるテーブルを用いて搬送ローラ5、反転ローラ21、中間ローラ3の速度制御を行うことが可能である。
図11のインクの吐出量を算出する処理に適用する場合、ステップS19、S20、S23の処理は次のようになる。速度切替ポイントごとに閾値Athを個別に設定しておき、各速度切替ポイントを記録シートが搬送される際に、インクの吐出量(Duty1、・・・Duty(Yn))と、個別に設定されている閾値Athとの比較を行う(図11のS19)。
算出されたインクの吐出量(Duty1、・・・Duty(Yn))が個別に設定されている閾値Athを超える場合(図11のS19−Yes)、ステップS20では、各エリアに対応する閾値判定フラグf(n)に1を設定する(図11のS20)。
ステップS23では、複数の検出部(記録シート検出部)の検出結果に基づいて、検出結果に対応する反転速度選択テーブル(TB4a、TB4b)を参照する。そして、反転速度選択テーブル(TB4a、TB4b)の参照により、インクの吐出量に対応する速度を決定する。設定された閾値判定フラグにおいて「1」が設定されている数と、算出されたインクの吐出量(最大値)とを用いて、第1面記録におけるインクの吐出量に対応する反転動作時の各ローラ(搬送ローラ5、反転ローラ21、中間ローラ3)の速度を決定する。
例えば、速度切替ポイントD1を記録シートが搬送される場合、MPU201は反転速度選択テーブル(TB4a)を参照して、各ローラの速度を決定する。また、速度切替ポイントD2を記録シートが搬送される場合、MPU201は反転速度選択テーブル(TB4b)を参照して、各ローラの速度を決定する。MPU201は、決定した速度により搬送ローラ5、反転ローラ21、中間ローラ3の速度を切替える制御を行う。
本実施形態によれば、記録シートの反転動作時において、記録シートの搬送位置に応じて搬送ローラ5、反転ローラ21、中間ローラ3の速度を制御することが可能になる。これにより、第1面の記録により記録シートが撓みやすくなっても、搬送不良を起こすことなく反転した記録シートを記録領域に搬送し、第2面への記録が可能となる。
(その他の実施形態)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
3:中間ローラ、5:搬送ローラ、21:反転ローラ、201:MPU

Claims (12)

  1. 積載部に積載された記録シートを給送する給送手段と、
    前記給送手段により給送された前記記録シートを搬送する搬送手段と、
    前記搬送手段により搬送された前記記録シートにインクを吐出して記録を行う記録手段と、
    記録シートの表裏を反転させる反転手段と、
    前記記録手段による前記記録シートの表面である第1面に対する記録後に前記記録シートの裏面である第2面に記録を行う場合に、前記第1面の記録時におけるインクの吐出量に基づいて、前記搬送手段および前記反転手段を駆動する速度を制御する制御手段と、
    を備えることを特徴とする記録装置。
  2. 前記第1面の記録時における前記インクの液滴数を検出する検出手段と、
    前記液滴数と、予め定められた基準吐出量とに基づいて、前記インクの吐出量を算出する演算手段と、
    前記インクの吐出量と、前記搬送手段および前記反転手段および前記給送手段を駆動するための速度と、を対応づけるテーブルを記憶する記憶手段と、を更に備え、
    前記制御手段は、前記テーブルを参照して、前記インクの吐出量に対応する速度を決定し、前記決定した速度により前記搬送手段、前記反転手段および前記給送手段の駆動をそれぞれ制御することを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  3. 前記検出手段は、前記記録シートの前記第1面を複数の領域に分割した部分領域ごとに、前記インクの液滴数を検出し、
    前記演算手段は、前記部分領域ごとに検出された液滴数と、予め定められた基準吐出量とに基づいて、前記部分領域における前記インクの吐出量を算出することを特徴とする請求項2に記載の記録装置。
  4. 前記演算手段は、前記部分領域ごとに設定されている重み付け係数を前記液滴数に乗じた値と、前記基準吐出量とに基づいて、前記インクの吐出量を算出することを特徴とする請求項3に記載の記録装置。
  5. 前記演算手段は、前記インクの色ごとに設定されている重み付け係数を前記液滴数に乗じた値と、前記基準吐出量とに基づいて、前記インクの吐出量を算出することを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれか1項に記載の記録装置。
  6. 前記演算手段で算出された前記部分領域におけるインクの吐出量と予め設定された閾値とを比較して、前記インクの吐出量が閾値を超えるか否かを判定する判定手段と、
    前記インクの吐出量が閾値を超えた場合に、前記インクの吐出量が閾値を超えたことを示すフラグを設定する設定手段と、
    を更に備えることを特徴とする請求項3に記載の記録装置。
  7. 前記記憶手段の前記テーブルにおいて、前記インクの吐出量と、前記フラグの数に応じた速度と、が対応付けられており、
    前記制御手段は、前記テーブルを参照して、前記インクの吐出量と前記設定されたフラグの数とに基づいて決定した速度により、前記搬送手段、前記反転手段および前記給送手段の速度をそれぞれ制御することを特徴とする請求項6に記載の記録装置。
  8. 前記反転手段により前記記録シートが搬送される搬送経路に配置され、前記記録シートを検出するための記録シート検出手段を更に備え、
    前記制御手段は、前記記録シート検出手段の検出結果に基づいて、前記搬送手段、前記反転手段および前記給送手段を駆動する速度を、前記決定した速度に切替えることを特徴とする請求項7に記載の記録装置。
  9. 前記記録シート検出手段は、前記速度を切替えるための位置として前記搬送経路に沿った異なる位置に複数個配置されており、
    前記記憶手段の前記テーブルには、前記速度を切替えるための位置に対応して速度を制御するための複数のテーブルが含まれており、
    前記制御手段は、複数の記録シート検出手段の検出結果に基づいて、前記検出結果に対応するテーブルを参照して、前記インクの吐出量に対応する速度を決定し、前記決定した速度により前記搬送手段、前記反転手段および前記給送手段の速度を切替えることを特徴とする請求項8に記載の記録装置。
  10. 積載部に積載された記録シートを給送する給送手段と、前記給送手段により給送された前記記録シートを搬送する搬送手段と、前記搬送手段により搬送された前記記録シートにインクを吐出して記録を行う記録手段と、記録シートの表裏を反転させる反転手段と、を備える記録装置の制御方法であって、
    前記記録手段による前記記録シートの表面である第1面に対する記録後に前記記録シートの裏面である第2面に記録を行う場合に、前記第1面の記録時におけるインクの吐出量に基づいて、前記搬送手段および前記反転手段を駆動する速度を制御する工程
    を有することを特徴とする記録装置の制御方法。
  11. 請求項10に記載の記録装置の制御方法の工程をコンピュータに実行させるためのプログラム。
  12. 請求項10に記載の記録装置の制御方法の工程をコンピュータに実行させるためのプログラムを記憶したコンピュータが読み取り可能な記憶媒体。
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