JP2016043294A - セラミックフィルタおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】セラミックフィルタの基材端部に施されるシール箇所の、耐食性および強度の向上を図る技術を提供すること。
【解決手段】セラミック多孔体からなる隔壁により流体の流路が形成された基材9と、前記隔壁の表面に形成されたろ過膜10と、前記基材の端面に形成されたシール層11からなるセラミックフィルタであって、前記シール層11を、気孔率が10%以下かつ、前記シール層の結晶質量が80%以上の緻密質セラミックスで構成した。
【選択図】図1

Description

本発明は、セラミックフィルタおよびその製造方法に関する。
セラミックフィルタ1の構造として、図3に示すように、セラミック多孔体からなる隔壁2により流体の流路3が形成されたものを基材4とし、その隔壁2の表面にろ過膜5を形成し、基材4の端部にガラスシール6を施した構造が開示されている(特許文献1)。
このセラミックフィルタ1は、O−リング7を介して、ハウジング8内に収納して使用され、このO−リング7によって、基材4の外周面と端部とがシールされる構造となっている。ここで、上記のように、基材4の端部は、ガラスシール6で被覆されているため、被処理流体は、図3に実線(F)で示すように、必ず、流路3と、流路3の表面に形成されたろ過膜5を透過して、基材の外周面から流出することになる。当該構造によれば、図3に破線(F´)で示すように、基材の端部から基材の内部に浸入した被処理流体が、ろ過膜5での濾過を経ず、基材の外周面から流出してしまう現象を回避し、目的とする濾過を確実に行うことができる。
なお、セラミックフィルタは、繰り返し使用に伴い、濾別された物質がろ過膜5の表面に堆積して、フィルタとしての処理能力が低下していくため、定期的に苛性ソーダ等の薬液による洗浄処理(以下、薬洗という)が施される。
しかし、特許文献1のように、基材4の端部をガラスシール6で被覆したセラミックフィルタでは、薬洗の繰り返しにより、ガラスシールと基材の境界面が浸食される傾向があり、その耐食性が十分ではない問題があった。
なお、セラミックフィルタの基材の端部に、基材もしくはろ過膜と同じ組成のセラミックを含浸後、乾燥および焼成の各工程を経て、平均細孔径1μ以下の含浸ゾーンを形成し、基材端部をシールする技術も開示されている(特許文献2)。
しかし、上記の含浸ゾーンは多孔質材料(細孔が非常に沢山ある材料)で構成されるため、強度に劣り、シール表面が欠けやすい問題があった。
特開2006−263498号公報 特開昭61−8106号公報
本発明の目的は前記の問題を解決し、セラミックフィルタの基材端部に施されるシール箇所の、耐食性および強度の向上を図る技術を提供することである。
本発明では上記課題を解決するために、セラミック多孔体からなる隔壁により流体の流路が形成された基材と、前記隔壁の表面に形成されたろ過膜と、前記基材の端部に形成されたシール層からなるセラミックフィルタにおいて、前記シール層を、気孔率が10%以下かつ、前記シール層の結晶質量が80%以上の緻密質セラミックスとする構成を採用している。このシール層は、基材もしくはろ過膜と同一組成のセラミックスで形成することが好ましく、溶射法で基材表面に積層された溶射層であることが好ましい。
上記のように、本発明では、セラミック多孔体からなる隔壁により流体の流路が形成された基材と、前記隔壁の表面に形成されたろ過膜と、前記基材の端部に形成されたシール層からなるセラミックフィルタにおいて、前記シール層を、気孔率が10%以下かつ、前記シール層の結晶質量が80%以上の緻密質セラミックスとする構成を採用しているため、ガラスシールで基材の端部をシールした従来技術(特許文献1に記載の従来技術)と比べて、シール箇所の耐食性向上を図ることができる。また、同構成(シール層を、気孔率が10%以下かつ、前記シール層の結晶質量が80%以上の緻密質セラミックスとする構成)により、基材もしくはろ過膜と同じ組成のセラミック多孔体で基材の端部をシールした従来技術(特許文献2に記載の従来技術)と比べて、シール箇所の強度向上を図ることができる。
なお、特許文献1の技術では、基材の端部にガラスフリットのスラリーを塗布し、乾燥した後、高温で焼成するという方法でシールを行っており、特許文献2の技術では、基材の端部に、基材もしくは分離膜と同組成のセラミックを含浸させ、乾燥した後、高温で焼成するという方法でシールを行っており、何れも、焼成に手間がかかり、コストも嵩むという欠点があったが、請求項5記載の発明のように、シール層を、溶射法で基材表面に積層された溶射被膜からなるものとすることにより、焼成が不要となるため、コストを抑えつつ簡易なプロセスで、シール層の形成を行うことができる。
本実施形態のセラミックフィルタをハウジングに充填して使用した状態を示す概念図であり、セラミックフィルタを中心軸に沿って切断した切断面を側方から見た概略断面図である。 他の実施形態のセラミックフィルタをハウジングに充填して使用した状態を示す概念図であり、セラミックフィルタを中心軸に沿って切断した切断面を側方から見た概略断面図である。 従来技術の説明図である。
以下に本発明の好ましい実施形態を示す。
本発明のセラミックフィルタは、図1に示すように、セラミック多孔体からなる隔壁により流体の流路が形成された基材9と、前記隔壁の表面に形成されたろ過膜10と、前記基材の端部に形成されたシール層11からなるものであって、前記シール層を、気孔率が10%以下かつ、前記シール層の結晶質量が80%以上の緻密質セラミックスで構成したものである。本明細書において、「基材の端部」とは、少なくとも基材の端面12を含み、必要に応じて、その近傍の基材の側面13を含めた箇所を意味する。
基材9は、1〜30μmの平均細孔径を有する多孔体であり、その好ましい形状は、単一の流通路を有するチューブ状、並行する多数の流通路を有するハニカム状又はモノリス状である。なお、本明細書における「基材の平均細孔径」とは、水銀圧入法により測定された平均細孔径を意味する。
基材9は、少なくとも骨材と焼結助剤(I)が焼結されることにより形成され、例えば骨材と焼結助剤(I)に有機バインダーなどの成形助剤と必要により界面活性剤等が添加され混練されてなる坏土がハ二カム形状等に押し出し成形され乾燥された後焼成されて形成される。焼成温度は、好ましくは1200〜1550℃であり、最高温度での焼成時間は好ましくは1〜2時間である。骨材は基材の主成分を構成するセラミック製の粒子であり、例えばアルミナ、ムライト、コージェライト、炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミニウム、陶磁器屑等の粒子が好ましく、濾過の目的に適合するように適宜選択される。骨材の平均粒子径は好ましくは5〜200μm程度である。骨材は、骨材と焼結助剤(I)の合計を基準として好ましくは65〜90質量%含まれ、焼結助剤(I)は好ましくは10〜35質量%含まれる。
ろ過膜10はセラミックフィルタの濾過機能を確保するための部材であって、基材9上に形成されるセラミックの多孔体であり、基材9の平均細孔径よりも小さい平均細孔径を有する。なお、本明細書における「ろ過膜の平均細孔径」とは、ASTM F316に記載のエアフロー法により測定された平均細孔径を意味する。
ろ過膜10は、セラミック粒子と好ましくは焼結助剤(II)を含む原料が基材9上に施与されて焼成されることによって形成され、例えばセラミック粒子と焼結助剤(II)が水等の分散媒中に分散され、必要に応じて有機バインダー、pH調整剤、界面活性剤、消泡剤等が添加されてなる製膜用スラリーが基材9上、好ましくは被処理流体の流通路内面に施与され乾燥された後焼成され形成される。焼成温度は、好ましくは900〜1530℃であり、最高温度の時間は好ましくは1時間である。ろ過膜10を形成するために用いられるセラミック粒子には、上述の骨材と同様の材料を使用することができるが、好ましい平均粒子径は0.1〜5μm程度である。より小さい粒子径を選択することにより、焼成後の細孔径が小さくなるため、粒子径は濾過の目的に応じて適切な細孔径となるよう適宜選択される。セラミック粒子は、セラミック粒子と焼結助剤の合計を基準として好ましくは85〜95質量%含まれ、焼結助剤は好ましくは5〜15質量%含まれる。
シール層11は、基材9の端部から被処理流体が基材9内部に侵入することを防止するための部材であり、基材9の両端部を被覆するように形成される。シール層11は、基材9の両端部近傍のろ過膜10の一部を被覆するように形成することもできる。
シール層11は、アルミナ、チタニア、ジルコニア等、ガラスよりも耐食性に優れた材質で形成することが好ましく、基材9もしくはろ過膜10と同一組成のセラミックスで形成して、熱膨張差が小さくなるようにすることがより好ましい。
本実施形態のシール層11は、セラミック粒子を溶射法で基材表面に積層して形成した緻密な溶射被膜からなり、本明細書において、「緻密な」溶射被膜とは、気孔率が10%以下の溶射被膜を意味する。
上記の「溶射法」とは、セラミックの微粉末(以下、「溶射材料」という。)を加熱して溶融状態とし、対象物の表面に吹き付けることにより溶射被膜を形成する方法を意味する。加熱の方法により燃焼炎を用いるガス溶射、アークを用いるアーク溶射等、種々の方法が存在するが、本発明においてはプラズマジェットを用いるプラズマ溶射により溶射被膜を形成することが好ましい。なお、プラズマ溶射の中でも、ガスプラズマ溶射による溶射被膜は、最大膜厚が300μm程度であるが、水(安定化)プラズマ溶射によれば最大膜厚1000μm程度の厚い被膜を形成することができる他、水(安定化)プラズマ溶射は、比較的ポーラスで表面が荒れた被膜を形成でき、基材に対する密着性が向上するなど、特性が異なるため、所望の膜厚等に応じて、適宜最適なものを選択することが好ましい。
このように、シール層を、溶射法で基材表面に積層された溶射被膜からなるものとすることにより、焼成が不要となるため、コストを抑えつつ簡易なプロセスで、シール層の形成を行うことができる。その他、特許文献2のように、基材の端部に、基材もしくは分離膜と同組成のセラミックを含浸させ、乾燥した後、焼成してシールを形成する場合、緻密なシール層を得るためにはセラミックフィルタの最高焼成温度より高い温度で焼成する必要があるため、ろ過膜10の細孔径が変化したり、また焼成収縮によりシール層11にもクラックが生じる等の不具合を生じるが、本実施形態のように、シール層を、溶射法で基材表面に積層された溶射被膜からなるものとした場合、溶射材料が吹き付けられた箇所のみが、スポット的に高温になるに留まるため、前記の各不具合を回避することができる。
溶射材料の平均粒径は、セラミックフィルタに要求される発泡特性に応じ選択すればよいが、平均粒径が、ろ過膜の平均細孔径の500倍以下であるセラミック粒子を用いることが好ましい。
具体的溶射方法は特に限定されないが、図1に示すようなシール層11を形成する場合には、基材の端部に形成されたシール層11のうち、基材9の端面12を被覆する箇所を、溶射されるセラミック粒子が基材の端面に垂直に吹き付けられるよう、基材端面に対し、溶射角度90°で溶射して形成し、基材9の側面13を被覆する箇所を、溶射されるセラミック粒子が基材の側面と垂直に吹き付けられるよう、基材端面に対し、溶射角度0°で溶射して形成することが好ましい。また、図2に示すようなシール層11を形成する場合には、溶射されるセラミック粒子が基材端面に対して15°〜75°傾斜させた角度から吹き付けられるよう、基材端面に対し、溶射角度15°〜75°で溶射を行うことが好ましい。また、300mm以上の長尺基材の端部に溶射する場合、基材が湾曲している場合があるので、溶射する端面近くを固定して、基材を回転させながら、回転させながら溶射を行うことが好ましい。その他、セラミック粒子の溶射に用いる溶射ノズルを2次元的に移動させながら、該基材にセラミック粒子を溶射する等、適宜最適な手法を採用することができる。その他、必要に応じて、溶射を行う前にブラストによる表面処理を行うこともできる。
シール層11の形成は、ろ過膜10の形成後に行ってもよいし、ろ過膜10の形成前に行ってもよい。その他、第一のろ過膜を形成後、シール層を形成し、その後、更に、第二のろ過膜を形成することもできる。
本発明では、シール層11を、気孔率が10%以下かつ、前記シール層の結晶質量が80%以上の緻密質セラミックスで構成することにより、シール箇所の、耐食性および強度の向上を実現している。気孔率が10%を超過すると、従来の多孔質セラミックによってシールした場合と同様に、強度が低下するため好ましくなく、結晶質量が80%未満の場合、非晶質成分が増加し、従来のガラスシールの場合と同様に、シール箇所の耐食性が低下するため好ましくない。
なお、セラミックフィルタに要求される分離性能に応じて、前記セラミックフィルタを、O−リングを介してハウジング内に収納して使用される際にO−リングと接触する箇所に、研削加工を施すこともできる。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例により限定されるものではない。実施例及び比較例において、セラミック多孔体からなる隔壁により流体の流路が形成された基材と、前記隔壁の表面に形成されたろ過膜と、前記基材の端部に形成されたシール層からなるセラミックフィルタを作成した。
実施例及び比較例において、以下の材料を使用した。下記の各「平均粒径」は、レーザ回折式粒度測定装置を用いて測定した。
骨材:平均粒子径80μmのアルミナ質研磨剤
セラミック粒子:平均粒子径2.0μmの微粒アルミナ(ろ過膜用)
材料1:カリ長石とカオリンを微粉砕し混合した材料 平均粒子径0.8μm
材料2:陶磁器用釉薬 (平均粒子径0.6μm)を1350℃で溶融、冷却後0.8μmに粉砕して得られたフリット
(実施例1〜5、比較例1,2のセラミックフィルタの製造)
骨材と焼結助剤の合計質量を基準として、85質量%の骨材と、焼結助剤として15質量%の材料1と、これらの合計100質量部に対して4.5質量部のメチルセメロースと1.0質量部の界面活性剤が混合されて、複数の流通路を有するハニカム形状の基材が押出成形された。この成形体が乾燥された後、1500℃で2時間焼成されて平均細孔径10μmの基材9が得られた。
次に、セラミック粒子と焼結助剤の合計質量を基準として、90質量%のセラミック粒子と、焼結助剤として10質量%の材料2が混合され、この混合物30質量部に対して70質量部の水が添加されたスラリー100質量部に濾過抵抗材として0.6質量部の有機バインダーCMC(カルボキシメチルセルロース)が添加されて得られたろ過膜形成用コート液が、基材の流通路内面に濾過方式で200μmの厚さでコートされ乾燥された後1400℃で1時間焼成されて平均細孔径0.5μmのろ過膜10が形成された。
最後に、この基材9の端部および該端部近傍のろ過膜10部分を覆うようにして、下記表2に示す各条件(材質および溶射角度)でシール層が形成され実施例1〜5、比較例1,2のセラミックフィルタが得られた。なお、シール層形成には、平均粒径30μmのアルミナを使用した。
(実施例6のセラミックフィルタの製造)
上記「実施例1〜5、比較例1,2」と同様にして得たセラミックフィルタの内周面(即ち、ろ過膜10の表面)に、更に、厚さ10μm、平均細孔径が0.1μmのチタニア多孔体からなるろ過膜を形成することにより実施例6のセラミックフィルタを得た。このチタニア多孔体からなるろ過膜の形成は、骨材粒子としての平均粒径0.5μmのチタニア粒子に対し、水、分散剤、及び増粘剤を加えて混合することによりスラリーを調製し、そのスラリーを用い、濾過方式によりろ過膜10の内周面に成膜を行い、乾燥した後、950℃で1時間焼成を行って前記のチタニア多孔体からなるろ過膜を形成した。最後に、この基材9の端部および該端部近傍のろ過膜10およびチタニア多孔体からなるろ過膜部分を覆うようにして、下記表2に示す材質および溶射角度の条件でシール層が形成され、実施例6のセラミックフィルタが得られた。なお、シール層形成には、平均粒径30μmのチタニアを使用した。
(比較例3のセラミックフィルタの製造)
上記「実施例1〜5、比較例1,2」と同様にして、基材9とろ過膜10を形成し、この基材9の端部および該端部近傍のろ過膜10部分を覆うようにして、ガラスシール用のスラリーが塗布され、950℃で1時間焼成されて比較例3のセラミックフィルタが得られた。
ガラスシールの形成は、具体的には、以下のようにして行った。まず、フリットとして、表1に記載のガラス原料を1600℃で溶融して均一化し、これを冷却した後に平均粒径15μmとなるように粉砕したものを用意した。そのフリットに対し、水、及び有機バインダを加えて混合することによりスラリーを調製した。そのスラリーをセラミックフィルタの両端部に塗布し、乾燥した後、950℃で1時間焼成することにより、ガラスシールを備えたセラミックフィルタを得た。
上記のようにして得られた、各シール層を備えたセラミックフィルタについて、結晶質量および気孔率を求めるとともに、耐食性および強度の評価を行った結果を表2に示している。結晶質量はX線回折による標準物を使用した検量線法により算出して求め、気孔率はシール層の断面を電子顕微鏡画像解析で二値化により算出して求めた。耐食性および強度は、以下の方法により評価した。
(耐食性の評価方法)
洗浄用薬液として、2質量%クエン酸水溶液と、有効塩素5000ppmの次亜塩素酸ナトリウム水溶液とを用意した。これらの薬液の液温を30℃に調整した後、各々の薬液に、セラミックフィルタを6時間ずつ交互に浸漬する操作を1サイクルとしてこのサイクルを複数回繰り返した。浸漬操作10回毎に、JIS K3832に記載のバブルポイント法試験に準拠して、シール層の部分の発泡圧を測定し、その値の変化からセラミックフィルタの耐食性を評価した。具体的には、シール層の部分の発泡圧が100kPa以上であればセラミックフィルタの劣化がないものと判断し、100kPaを下回るまでの回数を基準に耐食性の優劣を評価した。
(強度の評価方法)
先端R0.5mmの鉄製ピンに1kgの荷重を加え、30mm/secで移動させてシール層を引っ掻き、傷発生の有無を評価した。
表2に示すように、シール層を、「気孔率が10%以下かつ、前記シール層の結晶質量が80%以上の緻密質セラミックス」で構成した実施例1〜6については、何れも、良好な耐食性と強度を示すことが確認された。一方、「気孔率が10%以下」の要件を満足しない比較例1では、実施例1〜6に比べて、強度が劣ることが確認され、「結晶質量が80%以上」の要件を満足しない比較例2では、実施例1〜6に比べて、耐食性が劣ることが確認された。また、シール層を、ガラスで形成した比較例3でも、実施例1〜6に比べて、耐食性が劣ることが確認された。
1 セラミックフィルタ
2 隔壁
3 流路
4 基材
5 ろ過膜
6 ガラスシール
7 O−リング
8 ハウジング
9 基材
10 ろ過膜
11 シール層
12 端面
13 側面

Claims (12)

  1. セラミック多孔体からなる隔壁により流体の流路が形成された基材と、前記隔壁の表面に形成されたろ過膜と、前記基材の端部に形成されたシール層からなるセラミックフィルタであって、
    前記シール層を、気孔率が10%以下かつ、前記シール層の結晶質量が80%以上の緻密質セラミックスで構成したことを特徴とするセラミックフィルタ。
  2. 前記基材が、チューブ型もしくはモノリス型の形状を有することを特徴とする請求項1記載のセラミックフィルタ。
  3. 前記シール層を、前記基材もしくはろ過膜と同一組成のセラミックスで形成したことを特徴とする請求項1記載のセラミックフィルタ。
  4. 前記シール層を、アルミナ、チタニア、ジルコニアのうち少なくとも1つを含むセラミックスで形成したことを特徴とする請求項1記載のセラミックフィルタ。
  5. 前記シール層が、溶射法で基材表面に積層された溶射被膜からなることを特徴とする請求項1記載のセラミックフィルタ。
  6. 前記シール層の内、前記セラミックフィルタを、O−リングを介してハウジング内に収納して使用される際、前記O−リングと接触する箇所に、研削加工を施したことを特徴とする請求項6記載のセラミックフィルタ。
  7. 請求項1記載のセラミックフィルタを製造する方法であって、前記基材の両端部に、セラミック粒子を溶射法で積層して、前記シール層を形成することを特徴とするセラミックフィルタの製造方法。
  8. 前記セラミック粒子の平均粒径が、ろ過膜の平均細孔径の500倍以下であることを特徴とする請求項7記載のセラミックフィルタの製造方法。
  9. 前記シール層のうち、基材の端面に形成されるシール層を、前記セラミック粒子を基材端面に対し溶射角度90°で溶射して形成し、基材の側面に形成されるシール層を、前記セラミック粒子を基材端面に対し溶射角度0°で溶射して形成したことを特徴とする請求項8記載のセラミックフィルタの製造方法。
  10. 前記シール層を、前記セラミック粒子を基材端面に対し溶射角度15°〜75°で溶射して形成したことを特徴とする請求項8記載のセラミックフィルタの製造方法。
  11. 前記シール層を、前記基材を回転させながら、該基材にセラミック粒子を溶射して形成することを特徴とする請求項9または10記載のセラミックフィルタの製造方法。
  12. 前記シール層を、前記セラミック粒子の溶射に用いる溶射ノズルを前記基材に対し相対的に2次元的に移動させながら、該基材にセラミック粒子を溶射して形成することを特徴とする請求項9〜11の何れかに記載のセラミックフィルタの製造方法。
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