JP2002137905A - ガス精製装置およびこれを用いた燃料電池 - Google Patents
ガス精製装置およびこれを用いた燃料電池Info
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Abstract
することの可能な、耐熱性に富んだガス精製装置を提供
する。 【解決手段】水素と水蒸気と一酸化炭素を含有するガス
が導入されたときに、水素濃度65%以上、水蒸気濃度
33%以上および一酸化炭素濃度1000ppm以下の
混合ガスを得ることのできるように、内部に水素と水蒸
気を優先的に透過する無機材質の分離膜を配置するよう
にした。
Description
して発電する燃料電池に関し、炭化水素燃料を改質する
ことによって得られる水素と水蒸気を同時に高濃度に
し、かつ燃料電池の被毒ガスである一酸化炭素濃度を低
減することのできるガス精製装置に関する。
型(PAFC)、溶融炭酸塩型(MCFC)、固体電解
質型(SOFC)、固体高分子型(PEFC)、直接メ
タノール改質型(DMFC)があり、水素ガスを燃料と
して発電するものは、リン酸型、固体高分子型、直接メ
タノール改質型である。この中で実用装置として販売さ
れている燃料電池はリン酸型燃料電池が中心であり、ま
た、最近自動車用、携帯用燃料電池として開発が積極的
に進められているのは固体高分子型燃料電池である。こ
の2種類の燃料電池は共に、水素ガスを燃料として発電
するものである。
組みを図7を用いて説明する。水素ガスが、水素極(ア
ノード側)78bにおいて、触媒の反応により水素イオ
ンと電子に分かれ、水素イオンが電解質78c中を通過
し、酸素極(カソード側)78aで酸素と外部の迂回路
を通ってきた電子と結合して水となる。このとき外部の
迂回路を通ってきた電子の流れが電流となり、発電する
ものである。
えばアンモニアや化石燃料(天然ガス、石油蒸留物、液
体プロパン、石炭ガスなど)、エタノール、メタノー
ル、バイオマスなどから製造することができるが、これ
らの炭化水素物質(原燃料)を燃料電池78の前段に付
けた改質器75により改質し、水素を含む改質ガス59
を得て、これを燃料とする内部改質型燃料電池システム
が提案、実用化されている。
ル改質型固体高分子燃料電池を例にとって説明する。
必要な水を100〜200℃の温度で気化器74で気化
させ、改質器75に送られる。
て、約200〜300℃において式(1)に示すような
反応を経て水素が製造される。 [水蒸気改質] CH3OH+H2O → CO2+3H2 ・・・式(1) また、始動時に水素製造速度を早めるために、大気を送
り込み、メタノールと大気を400〜600℃において
式(2)に示す反応により水素を製造する方法もある。
この場合は、Cu系の触媒や白金系の触媒が使用されて
いる。ただしこの場合、反応式から明らかなように、式
(1)の水蒸気改質と比較して水素濃度が減少する問題
もある。 [部分酸化改質] CH3OH+1/2O2+N2 → CO2+2H2+2N2 ・・・式(2) また、この両者を複合させた併用改質もある。この場合
は、改質温度が200〜600℃であり、Cu系や白金
系の触媒、またCuと白金を混合した触媒などが用い
ら、式(3)に示す反応式で水素が製造される。 [併用改質] CH3OH+1/3O2+4/3N2+1/3H2O →CO2+7/3H2+4/3N2 ・・・式(3) 始動性の面では、式(2)の部分酸化改質が望ましい
が、水素濃度が低くエネルギー収支も悪いため、水素濃
度が高く、エネルギー収支が理論上プラスになる式
(1)の水蒸気改質が定常状態では望ましいが、始動性
を考慮して式(3)の併用改質が利用されることが多
い。
一酸化炭素を二酸化炭素に変換する式(4)のシフト反
応(4)も同時に行われる。 [シフト反応] CO+H2O → CO2+H2 ・・・式(4) このようにして得られた改質ガス59は、水蒸気改質、
併用改質の場合、触媒によって異なるが水素(H2)約
50%、水蒸気(H2O)約25%、一酸化炭素(C
O)数%以下、残部二酸化炭素(CO2)、窒素(N2)
または未反応物となる。
化器77に導入される。一酸化炭素選択酸化器77で
は、少量の大気を導入することにより、H2リッチな改
質ガス中に含まれる微量の一酸化炭素を水素の酸化反応
より優先的に二酸化炭素に酸化させる触媒(例えばRu
系触媒)を充填させて、一酸化炭素を除去させる。一酸
化炭素は、燃料電池78の電解質膜の白金触媒の微粒子
に吸着してしまい、水素分子が白金触媒の微粒子に近づ
くのを物理的に阻害して、水素極78bの性能を著しく
低下させる(CO被毒)ため上記工程で一酸化炭素を除
去する。最近では、Pt−Ru系合金を中心とする水素
極78b側の触媒の改良により一酸化炭素濃度を数十p
pmまで低下させることにより性能低下が少なくなった
ものの、装置の大きさの問題を含め、一酸化炭素選択酸
化器77の改良は依然大きな問題である。
燃料電池78に送られる。このとき、燃料電池78の燃
料ガスが不足しないよう20〜30%程度過剰に燃料電
池78に送られる。燃料電池78では、前述したよう
に、燃料ガス64中の水素が触媒の反応により水素イオ
ンと電子に分かれ、水素イオン(プロトン:H+)が電
解質中を通過し、酸素極78aで酸素と外部の迂回路を
通ってきた電子と結合して水となる。このとき外部の迂
回路を通ってきた電子の流れが電流となり発電する。
な項目として、電解質の十分な導電性を確保するため
に、膜中に保水することが不可欠である。水素イオンは
膜中でも水和しており、電気浸透により水素極78bか
ら酸素極78aにH2O/2H+=2〜4の水を持ち去
る。それゆえ、特に水素極78b側の電極、電解質が乾
燥しやすいので、水分含有量を管理する必要がある。水
分管理は、加湿器75による強制加湿による方法と、原
燃料と共に送られる水を多めに供給することで賄う方法
とがある。
のままオフガス65として排出され、燃料の有効利用の
ため、再度改質器75の供給口に接続され、再利用され
る。また、オフガス65の一部は燃焼器79の燃焼ガス
として利用される。
高分子型燃料電池においては、一酸化炭素の被毒対策の
ために改質ガス中の一酸化炭素を除去すること、燃料電
池セルにおける電解質に水分を供給すること、改質型燃
料電池では水素濃度が低いためできるだけ高濃度にする
こと、以上が重要な課題である。
は、改質ガスの一酸化炭素成分の除去と、水素濃度の向
上を目的として、パラジウムを含有する合金からなる水
素分離膜から構成される水素精製器が提案されている。
この場合、水素分離膜を透過した改質ガスは1000p
pmの一酸化炭素を含んだ99.5%以上の水素ガスで
あり、水素濃度は高純度化されているものの、原理的に
水素のみが透過するため水蒸気も同時に除去することと
なる。このため、電解質の水分供給は加湿器による外部
からの強制加湿に依存することとなり、水素供給量の変
動に対応した加湿器の制御が必要となるという問題があ
った。
離膜を透過しなかった排ガス成分(水蒸気、一酸化炭
素、未反応の炭化水素、分離膜を透過しなかった水素)
は改質器などの加熱炉(燃焼器)の燃料として再利用す
るが、排ガス成分中に多量の水蒸気を含んでいるため
に、一旦水分分離器にて水蒸気を凝縮して分離する必要
が生じるという問題があった。
特開平8−338260号公報、特開平7−32076
3号公報等にも同じくパラジウム合金からなる水素分離
膜を用いた水素の精製手段が提案されているが、いずれ
も水蒸気を同時に透過させるものではなかった。
度化し燃料電池の発電効率を向上させ、一酸化炭素成
分を同時に低減し、かつ水蒸気を透過して水分供給を
容易にする手段はなかった。
鑑み、水素と水蒸気を優先的に透過する無機材質の分離
膜を備え、水素と水蒸気と一酸化炭素を含有するガスが
導入されたときに、水素濃度と水蒸気濃度の合計が90
体積%以上、水素濃度と水蒸気濃度の体積比率(水蒸気
濃度/水素濃度)が0.3〜6、かつ一酸化炭素濃度1
000ppm以下の混合ガスを得ることのできるガス精
製装置とすることにより、上記課題を解決できることを
見いだした。
0.5nm以下のSiとZrを含有する非晶質酸化物層
から構成されると、さらに好ましい。
0体積%の多孔質の無機質支持体表面に成膜すると、さ
らに好ましい。
接続したことを特徴とする水素極と酸素極を備えてなる
固体高分子型又はリン酸型燃料電池とするとさらに好ま
しい。
車用動力源として用いる燃料電池を発明するに至った。
説明する。
示す略図である。
ガス9が導入口1から導入され、筒状の支持体6中を通
過する。その際支持体6上に成膜された中間層12と分
離膜13を改質ガス9中の酸素と水蒸気が優先的に通過
し、、水素濃度と水蒸気濃度の合計が90体積%以上で
あり、水素濃度と水蒸気濃度の体積比率(水蒸気濃度/
水素濃度)が0.3〜6、かつ一酸化炭素濃度1000
ppm以下の混合ガス(透過ガス10)となって、透過
ガス排出口2より排出される。大流量の改質ガスが導入
され、水素と水蒸気の回収率を向上させる場合は、この
ガス精製装置を多数個配列させ分離膜13の膜面積を大
きくすると良い。
均気孔径が0.1〜1μmの多孔質アルミナなどの無機
多孔質体より構成される。支持体6の表面には平均細孔
径が1〜100nm、膜厚が約0.1〜5μmのγ−ア
ルミナなどのアルミニウム酸化物からなる中間層12が
存在する。さらに中間層12の上にはSi−Zr−O成
分の非晶質酸化物からなり、膜厚が1μm以下の分離膜
13が存在する。
ば、外径が3mm、内径が2mm、長さが300mmの
チューブ形状であり、約300本が保持板7と硼珪酸ガ
ラスで固定、封止してある。支持体6はお互いに0.5
mmの隙間を有して配する。保持板7は気孔率5体積%
以下のアルミナ焼結体からなる。
を介して、ステンレス製のハウジング4に挿入され、ガ
ス精製装置を成す。
量透過するように圧力弁5を絞ることによって、支持体
6内の圧力と透過側の圧力に差圧を設けることができ、
水素と水蒸気の透過効率が向上する。未透過ガス排出口
3からは水素と水蒸気濃度が低くなった排ガス(未透過
ガス11)が排出される。
は、耐熱性が350℃以上の無機材質の分離膜13から
構成されており、仮に長時間燃料電池システム中で使用
しても十分な耐熱性を有し、水素、水蒸気ガスが一酸化
炭素ガスの透過速度より優先的に透過するので改質ガス
9中の水素、水蒸気を高濃度化させたガスを製造するこ
とができる。
気濃度の合計が90体積%以上であり、水素濃度と水蒸
気濃度の体積比率(水蒸気濃度/水素濃度)が0.3〜
6、かつ一酸化炭素が1000ppm以下であることが
重要である。この理由を説明する。
めの燃料に相当し、また水蒸気は電解質の導電性を確保
するために不可欠な成分であるため、水素と水蒸気の合
計の濃度が90体積%未満になると、不要ガスが増加し
て、水素極28bの導電性電解質膜との接触頻度が低下
し、発電効率が低下する。
ために、出力の急激な変動は避けられないが、水蒸気濃
度と水素濃度の体積比率(水蒸気濃度/水素濃度)が
0.3未満であれば、導電性を確保するための水分を加
湿器に依存することとなり、供給水素の急激な変動に伴
う加湿器の急激な変動を余儀なくされ、加湿器の制御が
困難となるが、体積比率が0.3以上であれば、供給水
素の急激な変動が生じても加湿器は不足分の水分を補充
するだけで良く、加湿器にかかる負担が軽減でき、かつ
小型化が可能となる。水素濃度と水蒸気濃度の体積比率
(水蒸気濃度/水素濃度)が6を越えると、燃料である
水素が不足し、発電効率が低下する。
とが重要である。一酸化炭素は燃料電池触媒の被毒ガス
であり、一酸化炭素選択酸化器で100ppm以下に低
減させる必要があるが、100ppm以下とするために
は一酸化炭素選択酸化器が大型化する。1000ppm
以下であれば装置の小型化が可能となる。
気濃度の合計が90体積%以上であり、水素濃度と水蒸
気濃度の体積比率(水蒸気濃度/水素濃度)が0.3〜
6、かつ一酸化炭素が1000ppm以下であれば、装
置の小型化およびエネルギー効率の向上に寄与すること
が可能となるのである。
径0.5nm以下のSiとZrを含有する非晶質酸化物
層から構成されることが重要である。
で表されるシロキサン結合間にZrが介在するためにシ
ロキサン結合の安定性を高めることができ、高温下およ
び水分の存在下においても結合状態が変化することな
く、耐熱性を高めることができ、その結果、Si−Zr
−O成分の無機材質は耐熱性が350℃以上であり、改
質ガスの温度150℃以上に対しても十分な耐熱性を要
することができる。さらには、改質ガスが150℃以上
であるため、導入ガス(改質ガス9)分子のもつブラウ
ン運動も活発となり、水素と水蒸気の透過量も大きくな
り、すなわち耐熱性を有する無機材質であるために改質
ガスの温度エネルギーを有効に利用することが可能とな
る。前記SiとZrとの原子比(Zr/Si)は0.0
1〜1、特に0.1〜0.5の範囲内からなることが耐
熱性、耐水性の点で望ましい。
コンのアルコキシドとジルコニウムのアルコキシドをア
ルコール溶媒中で混合して複合アルコキシドを調整する
工程と、該複合アルコキシドを加水分解して前駆体ゾル
を作製する工程と、該前駆体ゾルを多孔質支持体の少な
くとも一方の表面に塗布して乾燥した後、350〜70
0℃の温度で焼成する工程とを具備することにより製造
される。さらに前記シリコンのアルコキシドがテトラア
ルコキシシランと有機官能基を有するトリアルコキシシ
ランの混合物であり、前記シリコンのアルコキシド全量
中における前記トリアルコキシシランの含有量が10〜
50モル%であることが望ましい。
アルコキシドとして前記テトラアルコキシシランと前記
有機官能基を有するトリアルコキシシランとからなるこ
とにより前記トリアルコキシシランの有機官能基がゾル
形成時に立体的な障害となる、すなわち加水分解による
シロキサン結合形成時に該有機官能基の周囲を取り囲む
ように環状のシロキサン結合が形成される。このため
に、ゾル中に前記有機官能基によって所望の大きさを有
するシロキサン結合の環状体、すなわち細孔骨格を形成
できる。
より、前記有機官能基が分解、除去され、細孔が形成さ
れるが、熱処理後にも膜中に前記有機官能基が残存する
ことによりシロキサン結合の過度の成長を阻害すること
ができることから、ガス分子オーダーの細孔径を有する
微細な細孔を残存させることができる。したがって、細
孔径の制御は、前記有機官能基の種類、添加量、熱処理
温度によって制御することが可能となる。
って分子サイズの異なるガスが分離されることとなる。
平均細孔径が0.5nmである場合を考えると、分離膜
13には0.5nmをピークとした細孔径分布が生じて
いるが、分子径の大きなガスは細孔を通過する確率が減
少するため、平均細孔径が0.5nmを越えると、分子
径の大きな一酸化炭素の透過量も大幅に増加し、水素、
水蒸気との選択性が低下する。すなわち、水素と水蒸気
は分子径が0.25〜0.30nmであり、一酸化炭素
は分子径が0.37nmであるため、平均細孔径が0.
5nm以下であれば分子径の小さな水素、水蒸気が分子
径の大きな一酸化炭素より透過しやすくなり、水素と水
蒸気濃度が向上したガスが得られることになる。平均細
孔径が0.5nmを越えると、全てのガスの透過量は向
上するが、ガスの篩い分けが不十分となり、一酸化炭素
濃度が1000ppm以上となって、燃料電池の触媒が
被毒する。さらには、平均細孔径が0.4nm以下、さ
らに望ましくは平均細孔径が0.3nm以下であれば一
酸化炭素濃度が100ppm以下とすることができる。
ては、細孔が非常に小さいため一般的な細孔径の測定方
法は適用できない。そこで、本発明者等は、例えばH
e、H 2O、H2、CO2、O2、CO、N2、CF4、SF
6等、分子径の異なるガスの透過率を測定することによ
り、平均細孔径を推定する手法を用いている。
持体6上に成膜される。無機材質の支持体6は、例えば
多孔質アルミナの支持体などが良い。支持体6は、ガス
の透過に対する抵抗が小さい方が良いので、気孔率が容
積比で20%以上、望ましくは30%以上必要である。
機械的特性を向上させるには気孔率を40%以下にした
方がよい。また、平均気孔径は、無機膜を均一に塗布し
てピンホールの発生を抑えるために、1μm以下、さら
には0.5μm以下であることが望ましい。1μm以下
の平均気孔径にするためにはセラミックの平均粒子径を
1μm以下、さらには0.5μm以下にすることが望ま
しい。また、圧力損失を小さくするために平均細孔径を
0.1μm以上、さらには0.5μm以上が望ましい。
分離膜13のピンホールの発生を抑えるために、セラミ
ック多孔質体体と無機膜の間に平均細孔径が1〜100
nm、膜厚0.1〜5μmの中間層12を設けても良
い。
支持体11を、チューブ状、ハニカム状、モノリス状、
板状に成形したものを1個または複数個束ねたり重ねた
りすることで表面積を向上させることができる。
m以上、内径は(内径)/(外径)が0.9以下のもの
が作製できるが、表面積を向上させるためには外径3m
m以下、(内径)/(外径)が0.5以上のものを複数
本束ねることが望ましい。この場合、チューブ間の隙間
は出来るだけ狭い方が装置容積当たりの表面積が向上す
るので望ましく、例えば、2mm以下、さらには0.5
mm以下、さらには0.1mm以下であることが望まし
い。次に束ねられたチューブ状のセラミック多孔質体は
保持板に挿入され保持されるとともに、導入ガスと、透
過ガスと未透過ガスが混合しないように封止される。保
持板は、チューブとの熱膨張差が小さくなるような材質
であることが望ましい。
混合しないようにするために保持板17は緻密な方が良
いが、多孔質体であっても表面をガラスで被覆するなど
して導入ガスと透過ガスが混合しないようにすればよ
い。
ラスペーストを塗布した後、ガラスの軟化温度以上で焼
成されて封止される。封止するための材質は、保持板7
と支持体11との熱膨張差が小さいガラスなどが望まし
いが、目的を達成するので有れば、耐熱樹脂、金属封止
材等であっても構わない。
を流れるガス中から透過したガスが気孔内を通じて側面
に排出される。また、幾つかの貫通口の一端を目封じし
て、透過ガスを回収しても良い。これらのものを複数個
束ねる場合は、チューブ状と同様に、透過ガスと混合ガ
スと未透過ガスが混合しないように封止することが重要
である。
ブ状、ハニカム状、モノリス状に限定されるものではな
く、平板状、波板状のものを貫通口を有するように複数
個積層して透過ガスを回収するなどでも構わない。
は、耐熱性が350℃以上の無機材質の分離膜13から
構成されており、仮に150℃のメタノール改質ガスや
350℃のガソリン改質ガス中に長時間曝されても十分
な耐熱性を有しており、水素ガス、水蒸気が一酸化炭素
ガスより優先的に透過するため水素、水蒸気の濃度を高
めることができる。
燃料電池について説明する。
のガス精製装置26を組み込んだときのシステム図であ
る。固体高分子型燃料電池28はプロトン導電性を有す
る高分子膜28cの両側を酸素極28aと水素極28b
で挟む一般的な構造である。
4に送り込まれて気化された後、改質器25にて水素、
水蒸気、一酸化炭素、窒素、二酸化炭素の改質ガス9と
なる。改質ガスは、ガス精製装置26において、水素濃
度と水蒸気濃度の合計が90体積%以上であり、水素濃
度と水蒸気濃度の体積比率(水蒸気濃度/水素濃度)が
0.3〜6、かつ一酸化炭素濃度1000ppm以下、
の混合ガスに精製された後、一酸化炭素選択酸化器27
において一酸化炭素を100ppm以下の最終燃料ガス
14となり、固体高分子型燃料電池28の水素極28b
に導かれる。水素極28bでは水素がプロトンと電子に
分離し、小型加湿器30によって加湿されたプロトン導
電性の高分子膜28c中をプロトンが移動し、酸素極2
8aにおいてブロワー23によって送り込まれた圧縮空
気16中の酸素と電気化学的に反応して水が生成する。
この様な反応が連続的に生じ、電子が連続的に流れるこ
とによって発電する。
おり、供給水素の急激な変動が生じても加湿器30は不
足分の水分を補充するだけで良く、加湿器30にかかる
負担が軽減できるため小型化が可能となり、燃料電池シ
ステム自体の小型化とエネルギー効率の向上に寄与す
る。
されなかった水素ガスを含んでいるため、再度燃料とし
て利用するために改質器25等に戻し、またオフガス1
5の一部は水分除去器31で水分を除去した後、燃焼器
29の燃料ガスとして利用される。燃焼器29は、気化
器24、改質器25、一酸化炭素選択酸化器27の加熱
用熱源であり、場合によってはガス精製装置26を加熱
しても良い。また、ガス精製装置26の未透過ガス11
中にも未回収の水素を含んでいるため、燃焼器29用の
燃料ガスとして利用される。この場合、水分除去が必要
な場合は小型水分除去器33で水分除去しても良いが、
ガス精製装置26を利用しないシステムと比較して、水
分除去器は非常に小型で十分である。以上のように、水
素の有効利用を行い、燃費の向上を図っている。
32で水分を除去された後、系外に排出される。水分除
去器31、32、33で除去された水分はメタノールの
改質反応に利用されたり、燃料電池の高分子膜の加湿に
用いられる。
が、メタノールに限られる物ではなく、ガソリンなどの
化石燃料(天然ガス、液体プロパン、石炭ガス、石油蒸
留物)、エタノール、バイオマスなど改質する事により
水素を発生する場合には、本システムは非常に有効とな
る。また、固体高分子型燃料電池システムに限られるも
のではなく、水素を燃料とするリン酸型燃料電池でも良
い。
用するが、空気から酸素富化空気を生成する酸素富化装
置、酸素分離膜等を本システムと同時に用いれば、起電
力の向上が可能となり、さらなる燃料電池の発電効果が
向上する。
み込まない従来の燃料電池システムと、図4に示す本発
明の燃料電池システムにおいて、表1に示す種々の平均
細孔径の分離膜を有するガス精製装置26を組み込んだ
ときの燃料電池特性を比較した。固体高分子型燃料電池
は、扁平型10セルスタックとし、圧力200KPa、
セル温度80℃のときの電流−電圧特性を図5に示し
た。また、ガス精製装置より排出される透過ガス10は
ガスクロマトグラフィーにより水素、水蒸気、一酸化炭
素濃度を測定して、表1に示した。
置26を組み込まない比較例1および平均細孔径が0.
5nmを越える分離膜13を有するガス精製装置を組み
込んだ比較例2は、水素濃度と水蒸気濃度の合計が90
体積%未満であり、かつ一酸化炭素濃度が1000pp
mを越えるため、セル電圧が大幅に低下している。これ
に対し、平均細孔径が0.5nm以下の分離膜を有する
ガス精製装置を組み込んだ実施例3〜5はセル電圧が高
いことから、本発明のガス精製装置が燃料電池の発電効
率の向上に寄与することがわかる。
24に送り込む水蒸気量を変化させ、平均細孔径0.4
nmの分離膜を有するガス精製装置26より排出される
透過ガス10の水蒸気濃度/水素濃度を表2のように変
化させ、このときの電流−電圧特性を測定した。固体高
分子型燃料電池は扁平型10セルスタックとし、圧力2
00KPa、セル温度80℃のときの電流−電圧特性を
図6に示した。また、ガス精製装置より排出される透過
ガス10はガスクロマトグラフィーにより水素、水蒸
気、一酸化炭素濃度を測定して、表2に示した。
度の体積比率(水蒸気濃度/水素濃度)が0.3未満の
比較例6は水蒸気量が少なく、水和して移動するプロト
ン量が不足するためセル電圧が低下した。また、水蒸気
濃度/水素濃度が6を越える比較例11は水素成分が少
ないため、高いセル電圧が得られなかった。水蒸気濃度
/水素濃度が0.3〜6である実施例7〜10は高いセ
ル電圧が得られたことから、本発明の水蒸気濃度/水素
濃度の範囲内であれば、燃料電池の発電効率の向上に寄
与することが分かる。
水素と水蒸気を優先的に透過する無機材質の分離膜を備
え、水素と水蒸気と一酸化炭素を含有するガスが導入さ
れたときに、水素濃度と水蒸気濃度の合計が90体積%
以上であり、水素濃度と水蒸気濃度の体積比率(水蒸気
濃度/水素濃度)が0.3〜6、かつ一酸化炭素濃度1
000ppm以下の混合ガスを得ることのできるガス精
製装置であって、本装置を水素極に接続した燃料電池
は、水素濃度の向上および加湿器や水分除去器の小型化
により、燃料電池システム全体の発電効率の向上と小型
化が可能となり、定置式発電源、または自動車用の動力
源として使用することが可能となる。
型燃料電池システムの構成図である。
一例を示す図である。
一例を示す図である。
である。
排出口 4;ハウジング 5;圧力弁 6;支持体 7;
保持板 8;Oリング 9;改質ガス 10;透過ガス
11;未透過ガス 12;中間層 13;分離膜 14;最終燃料ガス 15;水素極オフガス 16;圧縮空気 17;酸
素極オフガス 21、22、23;ブロワー 24;気化器 2
5;改質器 26;ガス精製装置 27;一酸化炭素選択酸化器
28;燃料電池 28a;酸素極 28b;水素極 29;燃焼器
30;小型加湿器 31、32、34;水分除去器 33;小型水分除去
器
Claims (5)
- 【請求項1】水素と水蒸気を優先的に透過する無機材質
の分離膜を備え、水素と水蒸気と一酸化炭素を含有する
ガスが導入されたときに、水素濃度と水蒸気濃度の合計
が90体積%以上、水素濃度と水蒸気濃度の体積比率
(水蒸気濃度/水素濃度)が0.3〜6、かつ一酸化炭
素濃度1000ppm以下の混合ガスを得ることのでき
るガス精製装置。 - 【請求項2】上記無機材質の分離膜が、平均細孔径が
0.5nm以下のSiとZrを含有する非晶質酸化物層
から構成されることを特徴とする請求項1記載のガス精
製装置。 - 【請求項3】上記無機材質の分離膜が、気孔率20〜4
0体積%の多孔質の無機質支持体表面に成膜してあるこ
とを特徴とする請求項1又は2記載のガス精製装置。 - 【請求項4】水素極と酸素極を有する固体高分子型また
はリン酸型の燃料電池において、請求項1〜3のいずれ
かに記載のガス精製装置を水素極側に接続したことを特
徴とする燃料電池。 - 【請求項5】定置式発電源、または自動車用の動力源と
して用いる請求項4記載の燃料電池。
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