JP2016041644A - シリコン材料の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】3層構造のCaSiを簡便な方法で6層構造のCaSiとし、当該CaSiを原料として用いたシリコン材料の製造方法を提供する。
【解決手段】3層構造CaSiを含むCaSiを400℃以上で加熱し、次いで150℃/h以上の速度で冷却する6層構造CaSi製造工程、
前記工程を経たCaSiを酸と反応させて層状シリコン化合物とする層状シリコン化合物製造工程、
前記層状シリコン化合物を300℃以上で加熱しシリコン材料とするシリコン材料製造工程、
を含むことを特徴とするシリコン材料の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、シリコン材料の製造方法に関するものである。
シリコン材料は半導体、太陽電池、二次電池などの構成要素として用いられることが知られており、そして、シリコン材料に関する研究が活発に行われている。
例えば、特許文献1には、CaSiを酸と反応させて層状シリコン化合物を合成することが記載されており、当該層状シリコン化合物を活物質として具備するリチウムイオン二次電池が好適な放電容量を示すことが記載されている。
特許文献2には、CaSiには3層構造と6層構造のものがあることが記載されており、6層構造のCaSiを活物質として具備するリチウムイオン二次電池が好適な容量維持率を示すことが記載されている。
そして、本発明者らは、特許文献3にて、CaSiと酸とを反応させてCaを除去した層状シリコン化合物を合成し、当該層状シリコン化合物を300℃以上で加熱して水素を離脱させたナノシリコン材料を製造したこと、及び、当該ナノシリコン材料を活物質として具備するリチウムイオン二次電池が好適な容量維持率を示すことを報告している。
また、非特許文献1には、3層構造CaSiと6層構造CaSiにおける層間隔が記載されており、3層構造CaSiの層間隔が6層構造CaSiの層間隔よりも広いことが記載されている(TABLE II)。
特開2011−090806号公報 特開2011−124180号公報 国際公開第2014/080608号
PHYSICAL REVIEW B, Volume56, Number20, 1997, p.13132-p.13140
上述したように、シリコン材料の原料として用いられるCaSiには3層構造と6層構造のものがある。そして、市販のCaSiには、3層構造のCaSi、6層構造のCaSi、そして、3層構造と6層構造が混在したCaSiがある。
本発明者はCaSiを原料とした層状シリコン化合物を合成し、次いで、当該層状シリコン化合物を加熱して水素を離脱させたシリコン材料を製造し、そして、当該シリコン材料を活物質として具備するリチウムイオン二次電池を試験したところ、6層構造が多いCaSiを原料として用いたシリコン材料を具備するリチウムイオン二次電池が、好適な初期容量を示すことを知見した。
かかる知見に因れば、6層構造が多いCaSiを原料として用いることが技術的には好ましい。しかし、6層構造のCaSiは高価であることから、産業的見地を考慮すると、廉価な3層構造のCaSi又は廉価な3層構造と6層構造が混在したCaSiを原料として用いることが好ましい。
本発明は、かかる事情に鑑みて為されたものであり、3層構造のCaSiを簡便な方法で6層構造のCaSiとし、当該CaSiを原料として用いたシリコン材料の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者が鋭意検討した結果、3層構造のCaSiを特定の温度以上で加熱し、次いで急冷することで6層構造のCaSiが得られることを発見した。そして、本発明者はかかる発見に基づき本発明を完成させた。
すなわち、本発明のシリコン材料の製造方法は、3層構造CaSiを含むCaSiを400℃以上で加熱し、次いで150℃/h以上の速度で冷却する6層構造CaSi製造工程、前記工程を経たCaSiを酸と反応させて層状シリコン化合物とする層状シリコン化合物製造工程、前記層状シリコン化合物を300℃以上で加熱しシリコン材料とするシリコン材料製造工程、を含むことを特徴とする。
本発明の製造方法により、廉価なCaSiを原料として用いた場合でも、好適なシリコン材料を提供できる。
実施例1〜5、比較例1のCaSi並びに6層構造CaSi及び3層構造CaSiのX線回折チャートである。 実施例1〜5、比較例1のCaSiについての3層構造と6層構造の比率を示すグラフである。 参考例1〜2のCaSi並びに6層構造CaSi及び3層構造CaSiのX線回折チャートである。 実施例1のシリコン材料及びシリコン結晶のX線回折チャートである。
以下に、本発明を実施するための最良の形態を説明する。なお、特に断らない限り、本明細書に記載された数値範囲「x〜y」は、下限xおよび上限yをその範囲に含む。そして、これらの上限値および下限値、ならびに実施例中に列記した数値も含めてそれらを任意に組み合わせることで数値範囲を構成し得る。さらに数値範囲内から任意に選択した数値を上限、下限の数値とすることができる。
本発明のシリコン材料の製造方法は、3層構造CaSiを含むCaSiを400℃以上で加熱し、次いで150℃/h以上の速度で冷却する6層構造CaSi製造工程、前記工程を経たCaSiを酸と反応させて層状シリコン化合物とする層状シリコン化合物製造工程、前記層状シリコン化合物を300℃以上で加熱しシリコン材料とするシリコン材料製造工程、を含むことを特徴とする。
まず、6層構造CaSi製造工程について説明する。6層構造CaSi製造工程は、3層構造CaSiを含むCaSiを、400℃以上で加熱し、次いで150℃/h以上の速度で冷却する工程である。なお、CaSiの結晶構造は、菱面体晶系であって反転対称のある3回軸と鏡映面を有するものであり、空間群R−3mで表される。ここで、「R−3m」において、「−3」は上線を付した3を表したものである。そして、CaSiの3層構造とは、Ca層及びSi層を1群とした層が3群積層したものである。同様にCaSiの6層構造とは、Ca層及びSi層を1群とした層が6群積層したものである。
6層構造CaSi製造工程の原料として用いられるCaSiとしては3層構造CaSiを含むものであればよく、市販の3層構造CaSiを用いても良いし、市販の3層構造と6層構造が混在したCaSiをそのまま用いても良い。3層構造と6層構造が混在したCaSiとしては、JIS G2314で規定される鉄鋼の製造に用いられるカルシウムシリコンが廉価であるため好ましい。CaSiは、あらかじめ粉砕及び/又は分級を行うことで、所望の粒子径にしておいてもよい。
3層構造CaSiを400℃以上で加熱することにより、3層構造が相転移して6層構造、他の構造又はアモルファス状態となると推定される。そして、6層構造、他の構造又はアモルファス状態となったCaSiを急冷することで、3層構造に再転移することを抑制しつつ、6層構造CaSiを得ることができる。
以下に示す評価例1の結果から、CaSiにおける3層構造の転移温度が350℃近辺にあると推定されるため、6層構造CaSi製造工程の加熱温度は400℃以上である。加熱温度が高いほど加熱時間を短くできるため、加熱温度は500℃以上が好ましく、600℃以上がより好ましく、680℃以上が特に好ましい。加熱温度が680℃以上であると、6層構造への相転移比率が著しく向上する。
加熱温度の上限は特に限定されないが、CaSiの融点が1100℃付近にあることから、例えば1200℃を挙げることができる。ここで、粉末状のCaSiを用いた場合、6層構造CaSi製造工程の加熱温度をCaSiの融点以下で行うと、CaSiの粉末状態を維持したまま当該工程を終了することができる。この場合、負極活物質としても使用し得る層状シリコン化合物を製造する際に、CaSiの再粉砕の必要がない。そのため、6層構造CaSi製造工程の加熱温度をCaSiの融点以下で行うのが好ましい。また、以下に示す評価例1の結果から、6層構造CaSi製造工程の加熱温度が700℃を超えると、3層構造CaSiが6層構造CaSiに転移する率の増加が抑えられることがわかる。これらの観点から、6層構造CaSi製造工程の加熱温度は1100℃以下が好ましく、より好ましくは1000℃以下、さらに好ましくは900℃以下、特に好ましくは800℃以下であるといえる。加熱時間は加熱温度に応じて適宜設定すればよい。
冷却速度は、150℃/h以上であればよい。敢えて冷却速度の上限を挙げると、300℃/h、400℃/h、500℃/hを例示できる。以下に示す参考例の結果から、冷却速度が50℃/hの場合には、原料に6層構造CaSiを用いたとしても3層構造CaSiに転移してしまうことがわかる。このことから、冷却速度50℃/h〜150℃/hの範囲内に、主に3層構造CaSiが製造されるか又は主に6層構造CaSiが製造されるかの分岐となる冷却速度があると推定される。
なお、6層構造CaSi製造工程を経たCaSiは、必ずしもすべてのCaSiが6層構造を示すわけではない。6層構造CaSi製造工程を経たCaSiは、原料として用いたCaSiよりも、6層構造の割合が高くなる。
次に、層状シリコン化合物製造工程について説明する。層状シリコン化合物製造工程は、6層構造CaSi製造工程を経たCaSiを酸と反応させて層状シリコン化合物とする工程である。
酸としては、フッ化水素酸、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、蟻酸、酢酸、メタンスルホン酸、テトラフルオロホウ酸、ヘキサフルオロリン酸、ヘキサフルオロヒ素酸、フルオロアンチモン酸、ヘキサフルオロケイ酸、ヘキサフルオロゲルマン酸、ヘキサフルオロスズ(IV)酸、トリフルオロ酢酸、ヘキサフルオロチタン酸、ヘキサフルオロジルコニウム酸、トリフルオロメタンスルホン酸、フルオロスルホン酸が例示される。これらの酸を単独又は併用して使用すれば良い。
特に、酸としては、フッ素アニオンを生じ得る酸を採用するのが好ましい。当該酸を採用することにより、層状シリコン化合物に生じ得るSi−O結合やSiと他の酸のアニオンとの結合(例えば、塩酸の場合にはSi−Cl結合)を減少することができる。なお、層状シリコン化合物にSi−O結合やSi−Cl結合が存在すると、次工程のシリコン材料製造工程を経ても、シリコン材料にSi−O結合やSi−Cl結合が存在する場合がある。そして、Si−O結合やSi−Cl結合を有するシリコン材料を負極活物質として採用したリチウムイオン二次電池においては、Si−O結合やSi−Cl結合がリチウムイオンの移動を阻害すると推定される。
層状シリコン化合物製造工程にて用いる酸は、モル比にてCaSiよりも多く用いるのが好ましい。同工程は無溶媒で行ってもよいが、目的物の分離やCaClなどの副生物の除去の観点から溶媒として水を採用するのが好ましい。同工程の反応条件は、真空などの減圧条件又は不活性ガス雰囲気下とすることが好ましく、また、氷浴などの室温以下の温度条件とするのが好ましい。同工程の反応時間は適宜設定すれば良い。
酸として塩酸を用いた場合の層状シリコン化合物製造工程を理想的な反応式で示すと以下のとおりとなる。
3CaSi+6HCl→Si+3CaCl
上記反応式において、Siが理想的な層状シリコン化合物に該当する。この反応は、3層構造又は6層構造CaSiのCaが2Hで置換されつつ、Si−H結合を形成すると考えることもできる。層状シリコン化合物は、原料のCaSiにおけるSi層の基本骨格が維持されているため、層状をなす。
層状シリコン化合物製造工程においては、水存在下で行われるのが好ましく、そしてSiは水と反応し得るため、通常は、層状シリコン化合物がSiなる化合物で得られることはほとんどなく、SiOH(Xは酸のアニオン由来の元素若しくは基、x+y+z=6、0<x<6、0<y<6、0<z<6)で表される化合物として得られる。なお、ここでは、層状シリコン化合物に残存し得るCaなどの不可避不純物については、考慮していない。
上述の非特許文献1に記載されているように、3層構造CaSiの層間隔は6層構造CaSiの層間隔よりも広いことが知られている。そうすると、6層構造CaSiの層間には、3層構造CaSiの層間と比較して、水分子などが侵入しにくいと推定される。したがって、3層構造CaSiを原料とした層状シリコン化合物と、6層構造CaSiを原料とした層状シリコン化合物とでは、SiOHにおけるx、y、zの値が変化すると推定される。具体的には、6層構造CaSiを原料とした層状シリコン化合物の方が、xが大きく、yが小さくなると推定される。
次に、シリコン材料製造工程について説明する。同工程は、前記層状シリコン化合物を300℃以上で加熱し、水素や水などを離脱させ、シリコン材料を得る工程である。
シリコン材料製造工程を理想的な反応式で示すと以下のとおりとなる。
Si→6Si+3H
ただし、シリコン材料製造工程に実際に用いられる層状シリコン化合物はSiOH(Xは酸のアニオン由来の元素若しくは基、x+y+z=6、0<x<6、0<y<6、0<z<6)で表される化合物であり、さらに不可避不純物も含有するため、実際に得られるシリコン材料は、SiH(Xは酸のアニオン由来の元素若しくは基、0<u+v+w<1、0≦u<1、0≦v<1、0≦w<1)で表され、さらに不可避不純物も含有するものとなる。上記シリコン材料の式において、uは0≦u<0.5の範囲内が好ましく、0≦u<0.3の範囲内がより好ましく、0≦u<0.1の範囲内がさらに好ましく、u=0が最も好ましい。上記シリコン材料の式において、vは0≦v<0.7の範囲内が好ましく、0≦v<0.5の範囲内がより好ましく、0≦v<0.3の範囲内がさらに好ましく、0≦v≦0.2の範囲内が特に好ましい。上記シリコン材料の式において、wは0≦w<0.7の範囲内が好ましく、0≦w<0.5の範囲内がより好ましく、0≦w<0.3の範囲内がさらに好ましく、0≦w≦0.2の範囲内が特に好ましい。
シリコン材料製造工程は、通常の大気下よりも酸素含有量の少ない非酸化性雰囲気下で行われるのが好ましい。非酸化性雰囲気としては、真空を含む減圧雰囲気、不活性ガス雰囲気を例示できる。加熱温度は、350℃〜950℃の範囲内が好ましく、400℃〜800℃の範囲内がより好ましい。加熱温度が低すぎると水素の離脱が十分でない場合があり、他方、加熱温度が高すぎるとエネルギーの無駄になる。加熱時間は加熱温度に応じて適宜設定すれば良く、また、反応系外に抜けていく水素などの量を測定しながら加熱時間を決定するのも好ましい。加熱温度及び加熱時間を適宜選択することにより、製造されるシリコン材料に含まれるアモルファスシリコン及びシリコン結晶子の割合、並びに、シリコン結晶子の大きさを調製することもでき、さらには、製造されるシリコン材料に含まれる、アモルファスシリコン及びシリコン結晶子を含むナノ水準の厚みの層の形状や大きさを調製することもできる。
本発明の製造方法で得られるシリコン材料(以下、「本発明のシリコン材料」ということがある。)は、例えばリチウムイオン二次電池の負極活物質として使用することができる。本発明のリチウムイオン二次電池は、本発明のシリコン材料を負極活物質として具備する。具体的には、本発明のリチウムイオン二次電池は、正極、本発明のシリコン材料を負極活物質として具備する負極、電解液及びセパレータを具備する。
正極は、集電体と、集電体の表面に結着させた正極活物質層を有する。
集電体は、リチウムイオン二次電池の放電又は充電の間、電極に電流を流し続けるための化学的に不活性な電子高伝導体をいう。集電体としては、銀、銅、金、アルミニウム、タングステン、コバルト、亜鉛、ニッケル、鉄、白金、錫、インジウム、チタン、ルテニウム、タンタル、クロム、モリブデンから選ばれる少なくとも一種、並びにステンレス鋼などの金属材料を例示することができる。集電体は公知の保護層で被覆されていても良い。集電体の表面を公知の方法で処理したものを集電体として用いても良い。
集電体は箔、シート、フィルム、線状、棒状、メッシュなどの形態をとることができる。そのため、集電体として、例えば、銅箔、ニッケル箔、アルミニウム箔、ステンレス箔などの金属箔を好適に用いることができる。集電体が箔、シート、フィルム形態の場合は、その厚みが1μm〜100μmの範囲内であることが好ましい。
正極活物質層は正極活物質、並びに必要に応じて導電助剤及び/又は結着剤を含む。
正極活物質としては、層状化合物のLiNiCoMn(0.2≦a≦1.5、0.5≦b+c+d+e≦1、0≦e<1、DはLi、Fe、Cr、Cu、Zn、Ca、Mg、S、Si、Na、K、Al、Zr、Ti、P、Ga、Ge、V、Mo、Nb、W、Laから選ばれる少なくとも1の元素、1.7≦f≦2.2)を挙げることができる。また、正極活物質として、LiMn、LiMn等のスピネル、及びスピネルと層状化合物の混合物で構成される固溶体、LiMPO、LiMVO又はLiMSiO(式中のMはCo、Ni、Mn、Feのうちの少なくとも一種から選択される)などで表されるポリアニオン系化合物を挙げることができる。さらに、正極活物質として、LiFePOFなどのLiMPOF(Mは遷移金属)で表されるタボライト系化合物、LiFeBOなどのLiMBO(Mは遷移金属)で表されるボレート系化合物を挙げることができる。正極活物質として用いられるいずれの金属酸化物も上記の組成式を基本組成とすればよく、基本組成に含まれる金属元素を他の金属元素で置換したものも使用可能である。また、正極活物質として、充放電に寄与するリチウムイオンを含まない正極活物質材料、たとえば、硫黄単体(S)、硫黄と炭素を複合化した化合物、TiSなどの金属硫化物、V、MnOなどの酸化物、ポリアニリン及びアントラキノン並びにこれら芳香族を化学構造に含む化合物、共役二酢酸系有機物などの共役系材料、その他公知の材料を用いることもできる。さらに、ニトロキシド、ニトロニルニトロキシド、ガルビノキシル、フェノキシルなどの安定なラジカルを有する化合物を正極活物質として採用してもよい。リチウムを含まない正極活物質材料を用いる場合には、正極および/または負極に、公知の方法により、予めイオンを添加させておく必要がある。ここで、当該イオンを添加するためには、金属または当該イオンを含む化合物を用いればよい。
導電助剤は、電極の導電性を高めるために添加される。そのため、導電助剤は、電極の導電性が不足する場合に任意に加えればよく、電極の導電性が十分に優れている場合には加えなくても良い。導電助剤としては化学的に不活性な電子高伝導体であれば良く、炭素質微粒子であるカーボンブラック、黒鉛、アセチレンブラック、ケッチェンブラック(登録商標)、気相法炭素繊維(Vapor Grown Carbon Fiber:VGCF)、および各種金属粒子などが例示される。これらの導電助剤を単独または二種以上組み合わせて活物質層に添加することができる。
活物質層中の導電助剤の配合割合は、質量比で、活物質:導電助剤=1:0.005〜1:0.5であるのが好ましく、1:0.01〜1:0.2であるのがより好ましく、1:0.03〜1:0.1であるのがさらに好ましい。導電助剤が少なすぎると効率のよい導電パスを形成できず、また、導電助剤が多すぎると活物質層の成形性が悪くなるとともに電極のエネルギー密度が低くなるためである。
結着剤は、活物質や導電助剤を集電体の表面に繋ぎ止め、電極中の導電ネットワークを維持する役割を果たすものである。結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素ゴム等の含フッ素樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド等のイミド系樹脂、アルコキシシリル基含有樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸等のアクリル系樹脂、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、カルボキシメチルセルロースを例示することができる。これらの結着剤を単独で又は複数で採用すれば良い。
活物質層中の結着剤の配合割合は、質量比で、活物質:結着剤=1:0.001〜1:0.3であるのが好ましく、1:0.005〜1:0.2であるのがより好ましく、1:0.01〜1:0.15であるのがさらに好ましい。結着剤が少なすぎると電極の成形性が低下し、また、結着剤が多すぎると電極のエネルギー密度が低くなるためである。
負極は、集電体と、集電体の表面に結着させた負極活物質層を有する。集電体については、正極で説明したものを適宜適切に採用すれば良い。負極活物質層は負極活物質、並びに必要に応じて導電助剤及び/又は結着剤を含む。
負極活物質としては、本発明のシリコン材料を含むものであればよく、本発明のシリコン材料のみを採用してもよいし、本発明のシリコン材料と公知の負極活物質を併用してもよい。
負極に用いる導電助剤及び結着剤については、正極で説明したものを同様の配合割合で適宜適切に採用すれば良い。
集電体の表面に活物質層を形成させるには、ロールコート法、ダイコート法、ディップコート法、ドクターブレード法、スプレーコート法、カーテンコート法などの従来から公知の方法を用いて、集電体の表面に活物質を塗布すればよい。具体的には、活物質、溶剤、並びに必要に応じて結着剤及び/又は導電助剤を混合し、ペーストを調製する。上記溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドン、メタノール、メチルイソブチルケトン、水を例示できる。該ペーストを集電体の表面に塗布後、乾燥する。電極密度を高めるべく、乾燥後のものを圧縮しても良い。
電解液は、非水溶媒と非水溶媒に溶解した電解質とを含んでいる。
非水溶媒としては、環状エステル類、鎖状エステル類、エーテル類等が使用できる。環状エステル類としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ガンマブチロラクトン、ビニレンカーボネート、2−メチル−ガンマブチロラクトン、アセチル−ガンマブチロラクトン、ガンマバレロラクトンを例示できる。鎖状エステル類としては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、エチルメチルカーボネート、プロピオン酸アルキルエステル、マロン酸ジアルキルエステル、酢酸アルキルエステル等を例示できる。エーテル類としては、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジブトキシエタンを例示できる。非水溶媒としては、上記具体的な溶媒の化学構造のうち一部又は全部の水素がフッ素に置換した化合物を採用しても良い。
電解質としては、LiClO、LiAsF、LiPF、LiBF、LiCFSO、LiN(CFSO等のリチウム塩を例示できる。
電解液としては、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、プロピレンカーボネート、ジエチルカーボネートなどの非水溶媒に、LiClO、LiPF、LiBF、LiCFSOなどのリチウム塩を0.5mol/Lから1.7mol/L程度の濃度で溶解させた溶液を例示できる。
セパレータは、正極と負極とを隔離し、両極の接触による電流の短絡を防止しつつ、リチウムイオンを通過させるものである。セパレータとしては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリイミド、ポリアミド、ポリアラミド(Aromatic polyamide)、ポリエステル、ポリアクリロニトリル等の合成樹脂、セルロース、アミロース等の多糖類、フィブロイン、ケラチン、リグニン、スベリン等の天然高分子、セラミックスなどの電気絶縁性材料を1種若しくは複数用いた多孔体、不織布、織布などを挙げることができる。また、セパレータは多層構造としてもよい。
次に、リチウムイオン二次電池の製造方法について説明する。
正極および負極に必要に応じてセパレータを挟装させ電極体とする。電極体は、正極、セパレータ及び負極を重ねた積層型、又は、正極、セパレータ及び負極を捲いた捲回型のいずれの型にしても良い。正極の集電体および負極の集電体から外部に通ずる正極端子および負極端子までの間を、集電用リード等を用いて接続した後に、電極体に電解液を加えてリチウムイオン二次電池とするとよい。また、本発明のリチウムイオン二次電池は、電極に含まれる活物質の種類に適した電圧範囲で充放電を実行されればよい。
本発明のリチウムイオン二次電池の形状は特に限定されるものでなく、円筒型、角型、コイン型、ラミネート型等、種々の形状を採用することができる。
本発明のリチウムイオン二次電池は、車両に搭載してもよい。車両は、その動力源の全部あるいは一部にリチウムイオン二次電池による電気エネルギーを使用している車両であればよく、たとえば、電気車両、ハイブリッド車両などであるとよい。車両にリチウムイオン二次電池を搭載する場合には、リチウムイオン二次電池を複数直列に接続して組電池とするとよい。リチウムイオン二次電池を搭載する機器としては、車両以外にも、パーソナルコンピュータ、携帯通信機器など、電池で駆動される各種の家電製品、オフィス機器、産業機器などが挙げられる。さらに、本発明のリチウムイオン二次電池は、風力発電、太陽光発電、水力発電その他電力系統の蓄電装置及び電力平滑化装置、船舶等の動力及び/又は補機類の電力供給源、航空機、宇宙船等の動力及び/又は補機類の電力供給源、電気を動力源に用いない車両の補助用電源、移動式の家庭用ロボットの電源、システムバックアップ用電源、無停電電源装置の電源、電動車両用充電ステーションなどにおいて充電に必要な電力を一時蓄える蓄電装置に用いてもよい。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。本発明の要旨を逸脱しない範囲において、当業者が行い得る変更、改良等を施した種々の形態にて実施することができる。
以下に、実施例および比較例などを示し、本発明をより具体的に説明する。なお、本発明は、これらの実施例によって限定されるものではない。以下において、特に断らない限り、「部」とは質量部を意味し、「%」とは質量%を意味する。
(実施例1)
以下のとおり、実施例1のシリコン材料を製造した。
CaSiとして、JIS G2314で規定される鉄鋼の製造に用いられるカルシウムシリコンを準備した。当該CaSiには、3層構造CaSi及び6層構造CaSiが22:78の比率で含まれる。CaSiを乳鉢で粉砕し、60メッシュの篩にかけた。60メッシュ篩passのCaSiを以下の工程に用いた。
・6層構造CaSi製造工程
上記CaSi50gをアルミナ製の坩堝に入れ、アルゴンガス雰囲気下の炉で700℃、12時間加熱した。アルゴンガス雰囲気下の炉内で、加熱後のCaSiを室温まで冷却速度150℃/hで冷却した。このようにして得たCaSiを実施例1のCaSiとする。
・層状シリコン化合物製造工程
氷浴中の36質量%HCl水溶液100mLに、アルゴンガス気流中にて上記実施例1のCaSi10gを加え、撹拌した。反応液から発泡の出現が無くなったのを確認した後に、さらに90分間撹拌した。反応液を濾過し、残渣を蒸留水、エタノール及びアセトンで洗浄し、さらに、室温で12時間以上減圧乾燥して8gの層状シリコン化合物を得た。
・シリコン材料製造工程
上記層状シリコン化合物8gをアルゴンガス雰囲気下、500℃で1時間加熱し、実施例1のシリコン材料を得た。
(実施例2)
6層構造CaSi製造工程の加熱温度を500℃とした以外は、実施例1と同様の方法で、実施例2のシリコン材料を得た。
(実施例3)
6層構造CaSi製造工程の加熱温度を650℃とした以外は、実施例1と同様の方法で、実施例3のシリコン材料を得た。
(実施例4)
6層構造CaSi製造工程の加熱温度を800℃とした以外は、実施例1と同様の方法で、実施例4のシリコン材料を得た。
(実施例5)
6層構造CaSi製造工程の加熱温度を900℃とした以外は、実施例1と同様の方法で、実施例5のシリコン材料を得た。
(比較例1)
6層構造CaSi製造工程を行わなかった以外は、実施例1と同様の方法で、比較例1のシリコン材料を得た。
(参考例1)
CaSiとして6層構造CaSiのみを含むものを準備した。
上記CaSi10gを炭素製の坩堝に入れ、アルゴンガス雰囲気下の炉で900℃、12時間加熱した。アルゴンガス雰囲気下の炉内で、加熱後のCaSiを室温まで冷却速度150℃/hで冷却し、参考例1のCaSiを得た。
(参考例2)
冷却速度を50℃/hとした以外は、参考例1と同様の方法で、参考例2のCaSiを得た。
(評価例1)
粉末X線回折装置にて、実施例1〜5、比較例1、参考例1〜2のCaSiのX線回折を測定した。なお、比較例1のCaSiとは、実施例1〜5の6層構造CaSi製造工程における原料である。実施例1〜5、比較例1のCaSiについて、得られたX線回折チャートを図1に示す。図1のX線回折チャートには、結晶データベースから引用した6層構造CaSiと3層構造CaSiのX線回折パターンについても記した。
図1から、比較例1のX線回折チャートには6層構造CaSiと3層構造CaSiの特徴的なピークが観察されることから、比較例1のCaSiは6層構造CaSiと3層構造CaSiの混合物であることがわかる。以下、加熱温度の上昇に伴い、比較例1のX線回折チャートに観察された3層構造CaSiに特徴的な左側の下矢印のピーク強度及び右側の下矢印のピーク強度が減少し、かつ、6層構造CaSiに特徴的な42°付近の上矢印のピーク強度が増加しているのがわかる。すなわち、加熱温度の上昇に伴い、より多くの3層構造CaSiが6層構造CaSiに相転移したといえる。
次に、株式会社リガクの統合粉末X線解析ソフトウェアPDXLのWPPF(Whole Powder Pattern Fitting)法を用いて、実施例1〜5、比較例1のCaSiについてのX線回折の結果から、各CaSiにおける3層構造と6層構造の比率を算出した。加熱温度の順に示した結果を表1に示し、6層構造の比率を示したグラフを図2に示す。
Figure 2016041644
表1及び図2の結果から、加熱温度が上昇するに従い、6層構造の比率が高くなることがわかる。特に、加熱温度650℃から700℃での6層構造の比率の向上は著しく、680℃付近に変曲点となる温度が存在すると推定される。また、図2のグラフに記載した点線の交点から、350℃近辺に3層構造CaSiの転移温度があると推定されるため、少なくとも400℃以上の加熱温度であれば3層構造CaSiが6層構造CaSiに相転移可能と推定される。
また、参考例1〜2のCaSiについて、得られたX線回折チャートを図3に示す。図3のX線回折チャートには、結晶データベースから引用した6層構造CaSiと3層構造CaSiのX線回折パターンについても記した。
図3から、冷却速度150℃/hの参考例1のCaSiは6層構造であり、冷却速度50℃/hの参考例2のCaSiは3層構造であることがわかる。すなわち、原料のCaSiが6層構造であったとしても、冷却速度50℃/hでは3層構造に相転移することがわかる。
(評価例2)
比較例1のCaSi、並びに、実施例1及び比較例1のシリコン材料の組成分析を、酸素については酸素窒素分析装置EMGA(株式会社堀場製作所)を用い、酸素以外の元素については蛍光X線分析装置を用いて行った。結果を表2に示す。表中の数値は質量%である。
Figure 2016041644
実施例1のシリコン材料は、比較例1のシリコン材料と比較して、酸素の含有量が少ないのがわかる。両者の酸素含有量の差は原料のCaSiの層構造の違いに因ると考えられる。
(評価例3)
粉末X線回折装置にて、実施例1のシリコン材料のX線回折を測定した。得られたX線回折チャートを図4に示す。図4のX線回折チャートには、結晶データベースから引用したシリコン結晶のX線回折パターンについても記した。
図4から、実施例1のシリコン材料にはシリコン結晶が存在することがわかる。また、図4を精緻に観察すると、20〜35°にアモルファスシリコンに由来するハローパターンがあるのがわかる。
(実施例6)
実施例1のシリコン材料を用いて、以下のとおり、実施例6のリチウムイオン二次電池を製造した。
負極活物質として実施例1のシリコン材料を45質量部、さらに負極活物質として黒鉛を40質量部、結着剤としてポリアミドイミドを10質量部、導電助剤としてアセチレンブラックを5質量部及び適量のN−メチル−2−ピロリドンを混合してスラリーとした。
集電体として厚さ20μmの電解銅箔を準備した。該銅箔の表面に、ドクターブレードを用いて上記スラリーが膜状になるように塗布した。スラリーが塗布された銅箔を80℃で20分間乾燥することでN−メチル−2−ピロリドンを揮発により除去し、その結果、表面に負極活物質層が形成された銅箔を得た。該銅箔を負極活物質層の厚みが20μmとなるように、ロールプレス機で圧縮して接合物を得た。この接合物を200℃で2時間減圧加熱乾燥し、実施例6の電極とした。
実施例6の電極を径11mmに裁断し、評価極とした。金属リチウム箔を径13mmに裁断し対極とした。セパレータとしてガラスフィルター(ヘキストセラニーズ社)及び単層ポリプロピレンであるcelgard2400(ポリポア株式会社)を準備した。また、エチレンカーボネート50容量部及びジエチルカーボネート50容量部を混合した溶媒にLiPF6を1mol/Lで溶解した電解液を準備した。対極、ガラスフィルター、celgard2400、評価極の順に、2種のセパレータを対極と評価極で挟持し電極体とした。この電極体をコイン型電池ケースCR2032(宝泉株式会社)に収容し、さらに電解液を注入して、コイン型電池を得た。これを実施例6のリチウムイオン二次電池とした。
(比較例2)
負極活物質として実施例1のシリコン材料の代わりに比較例1のシリコン材料を採用した以外は、実施例6と同様の方法で、比較例2のリチウムイオン二次電池を製造した。
(評価例4)
実施例6及び比較例2のリチウムイオン二次電池につき、評価極の対極に対する電圧が0.01Vになるまで0.1Cレートで放電を行い、10分後に、評価極の対極に対する電圧が0.08Vになるまで0.1Cレートで充電を行った。このときの放電容量及び充電容量を測定し、さらに、(充電容量/放電容量)×100を初期効率(%)として算出した。結果を表3に示す。
なお、評価例4では、評価極にLiを吸蔵させることを放電といい、評価極からLiを放出させることを充電という。また、0.1Cとは一定電流において10時間で電池を完全充電または放電させるために要する電流値を意味する。
Figure 2016041644
実施例6のリチウムイオン二次電池の初期効率は、比較例2のリチウムイオン二次電池の初期効率よりも優れていた。この結果は、実施例6のリチウムイオン二次電池に用いたシリコン材料の酸素量が比較例のそれよりも少ないので、シリコン材料中の酸素に因り不可逆的に補足されるリチウムイオンの量が、実施例6のリチウムイオン二次電池においては減少したためと考察される。
本発明の製造方法で得られたシリコン材料が好適なことが裏付けられた。

Claims (6)

  1. 3層構造CaSiを含むCaSiを400℃以上で加熱し、次いで150℃/h以上の速度で冷却する6層構造CaSi製造工程、
    前記工程を経たCaSiを酸と反応させて層状シリコン化合物とする層状シリコン化合物製造工程、
    前記層状シリコン化合物を300℃以上で加熱しシリコン材料とするシリコン材料製造工程、
    を含むことを特徴とするシリコン材料の製造方法。
  2. 前記6層構造CaSi製造工程の加熱温度が500℃以上である請求項1に記載のシリコン材料の製造方法。
  3. 前記6層構造CaSi製造工程の加熱温度が680〜1000℃の範囲内である請求項1又は2に記載のシリコン材料の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法で得られたシリコン材料を負極活物質として具備するリチウムイオン二次電池。
  5. 3層構造CaSiを400℃以上で加熱し、次いで150℃/h以上の速度で冷却する6層構造CaSiの製造方法。
  6. 3層構造CaSiを含むCaSiを400℃以上で加熱し、次いで150℃/h以上の速度で冷却する6層構造CaSi製造工程、
    前記工程を経たCaSiを酸と反応させて層状シリコン化合物とする層状シリコン化合物製造工程、
    を含むことを特徴とする層状シリコン化合物の製造方法。
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