JP2016040342A - 金属加工用SiC分散油 - Google Patents

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【課題】SiC微粉の分散性が長期間に亘って良好な状態で維持される金属加工用SiC分散油を提供すること。【解決手段】基油としての鉱物油及び/又は合成油に対してSiC微粉が配合されてなる金属加工用SiC分散油において、i)無機系分散剤として、有機セピオライト、有機ベントナイト及び疎水性シリカからなる群より選択された二種以上のものを、0.5〜20重量%の割合において含有し、且つ、無機系分散剤として選択されたもののうちの一種が、無機系分散剤の全量に対して20〜80重量%の割合を占めており、ii)非イオン界面活性剤として、多価アルコールアルキレンオキシド付加物と脂肪酸とのエステル化物、又は、多価アルコール脂肪酸エステルのアルキレンオキシド付加物を、0.5〜10重量%の割合において含有するように、金属加工用SiC分散油を調製した。【選択図】なし

Description

本発明は、金属加工用SiC分散油に係り、特に、金属製品の微細孔に対して研磨加工等を施す際に、加工油として好適に用いられるものに関するものである。
従来より、金属製品やセラミック製品に対して切削加工や研削加工、研磨加工等を施す際には、SiC(シリコンカーバイド)の微粉等を砥粒として含む切削剤等が広く用いられており、そのような切削剤等に関しては、様々なものが提案されている。
例えば、特許文献1(特開昭56−145968号公報)においては、特にハイポイドギアやスパイラルベベルギア等の傘歯車のラップ加工に好適に用いられるラップ剤として、基剤としての鉱油、油脂、脂肪酸、エステルの1種または2種以上のほかに研磨剤粒子、有機ベントナイトおよび界面活性剤を含有することを特徴とするラップ剤が、提案されている。
また、特許文献2(特開平9−59666号公報)においては、ワークである半導体単結晶インゴットをワイヤーソーやバンドソーにより切断する際に、分散剤である有機ベントナイト、水溶化剤である非イオン系界面活性剤、潤滑剤であるパラフィン系炭化水素、および防錆剤であるりん酸塩またはケイ酸塩からなる組成の切削液に、砥粒を分散させてなる分散液を切削剤(スラリー)として用いるワークの切断方法が、提案されている。
ところで、近年では、金属製品等に設けられた微細孔(孔径:数十μm〜1mm程度)の内壁(側壁)を研磨するに際して、砥粒流動加工法や高速流動研磨法等と称される加工法(以下、砥粒流動加工法と総称する)が採用されるようになってきている。この砥粒流動加工法とは、一般に、切削油に砥粒を分散させてなるスラリー状の加工液を、被加工物である金属製品の微細孔内に所定の流速で流し込むことにより、微細孔の内壁(側壁)における凹凸や傷を削り取って、滑らかな面を形成する加工法である。
しかしながら、そのような砥粒流動加工法における加工液として、SiC微粉を含む従来の切削剤や加工油を使用すると、液中でのSiCの沈降が速いために配管で目詰まりを生じたり、また、沈降から日数が経過すると、沈降によって生じたSiCからなる沈殿層(スラリーケーキ)が固くなることから、加工液を貯蔵しているタンク内に生じたスラリーケーキを再分散させるために大きな労力が必要とされる。加えて、従来の切削剤等には、精密な孔加工を目的とする砥粒流動加工法に適用する上で、SiC微粉の凝集によって加工対象である孔や吐出ノズル等に目詰まりを生じ、その結果、加工精度を悪化させるという問題も内在していたのである。
特開昭56−145968号公報 特開平9−59666号公報
ここにおいて、本発明は、そのような事情を背景にして為されたものであって、その解決すべき課題とするところは、SiC微粉の分散性が長期間に亘って良好な状態で維持される金属加工用SiC分散油を提供することにある。
そして、本発明は、かかる課題を解決するために、基油としての鉱物油及び/又は合成油に対してSiC微粉が配合されてなる金属加工用SiC分散油にして、i)無機系分散剤として、有機セピオライト、有機ベントナイト及び疎水性シリカからなる群より選択された二種以上のものを、0.5〜20重量%の割合において含有し、且つ、無機系分散剤として選択されたもののうちの一種が、無機系分散剤の全量に対して20〜80重量%の割合を占めており、ii)非イオン界面活性剤として、多価アルコールアルキレンオキシド付加物と脂肪酸とのエステル化物、又は、多価アルコール脂肪酸エステルのアルキレンオキシド付加物を、0.5〜10重量%の割合において含有する、ことを特徴とする金属加工用SiC分散油を、その要旨とするものである。
なお、そのような本発明に従う金属加工用SiC分散油においては、好ましくは、前記SiC微粉の含有量が5〜50重量%である。
このように、本発明に従う金属加工用SiC分散油にあっては、鉱物油及び/又は合成油からなる基油に対して、砥粒としてのSiC微粉と共に、所定の無機系分散剤の二種以上と、所定の非イオン界面活性剤とが配合されて、構成されているところから、SiCの分散性が長期間に亘って良好な状態で維持されるものとなっているのである。従って、本発明に係る金属加工用SiC分散油は、例えば、砥粒流動加工法に従って金属製品の微細孔を加工する際の加工液として、有利に採用されることとなるのである。
ところで、本発明に従う金属加工用SiC分散油においては、基油として、鉱物油及び/又は合成油が用いられることとなるが、本発明においては、従来より各種の機械油として使用されている鉱物油及び合成油が、本発明の目的を阻害しない限りにおいて、何れも使用することが可能である。本発明においては、鉱物油として、40℃での動粘度(40℃動粘度)が、好ましくは5〜50mm2 /sの範囲内にあるもの、より好ましくは8〜36mm2 /sの範囲内にあるものが、使用される。また、本発明において用いられる合成油としては、α−オレフィン、脂肪酸エステル、二塩基酸エステル等を、例示することが出来る。そのような鉱物油及び合成油のうちの一種又は二種以上のものが、本発明において基油として使用されることとなる。
また、基油に配合される、砥粒としてのSiC(シリコンカーバイド)微粉について、その粒度は、最終的に得られる金属加工用SiC分散油(以下、適宜「SiC分散油」或いは「分散油」ともいう)の用途に応じて適宜、決定されることとなる。一般には、粒度が800番〜3000番のSiC微粉が用いられ、好ましくは粒度が1500番〜2500番のSiC微粉が用いられる。粒度が800番未満のSiC微粉を用いて得られるSiC分散油にあっては、例えば、砥粒流動加工法における加工液として用いた場合に、加工不良を引き起こす恐れがあり、その一方、粒度が3000番を超えるSiC微粉を用いたSiC分散油は、前述の砥粒流動加工法において、加工効率を悪化させる恐れがある。なお、上述したSiCの粒度は、JIS−R−6001:1998「研削といし用研磨材の粒度」において、「精密研磨用微粉」について区分されたものを意味するものである。
そのようなSiC微粉は、本発明の金属加工用SiC分散油において、好ましくは5〜50重量%の割合となるように、より好ましくは15〜40重量%の割合となるように、基油に対して配合される。SiC微粉の含有量が5重量%未満のSiC分散油にあっては、例えば、砥粒流動加工法における加工液として用いた場合に、加工不良を引き起こす恐れがある。その一方で、SiC微粉の含有量が50重量%を超えるSiC分散油は、前述の砥粒流動加工法において、加工液としてのSiC分散油を循環利用することが困難となる恐れがある。
本発明に係る金属加工用SiC分散油には、無機系分散剤が配合される。無機系分散剤とは、従来より様々な金属加工用SiC分散油等に用いられているものであって、鉱物や合成物より得られる、分散機能を有する無機物を主体とするものである。そのような無機系分散剤の中には、種々の溶媒への相溶性を向上させるべく、有機処理によって変性されたものもある。本発明の金属加工用SiC分散油においては、そのような各種の無機系分散剤の中でも、特に、有機セピオライト、有機ベントナイト及び疎水性シリカからなる群より選択された二種以上のものが、配合される。そのような特定の無機系分散剤の二種以上と、後述する特定の非イオン界面活性剤とを併用することにより、本発明に従う金属加工用SiC分散油にあっては、SiC微粉の分散性が長期間に亘って良好な状態で維持されるのである。なお、上記した無機系分散剤のうちの一種のみを用いた場合、SiC微粉の分散性を長期間に亘って良好な状態で維持するためには、SiC分散油中の無機系分散剤の含有量を多くする必要があり、その結果、SiC分散油の粘性が大きくなり、上述の砥粒流動加工法において加工液として使用する場合に循環利用が困難となる恐れがある。また、上記した無機系分散剤のうちの一種のみを用いたSiC分散油は、粘性の経時変化が大きいため、種々の金属加工において使用すると、加工精度に悪影響を及ぼす恐れがある。
本発明において用いられる無機系分散剤のうち、先ず、有機セピオライトとは、繊維状形態を有する粘土鉱物であるセピオライトを、有機物によって変性して得られるものである。本発明において使用可能な有機セピオライトとしては、楠本化成株式会社が販売するPangel B5 、Pangel B10、Pangel B20、Pangel B40(以上、商品名)等を例示することが出来る。また、有機ベントナイトとは、ベントナイト粘土を第四級アンモニウムイオン等で変性して得られる有機誘導体であり、具体的には、エスベンN400、エスベンNX、エスベンNX80(商品名、株式会社ホージュン製)や、BENTONE (商品名、Elementis Plc 社(英国)製)等を、例示することが出来る。更に、疎水性シリカとは、親水性シリカをシラン又はシロキサンにて処理することによって得られるものであり、具体的には、AEROSIL R 812 、AEROSIL R 812 S 、AEROSIL R 816 、AEROSIL R 972 (以上、商品名。日本アエロジル株式会社製。)等を、例示することが出来る。
上述した有機セピオライト、有機ベントナイト及び疎水性シリカからなる群より選択された二種以上のものが、本発明においては無機系分散剤として使用されることとなるが、本発明の金属加工用SiC分散油においては、無機系分散剤として選択されたもののうちの一種が、無機系分散剤の全量に対して20〜80重量%の割合において、好ましくは30〜70重量%の割合において、使用される。無機系分散剤の全量に対して、無機系分散剤として選択されたもののうちの一種の割合が20重量%未満である場合や、80重量%を超える場合にあっては、SiC分散油の粘性が大きくなりすぎたり、或いは小さくなりすぎたりするために、取扱い性が悪化したり、分散油中におけるSiC微粉の沈降速度が速くなる恐れがある。
本発明の金属加工用SiC分散油に配合される二種以上の無機系分散剤の全量(総量)は、分散油において、0.5〜20重量%の割合となるように、好ましくは1.0〜10重量%の割合となるように、調製される。無機系分散剤の全量の配合割合が0.5重量%未満である分散油は、SiC微粉の分散性が不十分であり、その一方で、20重量%を超えると、分散油の粘性が増大して取扱い性が悪化する恐れがある。
本発明に係る金属加工用SiC分散油においては、上述した所定の二種以上の無機系分散剤と共に、非イオン界面活性剤として、多価アルコールアルキレンオキシド付加物と脂肪酸とのエステル化物、又は、多価アルコール脂肪酸エステルのアルキレンオキシド付加物が配合されて、構成されている。上記した所定の二種以上の無機系分散剤と、特定の非イオン界面活性剤とを併用することにより、本発明の金属加工用SiC分散油は、SiCの分散性が長期間に亘って良好な状態で維持されるのである。
ここで、多価アルコールアルキレンオキシド付加物と脂肪酸とのエステル化物とは、多価アルコールにアルキレンオキシドを付加することによって得られる付加物と、脂肪酸とをエステル化せしめることによって、合成されるものである。また、多価アルコール脂肪酸エステルのアルキレンオキシド付加物とは、多価アルコールと脂肪酸とをエステル化せしめた後、かかるエステルにアルキレンオキシドを付加させることによって、合成されるものである。
そのような非イオン界面活性剤を合成する際に使用される各原料に関して、先ず、多価アルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、デカンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、ジグリセリン、ネオペンチルアルコール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、ソルビタン、マンニトール等を、例示することが出来る。それらの中でも、本発明においては、グリコール、ジグリセリン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、ソルビタンが有利に使用される。
また、脂肪酸としては、ヘキサン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸、ヘキサデカン酸、オクタデカン酸、オレイン酸、リノール酸、リシノール酸、リノレン酸、ベヘニン酸、ウンデカン酸等を、例示することが出来る。それらの中でも、本発明においては、ドデカン酸、テトラデカン酸、ヘキサデカン酸、オクタデカン酸、オレイン酸が好ましく、特に好ましくはヘキサデカン酸、オレイン酸が使用される。
さらに、アルキレンオキシドとしては、エチレンオキシドやプロピレンオキシド等を例示することが出来る。プロピレンオキシドについては、エチレンオキシドと併用することが好ましい。本発明においては、好ましくは、エチレンオキシドが単独で使用される。
上記の如き多価アルコール等を用いて、本発明に係る金属加工用SiC分散油に配合される非イオン界面活性剤は合成される。具体的に、多価アルコールアルキレンオキシド付加物と脂肪酸とのエステル化物については、先ず、KOH、NaOH、CsOH等のアルカリ金属触媒や、トリエチルアミン又はトリメチルアミン等のアミン触媒の存在下、温度:80〜180℃、圧力:0〜0.6MPaの条件にて、多価アルコールにアルキレンオキシドを付加させる。次いで、得られた多価アルコールアルキレンオキシド付加物と脂肪酸とを、KOHやNaOH等のアルカリ金属触媒、又は、硫酸、リン酸、次亜リン酸、p−トルエンスルホン酸等の酸触媒を用いて、温度:80〜250℃、圧力:0〜0.6MPaの条件にて、脂肪酸と多価アルコールアルキレンオキシド付加物とを、脂肪酸:多価アルコールアルキレンオキシド付加物=1:1〜1:6のモル比において反応させることにより、目的とする、多価アルコールアルキレンオキシド付加物と脂肪酸とのエステル化物を合成することが可能である。
また、多価アルコール脂肪酸エステルのアルキレンオキシド付加物については、先ず、多価アルコールと脂肪酸とを反応させて、多価アルコール脂肪酸エステルを得る。かかるエステル化は、上記した多価アルコールアルキレンオキシド付加物と脂肪酸とのエステル化と同様の条件にて実施される。次いで、多価アルコール脂肪酸エステルにアルキレンオキシドを付加せしめることにより、目的とする多価アルコール脂肪酸エステルのアルキレンオキシド付加物が得られるのである。そこにおいて、多価アルコール脂肪酸エステルへのアルキレンオキシドの付加は、上述した多価アルコールへのアルキレンオキシドの付加と同様の条件にて実施される。
なお、本発明の金属加工用SiC分散油に配合される非イオン界面活性剤は、HLB(親水親油バランス)値が7〜18のものが好ましく、8〜12のものがより好ましい。HLB値が7より小さい非イオン界面活性剤、及び、HLB値が18より大きい非イオン界面活性剤では、SiC微粉の分散不良を引き起こす恐れがある。本発明における非イオン界面活性剤としては、HLB値が8〜12である、多価アルコールエチレンオキシド付加物と脂肪酸とのモノエステル及びジエステルや、ソルビタン脂肪酸モノエステル又はジエステルのエチレンオキシド付加物等が、特に有利に用いられる。なお、本明細書におけるHLB値は、有機概念図に基づく小田式による計算値であり、この計算方法は、例えば「乳化・可溶化の技術」(昭和51年、工学図書株式会社)に記載されている。また、HLB値を導き出すための有機性値及び無機性値については、「有機概念図−基礎と応用−」(昭和59年、三共出版株式会社)に記載の無機性基表(昭和49年、藤田等の報告値)を用いて、算出可能である。
本発明に従う金属加工用SiC分散油においては、上述した基油、SiC微粉、無機系分散剤及び非イオン界面活性剤に加えて、従来より金属加工用SiC分散油に配合されている各種の成分を、本発明の目的を阻害しない限りにおいて、配合することも可能である。そのような成分としては、防錆剤、消泡剤、油性剤、酸化防止剤等を、例示することが出来る。
具体的に、防錆剤としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、及び、これらの脂肪酸アミド(例えば、ラウリン酸ジエタノールアミド、オレイン酸ジエタノールアミド)や、アルケニルコハク酸(例えば、オクテニルコハク酸、ドデセニルコハク酸、ペンタデセニルコハク酸)等を、例示することが出来る。そのような防錆剤は、分散油に、好ましくは2重量%以下の割合となるように配合される。
また、消泡剤としては、シリコーン系消泡剤、ポリプロピレングリコール(非水溶性)、ポリプロピレングリコールモノアルキルエーテル(非水溶性)等を、挙げることが出来る。消泡剤は、分散油に、好ましくは1重量%以下の割合となるように配合される。
さらに、油性剤としては、炭素数が8〜22のアルキル若しくはアルケニルリン酸エステル塩[例えば、ラウリル酸エステル塩、パルミチルリン酸塩及びオレイルリン酸エステル塩(塩としてはアルカリ金属塩)]や、炭素数が1〜12のアルキルアルコールアルキレンオキシド付加体(例えば、メタノール−プロピレンオキシド付加体、ブタノール−エチレンオキシド/プロピレンオキシドランダム付加体、ラウリルアルコール−エチレンオキシド/プロピレンオキシドランダム付加体等)等を、例示することが出来る。油性剤は、分散油に、好ましくは2重量%以下の割合となるように配合される。
さらにまた、酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤[例えば、2,4−ジメチル−6−tert−ブチルフェノール、4,4−ブチリデン−ビス(6−tert−ブチルメタクレゾール)等]、アミン系酸化防止剤(例えばモノオクチルジフェニルアミン、ジオクチルフェニルアミン等)、ジアルキル(炭素数:1〜36)ジチオリン酸亜鉛、ジアリル(炭素数:2〜36)ジチオリン酸亜鉛、有機硫化物等を、例示することが出来る。酸化防止剤は、分散油に、好ましくは2重量%以下の割合となるように配合される。
以上、詳述した各成分を用いて、本発明に従う金属加工用SiC分散油を調製するに際しては、所定量の基油に対して、有機セピオライト等からなる群より選択された二種以上の無機系分散剤を順次、添加し、30〜60℃にて均一になるまで混合し、次いで、非イオン界面活性剤を添加し、更に混合する。そして、最後に、SiC微粉を投入して、全体として均一になるまで撹拌、混合することにより、本発明の金属加工用SiC分散油が得られるのである。
そして、そのようにして調製された金属加工用SiC分散油にあっては、特定の無機系分散剤の二種以上と、特定の非イオン界面活性剤とが併用されているところから、SiC微粉の分散性が長期間に亘って良好な状態で維持され得るのである。
以下に、本発明の実施例を幾つか示し、本発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも受けるものでないことは、言うまでもないところである。また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には上記した具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等が加え得るものであることが、理解されるべきである。
下記表1に示す配合組成からなる9種類の金属加工用SiC分散油(実施例1〜実施例5、比較例1〜比較例4)を調製した。なお、調製に際して使用した各成分は、以下の通りである。
・有機セピオライト:Pangel B20(商品名、楠本化成株式会社販売)
・有機ベントナイト:エスベンN400(商品名、株式会社ホージュン製)
・疎水性シリカ:AEROSIL R 812 (商品名、日本アエロジル株式会社製)
・非イオン界面活性剤a:ポリエチレングリコール脂肪酸ジエステル
(HLB値:8.4)
・非イオン界面活性剤b:ポリエチレングリコール脂肪酸ジエステル
(HLB値:10.4)
・非イオン界面活性剤c:ソルビタン脂肪酸エステルのエチレンオキシド付加物
(HLB値:9.6)
・非イオン界面活性剤d:ラウリルアルコールエチレンオキシド付加体
(HLB値:7)
・非イオン界面活性剤e:ノニルフェノールエチレンオキシド(6モル)付加体
・SiC微粉の粒度:2000番
得られた9種類の分散油について、その性状を以下の各方法に従って測定した。各測定結果を、下記表1に併せて示す。
−30℃粘度の測定−
30℃に保持された分散油の粘度(mPa・s)を、B型粘度計を用いて測定した。
−SiC微粉の分散性−
100mLの分散油をメスシリンダー(容量:100mL)に入れ、30℃に保持した。かかる状態で、経日による分散油中のSiC微粉の分散性の変化を、上層として生ずるオイル層の量(オイル分離量)を測定することにより、確認した。なお、オイル分離量が少ないほど、SiC微粉の分散性が良好に保たれていることを意味する。オイル分離量の測定は、メスシリンダーへの分散油の投入から7日経過後、及び、14日経過後にそれぞれ行なった。
Figure 2016040342
かかる表1の結果からも明らかなように、本発明に従う金属加工用SiC分散油(実施例1〜実施例5)にあっては、砥粒であるSiC微粉の分散性が、長期間に亘って良好な状態で維持されることが認められた。即ち、本発明の金属加工用SiC分散油は、SiCからなる沈殿層(スラリーケーキ)を生じ難いものであるところから、種々の金属加工に用いた際に、良好な作業効率を確保し得るものとなっているのである。また、SiC微粉の凝集が生じないため、例えば、砥粒流動加工法における加工液として用いた場合には、加工対象である孔や吐出ノズル等に目詰まりを発生される恐れがなく、良好な生産効率を確保し得るのである。

Claims (2)

  1. 基油としての鉱物油及び/又は合成油に対してSiC微粉が配合されてなる金属加工用SiC分散油にして、
    無機系分散剤として、有機セピオライト、有機ベントナイト及び疎水性シリカからなる群より選択された二種以上のものを、0.5〜20重量%の割合において含有し、且つ、無機系分散剤として選択されたもののうちの一種が、無機系分散剤の全量に対して20〜80重量%の割合を占めており、
    非イオン界面活性剤として、多価アルコールアルキレンオキシド付加物と脂肪酸とのエステル化物、又は、多価アルコール脂肪酸エステルのアルキレンオキシド付加物を、0.5〜10重量%の割合において含有する、
    ことを特徴とする金属加工用SiC分散油。
  2. 前記SiC微粉の含有量が5〜50重量%である請求項1に記載の金属加工用SiC分散油。
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