JP5832462B2 - 研削加工又は研磨加工用油剤組成物、及びその油剤組成物を用いた研削加工又は研磨加工方法 - Google Patents

研削加工又は研磨加工用油剤組成物、及びその油剤組成物を用いた研削加工又は研磨加工方法 Download PDF

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本発明は、硬質で脆性な材料(以下、「硬質脆性物」ともいう。)を含む被加工材の研削加工又は研磨加工に使用される油剤組成物、及びその油剤組成物を用いた研削又は研磨加工方法に関する。特に、DCC(Diamond Cemented Carbides)ブレード(ダイアモンド含有超硬合金)、一般的なガラス、ハードディスク基板用ガラス、単結晶及び多結晶シリコンウェハー、セラミックス、サファイア、ネオジウムなどの硬質脆性物を研削(ラッピング)加工や研磨(ポリッシング)加工する際に使用される油剤組成物に関する。
研削加工又は研磨加工は、通常は研削盤という加工機械を用いて行い、加工機械には片面ラップ機と両面ラップ機がある。両面ラップ機は上定盤、下定盤、ワーク(被加工物)を固定するキャリアで成り立っている。加工方式としては、定盤にやわらかい素材を使い、流し込んだ砥粒が定盤に刺さった状態で磨きこんでいくハードポリッシュ加工、研磨材と定盤の間に研磨パッドなどを敷いて砥粒の切り込みをより浅く制御するソフトポリッシュ加工、硬い定盤を用いて遊離砥粒を用いた通常のラップ加工などがある。いずれの加工においても、研削中の潤滑、冷却、切り粉の除去などを目的として、研削液あるいは研削油と呼ばれる油剤組成物に研磨材としての砥粒を分散させたスラリー状の液体が用いられる。なお、一般的には、「研削」は粗から中仕上げ工程を、「研磨」は鏡面に近い仕上げ工程をいうことが多いが、それぞれ厳密な定義はないので、本明細書では総称して「研削」ということもある。
従来、DCCブレード、ガラス、ハードディスク基板用ガラス、サファイア、光学ガラス、単結晶及び多結晶シリコンウェハー、セラミックス、サファイア、ネオジウムなどの硬質脆性物の研削加工又は研磨加工用油剤としては、クーラントと呼ばれる水溶性の油剤(例えば、特許文献1参照)、鉱油系基油にポリマーを配合して砥粒の分散性向上を図った油剤(例えば、特許文献2参照)、鉱油系基油にポリマーを配合して加工時のミスト発生を抑制した油剤(例えば、特許文献3参照)などが使用されている。
特開2007−31502号公報 特開平7−242868号公報 特開平8−239681号公報
しかし、上記従来の油剤を用いて硬質脆性物を含む被加工材を研削又は研磨する場合、表面精度、加工精度、加工速度などの加工性の点で必ずしも十分であるとはいえない。
例えば、水溶性の油剤は潤滑性が十分でなく、加工性の点で問題がある。また、鉱油系基油にポリマーを配合したものは、加工時の浮遊ミストの発生を防止できる点では優れるものの、加工時に砥粒の分散性や保持性が低下して、加工部位への砥粒の供給が不十分となり、十分な加工性を得るのが難しい場合がある。また、研削又は研磨加工においては、加工時の昇温により油剤から臭気が発生して作業環境の低下をもたらすという問題がある。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、硬質脆性物を含む被加工材の研削加工又は研磨加工において、加工性、砥粒の分散性及び浮遊ミスト防止性能に優れ、かつ臭気が少ない油剤組成物を提供することにある。
本発明者は、上記の目的を達成するため、まず、従来の鉱油系油剤を用いた場合に、砥粒の分散性が不十分となる原因について検討した。その結果、従来の鉱油系油剤においては、浮遊ミストを低減する目的で添加されるポリマー成分が、砥粒の分散性を低下させる原因であることが判明した。
しかし、ポリマー成分を鉱油系油剤に添加しないと、浮遊ミストを防止する効果が得られない。そこで、ポリマー成分を添加することなく、浮遊ミストと防止する方法を検討した結果、鉱油成分のうち低沸点留分が浮遊ミスト発生の原因となっていることが判明した。ただし、単に鉱油成分を重質化させると動粘度が高くなることによって加工性が低下するため、低沸点留分と高沸点留分の両端をカットした所謂ナローカットの鉱油成分が好ましいことを見出した。
さらに、単にナローカットの鉱油成分を用いると、砥粒の分散性が低下し、加工性に劣るが、芳香族成分を含有する鉱油を用いると、砥粒の分散性が良好になることを見出した。加えて、臭気性も考慮して、所定量の芳香族成分を含有する鉱油を用いることで、浮遊ミスト防止性と砥粒の分散性の双方に優れ、且つ加工性にも優れ、臭気の少ない油剤組成物の発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、5%留出温度が200℃以上、95%留出温度が330℃以下、且つ芳香族分が0.1%以上15%以下の鉱油系基油を、組成物全量基準で60質量%以上含有する油剤組成物であって、砥粒を含む分散液の分散媒として用いられる、研削加工又は研磨加工用油剤組成物を提供する。
本発明の油剤組成物においては、重量平均分子量10000以上の高分子化合物の含有量が、組成物全量基準で1質量%未満であることが好ましい。
本発明の油剤組成物は、油性剤をさらに含有することが好ましい。
本発明の油剤組成物は、基油として合成系芳香族炭化水素油を、組成物全量基準で40質量%以下含有することが好ましい。
また、本発明は、上記の油剤組成物と砥粒とを含有する分散液を、被加工材の加工部位に供給し、研削加工又は研磨加工を行う、研削加工又は研磨加工方法を提供する。
本発明の油剤組成物は、硬質脆性物を含む被加工材の研削加工又は研磨加工において、加工性、砥粒の分散性及び浮遊ミスト防止性能に優れ、かつ臭気が少ないという優れた効果を有する。
実施例におけるミスト防止性能試験で用いた装置の構成を示す模式図である。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
本実施形態に係る油剤組成物は、5%留出温度が200℃以上、95%留出温度が330℃以下、且つ芳香族分が0.1%以上15%以下の鉱油系基油を、組成物全量基準で60質量%以上含有する。
本明細書でいう5%留出温度及び95%留出温度は、それぞれJIS K2254「石油製品−蒸留試験方法」に規定するガスクロマトグラグ法により測定された値をいう。
本明細書でいう芳香族分とは、ASTM D3238(Standard Test Method for Calculation of Carbon Distribution and Structural Group Analysis of Petroleum Oils by the n−d−M Method)に規定するn−d−M法により測定された値をいう。
基油として用いられる鉱油としては、パラフィン基系原油、中間基系原油又はナフテン基系原油を、常圧蒸留及び減圧蒸留して得られた潤滑油留分に対して、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、接触脱ろう、水素化精製、硫酸洗浄、白土処理の1種もしくは2種以上の精製手段を適宜組み合わせて適用して得られるパラフィン系又はナフテン系の鉱油のうち、5%留出温度、95%留出温度及び芳香族分が上記の条件を満たすものが挙げられる。
鉱油系基油の5%留出温度は200℃以上であるが、ミスト防止性能をより向上させるためには、210℃以上であることが好ましく、220℃以上であることがより好ましく、230℃以上であることがさらに好ましい。また、鉱油系基油の95%留出温度は330℃以下であるが、基油の粘度を適切な範囲とし、加工性をより向上させるためには、325℃以下であることが好ましく、320℃以下であることが好ましく、315℃以下であることがさらに好ましい。
鉱油系基油の芳香族分(%C)は0.1%以上15%以下であるが、0.1%以上13%以下であることが好ましく、0.1%以上12%以下であることがより好ましく、0.2%以上11%以下であることがさらに好ましい。鉱油系基油の芳香族分が、上記の下限値以上であると砥粒の分散性をより向上させることができ、上記の上限値以下であると臭気のより少ない油剤組成物が得られる。
本実施形態に係る油剤組成物は、上記の鉱油を、油剤組成物全量基準で60質量%以上含有する。さらに、コストなどの観点から、鉱油の含有量は、油剤組成物全量基準で65質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましい。
基油の40℃における動粘度は特に限定されないが、好ましくは2mm/s以上であり、より好ましくは2.5mm/sであり、さらに好ましくは3mm/sである。基油の40℃における動粘度が上記の下限値未満であると、浮遊ミストが極端に増加する場合がある。また、基油の40℃における動粘度は、好ましくは10mm/s以下であり、より好ましくは8mm/s以下であり、さらに好ましくは5mm/s以下である。基油の40℃における動粘度が上記の上限値を超えると、砥粒の分散性が低下し加工性が悪くなる場合がある。
本明細書でいう動粘度とは、JIS K 2283−2000「原油および石油製品−動粘度試験方法および粘度指数算出方法」に準拠して測定される動粘度を意味する。
本実施形態に係る油剤組成物は、性能に悪影響を与えない限り高分子化合物を含有してもよい。ただし、砥粒の分散性に悪影響を及ぼすおそれがあるため、高分子化合物の含有量は、油剤組成物全量基準で1質量%未満であることが好ましく、0.7質量%未満であることがより好ましく、0.5質量%未満であることがさらに好ましい。また、重量平均分子量(Mw)が100000以上の高分子化合物の含有量が上記範囲であることが好ましく、Mwが50000以上の高分子化合物の含有量が上記範囲であることがより好ましく、Mwが10000以上の高分子化合物の含有量が上記範囲であることがさらに好ましく、Mwが5000以上の高分子化合物の含有量が上記範囲であることが最も好ましい。
なお、本明細書でいう重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィーにより測定した重量平均分子量を意味する。より具体的には、本明細書でいう重量平均分子量は、ウォーターズ製の150−C ALC/GPC装置に東ソー製のGMHHR−M(7.8mmID×30cm)のカラムを2本直列に使用し、溶媒としてはテトラヒドロフラン、温度23℃、流速1mL/分、試料濃度1質量%、試料注入量75μL、検出器示差屈折率計(RI)で測定したポリスチレン換算の数平均分子量を意味する。
本実施形態に係る油剤組成物は、加工精度をさらに向上させる観点から、油性剤をさらに含有することが好ましい。
油性剤としては、牛脂、豚脂、大豆油、菜種油、米ぬか油、ヤシ油、パーム油、パーム核油などの動植物油及びこれらの水素添加物;脂肪酸及びその塩;アルコール;脂肪酸エステル;不飽和カルボン酸の硫化物;アミノ酸誘導体;ポリオキシアルキレン化合物;アミン;多価アルコールのヒドロカルビルエーテル等が挙げられる。これらの油性剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
脂肪酸又はその塩のうち、脂肪酸としては、炭素数6〜24を有する直鎖又は分枝の脂肪酸が挙げられ、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸又はこれらの混合物であってもよい。
また、脂肪酸の塩としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アミン塩などが挙げられる。アルカリ金属としてはナトリウム、カリウム、アルカリ土類金属としてはマグネシウム、カルシウム、バリウムが用いられる。なかでもナトリウム、カリウムが好ましい。アミンとしてはモノアミン、ポリアミン、アルカノールアミン等が挙げられる。これらの中でも、カリウム、ナトリウム、モノアミン及びアルカノールアミン塩が好ましい。また、モノアミンの中でも、アルキルアミン、アルキル基とアルケニル基とを有するモノアミン、アルキル基とシクロアルキル基とを有するモノアミン、及びシクロアルキルアミンがより好ましい。
アルコールは、1価アルコールでも多価アルコールでも、飽和であっても不飽和であっても、これらの混合物であってもよい。加工性及び砥粒の分散性に優れる観点から、炭素数1〜40の1価アルコールが好ましく、炭素数1〜25のアルコールがより好ましく、炭素数8〜18のアルコールがさらに好ましい。
脂肪酸エステルとしては、脂肪酸と1価アルコールとのエステルが好ましい。好ましい脂肪酸エステルとしては、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸メチル、パルミチン酸ブチル、パルミチン酸メチル、オレイン酸メチル、ラウリン酸メチル、イソステアリン酸メチル等が挙げられる。
不飽和カルボン酸の硫化物としては、例えばオレイン酸の硫化物を挙げることができる。
アミノ酸誘導体は、下記一般式(1)で表される化合物である。
−CO−NR−(CH−COOX (1)
[式(1)中、Rは炭素数6〜30のアルキル基又は炭素数6〜30のアルケニル基を示し、Rは炭素数1〜4のアルキル基を示し、Xは水素原子、炭素数1〜30のアルキル基又は炭素数1〜30のアルケニル基を示し、nは1〜4の整数を示す。]
ポリオキシアルキレン化合物としては、例えば下記一般式(2)又は(3)で表される化合物を挙げることができる。
O−(RO)−R (2)
[式(2)中、R及びRは各々独立に水素原子又は炭素数1〜30の炭化水素基を表し、Rは炭素数2〜4のアルキレン基を表し、iは一般式(2)で表される化合物の数平均分子量が100〜3500となるような整数を表す。]
E−[(RO)−R (3)
[式(3)中、Eは、水酸基を3〜10個有する多価アルコールの水酸基の水素原子の一部又は全てを取り除いた残基を表し、Rは炭素数2〜4のアルキレン基を表し、Rは水素原子又は炭素数1〜30の炭化水素基を表し、jは一般式(3)で表される化合物の数平均分子量が100〜3500となるような整数を表し、kはEにおける水酸基から取り除かれた水素原子の個数と同じ数を表す。]
アミンとしては、モノアミンが好ましく使用される。モノアミンの炭素数は、好ましくは6〜24であり、より好ましくは12〜24である。ここでいう炭素数とはモノアミンに含まれる総炭素数の意味であり、モノアミンが2個以上の炭化水素基を有する場合にはその合計炭素数を表す。
多価アルコールのヒドロカルビルエーテルを構成する多価アルコールの例としては、良好な加工性を示す点から、グリセリンが最も好ましい。
油性剤の含有量には特に制限はないが、加工性が優れる点から、油剤組成物全量基準で、好ましくは0.01質量%以上であり、より好ましくは0.05質量%以上であり、さらに好ましくは0.1質量%以上である。油性剤の含有量が上記の下限値未満であると、十分な加工精度向上効果が得られない。また、油性剤含有量は、油剤組成物全量基準で、好ましくは15質量%以下であり、より好ましくは10質量%以下であり、さらに好ましくは5質量%以下である。油性剤の含有量が上記の上限値を超えると、添加量に見合った効果が得られず、また油性剤の種類によっては引火性が高くなることがある。
本実施形態に係る油剤組成物は、加工精度をさらに向上させる観点から、合成系芳香族炭化水素油をさらに含有することが好ましい。かかる合成系芳香族炭化水素油の好ましい例としては、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、アルキルビフェニル、ジフェニルアルカンなどが挙げられる。
アルキルベンゼンとしては、炭素数1〜19のアルキル基を1〜4個有し、かつそのアルキル基の合計炭素数が9〜19であるアルキルベンゼンが好ましく、炭素数1〜15のアルキル基を1〜4個有し、かつアルキル基の合計炭素数が9〜15であるアルキルベンゼンがより好ましい。
アルキルベンゼンが有する炭素数1〜19のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基等が挙げられる。これらのアルキル基は直鎖状であっても、分枝状であってもよい。
また、アルキルベンゼン中のアルキル基の個数は1〜4個であるが、安定性、入手可能性の点から1個又は2個のアルキル基を有するアルキルベンゼン、すなわちモノアルキルベンゼン、ジアルキルベンゼン、又はこれらの混合物が好ましく用いられ、中でも直鎖のモノアルキルベンゼンが最も好ましく用いられる。
アルキルベンゼンの40℃における動粘度は、特に限定されないが、好ましくは3〜100mm/sであり、より好ましくは4〜80mm/sであり、さらに好ましくは5〜70mm/sである。
また、アルキルナフタレンとしては、下記一般式(4)で表される化合物が好ましく用いられる。
Figure 0005832462
上記一般式(4)中のR、R、R10及びR11は、同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子又は炭素数1〜40、好ましくは1〜30の炭化水素基を示している。また、R、R、R10及びR11の合計炭素数が1〜40である。ここでいう炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルカリール基、アラルキル基等が挙げられる。
また、アルキルビフェニルとしては、下記一般式(5)で表される化合物が好ましく用いられる。
Figure 0005832462
上記一般式(5)中のR12、R13、R14及びR15は、同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子又は炭素数1〜40、好ましくは1〜30の炭化水素基を示している。また、R12、R13、R14及びR15の合計炭素数が1〜40である。ここでいう炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルカリール基、アラルキル基等が挙げられる。
また、ジフェニルアルカンとしては、下記一般式(6)で表される化合物が好ましく用いられる。
Figure 0005832462
上記一般式(6)中、R16は炭素数1〜40のアルキレン基又はアルケニレン基を示し、R17、R18、R19及びR20は同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子又は炭素数1〜40のアルキル基を示す。
合成系芳香族炭化水素油の含有量は特に制限されないが、加工性をより向上させるためには、油剤組成物全量基準で1質量%以上であることが好ましく、3質量%以上であることがより好ましく、5質量%以上であることがさらに好ましい。また、臭気のより少ない油剤組成物を得るためには、合成系芳香族炭化水素油の含有量は、油剤組成物全量基準で40質量%以下であることが好ましく、35質量%以下であることがより好ましく、30質量%以下であることがさらに好ましい。
また、本実施形態に係る油剤組成物は、基油として、その性能を損なわない範囲で、ポリ−αオレフィン、ポリオールエステル、ポリエステル、ポリオキシアルキレングリコール等の合成油をさらに含有してもよい。
また、本実施形態に係る油剤組成物は、上記した以外の公知の潤滑油用添加剤を含有することができる。かかる添加剤としては、例えば、フェノール系、アミン系、有機金属化合物系及び硫黄系等の酸化防止剤;ポリサルファイド、硫化オレフィン、硫化エステル、硫化鉱油、ジチオリン酸亜鉛化合物、ジチオカルバミン酸亜鉛化合物、ジチオリン酸モリブデン化合物及びジチオカルバミン酸モリブデン等の硫黄系極圧剤;リン酸エステル、酸性リン酸エステル、酸性リン酸エステルのアミン塩、塩素化リン酸エステル、亜リン酸エステル及びフォスフォロチオネート等のリン系極圧剤;ベンゾトリアゾール、チアジアゾール等の金属不活性化剤;メチルシリコーン、フルオロシリコーン、ポリアクリレート等の消泡剤;アルケニルコハク酸イミド、ベンジルアミン、ポリアルケニルアミンアミノアミド等の無灰分散剤;ジエチレングリコールモノアルキルエーテル等の湿潤剤;アクリルポリマー、パラフィンワックス、マイクロワックス、スラックワックス、ポリオレフィンワックス等の造膜剤;脂肪酸アミン塩等の水置換剤;グラファイト、フッ化黒鉛、二硫化モリブデン、窒化ホウ素、ポリエチレン粉末等の固体潤滑剤;アミン、アルカノールアミン、アミド、カルボン酸、カルボン酸塩、スルホン酸塩、リン酸、リン酸塩、多価アルコールの部分エステル等の腐食防止剤等が挙げられる。
本実施形態に係る油剤組成物は、DCCブレード、一般的なガラス、ハードディスク基板用ガラス、光学ガラス、単結晶及び多結晶シリコンウェハー、セラミックス、サファイア、ネオジウムなどの硬質脆性物を含む被加工材を研削加工又は研磨加工する際に用いる、砥粒を含む分散液の分散媒として使用することができる。特に、DCCブレードを含む被加工材を研削加工又は研磨加工する際に用いる、砥粒を含む分散液の分散媒として好適に使用することができる。
硬質脆性物の研削加工又は研磨加工の際に用いる砥粒としては、酸化セリウム、ダイアモンド、CBN(六方晶窒化ホウ素)、酸化アルミナ、GC(緑色炭化珪素)などが挙げられる。
以下、実施例及び比較例に基づき本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
[実施例1〜13、比較例1〜11]
実施例1〜13及び比較例1〜11においては、それぞれ以下の成分を用いて、表1〜4に示す組成を有する油剤組成物を調製した。
(基油)
A1:鉱油系水素化精製油(40℃における動粘度2.4mm/s;芳香族分(%C)0.2%)
A2:鉱油系水素化精製油(40℃における動粘度4.0mm/s;芳香族分(%C)0.3%)
A3:鉱油系水素化精製油(40℃における動粘度4.5mm/s;芳香族分(%C)9.9%)
A4:鉱油系水素化精製油(40℃における動粘度4.6mm/s;芳香族分(%C)12.1%)
A5:鉱油系水素化精製油(40℃における動粘度6.5mm/s;芳香族分(%C)2%)
A6:鉱油系水素化精製油(40℃における動粘度1.2mm/s;芳香族分(%C)18%)
A7:合成アルキルベンゼン(40℃における動粘度4.2mm/s;芳香族分(%C)98%)
(油性剤)
B1:大豆油
B2:豚脂
(ポリマー)
C1:ポリイソブチレン(重量平均分子量(M)490000)
C2:ポリイソブチレン(重量平均分子量(M)154000)
(ミスト防止性能試験)
実施例1〜13及び比較例1〜11の油剤組成物について、以下のミスト防止性能試験を行った。結果を表1〜4に示す。
図1は、ミスト防止性能試験で用いた装置の構成を示す模式図である。試験に際しては、TACO社製「ミクロンルブ」を改造したミスト発生機1を用いて、0.7MPaの吐出圧にて強制的にミストを発生させる。ここで発生するミストには粒径の小さいストレーミストや、粒径が比較的大きくストレーミストとならないミストも含まれるが、粒径が比較的大きく自然沈降するミストを第1の捕集瓶2で捕集する。比較的大きな粒径が排除されたミストはミストボックス5に向け配管4内を通るが、この際、配管4内で凝集したミストは配管4を流れ落ち、第2の捕集瓶3に捕集される。ミストボックス5に到達したミストはミストボックス5内の板に当たり、そこで凝集したミストはミストボックス5内に溜まる。そして、粒径の非常に小さいミストが、最終的にダクト6から排出される。この粒径の非常に小さいミストをストレーミスト7とし、ストレーミスト7の1時間当たりの発生量をストレーミスト量(g)として測定した。
(砥粒分散性試験)
実施例1〜13及び比較例1〜11の油剤組成物について、以下の砥粒分散性試験を行った。結果を表1〜4に示す。
油剤組成物100gと粒度#800の炭化珪素砥粒(シンエツ製シナノランダムGP)25gとを200mLのビーカにとり、これを600rpm、20分の条件で、攪拌し砥粒濃度20質量%の砥粒分散液を調製した。攪拌終了後この砥粒分散液100mLをすばやく100mLメスシリンダーに採取して、20℃の恒温層内に静置してから砥粒が沈降するまでに経過した時間により、以下のように評価した。
30分以上:A
10分以上、30分未満:B
5分以上、10分未満:C
5分未満又は分散しない:D
(加工性試験)
実施例1〜13及び比較例1〜11の油剤組成物について、以下の砥粒分散性試験を行った。結果を表1〜4に示す。
加工性試験は、丸本工業製自動研磨機を用いて行った。被加工材としては、窒化ケイ素製の円板(直径3cm、厚さ5mm)を用いた。加工は、下から、下定盤、加工用パッド、被加工材、上定盤の順に重ねて上下定盤で挟み、上定盤から所定の圧力で押し付け、上下定盤を互いに逆方向に所定速度で回転(100rpm)させながら、被加工材と加工用パッドの間に、上記砥粒分散性試験と同様にして調製した砥粒分散液を所定量供給して被加工材の下面を約100μm研磨し平坦化加工した。
加工性は、正常に所定量の研磨加工ができた被加工材の枚数で評価した。すなわち、1枚目の被加工材が30分以内で約100μm研磨加工ができたら被加工材のみを交換して、1枚目と同様に2枚目の研磨加工を行う。同様に、3枚目、4枚目と加工を続けて行うが、被加工材が割れるか、あるいは30分以内に約100μm研磨加工ができなきなった場合に試験終了とし、研磨加工できた被加工材の枚数により、以下のように評価した。
17枚以上:A
15枚以上16枚以下:B
12枚以上14枚以下:C
9枚以上11枚以下:D
8枚以下:E
(臭気の評価)
実施例1〜13及び比較例1〜11の油剤組成物について、以下のように臭気の評価を行った。結果を表1〜4に示す。
300mLビーカに油性剤組成物を50g取り、30℃になるまで加温した。続いて、10人の被験者がそれぞれ、「臭気が気になる」を3点、「臭気がやや気になる」を2点、「臭気がほとんど気にならない」を1点、「臭気が気にならない」を0点として、上記の油性剤組成物の臭気を判定した。10人分の平均点により、以下のように評価した。
1点未満:A
1点以上2点未満:B
2点以上3点未満:C
3点:D
Figure 0005832462
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1…ミスト発生機、2…第1の捕集瓶、3…第2の捕集瓶、4…配管、5…ミストボックス、6…ダクト、7…ストレーミスト。

Claims (5)

  1. 5%留出温度が200℃以上、95%留出温度が330℃以下、且つ芳香族分が0.1%以上15%以下の鉱油系基油を、組成物全量基準で60質量%以上含有し、
    砥粒を含む分散液の分散媒として用いられる、研削加工又は研磨加工用油剤組成物。
  2. 重量平均分子量10000以上の高分子化合物の含有量が、組成物全量基準で1質量%未満である、請求項1に記載の油剤組成物。
  3. 油性剤をさらに含有する、請求項1又は2に記載の油剤組成物。
  4. 基油として合成系芳香族炭化水素油を、組成物全量基準で40質量%以下含有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の油剤組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の油剤組成物と砥粒とを含有する分散液を、被加工材の加工部位に供給し、研削加工又は研磨加工を行う、研削加工又は研磨加工方法。
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