JP2007106835A - 金属加工油剤組成物及び金属加工方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】遊離砥粒が沈降しても、ケーキングしにくく、再分散性に優れた金属加工油剤組成物、これを含むスラリー及び該スラリーを用いた金属加工方法を提供すること。
【解決手段】下記の成分を含む金属加工油剤組成物、これを含むスラリー及び該スラリーを用いた金属加工方法。
(A)プロピレングリコールエーテル1〜25質量%、
(B)ソルビタン誘導体0.5〜10質量%、
(C)変性シリコーン0.5〜10質量%、及び
(D)鉱油、合成油、及び植物油からなる群から選ばれる少なくとも1種。
【解決手段】下記の成分を含む金属加工油剤組成物、これを含むスラリー及び該スラリーを用いた金属加工方法。
(A)プロピレングリコールエーテル1〜25質量%、
(B)ソルビタン誘導体0.5〜10質量%、
(C)変性シリコーン0.5〜10質量%、及び
(D)鉱油、合成油、及び植物油からなる群から選ばれる少なくとも1種。
Description
本発明は、金属加工油剤組成物、それを含むスラリー及び該スラリーを用いた金属加工方法に関し、特に遊離砥粒を利用して自動車部品に代表される金属部品を研磨、ラッピング加工する際に使用するのに適した金属加工油剤組成物に関する。
従来、ダイヤモンドパウダー等の遊離砥粒を利用してラッピング加工するのに適した金属加工油剤組成物としては種々のものが提案されている(例えば、特許文献1〜4参照)。しかし、多くのものは、ダイヤモンドパウダーが沈降したときにケーキング(固まってしまう現象)してしまい、再分散しにくいという問題がある。
本発明の目的は、遊離砥粒が沈降しても、ケーキングしにくく、再分散性に優れた金属加工油剤組成物を提供することである。
本発明の他の目的は、上記金属加工油剤組成物を含むスラリー及び該スラリーを用いた金属加工方法を提供することである。
本発明の他の目的は、上記金属加工油剤組成物を含むスラリー及び該スラリーを用いた金属加工方法を提供することである。
本発明は、以下に示す金属加工油剤組成物、これを含むスラリー及び該スラリーを用いた金属加工方法を提供するものである。
1.下記の成分を含む金属加工油剤組成物。
(A)プロピレングリコールエーテル1〜25質量%、
(B)ソルビタン誘導体0.5〜10質量%、
(C)変性シリコーン0.5〜10質量%、及び
(D)鉱油、合成油、及び植物油からなる群から選ばれる少なくとも1種。
2.成分(A)のプロピレングリコールエーテルが、炭素原子数1〜8のアルコールに、2〜30モルのプロピレングリコールを付加したものである上記1記載の金属加工油剤組成物。
3.成分(A)のプロピレングリコールエーテルが、メタノール、エタノール、プロパノール及びブタノールからなる群から選ばれる少なくとも1種に、3〜30モルのプロピレングリコールを付加したものである上記1記載の金属加工油剤組成物。
4.成分(B)のソルビタン誘導体が、ソルビタンモノエステル、ソルビタンジエステル、ソルビタントリエステル、ソルビタンモノエステルエチレンオキサイド付加物、ソルビタンジエステルエチレンオキサイド付加物、及びソルビタントリエステルエチレンオキサイド付加物からなる群から選ばれる少なくとも1種である上記1〜3のいずれか1項記載の金属加工油剤組成物。
5.成分(B)のソルビタン誘導体が、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノオレエートエチレンオキサイド付加物、ソルビタンモノステアレートエチレンオキサイド付加物、ソルビタンモノパルミテートエチレンオキサイド付加物、及びソルビタンモノラウレートエチレンオキサイド付加物からなる群から選ばれる少なくとも1種である上記1〜3のいずれか1項記載の金属加工油剤組成物。
6.成分(C)の変性シリコーンが、油溶性のポリエーテル変性シリコーンである上記1〜5のいずれか1項記載の金属加工油剤組成物。
7.成分(C)の変性シリコーンが、油溶性のポリエーテル変性シリコーンであり、その珪素含有量が成分(C)全体の5〜30質量%である上記6項記載の金属加工油剤組成物。
8.成分(D)が、40℃の動粘度が36mm2以下の鉱油、合成油、及び植物油からなる群から選ばれる少なくとも1種である上記1〜7のいずれか1項記載の金属加工油剤組成物。
9.成分(D)が、鉱油、アルキルベンゼン、ノルマルパラフィン、αオレフィン、イソパラフィン、炭素原子数6〜30の脂肪酸のメチルエステル、炭素原子数6〜30の脂肪酸のエチルエステル、炭素原子数6〜30の脂肪酸の2−エチルヘキシルエステル、炭素原子数6〜30の脂肪酸のトリグリセライド、炭素原子数6〜30の脂肪酸のジグリセライド、炭素原子数6〜30の脂肪酸のモノグリセライド、炭素原子数6〜30の脂肪酸のトリメチロールプロパントリグリセライド、炭素原子数6〜12の脂肪酸のペンタエリスリトールテトラエステル、及び炭素原子数6〜14の二塩基酸と炭素原子数6〜12の脂肪族アルコールとのジエステル、からなる群から選ばれる少なくとも1種である上記1〜8のいずれか1項記載の金属加工油剤組成物。
10.上記1〜9のいずれか1項記載の金属加工油剤組成物100質量部と、砥粒0.08〜100質量部を含む、研磨、ラッピング加工用スラリー。
11.砥粒が、シリコンカーバイド、窒化硼素、セリア、アルミナ、シリカ、ジルコニア、及びダイヤモンドパウダーからなる群から選ばれる少なくとも1種である上記10記載の研磨、ラッピング加工用スラリー。
12.砥粒が、ダイヤモンドパウダーであり、その量が金属加工油剤組成物100質量部に対して0.08〜1.0質量部である上記11記載の研磨、ラッピング加工用スラリー。
13.上記10〜12のいずれか1項記載の研磨、ラッピング加工用スラリーを使用することを特徴とする、脆性材料の加工方法。
1.下記の成分を含む金属加工油剤組成物。
(A)プロピレングリコールエーテル1〜25質量%、
(B)ソルビタン誘導体0.5〜10質量%、
(C)変性シリコーン0.5〜10質量%、及び
(D)鉱油、合成油、及び植物油からなる群から選ばれる少なくとも1種。
2.成分(A)のプロピレングリコールエーテルが、炭素原子数1〜8のアルコールに、2〜30モルのプロピレングリコールを付加したものである上記1記載の金属加工油剤組成物。
3.成分(A)のプロピレングリコールエーテルが、メタノール、エタノール、プロパノール及びブタノールからなる群から選ばれる少なくとも1種に、3〜30モルのプロピレングリコールを付加したものである上記1記載の金属加工油剤組成物。
4.成分(B)のソルビタン誘導体が、ソルビタンモノエステル、ソルビタンジエステル、ソルビタントリエステル、ソルビタンモノエステルエチレンオキサイド付加物、ソルビタンジエステルエチレンオキサイド付加物、及びソルビタントリエステルエチレンオキサイド付加物からなる群から選ばれる少なくとも1種である上記1〜3のいずれか1項記載の金属加工油剤組成物。
5.成分(B)のソルビタン誘導体が、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノオレエートエチレンオキサイド付加物、ソルビタンモノステアレートエチレンオキサイド付加物、ソルビタンモノパルミテートエチレンオキサイド付加物、及びソルビタンモノラウレートエチレンオキサイド付加物からなる群から選ばれる少なくとも1種である上記1〜3のいずれか1項記載の金属加工油剤組成物。
6.成分(C)の変性シリコーンが、油溶性のポリエーテル変性シリコーンである上記1〜5のいずれか1項記載の金属加工油剤組成物。
7.成分(C)の変性シリコーンが、油溶性のポリエーテル変性シリコーンであり、その珪素含有量が成分(C)全体の5〜30質量%である上記6項記載の金属加工油剤組成物。
8.成分(D)が、40℃の動粘度が36mm2以下の鉱油、合成油、及び植物油からなる群から選ばれる少なくとも1種である上記1〜7のいずれか1項記載の金属加工油剤組成物。
9.成分(D)が、鉱油、アルキルベンゼン、ノルマルパラフィン、αオレフィン、イソパラフィン、炭素原子数6〜30の脂肪酸のメチルエステル、炭素原子数6〜30の脂肪酸のエチルエステル、炭素原子数6〜30の脂肪酸の2−エチルヘキシルエステル、炭素原子数6〜30の脂肪酸のトリグリセライド、炭素原子数6〜30の脂肪酸のジグリセライド、炭素原子数6〜30の脂肪酸のモノグリセライド、炭素原子数6〜30の脂肪酸のトリメチロールプロパントリグリセライド、炭素原子数6〜12の脂肪酸のペンタエリスリトールテトラエステル、及び炭素原子数6〜14の二塩基酸と炭素原子数6〜12の脂肪族アルコールとのジエステル、からなる群から選ばれる少なくとも1種である上記1〜8のいずれか1項記載の金属加工油剤組成物。
10.上記1〜9のいずれか1項記載の金属加工油剤組成物100質量部と、砥粒0.08〜100質量部を含む、研磨、ラッピング加工用スラリー。
11.砥粒が、シリコンカーバイド、窒化硼素、セリア、アルミナ、シリカ、ジルコニア、及びダイヤモンドパウダーからなる群から選ばれる少なくとも1種である上記10記載の研磨、ラッピング加工用スラリー。
12.砥粒が、ダイヤモンドパウダーであり、その量が金属加工油剤組成物100質量部に対して0.08〜1.0質量部である上記11記載の研磨、ラッピング加工用スラリー。
13.上記10〜12のいずれか1項記載の研磨、ラッピング加工用スラリーを使用することを特徴とする、脆性材料の加工方法。
本発明の金属加工油剤組成物は砥粒の分散性が良好で、スラリー中の砥粒が沈降してもケーキングしにくく、容易に再分散できる。従って、本発明のスラリーを用いると、自動車部品に代表される金属部品を研磨、ラッピング加工する際に精度の高い加工が可能になる。
本発明は(A)プロピレングリコールエーテル1〜25質量%、(B)ソルビタン誘導体0.5〜10質量%、(C)変性シリコーン0.5〜10質量%、及び(D)鉱油、合成油、及び植物油からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む金属加工油剤組成物である。
成分(A)は、組成物の総質量に対して1〜25質量%、好ましくは5〜15質量%であり、成分(B)は組成物の総質量に対して0.5〜10質量%、好ましくは1〜5質量%、成分(C)は組成物の総質量に対して0.5〜10質量%、好ましくは1〜5質量%であり、残部は成分(D)及び任意成分としての他の添加剤である。
成分(A)は、組成物の総質量に対して1〜25質量%、好ましくは5〜15質量%であり、成分(B)は組成物の総質量に対して0.5〜10質量%、好ましくは1〜5質量%、成分(C)は組成物の総質量に対して0.5〜10質量%、好ましくは1〜5質量%であり、残部は成分(D)及び任意成分としての他の添加剤である。
成分(A)のプロピレングリコールエーテルとしては、好ましくは、炭素原子数1〜8のアルコールに、2〜30モルのプロピレングリコールを付加したものであり、さらに好ましくは、メタノール、エタノール、プロパノール及びブタノールからなる群から選ばれる少なくとも1種に、2〜30モル、好ましくは3〜30モル、さらに好ましくは2〜15モルのプロピレングリコールを付加したものである。
成分(A)の含有量が1質量%未満では、液の安定性を保つことが難しく、長期間保存すると液が分離する傾向があり、また、25質量%を超えた場合にも液の安定性を保つことが難しい。
成分(A)の含有量が1質量%未満では、液の安定性を保つことが難しく、長期間保存すると液が分離する傾向があり、また、25質量%を超えた場合にも液の安定性を保つことが難しい。
成分(B)のソルビタン誘導体としては、ソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルエチレンオキサイド付加物が挙げられる。脂肪酸としては好ましくは炭素原子数12〜22、さらに好ましくは炭素原子数12〜18のものが挙げられる。脂肪酸は直鎖脂肪酸でも分岐脂肪酸でも良く、飽和でも不飽和でも良いが、直鎖不飽和脂肪酸が好ましい。具体的には、ソルビタンモノエステル、ソルビタンジエステル、ソルビタントリエステル、ソルビタンモノエステルエチレンオキサイド付加物、ソルビタンジエステルエチレンオキサイド付加物、及びソルビタントリエステルエチレンオキサイド付加物からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。さらに好ましくは、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノオレエートエチレンオキサイド付加物、ソルビタンモノステアレートエチレンオキサイド付加物、ソルビタンモノパルミテートエチレンオキサイド付加物、及びソルビタンモノラウレートエチレンオキサイド付加物からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、最も好ましくはソルビタンモノオレエート、及びソルビタンモノオレエートエチレンオキサイド付加物の少なくとも1種である。
成分(B)の含有量が0.5質量%未満では、砥粒分散後静置した場合、ケーキングが起こり、砥粒の再分散が困難になる傾向があり、また、10質量%を超えた場合には液の安定性を保つことが難しく、また、砥粒(特にダイヤモンドパウダー)がガラスに付着しやすくなる。
成分(B)の含有量が0.5質量%未満では、砥粒分散後静置した場合、ケーキングが起こり、砥粒の再分散が困難になる傾向があり、また、10質量%を超えた場合には液の安定性を保つことが難しく、また、砥粒(特にダイヤモンドパウダー)がガラスに付着しやすくなる。
成分(C)の変性シリコーンとしては、油溶性のポリエーテル変性シリコーンが好ましく、特にその珪素含有量が成分(C)全体の5〜30質量%であるものが好ましい。
成分(C)の含有量が0.5質量%未満では、砥粒分散後静置した場合、ケーキングが起こり、砥粒の再分散が困難になる傾向があり、また、砥粒(特にダイヤモンドパウダー)がガラスに付着しやすくなる。また、10質量%を超えた場合には液の泡立ちが多く実使用時(加工時)に泡をかみこみ、砥粒の供給が困難になることがある。
成分(C)の含有量が0.5質量%未満では、砥粒分散後静置した場合、ケーキングが起こり、砥粒の再分散が困難になる傾向があり、また、砥粒(特にダイヤモンドパウダー)がガラスに付着しやすくなる。また、10質量%を超えた場合には液の泡立ちが多く実使用時(加工時)に泡をかみこみ、砥粒の供給が困難になることがある。
成分(D)としては、40℃の動粘度が36mm2以下の鉱油、合成油、及び植物油からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。具体例としては、鉱油、アルキルベンゼン、ノルマルパラフィン、αオレフィン、イソパラフィン、炭素原子数6〜30の脂肪酸のメチルエステル、炭素原子数6〜30の脂肪酸のエチルエステル、炭素原子数6〜30の脂肪酸の2−エチルヘキシルエステル、炭素原子数6〜30の脂肪酸のトリグリセライド、炭素原子数6〜30の脂肪酸のジグリセライド、炭素原子数6〜30の脂肪酸のモノグリセライド、炭素原子数6〜30の脂肪酸のトリメチロールプロパントリグリセライド、炭素原子数6〜12の脂肪酸のペンタエリスリトールテトラエステル、及び炭素原子数6〜14の二塩基酸と炭素原子数6〜12の脂肪族アルコールとのジエステル、からなる群から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。植物油(例えば、ナタネ油、ヒマワリ油)も挙げられる。
本発明はさらに、上記金属加工油剤組成物100質量部と、砥粒0.08〜100質量部を含む、研磨、ラッピング加工用スラリーを提供するものである。砥粒の具体例としては、シリコンカーバイド、窒化硼素、セリア、アルミナ、シリカ、ジルコニア、及びダイヤモンドパウダーからなる群から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。砥粒の量はその種類により異なるが、上記金属加工油剤組成物100質量部に対して、ダイヤモンドパウダーでは、0.08〜1.0質量部、シリコンカーバイドでは50〜100質量部、その他の砥粒では30〜50質量部程度が適当である。
本発明の金属加工油剤組成物及びそれを含むスラリーには、増粘剤、分散剤、防錆剤、キレート剤、カップリング剤、塩基性物質、界面活性剤、極圧添加剤、酸化防止剤、油脂、脂肪酸、粘度指数向上剤等の添加剤を配合してもよい。
本発明の金属加工油剤組成物を用いたスラリーは、遊離砥粒を利用して自動車部品に代表される金属部品をラッピング加工する際に使用するのに適しているが、本発明の金属加工方法は、上記ラッピング加工に限定されるものではなく、単結晶シリコンカーバイド、多結晶シリコンカーバイド、ガリウム砒素、水晶、サファイア等の脆性材料の研削加工、研磨加工、ラッピング加工、ブレードソー切断加工、ワイヤソー切断加工等の加工にも使用できる。従って、この明細書において「金属加工」とは「金属材料、半導体材料等の無機材料の加工」を意味するものとする。
本発明の金属加工油剤組成物を用いたスラリーは、遊離砥粒を利用して自動車部品に代表される金属部品をラッピング加工する際に使用するのに適しているが、本発明の金属加工方法は、上記ラッピング加工に限定されるものではなく、単結晶シリコンカーバイド、多結晶シリコンカーバイド、ガリウム砒素、水晶、サファイア等の脆性材料の研削加工、研磨加工、ラッピング加工、ブレードソー切断加工、ワイヤソー切断加工等の加工にも使用できる。従って、この明細書において「金属加工」とは「金属材料、半導体材料等の無機材料の加工」を意味するものとする。
以下実施例及び比較例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されない。
実施例1〜8、比較例1〜6
表1及び表2に示す成分を混合して加工油剤組成物を調製した。
実施例1〜8、比較例1〜6
表1及び表2に示す成分を混合して加工油剤組成物を調製した。
液安定性の評価方法
油剤を50mLロウソクビンに入れ、室温で24時間放置する。24時間経過後、液の外観を目視で判断し、以下の基準により評価する。
〇:変化なし
×:二層分離または濁り発生
油剤を50mLロウソクビンに入れ、室温で24時間放置する。24時間経過後、液の外観を目視で判断し、以下の基準により評価する。
〇:変化なし
×:二層分離または濁り発生
耐ガラス付着性の評価方法
油剤1Lに、50カラットのダイヤモンドパウダーを添加し、良く攪拌した後、油剤を50mLロウソクビンに入れ、25℃で24時間放置する。そのときロウソクビンに対するダイヤモンドパウダーの挙動を目視で判断し、以下の基準により評価する。
〇:ガラス表面に付着粒子なし
×:ガラス表面に付着粒子あり、又は粒子が凝集している
油剤1Lに、50カラットのダイヤモンドパウダーを添加し、良く攪拌した後、油剤を50mLロウソクビンに入れ、25℃で24時間放置する。そのときロウソクビンに対するダイヤモンドパウダーの挙動を目視で判断し、以下の基準により評価する。
〇:ガラス表面に付着粒子なし
×:ガラス表面に付着粒子あり、又は粒子が凝集している
耐ケーキング性(再分散性)の評価方法
油剤1Lに、5カラットのダイヤモンドパウダーを添加し、よく攪拌した後、−20℃で24時間放置する。その後25℃で2時間放置し、次いで攪拌により再分散した際のダイヤモンドパウダーの分散性を目視で判断し、以下の基準により評価する。
〇:簡単な攪拌で再分散する
△:再分散はするが、攪拌が困難である
×:再分散しない
油剤1Lに、5カラットのダイヤモンドパウダーを添加し、よく攪拌した後、−20℃で24時間放置する。その後25℃で2時間放置し、次いで攪拌により再分散した際のダイヤモンドパウダーの分散性を目視で判断し、以下の基準により評価する。
〇:簡単な攪拌で再分散する
△:再分散はするが、攪拌が困難である
×:再分散しない
消泡性の評価方法
油剤50mLを100mL有栓メスシリンダーに採り、栓をして上下に15秒間(約40〜50回)振り混ぜる。静置後、泡の高さを確認し、以下の基準により評価する。
〇:静置5分後に泡の残存がない
△:静置5分後に泡の残存がない10mL以下
×:静置5分後に泡の残存がない10mL超
油剤50mLを100mL有栓メスシリンダーに採り、栓をして上下に15秒間(約40〜50回)振り混ぜる。静置後、泡の高さを確認し、以下の基準により評価する。
〇:静置5分後に泡の残存がない
△:静置5分後に泡の残存がない10mL以下
×:静置5分後に泡の残存がない10mL超
変性シリコーンA:ダウコーニング製DC−71(珪素含有量10〜15質量%)
変性シリコーンB:ダウコーニング製DC−74(珪素含有量10〜20質量%)
変性シリコーンB:ダウコーニング製DC−74(珪素含有量10〜20質量%)
(A)プロピレングリコールエーテル、(B)ソルビタン誘導体、(C)変性シリコーン、及び(D)鉱油、合成油、及び植物油からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する本発明の実施例1〜8の金属加工油剤組成物は、液安定性、耐ガラス付着性、耐ケーキング性(再分散性)、及び消泡性に優れている。
これに対して成分(A)を含まない比較例1は液安定性が劣り、成分(B)を含まない比較例2は耐ケーキング性が劣り、成分(C)を含まない比較例3は耐ガラス付着性及び耐ケーキング性が劣り、成分(A)の含有量が多い比較例4は液安定性が劣り、成分(B)の含有量が多い比較例5は液安定性及び耐ガラス付着性が劣り、成分(C)の含有量が多い比較例6は消泡性が劣ることが判る。
これに対して成分(A)を含まない比較例1は液安定性が劣り、成分(B)を含まない比較例2は耐ケーキング性が劣り、成分(C)を含まない比較例3は耐ガラス付着性及び耐ケーキング性が劣り、成分(A)の含有量が多い比較例4は液安定性が劣り、成分(B)の含有量が多い比較例5は液安定性及び耐ガラス付着性が劣り、成分(C)の含有量が多い比較例6は消泡性が劣ることが判る。
Claims (13)
- 下記の成分を含む金属加工油剤組成物。
(A)プロピレングリコールエーテル1〜25質量%、
(B)ソルビタン誘導体0.5〜10質量%、
(C)変性シリコーン0.5〜10質量%、及び
(D)鉱油、合成油、及び植物油からなる群から選ばれる少なくとも1種。 - 成分(A)のプロピレングリコールエーテルが、炭素原子数1〜8のアルコールに、2〜30モルのプロピレングリコールを付加したものである請求項1記載の金属加工油剤組成物。
- 成分(A)のプロピレングリコールエーテルが、メタノール、エタノール、プロパノール及びブタノールからなる群から選ばれる少なくとも1種に、3〜30モルのプロピレングリコールを付加したものである請求項1記載の金属加工油剤組成物。
- 成分(B)のソルビタン誘導体が、ソルビタンモノエステル、ソルビタンジエステル、ソルビタントリエステル、ソルビタンモノエステルエチレンオキサイド付加物、ソルビタンジエステルエチレンオキサイド付加物、及びソルビタントリエステルエチレンオキサイド付加物からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜3のいずれか1項記載の金属加工油剤組成物。
- 成分(B)のソルビタン誘導体が、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノオレエートエチレンオキサイド付加物、ソルビタンモノステアレートエチレンオキサイド付加物、ソルビタンモノパルミテートエチレンオキサイド付加物、及びソルビタンモノラウレートエチレンオキサイド付加物からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜3のいずれか1項記載の金属加工油剤組成物。
- 成分(C)の変性シリコーンが、油溶性のポリエーテル変性シリコーンである請求項1〜5のいずれか1項記載の金属加工油剤組成物。
- 成分(C)の変性シリコーンが、油溶性のポリエーテル変性シリコーンであり、その珪素含有量が成分(C)全体の5〜30質量%である請求項6項記載の金属加工油剤組成物。
- 成分(D)が、40℃の動粘度が36mm2以下の鉱油、合成油、及び植物油からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜7のいずれか1項記載の金属加工油剤組成物。
- 成分(D)が、鉱油、アルキルベンゼン、ノルマルパラフィン、αオレフィン、イソパラフィン、炭素原子数6〜30の脂肪酸のメチルエステル、炭素原子数6〜30の脂肪酸のエチルエステル、炭素原子数6〜30の脂肪酸の2−エチルヘキシルエステル、炭素原子数6〜30の脂肪酸のトリグリセライド、炭素原子数6〜30の脂肪酸のジグリセライド、炭素原子数6〜30の脂肪酸のモノグリセライド、炭素原子数6〜30の脂肪酸のトリメチロールプロパントリグリセライド、炭素原子数6〜12の脂肪酸のペンタエリスリトールテトラエステル、及び炭素原子数6〜14の二塩基酸と炭素原子数6〜12の脂肪族アルコールとのジエステル、からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜8のいずれか1項記載の金属加工油剤組成物。
- 請求項1〜9のいずれか1項記載の金属加工油剤組成物100質量部と、砥粒0.08〜100質量部を含む、研磨、ラッピング加工用スラリー。
- 砥粒が、シリコンカーバイド、窒化硼素、セリア、アルミナ、シリカ、ジルコニア、及びダイヤモンドパウダーからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項10記載の研磨、ラッピング加工用スラリー。
- 砥粒が、ダイヤモンドパウダーであり、その量が金属加工油剤組成物100質量部に対して0.08〜1.0質量部である請求項11記載の研磨、ラッピング加工用スラリー。
- 請求項10〜12のいずれか1項記載の研磨、ラッピング加工用スラリーを使用することを特徴とする、脆性材料の加工方法。
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