JP2016039373A - 磁心およびそれを用いたコイル部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】成形性が向上する磁心と、それを用いたコイル部品を提供する。【解決手段】柱状の軸部10とその両端に平板状の鍔部20を備えた磁心1であって、鍔部20は、対向する直線部と直線部を繋ぐ円弧部とを備えた略長円形で、直線部は円弧部との連接部分で段差をもって外方へ突出し、突出方向の端面に向かって厚さが減少する面取り状で、軸部10は、対向する平坦面と平坦面を繋ぐ凸面を備え、平坦面は鍔部20の直線部と略平行であって、鍔部20の軸部10側の面には、鍔部20の円弧部の周面から軸部10の凸面に至り、軸部10に向かって浅くなったテーパ溝27が設けられている。【選択図】図1

Description

本発明は、軟磁性材料粉を用いた磁心と、それを用いたコイル部品に関する。
従来から、家電機器、産業機器、車両など多種多様な用途において、インダクタ、トランス、チョーク等のコイル部品が用いられている。コイル部品は、磁心と、磁心に敷設されたコイルで構成される。かかる磁心には、軟磁性材料粉として磁気特性、形状自由度、価格に優れるフェライトが広く用いられている。
近年、大電流に対しても使用可能なコイル部品の要求が強くなり、フェライトと比較して飽和磁束密度が高い金属軟磁性材料粉を使用したコイル部品も提案されている。金属軟磁性材料粉としては、例えば純Fe、あるいはFe−Si−Al系合金、Fe−Si−Cr系合金、Fe−Ni系合金、Fe−Al−Cr系合金などの軟磁性材料粉が用いられている。
特許文献1や特許文献2には、断面を柱状の軸部と、その両端に平板状をなす鍔部を有する鍔付き磁心が開示される。それらは前記軟磁性材料粉を圧縮成形し、焼結、あるいは焼鈍するなどして得られる。軸部や鍔部は圧縮成形を容易とするため、それぞれの周面には対向する平坦面が設けられて、鍔部や軸部の断面は略長円形に形成される。
実開昭59−166413号公報 実開平6−50314号公報
電子機器等の電源装置の小型化が進んだ結果、小型・低背なコイル部品の要求が強い。用いられる磁心もまた同様に、小型・低背なものが求められる。鍔付き磁心は小型になるほど圧縮成形でニアネットシェイプ成形体を得るのが難しい問題がある。柱状の成形体、あるいは焼結体に研削加工を施して鍔付き磁心とする方法もあるが、加工工数の増加やコストの増加が見込まれる。特許文献1、2に示された磁心のように、鍔部や軸部を略楕円形とすることで成形性が改善されるが、その更なる向上が求められている。
そこで本発明は、圧縮成形にて成形性を向上し得る磁心と、それを用いたコイル部品を提供することを目的とする。
第1の発明は、柱状の軸部とその両端に平板状の鍔部を備えた磁心であって、前記鍔部は、対向する直線部と前記直線部を繋ぐ円弧部とを備えた略長円形で、前記直線部は前記円弧部との連接部分で段差をもって外方へ突出し、突出方向の端面に向かって厚さが減少する面取り状で、前記軸部は、対向する平坦面と前記平坦面を繋ぐ凸面を備え、前記平坦面は前記鍔部の直線部と略平行に形成され、前記鍔部の軸部側の面には、前記鍔部の円弧部の周面から前記軸部の凸面に至り、軸部に向かって浅くなったテーパ溝が設けられている磁心である。
第1の発明において、前記軸部は、前記鍔部と平行に現れる断面が略方形で、対向する2辺の一部が円弧状であって、略方形の外形に外接する仮想円よりも内にあるのが好ましい。
また第1の発明においては、前記軸部はその断面において、平坦面側を長辺とし、凸面側を短辺とする略長方形であるのが好ましい。
また第1の発明においては、前記鍔部の直線部は前記鍔部の長径を直径とする仮想円から内側にあるのが好ましい。
また第1の発明においては、前記軸部の平坦面と凸面との稜角部が面取りされるのが好ましい。
また第1の発明においては、磁心を構成する軟磁性材料粉が、純Fe、Fe−Si−Al系、Fe−Si−Cr系、Fe−Ni系、Fe−Al−Cr系合金のうちのいずれかの金属系軟磁性材料粉であるのが好ましい。
第2の発明は、第1の発明の磁心を用いたコイル部品であって、磁心の軸部にコイルが敷設されたことを特徴とするコイル部品である。
第2の発明においては、前記軸部に敷設されたコイルを囲う他の磁心を備えるのが好ましい。
本発明によれば、圧縮成形において成形性が向上する磁心と、それを用いたコイル部品を提供することが出来る。
本発明の一実施形態に係る磁心の斜視図である。 本発明の一実施形態に係る磁心の正面図である。 本発明の一実施形態に係る磁心の鍔部の形態を説明するための図である。 本発明の一実施形態に係る磁心の右側面図である。 本発明の一実施形態に係る磁心の平面図である。 本発明の一実施形態に係る磁心のA−A断面図である。 本発明の一実施形態に係る磁心のB−B断面図である。 本発明の一実施形態に係る磁心の軸部の形態を説明するための図である。 本発明の一実施形態に係るコイル部品の断面図である。 本発明の他の実施形態に係るコイル部品の断面図である。
(磁心)
以下、本発明の一実施形態に係る磁心およびそれを用いたコイル部品について具体的に説明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではない。なお、図の一部又は全部において、説明に不要な部分は省略し、また説明を容易にするために拡大または縮小等して図示した部分がある。また、説明において上下左右は図面における上下左右を意味し、相対的なものであって、例えば上方を下方と言い換えても構造が異なる訳ではない。
図1は本発明の一実施形態に係る磁心の斜視図であり、図2は本発明の一実施形態に係る磁心の正面図であり、図3は本発明の一実施形態に係る磁心の鍔部の形態を説明するための図である。
図1に磁心の斜視図を示す。磁心1は、柱状の軸部10とその両端に平板状の鍔部20を備え、鼓型あるいはドラム型と呼ばれる形状である。軟磁性材料粉を所定の形状に圧縮成形した後、成形体に焼成あるいは焼鈍等の熱処理を行って磁心1とする。各鍔部20は軸部10側の面に、円弧状の周面から軸部10に向かって浅くなったテーパ溝27が、軸部10を介して上下に対向して形成されている。軸部10は2つの平坦面と、前記平坦面を繋ぐ2面に円弧状に突出した凸面を有する。磁心1の鍔部20と軸部10とは、軟磁性材料粉を圧縮成形して一体に形成される。なお、図1においてZ軸方向が成形時の圧縮方向となる。軟磁性材料粉は、Mn−Zn系フェライトの軟磁性材料粉や純Fe、Fe−Si−Al系、Fe−Si−Cr系、Fe−Ni系、Fe−Al−Cr系合金のうちのいずれかの金属系軟磁性材料粉を用い得るが、高い飽和磁束密度の金属系軟磁性材料粉を用いるのが好ましい。
以下、磁心の各部を詳細に説明する。図2は図1に示した磁心をY軸方向に見た正面図であって、鍔部20の形態の一例を示す。鍔部20は、それぞれZ軸方向で上下に位置する円弧部23と、それ等を繋ぎ、X軸方向にて左右に位置された直線部21とを備えた略長円形状に形成される。円弧部23と直線部21との連接部分では、段差25をもって前記直線部21が円弧部23の周面から外方へ突出する。なお、段差部分はXY面と平行な平坦面となっている。円弧部23の左右端部は成形圧力が作用し難く成形密度が上がり難いが、段差25を設けることで他の部位との密度差を少なくすることが出来る。そのため大きな成形圧力をかけて成形密度を上げなくても強度不足による割れや欠け等を防ぐことが出来る。また、成形金型に成形体の一部が密着して離型出来ず、成形体に割れや欠けが生じることも減じられる。軟磁性材料粉としてフェライトを用いる場合には、焼結収縮の際に密度差によって生じる変形を低減し得る。
鍔部20に段差25を設けることで成形金型を保護することも出来る。成形金型の上パンチ、下パンチは、鍔部20と対応する部位が湾曲形成され、端部になるほどに厚さが薄くて破損し易いが、鍔部20に段差25を形成することで、成形金型(上パンチ、下パンチ)の端部の厚さが確保され強度が増して破損を低減することが出来る。
図3に、鍔部20の正面図とともに、その長径を直径とする仮想円C1を一点鎖線で示す。なお、鍔部20を明確にするように図面にハッチングを加えて示している。鍔部20の直線部21は仮想円C1から内側にある。
磁心1は後述するコイル部品の構成において、他の筒状磁心と同心となるように組み合わせて用いる場合がある。磁心1は筒状磁心の内側空間に収められるが、鍔部20の直線部21を仮想円C1から内側とすれば筒状磁心と干渉することが無い。また、前記仮想円C1を筒状磁心の内径と見立てると、鍔部の長径を筒状磁心の内径と略等しくしたり、直線部21の段差25を利用し、その角部の対角線の長さを筒状磁心の内径と略等しくしたりすれば、XZ面における磁心1の移動が規制されてインダクタンス値がばらつくのを防ぐことが出来る。
また、鍔部20の円弧部23の周面と筒状磁心の内周との間隔(ギャップ)を変えることで、筒状磁心と磁心1との組み合わせたコイル部品のインダクタンス値を調整することも出来る。
図4は本発明の一実施形態に係る磁心の右側面図であり、図5は本発明の一実施形態に係る磁心の平面図である。図6は本発明の一実施形態に係る磁心の図4のA−A断面図である。図7は本発明の一実施形態に係る磁心の図2のB−B断面図である。図8は本発明の一実施形態に係る磁心の軸部の形態を説明するための図である。
図4では軸部10のZ軸方向の端と同じ位置に段差25があるが適宜異ならせても良い。例えば、コイル部品のインダクタンス値を大きくするには、鍔部20の体積を増すのが望ましいが、その場合には段差25の間隔を狭め直線部21の長さを短く形成すれば良い。直線部21の長さは、前述した段差25を設けることによる密度差低減効果が得られる範囲内で設定される。
図5は磁心1の平面図である。XY面に現れる鍔部20は、その直線部21が円弧部23から突出し突出方向(X方向)の端面に向かって厚さが減少する面取り状で、角部が丸められた形状となっている。このような構成によれば、直線部21の角部に外力が作用しても欠け等の破損が生じるのを減じることが出来る。直線部21の端面は平坦面となっており、磁心1に巻線機で導線を巻回する際に、そこを掴んで固定する場合があるが、その際にも破損が生じるのを防ぐことが出来る。また、直線部21の角部が面取り状であると、成形時における応力集中が減じられて金型の破損を防ぐのにも有効である。丸面取り形状であれば、R0.1以上であるのが望ましい。上限は段差25の突出幅に収まり、かつ端面が平坦面となっていれば特に限定されない。なお面取り形状は角面取りでもかまわない。
図4に示した磁心のA−A断面を図6に示す。鍔部20とともに軸部10の断面が現れ、その断面形状は4つの角部を備えた略方形となっている。軸部10の各側面の内、成形加圧方向Pと平行な2面は、鍔部20の直線部21と平行な平坦面11となっている。また、成形加圧方向Pに対して直交する2面は、前記鍔部20の円弧部23に向かって円弧状に突出する凸面15である。前記凸面15は平坦面11から少し引き下がった位置から突出し、凸面15から平坦面11との間17は平坦に形成されている。軸部10はその断面形状が略方形であるので、圧縮成形時の密度が均一になり易い。また、円形、あるいは長円形と比較して断面積を大きく出来て、相対的に軸部10の強度を大きくし、また、コイル部品のインダクタンス値を高め得る。
図2に示した磁心のB−B断面を図7に示す。テーパ溝27は、鍔部20の円弧部23の周面から軸部10の凸面側に至り、軸部10に向かって浅くなっている。この様な構成によれば、成形時において金型の上パンチ、下パンチの抜き性が向上して一層成形性が向上する。また、軸部10の上下位置に設けられた鍔部20のテーパ溝27は、X軸方向に軸部10と同じ幅で形成される。圧縮成形時において、鍔部20と軸部10の凸面側との接合部分に応力が集中し、割れ等が発生し易い。この対処方法として、接合部分の隅を曲面や斜面として応力集中を低減する方法がある。しかしながら、接合部分の隅を曲面や斜面とすると、軸部10の端部が盛り上がり、コイルを巻装する幅が減少し巻径が増す。コイルが鍔部20の周面からはみ出さないようにするには、鍔部20を大きくせざるを得ず、コイル部品を小型に構成するのに困難な場合がある。図示したように鍔部20の一部を窪ませ、軸部10と同じ幅でテーパ溝27を設けることで、接合部分の隅を曲面や斜面としなくても、接合部分への応力集中を低減することが出来る。鍔部20と軸部10の平坦面側を含む接合部分の隅を曲面や斜面とすることなく構成すれば、コイルを巻装する幅が減少することが無い。また、鍔部20と軸部10の凸面側との接合部分の隅を曲面や斜面とする場合でも、盛り上りをテーパ溝27内に収めることが出来るので、コイルを巻装する幅が減少することが無く、鍔部20の軸部10との接合部分にてコイルの巻き乱れが生じるのを防ぐことが出来る。
図8に軸部10の断面とともに、略方形の外形に外接する仮想円C2を一点鎖線で示す。前記凸面15は、前記仮想円C2よりも内側に設けるのが圧縮成形時の密度の均一化の点で好ましい。また、断面積を大きく得ながら、コイルの一部が鍔部20の周面からはみ出さない様に、凸面15側の2辺に対して、平坦面11側の2辺を長くした長方形とするのが好ましい。更に巻装時にコイルを傷つけないように、軸部10の平坦面11と円弧状の凸面15との稜角部を、ブラシ等を用いて面取りするのが好ましい。面取りは軟らかくて加工が容易な成形体に行うのが好ましい。面取りの程度は、コイルを傷つけないという目的に応じて適宜設定され得る。面取りされた部分は成形面とは異なる加工面となる。
次に磁心の製造方法について説明する。磁心を構成する軟磁性材料粉としてFe−Al−Cr系合金を用いて、軟磁性材料粉由来の酸化物で合金粒を結合して磁心とする場合を例にする。水ア卜マイズ法により粉末化したFe−Al−Cr系合金粒と、バインダ(PVA)と、溶媒としてイオン交換水を攪拌混合してスラリーとし、そのスラリーをスプレードライヤーにより噴霧乾燥して顆粒とする。バインダは他に、ポリエチレン樹脂、アクリル樹指等の各種有機バインダを用いることができる。顆粒の形状やその平均粒径等で金型内での顆粒の流動性が変るので、球状の顆粒が得られやすい噴霧乾燥法を採用するのが好ましい。また、ふるいを通して分級し、顆粒の粗大粒を除去してふるい通し後の顆粒の平均粒径d50を60〜80μmの範囲内とするのが好ましい。
得られた顆粒を金型内に供給し、油圧プレス機を使用して圧縮成形する。プレス装置は油圧プレス機に変えてサーボプレス機を用いても良い。また、圧縮成形時の軟磁性材料粉と成形金型との摩擦を低減させるために、ステアリン酸、ステアリン酸塩等の潤滑材を添加しても良い。顆粒を室温よりも暖めると成形性が一層向上するが、室温でも1.0GPa以下の成形圧力で成形し得る。得られた成形体は柱状の軸部とその両端に平板状の鍔部を備え、前記鍔部は、対向する直線部と前記直線部を繋ぐ円弧部とを備えた略長円形で、前記直線部は前記円弧部との連接部分で段差をもって外方へ突出し、突出方向に向かって幅が狭く、 前記軸部は、対向する平坦面と前記平坦面を繋ぐ凸面を備え、前記平坦面は前記鍔部の直線部と略平行であって、前記鍔部の軸部側の面には、前記鍔部の円弧部の周面から前記軸部の凸面に至り、軸部に向かって浅くなったテーパ溝が設けられている。なお、鍔部の円弧部にテーパ溝とは別に溝部を設けても良い。前記溝部は成形圧力が作用する方向に形成され、例えば軸部に巻回されるコイルの端部を引き出すのに利用され得る。
成形後、次の熱処理の前に成形体の軸部の平坦面と凸面との稜角部を、ブラシ等を用いて面取りしても良い。
得られた成形体を電気炉内に配置し、室温から所定の熱処理温度まで昇温し、所定の熱処理温度で保持した後、炉冷して磁心を得る。この熱処理によって前述のバインダは消失する。前記熱処理は成形時に導入された応力歪を緩和(焼鈍)して良好な磁気特性を得るとともに、Fe−Al−Cr系合金粒の表面を覆い、かつ、隣り合う合金粒を繋ぐ酸化物層を形成するために行われる。酸化物層には酸素との親和力が鉄よりも大きい合金粒由来のAlが濃化する。
熱処理は、大気中、または、酸素と不活性ガスとの混合気体中など、酸素が存在する雰囲気中で行う。また、水蒸気と不活性ガスとの混合気体中など、水蒸気が存在する雰囲気中で焼鈍を行うこともできるが、これらのうち大気中の熱処理が簡便であり好ましい。焼鈍と酸化物層の形成のため、前記所定の熱処理温度を600℃以上とする。応力歪の緩和を目的とすれば熱処理温度は高いほど好ましいが、酸化物層の部分的な消失や変質などにより絶縁性が低下したり、焼結が著しく進んで合金粒同士が直接接触したりして、それらが部分的に繋がった部分(ネック部)が増えたりすることで、比抵抗が低下して磁心の渦電流損失の増加を招くなどの弊害が生じる場合がある。そのため、熱処理温度は900℃以下が好ましい。その温度での保持時間は、磁心の大きさ、処理量、特性ばらつきの許容範囲などによって適宜設定されるが、1〜4時間とするのが好ましい。Fe−Si−Al系合金粒、Fe−Si−Cr系合金粒を用いる場合でも同様な製造方法で磁心を作製し得る。
(コイル部品)
図9は本発明の一実施形態に係るコイル部品の断面図であり、図10は本発明の他の実施形態に係るコイル部品の断面図である。以下、磁心1を用いたコイル部品について説明する。図9に示したコイル部品では、磁心1の下側に端子電極60が形成されている。端子電極60は、例えば、AgとPtを含む金属粒とガラス粉末とを含む導体ペーストを用いて形成され得る。端子電極60に、コイル50の両端部55a、55bをはんだ接続してコイル部品100とする。コイルを巻設する際に磁心1の破損なく、またコイルの巻き乱れによる鍔部周面からのコイルのはみ出しも無く構成することが出来る。
図10は他の実施態様に係る磁気シールド型のコイル部品の断面図を示す。磁心1の外周側に筒状磁心80を配置したコイル部品である。筒状磁心80は磁心1と同材質の軟磁性材料粉を用いても良いし、異なる材質の軟磁性材料粉を用いても良い。図示した例では端子電極60を筒状磁心80に形成している。得られたコイル部品は、コイルのはみ出しが無く筒状磁心80との干渉もない。また、鍔部の長径を筒状磁心80の内径と略同じとするとともに、直線部にて角部の対角線の長さを筒状磁心80の内径と略同じとしたことで、磁心1と筒状磁心80との組み合わせで、インダクタンス値がばらつくのを防ぐことが出来た。
1 磁心
10 軸部
11 平坦面
15 凸面
20 鍔部
21 直線部
23 円弧部
25 段差
27 テーパ溝
50 コイル
80 筒状磁心
100 コイル部品

Claims (8)

  1. 柱状の軸部とその両端に平板状の鍔部を備えた磁心であって、
    前記鍔部は、対向する直線部と前記直線部を繋ぐ円弧部とを備えた略長円形で、前記直線部は前記円弧部との連接部分で段差をもって外方へ突出し、突出方向の端面に向かって厚さが減少する面取り状で、
    前記軸部は、対向する平坦面と前記平坦面を繋ぐ凸面を備え、前記平坦面は前記鍔部の直線部と略平行であって、
    前記鍔部の軸部側の面には、前記鍔部の円弧部の周面から前記軸部の凸面に至り、軸部に向かって浅くなったテーパ溝が設けられている磁心。
  2. 請求項1に記載の磁心であって、
    前記軸部は、前記鍔部と平行に現れる断面が略方形で、対向する2辺の一部が円弧状であって、略方形の外形に外接する仮想円よりも内にある磁心。
  3. 請求項1又は2に記載の磁心であって、
    前記軸部はその断面において、平坦面側を長辺とし、凸面側を短辺とする略長方形である磁心。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の磁心であって、
    前記鍔部の直線部は、前記鍔部の長径を直径とする仮想円から内側にある磁心。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の磁心であって、
    前記軸部の平坦面と凸面との稜角部が面取りされた磁心。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の磁心であって、
    磁心を構成する軟磁性材料粉が、純Fe、Fe−Si−Al系合金、Fe−Si−Cr系合金、Fe−Ni系合金、Fe−Al−Cr系合金のうちのいずれかの金属系軟磁性材料粉である磁心。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の磁心を用いたコイル部品であって、
    磁心の軸部にコイルが敷設されたコイル部品。
  8. 請求項7に記載のコイル部品であって、
    前記軸部に敷設されたコイルを囲う他の磁心を備えたコイル部品。

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