JPH1154329A - 巻線型インダクタ - Google Patents
巻線型インダクタInfo
- Publication number
- JPH1154329A JPH1154329A JP20569197A JP20569197A JPH1154329A JP H1154329 A JPH1154329 A JP H1154329A JP 20569197 A JP20569197 A JP 20569197A JP 20569197 A JP20569197 A JP 20569197A JP H1154329 A JPH1154329 A JP H1154329A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- core
- winding
- flange
- inductor
- thickness
- Prior art date
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Abstract
(57)【要約】
【課題】柱状の巻線部2aの少なくとも一方端にフラン
ジ部2bを有するコア2に巻線4を施し、この周囲をリ
ングコア3で覆ってなる巻線型インダクタにおいて、I
DC(直流重畳特性)が低下することなく小型化する。 【解決手段】上記フランジ部2bを中央部から周辺部2
cに向かって肉厚を漸減する。
ジ部2bを有するコア2に巻線4を施し、この周囲をリ
ングコア3で覆ってなる巻線型インダクタにおいて、I
DC(直流重畳特性)が低下することなく小型化する。 【解決手段】上記フランジ部2bを中央部から周辺部2
cに向かって肉厚を漸減する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種電気回路等に
おいて、チョークコイルやトランス等として使用されて
いる巻線型インダクタに関する。
おいて、チョークコイルやトランス等として使用されて
いる巻線型インダクタに関する。
【0002】
【従来の技術】携帯電話やパソコン等の電子・電気機器
において、チョークコイルやトランス、パワーインダク
タ等の各種インダクタが用いられている。このインダク
タとしては、一般に図5(a)に示すように、柱状の巻
線部2aの両端にフランジ部2bを有する形状のコア2
をフェライト等で形成し、巻線部2aに巻線4を備え、
フランジ部2bに備えた電極5に上記巻線4の端部を接
続し、周囲にリングコア3を被せて接着剤6で接合した
構造のものが一般的である。
において、チョークコイルやトランス、パワーインダク
タ等の各種インダクタが用いられている。このインダク
タとしては、一般に図5(a)に示すように、柱状の巻
線部2aの両端にフランジ部2bを有する形状のコア2
をフェライト等で形成し、巻線部2aに巻線4を備え、
フランジ部2bに備えた電極5に上記巻線4の端部を接
続し、周囲にリングコア3を被せて接着剤6で接合した
構造のものが一般的である。
【0003】ところで、このインダクタの効率化のため
には、コア2を成すフェライト自体の透磁率を高くする
必要があるが、使用される周波数によって自ずと透磁率
が限定される。そこで、フェライト自体の透磁率を最大
限に利用するために、上記のようにコア2をリングコア
3で覆うことが行われている。即ち、図のようにリング
コア3を配置することによって、周囲に漏れ出す磁束を
リングコア3に通して実効透磁率を向上させることがで
き、DCR(直流抵抗)を改善できるのである。
には、コア2を成すフェライト自体の透磁率を高くする
必要があるが、使用される周波数によって自ずと透磁率
が限定される。そこで、フェライト自体の透磁率を最大
限に利用するために、上記のようにコア2をリングコア
3で覆うことが行われている。即ち、図のようにリング
コア3を配置することによって、周囲に漏れ出す磁束を
リングコア3に通して実効透磁率を向上させることがで
き、DCR(直流抵抗)を改善できるのである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図5(a)
に示すインダクタ1において、通常はコア2とリングコ
ア3は接触させずに間に接着剤6を介在させた状態とす
る。これは、両者が接触すると完全な閉磁路となってし
まい、飽和しやすくなってIDC(直流重畳特性)が低
下し、流せる電流が少なくなるためである。
に示すインダクタ1において、通常はコア2とリングコ
ア3は接触させずに間に接着剤6を介在させた状態とす
る。これは、両者が接触すると完全な閉磁路となってし
まい、飽和しやすくなってIDC(直流重畳特性)が低
下し、流せる電流が少なくなるためである。
【0005】これに対し、近年のインダクタ1の小型化
要求に伴い、コア2とリングコア3の間隔が小さくなっ
て、両者の接触によるIDCの低下を避けられないとい
う問題があった。
要求に伴い、コア2とリングコア3の間隔が小さくなっ
て、両者の接触によるIDCの低下を避けられないとい
う問題があった。
【0006】一方、このインダクタ1の製造工程で、図
5(b)に示すように、コア2の巻線部2aに巻線4を
巻回する際に、フランジ部2aの周辺部2cのエッジ部
で巻線4に傷が付きやすいという問題もあった。
5(b)に示すように、コア2の巻線部2aに巻線4を
巻回する際に、フランジ部2aの周辺部2cのエッジ部
で巻線4に傷が付きやすいという問題もあった。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで本発明は、柱状の
巻線部の少なくとも一方端にフランジ部を有するコアに
巻線を施し、この周囲をリングコアで覆ってなる巻線型
インダクタにおいて、上記フランジ部を中央部から周辺
部に向かって肉厚を漸減したことを特徴とする。
巻線部の少なくとも一方端にフランジ部を有するコアに
巻線を施し、この周囲をリングコアで覆ってなる巻線型
インダクタにおいて、上記フランジ部を中央部から周辺
部に向かって肉厚を漸減したことを特徴とする。
【0008】即ち、コアのフランジ部の周辺部を薄くす
ることによって、仮にこの周辺部がリングコアと接触し
ても、接触面積を小さくできることから、上述したID
Cの低下を防止できるのである。なお、フランジ部全体
を薄くしても同じ効果はあるが、この場合は、体積減少
によって実効透磁率が低下し、フランジ部の強度が低く
なる。そこで、本発明ではフランジ部の周辺部のみを肉
薄状とすることによって、高い実効透磁率と強度を維持
したまま、小型化してもIDCの低下の少ない巻線型イ
ンダクタを得ることができる。
ることによって、仮にこの周辺部がリングコアと接触し
ても、接触面積を小さくできることから、上述したID
Cの低下を防止できるのである。なお、フランジ部全体
を薄くしても同じ効果はあるが、この場合は、体積減少
によって実効透磁率が低下し、フランジ部の強度が低く
なる。そこで、本発明ではフランジ部の周辺部のみを肉
薄状とすることによって、高い実効透磁率と強度を維持
したまま、小型化してもIDCの低下の少ない巻線型イ
ンダクタを得ることができる。
【0009】また、フランジ部を周辺に向かって肉薄状
とすることによって、周辺部のエッジが鈍角状となり、
巻線の巻回時に傷を付けにくくすることができる。
とすることによって、周辺部のエッジが鈍角状となり、
巻線の巻回時に傷を付けにくくすることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図によ
って説明する。
って説明する。
【0011】図1に示すように、本発明のインダクタ1
は、巻線4を備えたコア2とリングコア3を接着剤6で
接合してなるものである。
は、巻線4を備えたコア2とリングコア3を接着剤6で
接合してなるものである。
【0012】コア2は、フェライト、アルミナ、樹脂等
からなり、柱状の巻線部2aの両端にフランジ部2bを
備えたものである。また、この巻線部2aには、直径
0.02〜0.2mm程度の銅線からなる巻線4を巻回
し、その両端を一方のフランジ部2bに備えた電極5に
接合してある。さらに、リングコア3は、フェライト、
アルミナ、樹脂等からなる筒状体であり、この内面に上
記コア2を挿入し、コア2のフランジ部2bの周辺部2
cとの間を接着剤6で接合してある。
からなり、柱状の巻線部2aの両端にフランジ部2bを
備えたものである。また、この巻線部2aには、直径
0.02〜0.2mm程度の銅線からなる巻線4を巻回
し、その両端を一方のフランジ部2bに備えた電極5に
接合してある。さらに、リングコア3は、フェライト、
アルミナ、樹脂等からなる筒状体であり、この内面に上
記コア2を挿入し、コア2のフランジ部2bの周辺部2
cとの間を接着剤6で接合してある。
【0013】また、図2(a)に示すように、上記コア
2のフランジ部2bは、中央部から周辺部2cに向かっ
て肉厚を漸減してある。そのため、周辺部2cがリング
コア3と接触しても、その面積が小さいため、IDCの
低下を防止できる。しかも、フランジ部2bの中央部は
比較的厚いため、充分な体積を有して実効透磁率を高く
維持し、またフランジ部2bの強度も高く維持してい
る。しかも、周辺部2cのエッジ部が鈍角状となるた
め、巻線4を巻回する工程で、巻線4がこの周辺部2c
に接触しても傷を付けにくくすることができる。
2のフランジ部2bは、中央部から周辺部2cに向かっ
て肉厚を漸減してある。そのため、周辺部2cがリング
コア3と接触しても、その面積が小さいため、IDCの
低下を防止できる。しかも、フランジ部2bの中央部は
比較的厚いため、充分な体積を有して実効透磁率を高く
維持し、またフランジ部2bの強度も高く維持してい
る。しかも、周辺部2cのエッジ部が鈍角状となるた
め、巻線4を巻回する工程で、巻線4がこの周辺部2c
に接触しても傷を付けにくくすることができる。
【0014】なお、フランジ部2bは、中央部から周辺
部2cに向かって次第に肉厚が小さくなるような形状で
あればよく、図2(a)に示すように直線状に肉厚が減
少する形状に限らない。例えば、図2(b)に示すよう
に、曲線状に肉厚が減少する形状や、図2(c)に示す
ように、フランジ部2bの中央部は一定厚みで、周辺部
2cの近傍のみ次第に肉薄状となるような形状とするこ
ともできる。
部2cに向かって次第に肉厚が小さくなるような形状で
あればよく、図2(a)に示すように直線状に肉厚が減
少する形状に限らない。例えば、図2(b)に示すよう
に、曲線状に肉厚が減少する形状や、図2(c)に示す
ように、フランジ部2bの中央部は一定厚みで、周辺部
2cの近傍のみ次第に肉薄状となるような形状とするこ
ともできる。
【0015】いずれの場合も、フランジ部2bの周辺部
2cの端面はストレート状としておき、この周辺部2c
におけるフランジ部2bの厚みtは0.2mm以上とし
ておくことが好ましい。これは、厚みtが0.2未満で
は、周辺部2cの強度が低くなって、取扱時等にチッピ
ングが生じやすくなるためである。
2cの端面はストレート状としておき、この周辺部2c
におけるフランジ部2bの厚みtは0.2mm以上とし
ておくことが好ましい。これは、厚みtが0.2未満で
は、周辺部2cの強度が低くなって、取扱時等にチッピ
ングが生じやすくなるためである。
【0016】また、フランジ部2bにおける中央部の厚
みTに対する周辺部2cの厚みtの比t/Tは0.2以
上1未満の範囲とすることが好ましい。この理由は、I
DCの低下を防止し、かつ適度な強度を維持するためで
ある。
みTに対する周辺部2cの厚みtの比t/Tは0.2以
上1未満の範囲とすることが好ましい。この理由は、I
DCの低下を防止し、かつ適度な強度を維持するためで
ある。
【0017】さらに、コア2における巻線部2aとフラ
ンジ部2bとの境界に形成される隅部2dは、巻線4の
巻き始めの位置となるため、この隅部2dをエッジ状と
しておけば巻線4の巻き始めの位置や巻線の長さ等のば
らつきを防止することもできる。
ンジ部2bとの境界に形成される隅部2dは、巻線4の
巻き始めの位置となるため、この隅部2dをエッジ状と
しておけば巻線4の巻き始めの位置や巻線の長さ等のば
らつきを防止することもできる。
【0018】なお、以上の実施形態では、コア2の巻線
部2aの両端にフランジ部2bを備えたインダクタ1に
ついて述べたが、他の実施形態として、図3に示すよう
にコア2の一方端のみにフランジ部2bを備えた構造と
することもできる。具体的には、リングコア3として有
底筒状体の(一般にポットコアと呼ばれる)ものを用
い、一方端のみにフランジ部2bを有するコア2を上記
リングコア3に挿入して接着剤6で接合する。
部2aの両端にフランジ部2bを備えたインダクタ1に
ついて述べたが、他の実施形態として、図3に示すよう
にコア2の一方端のみにフランジ部2bを備えた構造と
することもできる。具体的には、リングコア3として有
底筒状体の(一般にポットコアと呼ばれる)ものを用
い、一方端のみにフランジ部2bを有するコア2を上記
リングコア3に挿入して接着剤6で接合する。
【0019】この図3に示す構造の巻線型インダクタに
おいても、フランジ部2bを中央部から周辺部2cに向
けて肉薄状とすることによって、上述したような効果を
奏することができる。
おいても、フランジ部2bを中央部から周辺部2cに向
けて肉薄状とすることによって、上述したような効果を
奏することができる。
【0020】次に、本発明のインダクタ1の製造方法を
説明する。
説明する。
【0021】まず、コア2及びリングコア3は、原料と
してフェライト、アルミナ等のセラミックス、樹脂等の
一種又はこれらの複合材料の粉末を用い、プレス成形に
より形成する。
してフェライト、アルミナ等のセラミックス、樹脂等の
一種又はこれらの複合材料の粉末を用い、プレス成形に
より形成する。
【0022】フェライトとしては、Fe2 O3 −MnO
2 −ZnOを主成分とするMn−Zn系フェライト、F
e2 O3 −NiO−ZnOを主成分とするNi−Zn系
フェライト等を用いる。いずれも、上記主成分以外に、
SiO2 、CuO、Bi2 O3 、CoO等の一種以上を
添加することができ、初透磁率が1〜2000のフェラ
イトを用いる。
2 −ZnOを主成分とするMn−Zn系フェライト、F
e2 O3 −NiO−ZnOを主成分とするNi−Zn系
フェライト等を用いる。いずれも、上記主成分以外に、
SiO2 、CuO、Bi2 O3 、CoO等の一種以上を
添加することができ、初透磁率が1〜2000のフェラ
イトを用いる。
【0023】また、セラミックスとしてはアルミナ(A
l2 O3 )、ジルコニア(ZrO2)等を主成分とし、
それぞれ公知の焼結助剤を添加したものを用いる。
l2 O3 )、ジルコニア(ZrO2)等を主成分とし、
それぞれ公知の焼結助剤を添加したものを用いる。
【0024】さらに、樹脂としては、ポリオレフィン、
ポリカーボネート等を用い、これらの樹脂と上記フェラ
イトやセラミックスを混合した複合材料を用いることも
できる。
ポリカーボネート等を用い、これらの樹脂と上記フェラ
イトやセラミックスを混合した複合材料を用いることも
できる。
【0025】上記フェライト又はセラミックスの原料粉
末を用いる場合は、図1〜3に示すような形状のコア2
及びリングコア3をプレス成形で形成する。なお、コア
2については、図4に示すように円柱状体の成形体20
としておき、この側面をテーパ状のダイヤモンド砥石2
1を用いて切削加工すれば、図1〜3に示すような形状
とすることができる。あるいは、上記原料を用いて射出
成形等により、最終的なコア2の形状となるように成形
することもできる。
末を用いる場合は、図1〜3に示すような形状のコア2
及びリングコア3をプレス成形で形成する。なお、コア
2については、図4に示すように円柱状体の成形体20
としておき、この側面をテーパ状のダイヤモンド砥石2
1を用いて切削加工すれば、図1〜3に示すような形状
とすることができる。あるいは、上記原料を用いて射出
成形等により、最終的なコア2の形状となるように成形
することもできる。
【0026】次に得られた成形体を焼成するが、フェラ
イトの場合は、酸素雰囲気中、950〜1350℃で焼
成し、アルミナセラミックスの場合は酸化雰囲気中、1
200〜1700℃で焼成する。
イトの場合は、酸素雰囲気中、950〜1350℃で焼
成し、アルミナセラミックスの場合は酸化雰囲気中、1
200〜1700℃で焼成する。
【0027】次に、コア2に電極5を形成する。具体的
には、コア2のフランジ部2bの所定位置にAg,Ag
−Pd等の厚膜ペーストや、Mo−Mn,W等の金属を
メタライズした後、Ni,Au,Sn−Pd等をメッキ
して形成する。
には、コア2のフランジ部2bの所定位置にAg,Ag
−Pd等の厚膜ペーストや、Mo−Mn,W等の金属を
メタライズした後、Ni,Au,Sn−Pd等をメッキ
して形成する。
【0028】その後、コア2の巻線部2aに巻線4を施
すが、この巻線4は直径0.02〜0.2mm程度の銅
線からなり、コア2の巻線部2aに巻回して両端を電極
5に接続する。
すが、この巻線4は直径0.02〜0.2mm程度の銅
線からなり、コア2の巻線部2aに巻回して両端を電極
5に接続する。
【0029】最後に、コア2の巻線4を覆うようにリン
グコア3を被せ、コア2の周辺部2cとの間に非磁性の
接着剤6を介在させて接合することにより、本発明のイ
ンダクタ1を得ることができる。
グコア3を被せ、コア2の周辺部2cとの間に非磁性の
接着剤6を介在させて接合することにより、本発明のイ
ンダクタ1を得ることができる。
【0030】
【実施例】本発明実施例として、図1に示すインダクタ
1を作製した。コア2及びリングコア3の材質は初透磁
率が650のNi−Zn系フェライトとし、コア2はフ
ランジ部2bの直径が5.4mm、巻線部2aの直径が
2.6mm、全体の高さが2.5mmで、フランジ部2
bの中央部の厚みTと周辺部の厚みtを種々に変化させ
たものを作製した。また、リングコア3は、外径6.6
mm、内径5.6mm、高さ2.2mmとした。
1を作製した。コア2及びリングコア3の材質は初透磁
率が650のNi−Zn系フェライトとし、コア2はフ
ランジ部2bの直径が5.4mm、巻線部2aの直径が
2.6mm、全体の高さが2.5mmで、フランジ部2
bの中央部の厚みTと周辺部の厚みtを種々に変化させ
たものを作製した。また、リングコア3は、外径6.6
mm、内径5.6mm、高さ2.2mmとした。
【0031】また、比較例として、上記と同じ寸法、材
質で、図5に示す形状のコア2を用意した。
質で、図5に示す形状のコア2を用意した。
【0032】上記コア2に、巻線4として直径0.2m
mの銅線を25ターン巻いた後、リングコア3とコア2
を接合してインダクタ1を作製した。
mの銅線を25ターン巻いた後、リングコア3とコア2
を接合してインダクタ1を作製した。
【0033】それぞれのインダクタ1についてIDC
(直流重畳特性)を測定した。なおIDCとは、直流バ
イアス電流を印加したときのインダクタンスの低下のこ
とであり、10%インダクタンスが低下した時の電流値
(mA)で表し、この値が高いほどインダクタ1として
好ましいことになる。
(直流重畳特性)を測定した。なおIDCとは、直流バ
イアス電流を印加したときのインダクタンスの低下のこ
とであり、10%インダクタンスが低下した時の電流値
(mA)で表し、この値が高いほどインダクタ1として
好ましいことになる。
【0034】この結果を表1に示すように、フランジ部
2bにおける中央部の厚みTと周辺部2cの厚みtの比
t/Tが1の比較例(No.1)では、IDCが低かっ
た。これに対し、周辺部2cを肉薄状としてt/Tを1
未満とした本発明実施例(No.2〜)では、IDCを
向上させられることが確認され、特にt/Tを0.2〜
0.8の範囲としておけば最適であった。
2bにおける中央部の厚みTと周辺部2cの厚みtの比
t/Tが1の比較例(No.1)では、IDCが低かっ
た。これに対し、周辺部2cを肉薄状としてt/Tを1
未満とした本発明実施例(No.2〜)では、IDCを
向上させられることが確認され、特にt/Tを0.2〜
0.8の範囲としておけば最適であった。
【0035】なお、周辺部2cの厚みtは小さいほどI
DCを高くできるが、tが0.2mm未満ではチッピン
グが生じやすくなり、またリングコア3との接合性も悪
くなることから、周辺部2cの厚みtは0.2mm以上
のものが良かった。
DCを高くできるが、tが0.2mm未満ではチッピン
グが生じやすくなり、またリングコア3との接合性も悪
くなることから、周辺部2cの厚みtは0.2mm以上
のものが良かった。
【0036】
【表1】
【0037】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、柱状の巻
線部の少なくとも一方端にフランジ部を有するコアに巻
線を施し、この周囲をリングコアで覆ってなる巻線型イ
ンダクタにおいて、上記フランジ部を中央部から周辺部
に向かって肉厚を漸減したことによって、この周辺部が
リングコアと接触しても、その接触面積を小さくできる
ことから、IDC(直流重畳特性)の低下を防止するこ
とができる。また、肉薄状とするのは周辺部のみである
ことから、コアは充分な体積を有しており実効透磁率の
低下を防止でき、またフランジ部の強度を高く維持する
ことができる。しかも、フランジ部のエッジが鈍角状と
なるため、巻線工程にて巻線に傷が付くことを防止でき
る。
線部の少なくとも一方端にフランジ部を有するコアに巻
線を施し、この周囲をリングコアで覆ってなる巻線型イ
ンダクタにおいて、上記フランジ部を中央部から周辺部
に向かって肉厚を漸減したことによって、この周辺部が
リングコアと接触しても、その接触面積を小さくできる
ことから、IDC(直流重畳特性)の低下を防止するこ
とができる。また、肉薄状とするのは周辺部のみである
ことから、コアは充分な体積を有しており実効透磁率の
低下を防止でき、またフランジ部の強度を高く維持する
ことができる。しかも、フランジ部のエッジが鈍角状と
なるため、巻線工程にて巻線に傷が付くことを防止でき
る。
【0038】その結果、巻線型インダクタの特性を低下
させることなく小型化することが可能となる。
させることなく小型化することが可能となる。
【図1】(a)は本発明の巻線型インダクタを示す斜視
図、(b)は(a)中のX−X線断面図である。
図、(b)は(a)中のX−X線断面図である。
【図2】(a)〜(c)は本発明の巻線型インダクタに
おけるコアのフランジ部のさまざまな実施形態を示す部
分断面図である。
おけるコアのフランジ部のさまざまな実施形態を示す部
分断面図である。
【図3】本発明の巻線型インダクタの他の実施形態を示
す縦断面図である。
す縦断面図である。
【図4】本発明の巻線型インダクタにおけるコアの製造
方法を示す図である。
方法を示す図である。
【図5】(a)は従来の巻線型インダクタを示す縦断面
図、(b)は従来の巻線型インダクタにおける巻線工程
を示す図である。
図、(b)は従来の巻線型インダクタにおける巻線工程
を示す図である。
1:インダクタ 2:コア 2a:巻線部 2b:フランジ部 2c:周辺部 2d:隅部 3:リングコア 4:巻線 5:電極 6:接着剤
Claims (1)
- 【請求項1】柱状の巻線部の少なくとも一方端にフラン
ジ部を有するコアに巻線を施し、この周囲をリングコア
で覆ってなる巻線型インダクタにおいて、上記コアのフ
ランジ部を中央部から周辺部に向かって肉厚を漸減した
ことを特徴とする巻線型インダクタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20569197A JPH1154329A (ja) | 1997-07-31 | 1997-07-31 | 巻線型インダクタ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20569197A JPH1154329A (ja) | 1997-07-31 | 1997-07-31 | 巻線型インダクタ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1154329A true JPH1154329A (ja) | 1999-02-26 |
Family
ID=16511120
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20569197A Pending JPH1154329A (ja) | 1997-07-31 | 1997-07-31 | 巻線型インダクタ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1154329A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008205245A (ja) * | 2007-02-21 | 2008-09-04 | Taiyo Yuden Co Ltd | 面実装チョークコイル |
JP2009236911A (ja) * | 2008-03-18 | 2009-10-15 | Honeywell Internatl Inc | 磁気回路加速度計における振動整流エラーを最小限に抑える方法及びシステム |
CN102915829A (zh) * | 2011-08-02 | 2013-02-06 | 太阳诱电株式会社 | 卷线零件用芯体及其制造方法以及卷线零件 |
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