JP2016038931A - 燃料電池用アノードおよび燃料電池単セル - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料ガス中に含まれる硫黄化合物による触媒の失活を抑制可能な燃料電池用アノード、これを用いた燃料電池単セルを提供する。
【解決手段】燃料電池用アノード10は、固体電解質層2を有する燃料電池単セル5に用いられる。燃料電池用アノード10は、Niおよび/またはNiOからなる触媒と、Mo、Mo化合物、Co、および、Co化合物からなる群より選択される1種または2種以上の第1添加物と、Znおよび/またはZn化合物からなる第2添加物と、を含有する。燃料電池用アノード10は、Ag、Ag化合物、Mn、Mn化合物、Cu、および、Cu化合物からなる群より選択される1種または2種以上の第3添加物を含有することができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、燃料電池用アノードおよび燃料電池単セルに関し、さらに詳しくは、電解質として固体電解質を利用する燃料電池単セルに用いられる燃料電池用アノード、これを用いた燃料電池単セルに関する。
従来、アノードと、固体電解質層と、カソードとを有する固体電解質型の燃料電池単セルが知られている。この種の燃料電池単セルに適用されるアノードとしては、例えば、Ni粒子と安定化ジルコニア粒子との混合体からなる内側膜と、モリブデン粒子およびコバルト粒子の混合物と安定化ジルコニア粒子とを混合した材料より形成された外側膜とを有するアノードが公知である(特許文献1参照)。
特開平8−115725号公報
しかしながら、従来技術は、以下の点で問題がある。すなわち、上記アノードには、メタンを主成分とする都市ガスが改質されて生成した水素、または、都市ガスが直接、燃料ガスとして供給されることがある。都市ガスには、通常、保安上の目的から、ターシャリーブチルメルカプタン(以下、「TBM」ということがある)やジメチルサルファイド(以下、「DMS」ということがある)等の硫黄化合物からなる付臭剤が含まれている。通常、付臭剤は、アノードに供給される前に脱硫器により除去される。しかし、脱硫器の故障や脱硫器の能力低下等により、脱硫器によって付臭剤が十分に除去されないまま、燃料ガスがアノードに供給されてしまうことがある。
この種の硫黄化合物は、アノードに含まれる触媒であるNi、NiO(アノードの還元雰囲気においてNiOはNiとなる)を被毒し、触媒を失活させる原因となる。触媒が失活するとアノード特性が低下するため、燃料電池単セルの出力が低下する。
なお、従来のアノードは、燃料ガスに含まれる硫化水素(HS)を外側膜にて酸化して二酸化硫黄として排出しようとするものである。しかし、アノード周囲の雰囲気は、還元雰囲気であって酸素がない。そのため、そもそも硫化水素を酸化させることが困難であると考えられる。また、TBM等の硫黄化合物に起因する触媒の失活については、何ら開示も示唆もなされていない。
本発明は、上記背景に鑑みてなされたものであり、燃料ガス中に含まれる硫黄化合物による触媒の失活を抑制可能な燃料電池用アノード、これを用いた燃料電池単セルを提供しようとするものである。
本発明の一態様は、固体電解質層を有する燃料電池単セルに用いられる燃料電池用アノードであって、
Niおよび/またはNiOからなる触媒と、
Mo、Mo化合物、Co、および、Co化合物からなる群より選択される1種または2種以上の第1添加物と、
Znおよび/またはZn化合物からなる第2添加物と、
を含有することを特徴とする燃料電池用アノードにある。
本発明の他の態様は、上記燃料電池用アノードと、固体電解質層と、カソードとを有することを特徴とする燃料電池単セルにある。
上記燃料電池用アノードは、上記触媒と、上記第1添加物と、上記第2添加物とを含有している。Mo、Coは、Niよりも硫黄化合物との反応性が高い。そのため、上記燃料電池用アノードにTBM等の硫黄化合物を含む燃料ガスが供給された場合に、硫黄化合物は、Mo、Mo化合物、Co、Co化合物の触媒作用により周囲の水素と優先的に反応し、硫化水素に変換される。生成した硫化水素は、燃料電池の始動や停止時における比較的低温時にアノードから脱離する。また、燃料電池の定常運転時における比較的高温時に脱離しない硫化水素は、Zn、Zn化合物と反応し、硫化亜鉛として固定される。
それ故、上記燃料電池用アノードは、TBM等の硫黄化合物を含む燃料ガスが供給された場合であっても、第1添加物、第2添加物が積極的に硫黄化合物に作用することにより、Ni、NiOの被毒が抑制される。したがって、上記燃料電池用アノードは、触媒の失活を抑制することができる。
また、上記燃料電池単セルは、上記燃料電池用アノードを有する。そのため、上記燃料電池単セルは、アノード側における触媒の失活が生じ難く、アノード特性が低下し難い。したがって、上記燃料電池単セルは、アノード特性の低下に起因するセルの出力低下を抑制しやすい。
実施例1の燃料電池用アノードの断面構造を模式的に示した図である。 実施例1の燃料電池単セルの断面構造を模式的に示した図である。 実施例2〜実施例5の燃料電池用アノードの断面構造を模式的に示した図である。 実施例6の燃料電池用アノードの断面構造を模式的に示した図である。
上記燃料電池用アノードは、電解質として固体電解質を利用する固体電解質型の燃料電池単セルにおけるアノードに適用される。固体電解質層を構成する固体電解質には、酸素イオン導電性を示す固体酸化物セラミックス等を用いることができる。なお、固体電解質として固体酸化物セラミックスを用いる燃料電池は、固体酸化物形燃料電池(SOFC)と称される。
上記燃料電池用アノードにおいて、燃料ガス中に含まれうるTBM、DMSは、Ni、NiOと反応する前に、以下の反応式に示されるように、第1添加物の触媒作用により周囲の水素と反応して硫化水素に変換される。
10S+4H→4CH+H
S+2H→2CH+H
上記によって燃料ガス中の硫黄化合物が低減されるとともに生成した硫化水素のうち、アノードから脱離しない硫化水素は、Ni、NiOと反応する前に、以下の反応式に示されるように、例えば、ZnO等の第2添加物と反応し、硫化亜鉛として固定される。
S+ZnO→HO+ZnS
上記燃料電池用アノードは、Ag、Ag化合物、Mn、Mn化合物、Cu、および、Cu化合物からなる群より選択される1種または2種以上の第3添加物をさらに含有することができる。
この場合、TBM等の硫黄化合物は、第3添加物に化学吸着する。特に、TBMは、S−Hの結合力が比較的弱いため、第3添加物に化学吸着しやすい。そのため、この場合には、第1添加物によって硫化水素に変換させるべき硫黄化合物の量を低減することが可能となる。また、第1添加物の触媒作用が不足した場合でも、第3添加物により硫黄化合物のさらなる低減を図ることが可能となる。それ故、第1添加物および第2添加物を含有することによる効果と相まって、燃料電池用アノードの固体電解質層側の部位まで硫黄化合物が到達し難くなる。その結果、触媒の失活を一層抑制しやすい燃料電池用アノードが得られる。
上記燃料電池用アノードにおいて、第1添加物を構成しうるMo化合物としては、具体的には、例えば、MoO等のMo酸化物などを用いることができる。また、第1添加物を構成しうるCo化合物としては、具体的には、例えば、CoO等のCo酸化物などを用いることができる。また、第2添加物を構成しうるZn化合物としては、具体的には、例えば、ZnO等のZn酸化物などを用いることができる。また、第3添加物を構成しうるAg化合物としては、具体的には、例えば、AgO等のAg酸化物などを用いることができる。また、第3添加物を構成しうるMn化合物としては、具体的には、例えば、MnO、MnO等のMn酸化物などを用いることができる。また、第3添加物を構成しうるCu化合物としては、具体的には、例えば、CuO、CuO等のCu酸化物などを用いることができる。上記のように、各金属化合物が各金属酸化物からなる場合には、燃料電池用アノードの製造時における材料準備が比較的容易になるため、製造性に優れた燃料電池用アノードが得られる。
上記燃料電池用アノードは、1層から構成されていてもよいし、複数層から構成されていてもよい。燃料電池用アノードが複数層から構成される場合、燃料電池用アノードは、供給される燃料ガスを拡散させるための拡散層を備えることができる。
この場合、少なくとも拡散層が、触媒と、第1添加物と、第2添加物とを含有することができる。拡散層は、基本的に、上流側で燃料ガスの供給を受ける部分である。拡散層によって拡散された燃料ガスは、燃料電池用アノードにおける拡散層よりも固体電解質層側の部分に移行し、アノード側での電気化学的反応に供される。それ故、この場合には、燃料電池用アノードに燃料ガスが供給された比較的初期の段階において、第1添加物の触媒作用によって硫黄化合物が硫化水素に変換される。また、アノードから脱離しない硫化水素は、第2添加物と反応し、硫化亜鉛として固定される。それ故、この場合には、燃料電池用アノードの電気化学的反応が生じる部分(拡散層より固体電解質層側寄りの部分、後述の活性層等)における触媒の失活を一層抑制しやすくなる。また、この場合には、上記添加物が触媒と共存して層中に含まれるため、触媒を含まず、第1添加物および第2添加物を含む層を別途形成する必要がなくなる。そのため、この場合には、アノード製造時における拡散層の形成のための積層作業を軽減することができるため、製造性に優れた燃料電池用アノードが得られる。
拡散層は、触媒と、第1添加物と、第2添加物と、第3添加物とを含有することもできる。この場合には、燃料電池用アノードに燃料ガスが供給された比較的初期の段階において、第1添加物および第2添加物による作用以外にも、第3添加物による作用も生じる。それ故、この場合には、燃料電池用アノードの電気化学的反応が生じる部分における触媒の失活をより一層抑制しやすくなる。
拡散層は、複数層から構成することもできる。この場合、拡散層は、例えば、(燃料ガス供給側)外層/内層(活性層側)の構成を有することができる。なお、記号(/)は、各層間の界面を意味する(以下、省略)。この場合には、燃料ガス中に含まれる付臭剤等による硫黄化合物の低減工程を各層毎に分担することが可能となり、効率よく硫黄化合物を低減することができる。それ故、この場合には、触媒の失活を抑制しやすい燃料電池用アノードが得られる。
外層は、具体的には、例えば、触媒と、第1添加物とを含有することができる。この際、内層は、具体的には、例えば、触媒と、第2添加物とを含有することができる。この場合には、先ず、主に前段の外層において、燃料ガス中に含まれうるTBM、DMSは、第1添加物の触媒作用により周囲の水素と優先的に反応し、硫化水素に変換される。これにより燃料ガス中の硫黄化合物が低減されるとともに生成した硫化水素のうち、アノードから脱離しない硫化水素は、主に後段の内層において、ZnO等の第2添加物と反応し、硫化亜鉛として固定される。したがって、この場合には、段階的に上記過程を経ることにより、効率よく硫黄化合物を低減することができる。そのため、この場合には、燃料電池用アノードの電気化学的反応が生じる部分まで硫黄化合物を一層行き渡らせ難くなり、触媒の失活を抑制しやすい燃料電池用アノードが得られる。
また、外層は、具体的には、例えば、触媒と、第3添加物とを含有することができる。この際、内層は、具体的には、例えば、触媒と、第1添加物と、第2添加物とを含有することができる。この場合には、先ず、主に前段の外層において、燃料ガス中に含まれうるTBM、DMSは、優先的に第3添加物に化学吸着する。これによって燃料ガス中の硫黄化合物が初期段階において低減される。次に、燃料ガス中に未だ残っている硫黄化合物は、主に後段の内層において、第1添加物の触媒作用により周囲の水素と優先的に反応し、硫化水素に変換される。また、生成した硫化水素のうち、アノードから脱離しない硫化水素は、ZnO等の第2添加物と反応し、硫化亜鉛として固定される。したがって、この場合には、段階的に上記過程を経ることにより、効率よく硫黄化合物を低減することができる。そのため、この場合には、燃料電池用アノードの電気化学的反応が生じる部分まで硫黄化合物を一層行き渡らせ難くなり、触媒の失活を抑制しやすい燃料電池用アノードが得られる。
また、外層は、具体的には、例えば、触媒と、第1添加物と、第2添加物とを含有することができる。この際、内層は、具体的には、例えば、触媒と、第3添加物とを含有することができる。この場合には、先ず、主に前段の外層において、燃料ガス中に含まれうるTBM、DMSは、優先的に第1添加物の触媒作用により周囲の水素と優先的に反応し、硫化水素に変換される。また、生成した硫化水素のうち、アノードから脱離しない硫化水素は、ZnO等の第2添加物と反応し、硫化亜鉛として固定される。これによって燃料ガス中の硫黄化合物が初期段階において低減される。次に、燃料ガス中に未だ残っている硫黄化合物は、主に後段の内層において、第3添加物に化学吸着する。これによって燃料ガス中の硫黄化合物が初期段階において低減される。したがって、この場合には、段階的に上記過程を経ることにより、効率よく硫黄化合物を低減することができる。そのため、この場合には、燃料電池用アノードの電気化学的反応が生じる部分まで硫黄化合物を一層行き渡らせ難くなり、触媒の失活を抑制しやすい燃料電池用アノードが得られる。
他にも、拡散層は、例えば、(燃料ガス供給側)第1外層/第2外層/内層(活性層側)の構成を有することができる。
この場合、第1外層は、具体的には、例えば、触媒を含有せず、第3添加物を含有することができる。この際、第2外層は、具体的には、例えば、触媒を含有せず、第1添加物と、第2添加物とを含有することができる。また、内層は、具体的には、例えば、触媒を含有することができる。
この場合には、先ず、主に第1外層において、燃料ガス中に含まれうるTBM、DMSは、優先的に第3添加物に化学吸着する。これによって燃料ガス中の硫黄化合物が初期段階において低減される。次に、燃料ガス中に未だ残っている硫黄化合物は、主に第2外層において、第1添加物の触媒作用により周囲の水素と優先的に反応し、硫化水素に変換される。また、生成した硫化水素のうち、アノードから脱離しない硫化水素は、ZnO等の第2添加物と反応し、硫化亜鉛として固定される。したがって、この場合には、段階的に上記過程を経ることにより、効率よく硫黄化合物を低減することができる。そのため、この場合には、燃料電池用アノードの電気化学的反応が生じる部分まで硫黄化合物を一層行き渡らせ難くなり、触媒の失活を抑制しやすい燃料電池用アノードが得られる。
上記燃料電池用アノードにおいて、拡散層の厚みは、支持体としての強度等の観点から、好ましくは200μm以上、より好ましくは300μm以上とすることができる。また、拡散層の厚みは、ガス拡散性等の観点から、好ましくは800μm以下、より好ましくは700μm以下とすることができる。また、拡散層が(燃料ガス供給側)外層/内層(活性層側)の構成を有する場合、外層の厚みは、支持体としての強度等の観点から、好ましくは100μm以上、より好ましくは200μm以上とすることができる。また、外層の厚みは、ガス拡散性等の観点から、好ましくは400μm以下、より好ましくは300μm以下とすることができる。内層の厚みは、支持体としての強度等の観点から、好ましくは100μm以上、より好ましくは200μm以上とすることができる。また、内層の厚みは、ガス拡散性等の観点から、好ましくは400μm以下、より好ましくは300μm以下とすることができる。また、拡散層が(燃料ガス供給側)第1外層/第2外層/内層(活性層側)の構成を有する場合、第1外層の厚みは、硫黄化合物の低減性能確保等の観点から、好ましくは50μm以上、より好ましくは100μm以上とすることができる。また、第1外層の厚みは、材料コスト等の観点から、好ましくは200μm以下、より好ましくは150μm以下とすることができる。第2外層の厚みは、硫黄化合物の低減性能確保等の観点から、好ましくは50μm以上、より好ましくは100μm以上とすることができる。また、第2外層の厚みは、材料コスト等の観点から、好ましくは200μm以下、より好ましくは150μm以下とすることができる。内層の厚みは、支持体としての強度等の観点から、好ましくは100μm以上、より好ましくは200μm以上とすることができる。また、内層の厚みは、ガス拡散性等の観点から、好ましくは400μm以下、より好ましくは300μm以下とすることができる。
上記燃料電池用アノードが複数層から構成される場合、燃料電池用アノードは、固体電解質層に接するように配置される活性層を備えることができる。なお、活性層は、主に、アノード側における電気化学的反応の反応場となる層である。活性層は、具体的には、例えば、拡散層における固体電解質側の面に積層することができる。
活性層は、第1添加物および第2添加物を含有することなく、触媒を含有することができる。また、活性層は、触媒と、第1添加物と、第2添加物とを含有することもできる。後者の場合には、活性層においても、第1添加物および第2添加物による作用が生じる。したがって、発電性能に重要な活性層における触媒の失活抑制を確実なものとすることができる。
また、活性層は、具体的には、例えば、触媒と、第3添加物とを含有することもできる。この場合には、活性層においても、第3添加物による作用が生じる。したがって、発電性能に重要な活性層における触媒の失活抑制を確実なものとすることができる。
また、活性層は、具体的には、例えば、触媒と、第1添加物と、第2添加物と、第3添加物とを含有することもできる。この場合には、活性層においても、第1添加物、第2添加物、および、第3添加物による作用が生じる。したがって、発電性能に重要な活性層における触媒の失活抑制を確実なものとすることができる。
上記燃料電池用アノードにおいて、活性層の厚みは、反応持続性、取り扱い性、加工性等の観点から、好ましくは10μm以上、より好ましくは15μm以上とすることができる。また、活性層の厚みは、電極反応抵抗等の観点から、好ましくは30μm以下、より好ましくは25μm以下とすることができる。
なお、これら活性層の各層構成は、上記例示された拡散層のいずれの層構成に対しても組み合わせることができる。
上記燃料電池用アノードは、固体電解質を含有することができる。この場合には、アノード中に含まれる気孔の量を調整しやすくなり、反応点数の確保とガス拡散性の確保とのバランスに優れた燃料電池用アノードが得られる。また、支持体としての強度も得やすくなる。なお、固体電解質は、上述した拡散層(複数層から構成される場合は、各層)、活性層のいずれの層に含まれていてもよい。
上記固体電解質としては、具体的には、例えば、Y、Sc、および、Yb等のランタノイド系酸化物から選択される1種または2種以上の酸化物が固溶されたZrO等の酸化ジルコニウム系酸化物;ランタンガレート系酸化物;CeO、CeOにGd、Sm、Y、La、Nd、Yb、Ca、Dr、および、Hoから選択される1種または2種以上の元素等がドープされたセリア系固溶体等の酸化セリウム系酸化物などを例示することができる。これらは1種または2種以上併用することができる。これらのうち、酸素イオン導電性、熱膨張率、高緻密化などの観点から、好ましくは、ジルコニア系固体電解質を好適に用いることができる。
上記燃料電池用アノードにおいて、第1添加物の含有量は、触媒の失活抑制効果を十分に発揮させる観点から、NiOに対して、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上、さらに好ましくは3質量%以上とすることができる。また、第1添加物の含有量は、触媒への影響を抑制するなどの観点から、NiOに対して、好ましくは10質量%以下、より好ましくは9質量%以下、さらに好ましくは8質量%以下とすることができる。
上記燃料電池用アノードにおいて、第2添加物の含有量は、触媒の失活抑制効果を十分に発揮させる観点から、NiOに対して、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上、さらに好ましくは3質量%以上とすることができる。また、第2添加物の含有量は、触媒への影響を抑制するなどの観点から、NiOに対して、好ましくは10質量%以下、より好ましくは9質量%以下、さらに好ましくは8質量%以下とすることができる。
上記燃料電池用アノードにおいて、第3添加物の含有量は、触媒の失活抑制効果を十分に発揮させる観点から、NiOに対して、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上、さらに好ましくは3質量%以上とすることができる。また、第3添加物の含有量は、触媒への影響を抑制するなどの観点から、NiOに対して、好ましくは10質量%以下、より好ましくは9質量%以下、さらに好ましくは8質量%以下とすることができる。
なお、触媒としてNiが用いられる場合には、Niの質量をNiOの質量に換算して上述した各添加物の含有量を決定すればよい。
上記燃料電池用アノードが固体電解質を含有する場合、触媒と各添加物との混合物と、固体電解質との質量比は、反応点数の確保、ガス拡散性の確保および触媒の失活抑制等のバランスの観点から、例えば、好ましくは30/70〜70/30、より好ましくは35/65〜65/35、さらに好ましくは40/60〜60/40の範囲内とすることができる。
上記燃料電池単セルは、具体的には、固体電解質層と、固体電解質層の一方面に積層された上記燃料電池用アノードと、固体電解質層の他方面に中間層を介してまたは中間層を介さずに積層されたカソードとを有する構成とすることができる。なお、中間層は、主に、カソードを構成する材料と固体電解質層を構成する材料との反応を防止するための層である。カソードおよび中間層は、1層または2層以上から構成することができる。上記燃料電池単セルの電池構造は、製造性に優れ、反応抵抗となる電解質を薄くすることができる等の観点から、層状のアノードを支持体とする平板形とすることができる。
上記燃料電池単セルにおいて、各部位を構成する材料としては、以下のものを例示することができる。
固体電解質層を構成する固体電解質としては、例えば、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)、スカンジア安定化ジルコニア(ScSZ)等の酸化ジルコニウム系酸化物;ランタンガレート系酸化物;CeO、CeOにGd、Sm、Y、La、Nd、Yb、Ca、Dr、および、Hoから選択される1種または2種以上の元素等がドープされたセリア系固溶体等の酸化セリウム系酸化物などを例示することができる。固体電解質層の厚みは、オーミック抵抗の低減などの観点から、好ましくは3〜20μm、より好ましくは3〜10μmとすることができる。
カソードの材質としては、例えば、ランタン−マンガン系酸化物、ランタン−コバルト系酸化物、ランタン−鉄系酸化物等の導電性を有するペロブスカイト型酸化物、上記ペロブスカイト型酸化物と酸化セリウム系酸化物等の固体電解質との混合物などを例示することができる。上記ペロブスカイト型酸化物としては、具体的には、例えば、La1−xSrCo1−yFe系酸化物(x=0.4、y=0.8等)、La1−xSrCoO系酸化物(x=0.4等)、La1−xSrFeO系酸化物(x=0.4等)、La1−xSrMnO系酸化物(x=0.4等)、Sm1−xSrSrCoO系酸化物(x=0.5等)などを例示することができる。これらは、1種または2種以上併用することができる。カソードの厚みは、ガス拡散性、電極反応抵抗、集電性などの観点から、好ましくは20〜100μm、より好ましくは30〜60μmとすることができる。
中間層の材質としては、上記酸化セリウム系酸化物などを例示することができる。中間層の厚みは、オーミック抵抗の低減、カソードからの元素拡散防止などの観点から、好ましくは1〜10μm、より好ましくは1〜5μmとすることができる。
なお、上述した各構成は、上述した各作用効果等を得るなどのために必要に応じて任意に組み合わせることができる。
以下、実施例の燃料電池用アノードおよび燃料電池単セルについて、図面を用いて説明する。なお、同一部材については同一の符号を用いて説明する。
(実施例1)
実施例1の燃料電池用アノードおよび燃料電池単セルについて、図1、図2を用いて説明する。図1、2に示すように、本例の燃料電池用アノード10は、固体電解質層2を有する燃料電池単セル5に用いられる。燃料電池用アノード10は、Niおよび/またはNiOからなる触媒と、Mo、Mo化合物、Co、および、Co化合物からなる群より選択される1種または2種以上の第1添加物と、Znおよび/またはZn化合物からなる第2添加物と、を含有している。以下、これを詳説する。
本例では、燃料電池用アノード10は、供給される燃料ガスを拡散させるための拡散層12と、拡散層12における固体電解質層2側の面に積層され、固体電解質層2に接するように配置される活性層11とを有している。
拡散層12は、具体的には、触媒と、固体電解質と、第1添加物と、第2添加物とを含有する混合物より構成されている。活性層11は、具体的には、触媒と、固体電解質とを含有する混合物より構成されている。触媒は、いずれもNiおよび/またはNiOである。固体電解質は、いずれも8mol%のYを含むイットリア安定化ジルコニア(以下、8YSZ)等の酸化ジルコニウム系酸化物である。第1添加物は、Mo、Mo酸化物、Co、および、Co酸化物からなる群より選択される1種または2種以上である。第2添加物は、Znおよび/またはZn酸化物である。
次に、本例の燃料電池用アノードの作用効果について説明する。
燃料電池用アノード10は、触媒と、第1添加物と、第2添加物とを含有している。Mo、Coは、Niよりも硫黄化合物との反応性が高い。そのため、燃料電池用アノード10にTBM等の硫黄化合物を含む燃料ガスが供給された場合に、硫黄化合物は、Mo、Mo化合物、Co、Co化合物の触媒作用により周囲の水素と優先的に反応し、硫化水素に変換される。生成した硫化水素は、燃料電池の始動や停止時における比較的低温時にアノードから脱離する。また、燃料電池の定常運転時における比較的高温時に脱離しない硫化水素は、Zn、Zn化合物と反応し、硫化亜鉛として固定される。
それ故、燃料電池用アノード10は、TBM等の硫黄化合物を含む燃料ガスが供給された場合であっても第1添加物、第2添加物が積極的に硫黄化合物に作用することにより、Ni、NiOの被毒が抑制される。したがって、燃料電池用アノード10は、触媒の失活を抑制することができる。
また、本例の燃料電池用アノード10は、拡散層12中に、触媒、第1添加物、第2添加物が含有されている。そのため、本例の燃料電池用アノード10は、燃料ガスが供給された比較的初期の段階において、第1添加物の触媒作用によって硫黄化合物が硫化水素に変換される。また、アノードから脱離しない硫化水素は、第2添加物と反応し、硫化亜鉛として固定される。その故、本例の燃料電池用アノード10は、活性層11における触媒の失活を一層抑制しやすい。さらに、本例の燃料電池用アノード10は、上記添加物が触媒と共存して層中に含まれるため、触媒を含まず、第1添加物および第2添加物を含む層を別途形成する必要がなくなる。そのため、本例の燃料電池用アノード10は、アノード製造時における拡散層12の形成のための積層作業を軽減することができるため、製造性に優れた燃料電池用アノードが得られる。
本例の燃料電池単セル5は、アノード1として本例の燃料電池用アノード10と、固体電解質層2と、カソード3とを有している。また、固体電解質層2とカソード3との間に中間層4を有している。なお、本例の燃料電池単セル5は、本例の燃料電池用アノード10を支持体とする平板形の単セルである。
なお、本例において、固体電解質層2は、ジルコニア系固体電解質より形成されている。ジルコニア系固体電解質は、具体的には、8YSZ等の酸化ジルコニウム系酸化物である。カソードは、具体的には、ペロブスカイト型酸化物と固体電解質とを含む混合物より層状に形成されている。ペロブスカイト型酸化物は、具体的には、La1−xSrCo1−y(x=0.4、y=0.8等、以下、LSCF)である。固体電解質は、具体的には、10mol%のGdがドープされたセリア(以下、10GDC)等の酸化セリウム系酸化物である。中間層4は、具体的には、10GDC等の酸化セリウム系酸化物より形成されている。
燃料電池単セル5は、本例の燃料電池用アノード10を用いているので、アノード側における触媒の失活が生じ難く、アノード特性が低下し難い。したがって、燃料電池単セル5は、アノード特性の低下に起因するセルの出力低下を抑制しやすい。
(実施例2)
実施例2の燃料電池用アノードおよび燃料電池単セルについて、図3を用いて説明する。図3に示すように、本例の燃料電池用アノード10は、実施例1と同様に、拡散層12と活性層11とを有している。但し、本例の燃料電池用アノード10は、拡散層12が複数層から構成されている。具体的には、拡散層12は、燃料ガス供給側に配置される外層121と、外層121の活性層側の面に積層された内層122とを有している。
外層121は、具体的には、触媒と、固体電解質と、第1添加物とを含有する混合物より構成されている。内層122は、具体的には、触媒と、固体電解質と、第2添加物とを含有する混合物より構成されている。活性層11は、具体的には、触媒と、固体電解質とを含有する混合物より構成されている。触媒は、いずれもNiおよび/またはNiOである。固体電解質は、いずれも8YSZ等の酸化ジルコニウム系酸化物である。第1添加物は、Mo、Mo酸化物、Co、および、Co酸化物からなる群より選択される1種または2種以上である。第2添加物は、Znおよび/またはZn酸化物である。
本例の燃料電池用アノード10も、触媒の失活を抑制することができる。
とりわけ、本例の燃料電池用アノード10は、上記構成を有している。そのため、先ず、主に前段の外層121において、燃料ガス中に含まれうるTBM、DMSは、第1添加物の触媒作用により周囲の水素と優先的に反応し、硫化水素に変換される。これにより燃料ガス中の硫黄化合物が低減されるとともに生成した硫化水素のうち、アノードから脱離しない硫化水素は、主に後段の内層122において、第2添加物と反応し、硫化亜鉛として固定される。したがって、本例の燃料電池用アノード10は、段階的に上記過程を経ることにより、効率よく硫黄化合物を低減することができるため、活性層11まで硫黄化合物を一層行き渡らせ難くなり、触媒の失活を抑制しやすい。
本例の燃料電池単セル5は、本例の燃料電池用アノード10を用いた点以外は、実施例1の燃料電池単セル5と同様の構成を有しており、同様の作用効果を奏することができる。
(実施例3)
実施例3の燃料電池用アノードおよび燃料電池単セルについて、図3を用いて説明する。図3に示すように、本例の燃料電池用アノード10は、実施例2と同様に、拡散層12が外層121と内層122とを有している。
但し、外層121は、具体的には、触媒と、固体電解質と、Ag、Ag化合物、Mn、Mn化合物、Cu、および、Cu化合物からなる群より選択される1種または2種以上の第3添加物とを含有する混合物より構成されている。内層122は、具体的には、触媒と、固体電解質と、第1添加物と、第2添加物とを含有する混合物より構成されている。活性層11は、具体的には、触媒と、固体電解質とを含有する混合物より構成されている。触媒は、いずれもNiおよび/またはNiOである。固体電解質は、いずれも8YSZ等の酸化ジルコニウム系酸化物である。第1添加物は、Mo、Mo酸化物、Co、および、Co酸化物からなる群より選択される1種または2種以上である。第2添加物は、Znおよび/またはZn酸化物である。第3添加物は、Ag、Ag酸化物、Mn、Mn酸化物、Cu、および、Cu酸化物からなる群より選択される1種または2種以上である。その他の構成は、実施例2と同様である。
本例の燃料電池用アノード10も、触媒の失活を抑制することができる。
とりわけ、本例の燃料電池用アノード10は、上記構成を有している。そのため、先ず、主に前段の外層121において、燃料ガス中に含まれうるTBM、DMSは、優先的に第3添加物に化学吸着する。これによって燃料ガス中の硫黄化合物が初期段階において低減される。次に、燃料ガス中に未だ残っている硫黄化合物は、主に後段の内層122において、第1添加物の触媒作用により周囲の水素と優先的に反応し、硫化水素に変換される。また、生成した硫化水素のうち、アノードから脱離しない硫化水素は、第2添加物と反応し、硫化亜鉛として固定される。したがって、本例の燃料電池用アノード10は、段階的に上記過程を経ることにより、効率よく硫黄化合物を低減することができるため、活性層11まで硫黄化合物を一層行き渡らせ難くなり、触媒の失活を抑制しやすい。
本例の燃料電池単セル5は、本例の燃料電池用アノード10を用いた点以外は、実施例2の燃料電池単セル5と同様の構成を有し、同様の作用効果を奏することができる。
(実施例4)
実施例4の燃料電池用アノードおよび燃料電池単セルについて、図3を用いて説明する。図3に示すように、本例の燃料電池用アノード10は、活性層11が、触媒と、固体電解質と、第1添加物と、第2添加物とを含有する混合物より構成されている点で、実施例3の燃料電池用アノード10と異なっている。その他の構成は、実施例3と同様である。
本例の燃料電池用アノード10も、触媒の失活を抑制することができる。
とりわけ、本例の燃料電池用アノード10は、上記構成を有している。そのため、本例の燃料電池用アノード10は、活性層11においても、上述した第1添加物および第2添加物による作用が生じる。したがって、本例の燃料電池用アノード10は、発電性能に重要な活性層11における触媒の失活抑制を確実なものとすることができる。その他の作用効果は、実施例3と同様である。
本例の燃料電池単セル5は、本例の燃料電池用アノード10を用いた点以外は、実施例3の燃料電池単セル5と同様の構成を有し、同様の作用効果を奏することができる。
(実施例5)
実施例5の燃料電池用アノードおよび燃料電池単セルについて、図3を用いて説明する。図3に示すように、本例の燃料電池用アノード10は、活性層11が、触媒と、固体電解質と、第3添加物とを含有する混合物より構成されている点で、実施例3の燃料電池用アノード10と異なっている。その他の構成は、実施例3と同様である。
本例の燃料電池用アノード10も、触媒の失活を抑制することができる。
とりわけ、本例の燃料電池用アノード10は、上記構成を有している。そのため、本例の燃料電池用アノード10は、活性層11においても、上述した第3添加物による作用が生じる。したがって、本例の燃料電池用アノード10は、発電性能に重要な活性層11における触媒の失活抑制を確実なものとすることができる。その他の作用効果は、実施例3と同様である。
本例の燃料電池単セル5は、本例の燃料電池用アノード10を用いた点以外は、実施例3の燃料電池単セル5と同様の構成を有し、同様の作用効果を奏することができる。
(実施例6)
実施例6の燃料電池用アノードおよび燃料電池単セルについて、図4を用いて説明する。図4に示すように、本例の燃料電池用アノード10は、実施例1と同様に、拡散層12と活性層11とを有している。但し、本例の燃料電池用アノード10は、拡散層12が複数層から構成されている。具体的には、拡散層12は、燃料ガス供給側に配置される第1外層121と、第1外層121の活性層11側の面に積層された第2外層123と、第2外層123の活性層11側の面に積層された内層124とを有している。そして、活性層11は、内層124と接している。
第1外層121は、具体的には、固体電解質と、第3添加物とを含有する混合物より構成されており、混合物中に触媒(Ni、NiO)は含まれていない。第2外層123は、具体的には、固体電解質と、第1添加物と、第2添加物とを含有する混合物より構成されており、混合物中に触媒(Ni、NiO)は含まれていない。内層124は、触媒と、固体電解質とを含有する混合物より構成されている。活性層11は、具体的には、触媒と、固体電解質とを含有する混合物より構成されている。触媒は、いずれもNiおよび/またはNiOである。固体電解質は、いずれも8YSZ等の酸化ジルコニウム系酸化物である。第1添加物は、Mo、Mo酸化物、Co、および、Co酸化物からなる群より選択される1種または2種以上である。第2添加物は、Znおよび/またはZn酸化物である。第3添加物は、Ag、Ag酸化物、Mn、Mn酸化物、Cu、および、Cu酸化物からなる群より選択される1種または2種以上である。
本例の燃料電池用アノード10も、触媒の失活を抑制することができる。
とりわけ、本例の燃料電池用アノード10は、上記構成を有している。そのため、先ず、主に第1外層121において、燃料ガス中に含まれうるTBM、DMSは、優先的に第3添加物に化学吸着する。これによって燃料ガス中の硫黄化合物が初期段階において低減される。次に、燃料ガス中に未だ残っている硫黄化合物は、主に第2外層123において、第1添加物の触媒作用により周囲の水素と優先的に反応し、硫化水素に変換される。また、生成した硫化水素のうち、アノードから脱離しない硫化水素は、第2添加物と反応し、硫化亜鉛として固定される。したがって、本例の燃料電池用アノード10は、段階的に上記過程を経ることにより、効率よく硫黄化合物を低減することができるため、活性層11まで硫黄化合物を一層行き渡らせ難くなり、触媒の失活を抑制しやすい。
本例の燃料電池単セル5は、本例の燃料電池用アノード10を用いた点以外は、実施例1の燃料電池単セル5と同様の構成を有し、同様の作用効果を奏することができる。
以下、実験例を用いてより具体的に説明する。
(実験例)
<拡散層形成用のシート材Ad1(NiO、8YSZ、MoO、CoO、ZnO)>
NiO粉末(平均粒子径:1.0μm)と、8YSZ粉末(平均粒子径:0.5μm)と、MoO粉末(平均粒子径:1.5μm)と、CoO粉末(平均粒子径:1.0μm)と、ZnO粉末(平均粒子径:1.5μm)と、カーボン(造孔剤)と、ポリビニルブチラール(有機材料)と、酢酸イソアミルおよび1−ブタノール(混合溶媒)とをボールミルにて混合することによりスラリーを調製した。MoO粉末、CoO粉末、ZnO粉末は、NiO粉末に対してそれぞれ5質量%の割合とした。NiO粉末、MoO粉末、CoO粉末およびZnO粉末の混合粉末と8YSZ粉末との質量比は、65:35とした。当該スラリーを、ドクターブレード法を用いて、プラスチック基材上に層状に塗工し、乾燥させることにより、拡散層形成用のシート材Ad1を準備した。なお、上記平均粒子径は、レーザー回折・散乱法により測定した体積基準の累積度数分布が50%を示すときの粒子径(直径)d50である(以下、同様)。
<拡散層形成用のシート材Ad2(NiO、8YSZ、MoO、CoO)>
NiO粉末(平均粒子径:1.0μm)と、8YSZ粉末(平均粒子径:0.5μm)と、MoO粉末(平均粒子径:1.5μm)と、CoO粉末(平均粒子径:1.0μm)と、カーボン(造孔剤)と、ポリビニルブチラール(有機材料)と、酢酸イソアミルおよび1−ブタノール(混合溶媒)とをボールミルにて混合することによりスラリーを調製した。MoO粉末、CoO粉末は、NiO粉末に対してそれぞれ5質量%の割合とした。NiO粉末、MoO粉末およびCoO粉末の混合粉末と8YSZ粉末との質量比は、65:35とした。当該スラリーを、ドクターブレード法を用いて、プラスチック基材上に層状に塗工し、乾燥させることにより、拡散層形成用のシート材Ad2を準備した。
<拡散層形成用のシート材Ad3(NiO、8YSZ、ZnO)>
NiO粉末(平均粒子径:1.0μm)と、8YSZ粉末(平均粒子径:0.5μm)と、ZnO粉末(平均粒子径:1.5μm)と、カーボン(造孔剤)と、ポリビニルブチラール(有機材料)と、酢酸イソアミルおよび1−ブタノール(混合溶媒)とをボールミルにて混合することによりスラリーを調製した。ZnO粉末は、NiO粉末に対して5質量%の割合とした。NiO粉末およびZnO粉末の混合粉末と8YSZ粉末との質量比は、65:35とした。当該スラリーを、ドクターブレード法を用いて、プラスチック基材上に層状に塗工し、乾燥させることにより、拡散層形成用のシート材Ad3を準備した。
<拡散層形成用のシート材Ad4(NiO、8YSZ、AgO、MnO、CuO)>
NiO粉末(平均粒子径:1.0μm)と、8YSZ粉末(平均粒子径:0.5μm)と、AgO粉末(平均粒子径:1.0μm)と、MnO粉末(平均粒子径:1.5μm)と、CuO粉末(平均粒子径:0.5μm)と、カーボン(造孔剤)と、ポリビニルブチラール(有機材料)と、酢酸イソアミルおよび1−ブタノール(混合溶媒)とをボールミルにて混合することによりスラリーを調製した。AgO粉末、MnO粉末、CuO粉末は、NiO粉末に対してそれぞれ5質量%の割合とした。NiO粉末、AgO粉末、MnO粉末およびCuO粉末の混合粉末と8YSZ粉末との質量比は、65:35とした。当該スラリーを、ドクターブレード法を用いて、プラスチック基材上に層状に塗工し、乾燥させることにより、拡散層形成用のシート材Ad4を準備した。
<拡散層形成用のシート材Ad5(NiO、8YSZ)>
NiO粉末(平均粒子径:1.0μm)と、8YSZ粉末(平均粒子径:0.5μm)と、カーボン(造孔剤)と、ポリビニルブチラール(有機材料)と、酢酸イソアミルおよび1−ブタノール(混合溶媒)とをボールミルにて混合することによりスラリーを調製した。NiO粉末と8YSZ粉末との質量比は、65:35とした。当該スラリーを、ドクターブレード法を用いて、プラスチック基材上に層状に塗工し、乾燥させることにより、拡散層形成用のシート材Ad5を準備した。
<拡散層形成用のシート材Ad6(8YSZ、MoO、CoO、ZnO)>
8YSZ粉末(平均粒子径:0.5μm)と、MoO粉末(平均粒子径:1.5μm)と、CoO粉末(平均粒子径:1.0μm)と、ZnO粉末(平均粒子径:1.5μm)と、カーボン(造孔剤)と、ポリビニルブチラール(有機材料)と、酢酸イソアミルおよび1−ブタノール(混合溶媒)とをボールミルにて混合することによりスラリーを調製した。MoO粉末、CoO粉末、ZnO粉末は、8YSZ粉末に対してそれぞれ10質量%の割合とした。MoO粉末、CoO粉末およびZnO粉末の混合粉末と8YSZ粉末との質量比は、50:50とした。当該スラリーを、ドクターブレード法を用いて、プラスチック基材上に層状に塗工し、乾燥させることにより、拡散層形成用のシート材Ad6を準備した。
<拡散層形成用のシート材Ad7(8YSZ、AgO、MnO、CuO)>
8YSZ粉末(平均粒子径:0.5μm)と、AgO粉末(平均粒子径:1.0μm)と、MnO粉末(平均粒子径:1.5μm)と、CuO粉末(平均粒子径:0.5μm)と、カーボン(造孔剤)と、ポリビニルブチラール(有機材料)と、酢酸イソアミルおよび1−ブタノール(混合溶媒)とをボールミルにて混合することによりスラリーを調製した。AgO粉末、MnO粉末、CuO粉末は、8YSZ粉末に対してそれぞれ10質量%の割合とした。AgO粉末、MnO粉末およびCuO粉末の混合粉末と8YSZ粉末との質量比は、50:50とした。当該スラリーを、ドクターブレード法を用いて、プラスチック基材上に層状に塗工し、乾燥させることにより、拡散層形成用のシート材Ad7を準備した。
<活性層形成用のシート材Aa1(NiO、8YSZ)>
NiO粉末(平均粒子径:1.0μm)と、8YSZ粉末(平均粒子径:0.2μm)と、カーボン(造孔剤)と、ポリビニルブチラール(有機材料)と、酢酸イソアミルおよび1−ブタノール(混合溶媒)とをボールミルにて混合することによりスラリーを調製した。NiO粉末と8YSZ粉末との質量比は、65:35とした。上記スラリーを、ドクターブレード法を用いて、プラスチック基材上に層状に塗工し、乾燥させることにより、活性層形成用のシート材Aa1を準備した。
<活性層形成用のシート材Aa2(NiO、8YSZ、MoO、CoO、ZnO)>
NiO粉末(平均粒子径:1.0μm)と、8YSZ粉末(平均粒子径:0.2μm)と、MoO粉末(平均粒子径:1.5μm)と、CoO粉末(平均粒子径:1.0μm)と、ZnO粉末(平均粒子径:1.5μm)と、カーボン(造孔剤)と、ポリビニルブチラール(有機材料)と、酢酸イソアミルおよび1−ブタノール(混合溶媒)とをボールミルにて混合することによりスラリーを調製した。MoO粉末、CoO粉末、ZnO粉末は、NiO粉末に対してそれぞれ5質量%の割合とした。NiO粉末、MoO粉末、CoO粉末およびZnO粉末の混合粉末と8YSZ粉末との質量比は、65:35とした。当該スラリーを、ドクターブレード法を用いて、プラスチック基材上に層状に塗工し、乾燥させることにより、活性層形成用のシート材Aa2を準備した。
<活性層形成用のシート材Aa3(NiO、8YSZ、AgO、MnO、CuO)>
NiO粉末(平均粒子径:1.0μm)と、8YSZ粉末(平均粒子径:0.2μm)と、AgO粉末(平均粒子径:1.0μm)と、MnO粉末(平均粒子径:1.5μm)と、CuO粉末(平均粒子径:0.5μm)と、カーボン(造孔剤)と、ポリビニルブチラール(有機材料)と、酢酸イソアミルおよび1−ブタノール(混合溶媒)とをボールミルにて混合することによりスラリーを調製した。AgO粉末、MnO粉末、CuO粉末は、NiO粉末に対してそれぞれ5質量%の割合とした。NiO粉末、AgO粉末、MnO粉末およびCuO粉末の混合粉末と8YSZ粉末との質量比は、65:35とした。当該スラリーを、ドクターブレード法を用いて、プラスチック基材上に層状に塗工し、乾燥させることにより、活性層形成用のシート材Aa3を準備した。
なお、上記において、拡散層形成用のシート材におけるカーボン量は、活性層形成用のシート材と比較して多量とされている。
<固体電解質層形成用のシート材E(8YSZ)>
8YSZ粉末(平均粒子径:0.5μm)と、ポリビニルブチラール(有機材料)と、酢酸イソアミルおよび1−ブタノール(混合溶媒)とをボールミルにて混合することによりスラリーを調製した。このスラリーを、ドクターブレード法を用いて、プラスチック基材上に層状に塗工し、乾燥させることにより、固体電解質層形成用のシート材Eを準備した。
<中間層形成用のシート材M(10GDC)>
10GDC粉末(平均粒子径:0.3μm)と、ポリビニルブチラール(有機材料)と、酢酸イソアミル、2−ブタノールおよびエタノール(混合溶媒)とをボールミルにて混合することによりスラリーを調製した。このスラリーを、ドクターブレード法を用いて、プラスチック基材上に層状に塗工し、乾燥させることにより、中間層形成用のシート材Mを準備した。
<カソード形成用のペースト材C(LSCF、10GDC)>
LSCF(La0.6Sr0.4Co0.2Fe0.8)粉末(平均粒子径:0.6μm)と、10GDC粉末(平均粒子径:0.3μm)と、エチルセルロース(有機材料)と、テルピネオール(溶媒)とをボールミルにて混合することにより、カソード形成用のペースト材Cを準備した。なお、LSCF粉末と10GDC粉末との質量比は、90:10とした。
<試料1の燃料電池用アノード、試料1Cの燃料電池単セル>
シート材Ad1/シート材Aa1/シート材E/シート材Mの順に積層し、圧着することにより積層体を得た。なお、圧着には、CIP成形法を用いた。CIP成形条件は、温度80℃、加圧力50MPa、加圧時間10分という条件とした。また、上記圧着後、積層体を脱脂した。
次いで、上記積層体を1350℃で2時間焼成した。これにより、アノード、固体電解質層、および中間層がこの順に積層された焼結体を得た。
次いで、上記焼結体における中間層の表面に、ペースト材Cをスクリーン印刷法により塗布し、950℃で2時間焼成(焼付)することによって層状のカソードを形成した。これにより、試料1の燃料電池用アノード、固体電解質層、中間層、および、カソードがこの順に積層されており、試料1の燃料電池用アノードを支持体とする試料1Cの燃料電池単セルを得た。
試料1の燃料電池用アノードは、拡散層と活性層とを備えている。拡散層は、NiOと8YSZとMoOとCoOとZnOとの混合物からなり、厚みは、480μmである。活性層は、NiOと8YSZとの混合物からなり、厚みは、20μmである。
試料1Cの燃料電池単セルにおいて、固体電解質層は、8YSZからなり、厚みは、10μmである。中間層は、10GDCからなり、厚みは、5μmである。カソードは、LSCFと10GDCとの混合物からなり、厚みは、50μmである。
<試料2の燃料電池用アノード、試料2Cの燃料電池単セル>
シート材Ad2/シート材Ad3/シート材Aa1/シート材E/シート材Mの順に積層し、圧着することにより積層体を得た。以降は、試料1と同様にして、試料2の燃料電池用アノード、試料2Cの燃料電池単セルを得た。
試料2の燃料電池用アノードは、拡散層と活性層とを備えている。拡散層は、(燃料ガス供給側)外層/内層(活性層側)の積層構造を有している。外層は、NiOと8YSZとMoOとCoOとの混合物からなり、厚みは、300μmである。内層は、NiOと8YSZとZnOとの混合物からなり、厚みは、200μmである。活性層は、NiOと8YSZとの混合物からなり、厚みは、20μmである。
試料2Cの燃料電池単セルは、試料2の燃料電池用アノードを有する点以外は、試料1Cの燃料電池単セルと同様の構成を有している。
<試料3の燃料電池用アノード、試料3Cの燃料電池単セル>
シート材Ad4/シート材Ad1/シート材Aa1/シート材E/シート材Mの順に積層し、圧着することにより積層体を得た。以降は、試料1と同様にして、試料3の燃料電池用アノード、試料3Cの燃料電池単セルを得た。
試料3の燃料電池用アノードは、拡散層と活性層とを備えている。拡散層は、(燃料ガス供給側)外層/内層(活性層側)の積層構造を有している。外層は、NiOと8YSZとAgOとMnOとCuOとの混合物からなり、厚みは、300μmである。内層は、NiOと8YSZとMoOとCoOとZnOとの混合物からなり、厚みは、200μmである。活性層は、NiOと8YSZとの混合物からなり、厚みは、20μmである。
試料3Cの燃料電池単セルは、試料3の燃料電池用アノードを有する点以外は、試料1Cの燃料電池単セルと同様の構成を有している。
<試料4の燃料電池用アノード、試料4Cの燃料電池単セル>
シート材Ad4/シート材Ad1/シート材Aa2/シート材E/シート材Mの順に積層し、圧着することにより積層体を得た。以降は、試料1と同様にして、試料4の燃料電池用アノード、試料4Cの燃料電池単セルを得た。
試料4の燃料電池用アノードは、拡散層と活性層とを備えている。拡散層は、(燃料ガス供給側)外層/内層(活性層側)の積層構造を有している。外層は、NiOと8YSZとAgOとMnOとCuOとの混合物からなり、厚みは、300μmである。内層は、NiOと8YSZとMoOとCoOとZnOとの混合物からなり、厚みは、200μmである。活性層は、NiOと8YSZとMoOとCoOとZnOとの混合物からなり、厚みは、20μmである。
試料4Cの燃料電池単セルは、試料4の燃料電池用アノードを有する点以外は、試料1Cの燃料電池単セルと同様の構成を有している。
<試料5の燃料電池用アノード、試料5Cの燃料電池単セル>
シート材Ad4/シート材Ad1/シート材Aa3/シート材E/シート材Mの順に積層し、圧着することにより積層体を得た。以降は、試料1と同様にして、試料5の燃料電池用アノード、試料5Cの燃料電池単セルを得た。
試料5の燃料電池用アノードは、拡散層と活性層とを備えている。拡散層は、(燃料ガス供給側)外層/内層(活性層側)の積層構造を有している。外層は、NiOと8YSZとAgOとMnOとCuOとの混合物からなり、厚みは、300μmである。内層は、NiOと8YSZとMoOとCoOとZnOとの混合物からなり、厚みは、200μmである。活性層は、NiOと8YSZとAgOとMnOとCuOとの混合物からなり、厚みは、20μmである。
試料5Cの燃料電池単セルは、試料5の燃料電池用アノードを有する点以外は、試料1Cの燃料電池単セルと同様の構成を有している。
<試料6の燃料電池用アノード、試料6Cの燃料電池単セル>
シート材Ad7/シート材Ad6/シート材Ad5/シート材Aa1/シート材E/シート材Mの順に積層し、圧着することにより積層体を得た。以降は、試料1と同様にして、試料6の燃料電池用アノード、試料6Cの燃料電池単セルを得た。
試料6の燃料電池用アノードは、拡散層と活性層とを備えている。拡散層は、(燃料ガス供給側)第1外層/第2外層/内層(活性層側)の積層構造を有している。第1外層は、8YSZとAgOとMnOとCuOとの混合物からなり、厚みは、50μmである。第2外層は、8YSZとMoOとCoOとZnOとの混合物からなり、厚みは、50μmである。内層は、NiOと8YSZとの混合物からなり、厚みは、400μmである。活性層は、NiOと8YSZとの混合物からなり、厚みは、20μmである。
試料6Cの燃料電池単セルは、試料6の燃料電池用アノードを有する点以外は、試料1Cの燃料電池単セルと同様の構成を有している。
以上、本発明の実施例について詳細に説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を損なわない範囲内で種々の変更が可能である。
1 アノード
2 固体電解質層
3 カソード
4 中間層
5 燃料電池単セル
10 燃料電池用アノード
11 活性層
12 拡散層

Claims (9)

  1. 固体電解質層(2)を有する燃料電池単セル(5)に用いられる燃料電池用アノード(10)であって、
    Niおよび/またはNiOからなる触媒と、
    Mo、Mo化合物、Co、および、Co化合物からなる群より選択される1種または2種以上の第1添加物と、
    Znおよび/またはZn化合物からなる第2添加物と、
    を含有することを特徴とする燃料電池用アノード(10)。
  2. 供給される燃料ガスを拡散させるための拡散層(12)を備え、
    該拡散層(12)は、上記触媒と、上記第1添加物と、上記第2添加物とを含有することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池用アノード(10)。
  3. Ag、Ag化合物、Mn、Mn化合物、Cu、および、Cu化合物からなる群より選択される1種または2種以上の第3添加物を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の燃料電池用アノード(10)。
  4. 上記拡散層(12)は、上記触媒と、上記第1添加物と、上記第2添加物と、Ag、Ag化合物、Mn、Mn化合物、Cu、および、Cu化合物からなる群より選択される1種または2種以上の第3添加物とを含有することを特徴とする請求項2に記載の燃料電池用アノード(10)。
  5. 上記固体電解質層(2)に接するように配置される活性層(11)を備え、
    該活性層(11)は、上記触媒と、上記第1添加物と、上記第2添加物とを含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の燃料電池用アノード(10)。
  6. 上記固体電解質層(2)に接するように配置される活性層(11)を備え、
    該活性層(11)は、上記触媒と、上記第1添加物と、上記第2添加物と、Ag、Ag化合物、Mn、Mn化合物、Cu、および、Cu化合物からなる群より選択される1種または2種以上の第3添加物とを含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の燃料電池用アノード(10)。
  7. 上記固体電解質層(2)に接するように配置される活性層(11)を備え、
    該活性層(11)は、上記触媒と、Ag、Ag化合物、Mn、Mn化合物、Cu、および、Cu化合物からなる群より選択される1種または2種以上の第3添加物とを含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の燃料電池用アノード(10)。
  8. 上記固体電解質層(2)に接するように配置される活性層(11)を備え、
    該活性層(11)は、上記触媒を含有し、上記第1添加物と上記第2添加物とを含有していないことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の燃料電池用アノード(10)。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の燃料電池用アノード(10)と、固体電解質層(2)と、カソード(3)とを有することを特徴とする燃料電池単セル(5)。
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