JP2015056366A - 燃料電池用アノードおよび燃料電池単セル - Google Patents

燃料電池用アノードおよび燃料電池単セル Download PDF

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Abstract

【課題】イオン導電性を維持しつつ、強度を向上させることが可能な燃料電池用アノード、これを有する燃料電池単セルを提供する。【解決手段】燃料電池用アノード10は、アノード1と、固体電解質層2と、カソード3とを有しており、アノード1を支持体とする燃料電池単セル5に用いられる。燃料電池用アノード10は、アノード1としての機能と支持体としての機能とを兼ね備えるアノード基層12を備える。アノード基層12は、触媒121と、コア部122aとコア部122aの外周を覆うシェル部122bとを有するコアシェル構造体122とを含む混合物より構成されている。コア部122aは、結晶相が正方晶を主体とする内側固体電解質より構成され、シェル部122bは、結晶相が立方晶を主体とする外側固体電解質より構成されている。【選択図】図2

Description

本発明は、燃料電池用アノードおよび燃料電池単セルに関し、さらに詳しくは、電解質として固体電解質を利用する燃料電池単セルに用いられる燃料電池用アノード、これを用いた燃料電池単セルに関する。
従来、アノードと、固体電解質層と、カソードとを有し、アノードを支持体とする支持膜型の燃料電池単セルが知られている。上記アノードの材料としては、一般に、ニッケルと、8mol%のYを含むイットリア安定化ジルコニア(8YSZ)等のイオン導電性が高い固体電解質とのサーメットが使用されている。なお、本願に先行する特許文献1には、ニッケルまたは酸化ニッケル粒子にYSZ微粒子を付着させた複合粒子の粉末とYSZ粒子の粉末とを混合した混合粉末をアノード材料に用いる技術が開示されている。
特開平11−40169号公報
しかしながら、従来技術は、以下の点で問題がある。アノードは、燃料ガスの拡散性が高いことが望ましい。しかし、燃料ガスのガス拡散性を向上させようとして、アノードを高気孔化すると、支持体としての強度が不足し、電池の作動・停止の繰り返しによる熱サイクル等によって、割れが生じやすくなる。これに対し、アノード材料に用いられる固体電解質の結晶相を正方晶とすることにより、強度を高めることが考えられる。しかし、結晶相が正方晶である固体電解質は、強度を有するもののイオン導電性が低い。そのため、この場合は、アノードのイオン導電性の低下により、アノード特性が低下する。
本発明は、上記背景に鑑みてなされたものであり、イオン導電性を維持しつつ、強度を向上させることが可能な燃料電池用アノード、これを有する燃料電池単セルを提供しようとして得られたものである。
本発明の一態様は、アノードと、固体電解質層と、カソードとを有しており、上記アノードを支持体とする燃料電池単セルに用いられる燃料電池用アノードであって、
上記アノードとしての機能と上記支持体としての機能とを兼ね備えるアノード基層を備え、
上記アノード基層は、触媒と、コア部と該コア部の外周を覆うシェル部とを有するコアシェル構造体とを含む混合物より構成されており、かつ、上記コア部は、結晶相が正方晶を主体とする内側固体電解質より構成され、上記シェル部は、結晶相が立方晶を主体とする外側固体電解質より構成されていることを特徴とする燃料電池用アノードにある。
本発明の他の態様は、上記燃料電池用アノードと、固体電解質層と、カソードとを有しており、上記燃料電池用アノードを支持体とすることを特徴とする燃料電池単セルにある。
上記燃料電池用アノードは、上記構成を有している。特に、上記燃料電池用アノードは、アノードとしての機能と支持体としての機能とを兼ね備えるアノード基層を備え、当該アノード基層は、触媒と、上記コアシェル構造体とを含む混合物より構成されている。そして、コアシェル構造体の内部を形成するコア部は、結晶相が正方晶を主体とする内側固体電解質より構成されている。正方晶の固体電解質は、立方晶の固体電解質に比べ、高い強度を有する。そのため、アノード基層は、高気孔化された場合でも、支持体として高い強度を発揮することができる。また、コアシェル構造体の表面を形成するシェル部は、結晶相が立方晶を主体とする内側固体電解質より構成されている。立方晶の固体電解質は、正方晶の固体電解質に比べ、高いイオン導電性を有する。そのため、アノード基層は、イオン導電性を維持することができる。それ故、上記燃料電池用アノードは、イオン導電性を維持しつつ、強度を向上させることが可能となる。
上記燃料電池単セルは、上記燃料電池用アノードを支持体として用いている。そのため、上記燃料電池単セルは、良好なアノード特性およびアノード強度を有する。
実施例1の燃料電池用アノード、燃料電池単セルの断面構造を模式的に示した図である。 実施例1の燃料電池用アノード、燃料電池単セルにおけるアノード基層の微構造を模式的に示した説明図である。 実施例1の燃料電池用アノード、燃料電池単セルにおける活性層の微構造を模式的に示した説明図である。 実施例2の燃料電池用アノード、燃料電池単セルにおける活性層の微構造を模式的に示した説明図である。
上記燃料電池用アノードは、電解質として固体電解質を利用する固体電解質型の燃料電池単セルにおけるアノードに適用される。固体電解質層を構成する固体電解質には、酸素イオン導電性を示す固体酸化物セラミックス等を用いることができる。
なお、固体電解質として固体酸化物セラミックスを用いる燃料電池は、固体酸化物形燃料電池(SOFC)と称される。上記燃料電池単セルの電池構造は、導電性に優れ、発電性能が高い等の観点から、層状のアノードを支持体とする平板形とすることができる。
上記燃料電池単セルは、具体的には、固体電解質層と、固体電解質層の一方面に積層されたアノードと、固体電解質層の他方面に中間層を介してまたは中間層を介さずに積層されたカソードとを有しており、アノードを支持体とする構成とすることができる。なお、中間層は、主に、カソードを構成する材料と固体電解質層を構成する材料との反応を防止するための層である。カソードおよび中間層は、1層または2層以上から構成することができる。
上記燃料電池用アノードは、1層から構成されていてもよいし、2層以上から構成されていてもよい。但し、上記燃料電池用アノードは、アノードとしての電極機能と支持体としての支持機能とを兼ね備えるアノード基層を備えている必要がある。上記燃料電池用アノードは、具体的には、例えば、固体電解質層側に配置される活性層と、活性層における固体電解質層側と反対側の面に積層される上記アノード基層とを備える構成とすることができる。なお、活性層は、主に、アノード側における電気化学的反応を高めるための層である。また、アノード基層は、供給される燃料ガスを拡散させることが可能な層である。
この場合は、支持機能の発揮のために活性層よりも厚みが厚く、アノードの大部分を占めるアノード基層のイオン導電性と強度とを向上させることができるので、アノード特性の向上に有利であるとともに構造信頼性の高い燃料電池用アノードが得られる。なお、アノード基層は、1層または2層以上から構成することができる。また、活性層とアノード基層の外形は、同じ大きさに構成することができる。他にも、活性層における固体電解質層と接する面を除いた残りの面をアノード基層が覆うように構成することもできる。
上記燃料電池用アノードにおいて、アノード基層は、上記コアシェル構造体を含んでいる。コアシェル構造体のコア部は、結晶相が正方晶を主体とする内側固体電解質より構成され、コアシェル構造体のシェル部は、結晶相が立方晶を主体とする外側固体電解質より構成されている。コア部において、「結晶相が正方晶を主体とする」とは、コア部の外側部分に、コア部の主な結晶相である正方晶以外にもシェル部の主な結晶相である立方晶を含むことができることを意味する。同様に、シェル部において、「結晶相が立方晶を主体とする」とは、シェル部の内側部分に、シェル部の主な結晶相である立方晶以外にもコア部の主な結晶相である正方晶を含むことができることを意味する。つまり、上記コアシェル構造体は、コア部とシェル部とで完全に結晶相が分かれている必要性はない。各部の界面で結晶相を完全に分けることは製造上難易度が高いからである。コアシェル構造体は、より具体的には、中心から表面に向かって、結晶相が正方晶単相、正方晶と立方晶との混合相、立方晶単相と順次変化する構成とすることができる。なお、コアシェル構造体の結晶相の構成は、XRDにより測定することができる。
上記燃料電池用アノードにおいて、内側固体電解質および外側固体電解質に用いることができる固体電解質としては、具体的には、例えば、Y、Sc、Yb、および、CaOから選択される1種または2種以上の酸化物が固溶されたZrO等の酸化ジルコニウム系酸化物;ランタンガレート系酸化物;CeO、CeOにGd、Sm、Y、La、Nd、Yb、Ca、Dr、および、Hoから選択される1種または2種以上の元素等がドープされたセリア系固溶体等の酸化セリウム系酸化物などを例示することができる。これらは1種または2種以上併用することができる。
上記燃料電池用アノードにおいて、内側固体電解質および外側固体電解質は、好ましくは、ともにジルコニア系固体電解質とすることができる。
この場合、コアシェル構造体のコア部を構成する内側固体電解質は、結晶相が正方晶を主体とするジルコニア系固体電解質となる。結晶相が正方晶であるジルコニア系固体電解質は、強度が高い。そのため、この場合は、コアシェル構造体の強度が向上し、アノード強度を高めるのに有利である。また、上記の場合、コアシェル構造体のシェル部を構成する外側固体電解質は、結晶相が立方晶を主体とするジルコニア系固体電解質となる。結晶相が立方晶であるジルコニア系固体電解質は、酸素イオン導電率が高い。そのため、この場合は、燃料電池用アノードの酸素イオン導電性が向上し、アノード活性を高めることができる。
上記燃料電池用アノードにおいて、上記ジルコニア系固体電解質は、具体的には、Y、Sc、Yb、および、CaOから選択される1種または2種以上の酸化物が固溶されたZrOを好適に用いることができる。この場合は、アノード基層におけるコアシェル構造体の酸素イオン導電性と強度とのバランスをとりやすいなどの利点がある。なお、ジルコニア系固体電解質の結晶相は、ZrOに固溶させる酸化物の種類に応じて適切な固溶量(mol%)を選択し、調節することができる。内側固体電解質および外側固体電解質は、いずれも同じ種類の酸化物が固溶されていてもよいし、異なる種類の酸化物が固溶されていてもよい。好ましくは、結晶相の安定化等の観点から、前者であるとよい。
上記燃料電池用アノードにおいて、上記ジルコニア系固体電解質は、とりわけ、Yが固溶されたZrOを好適に用いることができる。
この場合は、アノード基層におけるコアシェル構造体の酸素イオン導電性と強度とのバランスに優れる。なお、3mol%〜7mol%のYをZrOに固溶させることにより、結晶相を正方晶に安定化(部分安定化)することができる。また、8mol%〜11mol%のYをZrOに固溶させることにより、結晶相を立方晶に安定化することができる。
上記燃料電池用アノードにおいて、アノード基層は、上記コアシェル構造体以外に、触媒を含んでいる。触媒としては、具体的には、ニッケル(Ni)、酸化ニッケル(NiO等)、コバルト(Co)、貴金属(Au、Ag、白金族元素のRu、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、好ましくはPt、Pd、Ru)などを例示することができる。これらは1種または2種以上併用することができる。より具体的には、触媒としては、ニッケルおよび/または酸化ニッケルを好適に用いることができる。ニッケル(酸化ニッケルは、アノードの還元性雰囲気中でニッケルとなる)は、燃料ガスに好適に用いられる水素との親和性が充分に大きく、他の金属に比べて安価であるので、アノード触媒として適当である。
上述したように、上記燃料電池用アノードを、活性層とアノード基層とを備える構成とする場合、活性層は、触媒と単体の固体電解質とを含む混合物より構成されていてもよいし、触媒とコアシェル構造体とを含む混合物より構成されていてもよい。「単体の固体電解質」とは、コアシェル構造体との比較において、コア部とシェル部とからなるコアシェル構造を有していない固体電解質という意味である。前者の場合は、単体の固体電解質としてイオン導電性の高いものを選択することにより、活性層の電極活性を向上させやすい利点がある。また、後者の場合は、アノード基層ばかりでなく、活性層についてもイオン導電性を維持しつつ、強度を向上させることができる利点がある。
活性層に含まれる触媒としては、上記アノード基層に用いることができる触媒として例示したものを用いることができる。また、活性層に含まれうる単体の固体電解質としては、内側固体電解質および外側固体電解質に用いることができる固体電解質として例示したものを用いることができる。活性層に含まれうる単体の固体電解質は、高いイオン導電性を確保しやすくなるなどの観点から、好ましくは、結晶相が立方晶である固体電解質、より好ましくは、結晶相が立方晶であるジルコニア系固体電解質とすることができる。また、活性層に含まれうるコアシェル構造体としては、上記コアシェル構造体を用いることができる。
上記燃料電池用アノードにおいて、アノード基層、活性層を構成する各混合物は、上記作用効果を奏する範囲内であれば、必要に応じて上記成分以外の他の成分を含有することができる。例えば、アノード基層を構成する混合物は、コアシェル構造を有さない固体電解質、アルミナ等を含有しうる。また、アノード基層を構成する混合物は、触媒とコアシェル構造体とを、例えば、質量比で、30/70〜70/30、好ましくは40/60〜60/40の範囲内で含有することができる。また、活性層を構成する混合物は、触媒と固体電解質またはコアシェル構造体とを、例えば、質量比で、30/70〜70/30、好ましくは40/60〜60/40の範囲内で含有することができる。
上記燃料電池用アノードにおいて、アノード基層に含まれる気孔の気孔径は、活性層に含まれる気孔の気孔径よりも大きい構成とすることができる。
この場合は、アノード基層が、活性層に供給される燃料ガスのガス拡散律速場となり難く、活性層への燃料ガスの拡散が阻害され難い。その結果、燃料ガスのガス拡散抵抗を小さくしやすく、燃料電池単セルの発電特性を向上させやすい。また、アノード基層を多孔質に形成しても、上記の通り、アノード基層は、支持体として高い強度を発揮することができるので、割れ等を抑制することができる。
なお、アノード基層の気孔径と活性層の気孔径との大小関係は、走査型電子顕微鏡(SEM)による断面観察によって判断することができる。また、上記断面観察だけでは両気孔径の大小関係を明確に判断することができない場合には、アノード基層の平均気孔径、活性層の平均気孔径をそれぞれ測定して比較することができる。なお、上記平均気孔径は、パームポロメータ等により測定した細孔径分布から算出した気孔径の平均値のことである。
上記燃料電池用アノードにおいて、アノード基層の気孔率は、40〜70%の範囲内とすることができる。
この場合は、支持体としての強度と燃料ガスのガス拡散とのバランスに優れる。アノード基層の気孔率は、ガス拡散性の向上などの観点から、好ましくは45%以上、より好ましくは50%以上とすることができる。アノード基層の気孔率は、支持体としての強度確保などの観点から、好ましくは60%以下、より好ましくは55%以下とすることができる。
上記燃料電池用アノードにおいて、活性層の気孔率は、20〜50%の範囲内とすることができる。
この場合は、多くの反応点を有することができ、発電性能が高い等の利点がある。活性層の気孔率は、反応点となる、触媒、固体電解質およびガス(気孔)の三相界面の増加等の観点から、好ましくは25%以上、より好ましくは30%以上とすることができる。活性層の気孔率は、上記三相界面の増加等の観点から、好ましくは45%以下、より好ましくは40%以下とすることができる。なお、上記にいう気孔率は、アルキメデス法にて見かけ密度と嵩密度とを算出し、{1−(嵩密度/見かけ密度)}×100にて算出した数値のことである。
上記燃料電池用アノードにおいて、アノード基層の厚みは、支持体としての強度保持等の観点から、好ましくは200μm以上、より好ましくは400μm以上とすることができる。アノード基層の厚みは、ガス拡散性等の観点から、好ましくは800μm以下、より好ましくは700μm以下とすることができる。また、活性層の厚みは、反応活性等の観点から、好ましくは10μm以上、より好ましくは15μm以上とすることができる。活性層の厚みは、ガス拡散性等の観点から、好ましくは25μm以下、より好ましくは20μm以下とすることができる。
上記燃料電池用アノードにおいて、アノード基層に含まれるコアシェル構造体の粒子径Dは、活性層に含まれる固体電解質またはコアシェル構造体の粒子径dよりも大きい(d<D)構成とすることができる。この場合は、活性層の気孔径<アノード基層の気孔径の関係を満たしやすくなる利点がある。なお、上記にいう粒子径は、SEM画像からインターセプト法より測定される値を用いることができる。また、上記にいう粒子径は、各層の作製に用いられる各粉末原料について、レーザー回折・散乱法により測定した体積基準の累積度数分布が50%を示すときの粒子径(直径)d50を用いることもできる。
上記燃料電池単セルにおいて、各層を構成する材料としては、以下のものを例示することができるが、特に限定されない。
固体電解質層を構成する固体電解質としては、例えば、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)、スカンジア安定化ジルコニア(ScSZ)等の酸化ジルコニウム系酸化物;ランタンガレート系酸化物;CeO、CeOにGd、Sm、Y、La、Nd、Yb、Ca、Dr、および、Hoから選択される1種または2種以上の元素等がドープされたセリア系固溶体等の酸化セリウム系酸化物などを例示することができる。固体電解質層の厚みは、オーミック抵抗などの観点から、好ましくは3〜20μm、より好ましくは3〜10μmとすることができる。
カソードの材質としては、例えば、ランタン−マンガン系酸化物、ランタン−コバルト系酸化物、ランタン−鉄系酸化物等の導電性を有するペロブスカイト型酸化物、上記ペロブスカイト型酸化物と上記固体電解質等とを含む混合物などを例示することができる。カソードの厚みは、反応活性、ガス拡散性などの観点から、好ましくは20〜100μm、より好ましくは30〜60μmとすることができる。
中間層の材質としては、上記酸化セリウム系酸化物などを例示することができる。中間層の厚みは、オーミック抵抗、カソードからの元素拡散防止などの観点から、好ましくは1〜10μm、より好ましくは1〜5μmとすることができる。
上記燃料電池用アノード、上記燃料電池用アノードを有する燃料電池単セルは、以下の第1〜第3の工程を経ることによって好適に製造することができる。
第1の工程は、焼成により燃料電池用アノードとなる未焼成のアノード形成用材料と、焼成により固体電解質層になる未焼成の固体電解質層形成用材料と、必要に応じて、焼成により中間層になる未焼成の中間層形成用材料とをこの順に層状に積層し、積層体を得る工程である。上記積層体には、必要に応じて圧着や脱脂等を行うことができる。
燃料電池用アノードを、アノード基層より構成する場合、アノード形成用材料は、具体的には、焼成によりアノード基層になるアノード基層形成用材料より構成することができる。また、燃料電池用アノードを、アノード基層と活性層との2層を含んで構成する場合、アノード形成用材料は、具体的には、焼成によりアノード基層になる未焼成のアノード基層形成用材料と、焼成により活性層になる未焼成の活性層形成用材料とを含んで構成することができる。
アノード基層形成用材料、固体電解質層形成用材料および中間層形成用材料には、シート状材料を用いることができる。活性層形成用材料には、シート状材料またはペースト状材料を用いることができる。
アノード基層形成用材料には、具体的には、触媒粒子とコアシェル構造体の原料粒子とを含む未焼成の材料を用いることができる。また、活性層形成用材料には、具体的には、触媒粒子と固体電解質粒子とを含む未焼成の材料、または、触媒粒子とコアシェル構造体の原料粒子とを含む未焼成の材料を用いることができる。
上記コアシェル構造体の原料粒子としては、例えば、希土類酸化物等の酸化物が固溶されることによって結晶相が正方晶とされている固体電解質よりなる母粒子と、母粒子の表面に分散、固定化されており、母粒子よりも粒子径が小さく、かつ、希土類酸化物等の酸化物が固溶されることによって結晶相が立方晶とされている固体電解質よりなる微粒子(子粒子)とを有する原料粒子などを用いることができる。なお、アノード基層形成用材料、活性層形成用材料は、他にも、必要に応じて、造孔剤、バインダー、可塑剤等を含むことができる。また、アノード基層の気孔径、活性層の気孔径は、アノード基層内固体電解質粒子や活性層内固体電解質粒子の粒子径や、造孔剤の添加量等によって調整することができる。
第2の工程は、上記積層体を、例えば、1250〜1500℃で同時焼成する工程である。これにより、同時焼成時の焼成を利用して、アノード基層内に上記コアシェル構造体を存在させることができる。これにより、アノード基層、固体電解質層、必要に応じて中間層がこの順に積層された焼成体、または、アノード基層、活性層、固体電解質層、必要に応じて中間層がこの順に積層された焼成体が得られる。
第3の工程は、上記焼成体における中間層の表面(中間層がない場合は、固体電解質層の表面)に、焼成によりカソードになるカソード形成用材料を層状に積層し、例えば、900〜1200℃で焼成する工程である。
カソード形成用材料には、ペースト状材料を用いることができる。カソード形成用材料は、中間層の表面(中間層がない場合は、固体電解質層の表面)に印刷法等によって層状に塗布することができる。
これにより、上記燃料電池用アノード、上記燃料電池用アノードを有する燃料電池単セルを得ることができる。
上記製造方法は、上記コアシェル構造体を含むアノード基層を備える燃料電池用アノード、当該燃料電池用アノードを有する燃料電池単セルを比較的簡単に形成することができる。また、上記製造方法は、母粒子の表面に微粒子を複合化させているので、上記焼成過程において反応性が高く、上記構成を備えるコアシェル構造体をアノード基層内に生成させやすい利点がある。
上記製造方法では、他にも、所定の固体電解質を、上記母粒子の表面にコーティングや蒸着等によって形成して原料粒子を準備し、同様の手順を経てコアシェル構造体をアノード基層内に存在させることも可能である。
なお、上述した各構成は、上述した各作用効果等を得るなどのために必要に応じて任意に組み合わせることができる。
以下、実施例の燃料電池用アノードおよび燃料電池単セルについて、図面を用いて説明する。なお、同一部材については同一の符号を用いて説明する。
(実施例1)
実施例1の燃料電池用アノードおよび燃料電池単セルについて、図1〜図3を用いて説明する。図1〜図3に示すように、本例の燃料電池用アノード10は、アノード1と、固体電解質層2と、カソード3とを有しており、アノード1を支持体とする燃料電池単セル5に用いられるものである。
燃料電池用アノード10は、アノード1としての機能と支持体としての機能とを兼ね備えるアノード基層12を備えている。アノード基層12は、図2に示すように、触媒121と、コア部122aとコア部122aの外周を覆うシェル部122bとを有するコアシェル構造体122とを含む混合物より構成されている。コアシェル構造体122において、コア部122aは、結晶相が正方晶を主体とする内側固体電解質より構成されており、シェル部122bは、結晶相が立方晶を主体とする外側固体電解質より構成されている。本例では、燃料電池用アノード10は、具体的には、固体電解質層2側に配置される活性層11と、活性層11における固体電解質層2側と反対側の面に積層されたアノード基層12とを備えている。
また、本例の燃料電池単セル5は、図1に示すように、本例の燃料電池用アノード10と、固体電解質層2と、カソード3を有しており、本例の燃料電池用アノード10を支持体とする。具体的には、燃料電池単セル5は、固体電解質層2と、固体電解質層2の一方面に積層された燃料電池用アノード10(但し、本例では、活性層11が固体電解質層2に接する)と、固体電解質層2の他方面に中間層4を介して積層されたカソード3とを有しており、燃料電池用アノード10を支持体とする平板形の単セルである。以下、これらを詳説する。
本例において、固体電解質層2は、具体的には、ジルコニア系固体電解質より形成されている。より具体的には、ジルコニア系固体電解質は、酸化ジルコニウム系酸化物である、8mol%のYを含むイットリア安定化ジルコニア(以下、8YSZ)であり、その厚みは10μmである。
本例において、燃料電池用アノード10における活性層11は、具体的には、触媒111と、固体電解質112とを含む混合物より構成されている。活性層11は、より具体的には、触媒111であるNiまたはNiOと固体電解質112とのサーメットより形成されている。本例では、活性層11内の固体電解質112は、結晶相が立方晶であるジルコニア系固体電解質である。また、燃料電池用アノード10におけるアノード基層12は、より具体的には、触媒121であるNiまたはNiOとジルコニア系のコアシェル構造体122とのサーメットより形成されている。本例では、コアシェル構造体122におけるコア部122aの内側固体電解質、シェル部122bの外側固体電解質は、ともにジルコニア系固体電解質である。上述したジルコニア系固体電解質は、より具体的には、いずれもYが固溶されたZrOである。但し、活性層11内の固体電解質112およびシェル部122bの外側固体電解質におけるジルコニア系固体電解質は、8mol%のYが固溶されたZrOであり、コア部122aの内側固体電解質におけるジルコニア系固体電解質は、3〜6mol%のYが固溶されたZrOである。また、アノード基層12内に含まれるコアシェル構造体122の粒子径は、活性層11内に含まれる固体電解質112の粒子径よりも大きい。
本例において、中間層4は、具体的には、酸化セリウム系酸化物である、10mol%のGdがドープされたセリア(以下、10GDC)より形成されており、その厚みは5μmである。
本例において、カソード3は、具体的には、ペロブスカイト型酸化物より層状に形成されている。より具体的には、ペロブスカイト型酸化物は、La1−xSrCo1−y(x=0.4、y=0.8、以下、LSCF)である。カソードの厚みは50μmである。
本例において、アノード基層12の気孔径は、活性層11の気孔径よりも相対的に大きく形成されている。アノード基層12の気孔率は、具体的には、50%であり、活性層11の気孔率は、具体的には、35%である。
本例において、燃料電池用アノード10(アノード基層12、活性層11)、固体電解質層2、中間層4、および、カソード3は、いずれも、平面視で、矩形状の形状を呈している。また、燃料電池用アノード10(アノード基層12、活性層11)、固体電解質層2、および中間層4の外形は、同じ大きさに揃えられている。一方、カソード3の外形は、固体電解質層2の外形よりも小さく形成されている。つまり、本例では、燃料電池単セル5は、カソード3および固体電解質層2の外形の大きさが、カソード3の外形<固体電解質層2の外形の関係を満たすように構成されている。
本例の燃料電池用アノードの作用効果について説明する。
燃料電池用アノード10は、上記構成を有している。特に、燃料電池用アノード10は、アノードとしての機能と支持体としての機能とを兼ね備えるアノード基層12を備え、アノード基層12は、触媒121と、コアシェル構造体122とを含む混合物より構成されている。そして、コアシェル構造体122の内部を形成するコア部122aは、結晶相が正方晶を主体とする内側固体電解質より構成されている。正方晶の固体電解質は、立方晶の固体電解質に比べ、高い強度を有する。そのため、アノード基層12は、高気孔化された場合でも、支持体として高い強度を発揮することができる。また、コアシェル構造体122の表面を形成するシェル部122bは、結晶相が立方晶を主体とする内側固体電解質より構成されている。立方晶の固体電解質は、正方晶の固体電解質に比べ、高いイオン導電性を有する。そのため、アノード基層12は、イオン導電性を維持することができる。それ故、燃料電池用アノード10は、イオン導電性を維持しつつ、強度を向上させることが可能となる。
また、本例の燃料電池用アノード10は、内側固体電解質および外側固体電解質が、ともにジルコニア系固体電解質より構成されている。
そのため、本例の燃料電池用アノード10において、コアシェル構造体122のコア部122aを構成する内側固体電解質は、結晶相が正方晶を主体とするジルコニア系固体電解質となる。結晶相が正方晶であるジルコニア系固体電解質は、強度が高い。そのため、本例の燃料電池用アノード10は、コアシェル構造体122の強度が向上し、アノード強度を高めるのに有利である。また、コアシェル構造体122のシェル部122bを構成する外側固体電解質は、結晶相が立方晶を主体とするジルコニア系固体電解質となる。結晶相が立方晶であるジルコニア系固体電解質は、酸素イオン導電率が高い。そのため、本例の燃料電池用アノード10は、酸素イオン導電性が向上し、アノード活性を高めることができる。
また、本例の燃料電池用アノード10は、固体電解質層2側に配置される活性層11と、活性層11における固体電解質層2側と反対側の面に積層されるアノード基層12とを備えている。そのため、本例の燃料電池用アノード10は、支持機能の発揮のために活性層11よりも厚みが厚く、アノード1の大部分を占めるアノード基層12のイオン導電性と強度とを向上させることができるので、アノード特性の向上に有利であるとともに高い構造信頼性を有することができる。
また、本例の燃料電池用アノード10は、活性層11内の固体電解質が、結晶相が立方晶であるジルコニア系固体電解質より構成されている。そのため、本例の燃料電池用アノード10は、活性層11においても、高い酸素イオン導電性を確保することができ、アノード活性を高めるのに有利である。
また、本例の燃料電池用アノード10は、アノード基層12に含まれる気孔の気孔径が、活性層11に含まれる気孔の気孔径よりも大きい構成とされている。
そのため、本例の燃料電池用アノード10は、アノード基層12が、活性層11に供給される燃料ガスのガス拡散律速場となり難く、活性層11への燃料ガスの拡散が阻害され難い。その結果、燃料ガスのガス拡散抵抗を小さくしやすく、燃料電池単セル5の発電特性を向上させやすい。また、アノード基層12を多孔質に形成しても、上記の通り、アノード基層12は、支持体として高い強度を発揮することができるので、割れ等を抑制することができる。
また、本例の燃料電池用アノード10は、活性層11に含まれる固体電解質112の粒子径<アノード基層12に含まれるコアシェル構造体122の粒子径の関係を満たしているので、アノード基層12の気孔径を、活性層11の気孔径よりも大きくしやすい利点がある。
本例の燃料電池単セルの作用効果について説明する。
燃料電池単セル5は、燃料電池用アノード10を支持体として用いている。そのため、燃料電池単セル5は、良好なアノード特性およびアノード強度を有する。
(実施例2)
実施例2の燃料電池用アノード10は、図4に示すように、活性層11が、触媒111とコアシェル構造体122とを含む混合物より構成されている点で、実施例1の燃料電池用アノード10と相違している。但し、アノード基層12に含まれるコアシェル構造体1122の粒子径は、活性層11に含まれるコアシェル構造体122の粒子径よりも大きい構成とされている。その他の構成は、実施例1の燃料電池用アノード10と同様である。
本例の燃料電池用アノード10は、活性層11にコアシェル構造体122を用いているので、アノード基層12ばかりでなく、活性層11についてもイオン導電性を維持しつつ、強度を向上させることができ、有利である。その他の作用効果は、実施例1の燃料電池用アノード10と同様である。
また、実施例2の燃料電池単セル5は、実施例1の燃料電池用アノード10に代えて、実施例2の燃料電池用アノード10を用いている点で、実施例1の燃料電池単セル5と相違している。その他の構成は、実施例1の燃料電池単セル5と同様である。
本例の燃料電池単セル5は、実施例2の燃料電池用アノード10を支持体として用いている。そのため、本例の燃料電池単セル5は、良好なアノード特性およびアノード強度を得やすい。その他の作用効果は、実施例1の燃料電池単セル5と同様である。
以下、実験例を用いてより具体的に説明する。
<実験例>
(材料準備)
乾式粒子複合化装置(ホソカワミクロン社製、「ノビルタ」)を用い、当該装置の圧縮、せん断、衝撃等の力を利用して、3mol%のYを含むイットリア(部分)安定化ジルコニア(以下、3YSZ)粉末(平均粒子径:2μm)と8YSZ粉末(平均粒子径:0.2μm)とを乾式にて複合化した。これにより、結晶相が正方晶である3YSZよりなる母粒子と、母粒子の表面に分散、固定化されており、母粒子よりも粒子径が小さい8YSZ微粒子(子粒子)とを有するコアシェル構造体の原料粒子の集合体からなる原料粉末(平均粒子径:2.4μm)を作製した。なお、上記平均粒子径は、レーザー回折・散乱法により測定した体積基準の累積度数分布が50%を示すときの粒子径(直径)d50である(以下、同様)。
次いで、NiO粉末(平均粒子径:0.7μm)と、上記原料粉末と、カーボン(造孔剤)と、ポリビニルブチラール(有機材料)と、酢酸イソアミル、2−ブタノールおよびエタノール(混合溶媒)とをボールミルにて混合することによりスラリーを調製した。NiO粉末と上記原料粉末の質量比は、60:40である。上記スラリーを、ドクターブレード法を用いて、プラスチック基材上に層状に塗工し、乾燥させることにより、シート状のアノード基層形成用材料を準備した。
NiO粉末(平均粒子径:0.7μm)と、8YSZ粉末(平均粒子径:0.5μm)と、ポリビニルブチラール(有機材料)と、酢酸イソアミル、2−ブタノールおよびエタノール(混合溶媒)とをボールミルにて混合することによりスラリーを調製した。NiO粉末と8YSZ粉末の質量比は、60:40である。上記スラリーを、ドクターブレード法を用いて、プラスチック基材上に層状に塗工し、乾燥させることにより、シート状の活性層形成用材料を準備した。
8YSZ粉末(平均粒子径:0.5μm)と、ポリビニルブチラール(有機材料)と、酢酸イソアミル、2−ブタノールおよびエタノール(混合溶媒)とをボールミルにて混合することによりスラリーを調製した。このスラリーを、ドクターブレード法を用いて、プラスチック基材上に層状に塗工し、乾燥させることにより、シート状の固体電解質層形成用材料を準備した。
10GDC粉末(平均粒子径:0.3μm)と、ポリビニルブチラール(有機材料)と、酢酸イソアミル、2−ブタノールおよびエタノール(混合溶媒)とをボールミルにて混合することによりスラリーを調製した。このスラリーを、ドクターブレード法を用いて、プラスチック基材上に層状に塗工し、乾燥させることにより、シート状の中間層形成用材料を準備した。
LSCF(La0.6Sr0.4Co0.2Fe0.8)粉末(平均粒子径:0.6μm)と、エチルセルロース(有機材料)と、テルピネオール(溶媒)とをボールミルにて混合することにより、ペースト状のカソード形成用材料を準備した。
(第1の工程)
シート状のアノード基層形成用材料、シート状の活性層形成用材料、シート状の固体電解質層形成用材料、および、シート状の中間層形成用材料をこの順に積層し、積層体を得た。得られた積層体は、CIP成形法を用いて圧着、脱脂した。なお、CIP成形条件は、温度80℃、加圧力50MPa、加圧時間10分という条件とした。
(第2の工程)
次いで、上記積層体を1350℃で2時間焼成した。これにより、アノード基層(500μm)、活性層(20μm)、固体電解質層(10μm)、および中間層(5μm)がこの順に積層された焼結体を得た。
(第3の工程)
次いで、上記焼結体における中間層の表面に、カソード形成用材料をスクリーン印刷法により塗布し、1100℃で2時間焼成(焼付)することによって層状のカソード(厚み50μm)を形成した。なお、カソード形成用材料は、中間層の外縁まで印刷しておらず、カソード層の外形は、固体電解質層の外形よりも小さく形成されている。これにより、図1に示されるように、アノード基層、活性層、固体電解質層、中間層、および、カソードがこの順に積層されており、アノードを支持体とする燃料電池単セルを得た。また、アノード基層と活性層との二層が積層されてなる燃料電池用アノードを得た。なお、アノード基層を焼成により得る際に上記原料粉末を用いているので、焼成により、アノード基層内に、結晶相が正方晶を主体とする内側固体電解質より構成されているコア部と、コア部の外周を覆い、結晶相が立方晶を主体とする外側固体電解質より構成されているシェル部とを有するコアシェル構造体を存在させることができる。また、アノード基層の気孔率は、50%であり、活性層の気孔率は、35%であった。
以上、本発明の実施例について詳細に説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を損なわない範囲内で種々の変更が可能である。
1 アノード
2 固体電解質層
3 カソード
5 燃料電池単セル
10 燃料電池用アノード
12 アノード基層
121 触媒
122 コアシェル構造体
122a コア部
122b シェル部

Claims (8)

  1. アノード(1)と、固体電解質層(2)と、カソード(3)とを有しており、上記アノード(1)を支持体とする燃料電池単セル(5)に用いられる燃料電池用アノード(10)であって、
    上記アノード(1)としての機能と上記支持体としての機能とを兼ね備えるアノード基層(12)を備え、
    上記アノード基層(12)は、触媒(121)と、コア部(122a)と該コア部(122a)の外周を覆うシェル部(122b)とを有するコアシェル構造体(122)とを含む混合物より構成されており、かつ、上記コア部(122a)は、結晶相が正方晶を主体とする内側固体電解質より構成され、上記シェル部(122b)は、結晶相が立方晶を主体とする外側固体電解質より構成されていることを特徴とする燃料電池用アノード(10)。
  2. 上記内側固体電解質および上記外側固体電解質は、ともにジルコニア系固体電解質であることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池用アノード(10)。
  3. 上記ジルコニア系固体電解質は、Y、Sc、Yb、および、CaOから選択される1種または2種以上の酸化物が固溶されたZrOであることを特徴とする請求項2に記載の燃料電池用アノード(10)。
  4. 上記ジルコニア系固体電解質は、Yが固溶されたZrOであることを特徴とする請求項2または3に記載の燃料電池用アノード(10)。
  5. 上記固体電解質層(2)側に配置される活性層(11)と該活性層(11)における上記固体電解質層(2)側と反対側の面に積層された上記アノード基層(12)とを備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の燃料電池用アノード(10)。
  6. 上記活性層(11)は、触媒(111)と単体の固体電解質(112)とを含む混合物より構成されている、または、触媒(111)と上記コアシェル構造体(122)とを含む混合物より構成されていることを特徴とする請求項5に記載の燃料電池用アノード(10)。
  7. 上記アノード基層(12)の気孔径は、上記活性層(11)の気孔径よりも大きいことを特徴とする請求項5または6に記載の燃料電池用アノード(10)。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の燃料電池用アノード(10)と、固体電解質層(2)と、カソード(3)とを有しており、上記燃料電池用アノード(10)を支持体とすることを特徴とする燃料電池単セル(5)。
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