JP6118694B2 - 燃料電池用アノードおよび燃料電池単セル - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池用アノードおよび燃料電池単セルに関し、さらに詳しくは、電解質として固体電解質を利用する燃料電池単セルに用いられる燃料電池用アノード、これを用いた燃料電池単セルに関する。
従来、アノードと、固体電解質層と、カソードとを有する固体電解質型の燃料電池単セルが知られている。一般に、上記燃料電池単セルにおいて、燃料ガスの入口から供給された燃料ガスは、アノードの面方向に沿って流れ、燃料ガスの出口より排出されることが多い。
なお、先行する特許文献1には、内部に燃料ガスを流通させるための燃料ガス流路を有する支持体、アノード層、固体電解質層、カソード層がこの順で積層された燃料電池単セルが開示されている。同文献には、燃料ガスの流れ方向の下流側に位置するアノード層の部分における気孔率が、燃料ガスの流れ方向の上流側に位置するアノード層の部分における気孔率よりも大きい点が記載されている。
特開2012−94427号公報
しかしながら、従来技術は、以下の点で問題がある。すなわち、アノードの面方向に沿って燃料ガスが供給される燃料電池単セルは、燃料ガス入口側で燃料ガスが多く消費され、燃料ガス出口側に達する燃料ガス量が減少しやすい。場合によっては、燃料ガス出口側にて燃料ガスが枯渇することもある。そのため、セル面内の発電分布が大きくなり、その結果、セル面内の温度分布が大きくなるという問題がある。セル面内の温度分布が大きくなると、セルに局所的な応力が発生し、発電時のセル割れに繋がるおそれがある。
本発明は、上記背景に鑑みてなされたものであり、燃料電池単セルに用いた場合に、燃料ガスの流れに起因するセル面内の発電分布を均一化することが可能な燃料電池用アノード、これを用いた燃料電池単セルを提供しようとして得られたものである。
本発明の一態様は、アノードと、固体電解質層と、カソードとを有しており、上記アノードの面方向に沿って燃料ガスが供給される燃料電池単セルに用いられる燃料電池用アノードであって、
当該燃料電池用アノードは、複数の層より構成されており、
上記複数の層のうち、上記固体電解質層から最も離れて配置される最外層は、部分的に厚みが異なっており、
上記燃料ガスのガス流れ方向の中間地点よりも上記燃料ガスの入口側をガス流れ上流側、上記中間地点よりも上記燃料ガスの出口側をガス流れ下流側とした場合に、
上記最外層は、上記ガス流れ上流側に比べ、上記ガス流れ下流側の方が、厚みの薄い部分が多く形成されており、
上記厚みの薄い部分は、上記最外層表面から上記最外層の上記固体電解質層(2)側の面まで貫通していない穴または溝であることを特徴とする燃料電池用アノードにある。
本発明の他の態様は、上記燃料電池用アノードと、固体電解質層と、カソードとを有しており、上記燃料電池用アノードの面方向に沿って燃料ガスが供給されることを特徴とする燃料電池単セルにある。
上記燃料電池用アノードは、上記構成を有している。特に、複数の層のうち、固体電解質層から最も離れて配置される最外層は、部分的に厚みが異なっている。そのため、上記燃料電池用アノードは、燃料電池単セルに用いた場合に、最外層の厚みの薄い部分では、燃料ガスのガス拡散距離が短くなってガス拡散が増加し、その部分における発電が促進され、燃料ガスの流れに起因するセル面内の発電分布の均一化を図ることができる。その結果、上記燃料電池用アノードは、燃料電池単セルに用いた場合に、セル面内の温度分布が小さくなり、セルに局所的な応力が生じ難くなって発電時のセル割れが生じ難くなる。そのため、上記燃料電池用アノードは、燃料電池単セルの信頼性向上に有効である。
また、上記燃料電池用アノードは、アノードを多層化し、最外層の厚みを部分的に変えてガス拡散性を制御している。そのため、上記燃料電池用アノードは、燃料ガスの流れ方向でアノードの気孔率を変えてガス拡散性を制御する燃料電池用アノードに比べ、製造性が良好であるなどの利点がある。
上記燃料電池単セルは、上記燃料電池用アノードと、固体電解質層と、カソードとを有している。そのため、上記燃料電池単セルは、セル面内の温度分布が小さくなり、セルに局所的な応力が生じ難くなって発電時のセル割れが生じ難くなる。そのため、上記燃料電池単セルは、高い信頼性を発揮することができる。
実施例1の燃料電池用アノード、燃料電池単セルの模式的な外観斜視図である。 図1におけるII−II断面図である。 図2におけるIII−III断面図である。 実施例2の燃料電池用アノード、燃料電池単セルにおける図3に対応する断面図である。
上記燃料電池用アノードは、電解質として固体電解質を利用する固体電解質型の燃料電池単セルにおけるアノードに適用される。固体電解質層を構成する固体電解質には、酸素イオン導電性を示す固体酸化物セラミックス等を用いることができる。
なお、固体電解質として固体酸化物セラミックスを用いる燃料電池は、固体酸化物形燃料電池(SOFC)と称される。上記燃料電池単セルの電池構造は、製造性に優れる、発電効率が高い等の観点から、層状のアノードを支持体とする平板形とすることができる。
上記燃料電池単セルは、具体的には、固体電解質層と、固体電解質層の一方面に積層されたアノードと、固体電解質層の他方面に中間層を介してまたは中間層を介さずに積層されたカソードとを有しており、アノードを支持体とする構成とすることができる。なお、中間層は、主に、カソードを構成する材料と固体電解質層を構成する材料との反応を防止するための層である。カソードおよび中間層は、1層または2層以上から構成することができる。なお、燃料ガス、酸化剤ガスの供給方式は、アノードの面方向に沿ってアノードに供給される燃料ガスとカソードの面方向に沿ってカソードに供給される酸化剤ガスとが互いに直交するように燃料電池単セルに供給される、いわゆるクロスフロー方式などを採用することができる。
上記燃料電池用アノードにおいて、最外層は、固体電解質層から最も離れて配置される層である。この最外層表面より燃料ガスが流入する。最外層は、部分的に厚みが異なっている。したがって、最外層は、相対的に厚みの薄い部分と相対的に厚みの厚い部分とが混在している。最外層は、上記厚みの薄い部分を複数有することができる。この場合、上記厚みの薄い部分は、それぞれ厚みが同じであってもよいし、異なっていてもよい。また、上記厚みの薄い部分は、それぞれ同じ形態であってもよいし、異なる形態であってもよい。上記厚みの薄い部分は、具体的には、穴または溝の形態とすることができる。上記穴、溝は、最外層表面から最外層の固体電解質層側の面まで貫通していない
上記燃料電池用アノードにおいて、燃料ガスのガス流れ方向の中間地点よりも燃料ガスの入口側をガス流れ上流側、上記中間地点よりも燃料ガスの出口側をガス流れ下流側とした場合に、最外層は、ガス流れ上流側に比べ、ガス流れ下流側の方が、厚みの薄い部分が多く形成されている構成とされている。
この構成によれば、ガス流れ上流側での燃料ガスの消費が抑えられ、ガス流れ下流側での燃料ガスの枯渇を抑制しやすくなる。また、ガス流れ下流側の比較的低濃度の燃料ガス雰囲気では、ガス拡散が増加するため、発電量が増え、燃料ガスの流れに起因するセル面内の発電分布の均一化をより一層図りやすくなる利点がある。
上記燃料電池用アノードにおいて、アノードの層構成は、例えば、固体電解質層側に配置される活性層と、活性層における固体電解質層側と反対側の面に積層された拡散層と、拡散層における固体電解質層側と反対側の面に積層された最外層とを備える構成などとすることができる。なお、活性層は、主に、アノード側における電気化学的反応の反応場となる層である。また、拡散層は、主に、供給される燃料ガスを拡散させることが可能な層である。
この場合は、最外層によって、燃料ガス流入量をガス流れ方向で制御することができる。また、拡散層によって、流入した燃料ガスを適切に拡散させることができる。また、活性層によって、上記最外層がない場合に比べ、ガス流れ方向で均一に電気化学的反応を生じさせることができる。そのため、この場合は、機能分担された各層が各機能を十分に発揮することによって、燃料ガスの流れに起因するセル面内の発電分布の均一化を図りやすい利点がある。
なお、最外層、拡散層および活性層の外形の大きさは、特に制限されない。最外層、拡散層および活性層の外形の大きさは、いずれも同じ大きさとすることができる。また、他にも、活性層における固体電解質層と接する面を除いた残りの面を拡散層が覆うように構成することもできる。この場合は、活性層の側面から燃料ガスを拡散させることができるので、ガス拡散性の向上に有利である。
上記燃料電池用アノードにおいて、最外層の気孔径<拡散層の気孔径の関係を満たすように構成することができる。
この場合は、燃料ガスのガス拡散性が最外層により抑制されるが、ガス流れ上流側での燃料ガスの過剰な消費がなくなり、ガス流れ下流側へ燃料ガスが十分に送られやすくなる。そして、最外層における厚みの薄い部分では、ガス拡散が増加する。そのため、この場合は、燃料ガスの流れに起因するセル面内の発電分布の均一化をより一層図りやすくなる利点がある。特に、最外層の構成が、ガス流れ上流側に比べ、ガス流れ下流側の方が厚みの薄い部分が多い構成である場合に、その効果が大きくなる。
上記燃料電池用アノードにおいて、好ましくは、活性層の気孔径<最外層の気孔径<拡散層の気孔径の関係を満たすように構成することができる。この場合は、上記効果に加え、拡散層が、活性層に供給される燃料ガスのガス拡散律速場となり難く、活性層への燃料ガスの拡散が阻害され難い。また、活性層における反応点の増大(高表面積化)により、燃料電池単セルの発電特性を向上させるのに有利である。
なお、各気孔径の大小関係は、走査型電子顕微鏡(SEM)による断面観察によって判断することができる。また、上記断面観察だけでは各気孔径の大小関係を明確に判断することができない場合には、最外層の平均気孔径、拡散層の平均気孔径、活性層の平均気孔径をそれぞれ測定して比較することができる。なお、上記平均気孔径は、パームポロメータ等により測定した細孔分布から算出した気孔径の平均値のことである。
活性層の平均気孔径は、好ましくは0.1〜5μmの範囲内、より好ましくは0.2〜3μmの範囲内、さらに好ましくは0.3〜2μmの範囲内、さらにより好ましくは0.4〜1.5μmの範囲内とすることができる。この場合は、電極反応によって生じる水の排出が円滑に行われるので、排出されずに残る水によって発電出力が瞬間的に落ちてしまうのを抑制しやすくなる。また、反応点数を確保しやすく、出力密度の低下を抑制しやすくなる。拡散層の平均気孔径は、好ましくは0.3〜20μmの範囲内、より好ましくは0.4〜17μmの範囲内、さらに好ましくは0.5〜15μmの範囲内、さらにより好ましくは1〜10μmの範囲内とすることができる。この場合は、拡散層によって燃料ガスを活性層に速やかに拡散させやすく、出力密度の低下抑制に有利である。
上記燃料電池用アノードにおいて、最外層の気孔率<拡散層の気孔率の関係を満たすように構成することができる。この場合も、最外層の気孔径<拡散層の気孔径の関係を満たす場合と同様の効果を得ることができる。また、上記燃料電池用アノードにおいて、好ましくは、活性層の気孔率<最外層の気孔率<拡散層の気孔率の関係を満たすように構成することができる。この場合も、活性層の気孔径<最外層の気孔径<拡散層の気孔径の関係を満たす場合と同様の効果を得ることができる。なお、上記気孔率は、アルキメデス法にて見かけ密度と嵩密度とを算出し、{1−(嵩密度/見かけ密度)}×100にて算出した数値のことである。
活性層の気孔率は、好ましくは30〜50%の範囲内、より好ましくは33〜48%の範囲内、さらに好ましくは36〜46%の範囲内、さらにより好ましくは39〜44%の範囲内とすることができる。この場合は、電極反応によって生じる水の排出が円滑に行われるので、排出されずに残る水によって発電出力が瞬間的に落ちてしまうのを抑制しやすくなる。また、反応点数を確保しやすく、出力密度の低下を抑制しやすくなる。拡散層の気孔率は、好ましくは30〜60%の範囲内、より好ましくは36〜57%の範囲内、さらに好ましくは42〜54%の範囲内、さらにより好ましくは45〜51%の範囲内とすることができる。この場合は、拡散層によって燃料ガスを活性層に速やかに拡散させやすく、出力密度の低下抑制に有利である。また、アノードを支持体とする場合に支持体としての強度を確保しやすく、燃料電池単セルをスタックする際に割れ難くなり有利である。
上記燃料電池用アノードにおいて、各層は、いずれも例えば、触媒と固体電解質とを含む混合物より構成することができる。上記触媒の材質としては、具体的には、例えば、ニッケル(Ni)、酸化ニッケル(NiO等)、コバルト(Co)、貴金属(Au、Ag、白金族元素のRu、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、好ましくはPt、Pd、Ru)などを例示することができる。これらは1種または2種以上併用することができる。各層内の触媒は、粒子状とすることができ、いずれも同じ材質であってもよいし、異なる材質であってもよい。上記触媒の材質としては、ニッケルおよび/または酸化ニッケルを好適に用いることができる。ニッケル(酸化ニッケルは、アノードの還元性雰囲気中でニッケルとなる)は、燃料ガスに好適に用いられる水素との親和性が充分に大きく、他の金属に比べて安価であるので、アノード触媒として適当である。
また、上記固体電解質の材質としては、具体的には、例えば、Y、Sc、Yb、および、CaOから選択される1種または2種以上の酸化物が固溶されたZrO等の酸化ジルコニウム系酸化物;ランタンガレート系酸化物;CeO、CeOにGd、Sm、Y、La、Nd、Yb、Ca、Dr、および、Hoから選択される1種または2種以上の元素等がドープされたセリア系固溶体等の酸化セリウム系酸化物などを例示することができる。これらは1種または2種以上併用することができる。各層内の固体電解質は、粒子状とすることができ、いずれも同じ材質であってもよいし、異なる材質であってもよい。上記固体電解質の材質としては、酸素イオン導電性、機械的強度などの観点から、好ましくは、ジルコニア系固体電解質を好適に用いることができる。
また、最外層を構成しうる上記混合物は、触媒と固体電解質とを、例えば、質量比で、30/70〜70/30、好ましくは40/60〜60/40の範囲内で含有することができる。また、拡散層を構成しうる上記混合物は、触媒と固体電解質とを、例えば、質量比で、30/70〜70/30、好ましくは40/60〜60/40の範囲内で含有することができる。また、活性層を構成しうる上記混合物は、触媒と固体電解質とを、例えば、質量比で、30/70〜70/30、好ましくは40/60〜60/40の範囲内で含有することができる。
上記燃料電池用アノードにおいて、最外層における厚みが薄くされていない部分の厚みは、製造上などの観点から、好ましくは5μm以上、より好ましくは7μm以上、さらに好ましくは10μm以上とすることができる。最外層における厚みが薄くされていない部分の厚みは、発電分布の緩和等の観点から、好ましくは300μm以下、より好ましくは200μm以下、さらに好ましくは100μm以下とすることができる。また、拡散層の厚みは、支持体とする場合の強度等の観点から、好ましくは300μm以上、より好ましくは400μm以上、さらに好ましくは500μm以上とすることができる。拡散層の厚みは、ガス拡散等の観点から、好ましくは1500μm以下、より好ましくは1000μm以下、さらに好ましくは800μm以下とすることができる。また、活性層の厚みは、ガス、電子およびイオンの反応場の確保等の観点から、好ましくは5μm以上、より好ましくは10μm以上、さらに好ましくは20μm以上とすることができる。活性層の厚みは、酸素イオン導電性等の観点から、好ましくは100μm以下、より好ましくは80μm以下、さらに好ましくは60μm以下とすることができる。
上記燃料電池単セルにおいて、各層を構成する材料としては、以下のものを例示することができるが、特に限定されない。
固体電解質層を構成する固体電解質としては、例えば、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)、スカンジア安定化ジルコニア(ScSZ)等の酸化ジルコニウム系酸化物;ランタンガレート系酸化物;CeO、CeOにGd、Sm、Y、La、Nd、Yb、Ca、Dr、および、Hoから選択される1種または2種以上の元素等がドープされたセリア系固溶体等の酸化セリウム系酸化物などを例示することができる。固体電解質層は、その厚みを薄くすることによってオーミック抵抗が低減し、出力密度が向上するといった利点がある反面、過度に厚みが薄くなると固体電解質層を貫通する穴の発生確率が増えてしまい、燃料ガスもしくは酸化剤ガスが固体電解質層を介してクロスリークし、出力密度の低下が起こる場合がある。上記観点から、固体電解質層の厚みは、好ましくは1〜20μm、より好ましくは3〜10μmとすることができる。
カソードの材質としては、例えば、ランタン−マンガン系酸化物、ランタン−コバルト系酸化物、ランタン−鉄系酸化物等の導電性を有するペロブスカイト型酸化物、上記ペロブスカイト型酸化物と上記固体電解質等との混合物などを例示することができる。カソードの厚みは、空気等の酸化剤ガス中に含まれる酸素がカソード材料表面で電子を受け取りイオン化する反応活性場の数を増やすなどの観点から、好ましくは10〜100μm、より好ましくは30〜50μmとすることができる。
中間層の材質としては、上記酸化セリウム系酸化物などを例示することができる。中間層の厚みは、カソード構成元素の固体電解質への拡散を防止するなどの観点から、好ましくは1〜10μm、より好ましくは3〜7μmとすることができる。
上記燃料電池用アノード、上記燃料電池用アノードを有する燃料電池単セルは、以下の第1〜第3の工程を経ることによって好適に製造することができるが、特に制限されない。
第1の工程は、焼成により最外層となる未焼成の最外層形成用材料と、焼成により上記複数の層のうちの最外層を除いた他の層になる未焼成の他層形成用材料と、焼成により固体電解質層になる未焼成の固体電解質層形成用材料と、必要に応じて、焼成により中間層になる未焼成の中間層形成用材料とをこの順に層状に積層し、圧着して積層体を得る工程である。上記積層体には、必要に応じて脱脂等を行うことができる。
上記他層形成用材料は、例えば、焼成により拡散層になる未焼成の拡散層形成用材料と、焼成により活性層になる未焼成の活性層形成用材料とすることができる。また、最外層形成用材料は、所定の最外層が得られるように部分的に厚みが異なっている。なお、最外層形成用材料、拡散層形成用材料、活性層形成用材料は、触媒粒子、固体電解質粒子、造孔剤、バインダー、可塑剤等を含んで構成することができる。最外層形成用材料、拡散層形成用材料、活性層形成用材料は、それぞれ焼成によって最外層、拡散層、活性層になった場合に、気孔径が異なるように造孔剤の含有量やその大きさ、触媒粒子、固体電解質粒子の粒子径等を適宜調整することができる。各形成用材料には、シート状材料を用いることができる。拡散層形成用材料は、複数のシートを積層することにより形成することができる。また、上記において、シート状の拡散層形成用材料の一方面に、ペースト状の最外層形成用材料を、印刷法等によって部分的に厚みが異なる層状に形成することも可能である。
第2の工程は、上記積層体を、例えば、1300〜1500℃で同時焼成する工程である。これにより、最外層を含む複数の層からなるアノード(上記の例では、最外層、拡散層、活性層)、固体電解質層、必要に応じて、中間層がこの順に積層された焼成体が得られる。
第3の工程は、上記焼成体における中間層の表面、あるいは、固体電解質層の表面に、焼成によりカソードになるカソード形成用材料を層状に積層し、例えば、900〜1200℃で焼成する工程である。
カソード形成用材料には、ペースト状材料を用いることができる。カソード形成用材料は、中間層の表面、あるいは、固体電解質層の表面に印刷法等によって層状に塗布することができる。
これにより、上記燃料電池用アノード、上記燃料電池用アノードを有する燃料電池単セルを得ることができる。
なお、上述した各構成は、上述した各作用効果等を得るなどのために必要に応じて任意に組み合わせることができる。
以下、実施例の燃料電池用アノードおよび燃料電池単セルについて、図面を用いて説明する。なお、同一部材については同一の符号を用いて説明する。
(実施例1)
実施例1の燃料電池用アノードおよび燃料電池単セルについて、図1〜図3を用いて説明する。図1〜図3に示すように、本例の燃料電池用アノード10は、アノード1と、固体電解質層2と、カソード3とを有しており、アノード1の面方向に沿って燃料ガスが供給される燃料電池単セル5に用いられるものである。
燃料電池用アノード10は、複数の層より構成されており、これら複数の層のうち、固体電解質層2から最も離れて配置される最外層11は、部分的に厚みが異なっている。
また、本例の燃料電池単セル5は、図1に示すように、本例の燃料電池用アノード10と、固体電解質層2と、カソード3とを有しており、燃料電池用アノード10の面方向に沿って燃料ガスが供給される。具体的には、燃料電池単セル5は、固体電解質層2と、固体電解質層2の一方面に積層された燃料電池用アノード10と、固体電解質層2の他方面に中間層4を介して積層されたカソード3とを有しており、燃料電池用アノード10を支持体とする平板形の単セルである。また、燃料ガス、酸化剤ガスの供給方式は、具体的には、アノード1の面方向に沿ってアノード1に供給される燃料ガスとカソード3の面方向に沿ってカソード3に供給される酸化剤ガスとが互いに直交するように燃料電池単セル5に供給される、いわゆるクロスフロー方式とされている。以下、これらを詳説する。
本例の燃料電池用アノード10において、最外層11は、相対的に厚みの薄い部分111と相対的に厚みの厚い部分112(厚みが薄くされていない部分)とが混在している。最外層11は、厚みの薄い部分111を複数有しており、当該厚みの薄い部分111は、具体的には、燃料ガスのガス流れ方向Fと垂直な方向に配列した複数の穴111aの列が、燃料ガスのガス流れ方向Fに複数配置されて構成されている。なお、上記穴111aは、最外層11表面から最外層11の固体電解質層2側の面まで貫通していない非貫通穴である。
本例において、燃料ガスのガス流れ方向Fの中間地点よりも燃料ガスの入口側(図2左側)を、ガス流れ上流側とし、上記中間地点よりも燃料ガスの出口側(図2右側)を、ガス流れ下流側とする。本例の燃料電池用アノード10において、最外層11は、具体的には、ガス流れ上流側に比べ、ガス流れ下流側の方が、厚みの薄い部分111が多く形成されている。
本例の燃料電池用アノード10は、具体的には、固体電解質層2側に配置される活性層13と、活性層13における固体電解質層2側と反対側の面に積層された拡散層12と、拡散層12における固体電解質層2側と反対側の面に積層された上記最外層11とを備えている。本例の燃料電池用アノード10は、最外層11の気孔径<拡散層12の気孔径の関係を満たすように構成されている。なお、本例では、最外層11の平均気孔径は0.3〜10μm、拡散層12の平均気孔径は0.3〜20μm、活性層13の平均気孔径は0.1〜5μmより選択される。また、最外層11の気孔率は80〜95%、拡散層12の気孔率は30〜60%、活性層13の気孔率は30〜50%より選択される。
本例の燃料電池用アノード10において、各層11、12、13は、いずれも触媒と固体電解質とを含む混合物より構成されている。触媒は、具体的にはいずれもNiOであり、固体電解質は、具体的には、いずれもジルコニア系固体電解質としての8mol%のYを含むイットリア安定化ジルコニア(以下、8YSZ)である。
なお、各層11、12、13は、触媒、固体電解質の粒子径や、製造時における造孔剤の添加量やその大きさ等を調整することにより、上記気孔径の関係を満たすように構成されている。また、最外層11における厚みが薄くされていない部分112の厚みは50μmであり、最外層11における厚みの薄い部分111の厚みは5μmである。拡散層12の厚みは400μmであり、活性層13の厚みは20μmである。
本例において、固体電解質層2は、具体的には、ジルコニア系固体電解質より形成されている。より具体的には、ジルコニア系固体電解質は、酸化ジルコニウム系酸化物である、8YSZであり、その厚みは10μmである。
本例において、中間層4は、具体的には、酸化セリウム系酸化物である、10mol%のGdがドープされたセリア(以下、10GDC)より形成されており、その厚みは10μmである。
本例において、カソード3は、具体的には、ペロブスカイト型酸化物と固体電解質とを含む混合物より層状に形成されている。より具体的には、ペロブスカイト型酸化物は、La1−xSrCo1−y(x=0.4、y=0.8、以下、LSCF)であり、固体電解質は、酸化セリウム系酸化物である10GDCである。カソードの厚みは20μmである。
本例において、燃料電池用アノード10(最外層11、拡散層12、活性層13)、固体電解質層2、中間層4、および、カソード3は、いずれも、平面視で、矩形状の形状を呈している。また、燃料電池用アノード10(最外層11、拡散層12、活性層13)、固体電解質層2、および中間層4の外形は、同じ大きさに揃えられている。一方、カソード3の外形は、固体電解質層2の外形よりも小さく形成されている。つまり、本例では、燃料電池単セル5は、カソード3および固体電解質層2の外形の大きさが、カソード3の外形<固体電解質層2の外形の関係を満たすように構成されている。
本例の燃料電池用アノードの作用効果について説明する。
燃料電池用アノード10は、上記構成を有している。特に、複数の層(本例では、最外層11、拡散層12、活性層13)より構成されており、これら複数の層のうち、固体電解質層2から最も離れて配置される最外層11は、部分的に厚みが異なっている。そのため、燃料電池用アノード10は、燃料電池単セル5に用いた場合に、最外層10の厚みの薄い部分111では、燃料ガスのガス拡散距離が短くなってガス拡散が増加し、その部分における発電が促進され、燃料ガスの流れに起因するセル面内の発電分布の均一化を図ることができる。その結果、燃料電池用アノード10は、燃料電池単セル5に用いた場合に、セル面内の温度分布が小さくなり、セルに局所的な応力が生じ難くなって発電時のセル割れが生じ難くなる。そのため、燃料電池用アノード10は、燃料電池単セル5の信頼性向上に有効である。
また、本例の燃料電池用アノード10は、燃料ガスのガス流れ方向Fの中間地点よりも燃料ガスの入口側をガス流れ上流側、上記中間地点よりも燃料ガスの出口側をガス流れ下流側とした場合に、最外層11は、ガス流れ上流側に比べ、ガス流れ下流側の方が、厚みの薄い部分111が多く形成されている構成とされている。そのため、本例の燃料電池用アノード10は、ガス流れ上流側での燃料ガスの消費が抑えられ、ガス流れ下流側での燃料ガスの枯渇を抑制しやすくなる。また、ガス流れ下流側の比較的低濃度の燃料ガス雰囲気では、ガス拡散が増加するため、発電量が増え、燃料ガスの流れに起因するセル面内の発電分布の均一化をより一層図りやすい利点がある。
また、本例の燃料電池用アノード10は、最外層11、拡散層12、および活性層13がこの順に積層されて構成されている。そのため、本例の燃料電池用アノード10は、最外層11によって、燃料ガス流入量をガス流れ方向で制御することができる。また、拡散層12によって、流入した燃料ガスを適切に拡散させることができる。また、活性層13によって、最外層11がない場合に比べ、ガス流れ方向で均一に電気化学的反応を生じさせることができる。それ故、本例の燃料電池用アノード10は、機能分担された各層11、12、13が各機能を十分に発揮することによって、燃料ガスの流れに起因するセル面内の発電分布の均一化を図りやすい利点がある。
また、本例の燃料電池用アノード10は、最外層11の気孔径<拡散層12の気孔径の関係を満たすように構成されている。そのため、本例の燃料電池用アノード10は、燃料ガスのガス拡散性が最外層11により抑制されるが、ガス流れ上流側での燃料ガスの過剰な消費がなくなり、ガス流れ下流側へ燃料ガスが十分に送られやすくなる。そして、最外層11における厚みの薄い部分111では、ガス拡散が増加する。そのため、本例の燃料電池用アノード10は、燃料ガスの流れに起因するセル面内の発電分布の均一化をより一層図りやすい利点がある。特に、最外層11の構成が、ガス流れ上流側に比べ、ガス流れ下流側の方が厚みの薄い部分111が多い構成であるため、その効果が大きい。
また、本例の燃料電池用アノード10は、最外層11における厚みの薄い部分111は、複数の穴111aから構成されている。そのため、本例の燃料電池用アノード10は、燃料電池単セル5をセパレータを介してスタック化する際における上記セパレータが備える燃料ガス流路の形状に合わせ、当該燃料ガス流路に対応させて穴111aを配置することによってガス拡散性を向上させやすくなる利点がある。
本例の燃料電池単セルの作用効果について説明する。
燃料電池単セル5は、燃料電池用アノード10と、固体電解質層2と、カソード3とを有している。そのため、燃料電池単セル5は、セル面内の温度分布が小さくなり、セルに局所的な応力が生じ難くなって発電時のセル割れが生じ難くなる。そのため、燃料電池単セル5は、高い信頼性を発揮することができる。
(実施例2)
実施例2の燃料電池用アノードおよび燃料電池単セルについて、図4を用いて説明する。図4に示すように、本例の燃料電池用アノード10は、燃料ガスのガス流れ方向Fと垂直な方向に延びる溝111bが燃料ガスのガス流れ方向Fに複数配置されることによって最外層11における厚みの薄い部分111が構成されている点で、実施例1の燃料電池用アノード10と異なっている。また、本例の燃料電池単セル5は、実施例2の燃料電池用アノード10を用いた点で、実施例1の燃料電池単セル5と異なっている。その他の構成は、実施例1と同様の構成である。
本例の構成によっても、実施例1と同様の作用効果を奏することができる。
また、本例の燃料電池用アノード10は、最外層11における厚みの薄い部分11が、複数の溝111bから構成されている。そのため、本例の燃料電池用アノード10は、燃料電池単セル5をセパレータを介してスタック化する際における上記セパレータが備える燃料ガス流路を溝111bと直交するように配置することにより、燃料電池用アノード10と接する燃料ガス流路のリブにおいて、リブ下へのガス拡散を促進しやすくなる利点がある。
以下、実験例を用いてより具体的に説明する。
<実験例>
(材料準備)
NiO粉末(平均粒子径:1μm)と、8YSZ粉末(平均粒子径:0.3μm)と、球状の樹脂粒子(平均粒子径1.5μm)と、ポリビニルブチラール(有機材料)と、酢酸イソアミル、2−ブタノールおよびエタノール(混合溶媒)とをボールミルにて混合することによりスラリーを調製した。NiO粉末と8YSZ粉末の質量比は、60:40である。上記スラリーを、ドクターブレード法を用いて、最外層に穴を形成するための表面突起を有するプラスチック基材上に層状に塗工し、乾燥させることにより、一方面に図2および図3に示される穴を複数有し、他方面は平坦に形成されたシート状の最外層形成用材料を準備した。つまり、最外層形成用材料は、部分的に厚みが異なる最外層が得られるように、それに対応して部分的に厚みが異なっている。なお、上記平均粒子径は、レーザー回折・散乱法により測定した体積基準の累積度数分布が50%を示すときの粒子径(直径)d50である(以下、同様)。
NiO粉末(平均粒子径:1μm)と、8YSZ粉末(平均粒子径:0.3μm)と、球状の樹脂粒子(平均粒子径1.5μm)と、ポリビニルブチラール(有機材料)と、酢酸イソアミル、2−ブタノールおよびエタノール(混合溶媒)とをボールミルにて混合することによりスラリーを調製した。NiO粉末と8YSZ粉末の質量比は、60:40である。上記スラリーを、ドクターブレード法を用いて、平坦なプラスチック基材上に層状に塗工し、乾燥させることにより、シート状の拡散層形成用材料を準備した。
NiO粉末(平均粒子径:1μm)と、8YSZ粉末(平均粒子径:0.3μm)と、球状の樹脂粒子(平均粒子径0.8μm)と、ポリビニルブチラール(有機材料)と、酢酸イソアミル、2−ブタノールおよびエタノール(混合溶媒)とをボールミルにて混合することによりスラリーを調製した。NiO粉末と8YSZ粉末の質量比は、60:40である。上記スラリーを、ドクターブレード法を用いて、平坦なプラスチック基材上に層状に塗工し、乾燥させることにより、シート状の活性層形成用材料を準備した。なお、最外層形成用材料、拡散層形成用材料および活性層形成用材料における各樹脂粒子の添加量は、活性層形成用材料における樹脂粒子の添加量<最外層形成用材料における樹脂粒子の添加量<拡散層形成用材料における樹脂粒子の添加量の関係を満たしている。
8YSZ粉末(平均粒子径:0.3μm)と、ポリビニルブチラール(有機材料)と、酢酸イソアミル、2−ブタノールおよびエタノール(混合溶媒)とをボールミルにて混合することによりスラリーを調製した。このスラリーを、ドクターブレード法を用いて、プラスチック基材上に層状に塗工し、乾燥させることにより、シート状の固体電解質層形成用材料を準備した。
10GDC粉末(平均粒子径:0.2μm)と、ポリビニルブチラール(有機材料)と、酢酸イソアミル、2−ブタノールおよびエタノール(混合溶媒)とをボールミルにて混合することによりスラリーを調製した。このスラリーを、ドクターブレード法を用いて、プラスチック基材上に層状に塗工し、乾燥させることにより、シート状の中間層形成用材料を準備した。
LSCF(La0.6Sr0.4Co0.2Fe0.8)粉末(平均粒子径:0.45μm)と、10GDC粉末(平均粒子径:0.2μm)と、エチルセルロース(有機材料)と、テルピネオール(溶媒)とをボールミルにて混合することにより、ペースト状のカソード形成用材料を準備した。なお、LSCF粉末と10GDC粉末の質量比は、90:10である。
(第1の工程)
シート状の最外層形成用材料、シート状の拡散層形成用材料、シート状の活性層形成用材料、シート状の固体電解質層形成用材料、および、シート状の中間層形成用材料をこの順に積層し、圧着して積層体を得た。この際、最外層形成用材料における穴の形成面は、拡散層形成用材料の積層側の面と反対側の面に配置した。なお、圧着には、CIP成形法を用いた。CIP成形条件は、温度80℃、加圧力50MPa、加圧時間10分という条件とした。また、上記圧着後、積層体を脱脂した。
(第2の工程)
次いで、上記積層体を1350℃で2時間焼成した。これにより、部分的に厚みが異なる最外層、拡散層、活性層、固体電解質層、および中間層がこの順に積層された焼結体を得た。
(第3の工程)
次いで、上記焼結体における中間層の表面に、カソード形成用材料をスクリーン印刷法により塗布し、900℃で2時間焼成(焼付)することによって層状のカソードを形成した。なお、カソード形成用材料は、中間層の外縁まで印刷しておらず、カソード層の外形は、固体電解質層の外形よりも小さく形成されている。これにより、図1〜図3に示されるように、燃料電池用アノード(部分的に厚みが異なる最外層、拡散層、活性層)、固体電解質層、中間層、および、カソードがこの順に積層されており、燃料電池用アノードを支持体とする燃料電池単セルを得た。また、部分的に厚みが異なる最外層、拡散層および活性層の三層が積層されてなる燃料電池用アノードを得た。得られた燃料電池用アノード、燃料電池単セルを、試料1の記燃料電池用アノード、燃料電池単セルとする。最外層は、厚みが薄くされていない部分の厚みが50μm、厚みの薄い部分の厚みが5μmである。拡散層の厚みは400μm、活性層の厚みは20μm、固体電解質層の厚みは10μm、中間層の厚みは10μm、カソードの厚みは40μmである。また、試料1の記燃料電池用アノード、燃料電池単セルは、活性層の気孔径<最外層の気孔径<拡散層の気孔径の関係を満たしている。
試料1の燃料電池用アノード、燃料電池単セルの作製において、最外層に溝を形成するための表面突出部を有するプラスチック基材を用い、最外層形成用材料を準備した点以外は同様にして、図4に示されるように、部分的に厚みが異なる最外層を有する試料2の燃料電池用アノード、燃料電池単セルを得た。
以上、本発明の実施例について詳細に説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を損なわない範囲内で種々の変更が可能である。
1 アノード
2 固体電解質層
3 カソード
5 燃料電池単セル
10 燃料電池用アノード
11 最外層
111 厚みの薄い部分
F 燃料ガスのガス流れ方向

Claims (4)

  1. アノード(1)と、固体電解質層(2)と、カソード(3)とを有しており、上記アノード(1)の面方向に沿って燃料ガスが供給される燃料電池単セル(5)に用いられる燃料電池用アノード(10)であって、
    当該燃料電池用アノード(10)は、複数の層より構成されており、
    上記複数の層のうち、上記固体電解質層(2)から最も離れて配置される最外層(11)は、部分的に厚みが異なっており、
    上記燃料ガスのガス流れ方向(F)の中間地点よりも上記燃料ガスの入口側をガス流れ上流側、上記中間地点よりも上記燃料ガスの出口側をガス流れ下流側とした場合に、
    上記最外層(11)は、上記ガス流れ上流側に比べ、上記ガス流れ下流側の方が、厚みの薄い部分(111)が多く形成されており、
    上記厚みの薄い部分(111)は、上記最外層(11)表面から上記最外層(11)の上記固体電解質層(2)側の面まで貫通していない穴または溝であることを特徴とする燃料電池用アノード(10)。
  2. 上記燃料電池用アノード(10)は、上記固体電解質層(2)側に配置される活性層(13)と、該活性層(13)における上記固体電解質層(2)側と反対側の面に積層された拡散層(12)と、該拡散層(12)における上記固体電解質層(2)側と反対側の面に積層された上記最外層(11)とを備えることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池用アノード(10)。
  3. 上記最外層(11)の気孔径<上記拡散層(12)の気孔径の関係を満たすことを特徴とする請求項に記載の燃料電池用アノード(10)。
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載の燃料電池用アノード(10)と、固体電解質層(2)と、カソード(3)とを有しており、上記燃料電池用アノード(10)の面方向に沿って燃料ガスが供給されることを特徴とする燃料電池単セル(5)。
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