JP2016036019A - 被覆熱伝導性粒子、熱伝導性接合材料及び接合構造体 - Google Patents

被覆熱伝導性粒子、熱伝導性接合材料及び接合構造体 Download PDF

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中谷 康弘
Yasuhiro Nakatani
康弘 中谷
伸也 上野山
Shinya Uenoyama
伸也 上野山
前中 寛
Hiroshi Maenaka
寛 前中
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Abstract

【課題】被覆熱伝導性粒子を用いた物品において、被覆熱伝導性粒子に起因して放熱性を効果的に高めることができる被覆熱伝導性粒子を提供する。【解決手段】本発明に係る被覆熱伝導性粒子21は、第1の金属板と第2の金属板との間において、被覆熱伝導性粒子21の一方側と他方側とが、上記第1の金属板と上記第2の金属板とに接触するように用いられ、基材粒子22と、基材粒子22の表面22aを被覆している被覆部23とを有し、被覆部23が、熱伝導率が20W/m・K以上である熱伝導性材料により形成されており、上記熱伝導性材料が金属ではない。【選択図】図1

Description

本発明は、熱伝導性を有する被覆熱伝導性粒子に関する。また、本発明は、上記被覆熱伝導性粒子を用いた熱伝導性接合材料及び接合構造体に関する。
発光ダイオード(LED)装置やパワー半導体等の発熱デバイスにおいては、並びに、該発熱デバイスを含むモジュールにおいては、使用時の温度上昇を抑えるために、熱伝導性を有する接合材料が用いられている。このような接合材料では、熱伝導性を高めるために、窒化アルミニウム等により形成された無機粒子が、熱伝導性粒子として用いられている。
下記の特許文献1には、半導体素子と放熱部材とを直接又は他の部材を介して接続するための接合材料が開示されている。特許文献1に記載の接合材料は、絶縁性樹脂と、平均粒径が15〜30μmである窒化アルミニウム粒子と、平均粒径が0.5〜2μmの略球状アルミナ粒子とを含む。
下記の特許文献2には、接着性ポリマー樹脂と、熱伝導性充填剤と、微細空洞充填剤とを含む。上記熱伝導性充填剤としては、金属酸化物、金属水酸化物、金属窒化物、金属ホウ化物、カーボンファイバー、グラファイト、炭化ケイ素及びセンダスト等が挙げられている。
下記の特許文献3には、磁性樹脂粒子と、上記磁性樹脂粒子を被覆する熱伝導性粒子とを備える熱伝導性複合粒子が開示されている。上記磁性樹脂粒子は、磁性体及び上記磁性体を含有するマトリクス樹脂を含む。
下記の特許文献4には、窒化アルミニウム粒子と、上記窒化アルミニウム粒子の表面に化学的に結合したメソゲン基を有する有機化合物を含む有機被覆層とを含む高熱伝導複合粒子が開示されている。
下記の特許文献5には、ビニル系ポリマーからなる核と、この核を囲む無機粒子とを含む有機無機複合粒子が開示されている。この有機無機複合粒子は、上記核と上記無機粒子との間に、ポリアルコキシシロキサンとを含む。上記無機粒子の熱伝導率は、10W/(m・K)以上である。
特開2008−258254号公報 WO2009/058630A1 特開2012−124449公報 特開2011−236376号公報 特開2011−214000号公報
特許文献1,2に記載のような従来の熱伝導性粒子を用いる場合に、接合材料中に熱伝導性粒子を多量に添加する必要があったり、接合後に接着性が低くなったりすることがある。熱伝導性粒子を多量に用いた場合には、接合材料により形成された接合部に微細な空洞部が生じやすく、該空洞部が絶縁破壊の起点となったり、該空洞部が接着性を低下させたりする。また、接着性を高めるために、熱伝導性粒子の配合量を少なくすると、放熱性が充分に得られないことがある。
また、従来の熱伝導性粒子を用いる場合に、リーク電流が発生したり、破壊電圧が低下したりするという問題がある。
また、従来の熱伝導性粒子は硬すぎて、接合材料により形成された接合部において応力が充分に緩和されず、界面剥離が生じやすいという問題がある。
また、特許文献3,4,5に記載のような熱伝導性粒子を用いる場合に、熱伝導性粒子の直径が接合基板間の距離より小さいため熱伝導の経路を確実に確保することができず、また、粒子径の精度が低いため基板間の厚みを均一に制御できず、十分な熱伝導性が得られないという問題がある。
本発明の目的は、被覆熱伝導性粒子を用いた物品において、被覆熱伝導性粒子に起因して放熱性を効果的に高めることができる被覆熱伝導性粒子を提供することである。
また、本発明は、上記被覆熱伝導性粒子を用いた熱伝導性接合材料及び接合構造体を提供することも目的とする。
本発明の広い局面によれば、第1の金属板と第2の金属板との間において、被覆熱伝導性粒子の一方側と他方側とが、前記第1の金属板と前記第2の金属板とに接触するように用いられ、基材粒子と、前記基材粒子の表面を被覆している被覆部とを有し、前記被覆部が、熱伝導率が20W/m・K以上である熱伝導性材料により形成されており、前記熱伝導性材料が金属ではない、被覆熱伝導性粒子が提供される。
本発明に係る被覆熱伝導性粒子のある特定の局面では、前記被覆部の厚みが、10nm以上、20000nm以下である。
本発明に係る被覆熱伝導性粒子のある特定の局面では、前記熱伝導性材料が、アルミナ、酸化亜鉛、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、ダイヤモンド、カーボンナノチューブ又はグラフェンである。
本発明に係る被覆熱伝導性粒子のある特定の局面では、粒子径のCV値が8%以下である。
本発明に係る被覆熱伝導性粒子のある特定の局面では、前記基材粒子を5%圧縮したときの圧縮弾性率が300N/mm以上、15000N/mm以下である。
本発明に係る被覆熱伝導性粒子のある特定の局面では、前記基材粒子が樹脂粒子、金属被覆樹脂粒子、有機無機ハイブリッド粒子又は金属被覆有機無機ハイブリッド粒子である。
本発明の広い局面によれば、上述した被覆熱伝導性粒子と、バインダー樹脂とを含む、熱伝導性接合材料が提供される。
本発明に係る熱伝導性接合材料のある特定の局面では、前記熱伝導性接合材料は、熱伝導性接合ペーストであり、他の特定の局面では、前記熱伝導性接合材料は、熱伝導性接合シートである。
本発明の広い局面によれば、第1の金属板と、第2の金属板と、前記第1の金属板と前記第2の金属板との間に配置された熱伝導部とを備え、前記熱伝導部が、上述した被覆熱伝導性粒子により形成されているか、又は前記被覆熱伝導性粒子とバインダー樹脂とを含む熱伝導性接合材料により形成されており、前記熱伝導部に含まれる前記被覆熱伝導性粒子の一方側と他方側とが、前記第1の金属板と前記第2の金属板とに接触している、接合構造体が提供される。
本発明に係る接合構造体のある特定の局面では、前記熱伝導部の平均厚みをTとしたときに、接合前における前記被覆熱伝導性粒子の粒子径は、1.02T以上、1.4T以下である。
本発明に係る被覆熱伝導性粒子は、基材粒子と、該基材粒子の表面を被覆している被覆部とを有し、上記被覆部が、熱伝導率が20W/m・K以上である熱伝導性材料により形成されており、更に上前記熱伝導性材料が金属ではないので、第1の金属板と第2の金属板との間において、被覆熱伝導性粒子の一方側と他方側とが、上記第1の金属板と上記第2の金属板とに接触するように被覆熱伝導性粒子を用いたときに、被覆熱伝導性粒子に起因して放熱性を効果的に高めることができる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る被覆熱伝導性粒子を模式的に示す断面図である。 図2は、本発明の第2の実施形態に係る被覆熱伝導性粒子を模式的に示す断面図である。 図3は、図1に示す被覆熱伝導性粒子を用いた熱伝導性接合シートを模式的に示す断面図である。 図4は、図3に示す熱伝導性接合シートを用いた接合構造体を模式的に示す断面図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
(被覆熱伝導性粒子)
本発明に係る被覆熱伝導性粒子は、熱伝導性を有する粒子である。本発明に係る被覆熱伝導性粒子は、第1の金属板と第2の金属板との間において、被覆熱伝導性粒子の一方側と他方側とが、上記第1の金属板と上記第2の金属板とに接触するように用いられる。本発明に係る被覆熱伝導性粒子は、基材粒子と、該基材粒子の表面を被覆している被覆部とを有する。上記被覆部は、熱伝導率が20W/m・K以上である熱伝導性材料により形成されている。上記熱伝導性材料は金属ではない。従って、上記被覆熱伝導性粒子の外表面は金属ではない。
本発明に係る被覆熱伝導性粒子の上述した構成の採用により、被覆熱伝導性粒子を用いた物品において、被覆熱伝導性粒子に起因して放熱性を効果的に高めることができる。第1の金属板と第2の金属板との間において、被覆熱伝導性粒子の一方側と他方側とが、上記第1の金属板と上記第2の金属板とに接触するように被覆熱伝導性粒子を用いたときに、上記被覆熱伝導性粒子に起因して、放熱性を効果的に高めることができる。
上記被覆部として、上記熱伝導性材料により形成された表面部を形成することで、上記被覆熱伝導性粒子とバインダー樹脂とを含む接合材料において、絶縁性及び接着性の低下を抑制しつつ、放熱性を高めることができる。
さらに、基材粒子を用いているために、1つの被覆熱伝導性粒子の一方側と該一方側とは反対の他方側とを、2つの第1,第2の金属板のそれぞれに接触するように用いることで、第1,第2の金属板間の間隔を高精度に制御することができる。第1,第2の金属板間の間隔を高精度に制御することによって、熱伝導部(接合部)の厚みが部分的に薄くなるのを抑制できる結果、熱伝導部の放熱性が部分的に低くなるのを抑制することもできる。
従って、被覆熱伝導性粒子の放熱性が高いことなどから、上記被覆熱伝導性粒子は、第1の金属板と第2の金属板との間において、被覆熱伝導性粒子の一方側と他方側とが、上記第1の金属板と上記第2の金属板とに接触するように用いられる。
上記被覆熱伝導性粒子の表面は、上記熱伝導性材料に由来して絶縁性を有することが好ましい。上記被覆熱伝導性粒子の表面は、導電性を有さないことが好ましい。上記被覆熱伝導性粒子は、導電性粒子ではないことが好ましい。上記被覆部は、層であるか、又は基材粒子の表面に付着した複数の熱伝導性材料であることが好ましい。
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態及び実施例を説明することにより、本発明を明らかにする。
図1に、本発明の第1の実施形態に係る被覆熱伝導性粒子を模式的に断面図で示す。
図1に示すように、被覆熱伝導性粒子21は、樹脂粒子22と、樹脂粒子22の表面22a上に配置された被覆部23とを有する。被覆部23は、樹脂粒子22の表面22a上に積層されている。被覆部23は、樹脂粒子22の表面22aを被覆している。被覆部23は単層であり、被覆層である。被覆部23は、熱伝導率が上記下限以上である熱伝導性材料により形成されている。この熱伝導性材料は金属ではない。
図2に、本発明の第2の実施形態に係る被覆熱伝導性粒子を模式的に断面図で示す。
図2に示すように、被覆熱伝導性粒子41は、有機無機ハイブリッド粒子42と、有機無機ハイブリッド粒子42の表面42a上に配置された被覆部23とを有する。有機無機ハイブリッド粒子42は、有機コア42Aと、有機コア42Aの表面上に配置された無機シェル42Bとを有する。被覆部23は、有機無機ハイブリッド粒子42の表面42a上及び無機シェル42Bの外表面上に積層されている。被覆部23は、有機無機ハイブリッド粒子42の表面42a及び無機シェル42Bの外表面を被覆している。被覆部23は単層である。
基材粒子の他の詳細:
本発明に係る被覆熱伝導性粒子は、基材粒子と該基材粒子の表面上に配置された被覆部とを有する被覆熱伝導性粒子である。熱伝導部(接合部)の柔軟性を高め、被覆熱伝導性粒子の柔軟性を高め、被覆熱伝導性粒子を適度に圧縮変形させることを可能にし、さらに接合構造体において応力緩和性を高めて界面隔離をより一層抑制する観点から、上記被覆熱伝導性粒子は、基材粒子を備え、かつ上記基材粒子は、上記樹脂粒子であるか、又は上記有機無機ハイブリッド粒子であることが好ましい。
上記基材粒子は、樹脂粒子又は有機無機ハイブリッド粒子であることが好ましい。上記基材粒子は、金属粒子ではないことが好ましく、無機粒子ではないことが好ましい。上記基材粒子は、上記樹脂粒子であることが好ましく、上記有機無機ハイブリッド粒子であることもより好ましい。また、基材粒子として、樹脂粒子又は有機無機ハイブリッド粒子が、金属により被覆された金属被覆樹脂粒子又は金属被覆有機無機ハイブリッド粒子も好適に用いることができる。熱伝導部(接合部)の柔軟性を高め、被覆熱伝導性粒子の柔軟性を高め、被覆熱伝導性粒子を適度に圧縮変形させることを可能にし、さらに接合構造体において応力緩和性を高めて界面隔離をより一層抑制する観点から、上記基材粒子は、樹脂粒子、金属被覆樹脂粒子、有機無機ハイブリッド粒子又は金属被覆有機無機ハイブリッド粒子であることが好ましい。
上記基材粒子は、樹脂により形成された樹脂粒子や金属被覆樹脂粒子であることが好ましい。被覆熱伝導性粒子を用いて金属板間を接合する際には、被覆熱伝導性粒子を金属板間に配置した後、圧着することにより被覆熱伝導性粒子を圧縮させてもよい。基材粒子が樹脂粒子であると、上記圧着の際に被覆熱伝導性粒子が変形しやすく、被覆熱伝導性粒子と電極との接触面積が大きくなる。このため、放熱性がより一層高くなる。
上記樹脂粒子を形成するための樹脂として、種々の有機物が好適に用いられる。上記樹脂粒子を形成するための樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン等のポリオレフィン樹脂;ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート等のアクリル樹脂;ポリアルキレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアミド、フェノールホルムアルデヒド樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、ベンゾグアナミンホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、飽和ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリアセタール、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン及び、エチレン性不飽和基を有する種々の重合性単量体を1種もしくは2種以上重合させて得られる重合体等が用いられる。エチレン性不飽和基を有する種々の重合性単量体を1種もしくは2種以上重合させることにより、接合に適した任意の圧縮時の物性を有する樹脂粒子を設計及び合成することができる。
上記樹脂粒子を、エチレン性不飽和基を有する単量体を重合させて得る場合には、上記エチレン性不飽和基を有する単量体としては、非架橋性の単量体と架橋性の単量体とが挙げられる。
上記非架橋性の単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系単量体;(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸等のカルボキシル基含有単量体;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート類;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等の酸素原子含有(メタ)アクリレート類;(メタ)アクリロニトリル等のニトリル含有単量体;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル等のビニルエーテル類;酢酸ビニル、酪酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル等の酸ビニルエステル類;エチレン、プロピレン、イソプレン、ブタジエン等の不飽和炭化水素;トリフルオロメチル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロエチル(メタ)アクリレート、塩化ビニル、フッ化ビニル、クロルスチレン等のハロゲン含有単量体等が挙げられる。
上記架橋性の単量体としては、例えば、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート類;トリアリル(イソ)シアヌレート、トリアリルトリメリテート、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、ジアリルアクリルアミド、ジアリルエーテル、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、トリメトキシシリルスチレン、ビニルトリメトキシシラン等のシラン含有単量体等が挙げられる。
上記エチレン性不飽和基を有する重合性単量体を、公知の方法により重合させることで、上記樹脂粒子を得ることができる。この方法としては、例えば、ラジカル重合開始剤の存在下で懸濁重合する方法、並びに非架橋の種粒子を用いてラジカル重合開始剤とともに単量体を膨潤させて重合する方法等が挙げられる。
樹脂粒子の組成に関しては、耐熱性が良いことから、4官能又は3官能の(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼンの共重合体、シリコーン樹脂が適している。
上記基材粒子が有機無機ハイブリッド粒子である場合に、上記基材粒子を形成するための無機物としては、シリカ、アルミナ、チタン酸バリウム、ジルコニア、カーボンブラック、酸化チタン、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、酸化亜鉛及びダイヤモンド等が挙げられる。上記無機物は、金属ではないことが好ましい。また、上記基材粒子としては、樹脂粒子内部に上記無機物が分散、配置された有機無機ハイブリッド粒子や、架橋したアルコキシシリルポリマーとアクリル樹脂とにより形成された有機無機ハイブリッド粒子等が挙げられる。
上記基材粒子が金属被覆樹脂粒子である場合に、上記基材粒子を形成するための金属としては、銅、ニッケル、金、銀及びパラジウム等が挙げられる。
上記基材粒子を5%圧縮したときの圧縮弾性率(5%K値)は好ましくは300N/mm以上、より好ましくは500N/mm以上、更に好ましくは1000N/mm以上、好ましくは15000N/mm以下、より好ましくは13000N/mm以下、更に好ましくは11000N/mm以下である。接触面積を適度に大きくすることで放熱性をより一層高め、接合後に第1,第2の金属板間の間隔をより一層高精度に制御し、かつ応力緩和により界面剥離をより一層抑えるために、上記基材粒子の5%K値は上記下限以上及び上記上限以下であることが好ましい。
上記基材粒子における上記圧縮弾性率(5%K値)は、以下のようにして測定できる。
微小圧縮試験機を用いて、円柱(直径100μm、ダイヤモンド製)の平滑圧子端面で、25℃、圧縮速度0.3mN/秒、及び最大試験荷重20mNの条件下で基材粒子を圧縮する。このときの荷重値(N)及び圧縮変位(mm)を測定する。得られた測定値から、上記圧縮弾性率を下記式により求めることができる。上記微小圧縮試験機として、例えば、フィッシャー社製「フィッシャースコープH−100」等が用いられる。
5%K値(N/mm)=(3/21/2)・F・S−3/2・R−1/2
F:基材粒子が5%圧縮変形したときの荷重値(N)
S:基材粒子が5%圧縮変形したときの圧縮変位(mm)
R:基材粒子の半径(mm)
上記圧縮弾性率は、基材粒子の硬さを普遍的かつ定量的に表す。上記圧縮弾性率の使用により、基材粒子の硬さを定量的かつ一義的に表すことができる。
上記被覆熱伝導性粒子の粒子径のCV値は好ましくは8%以下、より好ましくは6%以下、更に好ましくは4%以下である。上記CV値が低いほど、上記熱伝導性粒子により第1,第2の金属板間の間隔をより一層高精度に制御し、更に、接合構造体において放熱性を効果的に高め、かつ界面剥離を効果的に抑えることができる。
上記粒子径のCV値(変動係数)は下記式で表される。
CV値(%)=(σn/Dn)×100
σn:被覆熱伝導性粒子の粒子径の標準偏差
Dn:被覆熱伝導性粒子の数平均粒子径
被覆部の他の詳細:
上記被覆部を形成するための上記熱伝導性材料は、熱伝導率が20W/m・K以上であり、かつ金属でなければ特に限定されない。上記熱伝導性材料としては、アルミナ、酸化亜鉛、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、ダイヤモンド、カーボンナノチューブ及びグラフェン等が挙げられる。
放熱性を効果的に高め、かつ被覆熱伝導性粒子をより一層容易に得る観点からは、上記熱伝導性材料が、アルミナ、酸化亜鉛、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、ダイヤモンド、カーボンナノチューブ又はグラフェンであることが好ましい。
放熱性をより一層高める観点からは、上記熱伝導性材料の熱伝導率は好ましくは30W/m・K以上、より好ましくは100W/m・K以上である。上記熱伝導性材料の熱伝導率の上限は特に限定されない。上記熱伝導性材料の熱伝導率は高いほどよく、上記熱伝導性材料の熱伝導率の好ましい上限は実質的に存在しない。
また上記熱伝導材料が粒子である場合、粒子径が大きい粒子と小さい粒子とを混合させて、基材粒子の表面に付着させてもよい。
被覆熱伝導性粒子の他の詳細:
上記被覆熱伝導性粒子の粒子径は、好ましくは30μm以上、より好ましくは40μm以上、好ましくは150μm以下、より好ましくは120μm以下である。上記被覆熱伝導性粒子の粒子径が上記下限以上及び上記上限以下であると、接合構造体における接合信頼性がより一層高くなり、金属板間の間隔のばらつきがより一層小さくなる。また、上記被覆熱伝導性粒子の粒子径が上記下限以上であると、第1,第2の金属板間に配置される熱伝導部の厚みをより一層厚くすることができ、該熱伝導部による放熱性及び接合信頼性をより一層高めることができる。上記被覆熱伝導性粒子の粒子径が上記上限以下であると、金属板間の間隔をより一層小さくすることができ、接合構造体の小型化及び薄型化に対応できる。
上記被覆熱伝導性粒子の粒子径は、被覆熱伝導性粒子が真球状である場合には、直径を示し、被覆熱伝導性粒子が真球状ではない場合には、最大径を示す。
上記被覆部の厚みは、好ましくは10nm以上、より好ましくは1000nm以上、好ましくは20000nm以下、より好ましくは10000nm以下である。上記被覆部の厚みが上記下限以上であると、被覆熱伝導性粒子の放熱性を十分に高めることができ、被覆部の過度のひび割れを抑制できる。被覆部の割れを抑制できる結果、熱伝導部の厚みをより一層均一にできるので、熱伝導部の放熱性が部分的に低くなるのを抑制することもできる。上記被覆部の厚みが上記上限以下であると、基材粒子と被覆部との熱膨張率の差による界面の応力が緩和され、基材粒子から被覆部が剥離し難くなる。上記被覆部の厚みは、10nm以上、20000nm以下であることは、放熱性を効果的に高め、かつ、放熱信頼性も高めることに寄与する。なお、上記被覆部の厚みは、1つの被覆熱伝導性粒子あたりの被覆部の平均厚みである。
上記基材粒子の粒子径の被覆部の厚みに対する比(基材粒子の粒子径/被覆部の厚み)は、好ましくは15以上、より好ましくは25以上、好ましくは2000以下、より好ましくは1000以下である。
上記被覆熱伝導性粒子の表面及び上記被覆部の外表面は、450℃で溶融しないことが好ましく、400℃で溶融しないことがより好ましい。上記被覆部は、上記金属板の接合時に溶融しないことが好ましい。この場合には、接合時に、上記被覆熱伝導性粒子が過度に変形するのを抑制できる。このため、接合後に第1,第2の金属板間の間隔をより一層高精度に制御することができる。さらに、熱伝導部の厚みをより一層均一にできるので、熱伝導部の放熱性が部分的に低くなるのを抑制することもできる。
上記被覆熱伝導性材料は、バインダー樹脂中に分散されて、熱伝導性接合材料として用いられることが好ましい。上記被覆熱伝導性材料は、熱伝導性接合ペーストとして用いられることが好ましい。上記被覆熱伝導性材料は、熱伝導性接合シートとして用いられることも好ましい。
(熱伝導性接合材料)
本発明に係る熱伝導性接合材料は、上述した被覆熱伝導性粒子とバインダー樹脂とを含む。
上記バインダー樹脂は特に限定されない。上記バインダー樹脂としては、一般的には絶縁性の樹脂が用いられる。上記バインダー樹脂としては、例えば、ビニル樹脂、熱可塑性樹脂、硬化性樹脂、熱可塑性ブロック共重合体及びエラストマー等が挙げられる。上記バインダー樹脂は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記ビニル樹脂としては、例えば、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂及びスチレン樹脂等が挙げられる。上記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びポリアミド樹脂等が挙げられる。上記硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂及び不飽和ポリエステル樹脂等が挙げられる。なお、上記硬化性樹脂は、常温硬化型樹脂、熱硬化型樹脂、光硬化型樹脂又は湿気硬化型樹脂であってもよい。上記硬化性樹脂は、硬化剤と併用されてもよい。上記熱可塑性ブロック共重合体としては、例えば、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体の水素添加物、及びスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体の水素添加物等が挙げられる。上記エラストマーとしては、例えば、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、及びアクリロニトリル−スチレンブロック共重合ゴム等が挙げられる。
上記熱伝導性接合材料は、上記被覆熱伝導性粒子及び上記バインダー樹脂の他に、例えば、充填剤、増量剤、軟化剤、可塑剤、重合触媒、硬化触媒、着色剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、帯電防止剤及び難燃剤等の各種添加剤を含んでいてもよい。
上記熱伝導性接合材料は、熱伝導性接合ペースト及び熱伝導性接合シート等として使用され得る。上記熱伝導性接合材料が、熱伝導性接合シートである場合には、被覆熱伝導性粒子を含む熱伝導性接合シートに、被覆熱伝導性粒子を含まないフィルムが積層されていてもよい。
上記熱伝導性接合材料は、熱伝導性接合シートであることが好ましい。熱伝導性接合シートは、取扱い性に優れており、接合作業を容易にする。熱伝導性接合シートを用いることで、接合前のシート中で、被覆熱伝導性粒子の存在状態を容易に確認することもできる。
上記熱伝導性接合材料100重量%中、上記被覆熱伝導性粒子の含有量は好ましくは0.01重量%以上、より好ましくは0.1重量%以上、更に好ましくは0.5重量%以上、特に好ましくは1重量%以上、好ましくは90重量%以下、より好ましくは70重量%以下である。上記被覆熱伝導性粒子の含有量が上記下限以上であると、第1,第2の金属板間に、被覆熱伝導性粒子を十分に存在させて放熱性を効果的に高めることができる。さらに、被覆熱伝導性粒子によって、第1,第2の金属板間の間隔が部分的に狭くなるのをより一層抑制できる。このため、熱伝導部の放熱性が部分的に低くなるのを抑制することができる。
図3に、図1に示す被覆熱伝導性粒子21を用いた熱伝導性接合シート(被覆熱伝導性材料)を模式的に断面図で示す。
図3に示す熱伝導性接合シート11は、バインダー樹脂16(シート状のバインダー樹脂)と、バインダー樹脂16中に分散された被覆熱伝導性粒子21とを含む。バインダー樹脂16中に、複数の被覆熱伝導性粒子21が分散されている。
(接合構造体)
本発明に係る接合構造体は、第1の金属板と、第2の金属板と、上記第1の金属板と上記第2の金属板との間に配置された熱伝導部とを備え、該熱伝導部が、上述した被覆熱伝導性粒子により形成されているか、又は上述した被覆熱伝導性粒子とバインダー樹脂とを含む熱伝導性接合材料により形成されていることが好ましい。また、接合対象部材が金属板であることで、上記被覆熱伝導性粒子に由来して放熱性を効果的に高めることができる。
図4に、図3に示す熱伝導性接合シート11を用いた接合構造体を模式的に断面図で示す。
図4に示す接合構造体1は、第1の金属板2と、第2の金属板3,4と、第1の金属板2と第2の金属板3,4とを接合している熱伝導部5,6とを備える。熱伝導部5,6は、バインダー樹脂16と、被覆熱伝導性粒子21とを含む熱伝導性接合シート11を用いて形成されている。具体的には、熱伝導部5,6は、熱伝導性接合シート11中のバインダー樹脂16を固化させたり、熱硬化させたりすることにより形成されている。熱伝導部5,6は、接合部である。熱伝導部5,6は、被覆熱伝導性粒子21を含むので、熱伝導性を有する。
第1の金属板2の第1の表面2a(一方の表面)側に熱伝導部5及び第2の金属板3が配置されている。熱伝導部5は、第1の金属板2と第2の金属板3とを接合している。
第1の金属板2の第1の表面2aとは反対の第2の表面2b(他方の表面)側に熱伝導部6及び第2の金属板4が配置されている。熱伝導部6は、第1の金属板2と第2の金属板4とを接合している。
第1の金属板2と第2の金属板3,4との間にそれぞれ、被覆熱伝導性粒子21が配置されている。熱伝導部5,6はバインダー樹脂16を含む。第1の金属板2と第2の金属板3,4との間に、バインダー樹脂16が配置されている。バインダー樹脂16によって、第1の金属板2と第2の金属板3,4とが接合されている。熱伝導部5,6に含まれる被覆熱伝導性粒子21に関しては、被覆熱伝導性粒子21の一方側と該一方側とは反対の他方側とが、第1の金属板2と第2の金属板3,4とに接触している。
第2の金属板3の熱伝導部5側とは反対の表面に、ヒートシンク7が配置されている。第2の金属板4の熱伝導部6側とは反対側の表面に、ヒートシンク8が配置されている。従って、接合構造体1は、ヒートシンク7、第2の金属板3、熱伝導部5、第1の金属板2、熱伝導部6、第2の金属板4及びヒートシンク8がこの順で積層された部分を有する。
なお、熱伝導部6、第2の金属板4及びヒートシンク8は無くてもよい。
第1の金属板2としては、インバータ、コンバータ等に用いられるパワー半導体素子等が挙げられる。このような第1の金属板2を備える接合構造体1では、接合構造体1の使用時に、第1の金属板2において大きな熱量が発生しやすい。従って、第1の金属板2から発生した熱量を、ヒートシンク7,8などに効率的に放散させる必要がある。このため、第1の金属板2とヒートシンク7,8との間に配置されている熱伝導部5,6には、高い放熱性が求められる。
第2の金属板3,4としては、セラミック、プラスチックなどにより形成された基板等が挙げられる。
熱伝導部5,6の平均厚みをTとしたときに、接合前における被覆熱伝導性粒子21の粒子径は好ましくは1.02T以上、好ましくは1.4T以下、より好ましくは1.2以下である。このような厚みの関係を満足すると、接合後における第1,第2の金属板間の間隔を高精度に制御できる。
上記粒子径は、被覆熱伝導性粒子が真球状である場合には、直径を示し、被覆熱伝導性粒子が真球状ではない場合には、最大径を示し、また、複数の被覆熱伝導性粒子の粒子径を個数平均することで求められる。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明を具体的に説明する。本発明は、以下の実施例のみに限定されない。
以下の実施例及び比較例において、樹脂粒子の粒子径、有機無機ハイブリッド粒子の粒子径及び無機シェルの厚みは以下の方法により求めた。
樹脂粒子及び有機無機ハイブリッド粒子について、走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジー社製「S−3500N」)にて3000倍の粒子画像を撮影し、得られた画像中の粒子50個の粒子径をノギスで測定し、個数平均を求めて樹脂粒子及び有機無機ハイブリッド粒子の粒子径を求めた。
また、樹脂粒子及び有機無機ハイブリッド粒子の5%K値は、23℃の条件で、上述した方法により、微小圧縮試験機(フィッシャー社製「フィッシャースコープH−100」)を用いて測定した。
以下の被覆熱伝導性粒子A〜E,AX〜FXを用意した。被覆熱伝導性粒子A〜Eでは、基材粒子は樹脂粒子である。
(1)被覆熱伝導性粒子A(粒子径50μm、粒子径のCV値4%、ジビニルベンゼン樹脂粒子の表面に厚み2μmの被覆部が形成されている、ジビニルベンゼン樹脂粒子の5%K値5610N/mm、被覆部の材料がダイヤモンド(熱伝導率2000W/m・K))
(2)被覆熱伝導性粒子B(粒子径50μm、粒子径のCV値4%、ジビニルベンゼン樹脂粒子の表面に厚み0.2μmの被覆部が形成されている、ジビニルベンゼン樹脂粒子の5%K値5610N/mm、被覆部の材料がダイヤモンド(熱伝導率2000W/m・K))
(3)被覆熱伝導性粒子C(粒子径50μm、粒子径のCV値4%、ジビニルベンゼン樹脂粒子の表面に厚み0.04μmの被覆部が形成されている、ジビニルベンゼン樹脂粒子の5%K値5610N/mm、被覆部の材料がダイヤモンド(熱伝導率2000W/m・K))
(4)被覆熱伝導性粒子D(粒子径50μm、粒子径のCV値4%、ジビニルベンゼン樹脂粒子の表面に厚み0.2μmの被覆部が形成されている、ジビニルベンゼン樹脂粒子の5%K値5610N/mm、被覆部の材料が窒化ホウ素(熱伝導率600W/m・K))
(5)被覆熱伝導性粒子E(粒子径50μm、粒子径のCV値4%、ジビニルベンゼン樹脂粒子の表面に厚み0.2μmの被覆部が形成されている、ジビニルベンゼン樹脂粒子の5%K値5610N/mm、被覆部の材料がアルミナ(熱伝導率30W/m・K))
(6)被覆熱伝導性粒子AX(粒子径50μm、粒子径のCV値5%、有機無機ハイブリッド粒子の表面に厚み0.2μmの被覆部が形成されている、有機無機ハイブリッド粒子の5%K値14220N/mm、被覆部の材料がダイヤモンド(熱伝導率2000W/m・K))。基材粒子は、架橋したアルコキシシリルポリマーとアクリル樹脂とにより形成された有機無機ハイブリッド粒子である。
(7)被覆熱伝導性粒子BX(粒子径50μm、粒子径のCV値8%、ジビニルベンゼン樹脂粒子の表面に厚み0.2μmの被覆部が形成されている、ジビニルベンゼン樹脂粒子の5%K値5610/mm、被覆部の材料がダイヤモンド(熱伝導率2000W/m・K))
(8)被覆熱伝導性粒子CX(粒子径50μm、粒子径のCV値4%、アクリル樹脂有粒子の表面に厚み0.2μmの被覆部が形成されている、アクリル樹脂粒子の5%K値350N/mm、被覆部の材料がダイヤモンド(熱伝導率2000W/m・K))
(9)被覆熱伝導性粒子DX(粒子径180μm、粒子径のCV値4%、ジビニルベンゼン樹脂粒子の表面に厚み0.2μmの被覆部が形成されている、ジビニルベンゼン樹脂粒子の5%K値5480N/mm、被覆部の材料がダイヤモンド(熱伝導率2000W/m・K))
(10)被覆熱伝導性粒子EX(粒子径52μm、粒子径のCV値4%、銅被覆ジビニルベンゼン樹脂粒子の表面に厚み0.2μmの被覆部が形成されている、銅被覆ジビニルベンゼン樹脂粒子の5%K値5830N/mm、被覆部の材料がダイヤモンド(熱伝導率2000W/m・K))
(11)被覆熱伝導性粒子FX(粒子径100μm、粒子径のCV値6%、銅被覆ジビニルベンゼン樹脂粒子の表面に厚み19.8μmの被覆部が形成されている、銅被覆ジビニルベンゼン樹脂粒子の5%K値5670N/mm、被覆部の材料がダイヤモンド(熱伝導率2000W/m・K))
以下の熱伝導性粒子1,2を用意した。
(11)被覆熱伝導性粒子1(粒子径50μm、粒子径のCV値4%、ジビニルベンゼン樹脂粒子の表面に厚み2μmの被覆部が形成されている、ジビニルベンゼン樹脂粒子の5%K値5610N/mm、被覆部の材料がシリカ(熱伝導率2W/m・K))
(12)熱伝導性粒子2(ジビニルべンゼン樹脂粒子の5%K値5610N/mm、粒子径50μm、粒子径のCV値4%、熱伝導性材料による被覆なし)
(実施例1)
(1)熱伝導性接着ペーストの作製
被覆熱伝導性粒子30重量部と、エポキシ化合物であるEX−201(ナガセケムテックス社製)及びEP−3900(アデカ社製)、硬化剤であるHNA−100(新日本理化社製)の混合物70重量部とを混合して、被覆熱伝導性粒子を含有する熱伝導性接合ペーストを得た。
(2)接合構造体の作製
第1の金属板として、銅基板を用意した。第2の金属板として、アルミニウム板を用意した。
第2の金属板上に、得られた熱伝導性接合ペーストを積層した。次に、熱伝導性接合ペースト上に、上記第1の金属板を積層して、積層体を得た。得られた積層体を180℃で30分間加熱することにより、バインダー樹脂を硬化させて、熱伝導部を形成した。このようにして、熱伝導部により上記第1,第2の金属板を接合して、接合構造体を得た。
(実施例2〜11及び比較例1,2)
粒子の種類(被覆熱伝導性粒子A〜E,AX〜FX又は熱伝導性粒子1,2)を下記の表1に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして、熱伝導性接合ペーストを得た。
(実施例12)
(1)熱伝導性接着シートの作製
<シート作製用の組成物の調製>
被覆熱伝導性粒子A30重量部と、エポキシ化合物であるEX−201(ナガセケムテックス社製)及びEP−3900(アデカ社製)、硬化剤であるHNA−100(新日本理化社製)の混合物70重量部とメチルエチルケトン20重量部とを混合し、シート作製用の組成物を得た。
<熱伝導性接着シートの作製>
上記組成物を厚み50μmの離型PETシート上に塗工し、90℃オーブン内で30分乾燥して、PETシート上にシートを作製した。
接続構造体の作製は、実施例1と同様の方法により行った。
(評価)
(1)厚みばらつき
得られた接合構造体の端部をSEMで観察して、熱伝導部の最小厚みと最大厚みとを評価した。厚みばらつきを下記の基準で判定した。なお、厚みばらつきが小さいほど、熱伝導部の放熱性が部分的に低くなるのを抑制できる傾向がある。
[厚みばらつきの判定基準]
○○:最大厚みが最小厚みの1.2倍未満
○:最大厚みが最小厚みの1.2倍以上、1.5倍未満
×:最大厚みが最小厚みの1.5倍以上
(2)放熱性
熱伝導率測定装置(レスカ社製「TCM1000」)により得られた熱伝導性接合ペーストの熱伝導率を測定することにより、放熱性を評価した。放熱性を下記の基準で判定した。
[放熱性の判定基準]
○○:熱伝導率が5W/m・K以上
○:熱伝導率が0.8W/m・K以上、5W/m・K未満
×:熱伝導率が0.8W/m・K未満
(3)接合強度
得られた接合構造体の剪断強度を測定することにより、接合強度(接合信頼性)を評価した。接合強度を下記の基準で判定した。
[接合強度の判定基準]
○○:接合強度が10MPa以上
○:接合強度が5MPa以上、10MPa未満
×:接合強度が5MPa未満
(4)接合信頼性
得られた接合構造体を250℃で500時間放置した後、接合強度と同様の方法にて剪断強度を測定し、接合信頼性を評価した。なお、せん断強度の低下は、界面剥離に起因していることを確認した。接合信頼性を下記の基準で判定した。
[接合信頼性の判定基準]
○○:剪断強度が接合強度の0.90倍以上
○:剪断強度が接合強度の0.60倍以上、0.90倍未満
×:剪断強度が接合強度の0.60倍未満
(5)熱伝導部の平均厚みと粒子の平均直径との関係
得られた接合構造体の断面を観察して、熱伝導部の平均厚みTと、接合前における被覆熱伝導性粒子又は熱伝導性粒子の粒子径とを評価した。なお、得られた接合構造体では、第1の金属板と第2の金属板との間において、被覆熱伝導性粒子の一方側と他方側とが、第1の金属板と第2の金属板とに接触していた。
結果を下記の表1に示す。なお、上記(1)厚みばらつきの評価において、得られた接合構造体の断面の厚みばらつきも評価したところ、実施例及び比較例の厚みばらつきの判定結果は表1に示す結果と同じであった。
Figure 2016036019
なお、熱伝導性接着ペーストの具体的な実施例を主に示したが、シート化して熱伝導性接着シートとした実施例12の場合でも、熱伝導性接着ペーストの場合と同様の結果が得られることを確認した。また、熱伝導性接着シートでは、熱伝導性接着ペーストの場合と比べて、第1,第2の金属板の間に配置する際に、厚み制御が容易であった。
1…接合構造体
2…第1の金属板
2a…第1の表面
2b…第2の表面
3,4…第2の金属板
5,6…熱伝導部
7,8…ヒートシンク
11…熱伝導性接合シート
16…バインダー樹脂
21…被覆熱伝導性粒子
22…樹脂粒子
22a…表面
23…被覆部
41…被覆熱伝導性粒子
42…有機無機ハイブリッド粒子
42A…有機コア
42B…無機シェル
42a…表面

Claims (11)

  1. 第1の金属板と第2の金属板との間において、被覆熱伝導性粒子の一方側と他方側とが、前記第1の金属板と前記第2の金属板とに接触するように用いられ、
    基材粒子と、
    前記基材粒子の表面を被覆している被覆部とを有し、
    前記被覆部が、熱伝導率が20W/m・K以上である熱伝導性材料により形成されており、
    前記熱伝導性材料が金属ではない、被覆熱伝導性粒子。
  2. 前記被覆部の厚みが、10nm以上、20000nm以下である、請求項1に記載の被覆熱伝導性粒子。
  3. 前記熱伝導性材料が、アルミナ、酸化亜鉛、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、ダイヤモンド、カーボンナノチューブ又はグラフェンである、請求項1又は2に記載の被覆熱伝導性粒子。
  4. 粒子径のCV値が8%以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の被覆熱伝導性粒子。
  5. 前記基材粒子を5%圧縮したときの圧縮弾性率が300N/mm以上、15000N/mm以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の被覆熱伝導性粒子。
  6. 前記基材粒子が樹脂粒子、金属被覆樹脂粒子、有機無機ハイブリッド粒子又は金属被覆有機無機ハイブリッド粒子である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の被覆熱伝導性粒子。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の被覆熱伝導性粒子と、バインダー樹脂とを含む、熱伝導性接合材料。
  8. 熱伝導性接合ペーストである、請求項7に記載の熱伝導性接合材料。
  9. 熱伝導性接合シートである、請求項7に記載の熱伝導性接合材料。
  10. 第1の金属板と、
    第2の金属板と、
    前記第1の金属板と前記第2の金属板との間に配置された熱伝導部とを備え、
    前記熱伝導部が、請求項1〜6のいずれか1項に記載の被覆熱伝導性粒子により形成されているか、又は前記被覆熱伝導性粒子とバインダー樹脂とを含む熱伝導性接合材料により形成されており、
    前記熱伝導部に含まれる前記被覆熱伝導性粒子の一方側と他方側とが、前記第1の金属板と前記第2の金属板とに接触している、接合構造体。
  11. 前記熱伝導部の平均厚みをTとしたときに、接合前における前記被覆熱伝導性粒子の前記熱伝導部の粒子径は、1.02T以上、1.4T以下である、請求項10に記載の接合構造体。
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