JP2017025313A - 接着シート - Google Patents
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Description
上記熱伝導性フィラーは、コア粒子と、上記コア粒子の表面を被覆しているシェル部とを有する。上記熱伝導性フィラーは、コアシェル粒子であり、被覆熱伝導性粒子である。
上記バインダー樹脂は特に限定されない。上記バインダー樹脂としては、一般的には絶縁性の樹脂が用いられる。上記バインダー樹脂としては、例えば、ビニル樹脂、熱可塑性樹脂、硬化性樹脂、熱可塑性ブロック共重合体及びエラストマー等が挙げられる。上記バインダー樹脂は、熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂であることが好ましい。上記バインダー樹脂は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記接着シートは、上記熱伝導性フィラー及び上記バインダー樹脂の他に、例えば、充填剤、増量剤、軟化剤、可塑剤、重合触媒、硬化触媒、着色剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、帯電防止剤及び難燃剤等の各種添加剤を含んでいてもよい。
熱伝導電性フィラーの作製:
(フィラー1の作製)
ジビニルベンゼン(DVB)樹脂粒子(粒子径50μm、CV値4%)15重量部と窒化ホウ素粉末(三井化学社製「MBN−010T」、平均粒子径0.8μm)5重量部とを、4重量%濃度のアルミナコロイド(日産化学社製「アルミナコロイド520」)溶液100重量部に加え、撹拌し、さらにアセトンを20重量部加え、ロータリーエバポレーターで撹拌しながら溶媒を留去し、コアシェル粒子を得た。得られたコアシェル粒子を空気雰囲気下150℃で3時間、さらに窒素雰囲気下30℃で1時間ロータリーキルンを使用して加熱し、さらにふるいにかけて、微粒と粗粒とを除去した。表面に窒化ホウ素とアルミナの複合物であるシェル部を有する熱伝導性フィラー1を作製した。フィラー1の平均粒子径は65.6μm、CV値は6%であった。
樹脂粒子としてジビニルベンゼン(DVB)樹脂粒子(粒子径18μm、CV値4%)を使用したこと以外は上記フィラー1と同様にして、表面に窒化ホウ素とアルミナの複合物であるシェル部を有するフィラー2を作製した。熱伝導性フィラー2の平均粒子径は24.8μm、CV値は7%であった。
<シート配合>
硬化性化合物であるビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(三菱化学社製「エピコート828US」)7重量部と、硬化性化合物であるビスフェノールA型フェノキシ樹脂(三菱化学社製「E1256」)1.5重量部と、硬化剤であるジシアンジアミド0.5重量部と、イソシアヌル変性固体分散型イミダゾール(四国化成工業社製「2MZA−PW」)0.5重量部と、溶剤であるメチルエチルケトン20重量部とを配合し、シート作製用の組成物を得た。
上記組成物70重量部に対し、熱伝導性フィラー2を30重量部添加し、混合し、混合物2を得た。この混合物2を離型PETシート(厚み50μm)上に塗工し、80℃オーブン内で20分乾燥して、PETシート上に1層目を形成した。
フィラー2を得る際に、樹脂粒子をポリシロキサン粒子(粒子径18μm、CV値8%)に変更したこと以外は同様にして、フィラー2を得た。フィラー2を変更したこと以外は実施例1と同様にして、3層構成の接着シートを得た。なお、コア粒子の圧縮弾性率に関しては、DVB樹脂粒子では5610N/mm2、ポリシロキサン粒子では3420N/mm2であった。
配合する熱伝導性フィラー1,2の組み合わせを下記の表1に示すように設定したこと以外は実施例1と同様にして、接着シートを得た。
1層目の塗工工程を省略したこと、並びに接着シートの厚みを下記の表1に示すように設定したこと以外は実施例1と同様にして、2層構成の接着シートを得た。
実施例1で得られたシート作製用の組成物を用意した。シート作製用の組成物62.5重量部に熱伝導性フィラー1を22.5重量部添加し、さらに熱伝導性フィラー2を15重量部添加し、混合物3を得た。この混合物3を離型PETシート(厚み50μm)上に塗工し、80℃オーブン内で20分乾燥して、1層構成の接着シートを得た。
1層目及び3層目の塗工工程を省略したこと、並びに接着シートの厚みを下記の表1に示すように設定したこと以外は実施例1と同様にして、1層構成の接着シートを得た。
(1)熱伝導性
キセノンフラッシュ熱分析装置(ネッチLFA447ナノフラッシュ)により熱拡散率を測定し、密度、比重を代入して、熱伝導率を算出した。
○○:熱伝導率が5W/m・K以上
○:熱伝導率が2W/m・K以上、5W/m・K未満
△:熱伝導率が0.8W/m・K以上、2W/m・K未満
×:熱伝導率が0.8W/m・K未満
接着シートに電解銅箔(厚み35μm)を1MPaの圧力で押し付けながら、200℃で1時間加熱して、接合構造体を得た。その後、硬化物である絶縁層と銅箔との剥離強度を、90°剥離試験により測定した。
○○:剥離強度が16N/cm以上
○:剥離強度が13N/cm以上、16N/cm未満
△:剥離強度が10N/cm以上、13N/cm未満
×:剥離強度が10N/cm未満
接着シートをアルミニウム板に挟み、加圧加熱し、硬化したシートの断面を電界走査型電子顕微鏡でイオンビームで削りながら観察し、画像を3次元トモグラフィー処理をした。
1Aa…第1の層
1Ab…第2の層
1Ac…第3の層
1a…第1の表面
1b…第2の表面
2…第1の熱伝導性フィラー
3…第2の熱伝導性フィラー
4…バインダー樹脂
Ra…第1の表面側の領域
Rb…第2の表面側の領域
Rc…中央の領域
Claims (4)
- 熱伝導性フィラーと、バインダー樹脂とを含み、
前記熱伝導性フィラーは、コア粒子と、前記コア粒子の表面を被覆しているシェル部とを有し、
前記コア粒子の材料が、樹脂であり、
前記シェル部の材料が、熱伝導性材料であり、
前記熱伝導性フィラーは、接着シートの厚みの0.5倍以上、0.8倍以下の粒子径を有する第1の熱伝導性フィラーと、接着シートの厚みの0.1倍以上、0.3倍以下の粒子径を有する第2の熱伝導性フィラーとを含み、
前記第1の熱伝導性フィラーの全体でのCV値が10%以下であり、
前記第2の熱伝導性フィラーの全体でのCV値が10%以下である、接着シート。 - 前記第1の熱伝導性フィラーの全体での平均粒子径の、前記第2の熱伝導性フィラーの全体での平均粒子径に対する比が、1.7以上、8以下である、請求項1に記載の接着シート。
- 接着シートの厚み1/3の一方の表面側の領域と、接着シートの厚み1/3の他方の表面側の領域と、接着シートの厚み1/3の中央の領域とに関して、
前記一方の表面側の領域における前記第2の熱伝導性フィラーの含有量が、前記中央の領域における前記第2の熱伝導性フィラーの含有量よりも多いか、又は、前記他方の表面側の領域における前記第2の熱伝導性フィラーの含有量が、前記中央の領域における前記第2の熱伝導性フィラーの含有量よりも多い、請求項1又は2に記載の接着シート。 - 前記一方の表面側の領域における前記第2の熱伝導性フィラーの含有量が、前記中央の領域における前記第2の熱伝導性フィラーの含有量よりも多く、かつ、前記他方の表面側の領域における前記第2の熱伝導性フィラーの含有量が、前記中央の領域における前記第2の熱伝導性フィラーの含有量よりも多い、請求項3に記載の接着シート。
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