JP2016033095A - ビスマス系ガラス組成物、粉末材料及び粉末材料ペースト - Google Patents

ビスマス系ガラス組成物、粉末材料及び粉末材料ペースト Download PDF

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【課題】PbOを含まなくても、800℃以下の温度で焼成可能であると共に、バリスタ素体の反りやバリスタ素体からの剥離が生じ難く、しかもメッキ溶液によって侵食され難いビスマス系ガラス組成物、粉末材料及び粉末材料ペーストを創案すること。【解決手段】本発明のビスマス系ガラス組成物は、ガラス組成として、質量%で、Bi2O335〜67%、SiO222〜40%、ZrO20〜12%、Al2O30.1〜10%を含有し、質量比(SiO2+ZrO2)/Al2O3が50より小さく、バリスタ素体の被覆に用いることを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、ビスマス系ガラス組成物、粉末材料及び粉末材料ペーストに関し、具体的には、バリスタ素体の被覆に好適なビスマス系ガラス組成物、粉末材料及び粉末材料ペーストに関する。
近年、通信機等に採用される電子機器の分野では、小型化、集積化が急速に進んでいる。更に、ICの高密度化による耐電圧の低減化が要求されており、これに伴って高電圧性ノイズの侵入によるIC回路の破壊や誤動作を防止するための保護素子や回路設計が必要になっている。このような保護素子として、電圧非直線性を有する積層型のチップバリスタが採用されている。
このチップバリスタは、半導体セラミックス層と内部電極とを交互に積層して一体焼結し、この焼結体(バリスタ素体)の両端面に上記内部電極の一端面を露出させ、該両端面に上記内部電極の一端面に接続される外部電極を形成して構成されている。
上記構成を有するバリスタは、プリント回路基板等に上記外部電極の半田付けにより固定、接続されることが多い。しかし、通常の外部電極は、半田中に溶融、分散等され易く、これによって接続不良が生じ易い。このため、外部電極は、下地電極とその表面上に形成されたNi等のメッキ層とを有する構成になっている。そして、メッキ層の形成は、製造コスト等の観点から、電気メッキにより行われる。
しかし、電気メッキを行うと、下地電極の形成領域を食み出してメッキ層が形成されたり、下地電極以外の領域にメッキ層が付着したりして、外部電極間のショート不良を招来させる場合があった。この現象は、チップバリスタが小型化する程、顕在化し易くなる。
この問題を回避するためには、バリスタ素体の外部電極を除く外表面に被覆層を形成して絶縁化することが有効である。
特開平05−301739号公報 特開2009−221027号公報 特開2007−63105号公報 特許第4598008号公報
被覆層は、粉末材料(ガラス粉末)を焼成することにより形成されるが、焼成温度は、内部電極等の特性が劣化する事態を防止するために、800℃以下に制限される。このため、粉末材料には、800℃以下の温度で焼成可能であることが要求される。
また、粉末材料には、焼成後に、バリスタ素体に反りを発生させず、バリスタ素体から容易に剥離しないことも要求される。更に、粉末材料には、メッキ溶液が酸性溶液であるため、耐酸性も要求される。
これらの要求特性を満たす粉末材料として、従来まで、PbO−B−SiO系ガラスが使用されてきた(特許文献1参照)。
近年、環境保護の観点から、環境負荷物質の削減、例えばPbOの削減が推進されており、PbO−B−SiO系ガラスに代わって、各種無鉛ガラスが提案されるに到っている。例えば、特許文献2〜4には、Bi−B−ZnO系ガラスが記載されている。
しかしながら、特許文献2〜4に記載のBi−B−ZnO系ガラスは、耐酸性が低いため、メッキ溶液によって侵食され易く、絶縁性等の特性を維持し難いという問題を有している。
そこで、本発明は上記事情に鑑み成されたものであり、その技術的課題は、PbOを含まなくても、800℃以下の温度で焼成可能であると共に、バリスタ素体の反りやバリスタ素体からの剥離が生じ難く、しかもメッキ溶液によって侵食され難いビスマス系ガラス組成物、粉末材料及び粉末材料ペーストを創案することである。
本発明者は、種々の実験を行った結果、反りや剥離を発生させ難いガラス系としてビスマス系ガラスを採択すると共に、ガラス組成中のSiO、ZrO、Alの含有割合を厳密に規制することにより、上記技術的課題を解決し得ることを見出し、本発明として提案するものである。すなわち、本発明のビスマス系ガラス組成物は、ガラス組成として、質量%で、Bi 35〜67%、SiO 22〜40%、ZrO 0〜12%、Al 0.1〜10%を含有し、質量比(SiO+ZrO)/Alが50より小さく、バリスタ素体の被覆に用いることを特徴とする。
ビスマス系ガラスは、一般的に、耐酸性が低いが、本発明のビスマス系ガラス組成物では、SiOの含有量を22質量%以上に規制することにより、耐酸性を高めている。一方、SiOの含有量が多い場合に、ZrOの含有量が多くなると、成形時に耐酸性を低下させるジルコン(ZrSiO)結晶が析出して、所望の耐酸性を確保し難くなる場合がある。また成形時にガラスが分相して、所望の耐酸性を確保し難くなる場合もある。そこで、本発明のビスマス系ガラス組成物では、ガラス組成中のAlの含有量を0.1質量%以上、且つ質量比(SiO+ZrO)/Alを50未満に規制することにより、成形時のジルコン結晶の析出及びガラスの分相を抑制している。
第二に、本発明のビスマス系ガラス組成物は、ガラス組成として、質量%で、Bi 40〜55%、SiO 28〜40%、ZrO 5超〜9%、Al 2〜10%、B 0〜5%を含有し、質量比(SiO+ZrO)/Alが15より小さいことが好ましい。
第三に、本発明のビスマス系ガラス組成物は、更にBaOを0.1〜9質量%含むことが好ましい。
第四に、本発明のビスマス系ガラス組成物は、MgOの含有量が5質量%以下、CaOの含有量が5質量%以下、SrOの含有量が5質量%以下、且つZnOの含有量が5質量%以下であることが好ましい。
第五に、本発明のビスマス系ガラス組成物は、実質的にPbOを含まないことが好ましい。ここで、「実質的にPbOを含まない」とは、不純物レベルでのPbOの混入を許容するものの、積極的な導入を回避する趣旨であり、具体的にはガラス組成中のPbOの含有量が1000ppm未満の場合を指す。
第六に、本発明の粉末材料は、上記のビスマス系ガラス組成物からなるガラス粉末とセラミック粉末とを含有する粉末材料であって、ガラス粉末の含有量が50〜100質量%、セラミック粉末の含有量が0〜50質量%であることを特徴とする。
第七に、本発明の粉末材料は、軟化点が600〜800℃であることが好ましい。ここで、「軟化点」は、マクロ型示差熱分析計(DTA)で測定した第四の変曲点の温度を指す。
第八に、本発明の粉末材料は、粉末材料とビークルとを含有する粉末材料ペーストにおいて、粉末材料が上記の粉末材料であることを特徴とする。
本発明のビスマス系ガラス組成物は、ガラス組成として、質量%で、Bi 35〜67%、SiO 22〜40%、ZrO 0〜12%、Al 0.1〜10%を含有し、質量比(SiO+ZrO)/Alが50より小さいことを特徴とする。上記のように各成分の含有範囲を規制した理由を以下に説明する。なお、各成分の含有範囲の説明において、%表示は、質量%を意味する。
Biは、軟化点を低下させる成分であり、ZnOを主成分とする半導体セラミックスとの接着性を確保する成分であるが、耐酸性を低下させる成分である。Biの含有量は35〜67%であり、好ましくは38〜60%、40〜55%、41〜54%、42〜53%、特に43〜52%である。Biの含有量が少なくなると、軟化点が不当に上昇して、800℃以下の温度で焼成し難くなる。一方、Biの含有量が多くなると、耐酸性が低下し易くなり、メッキ溶液により、被覆層が侵食され易くなり、結果として、バリスタ素体を絶縁保護し難くなる。更に、Biの含有量が多くなると、原料コストが高騰し易くなる。
SiOは、ガラス骨格を形成する成分であると共に、耐酸性を高める成分である。SiOの含有量は22〜40%であり、好ましくは26〜40%、28〜40%、29〜38%、特に30〜36%である。SiOの含有量が少なくなると、耐酸性が低下し易くなり、メッキ溶液により、被覆層が侵食され易くなり、結果として、バリスタ素体を絶縁保護し難くなる。一方、SiOの含有量が多くなると、軟化点が不当に上昇して、800℃以下の温度で焼成し難くなる。
ZrOは、耐酸性を高める成分である。ZrOの含有量は0〜12%であり、好ましくは0.1〜11%、3〜10%、5超〜9%、5.5〜8.5%、特に6〜8%である。ZrOの含有量が少なくなると、耐酸性が低下し易くなり、メッキ溶液により、被覆層が侵食され易くなり、結果として、バリスタ素体を絶縁保護し難くなる。一方、ZrOの含有量が多くなると、成形時にジルコン結晶が析出し易くなり、また軟化点が不当に上昇して、800℃以下の温度で焼成し難くなる。
Alは、耐酸性を高める成分であり、またガラスを安定化させる成分、特にジルコン結晶の析出を抑制する成分である。Alの含有量は0.1〜10%であり、好ましくは2〜10%、2.5〜9%、特に3〜8%である。Alの含有量が少なくなると、ガラスが不安定になって、成形時にジルコン結晶が析出し易くなる。一方、Alの含有量が多くなると、軟化点が不当に上昇して、800℃以下の温度で焼成し難くなる。
質量比(SiO+ZrO)/Alが50以下であり、好ましくは25以下、15以下、13以下、11以下、特に9以下である。質量比(SiO+ZrO)/Alが過大になると、ジルコン結晶が析出し易くなったり、ガラスが分相し易くなる。
上記成分以外にも、例えば、以下の成分を導入してもよい。
は、ガラス骨格を形成し、ガラス化範囲を広げる成分であるが、その含有量が多くなると、耐酸性が大幅に低下する虞がある。よって、Bの含有量は0〜5%であり、好ましくは0〜4%、0〜3%、特に0.5〜2%である。
MgOは、軟化点を低下させる成分であり、またガラスを安定化させる成分である。MgOの含有量は、好ましくは0〜5%、0〜4%、特に0〜3%である。MgOの含有量が多くなると、耐酸性が低下し易くなり、メッキ溶液により、被覆層が侵食され易くなり、結果として、バリスタ素体を絶縁保護し難くなる。
CaOは、軟化点を低下させる成分であり、またガラスを安定化させる成分である。CaOの含有量は、好ましくは0〜5%、0〜4%、特に0〜3%である。CaOの含有量が多くなると、耐酸性が低下し易くなり、メッキ溶液により、被覆層が侵食され易くなり、結果として、バリスタ素体を絶縁保護し難くなる。
SrOは、軟化点を低下させる成分であり、またガラスを安定化させる成分である。SrOの含有量は、好ましくは0〜5%、0〜4%、特に0〜3%である。SrOの含有量が多くなると、耐酸性が低下し易くなり、メッキ溶液により、被覆層が侵食され易くなり、結果として、バリスタ素体を絶縁保護し難くなる。
BaOは、軟化点を低下させる成分であり、またガラスを安定化させる成分、特に分相を抑制する成分である。BaOの含有量は、好ましくは0〜9%、0.1〜9%、1〜9%、2〜8%、特に3〜7%である。BaOの含有量が少なくなると、ガラスが不安定になり易い。一方、BaOの含有量が多くなると、耐酸性が低下し易くなり、メッキ溶液により、被覆層が侵食され易くなり、結果として、バリスタ素体を絶縁保護し難くなる。
ZnOは、軟化点を低下させる成分であるが、耐酸性を低下させる成分である。ZnOの含有量は0〜5%であり、好ましくは0〜4%、特に0〜3%である。ZnOの含有量が多くなると、耐酸性が大幅に低下し、メッキ溶液により、被覆層が侵食され易くなり、結果として、バリスタ素体を絶縁保護し難くなる。
上記成分以外にも、チップバリスタの特性を大幅に損なわない限り、種々の成分を導入してもよい。例えば、軟化点を低下させるために、CsO、RbO等を合量又は単独で5%まで、特に1%まで導入してもよい。またガラスを安定化させたり、耐水性や耐酸性を高めるために、Y、La、Ta、SnO、TiO、Nb、P、CuO、CeO、V等を合量又は単独で10%まで、特に1%まで導入してもよい。
PbOは、軟化点を低下させる成分であるが、環境負荷物質でもあるため、実質的な導入を回避することが好ましい。
本発明の粉末材料は、上記のビスマス系ガラス組成物からなるガラス粉末とセラミック粉末とを含有する粉末材料であって、ガラス粉末の含有量が50〜100質量%、セラミック粉末の含有量が0〜50質量%であることを特徴とする。
ガラス粉末は、例えば、溶融ガラスをフィルム状に成形した後、得られたガラスフィルムを粉砕、分級することにより作製することができる。
ガラス粉末の平均粒径D50は3.0μm以下が好ましく、最大粒径Dmaxは20μm以下が好ましい。ガラス粉末の粒度が大き過ぎると、被覆層の厚みを低減し難くなり、また被覆層中に大きな泡が残存し易くなる。ここで、「平均粒径D50」とは、レーザー回折装置で測定した値を指し、レーザー回折法により測定した際の体積基準の累積粒度分布曲線において、その積算量が粒子の小さい方から累積して50%である粒子径を表す。また「最大粒径Dmax」とは、レーザー回折装置で測定した値を指し、レーザー回折法により測定した際の体積基準の累積粒度分布曲線において、その積算量が粒子の小さい方から累積して99%である粒子径を表す。
セラミック粉末の含有量は、好ましくは40質量%以下、30質量%以下、20質量%以下、10質量%以下、5質量%以下、特に1質量%未満である。セラミック粉末が多過ぎると、相対的にガラス粉末の割合が少なくなり過ぎて、緻密な被覆層を形成し難くなるため、メッキ溶液により、被覆層が侵食され易くなり、結果として、バリスタ素体を絶縁保護し難くなる。なお、セラミック粉末を添加すると、粉末材料の熱膨張係数、機械的強度、耐酸性を調整することが可能になる。
セラミック粉末として、種々の材料が使用可能であり、例えば、アルミナ、ジルコニア、ムライト、シリカ、コーディエライト、チタニア、酸化スズ等を一種又は二種以上添加することができる。
本発明の粉末材料において、軟化点は、好ましくは600〜800℃、650〜790℃、特に700〜780℃である。軟化点が高過ぎると、800℃以下の焼成温度で表面精度が良好な被覆層を形成し難くなる。一方、軟化点が低過ぎると、ガラス組成の調整が困難になり、耐酸性を確保し難くなる。
本発明の粉末材料において、熱膨張係数は、45〜65×10−7/℃、特に50〜60×10−7/℃が好ましい。このようにすれば、被覆層を形成した後に、バリスタ素体の反りや被覆層の剥離を防止し易くなる。ここで、「熱膨張係数」は、熱機械分析装置(TMA)により30〜300℃の温度範囲で測定した値である。
本発明の粉末材料ペーストは、粉末材料とビークルとを含有する粉末材料ペーストにおいて、粉末材料が上記の粉末材料であることを特徴とする。ここで、ビークルは、ガラス粉末を分散させて、ペースト化するための材料であり、通常、熱可塑性樹脂、可塑剤、溶剤等により構成される。
粉末材料ペーストは、粉末材料とビークルを用意し、これらを所定の割合で混合、混練することにより作製することができる。
熱可塑性樹脂は、乾燥後の膜強度を高める成分であり、また柔軟性を付与する成分である。粉末材料ペースト中の熱可塑性樹脂の含有量は0.1〜20質量%が好ましい。熱可塑性樹脂として、ポリブチルメタアクリレート、ポリビニルブチラール、ポリメチルメタアクリレート、ポリエチルメタアクリレート、エチルセルロース等が好ましく、これらの内、一種又は二種以上を用いることが好ましい。
溶剤は、熱可塑性樹脂を溶解させるための成分である。粉末材料ペースト中の溶剤の含有量は10〜30質量%が好ましい。溶剤として、ターピネオール、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタジオールモノイソブチレート等が好ましく、これらの内、一種又は二種以上を用いることが好ましい。
粉末材料ペーストを用いて、バリスタ素体に被覆層を形成するには、まずバリスタ素体の外部電極を除く領域に、粉末材料ペーストを塗布し、所定の膜厚の塗布層を形成した後、乾燥させて、乾燥膜を得る。その後、乾燥膜を700〜800℃の温度で5〜20分間焼成することにより、所定の被覆層(焼成膜)を形成することができる。なお、焼成温度が低過ぎたり、焼成時間(保持時間)が短過ぎると、乾燥膜が十分に焼結せず、緻密で平滑な焼成膜を形成し難くなる。一方、焼成温度が高過ぎたり、保持時間が長過ぎると、内部電極等と粉末材料が反応して、内部電極等の特性が劣化し易くなる。
上記方法以外にも、耐熱性容器内にバリスタ素体と粉末材料を投入した後、耐熱性容器を回転させながら、750〜850℃の温度で0.5〜2時間焼成することにより、所定の被覆層(焼成膜)を形成することもできる。
以下、実施例に基づいて、本発明を詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施例に何ら限定されない。以下の実施例は単なる例示である。
表1は、本発明の実施例(試料No.1〜5)及び比較例(試料No.6)を示している。
次のようにして、各試料を調製した。まず表中に示すガラス組成になるように、原料を調合して、均一に混合した。次いで、白金ルツボに入れて1350〜1450℃で2時間溶融した後、フィルム状に成形した。
得られたガラスフィルムをついて、成形性を評価した。ガラスフィルムの表面に失透結晶(ブツ)が認められず、分相も認められなかったものを「○」、失透結晶及び/又は分相が僅かに認められたものを「△」、失透結晶及び/又は分相が顕著に認められたものを「×」として評価した。
続いて、上記のガラスフィルムをボールミルにて粉砕した後、気流分級して平均粒径D503.0μm以下、最大粒径Dmax20μm以下のガラス粉末を得た。得られたガラス粉末を用いて、軟化点及び熱膨張係数を評価した。
軟化点は、マクロ型示差熱分析計(DTA)で測定した第四の変曲点の温度である。
熱膨張係数は、各ガラス粉末を加圧形成し、(軟化点+10)℃で焼成した後、直径5mm、長さ20mmに加工して、測定試料を得た上で、熱機械分析装置(TMA)により30〜300℃の温度範囲で測定した値である。
次に、上記ガラス粉末とビークル(エチルセルロースを5質量%、且つアセチルクエン酸トリブチルを3質量%含むターピネオール)を混合し、3本ロールミルにて混練して、粉末材料ペーストを得た。更に、約10μmの焼成膜(被覆層)が得られるように、粉末材料ペーストを半導体セラミックス層(ZnOを主成分とする)付き基板上にスクリーン印刷法で塗布した後、塗布膜を乾燥し、電気炉で(軟化点+10)℃の温度で10分間焼成した。得られた焼成膜付き基板を用いて、耐酸性を評価した。具体的には、焼成膜付き基板を40℃の5質量%硫酸に5時間浸漬した上で、水洗、乾燥した後、質量減少を測定し、浸漬前後の質量減少の割合を評価した。なお、質量減少の割合が大きい程、耐酸性が低いことを意味する。
表1から明らかなように、試料No.1〜5は、軟化点が低いため800℃以下の温度で焼成可能であり、更に成形性や耐酸性が良好であった。試料No.6は、軟化点が低かったが、成形性や耐酸性が不良であった。

Claims (8)

  1. ガラス組成として、質量%で、Bi 35〜67%、SiO 22〜40%、ZrO 0〜12%、Al 0.1〜10%を含有し、質量比(SiO+ZrO)/Alが50より小さく、バリスタ素体の被覆に用いることを特徴とするビスマス系ガラス組成物。
  2. ガラス組成として、質量%で、Bi 40〜55%、SiO 28〜40%、ZrO 5超〜9%、Al 2〜10%、B 0〜5%を含有し、質量比(SiO+ZrO)/Alが15より小さいことを特徴とする請求項1に記載のビスマス系ガラス組成物。
  3. 更にBaOを0.1〜9質量%含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のビスマス系ガラス組成物。
  4. MgOの含有量が5質量%以下、CaOの含有量が5質量%以下、SrOの含有量が5質量%以下、且つZnOの含有量が5質量%以下であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のビスマス系ガラス組成物。
  5. 実質的にPbOを含まないことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のビスマス系ガラス組成物。
  6. 請求項1〜5の何れかに記載のビスマス系ガラス組成物からなるガラス粉末とセラミック粉末とを含有する粉末材料であって、
    ガラス粉末の含有量が50〜100質量%、セラミック粉末の含有量が0〜50質量%であることを特徴とする粉末材料。
  7. 軟化点が600〜800℃であることを特徴とする請求項6に記載の粉末材料。
  8. 粉末材料とビークルとを含有する粉末材料ペーストにおいて、
    粉末材料が請求項6又は7に記載の粉末材料であることを特徴とする粉末材料ペースト。
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