JP2015168588A - ガラス組成物、粉末材料及び粉末材料ペースト - Google Patents

ガラス組成物、粉末材料及び粉末材料ペースト Download PDF

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Abstract

【課題】PbOを含まなくても、窒素等の非酸化性雰囲気で適正に焼成可能なガラス組成物、粉末材料及び粉末材料ペーストを創案すること。
【解決手段】本発明のガラス組成物は、ガラス組成として、質量%で、V 5〜35%、ZnO 41超〜55%未満、SiO 3〜16%、B 5〜26%、CaO 1〜17%、CaO+SrO+BaO 1〜18%未満を含有し、質量比(SiO+B)/Vが0.40以上であることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、ガラス組成物、粉末材料及び粉末材料ペーストに関し、例えば、電子回路等にオーバーコート層を形成するためのガラス組成物、粉末材料及び粉末材料ペーストに関する。
オーバーコート層は、ソーダライムガラス基板、アルミナ基板等に形成された電極、抵抗体等を保護、絶縁するために形成される。従来から、オーバーコート層の形成には、粉末材料ペーストが用いられている。この粉末材料ペーストは、一般的に、ガラス粉末とビークルの混合物であり、必要に応じて、セラミック粉末が添加される場合がある。
オーバーコート層は、粉末材料ペーストを電極等に塗布した後、所定の温度で焼成することにより形成される。ここで、焼成温度は、電極等と粉末材料の反応により、電極等の特性が劣化する事態を防止するために、650℃以下に制限される。このため、粉末材料(粉末材料ペースト)には、650℃以下の温度で焼成可能であることが要求される。また、粉末材料には、焼成後に、基板から容易に剥離しないことも要求される。
上記の要求特性を満たす粉末材料として、従来まで、PbO−B−SiO系ガラスが使用されてきた(特許文献1参照)。
近年、環境保護の観点から、環境負荷物質の削減、例えばPbOの削減が推進されており、PbO−B−SiO系ガラスに代わって、各種無鉛ガラスが提案されるに到っている。例えば、特許文献2には、Bi−ZnO−B系ガラスが記載されている。
特開昭58−64245号公報 特開2002−60064号公報
ところで、電子回路には、Cu電極が使用される場合がある。Cu電極上にオーバーコート層を形成する工程では、Cu電極の酸化を防止するため、窒素等の非酸化性雰囲気で焼成される。
よって、Cu電極上にオーバーコート層を形成する場合、粉末材料(粉末材料ペースト)には、窒素等の非酸化性雰囲気で焼成可能であることが要求される。
しかしながら、特許文献2に記載のBi−ZnO−B系ガラスは、窒素等の非酸化性雰囲気での焼成で焼結し難く、更にCu電極や基板との濡れ性を低下させ易い性質を有している。このため、Bi−ZnO−B系ガラスを用いると、絶縁性等の諸特性を発揮し難くなる。
そこで、本発明は上記事情に鑑み成されたものであり、その技術的課題は、PbOを含まなくても、窒素等の非酸化性雰囲気で適正に焼成可能なガラス組成物、粉末材料及び粉末材料ペーストを創案することである。
本発明者等は、種々の実験を行った結果、ガラス系として、特定のV−ZnO−B系ガラスを採択することにより、上記技術的課題を解決し得ることを見出し、本発明として提案するものである。すなわち、本発明のガラス組成物は、ガラス組成として、質量%で、V 5〜35%、ZnO 41超〜55%未満、SiO 3〜16%、B 5〜26%、CaO 1〜17%、CaO+SrO+BaO 1〜18%未満を含有し、質量比(SiO+B)/Vが0.40以上であることを特徴とする。ここで、「CaO+SrO+BaO」は、CaO、SrO及びBaOの合量を指す。「SiO+B」は、SiOとBの合量である。
本発明のガラス組成物は、ガラス組成としてVを5質量%以上、ZnOを41質量%超、且つCaOを1質量%以上含み、質量比(SiO+B)/Vが0.40以上である。これにより、窒素等の非酸化性雰囲気で焼成する場合に、所望の安定性(特に耐失透性、Cu電極との低反応性)、流動性を確保することが可能になる。
第二に、本発明のガラス組成物は、SrOの含有量が5質量%以下であり、且つBaOの含有量が5質量%以下であることが好ましい。
第三に、本発明のガラス組成物は、実質的にPbOを含まないことが好ましい。ここで、「実質的にPbOを含まない」とは、不純物レベルでのPbOの混入を許容するものの、積極的な導入を回避する趣旨であり、具体的にはガラス組成中のPbOの含有量が0.1質量%未満の場合を指す。
第四に、本発明の粉末材料は、上記のガラス組成物からなるガラス粉末とセラミック粉末とを含有する粉末材料であって、ガラス粉末の含有量が50〜100質量%、セラミック粉末の含有量が0〜50質量%であることが好ましい。
第五に、本発明の粉末材料は、軟化点が650℃以下であることが好ましい。ここで、「軟化点」は、マクロ型示差熱分析計(DTA)で測定した第四の変曲点の値を指す。
第六に、本発明の粉末材料は、オーバーコート層の形成に用いることが好ましい。
第七に、本発明の粉末材料ペーストは、粉末材料とビークルとを含有する粉末材料ペーストにおいて、粉末材料が上記の粉末材料であることが好ましい。
第八に、本発明の粉末材料ペーストは、実質的にフタル酸系化合物を含有しないことが好ましい。ここで、「実質的にフタル酸系化合物を含有しない」とは、粉末材料ペースト中のフタル酸系化合物の含有量が0.1質量%未満の場合を指す。
本発明のガラス組成物は、ガラス組成として、質量%で、V 5〜35%、ZnO 41超〜55%未満、SiO 3〜16%、B 5〜26%、CaO 1〜17%、CaO+SrO+BaO 1〜18%未満を含有し、質量比(SiO+B)/Vが0.40以上であることを特徴とする。上記のように各成分の含有範囲を規制した理由を以下に説明する。なお、各成分の含有範囲の説明において、%表示は、質量%であることを意味する。
は、ガラスネットワークを形成する成分であると共に、窒素等の非酸化性雰囲気でガラスを軟化させ易くする成分である。Vの含有量は5〜35%であり、好ましくは6〜34%、8〜33%、10〜30%、特に12超〜28%である。Vの含有量が少なくなると、軟化点が不当に上昇して、650℃以下の温度で焼成し難くなる。一方、Vの含有量が多くなると、ガラス自体が熱的に不安定になり、焼成時にバナジウム系の失透(結晶析出)が生じ易くなる。
ZnOは、耐失透性を高める成分である。ZnOの含有量は41超〜55%未満であり、好ましくは42〜53%、43〜52%、44〜51%、特に45〜50%である。ZnOの含有量が少なくなると、ガラス自体が熱的に不安定になり、焼成(特に窒素等の非酸化性雰囲気での焼成)時に、バナジウム系の失透(結晶析出)が生じ易くなる。一方、ZnOの含有量が多くなると、耐水性が低下して、長期に亘って気密性を維持できない虞が生じる。
質量比ZnO/Vは、好ましくは0.5〜5.5未満、1〜5、1〜4.5、1.5〜4、特に2〜3.5である。このようにすれば、窒素等の非酸化性雰囲気で焼成する場合に、所望の安定性(特に耐失透性、Cu電極との低反応性)、流動性を確保し易くなる。
SiOは、ガラスネットワークを形成する成分であり、また耐候性を高める成分である。SiOの含有量は3〜16%であり、好ましくは4〜15%、5〜14%、6〜13%、7〜12%、特に8〜11%である。SiOの含有量が少なくなると、耐水性が低下して、長期に亘って気密性を維持できない虞が生じる。一方、SiOの含有量が多くなると、軟化点が不当に上昇して、650℃以下の温度で焼成し難くなる。
は、ガラスネットワークを形成し、ガラス化範囲を広げる成分である。Bの含有量は5〜26%であり、好ましくは6〜24%、7〜24%、特に8〜22%である。Bの含有量が少なくなると、ガラス自体が熱的に不安定になり、焼成時に、バナジウム系の失透(結晶析出)が生じ易くなる。一方、Bの含有量が多くなると、耐水性が低下して、長期に亘って気密性を維持できない虞が生じる。
CaOは、焼成(特に窒素等の非酸化性雰囲気での焼成)時に、Cu電極との反応を抑制して、発泡による絶縁耐圧の低下を抑制すると共に、ガラスを安定化させる成分である。CaOの含有量は1〜17%であり、好ましくは3〜16%、5〜15%、7〜14%、特に10超〜13%である。CaOの含有量が少なくなると、焼成時にガラスがCu電極と反応して、発泡が生じ易くなる。一方、CaOの含有量が多くなると、軟化点が不当に上昇して、650℃以下の温度で焼成し難くなる。
+CaOの含有量(VとCaOの合量)は、好ましくは20%超、21%以上、22%以上、23%以上、特に24〜50%である。V+CaOの含有量が過少になると、窒素等の非酸化性雰囲気で焼成した場合に、所望の流動性を確保し難くなり、またCu電極との反応性が高くなり、絶縁耐圧を確保し難くなる。
ZnO+CaOの含有量(ZnOとCaOの合量)は、好ましくは65%未満、64%以下、63%以下、62%以下、特に52〜61%である。ZnO+CaOの含有量が過大になると、オーバーコート層の耐水性や絶縁耐圧が低下して、長期に亘って気密性を維持できない虞が生じる。
CaO+SrO+BaOの含有量が少なくなると、軟化点が不当に上昇して、650℃以下の温度で焼成し難くなる。一方、CaO+SrO+BaOの含有量が多くなると、ガラス自体が熱的に不安定になり、焼成時に、バナジウム系の失透(結晶析出)が生じ易くなる。よって、CaO+SrO+BaOの含有量は1〜18%未満であり、好ましくは3〜16%、5〜15%、7〜14%、特に10超〜13%である。
SrOは、ガラスを安定化させる成分である。SrOの含有量は、好ましくは0〜15%、0〜10%、0〜5%、特に0〜1%である。SrOの含有量が多くなると、軟化点が不当に上昇して、650℃以下の温度で焼成し難くなる。
BaOは、ガラスを安定化させる成分である。BaOの含有量は、好ましくは0〜15%、0〜10%、0〜5%、特に0〜1%である。BaOの含有量が多くなると、熱膨張係数が不当に上昇して、電極や基板との接着信頼性が低下し易くなる。
質量比(SiO+B)/Vは0.40以上であり、好ましくは0.50以上、0.60以上、特に0.70〜5.0である。質量比(SiO+B)/Vが過少になると、焼成(特に窒素等の非酸化性雰囲気での焼成)時に、バナジウム系の失透(結晶析出)が生じ易くなる。
上記成分以外にも、以下の成分を導入してもよい。
Alは、耐候性を高める成分である。Alの含有量は、好ましくは0〜10%、0〜6%、特に0〜1%である。Alの含有量が多くなると、軟化点が不当に上昇して、650℃以下の温度で焼成し難くなる。
軟化点を低下させるために、LiO、NaO、KO、CsO、RbO等を合量又は単独で5%まで、3%まで、特に1%まで導入してもよい。アルカリ成分が少ないガラスは、一般的に、窒素等の非酸化性雰囲気で焼成し難いが、本発明では、上記のように各成分の含有量が規制されているため、アルカリ成分が少ない場合でも、非酸化性雰囲気で適正に焼成することができる。
耐失透性、耐水性、耐酸性を高めるために、Y、La、Ta、SnO、TiO、Nb、P、CuO、CeO等を合量又は単独で10%まで、3%まで、特に1%まで導入してもよい。
PbOは、軟化点を低下させる成分であるが、環境負荷物質であるため、実質的な導入を回避することが好ましい。また、Biは、軟化点を低下させる成分であるが、環境負荷物質であるため、その含有量を3%以下、特に1%以下に規制することが好ましい。
本発明の粉末材料は、上記のガラス組成物からなるガラス粉末とセラミック粉末とを含有する粉末材料であって、ガラス粉末の含有量が50〜100質量%、セラミック粉末の含有量が0〜50質量%であることを特徴とする。
ガラス粉末は、例えば、溶融ガラスをフィルム状に成形した後、得られたガラスフィルムを粉砕、分級することにより作製することができる。
ガラス粉末の平均粒径D50は3.0μm以下が好ましく、最大粒径Dmaxは20μm以下が好ましい。ガラス粉末の粒度が大き過ぎると、焼成膜(オーバーコート層)中に大きな泡が残存し易くなる。ここで、「平均粒径D50」とは、レーザー回折装置で測定した値を指し、レーザー回折法により測定した際の体積基準の累積粒度分布曲線において、その積算量が粒子の小さい方から累積して50%である粒子径を表す。また「最大粒径Dmax」とは、レーザー回折装置で測定した値を指し、レーザー回折法により測定した際の体積基準の累積粒度分布曲線において、その積算量が粒子の小さい方から累積して99%である粒子径を表す。
セラミック粉末の含有量は、好ましくは40質量%以下、30質量%以下、20質量%以下、10質量%以下、5質量%以下、特に1質量%未満である。セラミック粉末が多過ぎると、相対的にガラス粉末の割合が少なくなり過ぎて、緻密なオーバーコート層を形成し難くなる。結果として、電子回路の電極等の保護や絶縁を図り難くなる。なお、セラミック粉末を添加すると、粉末材料の熱膨張係数、機械的強度、耐酸性を調整することができる。
セラミック粉末として、種々の材料が使用可能であり、例えば、アルミナ、ジルコン、ジルコニア、ムライト、シリカ、コーディエライト、チタニア、酸化スズ等を一種又は二種以上を添加することができる。
本発明の粉末材料において、軟化点は、好ましくは650℃以下、630℃以下、610℃以下、特に590℃以下である。軟化点が高過ぎると、緻密なオーバーコート層を得るためには、焼成温度を上昇しなければならず、その場合、電極等の特性が劣化し易くなる。
本発明の粉末材料において、熱膨張係数は、55〜80×10−7/℃、特に60〜75×10−7/℃が好ましい。このようにすれば、ソーダライムガラス基板やアルミナ基板上にオーバーコート層を形成した後に、基板の反りやオーバーコート層の剥離を防止し易くなる。ここで、「熱膨張係数」は、熱機械分析装置(TMA)により30〜300℃の温度範囲で測定した値である。
本発明の粉末材料ペーストは、粉末材料とビークルとを含有する粉末材料ペーストにおいて、粉末材料が上記の粉末材料であることを特徴とする。ここで、ビークルは、ガラス粉末を分散させて、ペースト化するための材料であり、通常、熱可塑性樹脂、可塑剤、溶剤等で構成される。
粉末材料ペーストは、粉末材料とビークルを用意し、これらを所定の割合で混合、混練することにより作製することができる。
熱可塑性樹脂は、乾燥後の膜強度を高める成分であり、また柔軟性を付与する成分である。粉末材料ペースト中の熱可塑性樹脂の含有量は0.1〜20質量%が好ましい。熱可塑性樹脂として、ポリブチルメタアクリレート、ポリビニルブチラール、ポリメチルメタアクリレート、ポリエチルメタアクリレート、エチルセルロース等が好ましく、これらの内、一種又は二種以上を用いることが好ましい。
可塑剤は、乾燥速度をコントロールすると共に、乾燥膜に柔軟性を与える成分である。粉末材料ペースト中の可塑剤の含有量は、好ましくは0〜10質量%、特に0.1〜10質量%である。可塑剤として、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジイソオクチル、フタル酸ジカプリル、フタル酸ジブチル等のフタル酸系化合物を実質的に含まないことが好ましい。このようにすれば、環境負荷を軽減することができる。環境的観点から、可塑剤として、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジブトキシエチル等のアジピン酸系化合物、セバシン酸ジブチルやセバシン酸ジ2エチルヘキシル等のセバシン酸化合物、アセチレンクエン酸トリブチル等のクエン酸系化合物等が好ましく、これらの内、一種又は二種以上を用いることが好ましい。
溶剤は、熱可塑性樹脂を溶解させるための成分である。粉末材料ペースト中の溶剤の含有量は10〜30質量%が好ましい。溶剤として、ターピネオール、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタジオールモノイソブチレート等が好ましく、これらの内、一種又は二種以上を用いることが好ましい。
粉末材料ペーストを用いて、電子回路にオーバーコート層を形成するには、まず電極、抵抗体等が形成された電子回路上に、スクリーン印刷法、一括コート法等により粉末材料ペーストを塗布し、所定の膜厚の塗布層を形成した後、乾燥させて、乾燥膜を得る。その後、乾燥膜を500〜650℃の温度で5〜20分間焼成することにより、所定の焼成膜(オーバーコート層)を形成することができる。特に、Cu電極付き基板上に焼成膜を形成する際は、窒素等の非酸化性雰囲気で焼成を行う。なお、焼成温度が低過ぎたり、焼成時間(保持時間)が短過ぎると、乾燥膜が十分に焼結せず、緻密な焼成膜を形成し難くなる。一方、焼成温度が高過ぎたり、保持時間が長過ぎると、電極等と粉末材料が反応して、電極等の特性が劣化し易くなる。
オーバーコート層の形成方法として、粉末材料ペーストを用いる方法を例にして説明したが、それ以外の方法を採択することもできる。例えば、グリーンシート法、感光性ペースト法、感光性グリーンシート法等の方法を採択してもよい。
本発明のガラス組成物、粉末材料及び粉末材料ペーストは、窒素等の非酸化性雰囲気での焼成に供することが好ましい。また、本発明のガラス組成物、粉末材料及び粉末材料ペーストは、オーバーコート層の形成に用いることが好ましく、特にCu電極付き基板に対するオーバーコート層の形成に用いることが好ましい。
以下、実施例に基づいて、本発明を詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施例に何ら限定されない。以下の実施例は単なる例示である。
表1は、本発明の実施例(試料No.1〜6)を示しており、表2は、本発明の比較例(試料No.7、8)を示している。
次のようにして、各試料を調製した。まず表中に示すガラス組成になるように、原料を調合して、均一に混合した。次いで、白金ルツボに入れて1200〜1350℃で1時間溶融した後、フィルム状に成形し、ボールミルにて粉砕した後、気流分級して平均粒径D503.0μm以下、最大粒径Dmax20μm以下のガラス粉末を得た。得られたガラス粉末を用いて、軟化点及び熱膨張係数を評価した。
軟化点は、マクロ型示差熱分析計(DTA)で測定した第四の変曲点の値とした。なお、測定に際し、昇温速度を10℃/分、測定雰囲気を大気とした。
熱膨張係数は、熱機械分析装置(TMA)により30〜300℃の温度範囲で測定した値である。なお、測定試料は、各ガラス粉末を加圧形成し、(軟化点+10)℃の温度で焼成した後、直径5mm、長さ20mmに加工したものである。
次に、上記ガラス粉末とビークル(ポリメチルメタアクリレートを10質量%含むターピネオール)を混合し、3本ロールミルにて混練して、粉末材料ペーストを得た。更に、粉末材料ペーストをCu電極付きアルミナ基板上にスクリーン印刷法で塗布した後、塗布膜を乾燥し、電気炉で(軟化点+10)℃の温度で窒素雰囲気にて10分間焼成して、約10μmの焼成膜(オーバーコート層)を形成した。最後に、得られた焼成膜の表面について、結晶析出の有無を評価した。具体的には、結晶析出が認められなかったものを「○」、結晶析出が認められたものを「×」として、評価した。
表から明らかなように、試料No.1〜6は、窒素雰囲気で焼成した後も焼成膜の表面に結晶析出が認められなかった。一方、試料No.7、8は、窒素雰囲気で焼成した後に、焼成膜の表面に結晶析出が認められた。
本発明のガラス組成物、粉末材料及び粉末材料ペーストは、オーバーコート層の形成に好適であり、特にCu電極付き基板に対するオーバーコート層の形成に好適であるが、それ以外にも、例えば、結合、封着等の用途に適用することもできる。

Claims (8)

  1. ガラス組成として、質量%で、V 5〜35%、ZnO 41超〜55%未満、SiO 3〜16%、B 5〜26%、CaO 1〜17%、CaO+SrO+BaO 1〜18%未満を含有し、質量比(SiO+B)/Vが0.40以上であることを特徴とするガラス組成物。
  2. SrOの含有量が5質量%以下であり、且つBaOの含有量が5質量%以下であることを特徴とする請求項1に記載のガラス組成物。
  3. 実質的にPbOを含まないことを特徴とする請求項1又は2に記載のガラス組成物。
  4. 請求項1〜3の何れかに記載のガラス組成物からなるガラス粉末とセラミック粉末とを含有する粉末材料であって、ガラス粉末の含有量が50〜100質量%、セラミック粉末の含有量が0〜50質量%であることを特徴とする粉末材料。
  5. 軟化点が650℃以下であることを特徴とする請求項4に記載の粉末材料。
  6. オーバーコート層の形成に用いることを特徴とする請求項4又は5に記載の粉末材料。
  7. 粉末材料とビークルとを含有する粉末材料ペーストにおいて、
    粉末材料が請求項4〜6の何れかに記載の粉末材料であることを特徴とする粉末材料ペースト。
  8. 実質的にフタル酸系化合物を含有しないことを特徴とする請求項7に記載の粉末材料ペースト。
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