JP2015168587A - バナジウム系ガラス組成物及び電極形成用ペースト - Google Patents

バナジウム系ガラス組成物及び電極形成用ペースト Download PDF

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Abstract

【課題】PbOを含まなくても、窒素等の非酸化性雰囲気で適正に焼成可能なガラス組成物及び電極形成用ペーストを創案すること。【解決手段】本発明のバナジウム系ガラス組成物は、ガラス組成として、質量%で、V2O54〜40%、ZnO 30〜60%、SiO22〜20%、B2O33〜30%を含有し、質量比(SiO2+B2O3)/V2O5が0.38以上であり、電極形成に用いることを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、バナジウム系ガラス組成物及び電極形成用ペーストに関し、特にCu電極を形成するためのバナジウム系ガラス組成物及び電極形成用ペーストに関する。
電極形成用ペーストは、一般的に、ガラス粉末と、金属粉末と、ビークルとを含む。ガラス粉末は、金属粉末を結合させると共に、電極と基板を接着させる成分である。金属粉末は、電極を形成する主要成分であり、導電性を確保するための成分である。ビークルは、ペースト化するための成分であり、印刷に適した粘度を付与するための成分である。
また、電極は、電極形成用ペーストを基板等に塗布した後、所定の温度で焼成することにより形成される。ここで、焼成温度は、電極等の特性が劣化する事態を防止するために、650℃以下に制限される。このため、ガラス粉末(電極形成用ペースト)には、650℃以下の温度で焼成可能であることが要求される。また、ガラス粉末(電極形成用ペースト)には、金属粉末を強固に結合させると共に、電極を基板等から容易に剥離させないことも要求される。
上記の要求特性を満たすガラス粉末として、従来まで、PbO−B−SiO系ガラスが使用されてきた(特許文献1参照)。
近年、環境保護の観点から、環境負荷物質の削減、例えばPbOの削減が推進されており、PbO−B−SiO系ガラスに代わって、各種無鉛ガラスが提案されるに到っている。例えば、特許文献2には、Bi−ZnO−B系ガラスが記載されている。
特開昭58−64245号公報 特開2002−60064号公報
ところで、電極材料として、Agが主に使用されているが、近年の技術的進歩に伴って、電気回路の高密度化が要求されるようになっており、Agよりも導電性、耐湿信頼性、耐はんだ性に優れるCuを使用することが提案されている。
しかし、Cu電極を形成する工程では、Cu電極の酸化を防止するため、窒素等の非酸化性雰囲気で焼成される。よって、Cu電極を形成する場合、ガラス粉末(電極形成用ペースト)には、窒素等の非酸化性雰囲気で焼成可能であることが要求される。
しかしながら、特許文献2に記載のBi−ZnO−B系ガラスは、窒素等の非酸化性雰囲気での焼成で焼結し難く、更にCu電極と基板の接着強度を低下させ易い性質を有している。結果として、Bi−ZnO−B系ガラスを用いると、電極の抵抗値が上昇し易くなる。
そこで、本発明は上記事情に鑑み成されたものであり、その技術的課題は、PbOを含まなくても、窒素等の非酸化性雰囲気で適正に焼成可能なガラス組成物及び電極形成用ペーストを創案することである。
本発明者等は、種々の実験を行った結果、ガラス系として、特定のバナジウム系ガラスを採択することにより、上記技術的課題を解決し得ることを見出し、本発明として提案するものである。すなわち、本発明のバナジウム系ガラス組成物は、ガラス組成として、質量%で、V 4〜40%、ZnO 30〜60%、SiO 2〜20%、B 3〜30%を含有し、質量比(SiO+B)/Vが0.38以上であり、電極形成に用いることを特徴とする。ここで、「SiO+B」は、SiOとBの合量である。
本発明のガラス組成物は、ガラス組成としてVを4質量%以上、ZnOを30質量%以上含み、質量比(SiO+B)/Vが0.38以上である。これにより、窒素等の非酸化性雰囲気で焼成する場合に、所望の安定性(特に耐失透性)、流動性を確保することが可能になる。
第二に、本発明のバナジウム系ガラス組成物は、SrOの含有量が5質量%以下であり、且つBaOの含有量が5質量%以下であることが好ましい。
第三に、本発明のバナジウム系ガラス組成物は、実質的にPbOを含まないことが好ましい。ここで、「実質的にPbOを含まない」とは、不純物レベルでのPbOの混入を許容するものの、積極的な導入を回避する趣旨であり、具体的にはガラス組成中のPbOの含有量が0.1質量%未満の場合を指す。
第四に、本発明の電極形成用ペーストは、上記のバナジウム系ガラス組成物からなるガラス粉末と、金属粉末と、ビークルとを含むことが好ましい。
第五に、本発明の電極形成用ペーストは、ガラス粉末の軟化点が650℃以下であることが好ましい。ここで、「軟化点」は、マクロ型示差熱分析計(DTA)で測定した第四の変曲点の値を指す。
第六に、本発明の電極形成用ペーストは、ガラス粉末の含有量が0.2〜12質量%であることが好ましい。
第七に、本発明の電極形成用ペーストは、ガラス粉末の平均粒子径D50が5.0μm未満であることが好ましい。ここで、「平均粒子径D50」とは、レーザー回折装置で測定した値を指し、レーザー回折法により測定した際の体積基準の累積粒度分布曲線において、その積算量が粒子の小さい方から累積して50%である粒子径を表す。
第八に、本発明の電極形成用ペーストは、金属粉末がCu又はその合金であることが好ましい。
第九に、本発明の電極形成用ペーストは、実質的にフタル酸系化合物を含有しないことが好ましい。ここで、「実質的にフタル酸系化合物を含有しない」とは、電極形成用ペースト中のフタル酸系化合物の含有量が0.1質量%未満の場合を指す。
本発明のバナジウム系ガラス組成物は、ガラス組成として、質量%で、V 4〜40%、ZnO 30〜60%、SiO 2〜20%、B 3〜30%を含有し、質量比(SiO+B)/Vが0.38以上であり、電極形成に用いることを特徴とする。上記のように各成分の含有範囲を規制した理由を以下に説明する。なお、各成分の含有範囲の説明において、%表示は、質量%であることを意味する。
は、ガラスネットワークを形成する成分であると共に、窒素等の非酸化性雰囲気でガラスを軟化させ易くする成分である。Vの含有量は4〜40%であり、好ましくは5〜35%、6〜34%、8〜33%、10〜30%、特に12超〜28%である。Vの含有量が少なくなると、軟化点が不当に上昇して、650℃以下の温度で焼成し難くなる。一方、Vの含有量が多くなると、ガラス自体が熱的に不安定になり、焼成時にバナジウム系の失透(結晶析出)が生じ易くなる。結果として、金属粉末の結合性、電極と基板等の接着強度が低下し易くなる。
ZnOは、耐失透性を高める成分である。ZnOの含有量は30〜60%であり、好ましくは35〜55%、41超〜55%未満、42〜53%、43〜52%、44〜51%、特に45〜50%である。ZnOの含有量が少なくなると、ガラス自体が熱的に不安定になり、焼成(特に窒素等の非酸化性雰囲気での焼成)時に、バナジウム系の失透(結晶析出)が生じ易くなる。結果として、金属粉末の結合性、電極と基板等の接着強度が低下し易くなる。一方、ZnOの含有量が多くなると、耐水性が低下して、長期に亘って電極の機能を維持できない虞が生じる。
質量比ZnO/Vは、好ましくは0.5〜5.5未満、1〜5、1〜4.5、1.5〜4、特に2〜3.5である。このようにすれば、窒素等の非酸化性雰囲気で焼成する場合に、所望の安定性(特に耐失透性、Cu電極との低反応性)、流動性を確保し易くなる。
SiOは、ガラスネットワークを形成する成分であり、また耐候性を高める成分である。SiOの含有量は2〜20%であり、好ましくは3〜16%、4〜15%、5〜14%、6〜13%、7〜12%、特に8〜11%である。SiOの含有量が少なくなると、耐水性が低下して、長期に亘って電極の機能を維持できない虞が生じる。一方、SiOの含有量が多くなると、軟化点が不当に上昇して、650℃以下の温度で焼成し難くなる。
は、ガラスネットワークを形成し、ガラス化範囲を広げる成分である。Bの含有量は3〜30%であり、好ましくは4〜28%、5〜26%、6〜24%、7〜24%、特に8〜22%である。Bの含有量が少なくなると、ガラス自体が熱的に不安定になり、焼成時に、バナジウム系の失透(結晶析出)が生じ易くなる。結果として、金属粉末の結合性、電極と基板等の接着強度が低下し易くなる。一方、Bの含有量が多くなると、耐水性が低下して、長期に亘って電極の機能を維持できない虞が生じる。
質量比(SiO+B)/Vは0.38以上であり、好ましくは0.40以上、0.50以上、0.60以上、特に0.70〜5.0である。質量比(SiO+B)/Vが過少になると、焼成(特に窒素等の非酸化性雰囲気での焼成)時に、バナジウム系の失透(結晶析出)が生じ易くなる。結果として、金属粉末の結合性、電極と基板等の接着強度が低下し易くなる。
上記成分以外にも、以下の成分を導入してもよい。
CaOは、焼成(特に窒素等の非酸化性雰囲気での焼成)時に、Cu粉末との反応を抑制して、発泡による導電性の低下を抑制すると共に、ガラスを安定化させる成分である。CaOの含有量は、好ましくは0〜20%、1〜17%、3〜16%、5〜15%、7〜14%、特に10超〜13%である。CaOの含有量が多くなると、軟化点が不当に上昇して、650℃以下の温度で焼成し難くなる。なお、CaOの含有量が少なくなると、焼成時にガラスがCu粉末と不当に反応して、発泡が生じ易くなる。
+CaOの含有量(VとCaOの合量)は、好ましくは20%超、21%以上、22%以上、23%以上、特に24〜50%である。V+CaOの含有量が少なくなると、窒素等の非酸化性雰囲気で焼成した場合に、所望の流動性を確保し難くなり、また焼成時にガラスがCu粉末と不当に反応して、発泡が生じ易くなる。
ZnO+CaOの含有量(ZnOとCaOの合量)は、好ましくは65%未満、64%以下、63%以下、62%以下、特に52〜61%である。ZnO+CaOの含有量が過大になると、耐水性が低下して、長期に亘って電極の機能を維持できない虞が生じる。
SrOは、ガラスを安定化させる成分である。SrOの含有量は、好ましくは0〜15%、0〜10%、0〜5%、特に0〜1%である。SrOの含有量が多くなると、軟化点が不当に上昇して、650℃以下の温度で焼成し難くなる。
BaOは、ガラスを安定化させる成分である。BaOの含有量は、好ましくは0〜15%、0〜10%、0〜5%、特に0〜1%である。BaOの含有量が多くなると、熱膨張係数が不当に上昇して、電極と基板の接着信頼性が低下し易くなる。
CaO+SrO+BaO(CaO、SrO及びBaOの合量)の含有量が少なくなると、軟化点が不当に上昇して、650℃以下の温度で焼成し難くなる。一方、CaO+SrO+BaOの含有量が多くなると、ガラス自体が熱的に不安定になり、焼成時に、バナジウム系の失透(結晶析出)が生じ易くなる。よって、CaO+SrO+BaOの含有量は、好ましくは0〜25%、0〜20%、1〜18%未満、3〜16%、5〜15%、7〜14%、特に10超〜13%である。
Alは、耐候性を高める成分である。Alの含有量は、好ましくは0〜10%、0〜6%、特に0〜1%である。Alの含有量が多くなると、軟化点が不当に上昇して、650℃以下の温度で焼成し難くなる。
軟化点を低下させるために、LiO、NaO、KO、CsO、RbO等を合量又は単独で5%まで、3%まで、特に1%まで導入してもよい。アルカリ成分が少ないバナジウム系ガラスは、一般的に、窒素等の非酸化性雰囲気で焼成し難いが、本発明では、上記のように各成分の含有量が規制されているため、アルカリ成分が少ない場合でも、非酸化性雰囲気で適正に焼成することができる。
耐失透性、耐水性、耐酸性を高めるために、Y、La、Ta、SnO、TiO、Nb、P、CuO、CeO等を合量又は単独で10%まで、3%まで、特に1%まで導入してもよい。
PbOは、軟化点を低下させる成分であるが、環境負荷物質であるため、実質的な導入を回避することが好ましい。また、Biは、軟化点を低下させる成分であるが、環境負荷物質であるため、その含有量を3%以下、特に1%以下に規制することが好ましい。
本発明の電極形成用ペーストは、上記のバナジウム系ガラス組成物からなるガラス粉末と、金属粉末と、ビークルとを含むことを特徴とする。ガラス粉末は、金属粉末を結合させると共に、電極と基板を接着させる成分である。金属粉末は、電極を形成する主要成分であり、導電性を確保するための成分である。ビークルは、ペースト化するための成分であり、印刷に適した粘度を付与するための成分である。
電極形成用ペーストは、ガラス粉末と、金属粉末と、ビークルとを所定の割合で混合、混練することにより作製することができる。
本発明の電極形成用ペーストにおいて、ガラス粉末の含有量は、好ましくは0.2〜12質量%、0.5〜8質量%、1〜6質量%、特に1.5〜4質量%である。ガラス粉末の含有量が少なくなると、金属粉末の結合性、電極と基板等の接着強度が低下し易くなる。一方、ガラス粉末の含有量が多くなると、電極の導電性が低下し易くなる。また、ガラス粉末と金属粉末の含有比は、上記と同様の理由により、質量比で0.3:99.7〜13:87、1.5:98.5〜7.5:92.5、特に2:98〜5:95が好ましい。
ガラス粉末の平均粒子径D50は、好ましくは5.0μm未満、4μm以下、3μm以下、2μm以下、特に1.5μm以下である。ガラス粉末の平均粒子径D50が過大になると、ガラス粉末の軟化点が上昇して、電極の形成に必要な温度域が上昇する。更に微細な電極パターンを形成し難くなる。一方、ガラス粉末の平均粒子径D50の下限は特に限定されないが、ガラス粉末の平均粒子径D50が小さ過ぎると、ガラス粉末のハンドリング性が低下して、ガラス粉末の材料収率が低下し易くなり、またガラス粉末が凝集し易くなる。このような状況を考慮すると、ガラス粉末の平均粒子径D50は0.1μm以上、特に0.5μm以上が好ましい。なお、(1)ガラスフィルムをボールミルで粉砕した後、得られたガラス粉末を空気分級、或いは(2)ガラスフィルムをボールミル等で粗粉砕した後、ビーズミル等で湿式粉砕すれば、上記平均粒子径D50を有するガラス粉末を得ることができる。
ガラス粉末の最大粒子径Dmaxは、好ましくは25μm以下、20μm以下、15μm以下、特に10μm以下である。ガラス粉末の最大粒子径Dmaxが過大になると、微細な電極パターンを形成し難くなる。ここで、「最大粒子径Dmax」は、レーザー回折法により測定した際の体積基準の累積粒度分布曲線において、その積算量が粒子の小さい方から累積して99%である粒子径を表す。
ガラス粉末の軟化点は、好ましくは650℃以下、630℃以下、610℃以下、特に590℃以下である。軟化点が高過ぎると、電極形成用ペーストの焼成温度を上昇しなければならず、その場合、電極等の特性が劣化し易くなる。
ガラス粉末の熱膨張係数は、好ましくは55〜80×10−7/℃、特に60〜75×10−7/℃である。このようにすれば、ソーダライムガラス基板やアルミナ基板上に電極を形成した後に、基板の反りや電極の剥離を防止し易くなる。ここで、「熱膨張係数」は、熱機械分析装置(TMA)により30〜300℃の温度範囲で測定した値である。
金属粉末として、種々の金属粉末が使用可能であるが、その中でもCu及びその合金が好ましい。本発明に係るガラス粉末は、ガラス組成が上記範囲に規制されているため、窒素等の非酸化性雰囲気で良好に焼成可能であり、また焼成時にCu粉末と不当に反応せず、発泡が生じ難い性質を有している。
金属粉末の平均粒子径D50は5μm以下、2μm以下、特に1μm以下が好ましい。このようにすれば、微細な電極パターンを形成し易くなる。
本発明の電極形成用ペーストにおいて、金属粉末の含有量は、好ましくは50〜94.8質量%、65〜94質量%、特に70〜92質量%である。金属粉末の含有量が少なくなると、電極の導電性が低下し易くなる。一方、金属粉末の含有量が多くなると、ガラス粉末の含有量が相対的に低下するため、金属粉末の結合性、電極と基板等の接着強度が低下し易くなる。
本発明の電極形成用ペーストにおいて、ビークルの含有量は、好ましくは5〜40質量%、特に10〜25質量%である。ビークルの含有量が少なくなると、ペースト化が困難になり、印刷法で電極を形成し難くなる。一方、ビークルの含有量が多くなると、焼成前後で膜厚や膜幅が変動し易くなり、結果として、所望の電極パターンを形成し難くなる。
ビークルは、通常、熱可塑性樹脂、可塑剤、溶剤等で構成される。
熱可塑性樹脂は、乾燥後の膜強度を高める成分であり、また柔軟性を付与する成分である。電極形成用ペースト中の熱可塑性樹脂の含有量は0.1〜20質量%が好ましい。熱可塑性樹脂として、ポリブチルメタアクリレート、ポリビニルブチラール、ポリメチルメタアクリレート、ポリエチルメタアクリレート、エチルセルロース等が好ましく、これらの内、一種又は二種以上を用いることが好ましい。
可塑剤は、乾燥速度をコントロールすると共に、乾燥膜に柔軟性を与える成分である。電極形成用ペースト中の可塑剤の含有量は、好ましくは0〜10質量%、特に0.1〜10質量%である。可塑剤として、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジイソオクチル、フタル酸ジカプリル、フタル酸ジブチル等のフタル酸系化合物を実質的に含まないことが好ましい。このようにすれば、環境負荷を軽減することができる。環境的観点から、可塑剤として、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジブトキシエチル等のアジピン酸系化合物、セバシン酸ジブチルやセバシン酸ジ2エチルヘキシル等のセバシン酸化合物、アセチレンクエン酸トリブチル等のクエン酸系化合物等が好ましく、これらの内、一種又は二種以上を用いることが好ましい。
溶剤は、熱可塑性樹脂を溶解させるための成分である。電極形成用ペースト中の溶剤の含有量は10〜30質量%が好ましい。溶剤として、ターピネオール、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタジオールモノイソブチレート等が好ましく、これらの内、一種又は二種以上を用いることが好ましい。
電極を形成するには、電極形成用ペーストをスクリーン印刷法等により基板上に塗布し、所定の膜厚の塗布層を形成した後、乾燥させて、乾燥膜を得る。その後、乾燥膜を500〜650℃の温度で5〜20分間焼成することにより、所定の焼成膜(電極)を形成することができる。特に、Cu電極を形成する際は、窒素等の非酸化性雰囲気で焼成を行う。なお、焼成温度が低過ぎたり、焼成時間(保持時間)が短過ぎると、乾燥膜が十分に焼結せず、緻密な焼成膜を形成し難くなる。一方、焼成温度が高過ぎたり、保持時間が長過ぎると、電極等の特性が劣化し易くなる。
本発明のバナジウム系ガラス組成物及び電極形成用ペーストは、窒素等の非酸化性雰囲気での焼成に供することが好ましい。また、本発明のバナジウム系ガラス組成物及び電極形成用ペーストは、Cu電極の形成に用いることが好ましい。
以下、実施例に基づいて、本発明を詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施例に何ら限定されない。以下の実施例は単なる例示である。
表1は、本発明の実施例(試料No.1〜6)を示しており、表2は、本発明の比較例(試料No.7、8)を示している。
次のようにして、各試料を調製した。まず表中に示すガラス組成になるように、原料を調合して、均一に混合した。次いで、白金ルツボに入れて1200〜1350℃で1時間溶融した後、フィルム状に成形し、ボールミルにて粉砕した後、気流分級して平均粒径D502.0μm以下、最大粒径Dmax10μm以下のガラス粉末を得た。得られたガラス粉末を用いて、軟化点及び熱膨張係数を評価した。
軟化点は、マクロ型示差熱分析計(DTA)で測定した第四の変曲点の値とした。なお、測定に際し、昇温速度を10℃/分、測定雰囲気を大気とした。
熱膨張係数は、熱機械分析装置(TMA)により30〜300℃の温度範囲で測定した値である。なお、測定試料は、各ガラス粉末を加圧形成し、(軟化点+10)℃の温度で焼成した後、直径5mm、長さ20mmに加工したものである。
次に、上記ガラス粉末とCu粉末とビークル(ポリメチルメタアクリレートを10質量%含むターピネオール)を混合し、3本ロールミルにて混練して、電極形成用ペーストを得た。ここで、ガラス粉末とCu粉末の混合比は、質量比で4:96であり、電極形成用ペースト中のビークルの含有量は20質量%である。次に、電極形成用ペーストをアルミナ基板上にスクリーン印刷法で塗布した後、塗布膜を乾燥し、電気炉で(軟化点+10)℃の温度で窒素雰囲気にて10分間焼成して、約10μmの焼成膜(Cu電極)を形成した。最後に、得られた焼成膜の表面について、結晶析出の有無を評価した。具体的には、結晶析出が認められなかったものを「○」、結晶析出が認められたものを「×」として、評価した。
表から明らかなように、試料No.1〜6では、窒素雰囲気で焼成した後も焼成膜の表面に結晶析出が認められなかった。一方、試料No.7、8では、窒素雰囲気で焼成した後に、焼成膜の表面に結晶析出が認められた。

Claims (9)

  1. ガラス組成として、質量%で、V 4〜40%、ZnO 30〜60%、SiO 2〜20%、B 3〜30%を含有し、質量比(SiO+B)/Vが0.38以上であり、電極形成に用いることを特徴とするバナジウム系ガラス組成物。
  2. SrOの含有量が5質量%以下であり、且つBaOの含有量が5質量%以下であることを特徴とする請求項1に記載のバナジウム系ガラス組成物。
  3. 実質的にPbOを含まないことを特徴とする請求項1又は2に記載のバナジウム系ガラス組成物。
  4. 請求項1〜3の何れかに記載のバナジウム系ガラス組成物からなるガラス粉末と、金属粉末と、ビークルとを含むことを特徴とする電極形成用ペースト。
  5. ガラス粉末の軟化点が650℃以下であることを特徴とする請求項4に記載の電極形成用ペースト。
  6. ガラス粉末の含有量が0.2〜12質量%であることを特徴とする請求項4又は5の何れかに記載の電極形成用ペースト。
  7. ガラス粉末の平均粒子径D50が5.0μm未満であることを特徴とする請求項4〜6の何れかにに記載の電極形成用ペースト。
  8. 金属粉末がCu又はその合金であることを特徴とする請求項4〜7の何れかにに記載の電極形成用ペースト。
  9. ビークルが実質的にフタル酸系化合物を含まないことを特徴とする請求項4〜8の何れかに記載の電極形成用ペースト。
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