JP2016032134A - 無線通信装置、無線通信装置用処理モジュール - Google Patents

無線通信装置、無線通信装置用処理モジュール Download PDF

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Abstract

【課題】上位階層が、適切なタイミングで送信データを下位階層に渡すことができるようにする。
【解決手段】無線通信装置2は、送信タイミングを制御する下位階層の処理を行う第1処理部40と、前記下位階層へ送信データを渡す上位階層の処理を行う第2処理部30と、を備える。前記第1処理部40は、前記第2処理部30が前記第1処理部40へ送信データを渡すためのタイミングを示すタイミング通知T1,T2,T3,T4を、前記第2処理部40へ与えるよう構成されている。前記タイミング通知T1,T2,T3,T4は、前記タイミング通知に応じて前記第1処理部40へ渡されるべき前記送信データのカテゴリを前記第2処理部30が識別するために用いられる付加情報を含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、無線通信装置及び無線通信装置用処理モジュールに関するものである。
近年、路車間通信、車車間通信による高度道路交通システム(ITS)が検討されている。路車間通信とは、路側通信機(基地局)と車載通信機(移動局)との間の通信であり、車車間通信とは、車載通信機(移動局)間の通信である(特許文献1参照)。
このような高度道路交通システムのための通信方式については、標準規格及びガイドラインが制定されている(非特許文献1,2参照)。
また、最近では、路車間通信及び車車間通信だけでなく、路側通信機同士が無線により通信を行う「路路間通信」についても検討され(例えば、特許文献2参照)、実験用のガイドラインも制定されている(非特許文献3参照)。
非特許文献1では、基地局又は移動局(無線装置)の通信機能を、レイヤ1、レイヤ2、車車間・路車間共用通信制御情報(IRC−RVC)層及びレイヤ7の4層構造で規定している。非特許文献2では、レイヤ7の上位階層として拡張層を規定している。
非特許文献1〜3では、レイヤ7又は拡張層の上位層となるアプリケーション(安全運転支援アプリケーション)に言及されている。レイヤ7又は拡張層は、アプリケーションとの間でアプリケーションデータの受け渡しを行う。
ただし、非特許文献1〜3において、アプリケーションの詳細は規定されていない。
特許第5384767号公報 特開2014−78119号公報
一般社団法人電波産業会、"700MHz帯高度道路交通システム ARIB−STD T109 1.2版",[online]、インターネット<http://www.arib.or.jp/tyosakenkyu/kikaku_tushin/tsushin_kikaku_number.html> ITS情報通信システム推進会議、"700MHz帯高度道路交通システム拡張機能ガイドライン ITS FORUM RC−010 1.0版",[online]、インターネット<http://www.itsforum.gr.jp/> "700MHz帯高度道路交通システム 実験用路路間通信ガイドライン ITS FORUM RC−012 1.0版",[online]、インターネット<http://www.itsforum.gr.jp/Public/J7Database/p47/ITS_FORUM_RC-012_v10.pdf>
非特許文献1〜3において、データの送信タイミングは、MAC副層によって制御される。MAC副層は、通信制御用のタイマを管理し、そのタイマの値に基づいて、予め設定された送信期間において、データが送信されるように、送信タイミングを決定する。
送信タイミングを決定するMAC副層(下位階層)にとっては、送信タイミングは自明であるものの、MAC副層よりも上位階層にとっては、送信タイミングは自明ではない。
MAC副層には、上位階層(例えば、アプリケーション、レイヤ7、又は拡張層)から、送信タイミングに応じた適切なタイミングで送信データが渡される必要がある。しかし、送信タイミングを知らない上位階層は、適切なタイミングで送信データを下位階層であるMAC副層に渡すことができない。
そこで、送信タイミングを知っている下位階層が、送信タイミングを知らない上位階層に対して、送信データを下位階層に渡すべきタイミングを通知することが考えられる。
ただし、上位階層は、単に、下位階層からタイミングの通知を受けるだけでは、適切なタイミングで送信データを下位階層に渡すことができない場合も生じる。例えば、送信データに複数のカテゴリがあり、送信データのカテゴリ毎に、送信可能なタイミングが異なる場合を考える。
この場合、上位階層は、下位階層から受けた通知がどのカテゴリの送信データについてのタイミングを示すのかが、わからなければ、送信データを不適切なタイミングで下位階層に渡すおそれがある。
そこで、本発明は、上位階層が、適切なタイミングで送信データを下位階層に渡すことができるようにすることを目的とする。
ある観点からみた無線通信装置は、送信タイミングを制御する下位階層の処理を行う第1処理部と、前記下位階層へ送信データを渡す上位階層の処理を行う第2処理部と、を備えている。前記第1処理部は、前記第2処理部が前記第1処理部へ送信データを渡すためのタイミングを示すタイミング通知を、前記第2処理部へ与えるよう構成されている。前記タイミング通知は、前記タイミング通知に応じて前記第1処理部へ渡されるべき前記送信データのカテゴリを前記第2処理部が識別するために用いられる付加情報を含むことができる。
ある観点からみた処理モジュールは、送信タイミングを制御する送信タイミング制御部と、タイミング通知部と、を備えている。前記タイミング通知部は、前記処理モジュールにおける処理よりも上位階層の処理を行う他のモジュールが前記処理モジュールへ送信データを渡すためのタイミングを示すタイミング通知を、前記他のモジュールへ与えるよう構成されている。前記タイミング通知は、前記タイミング通知に応じて前記処理モジュールへ渡されるべき前記送信データのカテゴリを前記他のモジュールが識別するために用いられる付加情報を含むことができる。
他の観点からみた処理モジュールは、前記処理モジュールにおける処理よりも下位階層の処理を行う他のモジュールへ送信データを渡すことで、前記他のモジュールに対して前記送信データの送信要求を行う送信要求部と、タイミング受領部と、識別部と、を備える。前記タイミング受領部は、前記処理モジュールが前記他のモジュールへ送信データを渡すためのタイミングを示すタイミング通知を、前記他のモジュールから受け取るよう構成されている。前記タイミング通知は、前記タイミング通知に応じて前記他のモジュールへ渡されるべき前記送信データのカテゴリを前記識別部が識別するために用いられる付加情報を含む。前記識別部は、前記タイミング通知に応じて前記他のモジュールへ渡されるべき前記送信データのカテゴリを、前記付加情報に基づいて識別することができる。
本発明によれば、上位階層が、適切なタイミングで送信データを下位階層に渡すことができる。
高度道路交通システム(ITS)の全体構成を示す概略斜視図である。 無線通信装置(路側通信機)の構成図である。 (a)は無線フレーム(スーパーフレーム)を示す図であり、(b)は路側通信機の無線フレーム中の送信期間と送信禁止期間を示す図である。 無線通信機のプロトコルスタックを示す図である。 (a)は第1基地局のIVC−RVC層のMIBに設定された情報(送信期間設定情報)を示し、(b)は第2基地局のIVC−RVC層のMIBに設定された情報(送信期間設定情報)を示し、(c)は送信カテゴリラベルの説明図である。 第1基地局及び第2基地局の路路間通信データの送信タイミングを示す図である。 制御部及び無線部の機能ブロック図である。 タイミング通知の説明図である。 タイミング通知の説明図である。
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しながら説明する。
[1.実施形態の概要]
(1)実施形態に係る無線通信装置は、送信タイミングを制御する下位階層の処理を行う第1処理部と、前記下位階層へ送信データを渡す上位階層の処理を行う第2処理部と、を備え、前記第1処理部は、前記第2処理部が前記第1処理部へ送信データを渡すためのタイミングを示すタイミング通知を、前記第2処理部へ与えるよう構成され、前記タイミング通知は、前記タイミング通知に応じて前記第1処理部へ渡されるべき前記送信データのカテゴリを前記第2処理部が識別するために用いられる付加情報を含む。
下位階層の処理を行う第1処理部から、上位階層の処理を行う第2処理部へタイミング通知を与えることで、上位階層は下位階層へ送信データを渡すタイミングを把握することができる。
しかも、上位階層は、タイミング通知が含む付加情報によって、タイミング通知に応じて渡すべき送信データのカテゴリを識別することができる。
(2)前記無線通信装置は、前記無線通信装置による送信期間が設定された制御周期が繰り返される通信方式に準拠しており、前記第1処理部は、前記付加情報によって識別されるカテゴリの送信データを送信するための送信期間が生じる制御周期である対象制御周期の開始よりも所定時間前に、前記タイミング通知を前記第2処理部へ与え、前記所定時間は、前記タイミング通知を受け取った前記第2処理部が前記第1処理部へ送信データを前記対象制御周期の開始前に渡すための所要時間が確保された時間であるのが好ましい。
この場合、第2処理部は、対象制御周期の開始前に送信データを受け取ることができる。
(3)前記付加情報は、前記タイミング通知に応じて前記第1処理部へ渡されるべき前記送信データのカテゴリを示す送信カテゴリ情報であるのが好ましい。この場合、付加情報に基づいて直接的に送信カテゴリを把握することができる。
(4)前記無線通信装置は、少なくともITS FORUM RC−012(700MHz帯高度道路交通システム 実験用路路間通信ガイドライン ITS FORUM RC−012 1.0版(策定日:平成26年3月31日))に準拠しており、前記第1処理部は、前記ITS FORUM RC−012に規定する送信カテゴリ毎送信周期設定用N秒周期タイマを管理する機能を有し、前記第2処理部は、前記送信カテゴリ毎送信周期設定用N秒周期タイマを管理する機能を有していないものとすることができる。
ITS FORUM RC−012に規定する送信カテゴリ毎送信周期設定用N秒周期タイマの場合、Nの値は任意に設定されるため、タイマによって決定される送信タイミングを第2処理部が把握するのが一層困難になるが、前述のように第2処理部が第1処理部からタイミング通知を受ける場合、Nの値にかかわらず、第2処理部は適切なタイミングでデータを第1処理部に渡すことができる。
(5)実施形態に係る処理モジュールは、送信タイミングを制御する送信タイミング制御部と、タイミング通知部と、を備え、前記タイミング通知部は、前記処理モジュールにおける処理よりも上位階層の処理を行う他のモジュールが前記処理モジュールへ送信データを渡すためのタイミングを示すタイミング通知を、前記他のモジュールへ与えるよう構成され、前記タイミング通知は、前記タイミング通知に応じて前記処理モジュールへ渡されるべき前記送信データのカテゴリを前記他のモジュールが識別するために用いられる付加情報を含む。
(6)実施形態に係る処理モジュールは、前記処理モジュールにおける処理よりも下位階層の処理を行う他のモジュールへ送信データを渡すことで、前記他のモジュールに対して前記送信データの送信要求を行う送信要求部と、タイミング受領部と、識別部と、を備え、前記タイミング受領部は、前記処理モジュールが前記他のモジュールへ送信データを渡すためのタイミングを示すタイミング通知を、前記他のモジュールから受け取るよう構成され、前記タイミング通知は、前記タイミング通知に応じて前記他のモジュールへ渡されるべき前記送信データのカテゴリを前記識別部が識別するために用いられる付加情報を含み、前記識別部は、前記タイミング通知に応じて前記他のモジュールへ渡されるべき前記送信データのカテゴリを、前記付加情報に基づいて識別する。
[2.実施形態の詳細]
[2.1 通信システム]
図1は、高度道路交通システム(ITS)の全体構成を示す概略斜視図である。なお、本実施形態では、道路構造の一例として、南北方向と東西方向の複数の道路が互いに交差した碁盤目構造を想定している。
高度道路交通システムのための通信システムは、無線通信装置として、路側通信機(基地局)2及び車載通信機(移動局;移動通信機)を含む。移動局としては、車載通信機に限られず、例えば、歩行者が所持する歩行者用通信機であってもよい。
高度道路交通システムは、路側通信機(基地局)2及び車載通信機(移動局;移動通信機)のほか、交通信号機1、中央装置4、及び、車両感知器や監視カメラ等よりなる路側センサ6を含む。
なお、本実施形態において特に説明しない点については、非特許文献1〜3に記載の通信方式に準拠する。
交通信号機1と路側通信機2(2A,2B)は、複数の交差点A1〜A5,B1〜B5、C1〜C5,D1〜D5,E1〜E5のそれぞれに設置されている。複数の路側通信機2のうちの一部の路側通信機2Aは、電話回線等の有線通信回線7を介してルータ8に接続されている。このルータ8は交通管制センター内の中央装置4に接続されている。複数の路側通信機2には、ルータ8に接続されていない路側通信機2Bも含まれている。
中央装置4は、自身が管轄するエリアの交通信号機1及び路側通信機2とLAN(Local Area Network)を構成している。なお、中央装置4は、交通管制センターではなく道路上に設置してもよい。
中央装置4に有線通信回線7で接続されている路側通信機2A(オンライン路側通信機)は、中央装置4の管轄するエリアに含まれる全ての路側通信機のうちの一部であり、中央装置4に対して有線通信回線7で接続されていない路側通信機2B(スタンドアローン路側通信機)も存在する。
図1では、交差点A1〜A5に設置された路側通信機2Aが、オンライン路側通信機であり、他の交差点B1〜B5,C1〜C5,D1〜D5及びE1〜E5に設置された路側通信機2Bが、スタンドアローン路側通信機である。このように、全ての路側通信機をオンライン路側通信機としないことで、有線通信回線7の設置・維持コストを低減できる。
なお、以下では、オンライン路側通信機2Aと、スタンドアローン路側通信機2Bと、を区別せず、両者を単に「路側通信機2」というものとする。
路側センサ6は、各交差点に流入する車両台数をカウントする等の目的で、管轄エリア内の道路の各所に設置されている。この路側センサ6は、直下を通行する車両5を超音波感知する車両感知器、或いは、道路の交通状況を時系列に撮影する監視カメラ等よりなり、感知情報や画像データは通信回線7を介して中央装置4に送信される。
なお、図1では、図示を簡略化するために、各交差点に信号灯器が1つだけ描写されているが、実際の各交差点には、互いに交差する道路の上り下り用として少なくとも4つの信号灯器が設置されている。
複数の交差点それぞれに設置された複数の路側通信機(基地局)2は、その周囲を走行する車両の車載通信機(移動局)との間で無線通信(路車間通信)が可能である。
また、各路側通信機2は、自己の送信波が到達する所定範囲内に位置する他の路側通信機2との間でも無線通信(路路間通信)が可能である。
同様に、車載通信機は、路側通信機2との間で無線通信を行うとともに、キャリアセンス方式でその周辺を走行する他の車載通信機との間で無線通信(車車間通信)が可能である。
無線通信装置である路側通信機(基地局)2は、図2に示すように、無線通信部20を備えている。無線通信部20は、制御部30と、無線部40と、を備えている。
制御部(第2処理部)30は、後述する各階層のうち上位階層の処理を行い、無線部(第1処理部)は、下位階層の処理を行う。
無線通信部20は、その機能の一部又は全部が、ハードウェア回路によって構成されていてもよいし、その機能の一部又は全部(アナログ機能を除く)が、コンピュータプログラムによって実現されていてもよい。無線通信部20の機能をコンピュータプログラムによって実現させる場合、無線通信部20は、コンピュータを含み、コンピュータによって実行されるコンピュータプログラムは、無線通信部20が有する記憶部に記憶される。
なお、車載通信機も図2と同様の構成及び機能を有する。
[2.2 無線フレーム]
図3(a)は、図1の通信システムにおいて用いられる無線フレーム(スーパーフレーム)を示している。この無線フレームは、その時間軸方向の長さ(フレーム長)が100msに設定されている。つまり、1秒間に10フレームが発生する。一つの無線フレームの時間長は、非特許文献1〜3に規定する通信方式における制御周期に相当する。この通信方式においては、100msの制御周期(無線フレーム)が繰り返される。
一つの無線フレーム(100ms)は、複数の路側機送信期間(基地局送信期間)SL1と、複数の車載機送信期間(移動局送信期間)SL2と、を含んで構成されている。
路側機送信期間SL1は、路側通信機(基地局)2に割り当てられる送信用のタイムスロット(基地局送信期間)であり、この時間帯SL1においては、路側通信機2による無線送信が許容される。路側機送信期間SL1は、一つの無線フレーム(制御周期:100ms)内に最大16個まで設定可能である。
車載機送信期間SL2は、車載通信機用のタイムスロット(移動局送信期間)であり、この時間帯SL2は車載通信機によるCSMA方式による無線送信時間として開放するため、路側通信機2は車載機送信期間SL2では無線送信を行わない。
無線フレームに含まれている路側機送信期間SL1と、車載機送信期間SL2とは、時間軸方向に交互に配置されている。
路側機送信期間SL1には、それぞれスロット番号n(=1〜16)が付されている。
それぞれの路側通信機2には、無線フレームに含まれる複数の路側機送信期間SL1のうちの、一つ又は複数の路側機送信期間SL1が送信期間として設定され、その他の路側機送信期間SL1は送信が禁止される。すなわち、路側通信機2にとっては、車載機送信期間SL2及び自機2に割り当てられていない路側機送信期間SL1は、送信禁止期間となる。
図3(b)では、路側通信機2にn=4,5,6の3つの路側機送信期間SL1が送信期間として割り当てられている場合の送信禁止期間を示している。路側通信機2は、送信禁止期間以外の期間(設定された送信期間)でデータ送信を行う。図3(b)に示す送信期間は、制御周期毎(100ms毎)に繰り返し発生する。つまり、路側通信機2は、100ms毎に周期的に割り当てられる送信期間において、通信パケットを送信することができる。
なお、複数の路側通信機2は、それぞれGPS信号などに基づいて、時刻同期が図られており、複数の路側通信機2それぞれの無線フレーム(制御周期)も同期がとれたものとなっている。
一つの無線フレーム(制御周期)内において、一つの路側通信機2に割り当てられる送信期間の数は任意である。また、一つの送信期間の期間長は、路車通信期間SL1の期間長と等しくてもよいし、路側機送信期間SL1よりも短くてもよい。また、一つの路側機送信期間SL1内に複数の送信期間が設定されてもよい。
[2.3 プロトコルスタック]
図4は、非特許文献1の標準規格に示す通信プロトコルスタックに、非特許文献2のガイドラインに示す拡張層(Extended Layer)ELを加えたものを示している。
非特許文献1に規定されるプロトコルスタックは、レイヤ1(L1,物理層:Physical Layer)、レイヤ2(L2,データリンク層:Data Link Layer)、車車間・路車間共用通信制御情報層(IVC−RVC層:Inter-Vehicle Communication - Road to Vehicle Communication Control Layer)及びレイヤ7(L7,アプリケーション層:Application Layer)の4層構造である。各階層は、システム管理のための情報を有するシステム管理にアクセスすることができる。
レイヤ1は、IEEE802.11において規定される物理層に準拠して動作する。
レイヤ2は、MAC副層(Medium Access Control sublayer)と、LLC副層(Logical Link Control sublayer)と、から構成される。なお、MAC副層を、単に、MAC層(Medium Access Control layer)ともいい、LLC副層(Logical Link Control sublayer)を、単に、LLC層(Logical Link Control layer)ともいう。
MAC層は、無線チャネルの通信管理として、フレーム制御及び同報通信(ブロードキャスト)を行う。路側通信機2のMAC層は、自機2に割り当てられた送信期間において、通信パケットを送信するため、送信タイミングを制御する処理を行う。
LLC層は、上位層のエンティティ間でパケット伝送を行うために、確認なしコネクションレス型通信のサービスを提供する。
車車間・路車間共用通信制御情報層(IVC−RVC層)は、車車間・路車間共用通信制御に必要な情報の生成と管理を行う。非特許文献1では、路路間通信は規定されていないが、車車間・路車間共用通信制御情報層(IVC−RVC層)は、路路間通信も管理する。車車間・路車間共用通信制御情報層(IVC−RVC層)は、路側通信機2に割り当てられる送信期間が設定される管理情報ベース(MIB)41を有している。
MAC層は、管理情報ベース(MIB)41に設定された送信期間を参照して、送信タイミングを決定する。
レイヤ7は、アプリケーションAPに対して通信制御手段を提供するためのものである。アプリケーションAPは、送信される通信パケットに格納されるアプリケーションデータ(交通情報、車両情報など)をレイヤ7に与えるとともに、受信した通信パケットに格納されていたアプリケーションデータをレイヤ7から取得する。
非特許文献2に規定される拡張層ELは、レイヤ7の上位層として存在し、アプリケーションAPとレイヤ7との間の通信機能を拡張するためのものである。
拡張層ELは、アプリケーションAPに対してデータ伝送サービスを提供する。アプリケーションAPは、送信される通信パケットに格納されるアプリケーションデータ(交通情報、車両情報など)を含む送信要求(EL-BaseStationBroadcastData要求又はEL-MobileStationBroadcastData要求)を拡張層ELに与える。データ伝送サービス提供のため、拡張層ELは、レイヤ7以下の下位階層に対してデータ伝送要求(BaseStationBroadcast要求又はMobileStationBroadcastData要求)を出す。
また、拡張層ELは、アプリケーションAPから与えられたアプリケーションデータを分割し、分割データをレイヤ7に与えることができる。また、レイヤ7から受け取った分割データを結合させてアプリケーションAPに与えることができる。
なお、拡張層ELは、レイヤ7とともに、セキュリティ管理SECにアクセスすることができる。
図4に示す拡張層EL、レイヤ7、IVC−RVC層、レイヤ2、レイヤ1、アプリケーションAP、セキュリティ管理SEC、及びシステム管理に相当する機能は、路側通信機2の無線通信部20及び車載通信機の無線通信部それぞれによって実行される。
以下では、制御部(第2処理部)30は、図4のアプリケーションAPに相当する機能を有し、無線部(第1処理部)40は、図4のアプリケーションAPよりも下位の階層の機能(拡張層EL、レイヤ7、IVC−RVC層、レイヤ2、及びレイヤ1に相当する機能を有する。無線部(第1処理部)40は、セキュリティ管理SEC及びシステム管理の機能をも有する。
本実施形態のアプリケーションAPは、複数のアプリケーションAP1,AP2を有している。図4では、複数のアプリケーションとして、第1アプリケーションAP1と第2アプリケーションAP2とを示した。
例えば、第1アプリケーションAP1は、路車間通信データを提供するためのアプリケーションであり、第2アプリケーションAP2は、路路間通信データを提供するためのアプリケーションである。
[2.4 送信カテゴリ毎期間指定送信機能及び送信カテゴリ毎送信周期設定機能]
図5及び図6は、非特許文献3に規定する送信カテゴリ毎期間指定送信機能及び送信カテゴリ毎送信周期設定機能を示している。
ここで、送信カテゴリとは、送信データのカテゴリであり、例えば、送信データ(アプリケーションデータ)が路車間通信データであるか、路路間通信データであるかを示す。送信カテゴリは送信データのカテゴリ毎に送信期間を指定するための識別子として用いられる。
送信カテゴリ毎期間指定送信機能とは、送信データを、各送信データのカテゴリ毎に指定する送信期間に送信する機能である。送信カテゴリ毎期間指定送信機能より、路側通信機2に割り当てられた路側機送信期間SL1(基地局送信期間)のうち、どの送信期間SL1を路車間通信データの送信に用い、どの送信期間SL1を路路間通信データの送信に用いるかを指定することができる。
図5(a)(b)は、二つの路側通信機(第1基地局及び第2基地局)それぞれのIVC−RVC層のMIB41に設定された情報を示している。
ここでは、第1基地局には、一の制御周期中の16個の基地局送信期間SL1(n=1〜16)のうち、n=4,5,10の基地局送信期間SL1が割り当てられ、第2基地局には、n=6,7,10の基地局送信期間SL1が割り当てられているものとする。
図5(a)に示すように、第1基地局に割り当てられたn=4,5,10送信期間SL1のうち、n=4,5には、送信カテゴリラベル(送信カテゴリ情報)として「0」が設定され、n=10には、送信カテゴリラベル(送信カテゴリ情報)として「1」が設定されている。
図5(c)に示すように、送信カテゴリラベル=0は、路車間通信を示し、送信カテゴリラベル1は、路路間通信を示す。したがって、このように設定されたMIB41を参照する第1基地局の無線部40は、n=4,5のスロットを路車間通信用として用い、n=10のスロットを路路間通信用スロットとして用いる。
同様に、図5(b)に示すように、第2基地局に割り当てられたn=6,7,10送信期間SL1のうち、n=6,7には、送信カテゴリラベル(送信カテゴリ情報)として「0」が設定され、n=10には、送信カテゴリラベル(送信カテゴリ情報)として「1」が設定されている。したがって、このように設定されたMIB41を参照する第2基地局は、n=6,7のスロットを路車間通信用として用い、n=10のスロットを路路間通信用スロットとして用いる。
送信カテゴリ毎送信周期設定機能は、送信カテゴリ毎に、送信周期を設定できるようにし、例えば、路路間通信データを、路車間通信データよりも長い送信周期で送信できるようにするための機能である。路路間通信データは、路車間通信データに比べて、送信頻度が少なく、一度に送信すべきデータ量も少ないため、路路間通信データの送信周期を、路車間通信データの送信周期よりも長くすることで、帯域を有効活用することができる。
送信周期は、図5(a)(b)に示す「送信周期」として、送信期間SL1毎に設定される。
例えば、図5(a)に示すように、第1基地局に割り当てられた路車間通信用スロットSL1(n=4,5)の送信周期は、1[×10ms]に設定されているので、第1基地局は、1制御周期(100ms)毎に発生する送信期間(n=4,5)において路車間通信を行う。また、図5(b)に示すように、第2基地局に割り当てられた路車間通信用スロットSL1(n=6,7)の送信周期は、1[×10ms]に設定されているので、第2基地局は、1制御周期(100ms)毎に発生する送信期間(n=6,7)において路車間通信を行う。
一方、図5(a)(b)に示すように、第1基地局及び第2基地局に割り当てられた路路間通信用スロットSL1(n=10)の送信周期は、5[×10ms]に設定されているので、第1基地局は、5制御周期(500ms)のうちの1回の制御周期において発生する送信期間(n=10)において路路間通信を行う。
各基地局が、5制御周期のうちのどの制御周期において発生する送信期間において路路間通信を行うかは、図5(a)(b)に示す「送信オフセット」によって、設定される。「送信オフセット」も送信期間SL1毎に設定可能である。図5(a)に示すように、第1基地局においては、n=10の路路間通信用スロットには、送信オフセットが0[×10ms]に設定され、図5(b)に示すように、第2基地局においては、n=10の路路間通信用スロットには、送信オフセットが1[×10ms]に設定されている。
送信オフセットは、路路間通信が行われる送信期間が発生する制御周期の開始時点の、タイマリセット時点(タイマ値=0)からのオフセットを示している。
図6は、MIB41が図5(a)(b)のように設定されている場合の第1基地局及び第2基地局において、路路間通信データDIRが送信されるタイミングを示している。なお、図6において路車間通信は省略している。
各基地局のMAC副層は、MIB41に設定された図5(a)(b)の情報を参照して、タイマ(1秒周期タイマ又はN秒周期タイマ;Nは1以上の整数)42が示すタイマ値に従って、送信タイミングを決定する。
タイマ42が1秒周期タイマである場合、タイマ42は、各基地局が受信するGPS信号に含まれる1PPS信号(1秒周期の信号)によって、タイマ値がリセットされる。タイマ42は、リセットされてから次のリセットまでタイマ値が増加し続ける。
送信オフセットは、路路間通信が行われる送信期間が発生する制御周期の開始時点の、タイマリセット時点(タイマ値=0)からのオフセットを示している。
第1基地局は、設定された送信オフセットが0[×10ms]であるので、タイマリセット直後(送信オフセット=0[×10ms])の制御周期において発生する送信期間において、路路間通信データDIRが送信され、その制御周期から送信周期=5[×10ms]後の制御周期において、次の路路間通信データDIRの送信が行われ、その後も、500ms毎に路路間通信データDIRの送信が行われる。
一方、第2基地局は、設定された送信オフセットが1[×10ms]であるので、タイマリセットから100ms後の制御周期において発生する送信期間において、路路間通信データDIRが送信され、その制御周期から送信周期=5[×10ms]後の制御周期において、次の路路間通信データDIRの送信が行われ、その後も、500ms毎に路路間通信データDIRの送信が行われる。
以上のように、送信オフセットを基地局毎に異ならせることで、同じ路側送信期間(n=10)が割り当てられている第1基地局及び第2基地局は、異なる送信タイミングで路路間通信を行うことができる。したがって、第1基地局及び第2基地局が隣接配置されていても干渉を防止することができる。
[2.5 上位階層への送信タイミング通知]
図7は、データ送信に関する基地局の機能ブロックを示している。上位階層(アプリケーション;制御部)30は、送信すべきデータ(アプリケーションデータ)を蓄積する送信データバッファ32、下位階層(無線部)40に対してデータの送信要求を行う送信要求部34と、タイミング受領部36と、カテゴリ識別部38と、を備えている。下位階層(レイヤ1〜拡張層EL;無線部)40は、IVC−RVC層に設けられたMIB41のほか、N秒周期タイマ42、タイマ42を管理するタイマ管理部44、データの送信タイミングを制御する送信タイミング制御部46、タイミング通知部48を備えている。本実施形態において、タイマ管理部44、送信タイミング制御部46、タイミング通知部48は、MAC副層が有する機能である。N秒周期タイマ42は、非特許文献3に規定する送信カテゴリ毎送信周期設定用N秒周期タイマとして機能する。
タイマ42を管理するとともにMIB41を参照して送信タイミングを決定するMAC副層(下位階層)にとっては、送信タイミングは自明であるものの、MAC副層よりも上位階層にとっては、送信タイミングは自明ではない。ところが、アプリケーションAPなどの上位階層は、タイマを管理する機能を有していなくても、適切なタイミングで送信データを下位階層であるMAC副層に渡す必要がある。
例えば、上位階層が下位階層に送信データを受け渡すのが遅れた場合、送信が期待される送信期間では送信データを送ることができない可能性がある。とりわけ、非特許文献1〜3に準拠した場合、送ることができなかった送信データを次の送信期間において送信しようとしても、別の新たな送信データが下位階層に渡されることにより、古いデータが上書きされてしまい、古いデータを送信ができなくなる可能性がある。
また、上位階層が下位階層に送信データを受け渡すのが早すぎた場合、送信データが実際に送信されるまでの時間が、上位階層が期待する所要時間を大幅に超える場合がある。例えば、当該上位階層が当該下位階層にリアルタイム性の低い送信データを渡した直後にリアルタイム性の高い情報が生じた場合、上位階層は次の送信タイミングまで当該データを保持することになってしまい、リアルタイム性が重視される送信データの内容の正確性に問題を生じるおそれがある。一方、当該上位階層が適切なタイミングで下位階層に送信データを渡すことができれば、リアルタイム性の高い送信データを優先して送信することが可能となる。
したがって、アプリケーションAPなどの上位階層は、適切なタイミングで送信データを下位階層であるMAC副層に渡す必要がある。
しかし、アプリケーションAPが、下位階層に対して送信データを渡すタイミングを正確に把握するのは困難である。アプリケーションAPのような上位階層がMAC副層と同様に送信タイミングを把握するには、アプリケーションAPもタイマを有し、MIB41に設定されている情報と同様の情報を持つことが考えられる。しかし、MAC副層が管理するタイマ42とは別にアプリケーションAPが管理するタイマを具備させると、コスト増加となる。しかも、両タイマ間の同期も問題となる。両タイマの同期がとれていなければ、アプリケーションAPは正確な送信タイミングを把握することができないが、タイマ同期のための機能を具備させると更なるコスト増加につながる。
そこで、本実施形態では、図8,9に示すように、送信タイミングを把握することが可能な下位階層(無線部40)のタイミング通知部48が、タイマ42のタイマ値と、MIB41に設定された送信期間の設定情報(図5参照)と、に基づいて、タイミング通知(送信タイミング情報)T1〜T4を、上位階層(制御部30)に与える。タイミング通知T1〜T4は、下位階層(無線部40)に対して送信データを渡すタイミングを、上位階層(制御部30)に知らせるための送信タイミング情報である。上位階層は、タイミング通知を受けることで下位階層にデータを渡すタイミングを把握することができる。
タイミング通知T1〜T4は、ある制御周期(対象制御周期)において送信されるべき送信データの送信タイミングを、当該制御周期の一つ前の制御周期において、下位階層(無線部40)から上位階層(アプリケーションAP;制御部30)に与えられる。
例えば、図8において、0.1secから0.2sec間の制御周期(対象制御周期)において生じる送信期間(路路間通信データDIR1が送信される送信期間)についてのタイミング通知T1は、0.1secから0.2sec間の制御周期の一つ前の制御周期である0secから0.1sec間の制御周期において、無線部40から制御部30に与えられる。
タイミング通知T1〜T4は、対象制御周期(0.1secから0.2sec)の開始(0.1secの時点)よりも、所定時間Δt時間前に、制御部30へ与えられ、他の対象制御周期(0.3secから0.4sec,0.5secから0.6sec,0.7secから0.8sec,0.9secから1.0secの各制御周期)についても同様である。
所定時間Δtは、タイミング通知T1〜T4を受け取った制御部30が、無線部40(MAC副層)へ送信データ(路路間通信データ)を、対象制御周期の開始(例えば0.1secの時点)の前に渡すための所要時間が確保された時間である。アプリケーションAPからMAC副層までデータが届くには、各階層における処理及びセキュリティ処理などの処理を要するため、前記所定時間Δtが、その処理に通常要する時間以上の時間に設定されていることで、送信すべきデータを、そのデータが送信される送信期間が発生する制御周期(対象制御周期)の前に、MAC副層において送信可能な状態とすることができる。
また、送信すべきデータが、対象制御周期の開始前において、MAC副層において送信可能な状態となることで、送信期間が、対象制御周期中のどの時点で(例えば、開始直後に)発生しても、送信することが可能である。
図8では、路路間通信データは、0.2sec毎(2制御周期毎)に送信されるが、制御部30のタイミング受領部36は、路路間通信データを無線部40に渡すためのタイミングを、0.2sec毎に到来する対象制御周期の前の制御周期において、無線部40からタイミング通知T1として受け取る。制御部30の送信要求部34は、そのタイミング通知T1に応じて、送信データバッファ32に蓄積されている送信データを、無線部40に渡すことで送信要求を行う。MAC副層にある送信タイミング制御部46は、各対象制御周期の開始前までに送信データを受け取り、対象制御周期内の送信期間において、受け取った送信データを送信することができる。
したがって、制御部30は、送信タイミングを管理していなくても、無線部40からのタイミング通知T1に基づいて、適切なタイミングで送信データを無線部40に渡すことができる。
しかも、非特許文献1において1秒周期タイマとして規定されていたタイマが、非特許文献3においては、N秒周期タイマとして規定されており、リセット周期が任意のN秒に拡張されている。つまり、MAC副層が、何秒周期でリセットされるタイマに基づいて送信タイミングを決定するかは、非特許文献3において保証されていない。
このため、非特許文献3に準拠した無線部40に対して送信データを渡す制御部30(アプリケーションAP)を、無線部40とは別モジュールとして設計する場合、無線部40のタイマ42が何秒周期であっても対応する必要がある。この場合、前述のように制御部30にもタイマを設けるやり方であると、制御部30の設計が困難になるが、本実施形態のように、制御部30が無線部40からタイミング通知を受ける方式であると、制御部30にタイマを設ける必要がなく、無線部40のタイマが何秒周期であっても対応することができる。
なお、本実施形態において、タイミング通知を生成するタイミング通知部48は、MAC副層に設けられている。タイミング通知は、MAC副層から、アプリケーションAPに直接与えられる。
ただし、タイミング通知部48は、無線部40が有する他の階層(例えば、IVC−RVC層)に設けられていても良い。
図8,9に示すように、タイミング通知T1〜T4は、対象制御周期において送信されるべき送信データのカテゴリを制御部30のカテゴリ識別部38が識別するために用いられる付加情報(送信カテゴリ識別情報)を含んでいる。
図8,9に示す送信カテゴリ識別情報は、複数のビット(4ビット)からなる情報であり、各ビットが各送信カテゴリに割り当てられている。具体的には、送信カテゴリ情報の「bit0」は路車用ビットであり、このビットが「1」であると、タイミング通知T1〜T4が路車間通信データについてのタイミングの通知であることを示している。送信カテゴリ情報の「bit1」は路路用ビットであり、このビットが「1」であると、タイミング通知T1〜T4が路路間通信データについてのタイミングの通知であることを示している。なお、図8,9において「bit3」及び「bit4」は他のカテゴリを示すために用いることができる。
図8に示す送信カテゴリ情報のように、「bit1」だけが「1」である場合、この送信カテゴリ情報を含むタイミング通知T1は、路路間通信データだけについてのタイミングの通知となる。一方、図9に示すタイミング通知T2の送信カテゴリ情報のように、「bit0」及び「bit1」が「1」の場合、この送信カテゴリ情報を含むタイミング通知T2は、路車間通信データ及び路路間通信データについてのタイミングの通知となる。また、図9に示すタイミング通知T3の送信カテゴリ情報のように、「bit0」だけが「1」の場合、この送信カテゴリ情報を含むタイミング通知T3は、路車間通信データだけについてのタイミング通知となる。
このように、送信カテゴリ情報は、一又は複数の送信データのカテゴリを示すことができる。
図9では、路車間通信データは、0.1secから0.2secの制御周期と、0.4secから0.5secの制御周期と、において送信され、路路間通信データは、0.1secから0.2secの制御周期において送信されるものとする。
この場合、0.1secから0.2secの制御周期において送信されるべき路車間通信データDRV1及び路路間通信データDIR1のためのタイミング通知T2は、0secから0.1secの間において、無線部40のタイミング通知部48から制御部30のタイミング受領部36に与えられる。このタイミング通知T2では、送信カテゴリ情報のbit1及びbit0が「1」に設定されているため、制御部30のカテゴリ識別部38は、タイミング通知T2が、路車間通信データDRV1及び路路間通信データDIR1のためのタイミング通知であることの識別(送信データのカテゴリ識別)を行うことができる。
送信要求部34は、識別部38にて識別されたカテゴリの送信データ(路車間通信データDRV1及び路路間通信データDIR1)を送信データバッファ32から取り出して、無線部40に渡す(送信データの送信要求)。
また、0.4secから0.5secの制御周期において送信されるべき路車間通信データDRV2のためのタイミング通知T3は、0.3secから0.4secの間において、無線部40のタイミング通知部48から制御部30のタイミング受領部36に与えられる。このタイミング通知T3では、送信カテゴリ情報のbit0だけが「1」に設定されるため、制御部30のカテゴリ識別部38は、タイミング通知T3が、路車間通信データDRV2のためのタイミング通知であることの識別(送信データのカテゴリ識別)を行うことができる。
送信要求部34は、識別部38にて識別されたカテゴリの送信データ(路車間通信データDRV2)を送信データバッファ32から取り出して、無線部40に渡す(送信データの送信要求)。
以上のように、タイミング通知に、付加情報(送信カテゴリ情報)が含まれていることで、制御部30は、タイミング通知がどのカテゴリの送信データについてのタイミングを示すのかを識別することができる。なお、付加情報は、送信カテゴリそのものを示す情報である必要はなく、制御部30が、無線部40に渡すべき送信データのカテゴリを識別するために用いられる情報であれば足りる。つまり、カテゴリ識別部38が、無線部40に渡すべき送信データのカテゴリを識別する処理において用いられる情報であればよい。
また、制御部30は、タイミング通知を受けた場合であっても、送信データバッファ32に識別されたカテゴリの送信データがない場合には、無線部40へデータを渡すことはしない。
なお、図8の0.2secから0.3secの制御周期、0.4から0.5の制御周期、0.6から0.7の制御周期、及び0.8から0.9の制御周期、並びに、図9の0.2secから0.3secの制御周期及び0.3から0.4の制御周期では、送信データの送信が行われないため、図8及び図9では、これらの制御周期の直前の制御周期では、タイミング通知を行わない様子を示している。タイミング通知を行う必要がない場合にタイミング通知を行わないことで無駄なタイミング通知処理の発生を回避できる。
つまり、タイミング通知部48は、タイミング通知を行う必要がある場合にだけタイミング通知を行い、タイミング通知を行う必要がない場合にタイミング通知を行わないようにすることができる。
ただし、データ送信が行われない制御周期の直前の制御周期においてもタイミング通知T4を行っても良い。この場合、送信カテゴリ情報は、図9におけるタイミング通知T4についての送信カテゴリ情報のようにbit3からbit0までの全てのビットが「0」に設定されていてもよい。この設定の場合、タイミング通知T4はいずれのカテゴリの送信データのためのものでもないことを示す。このように送信カテゴリ情報が「null」であるタイミング通知T4を採用することで、タイミング通知を行う必要がない場合にもタイミング通知を行うことができる。したがって、例えば、タイミング通知は、制御周期(100msec)毎に定期的に行うようにして、タイミング通知をするかしないかの判断処理を省略させることができる。つまり、タイミング通知部48は、タイミング通知の必要性の有無にかかわらず、定期的にタイミング通知を行い、本来はタイミング通知が必要ない時点でのタイミング通知には、送信カテゴリ情報が、いずれのカテゴリでもないこと(「null」=全ビットが0)を示すようにすることができる。
また、図2に示す無線通信部20は、一つの一体的な処理モジュールとして構成されていてもよいし、制御部30と無線部40とがそれぞれ別の独立した処理モジュールとして構成され、制御部30を構成する処理モジュールと無線部40を構成する処理モジュールの組み合わせによって無線通信部20が構成されていてもよい。
また、上記の説明では、アプリケーションAPの機能だけを上位階層(制御部30)に対応させ、拡張層EL以下の機能を下位階層(無線部)に対応させて説明したが、かかる対応に限定されるものではない。例えば、上位階層(制御部30)は、アプリケーションAP及び拡張層ELの機能を有し、下位階層(無線部40)は、レイヤ7以下の階層の機能を有していても良い。非特許文献1〜3に準拠する場合、下位階層はMAC副層の機能を有していれば足り、上位階層は、MAC副層よりも上位にある少なくともいずれか一つの階層の機能を有していれば足りる。
また、N秒周期タイマ42は、1秒周期タイマであってもよい。
また、MAC副層によって生成されたタイミング通知は、順次上位の階層に与えられ、拡張層がアプリケーションAPに対してタイミング通知を行ってもよい。
[3.付記]
上記実施の形態および変形例は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1:交通信号機
2:路側通信機(基地局;無線通信装置)
2A:オンライン路側通信機
2B:スタンドアローン路側通信機
4:中央装置
5:車両
6:路側センサ
7:有線通信回線
8:ルータ
20:無線通信部
30:制御部
32:送信データバッファ
34:送信要求部
36:タイミング受領部
38:カテゴリ識別部
40:無線部
41:MIB(管理情報ベース)
42:N秒周期タイマ
44:タイマ管理部
46:送信タイミング制御部
48:タイミング通知部
A1:交差点
A2:交差点
A3:交差点
A4:交差点
A5:交差点
AP:アプリケーション
AP1:第1アプリケーション
AP2:第2アプリケーション
B1:交差点
B2:交差点
B3:交差点
B4:交差点
B5:交差点
EL:拡張層
L7:レイヤ7

Claims (6)

  1. 送信タイミングを制御する下位階層の処理を行う第1処理部と、
    前記下位階層へ送信データを渡す上位階層の処理を行う第2処理部と、
    を備え、
    前記第1処理部は、前記第2処理部が前記第1処理部へ送信データを渡すためのタイミングを示すタイミング通知を、前記第2処理部へ与えるよう構成され、
    前記タイミング通知は、前記タイミング通知に応じて前記第1処理部へ渡されるべき前記送信データのカテゴリを前記第2処理部が識別するために用いられる付加情報を含む
    無線通信装置。
  2. 前記無線通信装置は、前記無線通信装置による送信期間が設定された制御周期が繰り返される通信方式に準拠しており、
    前記第1処理部は、前記付加情報によって識別されるカテゴリの送信データを送信するための送信期間が生じる制御周期である対象制御周期の開始よりも所定時間前に、前記タイミング通知を前記第2処理部へ与え、
    前記所定時間は、前記タイミング通知を受け取った前記第2処理部が前記第1処理部へ送信データを前記対象制御周期の開始前に渡すための所要時間が確保された時間である
    請求項1に記載の無線通信装置。
  3. 前記付加情報は、前記タイミング通知に応じて前記第1処理部へ渡されるべき前記送信データのカテゴリを示す送信カテゴリ情報である
    請求項1又は請求項2に記載の無線通信装置。
  4. 前記無線通信装置は、少なくともITS FORUM RC−012に準拠しており、
    前記第1処理部は、前記ITS FORUM RC−012に規定する送信カテゴリ毎送信周期設定用N秒周期タイマを管理する機能を有し、
    前記第2処理部は、前記送信カテゴリ毎送信周期設定用N秒周期タイマを管理する機能を有していない
    請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の無線通信装置。
  5. 処理モジュールであって、
    送信タイミングを制御する送信タイミング制御部と、
    タイミング通知部と、
    を備え、
    前記タイミング通知部は、前記処理モジュールにおける処理よりも上位階層の処理を行う他のモジュールが前記処理モジュールへ送信データを渡すためのタイミングを示すタイミング通知を、前記他のモジュールへ与えるよう構成され、
    前記タイミング通知は、前記タイミング通知に応じて前記処理モジュールへ渡されるべき前記送信データのカテゴリを前記他のモジュールが識別するために用いられる付加情報を含む
    処理モジュール。
  6. 処理モジュールであって、
    前記処理モジュールにおける処理よりも下位階層の処理を行う他のモジュールへ送信データを渡すことで、前記他のモジュールに対して前記送信データの送信要求を行う送信要求部と、
    タイミング受領部と、
    識別部と、
    を備え、
    前記タイミング受領部は、前記処理モジュールが前記他のモジュールへ送信データを渡すためのタイミングを示すタイミング通知を、前記他のモジュールから受け取るよう構成され、
    前記タイミング通知は、前記タイミング通知に応じて前記他のモジュールへ渡されるべき前記送信データのカテゴリを前記識別部が識別するために用いられる付加情報を含み、
    前記識別部は、前記タイミング通知に応じて前記他のモジュールへ渡されるべき前記送信データのカテゴリを、前記付加情報に基づいて識別する
    処理モジュール。
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