JP5359956B2 - 通信システム及び干渉判定方法、装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、高度道路交通システム(ITS:Intelligent Transport System)の一部を成す、路側通信機及び車載通信機による通信システム及び干渉判定方法、装置に関する。
近年、交通安全の促進や交通事故の防止を目的として、道路に設置されたインフラ装置からの情報を受信し、この情報を活用することで車両の安全性を向上させる高度道路交通システムが検討されている(例えば、特許文献1参照)。
かかる高度道路交通システムは、主として、インフラ側の無線通信装置である複数の路側通信機と、各車両に搭載される無線通信装置である複数の車載通信機とによって構成される。
この場合、各通信主体間で行う通信の組み合わせには、路側通信機同士が行う路路間通信と、路側通信機と車載通信機とが行う路車(又は車路)間通信と、車載通信機同士が行う車車間通信とが含まれる。このように複数種類の通信が行われる通信システムでは、路側通信機と車載通信機とで送信タイミングを分けることにより互いの信号がぶつかることを防止している。また、路側通信機同士では互いに同じタイミングで送信するため、空間的に分離すべく、ダウンリンクエリアが重複しないように工夫されている。
特許第2806801号公報
上記高度道路交通システムにおいて、路側通信機同士のダウンリンクエリアが重ならないようにしていても、現実には、電波伝搬環境の変化によってダウンリンクエリアが拡がり、路側通信機同士のダウンリンクエリアが重複して干渉する場合がある。このような干渉は、車載通信機における通信に影響を与え当該通信に支障をきたす場合があり得る。
従って、路側通信機と車載通信機との間で安定した通信を維持するためには、路側通信機同士の間で生じる干渉が、車載通信機との間の通信に影響を与える程度のものであるか否かを把握する必要がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、路側通信機間で生じる干渉が、車載通信機の通信に影響を与えうる干渉であるか否かを判定することができる通信システム及び干渉判定方法、装置を提供することを目的とする。
(1)本発明は、複数の車載通信機と、自装置に割り当てられたタイムスロットにおいてダウンリンク信号を送信する複数の路側通信機と、を備えた通信システムであって、現状のタイムスロット及び現状のダウンリンクエリアに関する情報を取得する取得部と、前記現状のタイムスロットが同一である複数の路側通信機の中で、当該複数の路側通信機の内の一の路側通信機の現状のダウンリンクエリアと、他の路側通信機の現状のダウンリンクエリアとが重複することで生じる干渉エリアを特定する特定部と、前記干渉エリアと、前記一又は他の路側通信機に対して予め目標設定される、必要最小限のダウンリンクエリアである基準エリアとが重複しているか否かを判定する判定部と、を備えていることを特徴としている。
上記のように構成された通信システムでは、判定部が、一の路側通信機と他の路側通信機との現状のダウンリンクエリアが重複する干渉エリアと、一又は他の路側通信機の基準エリアとが重複しているか否かを判定することにより、一の路側通信機と他の路側通信機との間の干渉が、車載通信機の通信に影響を与えるものであるか否かを判断することができる。
(2)また、上記通信システムにおいて、前記判定部が、前記干渉エリアと、前記一又は他の路側通信機の基準エリアとが重複していると判定した場合に、前記一の路側通信機又は前記他の路側通信機のいずれか一方に対して、前記現状のタイムスロットに代えて当該現状のタイムスロットとは異なる他のタイムスロットを割り当てる制御部をさらに備えていることが好ましい。
この場合、判定部の判定結果に基づいて一の路側通信機と他の路側通信機との間で、車載通信機の通信に影響を与えうる干渉が生じていると判断できる場合、制御部が一の路側通信機又は他の路側通信機のいずれか一方に対して、他のタイムスロットを割り当てるので、両路側通信機間の干渉を解消することができ、車載通信機における通信を適正に維持することができる。
(3)さらに、前記制御部は、前記他のタイムスロットとして、新たなタイムスロットを生成するものであってもよく、この場合、複数の路側通信機のいずれにも割り当てられていないタイムスロットを他の路側通信機に割り当てることができ、一の路側通信機以外の路側通信機間で干渉が生じるのを回避できる。
(4)前記判定部は、前記干渉エリアと、前記一又は他の路側通信機の基準エリアとが重複しているか否かを、前記一の路側通信機と、前記他の路側通信機との間の送信電力比に基づいて判定するものであってもよい。
この場合、一の路側通信機と他の路側通信機との間の干渉が、車載通信機の通信に影響を与えるものであるか否かをより確実に判断することができる。
(5)前記取得部は、前記車載通信機が送信するアップリンク信号に含まれる当該車載通信機の位置情報とこの位置情報に対応する受信電力に基づいてアップリンクエリアを推定し、これを、前記路側通信機の現状のダウンリンクエリアとして取得するものであってもよく、この場合、車載通信機から送信されてくる位置情報及び受信電力に基づいて、より詳細に現状のダウンリンクエリアを推定することができる。
(6)また、本発明は、複数の路側通信機間におけるダウンリンクエリアの干渉が車載通信機における通信に影響を与えうる干渉であるか否かを判定する干渉判定方法であって、前記複数の路側通信機それぞれに設定された現状のタイムスロット、及び、現状のダウンリンクエリアに関する情報を取得するステップと、前記現状のタイムスロットが同一である複数の路側通信機の中で、当該複数の路側通信機の内の一の路側通信機の現状のダウンリンクエリアと、他の路側通信機の現状のダウンリンクエリアとが重複することで生じる干渉エリアを特定するステップと、前記干渉エリアと、前記一又は他の路側通信機に対して予め目標設定される、必要最小限のダウンリンクエリアである基準エリアとが重複しているか否かを判定するステップと、を備えていることを特徴としている。
上記判定方法によれば、一の路側通信機と他の路側通信機との現状のダウンリンクエリアが重複する干渉エリアと、一又は他の路側通信機の基準エリアとが重複しているか否かを判定することにより、一の路側通信機と他の路側通信機との間の干渉が、車載通信機との間の通信に影響を与えるものであるか否かを判断することができる。
本発明の通信システム及び干渉判定方法、装置によれば、路側通信機間で生じる干渉が、車載通信機における通信に影響を与えうる干渉であるか否かを判定することができる。
本発明の一実施形態に係る路側通信機を含む高度道路交通システム(ITS)の全体構成を示す概略斜視図である。 図1に示す高度道路交通システムの管轄エリアの一部を示す道路平面図である。 中央装置、路側通信機、及び、車載通信機の内部構成を示すブロック図である。 タイムスロットの一例を示す概念図である。 車載通信機が送信するデータフォーマットの一例を示す図である。 路側通信機のダウンリンクエリアを示す略図であり、(a)は路側通信機と、車載通信機を搭載した車両との位置関係を示している。(b)は、路側通信機から見た全ダウンリンクエリアのうち、路上の一方向へ拡がるダウンリンクエリアのみを抽出して考えた場合の、目標とする基準エリアの形状イメージを平面的に表した図である。 推定されるダウンリンクエリアが、図6の基準エリアから変化した状態を示す図である。 他の形態に係る路側通信機のダウンリンクエリアを示す略図であり、(a)は路側通信機と、車載通信機を搭載した車両との位置関係を示している。(b)は、路側通信機から見た全ダウンリンクエリアのうち、路上の一方向へ拡がるダウンリンクエリアのみを抽出して考えた場合の、現状のダウンリンクエリアの形状イメージを平面的に表した図である。 互いの基準エリアが重複しない程度の間隔を置いて設置されている二つの路側通信機それぞれのダウンリンクエリアの関係を示した模式図である。 現状のダウンリンクエリア同士が互いに重複する干渉エリアと、一方の基準エリアとが重複することで基準エリア内干渉エリアが生じている場合を示した模式図である。 図10における両路側通信機の間の送信電力変化を示した模式図である。 他の実施形態に係る、中央装置、路側通信機、及び、車載通信機の内部構成を示すブロック図である。
〔システムの全体構成〕
図1は、本発明の一実施形態に係る路側通信機を含む高度道路交通システム(ITS)の全体構成を示す概略斜視図である。なお、本実施形態では、道路構造の一例として、南北方向と東西方向の複数の道路が互いに交差した碁盤目構造を想定している。
図1に示すように、本実施形態の高度道路交通システムは、交通信号機1、路側通信機2、車載通信機3(図2及び図3参照)、中央装置4、車載通信機3を搭載した車両5、及び、車両感知器や監視カメラ等よりなる路側センサ6を含む。
交通信号機1と路側通信機2は、複数の交差点Ji(図例では、i=1〜12)のそれぞれに設置されており、電話回線等の通信回線7を介してルータ8に接続されている。このルータ8は交通管制センター内の中央装置4に接続されている。
中央装置4は、自身が管轄するエリアに含まれる各交差点Jiの交通信号機1及び路側通信機2とLAN(Local Area Network)を構成している。従って、中央装置4は、各交通信号機1及び各路側通信機2との間で双方向通信が可能である。なお、中央装置4は、交通管制センターではなく道路上に設置してもよい。
路側センサ6は、各交差点Jiに流入する車両台数をカウントする等の目的で、管轄エリア内の道路の各所に設置されている。この路側センサ6は、直下を通行する車両5を超音波感知する車両感知器、或いは、道路の交通状況を時系列に撮影する監視カメラ等よりなり、感知情報S4や画像データS5は通信回線7を介して中央装置4に送信される。
なお、図1及び図2では、図示を簡略化するために、各交差点Jiに信号灯器が1つだけ描写されているが、実際の各交差点Jiには、互いに交差する道路の上り下り用として少なくとも4つの信号灯器が設置されている。
〔中央装置〕
中央装置4は、ワークステーション(WS)やパーソナルコンピュータ(PC)等よりなる制御部(図3)を有しており、この制御部は、路側通信機2、路側センサ6からの各種の交通情報の収集・処理(演算)・記録、信号制御及び情報提供を統括的に行う。
具体的には、中央装置4の制御部は、自身のネットワークに属する交差点Ciの交通信号機1に対して、同一道路上の交通信号機1群を調整する系統制御や、この系統制御を道路網に拡張した広域制御(面制御)を行うことができる。
また、中央装置4は、通信回線7を介してLAN側と接続された通信インタフェースである通信部を有しており、この通信部は、信号灯器の灯色切り替えタイミングに関する信号制御指令S1や、渋滞情報等を含む交通情報S2を所定時間ごとに交通信号機1及び路側通信機2に送信している(図1参照)。
信号制御指令S1は、前記系統制御や広域制御を行う場合の信号制御パラメータの演算周期(例えば、1.0〜2.5分)ごとに送信され、交通情報S2は、例えば5分ごとに送信される。
また、中央装置4の通信部は、各交差点Jiに対応する路側通信機2から、その通信機2が車載通信機3から受信した車両5の現在位置等を含む車両情報S3、車両通過時に生じるパルス信号よりなる車両感知器(図示せず)の感知情報S4、及び、監視カメラが撮影した道路のデジタル情報よりなる画像データS5等を受信しており、中央装置4の制御部は、これらの各種情報に基づいて前記系統制御や広域制御を実行する。
〔無線通信の方式等〕
図2は、上記高度道路交通システムの管轄エリアの一部を示す道路平面図である。
図2では、互いに交差する2つの道路の各々が上りと下りで片側1車線のものとして例示されているが、道路構造はこれに限られるものではない。
図2にも示すように、本実施形態の高度道路交通システムは、車載通信機3との間で無線通信が可能な複数の路側通信機2と、キャリアセンス方式で他の通信機2,3と無線通信を行う移動無線送受信機の一種である車載通信機3と備えている。
複数の路側通信機2は、それぞれ路側の交差点Jiごとに設置されていて、図1及び図2の例では交通信号機1の支柱に取り付けられている。一方、車載通信機3は、道路を走行する各車両5にそれぞれ搭載されている。
各路側通信機2は、その周囲に広がる基準エリアA(路側通信機2の送信信号が十分に届く範囲)をそれぞれ有し、自身の基準エリアAを走行する車両5の車載通信機3との無線通信が可能である。また、各路側通信機2は、基準エリアAが重複(一部重複でも全部重複でもよい。)する他の路側通信機2とも無線通信が可能である。
本実施形態の高度道路交通システムでは、路側通信機2同士(路路間通信)については無線通信が用いられ、また、路側通信機2と車載通信機3との間(「路」から「車」への路車間通信と「車」から「路」への車路間通信との双方を含む。)と車載通信機3同士(車車間通信)についても、無線通信が用いられている。
なお、前記した通り、交通管制センターに設けられた中央装置4は、各路側通信機2と有線での双方向通信が可能となっているが、これらの間も無線通信であってもよい。
各路側通信機2は、自装置が無線送信するためのタイムスロット(図4の第1スロットT1)をTDMA方式で割り当てており、このタイムスロット以外の時間帯(図4の第2スロットT2)には無線送信を行わない。従って、路側通信機2用のタイムスロット以外の時間帯は、車載通信機3のためのCSMA方式による送信時間として開放されている。
また、路側通信機2は、自身の送信タイミングを制御するために他の路側通信機2との時刻同期機能を有している。この路側通信機2の時刻同期は、例えば、自身の時計をGPS時刻に合わせるGPS同期や、自身の時計を他の路側通信機2からの送信信号に合わせるエア同期等によって行われる。
〔路側通信機〕
図3は、中央装置4、路側通信機2、及び、車載通信機3の内部構成を示すブロック図である。
路側通信機2は、無線通信のためのアンテナ20が接続された無線通信部(送受信部)21と、中央装置4と双方向通信する有線通信部22と、それらの通信制御を行うCPU等よりなる制御部23と、制御部23に接続されたROMやRAM等の記憶装置よりなる記憶部24とを備えている。記憶部24は、制御部23が実行する通信制御のためのプログラムや、各通信機2,3の通信機ID等を記憶している。
路側通信機2の有線通信部22には、前記中央装置4の他に、GPS受信機25が接続されている。このGPS受信機25は、GPSアンテナ26により、複数のGPS衛星(図示せず。)からGPS信号を受信する。なお、GPS受信機25は、路側通信機2内に設けられるものであってもよい。
制御部23は、有線通信部22が受信した中央装置4からの交通情報S2等を、記憶部24に一時的に記憶させ、無線通信部21を介して自己の基準エリアAにブロードキャスト送信する。また、制御部23は、無線通信部21が受信した車両情報S3を、記憶部24に一時的に記憶させ、有線通信部22を介して中央装置4に転送する。
また、制御部23は、記憶部24に記憶されたタイムスロットの第1割当情報S6を、無線通信部21を介して自己の基準エリアAにブロードキャスト送信する。この第1割当情報S6は、路側通信機2の送信時間を車載通信機3に通知するためのものである。基準エリアAを走行する車両5の車載通信機3は、路側通信機2が送信を行わない時間帯に、キャリアセンス方式による無線送信を行う。
〔タイムスロットの割当情報〕
図4は、上記第1割当情報S6に含まれるタイムスロットの一例を示す概念図である。
図4に示すように、タイムスロットは、第1スロットT1と第2スロットT2とを含み、これらの合計期間が一定の周期Cで繰り返すようになっている。
第1スロットT1は、路側通信機2用のタイムスロットであり、この時間帯においては路側通信機2による無線送信が許容される。第1スロットT1にはスロット番号iが付されており、このスロット番号iは周期的にインクリメント又はデクリメントされる。
また、第2スロットT2は、車載通信機3用のタイムスロットである。この時間帯は車載通信機3による無線送信用として開放するため、路側通信機2は第2スロットT2では無線送信を行わない。
図4に示すタイムスロットにおいて、各スロット番号i=1〜3の第1スロットT1に記したドット●は、当該第1スロットT1に複数の路側通信機2の送信時間が割り当てられていることを示している。
すなわち、図4に示す例では、スロット番号(1)の第1スロットT1には、交差点J1とJ5(図1参照)にある2つの路側通信機2の送信時間が割り当てられ、スロット番号(2)の第1スロットT1には、交差点J2,J6及びJ8にある3つの路側通信機2の送信時間が割り当てられ、スロット番号(3)の第1スロットT1には、交差点J3にある1つの路側通信機2の送信時間が割り当てられている。
このように、各路側通信機2の送信時間は、第1スロットT1に対して1対1対応で割り当てられるのではなく、互いに電波干渉が生じない交差点Ji(i=1〜12)に設置された路側通信機2同士について、同じスロット番号iに重複して割り当て可能となっている。
かかるスロット割当は、中央装置4が総括的に行うこともできるし、他装置から取得した設置位置やスロット情報を利用して各路側通信機2が自律的に行うこともできる。また、複数の路側通信機2の中から1つの親機を予め選定しておき、この親機が、自身が管理する他の路側通信機2である子機同士で電波干渉が生じない送信タイミングとなるように、スロット割当を行うようにすることもできる。
〔車載通信機〕
図3に戻って、車載通信機3は、無線通信のためのアンテナ30に接続された通信部(送受信部)31と、この通信部31に対する通信制御を行うCPU等よりなる制御部32と、この制御部32に接続されたROMやRAM等の記憶装置よりなる記憶部33とを備えている。記憶部33は、制御部32が実行する通信制御のためのプログラムや、各通信機2,3の通信機ID等を記憶している。また、通信部31には、GPS受信機34及び速度センサ36が接続されている。GPS受信機34は、GPSアンテナ35により、複数のGPS衛星(図示せず。)からGPS信号を受信する。なお、GPS受信機34は、車載通信機3内に設けられるものであってもよい。
車載通信機3の制御部32は、車車間通信のためのキャリアセンス方式による無線通信を通信部31に行わせるものであり、路側通信機2との間の時分割多重方式での通信制御機能は有していない。
従って、車載通信機3の通信部31は、所定の搬送波周波数の受信レベルを常時感知しており、その値がある閾値以上である場合は無線送信を行わず、当該閾値未満になった場合にのみ無線送信を行うようになっている。
なお、車載通信機3の制御部32は、車両5(車載通信機3)の現時点の位置、方向、速度、車種等を含む車両情報S3を、通信部31を介して外部にブロードキャストで無線送信させている。
また、車載通信機3の制御部32は、他の車両5から直接受信した車両情報S3や、路側通信機2から受信した他の車両5の車両情報S3に含まれる、位置、速度及び方向に基づいて、右直衝突や出合い頭衝突等を回避するための安全運転支援制御を行うことができる。
図5は、車載通信機3が送信するデータフォーマットの一例を示す図である。
図5に示すように、車載通信機3の送信信号には、プリアンブル、ヘッダ、データ、CRC(Cyclic Redundancy Check)が含まれている。
このうち、データには、車両5の位置、方向(進行方向)、速度、車種が含まれるが、路側通信機2からの送信信号を受信した場合の受信レベルを含めることもできる。車両5の位置や方向の情報は、GPS受信機34により、取得することができる。また、速度は、車両5の速度センサ36に基づいた情報である。
〔路側通信機による現状のダウンリンクエリアの推定方法〕
次に、路側通信機が行う現状のダウンリンクエリアの推定方法について説明する。
図6は、路側通信機2のダウンリンクエリアを示す略図であり、(a)は路側通信機2と、車載通信機3を搭載した車両51〜54との位置関係を示している。(b)は、路側通信機2から見た全ダウンリンクエリアのうち、路上の一方向へ拡がるダウンリンクエリアのみを抽出して考えた場合の、基準エリアAの形状イメージを平面的に表した図である。
この基準エリアAとは、路側通信機2に対して予め目標設定される、車載通信機3との通信において必要な最小限のダウンリンクエリアであり、路側通信機2がダウンリンク信号によって安全運転支援に必要な当該路側通信機2の周囲の情報を当該エリア内の車載通信機3に対して送信するエリアである。このため、基準エリアAでは、当該路側通信機2が送信するダウンリンク信号のみを当該エリア内の車載通信機3に受信させる必要がある。
本実施形態において、路側通信機2の基準エリアAは、アップリンクエリアとして確認できる範囲と一致するように設定される。具体的には、図6の(b)に示すように、基準エリアAの最遠端を200mとしたい場合、路側通信機2から200m離れた位置にある車載通信機3が所定の送信電力で送信したアップリンク信号を受信したときの受信強度を、予めシミュレーション等で定める。この受信強度の値が、例えば、−80dBmと定められる場合には、基準エリアA内となる200mより近い距離にある車両51,52の車載通信機3から送信されるアップリンク信号は、−80dBmよりも高い受信電力(−70dBm,−75dBm)で受信できることになる。
ここで、電波伝搬の可逆性から、車載通信機3からのアップリンク信号と同程度の送信電力によって、路側通信機2からダウンリンク信号を送信すれば、アップリンクエリアとして確認できる基準エリアAを、ダウンリンクエリアとすることができる。
そこで、路側通信機2は、車載通信機3からのアップリンク信号に含まれる当該車載通信機3の位置情報に基づくアップリンクエリアとして確認できる基準エリアAを、自己のダウンリンクエリアと一致するように自己の送信電力を設定する。
以上により、アップリンクエリア及びダウンリンクエリアを基準エリアAに予め一致させることができる。
路側通信機2は、上記のように設定された送信電力で送信を続ける。その後、路側通信機2は、制御部23内のエリア推定部23a(図3)の機能として、任意の車載通信機3から送信されて来る当該車載通信機3の位置を含む情報を一定量受信して、現状のアップリンクエリアを推定することで、当該アップリンクエリアから推定されるダウンリンクエリア(現状のアップリンクエリアの大きさとほぼ同じ大きさのエリア)を推定する。この推定は、常時頻繁に行う必要性は乏しく、例えば、数日〜数ヶ月に一度程度の頻度で行ってもよい。上記一定量とは、情報量が少なすぎるとエリア推定の精度が悪くなる可能性があるので、特にエリアの最遠端近傍での位置情報をなるべく多く収集することを意味する。
アップリンクエリア及びダウンリンクエリアは、最初に基準エリアAに合わせて設定したエリアから変化しないことは保証し得ず、現実にはエリアの伸縮変化が生じる。例えば、電波の伝搬環境は、道路周辺の建造物の変化や、道路交通上のインフラの設置あるいは撤去、街路樹の落葉等、種々の条件で変化する。
例えば、図7(a)において、路側通信機2にアップリンク信号が届く最も遠い位置が車両53の170mであって、それより遠い位置にある車両54の車載通信機3からアップリンク信号は届いていない、となると、エリア推定部23a(図3)は、現状のアップリンクエリアが、最遠端が170mの図7の(b)に図示のエリアBであると推定する。つまり、現状のアップリンクエリアは、基準エリアAに対してその範囲が狭まるように変化していることを推定できる。
この場合、上述したように、電波伝搬の可逆性から、路側通信機2からのダウンリンク信号が届く範囲も、車載通信機3からアップリンク信号と同様に狭まっていると推定され、その範囲であるダウンリンクエリアについても、現状のアップリンクエリアであるエリアBとほぼ一致して狭まっていると推定できる。
つまり、推定される現状のアップリンクエリアを示すエリアBは、現状のダウンリンクエリアを示している。なお、図7とは逆に、伝搬環境の変化により基準エリアAよりも現状のエリアBが拡がった場合にも、エリア推定部23aは、上記同様に推定することができる。
以上のように、本実施形態では、路側通信機2の設置時に基準エリアAとなるように設定されたアップリンクエリアにダウンリンクエリアを一致させた上で、その後の伝搬環境の変化に対して、アップリンクエリアとダウンリンクエリアとが電波の可逆性によって同じような信号レベルで変化することを利用し、現状のアップリンクエリアであるエリアBを推定することで、現状のダウンリンクエリアを推定することができる。
また、エリア推定部23aは、図8に示すように、現状のエリアBを、車載通信機3の位置と当該位置での受信レベルとのマップとして把握することもできる。
すなわち、路側通信機2の制御部23(図3)は、現状のエリアBの輪郭線上のみならず、エリアB内で、図8の(a)に示すように、車両51〜53の各車載通信機3から送信される信号に基づく位置とその受信電力とを記憶する。これにより、図8の(b)に示す4本の等電力線を含む受信レベルのマップを生成することができる。なお、これは一例であり、さらに細かい等電力線で示した受信レベルのマップを生成することもできる。
各路側通信機2は、エリア推定部23aが推定した現状のエリアB(ダウンリンクエリア)の範囲を示す情報(エリア情報S9)を、中央装置4に送信する。
〔路側通信機間の干渉エリアについて〕
路側通信機2のダウンリンクエリアは、当該路側通信機2の設置間隔の他、電波の伝搬環境の変化によって拡縮が生じるため、複数の路側通信機2間で互いのダウンリンクエリアが重複している干渉エリアが生じる場合がある。
上記干渉エリアとは、複数の路側通信機2の内、現状割り当てられているタイムスロット(第1スロットT1(図4))が同一であるものであって、互いのダウンリンクエリアが重複することで生じるエリアをいう。干渉エリアに位置する車載通信機3は、複数の路側通信機2からのダウンリンク信号を受信してしまうことになるので、適切にダウンリンク信号を受信できず、安定した通信が行えないおそれが生じる。
例えば、図2に示すように、路側通信機2が設置されている交差点が近接している場合には、互いの基準エリアAが重複するが、上述したように、隣接する路側通信機2それぞれで、異なる第1スロットT1(図4)を割り当てることで、ダウンリンクエリア同士が重複しているが、異なるタイムスロットが割り当てられるので、干渉エリアは生じない。
ここで、互いの基準エリアAが重複しない程度の間隔を置いて設置されている二つの路側通信機2の場合について考える。
図9は、互いの基準エリアAが重複しない程度の間隔を置いて設置されている二つの路側通信機2それぞれのダウンリンクエリアの関係を示した模式図である。
このように、互いの基準エリアAが重複しない程度の間隔を置いて路側通信機2が設置されている場合には、図2で示したように近接して設置されている場合と違って、同一のタイムスロットが割り当てられる可能性がある。この場合、原則として、互いのダウンリンクエリアに重なりがないと推定できるからである。
図中、路側通信機2a,2bは、設置されたときには、そのダウンリンクエリアが、所定の範囲とされた基準エリアA1,A2に設定される。
しかし、上述のように、ダウンリンクエリアは、電波の伝搬環境の変化によって拡縮が生じるため、設置の段階では、ダウンリンクエリアが基準エリアA1,A2に設定されていたとしても、その後の伝搬環境の変化によって、路側通信機2a,2bそれぞれのダウンリンクエリアは、図に示すように拡がり、拡がった後の現状のダウンリンクエリアB1,B2が互いに重複することがある。さらに、現状割り当てられているタイムスロットが両路側通信機2a,2bで同一であれば、互いのダウンリンクエリアが重複している干渉エリアが生じる場合がある。
図9に示す干渉エリアは、路側通信機2a,2bそれぞれの基準エリアA1,A2に重複しない部分に現れており、この場合、干渉エリアに位置する車載通信機3が仮にいずれかの路側通信機2a,2bとの間で安定した通信が行えないとしても、問題は生じない。路側通信機2a,2bからのダウンリンク信号により与えられる情報は、それぞれの基準エリアA1,A2内で受け取ったときに必要な情報だからである。
しかし、図10に示すように、現状のダウンリンクエリアB1,B2が互いに重複する干渉エリアと、一方の基準エリアA(図例では基準エリアA2)とが重複することで基準エリア内干渉エリアが生じている場合、この基準エリア内干渉エリアに位置する車載通信機3は、本来、基準エリアA2に送信される路側通信機2bからのダウンリンク信号のみを受信すべきであるのに、路側通信機2aからのダウンリンク信号をも受信してしまい、適切な通信が維持できないおそれがある。
このため、本実施形態では、このような基準エリア内干渉エリアが生じているか否かを判定する機能を有している。
〔干渉エリアの特定及び重複判定〕
本実施形態において、中央装置4は、各路側通信機2の間に生じる干渉エリアを特定し、さらに、その特定した干渉エリアと、いずれかの路側通信機2の基準エリア内干渉エリアとが重複しているか否かを判定する機能を有している。以下、これらの機能について説明する。
中央装置4は、自己の制御部に、上記機能を実現するための干渉制御部51を備えている(図3参照)。
干渉制御部51は、取得部52と、特定部53と、判定部54と、割当制御部55とを備えている。この内、取得部52は、中央装置4が制御対象とする各路側通信機2が送信する現状のダウンリンクエリアBの範囲に関する情報であるエリア情報S9を取得する。また、これら各路側通信機2に割り当てられているタイムスロットに関する情報である第2割当情報S8についても取得する。
上記第2割当情報S8については、中央装置4が路側通信機2に対するスロット割当を総括的に行っている場合には、当該情報は自己が保有しているのでその情報を用いる。また、複数の路側通信機2の中から予め選定された親機がスロット割当を行っている場合には、その親機から第2割当情報S8を取得する。さらに、各路側通信機2が自律的に行っている場合には、各路側通信機2から第2割当情報S8を取得する。
特定部53は、取得部52が取得したエリア情報S9及び第2割当情報S8に基づいて、現状のスロット割り当てが同一である路側通信機2の中で、一の路側通信機2の現状のダウンリンクエリアBと、他の路側通信機2の現状のダウンリンクエリアBとが重複することで生じている干渉エリアを特定する。
エリア情報S9は、各路側通信機2の現状のダウンリンクエリアBの範囲を示しているので、特定部53は、各路側通信機2の現状のダウンリンクエリアBの位置関係や、どの路側通信機2の間でどのような範囲の干渉エリアが生じているかを把握できる。特定部53は、干渉エリアを特定することで、その干渉エリアの範囲に関する情報を取得する。
なお、干渉エリアが特定されない場合には、特定部53は、再度、取得部52にエリア情報S9及び第2割当情報S8の取得を行わせ、継続的に干渉エリアの特定を行う。
特定部53が干渉エリアを特定した場合、判定部54は、特定部53が特定したその干渉エリアと、当該干渉エリアの発生に関わっている一及び他の路側通信機2に対して設定されている基準エリアAとが重複しているか否かを判定する。なお、基準エリアAは、路側通信機2の設置時において予め目標値として設定されるものであり、中央装置4は、各路側通信機2の基準エリアAの範囲に関する情報を記憶している。
判定部54は、自己が記憶している一及び他の路側通信機2に対して設定されている基準エリアAの範囲に関する情報と、特定部53が特定し取得した干渉エリアの範囲に関する情報とから、干渉エリアと、一又は他の路側通信機2の基準エリアAとが重複しているか否かを判定する。
干渉エリアと、一又は他の路側通信機2の基準エリアAとが重複していないと、判定部54が判定した場合、この干渉エリアは、一及び他の路側通信機2の基準エリアAとの間で、図9に示した関係にあるので、仮に、干渉エリアに位置する車載通信機3が一又は他の路側通信機2との間で安定した通信が行えないとしても、問題は生じない。
このため、判定部54は、再度、取得部52にエリア情報S9及び第2割当情報S8の取得を行わせ、継続的に干渉エリアの特定を行う。
一方、干渉エリアと、一又は他の路側通信機2の基準エリアAとが重複していると、判定部54が判定した場合、この干渉エリアは、一又は他の路側通信機2の基準エリアAとの間で、図10に示した関係にあり、基準エリア内干渉エリアが生じていることとなる。この場合、この基準エリア内干渉エリアに位置する車載通信機3は、上述したように適切な通信が維持できないおそれがある。
このため、干渉エリアと、一又は他の路側通信機2の基準エリアAとが重複していると、判定部54が判定した場合、割当制御部55は、干渉エリアの発生に関わっている一又は他の路側通信機2のいずれか一方に対して、現状のタイムスロットに代えて、当該現状のタイムスロットとは異なる他のタイムスロットを割り当てる制御を行う。
割当制御部55は、特定部53が取得した各路側通信機2に割り当てられているタイムスロットに関する第2割当情報S8に基づいて、いずれの路側通信機2にも割り当てられていない空きスロットを特定する。空きスロットが特定できた場合には、割当制御部55は、特定した空きスロットを、前記一又は他の路側通信機2のいずれか一方に対して割り当てる。
一方、空きスロットがなければ、割当制御部55は、新たなスロットを設け、前記一又は他の路側通信機2のいずれか一方に対して割り当てる。
この場合、各路側通信機2のいずれにも割り当てられていないスロットを一又は他の路側通信機2に割り当てることができ、一又は他の路側通信機以外の路側通信機間で干渉が生じるのを回避できる。
なお、各タイムスロットには上述したように、所定のスロット番号iが付され、スロット番号iを周期的にインクリメント又はデクリメントすることで、所定数のタイムスロットは、周期的に時間軸方向に並べられている。
従って、割当制御部55は、新たなタイムスロットを設ける際には、新たなスロット番号を付したタイムスロットを設ける。これにより、新たなタイムスロットが、従前のタイムスロットとともに、周期的に時間軸方向に配置される。また、この場合、割当制御部55は、各路側通信機2に新たなタイムスロットを設けたことを通知する。タイムスロットの時間軸方向の配列周期が変わるからである。
上記タイムスロットの割り当てが中央装置4で行われている場合には、割当制御部55は、中央装置4にタイムスロットの割り当て処理を行わせる。
タイムスロットの割り当てが路側通信機2側で行われている場合には、割当制御部55は、タイムスロットの割り当てを行っている路側通信機2に割り当てに関する制御命令を送信し、当該路側通信機2にタイムスロットの割り当て処理を行わせる。
上記のように構成されたシステムによれば、判定部54が、一の路側通信機2と他の路側通信機2との現状のダウンリンクエリアが重複する干渉エリアと、一又は他の路側通信機2の基準エリアAとが重複しているか否かを判定することにより、一の路側通信機2と他の路側通信機2との間の干渉が、車載通信機3の通信に影響を与えるものであるか否かを判断することができる。
さらに、判定部54の判定結果に基づいて、一及び他の路側通信機2の間で、車載通信機3の通信に影響を与えうる干渉が生じていると判断できる場合、割当制御部55が一の路側通信機又は他の路側通信機のいずれか一方に対して、他のタイムスロットを割り当てるので、両路側通信機2間の干渉を解消することができ、車載通信機3における通信を適正に維持することができる。
〔他の実施形態について〕
上記実施形態では、各路側通信機2の現状のダウンリンクエリアB、干渉エリア、及び、基準エリアAそれぞれの範囲によって、路側通信機2間の干渉が、車載通信機3の通信に影響を与えるものであるか否かを判断する場合を例示したが、例えば、路側通信機2のエリア推定部23aが、上述のように、現状のダウンリンクエリアBについて受信レベルのマップを示すエリア情報S9を出力する場合には、干渉エリアを生じさせている一及び他の路側通信機2それぞれが送信するダウンリンク信号の送信レベルを推定し、干渉エリア内における両路側通信機2が送信するダウンリンク信号の送信レベル比を求めることができる。
この送信レベル比によって、車載通信機3の通信に影響を与える可能性が極めて高いエリアの有無を特定することができる。
エリア情報S9により示される受信レベルのマップは、路側通信機2における車載通信機3からのアップリンク信号の受信レベルであるが、車載通信機3の送信電力、及び、路側通信機2の送信電力が既知であれば、この受信レベルのマップから、車載通信機3側における路側通信機2からのダウンリンク信号の受信レベルをマップとして求めることができる。
図11は、図10における両路側通信機2a,2bの間の送信電力変化を示した模式図である。図において、縦軸には、ダウンリンク信号の受信レベル(又はレベル比)を示しており、横軸は、位置(距離)を示している。線図Pは、路側通信機2aの送信レベルの距離に対する変化、線図Qは、路側通信機2bの送信レベルの距離に対する変化を示している。
ダウンリンク信号の受信レベルは、図に示すように、路側通信機2bに近づくに従って線形的に小さくなり、路側通信機2bの受信レベルも同様、路側通信機2aに近づくに従って線形的に小さくなる。このようなダウンリンク信号の受信レベルの変化は、上記のようにエリア情報S9から得ることができる。
ここで、互いのダウンリンク信号が重複する干渉エリアでは、両路側通信機2a,2bの線図が交差しており、その差は受信レベル比として表すことができる。
仮に、干渉エリアに存在する車載通信機3が路側通信機2bからの信号を受信しようとする場合、路側通信機2aからの信号が重複していたとしても、路側通信機2bからの信号と、路側通信機2aからの信号との間の受信レベル比(DU比:Desired to Undesired signal ratio)が所定の値以上であれば、前記車載通信機3は路側通信機2bからの信号を受信することができる。
例えば、車載通信機3が信号を受信するのに必要な最低限のDU比が15dBであるとすると、基準エリア内干渉エリア内であっても、DU比が15dBより大きければ、当該車載通信機3は、路側通信機2bからの信号を受信できる可能性がある。一方、DU比が15dBより小さければ、車載通信機3は、路側通信機2bからの信号を受信できなくなり、適切な通信が維持できない。
このように、基準エリア内干渉エリアが存在しても、当該エリア全域のDU比が15dB以上であれば、路側通信機2の通信に影響を与えない可能性がある。
しかし、図11に示すように、基準エリア内干渉エリア内に、DU比が15dBより小さいエリアが存在すれば、そのエリア(受信不能エリア)では、車載通信機3の通信に影響を与える可能性が極めて高く、路側通信機2の通信を適切に維持できない。
従って、本実施形態では、判定部54は、干渉エリアと、一又は他の路側通信機2の基準エリアAとが重複しているか否かの判定を、DU比に基づいて判定し、上記受信不能エリアの有無を判定することで、一及び他の路側通信機2の間の干渉が、車載通信機3の通信に影響を与えるものであるか否かをより確実に判断することができる。
なお、本発明は、上記各実施形態に限定されることはない。
上記実施形態では、中央装置4が、干渉制御部51を備えた場合を例示したが、例えば、図12に示すように、複数の路側通信機2の内の一つに干渉制御部51を設け、これに同様の処理を行わせることもできるし、中央装置4や、路側通信機2とは別に道路上に干渉制御部51の機能を備えた制御装置を設置することもできる。
また、上記実施形態では、路側通信機2のエリア推定部23aによる現状のダウンリンクエリアBの推定結果を、受信レベルのマップとして出力する場合を例示したが、例えば、路側通信機2aは、現状のダウンリンクエリアBを車載通信機3からの受信信号に基づいて受信レベルのマップとして推定した後、自己のダウンリンク信号の受信レベルのマップを生成し、取得部52は、この受信レベルのマップを用いて、干渉エリアの特定やこの干渉エリアが車載通信機3の通信に影響を与えるものであるか否かの判定を行うこともできる。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
2 路側通信機
3 車載通信機
52 取得部
53 特定部
54 判定部
55 割当制御部

Claims (7)

  1. 複数の車載通信機と、自装置に割り当てられたタイムスロットにおいてダウンリンク信号を送信する複数の路側通信機と、を備えた通信システムであって、
    現状のタイムスロット及び現状のダウンリンクエリアに関する情報を取得する取得部と、
    前記現状のタイムスロットが同一である複数の路側通信機の中で、当該複数の路側通信機の内の一の路側通信機の現状のダウンリンクエリアと、他の路側通信機の現状のダウンリンクエリアとが重複することで生じる干渉エリアを特定する特定部と、
    前記干渉エリアと、前記一又は他の路側通信機に対して予め目標設定される、必要最小限のダウンリンクエリアである基準エリアとが重複しているか否かを判定する判定部と、を備えていることを特徴とする通信システム。
  2. 前記判定部が、前記干渉エリアと、前記一又は他の路側通信機の基準エリアとが重複していると判定した場合に、前記一の路側通信機又は前記他の路側通信機のいずれか一方に対して、前記現状のタイムスロットに代えて当該現状のタイムスロットとは異なる他のタイムスロットを割り当てる制御部をさらに備えている請求項1に記載の通信システム。
  3. 前記制御部は、前記他のタイムスロットとして、新たなタイムスロットを生成する請求項2に記載の通信システム。
  4. 前記判定部は、前記干渉エリアと、前記一又は他の路側通信機の基準エリアとが重複しているか否かを、前記一の路側通信機と、前記他の路側通信機との間の送信電力比に基づいて判定する請求項1〜3に記載の通信システム。
  5. 前記取得部は、前記車載通信機が送信するアップリンク信号に含まれる当該車載通信機の位置情報とこの位置情報に対応する受信電力に基づいてアップリンクエリアを推定し、これを、前記路側通信機の現状のダウンリンクエリアとして取得する請求項1〜4に記載の通信システム。
  6. 複数の路側通信機間におけるダウンリンクエリアの干渉が車載通信機における通信に影響を与えうる干渉であるか否かを判定する干渉判定方法であって、
    前記複数の路側通信機それぞれに設定された現状のタイムスロット、及び、現状のダウンリンクエリアに関する情報を取得するステップと、
    前記現状のタイムスロットが同一である複数の路側通信機の中で、当該複数の路側通信機の内の一の路側通信機の現状のダウンリンクエリアと、他の路側通信機の現状のダウンリンクエリアとが重複することで生じる干渉エリアを特定するステップと、
    前記干渉エリアと、前記一又は他の路側通信機に対して予め目標設定される、必要最小限のダウンリンクエリアである基準エリアとが重複しているか否かを判定するステップと、を備えていることを特徴とする干渉判定方法。
  7. 複数の路側通信機間におけるダウンリンクエリアの干渉が車載通信機における通信に影響を与えうる干渉であるか否かを判定するための装置であって、
    前記複数の路側通信機それぞれに設定された現状のタイムスロット、及び、現状のダウンリンクエリアに関する情報を取得する取得部と、
    前記現状のタイムスロットが同一である複数の路側通信機の中で、当該複数の路側通信機の内の一の路側通信機の現状のダウンリンクエリアと、他の路側通信機の現状のダウンリンクエリアとが重複することで生じる干渉エリアを特定する特定部と、
    前記干渉エリアと、前記一又は他の路側通信機に対して予め目標設定される、必要最小限のダウンリンクエリアである基準エリアとが重複しているか否かを判定する判定部と、を備えていることを特徴とする装置。
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