JP2015115869A - 通信システム、路側通信機、処理装置、処理方法およびコンピュータプログラム - Google Patents

通信システム、路側通信機、処理装置、処理方法およびコンピュータプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】低コストで路側通信機の通信エリアを確認することができる通信システム等を提供する。
【解決手段】 通信システムは、予め割り当てられた路車間通信期間を用いて通信エリアに路車間通信データを無線送信する路側通信機2と、路車間通信期間以外の時間帯で無線送信が許容される車載通信機3とを備えている。車載通信機3は、路車間通信データに含まれる路車間通信期間長を示す数値情報を受信すると、路車間通信期間長を示す数値情報に対応する第2情報を送信する通信処理部35を備えている。路側通信機2は、路車間通信期間長を示す数値情報に対して経時的な変動を設ける設定部23aと、車載通信機3が送信する前記第2情報を受信し、前記第2情報の経時的な変動に基づいて、通信エリアに対する無線送信の適否を判定する判定部23bとを備えている。
【選択図】図3

Description

本発明は、例えば、高度道路交通システム(ITS:Intelligent Transport System)に好適に用いることができる通信システム、路側通信機、処理装置、処理方法およびコンピュータプログラムに関するものである。
近年、路車間通信、車車間通信による高度道路交通システム(ITS)が検討されている。路車間通信とは、路側通信機(基地局)と車載通信機(移動局)との間の通信であり、車車間通信とは、車載通信機(移動局)間の通信である。
このような高度道路交通システムのための通信方式については、標準規格及びガイドラインが制定されている(非特許文献1,2参照)。
一般社団法人電波産業会、"700MHz 帯高度道路交通システムARIB−STDT109 1.0版",[online]、平成24年2月14日、[平成24年9月18日検索]、インターネット<http://www.arib.or.jp/tyosakenkyu/kikaku_tushin/tsushin_kikaku_number.html> ITS情報通信システム推進会議、"700MHz帯高度道路交通システム拡張機能ガイドライン ITS FORUM RC−010 1.0版",[online]、2012年3月26日、[平成24年9月18日検索]、インターネット<http://www.itsforum.gr.jp/>
上記システムにおいて、路側通信機は、道路上の所定の各地点に設置され、車載通信機に対してサービスを提供するための通信エリアを形成する。
前記通信エリアは、予め通信エリアとして規定された領域内において、車載通信機との間の受信レベルが適切にサービスを提供することができる程度のレベル以上となるように設定されるエリアである。
上記システムでは、路側通信機を設置するとともに、予め規定された範囲に従って道路上に前記通信エリアを形成することで、車載通信機に対して適切にサービスを提供することができる。
一方、設置から時間が経過すると、路側通信機の周囲の環境が変化し、それに伴って電波の伝搬環境が変化する場合がある。例えば、建物や樹木等の増加や道路の変更等といった外的要因によって、予め規定された通信エリア内において干渉やブロッキングが生じ、前記通信エリア内の受信レベルが設置当初と比較して低下する部分が生じることがある。
通信エリア内の受信レベルが設置当初と比較して低下する部分が生じると、実質的に通信エリアが縮小するように変動することになり、車載通信機に対するサービスの提供に支障を来すおそれがある。
このため、通信エリアが予め規定された範囲で維持されているか否かを確認し管理することが必要となるところ、例えば、通信エリアにおける受信レベルを測定することができる専用の車両等を用いて通信エリアを確認し管理を行うことが考えられる。
しかし、このような専用の車両を用いて通信エリアの確認及び管理を行うことは多くのコストを要し好ましくない。
このため、より低コストで路側通信機の通信エリアを確認することができる方策が望まれている。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、より低コストで路側通信機の通信エリアを確認することができる技術を提供することを目的とする。
本発明に係る通信システムは、予め割り当てられた時間スロットを用いて所定の領域に送信情報を無線送信する路側通信機と、前記時間スロット以外の時間帯で無線送信が許容される移動通信機と、を備えた通信システムであって、前記移動通信機は、前記送信情報に含まれる第1情報を受信すると、前記第1情報に対応する第2情報を送信する移動側通信制御部を備え、前記路側通信機は、前記第1情報の一部又は全部に対して経時的な変動を設ける設定部と、前記移動通信機が送信する前記第2情報を受信し、前記第2情報の経時的な変動に基づいて、前記所定の領域に対する無線送信の適否を判定する判定部と、を備えている。
また、本発明に係る路側通信機は、予め割り当てられた時間スロットを用いて所定の領域に送信情報を無線送信するとともに、前記時間スロット以外の時間帯で無線送信が許容される移動通信機との間で通信を行う路側通信機であって、前記送信情報に含まれる第1情報の一部又は全部に対して経時的な変動を設ける設定部と、前記移動通信機が前記第1情報を受信することで、当該移動通信機が送信する前記第1情報に対応する第2情報に現れる経時的な変動に基づいて、前記所定の領域に対する無線送信の適否を判定する判定部と、を備えている。
また、本発明に係る処理装置は、予め割り当てられた時間スロットを用いて所定の領域に送信情報を無線送信する路側通信機と、前記時間スロット以外の時間帯で無線送信が許容される移動通信機と、を備えた通信システムに用いられる処理装置であって、前記送信情報に含まれる第1情報の一部又は全部に対して経時的な変動を設ける設定部と、前記移動通信機が前記第1情報を受信することで、当該移動通信機が送信する前記第1情報に対応する第2情報に現れる経時的な変動に基づいて、前記所定の領域に対する無線送信の適否を判定する判定部と、を備えている。
また、本発明に係る処理方法は、予め割り当てられた時間スロットを用いて所定の領域に送信情報を無線送信するとともに、前記時間スロット以外の時間帯で無線送信が許容される移動通信機との間で通信を行う路側通信機の無線送信に関する処理方法であって、前記送信情報に含まれる第1情報の一部又は全部に対して経時的な変動を設けるステップと、前記移動通信機が、前記第1情報を受信すると、前記第1情報に対応する他の第1情報に対応する第2情報を送信するステップと、前記路側通信機が、前記移動通信機が送信する前記第2情報を受信し、前記第2情報の経時的な変動に基づいて、前記所定の領域に対する無線送信の適否を判定するステップと、を含む。
また、本発明に係るコンピュータプログラムは、予め割り当てられた時間スロットを用いて所定の領域に送信情報を無線送信するとともに、前記時間スロット以外の時間帯で無線送信が許容される移動通信機との間で通信を行う路側通信機の無線送信に関する処理をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムであって、コンピュータに前記送信情報に含まれる第1情報の一部又は全部に対して経時的な変動を設けるステップと、前記移動通信機が前記第1情報を受信することで、当該移動通信機が送信する前記第1情報に対応する第2情報に現れる経時的な変動に基づいて、前記所定の領域に対する無線送信の適否を判定するステップと、を実行させるためのコンピュータプログラムである。
本発明によれば、低コストで路側通信機の通信エリアを確認することができる。
本実施形態に係る高度道路交通システム(ITS)の全体構成を示す概略斜視図である。 本実施形態に係る無線フレーム(スーパーフレーム)を示し、(a)はタイムチャート、(b)は送信期間と送信禁止期間とを示す図である。 (a)は、本実施形態に係る路側通信機の構成を示すブロック図、(b)は、本実施形態に係る車載通信機の構成を示すブロック図である。 本実施形態に係る通信パケットの構造の一例を示す図である。 IR制御フィールドの構造の一例を示す図である。 (a)は、IR制御フィールドにおける路車間通信期間情報を格納するための領域の構造を示す図、(b)は、路車間通信期間情報に含まれる転送可能回数を示す情報の内容の一例を示す図、(c)は、路車間通信期間情報に含まれる期間長情報の内容の一例を示す図である。 路側通信機の動作モードの選択に関する処理の一例を示すフローチャートである。 路側通信機と、車載通信機との間で行われる判定処理の手順の一例を示すシーケンス図である。 設定部23aが設定する路車間通信期間の路車間通信期間長の設定の態様を示す図であり、(a)は、路車間通信期間長の基準値を示す図、(b)は、基準値よりも路車間通信期間長を延ばした状態を示す図である。 路車間通信期間長を、路車間通信期間ごとに変更したときの無線フレームと、路車間通信期間情報の内容との関係の一例を示した図である。 路側通信機、及び車載通信機の配置の一例を示す図である。 図11の場合に、路側通信機(RSU:Road Side Unit)1が経時的な変動を設けた期間長情報を含む路車間通信データを送信したときの各車載通信機(OBE:On−board equipment)の受信状況、及び転送状況の一例を示す図であり、(a)は、RSU1が送信した期間長情報を示す図、(b)は、OBE1におけるRSU1及びOBE2からの通信データの受信状況、及びOBE1がその受信に伴って転送する期間長情報を示す図、(c)は、OBE2におけるRSU1及びOBE1からの通信データの受信状況、及びOBE2がその受信に伴って転送する期間長情報を示す図である。 路側通信機、及び車載通信機の配置の他の例を示す図である。 図13の場合に、RSU1及びRSU2が経時的な変動を設けた期間長情報を含む路車間通信データを送信したときの各OBEの受信状況、及び転送状況の一例を示す図であり、(a)は、RSU1が送信した期間長情報を示す図、(b)は、OBE2におけるRSU1、RSU2、OBE1からの通信データの受信状況、及びOBE2がその受信に伴って転送する期間長情報を示す図、(c)は、OBE1におけるRSU1、RSU2、OBE2からの通信データの受信状況、及びOBE1がその受信に伴って転送する期間長情報を示す図、(d)は、RSU2が送信した期間長情報を示す図である。 複数の路側通信機における設定期間の時期的関係を示す図である。
[本願発明の実施形態の説明]
高度道路交通システムに用いられる通信システムでは、車載通信機が、路側通信機が送信した情報を他の車載通信機に転送送信するための機能を有している場合がある。
車載通信機が上記転送送信の機能を有していれば、路側通信機は、車載通信機が転送送信のために送信した信号を受信し、その受信した信号に、自機が事前に送信した情報が含まれているか否かを確認することで、自機が送信した信号がこの車載通信機に受信されているか否かを確認することができる場合がある。
本願発明者は、この点に着目して本願発明を完成させた。
最初に本願発明の実施形態の内容を列記して説明する。
(1)本発明の一実施形態である通信システムは、予め割り当てられた時間スロットを用いて所定の領域に送信情報を無線送信する路側通信機と、前記時間スロット以外の時間帯で無線送信が許容される移動通信機と、を備えた通信システムであって、前記移動通信機は、前記送信情報に含まれる第1情報を受信すると、前記第1情報に対応する第2情報を送信する移動側通信制御部を備え、前記路側通信機は、前記第1情報の一部又は全部に対して経時的な変動を設ける設定部と、前記移動通信機が送信する前記第2情報を受信し、前記第2情報の経時的な変動に基づいて、前記所定の領域に対する無線送信の適否を判定する判定部と、を備えている。
上記構成の通信システムによれば、路側通信機は、設定部によって経時的な変動が設けられた第1情報を送信する。また、移動通信機は、第1情報を受信すると、第1情報に対応する第2情報を送信する。
このため、移動通信機が路側通信機による第1情報を適切に受信していれば、当該移動通信機が送信する第2情報には、設定部によって設けられた経時的な変動が反映される。
よって、判定部は、経時的変動が設けられている第1情報と、第2情報とが一致しているか否かを比較することによって、路側通信機が送信した第1情報が受信されているか否かを変動に従って詳細に判断することができる。これによって、路側通信機の送信情報が移動通信機に受信され路車間通信が適切に行われているか否かを判定することができる。
この結果、路側通信機が送信情報を送信すべき所定の領域である通信エリアの確認を、路側通信機と移動通信機との間で行うことができる。よって、路側通信機の受信レベルを測定するための専用の車両等を用いる必要がなく、低コストで通信エリアの確認を行うことができる。
(2)上記通信システムにおいて、前記第1情報、及び前記第2情報は、前記時間スロットの期間長さに関する情報であることが好ましい。
この場合、サービスの提供を継続しつつ通信エリアの確認を行うことができる。
また、時間スロットの期間長さに関する情報に経時的な変動を設けるために、特別に通信フォーマットを変更する必要がない。このため、路車間通信に大きく影響を与えることなく、経時的な変動を容易に設けることができる。
(3)(4)前記移動通信機は、前記第1情報から得られる、前記時間スロットの期間長さに関する情報に基づいて、自機が送信可能な時間帯を特定することが好ましく、さらに、前記移動通信機は、他の移動通信機が送信する前記第2情報から得られる、前記時間スロットの期間長さに関する情報も加味して、自機が送信可能な時間帯を特定することが好ましい。
この場合、時間スロットの期間長さに経時的な変動を設けたとしても、移動通信機は、その変動に応じて、自機が送信可能な時間帯を適切に特定することができる。
(5)上記通信システムにおいて、前記設定部は、前記送信情報を送信するために必要な期間よりも長い期間となる範囲で前記時間スロットの期間長さを前記時間スロットごとに変更することが好ましい。
この場合、時間スロットの期間長さ、及び時間スロットの期間長さに関する情報に経時的な変動を設けたとしても、少なくとも、路側通信機による送信情報を送信するために必要な期間については確保することができる。
(6)また、上記通信システムにおいて、前記設定部は、前記第1情報の一部又は全部に対して経時的な変動を設けるための設定期間を、自機以外の他の路側通信機における前記設定期間とは異なる期間に設定してもよい。
例えば、自機と、他の路側通信機とが同じ設定期間であり、経時的な変動が設けられた第1情報をそれぞれが送信したとすると、互いの経時的な変動が設けられた第1情報が交錯してしまい、これらを受信した車載通信機からの第2情報を自機が受信した場合、この第2情報に含まれる時間スロットの期間長さが自機により設定されたものであるか否か、つまり、自機の送信情報が車載通信機に受信されたか否かを精度よく判定することができないおそれがある。
この点、上記構成によれば、互いの経時的な変動が設けられた第1情報が交錯することが防止できるので、自機の送信情報が車載通信機に受信されたか否かを精度よく判断することができ、路車間通信が適切に行われているか否かをより精度よく判定することができる。
(7)本発明の一実施形態である路側通信機は、予め割り当てられた時間スロットを用いて所定の領域に送信情報を無線送信するとともに、前記時間スロット以外の時間帯で無線送信が許容される移動通信機との間で通信を行う路側通信機であって、前記送信情報に含まれる第1情報の一部又は全部に対して経時的な変動を設ける設定部と、前記移動通信機が前記第1情報を受信することで、当該移動通信機が送信する前記第1情報に対応する第2情報に現れる経時的な変動に基づいて、前記所定の領域に対する無線送信の適否を判定する判定部と、を備えている。
(8)また、本発明の一実施形態である処理装置は、予め割り当てられた時間スロットを用いて所定の領域に送信情報を無線送信する路側通信機と、前記時間スロット以外の時間帯で無線送信が許容される移動通信機と、を備えた通信システムに用いられる処理装置であって、前記送信情報に含まれる第1情報の一部又は全部に対して経時的な変動を設ける設定部と、前記移動通信機が前記第1情報を受信することで、当該移動通信機が送信する前記第1情報に対応する第2情報に現れる経時的な変動に基づいて、前記所定の領域に対する無線送信の適否を判定する判定部と、を備えている。
上記構成の路側通信機、及び処理装置によれば、路側通信機が送信情報を送信すべき所定の領域である通信エリアの確認を、路側通信機と車載通信機との間で行うことができ、路側通信機の受信レベルを測定するための専用の車両等を用いる必要がなく、低コストで通信エリアの確認を行うことができる。
(9)本発明の一実施形態である処理方法は、予め割り当てられた時間スロットを用いて所定の領域に送信情報を無線送信するとともに、前記時間スロット以外の時間帯で無線送信が許容される移動通信機との間で通信を行う路側通信機の無線送信に関する処理方法であって、
前記送信情報に含まれる第1情報の一部又は全部に対して経時的な変動を設けるステップと、
前記移動通信機が、前記第1情報を受信すると、前記第1情報に対応する他の第1情報に対応する第2情報を送信するステップと、
前記路側通信機が、前記移動通信機が送信する前記第2情報を受信し、前記第2情報の経時的な変動に基づいて、前記所定の領域に対する無線送信の適否を判定するステップと、
を含む。
(10)また、本発明の一実施形態であるコンピュータプログラムは、予め割り当てられた時間スロットを用いて所定の領域に送信情報を無線送信するとともに、前記時間スロット以外の時間帯で無線送信が許容される移動通信機との間で通信を行う路側通信機の無線送信に関する処理をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムであって、
コンピュータに
前記送信情報に含まれる第1情報の一部又は全部に対して経時的な変動を設けるステップと、
前記移動通信機が前記第1情報を受信することで、当該移動通信機が送信する前記第1情報に対応する第2情報に現れる経時的な変動に基づいて、前記所定の領域に対する無線送信の適否を判定するステップと、
を実行させるためのコンピュータプログラムである。
上記構成の処理方法、及びコンピュータプログラムによれば、路側通信機が送信情報を送信すべき所定の領域である通信エリアの確認を、路側通信機と車載通信機との間で行うことができ、路側通信機の受信レベルを測定するための専用の車両等を用いる必要がなく、低コストで通信エリアの確認を行うことができる。
[本願発明の実施形態の詳細]
以下、好ましい実施形態について図面を参照しつつ説明する。
[実施形態の詳細]
[1.通信システム]
図1は、本実施形態に係る高度道路交通システム(ITS)の全体構成を示す概略斜視図である。なお、本実施形態では、道路構造の一例として、南北方向と東西方向の複数の道路が互いに交差した碁盤目構造を想定している。
図1に示すように、本実施形態の高度道路交通システムは、交通信号機1、路側通信機(基地局)2、中央装置(中央装置)4、車載通信機(移動局)3を搭載した車両5および車両感知器や監視カメラ等よりなる路側センサ6を含む。移動局としては、車載通信機3に限られず、例えば、歩行者が所持する歩行者用通信機であってもよい。なお、本実施形態において特に説明しない点については、非特許文献1,2に準拠する。
交通信号機1と路側通信機2(2A,2B)は、複数の交差点A1〜A5,B1〜B5、C1〜C5,D1〜D5のそれぞれに設置されている。複数の路側通信機2のうちの一部の路側通信機2は、電話回線等の有線通信回線7を介してルータ8に接続されている。このルータ8は交通管制センター内の中央装置4に接続されている。複数の路側通信機2には、ルータ8に接続されていない路側通信機2も含まれている場合がある。中央装置4は、自身が管轄するエリアの交通信号機1および路側通信機2とLAN(Local Area Network)を構成している。なお、中央装置4は、交通管制センターではなく道路上に設置してもよい。
中央装置4に有線通信回線7で接続されている路側通信機2(オンライン路側通信機)は、中央装置4の管轄するエリアに含まれる全ての路側通信機のうちの一部であり、中央装置4に対して有線通信回線7で接続されていない路側通信機2(スタンドアローン路側通信機)も存在する場合がある。
路側センサ6は、各交差点に流入する車両台数をカウントする等の目的で、管轄エリア内の道路の各所に設置されている。この路側センサ6は、直下を通行する車両5を超音波感知する車両感知器、或いは、道路の交通状況を時系列に撮影する監視カメラ等よりなり、感知情報や画像データは通信回線7を介して中央装置4に送信される。なお、図1では、図示を簡略化するために、各交差点に信号灯器が1つだけ描写されているが、実際の各交差点には、互いに交差する道路の上り下り用として少なくとも4つの信号灯器が設置されている。
高度道路交通システムにおいて、無線通信システムを構成する、複数の交差点それぞれに設置された複数の路側通信機2は、その周囲を走行する車両の車載通信機(移動局)3との間で無線通信(路車間通信)が可能である。
また、各路側通信機2は、自己の送信波が到達する所定範囲内に位置する他の路側通信機2とも無線通信(路路間通信、路車間通信)が可能である。
また、同じく無線通信システムを構成する車載通信機(移動局)3は、路側通信機2との間で無線通信を行うとともに、CSMA(Carrier Sense Multiple Access)方式で他の車載通信機3と無線通信(車車間通信)が可能である。
図2は、本実施形態に係る無線フレーム(スーパーフレーム)を示し、(a)はタイムチャート、(b)は送信期間と送信禁止期間とを示す図である。
図2(a)に示すように、無線フレームは、その時間軸方向の長さ(フレーム長)が100msに設定されている。つまり、1秒間に10フレームが発生する。
フレームは、例えば、路側通信機2が有するGPS受信機(図示せず)によって受信したGPS信号に含まれる1PPS(1秒周期の信号)に基づいて生成される。
一つの無線フレーム(100ms)は、複数の路車間通信期間SL1と、複数の車車間通信期間SL2と、を含んで構成されている。
路車間通信期間SL1は、路側通信機2に割り当てられる路車間通信用のタイムスロット(路側通信機用送信期間)であり、この期間SL1においては、路側通信機2による無線送信が許容される。路車間通信期間SL1は、一つの無線フレーム(100ms)内に最大16個まで設定可能である。
車車間通信期間SL2は、車載通信機3用のタイムスロット(車用通信期間)であり、この時間帯SL2は車載通信機3によるCSMA方式による無線送信時間として開放するため、路側通信機2は車車間通信期間SL2では無線送信を行わない。
無線フレームに含まれている路車間通信期間SL1と、車車間通信期間SL2とは、時間軸方向に交互に配置されている。
路車間通信期間SL1には、それぞれ路車間通信期間番号n(=1〜16)が付されている。
それぞれの路側通信機2には、無線フレームに含まれる複数の路車間通信期間SL1のうちの、一つまたは複数の路車間通信期間SL1が送信期間として設定され、その他の路車間通信期間SL1は送信が禁止される。すなわち、路側通信機2にとっては、車車間通信期間SL2および路側通信機2に割り当てられていない路車間通信期間SL1は、送信禁止期間となる。
また、図2(b)に示すように、例えば路側通信機2にn=4,5,6の3つの路車間通信期間SL1が送信期間として割り当てられている場合、他の期間は送信禁止期間となっている。路側通信機2は、送信禁止期間以外の期間(送信期間)でデータ送信を行う。
一つの無線フレーム内において、一の路側通信機2に割り当てられる送信期間の数は任意である。また、一つの送信期間の期間長は、路車間通信期間の期間長と等しくてもよいし、路車間通信期間よりも短くてもよい。また、一つの路車間通信期間内に複数の送信期間が設定されてもよい。
図3(a)は、本実施形態に係る路側通信機2の構成を示すブロック図である。
図に示すように、路側通信機2は、無線通信のためのアンテナ20が接続された無線通信部21と、有線通信回線7を介して中央装置4と通信するための有線通信部22と、通信制御処理を行う通信処理装置25とを備えている。
通信処理装置25は、制御部23と、必要な情報を記憶する記憶部24とを備えている。
制御部23は、無線通信および有線通信の通信制御処理を行う機能を有している。制御部23は、設定部23aと、判定部23bとを有している。設定部23a、及び判定部23bは、後述する、通信エリアの判定に関する処理を実行するために必要な機能を有している。設定部23a、及び判定部23bに機能については、後に詳述する。
記憶部24は、無線通信および有線通信のために必要な情報を記憶する。
路側通信機2は、予め割り当てられた路車間通信期間SL1(タイムスロット)を用い、所定の領域である通信エリア内に存在する車両5(車載通信機3)に向けて送信情報としての路車間通信データの無線送信が可能である。
また、路側通信機2は、自局の通信エリア内に存在する車両5(車載通信機3)から送信される車車間通信データの受信も可能である。
さらに、路側通信機2は、自機に割り当てられた路車間通信期間SL1を特定するための情報である路車間通信期間情報を、路車間通信データに含めて送信し、周囲の車載通信機3に通知する。
路車間通信期間情報は、当該路車間通信情報を生成した路側通信機2に割り当てられた路車間通信期間番号nや、路車間通信データに含まれる第1情報としての路車間通信期間長を示す数値情報を含んでいる。
路側通信機2は、路車間通信期間情報を周囲の車載通信機3に送信することで、自機に割り当てられた路車間通信期間番号nや路車間通信期間長を周囲の車載通信機3に通知し、自身の送信時間を確保する。
通信処理装置25は、その機能の一部または全部が、ハードウェア回路によって構成されていてもよいし、その機能の一部または全部が、コンピュータプログラムによって実現されていてもよい。通信処理装置25の機能の一部または全部がコンピュータプログラムによって実現される場合、通信処理装置25(制御部23)は、コンピュータを含み、コンピュータによって実行されるコンピュータプログラムは、記憶部24に記憶される。
図3(b)は、本実施形態に係る車載通信機3の構成を示すブロック図である。
車載通信機(移動局)3は、無線通信のためのアンテナ30が接続された無線通信部31と、通信制御処理を行う通信処理装置35とを備えている。
通信処理装置35は、制御部33と、必要な情報を記憶する記憶部34とを備えている。
制御部33は、無線通信の通信制御処理を行う機能を有している。
記憶部34は、無線通信のために必要な情報を記憶する。
車載通信機3は、車車間通信期間SL2において、キャリアセンス方式によって車車間通信を行う機能を有している。車載通信機3は、路側通信機2からの路車間通信データを受信することで、路車間通信期間情報を取得する。車載通信機3は、取得した路車間通信情報に含まれる路車間通信期間長を示す数値情報に基づいて、路側通信機2の路車間通信期間SL1を特定し、車車間通信期間SL2を特定することができる。
また、車載通信機3は、路側通信機2からの路車間通信データを受信することで、路側通信機2からの路車間通信期間情報を取得すると、取得した路車間通信期間情報、又は取得する前から記憶していた路車間通信期間情報のいずれかを他の車載通信機3に送信する機能を有している。
よって、車載通信機3は、路側通信機2からの路車間通信データだけでなく、他の車載通信機3からの車車間通信データを受信することによって、路側通信機2の路車間通信期間情報を取得することができる。
つまり、車載通信機3は、路側通信機2からの路車間通信データ、又は他の車載通信機3からの車車間通信データを受信し、路側通信機2の路車間通信期間情報を取得すると、その取得した路側通信機2の路車間通信期間情報、又は取得する前から記憶していた路車間通信期間情報のいずれかをさらに他の車載通信機3に転送する機能を有している。
また、車載通信機3は、自機の位置情報をGPS等によって取得し、車車間通信データに含めて送信することで、路側通信機2や、他の車載通信機3に機器の位置情報を報知する機能を有している。
車載通信機3の通信処理装置35は、その機能の一部または全部が、ハードウェア回路によって構成されていてもよいし、その機能の一部または全部が、コンピュータプログラムによって実現されていてもよい。通信処理装置35の機能の一部または全部がコンピュータプログラムによって実現される場合、通信処理装置35(制御部33)は、コンピュータを含み、コンピュータによって実行されるコンピュータプログラムは、記憶部34に記憶される。
図4は、本実施形態に係る通信パケットの構造の一例を示す図である。
この通信パケットは、路側通信機2および車載通信機3によって送信される。図4に示す通信パケットの構成は、非特許文献1,2に準拠したものである。車車間通信において送受信される車車間通信データ、路車間通信において送受信される路車間通信データ、及び路路間通信において送受信される路路間通信データは、いずれも、図4に示す通信パケットの形式で送信される。
通信パケットは、先頭にPHYヘッダ(物理ヘッダ)を有している。PHYヘッダは、送信側の路側通信機2(車載通信機3)の物理層によって、MAC層(MAC:Medium Access Control)から取得したMPDU(MAC Protocol Data Unit)の前に付加される。
PHYヘッダは、受信側の路側通信機2(車載通信機3)における物理層において読み取られて、受信側の物理層における通信制御処理に用いられる。なお、PHYヘッダを含む通信パケット全体が、PPDU(Physical Layer Protocol Data Unit)である。PHYヘッダよりも後側のMPDUは、PSDU(Physical Layer Convergence Protocol Service Data Unit)でもある。
PPDU(MPDU)は、その最後端にFCS(Frame Check Sequence)を含んでいる。
PHYヘッダの構成は、IEEE802.11に準拠する。したがって、PHYヘッダには、プリアンブルなどが含まれる。
PHYヘッダに続いて、MAC制御フィールドおよびLLC制御フィールドが設けられている。MAC制御フィールドは、送信側の路側通信機2(車載通信機3)のMAC層によって、LLC層(LLC:Logical Link Control)から取得したLPDU(LLC Protocol Data Unit)の前に付加される。
MAC制御フィールドは、受信側の路側通信機2(車載通信機3)のMAC層において読み取られて、受信側のMAC層における通信制御処理に用いられる。
MAC制御フィールドよりも後側のLPDUは、MSDU(MAC Service Data Unit)でもある。
MAC制御フィールドに続くLLC制御フィールドは、送信側の路側通信機2(車載通信機3)のLLC層によって、IVC−RVC層(IVC−RVC:Inter−Vehicle Communication−Road to Vehicle Communication)から取得したIPDU(IVC−RVC Protocol Data Unit)の前に付加される。
LLC制御フィールドは、受信側の路側通信機2(車載通信機3)のLLC層において読み取られて、受信側のLLC層における通信制御処理に用いられる。
また、LLC制御フィールドよりも後側のIPDUは、LSDU(LLC Service Data Unit)でもある。
LLC制御フィールドに続いて、IR制御フィールドが設けられている。IR制御フィールドは、送信側の路側通信機2(車載通信機3)のIVC−RVC層によって、APDU(Application Protocol Data Unit)の前に付加される。
IR制御フィールドは、受信側の路側通信機2(車載通信機3)のIVC−RVC層において読み取られて、受信側のIVC−RVC層における通信制御処理に用いられる。
IR制御フィールドよりも後側のAPDUは、ISDU(IVC−RVC Service Data Unit)でもある。
APDUは、レイヤ7に関する処理に用いられる情報が格納されるレイヤ7ヘッダや、セキュリティに関する情報が格納される領域、路車間通信において授受される交通情報や信号情報等の各種情報であるアプリケーションデータが格納される領域を含んでいる。
図5は、IR制御フィールドの構造の一例を示す図である。
図5に示すIR制御フィールドの構成は、非特許文献1,2に準拠したものである。車車間通信データ、路車間通信データ、及び路路間通信データを送信する際の通信パケットは、いずれも、図5に示す形式のIR制御フィールドで送信される。
IR制御フィールドは、先頭から順に、プロトコルバージョン番号(バージョン)を示す情報を格納するための領域、識別情報を格納するための領域、同期情報を格納するための領域、予約領域、送信時刻を示す情報を格納するための領域、路車間通信期間情報を格納するための領域、及び拡張領域を含んでいる。
上記識別情報は、このIPDUを含む通信パケットの送信元の通信機が基地局か、移動局かを識別するための情報である。
上記同期情報は、このIPDUを含む通信パケットの送信元の通信機の同期状態、例えば、同期しているか、非同期であるか、といった情報である。
送信時刻を示す情報は、このIPDUを含む通信パケットの送信元が当該通信パケットの送信時刻を示す情報である。この送信時刻を示す情報は、図2に示した無線フレーム(スーパーフレーム)の先頭から当該通信パケットのPHYヘッダの先頭が送出されるタイミングまでの期間長さで表される。
この送信時刻を示す情報によって、この通信パケットがどの路車間通信期間SL1で送信されるのかを認識することができる。
図6(a)は、IR制御フィールドにおける路車間通信期間情報を格納するための領域の構造を示す図である。
図に示すように、路車間通信期間情報を格納するための領域には、転送可能回数を示す情報と、路車間通信期間長を示す情報とが格納されており、路車間通信期間情報は、転送可能回数を示す情報と、路車間通信期間長を示す情報とを含んでいる。
路車間通信期間情報を格納するための領域として、8ビットの領域が確保されており、その内、前方の2ビット(b7,b6)の領域に転送可能回数を示す情報が格納され、後方の6ビット(b6〜b0)の領域に路車間通信期間長を示す数値情報(以下、期間長情報ともいう)が格納される。
また、路車間通信期間情報は、互いに異なる配列のデータ構造体形式が16種類規定されている。これら構造体形式の配列は、それぞれ、路車間通信期間SL1の路車間通信期間番号n(=1〜16)に対応している。よって、路車間通信期間情報には、構造体形式の配列によって、送信元となる路側通信機2に割り当てられている路車間通信期間番号nが格納される。
図6(b)は、路車間通信期間情報に含まれる転送可能回数を示す情報の内容の一例を示す図である。
図に示すように、転送可能回数を示す情報は、2ビットの領域を用いて、「転送しない」(=0)、「1回転送可能」(=1)、「2回転送可能」(=2)、及び「3回転送可能」(=3)の4通りの情報の内のいずれか一つを示す。なお括弧内の数値は、各ビットで表される数値情報であり、転送可能回数を示す数値情報である。この転送可能回数を示す数値情報は、路路間通信で路車間通信期間情報が転送されるごとに車載通信機3によってデクリメントされる。
本実施形態において、車載通信機3は、上述したように、路側通信機2からの路車間通信データ、又は他の車載通信機3からの車車間通信データを受信し、路側通信機2の路車間通信期間情報を取得すると、その取得した路車間通信期間情報、又は取得する前から記憶していた路車間通信期間情報のいずれかを車車間通信データに含め、さらに他の車載通信機3に転送する機能を有している。
車載通信機3は、路車間通信期間番号毎に路車間通信期間情報を登録して記憶するためのテーブルを有している。
車載通信機3が、路車間通信データ、又は車車間通信データを受信し、路車間通信期間情報を取得した場合、当該車載通信機3は、取得した路車間通信期間情報に含まれる路車間通信期間番号及び転送可能回数を示す数値情報を参照し、テーブルに登録されている、取得した路車間通信期間情報と同じ路車間通信期間番号の路車間通信期間情報を参照し、取得した路車間通信期間情報に含まれる転送可能回数と、テーブルに既に登録されている、受信した情報と同じ路車間通信期間番号の路車間通信期間情報に含まれる転送可能回数とを比較する。
車載通信機3は、転送可能回数を示す数値情報を比較した結果、転送可能回数を示す数値情報が大きい方の路車間通信期間情報を選択してテーブルに登録する(テーブルを更新する)。さらに、車載通信機3は、登録した路車間通信期間情報を、さらに他の車載通信機3に転送する。
例えば、路側通信機2が、路車間通信期間番号が「1」、転送可能回数を示す数値情報を「3」(3回転送可能)とした路車間通信期間情報を路車間通信データに含めて送信したとする。
車載通信機3は、上記路側通信機2からの路車間通信データを受信すると、受信した路車間通信期間情報に含まれる、路車間通信期間番号と、転送可能回数を示す数値情報とを参照する。
次いで、車載通信機3は、テーブルに既に登録されている、路車間通信期間番号が「1」の路車間通信期間情報を参照し、受信した路車間通信期間情報に含まれる転送可能回数と、テーブルに登録されている路車間通信期間情報に含まれる転送可能回数とを比較する。
仮に、テーブルの路車間通信期間情報に含まれる転送可能回数が、「2」(2回転送可能)であるとすると、受信した路車間通信期間情報に含まれる転送可能回数を示す数値情報の方が「3」と大きい。よってこの場合、車載通信機3は、受信した路車間通信期間情報を選択し、テーブルに登録していた路車間通信期間情報を、受信した路車間通信期間情報に更新する。
次いで、車載通信機3は、受信した路車間通信期間情報を他の車載通信機3に転送する。この際、路車間通信期間情報に含まれる、転送可能回数を示す数値情報を「3」から「2」にデクリメントし、期間長情報についてはそのまま転送する。
つまり、この場合、車載通信機3は、路車間通信データを受信することでその路車間通信データに含まれる期間長情報(第1情報)を受信すると、第1情報に対応する第2情報として、受信した期間長情報を転送する。
また、上記車載通信機3が、転送可能回数を示す数値情報が「2」とされた路車間通信期間情報を含む車車間通信データを受信したときに、当該車載通信機3のテーブルに既に登録されている、路車間通信期間情報の転送可能回数を示す数値情報が「3」である場合、車載通信機3は、自機のテーブルに登録されている路車間通信期間情報を選択し、その路車間通信期間情報の登録を維持する。
車載通信機3は、選択した路車間通信期間情報に含まれる、転送可能回数を示す数値情報を「3」から「2」にデクリメントした上で、路車間通信期間情報を他の車載通信機3に転送する。
この場合、車載通信機3は、車車間通信データを受信することで路車間通信データに含まれる期間長情報を受信すると、路車間通信データを受信することで得た期間長情報(第1情報)に対応する第2情報として、自機がテーブルに登録し記憶している期間長情報を転送する。
また、受信した路車間通信期間情報に含まれる転送可能回数と、テーブルに登録していた路車間通信期間情報に含まれる転送可能回数とが、共に同じである場合、車載通信機3は、期間長情報が大きい方の路車間通信期間情報を選択し、選択した路車間通信期間情報をテーブルに登録する。
この場合、車載通信機3は、路車間通信データ又は車車間通信データを受信することで期間長情報を受信すると、受信した期間長情報、又は自機がテーブルに登録し記憶している期間長情報のいずれか一方を転送する。
このとき、車載通信機3は、路車間通信データを受信することで第1情報としての期間長情報を受信すると、これに対応する第2情報としての期間長情報を転送する場合と、他の車載通信機3が送信した車車間通信データを受信することで第2情報としての期間長情報を受信し、これに対応する第2情報としての期間長情報を転送する場合がある。
さらに、上記車載通信機3が、例えば、路車間通信データや車車間通信データを受信できず、路車間通信期間情報を取得できなかった場合、当該車載通信機3は、テーブルに登録している路車間通信期間情報の送信を維持する。
路側通信機2から送信される路車間通信データの路車間通信期間情報は、一般に、他の車載通信機3から転送される車車間通信データの路車間通信期間情報よりも、転送可能回数を示す数値情報が多いので、車載通信機3は、路側通信機2から送信された路車間通信期間情報を受信すれば、路側通信機2から送信された路車間通信期間情報を選択する。
よって、車載通信機3は、路側通信機2が送信した路車間通信データを受信し路車間通信期間情報を取得すれば、原則として、取得した路側通信機2からの路車間通信期間情報(に含まれる期間長情報)を車車間通信データに含めて転送する。
ここで、転送が繰り返された路車間通信期間情報は、転送が繰り返されている間に時間が経過し、過去の情報である可能性が高い。つまり、転送可能回数を示す数値情報は、路車間通信期間情報の新しさを示している。このため、できるだけ、車載通信機3においては、転送可能回数が少ない(転送可能回数を示す数値情報が大きい)路車間通信期間情報をテーブルに登録し、記憶する必要がある。
車載通信機3は、上述のように、転送可能回数を示す数値情報が大きい路車間通信情報を選択するので、できるだけ新しい路車間通信期間情報をテーブルに登録し記憶することができる。
なお、車載通信機3は、テーブルに登録した路車間通信期間情報については、継続して登録している時間に応じて転送可能回数の数値情報をデクリメントする機能を有している。
本実施形態では、継続して登録記憶する有効時間(ORV:On−board equipment Road vehicle communication Valid Period)として300msに設定されている。
例えば、車載通信機3が300msの間、路車間通信期間情報を取得できなかった場合、そのときテーブルに登録している路車間通信期間情報に含まれる転送可能回数を示す数値情報をデクリメントする。
これによって、車載通信機3は、できるだけ新しい路車間通信期間情報をテーブルに登録する。
図6(c)は、路車間通信期間情報に含まれる期間長情報の内容の一例を示す図である。
期間長情報は、各ビットで表される数値情報であり、図に示すように、例えば、48マイクロ秒(3ユニット)ごとに64通りの期間長さの内のいずれか一つを示す。
期間長情報が「0」の場合、路車間通信期間SL1は存在しないことを示している。また、期間長情報が「1」の場合、路車間通信期間長は、48マイクロ秒(3ユニット)であることを示している。期間長情報は、「63」まで規定されており、期間長情報が「63」の場合、路車間通信期間長は、3024マイクロ秒(189ユニット)であることを示している。
この路車間通信期間長は、路側通信機2の設定部23a(図3)によって設定される。
設定部23aは、自機に割り当てられている路車間通信期間SL1の路車間通信期間長を、48マイクロ秒から3024マイクロ秒までの範囲で、48マイクロ秒(3ユニット)ごとに64通りの期間長さの中から、任意に設定することができる。
路側通信機2は、路車間通信期間情報に含まれる期間長情報として、設定部23aが設定した路車間通信期間長に応じた数値情報を格納する。
つまり設定部23aは、路車間通信期間長を設定することで、路車間通信期間情報の期間長情報を変更することができる。
車載通信機3は、路車間通信期間情報を取得し、期間長情報を参照することで、設定部23aが設定した路車間通信期間長を認識することができる。
[2.判定処理について]
本実施形態の無線通信システムは、通信エリアに対する無線送信の適否を判定するための判定処理を実行する機能を有している。
図7は、路側通信機の動作モードの選択に関する処理の一例を示すフローチャートである。
本実施形態の路側通信機2は、当該路側通信機2の動作モードとして、通常の通信処理を実行するための通常モードと、判定処理を実行するための判定モードのいずれか一方を選択するように構成されている。
図に示すように、路側通信機2は、判定処理を実行するか否かを判定し(ステップS1)、判定処理を実行しないと判定した場合、通常モードを選択し(ステップS2)、通常の通信処理を実行する。
一方、ステップS1において、判定処理を実行すると判定した場合、判定モードを選択し(ステップS3)、判定処理を実行する。
判定処理を実行するか否かの判定は、例えば、予め判定処理を実行するための期間を設定しておき、その期間内か否かを判定することで行ってもよいし、路側通信機2に判定処理を実行すべき命令を与えることができる場合には、その命令の有無によって判定することもできる。
以下、本システムによる判定処理について説明する。
図8は、路側通信機2と、車載通信機3との間で行われる判定処理の手順の一例を示すシーケンス図である。
まず、路側通信機2は、判定モードを選択し、判定処理を実行することを決定すると(ステップS11)、設定部23aに、自機に割り当てられている路車間通信期間SL1の路車間通信期間長について、経時的な変動の設定を行わせる。
設定部23aは、判定処理の実行によって、割り当てられている路車間通信期間SL1の路車間通信期間長が、1無線フレームごとに異なる値となるように当該路車間通信期間長を設定する。つまり、割り当てられている路車間通信期間SL1ごとに、路車間通信期間長を変更し、これによって、設定部23aは、自機に割り当てられている路車間通信期間SL1の路車間通信期間長の設定に経時的な変動を設ける。
また、設定部23aは、路車間通信期間長の設定に、経時的な変動を設けるために、路車間通信期間長の基準値を設定し、その基準値に基づいて、路車間通信期間長の設定を行う。
図9は、設定部23aが設定する路車間通信期間SL1の路車間通信期間長の設定の態様を示す図であり、(a)は、路車間通信期間長の基準値を示す図である。
図中、路車間通信期間SL1には、通信パケットが格納される。このため、設定部23aは、送信情報を送信するために必要な期間である、路車間通信期間SL1によって送信すべき通信パケットの送信時間の合計値よりも長い期間となる値に、路車間通信期間長の基準値を設定する。本実施形態の設定部23aは、路車間通信期間長の基準値から、期間長を延ばす方向に路車間通信期間長の設定を行う。
図9(b)は、基準値よりも路車間通信期間長を延ばした状態を示す図である。
図9(b)は、基準値よりも、延長部分Eとして4段階(12ユニット)延ばした状態を示している。
設定部23aは、基準値から、所定の上限値まで複数段階の範囲内で路車間通信期間長を設定することができる。
ここで、図9(b)に示すように、基準値から4段階延ばした状態が上限値に設定されているとすると、設定部23aは、1段階(3ユニット)ずつ5段階で路車間通信期間長を設定することができ、路車間通信期間長を、路車間通信期間SL1ごとに変更し設定する。
路側通信機2は、路車間通信期間長の設定に応じて、路車間通信期間情報の期間長情報に、設定部23aが設定した路車間通信期間長に応じた数値を格納し、路車間通信データを送信する。
図10は、路車間通信期間長を、路車間通信期間SL1ごとに変更したときの無線フレームと、路車間通信期間情報の内容との関係の一例を示した図である。
図10では、期間長情報が「50」(2400マイクロ秒)である場合の路車間通信期間長を基準値に設定し、期間長情報が「54」(2592マイクロ秒)までの範囲で、路車間通信期間SL1ごとに1段階(3ユニット)ずつ路車間通信期間長を増加させた場合を示している。
図に示すように、路側通信機2に割り当てられている路車間通信期間SL1は、1無線フレーム(100ミリ秒)周期で配置されている。
路側通信機2に割り当てられている路車間通信期間SL1の路車間通信期間長は、100ミリ秒周期で現れる路車間通信期間SL1ごとに1段階ずつ増加するように設定され、上限値(期間長情報が「54」(2592マイクロ秒))が設定された路車間通信期間SL1の後の路車間通信期間SL1に対しては、再度基準値が設定されている。
設定部23aは、予め定められた設定期間の間、上記パターンで反復するように路車間通信期間長を設定する。これによって、路車間通信期間SL1の路車間通信期間長は、前記設定期間の間、経時的に変動するように設定される。
これに伴い、路側通信機2が送信する路車間通信期間情報に含まれる期間長情報の内容も、設定期間の間、設定部23aによる路車間通信期間長の設定に応じて経時的な変動が設けられる。
なお、上記例では、路車間通信期間SL1によって送信すべき通信パケットの送信時間の合計値よりも長い期間となる値に、路車間通信期間長の基準値を設定し、基準値以上の範囲で路車間通信期間長を路車間通信期間SL1ごとに変更するので、路車間通信期間SL1の期間長、及び期間長情報に経時的な変動を設けたとしても、少なくとも、路側通信機2による路車間通信データを送信するために必要な期間については確保することができる。
以上のように、設定部23aは、判定処理の実行に伴って、自機が無線送信する路車間通信期間情報に含まれる期間長情報に対して経時的な変動を設ける。
図8に戻って、設定部23aが、自機に割り当てられている路車間通信期間SL1の路車間通信期間長が、経時的に変動するように設定しつつ、路側通信機2は、その設定に従った自機の路車間通信期間SL1において、路車間通信期間情報を含む路車間通信データを送信する(ステップS12)。このとき、路車間通信期間情報に含まれる期間長情報は、当該期間長情報が送信される路車間通信期間SL1の路車間通信期間長に対応する情報とされている。
車載通信機3は、当該路側通信機2の通信エリアに存在していれば、この路車間通信データを受信して経時的な変動が設けられた路車間通信期間情報を取得する。
車載通信機3は、路車間通信期間情報を取得するごとに、取得した路車間通信期間情報を、車車間通信データに含めて他の車載通信機3に転送する(ステップS13)。
路側通信機2は、個々に路車間通信期間長が変更されて時間軸方向に配列される路車間通信期間SL1によって送信を繰り返す。
車載通信機3は、それらを受信した場合、他の車載通信機3に向けた車車間通信データとして転送を繰り返す。
路側通信機2は、自機の路車間通信データの送信に応じて、車載通信機3から送信される車車間通信データを、前記設定期間の間、逐次受信し、その車車間通信データに含まれる、路車間通信期間情報を取得する。
前記設定期間の間、車車間通信データに含まれる路車間通信期間情報を取得すると、路側通信機2の判定部23b(図3)は、前記設定期間の間に取得した路車間通信期間情報に含まれる期間長情報の経時的な変動に基づいて、自機の通信エリアに対する無線送信の適否を判定する(ステップS14)。
車載通信機3は、上述したように、路側通信機2が送信した路車間通信データを適切に受信し路車間通信期間情報を取得すれば、取得した路側通信機2からの路車間通信期間情報に含まれる期間長情報をそのまま車車間通信データに含めて転送する。
一方、路側通信機2が送信した路車間通信データを受信できなかった場合には、車載通信機3は、他の路側通信機2や他の車載通信機3から送信された通信データを受信しその通信データに含まれる路車間通信期間情報を転送するか、又は自機がテーブルに登録して記憶する路車間通信期間情報を送信する。
路側通信機2が送信する期間長情報は、路車間通信期間SL1ごとに変更され、期間長情報には、上述のように、設定部23aによって、経時的な変動が設けられている。
よって仮に、車載通信機3が、路側通信機2の通信エリア内に存在し、路側通信機2からの路車間通信データを適切に受信可能な場合には、路側通信機2からの路車間通信期間情報に含まれる、経時的変動が設けられた期間長情報をそのまま車車間通信データに含めて転送することとなる。
すると、判定部23bが取得する車載通信機3の路車間通信期間情報に含まれる期間長情報には、設定部23aが設定した経時的な変動が反映され、車載通信機3の路車間通信期間情報に含まれる期間長情報と、設定部23aによって経時的な変動が与えられた期間長情報とが一致することとなる。
上記のように、取得した車載通信機3の路車間通信期間情報に含まれる期間長情報と、設定部23aが設定した、経時的な変動が与えられた期間長情報とが一致する場合、この車載通信機3は、設定期間の間に路側通信機2が送信した路車間通信データをすべて受信していると判断できるので、判定部23bは、その車載通信機3が存在する位置については、無線通信を適切に行うことができると判定する。
一方、判定部23bが取得する車載通信機3の期間長情報に現れる経時的な変動が、設定部23aが設定した期間長情報に設けられた経時的な変動と一致しない場合、この車載通信機3は、設定期間の間に路側通信機2が送信した路車間通信データを適切に受信していないと判断できるので、判定部23bは、その車載通信機3が存在する位置については、無線通信を適切に行うことができないと判定する。
判定部23bは、自機の周囲に存在する各車載通信機3が転送する期間長情報を取得することで、各車載通信機3ごとに個別に、無線通信を適切に行うことができるか否かの判定を行うことができる。これにより、判定部23bは、各車載通信機3の分布と、各車載通信機3ごとの無線通信の適否とによって、自機の通信エリアの確認を行うことができる。
このように、本実施形態による通信システムによれば、路側通信機2は、設定部23aによって経時的な変動が設けられた期間長情報(第1情報)を送信する。また、車載通信機3は、期間長情報を受信すると、期間長情報に対応する期間長情報(第2情報)を送信する。
よって、車載通信機3が路側通信機2による期間長情報を適切に受信していれば、当該車載通信機3が送信する期間長情報(第2情報)には、設定部によって設けられた経時的な変動が反映される。
このため、判定部23bは、経時的変動が設けられた自機が送信した期間長情報と、車載通信機3が送信した期間長情報とが一致しているか否かを比較することによって、自機が送信した期間長情報が受信されているか否かを変動に従って詳細に判断することができる。
これによって、路側通信機2の路車間通信データが車載通信機3に受信され路車間通信が適切に行われているか否かを判定することができる。
この結果、通信エリアの確認を、路側通信機2と車載通信機3との間で行うことができる。よって、路側通信機2の受信レベルを測定するための専用の車両等を用いる必要がなく、低コストで通信エリアの確認を行うことができる。
また、本実施形態では、第1情報としての期間長情報に対して経時的な変動を設け、第2情報としての期間長情報に基づいて判定を行うので、サービスの提供を継続しつつ通信エリアの確認を行うことができる。
また、本実施形態では、期間長情報に経時的な変動を設けるために、特別に通信フォーマットを変更する必要がない。このため、路車間通信に大きく影響を与えることなく、経時的な変動を容易に設けることができる。
例えば、路側通信機2に割り当てられる路車間通信期間SL1の路車間通信期間番号を変化させることも考えられるが、この場合、路車間通信期間長(期間長情報)を変動させる場合と比較して、他の同じ路車間通信期間が割り当てられた路側通信機2による無線送信と干渉してしまい、車載通信機3に対するサービスの提供に支障を来すおそれがある。
この点、本実施形態では、路車間通信期間長(期間長情報)を変動させるだけなので、干渉等によって、路車間通信に影響を与えることはない。
また、本実施形態では、車載通信機3は、期間長情報から得られる、路車間通信期間長に基づいて、自機が送信可能な時間帯を特定し、さらに、他の車載通信機3が転送する期間長情報から得られる、路車間通信期間長も加味して、自機が送信可能な時間帯を特定することができる。
この場合、期間長情報に経時的な変動を設けたとしても、車載通信機3は、その変動に応じて、自機が送信可能な時間帯を適切に特定することができる。
また、本実施形態の判定処理において、期間長情報に経時的な変動を設けるために設定される、路車間通信期間長を変動させるための範囲は、通常モードにおける路車間通信期間長と重複しない範囲に設定されることが好ましい。この場合、隣接する他の路側通信機2であって同じ路車間通信期間SL1を用いる路側通信機2からの干渉を受けたとしても、受信した車載通信機3からの期間長情報が、通常モードにおける路車間通信期間長である場合には、その期間長情報が他の路側通信機2からの干渉であることを認識でき、通信エリアの判定から除外できる。
なお、仮に、自機の路車間通信期間長を変動させるための範囲が、他の路側通信機2の通常モードにおける路車間通信期間長と重複する範囲に設定されていたとしても、本実施形態では、路車間通信期間長を経時的に変動させることで、期間長情報に経時的な変動を設けるため、その変動を観測することで、他の路側通信機2から干渉を受けたとしても、干渉であることを認識でき、通信エリアの判定から除外できる。
次に、路側通信機2と、車載通信機3との間で行われる判定処理のより具体的な態様について説明する。
図11は、路側通信機2、及び車載通信機3の配置の一例を示す図である。図11では、1機の路側通信機2と、2機の車載通信機3とが配置されている場合を示している。
図中、RSU1(RSU:Road Side Unit)は、路側通信機2であり、このRSU1に対して図に示すように予め通信エリアが設定されている。
図中、OBE1,2(OBE:On−Board Equipment)は、車載通信機3であり、OBE2は、通信エリアのエッジ付近に位置し、OBE1は、OBE2よりも通信エリア内側に位置している。
なおここでは、RSU1は、OBE1及びOBE2からの通信データを受信できるものとする。
図12は、図11の場合に、RSU1が経時的な変動を設けた期間長情報を含む路車間通信データを送信したときの各OBEの受信状況、及び転送状況の一例を示す図であり、(a)は、RSU1が送信した期間長情報を示す図、(b)は、OBE1におけるRSU1及びOBE2からの通信データの受信状況、及びOBE1がその受信に伴って転送する期間長情報を示す図である。また、(c)は、OBE2におけるRSU1及びOBE1からの通信データの受信状況、及びOBE2がその受信に伴って転送する期間長情報を示す図である。
図中、横軸は、時間であり、縦軸は、期間長情報が表す路車間通信期間長の大きさを模式的に示している。また、図12(a)〜(c)は互いに時間軸方向に対応している。
また、ここでは、各OBEの有効時間(ORV)は、300msに設定されているとする。
図12(a)に示すように、RSU1は、期間長情報の経時的な変動として、5段階の異なる設定値1〜5を順次1段階ずつ増加させ、上限値(設定値5)に達すると、下限値(設定値1)を4無線フレーム分継続し、再度1段階ずつ増加させるというパターンを3回繰り返すように設定し、路車間通信データを送信している。この場合、設定期間は、21無線フレーム分(2.1秒)となる。なお、上記設定値1〜5は、設定部23aが設定しうる数値情報を一般化した数値として表しており、設定値が増加するほど路車間通信期間長の数値が大きくなっている。なお、このときの路車間通信期間情報の転送可能回数は、「3」(3回転送可能)とされている。
また、図12中、左端の無線フレームに対応する期間を、期間t1と示し、順次時間軸方向に並ぶ無線フレームに対応する各期間を、t2,t3・・・t21と示す。
なお、図12(a)中、期間t4、t12、t20では、期間長情報が上限値(設定値5)に設定され、このように上限値に設定された期間長情報をOBEが受信しテーブルに登録すると、その後、RSU1の通信データを受信したか否かに関わらず、当該OBEは、有効時間(300ms)の間、テーブルに登録された期間長情報(設定値5)を選択する可能性が高くなる。登録している情報と同じ転送可能回数の路車間通信期間情報を受信すると、OBEは、期間長がより長い値に設定された路車間通信期間情報を選択するためであり、上記の場合、期間長情報が上限値(設定値5)に設定されるからである。
このため、期間t4、t12、t20の後の有効時間に相当する期間t5〜t7、t13〜t15、t21において、RSU1の判定部23bは、当該RSU1が送信した期間長情報と、OBEが送信した期間長情報との比較によって、当該RSU1が送信した期間長情報がそのOBEに受信されているか否かを判断することができない場合がある。
よって、判定部23bは、期間t5〜t7、t13〜t15、t21については、判定を実行しない判定対象外期間とする。
図12(b)には、OBE1が、RSU1及びOBE2からの通信データを受信できたか否かを1無線フレームごとに示している。図中、「OK」は、受信できた場合を示し、「NG」は、受信できなかった場合を示している。
図12(b)では、RSU1からの期間長情報を含む路車間通信データの送信をOBE1が全て受信した場合を示している。この場合、期間t1において、OBE1は、RSU1から得た路車間通信期間情報(設定値2)と同じ設定値の路車間通信期間情報を転送している。よって、このとき、OBE1は、RSU1から得た路車間通信期間情報(設定値2)をテーブルに登録している。
次いで、期間t2において、OBE1は、RSU1から設定値3とされた期間長情報を含む路車間通信期間情報を受信するが、この場合、受信した情報及び登録されている情報共に転送可能回数は、「3」であるので、登録されている情報の期間長(設定値2)よりも長い期間長(設定値3)である受信した路車間通信期間情報を選択しテーブルに登録して更新する。
OBE1は、期間t4まで、同様の処理を繰り返すので、RSU1から送信された期間長情報を転送することとなり、RSU1が送信する期間長情報と同じパターンで、期間長情報を転送する。
その後、期間t5〜t7までは、上述のように、RSU1の通信データを受信したか否かに関わらず、有効時間(300ms)の間、テーブルに登録された期間長情報(設定値5)を選択する可能性が高くなる。図例においても、RSU1からの期間長情報は設定値1であるのに対して、OBE1は、設定値5の期間長情報を転送している。
有効時間(300ms)が経過した直後である期間t8では、OBE1は、再度、RSU1が送信する期間長情報と同じパターンで、期間長情報を転送する。
このように、車車間通信データに含めてOBE1から転送される期間長情報の経時的な変動は、図12(b)に示すように、上記判定対象外期間を除いて、RSU1と全く同じパターンとなる。なお、このときの路車間通信期間情報の転送可能回数は、「3」から、デクリメントされて「2」とされている。
なお、OBE1は、期間t2及び期間t16以外の期間において、RSU1の路車間通信データとともにOBE2からの車車間通信データの両方を受信しているが、OBE2からの路車間通信期間情報の転送可能回数(「2」)よりも、RSU1からの路車間通信期間情報の転送可能回数(「3」)の方が大きいので、RSU1の路車間通信期間情報を選択して自機のテーブルに登録する。よって、図12(b)のように、車車間通信データに含めて転送される期間長情報の経時的な変動は、RSU1と全く同じパターンとなる。
図12(b)に示すように、OBE1が、設定期間の内の判定対象外期間を除いた期間(14無線フレーム分)の間に、転送する期間長情報の内、全てが、RSU1による期間長情報と一致している。
判定部23bは、OBE2から転送される情報を受信し判定を行う。このとき判定部23bは、14無線フレーム分全ての路車間通信データをOBE1が受信できたと判断することができる。この場合、判定部23bは、OBE1が存在する位置については、無線通信を適切に行うことができると判定する。
一方、通信エリアのエッジ付近に位置するOBE2は、設定期間の間に、RSU1からの通信データを受信できたりできなかったりする場合がある。
図12(c)には、OBE2が、RSU1及びOBE1からの通信データを受信できたか否かを1無線フレームごとに示している。図中、「OK」は、受信できた場合を示し、「NG」は、受信できなかった場合を示している。
図12(c)中、期間t1,t3,t8,t10,t12〜t15,t17,t20,t21では、RSU1及びOBE1からの通信データを両方とも受信できている。よって、OBE2は、路車間通信期間情報の転送可能回数(「3」)が大きい、RSU1の路車間通信期間情報を選択して自機のテーブルに登録する。よって、OBE2は、RSU1から送信された期間長情報を転送する。
よって、これら期間の内、判定対象外期間以外の期間である、期間t1,t3,t8,t10,t12,t17,t20においては、RSU1からの期間長情報と一致する。
図12(c)中、期間t2では、RSU1及びOBE1からの通信データを両方とも受信できない場合であり、路車間通信期間情報を継続してテーブルに登録記憶する有効時間(ORV)が経過するまでは、前回転送時に使用した情報、すなわち、自機がテーブルに登録し記憶している路車間通信期間情報を転送する。
図12(c)中、期間t4〜t7,t9,t11,t18,t19では、RSU1からの路車間通信データを受信できず、OBE1からの車車間通信データを受信するが、OBE1からの受信データに含まれる路車間通信期間情報の転送可能回数は「2」であり、このときOBE2が記憶する、RSU1から得た路車間通信期間情報の転送可能回数は「3」である。よって、OBE2は、有効時間(ORV=300ms)が経過するか、新たにRSU1からの通信データを受信するまで、自機がテーブルに記憶する路車間通信期間情報を、転送可能回数を「3」から「2」にデクリメントした上で転送する。
このため、期間t4〜t7,t9,t11,t18,t19の内、判定対象外期間以外の期間である、期間t4,t9,t11,t18,t19において、OBE2が転送する期間長情報は、RSU1からの期間長情報と一致しない。よって、この転送された車車間通信データを受信したRSU1は、自機が送信した期間長情報と異なる情報を受信するので、期間t4,t9,t11,t18,t19では、自機の路車間通信データが受信されていないことを認識することができる。
また、期間t7においても、期間t4〜t6の間でRSU1からの路車間通信データを受信できず、OBE1からの車車間通信データを受信するが、この期間において、有効時間(ORV=300ms)が経過するため、OBE2は、記憶している路車間通信期間情報(設定値4)の転送可能回数を「3」から「2」にデクリメントする。
期間t7においてOBE2は、OBE1が転送する、転送可能回数「2」の路車間通信期間情報(設定値5)を受信する。このとき、OBE2が受信したOBE1からの路車間通信期間情報(設定値5)と、OBE2が記憶する路車間通信期間情報(設定値4)の転送可能回数が同じとなるので、OBE2は、路車間通信期間長の大きい、OBE1からの路車間通信期間情報(設定値5)を選択し、転送可能回数を「2」から「1」にデクリメントした上で転送する。
なお、期間t7は、判定対象外期間なので、RSU1は、この期間t7の情報については、自機の路車間通信データを受信したか否かの判断には用いられない。
図12(c)に示すように、設定期間の内の判定対象外期間を除いた期間においてOBE2が転送する期間長情報の内、期間t1,t3,t8,t10,t12,t16,t17,t20に転送された期間長情報が、RSU1からの期間長情報と一致している。
つまり、設定期間の内の判定対象外期間を除いた期間(14無線フレームの期間)の内、8期間において、OBE2が転送した期間長情報と、RSU1からの期間長情報とが一致している。
判定部23bは、OBE2から転送される情報を受信して判定を行う。このとき、例えば、判定部23bによって無線通信を適切に行うことができると判定されるための条件を、14期間の内の10期間以上受信できた場合と設定している場合、図12(c)では、8期間だけしか受信できていないため、判定部23bは、OBE2が存在する位置については、無線通信を適切に行うことができていないと判定する。
図13は、路側通信機2、及び車載通信機3の配置の他の例を示す図である。図13では、2機の路側通信機2と、2機の車載通信機3とが配置されている場合を示している。
図中、RSU1と、RSU2とは、図に示すように互いに隣接するように通信エリアが設定されている。また、RSU1と、RSU2とは、同じ路車間通信期間番号の路車間通信期間SL1が割り当てられている。
OBE2は、RSU1の通信エリアのセルエッジに存在し、OBE1は、RSU2の通信エリアのセルエッジに存在している。
なおここでは、RSU1は、OBE2からの通信データを受信できるものとし、RSU2は、OBE1からの通信データを受信できるものとする。
図14は、図13の場合に、RSU1及びRSU2が経時的な変動を設けた期間長情報を含む路車間通信データを送信したときの各OBEの受信状況、及び転送状況の一例を示す図であり、(a)は、RSU1が送信した期間長情報を示す図、(b)は、OBE2におけるRSU1、RSU2、OBE1からの通信データの受信状況、及びOBE2がその受信に伴って転送する期間長情報を示す図である。また、(c)は、OBE1におけるRSU1、RSU2、OBE2からの通信データの受信状況、及びOBE1がその受信に伴って転送する期間長情報を示す図である。また、(d)は、RSU2が送信した期間長情報を示す図である。
図中、横軸は、時間であり、縦軸は、期間長情報が表す路車間通信期間長の大きさを模式的に示している。また、図14(a)〜(d)は互いに時間軸方向に対応している。
図14(a)において、RSU1は、期間長情報の経時的な変動として、設定値1〜5の範囲で、上記図12(a)と同じパターンに設定されている。
一方、RSU2は、図14(d)に示すように、期間長情報の経時的な変動として、設定値6〜10の範囲で、RSU1と同様のパターンに設定されている。
このように、図14の例では、RSU1における期間長情報の変動範囲と、RSU2の期間長の変動範囲とが、互いに重複しない範囲に設定されている。
よって、RSU1と、RSU2とが、互いに干渉した場合にも、送受信される通信データに含まれる路車間通信期間情報から、RSU1かRSU2のいずれから送信された路車間通信期間情報であるかを識別することができる。
なお、図12に示した場合と同様、期間t5〜t7、t13〜t15、t21については、判定を実行しない判定対象外期間とされている。
図14(b)に示すように、設定期間の内の判定対象外期間を除いた期間においてOBE2が転送する期間長情報の内、期間t1,t3,t8,t9,t12,t16,t18〜t20に転送された期間長情報が、RSU1からの期間長情報と一致している。
つまり、設定期間の内の判定対象外期間を除いた期間(14無線フレームの期間)の内、9期間において、OBE2が転送した期間長情報と、RSU1からの期間長情報とが一致している。
RSU1の判定部23bは、OBE2から転送される情報を受信して判定を行う。このとき、例えば、判定部23bによって無線通信を適切に行うことができると判定されるための条件を、図12の場合と同様に、14期間の内の10期間以上受信できた場合と設定している場合、図14(b)では、9期間だけしか受信できていないため、RSU1の判定部23bは、OBE2が存在する位置については、無線通信を適切に行うことができていないと判定する。
なお、図14(b)中、期間t7では、期間t4〜t6の間でRSU1及びRSU2からの路車間通信データを受信できず、OBE1からの車車間通信データを受信するが、この期間において、有効時間(ORV=300ms)が経過するため、OBE2は、RSU1から得た路車間通信期間情報(設定値4)の転送可能回数を「3」から「2」にデクリメントする。
期間t7においてOBE2は、OBE1が転送する、転送可能回数「2」の路車間通信期間情報(設定値10)を受信する。このとき、OBE2が受信したOBE1からの路車間通信期間情報(設定値10)と、OBE2が記憶する路車間通信期間情報(設定値4)の転送可能回数が同じとなるので、OBE2は、路車間通信期間長の大きい、OBE1から受信した路車間通信期間情報(設定値10)を選択し、テーブルに登録し、転送する。この場合、OBE2が受信し記憶するOBE1からの路車間通信期間情報は転送可能回数が「2」なので、OBE2は、設定値8の路車間通信期間情報を、その転送可能回数を「2」から「1」にデクリメントした上で転送する。
よって、この転送された車車間通信データを受信したRSU1は、自機が送信しない設定値の期間長情報を受信するので、期間t7では、自機の路車間通信データが受信されていないことを認識することができる。
なお、期間t7は、判定対象外期間なので、RSU1は、この期間t7の情報については、自機の路車間通信データを受信したか否かの判断には用いられない。
また、図14(b)中、期間t17では、RSU1からの路車間通信データを受信できず、RSU2及びOBE1からの通信データを受信している。
この場合、RSU2からの通信データに含まれる路車間通信期間情報(設定値7)の転送可能回数は「3」であり、このときOBE2がテーブルに記憶する、RSU1から得た路車間通信期間情報(設定値1)の転送可能回数も「3」である。この場合、OBE2は期間長情報が大きい方の路車間通信期間情報を選択するので、受信した路車間通信期間情報(設定値7)をテーブルに登録し、転送する。
この場合も、転送された車車間通信データを受信したRSU1は、自機が送信しない設定値の期間長情報を受信するので、期間t11では、自機の路車間通信データが受信されていないことを認識することができる。
図14(c)に示すように、OBE1が設定期間の間に転送する期間長情報の内、期間t19以外、RSU1からの期間長情報と一致している。
この場合、判定部23bは、OBE1が存在する位置については、無線通信を適切に行うことができると判定する。
なお、図14(c)中、期間t19では、RSU2からの路車間通信データを受信できず、RSU1及びOBE2からの通信データを受信している。
この場合、RSU1からの通信データに含まれる路車間通信期間情報(設定値4)の転送可能回数は「3」であり、このときOBE1がテーブルに記憶する、RSU2から得た路車間通信期間情報(設定値8)の転送可能回数も「3」である。この場合、OBE1は期間長情報が大きい方の路車間通信期間情報を選択するので、受信した路車間通信期間情報(設定値8)をテーブルに登録し、転送する。
この場合も、転送された車車間通信データを受信したRSU2は、自機が送信しない設定値の期間長情報を受信するので、期間t19では、自機の路車間通信データが受信されていないことを認識することができる。
以上、図13及び図14にて示したように、互いに同じ路車間通信期間番号の路車間通信期間SL1が割り当てられている複数の路側通信機2同士の間で、同じ時期に判定処理を行ったとしても、期間長情報の変動範囲を互いに重複しない範囲に設定すれば、複数の路側通信機2それぞれで適切に判定処理を行うことができる。
なお、図12及び図14において、設定期間内に、判定部23bが、OBEが自機の通信データを受信したか否かの判定を実行しない判定対象外期間を設けた場合を示したが、この判定対象外期間は、有効時間の設定値に応じて伸縮される。例えば、有効時間が200msに設定されている場合、前記判定対象外期間は、2無線フレーム分の期間に設定される。有効時間が100msに設定されている場合、前記判定対象外期間の設定は不要である。
[3. その他]
なお、本発明は、上記各実施形態に限定されるものではない。
例えば、上記図13及び図14にて示した例では、期間長情報に経時的な変動を設ける期間である設定期間が、2機の路側通信機2それぞれで重複した場合を示したが、例えば、図15に示すように、複数の路側通信機2それぞれで(図例では2機である)、設定期間を互いに重複しないように異なる期間に設定してもよい。
この場合、例えば、自機と、他の路側通信機2とが同じ設定期間であり、経時的な変動が設けられた期間長情報をそれぞれが送信したとすると、互いの情報が交錯してしまい、これらを受信した車載通信機3からの車車間通信データを自機が受信した場合、この車車間通信データに含まれる期間長情報が自機により設定されたものであるか否か、つまり、自機の路車間通信データが車載通信機3に受信されたか否かを精度よく判定することができないおそれがある。
この点、設定期間を互いに重複しないように異なる期間に設定すれば、互いの経時的な変動が設けられた期間長情報が交錯することが防止できるので、自機の路車間通信データが車載通信機3に受信されたか否かを精度よく判断することができ、路車間通信が適切に行われているか否かをより精度よく判定することができる。
また、上記実施形態では、路車間通信データに含まれる路車間通信期間情報の期間長情報の内容に対して経時的な変動を設けた場合を例示したが、経時的な変動を設ける情報として、路車間通信データに含まれる他の情報を用いてもよいし、経時的な変動を設けるための専用の情報を含めておいてもより。また、これら情報に対して、その内容や、配置、配列等を変更することによって、当該情報に経時的な変動を設けることができる。
また、上記実施形態では、期間長情報の内容を変更することで、情報の全部に対して経時的な変動を設けたが、例えば、路車間通信期間情報、又は期間長情報の一部に経時的に変動させるための専用情報を付加し、この数値情報によって、判定処理を行うように構成してもよい。
また、上記実施形態では、路車間通信期間SL1ごと(1無線フレームごと)に路車間通信期間長を1段階ずつ増加させることで、当該期間長情報に経時的な変動を設けた場合を示したが、例えば、路車間通信期間長を段階的に減少させることで、経時的な変動を設けてもよいし、増減させる際の段階数も任意に変更することができる。また、互いに隣に並ぶ路車間通信期間SL1同士で異なる路車間通信期間長に設定されており、かつ判定部23bが経時的な変動に関するパターンを認識していれば、ランダムに変動させてもよい。
上記実施形態では、路側通信機2の通信処理装置25が、判定処理を行うための機能部である設定部23aと、判定部23bとを有する場合を示したが、例えば、設定部23aと、判定部23bの機能を有する処理装置を、路側通信機2とは別の装置として設けてもよい。この場合、処理装置は、路側通信機2の外部から、路側通信機2の機能を利用して判定処理を行うことができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 交通信号機 2 路側通信機 3 車載通信機 4 中央装置
5 車両 6 路側センサ 7 有線通信回線 8 ルータ
20 アンテナ 21 無線通信部 22 有線通信部 23 制御部
23a 設定部 23b 判定部 24 記憶部 25 通信処理装置
30 アンテナ 31 無線通信部 33 制御部 34 記憶部
35 通信処理装置 SL1 路車間通信期間
SL2 車車間通信期間

Claims (10)

  1. 予め割り当てられた時間スロットを用いて所定の領域に送信情報を無線送信する路側通信機と、前記時間スロット以外の時間帯で無線送信が許容される移動通信機と、を備えた通信システムであって、
    前記移動通信機は、前記送信情報に含まれる第1情報を受信すると、前記第1情報に対応する第2情報を送信する移動側通信制御部を備え、
    前記路側通信機は、
    前記第1情報の一部又は全部に対して経時的な変動を設ける設定部と、
    前記移動通信機が送信する前記第2情報を受信し、前記第2情報の経時的な変動に基づいて、前記所定の領域に対する無線送信の適否を判定する判定部と、
    を備えている通信システム。
  2. 前記第1情報、及び前記第2情報は、前記時間スロットの期間長さに関する情報である請求項1に記載の通信システム。
  3. 前記移動通信機は、前記第1情報から得られる、前記時間スロットの期間長さに関する情報に基づいて、自機が送信可能な時間帯を特定する請求項2に記載の通信システム。
  4. 前記移動通信機は、他の移動通信機が送信する前記第2情報から得られる、前記時間スロットの期間長さに関する情報も加味して、自機が送信可能な時間帯を特定する請求項3に記載の通信システム。
  5. 前記設定部は、前記送信情報を送信するために必要な期間よりも長い期間となる範囲で前記時間スロットの期間長さを前記時間スロットごとに変更する請求項2から請求項4のいずれか一項に記載の通信システム。
  6. 前記設定部は、前記第1情報の一部又は全部に対して経時的な変動を設けるための設定期間を、自機以外の他の路側通信機における前記設定期間とは異なる期間に設定する請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の通信システム。
  7. 予め割り当てられた時間スロットを用いて所定の領域に送信情報を無線送信するとともに、前記時間スロット以外の時間帯で無線送信が許容される移動通信機との間で通信を行う路側通信機であって、
    前記送信情報に含まれる第1情報の一部又は全部に対して経時的な変動を設ける設定部と、
    前記移動通信機が前記第1情報を受信することで、当該移動通信機が送信する前記第1情報に対応する第2情報に現れる経時的な変動に基づいて、前記所定の領域に対する無線送信の適否を判定する判定部と、
    を備えている路側通信機。
  8. 予め割り当てられた時間スロットを用いて所定の領域に送信情報を無線送信する路側通信機と、前記時間スロット以外の時間帯で無線送信が許容される移動通信機と、を備えた通信システムに用いられる処理装置であって、
    前記送信情報に含まれる第1情報の一部又は全部に対して経時的な変動を設ける設定部と、
    前記移動通信機が前記第1情報を受信することで、当該移動通信機が送信する前記第1情報に対応する第2情報に現れる経時的な変動に基づいて、前記所定の領域に対する無線送信の適否を判定する判定部と、
    を備えている処理装置。
  9. 予め割り当てられた時間スロットを用いて所定の領域に送信情報を無線送信するとともに、前記時間スロット以外の時間帯で無線送信が許容される移動通信機との間で通信を行う路側通信機の無線送信に関する処理方法であって、
    前記送信情報に含まれる第1情報の一部又は全部に対して経時的な変動を設けるステップと、
    前記移動通信機が、前記第1情報を受信すると、前記第1情報に対応する他の第1情報に対応する第2情報を送信するステップと、
    前記路側通信機が、前記移動通信機が送信する前記第2情報を受信し、前記第2情報の経時的な変動に基づいて、前記所定の領域に対する無線送信の適否を判定するステップと、
    を含む処理方法。
  10. 予め割り当てられた時間スロットを用いて所定の領域に送信情報を無線送信するとともに、前記時間スロット以外の時間帯で無線送信が許容される移動通信機との間で通信を行う路側通信機の無線送信に関する処理をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムであって、
    コンピュータに
    前記送信情報に含まれる第1情報の一部又は全部に対して経時的な変動を設けるステップと、
    前記移動通信機が前記第1情報を受信することで、当該移動通信機が送信する前記第1情報に対応する第2情報に現れる経時的な変動に基づいて、前記所定の領域に対する無線送信の適否を判定するステップと、
    を実行させるためのコンピュータプログラム。
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