JP2016208148A - 無線リソース割当の検証方法、路側通信機、及び検証用通信機 - Google Patents

無線リソース割当の検証方法、路側通信機、及び検証用通信機 Download PDF

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Abstract

【課題】対象の路側通信機が他の路側通信機の通信に影響を与えるか否かを当該他の路側通信機のサービスに影響を与えることなく実環境で検証することができる技術を提供する。【解決手段】 サービスデータを送信するためのサービスデータ用スロットとは異なる非サービスデータ用スロットとしての保守データ用スロットを用いて路側通信機2Dが検証用データを送信するとともに、路側通信機2Dが用いる保守データ用スロットと同じスロットであるサブスロット34eを用いて対象の路側通信機2Sが検証用データを送信し、路側通信機2Dが送信した検証用データを検証用通信機としての路側通信機2Aが取得してその通信品質を測定し、前記通信品質に基づいて、路側通信機2Dに割り当てられているサービスデータ用スロットであるサブスロット32aを対象の路側通信機2Sに割り当てることの可否を判定する。【選択図】図8

Description

本発明は、例えば、高度道路交通システム(ITS:Intelligent Transport Systems)に用いることができる無線リソース割当の検証方法、路側通信機、及び検証用通信機に関するものである。
近年、路車間通信、車車間通信による高度道路交通システム(ITS)が検討されている。路車間通信とは、路側通信機と車載通信機との間の通信であり、車車間通信とは、車載通信機間の通信である。
上記高度道路交通システムにおいては、路車間通信をはじめ、車車間通信や、路側通信機同士の通信である路路間通信等、各通信の共存を図るに当たって、通信を行う時間を分割して路側通信機の送信専用の無線リソースとしてタイムスロット(路側機送信期間)を設ける、時分割多重(TDMA:Time Division Multiple Access)によるマルチアクセス方式を採用している。
上記TDMAによるマルチアクセス方式において、路側機送信期間は、原則として、各路側通信機それぞれに対して周期的に設定される。各路側通信機は、周期的に設定された自路側通信機の送信用タイムスロットを用いて送信を行い、それ以外の時間は、他の路側通信機又は車載通信機からの送信信号の受信を行う。
各路側通信機が用いるタイムスロットは、1制御周期の間に最大16個設定される。これらタイムスロットが各路側通信機に適切に割り当てられることで、各路側通信機は互いに干渉を生じさせることなく送信を行うことができるように構成されている(例えば、非特許文献1,2参照)。
一般社団法人電波産業会、"700MHz 帯高度道路交通システムARIB−STD−T109 1.2版",[online]、平成25年12月10日、[平成27年3月6日検索]、インターネット<http://www.arib.or.jp/tyosakenkyu/kikaku_tushin/tsushin_kikaku_number.html> ITS情報通信システム推進会議、"700MHz 帯高度道路交通システム実験用路路間通信ガイドライン ITSFORUM RC−012 1.0版",[online]、平成26年3月31日、[平成27年3月6日検索]、インターネット<http://www.itsforum.gr.jp/Public/J7Database/index.html>
例えば、既に運用中の路側通信機が設置されている道路上のエリア内に、新たに路側通信機を設置する場合、既設の路側通信機によるサービスに影響を与えることなく新たな路側通信機にサービスを開始させる必要がある。
このため、新たな路側通信機を設置したときの各路側通信機のサービスエリアや通信環境等を考慮した上で、互いに干渉を生じさせないようなタイムスロットの割り当てを机上検討によって事前に設定し、その設定に基づいて、新たな路側通信機の運用を開始するといった方法が考えられる。
しかし、実環境では、各路側通信機のサービスエリアや通信環境が必ずしも机上検討において想定したものとは一致せず、事前に設定したタイムスロットの割り当てを実際に新たな路側通信機に採用したとしても、既設の路側通信機のサービスに影響を与えるおそれがある。
このため、事前に設定したタイムスロットの割り当てを、実環境に適用した際に既設の路側通信機のサービスに影響を与えないか否かを検証する必要がある。
さらに、同一の道路エリア内において複数の既設路側通信機が存在する場合、周辺環境の経時的な変化によってサービスエリアや通信環境に変化が生じ、これら複数の既設路側通信機同士で干渉が生じるおそれもある。このような周辺環境の変化によって路側通信機同士で干渉が生じるか否かについて検証し監視する必要もある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、対象の路側通信機が他の路側通信機の通信に影響を与えるか否かを当該他の路側通信機のサービスに影響を与えることなく実環境で検証することができる技術を提供することを目的とする。
一実施形態である検証方法は、対象の路側通信機に対する無線リソース割当の検証方法であって、サービスデータを送信するためのサービスデータ用無線リソースとは異なる非サービスデータ用無線リソースを用いて第1路側通信機が第1検証用データを送信するとともに、前記第1路側通信機が用いる前記非サービスデータ用無線リソースと同じ非サービスデータ用無線リソースを用いて前記対象の路側通信機が第2検証用データを送信し、前記第1検証用データ及び前記第2検証用データの少なくとも一方を、検証用通信機が取得し、前記第1検証用データ及び前記第2検証用データの少なくとも一方を前記検証用通信機が取得したことに基づいて求めることができる、前記第1路側通信機と前記検証用通信機との間の通信品質、及び前記対象の路側通信機と前記検証用通信機との間の通信品質の少なくとも一方を求め、前記通信品質に基づいて、前記第1路側通信機に割り当てられている前記サービスデータ用無線リソースを前記対象の路側通信機に割り当てることの可否を判定する。
また、一実施形態である検証方法は、対象の路側通信機に対する無線リソース割当の検証方法であって、サービスデータを送信するためのサービスデータ用無線リソースに検証用データを送信するための検証用送信期間を設け、前記検証用送信期間で第1路側通信機が第1検証用データを送信するとともに、前記検証用送信期間で対象の路側通信機が第2検証用データを送信し、前記第1検証用データ及び前記第2検証用データの少なくとも一方を、検証用通信機が取得し、前記第1検証用データ及び前記第2検証用データの少なくとも一方を前記検証用通信機が取得したことに基づいて求めることができる、前記第1路側通信機と前記検証用通信機との間の通信品質、及び前記対象の路側通信機と前記検証用通信機との間の通信品質の少なくとも一方を求め、前記通信品質に基づいて、前記第1路側通信機に割り当てられている前記サービスデータ用無線リソースを前記対象の路側通信機に割り当てることの可否を判定する。
また、一実施形態である路側通信機は、無線リソース割当の検証に用いる路側通信機であって、取得時の通信品質に基づいて、他の路側通信機に割り当てられているサービスデータ用無線リソースを前記路側通信機に割り当てることの可否の判定に用いられる第2検証用データを送信する送信部を備え、前記他の路側通信機は、前記サービスデータ用無線リソースとは異なる非サービスデータ用無線リソースを用いて第1検証用データを送信し、前記送信部は、前記他の路側通信機が検証用データを送信するために用いる前記非サービスデータ用無線リソースと同じ前記非サービスデータ用無線リソースを用いて前記第2検証用データを送信する。
また、一実施形態である検証用通信機は、対象の路側通信機に対する無線リソース割当の検証に用いられる検証用通信機であって、第1路側通信機に割り当てられているサービスデータ用無線リソースを前記対象の路側通信機に割り当てることの可否の判定に用いられる検証用データを取得しその通信品質を測定する受信部を備え、前記受信部は、前記サービスデータ用無線リソースとは異なる非サービスデータ用無線リソースを用いて前記第1路側通信機が第1検証用データを送信するとともに、前記第1路側通信機が用いる前記非サービスデータ用無線リソースと同じ非サービスデータ用無線リソースを用いて前記対象の路側通信機が第2検証用データを送信したときに、前記第1検証用データ及び前記第2検証用データの少なくともいずれか一方を取得する。
上記一実施形態である路側通信機が行う特徴的な処理は、路側通信機として実現することができるだけでなく、上記送信部による処理をコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現することもできる。
また、上記一実施形態である検証用通信機が行う特徴的な処理は、検証用通信機として実現することができるだけでなく、上記送信部による処理をコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現することもできる。
本発明によれば、対象の路側通信機が他の路側通信機の通信に影響を与えるか否かを当該他の路側通信機のサービスに影響を与えることなく実環境で検証することができる。
実施形態に係る高度道路交通システム(ITS)の全体構成を示す概略斜視図である。 本実施形態に係る路側通信機及び車載通信機の構成を示すブロック図である。 (a)は、本無線通信システムにて用いられる無線フレームを示す図、(b)は、無線フレームに従って設定される路側通信機の送信期間と送信禁止期間とを示す図である。 送信カテゴリ情報の構成及び送信カテゴリ情報に含まれる情報の内容を示す図である。 本実施形態の高度道路交通システムにおける、複数の交差点に対する路側通信機の設置例を示す図である。 第1実施形態に係る無線フレームの構成を示す図であり、図5に示す各路側通信機に対する各タイムスロットの割り当てを示す図である。 対象の路側通信機と、路側通信機との間で生じる路路間通信に関する干渉を説明するための図である。 対象の路側通信機に対するスロット割当の検証手順を示したフローチャートである。 (a)は、対象の路側通信機及び路側通信機が送信する検証用データを含む送信パケットの一例を示す図、(b)は、路側通信機が送信する保守データを含む送信パケットの一例を示す図である。 対象の路側通信機と、路側通信機との間で生じる路車間通信に関する干渉を説明するための図である。 対象の路側通信機に対するスロット割当の検証手順を示したフローチャートである。 (a)は、対象の路側通信機及び路側通信機が送信する検証用データを含む送信パケットの一例を示す図、(b)は、車載通信機が送信する車車間通信データを含む送信パケットの一例を示す図である。 他の例に係る対象の路側通信機に対するスロット割当の検証手順を示したフローチャートである。 対象の路側通信機のMIBに登録されている送信のための制御パラメータの設定例を示す図である。 対象の路側通信機のMIBに登録されている送信のための制御パラメータの他の設定例を示す図である。 第1実施形態の第1変形例に係る無線フレームの構成を示す図であり、各路側通信機に対する各タイムスロットの割り当てを示す図である。 第1実施形態の第2変形例に係る無線フレームの構成を示す図である。 第1実施形態の第3変形例に係る無線フレームの構成を示す図ある。 (a)は、第2実施形態に係る無線フレームの構成を示す図あり、通常時の無線フレームの構成を示している。(b)は、第2実施形態において、スロット割当の検証処理を行うために保守データ用スロットを設けたときの無線フレームの構成を示している。 (a)は、第2実施形態の第1変形例に係る無線フレームの構成を示す図であり、通常時の無線フレームの構成を示している。(b)は、第2実施形態の第1変形例において、スロット割当の検証処理を行うために保守データ用スロットを設けたときの無線フレームの構成を示している。 (a)は、第2実施形態の第2変形例に係る無線フレームの構成を示す図であり、通常時の無線フレームの構成を示している。(b)は、第2実施形態の第2変形例において、スロット割当の検証処理を行うために保守データ用スロットを設けたときの無線フレームの構成を示している。 第3実施形態に係る無線フレームの構成を示す図であり、通常時の無線フレームの構成を示している。 第3実施形態において、スロット割当の検証処理を行うために保守データ用スロットを設けたときの無線フレームの構成を示している。
[本願発明の実施形態の説明]
最初に本願発明の実施形態の内容を列記して説明する。
(1)一実施形態である検証方法は、対象の路側通信機に対する無線リソース割当の検証方法であって、サービスデータを送信するためのサービスデータ用無線リソースとは異なる非サービスデータ用無線リソースを用いて第1路側通信機が第1検証用データを送信するとともに、前記第1路側通信機が用いる前記非サービスデータ用無線リソースと同じ非サービスデータ用無線リソースを用いて前記対象の路側通信機が第2検証用データを送信し、前記第1検証用データ及び前記第2検証用データの少なくとも一方を、検証用通信機が取得し、前記第1検証用データ及び前記第2検証用データの少なくとも一方を前記検証用通信機が取得したことに基づいて求めることができる、前記第1路側通信機と前記検証用通信機との間の通信品質、及び前記対象の路側通信機と前記検証用通信機との間の通信品質の少なくとも一方を求め、前記通信品質に基づいて、前記第1路側通信機に割り当てられている前記サービスデータ用無線リソースを前記対象の路側通信機に割り当てることの可否を判定する。
上記構成の検証方法によれば、非サービスデータ用無線リソースを用いて第1路側通信機及び対象の路側通信機が検証用データを送信し通信品質の評価を行うので、両路側通信機によるサービスデータの送信に影響を与えることなく、第1路側通信機に割り当てられているサービスデータ用スロットを対象の路側通信機に割り当てることの可否を判定することができる。
つまり、本検証方法によれば、対象の路側通信機と他の路側通信機である第1路側通信機とが相互に影響を与えるか否かを両路側通信機のサービスに影響を与えることなく実環境で検証することができる。
(2)上記検証方法において、対象の路側通信機が既設の第1路側通信機の周辺に新たに設置される路側通信機である場合、前記第1路側通信機に割り当てられている前記サービスデータ用無線リソースを前記対象の路側通信機に割り当てることが可能と判定されると、前記対象の路側通信機は、前記第1路側通信機に割り当てられている前記サービスデータ用無線リソースを用いてサービスデータの送信を開始することが好ましい。
この場合、対象の路側通信機は、当該対象の路側通信機と第1路側通信機との間で相互に影響を与えることなくサービスデータの送信を開始することができる。
(3)また、前記対象の路側通信機及び前記第1路側通信機が無線送信に用いる無線フレームには、前記両路側通信機の送信期間を設定するためのタイムスロットが複数配置され、前記非サービスデータ用無線リソースは、前記複数のタイムスロットの内の少なくとも一のタイムスロット内における送信期間として設定されてもよい。
(4)また、前記非サービスデータ用無線リソースは、前記タイムスロット内に設定されるサブスロットとして設定されてもよい。
なお、上記「サブスロット」とは、前記タイムスロット内に設定される送信期間であり、例えば、非特許文献2に記載される「サブスロット」に相当する。
(5)さらに、前記非サービスデータ用無線リソースは、前記無線フレームの複数長さ周期毎に前記無線フレームに配置されていてもよい。
(6)上記検証方法において、前記第1路側通信機及び前記対象の路側通信機が、路路間通信によって前記第1検証用データ及び第2検証用データを送信する場合、前記検証用通信機は、前記第1路側通信機の通信対象である第2路側通信機及び前記対象の路側通信機の通信対象である第3路側通信機の少なくとも一方であってもよい。
この場合、対象の路側通信機が送信する路路間通信による送信信号が第1路側通信機の路路間通信に与える影響、又は対象の路側通信機の路路間通信が第1路側通信機から送信される路路間通信による送信信号により与えられる影響を検証することができる。
(7)また、前記第1路側通信機及び前記対象の路側通信機が、路車間通信によって前記第1検証用データ及び第2検証用データを送信する場合、前記検証用通信機は、前記第1路側通信機のサービスエリアに存在する第1車載通信機及び前記対象の路側通信機のサービスエリアに存在する第2車載通信機の少なくとも一方であってもよい。
この場合、対象の路側通信機が送信する路車間通信による送信信号が第1路側通信機の路車間通信に与える影響、又は対象の路側通信機の路車間通信が第1路側通信機から送信される路車間通信による送信信号により与えられる影響を検証することができる。
(8)前記第1検証用データ及び第2検証用データは、当該検証用データの送信元である路側通信機の識別情報と、当該検証用データがサービスデータではないことを示す情報と、を含んでいることが好ましい。
この場合、検証用通信機は、受信したデータがサービスデータではなく検証用データであること、及びその検証用データがいずれの路側通信機から送信されてきたものであるかを認識することができる。これにより、検証用通信機は、確実に第1路側通信機又は対象の路側通信機が送信した検証用データの通信品質を測定することができる。
(9)また、上記(8)において、前記第1検証用データ及び第2検証用データは、当該検証用データを識別するためのデータ識別情報を含んでいてもよい。
この場合、データ識別情報に基づいて、第1路側通信機又は対象の路側通信機が送信した検証用データの到達率を求めることができる。
(10)さらに、前記第1検証用データ及び第2検証用データは、当該検証用データの送信タイミングを示す情報を含んでいてもよい。
この場合、検証用通信機は、受信したデータが検証用データであるか否かを送信タイミングに基づいて判断することができる。
(11)また、上記検証方法において、前記非サービスデータ用無線リソースを用いて前記第1路側通信機が前記第1検証用データを送信するとともに、前記第1路側通信機が用いる前記非サービスデータ用無線リソースと同じ非サービスデータ用無線リソースを用いて前記対象の路側通信機が前記第2検証用データを送信する前に、前記非サービスデータ用無線リソースを前記対象の路側通信機及び前記第1路側通信機に割り当て、前記通信品質に基づいて、前記第1路側通信機に割り当てられている前記サービスデータ用無線リソースを前記対象の路側通信機に割り当てることの可否を判定した後に、前記対象の路側通信機及び前記第1路側通信機に割り当てた前記非サービスデータ用無線リソースの割り当てを解除する。
この場合、検証を行うときに非サービスデータ用無線リソースを対象の路側通信機及び第1路側通信機に割り当て、対象の路側通信機が第1路側通信機に影響を与えるか否かを検証し、検証に係る判定を終えると割り当てた非サービスデータ用無線リソースの割り当てを解除するので、通信資源をできるだけ消費することなく対象の路側通信機の無線リソース割当の検証を行うことができる。
(12)また、一実施形態である検証方法は、対象の路側通信機に対する無線リソース割当の検証方法であって、サービスデータを送信するためのサービスデータ用無線リソースに検証用データを送信するための検証用送信期間を設け、前記検証用送信期間で第1路側通信機が第1検証用データを送信するとともに、前記検証用送信期間で対象の路側通信機が第2検証用データを送信し、前記第1検証用データ及び前記第2検証用データの少なくとも一方を、検証用通信機が取得し、前記第1検証用データ及び前記第2検証用データの少なくとも一方を前記検証用通信機が取得したことに基づいて求めることができる、前記第1路側通信機と前記検証用通信機との間の通信品質、及び前記対象の路側通信機と前記検証用通信機との間の通信品質の少なくとも一方を求め、前記通信品質に基づいて、前記第1路側通信機に割り当てられている前記サービスデータ用無線リソースを前記対象の路側通信機に割り当てることの可否を判定する。
上記構成の検証方法によれば、検証を行うときにサービスデータ用無線リソースに検証用送信期間を設け、対象の路側通信機が第1路側通信機に影響を与えるか否かを検証するので、サービスデータを送信するための通信資源をできるだけ消費することなく対象の路側通信機の無線リソース割当の検証を行うことができる。
(13)前記第1検証用データ及び第2検証用データが、当該検証用データの取得を許可するための情報を有する通信機のみによって取得されるものである場合、前記検証用通信機は、前記第1検証用データ及び第2検証用データの取得を許可するための情報を備えることで、前記第1検証用データ及び第2検証用データを取得することが好ましい。
この場合、不特定の通信機に検証用データを取得させることなく、予め設定された特定の通信機のみに検証用データを取得させることができる。
(14)一実施形態である路側通信機は、無線リソース割当の検証に用いる路側通信機であって、取得時の通信品質に基づいて、他の路側通信機に割り当てられているサービスデータ用無線リソースを前記路側通信機に割り当てることの可否の判定に用いられる第2検証用データを送信する送信部を備え、前記他の路側通信機は、前記サービスデータ用無線リソースとは異なる非サービスデータ用無線リソースを用いて第1検証用データを送信し、前記送信部は、前記他の路側通信機が検証用データを送信するために用いる前記非サービスデータ用無線リソースと同じ前記非サービスデータ用無線リソースを用いて前記第2検証用データを送信する。
上記構成の路側通信機によれば、当該路側通信機と他の路側通信機との間で相互に影響を与えるか否かを両路側通信機のサービスに影響を与えることなく実環境で検証することができる。
(15)また、一実施形態である検証用通信機は、対象の路側通信機に対する無線リソース割当の検証に用いられる検証用通信機であって、第1路側通信機に割り当てられているサービスデータ用無線リソースを前記対象の路側通信機に割り当てることの可否の判定に用いられる検証用データを取得しその通信品質を測定する受信部を備え、前記受信部は、前記サービスデータ用無線リソースとは異なる非サービスデータ用無線リソースを用いて前記第1路側通信機が第1検証用データを送信するとともに、前記第1路側通信機が用いる前記非サービスデータ用無線リソースと同じ非サービスデータ用無線リソースを用いて前記対象の路側通信機が第2検証用データを送信したときに、前記第1検証用データ及び前記第2検証用データの少なくともいずれか一方を取得する。
上記構成の検証用通信機によれば、対象の路側通信機と、他の路側通信機との間で相互に影響を与えるか否かを両路側通信機のサービスに影響を与えることなく実環境で検証することができる。
(16)上記前記検証用通信機が路側通信機である場合、前記受信部が測定した通信品質を示す情報を路路間通信を介して出力する送信部を備えていることが好ましい。
この場合、検証用通信機は、路路間通信によって検証用データの通信品質を示す情報を出力することができる。
(17)また、前記検証用通信機が車載通信機である場合、前記受信部が測定した通信品質を示す情報を車車間通信を介して出力する送信部を備えていることが好ましい。
この場合、検証用通信機は、車車間通信によって検証用データの通信品質を示す情報を出力することができる。
(18)また、上記検証用通信機において、前記第1検証用データ及び第2検証用データは当該検証用データの取得を許可するための情報を有する車載通信機のみによって取得され、前記受信部は、前記第1検証用データ及び第2検証用データの取得を許可するための情報を備えることで、前記第1検証用データ及び第2検証用データを取得することが好ましい。
この場合、一般車両に搭載された不特定の車載通信機に検証用データを取得させることなく、予め設定された特定の車載通信機のみに検証用データを取得させることができる。
[本願発明の実施形態の詳細]
以下、好ましい実施形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、以下に記載する各実施形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
〔1. 通信システムの構成について〕
図1は、実施形態に係る高度道路交通システム(ITS)の全体構成を示す概略斜視図である。なお、本実施形態では、道路構造の一例として、南北方向と東西方向の複数の道路が互いに交差した碁盤目構造を想定している。
図1に示すように、本実施形態の高度道路交通システムは、交通信号機1、路側通信機2、車載通信機3、中央装置4、車載通信機3を搭載した車両5、及び、車両感知器や監視カメラ等よりなる路側センサ6を含む。
なお、本実施形態において特に説明しない点については、非特許文献1に準拠する。
交通信号機1と路側通信機2は、複数の交差点A1〜A5,B1〜B5,C1〜C5,D1〜D5のそれぞれに設置されており、電話回線等の有線通信回線7を介してルータ8に接続されている。このルータ8は交通管制センター内の中央装置4に接続されている。
中央装置4は、自身が管轄するエリアの交通信号機1および路側通信機2とLAN(Local Area Network)を構成している。なお、中央装置4は、交通管制センターではなく道路上に設置してもよい。
路側センサ6は、各交差点に流入する車両台数をカウントする等の目的で、管轄エリア内の道路の各所に設置されている。この路側センサ6は、直下を通行する車両5を超音波感知する車両感知器、或いは、道路の交通状況を時系列に撮影する監視カメラ等よりなり、感知情報や画像データは有線通信回線7を介して中央装置4に送信される。なお、図1では、図示を簡略化するために、各交差点に信号灯器が1つだけ描写されているが、実際の各交差点には、互いに交差する道路の上り及び下り用として少なくとも4つの信号灯器が設置されている。
高度道路交通システムにおいて、無線通信システムを構成する、複数の交差点それぞれに設置された複数の路側通信機2は、その周囲を走行する車両の車載通信機3との間で無線通信(路車間通信)が可能である。
また、各路側通信機2は、自己の送信波が到達する所定範囲内に位置する他の路側通信機2とも無線通信(路路間通信)が可能である。
また、同じく無線通信システムを構成する車載通信機3は、路側通信機2との間で無線通信(車路間通信)を行うとともに、キャリアセンス方式で他の車載通信機3と無線通信(車車間通信)が可能である。
なお、路路間通信とは、路側通信機2同士の間で行われる通信であり、一の路側通信機2が他の路側通信機2に向けて送信パケットを送信することによって行われる。
また、路車間通信とは、路側通信機2と車載通信機3との間で行われる通信であり、路側通信機2が車載通信機3に向けて送信パケットをブロードキャスト送信することによって行われる。
図2は、本実施形態に係る路側通信機2及び車載通信機3の構成を示すブロック図である。
路側通信機2は、図2に示すように、無線通信のためのアンテナ20が接続された無線通信部21と、有線通信回線7を介して中央装置4と通信するための有線通信部22と、通信制御処理を行う通信処理装置25と、を備えている。
通信処理装置25は、制御部23と、必要な情報を記憶する記憶部24と、を備えている。制御部23は、無線通信及び有線通信の通信制御処理を行う。
記憶部24には、無線通信及び有線通信のために必要な情報が記憶されている。また、送信すべき送信データを生成したり、後述する各種処理を実行するためのアプリケーション等がインストールされている。
通信処理装置25は、その機能の一部又は全部が、ハードウェア回路によって構成されていてもよいし、その機能の一部又は全部が、コンピュータプログラムによって実現されていてもよい。通信処理装置25の機能の一部又は全部がコンピュータプログラムによって実現される場合、通信処理装置25(制御部23)は、コンピュータを含み、コンピュータによって実行されるコンピュータプログラムは、記憶部24に記憶される。
車載通信機3は、無線通信のためのアンテナ27が接続された無線通信部28と、通信処理部29とを備えている。
通信処理部29は、車車間通信や路車間通信の通信制御処理を行うとともに、車車間通信や、路車間通信に必要な情報を記憶する機能を有している。
図3(a)は、本無線通信システムにて用いられる無線フレームを示す図である。
図3(a)に示すように、無線フレーム(スーパーフレーム)は、その時間軸方向の長さ(フレーム長)が100msに設定されている。また、無線フレームは、時間軸方向に並べて配置されている。つまり、無線フレームは、1秒間に10フレーム配置される。
フレームは、例えば、路側通信機2が有するGPS受信機(図示せず)によって受信したGPS信号に含まれる1PPS(One Pulse Per Second)信号(1秒周期の信号)に基づいて設定される。
一つの無線フレームには、複数のタイムスロット30が含まれている。
タイムスロット30は、路側通信機2に割り当てられる通信用のタイムスロット(路側機通信期間)であり、タイムスロット30のいずれかに送信期間が割り当てられている路側通信機2は、その割り当てられているタイムスロット30内に、当該路側通信機2が無線送信する送信期間を設定する。タイムスロット30は、一つの無線フレーム(100ms)内に最大16個まで設定可能である。
タイムスロット30には、それぞれ路車間通信期間番号n(=1〜16)が付されている。路側通信機2は、路車間通信期間番号nによっていずれのタイムスロット30が自機2に割り当てられるかを認識することができる。路車間通信期間番号nが付された各タイムスロット30は、それぞれ、無線フレームに一つずつ配置されているので、100ms周期(制御周期)で配置されている。
路側通信機2に割り当てられているタイムスロット30以外の期間は、車載通信機3によるキャリアセンス方式の無線送信用として開放する期間である。このため、路側通信機2に割り当てられているタイムスロット30以外の期間では、路側通信機2による無線送信は行われない。
無線フレームに含まれる複数のタイムスロット30の内、一つまたは複数のタイムスロット30が路側通信機2に割り当てられる。路側通信機2は、自機2に割り当てられているタイムスロット30以外の期間では送信が禁止される。すなわち、路側通信機2にとっては、自機2に割り当てられているタイムスロット30以外の期間は、送信禁止期間となる。
図3(b)は、無線フレームに従って設定される路側通信機の送信期間と送信禁止期間とを示す図である。図3(b)では、路側通信機2にn=4,5,6の3つのタイムスロット30が割り当てられている場合の送信禁止期間を示している。路側通信機2は、送信禁止期間以外の期間(送信期間)で無線送信を行う。
複数のタイムスロット30は、互いに隣接する路側通信機2同士の間で干渉が生じないように、各路側通信機2に割り当てられる。
各路側通信機2は、割り当てられたタイムスロット30で定まる送信期間で無線送信を行う。
このとき、一のタイムスロット30が、複数の路側通信機2に対して割り当てられることがある(リユース)。つまり複数の路側通信機2それぞれに割り当てられているタイムスロット30が、同じタイムスロット30であることがある。
上述のようにタイムスロット30には限りがあるため、各路側通信機2の通信環境に応じて、同じタイムスロット30を用いたとしても互いに干渉が生じない関係にある複数の路側通信機2に対しては、同じタイムスロット30が割り当てられる。
なお、各路側通信機2には、割り当てられたタイムスロット30の中で、さらにタイムスロット30を複数の送信期間に分割したサブスロットが割り当てられる場合がある。
サブスロットが割り当てられた路側通信機2は、そのサブスロットによって定まる送信期間で無線送信を行う。
このサブスロットを利用すれば、1つのタイムスロット30の中で互いに重複しない送信期間を、複数の路側通信機2に対して割り当てることができる。
本実施形態では、分割した送信時間を各路側通信機2に割り当てることで、各路側通信機2に対する無線リソースの割り当てを行っている。
タイムスロット30及びサブスロットは、路側通信機2の送信期間を示している。
本実施形態では、路側通信機2の送信期間を示しているタイムスロット30及びサブスロットを各路側通信機2に対して割り当てることによって、各路側通信機2に無線リソースを割り当てている。
路側通信機2は、記憶部24に記憶されたMIB(Management Information Base)24a(図2参照)を参照し、自機2に割り当てられているタイムスロット30を用いたデータ送信に関する制御を行う。
MIB24aは、自機2に割り当てられたタイムスロット30(送信期間)に関する制御パラメータが登録されているデータベースである。
MIB24aには、当該路側通信機2が送信するデータの種類に応じて設定された送信期間等を実現するための制御パラメータが登録されている。
路側通信機2の制御部23は、MIB24aを参照し、当該路側通信機2が送信する送信データの種類に応じた制御パラメータを特定する。制御部23は、特定した制御パラメータに従ってデータ送信されるように制御する。
路側通信機2は、自機2のアプリケーションが生成した送信データをパケット化し、自機2に割り当てられたタイムスロット30(送信期間)にて送信する。
路側通信機2のアプリケーションが生成する送信データには、送信先に対応して、路車間通信にて送信するデータと、路路間通信にて送信するデータとが含まれる。
さらに、路側通信機2のアプリケーションが生成する送信データには、当該送信データの内容に対応して、本システムが車載通信機3に対して提供するためのデータ(サービスデータ)と、本システムの保守点検のためのデータといったサービスデータ以外のデータ(保守データ)とが含まれている。
よって、路側通信機2のアプリケーションが生成する送信データには、路車間通信用サービスデータ、路路間通信用サービスデータ、路車間通信用保守データ、及び路路間通信用保守データの4種類が含まれている。
路側通信機2のアプリケーションは、送信データを生成すると、その送信データの種類に応じて送信カテゴリ情報を生成し、その送信データを含む送信パケットに付加する。
図4は、送信カテゴリ情報の構成及び送信カテゴリ情報に含まれる情報の内容を示す図である。
送信カテゴリ情報は、送信パケットに含まれる送信データの種類に応じて、当該送信パケットを送信するための設定を個別に設定するための情報である。
送信パケットを送信するための設定としては、送信データの種類数(4種類)に応じて、4つの送信カテゴリが設けられている。
図4に示すように、送信カテゴリ情報(Transmission Categoy Information)は、Category(カテゴリ情報)と、Reserved(予約)とを含んでいる。なお、この「送信カテゴリ情報」とは、上記非特許文献2に記載の「送信カテゴリ情報」に相当するものである。
Category(カテゴリ情報)は、4つの送信カテゴリを区別するための変数である。Category(カテゴリ情報)の値が「0」の場合、路車間通信(サービス用)を示しており、Category(カテゴリ情報)の値が「1」の場合、路路間通信(サービス用)を示しており、Category(カテゴリ情報)の値が「2」の場合、路車間通信(保守用)を示しており、Category(カテゴリ情報)の値が「3」の場合、路路間通信(保守用)を示している。
送信データが路車間通信用サービスデータである場合、路側通信機2のアプリケーションは、当該送信データに付加する送信カテゴリ情報のCategory(カテゴリ情報)の値を、「0」に設定する。
送信データが路路間通信用サービスデータである場合、路側通信機2のアプリケーションは、当該送信データに付加する送信カテゴリ情報のCategory(カテゴリ情報)の値を、「1」に設定する。
送信データが路車間通信用保守データである場合、路側通信機2のアプリケーションは、当該送信データに付加する送信カテゴリ情報のCategory(カテゴリ情報)の値を、「2」に設定する。
送信データが路路間通信用保守データである場合、路側通信機2のアプリケーションは、当該送信データに付加する送信カテゴリ情報のCategory(カテゴリ情報)の値を、「3」に設定する。
路側通信機2は、送信パケットに付加された送信カテゴリ情報を参照すれば、当該送信パケットに含まれる送信データの種類に応じた送信カテゴリを認識することができる。
路側通信機2は、MIB24a(図2)を参照し、送信パケットに付加されている送信カテゴリに応じた制御パラメータを特定する。路側通信機2は、特定した制御パラメータに従ってその送信パケットを送信する。これによって、路側通信機2は、送信データの種類に応じて送信するための設定を変更でき、各種類の送信データを個別に送信することができる。
〔2. 第1実施形態に係るスロット割当の検証方法について〕
本実施形態の高度道路交通システムは、中央装置4が管轄するエリア内の路側通信機2の内、対象の路側通信機2が当該対象の路側通信機2に割り当てられたタイムスロット30(送信期間)で無線送信したときに、対象の路側通信機2と、当該対象の路側通信機2以外の他の路側通信機2との間で相互に影響を与えるか否かを検証する機能を有している。
図5は、本実施形態の高度道路交通システムにおける、複数の交差点に対する路側通信機2の設置例を示す図である。
ここでは、図中、路側通信機2Sを検証対象の路側通信機2とし、この対象の路側通信機2Sが新設されたときであって運用を開始する前段階において、当該対象の路側通信機2Sが他の既設の路側通信機2の通信に影響を与えるか否かについての検証を行う際の処理について説明する。
なお、図中、各交差点には、新設の路側通信機2Sの他、既設の路側通信機2A,2B,2D,2E,2Tが設置されている。これら、各交差点の内、路側通信機2Tは、路側通信機2A,2B,2D,2Eに対して通信環境の変化によって路側通信機2Tによる送信波が到達する可能性を否定できない程度に離れている。対象の路側通信機2Sは、路側通信機2Tとの間で路路間通信を行うように設置される。よって、対象の路側通信機2Sは、路側通信機2Tと同様、路側通信機2A,2B,2D,2Eに対して通信環境の変化によって路側通信機2Tによる送信波が到達する可能性を否定できない程度に離れた位置に設置されている。
また、上記路側通信機2以外の路側通信機2については、理解を容易とするため以下の説明では考慮しない。
また、本実施形態では、中央装置4が上記検証に関する処理を行う検証処理部10を備えている。
〔2.1 第1実施形態に係るタイムスロットの構成について〕
図6は、第1実施形態に係る無線フレームの構成を示す図であり、図5に示す各路側通信機2に対する各タイムスロット30の割り当てを示す図である。図6において、下段の無線フレームは、上段の無線フレームの直後に続く次の無線フレームを示している。
本実施形態のタイムスロット30には、サービスデータ用スロットと、保守データ用スロットとが含まれている。
サービスデータ用スロットとは、各路側通信機2がサービスデータを送信する送信期間に設定されるスロットである。
本実施形態では、n=1〜14のタイムスロット30が、サービスデータ用スロットに設定されている。なお、n=13,14のタイムスロット30は、路側通信機2に割り当てられていない。このため、n=13,14のタイムスロット30は、破線で示している。
サービスデータには、上述のように、路車間通信にて送信される路車間通信用サービスデータと、路路間通信にて送信される路路間通信用サービスデータとが含まれている。
よって、サービスデータ用スロットは、さらに路車間通信用のサービスデータ用スロットと、路路間通信用のサービスデータ用スロットとに区分して設定されている。これにより、各路側通信機2は、路車間通信用サービスデータと、路路間通信用サービスデータとを分けて送信することができる。
なお、本実施形態では、n=1〜8のタイムスロット30が、路車間通信用のサービスデータ用スロットに設定され、n=9〜12のタイムスロット30が、路路間通信用のサービスデータ用スロットに設定されている。
図6に示すように、路側通信機2Aには、路車間通信用のサービスデータ用スロットとしてn=1のタイムスロット30が割り当てられ、路路間通信用のサービスデータ用スロットとしてn=9のタイムスロット30が割り当てられている。
路側通信機2B,2Tには、路車間通信用のサービスデータ用スロットとしてn=3のタイムスロット30が割り当てられ、路路間通信用のサービスデータ用スロットとしてn=11のタイムスロット30に含まれるサブスロット31aが割り当てられている。
このサブスロット31aは、n=11のタイムスロット30を時間軸方向に2つに分割した期間の内の一つである。よって、n=11のタイムスロット30には、2つのサブスロット31a,31bが含まれている。
路側通信機2Dには、路車間通信用のサービスデータ用スロットとしてn=5のタイムスロット30が割り当てられ、路路間通信用のサービスデータ用スロットとしてn=12のタイムスロット30に含まれるサブスロット32aが割り当てられている。
このサブスロット32aは、n=12のタイムスロット30を時間軸方向に4つに分割した期間の内の一つである。よって、n=12のタイムスロット30には、4つのサブスロット32a,32b,32c,32dが含まれている。
路側通信機2Eには、路車間通信用のサービスデータ用スロットとしてn=7のタイムスロット30が割り当てられ、路路間通信用のサービスデータ用スロットとしてn=12のタイムスロット30に含まれるサブスロット32cが割り当てられている。
また、保守データ用スロットとは、各路側通信機2がサービスデータ以外のデータである保守データを送信する送信期間に設定されるスロットである。
本実施形態では、n=15,16のタイムスロット30が、保守データ用スロットに設定されている。
保守データには、上述のように、路車間通信にて送信される路車間通信用保守データと、路路間通信にて送信される路路間通信用保守データとが含まれている。
各路側通信機2には、これら路車間通信用保守データと、路路間通信用保守データとを分けて送信するために、路車間通信用の保守データ用スロットと、路路間通信用の保守データ用スロットとが割り当てられている。
保守データ用スロットである、n=15のタイムスロット30は、当該タイムスロット30を時間軸方向に4つに分割した4つのサブスロット33を含んでいる。
また、同じく保守データ用スロットである、n=16のタイムスロット30も、当該タイムスロット30を時間軸方向に4つに分割した4つのサブスロット34を含んでいる。
本実施形態において、図6中、上段の無線フレームに配置されているサブスロット33,34と、下段の無線フレームに配置されているサブスロット33,34とは、それぞれが独立したサブスロットとして路側通信機2に割り当て可能に設定されている。
上段の無線フレームに配置されているサブスロット33a〜33d、34a〜34d、及び下段の無線フレームに配置されているサブスロット33e〜33h、34e〜34hは、無線フレームの複数長さ(2無線フレーム)周期毎に無線フレームに配置されている。
つまり、上段の無線フレームに配置されているサブスロット33a〜33d、34a〜34d、及び下段の無線フレームに配置されているサブスロット33e〜33h、34e〜34hは、それぞれ、無線フレームに配置される周期が2無線フレーム毎に1度となるように設定されており、いわゆるフレームオフセットが採用されている。
なお、上記「フレームオフセット」とは、上記非特許文献2に記載の「フレームオフセット」に相当するものである。
各サブスロット33,34は、時間軸方向に並ぶ2つの無線フレーム単位で、それぞれ200ms周期(制御周期の2倍)で配置されている。
よって、図6中、上段の無線フレームに配置されている各サブスロット33a〜33d、34a〜34d、及び、下段の無線フレームに配置されている各サブスロット33e〜33h、34e〜34hは、それぞれが互いに時間軸上で重複することがなく、16個のサブスロットとしてそれぞれ路側通信機2に割り当てることができる。
本実施形態では、保守データ用スロットである各サブスロットの内、ハッチングを付しているサブスロット34cが、路側通信機2Eの路車間通信用の保守データ用スロットとして割り当てられている。本実施形態の路側通信機2Eは、保守点検や緊急時等以外の通常の期間においては、サブスロット34cの期間を用いて路車間通信用の検証用データを送信している。
検証用データとは、路側通信機2のスロット割当の検証に用いるための保守データであり、送信元のID等を含んでいる。検証用データについては後に詳述する。
また、保守データ用スロットである各サブスロットの内、ハッチングを付しているサブスロット34eが、路側通信機2Dの路路間通信用の保守データ用スロットとして割り当てられている。本実施形態の路側通信機2Dは、保守点検や緊急時等以外の通常の期間においては、サブスロット34eの期間を用いて路路間通信用の検証用データを送信している。
なお、上述した各タイムスロット30及びサブスロット以外のタイムスロット30及びサブスロットについては、n=13,14のタイムスロット30を除いて各路側通信機2に対して割り当てがなされているが、ここでは、理解を容易とするため考慮しない。
以上のように、本実施形態の無線フレームにおいては、サービスデータを送信するためのサービスデータ用スロットと、サービスデータ用スロットとは異なる保守データ用スロット(非サービスデータ用スロット)とを含んでいる。
また、保守データ用スロットは、無線フレームにおける複数のタイムスロット30の内の少なくとも一のタイムスロット30内に設定されている。
〔2.2 スロット割当の検証処理〕
ここで、新設された、対象の路側通信機2Sに、路車間通信用のサービスデータ用スロットとしてn=7のタイムスロット30を割り当て、路路間通信用のサービスデータ用スロットとしてn=12のタイムスロット30に含まれるサブスロット32aを割り当てることを決定し、この対象の路側通信機2Sに対するスロット割当によって他の路側通信機2に対して影響を与えるか否かを検証する方法について説明する。
なお、対象の路側通信機2Sに対するスロット割当は、上記のようにタイムスロット30が設定されている既設の各路側通信機2A、2B,2D,2E,2Tの送信可能な範囲(サービスエリア)や通信環境等を考慮し、対象の路側通信機2Sを含めて互いに干渉等の影響を与えないように事前検討した結果、得られたスロット割当である。
図6に示すように、対象の路側通信機2Sに割り当てるタイムスロットは、路車間通信用のサービスデータ用スロットが既設の路側通信機2Eと同じであり、路路間通信用のサービスデータ用スロットが既設の路側通信機2Dと同じである。
つまり、対象の路側通信機2Sには、現状、路側通信機2Eに割り当てられている路車間通信用のサービスデータ用スロットが割り当てられ、路側通信機2Dに割り当てられている路路間通信用のサービスデータ用スロットが割り当てられる。
よって、対象の路側通信機2Sは、路路間通信については路側通信機2Dと同じタイミングで無線送信し、路車間通信については路側通信機2Eと同じタイミングで無線送信することとなる。このため、路路間通信においては、対象の路側通信機2Sと、路側通信機2Dとが相互に干渉を与え合う可能性があり、路車間通信においては、対象の路側通信機2Sと、路側通信機2Eとが相互に干渉を与え合う可能性がある。
そこで、本実施形態では、路側通信機2Dに割り当てられている路路間通信用のサービスデータ用スロットを対象の路側通信機2Sに割り当てることの可否を判定するとともに、路側通信機2Eに割り当てられている路車間通信用のサービスデータ用スロットを対象の路側通信機2Sに割り当てることの可否を判定する。
まず、路路間通信用のサービスデータ用スロットを対象の路側通信機2Sに割り当てることの可否を判定する手順について説明する。
〔2.2.1 路路間通信のスロット割当の検証処理〕
図7は、対象の路側通信機2Sと、路側通信機2Dとの間で生じる路路間通信に関する干渉を説明するための図である。
本実施形態において、路側通信機2Dは、路側通信機2Aと路路間通信を行うことが可能に設置されている。また、対象の路側通信機2Sは、上述したように、路側通信機2Tとの間で路路間通信を行うように設置される。
よって、対象の路側通信機2Sを設置する場合、図7に示すように、対象の路側通信機2Sが送信する路路間通信用の送信波は、路側通信機2Dが路側通信機2Aに送信する路路間通信用の送信波の干渉波となる可能性があり、対象の路側通信機2Sが、路側通信機2Dの路路間通信に影響を与える可能性がある。
また、逆に、路側通信機2Dが送信する路路間通信用の送信波は、対象の路側通信機2Sが路側通信機2Tに送信する路路間通信用の送信波の干渉波となる可能性があり、路側通信機2Dが、対象の路側通信機2Sの路路間通信に影響を与える可能性がある。
このため、本実施形態では、対象の路側通信機2Sが、路側通信機2Dの路路間通信に影響を与えるか否かの検討を行うとともに、路側通信機2Dが、対象の路側通信機2Sの路路間通信に影響を与えるか否かの検討を行う。
図8は、対象の路側通信機2Sに対するスロット割当の検証手順を示したフローチャートであり、路路間通信用のサービスデータ用スロットのスロット割当の検証処理を示している。
中央装置4の検証処理部10は、対象の路側通信機2Sに対するスロット割当の検証処理を実行することを決定すると、対象の路側通信機2Sに保守データ用スロットを用いて検証用データ(第2検証用データ)の送信を行わせる。
このとき、検証処理部10は、サブスロット34eの期間を用いて路路間通信用の検証用データを対象の路側通信機2Sに送信させる。
上述したように、本実施形態の路側通信機2Dは、サブスロット34eの期間を用いて路路間通信用の検証用データ(第1検証用データ)を送信している。
よって、検証処理部10が対象の路側通信機2Sにサブスロット34eの期間を用いて路路間通信用の検証用データを送信させることで、対象の路側通信機2Sは、路側通信機2Dが用いるサブスロットと同じサブスロット34eを用いて路路間通信用の検証用データの送信を行う。
このようにして、路側通信機2Dと、対象の路側通信機2Sとは、同じスロットであるサブスロット34eを用いて、同時に路路間通信用の検証用データの送信を行う(ステップS1)。
次に、路側通信機2Dからの路路間通信用の送信波を受信することができる路側通信機2A(図7参照)が、路側通信機2Dからの検証用データ(第1検証用データ)を受信して取得し(ステップS2)、路側通信機2Dからの検証用データを受信して取得したときの通信品質を測定する(ステップS3)。
路側通信機2Aは、路側通信機2Dと、対象の路側通信機2Sとが、同じサブスロット34eを用いて同時に路路間通信用の検証用データを送信したときに路側通信機2Dの検証用データを受信し当該データを取得する(ステップS2)。
路側通信機2Aは、路側通信機2Dの検証用データを受信し当該データを取得すると、この路側通信機2Dの検証用データのパケット到達率と受信レベル(受信電力)とを路側通信機2Dからの検証用データの通信品質として測定し取得する(ステップS3)。
図9(a)は、対象の路側通信機2S及び路側通信機2Dが送信する検証用データを含む送信パケットの一例を示す図である。
この送信パケットは、最前部及び最後部に無線ヘッダ及び無線フッタを有するとともに、セキュリティヘッダ及びセキュリティフッタの間に検証用データが格納されている。
検証用データは、アプリケーションによって、保守データとして生成されるデータであり、路側通信機2のスロット割当の検証に用いるためのデータである。
検証用データは、当該検証用データの送信元の路側通信機2を特定するための路側機IDと、この検証用データがサービスデータ用スロットで送信されるサービスデータであるのか、又は保守データ用スロットで送信される保守データであるのかを示す情報であるサービス識別子と、当該検証用データの送信元によってこの検証用データに与えられたインクリメント番号と、検証用データを含む当該送信パケットの送信に用いられたスロットもしくはサブスロットを特定するための情報であるサブスロット識別子とを含んでいる。
検証用データは、上述のように保守データであるため、対象の路側通信機2Sからの検証用データに含まれるサービス識別子、及び路側通信機2Dからの検証用データに含まれるサービス識別子は、共に、保守データを示す情報とされている。なお、サービス識別子が保守データであって検証用データであることを示すことができるように構成されている場合、サービス識別子は、検証用データを示す情報とされる。
また、サブスロット識別子は、上述のように検証用データを含む送信パケットの送信に用いられたスロットもしくはサブスロットを特定するための情報であるため、サブスロットで検証用データを送信した場合の他、スロット全体を用いて検証用データを送信した場合にも検証用データに含められる。
検証用データは、上述のように、対象の路側通信機2S及び路側通信機2Dから保守データ用スロットであるサブスロット34eを用いて送信される。よって、対象の路側通信機2Sからの検証用データに含まれるサブスロット識別子、及び路側通信機2Dからの検証用データに含まれるサブスロット識別子は、共に、サブスロット34eを示す情報とされている。
また、上記インクリメント番号は、送信元である路側通信機2が検証用データを含む送信パケットを送信するごとに連続的に割り当てる番号であり、検証用データを識別するためのデータ識別情報である。当該送信パケットを複数受信した通信機は、各送信パケットのインクリメント番号を確認し、インクリメント番号が連続しておらず欠落していれば、その欠落部分についてはパケットロスが発生したと判断することができる。
このように、送信パケットを受信した通信機は、このインクリメント番号によってパケットロスの発生を判断することができ、その送信パケットの到達率を求めることができる。
路側通信機2Aは、検証用データを含む送信パケットを受信し、検証用データを取得すると、そのデータに含まれる路側機ID及びサービス識別子を参照することで、この受信したデータがサービスデータではなく保守データ(検証用データ)でありいずれの路側通信機2から送信されたデータであるかを認識することができる。
よって、路側通信機2Aは、路側通信機2Dが送信元であると認識する検証用データについて、受信レベルを測定するとともに、インクリメント番号から検証用データのパケット到達率を求める(ステップS3)。
対象の路側通信機2Sも路側通信機2Dと同時に検証用データを送信しているが、対象の路側通信機2Sの検証用データは、路側通信機2Dからの検証用データに対する干渉波であり(図7参照)、路側通信機2Aが対象の路側通信機2Sからの検証用データを受信してしまうと、路側通信機2Dからの検証用データのパケット到達率を低下させる要因となる。このため、路側通信機2Dからの検証用データのパケット到達率を取得することで、路側通信機2Dに割り当てられているサービスデータ用スロットを対象の路側通信機2Sに割り当てた際に当該路側通信機2Dの路路間通信に与える影響を評価することができる。
本実施形態では、検証用データがインクリメント番号を含んでいるので、上述したように、路側通信機2Aは、このインクリメント番号に基づいて、路側通信機2Dが送信した検証用データのパケット到達率を求めることができる。
また、路側通信機2Aが、パケット到達率とともに当該路側通信機2Dからの検証用データの受信レベル(例えば、平均受信レベル)を取得することで、受信レベルとパケット到達率の関係(例えば、当該路側通信機2Dの受信レベルに変化が見られないにもかかわらず、パケット到達率が悪化するような関係)から、対象の路側通信機2Sに割り当てた際に当該路側通信機2Dの路路間通信に与える影響をより明確に評価することができる。
なお、本実施形態では、路側通信機2Aが、路側通信機2Dの検証用データを受信し当該データを取得すると、この路側通信機2Dの検証用データのパケット到達率と受信レベルとを求める場合を示したが、路側通信機2Aは、少なくとも、路側通信機2Dの検証用データのパケット到達率を求めればよい。
路側通信機2Aは、路側通信機2Dからの検証用データのパケット到達率及び受信レベルを求めると、求めた結果を測定結果データとして中央装置4の検証処理部10に向けて送信する(ステップS4)。
このとき、路側通信機2Aは、有線通信回線7を介して中央装置4に向けて測定結果データを送信することができる。
また、路側通信機2Aは、有線通信回線7に接続されていない等、有線通信回線7を介して中央装置4に測定結果情報を送信できない場合には、路路間通信によって他の路側通信機2を経由して中央装置4に測定結果データを送信することができる。
この場合、路側通信機2Aは、自機2Aに割り当てられている路路間通信用の保守データ用スロットを用いて送信する保守データに測定結果データを含めて送信する。
また、路側通信機2Aは路路間通信によって送信元である路側通信機2Dに測定結果情報を返信し、路側通信機2Dが中央装置4に自機2Dの測定結果情報を返信してもよい。
図9(b)は、路側通信機2Aが送信する保守データを含む送信パケットの一例を示す図である。
図9(b)に示す送信パケットも、図9(a)に示す送信パケットと同様、最前部及び最後部に無線ヘッダ及び無線フッタを有している。セキュリティヘッダ及びセキュリティフッタの間には、保守データが格納されている。
この送信パケットに含まれる保守データは、当該送信パケットの送信元の路側通信機2を特定するための路側機IDと、この保守データのサービス識別子と、当該保守データの送信元によってこの保守データに与えられたインクリメント番号と、この保守データを含む当該送信パケットの送信に用いられるサブスロットを特定するための情報であるサブスロット識別子と、を含んでいる。これらは、図9(a)で示した検証用データの内容と同じである。つまり、保守データは検証用データを兼ねてもよい。
路側通信機2Aが送信する保守データに含まれる、送信元の路側通信機2を特定するための路側機IDは、当該路側通信機2Aの路側機IDとされる。また、サービス識別子は、保守データを示す情報とされる。サブスロット識別子は、自機2Aに割り当てられている路路間通信用の保守データ用スロットを示す情報とされる。
また、保守データは、通信品質の測定がなされた検証用データの送信元である路側通信機2を特定するための路側機IDと、通信品質の測定がなされた検証用データのサービス識別子と、通信品質の測定がなされた検証用データのサブスロット識別子と、通信品質の測定がなされた検証用データについての測定結果データ(パケット到達率、あるいは、パケット到達率及び受信レベル)と、通信品質の測定がなされた検証用データに付されていたインクリメント番号とを含んでいる。
通信品質の測定がなされた検証用データの送信元である路側通信機2の路側機IDは、路側通信機2Dの路側機IDとされる。また、通信品質の測定がなされた検証用データに関するサービス識別子は、保守データを示す情報とされ、通信品質の測定がなされた検証用データに関するサブスロット識別子は、サブスロット34eを示す情報とされている。
測定結果データは、路側通信機2Dから路路間通信によって送信された検証用データについての通信品質の測定結果であるパケット到達率及び受信レベルを示す情報を含んでいる。
路側通信機2Aは、路側通信機2Dからの検証用データについての測定結果データを上述の保守データに含め、路路間通信によって他の路側通信機2に送信し、他の路側通信機2を経由して中央装置4に測定結果データを与えることができる。
なお、路側通信機2Aは、対象の路側通信機2Sの検証用データから、路側機IDやパケット到達率等を求めてもよく、路側通信機2Dからの検証用データについての測定結果データとともに、対象の路側通信機2Sの検証用データについての測定結果データを中央装置4あるいは路側通信機2Dに与えてもよい。
これにより、路側通信機2Dの干渉源が対象の路側機2Sであることがより明確になる。
図8に戻って、次に、対象の路側通信機2Sからの路路間通信用の送信波を受信することができる路側通信機2T(図7参照)が、路側通信機2Sからの検証用データ(第2検証用データ)を受信して取得し(ステップS5)、対象の路側通信機2Sからの検証用データを受信して取得したときの通信品質を測定する(ステップS6)。
路側通信機2Tは、路側通信機2Dと、対象の路側通信機2Sとが、同じサブスロット34eを用いて同時に路路間通信用の検証用データを送信したときに路側通信機2Sの検証用データを受信し当該データを取得する(ステップS5)。
路側通信機2Tは、路側通信機2Sの検証用データを受信し当該データを取得すると、この路側通信機2Sの検証用データのパケット到達率、あるいは、パケット到達率と受信レベル(受信電力)とを路側通信機2Sからの検証用データの通信品質として測定し取得する(ステップS6)。
路側通信機2Tは、対象の路側通信機2Sからの検証用データのパケット到達率、あるいは、パケット到達率及び受信レベルを求めると、求めた結果を測定結果データとして中央装置4の検証処理部10に向けて送信する(ステップS7)。
なお、本実施形態では、路側通信機2Tが、対象の路側通信機2Sの検証用データを受信し当該データを取得すると、対象の路側通信機2Sの検証用データのパケット到達率と受信レベルとを求める場合を示したが、路側通信機2Aと同様、路側通信機2Tは、少なくとも、対象の路側通信機2Sの検証用データのパケット到達率を求めればよい。
路側通信機2Tは、対象の路側通信機2Sからの検証用データについての測定結果データを上述の保守データに含め、路路間通信によって他の路側通信機2に送信し、他の路側通信機2を経由して中央装置4に測定結果データを与えることができる。
なお、路側通信機2Tが対象の路側通信機2Sからの検証用データについての測定結果データの処理を行うステップS6、及びステップS7は、路側通信機2Aが路側通信機2Dからの検証用データについての測定結果データの処理を行うステップS3、及びステップS4と同様の構成であるので、詳細な説明については省略する。
路側通信機2A及び路側通信機2Tから測定結果データが与えられた中央装置4の検証処理部10は、これら測定結果データに含まれるパケット到達率及び受信レベルに基づいて、路側通信機2Dに割り当てられている路路間通信用のサービスデータ用スロット(サブスロット32a)を対象の路側通信機2Sに割り当てることの可否を判定する(ステップS8)。
検証処理部10は、パケット到達率及び受信レベルそれぞれに対する判定の基準となる閾値を記憶しており、その閾値に基づいて判定を行う。
検証処理部10は、路側通信機2Dからの検証用データのパケット到達率及び受信レベルに対象の路側通信機2Sが送信した検証用データの影響が現れているか否かを前記閾値に基づいて判断する。また、検証処理部10は、対象の路側通信機2Sからの検証用データのパケット到達率及び受信レベルに路側通信機2Dが送信した検証用データの影響が現れているか否かを前記閾値に基づいて判断する。
路側通信機2Dからの検証用データのパケット到達率等に対象の路側通信機2Sが送信した検証用データの影響が現れていないと判断し、かつ、対象の路側通信機2Sからの検証用データのパケット到達率等に路側通信機2Dが送信した検証用データの影響が現れていないと判断すると、検証処理部10は、路側通信機2Dに割り当てられている路路間通信用のサービスデータ用スロット(サブスロット32a)を対象の路側通信機2Sに割り当てることができると判定する。
一方、路側通信機2Dからの検証用データのパケット到達率等、又は、対象の路側通信機2Sからの検証用データのパケット到達率の少なくともいずれか一方に他の路側通信機2が送信した検証用データの影響が現れていると判断すると、検証処理部10は、路側通信機2Dに割り当てられている路路間通信用のサービスデータ用スロット(サブスロット32a)を対象の路側通信機2Sに割り当てることができないと判定する。
前記閾値は、予め所定の値を設定してもよいし、通信に影響が現れていないと判断することができる基準値を実験的に求め、その基準値に基づいて設定してもよい。
以上のようにして、路路間通信用のサービスデータ用スロットのスロット割当の検証処理が実行される。
なお、図8中、ステップS2からS4までの処理と、ステップS5からS7までの処理とは、図8に示したように順次行う必要はなく、並行して行ってもよい。
この処理によれば、路側通信機2D(第1路側通信機)及び対象の路側通信機2Sが、路路間通信によって検証用データを送信し、路側通信機2Dの通信対象である路側通信機2A(第2路側通信機)、及び対象の路側通信機2Sの通信対象である路側通信機2T(第3路側通信機)が検証用データを取得する検証用通信機を構成しているので、対象の路側通信機2Sが送信する路路間通信による送信信号が路側通信機2Dの路路間通信に与える影響、及び対象の路側通信機2Sの路路間通信が路側通信機2Dから送信される路路間通信による送信信号により与えられる影響を検証することができる。
次に、路側通信機2Eに割り当てられている路車間通信用のサービスデータ用スロットを対象の路側通信機2Sに割り当てることの可否を判定する手順について説明する。
〔2.2.2 路車間通信のスロット割当の検証処理〕
図10は、対象の路側通信機2Sと、路側通信機2Eとの間で生じる路車間通信に関する干渉を説明するための図である。
本実施形態において、路側通信機2Eは、自路側通信機2Eの周囲に設定されている路車間通信用の送信波を送信可能な範囲であるサービスエリア内に位置する車載通信機3Aと路車間通信を行う。また、対象の路側通信機2Sは、自路側通信機2Sの周囲に設定されるサービスエリア内に位置する車載通信機3Bと路車間通信を行う。
よって、対象の路側通信機2Sを設置する場合、図10に示すように、対象の路側通信機2Sが送信する路車間通信用の送信波は、路側通信機2Eが送信する路車間通信用の送信波の干渉波となる可能性があり、対象の路側通信機2Sが、路側通信機2Eの路車間通信に影響を与える可能性がある。
また、逆に、路側通信機2Eが送信する路車間通信用の送信波は、対象の路側通信機2Sが送信する路車間通信用の送信波の干渉波となる可能性があり、路側通信機2Eが、対象の路側通信機2Sの路車間通信に影響を与える可能性がある。
このため、本実施形態では、対象の路側通信機2Sが、路側通信機2Eの路車間通信に影響を与えるか否かの検討を行うとともに、路側通信機2Eが、対象の路側通信機2Sの路車間通信に影響を与えるか否かの検討を行う。
図11は、対象の路側通信機2Sに対するスロット割当の検証手順を示したフローチャートであり、路車間通信用のサービスデータ用スロットのスロット割当の検証処理を示している。
中央装置4の検証処理部10は、対象の路側通信機2Sに対するスロット割当の検証処理を実行することを決定すると、対象の路側通信機2Sに保守データ用スロットを用いて検証用データ(第2検証用データ)の送信を行わせる。
このとき、検証処理部10は、サブスロット34cの期間を用いて路車間通信用の検証用データを対象の路側通信機2Sに送信させる。
上述したように、本実施形態の路側通信機2Eは、通常の期間においては、サブスロット34cの期間を用いて路車間通信用の検証用データ(第1検証用データ)も送信している。
よって、検証処理部10が対象の路側通信機2Sにサブスロット34cの期間を用いて路車間通信用の検証用データを送信させることで、対象の路側通信機2Sは、路側通信機2Eが用いるサブスロットと同じサブスロット34cを用いて路車間通信用の検証用データの送信を行う。
このようにして、路側通信機2Eと、対象の路側通信機2Sとは、同じスロットであるサブスロット34cを用いて、同時に路車間通信用の検証用データの送信を行う(ステップS11)。
次に、路側通信機2Eのサービスエリア内に位置する車載通信機3A(図10参照)が、路側通信機2Eからの検証用データ(第1検証用データ)を受信して取得し(ステップS12)、路側通信機2Eからの検証用データを受信して取得したときの通信品質を測定する(ステップS13)。
車載通信機3Aは、各路側通信機2が送信する検証用データの取得が許可されている。
保守データは、一般車両に取得させる必要がないので、当該保守データの取得を許可するためのセキュリティーキーを有する車載通信機3のみによって取得可能なように保護されている。
車載通信機3A(の通信処理部29)は、前記セキュリティーキーを記憶している。車載通信機3Aは、このセキュリティーキーを記憶し有していることで、このセキュリティーキーを用いて検証用データを取得することができ、各路側通信機2が送信する検証用データの取得が許可されている。
これによって、一般車両に搭載された不特定の車載通信機3に保守データ(検証用データ)を取得させることなく、予め設定された特定の車載通信機3のみに検証用データを取得させることができる。
なお、本実施形態ではセキュリティーキーによる保護のみを対象としたが、無線ヘッダ(非特許文献1のレイヤ7ヘッダ内等)に、一般車両が受け取らない用途のデータ(保守データ)であることを示す識別子を入れることや、図9(a)及び(b)に示すように各データ内のサービス識別子のように保守データであることを示す識別子を入れることで、保守データを扱う車載通信機3のみによって取得可能なようにしてもよい。
車載通信機3Aは、路側通信機2Eと、対象の路側通信機2Sとが、同じサブスロット34cを用いて同時に路車間通信用の検証用データを送信したときに路側通信機2Eの検証用データを受信し当該データを取得する(ステップS12)。
車載通信機3Aは、路側通信機2Eの検証用データを取得すると、その取得した路側通信機2Eの検証用データのパケット到達率と、受信レベル(受信電力)とを路側通信機2Eからの検証用データの通信品質として測定し取得する(ステップS13)。
図12(a)は、対象の路側通信機2S及び路側通信機2Eが送信する検証用データを含む送信パケットの一例を示す図である。
この送信パケットは、路車間通信によって対象の路側通信機2S及び路側通信機2Eに送信される以外、図9(a)にて示した送信パケットと基本的に同じ構成である。
また、送信パケットに含まれる検証用データも基本的に同じ構成である。検証用データは、当該検証用データの送信元の路側通信機2を特定するための路側機IDと、当該検証用データのサービス識別子と、インクリメント番号と、当該検証用データに関するサブスロット識別子とを含んでいる。
検証用データは、上述のように保守データであるため、対象の路側通信機2Sからの検証用データに含まれるサービス識別子、及び路側通信機2Eからの検証用データに含まれるサービス識別子は、共に、保守データを示す情報とされている。なお、サービス識別子が保守データであって検証用データであることを示すことができるように構成されている場合、サービス識別子は、検証用データを示す情報とされる。
検証用データは、上述のように、対象の路側通信機2S及び路側通信機2Eから保守データ用スロットであるサブスロット34cを用いて送信される。よって、対象の路側通信機2Sからの検証用データに含まれるサブスロット識別子、及び路側通信機2Eからの検証用データに含まれるサブスロット識別子は、共に、サブスロット34cを示す情報とされている。
車載通信機3Aは、検証用データを含む送信パケットを受信すると、送信パケットに含まれるデータを取得する。さらに、車載通信機3Aは、そのデータに含まれる路側機ID及びサービス識別子を参照することで、この受信したデータがサービスデータではなく保守データ(検証用データ)でありいずれの路側通信機2から送信された検証用データであるかを認識することができる。
よって、車載通信機3Aは、路側通信機2Eが送信元であると認識する検証用データについて、受信レベルを測定するとともに、インクリメント番号から検証用データのパケット到達率を求める(ステップS13)。
対象の路側通信機2Sも路側通信機2Eと同時に検証用データを送信しているが、対象の路側通信機2Sの検証用データは、路側通信機2Eからの検証用データに対する干渉波であり(図10参照)、車載通信機3Aが対象の路側通信機2Sからの検証用データを受信してしまうと、路側通信機2Eからの検証用データのパケット到達率を低下させる要因となる。このため、路側通信機2Eからの検証用データのパケット到達率及び受信レベルを取得することで、路側通信機2Eに割り当てられているサービスデータ用スロットを対象の路側通信機2Sに割り当てた際に当該路側通信機2Eの路車間通信に与える影響を評価することができる。
なお、本実施形態では、車載通信機3Aが、路側通信機2Eの検証用データを取得すると、その取得した路側通信機2Eの検証用データのパケット到達率と、受信レベルとを求める場合を示したが、車載通信機3Aは、少なくとも、路側通信機2Eの検証用データのパケット到達率を求めればよい。
車載通信機3Aは、路側通信機2Eからの検証用データのパケット到達率及び受信レベルを求めると、求めた結果を測定結果データとして中央装置4の検証処理部10に向けて送信する(ステップS14)。
車載通信機3Aは、車車間通信によって測定結果データを送信し、他の車載通信機3や他の路側通信機2を経由して中央装置4に向けて測定結果データを送信することができる。
この場合、車載通信機3Aは、自機3Aが送信する車車間通信データに測定結果データを含めて送信する。
車載通信機3Aが車車間通信によって送信した測定結果データは、他の路側通信機2によって受信され、路路間通信又は有線通信回線7を介して中央装置4に送信される。
また、車載通信機3Aは車車間通信によって送信元である路側通信機2Dに測定結果情報を返信し、路側通信機2Dが中央装置4に自機2Dの測定結果情報を返信してもよい。
図12(b)は、車載通信機3Aが送信する車車間通信データを含む送信パケットの一例を示す図である。
図12(b)に示す送信パケットは、最前部及び最後部に無線ヘッダ及び無線フッタを有している。セキュリティヘッダ及びセキュリティフッタの間には、車車間通信データが格納されている。
車車間通信データ内には、任意に情報を格納することができる自由領域が設定されている。車載通信機3Aは、この自由領域に、測定結果データを格納し、当該測定結果データを車車間通信によって送信する。
自由領域には、この自由領域に格納されている各データに関するサービス識別子と、通信品質の測定がなされた検証用データの送信元である路側通信機2を特定するための路側機IDと、通信品質の測定がなされた検証用データのサービス識別子と、通信品質の測定がなされた検証用データのサブスロット識別子と、通信品質の測定がなされた検証用データについての測定結果データ(パケット到達率、あるいは、パケット到達率及び受信レベル)と、通信品質の測定がなされた検証用データに付されていたインクリメント番号とを含んでいる。
自由領域に格納されている各データに関するサービス識別子は、保守データを示す情報とされる。
通信品質の測定がなされた検証用データの送信元である路側通信機2の路側機IDは、路側通信機2Eの路側機IDとされる。また、通信品質の測定がなされた検証用データに関するサービス識別子は、保守データを示す情報とされ、通信品質の測定がなされた検証用データに関するサブスロット識別子は、サブスロット34cを示す情報とされている。
測定結果データは、路側通信機2Eから路車間通信によって送信された検証用データについての通信品質の測定結果であるパケット到達率及び受信レベルを示す情報を含んでいる。
車載通信機3Aは、路側通信機2Eからの検証用データについての測定結果データを車車間通信データ内の自由領域に格納し、車車間通信によって測定結果データを送信し、他の車載通信機3や他の路側通信機2を経由して中央装置4に測定結果データを与えることができる。
図11に戻って、次に、対象の路側通信機2Sのサービスエリア内に位置する車載通信機3Bが(図10参照)が、対象の路側通信機2Sからの検証用データ(第2検証用データ)を受信して取得し(ステップS15)、対象の路側通信機2Sからの検証用データを受信して取得したときの通信品質を測定する(ステップS16)。
車載通信機3Bは、路側通信機2Eと、対象の路側通信機2Sとが、同じサブスロット34cを用いて同時に路車間通信用の検証用データを送信したときに対象の路側通信機2Sの検証用データを受信し当該データを取得する(ステップS15)。
車載通信機3Bは、対象の路側通信機2Sの検証用データを取得すると、その取得した対象の路側通信機2Sの検証用データのパケット到達率と、受信レベル(受信電力)とを対象の路側通信機2Sからの検証用データの通信品質として測定し取得する(ステップS16)。
車載通信機3Bは、対象の路側通信機2Sからの検証用データのパケット到達率及び受信レベルを求めると、求めた結果を測定結果データとして中央装置4の検証処理部10に向けて送信する(ステップS17)。
車載通信機3Bは、対象の路側通信機2Sからの検証用データについての測定結果データを車車間通信データ内の自由領域に格納し、車車間通信によって測定結果データを送信し、他の車載通信機3や他の路側通信機2を経由して中央装置4に測定結果データを与えることができる。
なお、車載通信機3Bが対象の路側通信機2Sからの検証用データについての測定結果データの処理を行うステップS16、及びステップS17は、車載通信機3Aが路側通信機2Eからの検証用データについての測定結果データの処理を行うステップS13、及びステップS14と同様の構成であるので、詳細な説明については省略する。
車載通信機3A及び車載通信機3Bから測定結果データが与えられた中央装置4の検証処理部10は、これら測定結果データに含まれるパケット到達率及び受信レベルに基づいて、路側通信機2Eに割り当てられている路車間通信用のサービスデータ用スロット(n=7のタイムスロット30)を対象の路側通信機2Sに割り当てることの可否を判定する(ステップS18)。
なお、ステップS18において行われる判定の処理については、図8中、ステップS8における路路間通信の場合と同様なので説明を省略する。
以上のようにして、路車間通信用のサービスデータ用スロットのスロット割当の検証処理が実行される。
なお、図11中、ステップS12からS14までの処理と、ステップS15からS17までの処理とは、図11に示したように順次行う必要はなく、並行して行ってもよい。
この処理によれば、路側通信機2E(第1路側通信機)及び対象の路側通信機2Sが、路車間通信によって検証用データを送信し、路側通信機2Eの検証用データを路側通信機2Eのサービスエリアに存在する車載通信機3A(第1車載通信機)、及び対象の路側通信機2Sの検証用データを対象の路側通信機2Sのサービスエリアに存在する車載通信機3B(第2車載通信機)が検証用データを取得する検証用通信機を構成しているので、対象の路側通信機2Sが送信する路車間通信による送信信号が路側通信機2Eの路車間通信に与える影響、及び対象の路側通信機2Sの路車間通信が路側通信機2Eから送信される路車間通信による送信信号により与えられる影響を検証することができる。
〔2.2.3 他の例に係る路路間通信のスロット割当の検証処理〕
なお、図8で示した、路路間通信用のサービスデータ用スロットのスロット割当の検証処理では、路側通信機2A(路側通信機2T)が、路側通信機2D(対象の路側通信機2S)からの検証用データを受信して取得し、路側通信機2A(路側通信機2T)が、そのときの通信品質を取得する場合を示したが、路側通信機2D(対象の路側通信機2S)からの検証用データが路側通信機2A(路側通信機2T)によって取得されたときの当該検証用データの通信品質を、検証用データの送信元である路側通信機2D(対象の路側通信機2S)が求めるように構成してもよい。
図13は、他の例に係る対象の路側通信機2Sに対するスロット割当の検証手順を示したフローチャートであり、路路間通信用のサービスデータ用スロットのスロット割当の検証処理を示している。
図13中、ステップS1は、図8のステップS1と同様である。また、図13中、ステップS2も図8のステップS2と同様であり、路側通信機2A(図7参照)が、路側通信機2Dからの検証用データを受信して取得する(ステップS2)。
次いで、路側通信機2Aは、取得した検証用データに応じて保守用データを送信する(ステップS31)。
ここで路側通信機2Aが送信する保守用データは、図9(b)に示した送信パケットに含まれる保守用データと同様である。なお、本例の場合、図9(b)の「検証用データの測定結果データ」は、必ずしも保守用データに含める必要はない。
次いで、路側通信機2Aからの保守用データを路側通信機2Dが受信し取得すると、当該路側通信機2Dは、自機2Dが送信した検証用データが路側通信機2Aによって受信され取得されたときの通信品質としてのパケット到達率を求める(ステップS32)。
路側通信機2Dは、路側通信機2Aが送信した保守用データに含まれる、「本データのインクリメント番号」及び「検証用データのインクリメント番号」を用いて、自機2Dが送信した検証用データが路側通信機2Aによって受信され取得されたときのパケット到達率を求める。
ここで、インクリメント番号は、上述したように、送信元の路側通信機2が検証用データを含む送信パケットを送信するごとに連続的に割り当てる番号であり、検証用データを識別するためのデータ識別情報である。当該送信パケットを複数受信した通信機は、このインクリメント番号に基づいてパケットロスの発生を判断することができ、その送信パケットの到達率を求めることができる。
路側通信機2Aが取得する「検証用データのインクリメント番号」は、路側通信機2Dから路側通信機2Aに送信したときのパケット到達率を示しており、路側通信機2Dが取得する「本データのインクリメント番号」は、路側通信機2Aから路側通信機2Dに送信したときのパケット到達率を示している。
よって、路側通信機2Dは、取得した路側通信機2Aからの保守用データに含まれる「本データのインクリメント番号」及び「検証用データのインクリメント番号」を用いることで、路側通信機2Aから路側通信機2Dに送信したときのパケット到達率を考慮しつつ、自機2Dが送信した検証用データが路側通信機2Aによって取得されたときのパケット到達率を求めることができる。
これにより、路側通信機2Dは、自機2Dが送信した検証用データが路側通信機2Aによって取得されたときのパケット到達率をより精度よく求めることができる。
路側通信機2Dが送信した検証用データが路側通信機2Aによって取得されたときのパケット到達率を求めると、路側通信機2Dは、求めた結果を測定結果データとして中央装置4の検証処理部10に向けて送信する(ステップS4)。なお、このステップ4の処理は、図8のステップS4と同様である。
上記のように、路側通信機2Dが、自機2Dが送信した検証用データが路側通信機2Aによって取得されたときのパケット到達率を求めるのと同様に、対象の路側通信機2Sは、自機2Sが送信した検証用データが路側通信機2Tによって取得されたときのパケット到達率を求める。
なお、対象の路側通信機2Sが送信した検証用データが路側通信機2Tによって取得されたときのパケット到達率を、対象の路側通信機2Sが求める処理は、路側通信機2Dと路側通信機2Aとの間の処理であるステップS2、S31、及びS32と同様の構成であるので、図13では、省略して示している。
路側通信機2D及び対象の路側通信機2Sから測定結果データが与えられた中央装置4の検証処理部10は、これら測定結果データに含まれるパケット到達率に基づいて、路側通信機2Dに割り当てられている路路間通信用のサービスデータ用スロット(サブスロット32a)を対象の路側通信機2Sに割り当てることの可否を判定する(ステップS8)。このステップS8の処理は、図8のステップS8と同様である。
以上のようにして、路側通信機2D(対象の路側通信機2S)からの検証用データが路側通信機2A(路側通信機2T)によって取得されたときの当該検証用データのパケット到達率を、路側通信機2D(対象の路側通信機2S)に求めさせることができる。
また、本例では、図9に示すように、各種識別子等を含んだ検証用データを路側通信機2D及び対象の路側通信機2Sが同時に送信し、保守用データを検証用通信機である路側通信機2A及び路側通信機2Tが取得した上で保守データを返信することで、検証用通信機である路側通信機2A、2Tによって検証用データが取得されたときのパケット到達率を、検証用データの送信元である路側通信機2D、2Sが求める場合を示した。
このように、検証用通信機によって当該検証用データが取得されたときのパケット到達率を、検証用データの送信元である路側通信機が求める場合において、この検証用データの送信元である路側通信機は、検証用データとして、ICPM(Internet Control Message Protocol)に含まれるPingコマンドを検証用通信機に送信してもよい。この場合、検証用通信機は、Pingコマンドに対するレスポンスを返信する。
検証用データの送信元である路側通信機は、検証用通信機からのレスポンスを保守用データとして受信する。
検証用データの送信元である路側通信機は、このPingコマンド及びこれに対するレスポンスに基づいて、路路間通信におけるパケット到達率を求めることができる。
以上のように、本例の場合、検証用データとしてPingコマンドを用いて、検証用通信機にPingコマンドを取得させ、路路間通信における検証用データの送信元である路側通信機と検証用通信機との間の通信品質であるパケット到達率を求めることができる。
そして、検証用通信機がPingコマンドを取得したことに基づいて求めることができる、路側通信機と検証用通信機との間のパケット到達率に基づいて、対象の路側通信機に対するサービスデータ用スロットの割り当て可否を判定することができる。
なお、図13では、路路間通信のスロット割当の検証処理について示したが、路車間通信のスロット割当の検証処理の場合についても同様の構成とすることができる。すなわち、路側通信機2E(対象の路側通信機2S)からの検証用データが車載通信機3A(車載通信機3B)によって取得されたときの当該検証用データの通信品質を、検証用データの送信元である路側通信機2E(対象の路側通信機2S)が求めるように構成してもよい。
また、図13で示したスロット割当の検証処理は、図9及び図12で示したスロット割当の検証処理と並行して行うこともできる。この場合、双方の処理で得られた通信品質に基づいて割り当て可否に関する判定が行われる。
〔3. 対象の路側通信機2Sに対するスロット割当について〕
路路間通信用のサービスデータ用スロット、及び路車間通信用のサービスデータ用スロットのスロット割当の検証処理を終えると、中央装置4の検証処理部10は、検証処理による結果に基づいて、検証したスロットを対象の路側通信機2Sに割り当てるか否かを決定する。
検証処理部10は、路路間通信用のサービスデータ用スロット、又は路車間通信用のサービスデータ用スロットのいずれか一方の検証処理の結果が、割り当てできないと判定された場合、その結果を当該システムの管理者に出力し処理を終える。
前記管理者は、出力された結果に基づいて、再度検討し、対象の路側通信機2Sに割り当て可能なサービスデータ用スロットについて再検討し、再検討したスロット割当によって再度検討処理を検証処理部10に実行させる。
一方、路側通信機2Dに割り当てられている路路間通信用のサービスデータ用スロットを対象の路側通信機2Sに割り当てることができると判定し、かつ、路側通信機2Eに割り当てられている路車間通信用のサービスデータ用スロットを対象の路側通信機2Sに割り当てることができると判定すると、検証処理部10は、対象の路側通信機2Sにそのスロット割当でサービスデータの送信を開始させる。
この場合、検証処理によって割り当て可能と判断された後、対象の路側通信機2Sにサービスデータの送信を開始させるので、対象の路側通信機2Sは、当該対象の路側通信機2Sと路側通信機2D,2Eとの間で相互に通信に影響を与えることなくサービスデータの送信を開始することができる。
〔4. 対象の路側通信機2Sにおける送信の設定について〕
図14は、対象の路側通信機2SのMIB24aに登録されている送信のための制御パラメータの設定例を示す図である。
図14中、MIB24a(図2参照)に登録されている制御パラメータには、路車間通信期間情報変数RRC(RSU(Road Side Unit),RVC Control)と、送信制御変数RTC(RSU,Transmission Control)とが含まれている。
路車間通信期間情報変数RRC(n)は、路車間通信期間番号n(=1〜16)に対応している。よって、路車間通信期間情報変数RRC(n)は、路側通信機2の送信期間として割り当てられている送信期間の路車間通信期間番号nが格納される。
図14では、4つの異なる送信期間を設定するための制御パラメータの設定値群が登録されている。
送信制御変数RTC(m)は、互いに異なる配列のデータ構造体形式が複数種類規定されている。これら構造体形式の配列の種類によって表される変数mは、一つの無線フレーム(送信の一周期=100ms)における送信期間の数を示し、1以上の任意の整数値に設定することができる。例えば、図14に示すように、路側通信機2に対して、一つの無線フレーム内に4つのスロットが割り当てられている場合、各スロットに一つずつ送信期間を設けるものとすると、送信制御変数RTC(m)におけるmの値は、1,2,3,4といったように、互いに異なる4つの整数が設定される。
送信制御変数RTC(m)は、さらに、送信開始タイミング変数RTC(m).TST(RTC(m).Transmission Start Timing)、送信期間長変数RTC(m).TRP(RTC(m).Transmission Period)、送信カテゴリラベルRTC(m).TCL(RTC(m).Transmission Category Label)、送信周期RTC(m).TRI(RTC(m).Transmission Interval)、及び送信オフセットRTC(m).TRO(RTC(m).Transmission Offset)を含んで構成されている。なお、送信制御変数RTC(m)及びこれに含まれる各パラメータは、上記非特許文献2において規定されている送信制御変数RTC及びこれに含まれる各パラメータに相当するものである。
送信開始タイミング変数RTC(m).TSTは、送信開始タイミングを示す変数である。送信開始タイミング変数RTC(m).TSTに設定された値は、m番目の送信期間が、無線フレームのどのタイミングで開始するかを示す。送信期間長変数RTC(m).TRPは、送信期間長を示す変数である。m番目の送信期間は、送信開始タイミングRTC(m).TSTが示す送信開始タイミングから、送信期間長変数RTC(m).TRPに設定された時間長を有する。これら送信開始タイミング変数RTC(m).TST、及び送信期間長変数RTC(m).TRPを設定することによって、タイムスロット30を分割してなるサブスロットの設定が可能となる。
このように、送信制御変数RTC(m)は、送信開始タイミング変数RTC(m).TSTと、送信期間長変数RTC(m).TRPとによって、無線フレームそれぞれにおいて対象の路側通信機2に割り当てられた周期的な送信期間を特定している。
送信周期RTC(m).TRIは、送信開始タイミング変数RTC(m).TSTと、送信期間長変数RTC(m).TRPとによって設定される送信期間の制御周期を示しており、100ms(制御周期)を「1」とした整数値で設定される。
送信オフセットRTC(m).TROは、送信開始タイミング変数RTC(m).TSTと、送信期間長変数RTC(m).TRPとによって設定される送信期間の制御周期における所定の基点から初めて送信機会が現れるまでの送信時間を示しており、100ms(制御周期)を「1」とした整数値で設定される。
送信カテゴリラベルRTC(m).TCLは、送信開始タイミング変数RTC(m).TSTと、送信期間長変数RTC(m).TRPとによって設定された送信期間を送信対象とする送信パケットの送信カテゴリ情報を示している。
つまり、送信カテゴリラベルRTC(m).TCLが「0」の場合、路車間通信(サービス用)を示している。
また、送信カテゴリラベルRTC(m).TCLが「1」の場合、路路間通信(サービス用)を示している。
送信カテゴリラベルRTC(m).TCLが「2」の場合、路車間通信(保守用)を示している。
送信カテゴリラベルRTC(m).TCLが「3」の場合、路路間通信(保守用)を示している。
路側通信機2Sは、送信パケットを送信する際、送信パケットに付加された送信カテゴリ情報と一致する、送信カテゴリラベルRTC(m).TCLに設定された制御パラメータの設定値群を選択し、選択した制御パラメータの設定値群に基づいて設定される送信期間で当該送信パケットを送信する。
図14では、RRC(7)の場合、n=7のタイムスロット30を送信期間とする制御パラメータ群が登録されている。RRC(7)の場合の送信カテゴリラベルRTC(m).TCLは「0」であり路車間通信(サービス用)の送信期間であることを示している。
RRC(12)の場合、n=12のタイムスロット30に含まれるサブスロット32aを送信期間とする制御パラメータ群が登録されている。RRC(12)の場合の送信カテゴリラベルRTC(m).TCLは「1」であり、路路間通信(サービス用)の送信期間であることを示している。
RRC(16)でかつRTC(3)の場合、n=16のタイムスロット30に含まれるサブスロット34cを送信期間とする制御パラメータ群が登録されている。RRC(16)でかつRTC(3)の場合の送信カテゴリラベルRTC(m).TCLは「2」であり、路車間通信(保守用)の送信期間であることを示している。
RRC(16)でかつRTC(4)の場合、n=16のタイムスロット30に含まれるサブスロット34eを送信期間とする制御パラメータ群が登録されている。RRC(16)でかつRTC(4)の場合の送信カテゴリラベルRTC(m).TCLは「3」であり、路路間通信(保守用)の送信期間であることを示している。
対象の路側通信機2Sについてスロット割当の検証処理を行う場合、当該対象の路側通信機2SのMIB24aには、図14に示す設定値が登録される。
スロット割当の検証処理の際、対象の路側通信機2Sは、図14中のハッチングで示した、路車間通信用保守データの制御パラメータ群と、路路間通信用保守データの制御パラメータ群とを用いて検証用データの送信を行う。
スロット割当の検証処理の結果、路側通信機2Dに割り当てられている路路間通信用のサービスデータ用スロットを対象の路側通信機2Sに割り当てることができると判定され、かつ、路側通信機2Eに割り当てられている路車間通信用のサービスデータ用スロットを対象の路側通信機2Sに割り当てることができると判定されると、対象の路側通信機2Sは、検証処理部10の指示に基づいて、図14中のサービスデータの制御パラメータ群も用いてサービスデータの送信を開始する。
〔5. 効果について〕
本実施形態による対象の路側通信機2Sに対するスロット割当の検証処理(方法)は、サービスデータを送信するためのサービスデータ用スロットとは異なる非サービスデータ用スロットとしての保守データ用スロット(サブスロット34e)を用いて路側通信機2D(第1路側通信機)が検証用データ(第1検証用データ)を送信するとともに、路側通信機2Dが用いる保守データ用スロットと同じスロットであるサブスロット34eを用いて対象の路側通信機2Sが検証用データ(第2検証用データ)を送信し(図8中、ステップS1)、路側通信機2Dが送信した検証用データを検証用通信機としての路側通信機2Aが取得してその通信品質(路側通信機2Dと路側通信機2Aとの間の通信品質)を求める(図8中、ステップS2、S3)。
さらに、対象の路側通信機2Sが送信した検証用データを検証用通信機としての路側通信機2Tが取得してその通信品質(対象の路側通信機2Sと路側通信機2Tとの間の通信品質)を求め(図8中、ステップS5、S6)、求めた通信品質に基づいて、路側通信機2Dに割り当てられているサービスデータ用スロットであるサブスロット32aを対象の路側通信機2Sに割り当てることの可否を検証処理部10が判定する(図8中、ステップS8)。
また、本実施形態による対象の路側通信機2Sに対するスロット割当の検証処理(方法)は、サービスデータを送信するためのサービスデータ用スロットとは異なる保守データ用スロット(サブスロット34c)を用いて路側通信機2E(第1路側通信機)が検証用データ(第1検証用データ)を送信するとともに、路側通信機2Eが用いる保守データ用スロットと同じスロットであるサブスロット34cを用いて対象の路側通信機2Sが検証用データ(第2検証用データ)を送信し(図11中、ステップS11)、路側通信機2Eが送信した検証用データを検証用通信機としての車載通信機3Aが取得してその通信品質(路側通信機2Eと車載通信機3Aとの間の通信品質)を求める(図11中、ステップS12、S13)。
さらに、対象の路側通信機2Sが送信した検証用データを検証用通信機としての車載通信機3Bが取得してその通信品質(対象の路側通信機2Sと車載通信機3Bとの間の通信品質)を求め(図11中、ステップS15、S16)、求めた通信品質に基づいて、路側通信機2Eに割り当てられているサービスデータ用スロットであるn=7のタイムスロット30を対象の路側通信機2Sに割り当てることの可否を検証処理部10が判定する(図11中、ステップS18)。
上記構成の検証処理(方法)によれば、保守データ用スロットを用いて路側通信機2D及び対象の路側通信機2Sが検証用データを送信し通信品質の評価を行うので、両路側通信機2D,2Eによるサービスデータの送信に影響を与えることなく、路側通信機2D,2Eに割り当てられているサービスデータ用スロットを対象の路側通信機に割り当てることの可否を判定することができる。
つまり、本検証方法によれば、対象の路側通信機2Sと他の路側通信機である路側通信機2D,2Eとが相互に通信に影響を与えるか否かを各路側通信機2D,2E,2Sのサービスに影響を与えることなく実環境で検証することができる。
また、本実施形態において、検証用データは、当該検証用データの送信元である路側通信機2の路側機ID(識別情報)と、当該検証用データがサービスデータではないことを示す情報であるサービス識別子とを含んでいるので、路側通信機2A(車載通信機3A)は、受信したデータがサービスデータではなく保守データ(検証用データ)であること、及びその保守データがいずれの路側通信機2から送信されてきたものであるかを認識することができる。これにより、路側通信機2A(車載通信機3A)は、確実に路側通信機2D及び対象の路側通信機2Sが送信した検証用データの通信品質を測定することができる。
さらに、検証用データは、当該検証用データの送信タイミングを示す情報であるサブスロット識別子を含んでいるので、路側通信機2Aは、受信したデータが保守データ(検証用データ)であるか否かをスロット識別子に基づいて判断することができる。
〔6. 第1実施形態の変形例について〕
なお上記実施形態では、図14に示すように、対象の路側通信機2SのMIB24aに4つの異なる送信期間を設定するための制御パラメータの設定値群を登録した場合を例示したが、図15に示すように、3つの異なる送信期間を設定するための制御パラメータの設定値群を登録してもよい。
図14では、サービスデータ用の路車間通信、及び路路間通信の他、保守データ用についても路車間通信及び路路間通信の両方を個別に設定したことで、4つの制御パラメータの設置値群を登録した。
一方、図15では、保守データ用については、1つの制御パラメータの設置値群で兼用している。
図15(a)では、RRC(16)の場合、n=16のタイムスロット30に含まれるサブスロット34cを送信期間とする制御パラメータ群が登録されている。RRC(16)の場合の送信カテゴリラベルRTC(m).TCLは「2」であり、路車間通信(保守用)の送信期間であることを示している。
また、図15(b)では、RRC(16)の場合、n=16のタイムスロット30に含まれるサブスロット34eを送信期間とする制御パラメータの設定値群が登録されている。RRC(16)の場合の送信カテゴリラベルRTC(m).TCLは「3」であり、路路間通信(保守用)の送信期間であることを示している。
この場合、対象の路側通信機2Sは、まず、MIB24aの登録内容を図15(a)に示す内容に設定し、図15(a)中のハッチングで示した路車間通信用保守データの制御パラメータの設定値群を用いて検証用データの送信を行う。これにより、路車間通信に関するスロット割当の検証処理を行う。
その後、対象の路側通信機2Sは、MIB24aの登録内容を図15(b)に示す内容に変更し、図15(b)中のハッチングで示した路路間通信用保守データの制御パラメータの設定値群を用いて検証用データの送信を行う。これにより、路路間通信に関するスロット割当の検証処理を行う。
その後、割り当て可能であると判定されると、対象の路側通信機2Sは、図15(c)中のハッチングで示した路車間通信用サービスデータの制御パラメータの設定値群と、路路間通信用サービスデータの制御パラメータの設定値群とを用いてサービスデータの送信を開始する。
なお、図15(b)では、保守データ用については、MIB24aのRTC(3).TSTのRTC(3).TCLを変更したが、m=4(RTC(4))として、図15(b)のRTC(3)の制御パラメータを登録し、路路間通信用保守データは、RTC(4)の制御パラメータの設定値群を用いてもよい。
図16は、第1実施形態の第1変形例に係る無線フレームの構成を示す図であり、各路側通信機2に対する各タイムスロット30の割り当てを示す図である。図16において、下段の無線フレームは、上段の無線フレームの直後に続く次の無線フレームを示している。
本変形例の無線フレームは、保守データ用スロットが、n=9〜12のタイムスロット30に設定されている点、及び、これら保守データ用スロットと、路路間通信用のサービスデータ用スロットとの無線フレームに配置される周期を2無線フレーム毎に1度となるようにフレームオフセットを適用した点である。なお、n=13〜16のタイムスロット30は、路側通信機2に割り当てられていない。
図16中、上段のn=1〜12のタイムスロット30、下段のn=1〜8のタイムスロット30は、図6中、上段のn=1〜12のタイムスロット30、下段のn=1〜8のタイムスロット30と同様の構成である。また、下段のn=9,10のタイムスロット30は、図6中、上段のn=15,16のタイムスロット30と同様の構成、下段のn=11,12のタイムスロット30は、図6中、下段のn=15,16のタイムスロット30と同様の構成である。
保守データ用スロットである各サブスロットの内、ハッチングを付しているサブスロット34cが、路側通信機2Eの路車間通信用の保守データ用スロットとして割り当てられており、ハッチングを付しているサブスロット34eが、路側通信機2Dの路路間通信用の保守データ用スロットとして割り当てられている点も図6と同様である。
本実施形態の場合、路路間通信用のサービスデータ用スロットが2無線フレーム毎に1度となるが、第1実施形態と同様、保守データ用スロットを用いて対象の路側通信機2Sが検証用データを送信することができる。よって、対象の路側通信機2Sが、他の路側通信機である路側通信機2D,2Eの通信に影響を与えるか否かを路側通信機2D,2Eのサービスに影響を与えることなく実環境で検証することができる。
図17は、第1実施形態の第2変形例に係る無線フレームの構成を示す図である。
本変形例の無線フレームは、フレームオフセットを適用せず、対象の路側通信機2Sのスロット割当の検証処理を行うために必要最小限の保守データ用スロットを設けている。
すなわち、路側通信機2Eには、路車間通信用の保守データ用スロットとしてn=15のタイムスロット30が割り当てられており、路側通信機2Dには、路路間通信用の保守データ用スロットとしてn=16のタイムスロット30が割り当てられている。図17中、n=15のタイムスロット30、及びn=16のタイムスロット30には、ハッチングを付している。
図17中、n=1〜12のタイムスロット30は、図6中、n=1〜12のタイムスロット30と同様の構成である。
この場合、保守データ用スロットは必要最小限の数しか設けられていないが、対象の路側通信機2Sが、路側通信機2D,2Eの通信に影響を与えるか否かを路側通信機2D,2Eのサービスに影響を与えることなく実環境で検証することができる。
図18は、第1実施形態の第3変形例に係る無線フレームの構成を示す図である。
本変形例の無線フレームは、フレームオフセットを適用せず、n=9〜16のタイムスロット30それぞれの半分の期間を保守データ用スロットとしている。なお、図18では、保守データ用スロットとされるタイムスロット30内の期間の部分に対してハッチングを付している。
つまり、この変形例では、タイムスロット30を時間軸方向にサブスロットとして2分割し、一方のサブスロットを路路間通信用のサービスデータ用のサブスロットとして用い、他方のサブスロットを保守データ用スロットとして用いている。
さらに、本変形例では、タイムスロット30を2分割した他方の期間をさらに2分割することで、2個のサブスロットを設けている。
つまり、n=9〜16のタイムスロット30には、それぞれ、サブスロットからなる保守データ用スロットが2個ずつ設けられている。
これによって、より多数の路側通信機2に保守データ用スロットを割り当てることが可能となる。
なお、図18では、スロット割当の検証処理に用いる、路側通信機2Dに割り当てられる路路間通信用の保守データスロット、及び、路側通信機2Eに割り当てられる路車間通信用の保守データ用スロットについて特に示していないが、図18中、複数の保守データ用スロットの内、いずれかの保守データ用スロットが割り当てられる。
〔7. 第2実施形態について〕
図19(a)は、第2実施形態に係る無線フレームの構成を示す図あり、通常時の無線フレームの構成を示している。
第1実施形態の無線フレームでは、保守データ用スロットが常時設けられ路側通信機2に割り当てられていたが、本実施形態の無線フレームでは、対象の路側通信機2Sのスロット割当の検証処理を行っていない通常時においては、保守データ用スロットが設けられておらず、このため、保守データ用スロットが特定の路側通信機2に割り当てられていない点で相違している。
なお、図19(a)中、n=1〜12のタイムスロット30は、図6中、n=1〜12のタイムスロット30と同様の構成であり、n=13〜16のタイムスロット30は路側通信機2に割り当てられていない。
本実施形態では、通常時においては、保守データ用スロットが設けられていないので、検証処理部10が、対象の路側通信機2Sのスロット割当の検証処理を行うことを決定すると、路側通信機2に割り当てられていないタイムスロット30を保守データ用スロットとし、保守データ用スロットが必要な路側通信機2に対してこの保守データ用スロットを割り当てる。
その後、図8及び図11で示した手順によってスロット割当の検証処理が行われる。スロット割当の検証処理において、各路側通信機2は、設定された検証用送信期間を保守データ用スロットとして用い検証用データの送信を行う。
図19(b)は、第2実施形態において、スロット割当の検証処理を行うために保守データ用スロットを設けたときの無線フレームの構成を示している。
図19(b)では、路側通信機2の割り当てがないn=15のタイムスロット30を保守データ用スロットとして用いる。また、他のタイムスロット30は、通常の状態との間で変化はない。図19(b)中、n=15のタイムスロット30には、ハッチングを付している。
本実施形態では、対象の路側通信機2S及び路側通信機2Eに対して、n=15のタイムスロット30が路車間通信用の保守データ用スロットとして割り当てられている。
なお、本実施形態では、路側通信機2Dに対する路路間通信用の保守データ用スロットの割り当てについては省略して示している。
スロット割当の検証処理において、対象の路側通信機2S及び路側通信機2Eは、共に、このサブスロット41を用いて路車間通信による検証用データを送信する。これによって、割り当ての可否を判定することができる。
割り当ての可否の判定を終えると、検証処理部10は、検証処理のために割り当てた保守データ用スロットの割り当てを解除する。
本実施形態においても、保守データ用スロットは必要最小限の数しか設けられないが、対象の路側通信機2Sが、路側通信機2D,2Eの通信に影響を与えるか否かを路側通信機2D,2Eのサービスに影響を与えることなく実環境で検証することができる。
また、本実施形態では、検証を行うときに、保守データ用スロットを路側通信機2に割り当てられていないタイムスロット30に設け、設けた保守データ用スロットを対象の路側通信機2Sやその他必要な路側通信機2に割り当て、対象の路側通信機2Sが他の路側通信機に影響を与えるか否かを検証し、検証に係る判定を終えると割り当てた保守データ用スロットの割り当てを解除するので、サービスデータを送信するための通信資源をできるだけ消費することなく対象の路側通信機2Sのスロット割当の検証を行うことができる。
図20(a)は、第2実施形態の第1変形例に係る無線フレームの構成を示す図であり、通常時の無線フレームの構成を示している。
また、図20(b)は、第2実施形態の第1変形例において、スロット割当の検証処理を行うために保守データ用スロットを設けたときの無線フレームの構成を示している。
図19で示した無線フレームの構成では、n=15のタイムスロット30の全部を保守データ用スロットとした場合を示したが、本変形例では、n=14のタイムスロット30の内の半分の期間を検証用送信期間に設定し、この期間からなるサブスロット40を保守データ用スロットとして用いる。
このように、保守データ用スロットは、タイムスロット30の全部を使用する必要はなく、サブスロット等を用いて設定することもできる。
図21(a)は、第2実施形態の第2変形例に係る無線フレームの構成を示す図であり、通常時の無線フレームの構成を示している。
本変形例の無線フレームは、n=1〜8までのタイムスロット30が路車間通信用のサービスデータ用スロットに設定され、n=9〜16のタイムスロット30それぞれの半分の期間内に設けられたサブスロット41が路路間通信用のサービスデータ用スロットに設定されている。また、通常時においては、保守データ用スロットが設けられておらず、検証処理部10がスロット割当の検証処理を行うことを決定することにより、保守データ用スロットが設けられ、保守データ用スロットを必要とする路側通信機2に割り当てられる。
図21(b)は、第2実施形態の第2変形例において、スロット割当の検証処理を行うために保守データ用スロットを設けたときの無線フレームの構成を示している。
図21(b)では、n=14のタイムスロット30の空いている半分の期間内に、サブスロット42が設けられている。このサブスロット42は、保守データ用スロット(検証用送信期間)として設定されている。図21(b)中、サブスロット42には、ハッチングを付している。
本実施形態では、対象の路側通信機2S及び路側通信機2Eに対して、サブスロット42が路車間通信用の保守データ用スロットとして割り当てられている。
なお、本実施形態では、路側通信機2Dに対する路路間通信用の保守データ用スロットの割り当てについては省略して示している。
スロット割当の検証処理において、対象の路側通信機2S及び路側通信機2Eは、共に、このサブスロット42を用いて路車間通信による検証用データを送信する。これによって、割り当ての可否を判定することができる。
本実施形態においても、上記第2実施形態と同様、サービスデータを送信するための通信資源の消費を抑制しつつ、対象の路側通信機2Sが、路側通信機2D,2Eの通信に影響を与えるか否かを路側通信機2D,2Eのサービスに影響を与えることなく実環境で検証することができる。
〔8. 第3実施形態について〕
図22は、第3実施形態に係る無線フレームの構成を示す図であり、通常時の無線フレームの構成を示している。
上述した第2実施形態、及びその変形例1及び2では、路側通信機2の割り当てがないタイムスロット30又はタイムスロット30の中の空いている期間に保守データ用スロットを設け、設けた保守データ用スロットを必要な路側通信機2に割り当てる場合を示した。
これに対して、本実施形態では、路側通信機2がサービスデータ用スロットとして用いているタイムスロット30を保守データ用スロットとして用いる点で相違している。
図22中、上段は無線フレームの構成を示しており、図19(a)中、n=1〜12のタイムスロット30と同様の構成であり、n=13〜16のタイムスロット30は路側通信機2に割り当てられていない。
図22中、中段は路側通信機2Dに割り当てられているタイムスロット30(又はサブスロット)のみを示している。路側通信機2Dには、路車間通信用のサービスデータ用スロットとしてn=5のタイムスロット30が割り当てられ、路路間通信用のサービスデータ用スロットとしてn=12のタイムスロット30に含まれるサブスロット32aが割り当てられている。
また、図22中、下段は路側通信機2Eに割り当てられているタイムスロット30(又はサブスロット)のみを示している。路側通信機2Eには、路車間通信用のサービスデータ用スロットとしてn=7のタイムスロット30が割り当てられ、路路間通信用のサービスデータ用スロットとしてn=12のタイムスロット30に含まれるサブスロット32cが割り当てられている。
本実施形態においても、通常時においては、保守データ用スロットは設けられていないので、検証処理部10が、対象の路側通信機2Sのスロット割当の検証処理を行うことを決定すると、保守データ用スロットを必要としている路側通信機2がサービスデータ用スロットとして用いているタイムスロット30に検証用送信期間を設定し、設定された検証用送信期間を保守データ用スロットとして用いる。
その後、図8及び図11で示した手順によってスロット割当の検証処理が行われる。スロット割当の検証処理において、各路側通信機2は、設定された検証用送信期間を保守データ用スロットとして用い検証用データの送信を行う。
図23は、第3実施形態において、スロット割当の検証処理を行うために保守データ用スロットを設けたときの無線フレームの構成を示している。
図23中、上から2段目には、路側通信機2Dに割り当てられているタイムスロット30(又はサブスロット)のみを示している。また、図23中、上から3段目には、路側通信機2Eに割り当てられているタイムスロット30(又はサブスロット)のみを示している。また、最下段には、対象の路側通信機2Sに割り当てられているタイムスロット30(又はサブスロット)のみを示している。
路側通信機2Dにおいては、元々路路間通信用のサービスデータ用スロットとして割り当てられていたn=12のタイムスロット30に含まれるサブスロット32aが検証用送信期間に設定され、この期間が路路間通信用の保守データ用スロットとして用いられる。
また、路側通信機2Eにおいては、元々路車間通信用のサービスデータ用スロットとして割り当てられていたn=7のタイムスロット30が検証用送信期間に設定され、この期間が路車間通信用の保守データ用スロットとして用いられる。
対象の路側通信機2Sにおいては、路車間通信用の保守データ用スロットとしてn=7のタイムスロット30が割り当てられ、路路間通信用の保守データ用スロットとしてn=12のタイムスロット30に含まれるサブスロット32aが割り当てられている。
つまり、対象の路側通信機2Sにおいては、実際に割り当てられる予定の送信期間に検証用送信期間が設定されており、この期間を保守データ用スロットとして用いている。
図23において保守データ用スロットとして用いられている、路側通信機2Dに割り当てられているサブスロット32a、路側通信機2Eに割り当てられているn=7のタイムスロット30、対象の路側通信機2Sに割り当てられているn=7のタイムスロット30、及び対象の路側通信機2Sに割り当てられているサブスロット32aには、それぞれ、ハッチングを付している。
図23のようにタイムスロット30が設定された場合、スロット割当の検証処理において、対象の路側通信機2S及び路側通信機2Eは、共に、n=7のタイムスロット30を用いて路車間通信による検証用データを送信する。
また、対象の路側通信機2S及び路側通信機2Dは、共に、n=12のタイムスロット30に含まれるサブスロット32aを用いて路路間通信による検証用データを送信する。
これによって、対象の路側通信機2Sにおけるスロット割当の可否を判定することができる。
以上のように、本実施形態では、検証を行うときに、本来サービスデータを送信するためのサービスデータ用スロットに検証用送信期間を設定しこれを保守データ用スロットとして用いたので、サービスデータを送信するための通信資源をできるだけ消費することなく対象の路側通信機2Sのスロット割当の検証を行うことができる。
また、例えば、路側通信機2に割り当てられていないタイムスロット30が無かったとしても、保守データ用スロットを設けた上で、対象の路側通信機2Sのスロット割当の検証処理を行うことができる。
なお、本実施形態のように、サービスデータ用スロットを保守データ用スロットとして用いる場合、各路側通信機2は、各路側通信機2が記憶部24に記憶するMIB24aに登録されている送信カテゴリ情報を設定するための制御パラメータの値(RTC(m).TCL)をサービスデータ用から保守データ用に変更することで実現される。
〔9. その他〕
上記各実施形態では、路路間通信のスロット割当の検証処理において、路側通信機2Dが送信した検証用データを検証用通信機としての路側通信機2Aが取得してその通信品質を測定し、かつ、対象の路側通信機2Sが送信した検証用データを検証用通信機としての路側通信機2Tが取得してその通信品質を測定し、これら通信品質に基づいて、路側通信機2Dに割り当てられている路路間通信用のサービスデータ用スロットを対象の路側通信機2Sに割り当てることの可否を判定した場合を例示したが、必要に応じて、路側通信機2Dが送信した検証用データの通信品質、及び対象の路側通信機2Sが送信した検証用データの通信品質の少なくとも一方に基づいて割り当て可否の判定を行ってもよい。
この場合、検証処理を簡易とすることができる。
一方、本実施形態のように、路側通信機2Dが送信した検証用データの通信品質、及び対象の路側通信機2Sが送信した検証用データの通信品質の両方に基づいて割り当て可否の判定を行えば、対象の路側通信機2Sに関連して路路間通信に生じうる影響を十分に検討することができ、より適切な判定が可能となる。
また、上記各実施形態では、路車間通信のスロット割当の検証処理において、路側通信機2Eが送信した検証用データを検証用通信機としての車載通信機3Aが取得してその通信品質を測定し、かつ、対象の路側通信機2Sが送信した検証用データを検証用通信機としての車載通信機3Bが取得してその通信品質を測定し、これら通信品質に基づいて、路側通信機2Eに割り当てられている路車間通信用のサービスデータ用スロットを対象の路側通信機2Sに割り当てることの可否を判定した場合を例示したが、必要に応じて、路側通信機2Eが送信した検証用データの通信品質、及び対象の路側通信機2Sが送信した検証用データの通信品質の少なくとも一方に基づいて割り当て可否の判定を行ってもよい。
この場合も、上記と同様、検証処理を簡易とすることができる。
なお、本実施形態のように、路側通信機2Eが送信した検証用データの通信品質、及び対象の路側通信機2Sが送信した検証用データの通信品質の両方に基づいて割り当て可否の判定を行えば、対象の路側通信機2Sに関連して路車間通信に生じうる影響を十分に検討することができ、より適切な判定が可能となる。
上記各実施形態では、中央装置4に設けられている検証処理部10が、対象の路側通信機2Sに対するスロット割当の検証処理の実行を決定するとともに、路側通信機2A及び車載通信機3Aから与えられる測定結果データに基づいて、対象の路側通信機2Sに対するスロット割当の可否を判定する処理(図8中、ステップS3、図11中、ステップS13)を行うように構成した場合を例示した。
しかし、検証処理部10は、中央装置4に設けられている必要はなく、例えば、各路側通信機2のいずれかに設けられていてもよいし、車載通信機3に設けられていてもよい。
さらに、検証処理部10は、システム内に独立した装置として、各路側通信機2や車載通信機3と通信可能に設けられていてもよい。
また、検証処理部10は、対象の路側通信機2Sに対するスロット割当の検証処理の実行を決定する機能と、対象の路側通信機2Sに対するスロット割当の可否を判定する処理を行う機能と有しているが、例えば、対象の路側通信機2Sに対するスロット割当の検証処理の実行を決定する機能を有する第1処理部と、対象の路側通信機2Sに対するスロット割当の可否を判定する処理を行う機能を有する第2処理部とに分け、例えば、第1処理部は中央装置4に設け、第2処理部は車載通信機3Aに設けるといったように、それぞれを異なる装置に設けてもよい。
また、上記各実施形態では、対象の路側通信機2Sが新設されたときであって運用を開始する前段階において、当該対象の路側通信機2Sが他の路側通信機2の通信に影響を与えるか否かを検証した場合を例示したが、本実施形態で示したスロット割当の検証処理(検証方法)は、新設の路側通信機2のみでなく、既設の路側通信機2における、現状割り当てられてサービスデータの送信に用いられているスロットが他の路側通信機2に対して影響を与えているか否かの検証に用いることもできる。
すなわち、保守データ用スロット(保守用サブスロット)を予め各路側通信機2に対して割り当てておき、各路側通信機2に保守用データの送信を運用中の間も継続的に実行させ、通信品質を観測し続けることにより、建物の建設や樹木の生長等による遮蔽やシャドウィングによる通信品質の劣化、あるいは、建物が取り壊された場合などによる他の同一のタイムスロットを使用する路側通信機2からの干渉の影響を迅速に把握することが可能となる。
また、上記各実施形態では、検証用データが、路側機IDと、サービス識別子と、インクリメント番号と、サブスロット識別子とを含んでいる場合を例示したが、検証用データは、少なくとも、路側機IDと、サービス識別子とを含んでいればよく、これら情報を有していれば、最低限対象の路側通信機2Sのスロット割当の検証処理が行える。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。
本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 交通信号機
2,2A,2B,2D,2E,2S,2T 路側通信機
3,3A,3B 車載通信機
4 中央装置
5 車両
6 路側センサ
7 有線通信回線
8 ルータ
10 検証処理部
20 アンテナ
21 無線通信部
22 有線通信部
23 制御部
24 記憶部
24a MIB
25 通信処理装置
27 アンテナ
28 無線通信部
29 通信処理部
30 タイムスロット
31a,31b サブスロット
32a,32b,32c,32d サブスロット
33,33a〜33h サブスロット
34,34a〜34h サブスロット
40 サブスロット
41 サブスロット
42 サブスロット
A1〜A5 交差点
B1〜B5 交差点
C1〜C5 交差点
D1〜D5 交差点

Claims (18)

  1. 対象の路側通信機に対する無線リソース割当の検証方法であって、
    サービスデータを送信するためのサービスデータ用無線リソースとは異なる非サービスデータ用無線リソースを用いて第1路側通信機が第1検証用データを送信するとともに、前記第1路側通信機が用いる前記非サービスデータ用無線リソースと同じ非サービスデータ用無線リソースを用いて前記対象の路側通信機が第2検証用データを送信し、
    前記第1検証用データ及び前記第2検証用データの少なくとも一方を、検証用通信機が取得し、
    前記第1検証用データ及び前記第2検証用データの少なくとも一方を前記検証用通信機が取得したことに基づいて求めることができる、前記第1路側通信機と前記検証用通信機との間の通信品質、及び前記対象の路側通信機と前記検証用通信機との間の通信品質の少なくとも一方を求め、
    前記通信品質に基づいて、前記第1路側通信機に割り当てられている前記サービスデータ用無線リソースを前記対象の路側通信機に割り当てることの可否を判定する
    無線リソース割当の検証方法。
  2. 前記第1路側通信機に割り当てられている前記サービスデータ用無線リソースを前記対象の路側通信機に割り当てることが可能と判定されると、前記対象の路側通信機は、前記第1路側通信機に割り当てられている前記サービスデータ用無線リソースを用いてサービスデータの送信を開始する請求項1に記載の無線リソース割当の検証方法。
  3. 前記対象の路側通信機及び前記第1路側通信機が無線送信に用いる無線フレームには、前記両路側通信機の送信期間を設定するためのタイムスロットが複数配置され、
    前記非サービスデータ用無線リソースは、前記複数のタイムスロットの内の少なくとも一のタイムスロット内における送信期間として設定される請求項1又は請求項2に記載の無線リソース割当の検証方法。
  4. 前記非サービスデータ用無線リソースは、前記タイムスロット内に設定されるサブスロットとして設定される請求項3に記載の無線リソース割当の検証方法。
  5. 前記非サービスデータ用無線リソースは、前記無線フレームの複数長さ周期毎に前記無線フレームに配置される請求項3又は請求項4に記載の無線リソース割当の検証方法。
  6. 前記第1路側通信機及び前記対象の路側通信機は、路路間通信によって前記第1検証用データ及び第2検証用データを送信し、
    前記検証用通信機は、前記第1路側通信機の通信対象である第2路側通信機及び前記対象の路側通信機の通信対象である第3路側通信機の少なくとも一方である請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の無線リソース割当の検証方法。
  7. 前記第1路側通信機及び前記対象の路側通信機は、路車間通信によって前記第1検証用データ及び第2検証用データを送信し、
    前記検証用通信機は、前記第1路側通信機のサービスエリアに存在する第1車載通信機及び前記対象の路側通信機のサービスエリアに存在する第2車載通信機の少なくとも一方である請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の無線リソース割当の検証方法。
  8. 前記第1検証用データ及び第2検証用データは、送信元である路側通信機の識別情報と、当該検証用データがサービスデータではないことを示す情報と、を含んでいる請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の無線リソース割当の検証方法。
  9. 前記第1検証用データ及び第2検証用データは、当該検証用データを識別するためのデータ識別情報を含んでいる請求項8に記載の無線リソース割当の検証方法。
  10. 前記第1検証用データ及び第2検証用データは、当該検証用データの送信タイミングを示す情報を含んでいる請求項8又は請求項9に記載の無線リソース割当の検証方法。
  11. 前記非サービスデータ用無線リソースを用いて前記第1路側通信機が前記第1検証用データを送信するとともに、前記第1路側通信機が用いる前記非サービスデータ用無線リソースと同じ非サービスデータ用無線リソースを用いて前記対象の路側通信機が前記第2検証用データを送信する前に、前記非サービスデータ用無線リソースを前記対象の路側通信機及び前記第1路側通信機に割り当て、
    前記通信品質に基づいて、前記第1路側通信機に割り当てられている前記サービスデータ用無線リソースを前記対象の路側通信機に割り当てることの可否を判定した後に、前記対象の路側通信機及び前記第1路側通信機に割り当てた前記非サービスデータ用無線リソースの割り当てを解除する請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の無線リソース割当の検証方法。
  12. 対象の路側通信機に対する無線リソース割当の検証方法であって、
    サービスデータを送信するためのサービスデータ用無線リソースに検証用データを送信するための検証用送信期間を設け、
    前記検証用送信期間で第1路側通信機が第1検証用データを送信するとともに、前記検証用送信期間で対象の路側通信機が第2検証用データを送信し、
    前記第1検証用データ及び前記第2検証用データの少なくとも一方を、検証用通信機が取得し、
    前記第1検証用データ及び前記第2検証用データの少なくとも一方を前記検証用通信機が取得したことに基づいて求めることができる、前記第1路側通信機と前記検証用通信機との間の通信品質、及び前記対象の路側通信機と前記検証用通信機との間の通信品質の少なくとも一方を求め、
    前記通信品質に基づいて、前記第1路側通信機に割り当てられている前記サービスデータ用無線リソースを前記対象の路側通信機に割り当てることの可否を判定する
    無線リソース割当の検証方法。
  13. 前記第1検証用データ及び第2検証用データは、当該検証用データの取得を許可するための情報を有する通信機のみによって取得され、
    前記検証用通信機は、前記第1検証用データ及び第2検証用データの取得を許可するための情報を備えることで、前記第1検証用データ及び第2検証用データを取得する請求項1から請求項12に記載の無線リソース割当の検証方法。
  14. 無線リソース割当の検証に用いる路側通信機であって、
    取得時の通信品質に基づいて、他の路側通信機に割り当てられているサービスデータ用無線リソースを前記路側通信機に割り当てることの可否の判定に用いられる第2検証用データを送信する送信部を備え、
    前記他の路側通信機は、前記サービスデータ用無線リソースとは異なる非サービスデータ用無線リソースを用いて第1検証用データを送信し、
    前記送信部は、前記他の路側通信機が検証用データを送信するために用いる前記非サービスデータ用無線リソースと同じ前記非サービスデータ用無線リソースを用いて前記第2検証用データを送信する
    路側通信機。
  15. 対象の路側通信機に対する無線リソース割当の検証に用いられる検証用通信機であって、
    第1路側通信機に割り当てられているサービスデータ用無線リソースを前記対象の路側通信機に割り当てることの可否の判定に用いられる検証用データを取得しその通信品質を測定する受信部を備え、
    前記受信部は、前記サービスデータ用無線リソースとは異なる非サービスデータ用無線リソースを用いて前記第1路側通信機が第1検証用データを送信するとともに、前記第1路側通信機が用いる前記非サービスデータ用無線リソースと同じ非サービスデータ用無線リソースを用いて前記対象の路側通信機が第2検証用データを送信したときに、前記第1検証用データ及び前記第2検証用データの少なくともいずれか一方を取得する
    検証用通信機。
  16. 前記検証用通信機は路側通信機であり、
    前記受信部が測定した通信品質を示す情報を路路間通信を介して出力する送信部を備えている請求項15に記載の検証用通信機。
  17. 前記検証用通信機は車載通信機であり、
    前記受信部が測定した通信品質を示す情報を車車間通信を介して出力する送信部を備えている請求項15に記載の検証用通信機。
  18. 前記第1検証用データ及び第2検証用データは、当該検証用データの取得を許可するための情報を有する車載通信機のみによって取得され、
    前記受信部は、前記第1検証用データ及び第2検証用データの取得を許可するための情報を備えることで、前記第1検証用データ及び第2検証用データを取得する請求項17に記載の検証用通信機。
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WO2022249930A1 (ja) * 2021-05-26 2022-12-01 京セラ株式会社 路側機、制御方法、及び無線通信システム
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