JP2016030777A - シリカ質皮膜形成用処理液 - Google Patents

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克将 嶋橋
Katsumasa Shimahashi
克将 嶋橋
隆 加東
Takashi Kato
隆 加東
浩一郎 村橋
Koichiro Murahashi
浩一郎 村橋
邦顕 大塚
Kuniaki Otsuka
邦顕 大塚
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Abstract

【課題】各種金属材料に対して、優れた防錆性能及び良好な潤滑性を付与することができる新規な処理液及び処理方法を提供する。【解決手段】アルコキシシランオリゴマー、コロイダルシリカ及び潤滑剤を含む溶液からなるシリカ質皮膜形成用処理液、及び該処理液を被処理物に塗布した後、硬化処理を行うことを特徴とするシリカ質皮膜の形成方法。【選択図】なし

Description

本発明は、シリカ質皮膜形成用処理液に関する。
亜鉛、アルミニウム、マグネシウム、コバルト、ニッケル、鉄、銅、錫、金、これらの合金等の各種の金属材料の防錆処理や変色防止処理として、クロムによる化成処理やトップコート等の表面処理を施すことが知られている。
さらに、化成処理やトップコート等の表面処理を行った物品に対して潤滑性を付与する処理を施すことが知られている。例えば、特許文献1は、キノリン系化合物を添加した3価クロメート処理液を用いることにより、総合摩擦係数が低減した3価クロメート皮膜を形成する方法を開示している。また、特許文献2は、ポリオレフィンを含有する仕上げ剤を用いて、3価クロム化成皮膜の摩擦係数を調整する方法を開示している。
しかしながら、近年、上記した金属材料に対して要求される防錆性能は高く、同時に要求される摩擦係数も低くなってきており、これまで開発された従来の方法では、市場において要求される防錆性能及び潤滑性を共に満足することができないという問題点がある。
特開2005−248233号公報 特開2005−320405号公報
本発明は、上記した従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、亜鉛、アルミニウム等の各種金属材料に対して、優れた防錆性能及び良好な潤滑性を付与することができる新規な処理液及び処理方法を提供することである。
本発明者は、上記した目的を達成すべく鋭意研究を重ねてきた。その結果、各種の金属材料に対して、アルコキシシランオリゴマー及びコロイダルシリカを含む処理液を用いて化成処理を行うことにより、錆の発生を長期間抑制して優れた防錆性能を付与できるシリカ質皮膜を形成することができ、さらに、上記処理液に潤滑剤を添加することにより、優れた防錆性能と同時に、良好な潤滑性を有するシリカ質皮膜を形成できることを見出した。本発明者は、かかる知見に基づき、さらなる研究を重ねることにより本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、代表的には、以下の項に記載のシリカ質皮膜形成用処理液及びシリカ質皮膜の形成方法を提供するものである。
項1.
アルコキシシランオリゴマー、コロイダルシリカ及び潤滑剤を含む溶液からなる、シリカ質皮膜形成用処理液。
項2.
潤滑剤が、微粉末ワックス及び/又はシリコーンオイルである、上記項1に記載のシリカ質皮膜形成用処理液。
項3.
コロイダルシリカにおけるシリカ粒子の粒子径が10〜200nmである、請求項1又は2に記載のシリカ質皮膜形成用処理液。
項4.
アルコキシシランオリゴマー及びコロイダルシリカの合計100質量部に対して、潤滑剤0.01〜100質量部を含む、上記項1〜3のいずれかに記載のシリカ質皮膜形成用処理液。
項5.
アルコキシシランオリゴマーとコロイダルシリカ中のシリカ粒子を含む固形分とを合計した濃度が0.1〜50重量%である、上記項1〜4のいずれかに記載のシリカ質皮膜形成用処理液。
項6.
上記項1〜5のいずれかに記載のシリカ質皮膜形成用処理液を被処理物に塗布した後、硬化処理を行うことを特徴とする、シリカ質皮膜の形成方法。
以下、本発明について詳細に説明する。
シリカ質皮膜形成用処理液
本発明のシリカ質皮膜形成用処理液(以下、「本発明の処理液」と記載する場合がある。)は、アルコキシシランオリゴマー、コロイダルシリカ、及び潤滑剤を含む溶液である。
本発明の処理液に含まれるアルコキシシランオリゴマーは、一般式(I):
(RSi(OR4−m (I)
〔式中、Rは官能基又は低級アルキル基、Rは低級アルキル基を示し、mは0〜3の整数である。〕で表されるアルコキシシランを加水分解し、重縮合させたものである。
上記一般式(I)において、Rで示される官能基としては、例えば、ビニル、3−グリシドキシプロピル、3−グリシドキシプロピルメチル、2−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチル、p−スチリル、3−メタクリロキシプロピル、3−メタクリロキシプロピルメチル、3−アクリロキシプロピル、3−アミノプロピル、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピル、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチル、3−トリエトキシシリル−N−(1、3−ジメチルーブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピル、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピル、トリス−(トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、3−ウレイドプロピル、3−メルカプトプロピル、3−メルカプトプロピルメチル、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3−イソシアネートプロピル、3−プロピルコハク酸無水物等が挙げられる。
上記一般式(I)において、R又はRで示される低級アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、sec−ブチル、n−ペンチル、1−エチルプロピル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル等の炭素数1〜6程度の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基が挙げられる。
上記一般式(I)で表されるアルコキシシランの具体例としては、Si(OCH、Si(OC、CHSi(OCH、CHSi(OC、CSi(OCH、CSi(OC、CHCHSi(OCH、CHCHOCHO(CHSi(CHO)、CHC(CH)COO(CHSi(OCH、CHCHCOO(CHSi(OCH、NH(CHSi(OCH、SH(CHSi(CH、NCO(CHSi(CO)を挙げることができる。
本発明の処理液に含まれるアルコキシシランオリゴマーとしては、予めアルコキシシランを加水分解し、縮合させたアルコキシシラン縮合物を溶媒に添加し、水及び後述する触媒成分を混合した溶液を用いることができる。
また、本発明の処理液に含まれるアルコキシシランオリゴマーとしては、アルコキシシランを単独又はアルコキシシランの低縮合物と共に溶媒に添加し、水及び後述する触媒成分を混合した溶液を用いることもできる。この場合、溶液中においてアルコキシシランの加水分解及び縮合反応が進行し、アルコキシシランオリゴマーが形成される。
アルコキシシランオリゴマーの溶媒としては、有機溶媒を用いることが好ましく、例えば、アルコール系、グリコール系、グリコールエーテル系、エーテル系、エーテルアルコール系、ケトン系などの有機溶媒が挙げられる。
アルコキシシランを縮合させる場合には、さらに、水及び触媒成分を添加することが必要である。水及び触媒成分を添加することにより、アルコキシシランが加水分解し、縮重合反応が進行して、アルコキシシランオリゴマーが形成される。
水の添加量としては、特に限定的ではなく、通常、アルコキシシランを含有する溶液の全量に対して、0.1〜20重量%程度となるように添加すればよい。
触媒成分としては、酸、塩基、有機金属化合物等を用いることができる。
酸としては、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、ホウ酸等の無機酸;ギ酸、酢酸、クエン酸、シュウ酸等の有機酸が挙げられる。
塩基としては、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物;モノエチルアミン等の第一級アミン、ジエチルアミン等の第二級アミン、トリエチルアミン等の第三級アミン、アンモニア等のアミン化合物が挙げられる。
有機金属化合物としては、例えば、チタン、ジルコニウム、アルミニウム、錫などの金属成分を含む水溶性の有機金属キレート化合物や金属アルコキシド等が挙げられる。
有機金属キレート化合物としては、例えば、チタンジイソプロポキシビスアセチルアセトネート、チタンテトラアセチルアセトネート、チタンジオクチロキシビスエチルアセトアセトネート、チタンオクチレングリコレート、チタンジイソプロポキシビスエチルアセチルアセトネート、チタンラクテート、チタンラクテートアンモニウム塩、チタンジイソプロポキシビストリエタノールアミネート等のチタンキレート化合物;ジルコニウムテトラアセチルアセトネート、ジルコニウムトリブトキシモノアセチルアセトネート、ジルコニウムジブトキシビスエチルアセトアセテート、ジルコニウムトリブトキシモノステアレート等のジルコニウムキレート化合物;エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリスエチルアセテート、アルキルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムモノアセチルアセトネートビスエチルアセトアセテート等のアルミニウムキレート化合物等が挙げられる。
金属アルコキシドとしては、例えば、テトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラターシャリーブチルチタネート、テトラオクチルチタネート等のチタンアルコキシド化合物;ノルマルプロピルジルコネート、ノルマルブチルジルコネート等のジルコニウムアルコキシド化合物;アルミニウムイソプロピレート、モノブトキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムブチレート等のアルミニウムアルコキシド化合物等が挙げられる。
なお、上記した触媒成分は、一種単独で用いてもよいし、二種以上混合して用いてもよい。
触媒成分の添加量は、特に限定的ではなく、通常、アルコキシシランを含有する溶液の全量に対して、0.01〜20重量%程度となるように添加すればよく、0.1〜10重量%程度となるように添加することが好ましい。
アルコキシシランオリゴマーの重合度については特に限定的ではなく、被処理物に塗布する際に、円滑な塗布作業を阻害しない程度の重合度であればよい。例えば、アルコキシシランオリゴマーの重量平均分子量として、1000〜10000程度のものを用いることができるが、これに限定されるものではない。
本発明の処理液におけるアルコキシシランオリゴマーの濃度については特に限定的ではないが、例えば、0.1〜50重量%程度とすればよく、5〜30重量%程度とすることが好ましい。
本発明の処理液に含まれるコロイダルシリカは、球状、又は球が鎖状に繋がった形状のシリカ粒子が溶媒に分散した分散体である。コロイダルシリカは、造膜助剤として作用するものであり、これを処理液に配合することによってシリカ質皮膜の防錆性能を向上させることができる。
コロイダルシリカにおけるシリカ粒子は、ナノメートルオーダーの超微粒子であればよく、例えば、粒子径が10〜200nm程度であることが好ましく、10〜100nm程度であることがより好ましい。なお、シリカ粒子の粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM)観察、BET吸着法による比表面積測定値(JIS Z8830)からの換算値による測定方法などにより測定することができる。
コロイダルシリカは、分散媒の種類に応じて、水を分散媒とする水系コロイダルシリカ、及び有機溶媒を分散媒とする溶剤系コロイダルシリカに分類されるが、本発明では、いずれのコロイダルシリカも用いることができる。
水系コロイダルシリカは、液性に応じて、アルカリ性タイプと酸性タイプのものに分類され、いずれも用いることができる。酸性タイプのものは、処理液の安定性を保つことができるため好ましい。
溶剤系コロイダルシリカの分散媒である有機溶媒としては、例えば、メタノール、イソプロパノール、ジメチルアセトアミド、エチレングリコール、エチレングリコールモノn−プロピルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸エチル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエンなどが挙げられる。
本発明において用いるコロイダルシリカ中のシリカ粒子を含む固形分の濃度は特に限定的ではないが、例えば、5〜40重量%程度である。
本発明の処理液におけるコロイダルシリカの配合量は、シリカ粒子を含む固形分の濃度が1〜50重量%程度となるように配合すればよく、1〜30重量%程度となるように配合することが好ましい。
さらに、本発明の処理液において、アルコキシシランオリゴマーとコロイダルシリカ中のシリカ粒子を含む固形分とを合計した濃度は、0.1〜50重量%程度とすることが好ましく、5〜40重量%程度とすることがより好ましい。
本発明の処理液に配合する潤滑剤は、形成されるシリカ質皮膜の摩擦係数を低減させることができるものであればよく、例えば、銀、銅、鉛等の金属粉末、グラファイト、二硫化モリブデン、有機モリブデン、微粉末ワックスなどの固体潤滑剤;グリースなどの半固体潤滑剤:シリコーンオイルなどの液体潤滑剤等が挙げられる。中でも、微粉末ワックス及びシリコーンオイルは、本発明の処理液中において良好に分散するため好ましい。
微粉末ワックスは、被処理物の表面に形成するシリカ質皮膜の膜厚未満の粒子径を有する微粉末のワックスであればよく、例えば、粒子径が0.01〜10μm程度の微粉末のワックスであることが好ましい。このような微粉末ワックスとしては、例えば、アマイドワックス、パラフィンワックス、カルナバワックス、ラノリンワックス、ポリテトラフルオロエチレンワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等が挙げられる。本発明の処理液には、これらの微粉末ワックスを2種以上混合したものを配合してもよい。
シリコーンオイルは、シロキサン結合を含む直鎖状ポリマーであり、側鎖及び末端が全てメチル基であるジメチルシリコーンオイル、及び側鎖及び/又は末端に有機基又は水素原子を導入した変性ジメチルシリコーンオイルに分類される。本発明の処理液に配合するジメチルシリコーンオイルとしてはいずれの種類のものも用いることができる。
さらに、変性ジメチルシリコーンオイルは、側鎖及び/又は末端に導入する有機基又は水素原子に応じて、非反応性変性ジメチルシリコーンオイル及び反応性変性ジメチルシリコーンオイルに分類される。本発明の処理液に配合するジメチルシリコーンオイルとしては、いずれの種類のものも用いることができるが、均一な処理液を形成する観点からは、反応性変性ジメチルシリコーンオイルがより好ましい。
非反応性変性ジメチルシリコーンオイルとしては、例えば、ポリエーテル変性ジメチルシリコーンオイル、アラルキル変性ジメチルシリコーンオイル、フロロアルキル変性ジメチルシリコーンオイル、長鎖アルキル変性ジメチルシリコーンオイル、高級脂肪酸エステル変性ジメチルシリコーンオイル、高級脂肪酸アミド変性ジメチルシリコーンオイル、高級脂肪酸変性ジメチルシリコーンオイル、フェニル変性ジメチルシリコーンオイル、ポリエーテル・メトキシ変性ジメチルシリコーンオイル、ポリエーテル・長鎖アルキル・アラルキル変性ジメチルシリコーンオイル、長鎖アルキル・アラルキル変性ジメチルシリコーンオイル等が挙げられる。
反応性変性ジメチルシリコーンオイルとしては、例えば、アミノ変性ジメチルシリコーンオイル、モノアミン変性ジメチルシリコーンオイル、ジアミン変性ジメチルシリコーンオイル、エポキシ変性ジメチルシリコーンオイル、脂環式エポキシ変性ジメチルシリコーンオイル、カルビノール変性ジメチルシリコーンオイル、メルカプト変性ジメチルシリコーンオイル、カルボキシル変性ジメチルシリコーンオイル、ハイドロジェン変性ジメチルシリコーンオイル、アミノ・ポリエーテル変性ジメチルシリコーンオイル、エポキシ・ポリエーテル変性ジメチルシリコーンオイル、エポキシ・アラルキル変性シリコーンオイル、メタクリル変性ジメチルシリコーンオイル、アクリル変性ジメチルシリコーンオイル、フェノール変性ジメチルシリコーンオイル、シラノール変性ジメチルシリコーンオイル、カルボン酸無水物変性ジメチルシリコーンオイル、ジオール変性ジメチルシリコーンオイル等が挙げられる。
本発明の処理液における潤滑剤の配合量は、本発明の処理液の全量を基準として、通常、0.01〜30重量%程度とすればよく、0.1〜20重量%程度とすることが好ましい。
また、本発明の処理液に含まれる潤滑剤の配合量は、本発明の処理液に含まれるアルコキシシランオリゴマー及びコロイダルシリカを含む溶液の合計量に応じて決定してもよい。例えば、アルコキシシランオリゴマー及びコロイダルシリカを含む溶液100重量部に対して、0.01〜100質量部程度とすればよく、0.1〜50質量部程度とすることが好ましい。
シリカ質皮膜の形成方法
本発明の処理液による処理方法は、特に限定的ではないが、例えば、本発明の処理液を被処理物の表面に塗布した後、硬化処理を行えばよい。
本発明の処理液の処理対象物は金属材料であれば特に限定的ではなく、例えば、亜鉛、アルミニウム、マグネシウム、コバルト、ニッケル、鉄、銅、錫、金、これらの合金など各種の金属材料が挙げられる。
これらの金属材料は、処理液と接触できるように処理対象物の表面部分に存在していればよい。例えば、上記した金属材料のみからなる物品であってもよいし、該金属材料とその他の材料、例えば、セラミックス材料、プラスチック材料等と組み合わせた複合物品であってもよい。
さらに、上記した金属材料は、めっき皮膜であってもよい。例えば、亜鉛めっき又は亜鉛合金めっき皮膜を形成した鋼板を被処理物とすることができる。
さらに、本発明の処理液の処理対象物は、上記した金属材料に対して、化成処理を施した物品であってもよい。化成処理としては、例えば、3価クロム化合物を含む処理液を用いて行う3価クロム化成処理などが挙げられる。
本発明の処理液の被処理物への塗布方法は特に限定されず、例えば、ディップスピン塗布、ディップコート、スプレーコート、ロールコート、スピンコート、バーコートなどの公知の方法に従って行えばよい。
硬化処理の条件についても特に限定的ではなく、例えば、室温程度の温度条件下において硬化させてもよいし、50〜200℃程度の温度条件下において30秒〜30分程度熱処理を施すことにより硬化させてもよい。熱処理を行う場合には、短時間でシリカ質皮膜を形成できる。なお、熱処理を行う際に用いる機器は特に限定されず、乾燥機等の公知の機器を用いて行えばよい。
上記した方法によって、被処理物の表面にシリカ質皮膜を形成することができる。形成するシリカ質皮膜の膜厚は、被処理物の寸法精度を損なわない程度の薄膜であればよく、例えば、0.1〜10μm程度の膜厚とすることが好ましい。
本発明の処理液を用いることによって、各種の金属材料に対して、優れた防錆性能と同時に、良好な潤滑性を有するシリカ質皮膜を形成することができる。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は下記の例に限定されるものではない。
実施例1
テトラメトキシシラン15重量%、3−メルカプトプロピルシラン15重量%、及びイソプロピルアルコール70重量%からなる混合液を調製した。次に、水及びチタンジオクチロキシビスオクチレングリコレートを上記混合液100重量部に対してそれぞれ10重量部加えて、加水分解し、縮重合させてアルコキシシランオリゴマー溶液を調製した。
当該アルコキシシランオリゴマー溶液100質量部に対して、固形分濃度が30重量%のコロイダルシリカのイソプロピルアルコール分散液を20重量部加え、アルコキシシランオリゴマー及びコロイダルシリカの混合液を調製した。なお、当該混合液中におけるアルコキシシランオリゴマーとコロイダルシリカ中のシリカ粒子を含む固形分とを合計した濃度は約25重量%であった。
さらに、当該混合液100重量部に対して、ラノリンワックス(BYK社製:CERACOL609N)を10重量部加えて、シリカ質皮膜形成用処理液を調製した。
次いで、亜鉛めっき後に3価クロム化成処理を施したM12ボルト(S45C材)を、上記において調製した処理液に20℃で5秒間浸漬してディップスピン塗布を行った後、乾燥機を用いて150℃で15分間熱処理を行ってシリカ質皮膜を形成した。
実施例2
実施例1において、ラノリンワックス10重量部に代えて、ポリテトラフルオロエチレンワックス(SHAMROCK TECHNOLOGIES社製:Hydrocerf9174)5重量部加えたこと以外は、実施例1と同様にしてシリカ質皮膜形成用処理液を調製した。
次いで、実施例1と同様にして、亜鉛めっき後に3価クロム化成処理を施したM12ボルトを、上記において調製した処理液に20℃で5秒間浸漬してディップスピン塗布を行った後、乾燥機を用いて150℃で15分間熱処理を行ってシリカ質皮膜を形成した。
実施例3
実施例1において、ラノリンワックス10重量部に代えて、ジメチルシリコーンオイル(信越化学工業社製:KF96)1重量部加えたこと以外は実施例1と同様にして、シリカ質皮膜形成用処理液を調製した。
次いで、実施例1及び2と同様にして、亜鉛めっき後に3価クロム化成処理を施したM12ボルトを、上記において調製した処理液に20℃で5秒間浸漬してディップスピン塗布を行った後、乾燥機を用いて150℃で15分間熱処理を行ってシリカ質皮膜を形成した。
比較例1
実施例1において、ラノリンワックス10重量部を加えなかったこと以外は、実施例1と同様にしてシリカ質皮膜形成用処理液を調製した。
次いで、実施例1〜3と同様にして、亜鉛めっき後に3価クロム化成処理を施したM12ボルトを、上記において調製した処理液に20℃で5秒間浸漬してディップスピン塗布を行った後、乾燥機を用いて150℃で15分間熱処理を行ってシリカ質皮膜を形成した。
比較例2
実施例1〜3及び比較例1と同様の亜鉛めっき後に3価クロム化成処理を施したM12ボルトを用意した。なお、比較例2では、M12ボルトに対してシリカ質皮膜を形成しなかった。
試験例1:塩水噴霧試験
上記した実施例1〜3及び比較例1において得られたシリカ質皮膜を形成したM12ボルト、並びに比較例2のシリカ質皮膜を形成していないM12ボルトに対して、塩水噴霧試験(JIS Z2371)を行い、試料表面積に対する白錆の発生面積比率が10%となるまでの時間を測定した。当該試験の結果を下記表1に示す。
試験例2:締め付け試験
上記した実施例1〜3及び比較例1において得られたシリカ質皮膜を形成したM12ボルト、並びに比較例2のシリカ質皮膜を形成していないM12ボルトに対して、ねじ締め付け試験機(日本計測システム製)を用いて、締め付け試験(JIS B1084)を行い、総合摩擦係数μの値を測定した。なお、総合摩擦係数μの値は、M12ボルト10個の値の平均値を採用した。当該試験の結果を下記表1に示す。
Figure 2016030777
以上の結果から明らかなように、本発明の処理液を用いて形成したシリカ質皮膜は、優れた防錆性能及び潤滑性を有することが確認できた。

Claims (6)

  1. アルコキシシランオリゴマー、コロイダルシリカ及び潤滑剤を含む溶液からなる、シリカ質皮膜形成用処理液。
  2. 潤滑剤が、微粉末ワックス及び/又はシリコーンオイルである、請求項1に記載のシリカ質皮膜形成用処理液。
  3. コロイダルシリカにおけるシリカ粒子の粒子径が10〜200nmである、請求項1又は2に記載のシリカ質皮膜形成用処理液。
  4. アルコキシシランオリゴマー及びコロイダルシリカを含む溶液100質量部に対して、潤滑剤0.01〜100質量部を含む、請求項1〜3のいずれかに記載のシリカ質皮膜形成用処理液。
  5. アルコキシシランオリゴマーとコロイダルシリカ中のシリカ粒子を含む固形分とを合計した濃度が0.1〜50重量%である、請求項1〜4のいずれかに記載のシリカ質皮膜形成用処理液。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のシリカ質皮膜形成用処理液を被処理物に塗布した後、硬化処理を行うことを特徴とする、シリカ質皮膜の形成方法。
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