JP5370997B2 - 耐食性積層膜を有する部材、その部材の製造方法、ならびにその部材を製造するための処理液および塗料組成物 - Google Patents
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Description
本発明は、上記の知見に基づき完成されたもので、次のとおりである。
水溶性アルミニウム化合物、水溶性ジルコニウム化合物、硝酸イオンおよび過酸化水素からなる群から選ばれた一種または二種以上の酸化性物質、硫酸イオンならびにカルボン酸類を含有し、リン酸イオンを含有しない酸性水溶液からなり、
前記耐食性積層皮膜が備える塗膜は、全組成物に基づいて、0.05〜50質量%の有機ケイ素化合物;0.05〜50質量%の有機チタネート化合物;亜鉛粉末、亜鉛合金粉末、アルミニウム粉末およびアルミニウム合金粉末からなる群から選ばれた一種または二種以上からなる20〜60質量%の金属粉末;ならびに10〜60質量%の有機溶剤を含有する非水系塗料組成物からなることを特徴とする化成処理液。
当該上塗り塗料層を50〜200℃に加熱して上塗り塗膜を形成する上塗り加熱工程とを、さらに備える上記(24)から(26)のいずれかに記載の耐食性積層膜を有する部材の製造方法。
を備えることを特徴とする耐食性積層膜を有する部材の製造方法。
以下に、母材、亜鉛系めっき層、酸化防止層およびフレークコートについて順次説明し、さらに耐食性向上の観点で好ましい他の態様についても説明する。なお、以下の説明における化成処理液、塗料組成物など組成物の成分の含有量を示す「%」は、特に断りがない限り、全組成物に対する質量百分率を意味する。
本発明に係る耐食性積層膜を形成することが可能な母材は、その表面に亜鉛系めっき層を形成できるのであれば、いかなるものであってもよい。めっきが電気めっきによりなされる場合であれば、表面が導電性を有していればよい。また、溶融めっきによりなされる場合には、450℃程度の亜鉛系めっき浴に浸漬させたときに変形などの不都合が発生しなければよい。気相めっき(ドライプレーティング)によってなされる場合には、上記のような制限事項もなく、多くの材料を母材とすることができる。
「亜鉛系めっき層」とは亜鉛または亜鉛合金からなるめっき層をいい、そのめっき種は純亜鉛めっきと亜鉛合金めっきのいずれでもよい。「亜鉛合金」とは亜鉛を含む合金であり、その例としては、これらに限られない。亜鉛−鉄合金、亜鉛−ニッケル合金、亜鉛−アルミニウム合金めっき等が挙げられる。亜鉛合金の亜鉛含有量は50質量%を下回る量(例、Zn−55%Al合金)であってもかまわない。
本発明に係る酸化防止層は、亜鉛系めっき層を構成する材料を酸化または水酸化させる化学種(たとえば酸素、水、水素イオン、水酸化物イオンなど)が亜鉛系めっき層に到達することを抑制するのであれば、いかなる材質、構成であってもよい。以下に詳述する化成処理層であってもよいし、酸化物または水酸化物の形成を抑制しうる材料を、湿式または乾式の成膜方法により堆積させてもよい。堆積させる材料の具体例としては、シロキサン結合(Si−O結合)を有するもの、具体的にはシリカ、有機ケイ素化合物など、Ti、W、Alなど金属の酸化物および/または窒化物などが挙げられる。
本発明に係る酸化防止層の一態様として、反応型である第一の化成処理液を用いた化成処理である第一の化成処理により形成される第一の化成処理層を含む場合について説明する。
(活性化処理→水洗)→第一の化成処理→水洗→(乾燥)→(第一の仕上げ処理)→乾燥
上記工程順は、従来の反応型クロム化成処理と同様であり、各処理に用いる処理液は異なるが、処理操作そのものは従来のクロム化成処理と同様であるので、クロム化成処理設備をそのまま用いて実施することができる。なお、活性化処理(およびその後の水洗)と第一の仕上げ処理はいずれも省略可能であるが、活性化処理は第一の化成処理層の均一形成に有効であり、第一の仕上げ処理は耐食性向上に有効である。このため、いずれも実施した方が好ましい。
活性化処理は、亜鉛系めっき層の表面の活性化のための任意の処理液を用いて実施することができるが、一般には酸洗により行われる。酸洗は、硝酸、塩酸、硫酸などの無機強酸水溶液を用いて行うことが好ましい。特に好ましいのは、硝酸水溶液である。
第一の化成処理は、活性化処理とその後の水洗の後、乾燥させずに直ちに行うことが好ましいが、乾燥してしまっても、経過時間が短ければ、そのまま第一の化成処理を施すことができる。
硝酸イオンの供給源は遊離の硝酸、および上記のアルミニウム塩の他に、アルカリ金属塩などの他の金属またはアンモニウムの硝酸塩でもよい。
これらのケイ素化合物およびチタン化合物は、乾燥により水酸化物および/もしくは酸化物の皮膜を形成することができる。
水溶性アルミニウム化合物:アルミニウムイオン換算で0.1〜50g/L、好ましくは0.1〜10g/L、
ケイ素化合物:SiO2換算で0.1〜100g/L、好ましくは0.1〜50g/L、
チタン化合物:TiO2換算で0.1〜50g/L、好ましくは0.1〜10g/L、
硝酸イオン:0.1〜350g/L、好ましくは0.1〜100g/L、
クエン酸:0.1〜200g/L、好ましくは0.1〜100g/L。
上記のように、第一の化成処理層は耐食性に優れているが、その上にさらに仕上げの被覆処理として第一の仕上げ処理を施して第一の仕上げ処理層を形成すると、下層の亜鉛系めっき層の酸化を防止する機能がさらに改善される。なお、このように第一の仕上げ処理層を形成する場合には、本発明に係る酸化防止層は第一の化成処理層と第一の仕上げ処理層とから構成されることになる。第一の仕上げ処理を行わない場合には、本発明に係る酸化防止層は第一の化成処理層から構成される。
皮膜形成性ケイ素化合物:SiO2換算で0.1〜300g/L、好ましくは1〜50g/L、
有機結合剤:固形分換算で0.1〜50g/L、好ましくは0.1〜10g/L、
有機インヒビター:0.05〜3g/L、好ましくは0.05〜1g/L、
無機結合剤:50g/L以下、好ましくは30g/L以下。
第一の化成処理を施した亜鉛系めっき層が形成された部材、またはその後にさらに第一の仕上げ処理液を塗布した亜鉛系めっき層が形成された部材を、最後に乾燥する。第一の仕上げ処理液を塗布する場合には、第一の化成処理後と第一の仕上げ処理液塗布後に2回の乾燥を行うことも可能である。なお、本発明では、第一の仕上げ処理液などの仕上げ処理液による仕上げ処理とその後の乾燥とからなる工程を「仕上げ処理工程」ともいう。
続いて、本発明に係る酸化防止層の他の一態様として、反応型である第二の化成処理液を用いた化成処理である第二の化成処理により形成される第二の化成処理層を含む場合について説明する。第二の化成処理層は、第一の化成処理層と同様に、本発明における酸化防止層として好適である。
第二の化成処理液は、水溶性アルミニウム化合物、水溶性ジルコニウム化合物、硝酸イオンおよび過酸化水素からなる群から選ばれた一種以上の酸化性物質、硫酸イオンならびにカルボン酸類を含有し、水溶性クロム化合物が添加されていない酸性水溶液からなり、好ましい態様として、カルボン酸類が、多価カルボン酸類およびヒドロキシ多価カルボン酸類から選ばれた一種以上を含んでいてもよいし、全処理液に対して、水溶性アルミニウム化合物をアルミニウムイオン換算で0.25〜7.0g/L、水溶性ジルコニウム化合物をジルコニウムイオン換算で0.9〜23.0g/L、前記酸化性物質を1.2〜33.0g/L、硫酸イオンを0.45〜40.0g/L、およびカルボン酸類としてのクエン酸類をクエン酸換算で0.6〜33.0g/L含有してもよい。
(i)水溶性アルミニウム化合物
第二の化成処理液は、第一の化成処理液と同様に、水溶性アルミニウム化合物を有する。アルミニウムは第二の化成処理液の主成分の一つであり、第二の化成処理層において酸化物および/または水酸化物となって下層の亜鉛系めっき層の酸化を防止する機能を果たす。この観点からは水溶性アルミニウム化合物の含有量は多ければ多いほどよい。ただし、過剰に多い場合には、他の成分との関係により沈殿物が形成されたり、他の成分の機能が阻害されたりすることが懸念される。したがって、第二の化成処理液における水溶性アルミニウム化合物の含有量は0.01〜500g/Lとすることが好ましく、0.2〜190g/Lとすればさらに好ましい。特に、水溶性アルミニウム化合物の含有量を0.25〜7.0g/Lとすれば、優れた特性の第二の化成処理層を安定的に得ることが実現される。さらに、生産コストを低減するとともに生産性を高める観点も考慮すれば、水溶性アルミニウム化合物の含有量を0.8〜2.0g/Lとすることが好ましい。
第二の化成処理液は、酸性水溶液中でジルコニウムイオンを生成することが可能な水溶性化合物、すなわち水溶性ジルコニウム化合物を有する。水溶性ジルコニウム化合物を例示すれば、塩化ジルコニウム、硫酸ジルコニウムおよび硝酸ジルコニウムが挙げられる。水溶性ジルコニウム化合物は一種の化合物のみで構成されていてもよいし、複数種類で構成されていてもよい。
第二の化成処理液は、硝酸イオンおよび過酸化水素からなる群から選ばれた一種以上の物質を酸化性物質として含有する。酸化性物質の機能は明確ではないが、その酸化性により処理表面の金属、例えば亜鉛を溶出させて第二の化成処理層の形成を促進する作用を果たしているものと考えられる。酸化性物質の含有量は特に限定されない。ただし、過剰に低い場合には上記の機能が現れず第二の化成処理層の形成が進行しにくくなる。一方、過剰に多い場合には処理表面の表面粗さが著しく低下したり化成処理液の安定性が著しく損なわれたりする。したがって、酸化性物質の含有量は0.1〜800g/Lとすることが好ましく、1.0〜635g/Lとすればさらに好ましい。特に、酸化性物質の含有量を1.2〜33.0g/Lとすれば、優れた特性の第二の化成処理層を安定的に得ることが実現される。さらに、生産コストを低減するとともに生産性を高める観点も考慮すれば、酸化性物質の含有量を5.0〜10.0g/Lとすることが好ましい。
第二の化成処理液は硫酸イオンを含有する。この硫酸イオンは、水溶性アルミニウム化合物に由来するアルミニウムイオンおよび水溶性ジルコニウム化合物に由来するジルコニウムイオンを安定化させているものと推測される。硫酸イオンの含有量は特に限定されない。ただし、過剰に低い場合には上記の機能が現れず第二の化成処理層の形成が進行しにくくなる。一方、過剰に多い場合には処理表面の表面粗さが著しく低下したり化成処理液の安定性が著しく損なわれたりする。したがって、酸化性物質の含有量は0.01〜1000g/Lとすることが好ましく、0.30〜790g/Lとすればさらに好ましい。特に、硫酸イオンの含有量を0.45〜40.0g/Lとすれば、優れた特性の第二の化成処理層を安定的に得ることが実現される。さらに、生産コストを低減するとともに生産性を高める観点も考慮すれば、硫酸イオンの含有量を7.0〜12.0g/Lとすることが好ましい。
第二の化成処理液はカルボン酸類を含有する。ここで、「カルボン酸類」とは、カルボキシル基(−COOH)を有する化合物であるカルボン酸、およびそのカルボキシル基からプロトンが脱離したカルボン酸イオン、カルボン酸イオンを含む塩、加水分解によりカルボン酸および/またはカルボン酸イオンを生成することが可能な化合物、すなわちカルボン酸誘導体、例えばエステル、酸無水物、アミド、酸ハロゲン化物およびニトリル、ならびに、カルボン酸、カルボン酸イオンおよび/またはカルボン酸誘導体を含む錯体を意味する。
第二の化成処理液は、上記の物質に加え、金属イオンおよび/またはアミン類を含んでもよい。
第二の化成処理液は酸性の水溶液であるから、そのpHは7.0未満となる。化成処理液の安定性の観点からはpHが6.0以下であることが好ましい。生産コストを低減するとともに生産性を高める観点も考慮すればpHは1.0〜5.0であることが好ましく、1.2〜4.0とすることがさらに好ましい。
第二の化成処理層を有する部材を製造するための工程順は次のとおりである(かっこ内は任意工程):
(活性化処理→水洗)→第二の化成処理→水洗→(乾燥)→(第二の仕上げ処理)→乾燥
本発明に係る酸化防止層の別の一態様として、第三の化成処理液を用いた化成処理である第三の化成処理により形成される第三の化成処理層を含む場合について説明する。第三の化成処理層は、第一の化成処理層と同様に、本発明における酸化防止層として好適である。
a)カルボン酸類:第三の化成処理液は、第二の化成処理液と同様に、カルボン酸類を含有していてもよい。好ましいカルボン酸類に係るカルボン酸は、マロン酸やコハク酸などのジカルボン酸、クエン酸などのヒドロキシカルボン酸である。
まず、亜鉛系めっき層が形成された母材に必要に応じ活性化処理および水洗の前処理を行う。これらの前処理の詳細は、第一および第二の化成処理の場合と同様であるから、説明を省略する。次に、亜鉛系めっき層が形成された基材に第三の化成処理液を用いた第三の化成処理を行う。第三の化成処理も第一および第二の化成処理方法と同様であるから、説明を省略する。
本発明に係る酸化防止層のさらに別の一態様として、特許文献4〜6に記載される化成処理液を当該文献に記載される方法で亜鉛系めっき層に接触させて化成処理を行い、得られた化成処理層を酸化防止層として用いてもよい。
本発明に係るフレークコートは、ジンクリッチペイントからなる塗料層が加熱されることにより形成されたものである。前述のように、ジンクリッチペイントとは、亜鉛、亜鉛合金、アルミニウムおよびアルミニウム合金からなる群から選ばれた一種または二種以上などの金属の粉末とバインダー成分とを媒質に分散または溶解させた種類の塗料をいう。
本発明の塗料組成物におけるバインダー成分としては、高温での焼付け処理でもクラックが発生しないように、有機ケイ素化合物および有機チタネート化合物を使用する。
本発明に係る塗料組成物では、塗膜の特性の向上を実現すべく、有機チタネート化合物を媒質に添加する。有機チタネート化合物は一般式としてTi(X)4で表される有機化合物およびそのオリゴマーを意味する。ここで、Xは、水酸基、アルコキシ基などの置換基であって、低級アルコキシ基、およびキレート性置換基から選ばれることが好ましく、4個のXは同一であってもよいし異なっていてもよい。
本発明に係る塗料組成物が含有する金属粉末は、亜鉛粉末、亜鉛合金金属粉末、アルミニウム粉末およびアルミニウム合金粉末からなる群から選択された一種または二種以上を使用する。亜鉛合金の例としては、Zn−Ni、Zn−Sn、Zn−Fe、Zn−Al、Zn−Al−Mg等が挙げられる。
本発明に係る塗料組成物は、塗布作業にあたって有機溶剤を含有させると酸化防止層への液なじみがよく、密着性が高いフレークコートを得ることが実現される。また、塗料化に際して添加される各種の添加剤に関して、有機溶剤を含有させることにより、幅広い添加剤の利用が可能となる。
本発明に係る塗料組成物には、必要に応じて、塗料に一般に使用されている各種の添加剤を含有させることができる。そのような添加剤としては、増粘剤、防錆顔料、コロイド状シリカ微粒子、等が挙げられる。
本発明に係る塗料組成物は、上述した各成分を十分に攪拌・混合して、金属粉末を液中に均一に分散させることにより調製される。
こうして本発明の塗料組成物に基づくフレークコートが形成された部材は、そのまま使用され、長期的に耐食性を維持するが、所望によっては、さらにトップコートとして上層塗膜を形成してもよい。このトップコートの目的は意匠性(外観)の向上でもよいし、耐食性など機能性の向上でもよい。
本発明に係るトップコート剤が含有するシランカップリング剤は、トップコート剤を硬化させる機能に加え、フレークコートに含まれる金属粉末や、有機ケイ素化合物、有機チタネート化合物とも化学的に相互作用し、トップコートとフレークコートとを強固に結合させる機能も有する。
シランカップリング剤は、例えば、アミノ基を有するものとして、具体的には、3−アミノプロピルトリエトキシシラン(γ−APTES)、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン,N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン,N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリエトキシシラン,3−アミノプロピルトリメトキシシラン,3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル-ブチリデン)プロピルアミン,N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシランを挙げることができる。
とができる。
本発明に係るトップコート剤が含有するアルカリシリケート(ケイ酸アルカリ水溶液)のアルカリ金属としては、Na、K、Liが例示される。これらは単独で用いてもよいし、複数が所定の比率で混合されていてもよい。
本発明に係るトップコート剤には、上記の主成分(シランカップリング剤およびアルカリシリケート)のほかに、意匠性付与、潤滑性付与、撥水性付与などの観点から、ワックスエマルジョンを含有させてもよい。ワックスエマルジョンとしては、植物系のキャンデリラワックス、カルナバワックス、ライスワックス、木ロウなど;動物系の蜜ロウ、ラノリン、鯨ロウなど、鉱物系のモンタンワックス、オゾケライト、セレシンなど、石油系のパラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタムなど;合成炭化水素系のフィッシャートロプシュワックス、酸化ポリエチレンワックス、ポリエチレンワックス、アクリル−エチレン共重合体ワックスなど;変性ワックス系のモンタンワックス誘導体、パラフィンワックス誘導体、マイクロクリスタリンワックス誘導体、水素添加ヒマシ油などのワックスを乳化分散したものが例示される。
本発明に係るトップコート剤の溶媒は、いわゆる「水系」溶媒であって、水を主体とし、溶媒としての基本機能が阻害されない範囲で可溶性の有機系溶媒を含みうるものである。溶媒としての基本機能とは、この場合には、上記の主成分を保管時および作業時において溶解させることである。なお、上記の有機系溶媒としては、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコールなどのアルコールが例示される。
本発明に係るトップコート剤は、上述した各成分を十分に攪拌・混合することにより調製される。配合順序に特に制限はなく、任意の順番で配合してもよい。好ましい調整方法の一例を示せば、十分な攪拌条件下でのアルカリシリケート水溶液の中にシランカップリング剤を添加した後、さらに十分な攪拌を約1時間程度継続することが好ましい。液の安定性の観点から、調整後のpHは9〜12の範囲であることが好ましく、このために酸(例えば硫酸)、アルカリ(例えば水酸化ナトリウム)を添加してもよい。
1.試験部材の準備
(1)母材
本実施例における母材は、冷間圧延鋼板SPCC−SD(50×100mm、板厚0.8mm)とした。
A)亜鉛めっき
酸性亜鉛めっき液を用いて電気亜鉛めっきを8μm厚に施した。めっき作業はユケン工業社製メタスMZ−11プロセスに従って実施した。
鉄の共析率が0.4%になるように調整したジンケート亜鉛−鉄合金めっき液を用いて、電気亜鉛−鉄合金めっきを8μm厚に施した。めっき作業はユケン工業社製メタスAZプロセスに従って実施した。
ニッケルの共析率が15%になるように調整したジンケート亜鉛−ニッケル合金めっき液を用いて、電気亜鉛−ニッケル合金めっきを8μm厚に施した。めっき作業はユケン工業社製メタスANT−28プロセスに従って実施した。
次の方法で亜鉛系めっき層が形成された部材の上に酸化防止層を形成した。
化成処理の前に行う活性化は、全例において、67.5%硝酸3mL/L濃度の希硝酸溶液に亜鉛系めっき層が形成された部材を常温(25℃)で10秒間浸漬することにより行った。
水洗→仕上げ処理→乾燥 (試料番号7,9,11,13,26,28,30,32)
水洗→乾燥 (試料番号1,2,6,8,10,12,14〜25,27,29,31,37〜44)
乾燥のみ (試料番号33〜36)
まず、鱗片状の亜鉛粉末を以下のようにして作成した。平均粒径5μmの金属亜鉛粉末100重量部をミネラルスピリット200重量部中に分散させ、さらに少量の脂肪酸を加えて、金属亜鉛粉末の分散濃度が約30重量%のスラリーとした。このスラリーをビーズミル(アシザワ・ファインテック株式会社製スターミルZRS)で粉砕処理し、処理後のスラリーを減圧下で蒸発乾燥させて、径の分布の中心値が10μm、厚さの分布の中心値が0.3μmの鱗片状亜鉛粉末を得た。また、鱗片状のアルミ粉末は東洋アルミニウム株式会社製アルペースト0200M(平均径10μm、平均厚み0.2μm)を用いた。
エチルポリシリケート:コルコート(株)製 エチルシリケート40
テトラブトキシチタンポリマー:日本曹達(株)製 TBTポリマーB−10
表3に示した配合(質量部)に従って、十分な攪拌条件下でのリチウムシリケート水溶液の中にシランカップリング剤等他の成分を添加した後、さらに十分な攪拌を1時間継続して、トップコート用塗料組成物を調整した。
リチウムシリケート:日産化学工業(株)製 リチウムシリケート75
3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン:日本ユニカー(株)製 A187
(1)耐食性試験
上記のようにして準備された積層膜を有する試験部材の耐食性の評価を、JASO M609に規定されるCCT(自動車部品外観腐食試験方法)に基づく耐食性試験を用い、赤錆が発生するまでのサイクル数を計測し、そのサイクル数により耐食性を評価した。
A)塩水噴霧1
温度:50±1℃
塩水濃度:5±0.5%
その他はJIS Z 2371に準拠した。
温度:70±1℃
相対湿度:20〜30%RH
温度:50±1℃
塩水濃度:5±0.5%
その他はJIS Z 2371に準拠した。
温度:23±1℃
相対湿度:20〜30%RH
風量:0.3m3/分
塩水噴霧1:17時間
乾燥:3時間
塩水噴霧2:2時間
送風:2時間
各時間は、それぞれの移行時間(各条件に移行後、その条件の規定の温度および相対湿度に達するまでの時間)を含む。
噴霧から乾燥または送風:30分以内
乾燥から噴霧:30分以内
送風から噴霧:30分以内
原則として、試験部材の評価対象面が垂直に対し15〜20°となるように保持する。
50℃に加熱保持した蒸留水に、積層膜が形成された試験部材を24時間浸漬し、引き上げ後、試験部材の評価対象面が垂直に対し15〜20°となるように保持して室温(25℃)、湿度60%RHにて自然乾燥させた。
8:5%以内のはがれ
6:5%超15%以内のはがれ
4:15%超35%以内のはがれ
2:35%超65%以内のはがれ
0:65%を超えるはがれ
3.試験結果
表4のとおり、本発明例は好適な結果が得られ、酸化防止層としての化成処理層およびフレークコートの一方を有さない比較例は耐食性または密着性が不良であった。
Claims (27)
- 母材と、
当該母材の表面上に形成された亜鉛または亜鉛合金めっきからなるめっき層である亜鉛系めっき層と、
当該亜鉛系めっき層上に形成された、当該亜鉛系めっき層を構成する材料の酸化または水酸化を抑制する皮膜状の酸化防止層と、
当該酸化防止層上に形成された、金属粉末および無機系バインダー成分を含む非水系塗料組成物からなる塗膜と
を備え、
前記非水系塗料組成物が、全組成物に基づいて、0.05〜50質量%の有機ケイ素化合物;0.05〜50質量%の有機チタネート化合物;亜鉛粉末、亜鉛合金粉末、アルミニウム粉末およびアルミニウム合金粉末からなる群から選ばれた一種または二種以上からなる20〜60質量%の金属粉末;ならびに10〜60質量%の有機溶剤を含有することを特徴とする耐食性積層膜を有する部材。 - 前記酸化防止層が少なくとも前記塗膜との界面においてシロキサン結合を有する物質を含み、
前記非水系塗料組成物の無機系バインダー成分がシロキサン結合を有する物質を含む請求項1記載の耐食性積層膜を有する部材。 - 前記非水系塗料組成物に含有される有機ケイ素化合物が、炭素数が3以下のアルキル基を有するテトラアルキルシリケート化合物およびそのオリゴマーからなる群から選ばれた一種または二種以上の化合物を含む請求項1または2に記載の耐食性積層膜を有する部材。
- 前記非水系塗料組成物に含有される有機チタネート化合物が、一般式Ti(X)4で表される有機化合物およびそのオリゴマーを含み、Xは、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、およびtert−ブトキシの炭素数4以下のアルコキシ基、ラクテート、トリエタノールアミネート、アセチルセトネート、アセトアセテート、およびエチルアセトアセテートを含むキレート性置換基、ならびに水酸基からなる群から選ばれた一種または二種以上の官能基である請求項1から3のいずれかに記載の耐食性積層膜を有する部材。
- 前記非水系塗料組成物に含有される金属粉末が鱗片状である請求項1から4のいずれかに記載の耐食性積層膜を有する部材。
- 全組成物に基づいて、5〜25質量%のシランカップリング剤および30〜60質量%のアルカリシリケートを含有する水系の上塗り塗料組成物からなる上塗り塗膜を前記塗膜上に備える請求項1から5のいずれかに記載の耐食性積層膜を有する部材。
- 前記酸化防止層が、水溶性アルミニウム化合物、ケイ酸塩およびシリカから選ばれた一種または二種以上のケイ素化合物、チタン化合物、硝酸イオン、ならびにクエン酸を含有する酸性溶液からなる反応型の第一の化成処理液を前記亜鉛系めっき層に接触させることにより形成される第一の化成処理層を有する請求項1から6のいずれかに記載の耐食性積層膜を有する部材。
- 前記第一の化成処理液が、V,Cu,Mo,W,Ce,Co,Ni,Mg,Ca,Mn,Li,Zr,Fe,Sn,Y,La,NdおよびSmから選ばれた一種または二種以上の金属の化合物をさらに含有する請求項7記載の耐食性積層膜を有する部材。
- 前記第一の化成処理液が、多価カルボン酸およびヒドロキシ多価カルボン酸から選ばれた一種または二種以上の有機酸をさらに含有する請求項7または8に記載の耐食性積層膜を有する部材。
- 前記酸化防止層が、前記第一の化成処理層と、皮膜形成性ケイ素化合物を主成分として含有する溶液からなる第一の仕上げ処理液を前記第一の化成処理層に接触させることにより形成される第一の仕上げ処理層とを有する請求項7から9のいずれかに記載の耐食性積層膜を有する部材。
- 前記酸化防止層が、水溶性アルミニウム化合物、水溶性ジルコニウム化合物、硝酸イオンおよび過酸化水素からなる群から選ばれた一種または二種以上の酸化性物質、硫酸イオンならびにカルボン酸類を含有する酸性水溶液からなる反応型の第二の化成処理液を前記亜鉛系めっき層に接触させることにより形成される第二の化成処理層を有する請求項1から6のいずれかに記載の耐食性積層膜を有する部材。
- 前記カルボン酸類が、多価カルボン酸類およびヒドロキシ多価カルボン酸類から選ばれた一種または二種以上である請求項11記載の耐食性積層膜を有する部材。
- 前記第二の化成処理液が、V,Fe,Cu,Sn,Mo,W,Ce,Co,Ni,Mg,Ca,Mn,Li,Y,La,NdおよびSmから選ばれた一種または二種以上の金属の含むイオンをさらに含有する、請求項11または12記載の耐食性積層膜を有する部材。
- 前記酸化防止層が、前記第二の化成処理層と、皮膜形成性ケイ素化合物を主成分として含有する溶液からなる第二の仕上げ処理液を前記第二の化成処理層に接触させることにより形成される第二の仕上げ処理層とを有する請求項11から13のいずれかに記載の耐食性積層膜を有する部材。
- 水溶性アルミニウム化合物、水溶性ジルコニウム化合物、チタン化合物ならびにケイ酸塩およびシリカから選ばれたケイ素化合物からなる群から選ばれた一種または二種以上の皮膜形成成分と、水溶性コバルト化合物および水溶性マンガン化合物の一種または二種以上とを含有する第三の化成処理液を前記亜鉛系めっき層に接触させることにより形成される第三の化成処理層を有する請求項1から6のいずれかに記載の耐食性積層膜を有する部材。
- 前記酸化防止層が、前記第三の化成処理層と、皮膜形成性ケイ素化合物を主成分として含有するとともに水溶性コバルト化合物および水溶性マンガン化合物から選ばれた一種または二種以上を含有する溶液からなる第三の仕上げ処理液を前記第三の化成処理層に接触させることにより形成される第三の仕上げ処理層とを有する請求項15記載の耐食性積層膜を有する部材。
- 前記母材が鉄鋼部材である請求項1から16のいずれかに記載の耐食性積層膜を有する部材。
- 請求項11から14のいずれかに記載される耐食性積層膜を有する部材を製造するための反応型の第二の化成処理液であって、
水溶性アルミニウム化合物、水溶性ジルコニウム化合物、硝酸イオンおよび過酸化水素からなる群から選ばれた一種または二種以上の酸化性物質、硫酸イオンならびにカルボン酸類を含有し、リン酸イオンを含有しない酸性水溶液からなり、
前記耐食性積層皮膜が備える塗膜は、全組成物に基づいて、0.05〜50質量%の有機ケイ素化合物;0.05〜50質量%の有機チタネート化合物;亜鉛粉末、亜鉛合金粉末、アルミニウム粉末およびアルミニウム合金粉末からなる群から選ばれた一種または二種以上からなる20〜60質量%の金属粉末;ならびに10〜60質量%の有機溶剤を含有する非水系塗料組成物からなることを特徴とする化成処理液。 - 請求項14に記載される耐食性積層膜を有する部材を製造するための第二の仕上げ処理液であって、皮膜形成性ケイ素化合物を主成分として含有する溶液からなり、前記耐食性積層皮膜が備える塗膜は、全組成物に基づいて、0.05〜50質量%の有機ケイ素化合物;0.05〜50質量%の有機チタネート化合物;亜鉛粉末、亜鉛合金粉末、アルミニウム粉末およびアルミニウム合金粉末からなる群から選ばれた一種または二種以上からなる20〜60質量%の金属粉末;ならびに10〜60質量%の有機溶剤を含有する非水系塗料組成物からなることを特徴とする仕上げ処理液。
- 請求項15または16に記載される耐食性積層膜を有する部材を製造するための第三の化成処理液であって、
水溶性アルミニウム化合物、水溶性ジルコニウム化合物、チタン化合物ならびにケイ酸塩およびシリカから選ばれたケイ素化合物からなる群から選ばれた一種または二種以上の皮膜形成成分と、水溶性コバルト化合物および水溶性マンガン化合物の一種または二種以上と、カルボン酸類とを含有し、
前記耐食性積層皮膜が備える塗膜は、全組成物に基づいて、0.05〜50質量%の有機ケイ素化合物;0.05〜50質量%の有機チタネート化合物;亜鉛粉末、亜鉛合金粉末、アルミニウム粉末およびアルミニウム合金粉末からなる群から選ばれた一種または二種以上からなる20〜60質量%の金属粉末;ならびに10〜60質量%の有機溶剤を含有する非水系塗料組成物からなることを特徴とする化成処理液。 - 請求項16に記載される耐食性積層膜を有する部材を製造するための第三の仕上げ処理液であって、皮膜形成性ケイ素化合物を主成分として含有するとともに水溶性コバルト化合物および水溶性マンガン化合物の一種または二種以上を含有する溶液からなり、
前記耐食性積層皮膜が備える塗膜は、全組成物に基づいて、0.05〜50質量%の有機ケイ素化合物;0.05〜50質量%の有機チタネート化合物;亜鉛粉末、亜鉛合金粉末、アルミニウム粉末およびアルミニウム合金粉末からなる群から選ばれた一種または二種以上からなる20〜60質量%の金属粉末;ならびに10〜60質量%の有機溶剤を含有する非水系塗料組成物からなることを特徴とする仕上げ処理液。 - 請求項1から17のいずれかに記載される耐食性積層膜を有する部材を製造するための非水系塗料組成物であって、
全組成物に基づいて、0.05〜50質量%の有機ケイ素化合物;0.05〜50質量%の有機チタネート化合物;亜鉛粉末、亜鉛合金粉末、アルミニウム粉末およびアルミニウム合金粉末からなる群から選ばれた一種または二種以上からなる20〜60質量%の金属粉末;ならびに10〜60質量%の有機溶剤を含有すること
を特徴とする非水系塗料組成物。 - 請求項6から17のいずれかに記載される耐食性積層膜を有する部材を製造するための上塗り塗料組成物であって、
全組成物に基づいて、5〜25質量%のシランカップリング剤および30〜60質量%のアルカリシリケートを含有する水系の組成物であり、
前記耐食性積層皮膜が備える塗膜は、全組成物に基づいて、0.05〜50質量%の有機ケイ素化合物;0.05〜50質量%の有機チタネート化合物;亜鉛粉末、亜鉛合金粉末、アルミニウム粉末およびアルミニウム合金粉末からなる群から選ばれた一種または二種以上からなる20〜60質量%の金属粉末;ならびに10〜60質量%の有機溶剤を含有する非水系塗料組成物からなることを特徴とする上塗り塗料組成物。 - 母材の表面に亜鉛または亜鉛合金めっきからなるめっき層である亜鉛系めっき層を形成するめっき形成工程と、
請求項7から9,11から13および15のいずれかに記載される第一から第三の化成処理液のいずれかを前記亜鉛系めっき層に接触させた後、当該亜鉛系めっき層の表面を水洗し、乾燥して、前記亜鉛系めっき層上に化成処理層からなる酸化防止層を形成する化成処理工程と、
当該酸化防止層の上に、請求項22に記載される非水系塗料組成物を塗布して塗料層を形成する塗料層形成工程と、
当該塗料層を200〜400℃に加熱して塗膜を形成する加熱工程と
を備えることを特徴とする耐食性積層膜を有する部材の製造方法。 - 母材の表面に亜鉛または亜鉛合金めっきからなるめっき層である亜鉛系めっき層を形成するめっき形成工程と、
請求項7から9,11から13および15のいずれかに記載される第一から第三の化成処理液のいずれかを前記亜鉛系めっき層に接触させた後、当該亜鉛系めっき層の表面を水洗し、乾燥して、前記亜鉛系めっき層上に化成処理層を形成する化成処理工程と、
前記化成処理工程で使用した第一から第三の化成処理液のいずれかに対応して選択される、請求項10,14および16のいずれかに記載される第一から第三の仕上げ処理液のいずれかを、前記化成処理層に接触させた後、前記化成処理層上の当該第一から第三の仕上げ処理液のいずれかを乾燥して、前記化成処理層およびその上に積層された仕上げ処理層からなる酸化防止層を形成する仕上げ処理工程と、
当該酸化防止層の上に、請求項22に記載される非水系塗料組成物を塗布して塗料層を形成する塗料層形成工程と、
当該塗料層を200〜400℃に加熱して塗膜を形成する加熱工程と
を備えることを特徴とする耐食性積層膜を有する部材の製造方法。 - 母材の表面に亜鉛または亜鉛合金めっきからなるめっき層である亜鉛系めっき層を形成するめっき形成工程と、
請求項7から9,11から13および15のいずれかに記載される第一から第三の化成処理液のいずれかを前記亜鉛系めっき層に接触させた後、当該亜鉛系めっき層の表面を水洗して、当該第一から第三の化成処理液のいずれかの成分を前記亜鉛系めっき層上に堆積させる無乾燥化成処理工程と、
前記無乾燥化成処理工程で使用した第一から第三の化成処理液のいずれかに対応して選択される、請求項10,14および16のいずれかに記載される第一から第三の仕上げ処理液のいずれかを、前記第一から第三の化成処理液のいずれかの成分が堆積した亜鉛系めっき層に接触させた後、前記化成処理層上の当該第一から第三の仕上げ処理液のいずれかを乾燥して、化成処理層および仕上げ処理層からなる酸化防止層を前記亜鉛系めっき層上に形成する仕上げ処理工程と、
当該酸化防止層の上に、請求項22に記載される非水系塗料組成物を塗布して塗料層を形成する塗料層形成工程と、
当該塗料層を200〜400℃に加熱して塗膜を形成する加熱工程と
を備えることを特徴とする耐食性積層膜を有する部材の製造方法。 - 前記加熱工程により形成された塗膜上に請求項23に記載される上塗り塗料組成物を塗布し、上塗り塗料層を形成する上塗り塗料層形成工程と、
当該上塗り塗料層を50〜200℃に加熱して上塗り塗膜を形成する上塗り加熱工程とを、さらに備える請求項24から26のいずれかに記載の耐食性積層膜を有する部材の製造方法。
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