JP2002047578A - 亜鉛系めっき品用化成処理液 - Google Patents

亜鉛系めっき品用化成処理液

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JP2002047578A
JP2002047578A JP2000232221A JP2000232221A JP2002047578A JP 2002047578 A JP2002047578 A JP 2002047578A JP 2000232221 A JP2000232221 A JP 2000232221A JP 2000232221 A JP2000232221 A JP 2000232221A JP 2002047578 A JP2002047578 A JP 2002047578A
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Hiromi Noguchi
裕臣 野口
Junko Yoshino
順子 吉野
Nobuaki Wada
伸明 和田
Motohiro Katagiri
元洋 片桐
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Aichi Prefecture
Yuken Industry Co Ltd
Yuken Kogyo Co Ltd
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Aichi Prefecture
Yuken Industry Co Ltd
Yuken Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 6価及び3価クロム化合物、且つふっ化物を
全く使用することなく、亜鉛めっき表面に優れた防錆防
食皮膜を形成し得る化成処理液組成を提供すること。 【解決手段】 2価マンガン塩を含み、且つアルミニウ
ムと亜鉛のうちの少なくとも1種類以上の金属塩、及び
ケイ酸塩を含有する液組成であり、pHを硝酸により1
〜2の範囲に調整した処理液中で、浸漬後そのまま温風
乾燥することにより皮膜形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、亜鉛系めっき(亜鉛又
は亜鉛合金めっき)の表面に耐食性のある防錆・防食を
主として目的とする化成皮膜を形成するのに好適な亜鉛
系めっき品用化成処理液及び該処理液を使用した亜鉛系
めっき品の化成処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】鉄鋼製品・部品の防錆・防食方法として
亜鉛系めっきが安価で信頼性のある効果的な方法として
採用されてきた。そして、その亜鉛めっきの防錆・防食
能力をさらに向上させるため、従来から6価クロム(C
r(VI))の化合物による不動態化処理、いわゆるクロメ
ート処理がめっき表面に施され、耐食性に優れた保護皮
膜形成の方法として採用されている。
【0003】クロメート処理は、亜鉛めっきに引き続い
て、Cr(VI)化合物を含む所定の溶液に浸漬処理後乾燥
という簡便で経済的な処理工程で優れた耐食性を付与す
ることができる。クロメート処理において、Cr(VI)は
還元されて3価クロム(Cr(III) )化合物となって皮
膜を形成するが、一部はCr(VI)のまま皮膜に取り込ま
れ、防錆力と自己修復力を併せ持つクロメート皮膜を特
徴づけてきた。しかし、ここで使用されるCr(VI)化合
物は生態系に有害であるため、工程外への排出は厳しく
制限されている。
【0004】一方、皮膜中に取り込まれたCr(VI)は、
クロメート処理製品の表面から徐々に滲み出して、身体
に直接接触した場合、その有害性が問題視されている。
すなわち、Cr(VI)は細胞膜を透過しやすい上、皮膚潰
瘍、刺激性皮膚炎、アレルギー性皮膚炎、鼻中隔穿孔、
さらに肺がん発生作用を示すといわれている。また、亜
鉛めっき鉄鋼製品の防錆・防食処理に携わる現場作業者
にとっては、常に有害なCr(VI)環境下にさらされるこ
ととなる。
【0005】また、排水中の有害なCr(VI)は、最終工
程で亜硫酸ナトリウムなどの薬剤によりCr(III) に還
元処理した後、アルカリ溶液で中和沈殿して分離し、水
酸化クロムスラッジとして埋め立て廃棄処理されてい
る。しかし、近年埋め立用地の不足から廃棄処理がます
ます困難となっており、その対応が望まれている。従っ
て、有害なCr(VI)を含有したクロメート処理液を廃止
して、早急により安全なクロメート処理液に変わる化成
処理液の出現が希求されている。
【0006】このため、まずCr(VI)を含まないCr(I
II) 化合物を主成分とする表面処理液が提案されてい
る。例えば、特開昭61−587号にはCr(III) 化合
物とけい酸塩、ふっ化物、硝酸からなる方法が示されて
おり、耐食性についても比較的良好とされる。
【0007】また、欧州特許EP337411B1明細
書においては、Cr(III) 、硝酸ナトリウムとふっ化物
からなり、これにアセチルアセトンやサリチル酸など有
機物を添加した耐食性が良く、液安定性にも優れた化成
処理液が提案されている。
【0008】しかし、これら化成処理液は、Cr(VI)含
有処理液に比べて耐食性が必ずしも十分とはいえず、耐
食性を確保するために浸漬処理後さらにコロイド溶液な
ど何らかの後処理工程を加える必要がある。また、ふっ
化物についても生態系に悪影響を及ぼす規制対象物質で
ある点が課題を増加させている。
【0009】また、Cr(III) はCr(VI)と比較し、細
胞膜を透過しにくく、有害性でないことから当面のCr
(VI)対策としては妥当なものと云えなくもない。しか
し、Cr(III) は酸化によりCr(VI)に容易に変化し得
るものであることから、将来的には全くのクロムフリー
組成の化成処理液が望ましい。
【0010】このため、クロム系及びふっ化物系化合物
を用いないいくつかの表面処理(化成処理)技術が下記
各刊行物において提案されている。
【0011】特開昭57−5875号:モリブデン、
タングステンなどのポリ金属の酸化物を用いる方法。
【0012】特開平9−53192号:過酸化水素な
どの酸化性物質、けい酸塩およびチタンイオンを含有す
る処理液。
【0013】特許第2596211号(平成9年特
許):シリカ粒子と、NiおよびCoのうち少なくとも
1種類のZnよりも貴な金属イオンと、そして硝酸イオ
ンとを含有する酸性水溶液。
【0014】しかしながら、これらの処理方法も、必ず
しも満足のいくものとはいえなかった。
【0015】すなわち、上記刊行物は、クロメートに
比べ耐食性がはるかに劣ること、同は、耐食性の面で
はかなりの改善を見ているが、酸化剤の消耗とともにチ
タンが沈殿して、浴安定性の点で問題があること、同
は、めっき鋼板の処理を想定した塗布型の処理液であ
り、耐食性は改善されているが、めっき専業者の工程に
おいて適用できるとは言い難い。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】クロメート(VI又はII
I )の処理加工を実施しているめっき専業者において
は、排水処理の最終工程で水酸化クロムを含有したスラ
ッジが発生する。
【0017】現状、多くの場合、クロムスラッジはクロ
ム、亜鉛のほかに異なる他のめっき工程からニッケル、
銅、鉄などの重金属イオンが混入する。スラッジを単に
埋め立て処分するのではなく、今後の地球環境を考慮し
て資源循環産業社会システムを構築してスラッジの有効
利用、例えば窯業原材料としての応用等を考える場合、
無害であるCr(III) が加熱焼結処理の際、酸化されて
再び有害なCr(VI)となって溶出することが極めて深刻
な問題と考えられている。
【0018】つまり、本発明では防錆・防食面で極めて
優れた特性を示すが、環境および生態系に有害なCr(V
I)を排除し、かつ、実用的な耐食性を確保する防錆皮膜
を形成することを目的とする。同時に有害なふっ化物及
び酸化によりCr(VI)に変わり得るCr(III) 化合物を
も含有せず、液安定性に優れた液組成であり、ふっ素、
クロム系のスラッジを出さない。本発明の処理液により
亜鉛めっき表面に優れた防錆・防食皮膜を形成する方法
を課題とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】Cr(VI又はIII )化合
物、また、ふっ化物を含有しない液組成の処理液に接触
させ、わずかな化学反応を起こさしめて亜鉛めっき表面
をコロイド状皮膜で被覆したのち、乾燥操作のみで皮膜
を不溶性で強固な固着物(硬化層)とすることを可能と
する化成処理液の組成について鋭意検討した。その結
果、これまで発表されたいずれのクロムフリー組成の化
成処理皮膜に比べても耐食性の良好な皮膜が得られる下
記構成の化成処理液を見いだした。
【0020】亜鉛系めっき品に化成膜を形成するための
処理液であって、2価のマンガン塩(Mn(II)塩)、
アルミニウム塩(Al塩)及び亜鉛塩(Zn塩)の少な
くとも1種以上の金属塩と、けい酸塩(xMI 2O・yS
iO2 )を含有し、pH0.5〜3に調整されてなるこ
とを特徴とする。
【0021】望ましい形態は、亜鉛系めっき品に化成膜
を形成するための処理液であって、(a)2価のマンガ
ン塩(以下、Mn(II)塩)(b)アルミニウム(A
l)と亜鉛(Zn)のうちの少なくとも1種類以上の金
属塩、及び(c)けい酸塩(xMI 2O・ySiO2 )を
含有し、pH0.5〜3に調整されてなることを特徴と
する。
【0022】上記において、 pH 調整は、硝酸を使用し
て pH 1〜2とすることが望ましい。
【0023】そして、上記Mn(II)塩としては、硫酸
マンガン、酢酸マンガン及び塩化マンガンのいずれかか
ら、上記Al塩としては、硫酸アルミニウムカリウム、
硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、塩化アルミニウ
ム及びポリ塩化アルミニウムのいずれかから、上記Zn
塩としては、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、塩化亜鉛及び酢酸亜
鉛のいずれかから、けい酸塩としては、リチウム、ナト
リウム及びカリウムのオルソ・メタ・パラの各けい酸塩
のいずれかから、選択したもの又はそれらの混合物をそ
れぞれ好適に使用できる。
【0024】そして、最も望ましい組み合わせの態様
は、Mn(II)塩が硫酸マンガン、Al塩が硫酸アルミ
ニウムカリウム、Zn塩が硫酸亜鉛、けい酸がメタけい
酸ナトリウムであり、 pH 1〜2に硝酸で調製されてな
るものである。
【0025】そして、上記化成処理液を使用した亜鉛め
っき品の化成処理方法は、下記の如くに行なう。
【0026】化成処理液に、亜鉛めっきした被処理物
(亜鉛めっき品)を緩やかに攪拌しながら浸漬して亜鉛
表面で化学反応を起こさしめて化成皮膜を形成する化成
処理工程後、さらに、水洗を行うことなく乾燥・固化さ
せて不溶性皮膜を形成することを特徴とする。
【0027】
【手段の詳細な説明】以下、本発明の上記構成の化成処
理液について、詳細に説明する。
【0028】本発明は、亜鉛系めっき品に化成膜を形成
するための処理液である。
【0029】ここで亜鉛系めっき品とは、主として鉄鋼
(鉄系)製品・部品上に電気化学的手法で通常ミクロン
単位の亜鉛皮膜を形成したものを指す。鉄系基材上の亜
鉛めっきは、亜鉛(Zn)の標準電極電位が−0.76
Vと鉄(Fe)のそれ−0.44Vに比して卑であるた
め、亜鉛自らが優先的に腐食することにより鉄系基材を
防錆する、いわゆる犠牲防食作用を示す。少量のニッケ
ル、鉄を亜鉛中に合金析出した亜鉛系合金めっきはより
耐食性に優れることが知られている。
【0030】これら亜鉛めっき表面を各種化成処理剤に
より不動態化処理することにより耐食性を格段に向上す
ることが可能となる。
【0031】亜鉛めっきは、自動車、家電製品のほか、
ボルトナットなどあらゆる日用雑貨品に適用され、比較
的安価で信頼性が高いため、欠かすことのできない表面
処理技術とされている。
【0032】本発明の化成処理液は、Mn(II)塩、A
l塩又はZn塩の少なくとも1種以上の金属塩とけい酸
アルカリ塩(xMI 2O・ySiO2 )を含有することを
第一の要件とする。
【0033】ここでMn(II)塩としては、硫酸マンガ
ン、硝酸マンガン、酢酸マンガン、塩化マンガン等が挙
げられる。いずれも効果はあるが、なかでも、硫酸マン
ガン(MnSO4 )を使用するのが好ましい。これらの
Mn(II)塩(金属イオン換算)の使用濃度は、通常、
0.05〜0.3M/L、好ましくは0.08〜0.1
5M/L、さらに好ましくは0.1M前後である。
【0034】Al塩としては、硫酸アルミニウムカリウ
ム、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、塩化アルミ
ニウム、ポリ塩化アルミニウム等が挙げられる。いずれ
も効果はあるが、中でも硫酸アルミニウムカリウム(A
lK(SO42 )を使用するのが耐食性の見地から好
ましい。
【0035】これらのAl塩(金属イオン換算)の使用
濃度は、通常、0.05〜0.4M/L、好ましくは
0.1〜0.25M/L、さらに好ましくは0.2M/
L前後である。
【0036】Zn塩としては、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、塩
化亜鉛、酢酸亜鉛等が挙げられる。いずれも効果はある
が、中でも硫酸亜鉛(ZnSO4 )を使用するのが好ま
しい。
【0037】これらのZn塩(金属イオン換算)の使用
濃度は、通常0.05〜0.3M/L、好ましくは0.
08〜0.15M/L、さらに好ましくは0.1M/L
前後である。
【0038】けい酸アルカリ塩(xMI 2O・ySiO
2 )としては、MI がリチウム、ナトリウム、カリウム
のものが挙げられる。けい酸アルカリ塩は、メタ(MI 2
O・SiO2 )、オルト(2MI 2O・SiO2 )、パラ
(xMI 2O・ySiO2 :y−x=2 )を問わない。
いずれも効果を得られるが、中でも取り扱いやコストの
見地からメタけい酸ナトリウム(Na2 0・SiO2
が適している。これらのけい酸アルカリ塩の使用濃度
(SiO2 換算で)は、通常0.05〜0.5M/L、
好ましくは0.08〜0.2M/L、さらに好ましくは
0.1M/前後である。
【0039】上記各成分の組み合わせは、(a) MnSO
4 、(b) AlK(SO42 、及び/又はZnSO4
(c) Na2 O・SiO2 を含む処理液から形成される皮
膜が好ましい。
【0040】そして当該処理系の処理液は、pH:0.
5〜3.5でもよいが、亜鉛めっき表面での化学反応性
の観点から液のpH:1〜2の範囲に調整するのが好ま
しい。つまり、pHが低過ぎると亜鉛の溶解反応及び生
成した皮膜の溶解反応が急速すぎること、また、pHが
高すぎると亜鉛の溶解反応が急に緩慢となって皮膜生成
が十分でないことが分かった。pHの調整は硝酸、硫
酸、塩酸、りん酸等いずれの酸も使用できるが、硝酸
(HNO3 )(例えば濃度2N)が好ましい。
【0041】本処理液を用いて亜鉛めっきの表面を化成
処理する方法として、緩やかに攪拌しながら浸漬するの
がよい。処理温度、処理時間、乾燥温度については特に
限定はされていないが、一般的に処理温度は10〜60
℃、好ましくは15〜30℃、時間は100〜300
s、好ましくは15〜60s、乾燥温度は20〜100
℃、好ましくは50〜70℃で、単に温度を上げるだけ
ではなく、温風を通じて短期間に乾燥させるのが好まし
い。
【0042】亜鉛めっき後の処理工程は、次に示す手順
で実施されるのが好ましい。
【0043】亜鉛めっき表面の活性化(例えば、1m
L/L硝酸液に10s間程度浸漬)→水洗→化成処
理、引き上げ、→温風乾燥。
【0044】これまで述べた成分からなる液組成で処理
することにより耐食性に優れた皮膜を得ることができ
る。しかし、成分単独のみ、つまり金属塩又はけい酸ア
ルカリ塩を各単独に含有した浴で処理した場合は、白錆
発生を防止する作用がほとんど認められない(比較例1
〜3参照)。Mn(II)塩とけい酸アルカリ塩を組み合
わせることにより耐食性がかなり改善されるが、この組
成にAlとZnのうち少なくとも1種類以上の金属塩を
添加することにより、耐食性は更に向上することが分か
った。
【0045】本発明の液組成により耐食性が著しく増大
する理由について検討しているが、現時点では明らかと
なっていない。定性的に述べるとすれば、処理液中の硝
酸イオンにより素材の亜鉛が酸化溶解されることでけい
酸アルカリ塩と付着力が増加すること。処理液中に存在
する金属イオンがけい酸イオンとの親和性からある種の
結合を作って化成皮膜中に強固に存在するため、皮膜の
流出が抑制されること。また、表面分析の結果明らかと
なったが、けい酸アルカリ塩のみのときに比べて化成皮
膜の厚みが増大することが考えられる。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、環境、生態系に悪影響
を及ぼすCr(VI)化合物、ふっ化物のみならず、スラッ
ジの廃棄処分工程で、酸化によりCr(VI)に変化する可
能性のあるCr(III) 化合物をも排除した化成処理液が
提供可能となる。これにより、クロム系廃棄物を削減で
き、また、鉄鋼製品の防錆・防食処理の携わる作業者に
とって安全な労働環境を可能とするとともに、消費者に
とっても健康上安全な製品を提供できることから、今後
の環境保全対策に資すことができる。
【0047】本出願の化成処理方法は、処理後は水洗せ
ずにそのまま乾燥することにより、耐食性の向上が図る
ことができ、且つ、排水処理の負荷低減に資する方法で
ある。なお、当該方法は、本発明者らのひとりが、既に
特開平11−350161号で開示している方法と、化
成処理液が異なるが、工程的には同様である。
【0048】
【試験例】本発明の効果を確認するために実施例・比較
例について行なった試験例について説明する。
【0049】(1) 化成処理対象品(試験片)の調製 各亜鉛系めっき品は、SPCC鋼板(70×100mm×
0.5mmt)を基板として用いてそれぞれ下記の如く調
製した。
【0050】亜鉛めっき品…約8μmの亜鉛めっきを
下記に示す亜鉛めっき浴を使用して上記基板に施した。
【0051】 ZnO 10 g/L NaOH 100 g/L 光沢剤 適量 亜鉛−ニッケル合金めっき品…約5μmの亜鉛−8%
ニッケル合金めっきを下記に示す亜鉛めっき浴を使用し
て上記基板に施した。
【0052】 Zn(II) 8 g/L Ni(II) 0.8g/L NaOH 120 g/L キレート剤 適量 光沢剤 適量 亜鉛−鉄合金めっき品…約5μmの亜鉛−0.6%鉄
合金めっきを下記に示す亜鉛めっき浴を使用して上記基
板に施した。
【0053】 Zn(II) 8 g/L Fe(II) 0.8g/L NaOH 100 g/L キレート剤 適量 光沢剤 適量 (2) 化成処理 上記で調製した各試験片(表1に示す。)を下記に示し
た実施例・比較例の化成処理液に20℃で60s間浸漬
した後、水洗することなく50℃の温風で乾燥した。
【0054】(3) 耐白錆性の評価 上記処理した各試験片について、その耐食性を評価する
ために JIS Z 2371 に準拠する塩水噴霧試験を行い8
h、48h、72h及び96h経過後の白錆発生面積率
を調べ、これにより耐白錆性を評価した。
【0055】なお、耐白錆性は目視により、以下の基準
で評価した。
【0056】 白錆発生面積率 評価記号 0〜5% ◎ 5〜25% ○ 25〜50% △ 50〜100% × (4) 化成処理液 化成処理液の組成は、それぞれ下記の如くとした。
【0057】 <実施例1> MnSO4 ・5H2 O 25g/L(0.10M/L) AlK(SO42 48.4g/L(0.19M/L) Na2 O・SiO2 12.5g/L(0.10M/L) HNO3 (2N)(pH2調製剤) 適量 <実施例2> MnSO4 ・5H2 O 25g/L(0.10M/L) ZnSO4 ・7H2 O 30g/L(0.10M/L) Na2 O・SiO2 12.5g/L(0.10M/L) HNO3 (2N)(pH2調製剤) 適量 <実施例3> MnSO4 ・5H2 O 25g/L(0.10M/L) AlK(SO42 48.4g/L(0.19M/L) ZnSO4 ・7H2 O 30g/L(0.10M/L) Na2 O・SiO2 12.5g/L(0.10M/L) HNO3 (2N)(pH2調製剤) 適量 <実施例4> MnSO4 ・5H2 O 25g/L(0.10M/L) Na2 O・SiO2 12.5g/L(0.10M/L) HNO3 (2N)(pH2調製剤) 適量 <実施例5> AlK(SO42 48.4g/L(0.19M/L) Na2 O・SiO2 12.5g/L(0.10M/L) HNO3 (2N)(pH2調製剤) 適量 <実施例6> ZnSO4 ・7H2 O 30g/L(0.10M/L) Na2 O・SiO2 12.5g/L(0.10M/L) HNO3 (2N)(pH2調製剤) 適量 <比較例1> MnSO4 ・5H2 O 25g/L(0.10M/L) HNO3 (2N)(pH2調製剤) 適量 <比較例2> AlK(SO42 48.4g/L(0.19M/L) HNO3 (2N)(pH2調製剤) 適量 <比較例3> ZnSO4 ・7H2 O 30g/L(0.10M/L) HNO3 (2N)(pH2調製剤) 適量 <比較例4> Na2 O・SiO2 12.5g/L(0.10M/L) HNO3 (2N)(pH2調製剤) 適量 <比較例5> KMnO4 15g/L(0.095M/L) Na2 O・SiO2 12.5g/L(0.10M/L) HNO3 (2N)(pH2調製剤) 適量 <結果及び評価>結果を示す表1から、下記のことが分
かる。
【0058】各実施例は、いずれも塩水噴霧試験におい
て、比較例に比して良好な結果を示す。すなわち、各成
分単独では(比較例1〜4)、ほとんど耐白錆性を示さ
ないことが分かる。また、Mn塩成分及びケイ酸成分を
含んでいても、Mn(II)ではなくMn(VII )塩では
(比較例5)、同様にしてほとんど耐白錆性を示さない
ことが分かる。
【0059】特に、(a) Mn(II)塩、(b) Al塩又は
Zn塩、及び(c) xMI 2O・ySiO2 の三成分系であ
る実施例1〜3は、相対的に二成分系である実施例4〜
6に比して、長時間にわたり、安定した耐白錆性を示す
ことが分かる。
【0060】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉野 順子 愛知県刈谷市一ツ木町西新割(番地なし) 愛知県工業技術センター内 (72)発明者 和田 伸明 愛知県刈谷市野田町馬割50番地 ユケン工 業株式会社内 (72)発明者 片桐 元洋 愛知県刈谷市野田町馬割50番地 ユケン工 業株式会社内 Fターム(参考) 4K026 AA02 AA07 BA02 BB08 CA13 CA18 CA27 CA32 CA33 CA37 DA04 DA11

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 亜鉛系めっき品に化成膜を形成するため
    の処理液であって、 2価のマンガン塩(Mn(II)塩)、アルミニウム塩
    (Al塩)及び亜鉛塩(Zn塩)の少なくとも1種以上
    の金属塩と、けい酸アルカリ塩(xMI 2O・ySiO
    2 )を含有し、 pH0.5〜3に調整されてなることを特徴とする亜鉛
    系めっき品用化成処理液。
  2. 【請求項2】 亜鉛系めっき品に化成膜を形成するため
    の処理液であって、 (a)2価のマンガン塩(以下、Mn(II)塩) (b)アルミニウム(Al)塩と亜鉛(Zn)塩のうち
    の少なくとも1種類以上の金属塩、及び (c)けい酸アルカリ塩(xMI 2O・ySiO2 )を含
    有し、 pH0.5〜3に調整されてなることを特徴とする亜鉛
    系めっき品用化成処理液。
  3. 【請求項3】 前記 pH が1〜2であることを特徴とす
    る請求項1又は2記載の亜鉛系めっき品用化成処理液。
  4. 【請求項4】 前記Mn(II)塩が、硫酸マンガン、酢
    酸マンガン及び塩化マンガンのいずれからか選択される
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の亜鉛めっき用化
    成処理液。
  5. 【請求項5】 前記Al塩が、硫酸アルミニウムカリウ
    ム、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、塩化アルミ
    ニウム及びポリ塩化アルミニウムのいずれからか選択さ
    れることを特徴とする請求項1又は2記載の亜鉛めっき
    用処理液。
  6. 【請求項6】 前記Zn塩が、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、塩
    化亜鉛及び酢酸亜鉛のいずれからか選択されることを特
    徴とする請求項1又は2記載の亜鉛めっき用化成処理
    液。
  7. 【請求項7】 前記けい酸塩が、リチウム(Li)、ナ
    トリウム(Na)及びカリウム(K)のいずれかのオル
    ト・メタ・パラけい酸塩又はそれらの混合物であること
    を特徴とする請求項1又は2記載の亜鉛めっき用化成処
    理液。
  8. 【請求項8】 亜鉛系めっき品に化成膜を形成するため
    の処理液であって、前記Mn(II)塩が硫酸マンガン、
    前記Al塩が硫酸アルミニウムカリウム、前記Zn塩が
    硫酸亜鉛、前記けい酸がメタけい酸ナトリウムであり、
    pH 1〜2に硝酸で調製されてなることを特徴とする請
    求項1又は2記載の亜鉛系めっき品用化成処理液。
  9. 【請求項9】 請求項1、2、3、4、5、6、7又は
    8記載の亜鉛めっき用化成処理液に、亜鉛めっきした被
    処理物を緩やかに攪拌しながら浸漬して亜鉛表面で化学
    反応を起こさせて化成皮膜を形成する化成処理工程後、
    さらに、水洗を行うことなく乾燥・固化させて不溶性皮
    膜を形成することを特徴とする亜鉛系めっき品の化成処
    理方法。
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