JP3682622B2 - 表面処理剤、表面処理方法、及び表面処理された製品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルミニウム合金材とマグネシウム合金材とが混在した製品の表面処理剤、表面処理方法、及び表面処理された製品に関する。特に、アルミニウム合金材とマグネシウム合金材とが混在した製品において、いずれの合金表面にも良好な化成皮膜が形成でき、耐蝕性と塗膜密着性とに優れたものとなる技術に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
近年、地球環境保全の観点から、自動車、二輪自動車や自転車、各種家電製品、更には航空機など様々な分野において、軽量性・リサイクル性に優れたアルミニウムやその合金(本明細書では、単に、アルミニウム合金と称する。)並びにマグネシウムやその合金(本明細書では、単に、マグネシウム合金と称する。)を積極的に利用する動きが高まっている。例えば、自動車や二輪自動車の分野では、軽量・燃費向上の観点から、これまで鉄を使用していた部材にアルミニウム合金を、アルミニウム合金を使用していた部材にマグネシウム合金を利用しようとする動きが増えている。又、ノートパソコン、携帯電話、ビデオカメラ等の家電製品の場合にあっても、その筐体として、従来ではプラスチックが用いられて来たものの、プラスチックよりも高強度でリサイクル性に優れたマグネシウム合金を利用するケースが増えている。
【0003】
これらの製品の多くは、耐蝕性や美観の観点から、種々の表面処理が施され、この後で塗装される場合が多い。前記表面処理の目的は、材料表面に残存する油分などの汚染物を除去し、緻密で均一な化成皮膜を形成し、優れた耐蝕性と塗膜密着性を付与することにある。
【0004】
ところで、アルミニウム合金やマグネシウム合金に対する表面処理技術として、これまで、多くの発明が提案されており、又、実用化もされている。表面処理剤としては、大別すると、6価クロムを含有するクロメート型のものと、6価クロムを含有しないノンクロメート型のものとが知られている。クロメート型の表面処理剤は、ノンクロメート型のものに比べて安価で性能的にも優れている等の利点を有しているものの、人体に有害な6価クロムを含んでいると言う大きな問題を抱えている。この為、近年では、ノンクロメート型のものに移行しつつある。
【0005】
以下では、主として、ノンクロメート型の表面処理技術について説明する。
【0006】
アルミニウム合金に対するノンクロメート型の表面処理技術としては、ジルコニウムイオン、リン酸イオン、有効フッ素イオン、バナジウムイオンを含む酸性水溶液を用いて処理する技術が提案(特開平1−246370号公報)されている。又、硫酸第二鉄を含有する水溶液、又は硫酸第二鉄と、硫酸、硝酸、リン酸のいずれか一種または二種以上の無機酸を含有する水溶液で処理する技術も提案(特開平6−33266号公報)されている。又、正リン酸、メタリン酸、ピロリン酸、三リン酸、四リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、ポリリン酸、ヘテロポリリン酸の中の少なくとも一種を含む水溶液で処理する技術が提案(特開平7−90614号公報)されている。又、ケイ酸塩を含む水溶液で50℃以上の温熱処理を行い、表面にSi付着量で1〜20mg/m2の化成皮膜を形成する技術が提案(特開平8−144064号公報)されている。
【0007】
マグネシウム合金に対するものとしては、硝酸、硫酸およびリン酸の群の中から選択される少なくとも一種を含む腐食液を塗布して耐蝕性保護皮膜を形成する技術が提案(特開平5−58073号公報)されている。又、金属アルコキシド、金属アセチルアセテート、金属カルボキシレートの群の中から選ばれる少なくとも一種と、酸、アルカリ及びその塩類、又は水酸基、カルボキシル基、アミノ基のいずれかを有する有機化合物の群の中から選ばれる少なくとも一種を含む皮膜形成助剤を用いる技術が提案(特開平9−228062号公報)されている。又、マグネシウム合金の表面を有機酸または有機酸の可溶性塩の水溶液で処理し、マグネシウム合金表面に有機酸との難溶性塩を形成する技術が提案(特開平9−241861号公報)されている。又、亜鉛イオン、マンガンイオン、リン酸イオン、フッ素化合物、皮膜形成助剤、ニッケルイオン、コバルトイオン、銅イオンを含む水溶液で処理する技術が提案(特開平9−24338号公報)されている。又、マグネシウムベース金属成形体を過マンガン酸またはマンガン酸の水溶性塩の少なくとも一種を含む水溶液で処理する技術が提案(特開平8−35073号公報)されている。
【0008】
そして、アルミニウム合金に対しては上記のようなアルミニウム合金用の表面処理技術を用いて処理し、又、マグネシウム合金に対しては上記のようなマグネシウム合金用の表面処理技術を用いて処理することが考えられる。
【0009】
しかしながら、マグネシウム合金とアルミニウム合金とが混在した製品において、アルミニウム合金用の表面処理技術はマグネシウム合金に対しては良好な化成皮膜を形成できず、逆に、マグネシウム合金用の表面処理技術はアルミニウム合金に対しては良好な化成皮膜を形成できない。その理由は、アルミニウム合金とマグネシウム合金とでは、化学反応性が異なるからであると考えられる。
【0010】
一般に、化成処理では、その反応機構からも判る通り、表面のエッチングに追随して化成皮膜が形成される。従って、良好な化成皮膜を形成させる為には、化成処理におけるエッチング量を適正範囲内にコントロールすることが重要である。エッチング量は材料のイオン化傾向によって決まる。そして、マグネシウム合金とアルミニウム合金とが混在した製品にあっては、イオン化傾向の大きなマグネシウムが優先的にエッチングされる。この為、マグネシウム合金部材とアルミニウム合金部材とのエッチング量を共に適正化することは極めて困難であり、良好な化成皮膜を形成できない。
【0011】
又、マグネシウム合金とアルミニウム合金とが混在した製品から溶出する金属イオン(マグネシウムイオンやアルミニウムイオン)も、化成処理性に悪影響を及ぼす。すなわち、前記金属製品を連続的に表面処理した場合、処理液中にアルミニウムイオンとマグネシウムイオンとが同時に蓄積される。そして、これらのイオンは良好な化成皮膜の形成を妨害し、耐蝕性や塗膜密着性を劣化せしめる。
【0012】
従って、本発明が解決しようとする第1の課題は、マグネシウム合金とアルミニウム合金とが混在した製品において、緻密で良好な皮膜を形成でき、すなわちマグネシウム合金部材に対してもアルミニウム合金部材に対しても耐蝕性や塗膜密着性に優れた皮膜を形成できる技術を提供することである。
【0013】
第2の課題は、耐蝕性や塗膜密着性に優れた皮膜を、マグネシウム合金とアルミニウム合金とが混在した製品に対して同時に形成できる技術を提供することである。
【0014】
第3の課題は、マグネシウム合金とアルミニウム合金とが混在した製品から溶出するマグネシウムイオンやアルミニウムイオンからの悪影響を小さくし、耐蝕性や塗膜密着性に優れた皮膜を形成できる技術を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決する為の検討が本発明者によって鋭意押し進められて行った結果、チタンイオン、フィチン酸、硝酸イオン、及びフッ素イオンを含有する表面処理剤を用いることによって、前記課題を解決できることを見出すに至った。
【0016】
すなわち、アルミニウム合金材とマグネシウム合金材とが混在した製品の表面処理剤であって、
チタンイオンとフィチン酸と硝酸イオンと遊離フッ素イオンとを含有し、
前記チタンイオンの含有量はTi換算量で0.3〜6g/Lであり、
前記フィチン酸の含有量は0.3〜6g/Lであり、
前記硝酸イオンの含有量はNO 3 換算量で0.1〜10g/Lであり、
前記遊離フッ素イオンの含有量はF換算量で0.03〜0.3g/Lである
ことを特徴とする表面処理剤によって解決される。
特に、アルミニウム合金材とマグネシウム合金材とが混在した製品を同時に表面処理する際に用いられる表面処理剤であって、
チタンイオンとフィチン酸と硝酸イオンと遊離フッ素イオンとを含有し、
前記チタンイオンの含有量はTi換算量で0.3〜6g/Lであり、
前記フィチン酸の含有量は0.3〜6g/Lであり、
前記硝酸イオンの含有量はNO 3 換算量で0.1〜10g/Lであり、
前記遊離フッ素イオンの含有量はF換算量で0.03〜0.3g/Lである
ことを特徴とする表面処理剤によって解決される。
【0017】
又、上記の表面処理剤を用いてアルミニウム合金材とマグネシウム合金材とが混在した製品を処理することを特徴とする表面処理方法によって解決される。
【0018】
特に、上記の表面処理剤を用いてアルミニウム合金材とマグネシウム合金材とが混在した製品を同時に処理することを特徴とする表面処理方法によって解決される。
【0019】
更には、上記表面処理した後、塗装することを特徴とする表面処理方法によって解決される。
【0020】
又、上記表面処理方法が施されてなる
ことを特徴とするアルミニウム合金材とマグネシウム合金材とが混在した製品によって解決される。
【0021】
本発明において、硝酸イオンを用いるのは、処理対象物である製品から溶出したマグネシウムイオンによる悪影響を防止する為である。すなわち、表面処理剤中に含まれている硝酸イオンによって溶出したマグネシウムイオンを捕捉し、以ってマグネシウムイオンによる悪影響を防止する。この時、製品から溶出したマグネシウムイオンと硝酸イオンとが1:2〜1:5(モル比)の割合であるよう硝酸イオン量をコントロールしていることが好ましい。これは、前記モル比が1:2未満の小さ過ぎるものになると、処理液中にスラッジが発生する傾向が有り、耐蝕性や塗膜密着性に優れた化成皮膜が出来難くなるからである。逆に、1:5を越えて大きなものになっても、処理性能上は問題ないものの、排水処理コストが高くなるからである。より好ましくは、1:2〜1:3(モル比)である。又、同様な理由から、硝酸イオン含有量はNO3換算して0.1〜10g/Lであることが好ましい。より好ましくは、0.1〜6g/Lである。硝酸イオンの供給源としては、一般的には、HNO3である。尚、その塩を用いることも出来る。
【0022】
本発明において、処理液中に蓄積したアルミニウムイオンに対しては、フッ素化合物で錯体化することにより、その悪影響を防止する。この時、アルミニウムイオンと化成処理液中の全フッ素とが1:2〜1:5(モル比)の範囲内のものとなるように、かつ、遊離フッ素イオンの濃度が0.03〜0.3g/Lの範囲内のものとなるようにフッ素化合物の量をコントロールすることが好ましい。これは、前記モル比が1:2未満の小さ過ぎたり、又、遊離フッ素イオンの濃度が0.03g/L未満の小さ過ぎるものになると、処理液中にスラッジが発生する傾向が有るからである。逆に、前記モル比が1:5を越えて大きくなり過ぎたり、又、遊離フッ素イオンの濃度が0.3g/Lを越えて大きなものになると、アルミニウム合金部材に対するエッチングが過多になる傾向が有り、良好な化成皮膜の形成が妨げられ、耐蝕性や塗膜密着性に優れた化成皮膜が出来難くなる。より好ましくは、アルミニウムイオンと化成処理液中の全フッ素とが1:3〜1:4(モル比)である。又、遊離フッ素イオンの濃度が0.03〜0.1g/Lである。フッ素イオンの供給源としては、HF,NaF,KF,NH4F,NH4HF,H2SiF6等が用いられる。
【0023】
本発明において、チタンイオン及びフィチン酸を用いるのは、皮膜を形成する為である。すなわち、アルミニウム合金に対しては、フィチン酸チタン、フィチン酸アルミニウム、二酸化チタン、水酸化チタン等の複合皮膜が形成される。マグネシウム合金に対しては、フィチン酸チタン、フィチン酸マグネシウム、二酸化チタン、水酸化チタン等の皮膜(特に、複合皮膜)が形成される。そして、この皮膜、特に、複合皮膜は、耐蝕性および塗膜密着性に優れている。フィチン酸含有量は0.3〜6g/L、更には1〜3g/Lであることが好ましい。又、チタンイオン含有量はTi換算して0.3〜6g/L、更には1〜3g/Lであることが好ましい。これは、フィチン酸やチタンイオンの量が少な過ぎると、緻密な皮膜が形成され難く、耐蝕性や塗膜密着性に優れた皮膜となり難いからであ。逆に、フィチン酸やチタンイオンの量が多すぎると、粗な皮膜が形成され易く、耐蝕性や塗膜密着性に優れた皮膜となり難いからである。チタンイオンの供給源としては、H2TiF6,LiTiF6,(NH4)2TiF6,TiOSO4,Ti(SO4)2等が用いられる。
【0024】
本発明の表面処理剤には好ましくは酸化剤が含まれる。例えば、過酸化水素、過マンガン酸、亜硝酸などの酸化剤が含まれる。すなわち、前記のような酸化剤を添加しておくことによって、化成皮膜の析出効率が向上する。含有量は、好ましくは0.1〜1g/Lである。
【0025】
本発明の表面処理剤には好ましくはキレート剤が含まれる。例えば、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸、グルコン酸ナトリウム、ヘプトグルコン酸ナトリウム等のキレート剤が含まれる。すなわち、前記のようなキレート剤を添加しておくことによって、製品から溶出する鉄、銅、ニッケル等の重金属イオンが抑制される。含有量は、好ましくは0.1〜1g/Lである。
【0026】
本発明において、処理剤のpHは2〜6であるのが好ましい。これは、pHが2未満の低すぎるものであると、アルミニウム合金やマグネシウム合金に対するエッチングが過ぎるものとなり、化成皮膜の生成効率が低下し、又、スマットが皮膜中に多く介在する傾向があり、耐蝕性や塗膜密着性が低下する傾向が認められたからである。逆に、pHが6を越えて高すぎるものであると、エッチング不足となり、適正な皮膜付着量が得られ難くなり、又、処理液の安定性が悪くなる傾向が認められたからである。より好ましくは2.5〜4である。pHの調整には、硫酸、硝酸、フッ酸、ケイフッ化水素酸、リン酸、シュウ酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸などの酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、炭酸ナトリウムなどのアルカリを適宜用いることによって行える。
【0027】
本発明の表面処理(化成処理)に先立って製品表面に残存する油分などの汚染物を洗浄・除去することが好ましい。洗浄剤として特別な制約は無いが、アルカリ金属の水酸化物、リン酸塩、ケイ酸塩、炭酸塩などのアルカリビルダーに界面活性剤を配合したものを用いることが出来る。表面が強度に汚染されている場合には、アルカリ洗浄後に硫酸、硝酸、フッ酸、リン酸、有機酸などによる酸洗浄を行う。
【0028】
化成処理後には、水洗、純水洗を行い、そして乾燥する。乾燥条件は、例えば80〜120℃で2〜10分である。
【0029】
本発明において、化成皮膜付着量は、チタン付着量に換算して10〜300mg/m2の範囲内であるのが好ましい。これは、付着量が10mg/m2未満の薄すぎる場合には、皮膜の耐蝕性が低下する傾向が有るからによる。300mg/m2を越えて厚すぎる場合には、皮膜が粗いものになり、耐蝕性や塗膜密着性が低下する傾向が有るからによる。尚、化成皮膜付着量は、処理時間や処理液温度をコントロールすることにより制御できる。
【0030】
本発明の表面処理が行われた後、好ましくは塗装処理が行われる。例えば、電着塗装、粉体塗装、溶剤塗装、水系塗装などの塗装処理が行われる。特に、電着塗装や粉体塗装が行われた場合には、耐蝕性が一段と向上する。
【0031】
本発明において、アルミニウム合金材とマグネシウム合金材とが混在した製品とは、アルミニウム合金が用いられて構成された部分とマグネシウム合金が用いられて構成された部分とが一つの製品に共存しているものであれば良い。 アルミニウム合金としては、如何なるものでも良いが、例えばADC12,ADC6,ADC3等の鋳造用アルミニウム合金、A1050,A2014,A3004等の展伸用アルミニウム合金などが挙げられる。マグネシウム合金としては、如何なるものでも良いが、例えばAZ91,AM60,ZK51,ZK61等の鋳造用マグネシウム合金、AZ31,AZ61,ZK61等の展伸用マグネシウム合金などが挙げられる。
【0032】
【発明の実施の形態】
本発明になる表面処理(化成処理)剤は、アルミニウム合金材とマグネシウム合金材とが混在した製品の表面処理剤であって、チタンイオンと、フィチン酸と、硝酸イオンと、遊離フッ素イオンとを含有する。
【0033】
上記硝酸イオン含有量はNO3換算量で0.1〜10g/Lであることが好ましい。より好ましくは、0.1〜6g/Lである。又、製品から溶出したマグネシウムイオンと硝酸イオンとが1:2〜1:5(モル比)の割合であるよう硝酸イオン量がコントロールされていることが好ましい。より好ましくは、1:2〜1:3(モル比)である。硝酸イオンの供給源としては、一般的には、HNO3である。尚、その塩を用いることも出来る。
【0034】
全フッ素の含有量は、アルミニウムイオンと化成処理液中の全フッ素とが1:2〜1:5(モル比)であることが好ましい。より好ましくは1:3〜1:4(モル比)である。又、遊離フッ素イオンの濃度が0.03〜0.3g/Lであることが好ましい。より好ましくは0.03〜0.1g/Lである。フッ素イオンの供給源としては、HF,NaF,KF,NH4F,NH4HF,H2SiF6等が用いられる。
【0035】
上記フィチン酸含有量は0.3〜6g/L、更には1〜3g/Lであることが好ましい。又、チタンイオン含有量はTi換算量で0.3〜6g/L、更には1〜3g/Lであることが好ましい。チタンイオンの供給源としては、例えばH2TiF6,LiTiF6,(NH4)2TiF6,TiOSO4,Ti(SO4)2等が用いられる。
【0036】
本発明の表面処理剤は好ましくは酸化剤を含む。例えば、過酸化水素、過マンガン酸、亜硝酸などの酸化剤が含まれる。含有量は、好ましくは0.1〜1g/Lである。
【0037】
本発明の表面処理剤は好ましくはキレート剤を含む。例えば、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸、グルコン酸ナトリウム、ヘプトグルコン酸ナトリウム等のキレート剤が含まれる。含有量は、好ましくは0.1〜1g/Lである。
【0038】
処理液中の成分の濃度は従来慣用の方法で測定する。すなわち、アルミニウムイオン濃度及びマグネシウムイオン濃度については、原子吸光光度法を用い、硝酸イオン濃度については、イオンクロマトグラフ法を用い、フッ素イオン濃度については、フッ素蒸留法によってフッ素イオンを抽出した後、イオンクロマトグラフ法を用いて測定する。尚、いずれの成分も、予め、既知で異なる濃度のサンプルを用いて測定強度−濃度の検量線を作成し、次に、同様の条件で本発明の化成処理液のものについて測定し、前記検量線を用いて濃度を求める。
【0039】
本発明において、処理剤のpHは2〜6であるのが好ましい。より好ましくは2.5〜4である。pHの調整には、硫酸、硝酸、フッ酸、ケイフッ化水素酸、リン酸、シュウ酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸などの酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、炭酸ナトリウムなどのアルカリを適宜用いることによって行える。
【0040】
本発明において、化成皮膜付着量は、チタン付着量に換算して10〜300mg/m2の範囲内であるのが好ましい。
【0041】
皮膜付着量は従来慣用の方法で測定される。すなわち、既知で異なる付着量のサンプルを用いて測定することにより強度(cps)−付着量の検量線を作成し、次に同様の条件で本発明の化成処理したものからサンプルを切り出して測定し、前記検量線を用いて付着量を求める。
【0042】
本発明になる表面処理方法は、上記の表面処理剤を用いてアルミニウム合金材とマグネシウム合金材とが混在した製品を処理する方法である。特に、上記の表面処理剤を用いてアルミニウム合金材とマグネシウム合金材とが混在した製品を同時に処理する方法である。更には、上記表面処理した後、塗装する方法である。例えば、電着塗装、粉体塗装、溶剤塗装、水系塗装などの塗装処理が行われる。
【0043】
本発明の表面処理(化成処理)に先立って製品表面に残存する油分などの汚染物を洗浄・除去することが好ましい。洗浄剤として特別な制約は無いが、アルカリ金属の水酸化物、リン酸塩、ケイ酸塩、炭酸塩などのアルカリビルダーに界面活性剤を配合したものを用いることが出来る。表面が強度に汚染されている場合には、アルカリ洗浄後に硫酸、硝酸、フッ酸、リン酸、有機酸などによる酸洗浄を行う。化成処理後には、水洗、純水洗を行い、そして乾燥する。乾燥条件は、例えば80〜120℃で2〜10分である。
【0044】
本発明になる製品は、アルミニウム合金材とマグネシウム合金材とが混在した製品であって、上記の表面処理方法が施されたものである。
【0045】
以下、具体的な実施例を挙げて説明する。
【0046】
【実施例1】
アルミニウム合金(ADC12)ダイキャスト材(ASTM規格品、100×100×1mm)とマグネシウム合金(AZ91D)ダイキャスト材(ASTM規格品、100×100×1mm)とが混在した金属製品を用意した。
【0047】
先ず、弱アルカリ脱脂剤(商標:ファインクリーナー359、日本パーカライジング社製、薬剤濃度30g/L)を用い、前記金属製品を温度60℃で2分の条件で脱脂した。
【0048】
次に、温度40℃で1分の条件で、下記の組成の水溶液(化成処理液)を用いて化成処理した。
【0049】
〔処理液組成〕
フィチン酸 1.5g/L
チタンイオン 1.5g/L
硝酸イオン 0.1g/L
遊離フッ素イオン(10%HF水溶液で調整) 0.1g/L
アルミニウムイオン 0
マグネシウムイオン 0
pH(10%NaOH水溶液で調整) 3.0
このようにして形成された化成皮膜の厚さは、アルミニウム合金ADC12部分については51mg/m2(チタン付着量で示す)であり、マグネシウム合金AZ91D部分については53mg/m2(チタン付着量で示す)であった。
【0050】
上記化成処理した後、カチオン電着塗装(LT−200H、関西ペイント社製、塗膜厚20〜25μm)を行い、150℃で20分の条件で乾燥した。
【0051】
【実施例2】
実施例1は未使用状態の処理液を用いて化成処理したのであるが、本実施例は使用済みの処理液を用いて化成処理した。すなわち、実施例1の化成処理によりアルミニウムイオンが0.1g/L、マグネシウムイオンが0.15g/Lの濃度になった老化液を用い、実施例1と同様に行った。
【0052】
尚、化成処理液は、10%HF水溶液を添加して遊離フッ素イオン濃度を0.1g/Lに、かつ、アルミニウムイオンと全フッ素とのモル比が1:3となるように調整した。又、10%硝酸水溶液を添加してマグネシウムイオンと硝酸イオンとのモル比が1:2となるように調整した。
【0053】
このようにして形成された化成皮膜の厚さは、アルミニウム合金ADC12部分については48mg/m2(チタン付着量で示す)であり、マグネシウム合金AZ91D部分については50mg/m2(チタン付着量で示す)であった。
【0054】
【実施例3】
実施例2と同様に行った。但し、実施例1の化成処理によりアルミニウムイオンが0.3g/L、マグネシウムイオンが0.45g/Lの濃度になった老化液を用い、実施例2と同様に行った。
【0055】
尚、化成処理液は、10%HF水溶液を添加して遊離フッ素イオン濃度を0.1g/Lに、かつ、アルミニウムイオンと全フッ素とのモル比が1:3となるように調整した。又、10%硝酸水溶液を添加してマグネシウムイオンと硝酸イオンとのモル比が1:2となるように調整した。
【0056】
このようにして形成された化成皮膜の厚さは、アルミニウム合金ADC12部分については49mg/m2(チタン付着量で示す)であり、マグネシウム合金AZ91D部分については48mg/m2(チタン付着量で示す)であった。
【0057】
【実施例4】
実施例3の化成処理液に0.3g/Lの割合で酸化剤(過酸化水素)を添加したものを用いて、実施例3と同様に行った。
【0058】
このようにして形成された化成皮膜の厚さは、アルミニウム合金ADC12部分については55mg/m2(チタン付着量で示す)であり、マグネシウム合金AZ91D部分については53mg/m2(チタン付着量で示す)であった。
【0059】
【実施例5】
実施例3の化成処理液に0.3g/Lの割合でキレート剤(エチレンジアミン四酢酸)を添加したものを用いて、実施例3と同様に行った。
【0060】
このようにして形成された化成皮膜の厚さは、アルミニウム合金ADC12部分については50mg/m2(チタン付着量で示す)であり、マグネシウム合金AZ91D部分については49mg/m2(チタン付着量で示す)であった。
【0061】
【比較例1】
実施例1で用いた化成処理剤の代わりに、アルミニウム合金用のノンクロム化成剤(日本パーカライジング社製のアロジン404(登録商標)、リン酸ジルコニウム系化成剤、濃度:20g/L)を用いて同様に行った。
【0062】
このようにして形成された化成皮膜の厚さは、アルミニウム合金ADC12部分については42mg/m2(ジルコニウム付着量で示す)であり、マグネシウム合金AZ91D部分については69mg/m2(ジルコニウム付着量で示す)であった。
【0063】
【比較例2】
実施例1で用いた化成処理剤の代わりに、マグネシウム合金用のノンクロム化成剤(日本パーカライジング社製のマグボンドP20(登録商標)、リン酸マンガン系化成剤、濃度:40g/L)を用いて同様に行った。
【0064】
このようにして形成された化成皮膜の厚さは、アルミニウム合金ADC12部分については92mg/m2(マンガン付着量で示す)であり、マグネシウム合金AZ91D部分については78mg/m2(マンガン付着量で示す)であった。
【0065】
【特性】
上記各例の製品について、その耐蝕性、塗膜密着性を調べたので、結果を下記の表に示す。
【0066】
[化成処理後耐蝕性評価]
JIS Z 2371に準じた塩水噴霧試験を行った。試験時間は48時間であり、耐蝕性を黙視により評価した。評価基準は次の通りである。
◎:腐食面積率1%未満
○:腐食面積率1%以上3%未満
△:腐食面積率3%以上5%未満
×:腐食面積率5%以上
【0067】
[塗装処理後耐蝕性評価]
JIS Z 2371に準じた塩水噴霧試験を行った。尚、予めクロスカットを施したサンプルを720時間の試験に供し、試験後のクロスカットからの片側膨れ幅で評価した。評価基準は次の通りである。
◎:クロスカットからの膨れ幅1mm未満
○:クロスカットからの膨れ幅1mm以上3mm未満
△:クロスカットからの膨れ幅3mm以上5mm未満
×:クロスカットからの膨れ幅5mm以上
【0068】
[塗膜密着性評価(碁盤目テープ剥離法)]
JIS K 5400に準じた碁盤目テープ剥離試験を行った。NTカッターで塗膜面上に1mm×1mmの碁盤目を100個入れて評価した。評価基準は次の通りである。
◎:塗膜剥離なし
○:塗膜残存数98/100以上100/100未満
△:塗膜残存数95/100以上98/100未満
×:塗膜残存数95/100未満
【0069】
[塗膜密着性評価(SAICAS法)]
表面−界面物性解析装置(大日本プラスチック社製サイカスAN型)を用い、塗膜の付着強度を測定した。本試験の測定原理は、鋭利な切刃を用いて塗膜と素地の界面を連続切削するもので、界面切削中の強度から単位面積当たりの塗膜の付着強度を求めるものである。測定条件は、塗膜の切削速度が240μm/min、押込荷重4.5〜11.8N、切削幅0.4cmである。評価基準は次の通りである。
◎:塗膜付着強度3.92kN/m以上
○:塗膜付着強度1.96kN/m以上3.92kN/m未満
△:塗膜付着強度1.57kN/m以上1.96kN/m未満
×:塗膜付着強度1.57kN/m未満
【0070】
この表から判る通り、本発明の表面処理剤は、アルミニウム合金部分においてもマグネシウム合金部分においても、共に、耐蝕性および塗膜密着性に優れた化成皮膜が形成できているのに対して、従来の表面処理剤は、アルミニウム合金部分において耐蝕性および塗膜密着性に優れている場合には、マグネシウム合金部分において耐蝕性および塗膜密着性が悪く、逆に、マグネシウム合金部分において耐蝕性および塗膜密着性に優れている場合には、アルミニウム合金部分において耐蝕性および塗膜密着性が悪く、本発明が奏するような特長が得られ無い。
【0071】
【発明の効果】
アルミニウム合金部分においてもマグネシウム合金部分においても、共に、耐蝕性および塗膜密着性に優れた化成皮膜が形成できる。特に、アルミニウム合金部分においてもマグネシウム合金部分に対しても、一度の化成処理で、耐蝕性および塗膜密着性に優れた化成皮膜を同時に形成できる。更には、クロム化合物を用いないので、環境上からも好ましい。
Claims (15)
- アルミニウム合金材とマグネシウム合金材とが混在した製品の表面処理剤であって、
チタンイオンとフィチン酸と硝酸イオンと遊離フッ素イオンとを含有し、
前記チタンイオンの含有量はTi換算量で0.3〜6g/Lであり、
前記フィチン酸の含有量は0.3〜6g/Lであり、
前記硝酸イオンの含有量はNO 3 換算量で0.1〜10g/Lであり、
前記遊離フッ素イオンの含有量はF換算量で0.03〜0.3g/Lである
ことを特徴とする表面処理剤。 - アルミニウム合金材とマグネシウム合金材とが混在した製品を同時に表面処理する際に用いられる表面処理剤であって、
チタンイオンとフィチン酸と硝酸イオンと遊離フッ素イオンとを含有し、
前記チタンイオンの含有量はTi換算量で0.3〜6g/Lであり、
前記フィチン酸の含有量は0.3〜6g/Lであり、
前記硝酸イオンの含有量はNO 3 換算量で0.1〜10g/Lであり、
前記遊離フッ素イオンの含有量はF換算量で0.03〜0.3g/Lである
ことを特徴とする表面処理剤。 - 表面処理対象の製品から溶出したマグネシウムイオンと硝酸イオンとが1:2〜1:5(モル比)の割合であるよう硝酸イオンを含有することを特徴とする請求項1又は請求項2の表面処理剤。
- 表面処理対象の製品から溶出したアルミニウムイオンと全フッ素とが1:2〜1:5(モル比)であるようF化合物を含有することを特徴とする請求項1又は請求項2の表面処理剤。
- 更に酸化剤を含有することを特徴とする請求項1〜請求項4いずれかの表面処理剤。
- 酸化剤含有量が0.1〜1g/Lであることを特徴とする請求項5の表面処理剤。
- 更にキレート剤を含有することを特徴とする請求項1〜請求項6いずれかの表面処理剤。
- キレート剤含有量が0.1〜1g/Lであることを特徴とする請求項7の表面処理剤。
- pHが2〜6であることを特徴とする請求項1〜請求項8いずれかの表面処理剤。
- 請求項1〜請求項9いずれかの表面処理剤を用いてアルミニウム合金材とマグネシウム合金材とが混在した製品を処理することを特徴とする表面処理方法。
- 請求項1〜請求項9いずれかの表面処理剤を用いてアルミニウム合金材とマグネシウム合金材とが混在した製品を同時に処理することを特徴とする表面処理方法。
- 表面処理剤を用いて処理した後、塗装することを特徴とする請求項10又は請求項11の表面処理方法。
- 表面処理対象の製品から溶出したマグネシウムイオンと硝酸イオンとが1:2〜1:5(モル比)の割合であるよう硝酸イオンの量を制御することを特徴とする請求項10〜請求項12いずれかの表面処理方法。
- 表面処理対象の製品から溶出したアルミニウムイオンと全フッ素とが1:2〜1:5(モル比)であるようにF化合物の量を制御することを特徴とする請求項9〜請求項12いずれかの表面処理方法。
- アルミニウム合金材とマグネシウム合金材とが混在した製品であって、
請求項10〜請求項14いずれかの表面処理方法が施されてなる
ことを特徴とするアルミニウム合金材とマグネシウム合金材とが混在した製品。
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