JP2003253459A - 表面処理剤、表面処理方法、及び表面処理された製品 - Google Patents
表面処理剤、表面処理方法、及び表面処理された製品Info
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Abstract
在した製品において、緻密で良好な皮膜を形成でき、す
なわちマグネシウム合金部材に対してもアルミニウム合
金部材に対しても耐蝕性や塗膜密着性に優れた皮膜を形
成できる技術を提供することである。 【解決手段】 アルミニウム合金材とマグネシウム合金
材とが混在した製品の表面処理剤であって、チタンイオ
ンと、フィチン酸と、硝酸イオンと、遊離フッ素イオン
とを含有する。
Description
材とマグネシウム合金材とが混在した製品の表面処理
剤、表面処理方法、及び表面処理された製品に関する。
特に、アルミニウム合金材とマグネシウム合金材とが混
在した製品において、いずれの合金表面にも良好な化成
皮膜が形成でき、耐蝕性と塗膜密着性とに優れたものと
なる技術に関する。
観点から、自動車、二輪自動車や自転車、各種家電製
品、更には航空機など様々な分野において、軽量性・リ
サイクル性に優れたアルミニウムやその合金(本明細書
では、単に、アルミニウム合金と称する。)並びにマグ
ネシウムやその合金(本明細書では、単に、マグネシウ
ム合金と称する。)を積極的に利用する動きが高まって
いる。例えば、自動車や二輪自動車の分野では、軽量・
燃費向上の観点から、これまで鉄を使用していた部材に
アルミニウム合金を、アルミニウム合金を使用していた
部材にマグネシウム合金を利用しようとする動きが増え
ている。又、ノートパソコン、携帯電話、ビデオカメラ
等の家電製品の場合にあっても、その筐体として、従来
ではプラスチックが用いられて来たものの、プラスチッ
クよりも高強度でリサイクル性に優れたマグネシウム合
金を利用するケースが増えている。
点から、種々の表面処理が施され、この後で塗装される
場合が多い。前記表面処理の目的は、材料表面に残存す
る油分などの汚染物を除去し、緻密で均一な化成皮膜を
形成し、優れた耐蝕性と塗膜密着性を付与することにあ
る。
ム合金に対する表面処理技術として、これまで、多くの
発明が提案されており、又、実用化もされている。表面
処理剤としては、大別すると、6価クロムを含有するク
ロメート型のものと、6価クロムを含有しないノンクロ
メート型のものとが知られている。クロメート型の表面
処理剤は、ノンクロメート型のものに比べて安価で性能
的にも優れている等の利点を有しているものの、人体に
有害な6価クロムを含んでいると言う大きな問題を抱え
ている。この為、近年では、ノンクロメート型のものに
移行しつつある。
表面処理技術について説明する。
型の表面処理技術としては、ジルコニウムイオン、リン
酸イオン、有効フッ素イオン、バナジウムイオンを含む
酸性水溶液を用いて処理する技術が提案(特開平1−2
46370号公報)されている。又、硫酸第二鉄を含有
する水溶液、又は硫酸第二鉄と、硫酸、硝酸、リン酸の
いずれか一種または二種以上の無機酸を含有する水溶液
で処理する技術も提案(特開平6−33266号公報)
されている。又、正リン酸、メタリン酸、ピロリン酸、
三リン酸、四リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、ポリリン
酸、ヘテロポリリン酸の中の少なくとも一種を含む水溶
液で処理する技術が提案(特開平7−90614号公
報)されている。又、ケイ酸塩を含む水溶液で50℃以
上の温熱処理を行い、表面にSi付着量で1〜20mg
/m2の化成皮膜を形成する技術が提案(特開平8−1
44064号公報)されている。
硝酸、硫酸およびリン酸の群の中から選択される少なく
とも一種を含む腐食液を塗布して耐蝕性保護皮膜を形成
する技術が提案(特開平5−58073号公報)されて
いる。又、金属アルコキシド、金属アセチルアセテー
ト、金属カルボキシレートの群の中から選ばれる少なく
とも一種と、酸、アルカリ及びその塩類、又は水酸基、
カルボキシル基、アミノ基のいずれかを有する有機化合
物の群の中から選ばれる少なくとも一種を含む皮膜形成
助剤を用いる技術が提案(特開平9−228062号公
報)されている。又、マグネシウム合金の表面を有機酸
または有機酸の可溶性塩の水溶液で処理し、マグネシウ
ム合金表面に有機酸との難溶性塩を形成する技術が提案
(特開平9−241861号公報)されている。又、亜
鉛イオン、マンガンイオン、リン酸イオン、フッ素化合
物、皮膜形成助剤、ニッケルイオン、コバルトイオン、
銅イオンを含む水溶液で処理する技術が提案(特開平9
−24338号公報)されている。又、マグネシウムベ
ース金属成形体を過マンガン酸またはマンガン酸の水溶
性塩の少なくとも一種を含む水溶液で処理する技術が提
案(特開平8−35073号公報)されている。
のようなアルミニウム合金用の表面処理技術を用いて処
理し、又、マグネシウム合金に対しては上記のようなマ
グネシウム合金用の表面処理技術を用いて処理すること
が考えられる。
ニウム合金とが混在した製品において、アルミニウム合
金用の表面処理技術はマグネシウム合金に対しては良好
な化成皮膜を形成できず、逆に、マグネシウム合金用の
表面処理技術はアルミニウム合金に対しては良好な化成
皮膜を形成できない。その理由は、アルミニウム合金と
マグネシウム合金とでは、化学反応性が異なるからであ
ると考えられる。
も判る通り、表面のエッチングに追随して化成皮膜が形
成される。従って、良好な化成皮膜を形成させる為に
は、化成処理におけるエッチング量を適正範囲内にコン
トロールすることが重要である。エッチング量は材料の
イオン化傾向によって決まる。そして、マグネシウム合
金とアルミニウム合金とが混在した製品にあっては、イ
オン化傾向の大きなマグネシウムが優先的にエッチング
される。この為、マグネシウム合金部材とアルミニウム
合金部材とのエッチング量を共に適正化することは極め
て困難であり、良好な化成皮膜を形成できない。
とが混在した製品から溶出する金属イオン(マグネシウ
ムイオンやアルミニウムイオン)も、化成処理性に悪影
響を及ぼす。すなわち、前記金属製品を連続的に表面処
理した場合、処理液中にアルミニウムイオンとマグネシ
ウムイオンとが同時に蓄積される。そして、これらのイ
オンは良好な化成皮膜の形成を妨害し、耐蝕性や塗膜密
着性を劣化せしめる。
課題は、マグネシウム合金とアルミニウム合金とが混在
した製品において、緻密で良好な皮膜を形成でき、すな
わちマグネシウム合金部材に対してもアルミニウム合金
部材に対しても耐蝕性や塗膜密着性に優れた皮膜を形成
できる技術を提供することである。
た皮膜を、マグネシウム合金とアルミニウム合金とが混
在した製品に対して同時に形成できる技術を提供するこ
とである。
ニウム合金とが混在した製品から溶出するマグネシウム
イオンやアルミニウムイオンからの悪影響を小さくし、
耐蝕性や塗膜密着性に優れた皮膜を形成できる技術を提
供することである。
の検討が本発明者によって鋭意押し進められて行った結
果、チタンイオン、フィチン酸、硝酸イオン、及びフッ
素イオンを含有する表面処理剤を用いることによって、
前記課題を解決できることを見出すに至った。
金材とマグネシウム合金材とが混在した製品の表面処理
剤であって、チタンイオンと、フィチン酸と、硝酸イオ
ンと、遊離フッ素イオンとを含有することを特徴とする
表面処理剤によって解決される。
ム合金材とマグネシウム合金材とが混在した製品を処理
することを特徴とする表面処理方法によって解決され
る。
ウム合金材とマグネシウム合金材とが混在した製品を同
時に処理することを特徴とする表面処理方法によって解
決される。
とを特徴とする表面処理方法によって解決される。
を特徴とするアルミニウム合金材とマグネシウム合金材
とが混在した製品によって解決される。
は、処理対象物である製品から溶出したマグネシウムイ
オンによる悪影響を防止する為である。すなわち、表面
処理剤中に含まれている硝酸イオンによって溶出したマ
グネシウムイオンを捕捉し、以ってマグネシウムイオン
による悪影響を防止する。この時、製品から溶出したマ
グネシウムイオンと硝酸イオンとが1:2〜1:5(モ
ル比)の割合であるよう硝酸イオン量をコントロールし
ていることが好ましい。これは、前記モル比が1:2未
満の小さ過ぎるものになると、処理液中にスラッジが発
生する傾向が有り、耐蝕性や塗膜密着性に優れた化成皮
膜が出来難くなるからである。逆に、1:5を越えて大
きなものになっても、処理性能上は問題ないものの、排
水処理コストが高くなるからである。より好ましくは、
1:2〜1:3(モル比)である。又、同様な理由か
ら、硝酸イオン含有量はNO3換算して0.1〜10g
/Lであることが好ましい。より好ましくは、0.1〜
6g/Lである。硝酸イオンの供給源としては、一般的
には、HNO3である。尚、その塩を用いることも出来
る。
ミニウムイオンに対しては、フッ素化合物で錯体化する
ことにより、その悪影響を防止する。この時、アルミニ
ウムイオンと化成処理液中の全フッ素とが1:2〜1:
5(モル比)の範囲内のものとなるように、かつ、遊離
フッ素イオンの濃度が0.03〜0.3g/Lの範囲内
のものとなるようにフッ素化合物の量をコントロールす
ることが好ましい。これは、前記モル比が1:2未満の
小さ過ぎたり、又、遊離フッ素イオンの濃度が0.03
g/L未満の小さ過ぎるものになると、処理液中にスラ
ッジが発生する傾向が有るからである。逆に、前記モル
比が1:5を越えて大きくなり過ぎたり、又、遊離フッ
素イオンの濃度が0.3g/Lを越えて大きなものにな
ると、アルミニウム合金部材に対するエッチングが過多
になる傾向が有り、良好な化成皮膜の形成が妨げられ、
耐蝕性や塗膜密着性に優れた化成皮膜が出来難くなる。
より好ましくは、アルミニウムイオンと化成処理液中の
全フッ素とが1:3〜1:4(モル比)である。又、遊
離フッ素イオンの濃度が0.03〜0.1g/Lであ
る。フッ素イオンの供給源としては、HF,NaF,K
F,NH4F,NH4HF,H2SiF6等が用いられ
る。
ン酸を用いるのは、皮膜を形成する為である。すなわ
ち、アルミニウム合金に対しては、フィチン酸チタン、
フィチン酸アルミニウム、二酸化チタン、水酸化チタン
等の複合皮膜が形成される。マグネシウム合金に対して
は、フィチン酸チタン、フィチン酸マグネシウム、二酸
化チタン、水酸化チタン等の皮膜(特に、複合皮膜)が
形成される。そして、この皮膜、特に、複合皮膜は、耐
蝕性および塗膜密着性に優れている。フィチン酸含有量
は0.3〜6g/L、更には1〜3g/Lであることが
好ましい。又、チタンイオン含有量はTi換算して0.
3〜6g/L、更には1〜3g/Lであることが好まし
い。これは、フィチン酸やチタンイオンの量が少な過ぎ
ると、緻密な皮膜が形成され難く、耐蝕性や塗膜密着性
に優れた皮膜となり難いからであ。逆に、フィチン酸や
チタンイオンの量が多すぎると、粗な皮膜が形成され易
く、耐蝕性や塗膜密着性に優れた皮膜となり難いからで
ある。チタンイオンの供給源としては、H2TiF6,
LiTiF6,(NH4)2TiF6,TiOSO4,
Ti(SO4)2等が用いられる。
が含まれる。例えば、過酸化水素、過マンガン酸、亜硝
酸などの酸化剤が含まれる。すなわち、前記のような酸
化剤を添加しておくことによって、化成皮膜の析出効率
が向上する。含有量は、好ましくは0.1〜1g/Lで
ある。
ト剤が含まれる。例えば、エチレンジアミン四酢酸、ニ
トリロ三酢酸、グルコン酸ナトリウム、ヘプトグルコン
酸ナトリウム等のキレート剤が含まれる。すなわち、前
記のようなキレート剤を添加しておくことによって、製
品から溶出する鉄、銅、ニッケル等の重金属イオンが抑
制される。含有量は、好ましくは0.1〜1g/Lであ
る。
あるのが好ましい。これは、pHが2未満の低すぎるも
のであると、アルミニウム合金やマグネシウム合金に対
するエッチングが過ぎるものとなり、化成皮膜の生成効
率が低下し、又、スマットが皮膜中に多く介在する傾向
があり、耐蝕性や塗膜密着性が低下する傾向が認められ
たからである。逆に、pHが6を越えて高すぎるもので
あると、エッチング不足となり、適正な皮膜付着量が得
られ難くなり、又、処理液の安定性が悪くなる傾向が認
められたからである。より好ましくは2.5〜4であ
る。pHの調整には、硫酸、硝酸、フッ酸、ケイフッ化
水素酸、リン酸、シュウ酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石
酸などの酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アン
モニア、炭酸ナトリウムなどのアルカリを適宜用いるこ
とによって行える。
製品表面に残存する油分などの汚染物を洗浄・除去する
ことが好ましい。洗浄剤として特別な制約は無いが、ア
ルカリ金属の水酸化物、リン酸塩、ケイ酸塩、炭酸塩な
どのアルカリビルダーに界面活性剤を配合したものを用
いることが出来る。表面が強度に汚染されている場合に
は、アルカリ洗浄後に硫酸、硝酸、フッ酸、リン酸、有
機酸などによる酸洗浄を行う。
して乾燥する。乾燥条件は、例えば80〜120℃で2
〜10分である。
ン付着量に換算して10〜300mg/m2の範囲内で
あるのが好ましい。これは、付着量が10mg/m2未
満の薄すぎる場合には、皮膜の耐蝕性が低下する傾向が
有るからによる。300mg/m2を越えて厚すぎる場
合には、皮膜が粗いものになり、耐蝕性や塗膜密着性が
低下する傾向が有るからによる。尚、化成皮膜付着量
は、処理時間や処理液温度をコントロールすることによ
り制御できる。
は塗装処理が行われる。例えば、電着塗装、粉体塗装、
溶剤塗装、水系塗装などの塗装処理が行われる。特に、
電着塗装や粉体塗装が行われた場合には、耐蝕性が一段
と向上する。
グネシウム合金材とが混在した製品とは、アルミニウム
合金が用いられて構成された部分とマグネシウム合金が
用いられて構成された部分とが一つの製品に共存してい
るものであれば良い。 アルミニウム合金としては、如
何なるものでも良いが、例えばADC12,ADC6,
ADC3等の鋳造用アルミニウム合金、A1050,A
2014,A3004等の展伸用アルミニウム合金など
が挙げられる。マグネシウム合金としては、如何なるも
のでも良いが、例えばAZ91,AM60,ZK51,
ZK61等の鋳造用マグネシウム合金、AZ31,AZ
61,ZK61等の展伸用マグネシウム合金などが挙げ
られる。
理)剤は、アルミニウム合金材とマグネシウム合金材と
が混在した製品の表面処理剤であって、チタンイオン
と、フィチン酸と、硝酸イオンと、遊離フッ素イオンと
を含有する。
0.1〜10g/Lであることが好ましい。より好まし
くは、0.1〜6g/Lである。又、製品から溶出した
マグネシウムイオンと硝酸イオンとが1:2〜1:5
(モル比)の割合であるよう硝酸イオン量がコントロー
ルされていることが好ましい。より好ましくは、1:2
〜1:3(モル比)である。硝酸イオンの供給源として
は、一般的には、HNO3である。尚、その塩を用いる
ことも出来る。
と化成処理液中の全フッ素とが1:2〜1:5(モル
比)であることが好ましい。より好ましくは1:3〜
1:4(モル比)である。又、遊離フッ素イオンの濃度
が0.03〜0.3g/Lであることが好ましい。より
好ましくは0.03〜0.1g/Lである。フッ素イオ
ンの供給源としては、HF,NaF,KF,NH4F,
NH4HF,H2SiF6等が用いられる。
L、更には1〜3g/Lであることが好ましい。又、チ
タンイオン含有量はTi換算量で0.3〜6g/L、更
には1〜3g/Lであることが好ましい。チタンイオン
の供給源としては、例えばH2TiF6,LiTi
F6,(NH4)2TiF6,TiOSO4,Ti(S
O4)2等が用いられる。
含む。例えば、過酸化水素、過マンガン酸、亜硝酸など
の酸化剤が含まれる。含有量は、好ましくは0.1〜1
g/Lである。
剤を含む。例えば、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロ
三酢酸、グルコン酸ナトリウム、ヘプトグルコン酸ナト
リウム等のキレート剤が含まれる。含有量は、好ましく
は0.1〜1g/Lである。
測定する。すなわち、アルミニウムイオン濃度及びマグ
ネシウムイオン濃度については、原子吸光光度法を用
い、硝酸イオン濃度については、イオンクロマトグラフ
法を用い、フッ素イオン濃度については、フッ素蒸留法
によってフッ素イオンを抽出した後、イオンクロマトグ
ラフ法を用いて測定する。尚、いずれの成分も、予め、
既知で異なる濃度のサンプルを用いて測定強度−濃度の
検量線を作成し、次に、同様の条件で本発明の化成処理
液のものについて測定し、前記検量線を用いて濃度を求
める。
あるのが好ましい。より好ましくは2.5〜4である。
pHの調整には、硫酸、硝酸、フッ酸、ケイフッ化水素
酸、リン酸、シュウ酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸な
どの酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニ
ア、炭酸ナトリウムなどのアルカリを適宜用いることに
よって行える。
ン付着量に換算して10〜300mg/m2の範囲内で
あるのが好ましい。
る。すなわち、既知で異なる付着量のサンプルを用いて
測定することにより強度(cps)−付着量の検量線を
作成し、次に同様の条件で本発明の化成処理したものか
らサンプルを切り出して測定し、前記検量線を用いて付
着量を求める。
処理剤を用いてアルミニウム合金材とマグネシウム合金
材とが混在した製品を処理する方法である。特に、上記
の表面処理剤を用いてアルミニウム合金材とマグネシウ
ム合金材とが混在した製品を同時に処理する方法であ
る。更には、上記表面処理した後、塗装する方法であ
る。例えば、電着塗装、粉体塗装、溶剤塗装、水系塗装
などの塗装処理が行われる。
製品表面に残存する油分などの汚染物を洗浄・除去する
ことが好ましい。洗浄剤として特別な制約は無いが、ア
ルカリ金属の水酸化物、リン酸塩、ケイ酸塩、炭酸塩な
どのアルカリビルダーに界面活性剤を配合したものを用
いることが出来る。表面が強度に汚染されている場合に
は、アルカリ洗浄後に硫酸、硝酸、フッ酸、リン酸、有
機酸などによる酸洗浄を行う。化成処理後には、水洗、
純水洗を行い、そして乾燥する。乾燥条件は、例えば8
0〜120℃で2〜10分である。
とマグネシウム合金材とが混在した製品であって、上記
の表面処理方法が施されたものである。
スト材(ASTM規格品、100×100×1mm)と
マグネシウム合金(AZ91D)ダイキャスト材(AS
TM規格品、100×100×1mm)とが混在した金
属製品を用意した。
クリーナー359、日本パーカライジング社製、薬剤濃
度30g/L)を用い、前記金属製品を温度60℃で2
分の条件で脱脂した。
組成の水溶液(化成処理液)を用いて化成処理した。
ウム合金ADC12部分については51mg/m2(チ
タン付着量で示す)であり、マグネシウム合金AZ91
D部分については53mg/m2(チタン付着量で示
す)であった。
(LT−200H、関西ペイント社製、塗膜厚20〜2
5μm)を行い、150℃で20分の条件で乾燥した。
成処理したのであるが、本実施例は使用済みの処理液を
用いて化成処理した。すなわち、実施例1の化成処理に
よりアルミニウムイオンが0.1g/L、マグネシウム
イオンが0.15g/Lの濃度になった老化液を用い、
実施例1と同様に行った。
加して遊離フッ素イオン濃度を0.1g/Lに、かつ、
アルミニウムイオンと全フッ素とのモル比が1:3とな
るように調整した。又、10%硝酸水溶液を添加してマ
グネシウムイオンと硝酸イオンとのモル比が1:2とな
るように調整した。
は、アルミニウム合金ADC12部分については48m
g/m2(チタン付着量で示す)であり、マグネシウム
合金AZ91D部分については50mg/m2(チタン
付着量で示す)であった。
の化成処理によりアルミニウムイオンが0.3g/L、
マグネシウムイオンが0.45g/Lの濃度になった老
化液を用い、実施例2と同様に行った。
加して遊離フッ素イオン濃度を0.1g/Lに、かつ、
アルミニウムイオンと全フッ素とのモル比が1:3とな
るように調整した。又、10%硝酸水溶液を添加してマ
グネシウムイオンと硝酸イオンとのモル比が1:2とな
るように調整した。
は、アルミニウム合金ADC12部分については49m
g/m2(チタン付着量で示す)であり、マグネシウム
合金AZ91D部分については48mg/m2(チタン
付着量で示す)であった。
合で酸化剤(過酸化水素)を添加したものを用いて、実
施例3と同様に行った。
は、アルミニウム合金ADC12部分については55m
g/m2(チタン付着量で示す)であり、マグネシウム
合金AZ91D部分については53mg/m2(チタン
付着量で示す)であった。
合でキレート剤(エチレンジアミン四酢酸)を添加した
ものを用いて、実施例3と同様に行った。
は、アルミニウム合金ADC12部分については50m
g/m2(チタン付着量で示す)であり、マグネシウム
合金AZ91D部分については49mg/m2(チタン
付着量で示す)であった。
アルミニウム合金用のノンクロム化成剤(日本パーカラ
イジング社製のアロジン404(登録商標)、リン酸ジ
ルコニウム系化成剤、濃度:20g/L)を用いて同様
に行った。
は、アルミニウム合金ADC12部分については42m
g/m2(ジルコニウム付着量で示す)であり、マグネ
シウム合金AZ91D部分については69mg/m
2(ジルコニウム付着量で示す)であった。
マグネシウム合金用のノンクロム化成剤(日本パーカラ
イジング社製のマグボンドP20(登録商標)、リン酸
マンガン系化成剤、濃度:40g/L)を用いて同様に
行った。
は、アルミニウム合金ADC12部分については92m
g/m2(マンガン付着量で示す)であり、マグネシウ
ム合金AZ91D部分については78mg/m2(マン
ガン付着量で示す)であった。
着性を調べたので、結果を下記の表に示す。
371に準じた塩水噴霧試験を行った。試験時間は48
時間であり、耐蝕性を黙視により評価した。評価基準は
次の通りである。 ◎:腐食面積率1%未満 ○:腐食面積率1%以上3%未満 △:腐食面積率3%以上5%未満 ×:腐食面積率5%以上
371に準じた塩水噴霧試験を行った。尚、予めクロス
カットを施したサンプルを720時間の試験に供し、試
験後のクロスカットからの片側膨れ幅で評価した。評価
基準は次の通りである。 ◎:クロスカットからの膨れ幅1mm未満 ○:クロスカットからの膨れ幅1mm以上3mm未満 △:クロスカットからの膨れ幅3mm以上5mm未満 ×:クロスカットからの膨れ幅5mm以上
法)]JIS K 5400に準じた碁盤目テープ剥離
試験を行った。NTカッターで塗膜面上に1mm×1m
mの碁盤目を100個入れて評価した。評価基準は次の
通りである。 ◎:塗膜剥離なし ○:塗膜残存数98/100以上100/100未満 △:塗膜残存数95/100以上98/100未満 ×:塗膜残存数95/100未満
面−界面物性解析装置(大日本プラスチック社製サイカ
スAN型)を用い、塗膜の付着強度を測定した。本試験
の測定原理は、鋭利な切刃を用いて塗膜と素地の界面を
連続切削するもので、界面切削中の強度から単位面積当
たりの塗膜の付着強度を求めるものである。測定条件
は、塗膜の切削速度が240μm/min、押込荷重
4.5〜11.8N、切削幅0.4cmである。評価基
準は次の通りである。 ◎:塗膜付着強度3.92kN/m以上 ○:塗膜付着強度1.96kN/m以上3.92kN/
m未満 △:塗膜付着強度1.57kN/m以上1.96kN/
m未満 ×:塗膜付着強度1.57kN/m未満
ウム合金部分においてもマグネシウム合金部分において
も、共に、耐蝕性および塗膜密着性に優れた化成皮膜が
形成できているのに対して、従来の表面処理剤は、アル
ミニウム合金部分において耐蝕性および塗膜密着性に優
れている場合には、マグネシウム合金部分において耐蝕
性および塗膜密着性が悪く、逆に、マグネシウム合金部
分において耐蝕性および塗膜密着性に優れている場合に
は、アルミニウム合金部分において耐蝕性および塗膜密
着性が悪く、本発明が奏するような特長が得られ無い。
シウム合金部分においても、共に、耐蝕性および塗膜密
着性に優れた化成皮膜が形成できる。特に、アルミニウ
ム合金部分においてもマグネシウム合金部分に対して
も、一度の化成処理で、耐蝕性および塗膜密着性に優れ
た化成皮膜を同時に形成できる。更には、クロム化合物
を用いないので、環境上からも好ましい。
Claims (18)
- 【請求項1】 アルミニウム合金材とマグネシウム合金
材とが混在した製品の表面処理剤であって、 チタンイオンと、 フィチン酸と、 硝酸イオンと、 遊離フッ素イオンとを含有することを特徴とする表面処
理剤。 - 【請求項2】 チタンイオン含有量がTi換算量で0.
3〜6g/Lであることを特徴とする請求項1の表面処
理剤。 - 【請求項3】 フィチン酸含有量が0.3〜6g/Lで
あることを特徴とする請求項1の表面処理剤。 - 【請求項4】 硝酸イオン含有量がNO3換算量で0.
1〜10g/Lであることを特徴とする請求項1の表面
処理剤。 - 【請求項5】 表面処理対象の製品から溶出したマグネ
シウムイオンと硝酸イオンとが1:2〜1:5(モル
比)の割合であるよう硝酸イオンを含有することを特徴
とする請求項1又は請求項4の表面処理剤。 - 【請求項6】 遊離フッ素イオン含有量がF換算量で
0.03〜0.3g/Lであることを特徴とする請求項
1の表面処理剤。 - 【請求項7】 表面処理対象の製品から溶出したアルミ
ニウムイオンと全フッ素とが1:2〜1:5(モル比)
であるようF化合物を含有することを特徴とする請求項
1又は請求項6の表面処理剤。 - 【請求項8】 更に酸化剤を含有することを特徴とする
請求項1〜請求項7いずれかの表面処理剤。 - 【請求項9】 酸化剤含有量が0.1〜1g/Lである
ことを特徴とする請求項8の表面処理剤。 - 【請求項10】 更にキレート剤を含有することを特徴
とする請求項1〜請求項9いずれかの表面処理剤。 - 【請求項11】 キレート剤含有量が0.1〜1g/L
であることを特徴とする請求項10の表面処理剤。 - 【請求項12】 pHが2〜6であることを特徴とする
請求項1〜請求項11いずれかの表面処理剤。 - 【請求項13】 請求項1〜請求項12いずれかの表面
処理剤を用いてアルミニウム合金材とマグネシウム合金
材とが混在した製品を処理することを特徴とする表面処
理方法。 - 【請求項14】 請求項1〜請求項12いずれかの表面
処理剤を用いてアルミニウム合金材とマグネシウム合金
材とが混在した製品を同時に処理することを特徴とする
表面処理方法。 - 【請求項15】 表面処理剤を用いて処理した後、塗装
することを特徴とする請求項13又は請求項14の表面
処理方法。 - 【請求項16】 表面処理対象の製品から溶出したマグ
ネシウムイオンと硝酸イオンとが1:2〜1:5(モル
比)の割合であるよう硝酸イオンの量を制御することを
特徴とする請求項13〜請求項15いずれかの表面処理
方法。 - 【請求項17】 表面処理対象の製品から溶出したアル
ミニウムイオンと全フッ素とが1:2〜1:5(モル
比)であるようにF化合物の量を制御することを特徴と
する請求項13〜請求項16いずれかの表面処理方法。 - 【請求項18】 アルミニウム合金材とマグネシウム合
金材とが混在した製品であって、 請求項13〜請求項17いずれかの表面処理方法が施さ
れてなることを特徴とするアルミニウム合金材とマグネ
シウム合金材とが混在した製品。
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