JP3286583B2 - マグネシウム含有金属用化成処理液組成物、同表面処理方法及び同表面処理物 - Google Patents
マグネシウム含有金属用化成処理液組成物、同表面処理方法及び同表面処理物Info
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Description
金属材に対する、ノンクロム系の化成処理液組成物、同
表面処理方法及び同表面処理物に関する。
に軽量でその他の金属との合金としてより強力な構成材
として多々利用されるに至っている。しかし、このマグ
ネシウム含有金属材は、酸化成分を含む水との接触によ
り容易に腐食する性質を有するため、清浄処理後に、化
成皮膜をその表面に形成する化成処理、さらには塗装等
の処理が必要とされる。
面処理は、脱脂処理、水洗、化成処理、水洗及び乾燥処
理により実行され、その後、さらに、塗装等の処理が施
こされるのが一般的である。また、上記した化成処理前
にアルカリ浴にてエッチング処理されることもある。
処理においては、前記した化成処理浴液を構成する化成
処理剤の組成が異なることによって、その処理表面にお
ける耐食性や防錆性、さらには塗装密着性等の性能が大
きな違いが生じることから、この化成処理剤について、
種々研究、開発されるに至っている。
てクロム系のものが、人体及び地球環境にとって有害性
を伴なうものであったことから、最近では、ノンクロム
系の化成処理剤について研究され、実用化されるに至っ
ているものもある。
しては、例えば、マグネシウム含有金属材の表面に、高
温の水酸化ナトリウム溶液を接触させる方法(特願昭6
1−90776号)、ピロリン酸塩溶液及び水酸化アル
カリで処理する方法(特開平6−116740号)、酸
性pH値下で、リン酸、マンガンイオン及びアミン化合
物を含む水性液を接触させる方法(特開平7−1268
58号)、リン酸と、カルシウムイオンあるいはアルミ
ニウムイオンと及びアミン化合物を含む水性液を酸性p
H値下で接触させる方法(特開平8−176842号)
などが開発されている。
て、第一及び第二の方法では、水酸化マグネシウムを含
む皮膜、また、第三の方法では、リン−マンガン化合物
及びマンガン−チッ素化合物を含む皮膜、また、第四の
方法では、リン−カルシウム化合物及びリン−アルミニ
ウム化合物を含む皮膜が、それぞれマグネシウム含有金
属材の表面に形成されるとしている。そして、これらの
皮膜構成によれは、マグネシウム含有金属材について、
耐食性、防錆性及び塗装密着性を有効に図り得る、とし
ている。
るマグネシウム含有金属材表面の形成皮膜では、上記し
た耐食性等の性能についてなお不十分である。例えば、
耐食性について、塩水噴霧時間が100〜200時間の
短期間内でその性能は有効に保持されるもののそれ以上
の時間の長期に亘る場合には、その性能は十分ではない
からである。これでは、マグネシウム含有金属材に係る
製品によっては、実用性にとって不適当である。
匹敵あるいはそれ以上の性能を耐食性、防錆性及び塗装
密着性を長期間に亘って保持すると共に、比較的に低い
温度条件でかつ短時間内で処理できるノンクロム系のマ
グネシウム含有金属材用化成処理液組成物、同表面処理
方法及び同表面処理物を提供することを目的とした。
ために、本発明では、先ず、マグネシウム含有金属用化
成処理液組成物として次のように構成した。即ち、カル
シウムイオン、マンガンイオン及びリン酸イオンを含
み、さらに酸化促進剤を含有する水性液剤からなること
を特徴とする。
しては、Mg−Al−Zn合金、Mg−Zn合金、Mg
−Al−Zn−Mn合金などのマグネシウム合金のほ
か、マグネシウム自体をも含まれる。また、マグネシウ
ム含有金属材としては、この金属材自体のほか、そのダ
イカスト等の製品材をも包含する。
液において、硝酸カルシウム、亜硝酸カルシウム、チオ
硫酸カルシウム、酢酸カルシウム、リン酸二水素カルシ
ウムなどの1種又は2種以上の配合によって供給され
る。
において、炭酸マンガン、硝酸マンガン、硫酸マンガ
ン、リン酸水素マンガン、重リン酸マンガン、ホウフッ
化マンガンなどの1種又は2種以上の配合によって供給
される。
おいて、オルソリン酸、縮合リン酸、亜リン酸、次亜リ
ン酸などの1種又は2種以上の配合によって供給され
る。
ウム、次亜塩素酸ナトリウムなどの酸化剤を使用するこ
とができる。
処理液組成物は、上記した各原料剤を常温下で水中に混
合溶解させることによって水性液剤として得られる。
成処理液組成物における各成分イオンの含有量は、対象
とするマグネシウム含有金属材の表面に後記する所定の
化成皮膜が形成される量であることが要件であるが、耐
食性、防錆性、塗装密着性等の性能について、特に優れ
た化成皮膜を比較的に短時間以内にマグネシウム含有金
属材表面に得るためには、前記した水性液剤中におい
て、カルシウムイオンが1〜20重量部、マンガンイオ
ンが1〜4重量部及びリン酸イオンが20重量部以上、
並びに酸化促進剤が0.02〜2重量部の割合で含有さ
れてなるものであることが好ましい。
で含有される組成物によれば、マグネシウム含有金属材
の表面に優れた性能を有する化成処理膜を安定的に形成
させ得る化成処理浴液を容易にかつ経済的に得ることが
できる。
有金属用化成処理液組成物は、次に示す本発明に係るマ
グネシウム含有金属材の表面処理方法に適用することが
できる。
面処理方法は、脱脂処理が施こされたマグネシウム含有
金属材の表面に、カルシウムイオン、マンガンイオン及
びリン酸イオンを含みさらに酸化促進剤を含有する水性
液剤を混合し、かつ1.0乃至3.0のpHに調整され
た浴液を接触させて、前記のマグネシウム含有金属材の
表面上にカルシウム、マンガン及びリンの混合皮膜を形
成することを特徴とする。
処理後の水洗工程、また前記カルシウムイオン等を含有
する水性液剤を混合した浴液たる化成処理浴液との接触
による工程による化成処理後の水洗工程、場合によって
はさらにその後の純水洗工程を含む。また、その後は、
本発明の方法に必須的には含まれないが、一般的な方法
に従って、乾燥、塗装等の処理工程によることができ
る。また、この場合の塗装方法については、エポキシ樹
脂剤系の電着塗装やエポキシ樹脂剤を吹き付けにより下
塗りし、さらにこれにメラミン樹脂剤により上塗りした
ものなど、一般的な方法に本発明の方法は適合するもの
である。
たカルシウムイオン等を含有する水性液剤を、例えば、
水中に約6重量%濃度で溶解した化成処理浴液とし、前
記したように、この浴液中に、カルシウムイオンが0.
5〜10g/l、マンガンイオンが0.5〜2.0g/l
及びリン酸イオンが10g/l以上、並びに酸化促進剤
が0.01〜1.1g/lの範囲の割合で含有されてい
ることが好ましい。
浴液中に含有される場合には、マグネシウム含有金属表
面に対する化成処理を短時間内に実行できると共に、耐
食性、防錆性、塗装密着性等の性能に優れたカルシウ
ム、マンガン及びリンの混合皮膜を得ることができる。
ルシウムイオン濃度が不足あるいは全く含有されない場
合には、耐食性や塗装密着性などが低下したりし、また
マンガンイオン又はリン酸イオンが不足あるいは全く含
有されない場合には、特に、塗装密着性が著しい低下に
加えて、塩素イオンを含む水との接触により白錆発生等
の外観不良の原因となったりする。
マグネシウム含有金属材の表面に対する前記した各成分
イオンの反応性を高め、耐食性等の性能に優れた、化成
皮膜の形成に寄与する。従って、前記した化成処理浴液
中において、この酸化促進剤の含有量が不足したり全く
含有されない場合には、上記したような性能の化成皮膜
を得ることができない。
〜3.0に調整される場合には、上記した化成皮膜をマ
グネシウム含有金属材の表面上に効果的にかつ支障なく
形成することが可能となる。この浴液pHが1.0未満
である場合には、エッチング量が過大となって、対象材
の寸法精度上の問題が生じると共に、その面の耐食性の
低下をきたし、またpHが3.0を超える場合には、十
分な性能の化成皮膜を得ることができない。
上75℃以下の温度に維持されることが好ましい。この
浴液の温度が30℃未満であると、前記した化成皮膜の
形成にとって長時間が必要となったり、得られる化成皮
膜について性能が不十分となり、また75℃を超える温
度となると、過剰反応により却って得られる化成皮膜に
ついて性能の低下を招くことがある。
処理材表面との接触時間と相関関係にある。即ち、浴液
温度が比較的に低い場合には、この接触時間は長い方が
好ましく、また浴液温度が比較的に高い場合には、この
接触時間は短い方が好ましい関係となっている。
される場合、10〜20分の接触時間であるのが好まし
く、また、浴液温度が50℃以上に維持される場合、5
〜10分の接触時間であるのが好ましい。なお、浴液温
度が50℃を超える温度で接触時間が長くなると、形成
皮膜の再溶出が原因して耐食性等の性能の低下をきたす
ことがあり、また、浴液温度が50℃未満の温度で接触
時間が短いと、十分な性能の化成皮膜が得られないこと
がある。
前処理として、脱脂処理後に酸性浴液によるエッチング
処理工程を含めることができる。この酸性浴液として
は、リン酸系、硝酸系、フッ酸系等のものとすることが
できる。このエッチング処理によれば対象物がマグネシ
ウム合金ダイカストのように、その対象物表面にある種
の離型剤が存在するような場合にも、次工程の化成処理
によって、その表面上に耐食性等の性能に優れた化成皮
膜を支障なく得ることができる。
ない領域で設定できる。この設定濃度より高い場合に
は、エッチング量が過大となって、スマットが発生する
ことが多くなり、またこの設定濃度より低い場合にはエ
ッチング不足となる。
脱脂処理のための浴液pHを13以上で行なう方法が含
まれる。この方法によれば、マグネシウム含有金属材を
その不働態域にて脱脂処理を行なうことによって、次工
程の化成処理においてより安定した化成皮膜を得ること
ができる。特に、対象物がダイカスト製品など離型剤を
伴なうものであっても、前記したようなエッチング工程
なくしても、耐食性等の性能に優れた処理が可能とな
る。なお、この脱脂浴液についてpHを13以上に高め
るには、苛性アルカリ等の配合量を増量することによる
ことができる。
グネシウム含有金属材には、その表面上にカルシウム、
マンガン及びリンの混合化成皮膜が層状に得られる。こ
の化成皮膜によってマグネシウム含有金属材について、
耐食性、防錆性及び塗装密着性等の性能を備えるもの
を、ブリスター等の発生がなく、外観について良好な性
状のものとなる。
いて、カルシウムが1乃至500mg/m2、マンガンが1
乃至500mg/m2及びリンが1乃至1000mg/m2の範
囲で含有している場合に、好ましく得られる。
らなる鋳物(10cm×5cm×2mm)を作成し、こ
れを試験片とした。この試験片を脱脂処理→水洗→化成
処理→水洗→純水洗→水切乾燥の過程により表面処理し
た。なお、詳細は次のとおりである。
〜15g/l、界面活性剤2〜3g/lからなり、pH
は11.5〜12、温度は40〜45℃であり、試験片
を3分間浸漬することにより処理した。
〜23の組成からなる各化成処理浴液を60〜70℃の
温度にし、この浴液中に2分間浸漬することによりそれ
ぞれ行なった。
工程は、いずれも0.5分間常温下に行なった。
20℃の温度条件下で、20分間行なった。
理試験片については、カチオン電着塗装エポキシ樹脂タ
イプをそれぞれ施こした。これらの表面に常法に従いク
ロスカットを設け、これを試料としてJIS−Z237
1に従った塩水噴霧試験(SST)を480時間に亘り
それぞれ行ない、また同様の試料について、塩水浸漬試
験(3%食塩水15〜25℃)を240時間に亘り、そ
れぞれ行ない、クロスカットに沿った塗膜のフクレ幅、
それ以外の部分について塗膜のハクリ幅、塗膜の密着性
及び白錆やブリスターの発生の有無に係る外観につい
て、次表2に示した。
い、試料表面に基盤目状(10×10×1mm)を100
個施こし、テープアップ後の格子残存数を計数し、その
数が100のとき○、それ以外のとき×、とした。また
外観は、試料表面に白錆、ブリスターのいずれかの発生
が認められるとき×、いずれもの発生が僅かのとき△、
いずれかが僅かに認められるとき○、いずれも全く認め
られないとき◎とした。また、前記した電着塗装が不可
若しくは塗装後の外観が不良の場合をCED外観不良と
した。
Ca−Zn系、試験No.10〜12のCa−Ni系の特
にNi2+濃度の高いとき、試験No.22のNi−Mn系
及び試料No.23のZn−Ni−Mn系の化成処理浴液
による場合には、いずれも耐食性につき問題があること
が判る。これに対し、試料No.13〜16のCa−Mn
系の成分からなる浴液による場合には、いずれも優れた
耐食性及び塗装密着性を有することが判り、また外観に
ついても試料No.14のMn2+濃度付近で良好なものが
得られることが判る。これにより、マグネシウム含有金
属材に対するCa−Mn−P系の浴液による化成処理
は、その耐食性等の性能の向上に有効であることが確認
される。また、試験No.6〜No.8及びNo.23の結果か
ら、Zn2+の存在は塗装下地処理の皮膜としては不適で
あった。
のマグネシウム合金材からなるダイカスト製品に対し次
のような表面処理を施こした。なお、このダイカスト加
工に際しては、ノンシリコン系の離型剤が用いられてい
る。
同様の処理過程によるが、脱脂処理後に前処理として、
次表3に示す処方のエッチング剤を含むエッチング処理
浴液中に浸漬することによるエッチング処理工程を追加
する処理過程によった。なお、化成処理に供する化成処
理浴液としては、硝酸カルシウム4水塩15.2g/
l、炭酸マンガン2.1g/l、75%リン酸19.2
g/l及び塩素酸ナトリウム0.4g/lの水溶液とし
て調製し、さらにこの浴液を70℃、pH1.65〜
1.70に調整した。また、化成処理時間を3分又は5
分とした。また、この処理後、製品に対しては下塗りと
してエポキシ樹脂剤の吹き付け、さらに上塗りとしてメ
ラミン樹脂剤による塗装を施こしたが、その他の点につ
いては、試験例1の場合と同一である。
理を施こしたものをそれぞれ試料とし、各試料に対し塩
水噴霧試験を行なった結果を表3に示した。なお、この
試験の評価方法は試験例1と同様である。表3の結果か
ら判るように、ダイカスト製品に対するときには、前処
理としてエッチング処理工程が無の場合、実施No.1とN
o.2のように、SST耐食性能は、化成処理時間に左右
され、特に、実施No.1の結果のようにその時間が短い
と、耐食性等の低下が認められる。従って、この場合に
は処理状態が不安定になるおそれがある。これに対し、
実施No.3〜No.8の結果から、エッチング処理が含まれ
るときは、いずれもSST耐食性能が優れかつ時間的に
も安定して処理できることが判る。
シウム合金ダイカスト製品に対する表面処理について、
エッチング処理を前処理として施こす場合には、Ca−
Mn−P混合皮膜による場合、比較的に短時間の処理に
よっても耐食性等について良好な塗膜性能のものが得ら
れるものの、エッチング処理が追加されることによる技
術的、経済的不利がある。
2の結果を参照して、エッチング処理工程を含まない
で、実施例1と同じ化成処理浴液での化成処理工程によ
りマグネシウム合金ダイカスト製品の表面処理を化成処
理時間5分以上で行なうこととし、この場合に、処理時
間と化成処理浴液の温度が処理後の塗膜性能に与える影
響について実施No.9〜No.18、その結果を次表4に示
した。なお、その他の処理条件については試験例1と同
じである。
液温度が30〜70℃の範囲内で、いずれもSST耐食
性能に優れた塗膜が得られることが判る。なお、実施N
o.11及びNo.13、並びに試験No.16及びNo.18に
ついては、それぞれSST性能について他の試験より幾
分低下することが認められるが、前者については反応不
足、また後者については過反応によるものと考えられ
る。つまり、50℃以下の処理温度では5分以上の処理
時間、また50℃を超える処理温度では15分以下の処
理時間であれば、処理性能についてより向上させること
ができるものと考えられる。
カスト製品に対する表面処理において、塗膜の耐食性等
の性能につき、より苛酷な条件下での耐久性を向上させ
るべく、次のような処理過程により表面処理した。
同様とするが、化成処理浴液を構成する化成処理剤につ
いて各組成成分について、次表5の実施No.19〜No.2
6の配合量とした。なお、実施No.26は化成処理浴液
について、表面処理の過程でマグネシウム合金ダイカス
ト製品から生じたマグネシウムイオンを1.0g/lの
濃度で含む場合である。
に示すように、処理過程での脱脂処理の浴液pHをそれ
ぞれ13〜14に調整した。なお、その他の処理条件
は、塗装方法がカチオン電着塗装であることを含めて、
試験例1と同じである。このような処理過程により表面
処理し塗装を施こした処理物に対し、塩水噴霧試験を1
000時間に亘り行なった結果を次表6に示した。
して、化成処理剤の成分組成は実施No.19と同じであ
るが、脱脂条件をpH11.5〜12.0として場合を
掲げた。
すように、より苛酷な環境条件下では塗膜性能について
低下を招き、特にブリスターの発生が多くなる。これに
対し、実施No.19〜25の処理条件下では、いずれも
塗膜性能について耐久性の向上が認められる。
成皮膜に含まれるカルシウム、マンガン及びリンの含有
率をそれぞれ示した。この掲示した各成分元素の含有率
から、実施No.19〜26の処理条件による場合、いず
れもカルシウム、マンガン及びリンの混合皮膜からなる
ことが確認される。
ルシウムイオンが含まれない場合を比較例2、マンガン
イオンが含まれない場合を比較例3、並びに化成処理を
行なわないものを比較例5と示した。
着性を含む塗膜の耐食性あるいはブリスターの発生の点
で問題があり、塗膜性能の耐久性は保持されない。これ
に対し、前記したカルシウム、マンガン及びリンの混合
皮膜によれば、実施No.19〜No.25のいずれの場合
も、その耐久性の向上にとって有効であることが判る。
また、特に、実施No.20、No.22及びNo.24の結果
から、得られる化成皮膜中におけるカルシウム、マンガ
ン及びリンの成分元素のいずれの増量は、その耐久性の
向上にとって好ましいことも判る。
は、比較例4との対比において、本発明に係る化成処理
浴液によれば、処理負荷より、同浴液中に溶出するマグ
ネシウムイオン量が多くなる場合にも、有効な処理皮膜
を得ることができることを示している。
理法による場合の結果を示した。即ち、化成処理剤を重
クロム酸ナトリウム150g/l及びフッ化マグネシウ
ム2.5g/lを含む液剤組成とし、これを化成処理浴
液とした。なお、脱脂条件は浴液pH13〜14、浴液
温度90〜100℃、処理時間10分、また化成処理は
浴液温度90〜100℃、処理時間30分とし、前記試
験例1と同じ処理過程によった。この比較例5の処理条
件によれば、表6に示した結果から、塩水噴霧1000
時間に耐える耐久性を保持させる表面処理は困難である
ことが判る。
から、次のような効果が発揮される。本発明に係るマグ
ネシウム合有金属用化成処理剤によれば、この化成処理
剤による化成処理浴液が脱脂処理後の化成処理に使用さ
れることによって、高耐食性で、防錆性、塗装密着性等
に優れたカルシウム、マンガン及びリンの混合皮膜を有
する処理物を得ることができる。
クロム処理であって、クロムイオンに原因するような公
害問題は生じず、また作業環境上においても、安全に実
施することができる。
ング工程を含む処理方法によれぱ、離型剤が付着したマ
グネシウム合金ダイカスト製品に対する表面処理を優れ
た塗膜性能等を有効に保持するように実行できる。ま
た、本発明に係る脱脂処理の条件をpH13以上とする
処理方法によれば、エッチング処理を含むことなくし
て、上記のダイカスト製品に対し、より耐食性等の耐久
性に優れた表面処理が可能となる。
Claims (8)
- 【請求項1】 カルシウムイオン、マンガンイオン及び
リン酸イオンを含み、さらに酸化促進剤を含有する水性
液剤からなることを特徴とするマグネシウム含有金属用
化成処理液組成物。 - 【請求項2】 水性液剤中において、カルシウムイオン
が1〜20重量部、マンガンイオンが1〜4重量部及び
リン酸イオンが20重量部以上、並びに酸化促進剤が
0.02〜2重量部の割合で含有されてなることを特徴
とする請求項1のマグネシウム含有金属用化成処理液組
成物。 - 【請求項3】 脱脂処理が施こされたマグネシウム含有
金属材の表面に、カルシウムイオン、マンガンイオン及
びリン酸イオンを含みさらに酸化促進剤を含有する水性
液剤を混合し、かつ1.0乃至3.0のpHに調整され
た浴液を接触させて、前記のマグネシウム含有金属材の
表面上にカルシウム、マンガン及びリンの混合皮膜を形
成することを特徴とするマグネシウム含有金属材の表面
処理方法。 - 【請求項4】 カルシウムイオン、マンガンイオン及び
リン酸イオンを含みさらに酸化促進剤を含有する水性液
剤を混合し、かつ1.0乃至3.0のpHに調整された
浴液が、30℃以上70℃以下の液温に調整され、かつ
当該浴液がマグネシウム含有金属材表面に接触する時間
が5分以上15分以下の時間内であることを特徴とする
請求項3のマグネシウム含有金属材の表面処理方法。 - 【請求項5】 脱脂処理後に、前処理として、酸性溶液
によりエッチング処理が施こされることを特徴とする請
求項3又は4のマグネシウム含有金属材の表面処理方
法。 - 【請求項6】 脱脂処理のための浴液が、13以上のp
Hに調整されていることを特徴とする請求項3又は4の
マグネシウム含有金属材の表面処理方法。 - 【請求項7】 マグネシウム含有金属材の表面が、脱脂
処理後に、カルシウムイオン、マンガンイオン及びリン
酸イオンを含みさらに酸化促進剤を含有する水性液剤を
混合し、かつ1.0乃至3.0のpHに調整された浴液
との接触により形成された化成皮膜層を有することを特
徴とするマグネシウム含有金属材の表面処理物。 - 【請求項8】 化成皮膜層が、1乃至500mg/m2
のカルシウム、1乃至500mg/m2のマンガン及び
1乃至1000mg/m2のリンを含有してなることを
特徴とする請求項7のマグネシウム含有金属材の表面処
理物。
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