JP2016029903A - ゲル状食品及びゲル状食品充填物 - Google Patents

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Abstract

【課題】凍結後に融解した際に離水を抑制することができ、かつ、食感が良好なゲル状食品及びゲル状食品充填物を提供する。【解決手段】カラギナン及び/又はローカストビーンガムと、セルロース及び/又はセルロース誘導体と、を含有することを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、ゲル状食品及びゲル状食品充填物に関するものである。
従来、乳製品や卵等の原料を混合した原料液をゲル化剤によりゲル化させたプリン(いわゆる「ゲルプリン」)やゼリー等のゲル状食品は、一般的にチルド温度帯において流通されるが、保存性を向上させるために、凍結後、冷凍状態で流通、保存することが求められる場合がある。このような場合、凍結されたゲル状食品は、融解されてから喫食に供される。
しかし、ゲル状食品を凍結させると生成した氷結晶によりゲル化剤による三次構造が破壊されることから、凍結させたゲル状食品を融解した際に、ゲル状食品に保持されていた水分が離水したり、食感が悪くなったりするという問題があった。そこで、凍結後に融解した際に離水することを抑制するゲル状食品が種々提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
特許文献1に記載のゲル状食品は、カードランとセルロース及び/又はセルロース誘導体を含有し、凍結後に融解した際に、離水することを抑制することができる。また、特許文献2に記載のゲル状食品は、セルロース及び加工澱粉を含有し、凍結後に融解した際に、離水することを抑制することができる。
しかしながら、カードランや加工澱粉を含むゲル状食品は、凍結後に融解した際に離水することを抑制することはできるが、ゲル状食品としての食感が良好でないという問題点があった。
特開2007−319048号公報 特開2012−235737号公報
従って、本発明は、上記のような問題点に着目し、凍結後に融解した際に離水を抑制することができ、かつ、食感が良好なゲル状食品及びゲル状食品充填物を提供することを目的とする。
本発明のゲル状食品は、カラギナン及び/又はローカストビーンガムと、セルロース及び/又はセルロース誘導体と、を含有することを特徴とする。
本発明のゲル状食品は、カラギナン及び/又はローカストビーンガムと、セルロース誘導体と、を含有し、前記セルロース誘導体が、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及び/又はカルボキシメチルセルロースであることを特徴とする。
本発明のゲル状食品は、カラギナン及び/又はローカストビーンガムと、セルロースと、を含有し、総質量に対する前記セルロースの含有割合が0.1質量%〜3.0質量%であることを特徴とする。
本発明のゲル状食品は、カラギナン及び/又はローカストビーンガムと、セルロース誘導体であるメチルセルロースと、を含有し、総質量に対する前記メチルセルロースの含有割合が0.01質量%〜1.0質量%であることを特徴とする。
本発明のゲル状食品は、カラギナン及び/又はローカストビーンガムと、セルロース誘導体であるヒドロキシプロピルメチルセルロースと、を含有し、総質量に対する前記ヒドロキシプロピルメチルセルロースの含有割合が0.01質量%〜1.0質量%であることを特徴とする。
本発明のゲル状食品は、カラギナン及び/又はローカストビーンガムと、セルロース誘導体であるカルボキシメチルセルロースと、を含有し、総質量に対する前記カルボキシメチルセルロースの含有割合が0.01質量%〜1.0質量%であることを特徴とする。
本発明のゲル状食品充填物は、前記いずれかのゲル状食品を、開口部を有する容器の内面に密着状態で充填してなるゲル状食品充填物であって、前記容器が、前記内面を構成する壁部に外側から空気穴を形成可能に構成されていることを特徴とする。
本発明のゲル状食品によれば、カラギナン及び/又はローカストビーンガムと、セルロース及び/又はセルロース誘導体と、を含有することから、凍結後に融解した際に離水を抑制することができ、かつ、食感が良好なゲル状食品を提供することができる。
本発明のゲル状食品充填物によれば、本発明のゲル状食品が充填されていることから、凍結後に融解した際に離水を抑制することができ、かつ、食感が良好なゲル状食品充填物を提供することができる。また、前記内面を構成する壁部に外側から空気穴を形成可能に構成されている容器に本発明のゲル状食品が充填されていることから、容器に空気穴を形成することにより、容器の内面とゲル状食品との間に空気が入って密着状態が解除されることにより、ゲル状食品を容器から取り出しやすくすることができる。
本発明は、ゲルプリン、ゼリー、ババロア、ごま豆腐及びその他のゲル状食品に適用することができる。
本発明のゲル状食品は、カラギナン及び/又はローカストビーンガムと、セルロース及び/又はセルロース誘導体と、を含むことを特徴とする。カラギナンとローカストビーンガムとは併用されてもよく、それぞれ単独で使用されてもよい。また、セルロースとセルロース誘導体とは併用されてもよく、それぞれ単独で使用されてもよく、また、複数種類のセルロース誘導体が併用されてもよい。
本発明におけるカラギナンは、一般的に、紅藻類から抽出される多糖類であり、ガラクトースがα−1,4グリコシド結合及びβ−1,3グリコシド結合したものである。また、カラギナンを構成するガラクトースのヒドロキシル基の一部には硫酸基が導入されている。
本発明におけるローカストビーンガムは、マメ科植物の種子から抽出される多糖類であり、マンノースがβ−1,4グリコシド結合した主鎖にガラクトースが結合したガラクトマンナンである。
本発明のゲル状食品は、カラギナン及び/又はローカストビーンガムを含むことから、良好な食感を得ることができる。また、カラギナン及びローカストビーンガムを併用することにより、ゲル状食品としてより良好な食感を得ることができる。
本発明におけるセルロースは、β−グルコースがβ−グリコシド結合することにより、直鎖状に重合した多糖類である。
本発明におけるセルロース誘導体とは、セルロースの一部が化学的に修飾された化合物を指す。本発明に用いることができるセルロース誘導体は、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等であり、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及び/又はカルボキシメチルセルロースを用いることが好ましい。
本発明におけるメチルセルロースは、セルロースを構成するβ−グルロースの水酸基(−OH)の少なくとも一部がメトキシ基(−OCH)に置換されたものである。
本発明におけるヒドロキシプロピルメチルセルロースは、セルロースを構成するβ−グルコースの水酸基(−OH)の少なくとも一部がメトキシ基(−OCH)、2−ヒドロキシプロポキシ基(−OCHCHOHCH)に置換されたものである。
本発明におけるカルボキシメチルセルロースは、セルロースを構成するβ−グルロースの水酸基(−OH)の少なくとも一部にカルボキシメチル基(−CHCOOH)がエーテル結合したものである。
ゲル状食品の総質量におけるセルロースの含有割合は、0.1質量%〜3.0質量%とすることができ、好ましくは0.1質量%〜1.5質量%であり、より好ましくは0.25質量%〜1.2質量%である。
ゲル状食品の総質量におけるメチルセルロースの含有割合は、0.01質量%〜1.0質量%とすることができ、好ましくは0.04質量%〜0.6質量%であり、より好ましくは0.04質量%〜0.4質量%であり、さらに好ましくは0.08質量%〜0.4質量%である。
ゲル状食品の総質量におけるヒドロキシプロピルメチルセルロースの含有割合は、0.01質量%〜1.0質量%とすることができ、好ましくは0.08質量%〜0.6質量%であり、より好ましくは0.15質量%〜0.4質量%であり、さらに好ましくは0.25質量%〜0.4質量%である。
ゲル状食品の総質量におけるカルボキシメチルセルロースの含有割合は、0.01質量%〜1.0質量%とすることができ、好ましくは0.08質量%〜0.6質量%であり、より好ましくは0.15質量%〜0.4質量%である。
セルロース、セルロース誘導体の添加割合が好ましい範囲よりも少ない場合は、ゲル状食品を凍結後に融解した際の離水を抑制する効果が薄くなる。また、セルロース、セルロース誘導体の添加割合が好ましい範囲よりも多い場合は、ゲル状食品の食感が著しく悪くなるとともに、よりコスト高になる。また、セルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのそれぞれに対して好ましい範囲が異なるのは、それぞれ離水抑制に対する効果と食感に及ぼす影響が異なるからである。
また、本発明のゲル状食品の原料としては、カラギナン、ローカストビーンガム、セルロース、セルロース誘導体の他に、一般的にゲル状食品の原料となるものを用いることができる。例えば、卵、加工卵、果実、野菜、果汁、野菜汁、杏仁霜等の食品原料、牛乳、成分調整牛乳、低脂肪牛乳、無脂肪牛乳、加工乳、クリーム、濃縮乳、練乳、加糖練乳、全粉乳、加糖粉乳、脱脂粉乳等の乳や乳製品、砂糖や水飴等の糖類及び/又は甘味料、植物油脂等の油脂類、香料、着色料、乳化剤等の添加剤、ゼラチン、寒天、及びその他の原料を用いることができる。また、一般的にゲル状食品に用いられる、グアガム、ペクチン等の増粘多糖類等のゲル化剤を併用することができる。また、本発明のゲル状食品には、ゲル状食品の上部、下部、又は内部等に生クリーム、カラメル、果実等を配置した、いわゆるトッピングが施されてもよい。
本発明のゲル状食品は、開口部を有し、壁部に外側から空気穴を形成可能に構成された容器の内面に密着状態で充填されて提供されてもよい。このような容器として、例えば、上方に開口部と、底壁の外面から垂直方向外方に延びる円柱状の突起と、を有し、底壁の外面と連なる部分からこの突起が折り取られることにより、底壁に孔が形成されるように構成されているものを用いることができる。喫食時には、底壁を上にして、開口部を下にしたのち、突起を折り取って底壁に空気穴を形成する。これにより、容器の底壁の内面とゲル状食品との間に空気が入って密着状態が解除され、ゲル状食品が重力に従って開口部から落下することにより、ゲル状食品を容器から取り出すことができる。
このような容器に充填された状態でゲル状食品を提供することにより、ゲル状食品を喫食する際に、容器の開口部からゲル状食品を容易に取り出すことができる。また、このような容器に充填して提供することにより、冷凍状態のゲル状食品を融解させて喫食に供する場合に、容器の内面と接する外周面に近い部分のみを融解させて容器の開口部から取り出すことができ、喫食に供する際の利便性を向上させることができる。
次に、本発明のゲル状食品の製造方法について一例を説明する。なお、以下の方法は、用いる原料や製造するゲル状食品の種類等により、手順及び工程を適宜変更することができる。
まず、原料を十分に混合し、溶解させた後、加熱殺菌する。加熱殺菌時の温度は、例えば90℃程度とすることができる。加熱殺菌した原料液をゲル化剤がゲル化しない程度の温度(例えば、60℃)まで冷却させた後、ホモジナイザー等により均質化し、容器に充填する。さらに、原料液がゲル化する温度(例えば、5℃や10℃)まで冷却してゲル化させることにより、ゲル状食品が得られる。さらに、ゲル状食品を例えば−18℃において凍結させる。凍結後、冷凍状態においてゲル状食品を保存することにより、ゲル状食品の保存性を向上させることができる。
次に、凍結させた本発明のゲル状食品の喫食方法について説明する。凍結された状態のゲル状食品は、喫食に適した状態になるまで融解させてから喫食に供する。融解方法は、例えば、0〜10℃程度の冷蔵温度帯や10〜20℃程度の室温温度帯に置き、適切な状態まで融解させる方法、電子レンジにより融解させる方法などを用いることができる。なお、融解温度や融解時間は、ゲル状食品の大きさ等により適宜変更することができる。また、融解したゲル状食品は、喫食に適した温度になるまでさらに加温又は冷却して喫食に供されてもよい。
本発明のゲル状食品によれば、カラギナン及び/又はローカストビーンガムと、セルロース及び/又はセルロース誘導体と、を含有することから、凍結後に融解した際に離水を抑制することができ、かつ、食感が良好なゲル状食品を提供することができる。
また、カラギナン及び/又はローカストビーンガムと、セルロース誘導体と、を含有するゲル状食品において、セルロース誘導体として、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及び/又はカルボキシメチルセルロースを用いることにより、離水をより一層抑制することができる。
その他、本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に説明されているが、本発明の技術的思想及び目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部、もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
以下、実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。但し、本発明は、以下の実施例により限定されるものではない。
(実施例1)
本実施例においては、ゲル状食品として、原料液をゲル化剤によりゲル化させたゼリー(以下、「ミルクゼリー」と記載する)を例示する。
<ミルクゼリーの製造>
原料として以下のものを用いて、残部は水を用いた。また、原料の割合は、質量割合を示している。
・加糖練乳(雪印メグミルク株式会社) 12.00%
・脱脂粉乳(よつ葉乳業株式会社) 2.80%
・砂糖(ビートグラニュー糖HA、日本甜菜製糖株式会社) 8.50%
・植物油脂(硬化ヤシ油、不二製油株式会社) 5.00%
・乳化剤(エマルジーMS、理研ビタミン株式会社) 0.10%
・香料(バニラフレーバー、高砂香料工業株式会社) 0.20%
・ローカストビーンガム
(ビストップD−2050、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社) 0.24%
・カラギナン(カラギニンCSL−2、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社) 0.08%
・メチルセルロース(メトローズMCE−4000、信越化学工業株式会社)0.05%
まず、上記の原料を十分に混合し、溶解させた後、88℃で、5分加熱して殺菌した。殺菌した原料液を60℃まで冷却した後、ホモジナイザー(L−100、三和機械株式会社)により均質化し、容器に70ml充填した。充填したものを5℃まで冷却してゲル化させることによりミルクゼリー1を得た。
(実施例2〜5)
実施例1の工程において、メチルセルロースの配合割合を0.10%、0.20%、0.30%、0.50%に変えたこと以外は、全て実施例1と同様の操作を行い、ミルクゼリー2〜5を得た。なお、表1において、メチルセルロースを配合したことを「メチルセルロースを配合」と記載した。
(実施例6〜9)
実施例1の工程において、メチルセルロースに替えてヒドロキシプロピルメチルセルロース(メトローズSFE−4000、信越化学工業株式会社)を用い、配合割合を0.10%、0.20%、0.30%、0.50%としたこと以外は、全て実施例1と同様の操作を行い、ゲルプリン6〜9を得た。なお、表1において、メチルセルロースに替えてヒドロキシプロピルメチルセルロースを配合したことを「ヒドロキシプロピルメチルセルロースを配合」と記載した。
(実施例10〜13)
実施例1の工程において、メチルセルロースに替えてセルロース(セオラスSC−900、旭化成ケミカルズ株式会社)を用い、配合割合を0.20%、0.30%、0.50%、1.00%としたこと以外は、全て実施例1と同様の操作を行い、ミルクゼリー10〜13を得た。なお、表1において、メチルセルロースに替えてセルロースを配合したことを「セルロースを配合」と記載した。
(実施例14〜17)
実施例1の工程において、メチルセルロースに替えてカルボキシメチルセルロースとしてカルボキシメチルセルロースナトリウム(セロゲンF−930A、第一工業製薬株式会社)を用い、配合割合を0.10%、0.20%、0.30%、0.50%としたこと以外は、全て実施例1と同様の操作を行い、ミルクゼリー14〜17を得た。なお、表1において、メチルセルロースに替えてカルボキシメチルセルロースを配合したことを「カルボキシメチルセルロースを配合」と記載した。
(比較例1)
実施例1の工程において、メチルセルロースを配合しないこと以外は、全て実施例1と同様の操作を行い、ミルクゼリー18を得た。なお、表1において、メチルセルロースを配合しないことを「配合なし」と記載した。
<ミルクゼリーの凍結及び融解>
ミルクゼリー1〜18を−18℃以下の冷凍庫において凍結させて凍結状態のミルクゼリー1〜18を得た。さらに、凍結状態のミルクゼリー1〜18を10℃に設定した冷蔵庫に5時間おいて融解させてから、以下の評価に供した。
<離水度評価>
凍結融解したミルクゼリー1〜18を容器から皿に取り出し、ミルクゼリー1〜18の周りに滲み出た液体の量の程度を離水度とし、目視で判別した。すなわち、滲み出た液体の量が多いほど離水が生じているとした。評価は、離水が全くない(◎)、離水がほぼない(○)、わずかに離水が生じている(△)、離水が生じている(×)の4段階により行った。結果は表1に示した通りである。
<食感評価>
凍結融解したミルクゼリー1〜18を喫食に供し、官能により食感の評価を行った。セルロース、セルロース誘導体を含まず、かつ、凍結融解させていないミルクゼリー(すなわち、製造した後、冷蔵状態において保存して評価に供したミルクゼリーを示す。以下、「チルド品」と記載する。)の食感を「ぷるぷるとした口どけのよい」良好な食感とし、チルド品とミルクゼリー1〜18との食感の違いを判別した。評価は、チルド品と同程度の良好なぷるぷるとした口どけのよい食感である(○)、チルド品と比較するとややもったりとしたかたい食感である(△)、チルド品と比較するとかなりもったりとしたかたい食感である(×)の3段階により行った。結果は表1に示した通りである。
Figure 2016029903
メチルセルロースを配合したミルクゼリー1は、凍結後融解したものにおいて、離水がほぼない状態、ミルクゼリー2〜5は、離水が全くない状態であった。また、ミルクゼリー1〜4においてはチルド品と比較して同程度の良好な食感であり、ミルクゼリー5においてはチルド品と比較するとややもったりとしたかたい食感であった。
ヒドロキシプロピルセルロースを配合したミルクゼリー6は凍結後融解したものにおいて、わずかに離水が生じている状態、ミルクゼリー7は離水がほぼない状態、ミルクゼリー8,9は、離水が全くない状態であった。また、食感において、ミルクゼリー6,7,8はチルド品と同程度の良好なぷるぷるとした口どけのよい食感、ミルクゼリー9はチルド品と比較するとややもったりとしたかたい食感であった。
セルロースを配合したミルクゼリー10は凍結後融解したものにおいて、わずかに離水が生じている状態、ミルクゼリー11,12,13は離水がほぼない状態であった。また、食感において、ミルクゼリー10,11,12,13はチルド品と同程度の良好なぷるぷるとした口どけのよい食感であった。
カルボキシメチルセルロースを配合したミルクゼリー14は凍結後融解したものにおいて、わずかに離水が生じている状態、ミルクゼリー15,16は離水がほぼない状態、ミルクゼリー17は離水が全くない状態であった。また、食感において、ミルクゼリー14,15,16はチルド品と同程度の良好なぷるぷるとした口どけのよい食感、ミルクゼリー17はチルド品と比較するとややもったりとしたかたい食感であった。
メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、セルロース、カルボキシメチルセルロースのいずれも配合していない比較例1のミルクゼリー18は、凍結後融解したものにおいて、離水が生じている状態であった。また、食感において、ミルクゼリー18はチルド品と同程度の良好なぷるぷるとした口どけのよい食感であった。
<結果の考察>
以上の評価結果より、本発明の例示的態様である実施例1〜17においては、凍結後に融解したときに離水を抑制でき、かつ、良好な食感を有するミルクゼリーを製造することができた。

Claims (7)

  1. カラギナン及び/又はローカストビーンガムと、セルロース及び/又はセルロース誘導体と、を含有することを特徴とするゲル状食品。
  2. カラギナン及び/又はローカストビーンガムと、セルロース誘導体と、を含有し、
    前記セルロース誘導体が、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及び/又はカルボキシメチルセルロースであることを特徴とするゲル状食品。
  3. カラギナン及び/又はローカストビーンガムと、セルロースと、を含有し、
    総質量に対する前記セルロースの含有割合が0.1質量%〜3.0質量%であることを特徴とするゲル状食品。
  4. カラギナン及び/又はローカストビーンガムと、セルロース誘導体であるメチルセルロースと、を含有し、
    総質量に対する前記メチルセルロースの含有割合が0.01質量%〜1.0質量%であることを特徴とするゲル状食品。
  5. カラギナン及び/又はローカストビーンガムと、セルロース誘導体であるヒドロキシプロピルメチルセルロースと、を含有し、
    総質量に対する前記ヒドロキシプロピルメチルセルロースの含有割合が0.01質量%〜1.0質量%であることを特徴とするゲル状食品。
  6. カラギナン及び/又はローカストビーンガムと、セルロース誘導体であるカルボキシメチルセルロースと、を含有し、
    総質量に対する前記カルボキシメチルセルロースの含有割合が0.01質量%〜1.0質量%であることを特徴とするゲル状食品。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載のゲル状食品を、開口部を有する容器の内面に密着状態で充填してなるゲル状食品充填物であって、
    前記容器が、前記内面を構成する壁部に外側から空気穴を形成可能に構成されていることを特徴とするゲル状食品充填物。
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