JP2016028839A - ワイヤカット放電加工装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】アニールによって真直性を得ようとするときに、ワイヤ電極の線径と材質で真直性を得る結果にばらつきがある。
【解決手段】制御装置10は、電流供給装置5から所定のアニール電流を供給しているアニール期間中の設定張力値を80g以下で可能な限り小さくしてワイヤ電極WEにテンションを付与するようにテンション装置10を制御する。特に、制御装置10は、アニール電流の供給を停止した後の所定期間中、ワイヤ電極WEを加熱していない状態で空気中に晒すように自動結線装置1の動作を一時停止する。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動結線装置を備えたワイヤカット放電加工装置に関する。特に、ワイヤ電極に真直性を与えるアニール装置を有する自動結線装置を備えたワイヤカット放電加工装置に関する。
数値制御ワイヤカット放電加工装置は、ワイヤ電極を予め被加工物に穿設されている下穴あるいは加工によって被加工物に形成された加工溝に自動的に挿通させて一対のワイヤガイド間に張架させるための自動結線装置を備えている。
例えば、特許文献1または特許文献2に開示されているように、ワイヤ電極をジェットで拘束して下穴の入口まで案内する場合、細径のワイヤ電極をより下穴に通しやすくするために、予め所定のテンションで張架されているワイヤ電極を焼き鈍すことによって巻き癖を除いてワイヤ電極に真直性を与える自動結線装置が知られている。
焼鈍しによってワイヤ電極に真直性を与える機能を有する自動結線装置では、ワイヤ電極を加熱している間にワイヤ電極が断線しないように、加工時に付与するテンションの張力値よりも小さい張力値のテンションを付与した状態でワイヤ電極を焼き鈍すために適切な電流値のアニール電流を供給してワイヤ電極を加熱する。本発明では、アニール電流の設定電流値とテンションの設定張力値を含んでアニール条件という。
ワイヤ電極に所定のアニール電流を供給した直後は、ワイヤ電極の温度が急激に上昇する。その後は、ワイヤ電極の温度と周囲の温度との間の温度差によってある一定の温度範囲で安定する。その結果、ワイヤ電極にアニール電流を供給してから所定時間後にワイヤ電極が焼き鈍される。
このとき、アニール電流を供給した直後にワイヤ電極に付与されているテンションが小さ過ぎると、急激な温度の上昇によって膨張するワイヤ電極の伸び率に対して相対的にテンションが小さくなるので、瞬間的にワイヤ電極が弛んでしまって十分な真直性を得ることができない。そこで、ワイヤ電極が断線しない範囲でテンションが小さくなり過ぎないように、設定張力値が数百g程度のテンションを付与した状態で焼き鈍すようにされている。
例えば、特許文献3は、焼鈍しの開始直後からある所定期間中に所定のアニール電流よりも十分に小さい電流を供給することによってアニール期間初期において急激な温度の上昇を抑えるようにして、ワイヤ電極の伸びを抑えるようにする自動結線装置を開示している。特許文献3の発明によると、ワイヤ電極を断線しないようにしながら、ワイヤ電極を真直ぐな状態で焼き鈍すことができる。
特開昭56−152534号公報 特開2006−110654号公報 国際公開2012−108250号公報
近年、線径が1.0mmφ以下の比較的細径の黄銅のワイヤ電極を用いる加工が増加している。ワイヤ電極の巻き癖を取るための焼鈍しでは、線径が小さいワイヤ電極ほど真直性を得ることができるアニール条件が厳密である。特に、0.15mmφ以下の極細のワイヤ電極の場合は、現在の自動結線装置では、安定して真直性を得ることが困難である。
そのため、ガイドパイプによってワイヤ電極の先端を下穴の入口まで案内しない限り、依然として線径が比較的小さいワイヤ電極の自動結線の成功率を高くすることができない。その結果、自動結線が失敗した後で人手に頼らざるを得ないことも多く、加工効率を向上させることが難しい。
また、ワイヤ電極の線径と材質に対応するアニール電流の設定電流値の選定が難しい。しかも、同じ線径で同じ材質のワイヤ電極であっても、避けることができない品質のばらつきによって、適するアニール条件が異なる場合もある。そのため、ワイヤ電極を交換するたびに、ワイヤ電極の下穴への挿通試験を実施する必要があり、しばしばアニール条件を変更して設定し直すことが要求される。
本発明は、上記課題に鑑みて、比較的線径が小さいワイヤ電極に対してより安定して真直性を得ることができる改良された自動結線装置を備えたワイヤカット放電加工装置を提供することを主たる目的とする。特に、ワイヤ電極の線径や材質に関わらずに、安定して真直性を得ることができる自動結線装置を備えたワイヤカット放電加工装置を提供することを目的とする。本発明によって得ることができるいくつかの有利な点については、本発明の実施の形態の説明において、より具体的に示される。
本発明のワイヤカット放電加工装置は、上記課題を解決するために、ワイヤ電極(WE)に所定のテンションを付与するテンション装置(10)と、ワイヤ電極(WE)に所定の電流を供給する電流供給装置(5)と、を有し、ワイヤ電極(WE)を自動的に一対のワイヤガイド(4U,4L)間に張架する自動結線装置(1)を備えたワイヤカット放電加工装置において、電流供給装置(5)から所定のアニール電流を供給している所定期間中に設定張力値を80g以下で可能な限り小さくしてワイヤ電極(WE)にテンションを付与するようにテンション装置(10)を制御する制御装置(8)を含んでなるようにされている。
望ましくは、上記ワイヤカット放電加工装置は、所定のアニール電流の供給を停止すると同時に所定期間中にワイヤ電極(WE)を加熱していない状態で空気中に晒して徐々に冷却するように自動結線装置(1)を制御する制御装置(8)を含んでなるようにされる。
また、上記ワイヤカット放電加工装置は、ワイヤ電極(WE)に設定張力値が80g以下で可能な限り小さいテンションを印加してから所定期間経過後に所定のアニール電流を供給するように電流供給装置(5)を制御する制御装置(8)を含んでなるようにされる。
また、上記ワイヤカット放電加工装置は、所定のアニール電流の供給を停止すると同時に設定張力値が0にならない範囲で設定張力値を10g以上小さくし所定期間経過後に元の設定張力値に戻すようにワイヤ電極(WE)にテンションを付与するようにテンション装置(10)を制御する制御装置(8)を含んでなるようにされる。
括弧内に示される図面に対応する符号は、説明の便宜上付されたものであって、本発明を図面に示される実施の形態と同一のワイヤカット放電加工装置に限定することを意図するものではない。
本発明のワイヤカット放電加工装置は、設定張力値が80g以下の可能な限り小さいテンションを安定して付与した状態で加熱するので、ワイヤ電極が焼き鈍されて再結晶化するときに、結晶構造に悪影響を及ぼさないと推定される。そのため、ワイヤ電極の線径と品質のばらつきに関係なく、より安定して真直性を得ることができる。
その結果、自動結線の成功率をより高くすることができ、加工効率を向上させることができる。特に、一定のアニール電流を供給することで安定して真直性を得ることができ、アニール条件の再設定を含む難しい段取り作業が操作者に要求されず、操作者の負担が軽減される。また、アニール電流を制御操作するための制御手段とアニール電流を精確に検出する電流検出器が要求されない。
本発明のワイヤカット放電加工装置の概容を示す模式図である。 自動結線装置を示す正面図である。 本発明の自動結線装置の動作を示すフローチャートである。 本発明における自動結線装置のアニール電流とテンションの変化を示すタイミングチャートである。
図1には、本発明のワイヤカット放電加工装置の適切な実施の形態が示されている。図1は、ワイヤ電極の規定の走行径路がわかるように、ワイヤカット放電加工装置を模式的に示している。そのため、図1において、自動結線装置とワイヤ供給機構、およびワイヤガイド機構は、本機正面から見た状態で示されていて、ワイヤ回収機構は、本機側面から見た状態で示されている。以下に、図1と図2を用いて実施の形態のワイヤカット放電加工装置の構成を説明する。
ワイヤ電極WEと被加工物WPとの間に所定の加工間隙が形成されるようにワイヤ電極WEと被加工物WPが対向配置される。ワイヤ電極WEと被加工物WPは、図示しない移動装置によって水平面上の任意の方向に相対移動する。ワイヤ電極WEを被加工物WPに対して傾斜させる、いわゆるテーパ装置は、図示省略されている。
ワイヤカット放電加工装置は、自動結線装置1と、ワイヤ供給機構2と、ワイヤ回収機構3と、ワイヤガイド機構4と、電流供給装置5と、圧縮空気供給装置6と、加工液供給装置7と、制御装置8とを含んで成る。ワイヤ電極WEは、被加工物WPを挟んで設けられる一対のワイヤガイド4U,4Lとの間に規定の走行径路に沿って所定のテンションが付与された状態で張架される。
自動結線装置1は、ワイヤ電極WEの先端を下穴に挿通して自動的に一対のワイヤガイド4U,4L間に張架する手段である。自動結線装置1は、図2に詳しく示されるように、少なくとも、ガイドパイプ11と、ワイヤ振動装置12と、アニール電極13と、中間給電電極14と、給電電極駆動装置15とを有する。
ガイドパイプ11は、ワイヤ電極WEの規定の走行径路に沿って水平面に対して略垂直に設けられる。ガイドパイプ11は、ワイヤ電極WEが規定の走行径路から逸脱しないように、ワイヤ電極WEを自動結線装置1の上位から上側ワイヤガイド4Uまで案内する手段である。ガイドパイプ11は、昇降装置によって上下方向に往復移動する。ガイドパイプ11は、ワイヤ電極WEを焼き鈍すときと切断するときは、上限位置に移動する。ガイドパイプ11は、ワイヤ電極WEの先端を下穴に挿通するときは、下限位置である上側ワイヤガイド4Uの入口まで移動する。
ワイヤ振動装置12は、ガイドパイプ11の入口の直上に設けられる。ワイヤ振動装置12は、ワイヤ電極WEに微小な上下方向の振動を与える手段である。ワイヤ振動装置12は、図示しない電磁弁を切り換えることによって圧縮空気供給装置6から送られてくる所定の圧力の圧縮空気を一対の導入口12A,12Bから交互に入力して、圧縮空気の圧力を規定の走行径路に沿って直接または間接的にワイヤ電極WEに加える。その結果、ワイヤ電極WEが微小に上下動してワイヤ電極WEを下穴に通しやすくすることができる。
上側給電電極13Uと下側給電電極13Lとで一対のアニール電極13を構成する。上側給電電極13Uと下側給電電極13Lとの一方が電流供給装置5の直流電源の正極に接続され、他方が負極に接続される。中間給電電極14は、上記直流電源の下側給電電極13Lが接続される極とは反対の極に接続され、下側給電電極13Lとの間でワイヤ電極WEに溶断電流を供給して、ワイヤ電極WEを意図的に切断する。
給電電極駆動装置15は、上側駆動装置15Uと下側駆動装置15Lとで構成される。上側駆動装置15Uは、一対の回転体から成る上側給電電極13Uを開閉する電磁アクチュエータを有する。電磁アクチュエータは、電気が供給されている間に上側給電電極13Uをワイヤ電極WEに付勢する。下側給電装置15Lは、エアシリンダまたは電動シリンダを有する。エアシリンダまたは電動シリンダは、スライダを水平方向に移動させてスライダに固定されている下側給電電極13Lと中間給電電極14をワイヤ電極WEに付勢する。
ワイヤ供給機構2は、加工に供されていない新しいワイヤ電極WEを規定の走行径路に沿って加工間隙に連続的に供給する手段である。ワイヤ供給機構2は、テンション装置10を含む。ワイヤ供給機構2は、主に、リール21と、ブレーキ装置22と、サーボプーリ23と、送出モータ10Bによって自転する送出ローラ10Aとを有する。また、ワイヤ供給機構2には、リミットスイッチのような断線検出器24と歪ゲージのような張力検出器10Cが設けられている。
リール21と、サーボプーリ23と、送出ローラ10Aとを含むワイヤ供給機構2の各回転体は、走行するワイヤ電極WEを規定の走行径路に沿って案内するガイドである。以下の説明では、各回転体がワイヤ電極WEを送り出すときに回転する方向を正転方向とし、正転方向とは反対の方向を逆転方向とする。
リール21には、ワイヤ電極WEを貯蔵するワイヤボビン25が回転可能に取り付けられる。ワイヤ電極WEは、ワイヤボビン25に貯蔵されるため、ワイヤ電極WEには、巻き癖が付いている。ブレーキ装置22は、リール21の逆転方向に所要のトルクを加えてワイヤ電極WEにバックテンションを付与する。ブレーキ装置22は、リール21に装填されているワイヤボビン25の空転を阻止して、ワイヤ供給機構2におけるワイヤ電極WEの弛みを防止する。
ブレーキ装置22は、具体的に、例えばヒステリシスモータのようなブレーキモータ、もしくは電磁クラッチのような電磁ブレーキである。ブレーキ装置22がブレーキモータである場合は、送出モータ10Bと同期して動作させることができる。ブレーキ装置22が電磁ブレーキである場合は、電磁クラッチの摩擦力によってブレーキ力を得る構成上、送出モータ10Bとは別に独立して制御される。ただし、電磁ブレーキは、制御装置8によって電磁ブレーキを作動させるタイミングとブレーキ力を制御することができるので、自動結線装置1の各装置の動作タイミングに合わせて動作させることが可能である。
サーボプーリ23は、リール21と送出ローラ10Aとの間に設けられる。サーボプーリ23は、自重によってリール21と送出ローラ10Aとの間のワイヤ電極WEに対して下向きに一定の荷重を加える。サーボプーリ23は、上下に自由に移動できるように設けられている。そのため、サーボプーリ23は、テンションの微小な変動に合わせて上下に移動する。その結果、サーボプーリ23は、ワイヤボビン25から繰り出されるワイヤ電極WEに発生する微小な振動を吸収してテンションを安定させる。
テンション装置10は、ワイヤ電極WEに所定のテンションを付与する手段である。テンション装置10は、ワイヤ供給機構2に含まれている。テンション装置10は、主に、送出ローラ10Aと、送出モータ10Bと、張力検出器10Cと、ピンチローラ10Dと、モータ制御装置10Eとで構成されている。
送出ローラ10Aは、送出モータ10Bによって自転する。送出ローラ10Aは、ピンチローラ10Dがワイヤ電極を送出ローラ10Aの外周面に押し付けることによってワイヤ電極WEを移動させる駆動力を得る。送出ローラ10Aは、ピンチローラ10Dを含む複数のローラによってワイヤ電極WEを弛ませないようにして、ワイヤ電極WEを断線させることなく円滑に走行させる。
送出モータ10Bは、サーボモータである。送出モータ10Bは、制御装置8の指令信号に従ってモータ制御装置10Eを通して制御される。送出モータ10Bは、モータ制御装置10Eによって張力検出器10Cの検出信号に基づいてサーボ動作する。そのため、設定張力値が小さいときでもワイヤ電極WEのテンションが安定し、ワイヤ電極WEが弛んだり、断線したりするおそれがより小さい。制御装置8は、ワイヤ回収機構3の巻取装置30におけるトルクに合わせて送出モータ10Bを制御することができる。
送出ローラ10Aは、ワイヤ電極WEが一対のワイヤガイド4U,4Lとの間に張架されているときは、送出ローラ10Aと巻取装置30の巻取ローラ30Aとの間の回転速度差によって、ワイヤ電極WEを実質的に停止させた状態で、またはワイヤ電極WEを所定の走行速度で加工間隙に連続して送り出しながらワイヤ電極WEに所定のテンションを付与する。
送出ローラ10Aは、ワイヤ電極WEを結線するときは、送出モータ10Bによって正転方向に定速回転し、ワイヤ電極WEの先端を下穴に挿通し通過させてワイヤ回収機構3に捕捉させる。また、送出ローラ10Aは、自動結線のリトライを行なうときは、送出モータ10Bによって逆転方向に定速回転し、ワイヤ電極WEを所定位置まで巻き上げる。
ワイヤ回収機構3は、加工に供されて消耗したワイヤ電極WEを規定の走行径路に沿って加工間隙から回収する手段である。ワイヤ回収機構3は、巻取装置30と、方向転換プーリ31と、搬送パイプ32と、アスピレータ33と、バケット34と、ワイヤ裁断機35とを有する。巻取装置30は、主に、巻取ローラ30Aと、巻取モータ30Bと、ピンチローラ30Cとで構成される。巻取ローラ30Aは、巻取装置30の駆動ローラを形成し、ピンチローラ30Bは、巻取装置30の従動ローラを形成する。
下穴を抜けて下側ワイヤガイド4Lに通されたワイヤ電極WEは、方向転換プーリ31によって進行方向を水平方向に変えられて搬送パイプ32に挿入される。搬送パイプ32の中のワイヤ電極WEは、アスピレータ33によって吸引され推進力を得る。
搬送パイプ32を抜け出たワイヤ電極WEは、巻取装置30の巻取ローラ30Aとピンチローラ30Cとの間に捕捉されて挟持される。巻取ローラ30Aは、定速回転モータである巻取モータ30Bに追って正転方向に所定の回転速度で回転し、使用済のワイヤ電極WEを所定の走行速度で走行させながらバケット34の直上まで引き込む。実施の形態のワイヤカット放電加工装置では、バケット34の上に引き込まれたワイヤ電極WEをワイヤ裁断機35で細断してバケット34に収容するようにされている。
ワイヤガイド機構4は、被加工物WPを挟んで設けられる上下一対のワイヤガイド4U,4Lで成る。上側ワイヤガイド4Uと下側ワイヤガイド4Lは、上下ガイド組体40A,40Bの中にそれぞれ組み込まれている。一対のワイヤガイド4U,4Lは、ワイヤ電極WEを規定の走行径路上に位置決めするとともに、走行するワイヤ電極WEを案内する。一対のワイヤガイド4U,4Lは、共にダイス形状を有する“ダイスガイド”であって、各ワイヤガイド4U,4Lとワイヤ電極WEとの間に数μmのクリアランスがあるので、自動結線時にワイヤ電極WEの先端をワイヤガイド4U,4Lの中に通すことができる。
上下ガイド組体40A,40Bには、電流供給装置5からワイヤ電極WEに加工電流を供給するための上側通電体5Uと下側通電体5Lがそれぞれ収容されている。また、上下ガイド組体40A,40Bには、加工液供給装置7から供給されている所定の圧力の加工液噴流を加工間隙に噴射供給するための上下ノズル8U,8Lがそれぞれ組み込まれている。
電流供給装置5は、少なくとも、直流電源と、スイッチング回路と、リレースイッチを備えている。実施の形態のワイヤカット放電加工装置では、電流供給装置5は、加工間隙に加工電流を供給する加工電源回路を含んでいる。したがって、電流供給装置5は、放電加工に必要な電圧パルスを加工間隙に印加して加工電流を供給する手段であるとともに、自動結線時にワイヤ電極WEに所定のアニール電流と所定の溶断電流を供給する手段である。
電流供給装置5の直流電源の正極が上下ガイド組体40A,40Bにそれぞれ収容されている上側通電体5Uと下側通電体5Lに接続され、負極が被加工物WPに接続されている。加工中、電流供給装置5は、上下各通電体5U,5Lと被加工物WPとを通して加工間隙に繰返し電圧パルスを印加して加工間隙に間欠的に所定の加工電流を供給する。
実施の形態の電流供給装置5では、直流電源の正極が自動結線装置1の上側給電電極13Uと中間給電電極14とにそれぞれ図示しないリレースイッチを介在させて接続され、負極が下側給電電極13Lにリレースイッチを介在させて接続されている。電極供給装置5は、自動結線時に、一対のアニール電極13を導通してワイヤ電極WEに所定のアニール電流を供給する。また、電流供給装置5は、ワイヤ電極WEを意図的に切断するときに、下側給電電極13Lと中間給電電極14を導通してワイヤ電極WEに所定の溶断電流を供給する。
圧縮空気供給装置6は、自動結線装置1のワイヤ振動装置12の作動用の圧縮空気を供給する手段である。圧縮空気供給装置6は、図示しないエアコンプレッサのような圧縮空気供給源と、複数の電磁弁と、レギュレータとを含んでいる。圧縮空気供給装置6は、圧縮空気供給源の高圧の圧縮空気をレギュレータで所定の圧力に調整し、電磁弁を定期的に切り換えることによってワイヤ振動装置12の一対の導入口12A,12Bに交互に所定の圧力の圧縮空気を供給する。
圧縮空気供給装置6は、自動結線装置1のワイヤ振動装置12の作動用の圧縮空気を供給する手段である。圧縮空気供給装置6は、図示しないエアコンプレッサのような圧縮空気供給源と、複数の電磁弁と、レギュレータとを含んでいる。圧縮空気供給装置6は、圧縮空気供給源の高圧の圧縮空気をレギュレータで所定の圧力に調整し、電磁弁を定期的に切り換えることによってワイヤ振動装置12の一対の導入口12A,12Bの交互に所定の圧縮空気を供給する。
加工液供給装置7は、加工間隙に所定の圧力の加工液噴流を供給する手段である。加工液供給装置7は、図示しない噴流ポンプによって加工液を貯留するサービスタンクから清浄な加工液を上下ガイド組体40A,40Bにそれぞれ設けられている上下加工液噴流ノズル7U,7Lに供給する。各加工液噴流ノズル7U,7Lから所定の圧力の加工液噴流がワイヤ電極WEの規定の走行径路の軸線方向に対して同軸に加工間隙に向けて噴射される。
制御装置8は、ワイヤカット放電加工装置の動作を制御する手段である。以下、制御装置8の制御動作のうち、本発明に直接関係する制御に限定して説明する。実施の形態のワイヤカット放電加工装置において、制御装置8は、自動結線装置1の動作を制御する手段である。特に、制御装置8は、電流供給装置5とテンション装置10を制御する。
制御装置8は、電流供給装置5から所定のアニール電流を供給している所定期間中に設定張力値を80g以下で可能な限り小さくしてワイヤ電極WEにテンションを付与するテンション装置10を制御する。特に、制御装置8は、所定のアニール電流の供給を停止すると同時に所定期間中にワイヤ電極WEを加熱していない状態で空気中に晒して徐々に冷却するように自動結線装置1を制御する。
実施の形態のワイヤカット放電加工装置の制御装置8は、ワイヤ電極WEに十分に小さい上記設定張力値のテンションを印加してから所定期間経過後に所定のアニール電流を供給するように電流供給装置5を制御している。また、制御装置8は、所定のアニール電流を停止すると同時に上記設定張力値が0gにならない範囲で上記設定張力値を10g以上小さくして所定期間経過後に元の設定張力値に戻すように、ワイヤ電極WEにテンションを付与するようにテンション装置10を制御している。
図3に、図1および図2に示される制御装置と自動結線装置の適する動作の例が示されている。また、図4に、ワイヤ電極を焼き鈍して切断するまでのアニール電流とテンションの変化の例が示されている。以下に、図1と図2を適宜引用しながら、図3と図4を用いて実施の形態の制御装置と、電流供給装置、およびテンション装置を含む自動結線装置の動作を説明する。
図4に示されるように、以下、ワイヤ電極を焼き鈍してから意図的に切断するまでの期間を、準備期間、アニール期間、徐冷期間、切断期間の各期間に区分して説明する。準備期間は、制御装置8が設定張力値の指令信号を出力してから所定のアニール電流を供給するまでの期間をいう。アニール期間は、アニール電流を供給している期間をいう。徐冷期間は、アニール電流の供給を停止してからワイヤ電極WEの切断時における強いテンションを付与しても真直性に影響が出ない温度まで冷却しワイヤ電極WEの切断時の所要のテンションを印加するまでの期間をいう。
ワイヤ電極WEを焼き鈍すときは、制御装置8は、予め電流供給装置5のリレースイッチを切り換えて、上側給電電極13Uと下側給電電極13Lを電流供給装置5の直流電源に電気的に接続させておく。また、制御装置8は、給電電極駆動装置15を作動して、各給電電極13U,13L,14をワイヤ電極WEに付勢する(S1)。
次に、制御装置8は、テンション装置10を制御してワイヤ電極WEの走行を停止した状態で張力値が80g以下で可能な限り小さいテンションをワイヤ電極WEに印加する(S2)。
具体的には、巻取装置30の巻取ローラ30Aとピンチローラ30Cとでワイヤ電極WEを挟持しワイヤ電極WEの走行を実質的に停止させて保持するためのトルクを発生させている状態で巻取モータ30Bの回転を停止させる。同時に、送出ローラ10Aとピンチローラ10Dとでワイヤ電極WEを保持し、送出モータ10Bを駆動して80g以下の所定の張力値になるまで低速でワイヤ電極WEを僅かに巻き上げてからワイヤ電極WEの走行を実質的に停止させて保持するためのトルクを発生させている状態で送出モータ10Bを停止する。
ワイヤ電極WEの走行を停止した状態で保持する巻取装置30に代えて、自動結線装置1の下側給電電極13の下方の規定の走行径路上に把持装置を設けることができる。把持装置によってワイヤ電極WEを保持する場合は、把持装置と送出ローラ10Aとの間でテンションが付与される。
アニール期間中の設定張力値が大きいほどアニール期間初期におけるワイヤ電極の弛みを小さく抑えることができるが、一方でワイヤ電極WEがより大きな外力を受けることによって再結晶時に結晶構造に悪影響を与えているものと推定され、真直性を得る結果のばらつきが大きくなる傾向がある。そのため、設定張力値が小さければ小さいほど安定して真直性を得ることができる。実用上の観点から、ワイヤ電極WEの線径と材質に関わらず、設定張力値が80gを超えると安定して真直性を得ることができるなくなる。したがって、設定張力値は、80g以下で可能な限り小さくされることが望ましい。
ところで、アニール期間中に付与する設定張力値が80g以下のテンションは、従前の比較的低い数百g程度のテンションに比べても極端に小さいことがわかる。そのため、図4に示されるように、所定の設定張力値のテンションに安定するまでに相応の時間を要する。このとき、所定の設定張力値に切り換えてから直ぐに所定のアニール電流を供給すると、断続的にテンションが実質的に0の状態でワイヤ電極WEを焼き鈍してしまう可能性がある。
実施の形態のワイヤカット放電加工装置では、制御装置8は、所定の張力値の指令を出力してからテンションが安定するまでの予め定められている準備期間中に、自動結線装置1の動作を停止して待機させる(S3)。なお、実施の形態のワイヤカット放電加工装置においては、テンションが安定したかどうかを張力検出器10Cの検出信号を利用して判断することが可能である。
制御装置8は、テンションが安定した所定の準備期間経過後に電流供給装置5のスイッチング回路を操作して、所定のアニール期間中、上側給電電極13Uと下側給電電極13Lとの一対のアニール電極13を導通してワイヤ電極WEに所定のアニール電流を供給する(S4)。アニール期間中に供給される所定のアニール電流の電流値は、ワイヤ電極WEの線径と材質に対応してアニール条件として予め設定されているが、アニール期間中に設定電流値を操作する必要はない。
所定のアニール期間経過後、制御装置8は、所定のアニール電流の供給を停止してワイヤ電極WEが空気中に晒されて放熱し徐々に冷却されるように、設定張力値が80g以下の極小さいテンションを印加したままの状態で自動結線装置1の動作を停止して待機させる(S5)。
ワイヤ電極WEの温度が十分に低下して焼鈍しが完了しワイヤ電極WEが再結晶化するまでの間に大きいテンションが印加されると、結晶構造が悪化して真直性が失われると推定される。そこで、実施の形態のワイヤカット放電加工装置では、ワイヤ電極WEが再結晶化するまでの必要十分な所定の徐冷期間中、アニール期間中の小さいテンションを印加した状態で自動結線装置1の動作を停止するようにしている。
徐冷期間は、自動結線時間を短縮するためには可能な限り短くされるべきであるが、具体的に、ワイヤ電極WEの真直性を得るために必要な徐冷期間は、数十ミリ秒から数秒であるので、自動結線に要する時間が極端に長くなることはない。徐冷期間中にワイヤ電極WEが張架されている方向にゆっくりと縮小して真直になるので、ワイヤ電極WEの結晶構造の悪化が抑えられ、ワイヤ電極WEの線径と材質の影響を殆ど受けずに、ワイヤ電極WEは、真直性を保持したまま焼き鈍されて巻き癖が確実に取り除かれる。
実施の形態のワイヤカット放電加工装置における制御装置8は、アニール期間経過後、所定期間中、アニール電流の供給を停止すると同時にテンションの設定張力値を0gにならない範囲で10g以上小さくなるようにテンション装置10を制御する(S6)。ワイヤ電極WEが縮小する速度が低下した所定期間経過後に元の設定張力値に戻す。
アニール期間経過直後の所定期間中は、ワイヤ電極WEがやや速めに縮小していくので、ワイヤ電極WEに実際に印加されるテンションが一時的に許容し得ない程度に設定張力値よりも大きくなる可能性がある。実施の形態のワイヤカット放電加工装置は、安全のために、アニール期間経過後、ワイヤ電極WEの縮小する速度が低下して縮小が収まるまでの暫らくの間、設定張力値をより小さくするので、アニール期間終了直後に実際にワイヤ電極WEにかかるテンションを実質的に元の設定張力値と略同じにしておくことができる。そのため、焼鈍しによって得た真直性を失うおそれがなく、一層安定して真直性を得ることができる。
所定の徐冷期間経過後、制御装置8は、すでに真直性を得ているワイヤ電極WEの切断に適するテンションをワイヤ電極WEに印加するようにテンション装置10を制御する(S7)。切断に適するテンションは、ワイヤ電極の線径と材質に応じて数百gないし千数百gである。
ワイヤ電極WEの切断に適する所定張力値のテンションを印加した後、電流供給装置5の電気的な接続を切り換えて、上側給電電極13Uを直流電源から切り離し、下側給電電極13Lと中間給電電極14をそれぞれ直流電源の負極と正極に接続する。そして、所定の溶断電流を供給してワイヤ電極WEを部分的に溶かして溶かした箇所で切断する(S8)。
ワイヤ電極WEは、焼き鈍された後で比較的強いテンションが付与されて線径が僅かに小さくなっている。ワイヤ電極WEは、線径が小さくされている下側給電電極13Lと中間給電電極との間で溶かして切断させるので、ワイヤ電極WEが大きく弾むことがなく、真直性を保持したまま規定の走行径路上に位置する。また、切断された後のワイヤ電極WEの先端は、真直性を保持したまま細く丸くなっている。
制御装置8は、ワイヤ電極WEが切断された切断期間後に、ガイドパイプ11を上側ワイヤガイド4Uの入口まで下降させる。同時に、送出モータ10Bを駆動して送出ローラ10Aを正転方向に回転させ、ガイドパイプ11の下降に合わせてガイドパイプ11内にあるワイヤ電極WEを送り出すようにテンション装置10を制御する(S9)。なお、制御装置8は、巻取装置30を作動してワイヤ電極WEが切断された後にワイヤ回収機構3に残されているワイヤ電極WEを予め排出しておく。
送り出されたワイヤ電極WEは、ガイドパイプ11に案内されて上側ワイヤガイド4Uを通過する。上側ワイヤガイド4Uを通過したワイヤ電極WEが被加工物WPに穿設されている下穴に引っ掛かったときは、図示しない座屈センサがワイヤ電極WEの座屈を検出する(S10)。
ワイヤ電極WEの座屈が検出されたときは、制御装置8は、テンション装置10を制御して送出ローラ10Aを逆転方向に回転させて、ワイヤ電極WEを一旦所定量巻き上げる。そして、ワイヤ振動装置12を作動させてワイヤ電極WEを微小に上下動させ、ワイヤ電極WEの先端を下穴に導入する(S11)。なお、図示されていないが、ワイヤ電極WEを微小に上下動させても下穴への挿通を失敗する場合には、一旦ワイヤ電極WEの先端を切断して取り除き、再度始めから自動結線を行なうリトライ動作を行なうようにすることができる。
下穴を通過したワイヤ電極WEは、被加工物WPに穿設されている下穴と下側ワイヤガイド4Lを順番に通過して搬送パイプ32に捕捉される。制御装置8は、アスピレータを作動して搬送パイプ32の中のワイヤ電極WEを吸引させる。搬送パイプ32から引き出されたワイヤ電極WEは、巻取装置30の巻取ローラ31とピンチローラ30Cに挟持されて結線が完了する。
本発明は、具体的に示された実施の形態のワイヤカット放電加工装置に限定されない。すでにいくつかの例が示されているが、本発明の技術思想を逸脱しない範囲で変形が可能である。
本発明は、ワイヤカット放電加工装置に適用される。本発明は、ワイヤカット放電加工における自動結線の成功率を向上させる。特に、線径が小さいワイヤカット放電加工に有益である。本発明は、ワイヤカット放電加工装置の自動結線における操作を簡単にして作業効率を向上させ、放電加工の発展に寄与する。
1 自動結線装置
2 ワイヤ供給機構
3 ワイヤ回収機構
4 ワイヤガイド機構
4U 上側ワイヤガイド
4L 下側ワイヤガイド
5 電流供給装置
6 圧縮空気供給装置
7 加工液供給装置
8 制御装置
10 テンション装置
10A 送出ローラ
10B 送出モータ
10C 張力検出器
10D ピンチローラ
11 ガイドパイプ
12 ワイヤ振動装置
13 アニール電極
13U 上側給電電極
13L 下側給電電極
14 中間給電電極
15 電極駆動装置
15U 上側電極駆動装置
15L 下側電極駆動装置
30 巻取装置
30A 巻取ローラ
30B 巻取モータ
30C ピンチローラ
本発明のワイヤカット放電加工装置は、上記課題を解決するために、ワイヤ電極(WE)に所定のテンションを付与するテンション装置(10)と、ワイヤ電極(WE)に所定の電流を供給する電流供給装置(5)と、を有し、ワイヤ電極(WE)を自動的に一対のワイヤガイド(4U,4L)間に張架する自動結線装置(1)を備えたワイヤカット放電加工装置において、電流供給装置(5)から所定のアニール電流を供給している所定期間中に設定張力値を80g以下で可能な限り小さくしてワイヤ電極(WE)にテンションを付与するようにテンション装置(10)を制御する制御装置(8)を含み、制御装置(8)は、所定のアニール電流の供給を停止すると同時に設定張力値が0にならない範囲で設定張力値を10g以上小さくし所定期間経過後に元の設定張力値に戻すようにワイヤ電極(WE)にテンションを付与するようにテンション装置(10)を制御する。
本発明のワイヤカット放電加工装置は、設定張力値が80g以下の可能な限り小さいテンションを安定して付与した状態で加熱し、所定のアニール電流の供給を停止すると同時に設定張力値が0にならない範囲で設定張力値を10g以上小さくし所定期間経過後に元の設定張力値に戻すようにワイヤ電極(WE)にテンションを付与するので、ワイヤ電極が焼き鈍されて再結晶化するときに、結晶構造に悪影響を及ぼさないと推定される。そのため、ワイヤ電極の線径と品質のばらつきに関係なく、より安定して真直性を得ることができる。
搬送パイプ32を抜け出たワイヤ電極WEは、巻取装置30の巻取ローラ30Aとピンチローラ30Cとの間に捕捉されて挟持される。巻取ローラ30Aは、定速回転モータである巻取モータ30Bにって正転方向に所定の回転速度で回転し、使用済のワイヤ電極WEを所定の走行速度で走行させながらバケット34の直上まで引き込む。実施の形態のワイヤカット放電加工装置では、バケット34の上に引き込まれたワイヤ電極WEをワイヤ裁断機35で細断してバケット34に収容するようにされている。
実施の形態の電流供給装置5では、直流電源の正極が自動結線装置1の上側給電電極13Uと中間給電電極14とにそれぞれ図示しないリレースイッチを介在させて接続され、負極が下側給電電極13Lにリレースイッチを介在させて接続されている。電供給装置5は、自動結線時に、一対のアニール電極13を導通してワイヤ電極WEに所定のアニール電流を供給する。また、電流供給装置5は、ワイヤ電極WEを意図的に切断するときに、下側給電電極13Lと中間給電電極14を導通してワイヤ電極WEに所定の溶断電流を供給する。

Claims (4)

  1. ワイヤ電極に所定のテンションを付与するテンション装置と、ワイヤ電極に所定の電流を供給する電流供給装置と、を有し、ワイヤ電極を自動的に一対のワイヤガイド間に張架する自動結線装置を備えたワイヤカット放電加工装置において、前記電流供給装置から所定のアニール電流を供給している所定期間中に設定張力値を80g以下で可能な限り小さくしてワイヤ電極にテンションを付与するように前記テンション装置を制御する制御装置を含んでなるワイヤカット放電加工装置。
  2. 前記所定のアニール電流の供給を停止すると同時に所定期間中にワイヤ電極を加熱していない状態で空気中に晒して徐々に冷却するように前記自動結線装置を制御する制御装置を含んでなる請求項1に記載のワイヤカット放電加工装置。
  3. ワイヤ電極に前記設定張力値が80g以下で可能な限り小さいテンションを印加してから所定期間経過後に前記所定のアニール電流を供給するように前記電流供給装置を制御する制御装置を含んでなる請求項1に記載のワイヤカット放電加工装置。
  4. 前記所定のアニール電流の供給を停止すると同時に前記設定張力値が0にならない範囲で前記設定張力値を10g以上小さくし所定期間経過後に元の前記設定張力値に戻すようにワイヤ電極にテンションを付与するように前記テンション装置を制御する制御装置を含んでなる請求項1に記載のワイヤカット放電加工装置。
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