JP2016028077A - 水性眼科組成物 - Google Patents
水性眼科組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2016028077A JP2016028077A JP2015179270A JP2015179270A JP2016028077A JP 2016028077 A JP2016028077 A JP 2016028077A JP 2015179270 A JP2015179270 A JP 2015179270A JP 2015179270 A JP2015179270 A JP 2015179270A JP 2016028077 A JP2016028077 A JP 2016028077A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ophthalmic composition
- aqueous ophthalmic
- castor oil
- polyoxyethylene castor
- terpenoid
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K47/00—Medicinal preparations characterised by the non-active ingredients used, e.g. carriers or inert additives; Targeting or modifying agents chemically bound to the active ingredient
- A61K47/44—Oils, fats or waxes according to two or more groups of A61K47/02-A61K47/42; Natural or modified natural oils, fats or waxes, e.g. castor oil, polyethoxylated castor oil, montan wax, lignite, shellac, rosin, beeswax or lanolin
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K47/00—Medicinal preparations characterised by the non-active ingredients used, e.g. carriers or inert additives; Targeting or modifying agents chemically bound to the active ingredient
- A61K47/02—Inorganic compounds
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K47/00—Medicinal preparations characterised by the non-active ingredients used, e.g. carriers or inert additives; Targeting or modifying agents chemically bound to the active ingredient
- A61K47/06—Organic compounds, e.g. natural or synthetic hydrocarbons, polyolefins, mineral oil, petrolatum or ozokerite
- A61K47/08—Organic compounds, e.g. natural or synthetic hydrocarbons, polyolefins, mineral oil, petrolatum or ozokerite containing oxygen, e.g. ethers, acetals, ketones, quinones, aldehydes, peroxides
- A61K47/10—Alcohols; Phenols; Salts thereof, e.g. glycerol; Polyethylene glycols [PEG]; Poloxamers; PEG/POE alkyl ethers
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K47/00—Medicinal preparations characterised by the non-active ingredients used, e.g. carriers or inert additives; Targeting or modifying agents chemically bound to the active ingredient
- A61K47/06—Organic compounds, e.g. natural or synthetic hydrocarbons, polyolefins, mineral oil, petrolatum or ozokerite
- A61K47/24—Organic compounds, e.g. natural or synthetic hydrocarbons, polyolefins, mineral oil, petrolatum or ozokerite containing atoms other than carbon, hydrogen, oxygen, halogen, nitrogen or sulfur, e.g. cyclomethicone or phospholipids
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K47/00—Medicinal preparations characterised by the non-active ingredients used, e.g. carriers or inert additives; Targeting or modifying agents chemically bound to the active ingredient
- A61K47/06—Organic compounds, e.g. natural or synthetic hydrocarbons, polyolefins, mineral oil, petrolatum or ozokerite
- A61K47/26—Carbohydrates, e.g. sugar alcohols, amino sugars, nucleic acids, mono-, di- or oligo-saccharides; Derivatives thereof, e.g. polysorbates, sorbitan fatty acid esters or glycyrrhizin
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K9/00—Medicinal preparations characterised by special physical form
- A61K9/0012—Galenical forms characterised by the site of application
- A61K9/0048—Eye, e.g. artificial tears
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K9/00—Medicinal preparations characterised by special physical form
- A61K9/08—Solutions
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P27/00—Drugs for disorders of the senses
- A61P27/02—Ophthalmic agents
Landscapes
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Veterinary Medicine (AREA)
- Pharmacology & Pharmacy (AREA)
- Public Health (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Animal Behavior & Ethology (AREA)
- Epidemiology (AREA)
- Oil, Petroleum & Natural Gas (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- General Chemical & Material Sciences (AREA)
- Molecular Biology (AREA)
- Ophthalmology & Optometry (AREA)
- Biochemistry (AREA)
- Inorganic Chemistry (AREA)
- Biophysics (AREA)
- Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
- Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Medicinal Preparation (AREA)
Abstract
【課題】界面活性剤などの溶解補助剤が配合された泡立ち易い水性眼科組成物について、振動又は衝撃により泡が発生しても、泡の消える速度が速い水性眼科組成物の提供。更に、テルペノイドを含有する水性眼科組成物について、テルペノイド濃度の経時的低下を抑制する方法を提供する。
【解決手段】(A)酸化エチレンの平均付加モル数が2〜12であるポリオキシエチレンヒマシ油を0.01〜3w/v%と(B)メントール、カンフル、ゲラニオール又はユーカリ油から選択される少なくとも一種からなるテルペノイドを0.0001〜1w/v%とを含む、水性眼科組成物。
【選択図】なし
【解決手段】(A)酸化エチレンの平均付加モル数が2〜12であるポリオキシエチレンヒマシ油を0.01〜3w/v%と(B)メントール、カンフル、ゲラニオール又はユーカリ油から選択される少なくとも一種からなるテルペノイドを0.0001〜1w/v%とを含む、水性眼科組成物。
【選択図】なし
Description
本発明は、水性眼科組成物に関する。
眼科分野において、溶解補助剤は、多くの処方に配合されている。特に水性眼科組成物においては、水溶性の比較的低い生理活性成分、添加物等の溶解補助を目的に、様々な溶解補助剤の配合が工夫されている。眼科分野において用いられる溶解補助剤の一つとして、界面活性剤が挙げられる。界面活性剤を配合した水性製剤は泡立ちやすいことが知られており、製造時又は流通時において、振動又は衝撃を与えることにより泡が発生する。
一般に、水性眼科組成物は、眼に対して安全に適用するために、製造時の溶解確認が重視される。また、水性眼科組成物の中でも点眼剤、洗眼剤などの医薬品においては、製造工程での異物検査が必須である。しかしながら、製造中の水性眼科組成物において泡が発生し、泡の消える速度が遅い場合、配合成分又は異物と泡との見分けがつき難いために、溶解確認、異物検査の工程などで長時間を要し、製造が効率的に行えないのが現状であった。
一方、テルペノイドは、適用時の清涼感の付与等の目的で、眼科組成物に配合されることがある(特許文献1参照)。しかしながら、テルペノイドを含有する眼科組成物を容器中に収容して保存すると、経時的にテルペノイド濃度が低下することが知られている。この原因としては、容器へのテルペノイドの吸着、テルペノイドの揮発などが推測されるが、有効な解決策は見出されていない。
本発明は、上記した従来技術の現状に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、水性眼科組成物、特に、界面活性剤などの溶解補助剤が配合された泡立ちし易い水性眼科組成物について、振動又は衝撃により泡が発生しても、泡の消える速度が速い水性眼科組成物を提供することである。
本発明のその他の主な目的は、テルペノイドを含有する水性眼科組成物について、テルペノイド濃度の経時的低下を抑制する方法を提供することである。
更に、本発明のその他の目的は、より改善された各種の作用を有する水性眼科組成物を提供することである。
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討を行ったところ、驚くべきことに、水性眼科組成物中に特定のポリオキシエチレンヒマシ油とテルペノイドを同時に配合することによって、振動又は衝撃により泡が発生した場合に、泡の消える速度が顕著に向上することを見出した。更に、本発明者等は検討を進めたところ、多量に泡が発生した状態の点眼剤等の水性眼科組成物は、使用時に1回ごとの滴下量のバラツキが大きいと言う課題を見出した。このような課題は、特に1回の使用量が比較的少ない点眼剤、コンタクトレンズ装着液において特に問題となる。滴下量のバラツキが大きいと、1回毎の使用量を使用者自身がコントロールし難く、扱いづらいなどの不都合が生じるため、特に水性眼科組成物が医薬品の場合などはコンプライアンスの低下等に繋がる可能性もある。しかしながら、本発明の水性眼科組成物によれば、このような滴下量のバラツキをも抑制することが可能となる。
更に、本発明者らは、テルペノイドと同時に特定のポリオキシエチレンヒマシ油を配合することによって、容器に収容した水性眼科組成物におけるテルペノイド濃度の低下を抑制する効果が奏されることを見出した。
更に、本発明者らの研究によれば、このような特定のポリオキシエチレンヒマシ油とテルペノイドを併用した水性眼科組成物では、保存効力が増強されることが見出された。一般に、非イオン性界面活性剤は、防腐剤を不活性化し、防腐力を低下させる作用を有することが知られている。このため、非イオン性界面活性剤である特定のポリオキシエチレンヒマシ油をテルペノイドと組み合わせて用いる場合に、保存効力が増強されることは、全く予想外の効果といえる。
また、本発明者らは、酸化エチレンの平均付加モル数が2〜12であるポリオキシエチレンヒマシ油は水溶性が低く水溶液中で分離しやすいが、研究を重ねた結果、同じく水溶性の低いテルペノイドと共に配合することによって、意外にも両成分の水性眼科組成物中での分離が共に抑制され、長期間安定に使用することが可能となることを見出した。すなわち、本発明者らの研究により、上記特定のポリオキシエチレンヒマシ油とテルペノイドは、それぞれ水性眼科組成物中において分離又は析出し易いにも拘わらず、驚くべきことに両成分を共に配合することにより、ポリオキシエチレンヒマシ油とテルペノイドが共に分離抑制されるという効果が奏されることが見出された。
本発明は、これらの知見に基づいて更に研究を重ねた結果、完成されたものである。
即ち、本発明は、下記に掲げる態様の眼科組成物を提供する。
項1-1.(A) 酸化エチレンの平均付加モル数が2〜12であるポリオキシエチレンヒマシ油と、(B)テルペノイドを含む、水性眼科組成物。
項1-2.(A)成分が、 ポリオキシエチレンヒマシ油3及びポリオキシエチレンヒマシ油10からなる群より選択される少なくとも1種である、項1-1に記載の水性眼科組成物。
項1-3.水性眼科組成物の総量に対して、(A)成分の含有割合が0.01〜3w/v%である、項1-1又は1-2に記載の水性眼科組成物。
項1-4.(B)成分が、メントール、カンフル、ゲラニオール、ボルネオール、及びユーカリ油からなる群より選択される少なくとも1種である、項1-1乃至1-3のいずれかに記載の水性眼科組成物。
項1-5.水性眼科組成物の総量に対して、(B)成分の含有割合が0.0001〜1w/v%である、項1-1乃至1-4のいずれかに記載の水性眼科組成物。
項1-6.(A)成分の総量100重量部当たり、(B)成分の総量が0.01〜1000重量部である、項1-1乃至1-5に記載の水性眼科組成物。
項1-7.(A)成分の総量100重量部当たり、(B)成分の総量が2〜15重量部である、項1-1乃至1-6に記載の水性眼科組成物。
項1-8. さらに緩衝剤を含有する、項1-1乃至1-7のいずれかに記載の水性眼科組成物。
項1-9.緩衝剤がホウ酸緩衝剤である、項1-1乃至1-8のいずれかに記載の水性眼科組成物。
項1-10.水性眼科組成物の総量に対して、緩衝剤の含有割合が0.01〜10w/v%である、項1-8又は1-9に記載の水性眼科組成物。
項1-11.さらに(A)成分以外の非イオン性界面活性剤を含有する、項1-1乃至1-10のいずれかに記載の水性眼科組成物。
項1-12.(A)成分以外の非イオン性界面活性剤が、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン・ブロックコポリマー、及び酸化エチレンの平均付加モル数が20以上であるポリオキシエチレンヒマシ油からなる群より選択される少なくとも1種である、項1-11に記載の水性眼科組成物。
項1-13.水性眼科組成物の総量に対して、(A)成分以外の非イオン性界面活性剤の含有割合が0.001〜3w/v%である、項1-11又は1-12に記載の水性眼科組成物。
項1-14.ポリエチレンテレフタレート製容器に充填されてなる、項1-1乃至1-13のいずれかに記載の水性眼科組成物。
項1-15.ポリエチレン製ノズルが装着された容器に充填されてなる、項1-1乃至1-14のいずれかに記載の水性眼科組成物。
項1-16.点眼剤である項1-1乃至1-15のいずれかに記載の水性眼科組成物。
項1-17.洗眼剤である項1-1乃至1-15のいずれかに記載の水性眼科組成物。
項1-18.コンタクトレンズ装着液である項1-1乃至1-15のいずれかに記載の水性眼科組成物。
項1-19.コンタクトレンズケア用剤である項1-1乃至1-15のいずれかに記載の水性眼科組成物。
項1-1.(A) 酸化エチレンの平均付加モル数が2〜12であるポリオキシエチレンヒマシ油と、(B)テルペノイドを含む、水性眼科組成物。
項1-2.(A)成分が、 ポリオキシエチレンヒマシ油3及びポリオキシエチレンヒマシ油10からなる群より選択される少なくとも1種である、項1-1に記載の水性眼科組成物。
項1-3.水性眼科組成物の総量に対して、(A)成分の含有割合が0.01〜3w/v%である、項1-1又は1-2に記載の水性眼科組成物。
項1-4.(B)成分が、メントール、カンフル、ゲラニオール、ボルネオール、及びユーカリ油からなる群より選択される少なくとも1種である、項1-1乃至1-3のいずれかに記載の水性眼科組成物。
項1-5.水性眼科組成物の総量に対して、(B)成分の含有割合が0.0001〜1w/v%である、項1-1乃至1-4のいずれかに記載の水性眼科組成物。
項1-6.(A)成分の総量100重量部当たり、(B)成分の総量が0.01〜1000重量部である、項1-1乃至1-5に記載の水性眼科組成物。
項1-7.(A)成分の総量100重量部当たり、(B)成分の総量が2〜15重量部である、項1-1乃至1-6に記載の水性眼科組成物。
項1-8. さらに緩衝剤を含有する、項1-1乃至1-7のいずれかに記載の水性眼科組成物。
項1-9.緩衝剤がホウ酸緩衝剤である、項1-1乃至1-8のいずれかに記載の水性眼科組成物。
項1-10.水性眼科組成物の総量に対して、緩衝剤の含有割合が0.01〜10w/v%である、項1-8又は1-9に記載の水性眼科組成物。
項1-11.さらに(A)成分以外の非イオン性界面活性剤を含有する、項1-1乃至1-10のいずれかに記載の水性眼科組成物。
項1-12.(A)成分以外の非イオン性界面活性剤が、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン・ブロックコポリマー、及び酸化エチレンの平均付加モル数が20以上であるポリオキシエチレンヒマシ油からなる群より選択される少なくとも1種である、項1-11に記載の水性眼科組成物。
項1-13.水性眼科組成物の総量に対して、(A)成分以外の非イオン性界面活性剤の含有割合が0.001〜3w/v%である、項1-11又は1-12に記載の水性眼科組成物。
項1-14.ポリエチレンテレフタレート製容器に充填されてなる、項1-1乃至1-13のいずれかに記載の水性眼科組成物。
項1-15.ポリエチレン製ノズルが装着された容器に充填されてなる、項1-1乃至1-14のいずれかに記載の水性眼科組成物。
項1-16.点眼剤である項1-1乃至1-15のいずれかに記載の水性眼科組成物。
項1-17.洗眼剤である項1-1乃至1-15のいずれかに記載の水性眼科組成物。
項1-18.コンタクトレンズ装着液である項1-1乃至1-15のいずれかに記載の水性眼科組成物。
項1-19.コンタクトレンズケア用剤である項1-1乃至1-15のいずれかに記載の水性眼科組成物。
また、本発明は、下記に掲げる態様の、水性眼科組成物における泡の消える速度の向上方法、及び使用時の滴下量のバラツキ抑制方法を提供する。
項2.(A) 酸化エチレンの平均付加モル数が2〜12であるポリオキシエチレンヒマシ油と、(B)テルペノイドを水性眼科組成物に配合することを含む、該水性眼科組成物における泡の消える速度を向上させる方法。
項3.(A) 酸化エチレンの平均付加モル数が2〜12であるポリオキシエチレンヒマシ油を含有する水性眼科組成物に、(B)テルペノイドを配合することを含む、該水性眼科組成物における泡の消える速度を向上させる方法。
項4.(A) 酸化エチレンの平均付加モル数が2〜12であるポリオキシエチレンヒマシ油と、(B)テルペノイドを、水性眼科組成物に配合することを含む、該水性眼科組成物における使用時の滴下量のバラツキを抑制する方法。
項5.(A)成分以外の界面活性剤を含有する水性眼科組成物に、(A) 酸化エチレンの平均付加モル数が2〜12であるポリオキシエチレンヒマシ油と、(B)テルペノイドを配合することを含む、該水性眼科組成物における泡の消える速度を向上させる方法。
項6.(A)成分以外の界面活性剤を含有する水性眼科組成物に、(A) 酸化エチレンの平均付加モル数が2〜12であるポリオキシエチレンヒマシ油と、(B)テルペノイドを配合することを含む、該水性眼科組成物における使用時の滴下量のバラツキを抑制する方法。
項2.(A) 酸化エチレンの平均付加モル数が2〜12であるポリオキシエチレンヒマシ油と、(B)テルペノイドを水性眼科組成物に配合することを含む、該水性眼科組成物における泡の消える速度を向上させる方法。
項3.(A) 酸化エチレンの平均付加モル数が2〜12であるポリオキシエチレンヒマシ油を含有する水性眼科組成物に、(B)テルペノイドを配合することを含む、該水性眼科組成物における泡の消える速度を向上させる方法。
項4.(A) 酸化エチレンの平均付加モル数が2〜12であるポリオキシエチレンヒマシ油と、(B)テルペノイドを、水性眼科組成物に配合することを含む、該水性眼科組成物における使用時の滴下量のバラツキを抑制する方法。
項5.(A)成分以外の界面活性剤を含有する水性眼科組成物に、(A) 酸化エチレンの平均付加モル数が2〜12であるポリオキシエチレンヒマシ油と、(B)テルペノイドを配合することを含む、該水性眼科組成物における泡の消える速度を向上させる方法。
項6.(A)成分以外の界面活性剤を含有する水性眼科組成物に、(A) 酸化エチレンの平均付加モル数が2〜12であるポリオキシエチレンヒマシ油と、(B)テルペノイドを配合することを含む、該水性眼科組成物における使用時の滴下量のバラツキを抑制する方法。
また、本発明は、下記に掲げる態様の、水性眼科組成物における保存効力の増強方法を提供する。
項7.(A) 酸化エチレンの平均付加モル数が2〜12であるポリオキシエチレンヒマシ油と、(B)テルペノイドを、水性眼科組成物に配合することを含む、該水性眼科組成物における保存効力を増強する方法。
項8.(B)テルペノイドを含有する水性眼科組成物に、(A) 酸化エチレンの平均付加モル数が2〜12であるポリオキシエチレンヒマシ油を配合することを含む、該水性眼科組成物における保存効力を増強する方法。
項7.(A) 酸化エチレンの平均付加モル数が2〜12であるポリオキシエチレンヒマシ油と、(B)テルペノイドを、水性眼科組成物に配合することを含む、該水性眼科組成物における保存効力を増強する方法。
項8.(B)テルペノイドを含有する水性眼科組成物に、(A) 酸化エチレンの平均付加モル数が2〜12であるポリオキシエチレンヒマシ油を配合することを含む、該水性眼科組成物における保存効力を増強する方法。
また、本発明は、下記に掲げる態様の、水性眼科組成物の分離抑制方法を提供する。
項9.(A) 酸化エチレンの平均付加モル数が2〜12であるポリオキシエチレンヒマシ油と、(B)テルペノイドを、水性眼科組成物に配合することを含む、該水性眼科組成物の分離抑制方法。
項10.(A) 酸化エチレンの平均付加モル数が2〜12であるポリオキシエチレンヒマシ油を含有する水性眼科組成物に、(B)テルペノイドを配合することを含む、該水性眼科組成物の分離抑制方法。
項11.(B)テルペノイドを含有する水性眼科組成物に、(A) 酸化エチレンの平均付加モル数が2〜12であるポリオキシエチレンヒマシ油を配合することを含む、該水性眼科組成物の分離抑制方法。
項9.(A) 酸化エチレンの平均付加モル数が2〜12であるポリオキシエチレンヒマシ油と、(B)テルペノイドを、水性眼科組成物に配合することを含む、該水性眼科組成物の分離抑制方法。
項10.(A) 酸化エチレンの平均付加モル数が2〜12であるポリオキシエチレンヒマシ油を含有する水性眼科組成物に、(B)テルペノイドを配合することを含む、該水性眼科組成物の分離抑制方法。
項11.(B)テルペノイドを含有する水性眼科組成物に、(A) 酸化エチレンの平均付加モル数が2〜12であるポリオキシエチレンヒマシ油を配合することを含む、該水性眼科組成物の分離抑制方法。
また、本発明は、下記に掲げる態様の、テルペノイドの経時的濃度低下抑制方法を提供する。
項12.(A) 酸化エチレンの平均付加モル数が2〜12であるポリオキシエチレンヒマシ油と、(B)テルペノイドとを、水性眼科組成物に配合することを含む、容器に収容された該水性眼科組成物におけるテルペノイド濃度の経時的低下を抑制する方法。
項13.水性眼科組成物を収容した容器が、ポリエチレン製ノズルが装着されたポリエチレンテレフタレート製容器である、項12に記載のテルペノイド濃度の経時的低下を抑制する方法。
項14. (B)テルペノイドを含有する水性眼科組成物に、(A) 酸化エチレンの平均付加モル数が2〜12であるポリオキシエチレンヒマシ油を配合することを含む、容器に収容された該水性眼科組成物におけるテルペノイド濃度の経時的低下を抑制する作用を該水性眼科組成物に付与する方法。
項15. 水性眼科組成物を収容した容器が、ポリエチレン製ノズルが装着されたポリエチレンテレフタレート製容器である、項14に記載のテルペノイド濃度の経時的低下を抑制する作用を該水性眼科組成物に付与する方法。
項12.(A) 酸化エチレンの平均付加モル数が2〜12であるポリオキシエチレンヒマシ油と、(B)テルペノイドとを、水性眼科組成物に配合することを含む、容器に収容された該水性眼科組成物におけるテルペノイド濃度の経時的低下を抑制する方法。
項13.水性眼科組成物を収容した容器が、ポリエチレン製ノズルが装着されたポリエチレンテレフタレート製容器である、項12に記載のテルペノイド濃度の経時的低下を抑制する方法。
項14. (B)テルペノイドを含有する水性眼科組成物に、(A) 酸化エチレンの平均付加モル数が2〜12であるポリオキシエチレンヒマシ油を配合することを含む、容器に収容された該水性眼科組成物におけるテルペノイド濃度の経時的低下を抑制する作用を該水性眼科組成物に付与する方法。
項15. 水性眼科組成物を収容した容器が、ポリエチレン製ノズルが装着されたポリエチレンテレフタレート製容器である、項14に記載のテルペノイド濃度の経時的低下を抑制する作用を該水性眼科組成物に付与する方法。
また、本発明は、下記に掲げる態様の、水性眼科組成物の清涼感を持続させる方法を提供する。
項16.(A) 酸化エチレンの平均付加モル数が2〜12であるポリオキシエチレンヒマシ油と、(B)テルペノイドを、水性眼科組成物に配合することを含む、該水性眼科組成物の清涼感を持続させる方法。
項16.(A) 酸化エチレンの平均付加モル数が2〜12であるポリオキシエチレンヒマシ油と、(B)テルペノイドを、水性眼科組成物に配合することを含む、該水性眼科組成物の清涼感を持続させる方法。
更に、本発明は、下記の掲げる使用も提供する。
項17. 水性眼科組成物の製造のための、(A) 酸化エチレンの平均付加モル数が2〜12であるポリオキシエチレンヒマシ油と (B)テルペノイドの使用。
項18. 水性眼科組成物が、上記項1-1乃至1-19のいずれかに記載の組成物である、項17に記載の使用。
項17. 水性眼科組成物の製造のための、(A) 酸化エチレンの平均付加モル数が2〜12であるポリオキシエチレンヒマシ油と (B)テルペノイドの使用。
項18. 水性眼科組成物が、上記項1-1乃至1-19のいずれかに記載の組成物である、項17に記載の使用。
更に、本発明は、下記に掲げる態様の使用も提供する。
項19. 水性眼科組成物としての、(A) 酸化エチレンの平均付加モル数が2〜12であるポリオキシエチレンヒマシ油、及び(B)テルペノイドを含む組成物の使用。
項20. 組成物が、上記項1-1乃至1-19のいずれかに記載の組成物である、項19に記載の使用。
項19. 水性眼科組成物としての、(A) 酸化エチレンの平均付加モル数が2〜12であるポリオキシエチレンヒマシ油、及び(B)テルペノイドを含む組成物の使用。
項20. 組成物が、上記項1-1乃至1-19のいずれかに記載の組成物である、項19に記載の使用。
更に、本発明は、下記に掲げる態様の組成物も提供する。
項21. 水性眼科組成物としての使用のための、(A) 酸化エチレンの平均付加モル数が2〜12であるポリオキシエチレンヒマシ油、及び(B)テルペノイドを含む組成物。
項22. 上記項1-1乃至1-19のいずれかに記載されたものである、項21に記載の組成物。
項21. 水性眼科組成物としての使用のための、(A) 酸化エチレンの平均付加モル数が2〜12であるポリオキシエチレンヒマシ油、及び(B)テルペノイドを含む組成物。
項22. 上記項1-1乃至1-19のいずれかに記載されたものである、項21に記載の組成物。
更に、本発明は、下記に掲げる態様の水性眼科組成物の製造方法も提供する。
項23. 水を含む担体に、(A) 酸化エチレンの平均付加モル数が2〜12であるポリオキシエチレンヒマシ油、及び(B)テルペノイドを添加することを含む、水性眼科組成物の製造方法。
項24. 水性眼科組成物が、上記項1-1乃至1-19のいずれかに記載の組成物である、項23に記載の製造方法。
項23. 水を含む担体に、(A) 酸化エチレンの平均付加モル数が2〜12であるポリオキシエチレンヒマシ油、及び(B)テルペノイドを添加することを含む、水性眼科組成物の製造方法。
項24. 水性眼科組成物が、上記項1-1乃至1-19のいずれかに記載の組成物である、項23に記載の製造方法。
本発明によれば、以下に示す各種の効果が奏される。
(1)本発明によれば、酸化エチレンの平均付加モル数が2〜12であるポリオキシエチレンヒマシ油と、テルペノイドとを併用することによって、水性眼科組成物における泡の消える速度を向上させることができる。その結果、水性眼科組成物の製造時の溶解確認又は異物確認を短時間で行うことが可能となり、製造効率を改善することができる。
(2)本発明の水性眼科組成物は、上記した特徴を有することによって、使用時においては、泡立ちによる滴下量のバラツキを抑制できる。このため、使用量をコントロールし易く、使用者にとって扱いやすく、コンプライアンスの向上に繋がる。
(3)本発明の水性眼科組成物は、保存効力が増強されている。このため、菌汚染に対して特に高い安全性が要求される眼科分野においても、使用時の水性眼科組成物の汚染、それによる微生物感染症のリスク等を低減できる。
(4)本発明の水性眼科組成物によれば、容器に収容した際に、経時的なテルペノイド濃度の低下を抑制できる。このため、長期に亘り、テルペノイドによる清涼感、及び本発明の効果を安定に発揮することができる。
(5)本発明の水性眼科組成物は、酸化エチレンの平均付加モル数が2〜12であるポリオキシエチレンヒマシ油、テルペノイド等の難溶性成分の分離が抑制されている。このため、水性眼科組成物の物性が長期間安定に保たれる。
(6)本発明の水性眼科組成物は、使用時に清涼感が持続する。このため、使用者の使用感がよく、水性眼科組成物を快適に使用することができる。
(1)本発明によれば、酸化エチレンの平均付加モル数が2〜12であるポリオキシエチレンヒマシ油と、テルペノイドとを併用することによって、水性眼科組成物における泡の消える速度を向上させることができる。その結果、水性眼科組成物の製造時の溶解確認又は異物確認を短時間で行うことが可能となり、製造効率を改善することができる。
(2)本発明の水性眼科組成物は、上記した特徴を有することによって、使用時においては、泡立ちによる滴下量のバラツキを抑制できる。このため、使用量をコントロールし易く、使用者にとって扱いやすく、コンプライアンスの向上に繋がる。
(3)本発明の水性眼科組成物は、保存効力が増強されている。このため、菌汚染に対して特に高い安全性が要求される眼科分野においても、使用時の水性眼科組成物の汚染、それによる微生物感染症のリスク等を低減できる。
(4)本発明の水性眼科組成物によれば、容器に収容した際に、経時的なテルペノイド濃度の低下を抑制できる。このため、長期に亘り、テルペノイドによる清涼感、及び本発明の効果を安定に発揮することができる。
(5)本発明の水性眼科組成物は、酸化エチレンの平均付加モル数が2〜12であるポリオキシエチレンヒマシ油、テルペノイド等の難溶性成分の分離が抑制されている。このため、水性眼科組成物の物性が長期間安定に保たれる。
(6)本発明の水性眼科組成物は、使用時に清涼感が持続する。このため、使用者の使用感がよく、水性眼科組成物を快適に使用することができる。
本発明の水性眼科組成物は、上述した各種の優れた効果を有するものであり、より安全且つ快適に、長期に亘って有効に使用することができる。
本明細書において配合割合の単位「%」は「w/v%」を意味し、「g/100mL」と同義である。
本明細書中、特に記載の無い限り、略号「POE」はポリオキシエチレンを意味する。
本明細書中、特に記載の無い限り、略号「POP」はポリオキシプロピレンを意味する。
本明細書中、特に記載の無い限り、コンタクトレンズとは、ハード、酸素透過性ハード、ソフト(シリコーンハイドロゲルレンズを含む)、カラー等のあらゆるタイプのコンタクトレンズを包含する意味とする。
[1.水性眼科組成物]
本発明の水性眼科組成物は、酸化エチレンの平均付加モル数が2〜12であるポリオキシエチレンヒマシ油(以下、単に(A)成分と表記することもある)を含有するものである。このような特定の酸化エチレンの付加モル数のポリオキシエチレンヒマシ油を用い、これを後述するテルペノイドと併用することによって、上記した本発明の優れた効果が発揮される。
本発明の水性眼科組成物は、酸化エチレンの平均付加モル数が2〜12であるポリオキシエチレンヒマシ油(以下、単に(A)成分と表記することもある)を含有するものである。このような特定の酸化エチレンの付加モル数のポリオキシエチレンヒマシ油を用い、これを後述するテルペノイドと併用することによって、上記した本発明の優れた効果が発揮される。
ポリオキシエチレンヒマシ油は、ヒマシ油に酸化エチレンを付加重合することによって得られる公知の化合物であり、酸化エチレンの平均付加モル数が異なるいくつかの種類が知られている。本発明の(A)成分として用いられるポリオキシエチレンヒマシ油における酸化エチレンの平均付加モル数は、2〜12モルである。具体的には酸化エチレンの平均付加モル数が3であるポリオキシエチレンヒマシ油3、酸化エチレンの平均付加モル数が10であるポリオキシエチレンヒマシ油10などが挙げられる。
これらのポリオキシエチレンヒマシ油は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。尚、本発明で用いるポリオキシエチレンヒマシ油は、硬化ヒマシ油に酸化エチレンを付加重合することにより得られるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油とは異なる化合物であり、これとは区別される。
本発明の水性眼科組成物において、(A)成分の含有割合は、(A)成分の種類、併用する(B)成分の種類、該水性眼科組成物の製剤形態等に応じて適宜設定されるが、一例として、水性眼科組成物の総量に対して、(A)成分が総量で0.01〜3w/v%、好ましくは0.02〜2w/v%、より好ましくは0.02〜1w/v%、更に好ましくは0.05〜1w/v%、更に好ましくは0.05〜0.6w/v%、更に好ましくは0.2〜0.6w/v%、特に好ましくは0.2〜0.4w/v%、最も好ましくは0.2〜0.3w/v%が例示される。
また、本発明の水性眼科組成物において、水性眼科組成物の泡立ちを抑制する点からは、例えば、0.05〜0.3w/v%が好ましく、水性眼科組成物の保存効力の点からは、例えば、0.025〜0.4w/v%が好ましい。
上記(A)成分の含有割合は、水性眼科組成物において泡の消える速度を向上させる作用、使用時の滴下量のバラツキ抑制作用、保存効力の向上作用、或いは分離抑制作用を一層高めるという観点から好適である。また容器を収容した際のテルペノイドの経時的濃度低下を抑制する作用を一層高めるという観点からも好適である。
本発明の眼科組成物は、上記(A)成分に加えて、テルペノイド(以下、(B)成分と表記することもある)を含有することが必要である。このように、(A)成分と(B)成分を併用することによって、上記した効果、即ち、消泡速度の向上、使用時の滴下量のバラツキ抑制、テルペノイドの経時的濃度低下の抑制、保存効力の増強、難溶性成分などの分離抑制等の効果が発揮される。
(B)成分として使用されるテルペノイドについては、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容される限り、特に制限されない。このようなテルペノイドとして、具体的には、メントール、カンフル、ボルネオール、ゲラニオール、シネオール、シトロネロール、メントン、カルボン、アネトール、オイゲノール、リモネン、リナロール、酢酸リナリル、これらの誘導体等が挙げられる。これらの化合物はd体、l体又はdl体のいずれでもよい。また、本発明において、テルペノイドとして、上記化合物を含有する精油を使用してもよい。このような精油としては、例えば、ユーカリ油、ベルガモット油、ペパーミント油、クールミント油、スペアミント油、ハッカ油、ウイキョウ油、ケイヒ油、ローズ油等が挙げられる。これらのテルペノイドは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
これらの(B)成分の内、本発明の効果をより好適に発揮すると言う観点から、好ましくは、メントール、カンフル、ゲラニオール、ボルネオール等が挙げられ、これらを含有する好ましい精油としてクールミント油、ペパーミント油、ハッカ油、樟脳油、ユーカリ油等が例示される。より好ましくは、メントール、カンフル、ゲラニオール、ボルネオール及びユーカリ油が挙げられ、更に好ましくは、l-メントール、d-カンフル、dl-カンフル、ゲラニオール、d-ボルネオール及びユーカリ油が挙げられる。
本発明の水性眼科組成物において、(B)成分の含有割合については、本発明の効果をより好適に発揮すると言う観点から、水性眼科組成物の総量に対して、(B)成分が総量で0.0001〜1w/v%、好ましくは0.001〜0.1w/v%、より好ましくは0.003〜0.06w/v%、更に好ましくは0.003〜0.02w/v%が挙げられる。なお、上記(B)成分として、テルペノイドを含む精油を使用する場合は、配合される精油中のテルペノイド含有量の総量が上記含有割合を満たすように設定される。
本発明の眼科組成物において、(A)成分に対する(B)成分の比率については、前述する含有割合を満たす限り特に制限されるものではないが、上記した本発明の効果、即ち、消泡速度の向上、使用時の滴下量のバラツキ抑制、テルペノイドの経時的濃度低下の抑制、保存効力の増強、難溶性成分などの分離抑制等の効果が十分に発揮されるためには、(A)成分の総量100重量部当たり、(B)成分の総量が0.01〜1000重量部、好ましくは0.1〜500重量部、より好ましくは0.5〜100重量部、更に好ましくは0.5〜80重量部、特に好ましくは0.5〜50重量部、最も好ましくは1〜25重量部となる比率を充足することが望ましい。特に、(A)成分の総量100重量部当たり、(B)成分の総量が2〜15重量部となる比率の場合に、上記した効果が極めて良好に発揮される。
本発明の水性眼科組成物には、後述する通り、その使用目的に応じて、種々の薬理活性成分、生理活性成分等を配合することができ、更に、各種の添加剤も配合することができる。この場合、生理活性成分、添加物等の溶解性を向上させるために、溶解補助剤として、(A)成分以外に、更に、その他の界面活性剤を配合することが好ましい。このような界面活性剤を配合すると通常泡立ちが多くなるが、本発明によれば、(A)成分以外の界面活性剤を配合することによって泡立ちし易くなった水性眼科組成物についても、上述した基準に基づいて(A)成分と(B)成分を同時に配合することによって、泡の消える速度を向上させることができ、製造効率を改善し、更に、滴下量のバラツキを抑制することができる。また、テルペノイドの経時的濃度低下抑制など、本発明の効果をさらに高めることが可能となる。
本発明の水性眼科組成物に配合することができる、(A)成分以外の界面活性剤としては、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば特に制限されず、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤のいずれであってもよい。
本発明の水性眼科組成物に配合可能な非イオン性界面活性剤としては、具体的には、モノラウリン酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート20)、モノパルミチン酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート40)、モノステアリン酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート60)、トリステアリン酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート65)、モノオレイン酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート80)等のPOEソルビタン脂肪酸エステル;POE(60)硬化ヒマシ油(ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60)等のPOE硬化ヒマシ油;POE(9)ラウリルエーテル等のPOEアルキルエーテル;POE(20)POP(4)セチルエーテル等のPOE-POPアルキルエーテル;POE(196)POP(67)グリコール(ポロクサマー407、プルロニックF127)、POE(200)POP(70)グリコール等のポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー;ポリオキシエチレンヒマシ油20、ポリオキシエチレンヒマシ油35、ポリオキシエチレンヒマシ油40、ポリオキシエチレンヒマシ油50、ポリオキシエチレンヒマシ油60等の酸化エチレンの平均付加モル数が20以上であるポリオキシエチレンヒマシ油等が挙げられる。なお、上記で例示する化合物において、括弧内の数字は付加モル数を示す。
また、本発明の水性眼科組成物に配合可能な両性界面活性剤としては、具体的には、アルキルジアミノエチルグリシン又はその塩(例えば、塩酸塩等)等が例示される。
また、本発明の水性眼科組成物に配合可能な陽イオン性界面活性剤としては、具体的には、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム等が例示される。
また、本発明の水性眼科組成物に配合可能な陰イオン性界面活性剤としては、具体的には、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、脂肪族α−スルホメチルエステル、α−オレフィンスルホン酸等が例示される。
好ましくは、非イオン性界面活性剤であり、さらに好ましくは、POEソルビタン脂肪酸エステル、POE硬化ヒマシ油、POE・POPブロックコポリマー、酸化エチレンの平均付加モル数が20以上であるポリオキシエチレンヒマシ油であり、特に好ましくは、ポリソルベート80、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、ポロクサマー407、ポリオキシエチレンヒマシ油35である。
本発明の水性眼科組成物において、上記(A)成分以外の界面活性剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の水性眼科組成物に上記界面活性剤を配合する場合、その含有割合については、該界面活性剤の種類、他の配合成分の種類、含有割合、該水性眼科組成物の製剤形態等に応じて適宜設定できる。界面活性剤の含有割合の一例として、水性眼科組成物の総量に対して、(A)成分以外の界面活性剤が総量で、0.001〜3w/v%、好ましくは0.01〜2w/v%、より好ましくは0.05〜1w/v%、更に好ましくは0.1〜1w/v%が例示される。
本発明の水性眼科組成物は、更に緩衝剤を含有することが好ましい。これにより、本発明の水性眼科組成物のpHを調整できる。本発明の水性眼科組成物に配合できる緩衝剤としては、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されない。このような緩衝剤の一例として、ホウ酸緩衝剤、リン酸緩衝剤、炭酸緩衝剤、クエン酸緩衝剤、酢酸緩衝剤、アスパラギン酸、アスパラギン酸塩等が挙げられる。これらの緩衝剤は組み合わせて使用してもよい。ホウ酸緩衝剤としては、ホウ酸、又はホウ酸アルカリ金属塩、ホウ酸アルカリ土類金属塩等のホウ酸塩が挙げられる。リン酸緩衝剤としては、リン酸、又はリン酸アルカリ金属塩、リン酸アルカリ土類金属塩等のリン酸塩が挙げられる。炭酸緩衝剤としては、炭酸、又は炭酸アルカリ金属塩、炭酸アルカリ土類金属塩等の炭酸塩が挙げられる。クエン酸緩衝剤としては、クエン酸、又はクエン酸アルカリ金属塩、クエン酸アルカリ土類金属塩等が挙げられる。また、ホウ酸緩衝剤又はリン酸緩衝剤として、ホウ酸塩又はリン酸塩の水和物を用いてもよい。より具体的な例として、ホウ酸緩衝剤として、ホウ酸又はその塩(ホウ酸ナトリウム、テトラホウ酸カリウム、メタホウ酸カリウム、ホウ酸アンモニウム、ホウ砂等);リン酸緩衝剤として、リン酸又はその塩(リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸二カリウム、リン酸一水素カルシウム、リン酸二水素カルシウム等);炭酸緩衝剤として、炭酸又はその塩(炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸水素カリウム、炭酸マグネシウム等);クエン酸緩衝剤として、クエン酸又はその塩(クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、クエン酸カルシウム、クエン酸二水素ナトリウム、クエン酸二ナトリウム等);酢酸緩衝剤として、酢酸又はその塩(酢酸アンモニウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウム、酢酸ナトリウム等);アスパラギン酸又はその塩(アスパラギン酸ナトリウム、アスパラギン酸マグネシウム、アスパラギン酸カリウム等)等が例示できる。これらの緩衝剤の中でも、ホウ酸緩衝剤(特に、ホウ酸とホウ砂の組合せ)が好ましい。
本発明の水性眼科組成物に緩衝剤を配合する場合、該緩衝剤の含有割合については、使用する緩衝剤の種類、他の配合成分の種類、含有割合、該水性眼科組成物の製剤形態等に応じて異なり、一律に規定することはできないが、例えば、該水性眼科組成物の総量に対して、該緩衝剤が総量で0.01〜10w/v%、好ましくは0.05〜5w/v%、より好ましくは0.1〜2.5w/v%、更に好ましくは0.1〜1w/v%となる割合が例示される。
また、本発明の水性眼科組成物は、更に等張化剤を含有していてもよい。本発明の水性眼科組成物に配合できる等張化剤としては、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されない。このような等張化剤の具体例として、例えば、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、グリセリン、プロピレングリコール等が挙げられる。これらの等張化剤の中でも、好ましくは、グリセリン、プロピレングリコール、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、及び塩化マグネシウムが挙げられ、更に好ましくは塩化ナトリウム又はグリセリンが挙げられ、特に好ましくは塩化ナトリウムが挙げられる。これらの等張化剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
本発明の水性眼科組成物に等張化剤を配合する場合、該等張化剤の含有割合については、使用する等張化剤の種類等に応じて異なり、一律に規定することはできないが、例えば、水性眼科組成物の総量に対して、該等張化剤が総量で0.01〜10w/v%、好ましくは0.05〜5w/v%、更に好ましくは0.1〜3w/v%となる割合が例示される。
本発明の水性眼科組成物のpHについては、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容される範囲内であれば特に限定されるものではない。本発明の水性眼科組成物のpHの一例として、4.0〜9.5、好ましくは5.0〜9.0、より好ましくは6.2〜8.5、更に好ましくは6.5〜8となる範囲が挙げられ、特に好ましくは、例えば、約6.5〜7.5である。
また、本発明の水性眼科組成物の浸透圧については、生体に許容される範囲内であれば、特に制限されない。本発明の水性眼科組成物の浸透圧比の一例として、好ましくは0.5〜5.0、更に好ましくは0.6〜3.0、特に好ましくは0.7〜2.0となる範囲が挙げられる。浸透圧の調整は無機塩、多価アルコール、糖アルコール、糖等を用いて、当該技術分野で既知の方法で行うことができる。浸透圧比は、第十五改正日本薬局方に基づき286mOsm(0.9w/v%塩化ナトリウム水溶液の浸透圧)に対する試料の浸透圧の比とし、浸透圧は日本薬局方記載の浸透圧測定法(氷点降下法)を参考にして測定する。なお、浸透圧比測定用標準液(0.9w/v%塩化ナトリウム水溶液)は、塩化ナトリウム(日本薬局方標準試薬)を500〜650℃で40〜50分間乾燥した後、デシケーター(シリカゲル)中で放冷し、その0.900gを正確に量り、精製水に溶かし正確に100mLとして調製するか、市販の浸透圧比測定用標準液(0.9w/v%塩化ナトリウム水溶液)を用いる。
本発明の水性眼科組成物は、本発明の効果が奏される限り、上記成分の他に、種々の薬理活性成分及び/又は生理活性成分を単独又は適宜組み合わせて適当量含有してもよい。このような成分は特に制限されず、例えば、一般用医薬品製造(輸入)承認基準2000年版(薬事審査研究会監修)に記載された眼科用薬における有効成分が例示できる。具体的には、眼科用薬において用いられる成分としては、次のような成分が挙げられる。
抗ヒスタミン剤:例えば、イプロヘプチン、塩酸ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロルフェニラミン、フマル酸ケトチフェン、ペミロラストカリウム等。
充血除去剤:例えば、塩酸テトラヒドロゾリン、塩酸ナファゾリン、硫酸ナファゾリン、塩酸エピネフリン、塩酸エフェドリン、塩酸メチルエフェドリン等。
殺菌剤:例えば、セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩酸クロルヘキシジン、グルコン酸クロルヘキシジン、塩酸ポリヘキサニド等。
ビタミン:例えば、フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム、シアノコバラミン、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール、塩酸ピリドキシン、パンテノール、パントテン酸カルシウム、酢酸トコフェロール等。
アミノ酸:例えば、アスパラギン酸カリウム、アスパラギン酸マグネシウム等。
消炎剤:例えば、グリチルリチン酸二カリウム、プラノプロフェン、アラントイン、アズレン、アズレンスルホン酸ナトリウム、グアイアズレン、塩化ベルベリン、硫酸ベルベリン、塩化リゾチーム、甘草等。
その他:例えば、クロモグリク酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、スルファメトキサゾール、スルファメトキサゾールナトリウム等。
また、本発明の水性眼科組成物には、発明の効果が奏される範囲であれば、その用途、製剤形態等に応じて、常法に従い、様々な添加物を適宜選択し、1種又はそれ以上を併用して適当量含有させてもよい。それらの添加物として、例えば、医薬品添加物事典2007(日本医薬品添加剤協会編集)に記載された各種添加物が例示できる。代表的な成分として次の添加物が挙げられる。
担体:例えば、水、含水エタノール等の水性担体。
糖:例えば、シクロデキストリン等。
糖アルコール:例えば、キシリトール、ソルビトール、マンニトールなど。これらはd体、l体又はdl体のいずれでもよい。
防腐剤、殺菌剤又は抗菌剤:例えば、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、安息香酸ナトリウム、エタノール、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、グルコン酸クロルヘキシジン、クロロブタノール、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、硫酸オキシキノリン、フェネチルアルコール、ベンジルアルコール、グローキル(商品名、ローディア社)等。
本発明の水性眼科組成物は、所望量の上記(A)及び(B)成分、及び必要に応じて他の配合成分を所望の濃度となるように担体に添加することにより調製される。例えば、点眼剤、コンタクトレンズ装着液、洗眼剤又はコンタクトレンズケア用剤の場合、精製水で前記成分を溶解又は懸濁させ、所定のpH及び浸透圧に調整し、濾過滅菌等により滅菌処理することで調製できる。上記(A)及び(B)成分の溶解及びその他疎水性の高い成分の溶解に関しては、予め界面活性剤などの溶解補助作用のある成分とあわせて攪拌を行なってから、さらに精製水を加えて溶解又は懸濁させてもよい。
本発明は、水性眼科組成物の製造方法として、水を含む担体に、(A) 酸化エチレンの平均付加モル数が2〜12であるポリオキシエチレンヒマシ油、及び(B)テルペノイドを添加することを含む、方法を提供するものである。
本発明において水性眼科組成物とは、水の含有割合が、該水性眼科組成物の総量に対して、85w/v%以上の眼科組成物を意味する。該水性眼科組成物における水の含有割合は、好ましくは90w/v%以上、より好ましくは92w/v%以上、さらに好ましくは95w/v%以上、特に好ましくは97w/v%以上である。 本発明の水性眼科組成物に用いられる水としては、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容される水を使用すればよく、このような水として、具体的には、蒸留水、常水、精製水、滅菌精製水、注射用水、注射用蒸留水等が例示される。また本発明における水性眼科組成物の剤型については、眼科分野で使用可能である限り特に制限されないが、液状が好ましい。これらの定義は第十五改正日本薬局方に基づく。
本発明の水性眼科組成物の具体例として、点眼剤(点眼液又は点眼薬ともいう)[但し、点眼剤にはコンタクトレンズ装用中に点眼可能な点眼剤を含む]、洗眼剤(洗眼液又は洗眼薬ともいう)[但し、洗眼剤にはコンタクトレンズ装用中に洗眼可能な洗眼剤を含む]、コンタクトレンズ装着液、コンタクトレンズケア用品(コンタクトレンズ消毒剤、コンタクトレンズ用保存剤、コンタクトレンズ用洗浄剤、コンタクトレンズ用洗浄保存剤、コンタクトレンズ用消毒・保存・洗浄剤(コンタクトレンズ用マルチパーパスソリューション))等が挙げられる。本発明の水性眼科組成物は、泡の消える速度が向上し、使用時の滴下量のバラツキが少ないため、特に一回の使用量が少ない点眼剤、コンタクトレンズ装着液に好適に用いられる。特に点眼剤が好ましい。
また、本発明の水性眼科組成物は、保存効力が向上しているために優れた防腐作用を有し、またテルペノイドの経時的濃度低下の抑制作用に優れているため、マルチドーズ型の水性眼科組成物、即ち製品を一旦開封した後、数回以上に亘り使用される水性眼科組成物に対して好適に用いられ、該水性眼科組成物を数日、あるいは数週間以上、安定して保存することができる。
本発明の水性眼科組成物を収容する容器としては、水性眼科組成物を収容する容器として通常用いられる容器を用いることができ、ガラス製であってもよく、またプラスチック製であってもよい。本発明の水性眼科組成物を収容する容器として、プラスチック製を使用する場合、該プラスチック容器の構成材質については、特に制限されないが、例えば、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリイミドのいずれか1種、これらの共重合体、または2種以上の混合体が挙げられる。また、上記共重合体としては、エチレン−2,6−ナフタレート単位、アリレート単位、エチレンテレフタレート単位、プロピレン単位、エチレン単位、イミド単位のいずれか1種を主体として、他のポリエステル単位、イミド単位を含む共重合体が挙げられる。尚、本発明において例えばポリエチレンテレフタレート製容器と記載する場合は、容器の構成材質全体の重量に対し、ポリエチレンテレフタレートが50w/w%以上であるものを意味する。
尚、これらの容器の内で、ポリエチレンンテレフタレート容器は、耐久性及びコストの点で優れたものであるが、ポリエチレンテレフタレート製容器に収容した場合にテルペノイドの経時的濃度低下が観察されることがある。本発明の水性眼科組成物は、ポリエチレンテレフタレート製容器に収容した場合であっても、特定のポリオキシエチレンヒマシ油とテルペノイドを併用することによってテルペノイドの経時的濃度低下が抑制されているため、ポリエチレンテレフタレート製容器を有効に用いることができる。特に、容器の構成材質全体の重量に対しポリエチレンテレフタレートを75w/w%以上、特に、95w/w%以上含有するポリエチレンテレフタレート含有率の高い容器であっても、テルペノイドの経時的濃度低下を大きく生じることなく有効に使用できる。
また、本発明の水性眼科組成物を収容する容器に備えられているノズルなどの容器注口周辺部についても、その構造、構成素材等については特に制限されるものではない。ノズルなどの容器注口周辺部の構造については、眼科用組成物用容器(例えば点眼剤容器)の注出口(例えばノズル)として一般的に採用されている構造であればよく、容器本体と一体に成形されていてもよく、容器本体とは別に成形されていても良い。注口周辺部また注出口(例えばノズル)の構成素材については、例えば、上記プラスチック容器の構成素材と同様のものが例示される。
特に、柔軟性、コスト面、及び/又は滴下量のバラツキ抑制効果を一層良好にさせるという観点からは、ポリエチレン又はポリプロピレンを構成素材として含む注出口が好適である。但し、これらの材料をノズルとする場合には、テルペノイドの経時的濃度低下が生じやすくなる。これは、これらの材料にテルペノイドが吸着し易いことが一因と考えられる。本発明の水性眼科組成物によれば、特定のポリオキシエチレンヒマシ油とテルペノイドを併用することによって、ポリエチレン又はポリプロピレンを構成素材として含む注出口とする容器に収容した場合であっても、テルペノイドの経時的濃度低下が抑制されている。このため、ポリエチレン又はポリプロピレンを構成素材として含む注出口とする容器を有効に使用できる。
ポリエチレンの種類としては、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン等が挙げられるが、中でも低密度ポリエチレンを構成素材として含む注出口が好適である。また、注出口としては、点眼剤容器に用いられるノズルが好適である。
本発明の水性眼科組成物を収容する容器及び容器注口周辺部の好ましい組み合わせとしては、ポリエチレンテレフタレート製容器とポリエチレン製容器注口周辺部の組み合わせ、より好ましくはポリエチレンテレフタレート製点眼容器とポリエチレン製ノズルの組み合わせ、特に好ましくはポリエチレンテレフタレート製点眼容器と低密度ポリエチレン製ノズルの組み合わせであり、このような組み合わせとすることで、本発明における滴下量のバラツキ抑制効果を良好に発揮することができる。
本発明の水性眼科組成物は、テルペノイドの経時的濃度低下の抑制作用を有するために、上記した材質の容器本体部及び容器注口周辺部を有する容器を用いる場合であっても、長期に亘りテルペノイドによる清涼感を安定に保つことができ、更に、特定のポリオキシエチレンヒマシ油とテルペノイドを同時に配合することによる効果を長期間に亘って安定に発揮することができる。
本発明の水性眼科組成物は、泡の消える速度を向上させ、使用時の滴下量のバラツキを抑制し、毎回の使用で一定量を点眼することができるので、特に薬理活性成分及び/又は生理活性成分を含有する点眼剤として使用することが好ましい。このような点眼剤の用途として、痒み抑制用点眼剤、疲れ目抑制用点眼剤などが挙げられる。
また、本発明は、別の観点から、水性眼科組成物の製造のための、(A) 酸化エチレンの平均付加モル数が2〜12であるポリオキシエチレンヒマシ油と (B)テルペノイドの使用も提供する。
更に、本発明は、別の観点から、水性眼科組成物としての、(A) 酸化エチレンの平均付加モル数が2〜12であるポリオキシエチレンヒマシ油、及び(B)テルペノイドを含む組成物の使用も提供する。
更に、本発明は、別の観点から、水性眼科組成物としての使用のための、(A) 酸化エチレンの平均付加モル数が2〜12であるポリオキシエチレンヒマシ油、及び(B)テルペノイドを含む組成物を提供する。
[2.泡の消える速度の向上方法及び使用時の滴下量のバラツキ抑制方法]
前述したように、本発明の水性眼科組成物では、(A)及び(B)成分を併用することによって、水性眼科組成物において泡の消える速度を向上させ、使用時の滴下量のバラツキを抑制することができる。
前述したように、本発明の水性眼科組成物では、(A)及び(B)成分を併用することによって、水性眼科組成物において泡の消える速度を向上させ、使用時の滴下量のバラツキを抑制することができる。
従って、本発明は、更に別の観点から、 (A) 酸化エチレンの平均付加モル数が2〜12であるポリオキシエチレンヒマシ油と、(B)テルペノイドを、水性眼科組成物に配合することを含む、該水性眼科組成物における泡の消える速度を向上させる方法を提供する。
また、本発明は、(A)酸化エチレンの平均付加モル数が2〜12であるポリオキシエチレンヒマシ油を含有する水性眼科組成物に、(B)テルペノイドを配合することを含む、該水性眼科組成物における泡の消える速度を向上させる方法をも提供する。
また、本発明は、(A) 酸化エチレンの平均付加モル数が2〜12であるポリオキシエチレンヒマシ油と、(B)テルペノイドを、水性眼科組成物に配合することを含む、該水性眼科組成物における使用時の滴下量のバラツキを抑制する方法を提供する。
更に、本発明は、(A)成分以外の界面活性剤を含有する水性眼科組成物に、(A) 酸化エチレンの平均付加モル数が2〜12であるポリオキシエチレンヒマシ油と、(B)テルペノイドを配合することを含む、該水性眼科組成物における泡の消える速度を向上させる方法、乃至は該水性眼科組成物における使用時の滴下量のバラツキを抑制する方法を提供する。
これらの方法において、使用する(A)及び(B)成分の種類、それらの含有割合(または配合割合)、それらの比率、その他に配合される成分の種類、含有割合(または配合割合)、水性眼科組成物の製剤形態、容器の種類、組み合わせ、実施方法等については、前記「1.水性眼科組成物」と同様である。
なかでも、これらの方法は、水性眼科組成物が、点眼剤、コンタクトレンズ装着液の場合に好適に適用される。
[3.保存効力の増強方法]
また、前述したように、(A)及び(B)成分を併用することによって、水性眼科組成物において保存効力を増強させることができる。
また、前述したように、(A)及び(B)成分を併用することによって、水性眼科組成物において保存効力を増強させることができる。
従って、本発明は、更に別の観点から、 (A) 酸化エチレンの平均付加モル数が2〜12であるポリオキシエチレンヒマシ油と、(B)テルペノイドを、水性眼科組成物に配合することを含む、該水性眼科組成物における保存効力を増強する方法を提供する。
また、本発明は、(B)テルペノイドを含有する水性眼科組成物に、(A) 酸化エチレンの平均付加モル数が2〜12であるポリオキシエチレンヒマシ油を配合することを含む、該水性眼科組成物における保存効力を増強する方法をも提供する。
これらの方法において、使用する(A)及び(B)成分の種類、それらの含有割合(または配合割合)、それらの比率、その他に配合される成分の種類、含有割合(または配合割合)、水性眼科組成物の製剤形態、容器の種類、組み合わせ、実施方法等については、前記「1.水性眼科組成物」と同様である。
なかでも、これらの方法は、水性眼科組成物が、マルチドーズ型の水性眼科組成物、即ち製品を一旦開封した後、数回以上に亘り使用される水性眼科組成物に対して好適に用いられ、このような水性眼科組成物としてはマルチドーズ型の点眼剤、マルチドーズ型の洗眼剤、マルチドーズ型のコンタクトレンズ装着液、マルチドーズ型のコンタクトレンズケア用品が挙げられる。
[4.分離抑制方法]
また、前述したように、(A)及び(B)成分を併用することによって、水性眼科組成物からの(A)成分、(B)成分などの難溶性成分の分離を抑制し、製剤物性を安定化させることができる。
また、前述したように、(A)及び(B)成分を併用することによって、水性眼科組成物からの(A)成分、(B)成分などの難溶性成分の分離を抑制し、製剤物性を安定化させることができる。
従って、本発明は、更に別の観点から、(A) 酸化エチレンの平均付加モル数が2〜12であるポリオキシエチレンヒマシ油と、(B)テルペノイドを、水性眼科組成物に配合することを含む、該水性眼科組成物の分離抑制方法を提供する。また、本発明は、(A) 酸化エチレンの平均付加モル数が2〜12であるポリオキシエチレンヒマシ油を含有する水性眼科組成物に、(B)テルペノイドを配合することを含む、該水性眼科組成物の分離抑制方法をも提供する。また、本発明は、(B)テルペノイドを含有する水性眼科組成物に、(A) 酸化エチレンの平均付加モル数が2〜12であるポリオキシエチレンヒマシ油を配合することを含む、該水性眼科組成物の分離抑制方法をも提供する。
これらの方法において、使用する(A)及び(B)成分の種類、それらの含有割合(または配合割合)、それらの比率、その他に配合される成分の種類、含有割合(または配合割合)、水性眼科組成物の製剤形態、容器の種類、組み合わせ、実施方法等については、前記「1.水性眼科組成物」と同様である。
[5.テルペノイドの経時的濃度低下抑制方法]
また、前述したように、(A)及び(B)成分を併用することによって、これらの成分を含む水性眼科組成物を容器に収容した際に、経時的な(B)成分の濃度低下を抑制することができる。これは、(A)成分と(B)成分を併用することによって、該水性眼科組成物中の(B)成分の容器への吸着、容器からの揮発などが抑制されることによるものと推測される。このため、長期にわたり水性眼科組成物の清涼感を維持すること、及び本発明の効果を長期間にわたり維持することが可能となる。
また、前述したように、(A)及び(B)成分を併用することによって、これらの成分を含む水性眼科組成物を容器に収容した際に、経時的な(B)成分の濃度低下を抑制することができる。これは、(A)成分と(B)成分を併用することによって、該水性眼科組成物中の(B)成分の容器への吸着、容器からの揮発などが抑制されることによるものと推測される。このため、長期にわたり水性眼科組成物の清涼感を維持すること、及び本発明の効果を長期間にわたり維持することが可能となる。
従って、本発明は、更に別の観点から、(A) 酸化エチレンの平均付加モル数が2〜12であるポリオキシエチレンヒマシ油と、(B)テルペノイドを、水性眼科組成物の配合することを含む、容器に収容された該水性眼科組成物におけるテルペノイド濃度の経時的低下を抑制する方法を提供する。
更に、本発明は、水性眼科組成物を収容した容器が、ポリエチレン製ノズルが装着されたポリエチレンテレフタレート製容器である、上記したテルペノイド濃度の経時的低下を抑制する方法を提供する。
また、別の観点から、本発明は、(B)テルペノイドを含有する水性眼科組成物に、(A) 酸化エチレンの平均付加モル数が2〜12であるポリオキシエチレンヒマシ油を配合することを含む、容器に収容された該水性眼科組成物におけるテルペノイド濃度の経時的低下を抑制する作用を該水性眼科組成物に付与する方法を提供する。
更に、本発明は、水性眼科組成物を収容した容器が、ポリエチレン製ノズルが装着されたポリエチレンテレフタレート製容器である、上記したテルペノイド濃度の経時的低下を抑制する作用を該水性眼科組成物に付与する方法を提供する。
これらの方法において、使用する(A)及び(B)成分の種類、それらの含有割合(または配合割合)、それらの比率、その他に配合される成分の種類、含有割合(または配合割合)、水性眼科組成物の製剤形態、容器の種類、組み合わせ、実施方法等については、前記「1.水性眼科組成物」と同様である。
なかでも、これらの方法は、水性眼科組成物が、点眼剤、コンタクトレンズ装着液の場合に好適に適用される。
[6.清涼感の持続方法]
また、前述したように、水性眼科組成物に(A)及び(B)成分を併用することによって、水性眼科組成物の清涼感を持続させることができる。このため、点眼時等における水性眼科組成物の清涼感を持続させることが可能となる。
また、前述したように、水性眼科組成物に(A)及び(B)成分を併用することによって、水性眼科組成物の清涼感を持続させることができる。このため、点眼時等における水性眼科組成物の清涼感を持続させることが可能となる。
従って、本発明は、更に別の観点から、(A) 酸化エチレンの平均付加モル数が2〜12であるポリオキシエチレンヒマシ油と、(B)テルペノイドを、水性眼科組成物の配合することを含む、該水性眼科組成物の清涼感を持続させる方法を提供する。
これらの方法において、使用する(A)及び(B)成分の種類、それらの含有割合(または配合割合)、それらの比率、その他に配合される成分の種類、含有割合(または配合割合)、水性眼科組成物の製剤形態、容器の種類、組み合わせ、実施方法等については、前記「1.水性眼科組成物」と同様である。
なかでも、これらの方法は、水性眼科組成物が、点眼剤、コンタクトレンズ装着液の場合に好適に適用される。
以下に、試験例及び実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
[試験例1 泡の消える速度に関する試験(1)]
下記表1に示す組成の水性眼科組成物(実施例1-1、比較例1-1)を常法により調製し、これらを用いて、泡の消える速度を評価した。具体的には、各種界面活性剤を含む水性眼科組成物及びそれらにテルペノイドを加えた水性眼科組成物における振とう時の泡立ち及び一定時間経過後の泡の消える速度について評価した。
下記表1に示す組成の水性眼科組成物(実施例1-1、比較例1-1)を常法により調製し、これらを用いて、泡の消える速度を評価した。具体的には、各種界面活性剤を含む水性眼科組成物及びそれらにテルペノイドを加えた水性眼科組成物における振とう時の泡立ち及び一定時間経過後の泡の消える速度について評価した。
まず、表1に示される各水性眼科組成物(比較例1-1及び実施例1-1)を調製した。なお、l-メントールは第15改正日本薬局方の規格に適合するものであり、ポリオキシエチレンヒマシ油10は医薬品添加物規格2003のポリオキシエチレンヒマシ油の規格に適合するものであり、酸化エチレンの平均付加モル数が10であった。
次いで、50mL容量のガラス製遠沈管に各水性眼科組成物を30mLずつ充填し、それらをRECIPAD SHAKER SR−2w(TAITEC)を用いて、1500回振とうした。振とう終了直後、目視により、泡部分と水溶液部分を確認し、泡部分の容積を測定した。次に、それらを静置し、経時的に泡部分の容積を測定し、泡の消える速度を泡が完全に消失するまでの所要時間で評価した。結果を表1に併せて示す。
攪拌直後の泡部分の容積測定においては、実施例1-1と比較例1-1は同程度であった。しかしながら、1分後には、実施例1-1の泡部容積は、比較例1-1の8分の1程度まで減少した。さらに、泡が完全に消失するまでの所要時間においては、表1に示す通り、ポリオキシエチレンヒマシ油10を含有し、テルペノイド(メントール)を含有しない水性眼科組成物(比較例1-1)では、165分を要したのに対し、ポリオキシエチレンヒマシ油10とテルペノイド(メントール)を共に含有する水性眼科組成物(実施例1-1)では、わずか15分で泡が完全に消失した。
[試験例2 泡の消える速度に関する試験(2)]
下記表2に示す通り、(A)成分以外の界面活性剤(ポリソルベート80)を含有する水性眼科組成物(実施例1-2及び比較例1-2〜1-4)を常法により調製した。なお、l-メントール及びポリソルベート80は第15改正日本薬局方の規格に適合するものであり、ポリオキシエチレンヒマシ油10及びポリオキシエチレンヒマシ油35は医薬品添加物規格2003のポリオキシエチレンヒマシ油の規格に適合するものであり、酸化エチレンの平均付加モル数はそれぞれ10及び35であった。
下記表2に示す通り、(A)成分以外の界面活性剤(ポリソルベート80)を含有する水性眼科組成物(実施例1-2及び比較例1-2〜1-4)を常法により調製した。なお、l-メントール及びポリソルベート80は第15改正日本薬局方の規格に適合するものであり、ポリオキシエチレンヒマシ油10及びポリオキシエチレンヒマシ油35は医薬品添加物規格2003のポリオキシエチレンヒマシ油の規格に適合するものであり、酸化エチレンの平均付加モル数はそれぞれ10及び35であった。
これらの水性眼科組成物を用い、試験例1と同様の方法で、泡の消える速度に関する試験を実施した。尚、泡の消える速度は、当初の泡が半減するまでの所要時間で評価した。結果を表2に併せて示す。
実施例1-2および比較例1-2〜1-4の攪拌直後の泡部分の容積測定においては、比較例1-2における泡部分の容積が他の3つの製剤よりも約3割程度大きかったものの、比較例1-3、1-4、及び実施例1-2の泡部容積は同程度であった。しかし、泡が半減するまでの所要時間においては、表2に示す通り、ポリオキシエチレンヒマシ油10とポリソルベート80を含有する水性眼科組成物(比較例1-2)では、120分を要し、メントールとポリソルベート80を含有する水性眼科組成物(比較例1-3)では、450分を要した。
これに対して、ポリオキシエチレンヒマシ油10、メントール及びポリソルベート80を含有する水性眼科組成物(実施例1-2)では、わずか50分で泡が半減した。なお、ポリオキシエチレンヒマシ油10の代わりにポリオキシエチレンヒマシ油35を用いた水性眼科組成物(比較例1-4)では、380分を要した。
以上のことから、ポリオキシエチレンヒマシ油10とテルペノイドとの併用により、他の界面活性剤(例えばポリソルベート80)の存在下で発生した泡が消える速度をも顕著に向上できることが明らかになった。なお、この効果については、ポリオキシエチレンヒマシ油10に換えてポリオキシエチレンヒマシ油35を用いた場合は非常に低かった。
[試験例3 泡の消える速度に関する試験(3)]
下記表3〜5に示す通り、 (A)成分以外の界面活性剤(ポリソルベート80)を含有する各水性眼科組成物(実施例1-3〜1-12及び比較例1-5〜1-6)を常法により調製した。なお、l-メントール、ユーカリ油及びポリソルベート80は第15改正日本薬局方の規格に適合するものであり、ゲラニオールは医薬品添加物規格2003の規格に適合するものであった。ポリオキシエチレンヒマシ油3は医薬品添加物規格2003のポリオキシエチレンヒマシ油の規格に適合するものであり、酸化エチレンの平均付加モル数は3であった。
下記表3〜5に示す通り、 (A)成分以外の界面活性剤(ポリソルベート80)を含有する各水性眼科組成物(実施例1-3〜1-12及び比較例1-5〜1-6)を常法により調製した。なお、l-メントール、ユーカリ油及びポリソルベート80は第15改正日本薬局方の規格に適合するものであり、ゲラニオールは医薬品添加物規格2003の規格に適合するものであった。ポリオキシエチレンヒマシ油3は医薬品添加物規格2003のポリオキシエチレンヒマシ油の規格に適合するものであり、酸化エチレンの平均付加モル数は3であった。
これらの水性眼科組成物を用い、試験例1と同様の方法で、泡の消える速度に関する試験を実施した。尚、泡の消える速度は、当初の泡が半減するまでの所要時間で評価した。結果を表3〜5に併せて示す。
表3及び表4から明らかなように、ポリオキシエチレンヒマシ油3のみを含有する水性眼科組成物に比べ、ポリオキシエチレンヒマシ油3と共に、l−メントール、ゲラニオール又はユーカリ油を含有する水性眼科組成物では、泡が半減するまでの所要時間は顕著に短くなった(比較例1-5及び実施例1-3〜1-10)。
同様に、表5から明らかなように、ポリオキシエチレンヒマシ油10のみを含有する水性眼科組成物に比べ、ポリオキシエチレンヒマシ油10と共に、l−メントール、又はゲラニオールを含有する水性眼科組成物では、泡が半減するまでの所要時間は顕著に短くなった(比較例1-6及び実施例1-11, 1-12)。
[試験例4 泡の消える速度に関する試験(4)]
下記表6に示す通り、(A)成分以外の界面活性剤(ポリオキシエチレンヒマシ油35)を含有する各水性眼科組成物(実施例1-13、1-14及び比較例1-7、1-8)を常法により調製した。なお、水性眼科組成物の調製において、ホウ砂は、水性眼科組成物のpHが7になる量で添加した。なお、d-カンフルは第15改正日本薬局方の規格に適合するものであり、d-ボルネオールは医薬品添加物規格2003の規格に適合するものであった。ポリオキシエチレンヒマシ油3、ポリオキシエチレンヒマシ油10及びポリオキシエチレンヒマシ油35は医薬品添加物規格2003のポリオキシエチレンヒマシ油の規格に適合するものであり、酸化エチレンの平均付加モル数はそれぞれ3、10及び35であった。
下記表6に示す通り、(A)成分以外の界面活性剤(ポリオキシエチレンヒマシ油35)を含有する各水性眼科組成物(実施例1-13、1-14及び比較例1-7、1-8)を常法により調製した。なお、水性眼科組成物の調製において、ホウ砂は、水性眼科組成物のpHが7になる量で添加した。なお、d-カンフルは第15改正日本薬局方の規格に適合するものであり、d-ボルネオールは医薬品添加物規格2003の規格に適合するものであった。ポリオキシエチレンヒマシ油3、ポリオキシエチレンヒマシ油10及びポリオキシエチレンヒマシ油35は医薬品添加物規格2003のポリオキシエチレンヒマシ油の規格に適合するものであり、酸化エチレンの平均付加モル数はそれぞれ3、10及び35であった。
これらの水性眼科組成物を用い、充填液量を20mLとした以外は試験例1と同様の方法で、泡の消える速度に関する試験を実施した。尚、泡の消える速度は、当初の泡が半減するまでの所要時間で評価した。結果を表6に併せて示す。
泡が半減するまでの所要時間においては、表6に示す通り、ポリオキシエチレンヒマシ油3とポリオキシエチレンヒマシ油35を含有する処方(比較例1-7)では、300分を要し、ポリオキシエチレンヒマシ油10とポリオキシエチレンヒマシ油35を含有する水性眼科組成物(比較例1-8)では、390分を要した。
これに対して、ポリオキシエチレンヒマシ油3、ポリオキシエチレンヒマシ油35及びカンフルを含有する水性眼科組成物(実施例1-13)では、わずか160分で泡が半減し、ポリオキシエチレンヒマシ油10、ポリオキシエチレンヒマシ油35及びボルネオールを含有する水性眼科組成物(実施例1-14)では、わずか100分で泡が半減した。
[試験例5 泡の消える速度に関する試験(5)]
下記表7に示す通り、 (A)成分以外の界面活性剤(ポリソルベート80)を含有する各水性眼科組成物(実施例1−15〜1−17及び比較例1−9、1-10)を常法により調製した。なお、l-メントール及びポリソルベート80は第15改正日本薬局方の規格に適合するものであり、ポリオキシエチレンヒマシ油3及びポリオキシエチレンヒマシ油10は医薬品添加物規格2003のポリオキシエチレンヒマシ油の規格に適合するものであり、酸化エチレンの平均付加モル数はそれぞれ3及び10であった。
下記表7に示す通り、 (A)成分以外の界面活性剤(ポリソルベート80)を含有する各水性眼科組成物(実施例1−15〜1−17及び比較例1−9、1-10)を常法により調製した。なお、l-メントール及びポリソルベート80は第15改正日本薬局方の規格に適合するものであり、ポリオキシエチレンヒマシ油3及びポリオキシエチレンヒマシ油10は医薬品添加物規格2003のポリオキシエチレンヒマシ油の規格に適合するものであり、酸化エチレンの平均付加モル数はそれぞれ3及び10であった。
これらの水性眼科組成物を用い、試験例1と同様の方法で、泡の消える速度に関する試験を実施した。尚、泡の消える速度は、当初の泡が半減するまでの所要時間で評価した。結果を表7に併せて示す。
表7から明らかなように、ポリオキシエチレンヒマシ油3又はポリオキシエチレンヒマシ油10のみを含有する水性眼科組成物に比べ、ポリオキシエチレンヒマシ油3又はポリオキシエチレンヒマシ油10と共に、l−メントールを含有する水性眼科組成物では、泡が半減するまでの所要時間は顕著に短くなった(比較例1−9、1-10及び実施例1−15〜1−17)。
[試験例6 泡の消える速度に関する試験(6)]
下記表8に示す通り、(A)成分として、ポリオキシエチレンヒマシ油3とポリオキシエチレンヒマシ油10を併用し、(A)成分以外の界面活性剤(ポリソルベート80)を含有する各水性眼科組成物(実施例1-18、1−19)を常法により調製した。なお、l-メントール及びポリソルベート80は第15改正日本薬局方の規格に適合するものであり、ポリオキシエチレンヒマシ油3及びポリオキシエチレンヒマシ油10は医薬品添加物規格2003のポリオキシエチレンヒマシ油の規格に適合するものであり、酸化エチレンの平均付加モル数はそれぞれ3及び10であった。
下記表8に示す通り、(A)成分として、ポリオキシエチレンヒマシ油3とポリオキシエチレンヒマシ油10を併用し、(A)成分以外の界面活性剤(ポリソルベート80)を含有する各水性眼科組成物(実施例1-18、1−19)を常法により調製した。なお、l-メントール及びポリソルベート80は第15改正日本薬局方の規格に適合するものであり、ポリオキシエチレンヒマシ油3及びポリオキシエチレンヒマシ油10は医薬品添加物規格2003のポリオキシエチレンヒマシ油の規格に適合するものであり、酸化エチレンの平均付加モル数はそれぞれ3及び10であった。
これらの水性眼科組成物を用い、試験例1と同様の方法で、泡の消える速度に関する試験を実施した。尚、泡の消える速度は、当初の泡が半減するまでの所要時間で評価した。結果を下記表8に示す
表8に示す通り、ポリオキシエチレンヒマシ油3とポリオキシエチレンヒマシ油10を併用し、l−メントールを併用することによって、泡が半減するまでの所要時間は顕著に短くなったことがわかった。
以上の結果から、酸化エチレンの平均付加モル数が2〜12のポリオキシエチレンヒマシ油を併用する水性眼科組成物でも、テルペノイドを含有させることによって、発生した泡が消える速度が顕著に向上することが明らかになった。
[試験例7 泡の消える速度と滴下量に関する試験]
下記表9に示す水性眼科組成物(実施例2-1〜2-3及び比較例2-1、2-2)を常法に従って調製し、泡の消える速度と滴下量に関する評価を実施した。なお、l-メントール及びポリソルベート80は第15改正日本薬局方の規格に適合するものであり、ゲラニオール及びポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60は、医薬品添加物規格2003の規格に適合するものであった。ポリオキシエチレンヒマシ油10は医薬品添加物規格2003のポリオキシエチレンヒマシ油の規格に適合するものであり、酸化エチレンの平均付加モル数は10であった。
下記表9に示す水性眼科組成物(実施例2-1〜2-3及び比較例2-1、2-2)を常法に従って調製し、泡の消える速度と滴下量に関する評価を実施した。なお、l-メントール及びポリソルベート80は第15改正日本薬局方の規格に適合するものであり、ゲラニオール及びポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60は、医薬品添加物規格2003の規格に適合するものであった。ポリオキシエチレンヒマシ油10は医薬品添加物規格2003のポリオキシエチレンヒマシ油の規格に適合するものであり、酸化エチレンの平均付加モル数は10であった。
まず、13mL容量のポリエチレンテレフタレート製の点眼容器に水性眼科組成物を6.5mLずつ充填し、低密度ポリエチレン製ノズルを装着し、点眼剤とした。別途、測定用容器にろ紙を収容して蓋を閉めて密閉し、ろ紙と測定用容器の合計重量(初期値)を測定した。点眼容器のノズルの角度を水平(容器を横向き)にして水性眼科組成物を測定用容器に一滴滴下した。次いで、測定用容器の蓋を閉めて密閉した。液を吸い取ったろ紙と測定用容器の合計重量を測定し、初期値を差し引いて、1滴の滴下量(重量)を測定した。それを10回繰り返し、更に10滴の間に生じるバラツキをSD値として算出した(振とう前の滴下量のSD値)。
それらの点眼容器を上下に20回ずつ激しく振とうした後、10分間静置した。その後、上記と同様の方法で、1滴の滴下量(重量)を測定し、10滴の間に生じるバラツキをSD値として算出した(振とう後の滴下量のSD値)。
振とう前後のSD値の変化率を下記式にて求め、バラツキの変化率(倍)として算出した。結果を表9に併せて示す。
バラツキの変化率(倍)=振とう後のSD値/振とう前のSD値
バラツキの変化率(倍)=振とう後のSD値/振とう前のSD値
振とう後の滴下量のSD値は、比較例2-1においては振とう前の約2倍程度であったが、実施例2-1においては振とう前の約1.3倍に留まった。すなわち、比較例2-1と比較し、実施例2-1において顕著にバラツキの変化率が小さく、振とう後でも滴下量のバラツキが抑制されている事が明らかとなった。また、比較例2-2と、実施例2-2、2-3との比較においても、同様の傾向が見られた。
以上の結果より、ポリオキシエチレンヒマシ油10とテルペノイドを併用した本発明の水性眼科組成物によれば、流通時、使用者の下での運搬等により製剤が泡立った場合であっても、使用時の滴下量が安定することが明らかとなった。
[試験例8 分離抑制試験]
下記表10に示す水性眼科組成物(実施例3-1及び比較例3-1)を常法に従って調製し、目視によって分離の有無を評価した。なお、l-メントールは第15改正日本薬局方の規格に適合するものであり、ポリオキシエチレンヒマシ油10は医薬品添加物規格2003のポリオキシエチレンヒマシ油の規格に適合するものであり、酸化エチレンの平均付加モル数は10であった。具体的には、調製直後に水性眼科組成物の性状を目視にて確認した後、比重差のあるものを分離するため、各水性眼科組成物を1mLずつ採取し、エッペンチューブに充填したものを、遠心機(MX-100 TOMY)を用いて6000Gで3分間遠心し、遠心後の水性眼科組成物の性状を再度目視確認した。結果を表10に併せて示す。
下記表10に示す水性眼科組成物(実施例3-1及び比較例3-1)を常法に従って調製し、目視によって分離の有無を評価した。なお、l-メントールは第15改正日本薬局方の規格に適合するものであり、ポリオキシエチレンヒマシ油10は医薬品添加物規格2003のポリオキシエチレンヒマシ油の規格に適合するものであり、酸化エチレンの平均付加モル数は10であった。具体的には、調製直後に水性眼科組成物の性状を目視にて確認した後、比重差のあるものを分離するため、各水性眼科組成物を1mLずつ採取し、エッペンチューブに充填したものを、遠心機(MX-100 TOMY)を用いて6000Gで3分間遠心し、遠心後の水性眼科組成物の性状を再度目視確認した。結果を表10に併せて示す。
各水性眼科組成物の調製直後(遠心前)の性状を目視確認したところ、いずれも均一に白濁した液体であった。しかしながら、各水性眼科組成物の遠心後の性状を目視で確認したところ、比較例3-1においては、澄明な水溶液の部分と、ポリオキシエチレンヒマシ油10と推測される白い固体とに分離していることが確認できた。一方、実施例3-1については、遠心後も遠心前と同様に均一に白濁した液体であり、沈殿物は見られなかったことから、分離が抑制されており、水性眼科組成物中において各成分が均一に存在していることが確認できた。
以上の結果より、ポリオキシエチレンヒマシ油10は水溶性が比較的低いにも拘らず、同じく水溶性の低いl−メントールと併用することで、意外にも水水性眼科組成物中において分離しにくくなるが明らかとなった。
[試験例9 粒子径測定試験]
下記表11に示す水性眼科組成物(実施例3-2及び比較例3-2)を常法に従って調製し、粒子径測定装置(FPAR-1000(大塚電子))を用いて、水性眼科組成物中の粒子径の測定を実施した。なお、l-メントールは第15改正日本薬局方の規格に適合するものであり、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60は医薬品添加物規格2003の規格に適合するものであった。ポリオキシエチレンヒマシ油10は医薬品添加物規格2003のポリオキシエチレンヒマシ油の規格に適合するものであり、酸化エチレンの平均付加モル数は10であった。結果を表11に併せて示す。
下記表11に示す水性眼科組成物(実施例3-2及び比較例3-2)を常法に従って調製し、粒子径測定装置(FPAR-1000(大塚電子))を用いて、水性眼科組成物中の粒子径の測定を実施した。なお、l-メントールは第15改正日本薬局方の規格に適合するものであり、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60は医薬品添加物規格2003の規格に適合するものであった。ポリオキシエチレンヒマシ油10は医薬品添加物規格2003のポリオキシエチレンヒマシ油の規格に適合するものであり、酸化エチレンの平均付加モル数は10であった。結果を表11に併せて示す。
詳細な測定条件は以下の通りである。
測定条件
温度 25℃
ND値 AUTO(10% or 25%)
プローブ 濃厚用
測定時間 180秒間
繰り返し回数 1回
ダストカット 10回(upper10%、lower1000%)
光量調整
ホモダイン光量最適 30000cps
MAX 50000cps
MIN 10000cps
解析手法
Marquardt(Lambda1000、interation1000)
測定条件
温度 25℃
ND値 AUTO(10% or 25%)
プローブ 濃厚用
測定時間 180秒間
繰り返し回数 1回
ダストカット 10回(upper10%、lower1000%)
光量調整
ホモダイン光量最適 30000cps
MAX 50000cps
MIN 10000cps
解析手法
Marquardt(Lambda1000、interation1000)
比較例3-2の平均粒子径は、実施例3-2の平均粒子径の約1.4倍であった。この試験は、ポリオキシエチレンヒマシ油10の他に、非イオン性界面活性剤(ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60)を添加して溶解性を向上させた水性眼科組成物について、ミセルの粒子径を測定したものである。粒子径が小さいとミセルが合一しにくく、分離し難いと考えられることから、実施例3-2は、比較例3-2よりも分離し難いと言える。
[試験例10 テルペノイドの経時的濃度低下試験]
下記表12に示す水性眼科組成物(実施例4-1及び比較例4-1、4-2)を常法に従って調製して、ポリエチレンテレフタレート(以下PET)製の点眼容器に充填して、メントールの濃度変化の確認試験を行った。なお、l-メントールは第15改正日本薬局方の規格に適合するものであり、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60は医薬品添加物規格2003の規格に適合するものであった。ポリオキシエチレンヒマシ油10及びポリオキシエチレンヒマシ油35は医薬品添加物規格2003のポリオキシエチレンヒマシ油の規格に適合するものであり、酸化エチレンの平均付加モル数は10及び35であった。
下記表12に示す水性眼科組成物(実施例4-1及び比較例4-1、4-2)を常法に従って調製して、ポリエチレンテレフタレート(以下PET)製の点眼容器に充填して、メントールの濃度変化の確認試験を行った。なお、l-メントールは第15改正日本薬局方の規格に適合するものであり、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60は医薬品添加物規格2003の規格に適合するものであった。ポリオキシエチレンヒマシ油10及びポリオキシエチレンヒマシ油35は医薬品添加物規格2003のポリオキシエチレンヒマシ油の規格に適合するものであり、酸化エチレンの平均付加モル数は10及び35であった。
まず、10mL容量のPET製の点眼容器に、各水性眼科組成物(実施例4-1及び比較例4-1、4-2)を10mLずつ充填し、低密度ポリエチレン製ノズルを装着して密封した。同様に、10mL容量のガラスアンプル管(ガラス容器)に、各水性眼科組成物を10mLずつ充填し、封入した。尚、ガラス容器に入れた水性眼科組成物においては、メントールの吸着が殆ど無く、また揮発等によるメントールの損失も少ないと考えられるため、コントロールとした。
各サンプルを60℃で3日間静置(ガラス容器は正立、点眼容器は倒立)した状態で保管したのち、各水性眼科組成物中のメントール濃度を、ガスクロマトグラフィーを用いて測定した。同一組成の水性眼科組成物において、ガラス容器(コントロール)におけるメントール濃度から点眼容器におけるメントール濃度を差し引き、コントロールに対するメントールの損失量を算出した。その後、比較例4-1におけるメントール損失量を100とした場合の、実施例4-1、比較例4-2のメントール損失率を算出した。結果を表12に併せて示す。
界面活性剤としてポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60のみを用いた水性眼科組成物(比較例4-1)と比較して、界面活性剤としてポリオキシエチレンヒマシ油10とポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60を併用した水性眼科組成物(実施例4-1)については、点眼容器に充填して保存した際に、メントールの損失が顕著に少なかった。また、ポリオキシエチレンヒマシ油10に代えて、ポリオキシエチレンヒマシ油35を用いた水性眼科組成物(比較例4-2)については、点眼容器に充填して保存した際に、メントールの経時的濃度低下抑制効果はポリオキシエチレンヒマシ油10を用いた実施例4-1ほど高くなかった。
[試験例11 保存効力試験(1)]
下記表13に示す水性眼科組成物(実施例5-1及び比較例5-1〜5-3)を常法に従って調製して、各水性眼科組成物の保存効力試験を実施した。具体的には、Staphylococcus aureus(ATCC6538)を、ソイビーン・カゼイン・ダイジェスト斜面培地の表面に接種して、33℃で、24時間培養した。培養菌体を白金耳で無菌的に採取し、適量の滅菌生理食塩水に浮遊させて、約1×105CFU/mLの生菌を含む細菌浮遊液を調製した。なお、浮遊液の生菌数は、別途培養して計測した。次に、15mLCORNIAコニカルチューブ(PET)に、ろ過滅菌した各水性眼科組成物を10mLずつ充填した。この水性眼科組成物に、生菌数(最終濃度)が約103CFU/mL(3Log)となるよう、Staphylococcus aureus菌液(生理食塩水で懸濁)を接種し、よく攪拌して試料とした。試料を3日間、遮光下23℃で保存した。3日後に菌を含む試料を計数に適切な濃度となるよう調製し、メンブランフィルターろ過法によって菌の計数を行った。接種直後の生菌数と、3日間保存後の試料中の生菌数を比較し、菌数の減少量をLog Reductionとして算出した。尚、計数の為の菌の培養は、33℃にて3日間実施した。なお、l-メントールは第15改正日本薬局方の規格に適合するものであり、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60は医薬品添加物規格2003の規格に適合するものであった。ポリオキシエチレンヒマシ油10及びポリオキシエチレンヒマシ油35は医薬品添加物規格2003のポリオキシエチレンヒマシ油の規格に適合するものであり、酸化エチレンの平均付加モル数は10及び35であった。結果を表13に併せて示す。
下記表13に示す水性眼科組成物(実施例5-1及び比較例5-1〜5-3)を常法に従って調製して、各水性眼科組成物の保存効力試験を実施した。具体的には、Staphylococcus aureus(ATCC6538)を、ソイビーン・カゼイン・ダイジェスト斜面培地の表面に接種して、33℃で、24時間培養した。培養菌体を白金耳で無菌的に採取し、適量の滅菌生理食塩水に浮遊させて、約1×105CFU/mLの生菌を含む細菌浮遊液を調製した。なお、浮遊液の生菌数は、別途培養して計測した。次に、15mLCORNIAコニカルチューブ(PET)に、ろ過滅菌した各水性眼科組成物を10mLずつ充填した。この水性眼科組成物に、生菌数(最終濃度)が約103CFU/mL(3Log)となるよう、Staphylococcus aureus菌液(生理食塩水で懸濁)を接種し、よく攪拌して試料とした。試料を3日間、遮光下23℃で保存した。3日後に菌を含む試料を計数に適切な濃度となるよう調製し、メンブランフィルターろ過法によって菌の計数を行った。接種直後の生菌数と、3日間保存後の試料中の生菌数を比較し、菌数の減少量をLog Reductionとして算出した。尚、計数の為の菌の培養は、33℃にて3日間実施した。なお、l-メントールは第15改正日本薬局方の規格に適合するものであり、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60は医薬品添加物規格2003の規格に適合するものであった。ポリオキシエチレンヒマシ油10及びポリオキシエチレンヒマシ油35は医薬品添加物規格2003のポリオキシエチレンヒマシ油の規格に適合するものであり、酸化エチレンの平均付加モル数は10及び35であった。結果を表13に併せて示す。
メントールのみを配合した比較例5-1では菌の減少が殆ど見られなかった。また、ポリオキシエチレンヒマシ油10のみを配合した比較例5-2では、菌の減少は1.6logであった。一方、メントールとポリオキシエチレンヒマシ油10の両方を配合した実施例5-1では、菌が死滅するほどの保存効力を有していた。なお、ポリオキシエチレンヒマシ油10に代えてポリオキシエチレンヒマシ油35を配合した比較例5-3においては、このような高い保存効力は認められなかった。
[試験例12 保存効力試験(2)]
下記表14に示す水性眼科組成物(実施例5-2, 5-3及び比較例5-4, 5-5)を常法に従って調製して、これらの水性眼科組成物を用い、試験例11と同様の方法で、Staphylococcus aureusの接種直後の生菌数と、7日間保存後の試料中の生菌数を比較し、菌数の減少量をLog Reductionとして算出した。尚、計数の為の菌の培養は、33℃にて実施した。なお、d-カンフルは第15改正日本薬局方の規格に適合するものであり、ゲラニオール、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60は医薬品添加物規格2003の規格に適合するものであった。ポリオキシエチレンヒマシ油10及びポリオキシエチレンヒマシ油35は医薬品添加物規格2003のポリオキシエチレンヒマシ油の規格に適合するものであり、酸化エチレンの平均付加モル数は10及び35であった。結果を表14に併せて示す。
下記表14に示す水性眼科組成物(実施例5-2, 5-3及び比較例5-4, 5-5)を常法に従って調製して、これらの水性眼科組成物を用い、試験例11と同様の方法で、Staphylococcus aureusの接種直後の生菌数と、7日間保存後の試料中の生菌数を比較し、菌数の減少量をLog Reductionとして算出した。尚、計数の為の菌の培養は、33℃にて実施した。なお、d-カンフルは第15改正日本薬局方の規格に適合するものであり、ゲラニオール、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60は医薬品添加物規格2003の規格に適合するものであった。ポリオキシエチレンヒマシ油10及びポリオキシエチレンヒマシ油35は医薬品添加物規格2003のポリオキシエチレンヒマシ油の規格に適合するものであり、酸化エチレンの平均付加モル数は10及び35であった。結果を表14に併せて示す。
表14から明らかなように、ゲラニオールのみを配合した比較例5-4に比べ、ポリオキシエチレンヒマシ油10とゲラニオールを配合した実施例5-2では、顕著な菌数の減少が見られ、高い保存効力が認められた。また、ポリオキシエチレンヒマシ油35とd-カンフルを配合した比較例5-5に比べ、ポリオキシエチレンヒマシ油10とd-カンフルを配合した実施例5-3では、顕著な菌数の減少が見られ、高い保存効力が認められた。
以上のことから、酸化エチレンの平均付加モル数が2〜12であるポリオキシエチレンヒマシ油と共に、テルペノイドを含有させることによって、Staphylococcus aureusに対する、高い保存効力を示すことが認められた。
[試験例13 保存効力試験(3)]
下記表15に示す水性眼科組成物(実施例5-4及び比較例5-6)を常法に従って調製して、これらの水性眼科組成物を用い、試験例11と同様の方法で、Staphylococcus aureus及びE.Coliの接種直後の生菌数と、保存後の試料中の生菌数を比較し、菌数の減少量をLog Reductionとして算出した。尚、計数の為の菌の培養は、Staphylococcus aureus については3日間、E.Coli については7日間33℃にて実施した。なお、ユーカリ油は第15改正日本薬局方の規格に適合するものであり、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60は医薬品添加物規格2003の規格に適合するものであった。ポリオキシエチレンヒマシ油10は医薬品添加物規格2003のポリオキシエチレンヒマシ油の規格に適合するものであり、酸化エチレンの平均付加モル数は10であった。結果を下記表15に併せて示す。
下記表15に示す水性眼科組成物(実施例5-4及び比較例5-6)を常法に従って調製して、これらの水性眼科組成物を用い、試験例11と同様の方法で、Staphylococcus aureus及びE.Coliの接種直後の生菌数と、保存後の試料中の生菌数を比較し、菌数の減少量をLog Reductionとして算出した。尚、計数の為の菌の培養は、Staphylococcus aureus については3日間、E.Coli については7日間33℃にて実施した。なお、ユーカリ油は第15改正日本薬局方の規格に適合するものであり、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60は医薬品添加物規格2003の規格に適合するものであった。ポリオキシエチレンヒマシ油10は医薬品添加物規格2003のポリオキシエチレンヒマシ油の規格に適合するものであり、酸化エチレンの平均付加モル数は10であった。結果を下記表15に併せて示す。
表15から明らかなように、ユーカリ油のみを配合した比較例5-6に比べ、ポリオキシエチレンヒマシ油10とユーカリ油を配合した実施例5-4では、Staphylococcus aureusの顕著な菌数の減少が見られ、高い保存効力が認められた。また、ユーカリ油のみを配合した比較例5-6では、E.Coliの菌数に対する影響がないのに対し、ポリオキシエチレンヒマシ油10とユーカリ油を配合した実施例5-4では、E.Coliの菌数の減少が見られた。
以上のことから、酸化エチレンの平均付加モル数が2〜12であるポリオキシエチレンヒマシ油と共に、テルペノイドを含有させることによって、Staphylococcus aureusのみならず、E.Coliに対する、高い保存効力を示すことが明らかになった。
[試験例14 官能試験]
表16に示す組成の水性眼科組成物(実施例6-1及び比較例6-1)を調製して、これらの水性眼科組成物を用いてビジュアルアナログスケール(VAS)に準じて、清涼感の評価を行った。具体的には、6人のパネラーに水性眼科組成物を点眼して、その直後及び5分後に感じられる「清涼感」について、自覚症状調査シートにパネラーが感じた症状の程度を記載した。その後、自覚症状調査シートから、自覚症状の強さを長さ(cm)として測定して、清涼感が感じられない場合を0cm、感じられる場合を5cm、強く感じられる場合を10cmとして、この長さ(cm)を清涼感スコアとして算出した。点眼直後、5分後における6人のパネラーのスコア平均値を算出することにより、清涼感の評価を行った。結果を表16に示す。
表16に示す組成の水性眼科組成物(実施例6-1及び比較例6-1)を調製して、これらの水性眼科組成物を用いてビジュアルアナログスケール(VAS)に準じて、清涼感の評価を行った。具体的には、6人のパネラーに水性眼科組成物を点眼して、その直後及び5分後に感じられる「清涼感」について、自覚症状調査シートにパネラーが感じた症状の程度を記載した。その後、自覚症状調査シートから、自覚症状の強さを長さ(cm)として測定して、清涼感が感じられない場合を0cm、感じられる場合を5cm、強く感じられる場合を10cmとして、この長さ(cm)を清涼感スコアとして算出した。点眼直後、5分後における6人のパネラーのスコア平均値を算出することにより、清涼感の評価を行った。結果を表16に示す。
表16に示す通り、点眼直後では清涼感スコアはほぼ同等であったが、ポリオキシエチレンヒマシ油10を含有する水性眼科組成物では点眼5分後においてもはっきりと清涼感を感じられたことが確認された。
以上の結果より、ポリオキシエチレンヒマシ油10とテルペノイドを併用した本発明の水性眼科組成物によれば、テルペノイドの清涼感を持続させる効果があることが明らかとなった。
[製剤例]
表17及び表18に記載の処方で、常法により、点眼剤(製剤例1〜7)、洗眼剤(製剤例8)、コンタクトレンズ装着液(製剤例9)コンタクトレンズ用マルチパーパスソリューション(製剤例10)を調製する。尚、浸透圧の単位は、mOsm(ミリオスモル)である。
表17及び表18に記載の処方で、常法により、点眼剤(製剤例1〜7)、洗眼剤(製剤例8)、コンタクトレンズ装着液(製剤例9)コンタクトレンズ用マルチパーパスソリューション(製剤例10)を調製する。尚、浸透圧の単位は、mOsm(ミリオスモル)である。
Claims (1)
- (A) ポリオキシエチレンヒマシ油と、 (B)テルペノイドを含む、水性眼科組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015179270A JP2016028077A (ja) | 2010-12-28 | 2015-09-11 | 水性眼科組成物 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010292441 | 2010-12-28 | ||
JP2010292441 | 2010-12-28 | ||
JP2015179270A JP2016028077A (ja) | 2010-12-28 | 2015-09-11 | 水性眼科組成物 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012550960A Division JP5810098B2 (ja) | 2010-12-28 | 2011-12-27 | 水性眼科組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016028077A true JP2016028077A (ja) | 2016-02-25 |
Family
ID=46383079
Family Applications (2)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012550960A Active JP5810098B2 (ja) | 2010-12-28 | 2011-12-27 | 水性眼科組成物 |
JP2015179270A Pending JP2016028077A (ja) | 2010-12-28 | 2015-09-11 | 水性眼科組成物 |
Family Applications Before (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012550960A Active JP5810098B2 (ja) | 2010-12-28 | 2011-12-27 | 水性眼科組成物 |
Country Status (7)
Country | Link |
---|---|
US (2) | US9034931B2 (ja) |
EP (1) | EP2659911A4 (ja) |
JP (2) | JP5810098B2 (ja) |
CN (1) | CN103282052B (ja) |
BR (1) | BR112013016897A2 (ja) |
HK (1) | HK1186684A1 (ja) |
WO (1) | WO2012090985A1 (ja) |
Families Citing this family (22)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5922505B2 (ja) * | 2012-06-14 | 2016-05-24 | ロート製薬株式会社 | グリチルリチン酸含有水性眼科組成物 |
JP6130741B2 (ja) * | 2012-06-15 | 2017-05-17 | ロート製薬株式会社 | ソフトコンタクトレンズ用眼科組成物 |
JP5988855B2 (ja) * | 2012-06-27 | 2016-09-07 | ロート製薬株式会社 | 水性眼科組成物 |
JP6091780B2 (ja) * | 2012-07-09 | 2017-03-08 | ロート製薬株式会社 | 水性眼科組成物 |
CN104797241B (zh) | 2012-12-04 | 2018-03-27 | 乐敦制药株式会社 | 水性眼科组合物 |
JP6304474B2 (ja) * | 2013-01-31 | 2018-04-04 | ロート製薬株式会社 | 点眼剤 |
TW201524499A (zh) * | 2013-08-26 | 2015-07-01 | Rohto Pharma | 眼科用組成物 |
US11103464B2 (en) * | 2013-11-29 | 2021-08-31 | Rohto Pharmaceutical Co., Ltd. | Aqueous composition for ophthalmological use or otolaryngological use |
JPWO2015190483A1 (ja) * | 2014-06-10 | 2017-04-20 | ロート製薬株式会社 | 眼科用水性組成物 |
JP2017132764A (ja) * | 2016-01-27 | 2017-08-03 | ロート製薬株式会社 | シリコーンハイドロゲルカラーコンタクトレンズ用眼科組成物 |
JP7387835B2 (ja) * | 2016-04-22 | 2023-11-28 | ロート製薬株式会社 | 眼科組成物 |
WO2017183714A1 (ja) | 2016-04-22 | 2017-10-26 | ロート製薬株式会社 | 眼科組成物 |
JP7125250B2 (ja) * | 2016-04-22 | 2022-08-24 | ロート製薬株式会社 | 眼科組成物 |
JP2017197526A (ja) * | 2016-04-22 | 2017-11-02 | ロート製薬株式会社 | 眼科組成物 |
JP7159501B1 (ja) * | 2016-04-22 | 2022-10-24 | ロート製薬株式会社 | 眼科組成物 |
JP2017197524A (ja) * | 2016-04-22 | 2017-11-02 | ロート製薬株式会社 | 眼科組成物 |
JP7233362B2 (ja) * | 2016-09-29 | 2023-03-06 | ジェイアールエックス バイオテクノロジー,インコーポレイテッド | 植物の生育を改変し、且つ植物による水消費を低減するための方法及び組成物 |
US11583496B2 (en) | 2016-10-12 | 2023-02-21 | PS Therapy Inc. | Drug vehicle compositions and methods of use thereof |
US11260035B2 (en) | 2016-10-12 | 2022-03-01 | Ps Therapies Ltd | Topical compositions and methods of use thereof |
WO2019191471A1 (en) | 2018-03-28 | 2019-10-03 | Jrx Biotechnology, Inc. | Agricultural compositions |
JP7343964B2 (ja) * | 2018-09-21 | 2023-09-13 | 小林製薬株式会社 | 医薬組成物 |
JP7451124B2 (ja) * | 2018-09-28 | 2024-03-18 | ロート製薬株式会社 | 内服組成物およびその吸湿抑制方法 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5762218A (en) * | 1980-10-01 | 1982-04-15 | Lion Corp | Ophthalmic solution |
JP2002356420A (ja) * | 2001-03-27 | 2002-12-13 | Santen Pharmaceut Co Ltd | 安定な水性液剤 |
JP2006321790A (ja) * | 2005-04-18 | 2006-11-30 | Taisho Pharmaceut Co Ltd | 眼科用剤 |
Family Cites Families (16)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5800389A (en) * | 1996-02-09 | 1998-09-01 | Emx, Inc. | Biopsy device |
JP3090125B2 (ja) | 1997-08-26 | 2000-09-18 | 千寿製薬株式会社 | ソフトコンタクトレンズ用の眼科用組成物、ソフトコンタクトレンズの濡れ増強方法およびテルペノイドの吸着抑制方法 |
JP4274593B2 (ja) * | 1997-12-18 | 2009-06-10 | ロート製薬株式会社 | 清涼化剤を含有するコンタクトレンズ用点眼剤 |
CA2318642A1 (en) * | 1998-01-22 | 1999-07-29 | Santen Pharmaceutical Co., Ltd. | Fluorometholone ophthalmic suspension |
JP4748289B2 (ja) | 2000-06-23 | 2011-08-17 | ライオン株式会社 | 点眼剤、眼科用組成物及び吸着抑制方法 |
JP4748947B2 (ja) | 2003-04-04 | 2011-08-17 | ロート製薬株式会社 | 眼科用組成物 |
JP2006151971A (ja) * | 2004-11-05 | 2006-06-15 | Maruishi Pharmaceutical Co Ltd | インスリン様成長因子−1分泌促進剤 |
KR20060040550A (ko) | 2004-11-05 | 2006-05-10 | 마루이시세이야쿠가부시키가이샤 | 인슐린유사 성장인자-1 분비촉진제 |
US20070015693A1 (en) | 2005-07-13 | 2007-01-18 | Allergan, Inc. | Cyclosporin compositions |
US20070148099A1 (en) * | 2005-12-27 | 2007-06-28 | Burke Susan E | Use of aroma compounds as defoaming agents for ophthalmic solutions with high concentrations of surfactants |
EP1994933B1 (en) * | 2006-03-13 | 2017-04-26 | R-Tech Ueno, Ltd. | Aqueous composition |
US8067038B2 (en) * | 2006-06-16 | 2011-11-29 | Rohto Pharmaceutical Co., Ltd. | Ophthalmic composition for soft contact lens comprising terpenoid |
JP5087448B2 (ja) * | 2007-03-29 | 2012-12-05 | 参天製薬株式会社 | フルオロメトロンを含有する懸濁型点眼剤 |
WO2009035034A1 (ja) * | 2007-09-14 | 2009-03-19 | Rohto Pharmaceutical Co., Ltd. | 眼科用組成物 |
JP5877795B2 (ja) | 2010-12-17 | 2016-03-08 | ロート製薬株式会社 | コンタクトレンズ用眼科組成物 |
EP2730292A4 (en) | 2011-07-08 | 2015-01-14 | Rohto Pharma | AQUEOUS OPHTHALMIC COMPOSITION |
-
2011
- 2011-12-27 CN CN201180063560.6A patent/CN103282052B/zh active Active
- 2011-12-27 EP EP11852851.2A patent/EP2659911A4/en not_active Withdrawn
- 2011-12-27 BR BR112013016897A patent/BR112013016897A2/pt not_active IP Right Cessation
- 2011-12-27 WO PCT/JP2011/080163 patent/WO2012090985A1/ja active Application Filing
- 2011-12-27 US US13/995,893 patent/US9034931B2/en active Active
- 2011-12-27 JP JP2012550960A patent/JP5810098B2/ja active Active
-
2013
- 2013-12-27 HK HK13114320.7A patent/HK1186684A1/xx unknown
-
2015
- 2015-04-10 US US14/683,579 patent/US9320802B2/en not_active Expired - Fee Related
- 2015-09-11 JP JP2015179270A patent/JP2016028077A/ja active Pending
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5762218A (en) * | 1980-10-01 | 1982-04-15 | Lion Corp | Ophthalmic solution |
JP2002356420A (ja) * | 2001-03-27 | 2002-12-13 | Santen Pharmaceut Co Ltd | 安定な水性液剤 |
JP2006321790A (ja) * | 2005-04-18 | 2006-11-30 | Taisho Pharmaceut Co Ltd | 眼科用剤 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US20130296446A1 (en) | 2013-11-07 |
CN103282052A (zh) | 2013-09-04 |
US9320802B2 (en) | 2016-04-26 |
HK1186684A1 (en) | 2014-03-21 |
EP2659911A1 (en) | 2013-11-06 |
US9034931B2 (en) | 2015-05-19 |
WO2012090985A1 (ja) | 2012-07-05 |
JP5810098B2 (ja) | 2015-11-11 |
EP2659911A4 (en) | 2015-01-14 |
US20150209437A1 (en) | 2015-07-30 |
CN103282052B (zh) | 2015-08-12 |
JPWO2012090985A1 (ja) | 2014-06-05 |
BR112013016897A2 (pt) | 2019-09-24 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5810098B2 (ja) | 水性眼科組成物 | |
JP6190503B2 (ja) | 水性眼科組成物 | |
JP6596116B2 (ja) | 水性眼科組成物 | |
EP2653155A1 (en) | Ophthalmic composition for contact lens | |
US20160243030A1 (en) | Aqueous Ophthalmic Composition | |
JP2023052927A (ja) | 水性眼科組成物 | |
JP2019202166A (ja) | 眼科組成物 | |
JP6177594B2 (ja) | 水性眼科組成物 | |
JP2024015168A (ja) | 眼科用製剤 | |
WO2013008715A1 (ja) | 水性眼科組成物 | |
JP5922505B2 (ja) | グリチルリチン酸含有水性眼科組成物 | |
JP6091780B2 (ja) | 水性眼科組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20160719 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20170307 |