JP2017132764A - シリコーンハイドロゲルカラーコンタクトレンズ用眼科組成物 - Google Patents

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稔 下山
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和宏 辻
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Toshiyuki Hotta
敏行 堀田
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Abstract

【課題】シリコーンハイドロゲルカラーコンタクトレンズに適した眼科組成物を提供する。【解決手段】テルペノイドを含有する、シリコーンハイドロゲルカラーコンタクトレンズ用眼科組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、シリコーンハイドロゲルカラーコンタクトレンズ用眼科組成物に関する。
コンタクトレンズは視力の補正用として用いられてきたものであるが、その普及に伴い、美容の目的でも用いられるようになってきた。美容目的のカラーコンタクトレンズは、加工や着色のしやすさからヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)を主な構成ポリマーとするハイドロゲルカラーコンタクトレンズが使用されている。
HEMAを主な構成ポリマーとするコンタクトレンズは、ハイドロゲルにおける水分量に依存して、酸素透過性を高めることができるが、その能力には限界があった。このため、シリコーンを含有させることにより、酸素透過性を顕著に高めたシリコーンハイドロゲル素材のコンタクトレンズが開発された。シリコーンハイドロゲル素材のコンタクトレンズ用眼科組成物として、プラノプロフェンを含有し、水素イオン以外の陽イオンの当量が140mEq/L以下である眼科用組成物が知られている(特許文献1)。
特開2014-172879
しかしながら、シリコーンハイドロゲル素材のカラーコンタクトレンズは、加工や着色などの製造面の問題があること等から製品化が困難であり、厚生労働省の販売承認を得たものは、未だに使用されていない。従って、シリコーンハイドロゲル素材のレンズの表面及び又は内部に着色がなされているシリコーンハイドロゲルカラーコンタクトレンズに特定の眼科組成物を適用した場合に、如何なる影響が生じるかについては、推認すらできないのが現状である。
そこで本発明の目的は、シリコーンハイドロゲルカラーコンタクトレンズに適した眼科組成物を提供することである。
本発明者らは、シリコーンハイドロゲルカラーコンタクトレンズの着色部分は、従来のハイドロゲルカラーコンタクトレンズの着色部分と比較して、花粉粒子の付着量が高いという新規の課題を見出した。
また、本発明者らは、シリコーンハイドロゲルカラーコンタクトレンズの着色部分は、従来のハイドロゲルカラーコンタクトレンズの着色部分と比較して、アメーバ等の微生物が付着しやすいという新規の課題も見出した。
本発明者らは、意外なことに、メントール等のテルペノイドを含有する眼科組成物を用いると、シリコーンハイドロゲルカラーコンタクトレンズへの花粉粒子やアメーバの付着を抑制できることを見出した。さらに、本発明者らは、メントール等のテルペノイドを含有する眼科組成物を用いると、シリコーンハイドロゲルカラーコンタクトレンズ装用時の目の充血を改善できることを見出した。本発明は、かかる知見に基いて、更に検討を重ねることにより完成したものである。
すなわち、本発明は、
[1]
テルペノイドを含有する、シリコーンハイドロゲルカラーコンタクトレンズ用眼科組成物;
[2]
上記テルペノイドが、非環式モノテルペン及び環式モノテルペンからなる群より選択される少なくとも1種である、[1]に記載のシリコーンハイドロゲルカラーコンタクトレンズ用眼科組成物;
[3]
上記テルペノイドの総含有量が、上記眼科組成物の総量に対して、0.00001〜1w/v%である、[1]又は[2]に記載のシリコーンハイドロゲルカラーコンタクトレンズ用眼科組成物;
[4]
さらに界面活性剤を含有する[1]〜[3]のいずれかに記載のシリコーンハイドロゲルカラーコンタクトレンズ用眼科組成物;
[5]
上記テルペノイドの総含有量1質量部に対して、上記界面活性剤の総含有量が0.01〜150質量部である[1]〜[4]のいずれかに記載のシリコーンハイドロゲルカラーコンタクトレンズ用眼科組成物;
[6]
眼科組成物にテルペノイドを配合することを含む、シリコーンハイドロゲルカラーコンタクトレンズ装用時の目の充血改善作用を該眼科組成物に付与する方法;等を提供するものである。
別の実施形態において、本発明は、テルペノイドを含有する、シリコーンハイドロゲルカラーコンタクトレンズへの花粉粒子付着抑制剤を提供することができる。
別の実施形態において、本発明は、テルペノイドを含有する、シリコーンハイドロゲルカラーコンタクトレンズへのアメーバ付着抑制剤を提供することができる。
別の実施形態において、本発明は、テルペノイドを含有する眼科組成物を、シリコーンハイドロゲルカラーコンタクトレンズに接触させることを特徴とする、シリコーンハイドロゲルカラーコンタクトレンズへの花粉粒子の付着を抑制する方法を提供することができる。
別の実施形態において、本発明は、シリコーンハイドロゲルカラーコンタクトレンズ用眼科組成物に、テルペノイドを含有させることを特徴とする、シリコーンハイドロゲルカラーコンタクトレンズへの花粉粒子の付着を抑制する作用を該眼科組成物に付与する方法を提供することができる。
別の実施形態において、本発明は、テルペノイドを含有する眼科組成物を、シリコーンハイドロゲルカラーコンタクトレンズに接触させることを特徴とする、シリコーンハイドロゲルカラーコンタクトレンズへのアメーバの付着を抑制する方法を提供することができる。
別の実施形態において、本発明は、シリコーンハイドロゲルカラーコンタクトレンズ用眼科組成物に、テルペノイドを含有させることを特徴とする、シリコーンハイドロゲルカラーコンタクトレンズへのアメーバの付着を抑制する作用を該眼科組成物に付与する方法を提供することができる。
別の実施形態において、本発明は、シリコーンハイドロゲルカラーコンタクトレンズ用眼科組成物に、テルペノイドを含有させることを特徴とする、シリコーンハイドロゲルカラーコンタクトレンズ装用時の目の疲れ、かすみ、異物感、乾き、しょぼしょぼ感、かゆみ、又はうるおい感改善作用を該眼科組成物に付与する方法を提供することができる。
別の実施形態において、本発明の眼科組成物は、滴下ノズルを備える点眼用容器に充填され、該滴下ノズルの延びる方向に対して直交する方向の該容器の最大外幅が、10mm〜55mmであり得る。
本発明の眼科組成物によれば、テルペノイドを含有させることにより、シリコーンハイドロゲルカラーコンタクトレンズの着色部分への花粉粒子の付着量を低減させ、また、アメーバの付着を抑制させることができるため、シリコーンハイドロゲルカラーコンタクトレンズをより快適且つ安全に使用させることができる。
本明細書において、含有量の単位「w/v%」は、「g/100mL」と同義である。
本明細書において、含有量の単位「w/w%」は、「g/100g」の質量%と同義である。
本明細書において、コンタクトレンズを「装着する」とは、コンタクトレンズを「目に着ける」行為(操作)をいう。
本明細書において、コンタクトレンズを「装用する」とは、コンタクトレンズが「角膜及び/又は結膜上にある」状態をいう。
[眼科組成物]
本発明の眼科組成物は、テルペノイドを含有することにより、シリコーンハイドロゲルカラーコンタクトレンズ用として好適に用いられる。
本明細書において、テルペノイドとは、イソプレンユニットを構成単位とする構造を有し、清涼化剤として汎用されている公知の化合物である。
本明細書において、テルペノイドとしては、例えば、非環式モノテルペン、及び環式モノテルペンが挙げられる。
本発明において、眼科組成物に含有させることができるテルペノイドとしては、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容される限り、特に制限されない。非環式モノテルペンとして、具体的には、ゲラニオール、シトロネロール、リナロール、酢酸リナリル、ネロール、ミルセン、ミルセノール、酢酸リナロール、ラバンジュロール、及びこれらの誘導体からなる群より選択される少なくとも1種が挙げられる。環式モノテルペンとして、具体的には、メントール、カンフル、メントン、ボルネオール、シネオール、カルボン、アネトール、オイゲノール、リモネン、チモール、シメン、テルピネオール、ピネン、カンフェン、イソボルネオール、フェンチェン、及びこれらの誘導体からなる群より選択される少なくとも1種が挙げられる。
本明細書において、「誘導体」とは、例えば、エステル化誘導体、エーテル化誘導体、アミド化誘導体、スルホン化誘導体、ニトロ化誘導体、ニトロソ化誘導体、ハロゲン化誘導体等を挙げることができるが、これらに限定されない。好ましくは、エステル化誘導体及び/又はエーテル化誘導体であり、より好ましくはエステル化誘導体である。エステル化誘導体の例としては、吉草酸、酪酸、酢酸、プロピオン酸及び/又はフランカルボン酸等の有機酸でエステル化した誘導体を挙げることができる。
テルペノイドはd体、l体又はdl体のいずれであってもよい。
テルペノイドとして、上記化合物を含有する精油を使用してもよい。このような精油としては、例えば、ユーカリ油、ベルガモット油、ペパーミント油、クールミント油、スペアミント油、ハッカ油、ウイキョウ油、ケイヒ油、ローズ油、樟脳油、チョウジ油等が挙げられる。
これらのテルペノイドの中でも、メントール、カンフル、ゲラニオール、メントン、ボルネオール、シネオール、シトロネロール、カルボン、アネトール、オイゲノール、リモネン、リナロール、及び酢酸リナリルからなる群より選択される少なくとも1種が好ましく、メントール、カンフル、ゲラニオール、ボルネオール及びメントンからなる群より選択される少なくとも1種がさらに好ましい。これらを含有する精油としてクールミント油、ペパーミント油、ハッカ油、樟脳油、ローズ油等が例示される。より好ましくは、メントール、カンフル、ゲラニオール及びボルネオールからなる群より選択される少なくとも1種であり、更に好ましくは、l−メントール、dl−メントール、d−カンフル、dl−カンフル及びd−ボルネオールからなる群より選択される少なくとも1種が挙げられ、特に好ましくはl−メントール及び/又はd−カンフルが挙げられ、最も好ましくはl−メントールであり、これらを含有する精油としてクールミント油、ペパーミント油、ハッカ油、樟脳油が好ましい。
これらのテルペノイドは、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されない。例えば、公知の搾取方法、公知の精製方法、及び又は公知の合成方法を用いて得たものや、市販のものを使用することができる。これらのテルペノイドは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
テルペノイドの総含有量は、使用するテルペノイドの種類、他の成分の種類や含有量等に応じて適宜設定できる。一例として、眼科組成物の総量に対して、テルペノイドの総含有量は、限定はされないが、本発明の効果を顕著に奏する観点から、好ましくは0.00001w/v%以上であり、より好ましくは0.0001w/v%以上、さらに好ましくは0.0002w/v%以上、特に好ましくは0.001w/v%以上である。眼科組成物の総量に対して、テルペノイドの総含有量は、限定はされないが、好ましくは1w/v%以下であり、より好ましくは0.5w/v%以下、さらに好ましくは0.3w/v%以下、特に好ましくは0.1w/v%以下である。眼科組成物の総量に対して、テルペノイドの総含有量は、限定はされないが、好ましくは0.00001〜1w/v%、より好ましくは、0.0001〜0.5w/v%、より好ましくは0.0002〜0.3w/v%、さらに好ましくは、0.001〜0.1w/v%である。テルペノイドを含有する精油を使用する場合、当該精油の含有量は、精油中のテルペノイド含有量が上記割合を満たすように設定される。
本明細書において、「シリコーンハイドロゲルカラーコンタクトレンズ」とは、シリコーンハイドロゲル素材のコンタクトレンズのうち、目の装飾や美観などの美容を目的とした着色が施されたものをいう。目の装飾や美観を目的とした着色としては、限定はされないが、例えば、コンタクトレンズを装用していない状態の瞳(角膜)の色の領域を大きく見せることを目的とした着色が挙げられる。限定はされないが、例えば、角膜の外周より大きな領域に施された着色、及び又は角膜の外周部分の着色の明度や彩度を調整することにより角膜の外周が際立って見えるように施された着色が挙げられる。このような着色を施したコンタクトレンズをサークルレンズと呼ぶこともある。角膜の色の領域を大きく見せることを目的とした着色を施したシリコーンハイドロゲルカラーコンタクトレンズを装用することにより、眼力(めぢから)のある印象を与えたり、大人びた印象を与えることが可能となる。
目の装飾や美観を目的とした着色としては、限定はされないが、例えば、コンタクトレンズを装用していない状態の角膜の色を、異なった色に見せることを目的とした着色が挙げられる。色は、限定はされないが、例えば、黒色、茶色、オレンジ色、黄色、黄土色、緑色、黄緑色、灰色、白色、青色、紺色、紫色が挙げられる。目の装飾や美観を目的とした着色には、イラストやデザインを伴って着色されるものも含まれる。目の装飾や美観を目的とした着色を施したシリコーンハイドロゲルカラーコンタクトレンズを装用することにより、お洒落な印象を与えたり、個性的な印象を与えたり、大人っぽい印象を与えたりすることが可能となる。上記のようなシリコーンハイドロゲルカラーコンタクトレンズを装用することにより、瞳が輝きを増したように見せることができたり、瞳がよりキラキラした印象を与えたり、瞳がよりウルウルとした印象を与えることも可能である。このような目の装飾や美観の目的から、シリコーンハイドロゲルカラーコンタクトレンズを、シリコーンハイドロゲルコスメティックコンタクトレンズ、シリコーンハイドロゲルデコラティブコンタクトレンズと呼ぶこともある。
本明細書において、カラーコンタクトレンズと対比するためにクリアコンタクトレンズ(クリアタイプのコンタクトレンズともいう)と表記することがあるが、クリアコンタクトレンズとは、装飾や美観などの美容を目的とした着色や、瞳(角膜)の色の領域を大きく見せることを目的とした着色が施されていないものをいう。シリコーンハイドロゲル素材のクリアタイプのコンタクトレンズをシリコーンハイドロゲルクリアコンタクトレンズと記すこともある。但し、クリアコンタクトレンズであっても、洗浄液等の溶液に浸漬されている場合に容易に目視判別できる程度に、薄い色を着色されていることがある。
シリコーンハイドロゲルカラーコンタクトレンズの着色に用いられる色素としては、無機系色素、有機系色素等、公知の色素が用いられる。このような色素としては、例えば、アゾ系色素、フタロシアニン系色素、ジケトピロロピロール系色素、アントラキノン系色素、トリフェノジオキサン系色素、ビオラントロン系色素、イソインドリン系色素、カルバゾール系色素、キノリン系色素、金属酸化物系色素、カーボンブラック等が挙げられ、シリコーンハイドロゲルカラーコンタクトレンズの色彩やデザイン等に応じて、1種又は2種以上を組合せて用いることができる。本明細書においては、顔料や染料と呼ばれる物質であっても、公知の手段により用いることが可能である。
シリコーンハイドロゲルカラーコンタクトレンズの着色部分の面積は、特に限定されないが、レンズを凸方向から垂直に見た場合の全面を基準として、少なくとも10%以上であり、少なくとも20%以上であることが好ましく、少なくとも30%以上であることがより好ましく、少なくとも40%以上であることが更に好ましく、少なくとも50%以上であることが特に好ましい。また、着色面積は、特に限定されないが、レンズを凸方向から垂直に見た場合の全面を基準として、99.9%以下とすることができ、99%以下であることが好ましく、98%以下であることがより好ましく、95%以下であることが更に好ましく、90%以下であることが特に好ましく、85%以下であることが最も好ましい。
シリコーンハイドロゲルカラーコンタクトレンズの着色部分は、レンズ表面にあっても、レンズの内部に埋め込まれていてもよい。また、シリコーンハイドロゲルカラーコンタクトレンズの着色部分は、レンズの両面であっても片面であってもよい。
シリコーンハイドロゲルカラーコンタクトレンズは、視力矯正用であるか否かに拘わらず用いることができ、近視用、遠視用、乱視用又は遠近両用であってもよい。
シリコーンハイドロゲルカラーコンタクトレンズの装用に際して、本発明の眼科組成物を用いることにより、シリコーンハイドロゲルカラーコンタクトレンズへの花粉粒子の付着やアメーバの付着が抑制され、快適に長時間の装用が可能となる。また、本発明の眼科組成物を用いることにより、花粉粒子などの外的異物の付着が抑制されると、充血が抑えられるため、白目を綺麗に見せることができ、シリコーンハイドロゲルカラーコンタクトレンズの着色部分の色合いを際立って見せることができ、角膜の外周を際立って見せることが可能となる。本明細書において、外的異物とは、大気中に存在する粒子等の物質をいい、花粉粒子、ハウスダスト、ホコリ、微生物等が挙げられる。また、本明細書において、花粉粒子とは、直径が5〜40マイクロメートルであり、花粉壁に囲まれた略球形又は変形した球形の粒子をいう。
本明細書において、シリコーンハイドロゲル素材のコンタクトレンズとは、シリコーンを含有する素材(例えばシリコーンとアクリレートの重合体であるTRIS又はTRIS誘導体等)に親水性モノマー(例えばヒドロキエシエチルメタクリレート、ジメチルアクリルアミド等)を共重合させた素材を用いたコンタクトレンズであり、USAN(United State Adopted Name)に基づく素材の名称としては、例えばLotrafilconA、LotrafilconB、BalafilconA、GalyfilconA、SenofilconA、NarafilconA、ComfilconA、AsmoficonA、EnfilconA、DelefilconA、EfrofilconA、SamfilconA、HioxifilconA、SomofilconA、NesfilconAなどが挙げられる。シリコーンハイドロゲル素材のコンタクトレンズにおけるシリコーンモノマーの含有量は、限定はされないが、例えば、5〜95質量%とすることができ、10〜90質量%が好ましく、15〜85質量%がより好ましく、20〜80質量%が更に好ましく、25〜75質量%が特に好ましく、30〜70質量%が最も好ましい。
本発明の眼科組成物は、更に界面活性剤を含有することが好ましい。界面活性剤としては、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容される限り特に制限されず、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤のいずれも用いることができる。
非イオン界面活性剤として、具体的には、ポリオキシエチレン(以下、POEともいう。)−ポリオキシプロピレン(以下、POPともいう。)ブロックコポリマー(例えば、ポロクサマー407、ポロクサマー403、ポロクサマー235、ポロクサマー188、POE(200)POP(70)グリコール、POE(120)POP(40)グリコール等のポロクサマー類);ポロキサミンなどのエチレンジアミンのPOE−POPブロックコポリマー付加物;モノラウリル酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート20)、モノオレイン酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート80)、POEソルビタンモノステアレート(ポリソルベート60)、POEソルビタントリステアレート(ポリソルベート65)等のPOEソルビタン脂肪酸エステル;POE(5)硬化ヒマシ油、POE(10)硬化ヒマシ油、POE(20)硬化ヒマシ油、POE(40)硬化ヒマシ油、POE(50)硬化ヒマシ油、POE(60)硬化ヒマシ油、POE(100)硬化ヒマシ油などのPOE硬化ヒマシ油;POE(3)ヒマシ油、POE(10)ヒマシ油、POE(35)ヒマシ油、POE(50)ヒマシ油などのPOEヒマシ油;POE(9)ラウリルエーテルなどのPOEアルキルエーテル類;POE(20)POP(4)セチルエーテルなどのPOE・POPアルキルエーテル類;POE(10)ノニルフェニルエーテルなどのPOEアルキルフェニルエーテル類;ステアリン酸ポリオキシル40、ステアリン酸ポリオキシル140などのモノステアリン酸ポリエチレングリコール類などが挙げられる。なお、括弧内の数字はPOP又はPOEの平均付加モル数を示す。
両性界面活性剤としては、具体的には、アルキルジアミノエチルグリシン等のグリシン型、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン等の酢酸ベタイン型、イミダゾリン型等の界面活性剤が例示される。
陽イオン界面活性剤としては、具体的には、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム等が例示される。
また、本発明の水性医薬組成物に配合可能な陰イオン界面活性剤としては、具体的には、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、脂肪族a−スルホメチルエステル、a−オレフィンスルホン酸等が例示される。
これらの界面活性剤の中でも、本発明の効果を奏する観点から、非イオン界面活性剤を用いることが好ましく、POEソルビタン脂肪酸エステル、POE硬化ヒマシ油、POE−POPブロックコポリマー、ポリオキシエチレンヒマシ油、及びステアリン酸ポリオキシルからなる群より選択される少なくとも1種がより好ましく、POEソルビタン脂肪酸エステル、POE硬化ヒマシ油からなる群より選択される少なくとも1種が更に好ましく、ポリソルベート80、POE硬化ヒマシ油60からなる群より選択される少なくとも1種が特に好ましい。これらの界面活性剤は、公知の方法により合成して使用しても、市販品を入手して使用してもよい。これらの界面活性剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
本発明の眼科組成物に界面活性剤を配合する場合、界面活性剤の含有量については、界面活性剤の種類、他の配合成分の種類や含有量等に応じて適宜設定できる。一例として、眼科組成物の総量に対して、界面活性剤の総含有量は、限定はされないが、好ましくは0.001w/v%以上であり、より好ましくは0.005w/v%以上、さらに好ましくは0.01w/v%以上である。眼科組成物の総量に対して、界面活性剤の総含有量は、限定はされないが、好ましくは5w/v%以下であり、より好ましくは2.5w/v%以下、さらに好ましくは1.0w/v%以下である。眼科組成物の総量に対して、界面活性剤の総含有量は、限定はされないが、好ましくは0.001〜5w/v%、より好ましくは0.005〜2.5w/v%、さらに好ましくは0.01〜1.0w/v%である。
眼科組成物において、テルペノイドに対する界面活性剤の含有量の比率は、限定はされないが、例えば、テルペノイドの総含有量1質量部に対して、界面活性剤の総含有量が0.01〜150質量部とすることができ、0.05〜100質量部とすることが好ましく、0.1〜80質量部とすることがより好ましく、1.0〜50質量部とすることがさらに好ましく、1.0〜40質量部とすることがさらに好ましく、1.0〜30質量部とすることがさらに好ましく、1.0〜20質量部とすることが特に好ましく、1.0〜10質量部とすることが最も好ましい。
本発明の眼科組成物は、更に多価アルコールを含有することができる。本明細書において、多価アルコールとは、当業者に一般に理解される通り、その分子内に水酸基を2個以上有するアルコール類をいう。多価アルコールとしては、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容される限り、特に制限されない。
多価アルコールとしては、具体的には、グリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール(400、4000、6000)等の直鎖アルコール又はラクトース、マルトース、フルクトース、ソルビトール、マルチトール、マンニトール、キシリトール、トレハロース等の糖アルコールなどが挙げられる。これらの多価アルコールは、公知の方法により合成して使用しても、市販品を入手して使用してもよい。多価アルコールは単独で又は二種以上組み合わせて使用することが出来る。
本発明の眼科組成物に多価アルコールを配合する場合、多価アルコールの含有量については、多価アルコールの種類、他の配合成分の種類や含有量等に応じて適宜設定できる。一例として、眼科組成物の総量に対して、多価アルコールの総含有量は、限定はされないが、好ましくは0.001w/v%以上であり、より好ましくは0.005w/v%以上、さらに好ましくは0.01w/v%以上である。眼科組成物の総量に対して、多価アルコールの総含有量は、限定はされないが、好ましくは5w/v%以下であり、より好ましくは3.5w/v%以下、さらに好ましくは2w/v%以下である。眼科組成物の総量に対して、多価アルコールの総含有量は、限定はされないが、好ましくは0.001〜5w/v%、より好ましくは0.005〜3.5w/v%、さらに好ましくは0.01〜2w/v%である。
眼科組成物において、テルペノイドに対する多価アルコールの含有量の比率は、テルペノイドの総含有量1質量部に対して、多価アルコールの総含有量が0.001〜5000質量部であることが好ましく、0.01〜4000質量部であることがより好ましく、0.1〜2000質量部であることがよりさらに好ましく、1〜1000質量部であることが特に好ましい。
本発明の眼科組成物は、更に増粘剤を含有することができる。増粘剤としては、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容される限り、特に制限されない。
増粘剤としては、具体的には、ビニル系増粘剤〔例えば、ポリビニルアルコール(完全又は部分ケン化物)、ポリビニルピロリドン(K25,K30,K90など)、カルボキシビニルポリマーなど〕セルロース系増粘剤[例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(2208,2906,2910など)、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、ニトロセルロース又はそれらの塩など]、ポリエチレングリコール(マクロゴール300,マクロゴール400,マクロゴール1500,マクロゴール4000など、マクロゴール6000)又は、ムコ多糖〔コンドロイチン硫酸、アルギン酸、ヒアルロン酸又はそれらの塩など〕などが挙げられる。上記増粘剤の塩としては、例えば、無機塩基との塩が挙げられ、好ましくはアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩が挙げられ、さらに好ましくはナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩又はマグネシウム塩であり、特にナトリウム塩が好ましい。これらの増粘剤は、公知の方法により合成して使用しても、市販品を入手して使用してもよい。これらの増粘剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
本発明の眼科組成物に増粘剤を配合する場合、増粘剤の含有量については、増粘剤の種類、他の配合成分の種類や含有量等に応じて適宜設定できる。一例として、眼科組成物の総量に対して、増粘剤の総含有量は、限定はされないが、0.0001〜10w/v%であることが好ましく、0.0005〜5w/v%であることがさらに好ましく、0.001〜4w/v%であることが特に好ましく、0.005〜3w/v%であることが最も好ましい。
眼科組成物において、テルペノイドに対する増粘剤の含有量の比率は、テルペノイドの総含有量1質量部に対して、増粘剤の総含有量が0.001〜5000質量部であることが好ましく、0.01〜1000質量部であることがさらに好ましく、0.05〜500質量部であることが特に好ましい。
本発明の眼科組成物は、更に緩衝剤を含有することができる。本発明の水性組成物に配合可能な緩衝剤としては、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されず、有機系緩衝剤または無機系緩衝剤のいずれも使用することができる。
緩衝剤としては、一例として、ホウ酸緩衝剤、リン酸緩衝剤、炭酸緩衝剤、クエン酸緩衝剤、酢酸緩衝剤、アスパラギン酸、アスパラギン酸塩、イプシロン-アミノカプロン酸、L-アルギニン、L-アルギニン塩酸塩、塩酸、水酸化ナトリウム等が挙げられる。緩衝剤は、公知の方法により合成して使用しても、市販品を入手して使用してもよい。これらの緩衝剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を任意に組み合わせて用いてもよい。緩衝剤としては、ホウ酸緩衝剤、リン酸緩衝剤、炭酸緩衝剤、及びクエン酸緩衝剤、イプシロン-アミノカプロン酸、L-アルギニン、L-アルギニン塩酸塩が好ましい。
ホウ酸緩衝剤としては、例えば、ホウ酸、又はホウ酸アルカリ金属塩、ホウ酸アルカリ土類金属塩等のホウ酸塩が挙げられる。リン酸緩衝剤としては、例えば、リン酸、又はリン酸アルカリ金属塩、リン酸アルカリ土類金属塩等のリン酸塩が挙げられる。炭酸緩衝剤としては、例えば、炭酸、又は炭酸アルカリ金属塩、炭酸アルカリ土類金属塩等の炭酸塩が挙げられる。クエン酸緩衝剤としては、例えば、クエン酸、又はクエン酸アルカリ金属塩、クエン酸アルカリ土類金属塩等が挙げられる。また、緩衝剤としては、各塩の水和物を用いてもよい。より具体的な例として、限定はされないが、ホウ酸緩衝剤として、ホウ酸又はその塩(ホウ酸ナトリウム、テトラホウ酸カリウム、メタホウ酸カリウム、ホウ酸アンモニウム、ホウ砂等);リン酸緩衝剤として、リン酸又はその塩(リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸二カリウム、リン酸一水素カルシウム、リン酸二水素カルシウム等);炭酸緩衝剤として、炭酸又はその塩(炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸水素カリウム、炭酸マグネシウム等);クエン酸緩衝剤として、クエン酸又はその塩(クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、クエン酸カルシウム、クエン酸二水素ナトリウム、クエン酸二ナトリウム等);酢酸緩衝剤として、酢酸又はその塩(酢酸アンモニウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウム、酢酸ナトリウム等);アスパラギン酸又はその塩(アスパラギン酸ナトリウム、アスパラギン酸マグネシウム、アスパラギン酸カリウム、アスパラギン酸マグネシウム・カリウム混合物等)、L-アルギニン又はその塩(L−アルギニン塩酸塩等)等が例示できる。
上記緩衝剤の中でも、特にホウ酸緩衝剤、リン酸緩衝剤、クエン酸緩衝剤、イプシロン−アミノカプロン酸、L-アルギニン及びL−アルギニン塩酸塩が好適であり、とりわけホウ酸緩衝剤、リン酸緩衝剤、イプシロン−アミノカプロン酸、L-アルギニンは好適であり、ホウ酸緩衝剤及びイプシロン−アミノカプロン酸はより好適である。ホウ酸緩衝剤の好適な具体例として、ホウ酸、ホウ酸とその塩との組み合わせ(例えばホウ酸とホウ砂)が挙げられ、好ましくはホウ酸、ホウ酸とホウ砂の組み合わせ、更に好ましくはホウ酸が例示される。また、クエン酸緩衝剤としては、クエン酸、クエン酸とその塩の組み合わせが挙げられ、好ましくはクエン酸の塩が例示される。これらの緩衝剤は、公知の方法により合成して使用しても、市販品を入手して使用してもよい。これらの緩衝剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
本発明の眼科組成物に緩衝剤を配合する場合、緩衝剤の含有量については、使用する緩衝剤の種類、他の配合成分の種類や含有量等に応じて適宜設定できる。緩衝剤の含有量の一例として、眼科組成物の総量に対して、緩衝剤の総含有量は、限定はされないが、好ましくは0.01w/v%以上であり、より好ましくは0.05w/v%以上、さらに好ましくは0.1w/v%以上である。眼科組成物の総量に対して、緩衝剤の総含有量は、限定はされないが、好ましくは10w/v%以下であり、より好ましくは5w/v%以下、さらに好ましくは3w/v%以下であり、特に好ましくは2%以下である。眼科組成物の総量に対して、緩衝剤の総含有量は、限定はされないが、好ましくは0.01〜10w/v%、より好ましくは0.05〜5w/v%、さらに好ましくは0.1〜3w/v%である。
本発明の眼科組成物において、テルペノイドに対する緩衝剤の含有量の比率は、テルペノイドの総含有量1質量部に対して、緩衝剤の総含有量が0.01〜5000質量部が好ましく、0.05〜2500質量部がより好ましく、0.1〜1000質量部がよりさらに好ましく、0.5〜500質量部が特に好ましい。
本発明の眼科組成物は、更に油性成分を含有することができる。油性成分としては、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容される限り、特に制限されない。
油性成分としては、植物油、ラノリン、スクワラン等の動物油、流動パラフィン、ワセリン等の鉱物油等が挙げられる。これらの油性成分の中でも植物油が好ましい。植物油としては、具体的には、ゴマ油、ヒマシ油、大豆油、オリーブ油、小麦胚芽油、ペパーミント油、ヒマワリ油、綿実油、コーン油、ヤシ油、ラッカセイ油、ピーナッツ油、アーモンド油、サフラワー油、ホホバ油、ツバキ油、菜種油、オレンジ油等が挙げられる。これらの油性成分は、公知の方法により合成して使用しても、市販品を入手して使用してもよい。これらの油性成分は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
本発明の眼科組成物に油性成分を配合する場合、油性成分の含有量については、油性成分の種類、他の配合成分の種類や含有量等に応じて適宜設定できる。一例として、眼科組成物の総量に対して、油性成分の総含有量は、限定はされないが、0.00005〜10w/v%であることが好ましく、0.0001〜5w/v%であることがさらに好ましく、0.0005〜3w/v%であることが特に好ましく、0.001〜1w/v%であることが最も好ましい。
眼科組成物において、テルペノイドに対する油性成分の含有量の比率は、テルペノイドの総含有量1質量部に対して、油性成分の総含有量が0.01〜5000質量部であることが好ましく、0.05〜1000質量部であることがさらに好ましく、0.1〜200質量部であることが特に好ましい。
本発明の眼科組成物は、必要に応じて更に適当な無機塩類を含有することができる。
無機塩類としては、具体的には、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛が挙げられる。これらの無機塩類は、公知の方法により合成して使用しても、市販品を入手して使用してもよい。これらの無機塩類は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。これらの1種または2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の眼科組成物に無機塩類を配合する場合、無機塩類の含有量については、無機塩類の種類、他の配合成分の種類や含有量等に応じて適宜設定できる。一例として、眼科組成物の総量に対して、無機塩類の総含有量は、限定はされないが、0.00001〜5w/v%であることが好ましく、0.0001〜1.5w/v%であることがより好ましく、0.0005〜1.0w/v%であることが更に好ましい。
[好ましい組合せ]
本発明の眼科組成物において、テルペノイドの他に好ましい成分を追加する場合の好ましい組み合わせを以下表1に例示する。但し、本発明は、本発明の効果を奏する限り、これらの組合せに限定されるものではない。
Figure 2017132764
本発明の眼科組成物は、本発明の効果を妨げない限り、上記成分の他に、種々の薬理活性成分や生理活性成分を組み合わせて適当量含有してもよい。このような薬理活性成分や生理活性成分としては、例えば、一般用医薬品製造販売承認基準2015年版(一般社団法人 レギュラトリーサイエンス学会 監修)に記載された各種医薬における有効成分が例示できる。具体的には、次のような成分が挙げられる。
抗ヒスタミン剤又は抗アレルギー剤:例えば、フマル酸ケトチフェン、イプロヘプチン、塩酸ジフェンヒドラミン、ペミロラストカリウム、マレイン酸クロルフェニラミン、クロモグリク酸ナトリウム、トラニラスト、アシタザノラスト、塩酸レボカバスチン等。
充血除去剤:例えば、α−アドレナリン作動薬、具体的には、エピネフリン、塩酸エピネフリン、塩酸エフェドリン、塩酸オキシメタゾリン、塩酸テトラヒドロゾリン、塩酸ナファゾリン、塩酸フェニレフリン、塩酸メチルエフェドリン、酒石酸水素エピネフリン、硝酸ナファゾリン等。これらはd体、l体又はdl体のいずれでもよい。
殺菌剤:例えば、アクリノール、セチルピリジニウム、塩酸クロルヘキシジン、グルコン酸クロルヘキシジン、塩酸ポリヘキサメチレンビグアニド等。
ビタミン類:例えば、フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム、塩酸ピリドキシン、シアノコバラミン、パンテノール、パントテン酸カルシウム、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール、酢酸トコフェロール等。
アミノ酸類:例えば、アミノエチルスルホン酸等。
消炎剤:例えば、グリチルレチン酸、サリチル酸メチル、サリチル酸グリコール、アズレンスルホン酸ナトリウム、アラントイン、ε―アミノカプロン酸、トラネキサム酸、塩化ベルベリン、塩化リゾチーム、グリチルリチン酸ニカリウム、インドメタシン、プラノプロフェン、イブプロフェン、イブプロフェンピコノール、ブフェキサマク、フルフェナム酸ブチル、ベンダザック、ピロキシカム、ケトプロフェン、フェルビナク等。
収斂剤:例えば、亜鉛華、乳酸亜鉛、硫酸亜鉛等。
局所麻酔薬成分:例えば、クロロブタノール、塩酸オキシブプロカイン、塩酸コカイン、塩酸コルネカイン、塩酸ジブカイン、塩酸テトラカイン、塩酸パラブチルアミノ安息香酸ジエチルアミノエチル、塩酸ピペロカイン、塩酸プロカイン、塩酸プロパラカイン、塩酸ヘキソチオカイン、塩酸リドカイン等。
その他:例えば、メチル硫酸ネオスチグミン、スルファメトキサゾール、スルファメトキサゾールナトリウム、紫根、セイヨウトチノキ、及びこれらの塩等。
さらに、本発明の眼科組成物においては、本発明の効果を妨げない限り、上記の他、様々な添加剤を選択し、少なくとも1種を併用して適当量含有させてもよい。それらの添加物として、例えば、医薬品添加物事典2013(日本医薬品添加剤協会編集)に記載された各種添加物が例示できる。代表的な成分として次の添加物が挙げられる。
担体:水、含水エタノール等の水性担体。
糖類:例えば、グルコース、シクロデキストリン等。
等張化剤:亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム等。
pH調節剤:例えば、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、硫酸、ポリリン酸、プロピオン酸、シュウ酸、グルコン酸、フマル酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、グルコノラクトン、酢酸アンモニウム等。安定化剤:例えば、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート(ロンガリット)、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、モノステアリン酸アルミニウム、モノステアリン酸グリセリン等。
キレート剤:例えば、エチレンジアミン二酢酸(EDDA)、エチレンジアミン三酢酸、エチレンジアミン四酢酸(エデト酸、EDTA)、N−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)等。
防腐剤、又は抗菌剤:例えば、安息香酸ナトリウム、エタノール、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、硫酸オキシキノリン、フェネチルアルコール、ベンジルアルコール、ビグアニド化合物(具体的には、ポリクオタニウム等)、グローキル(ローディア社製 商品名)等。
[眼科組成物の物性]
本発明の眼科組成物のpHについては、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容される範囲内であれば特に限定されるものではないが、一例としては、pHが4.0〜9.5、好ましくは4.5〜9.0、より好ましくは、5.0〜8.5、更に好ましくは5.5〜8.0、特に好ましくは6.0〜8.0となる範囲が挙げられる。
本発明の眼科組成物は、さらに必要に応じて、生体に許容される範囲内の浸透圧比に調節することができる。適切な浸透圧比は適用部位、剤型等により異なるが、通常0.5〜5.0、より好ましくは0.6〜3.0、更に好ましくは0.7〜2.0となる範囲が挙げられる。浸透圧の調整は無機塩、多価アルコール、及び又は糖等を用いて、当該技術分野で既知の方法で行うことができる。浸透圧比は、第十六改正日本薬局方に基づき286mOsm(0.9w/v%塩化ナトリウム水溶液)の浸透圧に対する試料の浸透圧の比とし、浸透圧は日本薬局方記載の浸透圧測定法(氷点降下法)に従って測定する。なお、浸透圧比測定用標準液(0.9w/v%塩化ナトリウム水溶液)は、塩化ナトリウム(日本薬局方標準試薬)を500〜650℃で40〜50分間乾燥した後、デシケーター(シリカゲル)中で放冷し、その0.900gを正確に量り、精製水に溶かし正確に100mLとして調製するか、市販の浸透圧比測定用標準液(0.9w/v%塩化ナトリウム水溶液)を用いる。
本発明の眼科組成物の粘度は、生理学的又は薬学的に許容される範囲内であれば、配合成分の種類及び含有量、製剤形態、使用方法等に応じて適宜設定される。回転粘度計(RE550型粘度計、東機産業社製、ローター;1°34‘×R24)で測定した20℃における粘度が0.01〜10000mPa・sとすることが好ましく、0.05〜8000mPa・sとすることがより好ましく、0.5〜1000mPa・sとすることがさらに好ましく、1〜100mPa・sとすることが更により好ましい。
[眼科組成物の製造方法]
本発明の眼科組成物は、慣用の方法で調製できる。例えば、テルペノイドや必要により他の成分を、水性担体に分散させた後、ホモジナイザーなどを用いて均一化、溶解又は乳化させ、pH調節剤によりpHを調節することにより調製すればよい。
[眼科組成物の剤型]
本発明の眼科組成物は、その剤型については、眼科分野で使用可能である限り特に制限されないが、例えば、液状、軟膏状等が挙げられる。これらの中でも、液状が好ましい。また液状の中でも水性液状が好ましい。本発明の眼科組成物を水性液状にする場合、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容される水を水性担体として使用すればよく、このような水として、具体的には、蒸留水、常水、精製水、滅菌精製水、注射用水、注射用蒸留水等が例示される。これらの定義は第一五改正日本薬局方に基づく。本明細書において、水性液状とは、水を含有する液状の形態を意味し、通常は、眼科組成物中に水を1%以上、好ましくは5%以上、より好ましくは20%以上、更に好ましくは50%以上、より更に好ましくは70%以上、より更に好ましくは80%以上を含有するものを意味する。
本発明の眼科組成物は、一例として、点眼剤、洗眼剤、コンタクトレンズ装着液、コンタクトレンズケア用剤(コンタクトレンズ用殺菌剤、コンタクトレンズ用消毒剤、コンタクトレンズ用保存剤、コンタクトレンズ用洗浄剤、コンタクトレンズ用すすぎ液、コンタクトレンズ用洗浄保存剤等が含まれる)、コンタクトレンズ用多目的溶液(マルチパーパスソリューション)等として用いることが可能である。本明細書において、コンタクトレンズ用多目的溶液(マルチパーパスソリューション)とは、コンタクトレンズの洗浄、すすぎ、保存、および消毒の機能から選ばれる機能の内の少なくとも2以上の機能を併せ持った組成物のことをいう。
これらの剤型の中でも、本発明の眼科組成物は、シリコーンハイドロゲルカラーコンタクトレンズに対して用いることにより、レンズの着色部分への花粉粒子の付着量を低減させ、アメーバの付着を抑制させることができるため、点眼剤、コンタクトレンズ装着液、コンタクトレンズケア用剤、コンタクトレンズ用多目的溶液として用いられることが好ましい。
[眼科組成物の用途]
シリコーンハイドロゲルカラーコンタクトレンズを本発明の眼科組成物と接触させることによって、レンズの着色部分への花粉粒子の付着量を低減させることが可能である。本発明は、花粉粒子付着抑制作用により、シリコーンハイドロゲルカラーコンタクトレンズへの花粉粒子付着抑制剤として好適に用いられ得る。
また、本発明の眼科組成物は、アメーバ等の微生物の付着を低減させることができるため、シリコーンハイドロゲルカラーコンタクトレンズの微生物による汚染を予防、防止及び又は低減することが可能である。シリコーンハイドロゲルカラーコンタクトレンズへの微生物の付着が防止されると、眼球への感染を予防することが可能となる。本発明は、このような本発明の作用を利用して、別の観点から、シリコーンハイドロゲルカラーコンタクトレンズへの微生物付着抑制剤、特にはアメーバ付着抑制剤として好適に用いられ得る。また、本発明の眼科組成物は、アメーバの付着が抑制される観点から、アメーバ等の微生物による角・結膜炎の予防・治療剤としても用いることが可能である。
また、本発明の眼科組成物が点眼剤として用いられる場合、本発明の眼科組成物は、疲れ目改善用、かすみ目改善用、異物感改善用、目のかゆみ改善用、充血改善用、しょぼしょぼ感改善用、うるおい感改善用及び/又は目のかわき改善用眼科組成物として提供され得る。
疲れ目は、読書、注視作業、観察作業などの目の酷使や精神的緊張を原因とするもの、パーソナルコンピューターの普及に伴い急激に増加してきたVDT(Visual Display Terminal)作業を原因とするものがある。目の疲れは、毛様体筋が長時間の注視作業などにより過度の緊張状態に陥り、目の調節機能が低下することが要因となって起こると指摘されている。
かすみ目は、目のピント機能が低下して視界がぼやけて見えたり、近くを見て遠くを見た時などにピントが合うのに時間がかかったりする症状を指す。かすみ眼は、目を酷使すること、白内障や結膜炎などの炎症、加齢に伴って起こる老眼などの原因により起こり得る。
また、角結膜表面が通常よりも外的刺激に敏感な状態である時には、結膜・角膜の充血、結膜炎、角膜炎、目の疲れ、目のかゆみ、目のかわき、目のかすみ、目の異物感、目のしょぼしょぼ感、目の不快感等の症状がしばしば発現する。シリコーンハイドロゲルカラーコンタクトレンズにより角結膜表面が刺激を受けている状態においては、本発明の眼科組成物が結膜・角膜の充血、結膜炎、角膜炎、目の疲れ、目のかゆみ、目のかわき、目のかすみ、目の異物感、目のしょぼしょぼ感、目の不快感に特に有効である。
[点眼剤及び又は装着液として用いる場合の用量・用法]
本発明の眼科組成物が点眼剤として用いられる場合、1滴あたりの滴下量が5〜50μLとなるように設計され得る。点眼剤の1滴あたりの滴下量が、結膜嚢の容量内である5〜50μLとなるように設計されることによって、装用されているシリコーンハイドロゲルカラーコンタクトレンズの全体に点眼剤が行き渡り、本発明の効果が奏される。また、1滴あたりの滴下量は、7〜45μLとなるように設計されていることが好ましく、10〜30μLとなるように設計されていることがさらに好ましい。シリコーンハイドロゲルカラーコンタクトレンズは、レンズに美的装飾を施したり、瞳を大きく見せるために、着色部分を大きくした結果、レンズの直径がクリアタイプのレンズの直径より大きくなる場合がある。このようなシリコーンハイドロゲルカラーコンタクトレンズにおいても十分な一滴量とする観点から、1滴あたりの滴下量は、25μL以上となるように設計することが可能であり、30μL以上が好ましく、35μL以上がより好ましく、40μL以上が更に好ましく、45μL以上が特に好ましく、50μL以上が最も好ましい。
本発明の眼科組成物が点眼剤として用いられる場合、使用形態には、シリコーンハイドロゲルカラーコンタクトレンズを装用した眼に直接点眼する形態に加えて、シリコーンハイドロゲルカラーコンタクトレンズを装着する前に眼に点眼する形態が包含される。このような点眼剤は、シリコーンハイドロゲルカラーコンタクトレンズの装着液を兼ねる形態で用いることも可能である。装着液を兼ねる形態で用いられる点眼剤は、シリコーンハイドロゲルカラーコンタクトレンズの装着点眼剤と称される場合もある。
本発明の眼科組成物が点眼剤及び又は装着液として用いられる場合、1日の点眼回数は問わないが、通常1〜10回の範囲であればよく、好ましくは1〜6回、特に好ましくは5〜6回である。
[点眼剤及び又は装着液として用いる場合の容器容量等]
本発明の眼科組成物がマルチドーズ型の点眼剤及び又は装着液として用いられる場合、内容積が4〜30mLである容器に充填されていることが好ましく、5〜25mLである容器に充填されていることがさらに好ましく、6〜18mLである容器に充填されていることが特に好ましい。
本発明の眼科組成物がユニットドーズ型の点眼剤及び又は装着液として用いられる場合、内容積が0.3〜10mLである容器に充填されていることが好ましく、0.3〜5mLである容器に充填されていることがさらに好ましく、0.3〜2mLである容器に充填されていることが特に好ましい。
本発明の眼科組成物が点眼剤及び又は装着液として用いられる場合、容器の滴下ノズルの滴下口における内径は、限定はされないが、例えば5mm未満であることができ、0.01〜5mmであることが好ましく、0.05〜4mmであることがより好ましく、0.1〜3mmであることが更に好ましく、0.5〜2mmであることが最も好ましい。本明細書において、滴下口とは、眼科組成物を該容器に充填し、該滴下ノズルを装着した後に、開口した状態で倒立状態にしたときに液滴が形成される出口部を指す。
本発明の眼科組成物が滴下ノズルを備える点眼用容器に充填される場合、滴下ノズルの延びる方向に対して直交する方向の容器の最大外幅は、限定はされないが、点眼しやすさの観点から、例えば55mm以下とすることができ、50mm以下とすることが好ましく、45mm以下とすることがより好ましく、40mm以下とすることが更に好ましく、38mm以下とすることが特に好ましく、36mm以下とすることが最も好ましい。また、滴下ノズルの延びる方向に対して直交する方向の容器の最大外幅は、限定はされないが、点眼しやすさの観点から、例えば10mm以上とすることができ、11mm以上とすることが好ましく、12mm以上とすることがより好ましく、13mm以上とすることが更に好ましく、14mm以上とすることが特に好ましく、15mm以上とすることが最も好ましい。また、滴下ノズルの延びる方向に対して直交する方向の容器の最大外幅は、限定はされないが、点眼しやすさの観点から、例えば10mm〜55mmとすることができ、11mm〜50mmとすることが好ましく、12mm〜45mmとすることがより好ましく、13mm〜40mmとすることが更に好ましく、14mm〜38mmとすることが特に好ましく、15mm〜36mmとすることが最も好ましい。シリコーンハイドロゲルカラーコンタクトレンズは、クリアタイプのコンタクトレンズと比較して、レンズ着色部分が目にかかるために視認性が低い場合がある。点眼剤の容器幅を小さくすることで、点眼時の視界において、容器幅に対する滴下口の割合が相対的に大きくなり点眼が容易になる。
点眼時は、小さな容器を指でつまみ、滴下ノズルを視て、1滴が滴下する力加減で容器に圧を加えるとの動作を、上を向いた姿勢で行わなければならない。また、このような点眼の動作は、眼表面に滴下ノズルが接触しない程度に保持しつつ、狭い眼表面に滴下するという精密な操作を要する。特にシリコーンハイドロゲルカラーコンタクトレンズを装用している場合は、シリコーンハイドロゲルカラーコンタクトレンズの模様や、上を向いた際のシリコーンハイドロゲルカラーコンタクトレンズのズレから視認性が悪くなり、点眼の動作が一層困難となる。本発明者らは、このような課題に対して、シリコーンハイドロゲルカラーコンタクトレンズを装用する場合、本発明の眼科組成物を一定の容器幅の容器を用いて点眼することにより、使用感を向上させることができることを見出した。一方で、容器幅が大きすぎる場合(例えば85mm以上等)は、使用感が低下し得る。
[眼科組成物の容器材質等]
本発明の眼科組成物が充填される容器は、プラスチック製が好ましい。プラスチックの構成材質は、特に制限されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミド、エラストマーの何れか1種、これらの共重合体、又はこれらの2種以上の混合体が挙げられる。成形性や耐性の観点から、ポリエチレンテレフタレート、ポリアリレート、ポリエチレンナフタレート、これらの共重合体、又はこれらの2種以上の混合体が好ましく、特にポリエチレンテレフタレートを含有する容器が好ましい。
本発明の眼科組成物が充填される容器は、透明な容器(異物を観察するのに差し支えない程度の透明性を備えた容器)であってもよいし、遮光された容器であってもよい。遮光は、例えば容器構成材質に着色剤や紫外線吸収剤を含有させることにより行ってもよいし、容器外面をシュリンクフィルム、外箱、小袋状の外装などで覆うことにより行ってもよい。
本発明の眼科組成物が充填される容器に滴下ノズル(穴あき中栓)を設置することもできる。滴下ノズルの構成材質については、例えば、プラスチック製が好ましい。特に制限されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレンテレフタレート又はエラストマーを構成材質として含むノズルが好ましい。ポリエチレンの種類としては、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン等が挙げられる。本発明の眼科組成物が充填される容器に設置される滴下ノズルは、滴下口が上側になるように容器を正立したときに、充填された眼科組成物に接触しないように設置されることが好ましい。
[本発明を利用した方法]
本発明は、本発明の作用を利用して、別の観点から、テルペノイドを含有する眼科組成物を、シリコーンハイドロゲルカラーコンタクトレンズに接触させることを特徴とする、シリコーンハイドロゲルカラーコンタクトレンズへの花粉粒子の付着を抑制する方法を提供することができる。
本発明は、本発明の作用を利用して、別の観点から、シリコーンハイドロゲルカラーコンタクトレンズ用眼科組成物に、テルペノイドを含有させることを特徴とする、シリコーンハイドロゲルカラーコンタクトレンズへの花粉粒子の付着を抑制する作用を該眼科組成物に付与する方法を提供することができる。
本発明は、本発明の作用を利用して、別の観点から、テルペノイドを含有する眼科組成物を、シリコーンハイドロゲルカラーコンタクトレンズに接触させることを特徴とする、シリコーンハイドロゲルカラーコンタクトレンズへのアメーバの付着を抑制する方法を提供することができる。
本発明は、本発明の作用を利用して、別の観点から、シリコーンハイドロゲルカラーコンタクトレンズ用眼科組成物に、テルペノイドを含有させることを特徴とする、シリコーンハイドロゲルカラーコンタクトレンズへのアメーバの付着を抑制する作用を該眼科組成物に付与する方法を提供することができる。
本発明は、本発明の作用を利用して、別の観点から、シリコーンハイドロゲルカラーコンタクトレンズ用眼科組成物に、テルペノイドを含有させることを特徴とする、シリコーンハイドロゲルカラーコンタクトレンズ装用時の目の疲れ、かすみ、異物感、乾き、しょぼしょぼ感、かゆみ、充血又はうるおい感改善作用を該眼科組成物に付与する方法を提供することができる。
上記の方法に用いられ得る成分やその含有量については、上述した[眼科組成物]の項と同様である。
[試験例1−1 花粉付着の比較試験]
下記表2のコンタクトレンズを用いて、各コンタクトレンズに対する花粉付着について評価した。
Figure 2017132764
上記表2の各コンタクトレンズの新品をパッケージから取り出し、PBS(リン酸緩衝生理食塩水)ですすいだ。6mm孔径トレパンを使用して、カラーコンタクトレンズ(レンズ1、レンズ2、レンズ3)の着色部分及びクリアコンタクトレンズ(レンズ4)をくりぬき、直径6mmのコンタクトレンズ片を作成した。直ぐに各コンタクトレンズ片を平底96穴プレート(Corning社)中で、下記表3の試験液0.2mL中に浸漬し、室温で12時間以上静置した。その後、浸漬した各コンタクトレンズレンズ片を花粉溶液0.2mLに浸漬し、2時間以上、4時間以内振盪させた後、各コンタクトレンズ片を花粉溶液から取り除いた。次に、花粉溶液中の花粉粒子の数を顕微鏡下でカウントした。あらかじめ、コンタクトレンズ片浸漬前の花粉溶液中の花粉粒子の数もカウントした。花粉溶液は、ヨモギ花粉(308−89251、ビオスタ社製)をPBSに混合させ、0.4mg/mLに調製したものを用いた。試験液1は常法により調製した眼科組成物で、pH6.5、浸透圧比1.0、粘度1.1mPa・s(測定温度20℃)である。
下記[式1−1]によりコンタクトレンズへの花粉付着量を算出した。
[式1−1]
花粉付着量=コンタクトレンズ片浸漬前の花粉溶液中の花粉粒子の数−コンタクトレンズ片浸漬後の花粉溶液中の花粉粒子の数
下記[式1−2]によりシリコーンハイドロゲルクリアコンタクトレンズに対する、シリコーンハイドロゲルカラーコンタクトレンズの花粉付着抑制率を算出した。算出した結果を表3に示す。
[式1−2]
花粉付着抑制率(%)={(試験液1に浸漬したシリコーンハイドロゲルクリアコンタクトレンズへの花粉付着量/試験液1に浸漬したシリコーンハイドロゲルカラーコンタクトレンズへの花粉付着量)−1}×100
Figure 2017132764
表3から明らかなように、試験液1(生理食塩水)に浸漬させた場合、シリコーンハイドロゲルクリアレンズに対して、シリコーンハイドロゲルカラーコンタクトレンズは、花粉付着抑制率が小さくなっていることが分かる。すなわち、シリコーンハイドロゲルクリアレンズと比べて、シリコーンハイドロゲルカラーコンタクトレンズには花粉粒子が付着しやすいという新規の課題があることが明らかになった。
[試験例1−2 花粉付着抑制の評価(1)]
上記試験例1−1と同じ方法により、上記表2のレンズ1、レンズ2、及びレンズ4を用いて、下記表4に示す試験液を適用した場合における、花粉付着量を求めた。各試験液は常法により調製した眼科組成物である。花粉付着量の算出には上記[式1−1]を用いた。
下記[式1−3]により試験液1に浸漬したコンタクトレンズに対する、各試験液の花粉付着抑制率を算出した。算出した結果を表4に示す。
[式1−3]
花粉付着抑制率(%)={(試験液1に浸漬したコンタクトレンズに対する花粉付着量/各試験液に浸漬したコンタクトレンズに対する花粉付着量)−1}×100
Figure 2017132764
表4から明らかなように、シリコーンハイドロゲルカラーコンタクトレンズにおいて(レンズ1、レンズ2)、塩化ナトリウムのみを含有する試験液1と比べて、l−メントールと塩化ナトリウムを含有する眼科組成物(試験液2、試験液3)は、花粉付着抑制率が大きくなっており、花粉の付着を抑制できる。また、l−メントールと塩化ナトリウムに加えてポリソルベート80を含有する眼科組成物(試験液4)は花粉付着抑制率が更に大きくなっており、花粉の付着を一段と抑制できる。一方で、シリコーンハイドロゲルクリアコンタクトレンズ(レンズ4)においては、塩化ナトリウムのみを含有する試験液1と比べて、l−メントールと塩化ナトリウムを含有する眼科組成物(試験液2、試験液3)は、花粉付着抑制率が同じか、小さくなっており、花粉を付着しやすくした。
[試験例1−3 花粉付着抑制の評価(2)]
上記試験例1−1と同じ方法により、上記表2のレンズ3を用いて、下記表5に示す試験液を適用した場合における、花粉付着量を求めた。各試験液は常法により調製した眼科組成物である。花粉付着量の算出には上記[式1−1]を用いた。
上記[式1−3]により試験液1に浸漬したコンタクトレンズに対する各試験液の花粉付着抑制率を算出した。算出した結果を表5に示す。
Figure 2017132764
表5から明らかなように、シリコーンハイドロゲルカラーコンタクトレンズにおいて(レンズ3)、塩化ナトリウムのみを含有する試験液1と比べて、l−メントールと塩化ナトリウムを含有する眼科組成物(試験液2、試験液3)は、花粉付着抑制率が大きくなっており、花粉の付着を抑制できる。また、d−カンフルとポリソルベート80と塩化ナトリウムを含有する眼科組成物(試験液5)、及びゲラニオールとポリソルベート80と塩化ナトリウムを含有する眼科組成物(試験液6)は花粉付着抑制率が大きくなっており、花粉の付着を抑制できる。
[試験例2−1 アメーバ付着の比較試験]
下記表6のコンタクトレンズを用いて、各コンタクトレンズに対するアメーバ付着について評価した。
Figure 2017132764
上記表6の各コンタクトレンズの新品をパッケージから取り出し、PBSですすいだ。6mm孔径トレパンを使用して、カラーコンタクトレンズ(レンズ5、レンズ2、レンズ6)の着色部分及びクリアコンタクトレンズ(レンズ4)をくりぬき、直径6mmのコンタクトレンズ片を作成した。各コンタクトレンズ片を平底12穴プレート(Corning社製)中で、下記表7の各試験液4mL中に12時間以上浸漬した。次に、トロホゾイドのアメーバ(アカントアメーバ ATCC50370、ATCC社)が約1×10cells/mLとなるように調製したアメーバ懸濁液150μLを添加して、4時間、37℃で静置した。その後、コンタクトレンズ片を1/4リンゲル液(RINGERS SOLUTION Tablets、Oxoid社)ですすぎ、コンタクトレンズ片に付着していないアメーバを除去した。次に、コンタクトレンズ片と1/4リンゲル液1mLを滅菌済みのエッペンチューブに入れ、ボルテックスで約2秒間振盪を行った。エッペンチューブ中の液をPYG培地(100mL中、Bacto Proteose Peptone 0.5717g,Yeast Extract 0.0283g,D-Glucose 0.5094g,MgSO・7HO 0.027g,CaCl・2HO 0.0017g,Sodium Citrate・2HO 0.028g,Fe(NH(SO)・6HO 0.0006g,NaHPO 0.01g,KHPO 0.0096g)で10倍段階希釈(10、10、10、10)し、それぞれの希釈液を96穴プレート(Corning社)に各穴180μLずつ入れ、32.5℃で1週間培養した。その後、顕微鏡下でアメーバ増殖の跡(穴の数)を集計し、Spearman karber法(6系列)の計算式でアメーバ付着数を算出した。各試験液は常法により調製した眼科組成物である。
下記[式2−1]によりシリコーンハイドロゲルクリアコンタクトレンズに対するシリコーンハイドロゲルカラーコンタクトレンズのアメーバ付着抑制率を算出した。算出した結果を表7に示す。
[式2−1]
アメーバ付着抑制率(%)={(試験液7に浸漬したシリコーンハイドロゲルクリアコンタクトレンズへのアメーバ付着数/試験液7に浸漬したシリコーンハイドロゲルカラーコンタクトレンズへのアメーバ付着数)−1}×100
Figure 2017132764
表7から明らかなように、試験液7に浸漬した場合、シリコーンハイドロゲルクリアレンズに対して、シリコーンハイドロゲルカラーコンタクトレンズの着色部分は、アメーバ付着抑制率が小さくなっていることが分かる。すなわち、シリコーンハイドロゲルクリアレンズと比べて、シリコーンハイドロゲルカラーコンタクトレンズにはアメーバが付着しやすいという、新規の課題があることが明らかになった。
[試験例2−2 アメーバ付着抑制の評価(1)]
上記試験例2−1と同じ方法により、上記表6の各コンタクトレンズを用いて、下記表8に示す試験液を適用した場合における、アメーバ付着量を求めた。各試験液は常法により調製した眼科組成物である。
下記[式2−2]により試験液7に浸漬したコンタクトレンズに対する、各試験液に浸漬したコンタクトレンズのアメーバ付着抑制率を算出した。算出した結果を表8に示す。
[式2−2]
アメーバ付着抑制率(%)={(試験液7に浸漬したコンタクトレンズに対するアメーバ付着量/各試験液に浸漬したコンタクトレンズに対するアメーバ付着量)−1}×100
Figure 2017132764
表8から明らかなように、シリコーンハイドロゲルカラーコンタクトレンズにおいて(レンズ5、レンズ2、レンズ6)、l−メントールを含有しない試験液7と比べて、l−メントールを含有する眼科組成物(試験液8、試験液9、試験液10)は、アメーバ付着抑制率が大きくなっており、アメーバの付着を抑制できる。しかし、シリコーンハイドロゲルクリアコンタクトレンズ(レンズ4)においては、l−メントールを含有しない試験液7と比べて、l−メントールを含有する眼科組成物(試験液8)は、アメーバ付着抑制率が小さくなっており、アメーバを付着しやすくした。
[試験例3 レンズ装用時の点眼官能試験]
下記表9に示す各試験液を常法により調製し、ポリエチレンテレフタレート製点眼容器に充填した。シリコーンハイドロゲルカラーコンタクトレンズを装用している被験者7名に、下記表9に示す自覚症状についてVAS(Visual analogue scale)法による自覚症状アンケートを行った。被験レンズは、AIR OPTIX COLORS Honey(Alcon Laboratories社)を用いた。自覚症状アンケートは、レンズ装着後5分以上経過してレンズ装用に慣れたことを確認してから行なった(点眼前)。次に、製剤を左右眼に1滴ずつ点眼させ、5分後に同様にVAS法による自覚症状アンケートを行った(点眼後)。この操作を、試験液1及び試験液3についてそれぞれ実施した。自覚症状アンケートは、10cmの線が引いてある自覚症状調査シート上に、最も感じる場合を10cm、全く感じられない場合を0cmとした。被験者が付けた印までの長さを測定し、VAS値とした。
自覚症状の項目は、目の疲れ、目のかすみ、異物感、目の乾き、しょぼしょぼ感、目のかゆみ、充血、うるおい感とした。目の疲れは、目の奥の痛みや目の重さを感じる感覚で、さらに肩こりや頭重をともなう場合も含まれた。目のかすみは、ピントが合うのに時間がかかると感じる感覚とした。異物感は、瞬きをした時に目の中にゴミなどの異物が入っていると感じる感覚とした。目の乾きは、目に痛みの感覚やコンタクトレンズが目に張り付いているような感覚とした。しょぼしょぼ感は、目の血行不良等により、目を開けていることが辛い感覚、瞬きの回数が増えるような状態とした。目のかゆみは、瞼の縁や目を手でこすりたくなるような感覚とした。充血は、強膜(白目)の外観の白色が赤色に変化した程度とした。うるおい感は、目の中に水分があると感じる感覚で、さらに目の表面がキラキラしている外観をともなう場合も含まれた。
下記[式3−1]又は[式3−2]により、各被験者の点眼前後におけるVAS値の変化量を算出した。目の疲れ、目のかすみ、異物感、目の乾き、しょぼしょぼ感、目のかゆみ及び充血は[式3−1]を使用し、うるおい感は[式3−2]を使用した。次に、各自覚症状ごとに、被験者7名のVAS値の変化量の平均を算出した(自覚症状のVAS値変化量)。
[式3−1]
VAS値の変化量=点眼前のVAS値−点眼後のVAS値
[式3−2]
VAS値の変化量=点眼後のVAS値−点眼前のVAS値
下記[式3−3]により試験液1に対する、試験液3の自覚症状のVAS値改善率を算出した。算出した結果を表9に示す。
[式3−3]
自覚症状のVAS値改善率(%)={(試験液3の自覚症状のVAS値変化量/試験液1の自覚症状のVAS値変化量)−1}×100
Figure 2017132764
表9から明らかなように、塩化ナトリウムのみを含有する試験液1と比べて、l−メントールと塩化ナトリウムを含有する眼科組成物(試験液3)は、目の疲れ、目のかすみ、異物感、目の乾き、しょぼしょぼ感、目のかゆみ、充血、うるおい感の自覚症状は改善した。
[試験例4 点眼使用感試験]
下記表10〜表13に示す各試験液を常法により調製し、ポリエチレンテレフタレート製点眼容器に充填した。容器の滴下口に対して垂直方向の容器幅は下記表10〜表13に示す通りである。本明細書において、容器幅とは、滴下ノズルのある面から容器を見た場合(滴下ノズルの先端の延長線上から、容器を見た場合)の容器外観の最大長をいう。また、容器幅とは、被験者が試験液を容器から眼へ滴下する時に視認する容器外観の最大長であるともいえる。被験者3名に、被験レンズ装着後5分以上経過してレンズ装用に慣れたことを確認し、左右眼に1滴ずつ試験液を点眼させた。点眼は、試験液の滴下時に滴下ノズルを視認しながら行なった。なお、各試験液を収容した容器は、同形状の滴下ノズルを使用しているため、いずれの容器であっても滴下量は同量である。さらに、各試験液において、試験液の重量、収容容器の重量、及び滴下ノズルの重量の総重量の誤差が±5%となるように調整し、被験者が容器を持った感触が同程度であることを確認した。
その後、下記表10〜表13に示す使用感項目についてVAS(Visual analogue scale)法によるアンケートを行った。アンケートは、10cmの線が引いてある使用感調査シート上に、最も感じる場合を10cm、全く感じられない場合を0cmとした。被験者が付けた印までの長さを測定し、VAS値とした。被験レンズは、表2のレンズ2(AIR OPTIX COLORS Honey(Alcon Laboratories社))とレンズ4(AIR OPTIX AQUA(Alcon Laboratories社))を用いた。
使用感項目は、液滴を作りにくい、レンズが視界をさえぎる、清涼感、点しにくい、とした。
「液滴を作りにくい使用感」とは、眼内の意図する位置に試験液の液滴を着液させるために容器から液滴を押し出す操作を行いにくいと感じる使用感とした。
「レンズが視界をさえぎる使用感」とは、滴下ノズルを視認しながら試験液を滴下する時に、コンタクトレンズの着色部が視界に入り、視界をさえぎると感じる使用感とした。
「清涼感」とは、滴下した試験液が目と接触した時に感じる冷感を清涼感とした。
「点しにくい使用感」とは、上を向いた姿勢で点眼容器や滴下ノズルの位置を確認し、試験液が眼内に着液するまでの操作を行いにくいと感じる、総合評価としての使用感とした。
使用感項目ごとに、各被験者のVAS値の平均値を算出した(VAS平均値)。次に、下記[式4−1]、[式4−2]又は[式4−3]により、VAS値改善率を算出した。[式4−1]はレンズ4(シリコーンハイドロゲルクリアコンタクトレンズ)装用時に対する、レンズ2(シリコーンハイドロゲルカラーコンタクトレンズ)装用時のVAS値改善率を算出し、表10で使用した。[式4−2]は対応する試験液に対する各試験液のVAS値改善率を算出し、表11〜表13で使用した。[式4−3]は対応する試験液に対する各試験液のVAS値改善率を算出し、表12〜表13で使用した。
[式4−1]
VAS値改善率(%)={1−(レンズ4のVAS平均値/レンズ2のVAS平均値)}×100
[式4−2]
VAS値改善率(%)={1−(各試験液のVAS平均値/対応する試験液のVAS平均値)}×100
[式4−3]
清涼感のVAS値改善率(%)={1−(対応する試験液のVAS平均値/各試験液のVAS平均値)}×100
[式4−2]及び[式4−3]の対応する試験液とは、試験液14に対する試験液13、試験液16に対する試験液15、試験液18及び試験液19に対する試験液17、試験液21及び試験液22に対する試験液20である。使用感項目の液滴を作りにくい、レンズが視界をさえぎる使用感、点しにくい使用感は[式4−2]を用い、使用感項目の清涼感は[式4−3]を用いた。
被験レンズは、表10でレンズ2及びレンズ4を使用し、表11〜表12でレンズ2を使用し、表14でレンズ4を使用した。
Figure 2017132764
表10から明らかなように、容器幅43mmの試験液11または容器幅25mmの試験液12を点眼すると、シリコーンハイドロゲルクリアコンタクトレンズ(レンズ4)装用時に比べてシリコーンハイドロゲルカラーコンタクトレンズ(レンズ2)装用時は清涼感が改善した。
Figure 2017132764
表11から明らかなように、シリコーンハイドロゲルカラーコンタクトレンズ(レンズ2)装用時にl−メントールを含有する試験液を点眼した場合(試験液14、16)は、l−メントールを含有しない試験液を点眼した場合(試験液13、15)と比較して、コンタクトレンズが視界をさえぎる視認性が改善した。
Figure 2017132764
表12から明らかなように、シリコーンハイドロゲルカラーコンタクトレンズ装用時に容器幅の異なる試験液17〜19を点眼すると、容器幅85mmの試験液17に比べて、容器幅43mmの試験液18及び容器幅25mmの試験液19は、液滴を作りにくい、レンズが視界をさえぎる、清涼感、点しにくい等の使用感が改善した。
Figure 2017132764
表13から明らかなように、シリコーンハイドロゲルクリアコンタクトレンズ装用時に容器幅の異なる試験液20〜22を点眼すると、容器幅85mmの試験液20に比べて、容器幅43mmの試験例21及び容器幅25mmの試験液22は、清涼感が悪化した。シリコーンハイドロゲルカラーコンタクトレンズを装用したこと以外は同じ条件の試験液17〜19(表12)では、容器幅85mmの試験液に比べて容器幅43mm及び25mmの試験液は清涼感が改善したことと、逆の結果であった。
[製剤例]
下記表14〜表16に記載の処方で、点眼剤(製剤例1〜49)、コンタクトレンズ装着液(製剤例50〜52)、コンタクトレンズ用多目的溶液(製剤例53、54)を調製した。表中の単位は、表中に記載があるもの以外は全て(w/v%)である。
Figure 2017132764
Figure 2017132764
Figure 2017132764

Claims (6)

  1. テルペノイドを含有する、シリコーンハイドロゲルカラーコンタクトレンズ用眼科組成物。
  2. 前記テルペノイドが、非環式モノテルペン及び環式モノテルペンからなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1に記載のシリコーンハイドロゲルカラーコンタクトレンズ用眼科組成物。
  3. 前記テルペノイドの総含有量が、前記眼科組成物の総量に対して、0.00001〜1w/v%である、請求項1又は2に記載のシリコーンハイドロゲルカラーコンタクトレンズ用眼科組成物。
  4. さらに界面活性剤を含有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のシリコーンハイドロゲルカラーコンタクトレンズ用眼科組成物。
  5. 前記テルペノイドの総含有量1質量部に対して、前記界面活性剤の総含有量が0.01〜150質量部である請求項1〜4のいずれか1項に記載のシリコーンハイドロゲルカラーコンタクトレンズ用眼科組成物。
  6. 眼科組成物にテルペノイドを配合することを含む、シリコーンハイドロゲルカラーコンタクトレンズ装用時の目の充血改善作用を該眼科組成物に付与する方法。
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