JP2007099643A - アズレン含有水性液剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】 アズレン類を含む水性液剤において成分の安定性を改善するとともに、不溶性物質の生成を抑制し、安定な水性液剤を得る。
【解決手段】(A)アズレン類、(B)ベルベリン又はその塩を含む水性液剤に(C)クロルフェニラミン又はその塩を配合する。これにより得られる水性液剤は、不溶性物質の生成を抑制することができ、さらには、ベルベリン又はその塩及びクロルフェニラミン又はその塩の安定性が向上し、長期安定性に優れる。外用剤として、とりわけ眼科用液剤として有用である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、アズレン類、ベルベリン又はその塩、及びクロルフェニラミン又はその塩を含有する安定性に優れた水性液剤に関する。
アズレン類とベルベリン又はその塩はいずれもそれ自体は水溶性の薬物であるが、これらを同時に配合すると結晶を生じるという問題があり、この問題を解消し経時的な結晶の発生を抑えたベルベリン類及びアズレンスルホン酸ナトリウム及びグリチルリチン酸二カリウムを含んでなることを特徴とする点眼剤組成物が知られている(特許文献1)。しかしながら、グリチルリチン酸二カリウムは、点眼投与や鼻腔投与時に不快な甘味を感じる場合があり官能面で問題があった。
一方、口腔用組成物にミカン科植物抽出物及び/又はキンポウゲ科植物抽出物を配合し、これを長期間に亘り保存すると、当該植物抽出物の主要有効成分であるベルベリンの残存率が低下するという問題を生じ、このため、ミカン科植物抽出物及び/又はキンポウゲ科植物抽出物の口腔組成物への安定化配合が望まれていたところ、ある種の直鎖状ポリリン酸塩を特定の重量比で含有することによってベルベリンが経時的に安定な口腔用組成物が得られることが記載されている(特許文献2)。また、マレイン酸クロルフェミラミンは、水溶液中で不安定になる問題があるところ、キサンチン誘導体と共存させると、クロルフェニラミン又はその塩の安定性を改善し、長期間に亘り安定的に保持できること(特許文献3)、水性液状組成物中に、0.0003〜0.006重量%のクロルフェミラミン塩類に、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー又はポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、及びキレート剤を含有すると安定性が高まることが記載されている(特許文献4)。
ところで、本発明者は、(A)アズレン類を含有する水性液剤に(B)ベルベリン又はその塩、および特定の化合物を配合すると、水溶液中でのアズレン類の光安定性が向上し、かつ不溶性物質の生成を抑制し、長期にわたり安定性が改善した水性液剤が得られること、さらにアズレン類およびベルベリン又はその塩の生体組織移行性が向上された水性液剤が得られることを見出している(特許文献5及び特許文献6)。
特開2004-59479号公報 特開2005-187329号公報 特開2003-128549号公報 特開2004-149526号公報 特願2004-113425号 特願2004-120733号
本発明の目的は、水性液剤中におけるアズレン類とベルベリン又はその塩との併用で生じる不溶性物質の生成を抑制し、長期にわたり安定性に優れた水性液剤を提供することにある。本発明の別の目的は、ベルベリン又はその塩及びクロルフェミラミン又はその塩の安定性を改善することにある。
本発明は、(A)アズレン類、(B)ベルベリン又はその塩、(C)クロルフェニラミン又はその塩を含有する安定化された水性液剤に関する。
すなわち、本発明は下記に掲げる発明である。
(1)(A)アズレン類、(B)ベルベリン又はその塩及び(C)クロルフェニラミン又はその塩を含有することを特徴とする水性液剤、
(2)さらに、非イオン性界面活性剤を含有する(1)に記載の水性液剤、
(3)さらに、緩衝剤を含有する(1)又は(2)に記載の水性液剤、
(4)さらに、アミノエチルスルホン酸、イプシロン−アミノカプロン酸、アスパラギン酸カリウム、アスパラギン酸マグネシウム、アスパラギン酸マグネシウムカリウム混合物、ヒアルロン酸ナトリウム及びコンドロイチン硫酸ナトリウムからなる群から選択される1種又は2種以上のアミノ酸類を含有する(1)乃至(3)のいずれかに記載の水性液剤、
(5)アズレン類とベルベリン又はその塩の合計量1重量部に対して、クロルフェニラミン又はその塩を0.001〜50重量部で含有する(1)乃至(4)のいずれかに記載の水性液剤、
(6)アズレン類を0.0001〜0.1w/v%、ベルベリン又はその塩を0.0001〜0.5w/v%、クロルフェニラミン又はその塩を0.0001〜0.1w/v%で含有する(1)乃至(5)のいずれかに記載の水性液剤、
(7)pHが5.0〜9.0である(1)乃至(6)のいずれかに記載の水性液剤、
(8)眼科用液剤である(1)乃至(7)のいずれかに記載の水性液剤、
(9)(A)アズレン類、(B)ベルベリン又はその塩、(C)クロルフェニラミン又はその塩をともに配合した水性液剤中における不溶性物質生成抑制方法。
本発明では、(A)アズレン類、(B)ベルベリン又はその塩及び(C)クロルフェニラミン又はその塩を含有させて、水性液剤中における不溶性物質の生成が抑制され長期にわたり安定な水性液剤が得られる。また、本発明の水性液剤では、ベルベリン又はその塩、クロルフェニラミン又はその塩の長期安定性が顕著に改善できる。すなわち、アズレン類及びベルベリン又はその塩を併用すると不溶性物質が生成するが、クロルフェニラミン又はその塩をともに配合することで不溶性物質の生成が抑制できる。また、かかる3成分を含有する水性液剤中では、ベルベリン又はその塩、クロルフェニラミン又はその塩の安定性が改善されており、特に非イオン性界面活性剤存在下における安定性の改善に顕著な効果が発揮される。
本発明の水性液剤におけるアズレン類としては、例えば、ジメチルイソプロピルアズレン(グアイアズレン、1,4-ジメチル-7-イソプロピルアズレンともいう)、アズレンスルホン酸(水溶性アズレン、グアイアズレンスルホン酸、1,4-ジメチル-7-イソプロピルアズレン-3-スルホン酸ともいう)、ジメチルエチルアズレン(カマズレン、1,4-ジメチル-7-エチルアズレンともいう)、1,4-ジメチル-7-エチルアズレン-3-スルホン酸(カマズレンスルホン酸ともいう)、およびこれらの薬理学的又は生理学的に許容できる塩などが使用できる。これらのアズレン類は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
これらの薬理学的又は生理学的に許容できる塩としては、例えば、有機酸塩(例えば、乳酸塩、酢酸塩、酪酸、トリフルオロ酢酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、トシル酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩など)、無機酸塩(例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩など)、有機塩基との塩(例えば、メチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、ピペラジン、ピロリジン、アミノ酸、トリピリジン、ピコリンなどの有機アミンとの塩など)、無機塩基との塩(例えばアンモニウム塩、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属、アルミニウムなどの金属との塩など)などが例示できる。特に水性液剤においてはアズレンスルホン酸ナトリウムが用いられる。
本発明の水性液剤におけるアズレン類の含有量は、使用する化合物やその塩の種類等によって異なるが、0.0001〜0.1W/V%(以下、特に言及しない限り「W/V%」を単に「%」で示す)、好ましくは、0.001〜0.1%程度であり、例えば、眼科用液剤である場合、通常、0.0004〜0.05%、好ましくは、0.001〜0.03%、さらに好ましくは0.004〜0.02%程度である。
本発明の水性液剤におけるベルベリン又はその塩としては、例えば、硫酸ベルベリンや塩化ベルベリンなどの塩酸塩や硫酸塩などが例示でき、オウバクやオウレンといったベルベリン又はその塩を含有する生薬のエキス等を用いてもよい。また、ベルベリン又はその塩は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
本発明の水性液剤中におけるベルベリン又はその塩の含有量は、通常、0.0001〜0.5%、好ましくは、0.001〜0.1%程度であり、例えば、眼科用液剤である場合、ベルベリン又はその塩の組成物中の含有量は、通常、0.0001〜0.1%、より好ましくは、0.0005〜0.05%、特に好ましくは0.005〜0.025%程度である。オウバク・オウレンのエキス等を用いる場合も、組成物中のベルベリン又はその塩の含有量が前記濃度となるように調製して使用することができる。
本発明の水性液剤におけるアズレン類に対するベルベリン又はその塩の割合は、通常、アズレン類1重量部に対して、ベルベリン又はその塩0.1〜50重量部、好ましくは0.2〜10重量部、さらに好ましくは0.25〜7重量部程度の範囲から選択できる。なお、この範囲を著しく外れると、本発明により得られる不溶性物質生成抑制効果は低減する傾向にある。
本発明の水性液剤におけるクロルフェニラミン又はその塩としては、代表的にはマレイン酸クロルフェミラミンが挙げられる。本発明の水性液剤中におけるクロルフェニラミン又はその塩の含有量は、通常、0.0001〜0.1%、好ましくは0.0003〜0.05%、より好ましくは0.0006〜0.03%程度である。
本発明の水性液剤におけるアズレン類とベルベリン又はその塩に対するクロルフェニラミン又はその塩の割合は、アズレン類とベルベリン又はその塩の合計量1重量部に対して、クロルフェニラミン又はその塩は、通常0.001〜50重量部、好ましくは0.01〜20重量部、さらに好ましくは0.05〜10重量部程度の範囲から選択できる。なお、上限範囲を著しく外れると、眼刺激性が生じ、また、下限範囲を著しく外れると、本発明により得られる不溶性物質生成抑制効果は低減する傾向にある。
また、アズレン類1重量部に対して、クロルフェニラミン又はその塩は、通常0.002〜100重量部、好ましくは0.02〜40重量部、さらに好ましくは0.1〜20重量部程度の範囲から選択できる。なお、上限範囲を著しく外れると、眼刺激性が生じ、また、下限範囲を著しく外れると、本発明により得られる不溶性物質生成抑制効果は低減する傾向にある。
さらに、ベルベリン又はその塩1重量部に対して、クロルフェニラミン又はその塩は、通常0.002〜100重量部、好ましくは0.02〜40重量部、さらに好ましくは0.1〜20重量部程度の範囲から選択できる。なお、上限範囲を著しく外れると、眼刺激性が生じ、また下限範囲を著しく外れると、本発明により得られる不溶性物質生成抑制効果は低減する傾向にある。
本発明の水性液剤においては、アズレン類及びベルベリン又はその塩の併用によって生じる不溶性物質の生成が抑制されるが、水性液剤に、さらに非イオン性界面活性剤を含有することによって不溶性物質生成抑制効果がさらに高まる。また、本発明の水性液剤においては、ベルベリン又はその塩、及びクロルフェニラミン又はその塩の安定性が改善されている。特に非イオン性界面活性剤の存在化において、ベルベリン又はその塩、及びクロルフェニラミン又はその塩は不安定となる傾向があるが、アズレン類及びベルベリン又はその塩、及びクロルフェニラミン又はその塩の3成分を含有する本発明の水性液剤では分解が抑制され長期にわたり安定に保持できる。
かかる非イオン性界面活性剤としては、通常当業者が水性液剤に利用しうるものを用いることができ、例えば、非イオン性界面活性剤であるポリオキシエチレン(以下、POEともいう。)−ポリオキシプロピレン(以下、POPともいう。)ブロックコポリマー (例えば、ポロクサマー407 、ポロクサマー235 、ポロクサマー188 など) ;ポロキサミンなどのエチレンジアミンのPOE-POPブロックコポリマー付加物;モノラウリル酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート20) ,モノオレイン酸POE(20)ソルビタン (ポリソルベート80) ,POEソルビタンモノステアレート(ポリソルベート60),POEソルビタントリステアレート(ポリソルベート65) などのPOEソルビタン脂肪酸エステル類;POE硬化ヒマシ油5 ,POE硬化ヒマシ油10 ,POE硬化ヒマシ油20 ,POE硬化ヒマシ油40 ,POE硬化ヒマシ油50、POE硬化ヒマシ油60 ,POE硬化ヒマシ油100などのPOE硬化ヒマシ油類;POE(9) ラウリルエーテルなどのPOEアルキルエーテル類;POE(20)POP(4) セチルエーテルなどのPOE・POPアルキルエーテル類;POE(10)ノニルフェニルエーテルなどのPOEアルキルフェニルエーテル類などが挙げられる。なお、括弧内の数字は付加モル数を示す。なかでも好ましくは、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、POEソルビタン脂肪酸エステル類又はPOE硬化ヒマシ油類から選ばれる非イオン性界面活性剤であり、特に好ましくは、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリソルベート80、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60である。
本発明の水性液剤における非イオン性界面活性剤の含有量は、界面活性剤の種類などによって異なるので一概に規定できないが、通常、0.0001〜5%、好ましくは0.001〜3%、さらに好ましくは0.005〜2%、特に好ましくは0.01〜1.5%、より特に好ましくは0.05〜1%程度で用いられる。
本発明の水性液剤においては、アズレン類及びベルベリン又はその塩の併用によって生じる不溶性物質の生成が抑制されるが、水性液剤中に更に緩衝剤を含有することによって不溶性物質生成抑制効果がさらに高まる。
かかる緩衝剤としては、通常当業者が水性液剤に利用しうる緩衝作用があるものであれば特に制限されることなく使用することができる。具体的には、ホウ酸緩衝剤、リン酸緩衝剤、炭酸緩衝剤、クエン酸緩衝剤、酢酸緩衝剤などが例示される。好ましくは、ホウ酸緩衝剤、リン酸緩衝剤、クエン酸緩衝剤、炭酸緩衝剤であり、特に好ましくはホウ酸緩衝剤である。ここで、ホウ酸緩衝剤としては、ホウ酸、ホウ酸のアルカリ金属塩又はホウ酸のアルカリ土類金属塩などのホウ酸塩、ホウ酸とホウ酸塩との組み合わせなどを挙げることができる。リン酸緩衝剤としては、リン酸、リン酸のアルカリ金属塩又はリン酸のアルカリ土類金属塩などのリン酸塩、リン酸とリン酸塩との組み合わせなどを挙げることができる。クエン酸緩衝剤としては、クエン酸、クエン酸のアルカリ金属塩又はクエン酸のアルカリ土類金属塩などのクエン酸塩、クエン酸とクエン酸塩との組み合わせなどを挙げることができる。炭酸緩衝剤としては、炭酸、炭酸のアルカリ金属塩又は炭酸のアルカリ土類金属塩などの炭酸塩、炭酸と炭酸塩との組み合わせなどを挙げることができる。なお、緩衝剤は1種単独で使用されても、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
本発明の水性液剤における緩衝剤の含有量は、緩衝剤の種類などによって異なるので一概に規定できないが、通常、0.0001〜10%、好ましくは0.001〜5%、さらに好ましくは0.01〜5%、特に好ましくは0.1〜3%程度で用いられる。
本発明の水性液剤においては、ベルベリン又はその塩、及びクロルフェニラミン又はその塩の安定性が改善されているが、さらに特定のアミノ酸類を水性液剤に含有することによってこれらの成分の安定性が高まることから好ましい。
かかるアミノ酸類としては、アミノエチルスルホン酸(タウリン)、イプシロン−アミノカプロン酸、アスパラギン酸カリウム、アスパラギン酸マグネシウム、アスパラギン酸マグネシウムカリウム混合物、ヒアルロン酸ナトリウム及びコンドロイチン硫酸ナトリウムからなる群から選択される少なくとも1種又は2種以上を組み合わせて使用する。
本発明の水性液剤における特定のアミノ酸類の含有量は、アミノエチルスルホン酸(タウリン)、アスパラギン酸カリウム、アスパラギン酸マグネシウム及びアスパラギン酸マグネシウムカリウム混合物からなる群から選択されるものを使用する場合には、総量として、好ましくは0.0001〜10%、より好ましくは0.001〜7%、特に好ましくは0.01〜2%程度で用いられる。ヒアルロン酸ナトリウム及びコンドロイチン硫酸ナトリウムからなる群から選択されるものを使用する場合には、総量として、好ましくは0.0001〜10%、より好ましくは0.001〜5%、特に好ましくは0.005〜2%程度で用いられる。
本発明の水性液剤は、目的に応じて内服あるいは外用のいずれの形態でも使用することができる。内服の形態としては、内科用等、外用の形態としては、眼科用、歯科用、耳鼻科用、皮膚科用等、様々な用途の局所投与液剤として提供することができるが、不溶性物質の生成も抑制されることから、異物の発生が特に問題とされる製剤に適しており、特に眼科用液剤として有用である。なお、眼科用液剤としては医薬用の製剤に限らず、コンタクトレンズ用剤などの非医薬用の製剤としても利用できる。例えば、点眼薬(点眼剤とも言う、コンタクトレンズ装用中にも使用できる点眼薬を含む)、洗眼薬(洗眼剤とも言う、コンタクトレンズ装用中にも使用できる洗眼薬を含む)、コンタクトレンズ装着液、コンタクトレンズ用剤(洗浄液、保存液、すすぎ液、消毒液、マルチパーパスソリューションなど)などが挙げられる。なお、本明細書において、コンタクトレンズとは、ハードコンタクトレンズ(酸素透過性ハードコンタクトレンズも含む)、ソフト、カラーコンタクトレンズなどのあらゆるタイプのコンタクトレンズを包含する。
本発明の水性液剤は、安定性に優れているので複数回に亘り投与する形態で包装され、かつ使用者が継続的に使用するマルチドーズの水性液剤、例えば、点眼薬、洗眼薬、鼻洗浄液、口腔用薬(口腔咽頭薬、含嗽用薬等)、点耳薬、点鼻薬、液状内服薬(液状胃腸薬、液状風邪薬等)、皮膚外用薬などとしても有用である。また、水性液剤の投与量又は適用量は、患者の体重、症状、投与回数、投与方法等によって増減できることは言うまでもない。
本発明では、本発明の水性液剤は、pHを3.5〜9.0程度の範囲で製剤形態や用途にあわせて適宜選択することができる。成分安定性を向上させて不溶性物質の生成を抑制する面から、好ましくは5.0〜9.0、より好ましくはpH5.5〜9.0、さらに好ましくはpH6.0〜8.5、特に好ましくは6.5〜8.2である。
本発明の水性液剤は、本発明の効果を妨げない限り、アズレン類、ベルベリン又はその塩、クロルフェニラミン又はその塩の他に、種々の成分(薬理活性成分や生理活性成分を含む)を組み合わせて含有してもよい。このような成分の種類は特に制限されず、例えば、充血除去成分、眼調節薬成分、抗炎症薬成分または収斂薬成分、抗ヒスタミン薬成分又は抗アレルギー薬成分、ビタミン類、抗菌薬成分、殺菌薬成分、糖類、セルロース又はその誘導体又はそれらの塩、前述以外の水溶性高分子、局所麻酔薬成分、ステロイド成分などが例示できる。本発明において好適な成分としては、例えば、次のような成分が挙げられる。
充血除去成分:例えば、α−アドレナリン作動薬、具体的にはエピネフリン、塩酸エピネフリン、塩酸エフェドリン、塩酸オキシメタゾリン、塩酸テトラヒドロゾリン、塩酸ナファゾリン、塩酸フェニレフリン、塩酸メチルエフェドリン、酒石酸水素エピネフリン、硝酸ナファゾリンなど。これらはd体、l体又はdl体のいずれでもよい。
眼筋調節薬成分:例えば、アセチルコリンと類似した活性中心を有するコリンエステラーゼ阻害剤、具体的にはメチル硫酸ネオスチグミン、トロピカミド、ヘレニエン硫酸アトロピンなど。
抗炎症薬成分または収斂薬成分:例えば、グリチルリチン酸類(グリチルリチン酸二カリウム、グリチルリチン酸モノアンモニウム等)、硫酸亜鉛、乳酸亜鉛、アラントイン、イプシロン−アミノカプロン酸、インドメタシン、塩化リゾチーム、硝酸銀、プラノプロフェン、ジクロフェナクナトリウム、ブロムフェナクナトリウムなど。
抗ヒスタミン薬成分又は抗アレルギー薬成分:例えば、アシタザノラスト、アンレキサノクス、イブジラスト、トラニラスト、塩酸ジフェンヒドラミン、塩酸レボカバスチン、フマル酸ケトチフェン、クロモグリク酸ナトリウム、ペミロラストカリウムなど。
ビタミン類:例えば、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール、塩酸ピリドキシン、フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム、リン酸ピリドキサール、シアノコバラミン、パンテノール、パントテン酸カルシウム、パントテン酸ナトリウム、アスコルビン酸、酢酸トコフェロールなど。
抗菌薬成分または殺菌薬成分:例えば、硫酸アミノデオキシカナマイシン、硫酸カナマイシン、硫酸ゲンタマイシン、硫酸シソマイシン、硫酸ストレプトマイシン、トブラマイシン、硫酸ミクロノマイシン、アルキルポリアミノエチルグリシン、クロラムフェニコール、スルファメトキサゾール、スルフイソキサゾール、スルファメトキサゾールナトリウム、スルフイソキサゾールジエタノールアミン、スルフイソキサゾールモノエタノールアミン、スルフイソメゾールナトリウム、スルフイソミジンナトリウム、塩酸テトラサイクリン、塩酸オキシテトラサイクリン、オフロキサシン、ノルフロキサシン、レボフロキサシン、塩酸ロメフロキサシン、スルベニシンナトリウム、塩酸セフメノキシム、ベンジルペニシリンカリウム、コリスチンメタスルホン酸ナトリウム、エリスロマイシン、ラクトビオン酸エリスロマイシン、キタサマイシン、スピラマイシン、硫酸フラジオマイシン、硫酸ポリミキシン、ジベカシン、アミカシン、硫酸アミカシン、アシクロビル、イオドデオキシサイチジン、イドクスウリジン、シクロサイチジン、シトシンアラビノシド、トリフルオロチミジン、ブロモデオキシウリジン、ポリビニルアルコールヨウ素、ヨウ素、アムホテリシンB、イソコナゾール、エコナゾール、クロトリマゾール、ナイスタチン、ピマリシン、フルオロシトシン、ミコナゾールなど。
糖類:例えば単糖類、二糖類、具体的にはグルコース、トレハロースなど。
セルロース又はその誘導体又はそれらの塩:例えば、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロースなど。
前述以外の水溶性高分子:ポリビニルアルコール(完全又は部分ケン化物)、ポリビニルピロリドンなど。
局所麻酔薬成分:例えば、塩酸オキシブプロカイン、塩酸コカイン、塩酸コルネカイン、塩酸ジブカイン、塩酸テトラカイン、塩酸パラブチルアミノ安息香酸ジエチルアミノエチル、塩酸ピペロカイン、塩酸プロカイン、塩酸プロパラカイン、塩酸ヘキソチオカイン、塩酸リドカインなど。
ステロイド成分:例えば、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、フルオロメトロン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ヒドロキシメステロン(hydroxymesterone)、カプロン酸ヒドロコルチゾン、カプロン酸プレドニゾロン、酢酸コルチゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、酢酸プレドニゾロン、デキサメタゾンメタスルホベンゾエートナトリウム、デキサメタゾン硫酸ナトリウム、デキサメタゾンリン酸ナトリウム、トリアムシノロンアセトニド、ベタメタゾンリン酸ナトリウム、メタスルホ安息香酸デキサメタゾンナトリウム、メチルプレドニゾロンなど。
水性液剤中のこれらの成分の配合量は製剤の種類、活性成分の種類などに応じて適宜選択され、水性液剤としての各種成分の配合量は当該技術分野で既知である。例えば、製剤全体に対して0.0001〜30%、好ましくは、0.001〜10%程度の範囲から選択できる。
より具体的には,水性液剤中の各成分の含有量は、例えば、以下の通りである。
充血除去成分(血管収縮薬又は交感神経興奮薬):例えば、0.0001〜0.5%、好ましくは、0.0005〜0.3%、さらに好ましくは0.001〜0.1%。
眼筋調節薬成分:例えば、0.0001〜0.5%、好ましくは、0.0005〜0.1%、さらに好ましくは0.0005〜0.01%。
抗炎症薬成分または収斂薬成分:例えば、0.0001〜10%、好ましくは0.0001〜5%。
抗ヒスタミン薬成分または抗アレルギー薬成分:例えば、0.0001〜10%、好ましくは0.001〜5%。
ビタミン類:例えば、0.0001〜1%、好ましくは、0.0001〜0.5%。
抗菌薬成分または殺菌薬成分:例えば、0.00001〜10%、好ましくは、0.0001〜10%。
糖類:例えば、0.0001〜5%、好ましくは0.001〜5%、さらに好ましくは0.01〜2%。
セルロース又はその誘導体又はそれらの塩:例えば、0.001〜5%、好ましくは0.01〜1%。
前述以外の水溶性高分子:例えば、0.001〜10%、好ましくは0.001〜5%、さらに好ましくは0.01〜3%。
局所麻酔薬成分:例えば、0.001〜1%、好ましくは0.01〜1%。
ステロイド成分:例えば、0.001〜1%、好ましくは0.01〜1%。
また、本発明の水性液剤には、発明の効果を損なわない範囲であれば、その用途や形態に応じて、常法に従い、様々な成分や添加物を適宜選択し、一種またはそれ以上を併用して含有させてもよい。それらの成分または添加物として、例えば、半固形剤や液剤などの調製に一般的に使用される担体(水、水性溶媒、水性または油性基剤など)、増粘剤、糖類、防腐剤、殺菌剤又は抗菌剤、pH調節剤、等張化剤、香料または清涼化剤、キレート剤などの各種添加剤を挙げることができる。
以下に本発明の水性液剤に使用される代表的な成分を例示するが、これらに限定されない。
増粘剤:例えば、カルボキシビニルポリマー、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、アルギン酸、ポリビニルアルコール(完全、又は部分ケン化物)、マクロゴール、ポリビニルピロリドンなど。
糖アルコール類:例えば、キシリトール、ソルビトール、マンニトールなど。なお、これらはd体、l体又はdl体のいずれでもよい。
防腐剤、殺菌剤又は抗菌剤:例えば、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、安息香酸ナトリウム、エタノール、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、グルコン酸クロルヘキシジン、クロロブタノール、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、硫酸オキシキノリン、フェネチルアルコール、ベンジルアルコール、ビグアニド化合物(具体的には、ポリヘキサメチレンビグアニドなど)、グローキル(ローディア社製 商品名)など。
pH調整剤:例えば、塩酸、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン、モノエタノールアミンなど。
等張化剤:例えば、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、グリセリン、プロピレングリコールなど。
香料又は清涼化剤:例えば、カンフル、ゲラニオール、ボルネオール、メントール、リュウノウ、ショウノウ、ウイキョウ油、クールミント油、スペアミント油、ハッカ水、ハッカ油、ペパーミント油、ベルガモット油、ユーカリ油、ローズ油など。これらはd体、l体又はdl体のいずれでもよい。
キレート剤:例えば、アスコルビン酸、エデト酸四ナトリウム、エデト酸ナトリウム(日本薬局方)、クエン酸など。
安定剤:ジブチルヒドロキシトルエン、トロメタモール、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート(ロンガリット)、トコフェロール、ピロ亜硫酸ナトリウム、モノエタノールアミン、モノステアリン酸アルミニウムなど。
溶解剤、基剤:オクチルドデカノール、オリーブ油、ゴマ油、酸化チタン、臭化カリウム、ダイズ油、ツバキ油、トウモロコシ油、ナタネ油、パラフィン、ヒマシ油、プラスチベース、ラッカセイ油、ラノリン、ワセリンなど。
増粘剤:例えば、0.0005〜50%、好ましくは、0.001〜10%
防腐剤、殺菌剤又は抗菌剤:例えば、0.00001〜5%、好ましくは、0.0001〜2%
pH調節剤:例えば、0.00001〜5%、好ましくは、0.0001〜2%
等張化剤:例えば、0.001〜10%、好ましくは、0.01〜5%
香料または清涼化剤:例えば、0.00001〜5%、好ましくは、0.0001〜2%
キレート剤:例えば、0.00001〜5%、好ましくは、0.0001〜2%。
本発明の水性液剤は、必要に応じて、生体に許容される範囲内の浸透圧比に調節する必要がある。生理食塩液に対する浸透圧比は、通常、0.3〜4.1、好ましくは0.3〜2.1、特に好ましくは0.5〜1.4程度である。浸透圧の調節は、前記等張化剤、塩類などを用いて行うことができる。
本発明の水性液剤は、公知の方法により製造できるが、前述のように、アズレン類、ベルベリン又はその塩をある特定の割合や濃度で含有させることにより、不溶性物質を生成することがあるため、必要に応じて水性液剤への各成分の配合順序を考慮するとよい。具体的には ベルベリン又はその塩と、クロルフェニラミンまたはその塩を溶解した後に、アズレン類を加えて調製することが好ましい。また、眼科用液剤が点眼剤、洗眼剤などの場合は、各成分を混合し、必要により、ろ過滅菌処理し、容器に充填することにより調製できる。より具体的には、組成物が点眼剤であれば、例えば、蒸留水又は精製水及び添加剤を用いて、ベルベリン又はその塩、クロルフェニラミンまたはその塩とを溶解させ、さらにアズレン類を溶解させ、所定の浸透圧比及びpHに調整し、無菌環境下、ろ過滅菌処理し、洗浄滅菌済みの容器に無菌充填することにより製造できる。
本発明の水性液剤は、例えば繰り返し使用する場合、プラスチック製容器などに収容すると、スクイズ性及び携帯性に優れ、扱いが容易である。さらに、本発明の水性液剤は、不溶性物質の生成が抑制されており、製造工程管理及び品質管理上、ろ過滅菌や異物確認試験が要求される眼科用水性液剤として好適に用いられる。
前記水性液剤を収容できるプラスチック製容器の樹脂としては、例えば、オレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、ポリエステル系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリアミド系樹脂、硬質塩化ビニル樹脂、スチレン系樹脂(ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)など)、セルロースアセテート類などが例示できる。好ましい樹脂は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂であり、特に好ましい樹脂は、ポリエステル系樹脂である。
ポリエステル系樹脂としては、ジカルボン酸成分(フタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸成分など)とジオール成分とで構成された樹脂が使用できる。具体的には、芳香族ポリエステル系樹脂、例えば、ポリアルキレンテレフタレート[ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などのポリC2-4アルキレンテレフタレートなど]、ポリアルキレンナフタレート[ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンナフタレートなどのポリC2-4アルキレンナフタレートなど]、ポリシクロアルキレンテレフタレート[ポリ(1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)(PCT)など]、ポリアリレート類(ビスフェノール類(ビスフェノール−Aなど)とフタル酸類(フタル酸、テレフタル酸)とで構成された樹脂など)などのホモポリエステルが挙げられる。また、ポリエステル系樹脂には、前記ホモポリエステル単位を主成分(例えば、50重量%以上)として含むコポリエステル、前記ホモポリエステルの共重合体(PETとPCTとの共重合体など)なども含まれる。なかでも、オレフィン系樹脂(ポリエチレンなど)、芳香族ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレートなど)、ポリカーボネート系樹脂が好ましい。ポリカーボネート系樹脂は、例えば、ビスフェノール類(ビスフェノール−Aなど)をベースとする芳香族ポリカーボネートである。
本発明においてプラスチック製容器は、強度、光透過性、ガス又は水蒸気バリア性(透湿性)等の品質面への影響とコストパフォーマンス等を考慮した上で、ポリマーアロイ(ポリマーブレンドなど)であってもよい。好ましいポリマーアロイには、複数の合成樹脂のポリマーブレンド(PETとPENとのポリマーブレンドなど)が含まれる。また、樹脂は、スクイズ性が良好で、繰り返しの押圧に対して耐久性を有する樹脂、透明性または半透明性の樹脂であることが好ましく、必要に応じて着色してもよい。
以下に、試験例、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの試験例、実施例によって限定されるものではない。
試験例1
下記表1に記載の組成に従い水性液剤を調製した。具体的には、精製水に、硫酸ベルベリン、マレイン酸クロルフェニラミン、ホウ酸、ホウ砂、ポリソルベート80を溶解し、そこにアズレンスルホン酸ナトリウムを加え、比較例1及び2と実施例1〜3について水酸化ナトリウム及び/または塩酸でpH5.4またはpH7.1に調整して全量を100mlとした。それぞれの水性液剤を無色透明のガラス瓶に充填し密封し遮光した。
各水性液剤について不溶性物質の生成の有無を目視により観察した。各水性液剤における結果を表1に示す。なお、不溶性物質の生成の有無に関して、不溶性物質の生成を認めなかった場合は○、不溶性物質の生成を認めた場合は×と表中に示した。
Figure 2007099643
表1から明らかなように、硫酸ベルベリンとアズレンスルホン酸ナトリウムにより生じた不溶性物質は非イオン性界面活性剤を含有した比較例では十分に抑制することができなかったが、マレイン酸クロルフェニラミンを用いた実施例では、不溶性物質の生成に対して高い抑制効果を発揮した。また、かかる効果は、非イオン性界面活性剤や緩衝剤の存在下においても認められ、緩衝剤や非イオン性界面活性剤の存在下ではさらに優れた抑制効果が認められた。
試験例2
下記表2に記載の組成に従い水性液剤を調製した。具体的には、精製水に、ホウ酸、ホウ砂、硫酸ベルベリン、マレイン酸クロルフェニラミン、ポリソルベート80又はコンドロイチン硫酸ナトリウムを溶解し、そこにアズレンスルホン酸ナトリウムを加えて全量を100mlとした。それぞれの水性液剤を無色透明のガラス瓶に充填し密封し遮光して50℃又は60℃の恒温室内で保管した。
各水性液剤について、マレイン酸クロルフェニラミンと硫酸ベルベリンの残存率を求めた。製造直後及び2週間保管後の水性液剤について、マレイン酸クロルフェニラミン又は硫酸ベルベリン濃度を高速液体クロマトグラフィーにより測定した。測定した各水性液剤中の各成分の濃度から、式(残存率(%)=2週間保管後濃度×100/製造直後濃度)に従って各成分の残存率(%)を算出した。
Figure 2007099643
水性液剤中ではマレイン酸クロルフェニラミン及び硫酸ベルベリンの安定性が低下する。特に非イオン性界面活性剤の存在下での低下が著しい。本発明の水性液剤では、アズレンスルホン酸ナトリウムとともに、マレイン酸クロルフェニラミン及び硫酸ベルベリンを含有することによって、マレイン酸クロルフェニラミン、硫酸ベルベリンの分解が抑制され安定性が改善されることが示された。なお、表には示さないが、いずれの実施例においても不溶性物質の生成が認められなかった。
下記表3〜6に示す処方に従い、常法により、点眼液、洗眼液、点鼻液を調製し、無菌環境下でろ過滅菌し、滅菌済みの点眼用容器(容量15mL 容器材質 本体:ポリエチレンテレフタレート、ノズル:ポリエチレン、キャップ:ポリプロピレン)、洗眼用容器(容量300mL 容器材質 本体:ポリエチレンテレフタレート、キャップ:ポリプロピレン)、点鼻用容器(容量30mL 容器材質 本体:ポリプロピレン、ノズル:ポリプロピレン、エチレンキャップ:ポリプロピレン)に充填し、点眼剤又は洗眼剤、点鼻剤を製した。
Figure 2007099643
Figure 2007099643
Figure 2007099643
Figure 2007099643

Claims (9)

  1. (A)アズレン類、(B)ベルベリン又はその塩及び(C)クロルフェニラミン又はその塩を含有することを特徴とする水性液剤。
  2. さらに、非イオン性界面活性剤を含有する請求項1に記載の水性液剤。
  3. さらに、緩衝剤を含有する請求項1又は2に記載の水性液剤。
  4. さらに、アミノエチルスルホン酸、イプシロン−アミノカプロン酸、アスパラギン酸カリウム、アスパラギン酸マグネシウム、アスパラギン酸マグネシウムカリウム混合物、ヒアルロン酸ナトリウム及びコンドロイチン硫酸ナトリウムからなる群から選択される1種又は2種以上のアミノ酸類を含有する請求項1乃至3のいずれかに記載の水性液剤。
  5. アズレン類とベルベリン又はその塩の合計量1重量部に対して、クロルフェニラミン又はその塩を0.001〜50重量部で含有する請求項1乃至4のいずれかに記載の水性液剤。
  6. アズレン類を0.0001〜0.1w/v%、ベルベリン又はその塩を0.0001〜0.5w/v%、クロルフェニラミン又はその塩を0.0001〜0.1w/v%で含有する請求項1乃至5のいずれかに記載の水性液剤。
  7. pHが5.0〜9.0である請求項1乃至6のいずれかに記載の水性液剤。
  8. 眼科用液剤である請求項1乃至7のいずれかに記載の水性液剤。
  9. (A)アズレン類、(B)ベルベリン又はその塩、(C)クロルフェニラミン又はその塩をともに配合した水性液剤中における不溶性物質生成抑制方法。

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