JP5499535B2 - 眼科用組成物及びなみだ目改善剤 - Google Patents
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Description
(1)プラノプロフェンとリゾチーム及び/又はその塩とを、プラノプロフェン1質量部に対してリゾチーム及び/又はその塩6〜100質量部の割合で含有し、かつ塩化ベンザルコニウム、ソルビン酸及び/又はその塩、パラオキシ安息香酸エステル、ならびにクロロブタノールのいずれも含有しないことを特徴とする眼科用組成物。
(2)プラノプロフェンの含有量が、0.0005〜2W/V%であり、リゾチーム及び/又はその塩の含有量が、0.001〜2g(力価)/100mLである(1)記載の眼科用組成物。
(3)さらに、ホウ酸、ホウ砂、トロメタモール、ならびにエチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)及びその塩からなる群より選ばれる1種又は2種以上を含有する(1)又は(2)に記載の眼科用組成物。
(4)さらに、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)及びその塩、非イオン性界面活性剤、トコフェロール、酢酸トコフェロール、コハク酸トコフェロール、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ビタミンC、ヒドロキノン、システイン及びグルタチオン、ならびにビタミンA及びテルペノイドから選ばれる1種又は2種以上を含有する(1)又は(2)に記載の眼科用組成物。
(5)なみだ目用である(1)〜(4)のいずれかに記載の眼科用組成物。
(6)プラノプロフェンとリゾチーム及び/又はその塩とを、プラノプロフェン1質量部に対してリゾチーム及び/又はその塩6〜100質量部の割合で含有し、かつ塩化ベンザルコニウム、ソルビン酸及び/又はその塩、パラオキシ安息香酸エステル、ならびにクロロブタノールのいずれも含有しないなみだ目改善剤。
プラノプロフェンは、化学名が2−(5H−[1]ベンゾピラノ[2,3b]ピリジン−7−イル)プロピオン酸であり、その塩を用いてもよい。プラノプロフェンとしては、眼科用組成物に使用されるグレードであれば特に制限されず、例えば日本薬局方収載品などが挙げられる。
プラノプロフェンは、本発明の眼科用組成物中に、0.0005〜2g/100mL(以下、W/V%と記載する。)配合することが好ましく、より好ましくは0.005〜0.3W/V%、さらに好ましくは0.01〜0.2W/V%、特に好ましくは0.02〜0.1W/V%、最も好ましくは0.03〜0.05W/V%の範囲である。これより少ないと充分な効果が得られない場合があり、これより多いと眼刺激が強くなりすぎる場合がある。
リゾチーム又はその塩としては、卵白リゾチーム、ヒトリゾチームなど、リゾチームであればその種類や由来は特に限定されないが、鶏卵の卵白から常法により抽出・精製されたものが好ましく使用できる。塩としては、例えば塩化リゾチームを挙げることができる。具体的には、エーザイ株式会社製塩化リゾチームやキユーピー株式会社製塩化リゾチームなどが挙げられる。
リゾチーム又はその塩は、本発明の眼科用組成物中に、0.001〜2g(力価)/100mL配合することが好ましく、より好ましくは0.01〜1.5g(力価)/100mL、さらに好ましくは0.05〜1.0g(力価)/100mL、特に好ましくは0.1〜1.0g(力価)/100mL、とりわけ好ましくは0.3〜1.0g(力価)/100mL、殊に好ましくは0.5〜1.0g(力価)/100mL、最も好ましくは0.5〜0.6g(力価)/100mLである。リゾチーム又はその塩がこれより少ないと充分な効果が得られない場合があり、これより多いと製剤上の問題を生じることがある。
なお、本発明の眼科用組成物の防腐力は、ホウ酸、ホウ砂、トロメタモール及び金属封鎖剤から1種以上、好適には2種以上を組み合わせて配合することにより得ることができる。また、ユニットドーズ容器、フィルター付容器を用いてもよい。
本発明の眼科用組成物には、上記成分に加え、緩衝剤を配合することが好ましい。緩衝剤としては、ホウ酸、ホウ砂などのホウ酸類、リン酸、リン酸水素ナトリウムやリン酸水素カリウムなどのリン酸水素塩、クエン酸、クエン酸ナトリウムなどのクエン酸塩、炭酸ナトリウムなどの炭酸塩、炭酸水素ナトリウムなどの炭酸水素塩、イプシロンアミノカプロン酸、アスパラギン酸、アスパラギン酸塩、トロメタモールなどが挙げられ、これらを1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができるが、これらのなかでもホウ酸、ホウ砂、トロメタモールが好ましく使用される。
トロメタモールは、化学名が2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオールであり、別名トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンである。トロメタモールを配合すると、低刺激でかつ組成物の防腐効果を得られるため好ましい。さらに、ホウ酸、ホウ砂を併用すると、特に高い防腐効果が得られるため、好ましい。
(4)金属封鎖剤
本発明の眼科用組成物には、金属封鎖剤を1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて配合することが好ましい。金属封鎖剤としては、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、その塩(Na塩ほか)が挙げられ、眼科用組成物に配合できるものであれば何でも良い。具体的には、EDTA塩は、ナガセケムテック株式会社製クレワットNなどが挙げられる。金属封鎖剤の含有量は、眼科用組成物中0.001〜0.5W/V%が好ましく、好ましくは0.002〜0.1W/V%である。この範囲で刺激感が少なく組成物の防腐効果と安定性を高める。
非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリエチレングリコール脂肪酸エステルなどが好ましく使用される。これらの非イオン性界面活性剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
非イオン性界面活性剤は、本発明の眼科用組成物中に0.001〜2W/V%配合することが好ましく、より好ましくは0.01〜1W/V%、特に好ましくは0.05〜0.5W/V%の範囲である。この範囲で刺激感が少なく、プラノプロフェンやリゾチームなどを可溶化しやすくし、組成物の安定性を高める。
本発明の眼科用組成物には、抗酸化剤を1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて配合することが好ましい。抗酸化剤としては、トコフェロール類(トコフェロール、トコフェロール誘導体:酢酸トコフェロール、コハク酸トコフェロールなどのトコフェロールエステル)、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソールなどの脂溶性抗酸化剤、ビタミンC、ヒドロキノン、システイン、グルタチオンなどの水溶性抗酸化剤がある。好ましくは、脂溶性抗酸化剤を使用する。具体的には、トコフェロール類として、理研ビタミン株式会社製理研Eアセテートα、ジブチルヒドロキシトルエンは和光純薬工業株式会社製BHT Fなどが挙げられる。
抗酸化剤の含有量は、眼科用組成物中0.0005〜0.5W/V%が好ましく、より好ましくは0.001〜0.1W/V%である。この範囲で刺激感が少なく組成物の安定性を高める。
ビタミンAは、ビタミンAそれ自体のほかに、ビタミンAエステル(例えばパルミチン酸レチノール、酢酸レチノールなどの脂肪酸エステル)などのビタミンA誘導体が挙げられる。具体的には、DSMニュートリションジャパン株式会社製パルミチン酸レチノール170万国際単位(I.U.)などが挙げられる。また、ビタミンA油などのビタミンA類含有混合物を使用することもできる。これらは1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
ビタミンAは、通常眼科用組成物中に0.001〜0.3W/V%配合することが好ましく、より好ましくは0.005〜0.1W/V%の範囲である。この範囲で刺激感が緩和される。
テルペノイドとしては、特に制限はないが、清涼感を付与でき、持続性の長いほうが刺激感を緩和する効果が高く、この点からモノテルペノイド化合物が好ましい。具体的には、メントール(l−メントール、dl−メントール)、カンフル(dl−カンフル、d−カンフル)、ボルネオール(d−ボルネオール、リュウノウ)、ゲラニオール、シネオール、及びリナロールなどが好ましく使用される。前記テルペノイドとしては、テルペノイドを含有する精油を用いてもよく、該テルペノイドを含有する精油としては、具体的には、ユーカリ油、ベルガモット油、ウイキョウ油、ローズ油、ハッカ油、ペパーミント油、スペアミント油、フタバガキ科植物の精油、ロズマリン油、及びラベンダー油などが挙げられる。これらのテルペノイド(テルペノイドを含有する精油を含む。)は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。前記テルペノイドとしては、具体的には、以下の市販品を好適に使用することができる。例えば、高砂香料工業(株)製のl−メントール、dl−メントール、d−カンフル、dl−カンフル、d−ボルネオール、dl−ボルネオール、ゲラニオール、シネオール、リナロール、ユーカリ油、ベルガモット油、ウイキョウ油、ローズ油、ハッカ油、藤沢薬品工業(株)製や小城製薬(株)製のd−ボルネオール、dl−ボルネオールなどの市販品が挙げられる。上記テルペノイドの中でもメントールが特に好ましい。
前記テルペノイドの、眼科用組成物における含有量は、0.0001〜2W/V%が好ましく、より好ましくは0.0005〜1W/V%、さらに好ましくは0.001〜0.5W/V%、特に好ましくは0.001〜0.1W/V%、とりわけ好ましくは0.002〜0.02W/V%、最も好ましくは0.003〜0.01W/V%の範囲である。この範囲で刺激感が緩和される。
本発明の眼科用組成物には、前述した成分の他に眼科用組成物の製剤の調製に通常使用する全ての各種成分を、本発明の効果を損なわない範囲で配合することができる。それらの成分としては、水溶性高分子、等張化剤、トロメタモール以外の多価アルコール、pH調整剤などが挙げられる。これらは、それぞれ1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
水溶性高分子としては、例えば、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、ヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマーなどが挙げられ、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
水溶性高分子の含有量は、眼科用組成物中0.001〜20W/V%が好ましく、より好ましくは0.01〜10W/V%である。
等張化剤としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、ブドウ糖、マンニトールなどが挙げられる。これらは1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて適量使用することができる。
多価アルコールとしては、トロメタモール以外の多価アルコールとして、グリセリン、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ポリエチレングリコールなどが挙げられる。これらは1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて配合することができるが、好ましくはプロピレングリコールを使用すると安定性が特に良好である。
多価アルコールの含有量は、眼科用組成物中0.01〜5W/V%であり、好ましくは0.05〜3W/V%である。
pH調整剤としては、無機酸又は無機アルカリ剤を1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて使用することが好ましい。酸成分としては塩酸が好ましく挙げられる。塩基成分としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなどが挙げられる。好ましくは、水酸化ナトリウムを用いる。
本発明の眼科用組成物には、前記成分の他各種薬物を本発明の効果を損なわない範囲で配合することができる。
本発明の眼科用組成物における上記薬物の含有量は、特に制限されるものではないが、本発明の効果を損なわない場合に限られる。通常、組成物全量に対して、0.0001〜10W/V%であり、好ましくは0.0005〜5W/V%であり、より好ましくは0.001〜4W/V%である。
本発明の眼科用組成物は、常法に基づき製造することができる。好ましい製造方法は、例えば、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60やポリソルベート80、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ステアリン酸ポリオキシル40などの非イオン性界面活性剤と緩衝剤を水に溶解し、その後、よく撹拌しながらプラノプロフェン、塩化リゾチームを加え、金属封鎖剤、抗酸化剤、トロメタモールなどを加えて溶解し、さらに必要に応じて各種薬物、水溶性高分子、等張化剤などを加えて溶解後、塩酸又は水酸化ナトリウム水溶液などでpHを調整し、精製水を加えて全量を目的の量とし、本発明の眼科用組成物とすることができる。
また、例えば、ビタミンA類とトコフェロール類などの脂溶性抗酸化剤を配合する場合は、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60やポリソルベート80、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ステアリン酸ポリオキシル40などの非イオン性界面活性剤と混合し、ついで水に添加して可溶化する。その後、緩衝剤を溶解し、プラノプロフェンをよく撹拌しながら加えて溶解し、塩化リゾチームを加え、金属封鎖剤、抗酸化剤、トロメタモールなどを加えて溶解し、さらに必要に応じて各種薬物、水溶性高分子、等張化剤などを加えて溶解後、塩酸又は水酸化ナトリウム水溶液などでpHを調整し、精製水を加えて全量を目的の量とし、本発明の眼科用組成物とすることができる。
眼科用組成物を充填する容器の材質としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレンが好ましい。ポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。ポリエチレンテレフタレートとしては、容器として成形可能なものであればよく、グレードなどは、特に問わない。具体的には、日本ユニペット株式会社製RT543などが挙げられる。
包装体としては、特に酸素非透過性のものが好ましく、例えばアルミ箔、アルミニウムを蒸着したポリビニルアルコール系、ポリアミド系、ポリ塩化ビニリデンコートなどの単体又は複合フィルムが挙げられるが、これらに限定されるものではない。特に長期安定化には、酸素透過係数が10mL/m2/24hr/atm以下(すなわち、0〜10mL/m2/24hr/atm)(JIS−K7126プラスチックフィルム及びシートの気体透過度試験方法B法、試験条件:23℃、90%RH)の酸素非透過性包装体が望ましい。具体的な包装体素材の例を以下に列記するが、これに限定されるものではない。
ポリエチレンテレフタレート/シリカ/ポリエチレン/エチレンビニルアセテート複合フィルム、
ポリエチレンテレフタレート/酸化アルミニウム/ポリエチレン/エチレンビニルアセテート複合フィルム、
ナイロン/シリカ/ポリエチレン/エチレンビニルアセテート複合フィルム、
ポリエチレンテレフタレート/シリカ/エクストルジョンコートポリエチレン/リニアローデンシティポリエチレン複合フィルム、
ポリエチレンテレフタレート/酸化アルミニウム/エクストルジョンコートポリエチレン/リニアローデンシティポリエチレン複合フィルム、
ナイロン/シリカ/エクストルジョンコートポリエチレン/リニアローデンシティポリエチレン複合フィルム、
アルミ箔、
アルミニウムを蒸着したポリビニルアルコール、
ポリアミド及び
ポリ塩化ビニリデンコート。
インナースペースの不活性ガス濃度は、50V/V%以上とすることが好ましく、より好ましくは75V/V%以上、特に好ましくは90V/V%である。
また、本発明のなみだ目改善剤は、上記プラノプロフェン、リゾチーム及び/又はその塩、及び必要により上述した成分を配合し、上述した製造方法により得ることができる。
「なみだ目」改善効果
表1及び2に示す眼科用組成物(点眼剤)を常法にしたがって製造し、ろ過してポリエチレンテレフタレート容器に充填した。得られた各製剤について、「なみだ目」を自覚する成人男性6名をパネラーとし、1日6回、7日間点眼後の「なみだ目」の改善程度を下記評価基準に従い、主訴により評価した。結果はパネラー6名中、最も多い評価を示す。最も多い評価が複数の場合は、一番高い評価点を示す。
<「なみだ目」改善の評価基準>
0:全く改善しない
1:少し改善した
2:改善した
3:よく改善した
4:非常によく改善した
防腐効果
表3に示す組成に対して、第15改正日本薬局方・参考情報の保存効力試験法を参考にして実施した。被検菌株は以下に示す細菌及び真菌の5種を用いて各実施例及び比較例の試料1mLあたり1×105〜1×106個になるように加え、25℃に静置し、14日後及び28日後に菌を接種した溶液1mLのそれぞれを培養した後、生菌数を測定し、接種菌数に対する生存率を算出した。
Pseudomonas aeruginosa ATCC9027
Escherichia coli ATCC 8739
Staphylococcus aureus ATCC6538
真菌
Candida albicans ATCC10231
Aspergillus niger ATCC16404
なお、培養は細菌に対してはSCDLP寒天培地(Soybean Casein Digest Agar with Lercthin & Polysorbate 80)(日本製薬(株)製)、真菌にはGPLP寒天培地(Glucose Peptone Agar with Lercthin & Polysorbate 80)(日本製薬(株)製)の各種培地を使用した。
刺激感の緩和効果
表4に示す眼科用組成物(点眼剤)を常法にしたがって製造し、ろ過してポリエチレンテレフタレート容器に充填した。成人男性10名をパネラーとし、点眼後の刺激感を下記評価基準により評価した。結果はパネラー10名中、最も多い評価を示す。最も多い評価が複数の場合は、一番高い評価点を示す。
<眼刺激の評価基準>
0:全く刺激感がない
1:ほとんど刺激感がない
2:どちらともいえない
3:刺激感がわずかに感じられた
4:刺激感が感じられた
5:刺激感がかなり感じられた
6:刺激感が非常に強く感じられた
プラノプロフェン0.05g、塩化リゾチーム0.5g、ホウ酸1.0g、ホウ砂0.1g、EDTAナトリウム0.1g、ポリソルベート80を0.1g精製水に溶解し、pH調整剤でpH7.5にして精製水で全量100mLとして試験液を調製した。試験液をポリエチレンテレフタレート製の容器に充填し、ポリエチレンを主材料とする複合フィルムの包装体で被覆し、窒素ガスをノズルから噴射しながらヒートシールして密封した(実施例12)。また、窒素ガスを噴射せずにヒートシールして密封した(実施例13)。これを遮光して50℃で2ヶ月間保存した。保存前後のプラノプロフェン濃度をHPLCにより測定し、保存前プラノプロフェン濃度に対する保存後のプラノプロフェン濃度の百分率を残存率(%)として算出し、下記評価基準により安定性を評価した。また、包装体への窒素ガス置換率は、酸素濃度計により包装体内の酸素濃度を測定し、下記の式により算出した。表5にその結果を示した。
窒素置換率(%)={(20.7−酸素濃度測定値)/20.7}×100
<安定性の評価基準>
判定 :残存率
+++:98〜100%
++ :95〜98%未満
+ :90〜95%未満
± :85〜90%未満
− :85%未満
プラノプロフェン0.05g、塩化リゾチーム0.5g、ホウ酸1.0g、ホウ砂0.1g、EDTAナトリウム0.001g、ポリソルベート80を0.1gを精製水に溶解し、pH調整剤でpH7.5にして精製水で全量100mLとして試験液を調製した。この試験液を表6に示すように遮断する波長の異なる2種類の容器に充填し、白色蛍光灯(2000Lx)を用い、点眼剤が蛍光灯に効率よく照射されるように容器を横に倒して1週間光照射した。光照射前後のプラノプロフェン濃度をHPLCにより測定し、光照射前プラノプロフェン濃度に対する光照射後のプラノプロフェン濃度の百分率を残存率(%)として算出し、下記評価基準により安定性を評価した。表6に結果を示した。
なお、容器の遮断波長の測定は、容器側面の湾曲などのない部分を切り取り、約1cm×約3cmのプレートを作成し、分光光度計を用い700〜190nmを測定した。透過率0.1%未満を遮断波長とした。
<安定性の評価基準>
判定 :残存率
+++:98〜100%
++ :95〜98%未満
+ :90〜95%未満
± :85〜90%未満
− :85%未満
Claims (6)
- プラノプロフェンとリゾチーム及び/又はその塩とを、プラノプロフェン1質量部に対してリゾチーム及び/又はその塩6〜100質量部の割合で含有し、かつ塩化ベンザルコニウム、ソルビン酸及び/又はその塩、パラオキシ安息香酸エステル、ならびにクロロブタノールのいずれも含有しないことを特徴とする眼科用組成物。
- プラノプロフェンの含有量が、0.0005〜2W/V%であり、リゾチーム及び/又はその塩の含有量が、0.001〜2g(力価)/100mLである請求項1記載の眼科用組成物。
- さらに、ホウ酸、ホウ砂、トロメタモール、ならびにエチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)及びその塩からなる群より選ばれる1種又は2種以上を含有する請求項1又は2に記載の眼科用組成物。
- さらに、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)及びその塩、非イオン性界面活性剤、トコフェロール、酢酸トコフェロール、コハク酸トコフェロール、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ビタミンC、ヒドロキノン、システイン及びグルタチオン、ならびにビタミンA及びテルペノイドから選ばれる1種又は2種以上を含有する請求項1又は2に記載の眼科用組成物。
- なみだ目用である請求項1〜4のいずれか1項に記載の眼科用組成物。
- プラノプロフェンとリゾチーム及び/又はその塩とを、プラノプロフェン1質量部に対してリゾチーム及び/又はその塩6〜100質量部の割合で含有し、かつ塩化ベンザルコニウム、ソルビン酸及び/又はその塩、パラオキシ安息香酸エステル、ならびにクロロブタノールのいずれも含有しないなみだ目改善剤。
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