JP5499535B2 - 眼科用組成物及びなみだ目改善剤 - Google Patents

眼科用組成物及びなみだ目改善剤 Download PDF

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Description

本発明は、プラノプロフェンとリゾチームを含有する眼科用組成物及びなみだ目改善剤に関する。
プラノプロフェンは、優れた消炎鎮痛効果をもつ非ステロイド系抗炎症化合物であり、角結膜炎、眼瞼炎などの治療に眼科用組成物に配合され使われている。しかしながら、中高齢者に特に多く訴えられる「なみだ目」に対しては、ある程度の効果があるものの充分満足できるものではなかった。
一方、リゾチームは涙液、唾液、鼻汁、肝臓、脾臓、腎臓、胃腸管、血清、リンパ液などに広く分布するムコ多糖加水分解酵素であり、抗炎症作用、膿粘液分解作用、組織修復作用、抗ウイルス作用、出血抑制作用、免疫賦活作用、抗生物質効果増強作用などの幅広い薬理作用を有し、各種結膜炎及び角膜疾患などの治療に眼科用組成物に配合され使われているものの、「なみだ目」に対する効果は知られていなかった。
また、プラノプロフェンの水溶液は眼に対して刺激のあることが知られており、これを解決する方法がいくつか提案されている。例えば、ホウ酸を配合する方法(特許文献1:特開昭60−184013号公報)、炭酸塩を配合する方法(特許文献2:特開平5−186349号公報)、酢酸イオンを配合する方法(特許文献3:特開平7−17863号公報)、有機アミンを配合する方法(特許文献4:特開平8−291065号公報)、プロピレングリコールを配合する方法(特許文献5:特開平10−236951号公報)、クロロブタノールを配合する方法、(特許文献6:特開2005−239681号公報)コンドロイチン硫酸ナトリウムやタウリンを配合する方法(特許文献7:特開2005−239682号公報)などがある。
しかしながら、これらの方法でのプラノプロフェンの眼に対する刺激緩和は充分に満足できるものではなかった。さらに、プラノプロフェンは徐々に分解することが知れられており、これを解決する方法がいくつか提案されている(特許文献8〜11:特開2005−314353号,同2005−320313号,同2005−336153号,同2006−16374号公報)ものの、充分満足できる効果を有するものではなかった。
特開昭60−184013号公報 特開平5−186349号公報 特開平7−17863号公報 特開平8−291065号公報 特開平10−236951号公報 特開2005−239681号公報 特開2005−239682号公報 特開2005−314353号公報 特開2005−320313号公報 特開2005−336153号公報 特開2006−16374号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであって、「なみだ目」に対する効果が格段に優れ、眼に対する刺激感が充分に緩和され、安定性に優れた眼科用組成物及びなみだ目改善剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、プラノプロフェンとリゾチーム及び/又はその塩とを含有し、さらに塩化ベンザルコニウム、ソルビン酸及び/又はその塩、パラオキシ安息香酸エステル及びクロロブタノールのいずれも含有しない眼科用組成物が、眼刺激が低減され、「なみだ目」に対する効果が格段に優れたものになることを見出した。また、好ましくはホウ酸、ホウ砂、トロメタモール、金属封鎖剤を1種単独で又は2種以上を併用して配合することで防腐効果が得られること、さらに、金属封鎖剤、非イオン性界面活性剤、抗酸化剤、ビタミンA、テルペノイドを1種単独で又は2種以上を組み合わせて配合することにより刺激感が充分に緩和されることを見出した。さらに、上記眼科用組成物を415nm以下の波長を遮断する容器に充填し、この容器とこれを収容する包装体との間に不活性ガスを充填することにより安定性が満足できるものとなることを見出し、本発明をなすに至ったものである。
すなわち、本発明は、以下の事項を提供する。
(1)プラノプロフェンとリゾチーム及び/又はその塩とを、プラノプロフェン1質量部に対してリゾチーム及び/又はその塩6〜100質量部の割合で含有し、かつ塩化ベンザルコニウム、ソルビン酸及び/又はその塩、パラオキシ安息香酸エステル、ならびにクロロブタノールのいずれも含有しないことを特徴とする眼科用組成物。
(2)プラノプロフェンの含有量が、0.0005〜2W/V%であり、リゾチーム及び/又はその塩の含有量が、0.001〜2g(力価)/100mLである(1)記載の眼科用組成物。
(3)さらに、ホウ酸、ホウ砂、トロメタモール、ならびにエチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)及びその塩からなる群より選ばれる1種又は2種以上を含有する(1)又は(2)に記載の眼科用組成物。
(4)さらに、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)及びその塩、非イオン性界面活性剤、トコフェロール、酢酸トコフェロール、コハク酸トコフェロール、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ビタミンC、ヒドロキノン、システイン及びグルタチオンならびにビタミンA及びテルペノイドから選ばれる1種又は2種以上を含有する(1)又は(2)に記載の眼科用組成物。
(5)なみだ目用である(1)〜(4)のいずれかに記載の眼科用組成物。
(6)プラノプロフェンとリゾチーム及び/又はその塩とを、プラノプロフェン1質量部に対してリゾチーム及び/又はその塩6〜100質量部の割合で含有し、かつ塩化ベンザルコニウム、ソルビン酸及び/又はその塩、パラオキシ安息香酸エステル、ならびにクロロブタノールのいずれも含有しないなみだ目改善剤。
本発明により、「なみだ目」に対する効果が格段に優れ、プラノプロフェンの眼に対する刺激感が充分に緩和され、安定性に優れた眼科用組成物及びなみだ目改善剤が提供できる。
以下に、本発明を詳細に説明する。
(1)プラノプロフェン
プラノプロフェンは、化学名が2−(5H−[1]ベンゾピラノ[2,3b]ピリジン−7−イル)プロピオン酸であり、その塩を用いてもよい。プラノプロフェンとしては、眼科用組成物に使用されるグレードであれば特に制限されず、例えば日本薬局方収載品などが挙げられる。
プラノプロフェンは、本発明の眼科用組成物中に、0.0005〜2g/100mL(以下、W/V%と記載する。)配合することが好ましく、より好ましくは0.005〜0.3W/V%、さらに好ましくは0.01〜0.2W/V%、特に好ましくは0.02〜0.1W/V%、最も好ましくは0.03〜0.05W/V%の範囲である。これより少ないと充分な効果が得られない場合があり、これより多いと眼刺激が強くなりすぎる場合がある。
(2)リゾチーム及び/又はその塩
リゾチーム又はその塩としては、卵白リゾチーム、ヒトリゾチームなど、リゾチームであればその種類や由来は特に限定されないが、鶏卵の卵白から常法により抽出・精製されたものが好ましく使用できる。塩としては、例えば塩化リゾチームを挙げることができる。具体的には、エーザイ株式会社製塩化リゾチームやキユーピー株式会社製塩化リゾチームなどが挙げられる。
リゾチーム又はその塩は、本発明の眼科用組成物中に、0.001〜2g(力価)/100mL配合することが好ましく、より好ましくは0.01〜1.5g(力価)/100mL、さらに好ましくは0.05〜1.0g(力価)/100mL、特に好ましくは0.1〜1.0g(力価)/100mL、とりわけ好ましくは0.3〜1.0g(力価)/100mL、殊に好ましくは0.5〜1.0g(力価)/100mL、最も好ましくは0.5〜0.6g(力価)/100mLである。リゾチーム又はその塩がこれより少ないと充分な効果が得られない場合があり、これより多いと製剤上の問題を生じることがある。
プラノプロフェンとリゾチーム及び/又はその塩の配合比は、プラノプロフェン1質量部に対しリゾチーム及び/又はその塩6〜100質量部が好ましく、10〜50質量部がさらに好ましい。リゾチーム及び/又はその塩がこれより少ないと充分な「なみだ目」改善の増強効果が得られず、これより多いと製剤上の問題を生じることがある。
ここで、本発明においては、塩化ベンザルコニウム、ソルビン酸及び/又はその塩、パラオキシ安息香酸エステル(メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベンなど)、クロロブタノールは、「なみだ目」改善効果を阻害するためいずれも配合しない。この阻害メカニズムは明確ではないが、これら成分が、プラノプロフェン、リゾチームの生体に対する作用を直接阻害したり、プラノプロフェン、リゾチームが生体に作用してから「なみだ目」改善効果が発現するまでの細胞内や生体内の情報伝達経路を阻害したり、又はプラノプロフェン、リゾチームの生体に対する作用とは全く別の作用経路で「なみだ目」改善効果を阻害するなどが考えられる。
なお、本発明の眼科用組成物の防腐力は、ホウ酸、ホウ砂、トロメタモール及び金属封鎖剤から1種以上、好適には2種以上を組み合わせて配合することにより得ることができる。また、ユニットドーズ容器、フィルター付容器を用いてもよい。
(3)緩衝剤
本発明の眼科用組成物には、上記成分に加え、緩衝剤を配合することが好ましい。緩衝剤としては、ホウ酸、ホウ砂などのホウ酸類、リン酸、リン酸水素ナトリウムやリン酸水素カリウムなどのリン酸水素塩、クエン酸、クエン酸ナトリウムなどのクエン酸塩、炭酸ナトリウムなどの炭酸塩、炭酸水素ナトリウムなどの炭酸水素塩、イプシロンアミノカプロン酸、アスパラギン酸、アスパラギン酸塩、トロメタモールなどが挙げられ、これらを1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができるが、これらのなかでもホウ酸、ホウ砂、トロメタモールが好ましく使用される。
トロメタモールは、化学名が2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオールであり、別名トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンである。トロメタモールを配合すると、低刺激でかつ組成物の防腐効果を得られるため好ましい。さらに、ホウ酸、ホウ砂を併用すると、特に高い防腐効果が得られるため、好ましい。
緩衝剤の含有量は、眼科用組成物中0.001〜10W/V%が好ましく、より好ましくは0.01〜5W/V%、特に好ましくは0.1〜2W/V%の範囲である。この範囲で刺激感が少なく組成物の安定性を高める。
本発明の眼科用組成物には、眼刺激緩和等の点から、さらに下記成分(4)〜(8)を1種単独で又は2種以上を組み合わせて配合することが好ましい。
(4)金属封鎖剤
本発明の眼科用組成物には、金属封鎖剤を1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて配合することが好ましい。金属封鎖剤としては、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、その塩(Na塩ほか)が挙げられ、眼科用組成物に配合できるものであれば何でも良い。具体的には、EDTA塩は、ナガセケムテック株式会社製クレワットNなどが挙げられる。金属封鎖剤の含有量は、眼科用組成物中0.001〜0.5W/V%が好ましく、好ましくは0.002〜0.1W/V%である。この範囲で刺激感が少なく組成物の防腐効果と安定性を高める。
(5)非イオン性界面活性剤
非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリエチレングリコール脂肪酸エステルなどが好ましく使用される。これらの非イオン性界面活性剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
非イオン性界面活性剤は、本発明の眼科用組成物中に0.001〜2W/V%配合することが好ましく、より好ましくは0.01〜1W/V%、特に好ましくは0.05〜0.5W/V%の範囲である。この範囲で刺激感が少なく、プラノプロフェンやリゾチームなどを可溶化しやすくし、組成物の安定性を高める。
(6)抗酸化剤
本発明の眼科用組成物には、抗酸化剤を1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて配合することが好ましい。抗酸化剤としては、トコフェロール類(トコフェロール、トコフェロール誘導体:酢酸トコフェロール、コハク酸トコフェロールなどのトコフェロールエステル)、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソールなどの脂溶性抗酸化剤、ビタミンC、ヒドロキノン、システイン、グルタチオンなどの水溶性抗酸化剤がある。好ましくは、脂溶性抗酸化剤を使用する。具体的には、トコフェロール類として、理研ビタミン株式会社製理研Eアセテートα、ジブチルヒドロキシトルエンは和光純薬工業株式会社製BHT Fなどが挙げられる。
抗酸化剤の含有量は、眼科用組成物中0.0005〜0.5W/V%が好ましく、より好ましくは0.001〜0.1W/V%である。この範囲で刺激感が少なく組成物の安定性を高める。
(7)ビタミンA
ビタミンAは、ビタミンAそれ自体のほかに、ビタミンAエステル(例えばパルミチン酸レチノール、酢酸レチノールなどの脂肪酸エステル)などのビタミンA誘導体が挙げられる。具体的には、DSMニュートリションジャパン株式会社製パルミチン酸レチノール170万国際単位(I.U.)などが挙げられる。また、ビタミンA油などのビタミンA類含有混合物を使用することもできる。これらは1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
ビタミンAは、通常眼科用組成物中に0.001〜0.3W/V%配合することが好ましく、より好ましくは0.005〜0.1W/V%の範囲である。この範囲で刺激感が緩和される。
(8)テルペノイド
テルペノイドとしては、特に制限はないが、清涼感を付与でき、持続性の長いほうが刺激感を緩和する効果が高く、この点からモノテルペノイド化合物が好ましい。具体的には、メントール(l−メントール、dl−メントール)、カンフル(dl−カンフル、d−カンフル)、ボルネオール(d−ボルネオール、リュウノウ)、ゲラニオール、シネオール、及びリナロールなどが好ましく使用される。前記テルペノイドとしては、テルペノイドを含有する精油を用いてもよく、該テルペノイドを含有する精油としては、具体的には、ユーカリ油、ベルガモット油、ウイキョウ油、ローズ油、ハッカ油、ペパーミント油、スペアミント油、フタバガキ科植物の精油、ロズマリン油、及びラベンダー油などが挙げられる。これらのテルペノイド(テルペノイドを含有する精油を含む。)は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。前記テルペノイドとしては、具体的には、以下の市販品を好適に使用することができる。例えば、高砂香料工業(株)製のl−メントール、dl−メントール、d−カンフル、dl−カンフル、d−ボルネオール、dl−ボルネオール、ゲラニオール、シネオール、リナロール、ユーカリ油、ベルガモット油、ウイキョウ油、ローズ油、ハッカ油、藤沢薬品工業(株)製や小城製薬(株)製のd−ボルネオール、dl−ボルネオールなどの市販品が挙げられる。上記テルペノイドの中でもメントールが特に好ましい。
前記テルペノイドの、眼科用組成物における含有量は、0.0001〜2W/V%が好ましく、より好ましくは0.0005〜1W/V%、さらに好ましくは0.001〜0.5W/V%、特に好ましくは0.001〜0.1W/V%、とりわけ好ましくは0.002〜0.02W/V%、最も好ましくは0.003〜0.01W/V%の範囲である。この範囲で刺激感が緩和される。
(9)その他の成分
本発明の眼科用組成物には、前述した成分の他に眼科用組成物の製剤の調製に通常使用する全ての各種成分を、本発明の効果を損なわない範囲で配合することができる。それらの成分としては、水溶性高分子、等張化剤、トロメタモール以外の多価アルコール、pH調整剤などが挙げられる。これらは、それぞれ1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
・水溶性高分子
水溶性高分子としては、例えば、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、ヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマーなどが挙げられ、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
水溶性高分子の含有量は、眼科用組成物中0.001〜20W/V%が好ましく、より好ましくは0.01〜10W/V%である。
・等張化剤
等張化剤としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、ブドウ糖、マンニトールなどが挙げられる。これらは1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて適量使用することができる。
・多価アルコール
多価アルコールとしては、トロメタモール以外の多価アルコールとして、グリセリン、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ポリエチレングリコールなどが挙げられる。これらは1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて配合することができるが、好ましくはプロピレングリコールを使用すると安定性が特に良好である。
多価アルコールの含有量は、眼科用組成物中0.01〜5W/V%であり、好ましくは0.05〜3W/V%である。
・pH調整剤
pH調整剤としては、無機酸又は無機アルカリ剤を1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて使用することが好ましい。酸成分としては塩酸が好ましく挙げられる。塩基成分としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなどが挙げられる。好ましくは、水酸化ナトリウムを用いる。
本発明の眼科用組成物のpHは、特に限定されないが、生体に許容される範囲のpHに調整されることが望ましい。好ましくは4.0〜9.0であり、より好ましくは5.0〜8.0である。
・薬物
本発明の眼科用組成物には、前記成分の他各種薬物を本発明の効果を損なわない範囲で配合することができる。
例えば、充血除去成分、ピント調節成分、抗炎症成分又は収斂成分、抗ヒスタミン成分又は抗アレルギー成分、ビタミン類、アミノ酸類、抗菌成分、糖類、多糖類、セルロース又はその誘導体又はそれらの塩、局所麻酔成分、ステロイド成分、緑内障治療成分、白内障治療成分、生薬成分などが例示できる。本発明において好適な成分としては、例えば、次のような成分が挙げられる。
充血除去成分:α−アドレナリン作動薬、具体的にはエピネフリン、塩酸エピネフリン、塩酸エフェドリン、塩酸オキシメタゾリン、塩酸テトラヒドロゾリン、塩酸ナファゾリン、塩酸フェニレフリン、塩酸メチルエフェドリン、酒石酸水素エピネフリン、硝酸ナファゾリンなど。
ピント調節成分:コリンエステラーゼ阻害剤、具体的にはメチル硫酸ネオスチグミン、トロピカミド、ヘレニエン硫酸アトロピンなど。
抗炎症成分又は収斂成分:硫酸亜鉛、乳酸亜鉛、アラントイン、イプシロン−アミノカプロン酸、インドメタシン、硝酸銀、グリチルリチン酸二カリウム、グリチルリチン酸アンモニウム、ジクロフェナクナトリウム、ブロムフェナクナトリウム、塩化ベルベリン、硫酸ベルベリン、ピロキシカムなど。
抗ヒスタミン成分又は抗アレルギー成分:アシタザノラスト、アンレキサノクス、イブジラスト、ペミロラスト、タザノラスト、トラニラスト、塩酸ジフェンヒドラミン、塩酸レボカバスチン、フマル酸ケトチフェン、クロモグリク酸ナトリウム、ペミロラストカリウム、マレイン酸クロルフェニラミン、イプロヘプチン、イソチペンジル、ジフェテロール、ジフェニルピラリン、トリプロリジン、トリペレナミン、トンジルアミン、プロメタジン、メトジラジン、カルビノキサミン、アリメマジン、プロメタジン、メブヒドロリン、フェネタジン、オキサトミド、メキタジン、テルフェナジン、エピナスチン、アステミゾール、エバスチン、セチリジン、オロパタジン、フマル酸エメダスチン、フマル酸クレマスチン、塩酸アゼラスチンなど。
ビタミン類:塩酸ピリドキシン、フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム、リン酸ピリドキサール、パンテノール、パントテン酸カルシウム、パントテン酸ナトリウム、アスコルビン酸、酢酸トコフェロール、シアノコバラミン、メコバラミン、ヒドロキソコバラミン、塩酸ヒドロキソコバラミン、酢酸ヒドロキソコバラミンなど。
アミノ酸類:アミノエチルスルホン酸(タウリン)、グルタミン酸、クレアチニン、アスパラギン酸カリウム、アスパラギン酸マグネシウム、アスパラギン酸マグネシウム・カリウム混合物、グルタミン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウムなど。
抗菌成分:硫酸アミノデオキシカナマイシン、硫酸カナマイシン、硫酸ゲンタマイシン、硫酸シソマイシン、硫酸ストレプトマイシン、トブラマイシン、硫酸ミクロノマイシン、アルキルポリアミノエチルグリシン、クロラムフェニコール、スルファメトキサゾール、スルフイソキサゾール、スルファメトキサゾールナトリウム、スルフイソキサゾールジエタノールアミン、スルフイソキサゾールモノエタノールアミン、スルフイソメゾールナトリウム、スルフイソミジンナトリウム、塩酸テトラサイクリン、塩酸オキシテトラサイクリン、オフロキサシン、ノルフロキサシン、レボフロキサシン、塩酸ロメフロキサシン、スルベニシンナトリウム、塩酸セフメノキシム、ベンジルペニシリンカリウム、硫酸ベルベリン、塩化ベルベリン、コリスチンメタスルホン酸ナトリウム、エリスロマイシン、ラクトビオン酸エリスロマイシン、キタサマイシン、スピラマイシン、硫酸フラジオマイシン、硫酸ポリミキシン、ジベカシン、アミカシン、硫酸アミカシン、アシクロビル、イオドデオキシサイチジン、イドクスウリジン、シクロサイチジン、シトシンアラビノシド、トリフルオロチミジン、ブロモデオキシウリジン、ポリビニルアルコールヨウ素、ヨウ素、アムホテリシンB、イソコナゾール、エコナゾール、クロトリマゾール、ナイスタチン、ピマリシン、フルオロシトシン、ミコナゾールなど。
糖類:グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノース、リボース、アロース、リブロース、アラビノース、キシロース、リキソース、デオキシリボース、マルトース、トレハロース、スクロース、セロビオース、グルコビオース、ビシアノース、ルチノース、ラクトース、プルラン、ラクツロース、ラフィノース、マルチトール、スタキオースなど。
多糖類:アラビアゴム、カラヤガム、キサンタンガム、キャロブガム、グアーガム、グアヤク脂、クインスシード、ダルマンガム、トラガント、ベンゾインゴム、ローカストビーンガム、カゼイン、寒天、アルギン酸、デキストリン、デキストラン、ガラギーナン、ゼラチン、コラーゲン、ペクチン、デンプン、ポリガラクツロン酸、キチン及びその誘導体、キトサン及びその誘導体、エラスチン、ヘパリン、ヘパリノイド、ヘパリン硫酸、ヘパラン硫酸、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、セラミド、ポリビニルアルコール(完全、又は部分ケン化物)、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメタアクリレート、ポリアクリル酸、カルボキシビニルポリマー、ポリエチレンイミン、リボ核酸、デオキシリボ核酸など、及びその薬学上許容される塩類など。
セルロース又はその誘導体又はそれらの塩:メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、ニトロセルロースなど。
局所麻酔成分:塩酸オキシブプロカイン、塩酸コカイン、塩酸コルネカイン、塩酸ジブカイン、塩酸テトラカイン、塩酸パラブチルアミノ安息香酸ジエチルアミノエチル、塩酸ピペロカイン、塩酸プロカイン、塩酸プロパラカイン、塩酸ヘキソチオカイン、塩酸リドカインなど。
ステロイド成分:デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、フルオロメトロン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ヒドロキシメステロン、カプロン酸ヒドロコルチゾン、カプロン酸プレドニゾロン、酢酸コルチゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、酢酸プレドニゾロン、デキサメタゾンメタスルホベンゾエートナトリウム、デキサメタゾン硫酸ナトリウム、デキサメタゾンリン酸ナトリウム、トリアムシノロンアセトニド、ベタメタゾンリン酸ナトリウム、メタスルホ安息香酸デキサメタゾンナトリウム、メチルプレドニゾロンなど。
緑内障治療成分:イソプロピルウノプロストン、エピネフリン、塩酸アプラクロニジン、塩酸カルテオロール、塩酸ジピベフリン、塩酸ドルゾラミド、塩酸ピロカルピン、塩酸ブナゾシン、塩酸ブプラノロール、塩酸ベタキソロール、塩酸ベフノロール、カルバコール、塩酸レボブノロール、ジピバル酸エピネフリン、臭化ジスチグミン、ニプラジロール、マレイン酸チモロール、ラタノプロストなど。
白内障治療成分:グルタチオン、ピレノキシン、5,12−ジヒドロアザペンタセンジスルホン酸ナトリウムなど。
生薬成分:カンゾウ、キキョウ、ウイキョウ、カミツレ、ケイヒ、葛根湯など。
これらは1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。
本発明の眼科用組成物における上記薬物の含有量は、特に制限されるものではないが、本発明の効果を損なわない場合に限られる。通常、組成物全量に対して、0.0001〜10W/V%であり、好ましくは0.0005〜5W/V%であり、より好ましくは0.001〜4W/V%である。
(10)製造方法
本発明の眼科用組成物は、常法に基づき製造することができる。好ましい製造方法は、例えば、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60やポリソルベート80、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ステアリン酸ポリオキシル40などの非イオン性界面活性剤と緩衝剤を水に溶解し、その後、よく撹拌しながらプラノプロフェン、塩化リゾチームを加え、金属封鎖剤、抗酸化剤、トロメタモールなどを加えて溶解し、さらに必要に応じて各種薬物、水溶性高分子、等張化剤などを加えて溶解後、塩酸又は水酸化ナトリウム水溶液などでpHを調整し、精製水を加えて全量を目的の量とし、本発明の眼科用組成物とすることができる。
また、例えば、ビタミンA類とトコフェロール類などの脂溶性抗酸化剤を配合する場合は、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60やポリソルベート80、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ステアリン酸ポリオキシル40などの非イオン性界面活性剤と混合し、ついで水に添加して可溶化する。その後、緩衝剤を溶解し、プラノプロフェンをよく撹拌しながら加えて溶解し、塩化リゾチームを加え、金属封鎖剤、抗酸化剤、トロメタモールなどを加えて溶解し、さらに必要に応じて各種薬物、水溶性高分子、等張化剤などを加えて溶解後、塩酸又は水酸化ナトリウム水溶液などでpHを調整し、精製水を加えて全量を目的の量とし、本発明の眼科用組成物とすることができる。
(11)容器
眼科用組成物を充填する容器の材質としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレンが好ましい。ポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。ポリエチレンテレフタレートとしては、容器として成形可能なものであればよく、グレードなどは、特に問わない。具体的には、日本ユニペット株式会社製RT543などが挙げられる。
眼科用組成物を充填する容器は、415nm以下の波長を遮断する容器が好ましい。415nm以下の波長を遮断する方法としては、例えば、顔料をプラスチックなどの容器材質とよく練合することなどが挙げられる。顔料としては例えば、チヌビン、アントラキノン系黄色染料、モノアゾ系黄色染料、シアニンブルー、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化チタンなどが挙げられる。顔料は、通常容器材質に対して0.1〜10W/W%配合することができるが、本発明では必ずしもこの限りではない。また、415nm以下の波長を遮断するフィルムを容器に巻きつけてもよい。
本発明の眼科用組成物を容器に充填するときは、滅菌フィルターなどを用い無菌的に充填することが好ましい。充填する容器は、充填した眼科用組成物がなくなるまでキャップを開け閉めして何度でも使えるタイプでもよく、一度開けたら使い切るタイプ(ユニットドーズタイプ)でも良い。また、何度でも使えるタイプの場合、内容物の排出口に微細孔フィルターがあり、細菌や異物が容器内に入らないようなものでも良い。これら容器も充填するときは無菌であることが好ましい。
(12)包装体
包装体としては、特に酸素非透過性のものが好ましく、例えばアルミ箔、アルミニウムを蒸着したポリビニルアルコール系、ポリアミド系、ポリ塩化ビニリデンコートなどの単体又は複合フィルムが挙げられるが、これらに限定されるものではない。特に長期安定化には、酸素透過係数が10mL/m2/24hr/atm以下(すなわち、0〜10mL/m2/24hr/atm)(JIS−K7126プラスチックフィルム及びシートの気体透過度試験方法B法、試験条件:23℃、90%RH)の酸素非透過性包装体が望ましい。具体的な包装体素材の例を以下に列記するが、これに限定されるものではない。
ポリエチレンテレフタレート/ポリ塩化ビニリデン/ポリエチレン/エチレンビニルアセテート複合フィルム、
ポリエチレンテレフタレート/シリカ/ポリエチレン/エチレンビニルアセテート複合フィルム、
ポリエチレンテレフタレート/酸化アルミニウム/ポリエチレン/エチレンビニルアセテート複合フィルム、
ナイロン/シリカ/ポリエチレン/エチレンビニルアセテート複合フィルム、
ポリエチレンテレフタレート/シリカ/エクストルジョンコートポリエチレン/リニアローデンシティポリエチレン複合フィルム、
ポリエチレンテレフタレート/酸化アルミニウム/エクストルジョンコートポリエチレン/リニアローデンシティポリエチレン複合フィルム、
ナイロン/シリカ/エクストルジョンコートポリエチレン/リニアローデンシティポリエチレン複合フィルム、
アルミ箔、
アルミニウムを蒸着したポリビニルアルコール、
ポリアミド及び
ポリ塩化ビニリデンコート。
容器と包装体の間(インナースペース)に不活性ガスが充填されていることが好ましい。不活性ガスとしては、例えば窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴンなどのガスが挙げられ、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
インナースペースの不活性ガス濃度は、50V/V%以上とすることが好ましく、より好ましくは75V/V%以上、特に好ましくは90V/V%である。
本発明の眼科用組成物は、その効果から、「なみだ目」用として使用することが好ましい。
本発明の眼科用組成物は、特定の形態に限定されず、目的に応じて液剤、半固型剤(軟膏剤など)として使用することができる。これらの製剤は常法により調製して得られ、その際、上述の成分に加えてその製剤に応じた慣用の添加剤を使用することができる。液剤としては、均一溶液であっても懸濁液であっても、混合又は溶解して使用する組成物であっても良い。具体的には、点眼剤(コンタクトレンズ装用中に点眼可能な点眼剤を含む)、洗眼剤(コンタクトレンズ装用中に洗眼可能な洗眼剤を含む)が挙げられ、点眼剤が好ましい。
また、本発明のなみだ目改善剤は、上記プラノプロフェン、リゾチーム及び/又はその塩、及び必要により上述した成分を配合し、上述した製造方法により得ることができる。
また、本発明には塩化ベンザルコニウム、ソルビン酸及び/又はその塩、パラオキシ安息香酸エステル、クロロブタノールを含有しないことから、コンタクトレンズ用として使用することができる。コンタクトレンズとしては、ハードコンタクトレンズ、ソフトコンタクトレンズを含むあらゆるコンタクトレンズ用として使用できるが、特に酸素透過性ハードコンタクトレンズ又はソフトコンタクトレンズ用として使用することが好ましい。
以下に実施例及び比較例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[実施例1〜6、比較例1〜5]
「なみだ目」改善効果
表1及び2に示す眼科用組成物(点眼剤)を常法にしたがって製造し、ろ過してポリエチレンテレフタレート容器に充填した。得られた各製剤について、「なみだ目」を自覚する成人男性6名をパネラーとし、1日6回、7日間点眼後の「なみだ目」の改善程度を下記評価基準に従い、主訴により評価した。結果はパネラー6名中、最も多い評価を示す。最も多い評価が複数の場合は、一番高い評価点を示す。
<「なみだ目」改善の評価基準>
0:全く改善しない
1:少し改善した
2:改善した
3:よく改善した
4:非常によく改善した
Figure 0005499535
Figure 0005499535
注)pH調整剤にて、pHを7.5に調整した後、精製水を加えて全量を目的の量とした。
プラノプロフェンと塩化リゾチームを含有し、塩化ベンザルコニウムを含有しないことにより、「なみだ目」改善効果が増強される。また、比較例3及び比較例4では塩化ベンザルコニウムの効果阻害により充分な「なみだ目」改善効果が得られない。
[実施例7,8]
防腐効果
表3に示す組成に対して、第15改正日本薬局方・参考情報の保存効力試験法を参考にして実施した。被検菌株は以下に示す細菌及び真菌の5種を用いて各実施例及び比較例の試料1mLあたり1×105〜1×106個になるように加え、25℃に静置し、14日後及び28日後に菌を接種した溶液1mLのそれぞれを培養した後、生菌数を測定し、接種菌数に対する生存率を算出した。
細菌
Pseudomonas aeruginosa ATCC9027
Escherichia coli ATCC 8739
Staphylococcus aureus ATCC6538
真菌
Candida albicans ATCC10231
Aspergillus niger ATCC16404
防腐効力の判定基準は、14日後の生存率が細菌では接種菌数の0.1%以下、真菌では接種菌数の同レベルもしくはそれ以下、28日後の生存率が細菌では14日後のレベルと同等もしくはそれ以下、真菌では接種菌数の同レベルもしくはそれ以下となることである。この判定基準を全て満たしたものを○、一つでも満たさないものは×とした。
なお、培養は細菌に対してはSCDLP寒天培地(Soybean Casein Digest Agar with Lercthin & Polysorbate 80)(日本製薬(株)製)、真菌にはGPLP寒天培地(Glucose Peptone Agar with Lercthin & Polysorbate 80)(日本製薬(株)製)の各種培地を使用した。
Figure 0005499535
注)pH調整剤にて、pHを7.5に調整した後、精製水を加えて全量を目的の量とした。
[実施例9〜11、比較例6,7]
刺激感の緩和効果
表4に示す眼科用組成物(点眼剤)を常法にしたがって製造し、ろ過してポリエチレンテレフタレート容器に充填した。成人男性10名をパネラーとし、点眼後の刺激感を下記評価基準により評価した。結果はパネラー10名中、最も多い評価を示す。最も多い評価が複数の場合は、一番高い評価点を示す。
<眼刺激の評価基準>
0:全く刺激感がない
1:ほとんど刺激感がない
2:どちらともいえない
3:刺激感がわずかに感じられた
4:刺激感が感じられた
5:刺激感がかなり感じられた
6:刺激感が非常に強く感じられた
Figure 0005499535
注)pH調整剤にて、pHを7.5に調整した後、精製水を加えて全量を目的の量とした。
[実施例12,13]
プラノプロフェン0.05g、塩化リゾチーム0.5g、ホウ酸1.0g、ホウ砂0.1g、EDTAナトリウム0.1g、ポリソルベート80を0.1g精製水に溶解し、pH調整剤でpH7.5にして精製水で全量100mLとして試験液を調製した。試験液をポリエチレンテレフタレート製の容器に充填し、ポリエチレンを主材料とする複合フィルムの包装体で被覆し、窒素ガスをノズルから噴射しながらヒートシールして密封した(実施例12)。また、窒素ガスを噴射せずにヒートシールして密封した(実施例13)。これを遮光して50℃で2ヶ月間保存した。保存前後のプラノプロフェン濃度をHPLCにより測定し、保存前プラノプロフェン濃度に対する保存後のプラノプロフェン濃度の百分率を残存率(%)として算出し、下記評価基準により安定性を評価した。また、包装体への窒素ガス置換率は、酸素濃度計により包装体内の酸素濃度を測定し、下記の式により算出した。表5にその結果を示した。
窒素置換率(%)={(20.7−酸素濃度測定値)/20.7}×100
<安定性の評価基準>
判定 :残存率
+++:98〜100%
++ :95〜98%未満
+ :90〜95%未満
± :85〜90%未満
− :85%未満
Figure 0005499535
[実施例14,15]
プラノプロフェン0.05g、塩化リゾチーム0.5g、ホウ酸1.0g、ホウ砂0.1g、EDTAナトリウム0.001g、ポリソルベート80を0.1gを精製水に溶解し、pH調整剤でpH7.5にして精製水で全量100mLとして試験液を調製した。この試験液を表6に示すように遮断する波長の異なる2種類の容器に充填し、白色蛍光灯(2000Lx)を用い、点眼剤が蛍光灯に効率よく照射されるように容器を横に倒して1週間光照射した。光照射前後のプラノプロフェン濃度をHPLCにより測定し、光照射前プラノプロフェン濃度に対する光照射後のプラノプロフェン濃度の百分率を残存率(%)として算出し、下記評価基準により安定性を評価した。表6に結果を示した。
なお、容器の遮断波長の測定は、容器側面の湾曲などのない部分を切り取り、約1cm×約3cmのプレートを作成し、分光光度計を用い700〜190nmを測定した。透過率0.1%未満を遮断波長とした。
<安定性の評価基準>
判定 :残存率
+++:98〜100%
++ :95〜98%未満
+ :90〜95%未満
± :85〜90%未満
− :85%未満
Figure 0005499535

Claims (6)

  1. プラノプロフェンとリゾチーム及び/又はその塩とを、プラノプロフェン1質量部に対してリゾチーム及び/又はその塩6〜100質量部の割合で含有し、かつ塩化ベンザルコニウム、ソルビン酸及び/又はその塩、パラオキシ安息香酸エステル、ならびにクロロブタノールのいずれも含有しないことを特徴とする眼科用組成物。
  2. プラノプロフェンの含有量が、0.0005〜2W/V%であり、リゾチーム及び/又はその塩の含有量が、0.001〜2g(力価)/100mLである請求項1記載の眼科用組成物。
  3. さらに、ホウ酸、ホウ砂、トロメタモール、ならびにエチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)及びその塩からなる群より選ばれる1種又は2種以上を含有する請求項1又は2に記載の眼科用組成物。
  4. さらに、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)及びその塩、非イオン性界面活性剤、トコフェロール、酢酸トコフェロール、コハク酸トコフェロール、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ビタミンC、ヒドロキノン、システイン及びグルタチオンならびにビタミンA及びテルペノイドから選ばれる1種又は2種以上を含有する請求項1又は2に記載の眼科用組成物。
  5. なみだ目用である請求項1〜4のいずれか1項に記載の眼科用組成物。
  6. プラノプロフェンとリゾチーム及び/又はその塩とを、プラノプロフェン1質量部に対してリゾチーム及び/又はその塩6〜100質量部の割合で含有し、かつ塩化ベンザルコニウム、ソルビン酸及び/又はその塩、パラオキシ安息香酸エステル、ならびにクロロブタノールのいずれも含有しないなみだ目改善剤。
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