JP4718160B2 - 眼科用組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、長期間、同一容器から繰返して使用されるマルチドーズタイプの眼科用組成物に関し、さらに詳しくは、二次的に悪影響を及ぼしうる防腐成分を含有せず、しかも安全性の高い眼科用組成物に関する。
点眼薬等の眼科用剤は無菌状態で調製されるが、その無菌状態を維持するために防腐剤が配合されている。一般的に、防腐剤として、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウムなどの第四級アンモニウム型カチオン界面活性剤、グルコン酸クロルヘキシジンなどのその他カチオン界面活性剤、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチルなどのパラベン類等が使用されている。これらは、角膜上皮等のバリア機能も正常に機能している健康な状態の眼組織に適正な回数で投与された場合、適用部位に及ぼす影響は特に問題とならないが、短期間に頻回投与されると問題を起こし得る。例えば、角膜表面に傷がある人やドライアイ症状等の涙液の少ない人に点眼した場合、角膜上皮傷害などの副作用例が報告されている(非特許文献1、非特許文献2)。
特にアレルギー疾患の患者では、アレルギー反応による眼をこするなどの物理的な力により角膜や結膜が傷害を受けていることが多く、アレルギー用眼科用剤を頻回または長期にわたり使用することが多く、問題となっている。例えば、このような塩化ベンザルコニウムによる副作用の軽減を図るため、微量(0.001〜0.005重量%)の塩化ベンザルコニウムにホウ酸イオンを加えることにより抗菌性を保った点眼剤組成物が知られている(特許文献1)。
一方、抗アレルギー用点眼剤などの点眼剤には、充血除去剤、抗ヒスタミン剤、抗炎症剤やアミノ酸類などの各種薬理活性を有する成分やこれらを可溶化するための界面活性剤が配合されている。
しかしながら、塩化ベンザルコニウムなどのカチオン界面活性剤やパラベン類は、非イオン界面活性剤、あるいは抗アレルギー成分、ヒアルロン酸塩、アミノ酸類等の薬理活性成分と配合した場合、製剤が混濁したり防腐剤の抗菌活性が低下する等の製剤上の問題が生じる場合があることが知られており(特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5)、安全性のみならず製剤化においても不都合な点があった。
最近では、比較的安全性が高い防腐剤として、ソルビン酸、ソルビン酸カリウムなどのソルビン酸類、アルキルポリアミノエチルグリシンが使用されているが、これらは前記カチオン界面活性剤やパラベン類と比較すると防腐力が不十分である。またソルビン酸類は、水溶液中で酸化しやすいとともに、共存成分によって分解が促進され褐変したり(特許文献6)、アルキルポリアミノエチルグリシンについても、例えばアズレン類と共存した場合、不溶性の複合体を形成し混濁し(特許文献7)、いずれも外観変化を及ぼす等、製剤化において不都合な点があった。
上記の問題を解決するために、トロメタモールが有する防腐力に着目し、防腐剤としてトロメタモールを配合した眼科用剤に関する技術(特許文献8、特許文献9、特許文献10)や、ソルビン酸等を含有する防腐組成物について、その防腐力を増強するために無水カフェインなどのカフェイン類を配合した眼科用組成物に関する技術(特許文献11)が開示されている。しかし、トロメタモールはジクロフェナクナトリウムなどの消炎剤と同時に配合することで眼刺激性を生じたり(特許文献12)、カフェイン類は例えばグリチルリチン酸塩と配合すると白濁が生じるなど、製剤化に不都合な点があった。
ところで、眼科用組成物において、テルペン類であるメントールやカンフルは清涼化剤として汎用されており、消毒有効量のテルペン化合物を含有するコンタクトレンズ消毒剤(特許文献13)も知られているが、例えばこれら化合物を高濃度で眼粘膜に適用した場合には刺激性が高く安全性において問題があった。また、刺激の少ない低濃度0.001〜0.1w/v%では、眼科用組成物として要求される保存効力を有さないことが知られている(特許文献10)。一方、ホウ酸は緩衝剤として、エデト酸類は安定化剤として点眼剤に配合されており、いずれにも弱い防腐作用があることは知られているが、両成分を配合しただけでは防腐力は十分でなかった(特許文献14、特許文献9)。
このように、眼科用剤として必要な防腐力を担保しつつ、安全性が高く、また配合禁忌の問題がなく処方設計の自由度が高い眼科用組成物の開発が強く望まれていた。
特開平10-130156号公報 特開平10-109930号公報 特開平06-263630号公報 特開平2001-114700号公報 特開平2003-2837号公報 特開2001−39922号公報 特開昭63−297322号公報 特開2003-206241号公報 特開2002-316926号公報 特開2003-252800号公報 特開2003-128585号公報 特開2003-192583号公報 特表平10−505067号公報 特開2002-80314号公報 眼科31 p43-48, 1989 眼科33 p533-538, 1991
本発明は、処方設計の自由度が高く、しかも防腐力の高い眼科用組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、テルペン類に、ホウ酸類および/またはエデト酸類を配合することにより、カチオン界面活性剤(塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、グルコン酸クロルヘキシジンなど)、パラベン類(パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチルなど)、ソルビン酸類(ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、ソルビン酸ナトリウムなど)、アルキルポリアミノエチルグリシン(塩酸アルキルジアミノエチルグリシンなど)、トロメタモール、カフェイン類(カフェイン、無水カフェインなど)などの防腐成分を配合しなくても、防腐力の高い眼科用組成物が得られることを見出し、本発明を完成した。本発明は、例えば、次の(1)〜(5)に記載の発明である。
(1)(a)抗ヒスタミン成分、抗アレルギー成分、抗炎症成分または充血除去成分よりなる群より選択される少なくとも1種、(b)テルペン類および(c)ホウ酸類および/またはエデト酸類を含有し、
カチオン界面活性剤、パラベン類、ソルビン酸またはその塩、アルキルポリアミノエチルグリシン、カフェイン類またはトロメタモールを含有しないことを特徴とする、マルチドーズ型容器に収納されている眼科用組成物。
(2)テルペン類がメントール類、メントン、カンフル類およびボルネオール類よりなる群から選択される1種以上であることを特徴とする、上記(1)に記載の眼科用組成物。
(3)テルペン類の含有量が0.001〜0.1重量%であることを特徴とする、上記(1)または(2)に記載の眼科用組成物。
(3)テルペン類の含有量が0.001〜0.1重量%であることを特徴とする、上記(1)または(2)に記載の眼科用組成物。
(4)点眼薬、洗眼薬、コンタクトレンズ装着液またはコンタクトレンズ用剤であることを特徴とする、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の眼科用組成物。
(5)ホウ酸類および/またはエデト酸類を配合することにより、テルペン類の防腐力を増強する方法。
本発明の眼科用組成物は、反復使用が必要な期間を通して微生物等による汚染を防ぐのに十分な防腐効力を有するが、ここで「十分な防腐効力」とは、開封後一定期間(例、1ヶ月程度)にわたり同一容器から反復使用する間、安全性を維持しうる程度の防腐効力を意味し、例えば「第14改正日本薬局方参考情報15.保存効力試験」に適合することで判断できる。
「マルチドーズ型容器」とは、本発明の眼科用組成物を反復使用する期間、例えば数日〜数ヶ月にわたり、同一容器からの多数回、反復使用が可能なように、開封後も携帯が可能な程度に密閉状態を復元できる容器を意味する。
本発明の眼科用組成物は、開封後一定期間反復して眼に直接または間接的に適用されるあらゆる種類の製剤、製品に適した形状で使用することができるが、液状組成物において効果が有効に発揮される。特に点眼薬、洗眼薬、コンタクトレンズ装着液またはコンタクトレンズ用剤に好適に用いることができる。
本発明の眼科用組成物に用いられるテルペン類としては、メントール類(l-メントール、dl-メントールなど)、メントン、カンフル類(d-カンフル、dl-カンフルなど)、ボルネオール類(d-ボルネオール、dl-ボルネオールなど)、ゲラニオール、シネオール、シトラール、リナロール、アネトール、リモネン、オイゲノール等が挙げられる。これらはd体、l体またはdl体のいずれでもよいが、清涼感や香りなどの官能面や安全性の面から、l-メントール、d−カンフル、dl−カンフル、d−ボルネオールおよびdl−ボルネオールを用いることが好ましい。
中でもメントール類、メントン、カンフル類、ボルネオール類、ゲラニオール、さらに好ましくはメントール類、ボルネオール類が好ましい。また、前記テルペン類は、精油に含有した状態で使用することもでき、好ましい精油は、ハッカ油、ペパーミント油、ユーカリ油、ベルガモット油、ウイキョウ油、ケイヒ油、ローズ油等である。これらのテルペン類または精油類を1種類または2種類以上組み合わせて用いることもできる。
本発明の眼科用組成物におけるテルペン類の配合量は、0.001〜0.1重量%であることが好ましい。特に好ましくは0.005〜0.1重量%である。テルペン類の配合量がこの濃度範囲より著しく高濃度に外れると、眼刺激が生じ眼科用組成物としての使用に適し難い傾向がある。また著しく低くなるとホウ酸類および/またはエデト酸類を配合しても十分な防腐効力を得難い傾向がある。
本発明の眼科用組成物に用いることができるホウ酸類としては、ホウ酸、ホウ酸のアルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩など)またはホウ酸のアルカリ土類金属塩(カルシウム塩、マグネシウム塩など)などのホウ酸塩であり、これらを組み合わせて使用することができる。なお、ホウ酸塩としては、具体的にはホウ酸ナトリウムなどが例示できる。
本発明の眼科用組成物におけるホウ酸類の含有量としては、0.01〜5%、好ましくは0.6〜3.5%、より好ましくは1.0〜3.0%である。ホウ酸類の含有量がこの濃度範囲より著しく高濃度に外れると、眼刺激性が生じ、また著しく低くなると本発明における十分な効果を奏し難い傾向がある。
本発明の眼科用組成物におけるエデト酸類とは、エデト酸またはその塩であり、水和物の形態で使用してもよく、また酸と塩を混合して使用することもできる。エデト酸の塩としては、エデト酸ナトリウム、エデト酸ニナトリウム、エデト酸四ナトリウムなどのアルカリ金属類が例示でき、水和物としてはエデト酸ニナトリウムの2水和物が例示できる。
本発明におけるエデト酸類の含有量としては、0.001〜1%、好ましくは0.005〜0.5%、より好ましくは0.005〜0.15%である。エデト酸類の配合量がこの濃度範囲より著しく高濃度に外れると、眼刺激性が生じ、また著しく低くなると本発明における十分な効果が得られ難い傾向がある。
なお、本発明の眼科用組成物においては、ホウ酸類あるいはエデト酸類をそれぞれ単独でテルペン類と組み合わせて用いてもよいが、テルペン類の防腐力を増強させるには、ホウ酸類およびエデト酸類をテルペン類と適宜組み合わせて用いることが好ましい。その結果、テルペン類の配合量を適宜低減することが可能になり、清涼感を調整してより使用感に優れた眼科用組成物を選択することができる。併用する場合、両成分の含有量は適宜設定調整することができるが、ホウ酸類1重量部に対し、エデト酸類は0.001〜0.15重量部とすることが好ましい。
本発明の防腐力増強方法によれば、(a)抗ヒスタミン成分、抗アレルギー成分、抗炎症成分または充血除去成分よりなる群より選択される少なくとも1種、および(b)テルペン類を含有し、(d)カチオン界面活性剤、パラベン類、ソルビン酸またはその塩、アルキルポリアミノエチルグリシン、カフェイン類またはトロメタモールを含有しない眼科用組成物の溶液の防腐効力を増強することから、これら組成物の防腐効力を増強するために配合されるホウ酸類および/またはエデト酸類は、テルペン類の防腐力増強剤と定義することができる。
本発明の目的に従い、本発明はまた(a)抗ヒスタミン成分、抗アレルギー成分、抗炎症成分または充血除去成分よりなる群より選択される少なくとも1種、および(b)テルペン類を含有し、(d)カチオン界面活性剤、パラベン類、ソルビン酸またはその塩、アルキルポリアミノエチルグリシン、カフェイン類またはトロメタモールを含有しない組成物に対し、(c)ホウ酸類および/またはエデト酸類を配合する工程を含む、防腐効力が増強された眼科用組成物の製造方法をも提供する。ここで、「組成物」は点眼剤等の最終製品のみならず、製剤原料として用いられる中間生成物も含む。
本発明の眼科用組成物に配合される抗ヒスタミン成分としては、クロルフェニラミン、ジフェンヒドラミン、イプロヘプチン、ケトチフェン、クレマスチン、アゼラスチン、オキサトミド、メキタジン、テルフェナジン、エメダスチン、エピナスチン、エバスチン、セチリジン、クレマスチン、レボカバスチン、オロパタジン、ロラタジン、フェキソフェナジン、セチリジン、およびこれらの薬理学的または生理学的に許容できる塩(マレイン酸クロルフェニラミン、塩酸ジフェンヒドラミン、塩酸イプロヘプチン、フマル酸ケトチフェン、フマル酸ケトチフェン、フマル酸ケトチフェン、塩酸アゼラスチン、塩酸レボカバスチン、塩酸オロパタジンなど)が例示できる。好ましくはクロルフェニラミンまたはその塩、ジフェンヒドラミンまたはその塩、中でもマレイン酸クロルフェニラミン、塩酸ジフェンヒドラミンが好ましい。
なお、クロモグリク酸、トラニラスト、アンレキサノクス、イブジラスト、ペミロラスト、およびこれらの薬理学的または生理学的に許容できる塩(クロモグリク酸ナトリウム、ペミロラストカリウムなど)などの抗アレルギー成分を配合してもよい。
これらの成分の本発明組成物中の含有量は、0.0001〜10%、好ましくは0.001〜5%である。
本発明の眼科用組成物に配合される抗炎症成分としては、イプシロンアミノカプロン酸、アラントイン、ベルベリン、アズレン類(アズレン、カマアズレン、グアイアズレンなど)、グリチルリチン酸、亜鉛類、リゾチーム、セレコキシブ、ロフェコキシブ、インドメタシン、ジクロフェナク、プラノプロフェン、ピロキシカム、メロキシカム、サリチル酸メチル、およびこれらの薬理学的または生理学的に許容される塩(例えば塩化ベルベリン、硫酸ベルベリン、アズレンスルホン酸ナトリウム、グアイアズレンスルホン酸ナトリウム、ジクロフェナクナトリウム、グリチルリチン酸ナトリウム、グリチルリチン酸二カリウム、グリチルリチン酸アンモニウム、硫酸亜鉛、乳酸亜鉛、塩化リゾチームなど)などが例示できる。好ましくはグリチルリチン酸またはその塩、アズレン類、中でもグリチルリチン酸二カリウム、アズレンスルホン酸ナトリウムが好ましい。
これらの成分の本発明組成物中の含有量は、0.0001〜10%、好ましくは0.001〜5%である。
本発明の眼科用組成物に配合される充血除去成分としては、エピネフリン、エフェドリン、フェニレフリン、メチルエフェドリン、テトラヒドロゾリン、ナファゾリン、オキシメタゾリンおよびこれらの塩などが例示でき、例えばイミダゾリン誘導体(テトラヒドロゾリン、ナファゾリン、オキシメタゾリンなど)、β-フェニルエチルアミン誘導体(フェニレフリン、エピネフリン、エフェドリン、メチルエフェドリンなど)、およびこれらの薬理学的または生理学的に許容される塩(例えば、塩酸ナファゾリン、硝酸ナファゾリン、塩酸テトラヒドロゾリン、硝酸テトラヒドロゾリン、塩酸フェニレフリン、塩酸エピネフリン、塩酸エフェドリン、塩酸メチルエフェドリンなどの無機酸塩;酒石酸水素エピネフリンなどの有機酸塩など)などが例示できる。好ましくはナファゾリンまたはその塩、テトラヒドロゾリンまたはその塩、オキシメタゾリン、中でも塩酸ナファゾリン、塩酸テトラヒドロゾリン、オキシメタゾリンなどが好ましい。
これらの成分の本発明組成物中の含有量は、0.0001〜0.5%、好ましくは0.0005〜0.3%、さらに好ましくは0.001〜0.1%である。
また、本発明の眼科用組成物は、アレルギー症状等の緩和に有効な薬理活性成分との配合禁忌がないため、特にアレルギー性眼疾患や角膜上皮における疾患等の患者に対し投与されることが好ましい。ここでアレルギー性眼疾患とは、通年性、季節性を問わず、花粉、ハウスダスト、ある特定の薬物等の外的刺激を原因とするアレルギー性眼疾患は言うまでもなく、アレルギー性疾患と診断されるまでもなく一時的に現われる眼の不快症状をも含む。またその症状としては、結膜炎、結膜充血、眼瞼炎、まぶたのただれ、目のかゆみ、目のかすみ、充血、流涙などが挙げられる。
また「角膜上皮における傷害」は、臨床上、欠損部位や病態所見等により細かく分類されるが、本明細書中では角膜上皮傷害と診断される疾患はもとより、コンタクトレンズの装用、一時的に角膜表面に生じた傷、眼の乾燥、紫外線やX線等の光線の曝露など、様々な外的要因により角膜上皮のバリアー機能が損なわれることで生じる眼の不快症状を包含する。またこれに伴って現れる自覚症状としては、眼の不快感、眼の乾き、眼の痒みなどが挙げられる。
本発明の眼科用組成物は、眼部に反復使用する期間を通して眼科的に必要とされる防腐効力を有し、かつ通常の防腐剤に起因する眼刺激が低いことから、広範囲な用途に適合する。例えば、医薬品、医薬部外品、香粧品、日用品(雑貨)等種々の用途に適用可能であるが、中でも液状の眼科用薬(点眼薬(コンタクトレンズ(CL)装用中にも使用できる点眼薬を含む、点眼剤ともいう)、洗眼薬(コンタクトレンズ(CL)装用中にも使用できるCL用洗眼薬を含む、洗眼剤ともいう)、コンタクトレンズ装着液、コンタクトレンズ用剤(洗浄液、保存液、すすぎ液、溶解液、殺菌液、マルチパーパスソリューションなど)として適している。
特に、点眼薬、洗眼薬であることが好ましい。
本発明の眼科用組成物の使用方法および用量は、使用者の症状、組成物に含まれる有効性成分や製剤の形態に応じて適宜選択することができる。例えば点眼薬の場合、通常、1回につき1〜3滴程度を一日あたり1〜6回程度点眼することにより、また、洗眼薬の場合、通常、1回に5〜10mL程度を用い、一日あたり1〜6回程度洗眼することにより、使用する。またコンタクトレンズ装着液の場合、通常コンタクトレンズの装着時にコンタクトレンズの両面を1〜2滴でぬらした後、そのまま、あるいは一度水洗いしてからレンズ内面に1滴つけて装着する。また、コンタクトレンズ用剤の場合、レンズの種類によって異なるが、例えば洗浄剤として使用する場合は、適量をレンズ両面に滴下しこすり洗いを行ったり、適量をレンズケースに移しそこにレンズを浸漬させて漬け置き洗いを行う。また保存・すすぎ液として使用する場合は、適量でレンズ両面をすすいだり、適量をレンズケース等に移しそこにレンズを浸漬保存したりして使用する。
通常、眼科用組成物はユニットドーズ型容器あるいはマルチドーズ型容器に収納して使用される。ユニットドーズ型容器に収納される場合、開封後一度で使い切ることを前提に防腐剤を非配合とすることも可能であるが、そのように作製したユニットドーズ型製剤は一般に長期間の使用において高価であり、保管時にかさばるなどの問題もある。
これに対し、上記のように構成された本発明の眼科用組成物は、後述するように、同一容器から一定期間反復して使用する場合においても、反復使用が必要な期間を通して微生物等による汚染を防ぐに十分な防腐効力を有していることから、マルチドーズ型容器に収納して使用することができ、マルチドーズ型製剤として好適に使用できる。
本発明の眼科用組成物は、使用される態様に応じて、長期間の反復使用に適したマルチドーズ型容器に収納されていることが好ましい。マルチドーズ型容器の内容積は製剤ごとに適宜選択され、例えば眼科用組成物が点眼薬、CL装着液である場合、内容積は6mL〜50mL程度、洗眼剤、コンタクトレンズ用剤である場合、50〜1000mL程度である。内容積とは容器内部を全て液で満たした満容量を指す。よって、容器への製剤の充填量(表示量)は満容量より少ない。
容器は、容器本体、中栓、キャップなどの複数の部材で構成されてもよい。容器本体は例えば中空成形された液体収納部の上部にネック部を有しており、このネック部の頂部には開口部が形成されているものが操作性の面から好ましい。また内容液を適量注出するために、容器本体の開口部に中栓が嵌合され、さらに前記中栓流出口からの内容液の漏出を抑制するため、開口部全体をキャップで覆っていることが好ましい。
容器本体の材質は、特に限定されないが、使用性の観点から、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリアリレート、エチレン・ビニルアルコール共重合体などの硬質の合成樹脂や、ポリプロピレン、ポリエチレンなどの軟質の合成樹脂を利用するのが一般的である。特に、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリアリレート(具体的には、ユニチカ社製 Uポリマー(商標)など)などの硬質の合成樹脂、またはそれらの内2種以上の共重合体、ブレンド体、複合体、積層体などが好ましい。それらは、ブロー成形、インジェクション成形、インジェクションブロー成形などにより製造される。一方で、ポリエチレンなどの軟質の合成樹脂は、やわらかいためスクイズ性が良好であり、操作しやすいが、一方でテルペン類が吸着しやすく、経時的にテルペン類の含量が減少し、防腐力が低下する。従って、これらの材質の容器を使用する場合は、この吸着を抑制する技術を併せて利用する必要があるため、硬質の合成樹脂を利用することが好ましい。
また、中栓はポリエチレンなどの軟質の合成樹脂やポリエチレンテレフタレートなどの硬質の合成樹脂が使用できるが、生産性、密閉性、コストを考慮するとポリエチレンなどの軟質の合成樹脂がより好ましい。また中栓の吐出口の内径は異物の混入を避けるため、使用に支障をきたさない範囲で小さいことが好ましく、具体的には3mm以下が好ましく、さらに好ましくは2mm以下、特に好ましくは1mm以下である。またさらに孔径0.2μmのフィルター等をノズル内部に設置したり、ノズル吐出口を覆う等、異物が混入しないような機能を付与してもよい。異物が容器内に混入し、内容液が二次汚染されないような機能を付与してもよい。またこの場合、前記フィルター上での菌の増殖を抑制する目的で本発明の眼科用組成物を用いてもよい。
キャップは、ポリエチレンなどの軟質の合成樹脂やポリエチレンテレフタレート、ポリスチレンなどの硬質の合成樹脂が使用できるが、前述のようにテルペン類の吸着が少ない硬質の合成樹脂を用いることがより好ましい。
本発明の眼科用組成物は、高い防腐効力を有すると同時に安全性が高く、配合禁忌成分の問題が無いため、種々の活性成分または薬効成分を同時に配合することができる。従って、処方設計の自由度が高く、特にアレルギー性眼疾患あるいは角膜傷害の症状を解消する目的で広範に利用することができる。
本発明の眼科用組成物は、本発明の効果を妨げない限り、上記の成分に加えて、各種用途に応じて、種々の活性成分または薬効成分(薬理活性成分や生理活性成分を含む)を組み合わせて含有していてもよい。このような成分の種類は特に制限されないが、具体的には以下のものが例示できる。
眼筋調節薬成分:アセチルコリンと類似した活性中心を有するコリンエステラーゼ阻害剤、例えば、メチル硫酸ネオスチグミン等の第4級アンモニウム化合物およびそれらの塩等。
ビタミン類:例えば、ビタミンA類(例えば、レチナール、レチノール、レチノイン酸、カロチン、デヒドロレチナール、リコピンおよびその薬理学的に許容される塩類(例えば、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール等))等、ビタミンB類(例えば、チアミン、チアミンジスルフィド、ジセチアミン、オクトチアミン、シコチアミン、ビスイブチアミン、ビスベンチアミン、プロスルチアミン、ベンフォチアミン、フルスルチアミン、リボフラビン、フラビンアデニンジヌクレオチド、ピリドキシン、ピリドキサール、ヒドロキソコバラミン、シアノコバラミン、メチルコバラミン、デオキシアデノコバラミン、葉酸、テトラヒドロ葉酸、ジヒドロ葉酸、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、ニコチニックアルコール、パントテン酸、パンテノール、ビオチン、コリン、イノシトールおよびその薬理学的に許容されるこれらの塩類(例えば、塩酸チアミン、硝酸チアミン、塩酸ジセチアミン、塩酸フルスルチアミン、酪酸リボフラビン、フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム、塩酸ピリドキシン、リン酸ピリドキサール、リン酸ピリドキサールカルシウム、塩酸ヒドロキソコバラミン、酢酸ヒドロキソコバラミン、パントテン酸カルシウム、パントテン酸ナトリウム等))等、ビタミンC類(アスコルビン酸およびその誘導体、エリソルビン酸およびその誘導体およびその薬理学的に許容される塩類(例えば、アスコルビン酸ナトリウム、エリソルビン酸ナトリウム等)等、ビタミンD類(例えば、エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール、ヒドロキシコレカルシフェロール、ジヒドロキシコレカルシフェロール、ジヒドロタキステロールおよびその薬理学的に許容される塩類等)等、ビタミンE類(例えば、トコフェロールおよびその誘導体、ユビキノン誘導体およびその薬理学的に許容される塩類(酢酸トコフェロール、ニコチン酸トコフェロール、コハク酸トコフェロール、コハク酸トコフェロールカルシウム等))等、その他のビタミン類(例えば、カルニチン、フェルラ酸、γ−オリザノール、オロチン酸、シアノコバラミン、ルチン、エリオシトリン、ヘスペリジンおよびその薬理学的に許容される塩類(塩化カルニチン等)等。
アミノ酸類:例えば、ロイシン、イソイロイシン、バリン、メチオニン、トレオニン、アラニン、フェニルアラニン、トリプトファン、リジン、グリシン、アスパラギン、アスパラギン酸、セリン、グルタミン、グルタミン酸、プロリン、チロシン、システイン、ヒスチジン、オルニチン、ヒドロキシプロリン、ヒドロキシリジン、グリシルグリシン、アミノエチルスルホン酸(タウリン)およびその薬理学的に許容される塩類(例えばアスパラギン酸カリウム、アスパラギン酸マグネシウム、塩酸システイン等)等。
糖類:単糖類(例えば、グルコース等)、二糖類(例えば、トレハロース、ラクトース、フルクトース等)、オリゴ糖類(例えば、ラクツロース、ラフィノース、プルラン等)、セルロースまたはその誘導体(例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、ニトロセルロース等)、高分子糖類(例えば、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸)およびその薬理学的に許容される塩類(例えば、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム等))、糖アルコール類(例えば、マンニトール、キシリトール、ソルビトール等)、鎮痒成分(クロタミトン、イクタモール、モクタモールまたはチモール酸等)等。
その他の成分:ポリビニルアルコール(完全または部分ケン化物)、ポリビニルピロリドン等。
これらの成分の含有量は、製剤の種類、活性成分の種類等に応じて選択でき、例えば、製剤全体に対して0.0001〜30%、好ましくは、0.001〜10%程度の範囲から選択できる。より具体的には,本発明の眼科用組成物中に各成分を以下に例示する量で含有させることができる。
眼筋調節薬成分:例えば、0.0001〜0.5%、好ましくは0.0002〜0.1%。
ビタミン類:例えば、0.0001〜1%、好ましくは、0.001〜0.3%。
アミノ酸類:例えば、0.0001〜10%、好ましくは0.001〜3%。
本発明の眼科用組成物は、必要に応じ、本発明の効果を損なわない範囲で、医薬品、医薬部外品等に使用される様々な成分や添加物を任意に選択、併用して製剤化することが可能である。以下に具体例を挙げるが、これに限定されるものではない。
糖類:例えば、グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノース、リボース、リブロース、アラビノース、キシロース、リキソース、デオキシリボース、マルトース、トレハロース、スクロース、セロビオース、ラクトース、プルラン、ラクツロース、ラフィノース、マルチトール等、およびその薬理学的に許容される塩類等。
増粘剤:例えば、アラビアゴム、カラヤガム、キサンタンガム、キャロブガム、グアーガム、グアヤク脂、クインスシード、ダルマンガム、トラガント、ベンゾインゴム、ローカストビーンガム、カゼイン、寒天、アルギン酸、デキストリン、デキストラン、カラギーナン、ゼラチン、コラーゲン、ペクチン、デンプン、ポリガラクツロン酸、キチンおよびその誘導体、キトサンおよびその誘導体、エラスチン、ヘパリン、ヘパリノイド、ヘパリン硫酸、ヘパラン硫酸、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、セラミド、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、セルロース、ニトロセルロース、ポリビニルアルコール(完全、または部分ケン化物)、ポリビニルピロリドン、マクロゴール、ポリビニルメタアクリレート、ポリアクリル酸、カルボキシビニルポリマー、ポリエチレンイミン、リボ核酸、デオキシリボ核酸、カルボキシビニルポリマー等、およびその薬理学的に許容される塩類等。
界面活性剤:例えば、ポリオキシエチレン(以下、POEと略す)−ポリオキシプロピレン(以下、POPと略す)ブロックコポリマー(例えば、ポロクサマー407、ポロクサマー235、ポロクサマー188など)、エチレンジアミンのPOE−POPブロックコポリマー付加物(例えば、ポロキサミン)、モノラウリル酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート20)、モノオレイン酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート80)、ポリソルベート60などのPOEソルビタン脂肪酸エステル類、POE(60)硬化ヒマシ油などのPOE硬化ヒマシ油、POE(9)ラウリルエーテルなどのPOEアルキルエーテル類、POE(20)POP(4)セチルエーテルなどのPOE・POPアルキルエーテル類、POE(10)ノニルフェニルエーテルなどのPOEアルキルフェニルエーテル類、ステアリン酸ポリオキシルなどの非イオン性界面活性剤;アルキルジアミノエチルグリシンなどのグリシン型、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタインなどの酢酸ベタイン型、イミダゾリン型などの両性界面活性剤;アルキルエーテルカルボン酸塩、テトラデセンスルホン酸ナトリウムなどのスルホン酸塩、ラウリル硫酸ナトリウムなどのアルキル硫酸塩、N−ココイルメチルタウリンナトリウムなどのN−アシルタウリン塩、POE(10)ラウリルエーテルリン酸ナトリウムなどのPOEアルキルエーテルリン酸およびその塩、ラウロイルメチルアラニンナトリウムなどのN−アシルアミノ酸塩、POE(3)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム等のPOEアルキルエーテル硫酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩などの陰イオン界面活性剤等。なお、括弧内の数字は付加モル数を示す。
pH調整剤:例えば、塩酸、硫酸、乳酸、酢酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、シュウ酸、グルコン酸、フマル酸、プロピオン酸、酢酸、アスパラギン酸、イプシロンアミノカプロン酸、グルタミン酸、アミノエチルスルホン酸、リン酸、ポリリン酸、ホウ酸、グルコノラクトン、酢酸アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、リジン、ホウ砂等、およびその薬理学的に許容される塩類等。
等張化剤:例えば、グリセリン、プロピレングリコール等の多価アルコール、ブトウ糖,マンニトール,ソルビトール等の糖類等。
キレート剤:例えば、クエン酸、ポリリン酸、ヘキサメタリン酸、メタリン酸、アスコルビン酸、コハク酸、トリヒドロキシメチルアミノメタン、ニトリロトリ酢酸、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸等、およびその薬理学的に許容される塩類等。
水溶性高分子物質:例えば、ゼラチン、ポリアクリル酸およびその塩類、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、メチルビニルエーテル・無水マレイン酸共重合体、アルギン酸類(アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム等)、ポリエチレンオキサイド、アラビアゴム、キサンタンガム、トラガントガム等。
多価アルコール:例えば、グリセリン、ソルビトール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、エチレングリコール等。
架橋剤:例えば、水酸化アルミニウム、水酸化アルミニウムマグネシウム、アルミニウムグリシネート、ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテート、合皮ヒドロタルサイト等の多価金属化合物等。
膨張剤:例えば、カオリン、ベントナイト、酸化チタン、無水ケイ酸等。
無機塩類:例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム、チオ硫酸ナトリウム、酢酸ナトリウム等。
さらに、必要に応じて局所麻酔剤または無痛化剤(例えば、クロロブタノール、リドカイン、塩酸リドカイン、塩酸オキシブプロカイン等)等を加えることができる。
本発明の眼科用組成物は必要に応じて、生体に許容される範囲内のpHおよび/または浸透圧に調節される。許容されるpHは、通常pH4.0〜9.0、好ましくは4.5〜8.5、特に好ましくは4.5〜8.0である。浸透圧は、100〜1200mOsm、好ましくは100〜600mOsm、特に好ましくは150〜400mOsm程度であり、生理食塩液に対する浸透圧比は、通常、0.3〜4.2、好ましくは0.3〜2.1、特に好ましくは0.5〜1.4程度である。pHや浸透圧の調節は、既述のpH調整剤、等張化剤、塩類等を用いて、当該技術分野で既知の方法で行うことができる。
本発明の眼科用組成物は、水性または非水性の希釈剤等を用いて公知の方法により製造できる。例えば、水性の溶液剤または懸濁剤用希釈剤としては、蒸留水、生理食塩水等が挙げられる。非水性の溶液剤または懸濁剤用希釈剤としては、植物油、流動パラフィン、鉱物油、プロピレングリコール、p−オクチルドデカノール等が挙げられる。
点眼剤や洗眼剤は、蒸留水または精製水等の適当な希釈剤中で、任意の添加物を混合して、上記の浸透圧およびpHに調整し、無菌環境下、ろ過滅菌処理し、洗浄滅菌済みの容器に無菌充填することにより製造できる。
試験例1
(1)安定性試験
試験方法:下記表1〜4に示す比較例1〜13、実施例1〜12の各組成の組成物(点眼薬)を調製し、必要に応じてpH、浸透圧を調整後、4℃で1日保存後における沈殿・白濁等の外観変化の有無を目視で評価した。
評価基準は、−:外観変化なし、+:かすかに変色または白濁している、++:変色または白濁している、である。結果を下記表1〜4に示す。次いで、製造直後の外観変化が無い(評価:−)組成物に関しては、褐色アンプル管に充填し、50℃の条件下で1ヶ月間の安定性試験を行った。製造直後と同様に外観変化の有無を目視で評価した。その結果を表1に示す。
上記安定性試験で外観変化を認めなかった組成物を以下の保存効力試験および点眼試験に供した。
(2)保存効力試験
試験方法:製造直後の安定性試験で外観変化が生じなかった組成物(比較例1〜5、9、10,12、実施例1〜12)を第14改正日本薬局方 参考情報 15.保存効力試験法に準じて試験を行った。
被検菌株:
細菌)Escherichia coli ATCC 8739
Pseudomonas aeruginosa ATCC 9027
Staphylococcus aureus ATCC 6538
真菌)Candida albicans ATCC 10231
Aspergillus niger ATCC 16404
カンテン平板培養を利用して行った上記接種菌を、表1〜3に記載の比較例および実施例の組成物1mLあたり105〜106個の生菌数になるように接種、混合し、23℃で保管し、14日目に生菌数を測定し下記式に従って生存率を求めた。
得られた生菌数に関して、日本薬局方保存効力試験 カテゴリーIAの製剤の基準に従って、判定を行った。適:判定基準適合、不適:判定基準不適合
なお、試験した菌種のうち、E.coliについては得られた生存率を表中に記載した。
生存率(%)=(2週間後の菌数/初期菌数)×100
(3)点眼試験
試験方法:点眼試験は表1〜4に記載の比較例1〜5、9、10、12、実施例1〜12の各組成の点眼薬(組成物)を調製し、マルチドーズ型容器(容量:15ml、容器本体:ポリエチレンテレフタレート、ノズル:ポリエチレン、キャップ:ポリスチレン)に収納した。これを眼のアレルギー症状を有するモニター6名における点眼試験に供した。試験は各モニターがそれぞれの組成物を1回2滴、1日5回点眼し、点眼後に感じた痒みの改善の程度を評価したものを、下記の基準に従って表中に記載した。
◎:「改善された」が80%以上
○:「改善された」が55%以上80%未満
△:「改善された」が20%以上55%未満
×:「改善された」が20%未満
Figure 0004718160
Figure 0004718160
Figure 0004718160
Figure 0004718160
表1〜4に記載の試験結果は、防腐成分として塩化ベンザルコニウムを配合した比較例6、13、防腐成分としてトロメタモール、無水カフェイン、塩酸アルキルジアミノエチルグリシンをそれぞれ配合した比較例7、8、11の場合、共存する成分との相互作用により4℃1日保存後に外観変化が生じることを示している。また、防腐成分としてソルビン酸カリウムを配合した比較例12の場合、製造直後には着色していないが、経時的に着色が見られた。
一方、防腐成分としてテルペン類(1−メントール、d−カンフル、d−ボルネオール)、エデト酸ナトリウム、ホウ酸・ホウ砂、パラベン類を単独で、または本発明の組合せと異なる組合せで配合した比較例1〜5、9、10の場合、日本薬局方に適合する保存効力が得られなかった。
以上から、比較例の組成物はいずれも眼科用の製品に要求される品質(保存効力、外観)を満足するものではないことが明らかである。
これに対して、テルペン類およびホウ酸類、またはテルペン類およびエデト酸類を配合した実施例1〜12においては、日本薬局方に適合する保存効力が得られ、安定性、溶解性に関しても問題が無いことが確認された。
試験例2
(1)保存効力試験
試験方法:下記の表5に示す実施例13〜16の組成物(点眼薬)を調製し、必要に応じてpH、浸透圧を調整後、第14改正日本薬局方 参考情報 15.保存効力試験法に準じて試験例1と同様にして保存効力試験を行った。
Figure 0004718160
表5に記載の試験結果は、メントールにホウ酸、ホウ砂およびエデト酸ナトリウムを配合することで、メントールを減量しても眼科用組成物として必要なまで、保存効力が高められたことを示している。
試験例3
(1)保存効力試験
試験方法:下記の表6に示す実施例17、比較例14の組成物(点眼薬)を調製し、必要に応じてpH、浸透圧を調整後、第14改正日本薬局方 参考情報 15.保存効力試験法に準じて試験例1と同様にして保存効力試験を行った。結果を表6に示す。
(2)細胞毒性試験
試験方法:(1)の保存効力試験に用いた実施例17、比較例14の組成物(点眼薬)を試験薬液として、各試験薬液の細胞毒性を評価するため、コルネパックキット(クラボウ株式会社製)に添付されているウサギ角膜上皮細胞を用いたニュートラルレッドアッセイ法に準じて試験を行った。
ウサギ角膜上皮細胞の懸濁液を96穴マイクロプレートの各ウエルに100μlづつ2500cells/wellで播種し、3日間、COインキュベーター(37.0℃、5%CO、加湿)で培養した。培養した角膜上皮細胞に、コントロールウエルには試験薬液を含まない培地を、他のウエルには80倍希釈した各試験薬液を100μlづつ添加し、2日間、COインキュベーター(37.0℃、5%CO、加湿)で培養した。ニュートラルレッド溶液(150μg/ml)を各ウエルに100μlづつ添加し、さらに2時間インキュベートし生細胞のリソソームにニュートラルレッドを取り込ませた、次に、上清を捨て、1%塩化カルシウムを含む1%ホルマリン溶液200μlで細胞を1分間固定し、取り込まれなかったニュートラルレッドを洗浄した。続いて上清を捨て、1%酢酸を含む50%エタノール溶液100μlを添加することで生細胞に取り込まれたニュートラルレッドを抽出した。さらにマイクロプレートリーダーを用いて540nmの吸光度を測定した。
細胞生存率は以下のようにして算出した。
細胞生存率(%)=(試験薬液の540nmの吸光度/コントロールの540nmの吸光度)x100

結果を表6に示す。
Figure 0004718160
表6に記載の結果から、比較例14、実施例17のいずれも日本薬局方に適合する保存効力を有することが明らかである。一方、角膜上皮細胞に対する毒性を示す細胞生存率は塩化ベンザルコニウムを含有する比較例14に比べて実施例17の場合、極めて高くなっている。これは、実施例17の組成物が低毒性で安全な組成物であることを示している。
以上から、実施例17はl−メントール、ホウ酸、ホウ砂およびエデト酸ナトリウムを配合することで、塩化ベンザルコニウムを配合しなくても眼科用組成物として必要な保存効力を有し、かつ細胞毒性が低く安全な組成物であることが確認できた。
製剤例1
下記の表7に示す処方に従い、常法により、処方例1〜5の点眼剤を調製した。
Figure 0004718160
製剤例2
下記の表8に示す処方に従い、常法により、処方例6〜10の洗眼剤を調製した。
Figure 0004718160
製剤例3
下記の表9に示す処方に従い、常法により、処方例11〜15のコンタクトレンズ装着液、コンタクトレンズ用剤を調製した。
Figure 0004718160
本発明の眼科用組成物は、高い防腐効力を有すると同時に安全性が高く、配合禁忌成分の問題が無いため、種々の活性成分または薬効成分を同時に配合することができる。本発明の組成物は処方設計の自由度が高く、マルチドーズ型容器に収納して供給することが可能である。従って、アレルギー性眼疾患あるいは角膜上皮傷害に罹患している患者はもとより、炎症、充血、眼の乾燥などの症状を呈する広範な人々がその症状を緩和または解消するために、マルチドーズ製剤の態様で経済的に反復使用することができる。

Claims (5)

  1. (a)抗ヒスタミン成分、抗アレルギー成分、抗炎症成分及び充血除去成分よりなる群より選択される少なくとも1種、
    (b)l−メントール、dl−メントール、d−カンフル、dl−カンフル、d−ボルネオール及びdl−ボルネオールよりなる群より選択される少なくとも1種、並びに
    (c)ホウ酸、エデト酸、及びそれらの塩よりなる群より選択される少なくとも1種
    を含有し、
    前記(b)成分の含有量は0.001〜0.1重量%であり、且つ、
    カチオン界面活性剤、パラベン類、ソルビン酸またはその塩、アルキルポリアミノエチルグリシン、カフェイン類またはトロメタモールを含有しないことを特徴とする、マルチドーズ型容器に収納されている眼科用組成物。
  2. 前記(c)成分として、ホウ酸及びその塩よりなる群より選択される少なくとも1種を含有する場合、その含有量が0.01〜5%である、請求項1に記載の眼科用組成物。
  3. 前記(c)成分として、エデト酸及びその塩よりなる群より選択される少なくとも1種を含有する場合、その含有量が0.001〜1%である、請求項1又は2に記載の眼科用組成物。
  4. 点眼薬、洗眼薬、コンタクトレンズ装着液またはコンタクトレンズ用剤であることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の眼科用組成物。
  5. 角膜上皮における傷害を有する患者に対して用いられる、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の眼科用組成物。
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