JP4989898B2 - プラノプロフェン含有組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、プラノプロフェンまたはその塩、およびグリチルリチン酸塩類による疲れ目の改善に関する。
近年、目の疲れを訴える人が増加するに伴ってその解決方法が望まれており、例えば点眼薬や内服薬、温感や冷感を与える商品、目周辺のマッサージ機など多岐にわたって目の疲れを取る商品が開発されている。
目の疲れの原因として、読書、注視作業、観察作業などの目の酷使や精神的緊張によるものが挙げられるが、パーソナルコンピューターの普及に伴い急激に増加してきたVDT(Visual Display Terminal)作業による目の疲れが非常に多くなっている。特にコンタクトレンズ装用者ではVDT作業による目の疲れを訴えるものが多い。そして、目の疲れを訴える患者は、目の奥の痛み、眼のかすみ、目の乾き、肩こり、頭重などの症状を伴うことが一般的であり、目の疲れが甚だしい時には、悪心、吐気をも伴う場合がある。これらの症状は毛様体筋が長時間の注視作業などにより過度の緊張状態に陥り、目の調節機能が低下することが要因となって起こることが指摘されている。
従来、このような目の疲れを改善する点眼剤としては、メチル硫酸ネオスチグミンやビタミンB2、ビタミンB6、パンテノールをはじめとするビタミン類などを含有したものなどが知られており、さらに、特許文献1:特開平9−40549号公報にはタウリンおよびメントールを配合する眼精疲労改善用点眼液が、特許文献2:特開平9−143064号公報にはタウリン、メントール、メチル硫酸ネオスチグミン、VEアセテートからなる眼精疲労改善用点眼液が、特許文献3:特開2000−247885号公報にはカフェインを有効成分として配合する眼精疲労用点眼剤が開示されている。
ところで、プラノプロフェンは優れた抗炎症作用、鎮痛作用、解熱作用を持つ、安全性の高いプロピオン酸系の酸性非ステロイド系抗炎症剤として点眼剤や錠剤、カプセル剤、シロップ剤等の内服剤などの形態で、一方、グリチルリチン酸塩類は抗炎症作用、抗アレルギー作用、解毒作用を持つ抗炎症剤として、点眼剤や洗眼剤等の眼科用組成物、錠剤又は散剤等の内服剤、注射剤などの形態で、両成分とも広く使用されている。しかし、いずれの成分も目の疲れに対する効果、及び、両成分の組み合わせによる効果はこれまで知られていない。さらに、プラノプロフェンは光に晒されると経時的に分解するため遮光保存する必要がある。特に、水の存在下では著しく不安定になる上不溶物が生じやすく、点眼剤などの水性組成物は長期間保存すると溶液の澄明性が損なわれ、外観が悪化してしまうという問題点もある。
本発明の目的は、目の疲れに対する改善効果が高い組成物を提供することにある。
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討したところ、プラノプロフェン又はその塩を含有する組成物にグリチルリチン酸塩類を配合することで、目の疲れに対する改善効果が顕著となることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は下記(1)〜(14)に掲げる組成物である。
(1)プラノプロフェン又はその塩、およびグリチルリチン酸塩類を含有する組成物。
(2)目の疲れ改善用である(1)に記載の組成物。
(3)さらにモノテルペノイドを含有する(1)または(2)に記載の組成物。
(4)さらに、粘稠剤、非イオン性界面活性剤、キレート剤、防腐剤、緩衝剤およびpH調整剤からなる群から選択される1種又は2種以上を含有する(1)〜(3)のいずれかに記載の組成物。
(5)さらにポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース又はその塩、ポリエチレングリコールおよびデキストランからなる群から選択される1種または2種以上を含有する(1)〜(4)のいずれかに記載の組成物。
(6)組成物が、水性組成物である(1)〜(5)のいずれかに記載の組成物。
(7)組成物が、局所投与用である(1)〜(6)のいずれかに記載の組成物。
(8)組成物が、点眼剤、点鼻剤、洗眼剤、コンタクトレンズ用剤である(1)〜(7)のいずれかに記載の組成物。
(9)340nm〜380nmの平均吸光度が1.0以上である容器に収容されてなることを特徴とする(1)〜(8)のいずれかに記載の組成物。
(10)容器が、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレンのいずれか1種、これらの共重合ポリエステル、または2種以上の混合体を主原料として構成された容器である(9)に記載の組成物。
(11)容器が、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート、またはこれらの共重合ポリエステルを主原料として構成された容器である(9)記載の組成物。
(12)容器が、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレートまたはこれらの共重合ポリエステルのいずれか1種以上と、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレンのいずれか1種以上の混合体を主原料として構成された容器である(9)記載の組成物。
(13)容器が、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート、これらの共重合ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレンから選択される1種、または2種以上の混合体を主原料として、紫外線遮断剤を添加またはコーティングした素材で構成された容器である(9)記載の水性組成物。
(14)容器が、紫外線遮断剤を添加またはコーティングされた容器である(9)〜(13)のいずれかに記載の組成物。
また、本発明はプラノプロフェン又はその塩、およびグリチルリチン酸塩類を含有する組成物の製剤安定化方法をも包含する。
(15)組成物中にプラノプロフェン又はその塩、およびグリチルリチン酸塩類を含有することによる、製剤安定化方法。
(16)プラノプロフェン又はその塩、およびグリチルリチン酸塩類を含有する組成物に、さらにポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース又はその塩、ポリエチレングリコールおよびデキストランからなる群から選択される1種または2種以上を含有することによる、製剤安定化方法。
本発明は、プラノプロフェン又はその塩、およびグリチルリチン酸塩類を含有する組成物において、目の疲れを顕著に改善することができ製剤安定性を改善することができる。さらにまた、特定の粘稠剤を含有することで製剤の安定性をより改善することができる。
発明を実施するための形態
本明細書中、特に言及しない限り、%はw/v%を意味するものとする。また、コンタクトレンズという語句は、特記しない限り、ハード、酸素透過性ハード、ソフト等のあらゆるタイプのコンタクトレンズを包含する意味で用いる。
また、本明細書中、「塩」とは薬理学的に又は生理学的に許容される塩を意味する。
さらに、本明細書中、水性組成物とは、組成物中に水を少なくとも5重量%以上、好ましくは20重量%以上、更に好ましくは50重量%以上含有するものを意味する。
本発明の組成物に含有されるプラノプロフェン、即ちα−メチル−5H−[1]ベンゾピラノ[2,3−b]ピリジン−7−酢酸は公知化合物であり、公知の方法により合成してもよく市販品として入手することもできる。
また、プラノプロフェンの塩は、医薬上、薬理学的に又は生理学的に許容されることを限度として、特に制限されるものではない。このような塩としては、例えば、無機塩基との塩[例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アルミニウム塩等]や、有機塩基との塩[例えば、メチルアミン、トリエチルアミン、ジエチルアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、ピペラジン、ピロリジン、トリピリジン、ピコリン等の有機塩基との塩]などが挙げられる。
また、プラノプロフェン又はその塩は、水和物の形態でも使用できる。
これらのプラノプロフェン及びその塩は、1種単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。好ましくはプラノプロフェンである。
本発明の組成物において、配合するプラノプロフェン又はその塩の割合は、本発明の効果が得られれば特に制限はないが、例えば、水性組成物の場合、0.0001〜2w/v%、好ましくは0.0005〜0.2w/v%、特に好ましくは0.001〜0.1w/v%程度である。具体的には、点眼剤の場合は、0.01〜0.1w/v%、好ましくは0.01〜0.05w/v%程度、点鼻剤、洗眼剤またはコンタクトレンズ用剤の場合は、0.001〜0.01w/v%、好ましくは0.001〜0.005w/v%である。
また、固形組成物の場合、8〜90重量%、好ましくは12〜80重量%である。具体的には、錠剤の場合は、1錠(100〜250mg)あたり20〜100mg、好ましくは30〜80mg程度で前記の重量%に含まれる範囲であればよい。成人一日服用量では、例えば0.1〜10000mg、好ましくは1〜1000mg程度に含まれる範囲であればよい。
本発明の組成物に含有されるグリチルリチン酸塩類は、公知化合物であり、公知の方法により合成してもよく市販品として入手することもできる。
グリチルリチン酸塩類としては、例えば、グリチルリチン酸、グリチルリチン酸モノアンモニウム、グリチルリチン酸二アンモニウム、グリチルリチン酸三ナトリウム、グリチルリチン酸二ナトリウム、グリチルリチン酸二カリウムなどが挙げられる。これらのグリチルリチン酸塩類の中で、好ましくはグリチルリチン酸、グリチルリチン酸モノアンモニウム、グリチルリチン酸ニアンモニウム、グリチルリチン酸ニカリウムであり、特に好ましくはグリチルリチン酸ニカリウムである。
また、グリチルリチン酸塩類は必ずしも精製された状態でなくてもよい。例えば、この化合物を含有している甘草等の生薬の粉末や抽出物、エキス等を使用することができる。
本発明の組成物において、配合するグリチルリチン酸塩類の割合は、本発明の効果が得られれば特に制限はないが、例えば、水性組成物の場合、0.0001〜2w/v%、好ましくは0.0005〜1w/v%程度である。具体的には、点眼剤の場合は、0.01〜0.5w/v%、好ましくは0.05〜0.25w/v%程度、点鼻剤、洗眼剤またはコンタクトレンズ用剤の場合は、0.001〜0.05w/v%、好ましくは0.005〜0.025w/v%程度である。
また、固形組成物の場合、4〜50重量%、好ましくは8〜45重量%である。具体的には、錠剤の場合は、1錠(100〜300mg)あたり1〜100mg、好ましくは2〜45mg程度で前記の重量%に含まれる範囲であればよい。成人一日服用量では、例えば0.1〜10000mg、好ましくは1〜1000mg程度に含まれる範囲であればよい。
本発明の組成物において、プラノプロフェン又はその塩、およびグリチルリチン酸塩類の配合比は、本発明の効果が得られれば特に制限はないが、プラノプロフェン又はその塩1重量部に対し、グリチルリチン酸塩類が0.01〜100重量部、好ましくは0.2〜50重量部、特に好ましくは1〜10重量部である。
本発明の組成物には、目の疲れに対する改善効果を向上させるために、さらにモノテルペノイドを配合することができる。
モノテルペノイドとしては、メントール、カンフル、ボルネオール、リモネン、シネオール、テルピネン、フェランドレン、メントン、テルピネオール、カルボン、ペリルアルデヒド、チモール、p-シメン、カルバクロール、クミナール、ピネン、カンフェン、ツヨン、カレンなどの環状モノテルペノイド、ゲラニオール、ネロール、リナロール、シトラール、シトロネロール、シトロネラール、ミルセン、オシメンなどの鎖状モノテルペノイドが挙げられ、好ましくはメントール、カンフル、ボルネオール、リモネン、シネオール、ゲラニオール、リナロールである。これらのモノテルペノイドの立体構造は、d体、l体又はdl体、もしくは、(+)体、(−)体又は(±)体のいずれでも良い。これらの中で好ましくは、d-メントール、l-メントール、dl-メントール、d-カンフル、dl-カンフル、d-ボルネオール、dl-ボルネオール、d-リモネン、l-リモネン、dl-リモネン、d-リナロール、l-リナロールであり、特に好ましくは、l-メントール、d-カンフル、d-ボルネオールである。
また、モノテルペノイドは精油等の混合物として配合しても良く、例えば、ユーカリ油、ベルガモット油、ペパーミント油、クールミント油、スペアミント油、ハッカ油、ヒノキ油、テレビン油、スギ油、樟脳油、クロモジ油、バラ油、ゲラニウム油、レモン油、オレンジ油、橙皮油、サンショウ油、タイム油、ラベンダー油、シトロネラ油、レモングラス油、ユーカリ油、ハッカ水などが挙げられる。
これらのモノテルペノイドは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
本発明の組成物において、配合するモノテルペノイドの割合は、例えば、水性組成物の場合、0.00005〜5w/v%、好ましくは0.0001〜1w/v%、特に好ましくは0.0002〜0.1w/v%が例示される。
本発明の組成物には、本発明の製剤の安定性を増強又は補足する目的で、さらに粘稠剤、キレート剤、非イオン性界面活性剤、防腐剤、緩衝剤、pH調整剤を1種または2種以上組み合わせて配合することができる。
粘稠剤としては、例えば、ポリビニルアルコール(完全又は部分ケン化物)、ポリビニルピロリドン(コリドン(R)K25,コリドン(R)K30,コリドン(R)K90など)、カルボキシビニルポリマー、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー(BASF Wyandotte Coproration,プルロニック,テトロニックなど)、セルロース誘導体[メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(2208,2906,2910など)、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、ニトロセルロース又はそれらの塩など]、ポリエチレングリコール(マクロゴール300,マクロゴール400,マクロゴール1500,マクロゴール4000など)、コンドロイチン硫酸ナトリウム、アラビアゴム、トラガント、デキストラン(40,70など)、ブドウ糖、ソルビトールなどが例示でき、好ましくはポリビニルアルコール(完全又は部分ケン化物)、ポリビニルピロリドン(コリドン(R)K25,コリドン(R)K30,コリドン(R)K90)、セルロース誘導体(メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(2208,2906,2910)、カルボキシメチルセルロース又はその塩など)、ポリエチレングリコール(マクロゴール300,マクロゴール400)、デキストラン(70)であり、さらに好ましくはポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース又はその塩、ポリエチレングリコール、デキストランであり、特に好ましくはポリビニルアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース又はその塩、ポリエチレングリコール、デキストランであり、最も好ましくはヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムである。
これらの粘稠剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
本発明の組成物において、配合する粘稠剤の割合は、例えば、水性組成物の場合、0.0005〜5w/v%が例示される。具体的には、ヒドロキシプロピルメチルセルロースでは、通常0.001〜5w/v%、好ましくは0.01〜1w/v%、さらに好ましくは0.1〜0.5w/v%、ヒドロキシエチルセルロースでは、通常0.001〜5w/v%、好ましくは0.01〜1w/v%、さらに好ましくは0.05〜0.5w/v%、カルボキシメチルセルロースナトリウムでは、通常0.001〜5w/v%、好ましくは0.01〜1w/v%、さらに好ましくは0.1〜0.5w/v%、デキストラン70では、通常0.001〜5w/v%、好ましくは0.01〜3w/v%、さらに好ましくは0.1〜1.5w/v%、ポリビニルピロリドンでは、通常0.01〜5w/v%、好ましくは0.1〜5w/v%、さらに好ましくは0.5〜5w/v%、ポリビニルアルコールでは通常0.001〜5w/v%、好ましくは0.01〜1w/v%、さらに好ましくは0.05〜0.5w/v%、ポリエチレングリコールでは通常0.001〜5w/v%、好ましくは0.01〜3w/v%、さらに好ましくは0.1〜1w/v%である。
キレート剤としては、エチレンジアミン四酢酸、アスコルビン酸、クエン酸、フィチン酸、ポリリン酸、メタリン酸、コハク酸又はそれらの塩等が挙げられる。これらの中で、好ましくはエチレンジアミン四酢酸、クエン酸又はそれらの塩、特に好ましくはエチレンジアミン四酢酸又はその塩である。
エチレンジアミン四酢酸の塩としては、医薬上、薬理学的に又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されず、例えばエチレンジアミン四酢酸ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム等のアルカリ金属塩を挙げることができる。
エチレンジアミン四酢酸又はその塩は、水和物の形態で使用することもできる。水和物の形態のものとして、具体的には、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウムの2水和物(以下、エデト酸ナトリウムとも言う)が例示できる。
これらのキレート剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
本発明の組成物において、配合するキレート剤の割合は、例えば、水性組成物の場合、0.0005〜0.5w/v%、好ましくは0.001〜0.2w/v%、更に好ましくは0.004〜0.1w/v%、特に好ましくは0.01〜0.05w/v%が例示される。
非イオン性界面活性剤としては、医薬上、薬理学的に又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されない。例えば、ポリオキシエチレン(POE)−ポリオキシプロピレン(POP)ブロックコポリマー(例えば、ポロクサマー407、ポロクサマー235、ポロクサマー188など);エチレンジアミンのポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロックコポリマー付加物(例えば、ポロキサミン);モノラウリル酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート20)、モノオレイン酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート80)、ポリソルベート60等のPOEソルビタン脂肪酸エステル類;POE(60)硬化ヒマシ油等のPOE硬化ヒマシ油;POE(9)ラウリルエーテル等のPOEアルキルエーテル類;POE(20)POP(4)セチルエーテル等のPOE・POPアルキルエーテル類;POE(10)ノニルフェニルエーテル等のPOEアルキルフェニルエーテル類;POE(10)ノニルフェニルエーテル等のPOEアルキルフェニルエーテル類等が挙げられる。これらの中で、好ましくはポロクサマー407、ポリソルベート80、POE(60)硬化ヒマシ油、特に好ましくはポリソルベート80である。なお、括弧内の数字は付加モル数を示す。
これらの非イオン性界面活性剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
本発明の組成物において、配合する非イオン性界面活性剤の割合は、例えば、水性組成物の場合、0.001〜2w/v%、好ましくは0.01〜2w/v%、更に好ましくは0.05〜1w/v%、特に好ましくは0.15〜0.5w/v%が例示される。
防腐剤としては、ソルビン酸又はその塩、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、安息香酸ナトリウム、エタノール、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、グルコン酸クロルヘキシジン、クロロブタノール、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、硫酸オキシキノリン、フェネチルアルコール、ベンジルアルコール、ビグアニド化合物(具体的には、ポリヘキサメチレンビグアニドなど)、グローキル(ローディア社製 商品名)等が挙げられる。これらの中で、好ましくはソルビン酸又はその塩、塩化ベンザルコニウム、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、特に好ましくはソルビン酸又はその塩である。
ソルビン酸の塩としては、例えば、無機塩基との塩[例えばアンモニウム塩;アルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩など)、アルカリ土類金属塩(カルシウム塩、マグネシウム塩など)、アルミニウム塩等の金属との塩]、有機塩基との塩(例えば、メチルアミン、トリエチルアミン、ジエチルアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、ピペラジン、ピロリジン、トリピリジン、ピコリン等の有機塩基との塩)等が例示され、特にナトリウム塩、カリウム塩が好ましい。
これらの防腐剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
本発明の組成物において、配合する防腐剤の割合は、例えば、水性組成物の場合、0.001〜2w/v%、好ましくは0.005〜0.5w/v%、更に好ましくは0.005〜0.3w/v%、特に好ましくは0.01〜0.2w/v%が例示される。
緩衝剤としては、ホウ酸緩衝剤、リン酸緩衝剤、炭酸緩衝剤、クエン酸緩衝剤、酢酸緩衝剤、イプシロン−アミノカプロン酸、アミノエチルスルホン酸、アスパラギン酸、アスパラギン酸塩などが挙げられる。これらの中で、好ましくはホウ酸緩衝剤、リン酸緩衝剤であり、特に好ましくはホウ酸緩衝剤である。
ホウ酸緩衝剤の具体例として、ホウ酸及びその塩(ホウ酸ナトリウム、テトラホウ酸カリウム、メタホウ酸カリウム、ホウ酸アンモニウム、ホウ砂など)が例示され、特に、ホウ酸、ホウ砂が好ましい。
リン酸緩衝剤、炭酸緩衝剤、クエン酸緩衝剤、酢酸緩衝剤の具体例として、クエン酸、クエン酸ナトリウム、酢酸、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、ホウ酸、ホウ砂、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウムなどが例示される。
本発明の組成物において、配合する緩衝剤の割合は、使用する緩衝剤の種類や期待される効果等に応じて異なり、一律に規定することはできないが、例えば、水性組成物の場合、0.01〜3w/v%、好ましくは0.1〜2w/v%、更に好ましくは0.3〜2w/v%、特に好ましくは0.5〜2w/v%が例示される。
pH調整剤としては、塩酸、ホウ酸、アミノエチルスルホン酸、イプシロン−アミノカプロン酸、酢酸、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、ホウ砂、トリエタノールアミン、モノエタノールアミンなどが挙げられる。これらの中で、特に好ましくは塩酸、水酸化ナトリウムである。
本発明の組成物において、適切なpHは水性組成物の適用部位、剤形等により異なるが、通常6.0〜9.0、好ましくは6.5〜8.5、更に好ましくは6.8〜8.2、特に好ましくは7.0〜8.0程度である。これらの範囲内から著しく逸脱すると、プラノプロフェンまたはその塩の化学的安定性が低下する可能性があり、また生体に許容されないため、好ましくない。
pH調整は、前記緩衝剤、pH調整剤等を用いて、当該技術分野で既知の方法で行うことができる。
本発明の組成物は、特定の形態に限定されず、目的に応じて、液剤(シロップ剤、ドリンク剤などを含む)、半固形剤あるいは固形剤、好ましくは液剤あるいは固形剤をあげることができる。具体的には、液剤、半固形剤(軟膏剤)、錠剤(口腔内速崩解錠、咀嚼可能錠、有核錠、多層錠、発泡錠、トローチ剤、ゼリー状ドロップ剤などを含む)、顆粒剤、細粒剤、散剤、硬カプセル剤、軟カプセル剤、ゲル剤、ゼリー剤等を例示できる。
好ましくは液剤、錠剤、顆粒剤、硬カプセル剤または軟カプセル剤などの固形組成物であり、特に好ましくは液剤である。
液剤としては、均一溶液であっても懸濁液であっても、混合又は溶解して使用する組成物であっても良い。具体的には、点眼剤(液)[但し、点眼剤にはコンタクトレンズ装用中に点眼可能な点眼剤(液)を含む]、洗眼剤(液)[但し、洗眼剤にはコンタクトレンズ装用中に洗眼可能な洗眼剤(液)を含む]、点鼻剤(液)、コンタクトレンズ用剤[コンタクトレンズ装着液、コンタクトレンズケア用剤(コンタクトレンズ消毒剤、コンタクトレンズ用保存剤、コンタクトレンズ用洗浄剤、コンタクトレンズ用洗浄保存剤)等]、シロップ剤、ドリンク剤等を挙げることができる。これらの中で、好ましくは局所投与用である、点眼剤、洗眼剤、点鼻剤、コンタクトレンズ用剤であり、更に好ましくは点眼剤、洗眼剤、コンタクトレンズ用剤などの眼科用水性組成物である。
前記コンタクトレンズ用剤は、ハードコンタクトレンズ、ソフトコンタクトレンズを含むあらゆるコンタクトレンズに適用できるが、特に目が疲れやすいと言われるソフトコンタクトレンズに適用することが好ましい。
これらの製剤は常法により調製して得られ、その際、上述の成分に加えてその製剤に応じた慣用の添加剤を使用することができる。
本発明の組成物の用途としては、プラノプロフェンおよびグリチルリチン酸塩類の本来有する薬理作用に基づく抗炎症、代謝障害改善などのほか、目の疲れの改善が挙げられる。本発明の組成物は、目の疲れに対する改善効果が増強されているため、目の疲れ改善用の組成物として用いられ、点眼剤または洗眼剤が、目の疲れ改善用に好適である。
本発明の組成物は、目の疲れを改善するために、局所投与または全身投与して用いることができる。本発明はプラノプロフェンまたはその塩とグリチルリチン酸塩類が共存することで効果が奏されるため、投与後に作用部位でより協同しやすい局所投与であることが好ましい。また、作用部位において速やかに効果を発揮しやすい水性組成物であることが望ましい。さらに、粘稠剤を含有すると目の疲れの改善効果を増強または補足することができる。
目の疲れの改善効果を増強または補足する目的で粘稠剤を配合する場合、粘稠剤としては、例えば、ポリビニルアルコール(完全又は部分ケン化物)、ポリビニルピロリドン(K25,K30,K90など)、カルボキシビニルポリマー、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー(BASF Wyandotte Coproration,プルロニック,テトロニックなど)、セルロース誘導体[メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(2208,2906,2910など)、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、ニトロセルロース又はそれらの塩など]、ポリエチレングリコール(マクロゴール300,マクロゴール400,マクロゴール1500,マクロゴール4000など)、コンドロイチン硫酸ナトリウム、アラビアゴム、トラガント、デキストラン(40,70など)、ブドウ糖、ソルビトールなどが例示でき、好ましくはポリビニルアルコール(完全又は部分ケン化物)、ポリビニルピロリドン(コリドン(R)K25,コリドン(R)K30,コリドン(R)K90)、セルロース誘導体(メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(2208,2906,2910)、カルボキシメチルセルロース又はその塩など)、ポリエチレングリコール(マクロゴール300, マクロゴール400)、デキストラン(70)であり、さらに好ましくはポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース又はその塩、ポリエチレングリコール、デキストランであり、特に好ましくはポリビニルアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース又はその塩、ポリエチレングリコール、デキストランであり、最も好ましくはヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムである。
これらの粘稠剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
目の疲れの改善効果を増強または補足する目的で粘稠剤を配合する場合、粘稠剤の割合は、例えば、水性組成物の場合、0.0005〜5w/v%が例示される。具体的には、ヒドロキシプロピルメチルセルロースでは、通常0.001〜5w/v%、好ましくは0.01〜1w/v%、さらに好ましくは0.1〜0.5w/v%、ヒドロキシエチルセルロースでは、通常0.001〜5w/v%、好ましくは0.01〜1w/v%、さらに好ましくは0.05〜0.5w/v%、カルボキシメチルセルロースナトリウムでは、通常0.001〜5w/v%、好ましくは0.01〜1w/v%、さらに好ましくは0.1〜0.5w/v%、デキストラン70では、通常0.001〜5w/v%、好ましくは0.01〜3w/v%、さらに好ましくは0.1〜1.5w/v%、ポリビニルピロリドンでは、通常0.01〜5w/v%、好ましくは0.1〜5w/v%、さらに好ましくは0.5〜5w/v%、ポリビニルアルコールでは通常0.001〜5w/v%、好ましくは0.01〜1w/v%、さらに好ましくは0.05〜0.5w/v%、ポリエチレングリコールでは通常0.001〜5w/v%、好ましくは0.01〜3w/v%、さらに好ましくは0.1〜1w/v%である。
本発明の水性組成物は、340nm〜380nmの吸光度が1.0以上である容器に収容されていると、プラノプロフェンをより安定化できるため好ましい。340nm〜380nmの吸光度が1.0以上である容器とは、340 nm、350 nm、360 nm、370 nm、380 nmの吸光度の平均が1.0以上である容器である。好ましくは2.0以上、さらに好ましくは2.5以上、特に好ましくは3.0以上、さらに特に好ましくは3.5以上であるとよい。
本発明の水性組成物を収容する容器において吸光度は、第十四改正日本薬局方「プラスチック製医薬品容器試験法 4.透明性試験」を参考に、次の方法により測定する。
容器胴部からできるだけ湾曲が少なく厚さが均一な部分をとって、縦2〜4cm、横0.9〜1.1cmの大きさに切断したもの5個を、それぞれ水を満たした紫外線吸光スペクトル測定用セルに浸し、水だけを満たしたセルを対照として、各測定波長について紫外可視吸光度測定法により吸光度を測定する。
本発明の水性組成物を収容する容器は、例えば、プラスチック容器又はガラス容器等のうち、前述の吸光度が達成されているものであれば用いることができる。
プラスチック容器の材質としては、例えば、オレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリエチレンナフタレート系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリアミド系樹脂、硬質塩化ビニル樹脂、スチレン系樹脂(ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)など)、セルロースアセテート類などの合成樹脂が例示でき、プラスチック容器を構成する主原料として、好ましくは、オレフィン系樹脂又はポリエステル系樹脂である。なお、「主原料」とは、プラスチック容器の全構成原料の内、50重量%以上、好ましくは70重量%以上を占める原料を示す。
本発明の水性組成物を収容する容器のうち、プラスチック容器を構成する主原料として好ましくは、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレンのいずれか1種、これらの共重合ポリエステル、または2種以上の混合体が挙げられる。
共重合ポリエステルとしては、エチレン−2,6−ナフタレート単位、アリレート単位、エチレンテレフタレート単位、プロピレン単位、エチレン単位のいずれか1種を主体として、他のポリエステル単位を含む共重合ポリエステルであり、共重合酸成分の例としては例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、アジピン酸等があり、共重合グリコール成分の例としては例えば、1,3−プロパンジオール、テトラメチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコールなどが挙げられる。
本発明の水性組成物を収容する容器のうち、プラスチック容器として特に好ましくは、次の3種類の容器が挙げられる。
第一に、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレートまたはこれらの共重合ポリエステルを主原料として構成される容器、第二に、ポリエチレンナフタレートまたはポリアリレートのいずれか1種以上とポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレンのいずれか1種以上の混合体を主原料として構成された容器が挙げられ、好ましくはポリエチレンナフタレートとポリエチレンテレフタレートの混合体を主原料として構成された容器、第三に、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート、これらの共重合ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレンから選択される1種、または2種以上の混合体を主原料として、紫外線遮断剤を添加またはコーティングした材質で構成された容器が挙げられる。紫外線遮断剤については後述の通りである。
本発明の水性組成物を収容する容器は、紫外線遮断剤を添加またはコーティングされた容器であっても良い。例えば、ガラスまたは合成樹脂などに紫外線遮断剤を添加した後に成型した容器、または合成樹脂などをシート状に加工してから紫外線遮断剤をコーティングしその後成型した容器、さらには、ガラスまたは合成樹脂などを最終容器形状に成型した後に紫外線遮断剤をコーティングした容器などが挙げられる。また、紫外線遮断剤を添加またはコーティングされたシート状合成樹脂などを、成型後の容器にシュリンク包装してもよい。
紫外線遮断剤としては、酸化亜鉛、酸化チタン、トリアゾール系化合物、ベンゾエート系化合物、置換アクリロニトリル系化合物、シアノアクリレート系化合物、トリアジン系化合物、シュウ酸アニリド系化合物、ニッケル錯体系化合物、商品名チヌビン(R)328、チヌビン(R)384-2、チヌビン(R)400、チヌビン(R)400-2、チヌビン(R)900、チヌビン(R)928、チヌビン(R)1130等のベンゾトリアゾール系化合物;ジイソプロピルケイ皮酸メチル、シノキサート、ジパラメトキシケイ皮酸モノ−2−エチルヘキサン酸グリセリル、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル・ジイソプロピルケイ皮酸エステル混合物、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、ケイ皮酸ベンジル等のケイ皮酸系紫外線吸収剤;オキシベンゾン、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸ナトリウム、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノン、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノンジスルホン酸ナトリウム、ジヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤;パラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸エチル、パラアミノ安息香酸グリセリル、パラジメチルアミノ安息香酸アミル、パラジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、4−[N,N−ジ(2−ヒドロキシプロピル)アミノ]安息香酸エチル等の安息香酸エステル系紫外線吸収剤;サリチル酸エチレングリコール、サリチル酸オクチル、サリチル酸ジプロピレングリコール、サリチル酸フェニル、サリチル酸ホモメンチル、サリチル酸メチル等のサリチル酸系紫外線吸収剤、グアイアズレン、ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸2−エチルヘキシル、2,4,6−トリス[4−(2−エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ]1,3,5−トリアジン、パラヒドロキシアニソール、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸、2−(4−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシベンゾイル)−安息香酸ヘキシルなどが挙げられる。また、リボフラビン、アントラキノン系色素(1−アミノ−4−メチルアントラキノン、1,4−ジアミノアントラキノン、アントラキノン系イエローなど)、フタロシアニン系色素(フタロシアニンブルー(C.I. Pigment Blue 15;C.I. 74160;青色404号)、フタロシアニングリーン(C.I. Pigment Green 7)など)など340nm〜380nmに吸収を有する着色剤であってもよい。
好ましくは酸化亜鉛、酸化チタン、チヌビン(R)328、チヌビン(R)384-2、チヌビン(R)400、チヌビン(R)400-2、チヌビン(R)900、チヌビン(R)928、チヌビン(R)1130、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、ジパラメトキシケイ皮酸モノ−2−エチルヘキサン酸グリセリル、2,4,6−トリス[4−(2−エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ]1,3,5−トリアジン、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸、2−(4−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシベンゾイル)−安息香酸ヘキシル、ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸2−エチルヘキシルが挙げられ、特に好ましくは酸化亜鉛、酸化チタン、チヌビン(R)328、チヌビン(R)384-2、チヌビン(R)400、チヌビン(R)400-2、チヌビン(R)900、チヌビン(R)928、チヌビン(R)1130である。酸化亜鉛、酸化チタンはさらにシリカ、シリコン、ケイ酸亜鉛などで被覆されていてもよい。
具体的には、ポリエチレンに酸化亜鉛を添加またはコーティングされた容器、ポリプロピレンに酸化亜鉛を添加またはコーティングされた容器、ポリエチレンテレフタレートに酸化亜鉛を添加またはコーティングされた容器などが挙げられ、好ましくはポリエチレンテレフタレートに酸化亜鉛を添加またはコーティングされた容器である。
本発明の水性組成物を収容する容器において、添加する紫外線遮断剤の割合は、例えば、0.05〜5.0重量%、好ましくは0.1〜3.0重量%が例示される。
本発明の水性組成物を収容する容器において、紫外線遮断剤をコーティングされた容器は、例えば、紫外線吸収剤を含有するコーティング塗料を成型後の容器や合成樹脂シートなどに塗布することで製することができる。ここで、コーティング塗料としては、透明のものであって、ラジカル重合系のアクリル型(例えば、ポリエステルポリアクリレート、ウレタンポリアクリレート、エポキシポリアクリレート、ポリエーテルポリアクリレート、側鎖アクリロイル型アクリル樹脂等)、チオールエン型(例えば、ポリチオールアクリル型オリゴマー、ポリチオールスピロアセタール型等)、不飽和ポリエステル又はカチオン重合系のエポキシ樹脂等を用いることができる。
また、本発明の組成物を収容する容器は、容器を構成する素材をフィルム状に展延し、このフィルムを接着積層したシートから成型したものであってもよい。
また、内容物の異物試験または残存容量確認ができることなどから、450nmの吸光度が1.0以下、好ましくは0.8以下、さらに好ましくは0.6以下、特に好ましくは0.4以下、さらに特に好ましくは0.2以下であるとよい。
本発明の組成物は、必要に応じて、浸透圧比を生体に許容される範囲内に調整することができる。適切な浸透圧比は、水性組成物の適用部位、剤形等により異なるが、通常0.3〜4.2、好ましくは0.3〜2.1、さらに好ましくは0.5〜1.8、特に好ましくは0.6〜1.5程度である。浸透圧の調整は無機塩及び多価アルコール、糖アルコール、糖類などを用いて当該技術分野で既知の方法で行うことができる。
浸透圧比は、第十四改正日本薬局方に基づき0.9w/v%塩化ナトリウム水溶液の浸透圧に対する試料の浸透圧の比とし、浸透圧は日本薬局方記載の浸透圧測定法(氷点降下法)を用いて測定する。浸透圧比測定用標準液は、塩化ナトリウム(日本薬局方標準試薬)を500〜650℃で40〜50分間乾燥した後、デシケーター(シリカゲル)中で放冷し、その0.900gを正確に量り、精製水に溶かし正確に100mLとして調製するか、市販の浸透圧比測定用標準液(0.9w/v%塩化ナトリウム水溶液)を用いる。
本発明の組成物は、本発明の効果を奏していれば、上記成分の他に、種々の成分(薬理活性成分や生理活性成分を含む)を組み合わせて含有することができる。このような成分の種類は特に制限されず、例えば、充血除去成分、眼筋調節薬成分、抗炎症薬成分または収斂薬成分、抗ヒスタミン薬成分又は抗アレルギー薬成分、ビタミン類、アミノ酸類、抗菌薬成分、殺菌薬成分、局所麻酔薬成分、ステロイド成分、緑内障治療成分、白内障治療成分、解熱鎮痛薬成分、鎮静催眠薬成分、鎮咳薬成分、気管支拡張薬成分または交感神経興奮薬成分、去痰薬成分、生薬成分などが例示できる。本発明において好適な成分としては、例えば、次のような成分が挙げられる。
充血除去成分:例えば、α−アドレナリン作動薬、具体的にはエピネフリン、塩酸エピネフリン、塩酸エフェドリン、塩酸オキシメタゾリン、塩酸テトラヒドロゾリン、塩酸ナファゾリン、塩酸フェニレフリン、塩酸メチルエフェドリン、酒石酸水素エピネフリン、硝酸ナファゾリンなど。これらはd体、l体又はdl体のいずれでもよい。
眼筋調節薬成分:例えば、アセチルコリンと類似した活性中心を有するコリンエステラーゼ阻害剤、具体的にはメチル硫酸ネオスチグミン、トロピカミド、ヘレニエン硫酸アトロピンなど。
抗炎症薬成分または収斂薬成分:例えば、硫酸亜鉛、乳酸亜鉛、アラントイン、イプシロン−アミノカプロン酸、インドメタシン、塩化リゾチーム、硝酸銀、アズレンスルホン酸ナトリウム、グリチルリチン酸二カリウム、グリチルリチン酸アンモニウム、ジクロフェナクナトリウム、ブロムフェナクナトリウム、塩化ベルベリン、硫酸ベルベリン、ピロキシカムなど。
抗ヒスタミン薬成分又は抗アレルギー薬成分:例えば、アシタザノラスト、アンレキサノクス、イブジラスト、ペミロラスト、タザノラスト、トラニラスト、塩酸ジフェンヒドラミン、塩酸レボカバスチン、フマル酸ケトチフェン、クロモグリク酸ナトリウム、ペミロラストカリウム、マレイン酸クロルフェニラミン、イプロヘプチン、イソチペンジル、ジフェテロール、ジフェニルピラリン、トリプロリジン、トリペレナミン、トンジルアミン、プロメタジン、メトジラジン、カルビノキサミン、アリメマジン、プロメタジン、メブヒドロリン、フェネタジン、オキサトミド、メキタジン、テルフェナジン、エピナスチン、アステミゾール、エバスチン、セチリジン、オロパタジン、フマル酸エメダスチン、フマル酸クレマスチン、塩酸アゼラスチンなど。
ビタミン類:例えば、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール、塩酸ピリドキシン、フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム、リン酸ピリドキサール、パンテノール、パントテン酸カルシウム、パントテン酸ナトリウム、アスコルビン酸、酢酸トコフェロールなど。
アミノ酸類:例えば、アミノエチルスルホン酸(タウリン)、グルタミン酸、クレアチニン、アスパラギン酸カリウム、アスパラギン酸マグネシウム、アスパラギン酸マグネシウム・カリウム混合物、グルタミン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウムなど。これらはd体、l体又はdl体のいずれでもよい。
抗菌薬成分または殺菌薬成分:例えば、硫酸アミノデオキシカナマイシン、硫酸カナマイシン、硫酸ゲンタマイシン、硫酸シソマイシン、硫酸ストレプトマイシン、トブラマイシン、硫酸ミクロノマイシン、アルキルポリアミノエチルグリシン、クロラムフェニコール、スルファメトキサゾール、スルフイソキサゾール、スルファメトキサゾールナトリウム、スルフイソキサゾールジエタノールアミン、スルフイソキサゾールモノエタノールアミン、スルフイソメゾールナトリウム、スルフイソミジンナトリウム、塩酸テトラサイクリン、塩酸オキシテトラサイクリン、オフロキサシン、ノルフロキサシン、レボフロキサシン、塩酸ロメフロキサシン、スルベニシンナトリウム、塩酸セフメノキシム、ベンジルペニシリンカリウム、硫酸ベルベリン、塩化ベルベリン、コリスチンメタスルホン酸ナトリウム、エリスロマイシン、ラクトビオン酸エリスロマイシン、キタサマイシン、スピラマイシン、硫酸フラジオマイシン、硫酸ポリミキシン、ジベカシン、アミカシン、硫酸アミカシン、アシクロビル、イオドデオキシサイチジン、イドクスウリジン、シクロサイチジン、シトシンアラビノシド、トリフルオロチミジン、ブロモデオキシウリジン、ポリビニルアルコールヨウ素、ヨウ素、アムホテリシンB、イソコナゾール、エコナゾール、クロトリマゾール、ナイスタチン、ピマリシン、フルオロシトシン、ミコナゾールなど。
局所麻酔薬成分:例えば、塩酸オキシブプロカイン、塩酸コカイン、塩酸コルネカイン、塩酸ジブカイン、塩酸テトラカイン、塩酸パラブチルアミノ安息香酸ジエチルアミノエチル、塩酸ピペロカイン、塩酸プロカイン、塩酸プロパラカイン、塩酸ヘキソチオカイン、塩酸リドカインなど。
ステロイド成分:例えば、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、フルオロメトロン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ヒドロキシメステロン(hydroxymesterone)、カプロン酸ヒドロコルチゾン、カプロン酸プレドニゾロン、酢酸コルチゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、酢酸プレドニゾロン、デキサメタゾンメタスルホベンゾエートナトリウム、デキサメタゾン硫酸ナトリウム、デキサメタゾンリン酸ナトリウム、トリアムシノロンアセトニド、ベタメタゾンリン酸ナトリウム、メタスルホ安息香酸デキサメタゾンナトリウム、メチルプレドニゾロンなど。
緑内障治療成分:例えば、イソプロピルウノプロストン、エピネフリン、塩酸アプラクロニジン、塩酸カルテオロール、塩酸ジピベフリン、塩酸ドルゾラミド、塩酸ピロカルピン、塩酸ブナゾシン、塩酸ブプラノロール、塩酸ベタキソロール、塩酸ベフノロール、カルバコール、塩酸レボブノロール、ジピバル酸エピネフリン、臭化ジスチグミン、ニプラジロール、マレイン酸チモロール、ラタノプロストなど。
白内障治療成分:例えば、グルタチオン、ピレノキシン、5,12−ジヒドロアザペンタセンジスルホン酸ナトリウム(Sodium 5,12-dihydro azapentacene disulfonate)など。
解熱鎮痛薬成分:例えば、アセチルサリチル酸、アセトアミノフェン、ラクチルフェネチジンなど。
鎮静催眠薬成分:例えば、ブロムワレリル尿素、アリルイソプロピルアセチル尿素など。
鎮咳薬成分:アクロラミド、クロペラスチン、ペントキシベリン(カルベタペンタン)、チペピジン、ジブナート、デキストロメトルファン、コデイン、ジヒドロコデイン、ノスカピンおよびそれらの薬理学的に許容される塩(例えば、塩酸クロペラスチン、ヒベンズ酸チペピジン、臭化水素酸デキストロメトルファン、リン酸コデイン、リン酸ジヒドロコデイン、塩酸ノスカピンなど)など。
気管支拡張薬成分または交感神経興奮薬成分:エフェドリン、メチルエフェドリン、シュードエフェドリン、トリメトキノール、メトキシフェナミンおよびそれらの薬理学的に許容される塩(例えば、塩酸エフェドリン、塩酸メチルエフェドリン、塩酸シュードエフェドリン、塩酸トリメトキノール、塩酸メトキシフェナミンなど)など。
去痰薬成分:グアヤコールスルホン酸ナトリウム、グアイフェネシンなど。
生薬成分:カンゾウ、キキョウ、ウイキョウ、カミツレ、ケイヒ、葛根湯など。
本発明の組成物に対して、これらの成分の配合量は、製剤の種類、活性成分の種類などに応じて適宜選択され、眼科用製剤、内服用製剤などにおける各種成分の配合量は当該技術分野で既知である。例えば、水性組成物の場合、製剤全体に対して0.0001〜30w/v%、好ましくは、0.001〜10w/v%程度の範囲から選択できる。また、内服用製剤の場合、成人一日服用量0.01〜10000mg、好ましくは0.1〜1000mgから選択できる。
また、本発明の組成物には、発明の効果を損なわない範囲であれば、その用途や形態に応じて、医薬品、医薬部外品などに使用される様々な成分や添加物を適宜選択し、併用して製剤化することが可能である。例えば、液剤などの調製に一般的に使用される担体(水、水性溶媒、水性または油性基剤など)、ガム質、多糖類などの高分子化合物、糖類、糖アルコール類、界面活性剤、等張化剤、香料または清涼化剤、安定剤、溶解剤、基剤など、固形剤では、結合剤、賦形剤、滑沢剤、崩壊剤、発泡剤などの各種添加剤を挙げることができる。本発明において好適な成分としては、例えば、次のような成分が挙げられる。
ガム質、多糖類などの高分子化合物:例えば、カラヤガム、キサンタンガム、キャロブガム、グアーガム、グアヤク脂、クインスシード、トラガント、ベンゾインゴム、ローカストビーンガム、カゼイン、寒天、アルギン酸、デキストリン、シクロデキストリン、デキストラン、ガラギーナン、ゼラチン、コラーゲン、ペクチン、デンプン、ポリガラクツロン酸、キチンおよびその誘導体、キトサンおよびその誘導体、エラスチン、ヘパリン、ヘパリノイド、ヘパリン硫酸、ヘパラン硫酸、ヒアルロン酸、セラミド、ポリビニルメタアクリレート、ポリアクリル酸、ポリエチレンイミン、リボ核酸、デオキシリボ核酸など、およびその薬学上許容される塩類など。
糖類:例えばフルクトース、ガラクトース、マンノース、リボース、アロース、リブロース、アラビノース、キシロース、リキソース、デオキシリボース、マルトース、トレハロース、スクロース、セロビオース、グルコビオース、ビシアノース、ルチノース、ラクトース、プルラン、ラクツロース、ラフィノース、マルチトール、スタキオースなど。
糖アルコール類:例えば、キシリトール、マンニトールなど。
界面活性剤:例えば、アルキルジアミノエチルグリシンなどのグリシン型両性界面活性剤;アルキル4級アンモニウム塩(具体的には、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウムなどの陽イオン界面活性剤など。
等張化剤:例えば、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、グリセリン、プロピレングリコールなど。
香料又は清涼化剤:例えば、アネトール、オイゲノール、リュウノウ、ウイキョウ油、大茴香油、丁子油、アニス油、ケイヒ油など。
安定剤:ジブチルヒドロキシトルエン、トロメタモール、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート(ロンガリット)、トコフェロール、ピロ亜硫酸ナトリウム、モノエタノールアミン、モノステアリン酸アルミニウムなど。
溶解剤、基剤:オクチルドデカノール、オリーブ油、ゴマ油、酸化チタン、臭化カリウム、ダイズ油、ツバキ油、トウモロコシ油、ナタネ油、パラフィン、ヒマシ油、プラスチベース、ラッカセイ油、ラノリン、ワセリンなど。
賦形剤:ショ糖、乳糖、デンプン、コーンスターチ、結晶セルロース、軽質無水ケイ酸など。
滑沢剤:ステアリン酸マグネシウムなど。
崩壊剤:クロスカルメロースナトリウムなど。
発泡剤:炭酸水素ナトリウムなど。
本発明の組成物は、公知の方法により製造できる。例えば、点眼剤または洗眼剤では、蒸留水又は精製水及び添加剤を用いてプラノプロフェン又はその塩およびグリチルリチン酸塩類、場合によっては粘稠剤とを溶解させ、所定の浸透圧及びpHに調整し、無菌環境下、ろ過滅菌処理し、洗浄滅菌済みの容器に無菌充填することにより製造できる。
本発明は、プラノプロフェンまたはその塩およびグリチルリチン酸塩類を含有する組成物の製剤安定性改善方法をも包含する。本発明の方法において、プラノプロフェン、グリチルリチン酸塩類を含有することによって組成物の製剤安定性が改善される。さらに、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、デキストランおよびそれらの塩なる群から選択される1種または2種以上の粘稠剤を含有させることによって、より顕著な製剤安定性の改善を達成できる。
本発明の方法において、プラノプロフェンおよびグリチルリチン酸塩類、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、デキストラン、これらの配合量は、前記組成物で用いたものと同様である。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
試験例1 疲労度自己評価試験
表1に記載の処方に従い、各成分を精製水に溶解して全量を100mLとして試験液を調製した。
健常人4名に対して、VDT作業前、VDT作業開始1時間後、2時間後に比較例1の試験液を両眼に点眼した後、疲労度の自己評価を行った。評価基準および評価項目は、中村芳子、「眼精疲労の診断と対策」、新しい眼科、第14巻、第9号、p.1319−1326に従い、下記5段階の評価基準で18個の評価項目について被験者に点数をつけてもらい、点数の合計を疲れ目度とした。同様に比較例2、3および実施例1の試験液についても疲れ目度を評価した。
各試験液について評価した疲れ目度から、下記式に従って、比較例1点眼後を基準にして自己評価改善値を算出した。
自己評価改善値=疲れ目度(比較例1点眼後)−疲れ目度(試験液点眼後)
<評価基準>
0:いいえ
1:症状はあるが、気にするほどではない
2:症状があり気になるが、そのままにしている
3:そのままにしておけないので、誰かに相談しようと思う
4:治療を必要とするほど症状が強く、仕事に差し支える
<評価項目>
目が疲れる、目の奥が痛い、目がかすむ、涙が出る、充血する、目が熱い感じがする、目がだるい・重い・圧迫感がある、目が乾く、まぶしい、目を開けているのがつらい、ぼやけて見える、二重に見える、目に異物感がある、距離が変わるとすぐ焦点が合わない、頭痛がする、めまい・立ちくらみがする、肩こり・腰痛がある、頭が重い
結果を表1に示す。
Figure 0004989898
比較例2、3から、プラノプロフェンまたはグリチルリチン酸ニカリウムにも、それぞれ疲れ目度の自己評価を若干改善する効果があることがわかるが、プラノプロフェンおよびグリチルリチン酸ニカリウムをともに含有する実施例1では、疲れ目度の自己評価が顕著に改善することが確認された。
試験例2 製剤安定性試験
表2に記載の処方に従い、各成分を精製水に溶解して全量を100mLとして試験液を調製した。
各々の試験液をスチロールキャップ付透明ガラス製スクリュー管(容量10mL)に8mLずつ充填し、これらを試験サンプルとした(n=2)。この試験サンプルに対して、光安定性試験装置(「Light-Tron LT-120 D3CJ型」、ナガノ科学株式会社製)を用いて、D65ランプを光源として、25℃の下、0.5万lxの光を3時間連続照射し、試験液を積算照射量1.5万lx・hrの光に曝光した。光照射後の各試験液の吸光度(420nm)を分光光度計(日立分光光度計 U-3010)を用いて測定し、製剤の安定性を評価した。結果を表2に示す。
Figure 0004989898
試験液1から、プラノプロフェンは光照射により吸光度が上昇していることから、試験液の濁度(白濁の度合い)が悪化し、製剤がより不安定になっていることがわかる。プラノプロフェンおよびグリチルリチン酸二カリウムを含有する試験液2では、吸光度が下がり製剤安定性が改善していることが示された。さらに、試験例3〜7より、特定の粘稠剤を共存させることで試験液1又は試験液2よりも吸光度が下がり、外観および製剤安定性が改善されていることがわかった。特に、試験液1の吸光度を100とすると試験液3、6、7では20以下に低下した。なお、各試験液の光照射前の吸光度(420nm)は0〜0.01であった。また、光照射前と後の試験液中のプラノプロフェン濃度を高速液体クロマトグラフィーにより測定したところ、試験液2〜7のプラノプロフェンの残存率が、試験液1よりも高くなる傾向が認められたことから、プラノプロフェン分解物の生成を抑制することで、製剤安定性に寄与しているものと考えられる。
したがって、プラノプロフェンおよびグリチルリチン酸塩類を含有することで製剤安定性を改善することができ、さらに特定の粘稠剤を共存させることでより組成物の製剤を安定化することが明らかになった。
以下に製剤実施例を挙げる。
以下の実施例中の配合量は、適量または特に単位の記載のないものについてはすべてw/v%を表す。表3、4中のカルボキシメチルセルロースナトリウムはセロゲン(R)PR-S、ポリビニルピロリドンK25はコリドン(R)K25、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2906はメトローズ(R)65SH-4000をそれぞれ示す。また、実施例2〜17は、ポリエチレンナフタレート10%とポリエチレンテレフタレート90%の混合体の容器(340nm〜380nmの吸光度3.0以上)に充填し、25℃の下、0.5万lxの光を6時間連続照射し、積算照射量3万lx・hrの光に曝光したところ、実施例2〜17すべてにおいてプラノプロフェンの残存率が90%以上に維持された。
Figure 0004989898
Figure 0004989898
実施例18 錠剤:1錠中
プラノプロフェン 75mg
グリチルリチン酸モノアンモニウム 35mg(グリチルリチン酸として25mg)
ヒドロキシプロピルセルロース 17mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
結晶セルロース 適量
合 計 180mg
日本薬局方製剤総則、「錠剤」の製造方法に準じて1錠あたり180mgの錠剤(1日3回、1回あたり1錠を服用する錠剤)を製造した。より具体的には、ステアリン酸マグネシウム以外の成分を混合し造粒する。その後、ステアリン酸マグネシウムを均一になるまで混合した後、打錠して錠剤を製した。
実施例19 錠剤:1錠中
プラノプロフェン 35mg
グリチルリチン酸モノアンモニウム 35mg(グリチルリチン酸として25mg)
ヒドロキシプロピルセルロース 17mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
結晶セルロース 適量
合 計 180mg
日本薬局方製剤総則、「錠剤」の製造方法に準じて1錠あたり180mgの錠剤(1日3回、1回あたり1錠を服用する錠剤)を製造した。より具体的には、ステアリン酸マグネシウム以外の成分を混合し造粒する。その後、ステアリン酸マグネシウムを均一になるまで混合した後、打錠して錠剤を製した。
表5〜8に記載の実施例20〜47は浸透圧比を0.7〜1.5に調整した。また、実施例20〜47は、ポリエチレンナフタレート10%とポリエチレンテレフタレート90%の混合体の容器(340nm〜380nmの吸光度3.0以上)に充填し、25℃の下、0.5万lxの光を6時間連続照射し、積算照射量3万lx・hrの光に曝光したところ、実施例20〜47すべてにおいてプラノプロフェンの残存率が90%以上に維持された。
Figure 0004989898
Figure 0004989898
Figure 0004989898
Figure 0004989898

Claims (6)

  1. (A)プラノプロフェン又はその塩、および
    (B)グリチルリチン酸、グリチルリチン酸モノアンモニウム、グリチルリチン酸二アンモニウム、グリチルリチン酸三ナトリウム、グリチルリチン酸二ナトリウム、グリチルリチン酸二カリウムからなる群から選択される1種または2種以上
    を含有する目の疲れ改善用組成物。
  2. (C)モノテルペノイドを含有する請求項1に記載の組成物。
  3. さらに、(D)ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース又はその塩、ポリエチレングリコールおよびデキストランからなる群から選択される1種または2種以上を含有する請求項1または2に記載の組成物。
  4. 組成物が、水性組成物である請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
  5. 340nm〜380nmの平均吸光度が1.0以上である容器に収容されてなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の組成物。
  6. (A)成分の含有量が0.0001〜2w/v%であり、
    (B)成分の含有量が0.0001〜2w/v%であり、
    (A)成分1重量部に対し、(B)成分が0.01〜100重量部である
    請求項1〜5のいずれかに記載の組成物。
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