JP2005239691A - トラニラスト含有医薬組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、光に対する安定性が改善されている、トラニラスト又はその薬学的に許容される塩を含有する医薬組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】 トラニラスト又はその薬学的に許容される塩、と一般式(1)で表される化合物及び/又は一般式(2)で表される化合物とを組み合わせて医薬組成物を調製する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、光に対する安定性が改善されたトラニラスト又はその薬学的に許容される塩を含有する医薬組成物に関する。更に、本発明は、トラニラスト又はその薬学的に許容される塩の光安定性を改善する方法に関する。
トラニラスト(N−(3,4−ジメトキシシンナモイル)アントラニル酸)は、アレルギー性疾患治療剤として、気管支喘息やアレルギー性鼻炎等に経口投与剤として用いられている。更に、該トラニラストは、現在ではアレルギー性疾患用の点眼剤の有効成分としても使用されている。
しかしながら、一般に、これらのトラニラスト又はその塩は光に極めて不安定であるために、製造時や開封後の光への曝露に対して製剤の安定性を確保することが重要とされている。通常、光に不安定な薬理活性物質を含有する製剤を安定に保存するために、褐色容器や遮光袋等の包装材料を使用する等の遮光手段がとられている。しかしながら、このような方法では、遮光手段が不十分であったり、容器や包材を使用できない製造時には、光に不安定な物質が分解する恐れがあるといった問題点があった。また、適用に際しても、遮光袋等の手段が煩雑であることから患者が薬品の保存に関するコンプライアンスを守らず、まして患者が適用の際に遮光下で薬品を使用することは殆ど不可能であり、患者本人が気づかない間に薬理活性物質が光分解するケースも多々あり得る。更に、光に不安定な薬理活性物質を含有する製剤を局所投与剤の場合、容器から薬物を取り出して皮膚や粘膜に適用した後は、通常、薬理活性物質は光に暴露されることとなり適用部位での光分解を免れえないという問題点もある。
薬理活性物質の製剤中での光安定性を改善する方法として、一般に、抗酸化剤を使用したり、薬理活性物質の安定なpH領域にpHを設定することにより加水分解を抑制する方法が知られている。タンパク結合性を示す医薬品については、特許文献1に、天然アルブミンを配合すると薬理活性物質の光安定性が向上されるとの記載がある。しかしながら、これらの方法では、トラニラスト又はその塩の光安定性を十分に改善することができない。
このような従来技術を背景として、光に対する安定性を備えたトラニラスト又はその薬学的に許容される塩を含有する医薬組成物の開発が望まれていた。
特開昭63−215642号公報
本発明の目的は、上記従来技術の課題を解決することである。詳細には、本発明は、光に対する安定性が改善されている、トラニラスト又はその薬学的に許容される塩を含有する医薬組成物を提供することを目的とする。また本発明は、トラニラスト又はその薬学的に許容される塩の光安定性を改善する方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、一般式(1)及び(2)で表される化合物には、トラニラスト又はその薬学的に許容される塩の光に対する安定性を改善する作用があることを見いだした。本発明は、かかる知見に基づいて、更に検討を重ねることによって完成したものである。
即ち、本発明は、下記に掲げる医薬組成物である:
項1.(A)トラニラスト又はその薬学的に許容される塩、及び
(B)一般式(1)で表される化合物
Figure 2005239691
(式中、R1、R2及びR3は、同一又は異なって、水素原子又はアルカリ金属原子を示す)、及び
一般式(2)で表される化合物
Figure 2005239691
(式中、R4及びR5は、同一又は異なって、水素原子又はアルカリ金属原子を示す)
よりなる群から選択される少なくとも1種の化合物、又はその金属レーキ
を含有する特徴とする医薬組成物。
項2.(A)のトラニラスト又はその薬学的に許容される塩100重量部に対して、(B)の化合物を総量で0.0001〜1000重量部の割合で含有する、項1に記載の医薬組成物。
項3.更に、溶解補助剤を含む、項1又は2に記載の医薬組成物。
項4.溶解補助剤が、ポリビニルピロリドン、カフェイン、トロメタモール、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、及びトリエタノールアミンよりなる群から選択される少なくとも1種である、項3に記載の医薬組成物。
項5.更に、非イオン性界面活性剤を含む、項1乃至4のいずれかに記載の医薬組成物。
項6.非イオン性界面活性剤が、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル及びポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマーよりなる群から選択された少なくとも一種である、項5に記載の医薬組成物。
項7.水性医薬組成物である、項1乃至6のいずれかに記載の医薬組成物。
項8.光透過性の包装体に収容される医薬組成物である、項1乃至7のいずれかに記載の医薬組成物。
項9.光に曝露されやすい身体部位に適用される医薬組成物である、項1乃至8のいずれかに記載の医薬組成物。
項10.点眼剤、洗眼剤、点鼻剤又はコンタクトレンズ用剤である、項1乃至9のいずれかに記載の医薬組成物。
更に本発明は、下記に掲げるトラニラスト又はその薬学的に許容される塩の光安定性を改善する方法である。
項11.医薬組成物中で、(A)トラニラスト又はその薬学的に許容される塩と共に、(B)一般式(1)で表される化合物
Figure 2005239691
(式中、R1、R2及びR3は、同一又は異なって、水素原子又はアルカリ金属原子を示す)、及び
一般式(2)で表される化合物
Figure 2005239691
(式中、R4及びR5は、同一又は異なって、水素原子又はアルカリ金属原子を示す)
よりなる群から選択される少なくとも1種の化合物、又はその金属レーキを共存させることを特徴とする、トラニラスト又はその薬学的に許容される塩の光安定性を改善する方法。
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本明細書において、水性組成物とは、組成物中に水を少なくとも5重量%以上、好ましくは20重量%以上、更に好ましくは50重量%以上含有するものを意味する。
本発明の医薬組成物には、(A)成分として、活性成分であるトラニラストを含有する。トラニラストとは、N−(3,4−ジメトキシシンナモイル)アントラニル酸のことである。
本発明の医薬組成物には、(A)成分として、上記トラニラストに代えて、又は組み合わせて、トラニラストの薬学的に許容される塩を使用することができる。トラニラストの薬学的に許容される塩としては、具体的にはナトリウム塩、カリウム塩等の無機塩との塩、或いは、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ピロリジン等の有機アミンやアミノ酸との塩を挙げることができる。これらのトラニラストの薬学的に許容される塩は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
本発明の医薬組成物中における、(A)のトラニラスト又はその薬学的に許容される塩の濃度は、化合物の種類や剤形によって異なるが、経口投与される医薬組成物では、一日投与量として50〜500mg、局所投与される医薬組成物では、一日投与量として0.01〜50mgとなるように適宜調整すればよい。例えば、水性組成物として用いる場合には、組成物の総重量に対して(A)のトラニラスト又はその薬学的に許容される塩が0.01〜20重量%、好ましくは0.01〜10重量%、更に好ましくは、0.1〜5重量%、特に好ましくは0.1〜3重量%でとなる割合を挙げることができる。
本発明の医薬組成物は、(B)成分として、トラニラスト又はその薬学的に許容される塩に光安定性を付与する化合物である、一般式(1)で表される化合物及び一般式(2)で表される化合物よりなる群から選択される少なくとも1種の化合物(以下、本明細書において、これらを(B)の化合物ということもある)を含有する。
(B)成分である一般式(1)で表される化合物とは、3-カルボキシ-5-ヒドロキシ-1-パラ-スルホフェニル-4-パラ-スルホフェニルアゾピラゾール及びそのアルカリ金属塩であり、下記構造を有するものである。
Figure 2005239691
一般式(1)中、R1、R2及びR3は、同一又は異なって、水素原子又はアルカリ金属原子である。当該アルカリ金属原子としては、例えば、リチウム原子、ナトリウム原子、カリウム原子、ルビジウム原子等が挙げられる。
一般式(1)で表される化合物として、好ましくは、R1、R2及びR3が、同一又は異なって、水素原子、ナトリウム原子、又はカリウム原子であるが例示される。更に好ましくは、R1、R2及びR3がナトリウム原子である一般式(1)で表される化合物である。
一般式(1)で表される化合物は、金属レーキの形態のものであってもよい。当該金属レーキに使用される金属の一例としては、バリウム、ジルコニア、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム等が例示される。
本発明において、一般式(1)で表される化合物は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
また、(B)成分である一般式(2)で表される化合物とは、1-パラ-スルホフェニルアゾ-2-ナフトール-6-スルホン酸及びそのアルカリ金属塩であり、下記構造を有するものである。
Figure 2005239691
一般式(2)中、R4及びR5は、同一又は異なって、水素原子又はアルカリ金属原子である。当該アルカリ金属原子としては、例えば、リチウム原子、ナトリウム原子、カリウム原子、ルビジウム原子等が挙げられる。
一般式(2)で表される化合物として、好ましくは、R4及びR5は、同一又は異なって、水素原子、ナトリウム原子、又はカリウム原子である化合物が例示される。更に好ましくは、R4及びR5がナトリウム原子である化合物である。
一般式(2)で表される化合物は、金属レーキの形態のものであってもよい。当該金属レーキに使用される金属は、前記一般式(1)で表される化合物の場合と同様である。
本発明において、一般式(2)で表される化合物は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
本発明の医薬組成物の(B)成分として、一般式(1)で表される化合物又は一般式(2)で表される化合物のいずれか一方のみを使用してもよいし、また、これらの化合物を組み合わせて使用してもよい。
上記(B)の化合物は公知であり、公知の方法により合成してもよく市販品として入手することもできる。
本発明の組成物中において、(A)のトラニラスト又はその薬学的に許容される塩と、(B)の化合物との配合割合については、使用する化合物の種類、医薬組成物の形態等によっても異なるが、一例として、(A)のトラニラスト又はその薬学的に許容される塩100重量部に対して、(B)の化合物が総量で0.0001〜1000重量部、好ましくは0.001〜100重量部、さらに好ましくは0.01〜100重量部程度となる割合を挙げることができる。
本発明の医薬組成物における(B)の化合物の濃度は、(A)のトラニラスト又はその薬学的に許容される塩の種類や配合割合、使用する(B)の化合物の種類、組成物の形態等によって異なるが、例えば、該組成物の総重量に対して、(B)の化合物を総量で0.0001〜3重量%、好ましくは0.0001〜1重量%、更に好ましくは0.001〜0.5重量%、特に好ましくは0.01〜0.1重量%となる割合を挙げることができる。
本発明の医薬組成物において、(B)の化合物は、該医薬組成物中で均一に分布していることが望ましいが、該医薬組成物が一定の形状を有する場合(例えば、錠剤、顆粒剤、カプセル剤等)であれば、(B)の化合物は該医薬組成物の外側表面に局在していてもよい。例えば、医薬組成物がカプセル剤の形態であれば、上記(B)の化合物は、カプセル成分(被膜成分)中に含まれていてもよい。また、例えば、医薬組成物が糖衣錠の形態であれば、糖衣部分に含んでいても、また糖衣の内側に存在する組成物部分に含んでいてもよい。
本発明の医薬組成物には、必要に応じて、溶解補助剤を配合してもよい。特に、本発明の医薬組成物を水性組成物として調製する場合には、溶解補助剤の配合が望ましい。当該溶解補助剤を配合することにより、澄明な水性組成物を調製することが可能となる。澄明な水性組成物は、光により不安定となりがちであるが、本発明の医薬組成物では光安定性が改善されているので、十分な安定性が維持できる。かかる溶解補助剤としては、トロメタモール、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の有機アミン;ポリビニルピロリドン、ポリソルベート等の界面活性剤;プロピレングリコール等の多価アルコール;並びに、カフェイン等のキサンチン誘導体等が挙げられる。特にポリビニルピロリドン、カフェイン、トロメタモール、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、及びトリエタノールアミンは、トラニラスト又はその薬学的に許容される塩の光安定性改善効果を一層高めることができるので好ましい。これらの溶解補助剤は、1種単独で使用しても、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
溶解補助剤を配合する場合、本発明の組成物中の該溶解補助剤の配合割合としては、水性組成物の場合であれば、通常0.001〜10重量%、好ましくは0.001〜5重量%、更に好ましくは0.05〜5重量%となる割合が例示される。
本発明の医薬組成物に、更に非イオン性界面活性剤を配合することにより、トラニラスト又はその薬学的に許容される塩の安定性を高めることができる。かかる非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレン(以下、POEともいう)−ポリオキシプロピレン(以下、POPともいう)ブロックコポリマー(例えば、ポリオキシエチレン(196)ポリオキシプロピレン(67)グリコール(ポロクサマー407)、ポロクサマー235、ポロクサマー188など);モノラウリン酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート20)、モノオレイン酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート80)などのPOEソルビタン脂肪酸エステル類;POE(60)ヒマシ油、ポリオキシエチレンオキシステアリン酸トリグリセリド(60E.O.)(POE(60)硬化ヒマシ油)等のPOEヒマシ油又は硬化ヒマシ油;POE(9)ラウリルエーテル等のPOEアルキルエーテル類;POE(20)POP(4)セチルエーテル等のPOE・POPアルキルエーテル類;並びにPOE(10)ノニルフェニルエーテル等のPOEアルキルフェニルエーテル類等が使用できる。なお、括弧内の数字は付加モル数(平均付加モル数)を示す。これらの非イオン性界面活性剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。前記非イオン性界面活性剤のうち、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油又はポリオキシエチレン硬化ヒマシ油が好ましい。中でも、POE(60)硬化ヒマシ油、ポリソルベート80、及びポロクサマー407が特に好ましい。
本発明の組成物中、非イオン性界面活性剤の含有割合は、該組成物が水性組成物の場合であれば、通常、該組成物の総重量に対して0.001〜1重量%、好ましくは0.01〜1重量%、さらに好ましくは0.05〜1重量%程度である。
本発明の医薬組成物は、種々の担体(水等の水性担体、親水性担体、油性担体や、液状担体、粉粒状担体など)と組み合わせることにより、目的に応じた種々の形態、例えば、固形剤、半固形剤、液剤等の剤形で提供することができる。具体的には、固形剤(錠剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤、ドライシロップなど)、半固形剤[軟膏剤(硬軟膏剤、軟軟膏剤など)、クリーム剤など]、液剤[点眼剤、ローション剤、エキス剤、懸濁剤、乳剤、シロップ剤、注射剤(用時調製型の注射剤を含む)、エアゾール剤、軟カプセル剤、ドリンク剤など]などの形態で利用できる。特に、本発明では、水溶液中での光の暴露によって引き起こされるトラニラスト又はその塩の不安定化を効果的に抑制できるので、水性の医薬組成物であっても安定に保持できる。このような水性の組成物としては、液剤の他、水を含む半固形剤が挙げられる。本発明で使用する医薬組成物として、特に好ましくは液剤である。
本発明の医薬組成物の一例として、外皮用軟膏、外皮用クリーム、外皮用液剤、点眼薬(剤)(コンタクトレンズ装用中に使用可能な点眼薬(剤)を含む)、洗眼薬(剤)(コンタクトレンズ装用中に使用可能な洗眼薬(剤)を含む)、眼軟膏薬、コンタクトレンズ装着液、コンタクトレンズ用剤(洗浄液、保存液、消毒液、マルチパーパスソリューションなど)、点鼻薬(点鼻剤)、鼻洗浄液、口腔咽頭薬、含嗽薬、点耳薬、注射薬、坐薬、内服薬、吸入用製剤等が挙げられる。なお、本明細書において、コンタクトレンズとは、ハードコンタクトレンズ(酸素透過性ハードコンタクトレンズも含む)、ソフトコンタクトレンズなどのあらゆるタイプのコンタクトレンズを包含する。これらの中で、好ましくは点眼薬(点眼剤)、洗眼薬(洗眼剤)、点鼻剤及びコンタクトレンズ用剤を挙げることができる。また、本発明の医薬組成物は、皮膚適用のみならず刺激を感じやすい粘膜(角膜及び結膜等の眼粘膜、歯茎、舌、口唇、口腔粘膜、鼻腔粘膜、咽頭部粘膜等)への適用される医薬組成物として調製することもでき、また、本発明の医薬組成物は、注射剤、坐薬、内服薬、吸入用製剤等として調製してもよい。
また、本発明の医薬組成物は、光透過性の包装体(例えば、各種容器、PTP包装等)に収容されても、当該包装体中でトラニラストを安定に保持できる。故に、本発明の医薬組成物の好ましい態様の一例として、光透過性の包装体や光の暴露を受け易い包装体に収容されるものが挙げられる。このような医薬組成物としては、錠剤、カプセル剤、点眼薬(剤)、洗眼薬(剤)、注射薬等が例示される。
また、本発明の医薬組成物によれば、上記身体部位に適用されて皮膚上で光暴露を受けても、トラニラストの光による分解を抑制して、トラニラストの薬効作用を効率的に発揮させることができる。故に、本発明の医薬組成物の好適な一態様として、光に曝露されやすい身体部位に局所適用される医薬組成物が挙げられる。このような医薬組成物として、外皮用軟膏、外皮用クリーム、外皮用液剤、点眼薬(剤)等が挙げられる。
本発明の医薬組成物は、本発明の効果を損なわない限り、上記した成分のほかに、種々の成分(薬理活性成分や生理活性成分を含む)を組み合わせて含有してもよい。このような成分の種類は特に制限されず、例えば、充血除去成分、眼調節薬成分、抗炎症薬成分または収斂薬成分、抗ヒスタミン薬成分又は抗アレルギー薬成分、ビタミン類、アミノ酸類、抗菌薬成分、殺菌薬成分、糖類、多糖類またはその誘導体、セルロース又はその誘導体又はそれらの塩、前述以外の水溶性高分子、局所麻酔薬成分、ステロイド成分、緑内障治療薬などが例示できる。本発明において好適な成分としては、例えば、次のような成分が挙げられる。
充血除去成分:α−アドレナリン作動薬、例えば、イミダゾリン誘導体(オキシメタゾリン、テトラヒドロゾリン、ナファゾリンなど)、β−フェニルエチルアミン誘導体(エピネフリン、エフェドリン、フェニレフリン、メチルエフェドリンなど)、及びそれらの薬学上又は生理的に許容される塩(例えば、塩酸エピネフリン、塩酸エフェドリン、塩酸オキシメタゾリン、塩酸テトラヒドロゾリン、塩酸ナファゾリン、塩酸フェニレフリン、塩酸メチルエフェドリン、酒石酸水素エピネフリン、硝酸テトラヒドロゾリン、硝酸ナファゾリンなどの無機酸塩;酒石酸水素エピネフリンなどの有機酸塩など)など。これらはd体、l体又はdl体のいずれでもよい。
眼筋調節薬成分:アセチルコリンと類似した活性中心を有するコリンエステラーゼ阻害剤、例えばメチル硫酸ネオスチグミン等の第4級アンモニウム化合物、アトロピン、トロピカミド、ヘレニエン、及びそれらの薬学上又は生理的に許容される塩(例えば、硫酸アトロピンなど)など。
抗炎症薬成分または収斂薬成分:亜鉛塩(例えば、硫酸亜鉛、乳酸亜鉛など)、アズレンスルホン酸、アスピリン、アセメタシン、アラントイン、イブプロフェン、イプシロン−アミノカプロン酸、インドメタシン、インドメタシンファルネシル、塩化リゾチーム、塩酸チアラミド、グリチルリチン酸、サリチル酸メチル、ジクロフェナク、硝酸銀、セレコキシブ、チアプロフェン酸、ピロキシカム、プラノプロフェン、ブロムフェナク、メフェナム酸、メロキシカム、リゾチーム、ロキソプロフェンナトリウム、ロフェコキシブなど、及びそれらの薬学上又は生理的に許容される塩(例えば、アズレンスルホン酸ナトリウム、グリチルリチン酸二カリウム、グリチルリチン酸アンモニウム、ジクロフェナクナトリウム、ブロムフェナクナトリウムなど)など。
抗ヒスタミン薬成分又は抗アレルギー薬成分:例えば、アシタザノラスト、アステミゾール、アゼラスチン、アンレキサノクス、イブジラスト、イプロヘプチン、エメダスチン、エバスチン、エピナスチン、オキサトミド、オロパタジン、クレマスチン、クロモグリク酸、クロルフェニラミン、ケトチフェン、ジフェンヒドラミン、スプラタスト、セチリジン、タザノラスト、テルフェナジン、フェキソフェナジン、ベポタスチン、ペミロラスト、メキタジン、レピリナスト、レボカバスチン、ロラタジン、またはその塩(例えば、塩酸アゼラスチン、塩酸イプロヘプチン、塩酸オロパタジン、塩酸ジフェンヒドラミン、塩酸レボカバスチン、フマル酸エメダスチン、フマル酸クレマスチン、フマル酸ケトチフェン、クロモグリク酸ナトリウム、ペミロラストカリウム、マレイン酸クロルフェニラミンなど)など。
ビタミン類:例えば、ビタミンA類[例えば、カロチン、デヒドロレチナール、リコピン、レチナール、レチノール、レチノイン酸及びその薬理学的に許容される塩類(例えば、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノールなど)など]、ビタミンB類[塩酸ジセチアミン、塩酸チアミン、塩酸ピリドキシン、塩酸フルスルチアミン、オクトチアミン、シコチアミン、ジセチアミン、硝酸チアミン、硝酸ビスチアミン、チアミン、チアミンジスルフィド、チアミンジセチル硝酸エステル塩、ビスイブチアミン、ビスベンチアミン、フルスルチアミン、プロスルチアミン、ベンフォチアミン、酪酸リボフラビン、リボフラビン、リン酸リボフラビンナトリウム、ピリドキシン、ピリドキサール、リン酸ピリドキサール、リン酸ピリドキサールカルシウム、塩酸ヒドロキソコバラミン、酢酸ヒドロキソコバラミン、ヒドロキソコバラミン、デオキシアデノコバラミン、メチルコバラミン、ジヒドロ葉酸、テトラヒドロ葉酸、葉酸、ニコチニックアルコール、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、パンテノール、パントテン酸、パントテン酸カルシウム、パントテン酸ナトリウム、イノシトール、コリン、ビオチンなど]、ビタミンC類[アスコルビン酸及びその誘導体、エリソルビン酸及びその誘導体及びその薬理学的に許容される塩類(例えば、アスコルビン酸ナトリウム、エリソルビン酸ナトリウムなど)など]、ビタミンD類[例えば、エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール、ジヒドロキシコレカルシフェロール、ジヒドロタキステロール、ヒドロキシコレカルシフェロール及びその薬理学的に許容される塩類など]など]、ビタミンE類[例えば、トコフェロール及びその誘導体、ユビキノン誘導体及びその薬理学的に許容される塩類(コハク酸トコフェロール、コハク酸トコフェロールカルシウム、酢酸トコフェロール、ニコチン酸トコフェロールなど)など]、その他のビタミン類[例えば、エリオシトリン、オロチン酸、カルニチン、γ−オリザノール、フェルラ酸、ルチン及びその薬理学的に許容される塩類(塩化カルニチンなど)など]。
アミノ酸類:例えば、アスパラギン、アスパラギン酸、アミノエチルスルホン酸(タウリン)、アラニン、イソロイシン、オルニチン、グリシルグリシン、グリシン、グルタミン、グルタミン酸、クレアチニン、コンドロイチン硫酸、システイン、セリン、チロシン、トリプトファン、トレオニン、バリン、ヒスチジン、ヒドロキシプロリン、ヒドロキシリジン、フェニルアラニン、プロリン、メチオニン、リジン、ロイシンまたはその塩(例えばアスパラギン酸カリウム、アスパラギン酸マグネシウム、アスパラギン酸マグネシウム・カリウム混合物、塩酸システイン、グルタミン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウムなど)など。これらはd体、l体又はdl体のいずれでもよい。
抗菌薬成分または殺菌薬成分:アクリノール、アミノグリコシド系抗菌薬[カナマイシン(例えば、硫酸アミノデオキシカナマイシン、硫酸カナマイシンなど)、ゲンタマイシン(例えば、硫酸ゲンタマイシンなど)、シソマイシン(例えば、硫酸シソマイシンなど)、ストレプトマイシン(例えば、硫酸ストレプトマイシンなど)、トブラマイシン、ミクロノマイシン(例えば、硫酸ミクロノマイシンなど)など]、アルキルポリアミノエチルグリシン、クロラムフェニコール系抗菌薬(クロラムフェニコールなど)、スルホンアミド類[例えば、スルファメトキサゾール、スルフイソキサゾール、スルフイソミジン及び薬理学的に許容される塩(スルファメトキサゾールナトリウム、スルフイソキサゾールジエタノールアミン、スルフイソキサゾールモノエタノールアミン、スルフイソメゾールナトリウム、スルフイソミジンナトリウムなど)]、第4級アンモニウム化合物[例えば、セチルピリジニウム、ベンザルコニウム、ベンゼトニウム及び薬理学的に許容される塩(塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、臭化セチルピリジニウムなど)]、テトラサイクリン系抗菌薬(塩酸テトラサイクリン、塩酸オキシテトラサイクリンなど)、ニューキノロン剤[塩酸シプロフロキサシン、オフロキサシン、シプロフロキサシン、ノルフロキサシン、レボフロキサシン、ロメフロキサシン(例えば、塩酸ロメフロキサシンなど)など]、βラクタム系抗菌薬[カルベニシリン(例えば、カルベニシリンナトリウムなど)、スルベニシリン(例えば、スルベニシンナトリウムなど)、セフメノキシム(例えば、塩酸セフメノキシムなど)、ペニシリン(例えば、ベンジルペニシリンカリウムなど)]、ホウ酸又はその塩(ホウ砂など)、ポリペプチド系抗菌薬(コリスチン、コリスチンメタスルホン酸ナトリウムなど)、マクロライド系抗菌薬[エリスロマイシン(例えば、ラクトビオン酸エリスロマイシンなど)、キタサマイシン、スピラマイシン]などのほか、フラジオマイシン(例えば、硫酸フラジオマイシンなど)、ポリミキシン(例えば、硫酸ポリミキシンなど)、ジベカシン(例えば、硫酸ジベカシンなど)、アミカシン(例えば、硫酸アミカシンなど)などが使用できる。また、抗ウイルス薬としてアシクロビル、アデニンアラビノシド、イオドデオキシサイチジン、イドクスウリジン、カルボサイクリック・オキセタノシンG、ガンシクロビル、シクロサイチジン、シトシンアラビノシド、シドフォビア、トリフルオロチミジン、バラシクロビル、ブロモデオキシウリジン、ホスカルネット、ポリビニルアルコールヨウ素、ヨウ素、抗真菌薬としてアムホテリシンB、イソコナゾール、イトラコナゾール、エコナゾール、クロトリマゾール、ナイスタチン、ピマリシン、フルオロシトシン、フルコナゾール、フルシトシン、ミコナゾールなどが使用できる。
糖類:単糖類(例えば、グルコースなど)、二糖類(例えば、トレハロース、フルクトース、ラクトースなど)、オリゴ糖類(例えば、プルラン、ラクツロース、ラフィノースなど)、糖アルコール類(例えば、キシリトール、ソルビトール、マンニトールなど)など。
多糖類又はその誘導体:アラビアゴム、アルギン酸、エラスチン、カゼイン、カラギーナン、カラヤガム、寒天、キサンタンガム、キチン及びその誘導体、キトサン及びその誘導体、キャロブガム、グアーガム、グアヤク脂、クインスシード、コラーゲン、コンドロイチン硫酸またはその塩(アルギン酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウムなど)、ゼラチン、ダンマルガム、デキストラン、デキストリン、デンプン、トラガント、ヒアルロン酸、ヘパラン硫酸、ヘパリノイド、ヘパリン、ヘパリン硫酸、ベンゾインゴム、ペクチン、ポリガラクツロン酸、ローカストビーンガムなど。
セルロース又はその誘導体又はそれらの塩:エチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、セルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ニトロセルロース、メチルセルロースなど。
前述以外の水溶性高分子:ポリビニルアルコール(完全又は部分ケン化物)、ポリビニルピロリドンなど。
局所麻酔薬成分:アミノ安息香酸エチル、オキシブプロカイン、コカイン、コルネカイン、ジブカイン、テトラカイン、ピペロカイン、ブピバカイン、プロカイン、プロパラカイン、ヘキソチオカイン、メピバカイン、メプリルカイン、リドカイン及びそれらの塩(塩酸オキシブプロカイン、塩酸コカイン、塩酸コルネカイン、塩酸ジブカイン、塩酸テトラカイン、塩酸パラブチルアミノ安息香酸ジエチルアミノエチル、塩酸ピペロカイン、塩酸プロカイン、塩酸プロパラカイン、塩酸ヘキソチオカイン、塩酸リドカインなど)など。
ステロイド成分:コルチゾール、デキサメタゾン、トリアムシノロン、パラメタゾン、ヒドロコルチゾン、フルオロメトロン、プレドニゾロン、ベタメタゾン、メチルプレドニゾロン、メドリゾン及びそれらの塩(カプロン酸ヒドロコルチゾン、カプロン酸プレドニゾロン、酢酸コルチゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、酢酸プレドニゾロン、デキサメタゾンメタスルホベンゾエートナトリウム、デキサメタゾン硫酸ナトリウム、デキサメタゾンリン酸ナトリウム、トリアムシノロンアセトニド、ベタメタゾンリン酸ナトリウム、メタスルホ安息香酸デキサメタゾンナトリウム、メチルプレドニゾロン)など。
緑内障治療成分:アセタゾラミド、ウノプロストン(例えば、イソプロピルウノプロストンなど)、エピネフリン、塩酸アプラクロニジン、塩酸カルテオロール、塩酸ジピベフリン、塩酸ドルゾラミド、塩酸ピロカルピン、塩酸ブナゾシン、塩酸ブプラノロール、塩酸ベタキソロール、塩酸ベフノロール、カルバコール、塩酸レボブノロール、ジピバル酸エピネフリン、臭化ジスチグミン、ニプラジロール、マレイン酸チモロール、メタゾラミド、ラタノプロスト及びそれらの塩など。
白内障治療成分:カタリン、グルタチオン、シネラリアマルティマ、唾液腺ホルモン、チオプロニン、ピレノキシン、Dihydro azapentacene disulfonate及びそれらの塩など(例えばSodium5,12-dihydro azapentacene disulfonateなど)。
解熱鎮痛薬成分:例えば、アセトアミノフェン、ラクチルフェネチジン、アスピリン、アスピリンアルミニウム、エテンザミド、サザピリン、サリチルアミド、サリチル酸ナトリウムなど。
健胃薬成分:例えば、ウイキョウ、ウコン、加工大蒜、キジツ、ケイヒ、ショウキョウ、ソウジュツ、チョウジ、チンピ、ニンジン、ハッカ、ビャクジュツ、ホップ、ホミカエキス生薬(末、エキス、精油を含む)など、塩酸ベタイン、グルタミン酸塩酸塩、塩化カルニチン、塩化ベタネコール、乾燥酵母など。
消化薬成分:例えば、でんぷん消化酵素、蛋白消化酵素、脂肪消化酵素、繊維素消化酵素、ウルソデスオキシコール酸、オキシコーラン酸塩類、コール酸、胆汁末、胆汁エキス(末)、デヒドロコール酸、動物胆など。
胃粘膜修復成分:例えば、アズレンスルホン酸ナトリウム、アルジオキサ、グリチルリチン酸、L-グルタミン、銅クロロフィリンカリウム、銅クロロフィリンナトリウム、塩
酸ヒスチジン、ブタ胃壁ペプシン分解物、ブタ胃壁酸加水分解物、メチルメチオニンスルホニウムクロライド、エンゴサク、赤芽柏、カンゾウ、ジメチルポリシロキサンなど。
これらの成分の配合割合は、組成物の形態、活性成分の種類等に応じて選択でき、各種成分の配合割合は当該技術分野で既知である。例えば、組成物の総重量に対して、これらの成分を0.0001〜30重量%、好ましくは、0.001〜10重量%程度の割合で含有させることができる。より具体的には、水性医薬組成物の場合であれば、該組成物の総重量に対して各成分を以下に例示する割合で含有させることができる。
充血除去成分(血管収縮薬又は交感神経興奮薬):例えば、0.0001〜0.5%、好ましくは、0.0005〜0.3%、さらに好ましくは0.001〜0.1%。
眼筋調節薬成分:例えば、0.0001〜0.5%、好ましくは、0.0005〜0.1%、さらに好ましくは0.0005〜0.01%。
抗炎症薬成分または収斂薬成分:例えば、0.0001〜10%、好ましくは0.0001〜5%。
抗ヒスタミン薬成分または抗アレルギー薬成分:例えば、0.0001〜10%、好ましくは0.001〜5%。
ビタミン類:例えば、0.0001〜1%、好ましくは、0.0001〜0.5%。
アミノ酸類:例えば、0.0001〜10%、好ましくは0.001〜3%。
抗菌薬成分または殺菌薬成分:例えば、0.00001〜10%、好ましくは、0.0001〜10%。
糖類:例えば、0.0001〜5%、好ましくは0.001〜5%、さらに好ましくは0.01〜2%。
多糖類又はその誘導体:例えば、0.0001〜2%、好ましくは0.01〜2%、さらに好ましくは0.01〜1%。
セルロース又はその誘導体又はそれらの塩:例えば、0.001〜5%、好ましくは0.01〜1%。
前述以外の水溶性高分子:例えば、0.001〜10%、好ましくは0.001〜5%、さらに好ましくは0.01〜3%。
局所麻酔薬成分:例えば、0.001〜1%、好ましくは0.01〜1%。
ステロイド成分:例えば、0.001〜1%、好ましくは0.01〜1%。
緑内障治療成分:例えば、0.001〜5%、好ましくは0.01〜1%。
白内障治療成分:例えば、0.0001〜10%、好ましくは0.001〜5%。
また、本発明の医薬組成物には、発明の効果を損なわない範囲であれば、その用途や形態に応じて、常法に従い、様々な成分や添加物を適宜選択し、一種またはそれ以上を併用して含有させてもよい。それらの成分または添加物として、例えば、半固形剤や液剤などの調製に一般的に使用される担体(水、水性溶媒、水性または油性基剤など)、増粘剤、糖類、界面活性剤、防腐剤、殺菌剤又は抗菌剤、pH調節剤、等張化剤、香料または清涼化剤、キレート剤、緩衝剤、などの各種添加剤を挙げることができる。
以下に本発明の医薬組成物に使用される代表的な成分を例示するが、これらに限定されない。
水性溶媒:例えば、水、メタノール、含水メタノール、エタノール、含水エタノールなど。
増粘剤:例えば、カルボキシビニルポリマー、セラミド、セルロース誘導体(エチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、セルロース、ニトロセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロースなど)、多糖類又はその誘導体(アラビアゴム、アルギン酸、エラスチン、カゼイン、カラギーナン、カラヤガム、寒天、キサンタンガム、キチン及びその誘導体、キトサン及びその誘導体、キャロブガム、グアーガム、グアヤク脂、クインスシード、コラーゲン、コンドロイチン硫酸、ゼラチン、ダンマルガム、トラガントガム、ベンゾインゴム、デキストリン、デキストラン、デンプン、ヒアルロン酸、ペクチン、ヘパラン硫酸、ヘパリノイド、ヘパリン、ヘパリン硫酸、ポリガラクツロン酸、ローカストビーンガムなど)、デオキシリボ核酸、ポリアクリル酸、ポリエチレンイミン、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール(完全、又は部分ケン化物)、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメタアクリレート、マクロゴール、メチルビニルエーテル・無水マレイン酸共重合体、リボ核酸など、及びその薬理学的に許容される塩類(例えば、アルギン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウムなど)など。
糖類:例えば、アラビノース、ガラクトース、キシロース、グルコース、シクロデキストリン、スクロース、セロビオース、デオキシリボース、トレハロース、フルクトース、プルラン、マルチトール、マルトース、マンノース、ラクツロース、ラクトース、ラフィノース、リキソース、リブロース、リボースなど及びその薬理学的に許容される塩類など。
糖アルコール類:例えば、キシリトール、ソルビトール、マンニトールなど。これらはd体、l体又はdl体のいずれでもよい。
界面活性剤:例えば、ポリオキシエチレン(以下、POEと略す)−ポリオキシプロピレン(以下、POPと略す)ブロックコポリマー (例えば、ポロクサマー407 、ポロクサマー235 、ポロクサマー188 など) 、エチレンジアミンのPOE-POPブロックコポリマー付加物(例えば、ポロキサミン)、モノラウリル酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート20) 、モノオレイン酸POE(20)ソルビタン (ポリソルベート80) 、ポリソルベート60などのPOEソルビタン脂肪酸エステル類、POE(60)硬化ヒマシ油などのPOE硬化ヒマシ油、POE(9) ラウリルエーテルなどのPOEアルキルエーテル類、POE(20)POP(4) セチルエーテルなどのPOE・POPアルキルエーテル類、POE(10)ノニルフェニルエーテルなどのPOEアルキルフェニルエーテル類、POE(10)ノニルフェニルエーテル等のPOEアルキルフェニルエーテル類、ステアリン酸ポリオキシルなどの非イオン性界面活性剤;アルキルジアミノエチルグリシンなどのグリシン型、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタインなどの酢酸ベタイン型、イミダゾリン型などの両性界面活性剤;アルキルエーテルカルボン酸塩、テトラデセンスルホン酸ナトリウムなどのスルホン酸塩、ラウリル硫酸ナトリウムなどのアルキル硫酸塩、N−ココイルメチルタウリンナトリウムなどのN−アシルタウリン塩、POE(10)ラウリルエーテルリン酸ナトリウムなどのPOEアルキルエーテルリン酸及びその塩、ラウロイルメチルアラニンナトリウムなどのN−アシルアミノ酸塩、POE(3) ラウリルエーテル硫酸ナトリウムなどのPOEアルキルエーテル硫酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩などの陰イオン界面活性剤;アルキルアミン塩、アルキル4級アンモニウム塩(塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウムなど)、アルキルピリジニウム塩(塩化セチルピリジニウム、臭化セチルピリジニウムなど)などの陽イオン界面活性剤などが挙げられる。なお、括弧内の数字は付加モル数を示す。
防腐剤、殺菌剤又は抗菌剤:例えば、アクリノール、アルキルポリアミノエチルグリシン(塩酸アルキルジアミノエチルグリシンなど)、安息香酸又はその塩(安息香酸ナトリウムなど)、イソプロパノール、イソプロピルメチルフェノール、ウンデシレン酸、エタノール、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化ポリドロニウム、塩化メチルロザニリン、オルトフェニルフェノール、過酸化水素、カプリル酸、クロルキシレノール、クロルヘキシジン又はその塩(塩酸クロルヘキシジン、グルコン酸クロルヘキシジンなど)、クロロフェン、クロロブタノール、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、臭化セチルピリジニウム、スルファミン、ソルビン酸またはその塩(ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、ソルビン酸ナトリウム、ソルビン酸トリクロカルバンなど)、チアベンダゾール、チメロサール、チモール、デヒドロ酢酸、デヒドロ酢酸ナトリウム、トリクロサン、パラオキシ安息香酸エステル(パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチルなど)、ハロカルバン、ビグアニド化合物(コスモシルCQ(商品名、ポリヘキサメチレンビグアニド塩酸塩を約20重量%含有、アピシア社製))、ヒノキチオール、フェネチルアルコール、フェノキシエタノール、プロパノール、プロピオン酸、ベンジルアルコール、ポピヨンヨードなどの担持体、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ポリ[オキシエチレン(ジメチルイミニオ)エチレン−(ジメチルイミニオ)エトレンジクロリド]、ポリエチレンポリアミン・ジメチルアミンエピクロルヒドリン重縮合物(商品名例えばBusan1157、バックマン社製)、ポリヘキサメチレンビグアニド、ポリミキシンB、ポリリジン、マーキュロクロム、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、ラクトフェリン、リゾチーム、リン酸ジルコニウム、レゾルシン、Glokill(商品名 例えばGlokill PQ、ローディア社製)など、及びその薬理学的に許容される塩類等が挙げられる。
pH調整剤:例えば、無機酸(塩酸、ホウ酸、ポリリン酸、硫酸、リン酸など)、有機酸(アスパラギン酸、アミノエチルスルホン酸、イプシロン−アミノカプロン酸、クエン酸、グルコン酸、グルタミン酸、コハク酸、酢酸、シュウ酸、酒石酸、乳酸、フマル酸、プロピオン酸、リンゴ酸など)、グルコノラクトン、酢酸アンモニウム、無機塩基(水酸化カルシウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、ホウ砂など)、有機塩基(ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン、リジンなど)、及びその薬理学的に許容される塩類など。
等張化剤:例えば、無機塩類(例えば、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウムなど)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリオール、プロピレングリコールなど)、糖類または糖アルコール類(例えば、ソルビトール、ブトウ糖、マンニトールなど)など。
賦形剤:例えば、ショ糖、乳糖、デンプン、コーンスターチ、結晶セルロース、軽質無水ケイ酸など。
滑沢剤:例えば、ステアリン酸マグネシウムなど。
崩壊剤:例えば、クロスカルメロースナトリウムなど。
軟膏基剤:例えば、ワセリン、流動パラフィン、ロウ等の炭化水素系基剤;セタノール;高級脂肪酸エステルなど。
ゲル基剤:例えば、カルボキシビニルポリマー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ガム質など。
油性基剤:例えば、オリーブ油、大豆油、ゴマ油、綿実油等の植物油;プロピレングリコールなど。
懸濁化剤又は乳化剤:例えば、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、キサンタンガム、ソルビトール、トラガント、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、プロピレングリコール、ペクチン、ベンジルアルコール、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリソルベート、マンニトール、メチルセルロース、流動パラフィンなど。
香料又は清涼化剤:テルペン類(例えば、アネトール、オイゲノール、カンフル、ゲラニオール、シネオール、ボルネオール、メントール、リモネン、リュウノウなど。これらはd体、l体又はdl体のいずれでもよい。)精油(ウイキョウ油、クールミント油、ケイヒ油、スペアミント油、ハッカ水、ハッカ油、ペパーミント油、ベルガモット油、ユーカリ油、ローズ油など)など。
キレート剤:例えば、アスコルビン酸、エデト酸、クエン酸、コハク酸、トリヒドロキシメチルアミノメタン、ニトリロトリ酢酸、1-ヒドロキシエタン-1,1-ジホスホン酸、ヘキサメタリン酸、ポリリン酸、メタリン酸等、及びその薬理学的に許容される塩類等(例えば、エデト酸四ナトリウム、エデト酸ナトリウム)。
緩衝剤:クエン酸緩衝剤、酢酸緩衝剤、炭酸緩衝剤、ホウ酸緩衝剤、リン酸緩衝剤など。例えば、アミノエチルスルホン酸、アスパラギン酸又はその塩(アスパラギン酸カリウム、アスパラギン酸マグネシウムなど)、イプシロン−アミノカプロン酸、クエン酸又はその塩(クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウムなど)、酢酸又はその塩(酢酸カリウム、酢酸ナトリウムなど)、炭酸又はその塩(炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウムなど)、ホウ酸またはその塩(テトラホウ酸カリウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ砂、メタホウ酸カリウムなど)、リン酸又はその塩(リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、など)、など。
安定剤:ジブチルヒドロキシトルエン、トロメタモール、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート(ロンガリット)、トコフェロール、ピロ亜硫酸ナトリウム、モノエタノールアミン、モノステアリン酸アルミニウムなど。
溶解剤、基剤:オクチルドデカノール、オリーブ油、ゴマ油、酸化チタン、臭化カリウム、ダイズ油、ツバキ油、トウモロコシ油、ナタネ油、パラフィン、ヒマシ油、プラスチベース、ラッカセイ油、ラノリン、ワセリンなど。
これらの各種成分や添加物の配合割合は、組成物の形態・種類等に応じて適宜設定すればよい。
本発明の医薬組成物は、公知の方法により製造できる。固形製剤の場合であれば、例えば、各成分を練合又は造粒し、必要により添加剤を添加して打錠することにより調製できる。半固形剤又は液剤の場合であれば、基剤と各成分とを混合し、必要により、ろ過滅菌処理し、容器に充填することにより調製できる。より具体的には、医薬組成物が点眼剤であれば、例えば、蒸留水又は精製水及び必要に応じて各種添加剤を用いて、(A)の一般式1で表される化合物又はその塩と(B)の化合物とを溶解させ、所定の浸透圧及びpHに調整し、無菌環境下、ろ過滅菌処理し、洗浄滅菌済みの容器に無菌充填することにより製造できる。
本発明の組成物は、光に対する安定性が高いので、光透過性の容器、ガラス又はプラスチック製の容器、特に、スクイズ性及び携帯性に優れる光透過性プラスチック製容器などに、繰り返し使用可能な形態で収容して使用できる。
前記組成物を収容できるプラスチック容器の樹脂としては、例えば、オレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、ポリエステル系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩化ビニル樹脂、スチレン系樹脂(ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)など)、セルロースアセテート類などが例示できる。好ましい樹脂は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂であり、特に好ましい樹脂は、ポリエステル系樹脂である。
該ポリエステル系樹脂としては、ジカルボン酸成分(フタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸成分など)とジオール成分とで構成された樹脂が使用できる。具体的には、芳香族ポリエステル系樹脂、例えば、ポリアルキレンテレフタレート[ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などのポリC2-4アルキレンテレフタレートなど]、ポリアルキレンナフタレート[ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンナフタレートなどのポリC2-4アルキレンナフタレートなど]、ポリシクロアルキレンテレフタレート[ポリ(1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)(PCT)など]、ポリアリレート類(ビスフェノール類(ビスフェノール−Aなど)とフタル酸類(フタル酸、テレフタル酸)とで構成された樹脂など)などのホモポリエステルが挙げられる。また、ポリエステル系樹脂には、前記ホモポリエステル単位を主成分(例えば、50重量%以上)として含むコポリエステル、前記ホモポリエステルの共重合体(PETとPCTとの共重合体など)なども含まれる。中でも、オレフィン系樹脂(ポリエチレンなど)、芳香族ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレートなど)及びポリカーボネート系樹脂が好ましい。ポリカーボネート系樹脂は、例えば、ビスフェノール類(ビスフェノール−Aなど)をベースとする芳香族ポリカーボネートである。
本発明においてプラスチック製容器は、強度、光透過性、ガス又は水蒸気バリア性(透湿性)等に悪影響を及ぼさない限り、ポリマーアロイ(ポリマーブレンドなど)であってもよい。好ましいポリマーアロイには、複数の合成樹脂のポリマーブレンド(PETとPENとのポリマーブレンドなど)が含まれる。また、樹脂は、スクイズ性が良好で、繰り返しの押圧に対して耐久性を有する樹脂、透明性または半透明性の樹脂であることが好ましく、必要に応じて着色してもよい。そして、光の透過を阻害できる成分(紫外線吸収剤、赤外線吸収剤等)を樹脂に含有させたり、前記成分を含むコーティング剤を樹脂表面に塗布したりすることにより、本発明の効果と協働させて、さらにトラニラスト又はその薬学的に許容される塩の光安定性を向上させてもよい。
前述するように、(B)の化合物には、(A)のトラニラスト又はその薬学的に許容される塩の光安定性を改善する作用がある。故に、本発明は、更に、別の観点から、医薬組成物中で、(A)のトラニラスト又はその薬学的に許容される塩と共に、(B)の化合物を共存させることを特徴とする、トラニラスト又はその薬学的に許容される塩の光安定性を改善する方法を提供する。
かかる方法において、使用する(A)のトラニラスト又はその薬学的に許容される塩、(B)の化合物、医薬組成物中でこれらの化合物を共存させる際の両化合物の配合量や配合割合等については、前記医薬組成物の場合と同様である。
また、前述するように、更に溶解補助剤や非イオン性界面活性剤を共存させることによって、トラニラスト又はその薬学的に許容される塩の光安定性を一層改善することができる。故に、本発明の方法において、更に、溶解補助剤や非イオン性界面活性剤、特に溶解補助剤を共存させることが望ましい。当該溶解補助剤や非イオン性界面活性剤を配合する際の該剤の割合についても、前記医薬組成物の場合と同様である。
また、上記化合物を共存させる方法についても、当業界で通常採用されている方法を使用すればよい。例えば、固体、半固体又は液体の基材中に、上記化合物を順次又は同時に添加して混合する方法を挙げることができる。
本発明の医薬組成物では、含有するトラニラスト又はその薬学的に許容される塩の光に対する安定性が改善されているので、該医薬組成物を光の透過性が高く内部を視認可能な容器に収容できる。それ故、該医薬組成物の製造の際に、容器の外部から異物混入を確実に判別可能で、異物確認試験を容易に行うことができるので、組成物の製造工程管理及び品質管理を確実に行うことができる。
本発明の医薬組成物は、光に対する安定性を備えているので、保存安定性に優れている。また、本発明の医薬組成物によれば、トラニラスト又はその薬学的に許容される塩が光分解されることがないので、光に暴露される皮膚や粘膜に適用しても該化合物に基づく優れた薬効効果を発揮することができる。
更に、本発明のトラニラスト又はその薬学的に許容される塩の光安定性を改善する方法によれば、簡便な方法で、効果的にトラニラスト又はその薬学的に許容される塩の光安定性を改善できるので、トラニラスト含有組成物に光安定性を備えさせる手段として有用である。
以下に、実施例、試験例等に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
試験例 光安定化試験
表1に記載の各成分を秤量し適当量の精製水に溶解してpHを7.5に調整し、精製水で全量を100mL(生理食塩液に対する浸透圧比=1.0)とした後、無菌環境下でろ過滅菌し、トラニラスト含有点眼剤(実施例1−2及び比較例1)を調製した。それぞれのトラニラスト含有点眼剤7mLを無色透明のガラス瓶(容量10mL)に充填し、白色スチロールキャップを施した。
各トラニラスト含有点眼剤について、以下の手順により、光に対する安定性の試験を行った。光安定性試験装置(「Light-Tron LT-120 D3CJ型」、ナガノ科学株式会社製)を用い、各トラニラスト含有点眼剤に、D65ランプを光源として、室温25℃の下、0.5万luxの光を60時間連続連続照射することにより、各点眼剤に積算照射量30万lx・hrの光を曝光した。その後、各トラニラスト含有点眼剤を高速液体クロマトグラフィーで分析し、該点眼剤中のトラニラスト含量を定量した。また、全く光を照射せずに暗所に保存した場合の点眼剤中のトラニラスト濃度についても測定し、トラニラストの含量(以下、ブランクのトラニラスト含量という)を定量した。測定した含量から、下記式により、光照射後のトラニラスト残存率を算出した。
Figure 2005239691
得られた結果を表1に併せて示す。表1から、トラニラスト共に、一般式(1)で表される化合物又は一般式(2)で表される化合物を配合した点眼剤では、光照射によるトラニラストの分解が顕著に抑制されていることが明らかである。以上の結果から、(A)トラニラストと共に、(B)一般式(1)で表される化合物及び/又は一般式(2)で表される化合物を共存させることにより、トラニラストの光安定性を改善できることが確認された。

Figure 2005239691
実施例3 錠剤
日本薬局方製剤総則「錠剤」に準じて、2錠400mg当たり下記成分量となる錠剤を製した。
配合量(mg)
トラニラスト 100
一般式(1)で表される化合物 0.004
(R1、R2及びR3は、Na原子)
低置換度ヒドロキシプロピルセルロース 60
ステアリン酸マグネシウム 4
マンニトール 215.996
全量 400mg。
実施例4 ドライシロップ
日本薬局方製剤総則「散剤」に準じて、1包5000mg当たり下記成分量となるドライシロップを製した。
配合量(mg)
トラニラスト 250
一般式(2)で表される化合物 0.25
(R4及びR5は、Na原子)
白糖 4000
カルメロースナトリウム 200
マンニトール 529.75
ヒドロキシプロピルセルロース 20
全量 5000 mg。
実施例5 硬カプセル剤
日本薬局方製剤総則「カプセル剤」に準じて、6カプセル1200mg当たり下記成分量となる硬カプセル剤を製した。
配合量(mg)
トラニラスト 100
一般式(1)で表される化合物 0.06
(R1、R2及びR3は、Na原子)
一般式(2)で表される化合物 0.06
(R4及びR5は、Na原子)
乳糖 779.88
結晶セルロース 315
ステアリン酸マグネシウム 5
全量 1200mg。
実施例6 洗眼剤
下記処方の洗眼剤(pH 7.5、生理食塩液に対する浸透圧比=1.0)を常法に従い調製した。
配合量(mg)
トラニラスト 0.05
一般式(1)で表される化合物 0.01
(R1、R2及びR3は、Na原子)
ポリビニルピロリドン 0.5
ポリソルベート80 0.1
ホウ酸 適量
ホウ砂 適量
精製水 適量
全量 100mL。
実施例7 洗眼剤
下記処方の洗眼剤(pH 7.5、生理食塩液に対する浸透圧比=1.0)を常法に従い調製した。
配合量(mg)
トラニラスト 0.05
一般式(2)で表される化合物 0.01
(R4及びR5は、Na原子)
ポリビニルピロリドン 0.5
ポリソルベート80 0.1
ホウ酸 適量
ホウ砂 適量
精製水 適量
全量 100mL

Claims (3)

  1. (A)トラニラスト又はその薬学的に許容される塩、及び
    (B)一般式(1)で表される化合物
    Figure 2005239691
    (式中、R1、R2及びR3は、同一又は異なって、水素原子又はアルカリ金属原子を示す)、及び
    一般式(2)で表される化合物
    Figure 2005239691
    (式中、R4及びR5は、同一又は異なって、水素原子又はアルカリ金属原子を示す)
    よりなる群から選択される少なくとも1種の化合物
    を含有する特徴とする医薬組成物。
  2. (A)のトラニラスト又はその薬学的に許容される塩100重量部に対して、(B)の化合物を総量で0.0001〜1000重量部の割合で含有する、請求項1に記載の医薬組成物。
  3. 医薬組成物中で、(A)トラニラスト又はその薬学的に許容される塩と共に、(B)一般式(1)で表される化合物
    Figure 2005239691
    (式中、R1、R2及びR3は、同一又は異なって、水素原子又はアルカリ金属原子を示す)、及び
    一般式(2)で表される化合物
    Figure 2005239691
    (式中、R4及びR5は、同一又は異なって、水素原子又はアルカリ金属原子を示す)
    よりなる群から選択される少なくとも1種の化合物を共存させることを特徴とする、トラニラスト又はその薬学的に許容される塩の光安定性を改善する方法。

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