JP4885513B2 - オキシメタゾリン含有水性組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、オキシメタゾリン又はその塩の光による分解が抑制されている水性組成物に関する。
オキシメタゾリンは、ナファゾリンやテトラヒドロゾリンなどと同様にイミダゾリン系化合物に属し、ナファゾリンやテトラヒドロゾリンに比べて長時間の充血除去効果があると報告されている。このため、日本では交感神経刺激作用を有する血管収縮剤として、医療用医薬品の点眼薬または点鼻薬に配合されている。また、海外では充血除去を効能とするオキシメタゾリン含有点眼薬が市販されている。
オキシメタゾリンは光に不安定であるため、水性組成物の製造工程、市場流通工程での安定性、開封後の長期安定性を担保することが非常に重要であるが、光安定化方法については何ら知られておらず、単に褐色瓶に充填されているのみである。
イミダゾリン系化合物の一種である塩酸テトラヒドロゾリンに関して、中性pH域では不安定であることが知られており、タウリン(特許文献1:特開平09-48729号公報)や、ビタミンE類とクエン酸及び/又はクエン酸塩(特許文献2:特開平09-169642号公報)を配合すると安定化できることが知られている。また、ナファゾリンは、光分解がpHに依存し、ナファゾリンがカチオン型になる中性から酸性のpH領域よりも、ナファゾリンが中性型になるpH領域の方が光分解を低減することが知られている(非特許文献3:New J. Chem., Vol.24, No.3, 159-163(2000))。
通常、光に対して不安定な薬理活性物質を含有する製剤を安定に保持するため、製剤を収容する包装材料による遮光手段、例えば、製剤を収容する容器を褐色容器やアルミニウム容器にしたり、流通過程においては製剤を充填した容器を紙箱に納めるなどの遮光手段が採用されている。
しかし、容器や包材を使用できない製造工程では、光により物質が分解する危険性が高くなる。また点眼剤や洗眼剤などは、製造工程において製剤充填後の異物混入を容器の外側から検査する必要があるため、アルミニウムなどの不透明な容器や透明でも濃い褐色の容器を使用できず、包装材料による遮光手段は限定的にしか使用できない。特に点眼剤は、開封後は使用者が1ヶ月〜数ヶ月にわたり継続的に使用する場合もあるため、プラスチック製遮光袋の補助的使用を推奨することで、光安定性の維持に努めている。しかし、このような包装材料による遮光手段は製造工程での安定性を担保できないのみならず、開封後の製剤適用部位での光分解、使用者の遮光袋の不使用や紛失の可能性もあり、必ずしも効果的な方法とはいえない。
さらに、製剤の適用時にも、遮光下で製剤を使用することはほとんど不可能であり、特に、局所投与剤を容器から薬物を取り出して皮膚や粘膜に適用すると、通常、薬物が光に暴露されることとなり、適用部位での光分解を避けられない。
従って、オキシメタゾリンの優れた作用を充分に活用するために、安定性や使用感を改善し、配合量や適用対象が制限されないことが求められている。
本発明の目的は、オキシメタゾリン又はその塩の分解、特に光による分解を抑制することができる水性組成物を提供することである。
また、本発明の他の目的は、オキシメタゾリン又はその塩を含有する水性組成物の安定化方法を提供することである。
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討したところ、オキシメタゾリン又はその塩を含有する水性組成物にビタミンB12類を配合することで、オキシメタゾリンの光に対する安定性が顕著に改善されることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は下記(1)〜(4)に掲げる水性組成物である。
(1)オキシメタゾリン又はその塩、およびビタミンB12類を含有する水性組成物。
(2)ビタミンB12類が、シアノコバラミン、メコバラミン、ヒドロキソコバラミン、塩酸ヒドロキソコバラミン、酢酸ヒドロキソコバラミンである(1)に記載の水性組成物。
(3)さらに非イオン性界面活性剤、キレート剤、防腐剤、緩衝剤、pH調整剤を含有する(1)または(2)に記載の水性組成物。
(4)水性組成物が、点眼剤、点鼻剤、洗眼剤、洗鼻剤、コンタクトレンズ用剤である(1)〜(3)のいずれかに記載の水性組成物。
また、本発明はオキシメタゾリンの光安定化方法をも包含する。
(5)オキシメタゾリン又はその塩、およびビタミンB12類を組成物中に配合することを特徴とする、オキシメタゾリンの光安定化方法。
本発明は、オキシメタゾリン又はその塩、およびビタミンB12類を含有することで、オキシメタゾリンを光に対して顕著に安定化させることができる。
発明を実施するための形態
本明細書中、特に言及しない限り、%はw/v%を意味するものとする。また、コンタクトレンズという語句は、特記しない限り、ハード、酸素透過性ハード、ソフト等のあらゆるタイプのコンタクトレンズを包含する意味で用いる。
また、本明細書中、「塩」とは薬理学的に又は生理学的に許容される塩を意味する。
さらに、本明細書中、水性組成物とは、組成物中に水を少なくとも5重量%以上、好ましくは20重量%以上、更に好ましくは50重量%以上含有するものを意味する。
本発明の水性組成物に含有されるオキシメタゾリンは公知化合物であり、公知の方法により合成してもよく市販品として入手することもできる。
また、オキシメタゾリンの塩は、医薬上、薬理学的に又は生理学的に許容されることを限度として、特に制限されるものではない。このような塩としては、例えば、有機酸との塩[例えば、モノカルボン酸塩(酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、酪酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩など)、多価カルボン酸塩(フマル酸塩、マレイン酸塩など)、オキシカルボン酸塩(乳酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、マロン酸塩など)、有機スルホン酸塩(メタンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、トシル酸塩など)など]、無機酸との塩(例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩など)、有機塩基との塩(例えば、メチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、ピペラジン、ピロリジン、トリピリジン、ピコリンなどの有機アミンとの塩など)、無機塩基との塩[例えば、アンモニウム塩;アルカリ金属(ナトリウム、カリウムなど)、アルカリ土類金属(カルシウム、マグネシウムなど)、アルミニウムなどの金属との塩など]などが挙げられる。中でも無機酸との塩が好ましく、塩酸塩が特に好ましい。
また、オキシメタゾリン又はその塩は、水和物の形態でも使用できる。
これらのオキシメタゾリン及びその塩は、1種単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
本発明の水性組成物において、配合するオキシメタゾリン又はその塩の割合は、本発明の効果が得られれば特に制限はないが、例えば、通常0.0005〜0.5w/v%、好ましくは0.001〜0.2w/v%、さらに好ましくは0.002〜0.1w/v%程度である。具体的には、点眼薬又は点鼻薬の場合は、通常0.005〜0.5w/v%、好ましくは0.005〜0.1w/v%、さらに好ましくは0.01〜0.05w/v%、特に好ましくは0.02〜0.025w/v%程度、洗眼剤又は洗鼻薬の場合は、0.0005〜0.05w/v%、好ましくは0.001〜0.02w/v%、さらに好ましくは0.002〜0.01w/v%程度である。
本発明の水性組成物に含有されるビタミンB12類は、公知化合物であり、公知の方法により合成してもよく市販品として入手することもできる。
ビタミンB12類としては、例えば、シアノコバラミン、メコバラミン、ヒドロキソコバラミン、塩酸ヒドロキソコバラミン、酢酸ヒドロキソコバラミンなどが挙げられ、好ましくはシアノコバラミンである。
これらのビタミンB12類は、1種単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
本発明の水性組成物において、配合するビタミンB12類の割合は、本発明の効果が得られれば特に制限はないが、例えば、通常0.00001〜0.05w/v%、好ましくは0.00005〜0.03w/v%、特に好ましくは0.0001〜0.02w/v%程度である。具体的には、点眼薬又は点鼻薬の場合は、0.002〜0.02w/v%、好ましくは0.004〜0.02w/v%程度、洗眼剤又は洗鼻薬の場合は、0.0001〜0.002w/v%、好ましくは0.0002〜0.002w/v%程度である。
本発明の水性組成物において、オキシメタゾリンおよびビタミンB12類の配合比は、本発明の効果が得られれば特に制限はないが、例えば、水性組成物の場合、オキシメタゾリン又はその塩1重量部に対し、ビタミンB12類が0.001〜20重量部、好ましくは0.01〜5重量部、さらに好ましくは0.04〜2重量部、特に好ましくは0.1〜0.4重量部である。
本発明の水性組成物には、本発明の製剤の安定性を増強又は補足する目的で、さらに非イオン性界面活性剤、キレート剤、防腐剤、緩衝剤、pH調整剤を1種または2種以上組み合わせて配合することができる。
非イオン性界面活性剤としては、医薬上、薬理学的に又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されない。例えば、ポリオキシエチレン(POE)−ポリオキシプロピレン(POP)ブロックコポリマー(例えば、ポロクサマー407、ポロクサマー235、ポロクサマー188など);エチレンジアミンのポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロックコポリマー付加物(例えば、ポロキサミン);モノラウリル酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート20)、モノオレイン酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート80)、ポリソルベート60等のPOEソルビタン脂肪酸エステル類;POE(60)硬化ヒマシ油等のPOE硬化ヒマシ油;POE(9)ラウリルエーテル等のPOEアルキルエーテル類;POE(20)POP(4)セチルエーテル等のPOE・POPアルキルエーテル類;POE(10)ノニルフェニルエーテル等のPOEアルキルフェニルエーテル類;POE(10)ノニルフェニルエーテル等のPOEアルキルフェニルエーテル類等が挙げられる。これらの中で、好ましくはポロクサマー407、ポリソルベート80、POE(60)硬化ヒマシ油、特に好ましくはポリソルベート80である。なお、括弧内の数字は付加モル数を示す。
これらの非イオン性界面活性剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
本発明の水性組成物において、配合する非イオン性界面活性剤の割合は、例えば、0.001〜2w/v%、好ましくは0.01〜2w/v%、更に好ましくは0.05〜1w/v%、特に好ましくは0.15〜0.5w/v%が例示される。
キレート剤としては、エチレンジアミン四酢酸(EPA)、エチレンジアミン二酢酸(EDDA)、ジエチレントリアミン五酢酸(PPA)、N−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン三酢酸(HEPA)、N−(2−ヒドロキシエチル)イミノ二酢酸(HIDA)、クエン酸、酒石酸、コハク酸、アスコルビン酸、フィチン酸、ポリリン酸、メタリン酸又はそれらの塩等が挙げられる。これらの中で、好ましくはエチレンジアミン四酢酸、クエン酸又はそれらの塩、特に好ましくはエチレンジアミン四酢酸又はその塩である。
エチレンジアミン四酢酸の塩としては、医薬上、薬理学的に又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されず、例えばエチレンジアミン四酢酸ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム等のアルカリ金属塩を挙げることができる。
エチレンジアミン四酢酸又はその塩は、水和物の形態で使用することもできる。水和物の形態のものとして、具体的には、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウムの2水和物(以下、エデト酸ナトリウムとも言う)が例示できる。
これらのキレート剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
本発明の水性組成物において、配合するキレート剤の割合は、例えば、0.0005〜0.5w/v%、好ましくは0.001〜0.2w/v%、更に好ましくは0.004〜0.1w/v%、特に好ましくは0.01〜0.05w/v%が例示される。
防腐剤としては、ソルビン酸又はその塩、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、安息香酸ナトリウム、エタノール、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、グルコン酸クロルヘキシジン、クロロブタノール、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、硫酸オキシキノリン、フェネチルアルコール、ベンジルアルコール、ビグアニド化合物(具体的には、ポリヘキサメチレンビグアニドなど)、グローキル(ローディア社製 商品名)等が挙げられる。これらの中で、好ましくはソルビン酸又はその塩、塩化ベンザルコニウム、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、特に好ましくはソルビン酸又はその塩である。
ソルビン酸の塩としては、例えば、無機塩基との塩[例えばアンモニウム塩;アルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩など)、アルカリ土類金属塩(カルシウム塩、マグネシウム塩など)、アルミニウム塩等の金属との塩]、有機塩基との塩(例えば、メチルアミン、トリエチルアミン、ジエチルアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、ピペラジン、ピロリジン、トリピリジン、ピコリン等の有機塩基との塩)等が例示され、特にナトリウム塩、カリウム塩が好ましい。
これらの防腐剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
本発明の水性組成物において、配合する防腐剤の割合は、例えば、0.001〜2w/v%、好ましくは0.005〜0.5w/v%、更に好ましくは0.005〜0.3w/v%、特に好ましくは0.01〜0.2w/v%が例示される。
緩衝剤としては、公知のホウ酸緩衝剤、リン酸緩衝剤、炭酸緩衝剤、クエン酸緩衝剤、酢酸緩衝剤、グッド緩衝剤などが挙げられる。好ましい緩衝剤は、グッド緩衝剤、ホウ酸緩衝剤又はリン酸緩衝剤である。特に好ましい緩衝剤は、ホウ酸緩衝剤である。
「グッド緩衝剤」とは、緩衝能を有する双性イオン構造のアミノエタンスルホン酸誘導体及びアミノプロパンスルホン酸誘導体の総称であり、グッドらにより考案された緩衝剤である。このグッド緩衝剤としては、MES、MOPS、PIPES、HEPES、BES、TESなどが挙げられる。
ホウ酸緩衝剤の具体例として、ホウ酸及びその塩(ホウ酸ナトリウム、テトラホウ酸カリウム、メタホウ酸カリウム、ホウ酸アンモニウム、ホウ砂など)が例示され、特に、ホウ酸、ホウ砂が好ましい。
リン酸緩衝剤、炭酸緩衝剤、クエン酸緩衝剤、酢酸緩衝剤の具体例として、クエン酸、クエン酸ナトリウム、酢酸、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、ホウ酸、ホウ砂、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウムなどが例示される。
本発明の水性組成物において、配合する緩衝剤の割合は、使用する緩衝剤の種類や期待される効果等に応じて異なり、一律に規定することはできないが、例えば、0.01〜3w/v%、好ましくは0.1〜2w/v%、更に好ましくは0.3〜2w/v%、特に好ましくは0.5〜2w/v%が例示される。
pH調整剤としては、塩酸、硫酸、リン酸、ポリリン酸、ホウ酸、アミノエチルスルホン酸、イプシロン−アミノカプロン酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、グルコン酸、フマル酸、乳酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、グルコノラクトン、酢酸アンモニウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、ホウ砂、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ホウ砂などが挙げられる。これらの中で、特に好ましくは塩酸、水酸化ナトリウムである。
本発明の水性組成物において、適切なpHは水性組成物の適用部位、剤形等により異なるが、通常4.0〜8.5、好ましくは5.0〜8.0、更に好ましくは5.5〜7.5、特に好ましくは6.0〜7.0程度である。本発明の水性組成物は、中性pH域(6〜8)についてもオキシメタゾリンを安定に保つことができる。これらの範囲内から著しく逸脱すると、オキシメタゾリンまたはその塩の化学的安定性が低下する可能性があり、また生体に許容されないため、好ましくない。
pH調整は、前記緩衝剤、pH調整剤等を用いて、当該技術分野で既知の方法で行うことができる。
本発明の水性組成物は、必要に応じて、浸透圧比を生体に許容される範囲内に調整することができる。適切な浸透圧比は、水性組成物の適用部位、剤形等により異なるが、通常0.3〜4.2、好ましくは0.3〜2.1、さらに好ましくは0.5〜1.8、特に好ましくは0.8〜1.5程度である。浸透圧の調整は無機塩及び多価アルコール、糖アルコール、糖類などを用いて当該技術分野で既知の方法で行うことができる。
浸透圧比は、第十四改正日本薬局方に基づき0.9w/v%塩化ナトリウム水溶液の浸透圧に対する試料の浸透圧の比とし、浸透圧は日本薬局方記載の浸透圧測定法(氷点降下法)を用いて測定する。また、試験試料の測定と相前後して浸透圧比測定用標準液の浸透圧を測定し、このときに得られた実測値を用いて浸透圧比を算出する。浸透圧比測定用標準液は、塩化ナトリウム(日本薬局方標準試薬)を500〜650℃で40〜50分間乾燥した後、デシケーター(シリカゲル)中で放冷し、その0.900gを正確に量り、精製水に溶かし正確に100mlとして調製するか、市販の浸透圧比測定用標準液(0.9w/v%塩化ナトリウム水溶液)を用いる。
本発明の水性組成物は、特定の形態に限定されず、目的に応じて、液剤、半固形剤(軟膏剤)とすることができ、好ましくは液剤である。これらの製剤は常法により調製して得られ、その際、上述の成分に加えてその製剤に応じた慣用の添加剤を使用することができる。
液剤としては、均一溶液であっても懸濁液であっても、混合又は溶解して使用する組成物であっても良い。具体的には、点眼剤(液)[但し、点眼剤にはコンタクトレンズ装用中に点眼可能な点眼剤(液)を含む]、眼軟膏、洗眼剤(液)[但し、洗眼剤にはコンタクトレンズ装用中に洗眼可能な洗眼剤(液)を含む]、点鼻剤(液)、洗鼻剤(液)、コンタクトレンズ用剤[コンタクトレンズ装着液、コンタクトレンズケア用剤(コンタクトレンズ消毒剤、コンタクトレンズ用保存剤、コンタクトレンズ用洗浄剤、コンタクトレンズ用洗浄消毒保存剤)等]、シロップ剤、ドリンク剤等を挙げることができる。これらの中で、好ましくは、点眼剤(液)、洗眼剤(液)、点鼻剤(液)、洗鼻剤(液)、シロップ剤、ドリンク剤であり、特に好ましくは点眼剤(液)、洗眼剤(液)、点鼻剤(液)、洗鼻剤(液)である。
投与方法としては、点眼、点鼻等の滴下投与、噴霧投与、洗眼カップを用いる洗眼等が好ましいが、特に限定されない。
前記コンタクトレンズ用剤は、ハードコンタクトレンズ、ソフトコンタクトレンズを含むあらゆるコンタクトレンズに適用できるが、特に酸素透過性のハードコンタクトレンズ又はソフトコンタクトレンズに適用することが好ましい。
本発明の点眼薬は通常、1回あたり2〜3滴を1日1回ないし数回両眼に滴下、噴霧又は塗布することにより投与する。また、本発明の洗眼薬は、1回あたり数mlを用いて1日1ないし数回、洗眼するのに用いる。
また、本発明の点鼻薬は、1回あたり1〜2度ずつ、鼻腔内に噴霧するか、又は1〜2滴を滴下することによって投与し、1日1回ないし数回使用する。
本発明の水性組成物は、本発明の効果を奏していれば、上記成分の他に、種々の成分(薬理活性成分や生理活性成分を含む)を組み合わせて含有することができる。このような成分の種類は特に制限されず、例えば、充血除去成分、眼調節薬成分、抗炎症薬成分または収斂薬成分、抗ヒスタミン薬成分又は抗アレルギー薬成分、ビタミン類、アミノ酸類、抗菌薬成分、殺菌薬成分、糖類、ガム質、多糖類などの高分子化合物、セルロース又はその誘導体又はそれらの塩、局所麻酔薬成分、ステロイド成分、緑内障治療成分、白内障治療成分などが例示できる。本発明において好適な成分としては、例えば、次のような成分が挙げられる。
充血除去成分:例えば、α−アドレナリン作動薬、具体的にはエピネフリン、塩酸エピネフリン、塩酸エフェドリン、塩酸テトラヒドロゾリン、塩酸ナファゾリン、塩酸フェニレフリン、塩酸メチルエフェドリン、酒石酸水素エピネフリン、硝酸ナファゾリンなど。これらはd体、l体又はdl体のいずれでもよい。
眼筋調節薬成分:例えば、アセチルコリンと類似した活性中心を有するコリンエステラーゼ阻害剤、具体的にはメチル硫酸ネオスチグミン、トロピカミド、ヘレニエン硫酸アトロピンなど。
抗炎症薬成分または収斂薬成分:例えば、硫酸亜鉛、乳酸亜鉛、アラントイン、インドメタシン、塩化リゾチーム、硝酸銀、アズレンスルホン酸ナトリウム、グリチルリチン酸二カリウム、グリチルリチン酸アンモニウム、ジクロフェナクナトリウム、ブロムフェナクナトリウム、塩化ベルベリン、硫酸ベルベリン、塩化リゾチーム、ピロキシカムなど。
抗ヒスタミン薬成分又は抗アレルギー薬成分:例えば、アシタザノラスト、アンレキサノクス、イブジラスト、タザノラスト、トラニラスト、イソチペンジル、ジフェテロール、ジフェニルピラリン、トリプロリジン、トリペレナミン、トンジルアミン、プロメタジン、メトジラジン、カルビノキサミン、アリメマジン、プロメタジン、メブヒドロリン、フェネタジン、オキサトミド、メキタジン、テルフェナジン、エピナスチン、アステミゾール、エバスチン、セチリジン、ロラタジン(loratadine)、フェキソフェナジン(fexofenadine)、スプラタスト、塩酸ジフェンヒドラミン、塩酸レボカバスチン、フマル酸ケトチフェン、クロモグリク酸ナトリウム、ペミロラストカリウム、マレイン酸クロルフェニラミン、フマル酸エメダスチン、フマル酸クレマスチン、塩酸アゼラスチン、塩酸イプロヘプチン、塩酸オロパタジンなど。
ビタミン類:例えば、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール、塩酸ピリドキシン、フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム、リン酸ピリドキサール、パンテノール、パントテン酸カルシウム、パントテン酸ナトリウム、アスコルビン酸、酢酸トコフェロール、ニコチン酸トコフェロール、コハク酸トコフェロール、コハク酸トコフェロールカルシウム、ユビキノン誘導体など。
アミノ酸類:例えば、グルタミン酸、クレアチニン、アスパラギン酸ナトリウム、アスパラギン酸カリウム、アスパラギン酸マグネシウム、アスパラギン酸カルシウム、アスパラギン酸マグネシウム・カリウム混合物、グルタミン酸、グルタミン酸ナトリウム、グルタミン酸マグネシウム、アミノエチルスルホン酸、イプシロンアミノカプロン酸、グリシン、アラニン、アルギニン、リジン、γ―アミノ酪酸、γ―アミノ吉草酸、など。これらはd体、l体又はdl体のいずれでもよい。
抗菌薬成分または殺菌薬成分:例えば、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム、臭化セチルピリジニウム、アルキルポリアミノエチルグリシン、ポリヘキサメチレンビグアニド、塩酸クロルヘキシジン、グルコン酸クロルヘキシジン、硫酸アミノデオキシカナマイシン、硫酸カナマイシン、硫酸ゲンタマイシン、硫酸シソマイシン、硫酸ストレプトマイシン、トブラマイシン、硫酸ミクロノマイシン、クロラムフェニコール、スルファメトキサゾール、スルフイソキサゾール、スルファメトキサゾールナトリウム、スルフイソキサゾールジエタノールアミン、スルフイソキサゾールモノエタノールアミン、スルフイソメゾールナトリウム、スルフイソミジンナトリウム、塩酸テトラサイクリン、塩酸オキシテトラサイクリン、オフロキサシン、ノルフロキサシン、レボフロキサシン、塩酸ロメフロキサシン、、塩酸シプロフロキサシンスルベニシンナトリウム、塩酸セフメノキシム、ベンジルペニシリンカリウム、硫酸ベルベリン、塩化ベルベリン、コリスチンメタスルホン酸ナトリウム、エリスロマイシン、ラクトビオン酸エリスロマイシン、キタサマイシン、スピラマイシン、硫酸フラジオマイシン、硫酸ポリミキシン、ジベカシン、アミカシン、硫酸アミカシン、アシクロビル、イオドデオキシサイチジン、イドクスウリジン、シクロサイチジン、シトシンアラビノシド、トリフルオロチミジン、ブロモデオキシウリジン、ポリビニルアルコールヨウ素、ヨウ素、アムホテリシンB、イソコナゾール、エコナゾール、クロトリマゾール、ナイスタチン、ピマリシン、フルオロシトシン、ミコナゾール、アクリノール、パラベン類(アミノ安息香酸メチル、アミノ安息香酸エチルなど)、塩化ポリドロニウム、Glokill(商品名、ローディア社製、例えば、Glokill PQ)、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ポリ[オキシエチレン(ジメチルイミニオ)エチレン−(ジメチルイミニオ)エチレンジクロリド]など。
糖類:例えばグルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノース、リボース、アロース、リブロース、アラビノース、キシロース、リキソース、デオキシリボース、マルトース、トレハロース、スクロース、セロビオース、グルコビオース、ビシアノース、ルチノース、ラクトース、プルラン、ラクツロース、ラフィノース、マルチトール、スタキオース、シクロデキストリン、キシリトール、ソルビトール、マンニトールなど。
ガム質、多糖類などの高分子化合物:例えば、アラビアガム、カラヤガム、キサンタンガム、キャロブガム、グアーガム、グアヤク脂、クインスシード、ダンマルガム、トラガント、ベンゾインガム、ローカストビーンガム、カゼイン、寒天、アルギン酸、デキストリン、デキストラン、ガラギーナン、ゼラチン、コラーゲン、ペクチン、デンプン、ポリガラクツロン酸、キチンおよびその誘導体、キトサンおよびその誘導体、エラスチン、ヘパリン、ヘパリノイド、ヘパリン硫酸、ヘパラン硫酸、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、セラミド、ポリビニルアルコール(完全、又は部分ケン化物)、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメタアクリレート、ポリアクリル酸、カルボキシビニルポリマー、ポリエチレンイミン、リボ核酸、デオキシリボ核酸など、およびその薬学上許容される塩類など。
セルロース又はその誘導体又はそれらの塩:例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、ニトロセルロースなど。
局所麻酔薬成分:例えば、塩酸オキシブプロカイン、塩酸コカイン、塩酸コルネカイン、塩酸ジブカイン、塩酸テトラカイン、塩酸パラブチルアミノ安息香酸ジエチルアミノエチル、塩酸ピペロカイン、塩酸プロカイン、塩酸プロパラカイン、塩酸ヘキソチオカイン、塩酸リドカインなど。
ステロイド成分:例えば、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、フルオロメトロン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ヒドロキシメステロン(hydroxymesterone)、カプロン酸ヒドロコルチゾン、カプロン酸プレドニゾロン、酢酸コルチゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、酢酸プレドニゾロン、デキサメタゾンメタスルホベンゾエートナトリウム、デキサメタゾン硫酸ナトリウム、デキサメタゾンリン酸ナトリウム、トリアムシノロンアセトニド、ベタメタゾンリン酸ナトリウム、メタスルホ安息香酸デキサメタゾンナトリウム、メチルプレドニゾロンなど。
緑内障治療成分:例えば、イソプロピルウノプロストン、エピネフリン、塩酸アプラクロニジン、塩酸カルテオロール、塩酸ジピベフリン、塩酸ドルゾラミド、塩酸ピロカルピン、塩酸ブナゾシン、塩酸ブプラノロール、塩酸ベタキソロール、塩酸ベフノロール、カルバコール、塩酸レボブノロール、ジピバル酸エピネフリン、臭化ジスチグミン、ニプラジロール、マレイン酸チモロール、ラタノプロストなど。
白内障治療成分:例えば、グルタチオン、ピレノキシン、5,12−ジヒドロアザペンタセンジスルホン酸ナトリウム(Sodium 5,12-dihydro azapentacene disulfonate)など。
これらの成分の含有量は、製剤の種類、活性成分の種類などに応じて選択でき、例えば、製剤全体に対して0.0001〜30w/v%、好ましくは、0.001〜10w/v%程度の範囲から選択できる。
また、本発明の水性組成物には、その用途や形態に応じて、医薬品、医薬部外品などに使用される様々な成分や添加物を適宜選択し、併用して製剤化することが可能である。例えば、液剤などの調製に一般的に使用される担体(水、水性溶媒、水性または油性基剤など)、増粘剤、界面活性剤、等張化剤、香料または清涼化剤、安定剤、溶解剤、基剤など、固形剤では、結合剤、賦形剤、滑沢剤、崩壊剤、発泡剤などの各種添加剤を挙げることができる。本発明において好適な成分としては、例えば、次のような成分が挙げられる。
増粘剤:例えば、カルボキシビニルポリマー、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、アルギン酸、ポリビニルアルコール(完全、又は部分ケン化物)、ポリビニルピロリドン、マクロゴール、コンドロイチン硫酸ナトリウムなど。
界面活性剤:例えば、アルキルジアミノエチルグリシンなどのグリシン型両性界面活性剤;アルキル4級アンモニウム塩(具体的には、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウムなどの陽イオン界面活性剤など。
等張化剤:例えば、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、グリセリン、プロピレングリコールなど。
香料又は清涼化剤:例えば、カンフル、ゲラニオール、ボルネオール、メントール、リュウノウ、ウイキョウ油、ケイヒ油、クールミント油、スペアミント油、ハッカ水、ハッカ油、ペパーミント油、ベルガモット油、ユーカリ油、ローズ油など。これらはd体、l体又はdl体のいずれでもよい。
安定剤:ジブチルヒドロキシトルエン、トロメタモール、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート(ロンガリット)、トコフェロール、ピロ亜硫酸ナトリウム、モノエタノールアミン、モノステアリン酸アルミニウムなど。
溶解剤、基剤:オクチルドデカノール、オリーブ油、ゴマ油、酸化チタン、臭化カリウム、ダイズ油、ツバキ油、トウモロコシ油、ナタネ油、綿実油、パラフィン、ヒマシ油、プラスチベース、ラッカセイ油、ラノリン、ワセリン、プロピレングリコールなど。
本発明の水性組成物は、公知の方法により製造できる。例えば、点眼剤、洗眼剤などの水性組成物では、蒸留水又は精製水及び添加剤を用いてオキシメタゾリンおよびビタミンB12類とを溶解させ、所定の浸透圧及びpHに調整し、無菌環境下、ろ過滅菌処理し、洗浄滅菌済みの容器に無菌充填することにより製造できる。また、軟膏剤の場合、製剤の種類に応じた基剤、例えば、ワセリン、流動パラフィン、ロウなどの炭化水素系基剤、セタノール、高級脂肪酸エステルなどの軟膏基剤、カルボキシビニルポリマー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ガム質などのゲル基剤)、オリーブ油、大豆油、ゴマ油などの油性基剤などを利用して常法により製剤化する。
本発明の水性組成物は、いずれの容器に収容、保管しても良いが、水性組成物を収容する容器としては、水分透過率の低い容器、各成分が吸着し難い容器、透明性の高い容器が好ましい。水性組成物を収容する容器としては、硬質プラスチック製容器又はガラス製容器を用いることができる。例えば、硬質プラスチック製容器としては、オレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、ポリエステル系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリアミド系樹脂、硬質塩化ビニル樹脂、スチレン系樹脂(ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)など)、セルロースアセテート類などが例示できる。好ましい樹脂は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂であり、特に好ましい樹脂は、ポリエステル系樹脂である。
ポリエステル系樹脂としては、ジカルボン酸成分(フタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸成分など)とジオール成分とで構成された樹脂が使用できる。具体的には、芳香族ポリエステル系樹脂、例えば、ポリアルキレンテレフタレート[ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などのポリC2-4アルキレンテレフタレートなど]、ポリアルキレンナフタレート[ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンナフタレートなどのポリC2-4アルキレンナフタレートなど]、ポリシクロアルキレンテレフタレート[ポリ(1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)(PCT)など]、ポリアリレート類(ビスフェノール類(ビスフェノール−Aなど)とフタル酸類(フタル酸、テレフタル酸)とで構成された樹脂など)などのホモポリエステルが挙げられる。また、ポリエステル系樹脂には、前記ホモポリエステル単位を主成分(例えば、50重量%以上)として含むコポリエステル、前記ホモポリエステルの共重合体(PETとPCTとの共重合体など)なども含まれる。なかでも、オレフィン系樹脂(ポリエチレンなど)、芳香族ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレートなど)、ポリカーボネート系樹脂が好ましい。
ポリカーボネート系樹脂は、例えば、ビスフェノール類(ビスフェノール−Aなど)をベースとする芳香族ポリカーボネートである。
なお、プラスチック製容器は、コストパフォーマンス、強度、光透過性、ガス又は水蒸気バリア性(透湿性)などに実害が無い限り、ポリマーアロイ(ポリマーブレンドなど)であってもよい。好ましいポリマーアロイには、複数の合成樹脂のポリマーブレンド(PETとPENとのポリマーブレンドなど)が含まれる。
また本発明は、オキシメタゾリンの光安定化方法をも包含する。本発明の方法において、オキシメタゾリンの光安定化は、オキシメタゾリン又はその塩、およびビタミンB12類を併用することによって達成できる。本発明の方法におけるオキシメタゾリン又はその塩、およびビタミンB12類、並びにその配合比、配合量などは、前記水性組成物で用いたものと同様である。
本発明の光安定化方法において、発明の効果を損なわない限り、種々の成分(薬理活性成分や生理活性成分を含む)を組み合わせて含有してもよい。このような成分の種類は特に制限されないが、具体例については、前述の水性組成物と同様である。
以下に実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、これらは本発明を制限するものではない。
試験例1 光安定性試験
表1に記載の処方に従い、各成分を精製水に溶解して全量を100mLとして試験液を調製した。
各々の試験液を透明ガラス製アンプル管(容量10mL)に10mLずつ充填し、これらを試験サンプルとした(n=2)。この試験サンプルに対して、光安定性試験装置(「Light-Tron LT-120 D3CJ型」、ナガノ科学株式会社製)を用いて、D65ランプを光源として、25℃の下、0.5万lxの光を240時間連続照射し、試験溶液を積算照射量120万lx・hrの光に曝光した。光照射前と後の試験サンプル中のオキシメタゾリン濃度を高速液体クロマトグラフィーにより測定した。測定した各試験サンプルのオキシメタゾリン濃度から、下記式に従って、オキシメタゾリンの残存率(%)を算出した。
残存率(%)=光照射後のオキシメタゾリン濃度×100/光照射前のオキシメタゾリン濃度
結果を表1に示す。
Figure 0004885513
比較例1〜4では、オキシメタゾリンが半分以下にまで分解していることが確認された。これに対して、実施例1〜4ではオキシメタゾリンの残存率が92%以上、特に実施例1、2では97%以上と光安定性が改善されたことが確認された。
以下に製剤実施例を挙げる。表に記載の処方に従い、各成分を精製水に溶解して全量を100mLとして製剤を調製した。以下の実施例中の配合量は、特に単位の記載のないものについてはすべて重量を表す。
表中の濃塩化ベンザルコニウム液50、エデト酸ナトリウムは日本薬局方記載の成分である。
Figure 0004885513
Figure 0004885513

Claims (4)

  1. オキシメタゾリン又はその塩、およびビタミンB12類を含有する水性組成物。
  2. ビタミンB12類が、シアノコバラミン、メコバラミン、ヒドロキソコバラミン、塩酸ヒドロキソコバラミン、酢酸ヒドロキソコバラミンである請求項1に記載の水性組成物。
  3. 水性組成物が、点眼剤、点鼻剤、洗眼剤、洗鼻剤、コンタクトレンズ用剤である請求項1または2に記載の水性組成物。
  4. オキシメタゾリン又はその塩、およびビタミンB12類を組成物中に配合することを特徴とする、オキシメタゾリンの光安定化方法。
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