JP2015132804A - コンタクトレンズ装着用液剤およびそれを用いたコンタクトレンズの屈折率向上方法 - Google Patents

コンタクトレンズ装着用液剤およびそれを用いたコンタクトレンズの屈折率向上方法 Download PDF

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Abstract

【課題】コンタクトレンズの濡れ性を向上させつつ、装着直後の視界不良の解消と細菌付着の防止を達成する新規なコンタクトレンズ装着用液剤を提供すること。
【解決手段】(A)成分として、フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム、シアノコバラミン、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール、塩酸ピリドキシン、パンテノール、パントテン酸カルシウム、パントテン酸ナトリウム、酢酸トコフェロールから選択される少なくとも1種を、各0.00005〜0.0025重量%で、2種以上選択される場合にそれらの配合量の和が0.015重量%未満となるように含有し、さらに、(B)成分として、ポリビニルアルコール、ヒプロメロース、ポリビニルピロリドンから選択される少なくとも1種を含有し、且つ、プラノプロフェン、トラニラスト、アシタザノラスト、無水カフェイン、塩化ベルベリン、塩酸ロメフロキサシン、硫酸亜鉛の何れをも含まないようにした。
【選択図】なし

Description

本発明は、コンタクトレンズ装着液や装着薬、コンタクトレンズ保存液等、コンタクトレンズの装着に際して、コンタクトレンズに付着して用いられるコンタクトレンズ装着用液剤に関するものである。また、本発明はかかるコンタクトレンズ装着用液剤を用いたコンタクトレンズの屈折率向上方法および細菌付着抑制方法並びに水分蒸散抑制方法にも関連する。
従来から、角膜上に装着されるコンタクトレンズには、装着前まで浸漬されていたコンタクトレンズ保存液や、装用感向上の目的から装着前にコンタクトレンズに別途塗布したコンタクトレンズ装着液といった、コンタクトレンズ装着用液剤が付着されており、コンタクトレンズの装用時に発生しがちな異物感や不快感を抑制してコンタクトレンズの角膜上へのスムーズな挿入を実現している。
このようなコンタクトレンズ装着用液剤の例として、特開2001−125052号公報(特許文献1)には、コンタクトレンズの濡れ性を向上させることにより、コンタクトレンズの装用感の改善を図ったコンタクトレンズ装着液が記載されている。特許文献1に記載のコンタクトレンズ装着液においては、増粘剤としてポリビニルアルコールやヒプロメロース(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)を配合することにより、コンタクトレンズ表面の濡れ性が向上されており、これにより、異物感や不快感の抑制が図られているのである。
ところで、コンタクトレンズの装着の際にコンタクトレンズに付着していた、コンタクトレンズ用保存液や装着薬等のコンタクトレンズ装着用液剤が、瞬目やコンタクトレンズの動きによって角膜上で涙液と混ざり合うと、両者の屈折力の違いにより、もやのようなゆがみが生じる所謂シュリーレン現象が発生し、視界が一時的に不安定になり視力が不足することが知られている。
このようなシュリーレン現象に起因する一時的な視界不良は、頻回の瞬目によって涙液とコンタクトレンズ装着用液剤を均一に混合させることで解消されるものの、特に、コンタクトレンズに付着していたコンタクトレンズ装着用液剤が、特許文献1に記載の如き涙液に比べて粘度の高いものである場合には、これらの混合が速やかに行われ難く、視界不良の解消に時間を要するおそれがあった。こうした視界不良により、コンタクトレンズの装用直後には、自動車の運転や機械の操作をすることが非常に危険であるという問題を内在していたのである。
ところが、装着直後のシュリーレン現象に起因する一時的な視界不良に対しては、有効な対策が為されていないのが現状であり、使用者は、眼をこすったり必要以上の瞬目をすることで、視界不良の解消をせざるを得なかった。
加えて、コンタクトレンズ(おしゃれ用コンタクトレンズを含む)への細菌付着による眼障害の発生が問題となっており、特にコンタクトレンズの濡れ性などとの相関があるとされる。このようなコンタクトレンズの濡れ性向上はもちろんのこと、装着直後の視界不良と細菌付着の問題とを、両立して達成し得る手段は、何ら提案されていないのが現状である。
特開2001−125052号公報
本発明は、上述の事情を背景に為されたものであって、その解決課題は、コンタクトレンズの濡れ性を向上させ装用感の改善を図りつつ、装着直後の視界不良の解消と細菌付着の防止を何れも達成することができる、新規なコンタクトレンズ装着用液剤を提供することにある。また、かかるコンタクトレンズ装着用液剤を用いたコンタクトレンズの屈折率向上方法および細菌付着抑制方法並びに水分蒸散抑制方法を提供することも目的とする。
上記課題を解決するために、本発明者等は鋭意検討の結果、装着直後のシュリーレン現象に起因する一時的な不安定視界や視力不足による視界不良を解消して、装用直後から視界を鮮明にするには、コンタクトレンズ表面が均一に濡れていることはもちろんであるが、一時的にレンズの頂点屈折力を上げることにより、解消されることを新たに見出したのである。そして、コンタクトレンズの頂点屈折力を一時的にでも上げることは、レンズの度数が強すぎる状態、すなわち過矯正を作り出してしまうため、頂点屈折力の増加度合いは制限されるべきである点に傾注して、本発明を完成するに至ったのである。
コンタクトレンズ装着用液剤に係る本発明の第一の態様は、(A)成分として、フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム、シアノコバラミン、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール、塩酸ピリドキシン、パンテノール、パントテン酸カルシウム、パントテン酸ナトリウム、酢酸トコフェロールから選択される少なくとも1種を、各0.00005〜0.0025重量%で、2種以上選択される場合にそれらの配合量の和が0.015重量%未満となるように含有し、且つ、(B)成分として、ポリビニルアルコール、ヒプロメロース、ポリビニルピロリドンから選択される少なくとも1種を含有し、且つプラノプロフェン、トラニラスト、アシタザノラスト、無水カフェイン、塩化ベルベリン、塩酸ロメフロキサシン、硫酸亜鉛の何れをも含まない、ことを特徴とする。
本態様によれば、従来から増粘剤等としてコンタクトレンズ装着用液剤に用いられている上記(B)成分を含有する一方、上記(A)成分の少なくとも1種を各0.00005〜0.0025重量%で、2種以上選択される場合にそれらの配合量の和が0.015重量%未満となる、特定の範囲で含有することで、装着時の装用感の改善を確保しつつ、従来の装着用液剤では発揮され得ない、コンタクトレンズの屈折力を向上させる機能をはじめて発揮し得たのである。従来から点眼剤等の有効成分として配合されてきたビタミン類であるが、驚くべきことに、これら成分がコンタクトレンズの屈折率向上に寄与する成分であることを見出した。しかもビタミン類としての有効性を示す配合量ではなく、それよりも低濃度に設定することによって、所望の屈折率向上機能をコンタクトレンズ装着用液剤に付与することができたのである。このように、所定の配合量の上記(A)成分がコンタクトレンズの屈折率向上機能に寄与することをはじめて見出して、課題解決のために採用したのである。
具体的には、装用前のコンタクトレンズに、本発明のコンタクトレンズ装着用液剤が付着した状態でコンタクトレンズを装着すると、(B)成分により濡れ性が向上されてコンタクトレンズ表面の均一な濡れが確保される。さらに(A)成分が特定の配合割合で含有されていることにより、コンタクトレンズの頂点屈折力を過矯正を作り出さない程度に向上させることができるのである。これにより、コンタクトレンズ装用直後の視界不安定さに起因する視力不足を解消するとともに、配合が最適化されていることから、過矯正を作り出してしまうことが無いのである。しかも、(B)成分により濡れ性が向上されることにより、従前と同様、装着時の装用感の改善も同時に達成できるのである。なお、従来から粘稠剤として用いられている(B)成分のみの場合、従来から問題とされた視力不足を誘発してしまい、(A)成分が含まれていないので上記視力不足に対する補填もない。
加えて、組成中に、プラノプロフェン、トラニラスト、アシタザノラスト、無水カフェイン、塩化ベルベリン、塩酸ロメフロキサシン、硫酸亜鉛の何れをも含まないことから、(A)成分と(B)成分を組み合わせて含有することにより奏される特有の効果であるコンタクトレンズの屈折率向上率が過大となることが有利に回避されている。
さらに、本発明者等は、(A)成分と、(B)成分を組み合わせて含有し、さらにプラノプロフェン、トラニラスト、アシタザノラスト、無水カフェイン、塩化ベルベリン、塩酸ロメフロキサシン、硫酸亜鉛の何れをも含まないことから、それらの相乗効果によって、従来にない顕著なコンタクトレンズに対する細菌付着抑制機能を有することも新たに見出した。これにより、本発明のコンタクトレンズ装着用液剤は、コンタクトレンズの濡れ性の向上による装用感の改善と、装着直後の視界不良の解消に加えて、コンタクトレンズへの細菌付着抑制効果の何れをも同時に達成することができる、画期的なコンタクトレンズ装着用液剤を提供することができるのである。
コンタクトレンズ装着用液剤に係る本発明の第二の態様は、前記第一の態様に記載されたコンタクトレンズ装着用液剤において、前記コンタクトレンズに精製水を付着させた場合の20℃におけるコンタクトレンズ屈折率に対して、0.05%以上3.3%以下のコンタクトレンズ屈折率の向上率をもたらすものである。
本態様によれば、屈折率向上機能が、コンタクトレンズに精製水を付着させた場合の20℃におけるコンタクトレンズ屈折率に対して、0.05%以上3.3%以下のコンタクトレンズ屈折率の向上率をもたらすものであることから、コンタクトレンズ装用直後の視力不足の解消と、過矯正の回避を確実に達成できるのである。
コンタクトレンズ装着用液剤に係る本発明の第三の態様は、前記第一又は二の態様に記載されたコンタクトレンズ装着用液剤において、前記コンタクトレンズが、表面処理が施されていないコンタクトレンズである。このような表面処理が施されていないコンタクトレンズに対して、本発明の屈折率向上機能は、一層有利に発揮されるのである。具体的には、コンタクトレンズに精製水を付着させた場合のコンタクトレンズ屈折率に対して、0.05%以上3.3%以下のコンタクトレンズ屈折率の向上をもたらすことができる。
コンタクトレンズ装着用液剤に係る本発明の第四の態様は、前記第一〜三の何れか1つの態様に記載されたコンタクトレンズ装着用液剤において、前記コンタクトレンズが、ホウ酸を含有するコンタクトレンズ流通保存液に浸漬されて保存されたソフトコンタクトレンズであるものである。
一般に、ソフトコンタクトレンズ(再使用禁止の使い捨てソフトコンタクトレンズや頻回交換型ソフトコンタクトレンズ、定期交換型ソフトコンタクトレンズ等のソフトコンタクトレンズ)の流通にあたっては、生理食塩液等を流通保存液とし、バイアル瓶やブリスターケース、アルミパウチ内にソフトコンタクトレンズが浸漬された状態で、高圧蒸気滅菌後、流通ならびに販売される。流通保存液の中には、有効期限での保存安定性を目的とし、ホウ酸やリン酸等種々のpH緩衝剤が配合されているが、コンタクトレンズ製造時の菌管理の観点から、静菌性に優れたホウ酸緩衝剤を使用する場合が多い。本発明者等は、このようなホウ酸を含有するコンタクトレンズ流通保存液に浸漬されて保存されたソフトコンタクトレンズに対して、本発明に従う特定範囲の(A)成分と(B)成分を含有したコンタクトレンズ装着用液剤が、水分蒸散抑制効果があることも新たに見出したのである。
コンタクトレンズ装着用液剤に係る本発明の第五の態様は、前記第一〜四の何れか1つの態様に記載されたコンタクトレンズ装着用液剤において、前記コンタクトレンズが、ホウ酸を配合するケア用品によって処理された後に装着されたソフトコンタクトレンズであるものである。
近年、頻回交換型ソフトコンタクトレンズ、定期交換型ソフトコンタクトレンズ等の殺菌・消毒・保存・すすぎを目的としたケア用品(以下、コンタクトレンズケア用品、とする)として、pH緩衝剤として、あるいは保存効力・殺菌効果向上の目的から、ホウ酸を含有したケア用品が一般に広く用いられている。本発明者等は、このようなホウ酸を含有するケア用品によって処理されたソフトコンタクトレンズに対して、本発明に従う特定範囲の(A)成分と(B)成分を含有したコンタクトレンズ装着用液剤が、水分蒸散抑制効果があることも新たに見出したのである。
コンタクトレンズ装着用液剤に係る本発明の第六の態様は、前記第一〜五の何れか1つの態様に記載されたコンタクトレンズ装着用液剤において、コンタクトレンズ装着薬、コンタクトレンズすすぎ液、コンタクトレンズ流通保存液から選択される少なくとも1つとして用いられる。
本態様によれば、コンタクトレンズの装用感の向上と、装着直後の視界不良改善の何れをも達成できる優れたコンタクトレンズ装着液等を有利に提供することができる。
コンタクトレンズの屈折率向上方法に係る本発明の第一の態様は、(A)成分として、フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム、シアノコバラミン、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール、塩酸ピリドキシン、パンテノール、パントテン酸カルシウム、パントテン酸ナトリウム、酢酸トコフェロールから選択される少なくとも1種を、各0.00005〜0.0025重量%で、2種以上選択される場合にそれらの配合量の和が0.015重量%未満となるように含有し、且つ、(B)成分として、ポリビニルアルコール、ヒプロメロース、ポリビニルピロリドンから選択される少なくとも1種を含有しており、且つ、プラノプロフェン、トラニラスト、アシタザノラスト、無水カフェイン、塩化ベルベリン、塩酸ロメフロキサシン、硫酸亜鉛の何れをも含まないコンタクトレンズ装着用液剤を用い、コンタクトレンズ装着前に、該コンタクトレンズ装着用液剤を、前記コンタクトレンズに接触させる、ことを特徴とする。
本態様によれば、本発明に係るコンタクトレンズ装着用液剤を、コンタクトレンズ装着前にコンタクトレンズに接触させるだけの簡単な方法により、従来問題となっていた装着直後のシュリーレン現象に起因する一時的な視界不良を、一時的にコンタクトレンズの屈折率を向上させることで解消できるのである。また、(A)成分は一時的にコンタクトレンズの表面乃至は内部に取り込まれたり、角膜−レンズ間の涙液層に滞留されるが、装用後には涙液による希釈や交換のため、コンタクトレンズから(A)成分が放出される。(B)成分は上述の(A)成分のコンタクトレンズへの取り込み量や放出速度をコントロールする働きをも兼ねている。従って、コンタクトレンズの屈折率向上方法に係る本発明の第一の態様には、上述のように、本発明に係るコンタクトレンズ装着用液剤を用いた、コンタクトレンズからの(A)成分の放出コントロール方法も含むのである。
コンタクトレンズの細菌付着抑制方法に係る本発明の第一の態様は、(A)成分として、フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム、シアノコバラミン、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール、塩酸ピリドキシン、パンテノール、パントテン酸カルシウム、パントテン酸ナトリウム、酢酸トコフェロールから選択される少なくとも1種を、各0.00005〜0.0025重量%で、2種以上選択される場合にそれらの配合量の和が0.015重量%未満となるように含有し、且つ、(B)成分として、ポリビニルアルコール、ヒプロメロース、ポリビニルピロリドンから選択される少なくとも1種を含有しており、且つ、プラノプロフェン、トラニラスト、アシタザノラスト、無水カフェイン、塩化ベルベリン、塩酸ロメフロキサシン、硫酸亜鉛の何れをも含まないコンタクトレンズ装着用液剤を用い、コンタクトレンズ装着前に、該コンタクトレンズ装着用液剤を、前記コンタクトレンズに接触させる、ことを特徴とするものである。
本態様によれば、本発明に係るコンタクトレンズ装着用液剤を、コンタクトレンズ装着前にコンタクトレンズに接触させるだけの簡単な方法により、従来では得られないコンタクトレンズへの細菌付着を抑制する効果が得られるのである。
コンタクトレンズの水分蒸散抑制方法に係る本発明の第一の態様は、(A)成分として、フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム、シアノコバラミン、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール、塩酸ピリドキシン、パンテノール、パントテン酸カルシウム、パントテン酸ナトリウム、酢酸トコフェロールから選択される少なくとも1種を、各0.00005〜0.0025重量%で、2種以上選択される場合にそれらの配合量の和が0.015重量%未満となるように含有し、且つ、(B)成分として、ポリビニルアルコール、ヒプロメロース、ポリビニルピロリドンから選択される少なくとも1種を含有しており、且つ、プラノプロフェン、トラニラスト、アシタザノラスト、無水カフェイン、塩化ベルベリン、塩酸ロメフロキサシン、硫酸亜鉛の何れをも含まないコンタクトレンズ装着用液剤を用い、コンタクトレンズ装着前に、該コンタクトレンズ装着用液剤を、前記コンタクトレンズに予め付着しているホウ酸を含むコンタクトレンズ流通保存液、コンタクトレンズケア用品から選ばれる少なくとも一種と前記コンタクトレンズ上で接触させる、ことを特徴とするものである。
本態様によれば、本発明に係るコンタクトレンズ装着用液剤を、コンタクトレンズ装着前にコンタクトレンズに接触させて、コンタクトレンズに予め付着されているホウ酸を含むコンタクトレンズ流通保存液、コンタクトレンズケア用品から選ばれる少なくとも一種とコンタクトレンズ上で接触させるだけの簡単な方法により、従来では得られないコンタクトレンズの水分蒸散を抑制する効果が得られるのである。なお、コンタクトレンズケア用品には、ソフトコンタクトレンズの殺菌消毒、洗浄、すすぎ、保存を1液で行うことが出来るソフトコンタクトレンズ用多目的液剤(いわゆるマルチパーパスソリューション(MPS))や、過酸化水素製剤やポビドンヨード製剤によるコンタクトレンズの殺菌消毒、洗浄、中和、すすぎ、保存システムにて使用する過酸化水素配合剤、ポビドンヨード配合剤、中和剤(中和錠)、ならびにコンタクトレンズの殺菌消毒、洗浄、保存を行ったのちに、残留する未中和の過酸化水素やポビドンヨードを除去するための、コンタクトレンズすすぎ液が含まれる。
本発明に従うコンタクトレンズ装着用液剤によれば、従来から増粘剤等としてコンタクトレンズ装着用液剤に用いられている上記(B)成分と、上記(A)成分を特定の配合割合で含有し、さらに、プラノプロフェン、トラニラスト、アシタザノラスト、無水カフェイン、塩化ベルベリン、塩酸ロメフロキサシン、硫酸亜鉛の何れをも含まないことにより、はじめて、コンタクトレンズの濡れ性向上と、装着直後の視界不良改善に加えて、コンタクトレンズへの細菌付着抑制効果の何れをも同時に達成し得たのである。また、本発明のコンタクトレンズ装着用液剤を、装着前のコンタクトレンズに接触させるだけで、装着直後のコンタクトレンズの屈折力を一時的に向上させたり、コンタクトレンズへの細菌付着を抑制できる。さらに、本発明のコンタクトレンズ装着用液剤を、装着前のコンタクトレンズに付着させ、予めコンタクトレンズに付着しているホウ酸を含むコンタクトレンズ流通保存液、コンタクトレンズケア用品から選ばれる少なくとも一種とコンタクトレンズ上で接触させるだけで、コンタクトレンズの水分蒸散が抑制できるのである。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、コンタクトレンズ装着用液剤に関する本発明の実施形態について、詳細に説明する。
本発明の一実施形態としてのコンタクトレンズ装着用液剤は、(A)成分として、フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム、シアノコバラミン、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール、塩酸ピリドキシン、パンテノール、パントテン酸カルシウム、パントテン酸ナトリウム、酢酸トコフェロールから選択される少なくとも1種を、各0.00005〜0.0025重量%で、2種以上選択される場合にそれらの配合量の和が0.015重量%未満となるように含有し、且つ、(B)成分として、ポリビニルアルコール、ヒプロメロース、ポリビニルピロリドンから選択される少なくとも1種を含有している。そして、この特定範囲の(A)成分と(B)成分を組み合わせて配合したことにより、コンタクトレンズの屈折率向上機能と細菌付着抑制機能が発揮され得るのである。
より具体的には、本実施形態に従うコンタクトレンズ装着用液剤は、コンタクトレンズの装着に際して、コンタクトレンズに付着して用いられる各種の溶液として用いることができる。例えば、「医薬品製造指針 別冊 一般用医薬品製造(輸入)承認基準2000年版;薬事審査研究会、(株)じほう、平成12年6月30日」に記載のコンタクトレンズ装着液、「平成16年7月16日付厚生労働省医薬食品局長通知薬食発第0716006号」に記載ならびに規定されるコンタクトレンズ装着薬、「コンタクトレンズ用洗浄剤、保存剤、洗浄保存剤等に関する安全自主基準 改訂第6版」(一般社団法人コンタクトレンズ協会編,平成23年11月)に規定されるコンタクトレンズ保存液や、コンタクトレンズすすぎ液、あるいは、コンタクトレンズ流通保存液として、好適に用いられる。また、点眼も可能なコンタクトレンズ装着・点眼液や、洗眼薬と装着液を組み合わせたコンタクトレンズ装着・洗眼薬、さらには、装着液と保存液や流通保存液を組み合わせた液剤としても用いることが可能である。総じて、コンタクトレンズ装用前にレンズ(レンズにすでに接触しているケア用品、流通保存液を含む)と接触させ、そのまま当該レンズを装着する使用方法において使用される液剤をいう。一方、本実施形態に従うコンタクトレンズ装着用液剤の適用としては、ソフトコンタクトレンズならびにハードコンタクトレンズの双方に使用できる形態も可能であるし、ハードコンタクトレンズ専用の形態であっても良い。なお、本願においては、「コンタクトレンズ装着薬」と「コンタクトレンズ装着液」は区別することなく、一括して「コンタクトレンズ装着液」として示す。また、洗眼薬や点眼剤単独として使用するものについては、本願のコンタクトレンズ装着用液剤から除かれる。
本実施形態に従うコンタクトレンズ装着用液剤は、各種の公知すべてのコンタクトレンズに対して使用することができる。たとえば、平成21年4月28日付厚生労働省医薬食品局長通知薬食発第0428008号「コンタクトレンズ承認基準の改正について」に記載されるコンタクトレンズ承認基準に合致するハードコンタクトレンズ、ソフト(ハイドロゲル)コンタクトレンズ、非視力補正用ソフト(ハイドロゲル)コンタクトレンズが含まれる。なお、非視力補正用ソフト(ハイドロゲル)コンタクトレンズとは、当該コンタクトレンズの効能・効果に「虹彩又は瞳孔の外観(色、模様、形)を変えること」を含むものであり、上記コンタクトレンズ承認基準上は視力補正を効能・効果に含まないものであるが、実際には視力補正も効能・効果に含む製品も存在する。したがって、本願の説明において、視力補正を効能・効果に含むか否かに関わらず、「虹彩又は瞳孔の外観(色、模様、形)を変えること」を効能・効果に含むコンタクトレンズを「おしゃれ用コンタクトレンズ」と言うものとする。おしゃれ用コンタクトレンズには、色素界面がコンタクトレンズ材料によって覆われている、いわゆるサンドイッチ製法によるものや、色素がコンタクトレンズ表面に暴露されているものも含む。さらには、ISO18369−1(2006およびAmendment1,2009) にてグループI〜Vとして分類されるハイドロゲル素材(hydrogel materials)のもの、ならびにグループI〜IVとして分類される非ハイドロゲル素材(non−hydrogel materials)のものも含まれる。また、眼の保護、前房の封鎖、薬剤の送達、角膜曲率の変更(オルソケラトロジー用コンタクトレンズを含む)、網膜の治療等に使用される治療用コンタクトレンズや検査用コンタクトレンズ、視界のコントラストの増幅や低減、入射光線の低減や偏光、調光などの機能を持つサングラスコンタクトレンズも含む。本願において単に「ハードコンタクトレンズ」と示す場合、上記通知や規格等に該当する、硬いレンズを意味する。単に「ソフトコンタクトレンズ」と示す場合においても、上記通知や規格等に該当する、柔らかいレンズを意味する。
コンタクトレンズの形状に関しても、角膜コンタクトレンズ、セミ強膜コンタクトレンズ、強膜コンタクトレンズ、ハイブリッドコンタクトレンズ(酸素透過性ハードコンタクトレンズとソフトコンタクトレンズとを組み合わせたコンタクトレンズなど、2種以上の素材を組み合わせてなるコンタクトレンズ)であってもよい。また、近視用、遠視用はもちろん、乱視用、遠近両用、近視抑制用コンタクトレンズといった如何なるコンタクトレンズデザインであってもよい。コンタクトレンズの使用形態も、1日又は1週間から数ヶ月間等の短期間のみ使用される使い捨て用のコンタクトレンズであってもよいし、より長期間使用される通常のコンタクトレンズであってもよい。コンタクトレンズは濡れ性の付与のために、コンタクトレンズの製造過程における二次加工として表面処理(プラズマ処理等の物理的処理やグラフト重合等の化学的処理)が施されることがある。本実施形態に従うコンタクトレンズ装着用液剤は、コンタクトレンズの表面処理の有無に関わらず、各種公知すべてのコンタクトレンズに対して使用することが出来るが、後述するように、特にプラズマ処理等の表面処理が施されていないソフトコンタクトレンズにおいて有利に発揮され得る。一方、ハードコンタクトレンズについては、上述のISO18369−1(2006) にてグループI〜IVに分類される非ハイドロゲル素材(non−hydrogel materials)の中でも、特にケイ素成分とフッ素成分をコンタクトレンズ材料中に含むグループIIIに属するものについて、有利に発揮され得る。
このコンタクトレンズ装着用液剤に配合される(A)成分は、フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム、シアノコバラミン、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール、塩酸ピリドキシン、パンテノール、パントテン酸カルシウム、パントテン酸ナトリウム、酢酸トコフェロールから選択される少なくとも1種である。(A)成分の配合割合は、各成分が0.00005〜0.0025重量%の範囲に調整され、2種以上選択される場合にそれらの配合量の和が0.015重量%未満となるように調整されている。これにより、装着直後のコンタクトレンズ装用眼に対して過矯正の状態を作り出さない程度に、コンタクトレンズの頂点屈折力を好適に向上させることができるのである。すなわち、(A)成分のうちの各成分が0.00005重量%未満の場合は、十分なコンタクトレンズの屈折率向上機能を発揮することができない。一方、(A)成分のうちの各成分の配合量が、0.0025重量%を超える場合は、むしろ所望の効果を減弱させる結果となり、好ましくない。また、(A)成分が1種であっても多量に加えられることにより屈折率が必要以上に向上し、過矯正の状態となる恐れがある。さらに、(A)成分のうち2種以上の成分が選択される場合にそれらの配合量の和が0.015重量%未満となるように調整されていることから、屈折率が必要以上に向上して過矯正となることが、未然に防止されているのである。
なお、(A)成分の配合割合を、各成分を0.00005〜0.0025重量%とし、2種以上選択される場合にそれらの配合量の和を0.015重量%未満とすることで、このような屈折率向上効果が発現される詳細な理由は明らかではないが、コンタクトレンズ装着用液剤がコンタクトレンズに接触すると、(A)成分が屈折率の向上に寄与し、コンタクトレンズ表面乃至は内部に取り込まれることから、コンタクトレンズの屈折率が向上するものと推測される。ここで、コンタクトレンズ装着用液剤の屈折率向上機能は、コンタクトレンズに精製水を付着させた場合の屈折率に対して、本実施形態のコンタクトレンズ装着用液剤を当該コンタクトレンズに付着させた場合の屈折率が、0.05%以上3.3%以下の屈折率の向上率をもたらすように調整されていることが好ましい。また、さらに好ましいコンタクトレンズ装着用液剤の屈折率向上機能は、コンタクトレンズに生理食塩液を付着させた場合の屈折率に対して、本実施形態のコンタクトレンズ装着用液剤を当該コンタクトレンズに付着させた場合の屈折率が、20℃の測定条件下において、0.2%以上2.5%未満の屈折率の向上率をもたらすように調整される。これにより、コンタクトレンズ装用直後の視力不足の解消と、過矯正の回避を確実に達成できるのである。特に、本実施形態のコンタクトレンズ装着用液剤による屈折率向上機能は、表面処理が施されていないコンタクトレンズにおいて、顕著に発揮される。(A)成分の製造販売承認申請上の配合目的としては、有効成分としても良いし、第十六改正日本薬局方製剤総則[1] 製剤通則第(6)項に規定される添加物として認められるものとしても構わないが、本実施形態で特に好ましい場合は、結果として、従来使用ならびに開示されてきた濃度よりも比較的低濃度である。
また、(A)成分は一時的にコンタクトレンズの表面乃至は内部に取り込まれたり、角膜−レンズ間の涙液層に滞留されるが、装用後には涙液による希釈や交換のため、徐々にコンタクトレンズから(A)成分が放出される。従って、上述のような装用直後では(A)成分により屈折率が向上されており、視力不足が解消されるのである。そして、時間や瞬目数とともに視力不足は自然に解消されていくのだが、そのときには(A)成分はコンタクトレンズから放出されているので、屈折率が向上されたままではなく、所望のレンズ度数に戻るため、度数の高い状態が続くことは無いのである。
また、本実施形態のコンタクトレンズ装着用液剤に配合される(B)成分は、ポリビニルアルコール、ヒプロメロース、ポリビニルピロリドンから選択される少なくとも1種である。(B)成分の配合割合はコンタクトレンズ装着用液剤の具体的な用途によって任意に設定されるものであるが、特に、コンタクトレンズ装着液として用いられる場合には、0.01〜3.0重量%程度の範囲で配合されることが好ましい。これにより、コンタクトレンズ装着用液剤は、コンタクトレンズの濡れ性の向上を図り、コンタクトレンズの装用感を改善することができるのである。
なお、ポリビニルアルコールとしては、市販の工業用途、医薬用途のものが適宜使用されてもよいが、具体的な特性としては、20℃における4w/w%水溶液の粘度が2〜50mPa・sのものが用いられる。また、ポリビニルアルコールのケン化度も種々選択が可能である。例えば、完全ケン化型や中間ケン化型、部分ケン化から選ばれるが、その中でも部分ケン化型および中間ケン化型が特に好適に選択される。さらには医薬品添加物規格2013に収載のポリビニルアルコール(部分けん化物)が好ましく、具体的な市販品としては、例えば日本合成化学株式会社製のゴーセノール(登録商標)EGシリーズが挙げられ、型番としてはEG−05、EG−05P、EG−30、EG−30P、EG−40、EG−40Pおよび、日本酢ビ・ポバール株式会社製のVPシリーズが挙げられ、型番としてはVP−03、VP−04、VP−05、VP−10、VP−15、VP−18、VP−20、VP−24、VP−33、VP−45等が採用可能である。また、ヒプロメロース(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)としては、20℃における2w/w%水溶液の粘度が2.5mPa・s以上、好ましくは2.5〜10000、より好ましくは2.5〜5000mPa・sのものが用いられる。なお、このヒプロメロースの粘度は、第十六改正日本薬局方に記載のヒプロメロースの粘度測定法に従い測定された値である。また、このようなヒプロメロースは第十六改正日本薬局方に収載されるヒプロメロースであり、市場で容易に入手することができ、さらにはヒプロメロースの種々置換度を選択することができる。例えば、置換度タイプが2208、2906、2910から選ばれるが、その中でも置換度タイプが2910、2906のものが特に好適に選択される。具体的には、例えば信越化学工業株式会社製のTC−5(登録商標)EおよびTC−5M、TC−5R、TC−5S、METOLOSE(登録商標) 60SH−50、METOLOSE 60SH−4000、METOLOSE 60SH−10000、METOLOSE 65SH−50、METOLOSE 65SH−400、METOLOSE 65SH−4000等が採用可能である。さらに好適には、置換度タイプが2910のものが選択され、具体的には、TC−5E、METOLOSE 60SH−4000が特に好適に選択される。ポリビニルピロリドンは、同様に市場で入手可能なもの等であれば何れでもよいが、特に第十六改正日本薬局方に収載されるものが好ましい。具体的には、例えばBASFジャパン(株)製のKollidon(登録商標)(12PF、17PF、25、30、90F)等が挙げられる。これらは1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
さらに、本実施形態のコンタクトレンズ装着用液剤は、上述の如き特定配合量に調整された(A)成分と、(B)成分を組み合わせて配合することにより、従来のコンタクトレンズ装着用液剤では到底得られない高い細菌付着抑制効果をも発揮することができるのである。すなわち、所定配合量の(A)成分を含んでも(B)成分を含まなければ十分な細菌付着抑制効果が発揮されず、(B)成分を含んでも所定配合量の(A)成分を含まなければ同様に細菌付着抑制効果は発揮されない。さらに、所定配合量を超えて(A)成分が含まれる場合は、(B)成分を含んでいても却って菌付着抑制効果が制限される。このような細菌付着抑制効果が発現される詳細な理由は明らかではないが、(A)成分と(B)成分との特定の配合割合にて、コンタクトレンズ表面でバランス良く相互作用として働き、しかるにコンタクトレンズ表面を覆うような効果が発現されるものと推測される。そして、かかる細菌付着抑制効果は、表面処理がされていないコンタクトレンズ、さらに好ましくは表面処理が施されていないシリコーンハイドロゲルコンタクトレンズに対して本実施形態のコンタクトレンズ装着用液剤が適用された場合に、有利に発揮される。
加えて、上述の如き特定配合量に調整された(A)成分と、(B)成分を組み合わせて配合したことにより、本実施形態のコンタクトレンズ装着用液剤は、ホウ酸を含有するコンタクトレンズ流通保存液に浸漬されて保存されたソフトコンタクトレンズや、ホウ酸を配合するコンタクトレンズケア用品によって処理された後に、眼に装着されるソフトコンタクトレンズに対して用いた場合に、優れた水分蒸散抑制効果をも発揮することができるのである。すなわち、所定配合量の(A)成分を含んでも(B)成分を含まなければ、ホウ酸の有無にかかわらず十分な水分蒸散抑制効果が発揮されず、(B)成分を含んでも所定配合量の(A)成分を含まなければ同様にホウ酸の有無にかかわらず十分な水分蒸散抑制効果が発揮されない。さらに、所定配合量を超えて(A)成分が含まれる場合は、(B)成分を含んでいてもホウ酸の有無にかかわらず却って水分蒸散抑制効果が悪化するのである。要するに、ホウ酸を配合するコンタクトレンズ処理剤に接触したコンタクトレンズという特定の対象に対して、本実施形態のコンタクトレンズ装着用液剤を用いた場合に、従来にない顕著な水分蒸散抑制効果が発揮されるのである。このような水分蒸散抑制効果が発現される詳細な理由は明らかではないが、流通保存液やケア用品に配合されたホウ酸がコンタクトレンズに付着した状態で本実施形態のコンタクトレンズ装着用液剤と混合されることにより、ホウ酸と(B)成分の相互作用により、水分蒸散速度が遅滞し、さらに所定配合量の(A)成分が、ホウ酸と(B)成分との相互作用による構造に影響を与えて、水分蒸散速度の遅滞が安定して維持されるものと推測される。
また、所定配合量の(A)成分と(B)成分以外の残部には、本コンタクトレンズ装着用液剤の濡れ性向上効果、屈折率向上効果、細菌付着抑制効果、さらには水分蒸散抑制効果を損なわない限りにおいて、公知のコンタクトレンズ用組成物に用いられる添加剤等が眼科的に許容される範囲で配合されていてもよい。具体的には、例えば公知の緩衝剤、pH調整剤、界面活性剤、増粘剤、等張化剤、キレート剤、湿潤剤、安定剤、香料又は清涼化剤、薬剤、抗菌剤、防腐剤・殺菌剤等が、一種又は二種以上組み合わされて配合され得る。一方で、眼科的に許容される範囲の成分や濃度であっても、コンタクトレンズやコンタクトレンズ装用に用いる液の各種効果を損ねる場合もある。また、コンタクトレンズ装用に用いる液への配合が用途的に相応しくない成分もある。たとえば、プラノプロフェン、アシタザノラスト、カフェイン、トラニラスト、塩化ベルベリン、塩酸ロメフロキサシン、硫酸亜鉛などの成分はコンタクトレンズ素材に対しての吸着や素材内部での濃縮が懸念されるため、配合からは除かれるべきである。
緩衝剤としては、例えばホウ酸、ホウ砂及びホウ酸塩緩衝剤、炭酸塩緩衝剤、クエン酸及びクエン酸塩緩衝剤、酢酸等のカルボン酸類、オキシカルボン酸等の酸やその塩、アミノエチルスルホン酸、アスパラギン酸(塩)、グリシン、アルギニン、グルタミン酸等のアミノ酸類、ε−アミノカプロン酸、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパン(AMP)、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール(AMPD)、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(Tris)、ビス(2−ヒドロキシエチル)イミノトリス(ヒドロキシメチル)メタン(Bis−Tris)、リン酸及びリン酸塩緩衝剤、Good−Buffer等が挙げられる。
pH調整剤としては、例えば塩酸、クエン酸、酢酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム等のリン酸塩、硫酸等が挙げられる。
界面活性剤としては、従来から公知のアニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤の何れもが、適宜に採用され得る。このような界面活性剤としては、例えばポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(ポリソルベート類)、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルホルムアルデヒド縮合物、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレンステロール、ポリオキシエチレン水素添加ステロール、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー(ポロクサマー類)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン置換エチレンジアミン(ポロクサミン類)、ポリオキシエチレンラノリンアルコール、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキル脂肪酸塩、アルキルリン酸塩、N−アシルタウリン塩、アルキルグルタミン酸塩、アルキルグリシン塩、アルキルアラニン塩、ココイル脂肪酸アルギニン、アルキル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、酢酸ベタイン型両面活性剤、アルキルオキシヒドロキシプロピルアルギニン塩、ココイルアルギニンエチルPCA等が挙げられる。
増粘剤としては、(B)成分に加えて、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリアクリルアミド、ポリ(メタ)アクリル酸及び塩、Copolymer845(ポリビニルピロリドンとジメチルアミノエチルメタクリレートの共重合ポリマー)等の合成有機高分子化合物等や、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロースなどのセルロース誘導体や、スターチ誘導体、アルギン酸(塩)、ペクチン、キトサン及びそれらの塩、カチオン化キトサン等のキトサン誘導体の多糖類、ジェランガム等ヘテロ多糖類や、ヒアルロン酸(塩)、コンドロイチン硫酸(塩)等のムコ多糖類等を加えてもよい。
等張化剤としては、例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、塩化マグネシウム、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム等の無機塩類、プロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコール若しくはそのエーテル又はエステル等が挙げられる。
キレート剤としては、例えばエチレンジアミン四酢酸(EDTA)及びその塩(エチレンジアミン四酢酸・2ナトリウム(EDTA・2Na)、エチレンジアミン四酢酸・3ナトリウム(EDTA・3Na)、エチレンジアミン四酢酸・4ナトリウム(EDTA・4Na)等)、フィチン酸、クエン酸等が挙げられる。
湿潤剤としては、例えばグリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、エリトリトール、トレハロース、ブドウ糖、スクロース、マルトース、ラクトースなどの多価アルコールや糖、糖アルコール、グルコサミン(塩)、アセチルグルコサミン、ガラクトサミン、アセチルガラクトサミン等のアミノ糖、グルコシルトレハロースなどの糖誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリ(メタ)アクリル酸及び塩、Copolymer845(ポリビニルピロリドンとジメチルアミノエチルメタクリレートの共重合ポリマー)、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン等のポリビニル化合物等、カチオン化セルロース、ヒドロキシエチルセルロース及びメチルセルロース等のセルロース誘導体、エタノール、イソプロパノール、オレイルアルコール、ラウリルアルコール等の低級あるいは高級アルコール類、アルモンド油、ラノリン、オリーブ油、オレイン酸及び/又はその塩、流動パラフィン、トリグリセリド、スクワラン、ワセリン、シリコーン油、ゴマ油、シソ油、ダイズ油、ツバキ油、ホホバ油、トウモロコシ油、ヒマシ油等の油脂類等が挙げられる。なお、眼に対して安全であり、しかもコンタクトレンズに対する影響を少なくすること、さらにはコンタクトレンズ用組成物の使用感を向上させるという理由から、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、エリトリトール、トレハロース、ブドウ糖、スクロース、マルトース、ラクトースなどの多価アルコールや糖、糖アルコール、グルコシルトレハロースなどの糖誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリ(メタ)アクリル酸及び塩、Copolymer845(ポリビニルピロリドンとジメチルアミノエチルメタクリレートの共重合ポリマー)、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン等のポリビニル化合物等、カチオン化セルロース、ヒドロキシエチルセルロース及びメチルセルロース等のセルロース誘導体が選択されることが好ましい。
安定剤としては、アスコルビン酸、アスコルビン酸グルコシド、エデト酸ナトリウム、シクロデキストリン、縮合リン酸、亜硫酸塩、クエン酸、ジブチルヒドロキシトルエン、トロメタモール、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート(ロンガリット)、トコフェロール、ピロ亜硫酸ナトリウム、モノエタノールアミン、モノステアリン酸アルミニウム等が挙げられる。
香料又は清涼化剤としては、例えばアネトール、オイゲノール、カンフル、クロロブタノール、ゲラニオール、シネオール、ボルネオール、メントール、リモネン、リュウノウ、ウイキョウ油、クールミント油、ケイヒ油、スペアミント油、ハッカ水、ハッカ油、ペパーミント油、ベルガモット油、ユーカリ油、ローズ油などが挙げられる。
薬剤としては、例えばクロモグリク酸、マレイン酸クロルフェニラミン、塩酸ジフェンヒドラミン、アンレキサノクス、イブジラスト、ペミロラストカリウム、フマル酸エメダスチン、フマル酸ケトチフェン、塩酸オロパタジン、エバスチン、レボカバスチン、塩酸セチリジン等の抗アレルギー剤や、グリチルリチン酸及びその塩、ε−アミノカプロン酸、アラントイン、アズレンスルホン酸ナトリウム、リゾチーム、フルオロメトロン等のステロイド系または非ステロイド系の消炎剤、エピネフィリン、塩酸エピネフィリン、塩酸エフェドリン、塩酸ナファゾリン、硝酸ナファゾリン、塩酸フェニレフリン、塩酸テトラヒドロゾリン等の血管収縮剤、メチル硫酸ネオスチグミン等のピント調節機能改善剤、ベタキソロール、チモロール、ジピベフリン、カルテオロール、ラタノプラスト、タフルプラスト、トラボプラスト、ニプラジロール、レボブノール等の眼圧降下剤、レバミピド、ジクアホソルナトリウム等のムチン分泌産生促進剤等、アスパラギン酸及びその塩、アミノエチルスルホン酸、コンドロイチン硫酸塩、アルギニン、アラニン、リジン、グルタミン酸等のアミノ酸類等が挙げられる。
抗菌剤としては、例えばスルファメトキサゾール、スルファメトキサゾールナトリウム、スルフィソキサゾール、スルフィソミジンナトリウム等のサルファ剤、オフロキサシン、ノルフロキサシン、レボフロキサシン、ガチフロキサシン、モキシフロキサシン、トスフロキサシン、シプロフロキサシン等のニューキノロン系抗菌剤、トブラマイシン、ゲンタマイシン、ミクロノマイシン、ジベカシン、シソマイシン等のアミノグリコシド系抗菌剤、テトラサイクリン、ミノサイクリン等のテトラサイクリン系抗菌剤、エリスロマイシン等のマクロライド系抗菌剤、クロラムフェニコール等のクロラムフェニコール系抗菌剤、セフメノキシム等のセフェム系抗菌剤等が挙げられる。
防腐剤・殺菌剤としては、例えばソルビン酸、ソルビン酸カリウム、安息香酸或いはその塩、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸メチル、クロロブタノール、塩化ベンザルコニウム、塩酸ポリヘキサニド(ポリヘキサメチレンビグアニド;PHMB)、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、塩化セチルピリジニウム(CPC)、クロルヘキシジン、アレキシジン、クロルフェニラミン又はその塩、アラントイン、二酸化塩素、安定化二酸化塩素、亜塩素酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウム、塩化ポリドロニウム等のポリクオタニウム類等が挙げられる。コンタクトレンズへの吸着や製剤の安全性(毒性)が懸念されるため、防腐剤・殺菌剤の配合量は考慮すべきである。好ましい配合量としては0.1ppm〜0.5%であるが、特に塩酸ポリヘキサニドについては、5ppm以下であり、さらに好ましくは1ppm以下、最も好ましくは1ppm未満である。塩化ポリドロニウムについては、20ppm以下であり、さらに好ましくは15ppm以下、最も好ましくは12ppm未満である。なお、このような防腐剤を使用した場合、製品の開封後における使用期限の目安を例えば2〜3ヶ月とすることも可能であるが、本実施形態に従うコンタクトレンズ装着用液剤は、防腐剤を添加しない、いわゆる防腐剤フリーとすることも可能である。防腐剤フリーとする場合には、通常のマルチドーズタイプのほかに、1回で使い切るシングルドーズタイプとしたり、数回程度使用可能なマルチドーズタイプ、あるいは組成物内で細菌等の繁殖が起こらない様に無菌性を維持し得る構造のフィルター付き吐出容器を使用したマルチドーズタイプなどの態様を、適宜選択することができる。容器としては平成8年3月28日付通知 点眼剤用プラスチック容器の規格及び試験法について(薬発第336号通知)に準じたものであれば好ましく、材質についても、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体などが選択される。容器の成形方法についても、インジェクション成形、ダイレクトブロー成形、二軸延伸ブロー成形、チューブ成形、サーモフォーミング成形、ブローフィルシールが挙げられるが、特に本発明においては、無菌製剤として調製されるため、特に容器本体(瓶)については、成形性や成形精度、機密性に優れたダイレクトブロー成形、二軸延伸ブロー成形、ブローフィルシールから選択されたものがより好ましい。
コンタクトレンズ装着用液剤のpHや浸透圧は、目的とする濡れ性向上効果、屈折率向上効果、細菌付着抑制効果、さらには水分蒸散抑制効果や、ユーザーの眼およびコンタクトレンズの物性等に影響を及ぼさない範囲に適宜調整されていることが望ましい。例えば、pHは、3.0〜9.0、好ましくは5.0〜9.0、より好ましくは5.5〜8.0の範囲に調整されていることが望ましい。また、浸透圧は、100〜1000mOsm/kg、好ましくは170〜450mOsm/kg、より好ましくは250〜450mOsm/kgとされていることが望ましい。なお、ヒプロメロースおよびポリビニルアルコールやその他の添加剤の溶媒としては水が望ましいが、具体的には、例えば日本薬局方にて規定されている常水、精製水、滅菌精製水、注射用水の他、純水、蒸留水、濾過水等が任意に採用される。また、本実施形態におけるコンタクトレンズの装着用液剤は、当該液の20℃における動粘度が1.0〜15.0mm2 /sとされる。なお、当該液の20℃における動粘度は、より好ましくは1.1〜10.0mm2 /s、さらに好ましくは1.2〜8.0mm2 /sとされる。なお、これらの動粘度は、第十六改正日本薬局方に記載の一般試験法2.53粘度測定法第1法に従い測定された値である。
以下の表1〜表7に、本実施形態のコンタクトレンズ装着用液剤の具体的処方例を示すが、本発明はこれらの処方例によって限定されるものではない。なお、処方例として別に記載のない場合は、ハードコンタクトレンズ、ソフトコンタクトレンズの両方に使用できるコンタクトレンズ装着薬である。その他、表中「点眼・装着液」とは、点眼液としてもコンタクトレンズ装着液としても使用できるものであり、「CL」とはコンタクトレンズ、「HCL」とはハードコンタクトレンズを意味する。なお、各成分の配合量単位は、別に記載のない場合はg/100mLである。
表中、ポリビニルアルコール(部分けん化物)は、ゴーセノールEG−05(日本合成化学(株)製)又はVP−18(日本酢ビ・ポバール(株)製)。ヒプロメロースは、TC−5E又は、METOLOSE 60SH−50又は65SH−50又は60SH−4000(以上、信越化学工業(株)製)。ポリビニルピロリドンは、Kollidon25又はKollidon90F(BASF社製)。ヒアルロン酸ナトリウムは、ヒアルロンサンHA−AM又はヒアルロンサンHA−QSE(キユーピー社製)。コンドロイチン硫酸ナトリウムは、局外規コンドロイチン硫酸ナトリウム(日本バイオコン(株)製)。シクロデキストリンは、セルデックス(登録商標)A−100(αシクロデキストリン:日本食品加工(株)製)又はセルデックスB−100(βシクロデキストリン:日本食品加工(株)製)であり、適宜選択して使用される。
Figure 2015132804
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以上のように、本実施形態に従うコンタクトレンズ装着用液剤によれば、(A)成分として、フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム、シアノコバラミン、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール、塩酸ピリドキシン、パンテノール、パントテン酸カルシウム、パントテン酸ナトリウム、酢酸トコフェロールから選択される少なくとも1種を、各0.00005〜0.0025重量%で、2種以上選択される場合にそれらの配合量の和が0.015重量%未満となるように含有し、且つ、(B)成分として、ポリビニルアルコール、ヒプロメロース、ポリビニルピロリドンから選択される少なくとも1種を含有し、さらに、プラノプロフェン、トラニラスト、アシタザノラスト、無水カフェイン、塩化ベルベリン、塩酸ロメフロキサシン、硫酸亜鉛の何れをも含んでいない。これにより、これまで同時に達成することが困難であったコンタクトレンズの濡れ性向上と、装着直後の視界不良改善およびコンタクトレンズへの細菌付着抑制効果の何れをも同時に達成することが可能となったのである。
以上、コンタクトレンズ装着用液剤に関する本発明について、好適な実施態様を具体的に例示しつつ詳述してきたが、これらはあくまでも例示であって、本発明は、上述の具体的な記載によって、何等、限定的に解釈されるものではない。例えば、本実施形態のコンタクトレンズ装着用液剤は、屈折率向上機能や細菌付着抑制機能を有する他、特定のコンタクトレンズ等に対して、更なる機能を発揮するものも本発明に含まれることは当然である。さらには、コンタクトレンズ装着用液剤に屈折率向上機能を付与する方法や細菌付着抑制機能、コンタクトレンズからの水分蒸散抑制機能を付与する方法も含まれる。
以下に、本発明の技術的意義を一層明確にするために、実施例および比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記実施例によって限定されるものではない。
[実施例1〜97、比較例1〜21]
以下の表8〜26の組成表に従って、表中の各成分を定法に準じて精製水に溶解した後、pH調整し、その後各溶液を無菌ろ過して、コンタクトレンズ装着用液剤を調製した。得られた実施例1〜97,比較例1〜21の各液剤および生理食塩水(日本薬局方生理食塩液 大塚生食注 (株)大塚製薬工場製))について、下記試験を実施した。以下の説明において、重量%(W/V%)はg/100mLと同じである。また、表8〜26に示される、フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム、シアノコバラミン、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール、塩酸ピリドキシン、パンテノール、パントテン酸カルシウム、パントテン酸ナトリウム、酢酸トコフェロールの各成分が(A)成分であり、ポリビニルアルコール、ヒプロメロース、ポリビニルピロリドンの各成分が(B)成分である。なお、表中、ポリビニルアルコール(部分けん化物)は、VP−18(日本酢ビ・ポバール(株)製)。ヒプロメロースは、METOLOSE 60SH−50(信越化学工業(株)製)。ポリビニルピロリドンは、Kollidon25(BASF社製)を用いた。
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[屈折率向上機能試験]
試験用コンタクトレンズは、表面処理が施されていないソフトコンタクトレンズの代表例として、アキュビュー(登録商標)アドバンス(登録商標)(BC:8.3,Dia:14.0,Power:−0.50;ジョンソンエンドジョンソン社製:シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ、以下、AAと略)とワンデーアキュビュートゥルーアイ(登録商標)(BC:8.5,Dia:14.2,Power:−0.50;ジョンソンエンドジョンソン社製:シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ、以下、TrEと略)を準備した。また、表面処理としてプラズマCVD処理が施されているソフトコンタクトレンズの代表例として、エアオプティクス(登録商標)アクア(BC:8.6,Dia:14.2,Power:−0.50;チバビジョン社製:シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ、以下、AOと略)を準備した。これらの試験用コンタクトレンズについて、JIS K0062に準じた一般的な測定方法により屈折率を測定した。すなわち、各試験用コンタクトレンズについて実施例1〜97,比較例1〜21の各液剤並びに生理食塩水にそれぞれ4時間浸漬した後、アッベ屈折率計((株)アタゴ製1T)を用い、各試験用コンタクトレンズ(頂点屈折力が−0.50Dであるコンタクトレンズ)の20℃における屈折率(ナトリウム−D線)を測定した。
各液剤および生理食塩水について各試験用コンタクトレンズ5枚を用いて5回の測定を行った。各液剤について得られた屈折率は、生理食塩水に浸漬した各試験用コンタクトレンズの屈折率(AA:1.4050、TrE:1.4043、AO:1.4235)を基準として、それに対する増加率を下式によって求めることにより評価した。なお、表8〜26には各液剤について5回測定した屈折率増加率の平均値を記載した。
[式1]
屈折率増加率(%)=({(各液剤を用いたときの屈折率)/(生理食塩水を用いたときの屈折率)}−1)×100
表8〜26から、実施例1〜97のコンタクトレンズ装着用液剤を用いれば、何れの試験用コンタクトレンズにおいても、生理食塩水を用いた場合に比して、0.20%〜2.49%(2.5%未満)の屈折率増加率が確保されており(実施例13,36,48,54,55,76,96,97等参照)、本発明に従うコンタクトレンズ装着用液剤による屈折率向上機能が安定して発揮されていることが分かる。なお、2.5%未満とすることで、装着されたコンタクトレンズの頂点屈折力(D)が、例えば通常−3.00Dであるコンタクトレンズから−0.25Dを超えて大きく変化することを防止できる。特に、表面処理が施されていないシリコーンハイドロゲル製の試験用コンタクトレンズであるAAとTrEに対しては、0.50%〜2.49%(実施例16,31,76,97等参照)のより高い屈折力増加率が確保されており、表面処理の施されていないシリコーンハイドロゲル製のコンタクトレンズに対して本発明の屈折率向上機能が有利に発揮されることが確認された。
一方、(B)成分を含むが、(A)成分を何れも含まない比較例5,8,11,16,17,20,21においては、屈折率増加率が0.00%〜0.02%となっており、殆ど屈折率向上機能が発揮されていないことが確認できた。また、(A)成分のうち使用される各成分の配合量が0.0025重量%を超える比較例7,10,13の場合と、(A)成分が2種以上選択される場合の配合量の和が0.015%を超える比較例6,9,12,14,15,18,19の場合には、屈折率増加率が2.5%以上となっており、過矯正を作り出す不具合があることが確認できた。
[実施例98〜160、比較例22〜60]
以下の表27〜40の組成表に従って、表中の各成分を定法に準じて精製水に溶解した後、pH調整し、その後各溶液を無菌ろ過して、コンタクトレンズ装着用液剤を調製した。得られた実施例98〜160,比較例22〜60の各液剤および精製水(日本薬局方精製水(容器入り);日興製薬(株)製))について、上述の試験と同様の試験を実施した。以下の説明において、重量%(W/V%)はg/100mLと同じである。また、表27〜40に示される、フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム、シアノコバラミン、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール、塩酸ピリドキシン、パンテノール、パントテン酸カルシウム、パントテン酸ナトリウム、酢酸トコフェロールの各成分が(A)成分であり、ポリビニルアルコール、ヒプロメロース、ポリビニルピロリドンの各成分が(B)成分である。なお、表中、ポリビニルアルコール(部分けん化物)は、VP−18(日本酢ビ・ポバール(株)製)。ヒプロメロースは、METOLOSE 60SH−4000(信越化学工業(株)製)。ポリビニルピロリドンは、Kollidon30(BASF社製)を用いた。
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試験用コンタクトレンズは、表面処理が施されていないソフトコンタクトレンズの代表例として、メニコン1DAYフラットパック(登録商標)(BC:8.6,Dia:14.2,Power:−0.50;(株)メニコン製、以下、FPと略)を準備した。また、表面処理としてプラズマ処理が施されているソフトコンタクトレンズの代表例として、2WEEKメニコンプレミオ(登録商標)(BC:8.6,Dia:14.0,Power:−0.50;(株)メニコン製;シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ;以下、MPと略)を準備した。これらの試験用コンタクトレンズについて、上記と同様、JIS K0062に準じた一般的な測定方法により屈折率を測定した。すなわち、各試験用コンタクトレンズについて実施例98〜160,比較例22〜60の各液剤並びに精製水にそれぞれ4時間浸漬した後、アッベ屈折率計((株)アタゴ製1T)を用い、各試験用コンタクトレンズの20℃における屈折率(ナトリウム−D線)を測定した。
各液剤および精製水について各試験用コンタクトレンズ5枚を用いて5回の測定を行った。各液剤について得られた屈折率は、精製水に浸漬した各試験用コンタクトレンズの屈折率(MP:1.4069、FP:1.3969)を基準として、それに対する増加率を[式2]によって求めることにより評価した。なお、表27〜40には各液剤について5回測定した屈折率増加率の平均値を記載した。
[式2]
屈折率増加率(%)=({(各液剤を用いたときの屈折率)/(精製水を用いたときの屈折率)}−1)×100
表27〜40から、実施例98〜160のコンタクトレンズ装着用液剤を用いれば、何れの試験用コンタクトレンズにおいても、精製水を用いた場合に比して、0.05%〜3.3%の屈折率増加率が確保されており(実施例128,131,153等参照)、本発明に従うコンタクトレンズ装着用液剤による屈折率向上機能が安定して発揮されていることが分かる。特に、表面処理が施されていないコンタクトレンズであるFPについては、表面処理の施されているコンタクトレンズであるMPに比べてより高い屈折力増加率が確保されており、本発明の屈折率向上機能が有利に発揮されることが確認された。
一方、(B)成分を含むが、(A)成分を何れも含まない比較例40〜45においては、屈折率増加率が0%〜0.02%となっており、殆ど屈折率向上機能が発揮されていないことが確認できた。また、(A)成分のうち使用される各成分の配合量が0.0025重量%を超える比較例22〜30の場合と、(A)成分が2種以上選択される場合の配合量の和が0.015%を超える比較例31〜33の場合には、屈折率増加率が3.3%を超える結果となっており、過矯正を作り出す不具合があることが確認できた。
なお、表39,40に示されるように、組成中にプラノプロフェン、アシタザノラスト、トラニラスト、無水カフェイン、塩化ベルベリン、塩酸ロメフロキサシン、硫酸亜鉛を含む例(比較例47〜60)については、たとえこれらを少量含んだとしても、コンタクトレンズの屈折率向上率が過大となることが確認された。また、表への記載は割愛するが、(A)成分としてシアノコバラミン以外のものを用いた場合についても同様に、コンタクトレンズの屈折率向上率は過大となった。一方、これら比較例に4時間浸漬したコンタクトレンズの屈折率を測定後、さらに当該コンタクトレンズを精製水に浸漬する置換処理4時間行い、その後のコンタクトレンズの屈折率を測定したところ、精製水を対照とするコンタクトレンズの屈折率の値には戻らず、比較的高い屈折率を維持していた。したがって、コンタクトレンズ中にこれらの成分が選択的に取り込まれ、残留してしまうことが示唆されたため、本発明に従うコンタクトレンズ装着用液剤については、当該成分の配合は避けるべきと判断できる。
[細菌付着抑制機能試験]
試験用コンタクトレンズは、屈折率向上機能試験と同じ5種類を準備し、以下の手順で行った。
(1)各試験用コンタクトレンズに被着した流通保存液等を除去するため、各試験用コンタクトレンズを5mLのISO18369−3(2006)にて定義される生理食塩液(以下、ISO生理食塩水)に8時間以上浸漬した。
(2)実施例1〜160,比較例1〜60の各液剤およびISO生理食塩水をそれぞれ1mLの容量で24穴の細胞培養用マルチプレート(以下、マルチプレート)の各ウェルに入れた。
(3)ISO生理食塩水から取り出した各試験用コンタクトレンズの表面の水分を、紙製ウエス(キムワイプ(登録商標):日本製紙クレシア社製)で吸い取った後、各液剤およびISO生理食塩水が入れられたマルチプレートに各試験用コンタクトレンズを1枚ずつ入れた。
(4)3分後、滅菌したピンセットを用いて各試験用コンタクトレンズを各マルチプレートから取り出し、各試験用コンタクトレンズ表面の水分をウェルのふちで軽く切った後、1×108 CFU/mLに調整したPseudomonas aeruginosa ATCC9027菌液(ISO生理食塩水で懸濁)5mLが入った6穴のマルチプレートに入れ、30分間室温にて保存した。
(5)次に、滅菌したピンセットを用いて各試験用コンタクトレンズを取り出し、各レンズに接触している余剰の菌を除去するために、ISO生理食塩水5mLを入れた12穴のマルチプレートに各試験用コンタクトレンズを入れ、ピンセットを用いて1分間振とうした。
(6)次に、各試験用コンタクトレンズを新しいISO生理食塩水5mLの入ったプラスチック製遠沈管に移し、3分間超音波(38kHz)にかけた後、1分間試験管ミキサーにて攪拌することで、各ソフトコンタクトレンズに付着した細菌を剥がし、それぞれの付着菌液を採取した。
(7)各試験用コンタクトレンズから得られた付着菌液を、測定に適当な濃度になるように希釈し、生菌数測定用培地(SCD寒天培地)上に播種し、33℃にて1晩培養後、観察されたコロニー数をカウントし、希釈倍率で補正することにより、各レンズに対する付着細菌数(生菌数)を求めた。
各液剤およびISO生理食塩水について各試験用コンタクトレンズ5枚を用いて5回の測定を行った。各液剤について得られた付着細菌数は、ISO生理食塩水に浸漬した各試験用コンタクトレンズの付着細菌数を基準として、それに対する細菌付着抑制率(%)を下記式3に従って求めることにより評価した。なお、表8〜26,表27〜40には各液剤について5回測定した付着細菌数の平均値を記載した。
[式3]
細菌付着抑制率(%)={1−(各液剤を用いたときの付着菌数)/(ISO生理食塩水を用いたときの付着細菌数)}×100
表8〜40から、実施例1〜160のコンタクトレンズ装着用液剤を用いれば、何れの試験用コンタクトレンズにおいても、ISO生理食塩水を用いた場合に比して、5%〜49%の細菌付着抑制率が確保されており(実施例16,59,128,149,151,155等参照)、本発明に従うコンタクトレンズ装着用液剤による細菌付着抑制機能が安定して発揮されていることが確認できた。特に、コンタクトレンズの表面処理有無を比較すると、表面処理が施されていないコンタクトレンズである、AAやTrE、FPの場合で、表面処理が施されているシリコーンハイドロゲルレンズ(AO、MP)よりも顕著に細菌付着抑制効果を発揮することが確認できた。また、本実施形態では水を溶媒として使用するため、(A)成分としては、水溶性であるフラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム、シアノコバラミン、塩酸ピリドキシン、パンテノール、パントテン酸カルシウム、パントテン酸ナトリウムが製剤設計上、さらに望ましいのだが、一方で、特に(A)成分の各成分を配合量が0.0020〜0.0025%で含んでいる場合に、10%〜49%の細菌付着抑制率が確保されており(実施例41,45,59,124,155等参照)、本発明に従うコンタクトレンズ装着用液剤による細菌付着抑制機能がより有利に発揮されていることが確認できた。また、(A)成分を2種以上選択されそれらの配合量の和が0.015%未満とされている場合には、10%〜26%の高い細菌付着抑制率が発揮されることが分かった(実施例19,38,57,76,77,96,97,152〜154等参照)。加えて、(B)成分の種類による細菌付着抑制率については、大きな違いは見られないものの、ポリビニルアルコールを選択した場合、あるいはポリビニルアルコールとヒプロメロースとを併用した場合で、細菌付着抑制率が若干ながら良化する傾向が見られた。(実施例99,155,158等参照)。
一方、(A)成分を所定配合量で含んでいるが、(B)成分を含んでいない比較例1〜4および比較例34〜39の場合、−7%〜0%の細菌付着抑制率であり、十分な細菌付着抑制率が得られないばかりか、むしろ効果が減弱されることが確認できた。さらには、(B)成分は含むが、(A)成分を所定配合量以上含む比較例6,7,9,10,12〜15,18,19,22〜30の場合、所定配合量を含む場合と比べて、効果が減弱されることが確認された(実施例2と比較例7との比較等)。また、(A)成分を含まず(B)成分を含む比較例5,8,11,40〜46の場合、0%〜1%の細菌付着抑制率に留まっており、十分な細菌付着抑制率が得られないことが確認できた。さらには、比較例47〜60に示す、コンタクトレンズに対して悪影響を及ぼす可能性のある成分を配合した場合については、たとえ(A)成分、(B)成分ともに所定配合量を含んでいたとしても、細菌付着抑制率は十分に得られないことも確認された。なお、本実施例において、サンドイッチ製法にて製造されたおしゃれ用コンタクトレンズ(非シリコーンハイドロゲル、シリコーンハイドロゲル材料を含む)を使用した場合においても、上述と同等な効果が現れることは明らかである。
[実施例161〜214、比較例61〜138]
以下の表41〜59の組成表に従って、表中の各成分を定法に準じて精製水に溶解した後、pH調整し、その後各溶液を無菌ろ過して、コンタクトレンズ装着用液剤を調製した。得られた実施例161〜214,比較例61〜138の各液剤について、下記試験を実施した。以下の説明において、重量%(W/V%)はg/100mLと同じである。また、表41〜59に示される、フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム、シアノコバラミン、パルミチン酸レチノール、塩酸ピリドキシン、パントテン酸カルシウム、酢酸トコフェロールの各成分が(A)成分であり、ポリビニルアルコール、ヒプロメロース、ポリビニルピロリドンの各成分が(B)成分である。なお、表中、ポリビニルアルコール(部分けん化物)は、ゴーセノールEG−05(日本合成化学(株)製)。ヒプロメロースは、METOLOSE 60SH−50(信越化学工業(株)製)。ポリビニルピロリドンは、Kollidon30(BASF社製)を用いた。
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[水分蒸散抑制効果試験]
一般にコンタクトレンズは、流通保存液中にレンズがパッケージされており、再使用禁止型使い捨ての場合、パッケージからレンズを取り出し、そのまま装用する、あるいはコンタクトレンズ装着液やコンタクトレンズすすぎ液などとの液を接触させたのちに装用されるものである。特に後者の使用形態の場合、流通保存液とコンタクトレンズ装着用の液とが直接接触・混合されることになる。また、2週間交換型など、定期交換型乃至は頻回交換型のコンタクトレンズは、装用初日は上記再使用禁止型と同様に、流通保存液とコンタクトレンズ装着用の液とが、直接接触・混合されるのであるが、それ以降の装用日には、コンタクトレンズ殺菌液(マルチパーパスソリューション(以下、MPS)等)に保存された後に装用される。したがって、MPS等とコンタクトレンズ装着用の液とが直接接触・混合されることになる。以下の試験は、(1)再使用禁止型使い捨てコンタクトレンズの場合(流通保存液との接触)と(2)2週間交換型コンタクトレンズの場合(MPSとの接触)の2つの場合を考慮して実施した。試験用コンタクトレンズとして、以下の前処理を施したのち、これら6種類を試験に供した(表41〜59)。
(1)再使用禁止型使い捨てコンタクトレンズの場合
(i)ホウ酸配合流通保存液レンズ(1A)
・ワンデーアキュビュー(登録商標)(BC:9.0、DIA:14.2、POWER:−3.00;ジョンソンエンドジョンソン社製;再使用禁止型使い捨てコンタクトレンズ)。以下の処理1を行い、その検体を「ホウ酸配合流通保存液レンズ(1A)」とする。
(ii)ホウ酸配合流通保存液レンズ(TrE)
・ワンデーアキュビュートゥルーアイ(BC:9.0、DIA:14.2、POWER:−3.00;ジョンソンエンドジョンソン社製;再使用禁止型使い捨てコンタクトレンズ)。以下の処理1を行い、その検体を「ホウ酸配合流通保存液レンズ(TrE)」とする。
(処理1)
上記(i)(ii)のコンタクトレンズの前処理として、各試験用コンタクトレンズをパッケージから取り出し、パッケージ内の流通保存液の影響を除去するため、20℃に調節されたISO生理食塩水中に8時間浸漬した。その後、レンズを取り出し、ISO生理食塩水にてすすいだ後、ホウ酸系保存液(ホウ酸1.0%、塩化ナトリウム0.33%、pH=7.3(0.05mol/L水酸化ナトリウム水溶液にて調整)、浸透圧比=1)5mLの入った耐圧耐熱瓶中に1枚ずつ浸漬した。その後、121℃、20分乾熱蒸気滅菌を行った。
(iii)ホウ酸非配合流通保存液レンズ(1A/N)
・1A(BC:9.0、DIA:14.2、POWER:−3.00;ジョンソンエンドジョンソン社製;再使用禁止型使い捨てコンタクトレンズ)。以下の処理を行い、その検体を「ホウ酸非配合流通保存液レンズ(1A/N)」とする。
(iv)ホウ酸非配合流通保存液レンズ(TrE/N)
・TrE(BC:9.0、DIA:14.2、POWER:−3.00;ジョンソンエンドジョンソン社製;再使用禁止型使い捨てコンタクトレンズ)。以下の処理を行い、その検体を「ホウ酸非配合流通保存液レンズ(TrE/N)」とする。
(処理2)
上記(iii)(iv)のコンタクトレンズの前処理として、各試験用コンタクトレンズをパッケージから取り出し、20℃に調節されたISO生理食塩水中に8時間浸漬した。その後、レンズを取り出し、ISO生理食塩水にてすすいだ後、ISO生理食塩水5mLの入った耐圧耐熱瓶中に1枚ずつ浸漬した。その後、121℃、20分乾熱蒸気滅菌を行った。
(2)2週間交換型コンタクトレンズの場合
(v)ホウ酸配合MPS使用レンズ(AA)
・AA(BC:8.7、DIA:14.0、POWER:−3.00;ジョンソンエンドジョンソン社製;2週間交換型コンタクトレンズ)。
上記(v)のコンタクトレンズの前処理として、コンタクトレンズをパッケージから取り出し、流通保存液の影響を排除するため、20℃に調節されたISO生理食塩水中に8時間浸漬した。その後、レンズを取り出し、ISO生理食塩水にてすすいだ後、ホウ酸配合MPS(塩酸ポリヘキサニド:1ppm、ホウ酸:0.5%、塩化ナトリウム:0.55%、エデト酸ナトリウム:0.011%、ポロクサマー407:0.25%、水酸化ナトリウム:適量(pH=7.3になる量)、精製水: 適量)中にて4時間室温にて、1枚ずつコンタクトレンズケース(ポリプロピレン製、5mL容)に保存した。得られた検体を「ホウ酸配合MPS使用レンズ(AA)」とした。
(vi)ホウ酸非配合MPS使用レンズ(AA/N)
・AA(BC:8.7、DIA:14.0、POWER:−3.00;ジョンソンエンドジョンソン社製;2週間交換型コンタクトレンズ)。
上記(vi)のコンタクトレンズの前処理として、コンタクトレンズをパッケージから取り出し、流通保存液の影響を排除するため、20℃に調節されたISO生理食塩水中に8時間浸漬した。その後、レンズを取り出し、ISO生理食塩水にてすすいだ後、ホウ酸非配合MPS(塩酸ポリヘキサニド:1ppm、リン酸水素ナトリウム:0.5%、塩化ナトリウム:0.60%、エデト酸ナトリウム:0.011%、ポロクサマー407:0.25%、水酸化ナトリウム:適量(pH=7.3になる量)、精製水:適量)中にて4時間室温にて、1枚ずつコンタクトレンズケース(ポリプロピレン製、5mL容)に保存した。得られた検体を「ホウ酸非配合MPS使用レンズ(AA/N)」とした。
上記のとおり前処理がされた各試験用コンタクトレンズについて、水分蒸散抑制効果を以下のように測定した。先ず、実施例161〜214,比較例61〜138の各液剤の液滴で、各試験用コンタクトレンズの表面を濡らした後、電子天秤に乗せ重量変化を1分毎に15分間測定した。測定は25.0℃、30RH%に調節された恒温恒湿室内にて実施した。各試験液について各レンズ5枚を用いて5回の実験を行った。得られた測定結果をもとに、式4より重量変化率(%)を計算し、時間(t)に対してプロットした。得られたプロットについて最小二乗法による近似式から傾きを求め、式4により水分蒸散抑制効果度を求めた。なお、式5で用いる比較例74の液剤は、(A)成分(B)成分の何れも含まない液剤である。水分蒸散抑制効果度の値が大きいほど、コンタクトレンズからの水分蒸散が抑制されていることを示す。
[式4]
重量変化率(%)=t分後のレンズ重量(g)/測定開始時のレンズ重量(g)×100
[式5]
水分蒸散抑制効果度=(1−各試験条件の重量変化率の傾き/比較例74の液剤を用いた時の重量変化率の傾き)×100
表41〜56から、実施例161〜214のコンタクトレンズ装着用液剤を用いた場合、ホウ酸を含有するコンタクトレンズ流通保存液に浸漬されたレンズ(ホウ酸配合流通保存液レンズ(1A),(TrE))の水分蒸散抑制効果度は、ホウ酸を含有しないコンタクトレンズ流通保存液に浸漬されたレンズ(ホウ酸非配合流通保存液レンズ(1A/N),(TrE/N))の水分蒸散抑制効果度と比べて著しく高いことが確認できた。また同様に、ホウ酸配合MPSを使用したレンズ(ホウ酸配合MPS使用レンズ(AA))に対して実施例161〜214のコンタクトレンズ装着用液剤を用いた場合、ホウ酸非配合MPSを使用したレンズ(ホウ酸非配合MPS使用レンズ(AA/N))の場合と比較して、著しく高い水分蒸散抑制効果度を示した。
一方、(A)成分を本発明の規定範囲で含むが(B)成分を含まない比較例68〜73,75〜80,88〜99,107〜124においては、比較例74よりも水分蒸散抑制効果度が同等もしくは、むしろ逆に悪くなることが確認できた。また、(B)成分を含んでも(A)成分を本発明の規定範囲を超えて含む比較例61〜66,81〜86,100〜105においては、ホウ酸配合の場合であっても水分蒸散抑制効果度が17より大きくならず、十分な水分蒸散抑制効果が発揮されておらず、(A)成分が多いことによりむしろ水分蒸散抑制効果度は上がる傾向があることが分かった。加えて、(B)成分は含むが(A)成分を含まない比較例67,87,106においてもホウ酸配合の場合であっても水分蒸散抑制効果度が15より大きくならず、十分な水分蒸散抑制効果が得られないことが分かった。さらには、(A)成分, (B)成分ともに規定範囲に含むものの、その他成分としてプラノプロフェン、トラニラスト、アシタザノラスト、無水カフェイン、塩化ベルベリン、塩酸ロメフロキサシン、硫酸亜鉛のいずれかを含む比較例125〜138においては、これらの成分を含まない場合(実施例164)と比較すると、むしろ水分蒸散抑制効果は減弱されることが分かった。以上より、ホウ酸を流通保存液に配合する再使用禁止型使い捨てコンタクトレンズや、ホウ酸を含有するケア用品によって処理された2週間交換型コンタクトレンズに対して、実施例161〜214にて例示されるコンタクトレンズ装着用液剤は、優れた水分蒸散抑制効果度を付与することが出来ることが確認された。
なお、(A)成分として、酢酸レチノールを用いた場合に、同じレチノール誘導体であるパルミチン酸レチノールと略同等の効果が得られることや、(A)成分として、パンテノールやパントテン酸ナトリウムを用いた場合に、同じパンテノール誘導体であるパントテン酸カルシウムと略同等の効果が得られることは明らかであり、屈折率向上機能試験や細菌付着抑制機能試験の場合と同様である。
本発明は、コンタクトレンズ装着液や装着薬、コンタクトレンズ保存液等、コンタクトレンズの装着に際して、コンタクトレンズに付着して用いられるコンタクトレンズ装着用液剤に関するものである。また、本発明はかかるコンタクトレンズ装着用液剤を用いたコンタクトレンズの屈折率向上方法にも関連する。
コンタクトレンズ装着用液剤に係る本発明の第一の態様は、(A)成分として、フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム、シアノコバラミン、酢酸レチノール、塩酸ピリドキシン、パンテノール、パントテン酸カルシウム、パントテン酸ナトリウム、酢酸トコフェロールから選択される少なくとも1種を、各0.00005〜0.0025重量%で、2種以上選択される場合にそれらの配合量の和が0.015重量%未満となるように含有し、且つ、(B)成分として、ポリビニルアルコール、ヒプロメロース、ポリビニルピロリドンから選択される少なくとも1種を含有し、且つプラノプロフェン、トラニラスト、アシタザノラスト、無水カフェイン、塩化ベルベリン、塩酸ロメフロキサシン、硫酸亜鉛、パルミチン酸レチノール、クロロブタノール、フェニルエチルアルコール、ベンジルアルコール、エタノールの何れをも含まない、ことを特徴とする。

Claims (9)

  1. (A)成分として、フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム、シアノコバラミン、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール、塩酸ピリドキシン、パンテノール、パントテン酸カルシウム、パントテン酸ナトリウム、酢酸トコフェロールから選択される少なくとも1種を、各0.00005〜0.0025重量%で、2種以上選択される場合にそれらの配合量の和が0.015重量%未満となるように含有し、さらに、
    (B)成分として、ポリビニルアルコール、ヒプロメロース、ポリビニルピロリドンから選択される少なくとも1種を含有しており、且つ、
    プラノプロフェン、トラニラスト、アシタザノラスト、無水カフェイン、塩化ベルベリン、塩酸ロメフロキサシン、硫酸亜鉛の何れをも含まないことを特徴とするコンタクトレンズ装着用液剤。
  2. 前記コンタクトレンズに精製水を付着させた場合の20℃におけるコンタクトレンズ屈折率に対して、0.05%以上3.3%以下のコンタクトレンズ屈折率の向上率をもたらすものである請求項1に記載のコンタクトレンズ装着用液剤。
  3. 前記コンタクトレンズが、表面処理が施されていないコンタクトレンズである請求項1又は2に記載のコンタクトレンズ装着用液剤。
  4. 前記コンタクトレンズが、ホウ酸を含有するコンタクトレンズ流通保存液に浸漬されて保存されたソフトコンタクトレンズである請求項1〜3の何れか1項に記載のコンタクトレンズ装着用液剤。
  5. 前記コンタクトレンズが、ホウ酸を配合するケア用品によって処理された後に装着されたソフトコンタクトレンズである請求項1〜4の何れか1項に記載のコンタクトレンズ装着用液剤。
  6. コンタクトレンズ装着薬、コンタクトレンズすすぎ液、コンタクトレンズ流通保存液から選択される少なくとも1つとして用いられる請求項1〜5の何れか1項に記載のコンタクトレンズ装着用液剤。
  7. (A)成分として、フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム、シアノコバラミン、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール、塩酸ピリドキシン、パンテノール、パントテン酸カルシウム、パントテン酸ナトリウム、酢酸トコフェロールから選択される少なくとも1種を、各0.00005〜0.0025重量%で、2種以上選択される場合にそれらの配合量の和が0.015重量%未満となるように含有し、且つ、
    (B)成分として、ポリビニルアルコール、ヒプロメロース、ポリビニルピロリドンから選択される少なくとも1種を含有しており、且つ、
    プラノプロフェン、トラニラスト、アシタザノラスト、無水カフェイン、塩化ベルベリン、塩酸ロメフロキサシン、硫酸亜鉛の何れをも含まないコンタクトレンズ装着用液剤を用い、コンタクトレンズ装着前に、該コンタクトレンズ装着用液剤を、前記コンタクトレンズに接触させる、ことを特徴とするコンタクトレンズの屈折率向上方法。
  8. (A)成分として、フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム、シアノコバラミン、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール、塩酸ピリドキシン、パンテノール、パントテン酸カルシウム、パントテン酸ナトリウム、酢酸トコフェロールから選択される少なくとも1種を、各0.00005〜0.0025重量%で、2種以上選択される場合にそれらの配合量の和が0.015重量%未満となるように含有し、且つ、
    (B)成分として、ポリビニルアルコール、ヒプロメロース、ポリビニルピロリドンから選択される少なくとも1種を含有しており、且つ、
    プラノプロフェン、トラニラスト、アシタザノラスト、無水カフェイン、塩化ベルベリン、塩酸ロメフロキサシン、硫酸亜鉛の何れをも含まないコンタクトレンズ装着用液剤を用い、コンタクトレンズ装着前に、該コンタクトレンズ装着用液剤を、前記コンタクトレンズに接触させる、ことを特徴とするコンタクトレンズの細菌付着抑制方法。
  9. (A)成分として、フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム、シアノコバラミン、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール、塩酸ピリドキシン、パンテノール、パントテン酸カルシウム、パントテン酸ナトリウム、酢酸トコフェロールから選択される少なくとも1種を、各0.00005〜0.0025重量%で、2種以上選択される場合にそれらの配合量の和が0.015重量%未満となるように含有し、且つ、
    (B)成分として、ポリビニルアルコール、ヒプロメロース、ポリビニルピロリドンから選択される少なくとも1種を含有しており、且つ、
    プラノプロフェン、トラニラスト、アシタザノラスト、無水カフェイン、塩化ベルベリン、塩酸ロメフロキサシン、硫酸亜鉛の何れをも含まないコンタクトレンズ装着用液剤を用い、コンタクトレンズ装着前に、該コンタクトレンズ装着用液剤を、前記コンタクトレンズに予め付着しているホウ酸を含む流通保存液、ホウ酸を含むコンタクトレンズ用多目的液剤から選ばれる少なくとも1種と前記コンタクトレンズ上で接触させる、ことを特徴とするコンタクトレンズの水分蒸散抑制方法。
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