JP2018115160A - 眼科組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】析出などを改善できる眼科組成物を提供する。【解決手段】眼科組成物を、(A)トラニラスト及びその塩からなる群より選択される1種以上、(B)ポリビニルピロリドン及びトロメタモールからなる群より選択される1種以上、並びに(C)(C1)抗ヒスタミン剤、(C2)抗炎症剤、及び(C3)アミノ酸類からなる群より選択される1種以上の成分で構成するとともに、ナトリウムイオン濃度を250mM以下とするか又はナトリウムイオンの割合を(A)成分1モルに対して25モル以下とする。【選択図】なし

Description

本発明は、眼科組成物(又は眼科用剤)に関する。
トラニラスト(N−(3,4−ジメトキシシンナモイル)アントラニル酸)は、水に難溶性であり、ナトリウム塩やカリウム塩などのアルカリ金属塩にしても水に極めて溶けにくく、トラニラストやその塩を含有する水性組成物は、保存中に結晶が析出しやすい。
このような中、トラニラストを含む組成物における析出を改善しようとする技術が開発されつつある。
例えば、特許文献1(特開2006−306765号公報)には、トラニラストを有効成分として、適宜、金属イオンとともに水溶液中に含有するトラニラスト水性点眼薬液において、前記水溶液中における総金属イオンのトラニラストに対するモル濃度比が、総金属イオン/トラニラスト≦0.4であることを特徴とするトラニラスト水性点眼液が開示されている。
特開2006−306765号公報(特許請求の範囲、実施例)
本発明の目的は、トラニラストを含有する新規な眼科組成物を提供することにある。
本発明の他の目的は、トラニラストを含有していても、析出を抑制できる眼科組成物を提供することにある。
本発明の他の目的は、トラニラスト以外の有効成分を含有しても、高い溶解安定性を有する眼科組成物を提供することにある。
前記特許文献1の技術は、トラニラストに、ポリビニルピロリドン(PVP)を添加する従来の技術では、冷所保存した場合にトラニラストの結晶を析出しやすいこと、トラニラストがナトリウムなどの金属イオンと再会合することを、見出したことに伴い、トラニラストに対する金属イオンの濃度比を小さくすることで、溶解補助剤を使用することなく、トラニラストの結晶を析出する技術のようである(特許文献1の段落[0005]〜[0013]、実施例など)。
なお、ナトリウム(イオン)などの金属(イオン)は、pH調整剤(例えば、水酸化ナトリウムなど)、等張化剤(例えば、塩化ナトリウムなど)、緩衝剤(例えば、ホウ砂、リン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムなど)、その他、ナトリウム塩の形態の各種成分として眼科組成物にごく一般的に含まれるものであり、特許文献1のように、積極的に低減することを想定しない限り、通常、不可避的といえるほど組成物に含まれる金属イオンである。
しかし、本発明者らの検討によれば、特許文献1のように金属イオンの濃度を小さくした場合であっても、他の条件(例えば、他の添加剤を添加した場合など)によっては、析出を生じる場合があること、とりわけ、特許文献1は、その実施例が示すように、成分数の少ない理想溶液ともいえる系を想定したものであり、実際には、金属イオンの濃度を小さくするだけでは、析出を生じることがあった。
一方、眼科組成物では、複数の有効成分の添加が要求される場合もあり、特許文献1は、このような要求に応えうる技術としては不十分であることがわかった。
このような中、本発明者らは、特許文献1において従来の技術として否定されているポリビニルピロリドンに再び着目するという全く異なる思想に基づき、ポリビニルピロリドンやトロメタモールと特定の成分を組み合わせることで、意外なことに、トラニラストを含む組成物における析出が抑えられる場合があること、また、特許文献1のような理想的な系とは異なるポリビニルピロリドン等が系中に存在する場合でも、ナトリウムの量が多いと析出が生じやすくなる場合があること、さらに、このような特定の成分は、極めて意外なことに、単なる賦形剤や担体などではなく、有効成分としても作用・機能する成分である場合が多く、トラニラストに由来するもの以外の薬効を組成物に有効に付与できることなどを見出し、さらなる検討を重ねて、本発明を完成した。
すなわち、本発明の組成物(眼科組成物)は、例えば以下の発明を提供する。
[1]
(A)トラニラスト及びその塩からなる群より選択される1種以上、
(B)ポリビニルピロリドン及びトロメタモールからなる群より選択される1種以上、並びに
(C)(C1)抗ヒスタミン剤、(C2)抗炎症剤、及び(C3)アミノ酸類からなる群より選択される1種以上の成分を含有し、
ナトリウムイオン濃度が250mM以下である、眼科組成物。
[2]
(A)トラニラスト及びその塩からなる群より選択される1種以上、
(B)ポリビニルピロリドン及びトロメタモールからなる群より選択される1種以上、並びに
(C)(C1)抗ヒスタミン剤、(C2)抗炎症剤、及び(C3)アミノ酸類からなる群より選択される1種以上の成分を含有し、
ナトリウムイオンの割合が、(A)成分1モルに対して25モル以下である、眼科組成物。
[3]
(C1)抗ヒスタミン剤が、クロルフェニラミン及びその塩からなる群より選択される1種以上を含み、
(C2)抗炎症剤が、プラノプロフェン及びその塩からなる群より選択される1種以上を含み、
(C3)アミノ酸類が、タウリン及びその塩からなる群より選択される1種以上を含む、[1]又は[2]記載の眼科組成物。
[4]
(C)成分が、クロルフェニラミン及びその塩からなる群より選択される1種以上を少なくとも含む[1]〜[3]のいずれかに記載の眼科組成物。
[5]
(A)成分を0.01〜10w/v%含有する[1]〜[4]のいずれかに記載の眼科組成物。
[6]
(B)成分を0.005〜20w/v%含有する[1]〜[5]のいずれかに記載の眼科組成物。
[7]
(C)成分を0.001〜20w/v%含有する[1]〜[6]のいずれかに記載の眼科組成物。
[8]
(B)成分1質量部に対する(C)成分の割合が、0.005〜30質量部である[1]〜[7]のいずれかに記載の眼科組成物。
[9]
ナトリウムイオン濃度が200mM以下である[1]〜[8]のいずれかに記載の眼科組成物。
[10]
pHが5〜9である[1]〜[9]のいずれかに記載の眼科組成物。
[11]
(C1)抗ヒスタミン剤が、クロルフェニラミン及びその塩からなる群より選択される1種以上を含み、
(C2)抗炎症剤が、プラノプロフェン及びその塩からなる群より選択される1種以上を含み、
(C3)アミノ酸類が、タウリン及びその塩からなる群より選択される1種以上を含み、
(A)成分の割合が0.1〜1w/v%であり、
(B)成分の割合が0.05〜5w/v%であり、
(C)成分の割合が0.01〜10w/v%であり、
ナトリウムイオン濃度が150mM以下であり、
pHが5.5〜8.5である、[1]〜[10]のいずれかに記載の眼科組成物。
[12]
(C1)抗ヒスタミン剤が、クロルフェニラミン及びその塩からなる群より選択される1種以上を含み、
(C2)抗炎症剤が、プラノプロフェン及びその塩からなる群より選択される1種以上を含み、
(C3)アミノ酸類が、タウリン及びその塩からなる群より選択される1種以上を含み、
(A)成分の割合が0.1〜1w/v%であり、
(B)成分の割合が0.05〜5w/v%であり、
(C)成分の割合が0.01〜10w/v%であり、
ナトリウムイオンの割合が、(A)成分1モルに対して30モル以下(例えば、10モル以下)であり、
pHが5.5〜8.5である、[1]〜[11]のいずれかに記載の眼科組成物。
[13]
(C)成分が、クロルフェニラミン及びその塩からなる群より選択される1種以上と、プラノプロフェン及びその塩からなる群より選択される1種以上とを含む[1]〜[12]のいずれかに記載の眼科組成物。
[14]
(C)成分が、マレイン酸クロルフェニラミンを0.01〜0.05w/v%含む[1]〜[13]のいずれかに記載の眼科組成物。
[15]
(B)成分がトロメタモールを含む[1]〜[14]のいずれかに記載の眼科組成物。
[16]
ナトリウムイオン濃度が40mM以下である[1]〜[15]のいずれかに記載の眼科組成物。
[17]
ナトリウムイオン濃度が20mM以下である[1]〜[16]のいずれかに記載の眼科組成物。
[18]
ナトリウムイオン濃度が10mM以下(例えば、0〜10mM)である[1]〜[17]のいずれかに記載の眼科組成物。
[19]
さらに、(D)清涼化剤を含有する眼科組成物であって、(B)成分がポリビニルピロリドンを含み、(D)成分がテルペノイドを含み、(B)成分の割合が3w/v%未満である[1]〜[18]のいずれかに記載の眼科組成物。
[20]
(B)成分の割合が2w/v%以下である[19]に記載の眼科組成物。
[21]
(D)成分がメントールを含み、(B)成分の割合が1.5w/v%以下である[19]又は[20]に記載の眼科組成物。
[22]
(C)成分が、クロルフェニラミン及びその塩からなる群より選択される1種以上を含む[15]〜[21]のいずれかに記載の眼科組成物。
[23]
(A)トラニラスト及びその塩からなる群より選択される1種以上を含有する眼科組成物における析出を抑制する方法(溶解安定性を改善又は向上させる方法)であって、眼科組成物に、
(B)ポリビニルピロリドン及びトロメタモールからなる群より選択される1種以上、並びに
(C)(C1)抗ヒスタミン剤、(C2)抗炎症剤、及び(C3)アミノ酸類からなる群より選択される1種以上の成分を含有させ、かつ眼科組成物のナトリウムイオン濃度を250mM以下とするか又はナトリウムイオンの割合を(A)成分1モルに対して25モル以下とする、方法。
[24]
5℃以下での析出を抑制する[23]記載の方法。
本発明では、トラニラストを含有する新規な眼科組成物を提供できる。このような眼科組成物は、通常、トラニラストを含有していても、析出を抑制できる。特に、このような析出抑制効果は、低温(例えば、10℃以下、好ましくは5℃以下)において優れている場合が多く、0℃以下であっても析出を抑えることができる。そのため、本発明の眼科組成物は、冷蔵庫程度の低温で保存する場合などの他、より低温に晒される環境(寒冷地での保存や、温度変化が激しい場合など)下においても、溶解安定性を実現できる。
本発明の他の態様では、トラニラスト以外の有効成分を含有しても、高い溶解安定性を有する眼科組成物を提供できる。
すなわち、本発明において、トラニラストに対して組み合わせる(C)成分は、抗炎症剤などとして機能する有効成分である場合が多く、トラニラストと組み合わせても、互いの薬効を損なうこともない。さらに、(C)成分以外の有効成分を添加しても、析出抑制効果を損なうことなく、それぞれの薬効を有効に発揮させることもできる。
しかも、このような薬効は、ナトリウムイオン濃度が極めて少ない場合(例えば、40mM以下、好ましくは20mM以下、実質的にナトリウムイオンの非存在下)であっても、発揮できる。前記のように、特許文献1では、現実的に他の有効成分を添加することを想定していないが、本発明では、ポリビニルピロリドンと(C)成分とを組み合わせることにより、意外なことに、ナトリウムイオンが低濃度の場合であっても、溶解安定性を担保できる。
このように、本発明の他の態様では、トラニラストの薬効と、トラニラスト以外の成分由来の薬効とを発現しつつ、優れた溶解安定性を実現することもできる。
本発明の他の態様では、優れた使用感の(又は良好な使用感を損なわない)眼科組成物を効率よく得ることもできる。
このように、本発明の組成物は、極めて実用性の高いものである。
本明細書において、含有量の単位「w/v%」は、「g/100mL」と同義である。また、本明細書において、特に記載のない限り、略号「POE」はポリオキシエチレンを意味し、略号「POP」はポリオキシプロピレンを意味する。
〔1.眼科組成物〕
本発明の眼科組成物は、(A)トラニラスト及び/又はその塩、(B)ポリビニルピロリドン及び/又はトロメタモール、並びに(C)抗ヒスタミン剤、抗炎症剤及び/又はアミノ酸類を少なくとも含有する。
(A)トラニラスト及び/又はその塩((A)成分)
トラニラストの塩としては、薬学的又は生理学的に許容される塩であればよく、例えば、有機酸塩[例えば、モノカルボン酸塩(酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、酪酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩等)、多価カルボン酸塩(フマル酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、マロン酸塩等)、オキシカルボン酸塩(乳酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩等)、有機スルホン酸塩(メタンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、トシル酸塩等)]、無機酸塩(例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩)、有機塩基との塩(例えば、メチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、ピペラジン、ピロリジン、トリピリジン、ピコリン等の有機アミンとの塩)、無機塩基との塩[例えば、アンモニウム塩;アルカリ金属(ナトリウム、カリウム等)、アルカリ土類金属(カルシウム、マグネシウム等)、アルミニウム等の金属との塩]等が挙げられる。
なお、トラニラストのナトリウム塩は、後述のナトリウムイオンに含まれる。そのため、(A)成分がナトリウム塩を含む場合には、組成物全体においてナトリウムイオン濃度が後述の範囲となるように、ナトリウム塩を使用する必要がある。
好ましいトラニラスト及び/又はその塩には、トラニラスト及びトラニラストの非ナトリウム塩が含まれる。より好ましいトラニラスト及び/又はその塩は、トラニラスト及びトラニラストの非金属塩が含まれ、特にトラニラストが好ましい。
トラニラスト及び/又はその塩は、単独で又は2種以上組み合わせて使用してもよい。
組成物中の(A)成分の含有量は、組成物の全量に対して、例えば、0.001w/v%以上、好ましくは0.01〜10w/v%、より好ましくは0.05〜5w/v%、さらに好ましくは0.07〜2w/v%、さらにより好ましくは0.1〜1w/v%、特に好ましくは0.3〜1w/v%、最も好ましくは0.45〜0.6w/v%程度であってもよい。中でも、0.5w/v%が特に好ましい。
(B)ポリビニルピロリドン及び/又はトロメタモール((B)成分)
ポリビニルピロリドン(PVP)は、ビニルピロリドン(N−ビニル−2−ピロリドン)を重合成分とする高分子である。
このようなポリビニルピロリドンの分子量は、特に限定されないが、例えば、1000以上(例えば、1500〜3000000)、好ましくは2000以上(例えば、2500〜2000000)、さらに好ましくは3000以上(例えば、4000〜1000000)、特に好ましくは5000以上(例えば、6000〜300000)程度であってもよく、200000以下(例えば、2500〜100000、好ましくは5000〜80000、さらに好ましくは10000〜50000、特に好ましくは15000〜40000、最も好ましくは20000〜30000)程度であってもよい。
代表的なポリビニルピロリドンには、ポリビニルピロリドンK25、K30、K90などが含まれる。
なお、異種のポリビニルピロリドンを2種以上組み合わせてもよい。
(B)成分は、ポリビニルピロリドン又はトロメタモール(トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン)を含んでいればよく、これらを組み合わせて使用してもよい。
組成物中の(B)成分の含有量は、組成物の全量に対して、例えば、0.001w/v%以上、好ましくは0.005〜20w/v%、より好ましくは0.01〜10w/v%、さらに好ましくは0.03〜5w/v%、さらにより好ましくは0.05〜5w/v%程度であってもよく、0.1〜10w/v%(例えば、0.2〜7w/v%、好ましくは0.3〜5w/v%、さらに好ましくは0.5〜4.5w/v%、最も好ましくは1.0〜3.0w/v%)であってもよく、3w/v%未満であってもよい。
特に、(B)成分がポリビニルピロリドンを含む場合、組成物中の(B)成分の含有量を多すぎない量、例えば、組成物の全量に対して、3w/v%未満(例えば、2.7w/v%以下)、好ましくは2.5w/v%以下(例えば、2.2w/v%以下)、より好ましくは2w/v%以下(例えば、1.7w/v%以下)、さらに好ましくは1.5w/v%以下(例えば、1.2w/v%以下)、さらにより好ましくは1w/v%以下としてもよい。
上記のような含有量とすることで、ポリビニルピロリドンを含む組成物(特に、後述の清涼化剤をさらに含む組成物)においても、優れた使用感(例えば、べたつき、しみ、異物感などが少ない使用感)を効率よく実現しうる。
また、特に、(B)成分がトロメタモールを含む場合、組成物中の(B)成分の含有量は、例えば、組成物の全量に対して、0.01〜10w/v%、好ましくは0.02〜8w/v%、より好ましくは0.03〜7w/v%、さらに好ましくは0.05〜6w/v%(例えば、0.08〜5w/v%)、さらにより好ましくは0.1〜4w/v%程度であってもよい。
(B)成分の割合は、例えば、(A)成分1質量部に対して、0.001〜30質量部、好ましくは0.005〜20質量部、さらに好ましくは0.01〜15質量部、特に好ましくは0.02〜10質量部、より特に好ましくは0.05〜8質量部であってもよく、0.1〜15質量部(例えば、0.2〜12質量部、好ましくは0.3〜10質量部、さらに好ましくは0.5〜8質量部、最も好ましくは2〜6質量部)程度であってもよい。
(C)抗ヒスタミン剤、抗炎症剤及び/又はアミノ酸類((C)成分)
(C1)抗ヒスタミン剤
抗ヒスタミン剤(以下、(C1)抗ヒスタミン剤、(C1)成分などということがある)としては、抗ヒスタミン作用を有する物質であれば、特に制限されず、例えば、クロルフェニラミン、エピナスチン、ケトチフェン、オロパタジン、レボカバスチン、イプロヘプチン及びそれらの塩が挙げられる。
塩としては、薬学的又は生理学的に許容される塩であればよく、例えば、有機酸塩(例えば、マレイン酸塩、フマル酸塩など)、無機酸塩(例えば、塩酸塩、硫酸塩など)、金属塩などの(A)成分の項で例示の塩などが挙げられる。
なお、ナトリウム塩は、後述のナトリウムイオンに含まれる。そのため、(C1)成分がナトリウム塩を含む場合には、組成物全体においてナトリウムイオン濃度が後述の範囲となるように、ナトリウム塩を使用する必要がある。
具体的な塩としては、例えば、マレイン酸クロルフェニラミン、塩酸イプロヘプチンなどが挙げられる。
好ましい抗ヒスタミン剤は、クロルフェニラミン及びその塩(非金属塩など)であり、特にマレイン酸クロルフェニラミンが好ましい。
そのため、抗ヒスタミン剤は、クロルフェニラミン及びその塩からなる群より選択される1種以上(特に、マレイン酸クロルフェニラミン)を少なくとも含んでいてもよい。
なお、このような場合、抗ヒスタミン剤全体に対するクロルフェニラミン及びその塩からなる群より選択される1種以上(特に、マレイン酸クロルフェニラミン)の割合は、例えば、10質量%以上、好ましくは30質量%以上、さらに好ましくは50質量%以上、特に好ましくは70質量%以上、最も好ましくは80質量%以上であってもよく、90質量%以上(例えば、95質量%以上)であってもよく、実質的に100質量%であってもよい。
抗ヒスタミン剤は、単独で又は2種以上組み合わせて使用してもよい。
なお、本明細書において、抗ヒスタミン剤には、通常、ジフェンヒドラミン及びその塩を含まないものであってもよい。換言すれば、抗ヒスタミン剤は、ジフェンヒドラミン及びその塩を含まない抗ヒスタミン剤であってもよい。このような場合、本発明の組成物は、抗ヒスタミン剤としてジフェンヒドラミン及びその塩を含まなければよく(すなわち、ジフェンヒドラミン及びその塩を含まない抗ヒスタミン剤を含んでいればよく)、任意成分として、ジフェンヒドラミン及びその塩を含んでいてもよい。
(C2)抗炎症剤
抗炎症剤(以下、(C2)抗炎症剤、(C2)成分などということがある)としては、抗炎症作用を有する物質であれば、特に制限されず、例えば、プラノプロフェン、インドメタシン、アラントイン、ベルベリン、アズレンスルホン酸、ジクロフェナク、ブロムフェナク、グリチルリチン酸、亜鉛、銀、トラネキサム酸、リゾチーム及びそれらの塩などが挙げられる。
塩としては、無機酸との塩、有機酸との塩、無機塩基との塩、有機塩基との塩などの前記(A)成分の項で例示の塩などが挙げられ、例えば、硫酸塩、乳酸塩、塩酸塩、塩化物塩、ナトリウム塩、カリウム塩などが挙げられる。
具体的な塩としては、硫酸ベルベリン、塩化ベルベリン、グリチルリチン酸二カリウム、アズレンスルホン酸ナトリウム、ジクロフェナクナトリウム、ブロムフェナクナトリウム、硫酸亜鉛、乳酸亜鉛、硝酸銀、塩化リゾチームなどが挙げられる。
好ましい抗炎症剤には、プラノプロフェン、プラノプロフェンの塩、アラントイン、硫酸ベルベリン、アズレンスルホン酸ナトリウム、グリチルリチン酸二カリウム、硫酸亜鉛などが含まれ、これらの中でも、プラノプロフェン及び/又はその塩(非金属塩など)が好ましく、プラノプロフェンが最も好ましい。
そのため、抗炎症剤は、特に、プラノプロフェン及びその塩からなる群より選択される1種以上(特に、プラノプロフェン)を少なくとも含んでいてもよい。
なお、このような場合、抗炎症剤全体に対するプラノプロフェン及びその塩からなる群より選択される1種以上(特に、プラノプロフェン)の割合は、例えば、10質量%以上、好ましくは30質量%以上、さらに好ましくは50質量%以上、特に好ましくは70質量%以上、最も好ましくは80質量%以上であってもよく、90質量%以上(例えば、95質量%以上)であってもよく、実質的に100質量%であってもよい。
なお、プラノプロフェンの塩としては、薬学的又は生理学的に許容される塩であればよく、例えば、アルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩など)、アルカリ土類金属塩(カルシウム塩、マグネシウム塩など)、アンモニウム塩、金属塩(アルミニウム塩など)のような無機塩基との塩、有機アミン塩(メチルアミン塩、トリエチルアミン塩、ジエチルアミン塩、トリエタノールアミン塩、モルホリン塩、ピペラジン塩、ピロリジン塩、トリピリジン塩、ピコリン塩など)のような有機塩基との塩などが挙げられる。
なお、抗炎症剤(例えば、プラノプロフェン及びその塩)は、水和物の形態であってもよい。
抗炎症剤は、単独で又は2種以上組み合わせて使用してもよい。
(C3)アミノ酸類
アミノ酸類(以下、(C3)アミノ酸類、(C3)成分などということがある)には、例えば、アミノ酸又はその塩、及びアミノ酸類似体を包含し、分子内にアミノ基とカルボキシル基又はスルホン基を有する化合物又はその誘導体などが含まれる。
具体的にはアミノ酸又はその塩、ムコ多糖又はその塩が例示される。アミノ酸類のうち、アミノ酸またはその塩としては、例えば、グリシン、アラニン、アミノ酪酸、アミノ吉草酸、アミノカプロン酸等のモノアミノモノカルボン酸;アスパラギン酸、グルタミン酸等のモノアミノジカルボン酸又はそれらの塩;アルギニン、リジン等のジアミノモノカルボン酸又はそれらの塩;アミノエチルスルホン酸(タウリン)等の誘導体又はそれらの塩が挙げられる。
また、アミノ酸類のうち、ムコ多糖またはその誘導体またはそれらの塩としては、例えば、酸性ムコ多糖として、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、アルギン酸等の誘導体又はそれらの塩が挙げられる。
具体例なアミノ酸及びムコ多糖としては、グリシン、アラニン、γ−アミノ酪酸、γ−アミノ吉草酸、イプシロンアミノカプロン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン、アミノエチルスルホン酸、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、アルギン酸又はそれらの塩などが挙げられる。
なお、コンドロイチン硫酸は、D−グルクロン酸とN−アセチルグルコサミンが反復する糖鎖の水酸基の全部または一部に硫酸がエステル結合したものである。硫酸の結合位置や数は多様であり、また、コンドロイチン硫酸には、誘導体(例えば、N−アセチルグルコサミンの全部または一部がイズロン酸に置換されたものなど)も存在する。
このようなコンドロイチン硫酸は、どのような構造を有するものであってもよい。例えば、コンドロイチン4硫酸(コンドロイチン硫酸A)、コンドロイチン6硫酸(コンドロイチン硫酸C)、N−アセチルグルコサミンの4位及び6位が硫酸化されたコンドロイチン硫酸Eなどが挙げられる。また、コンドロイチン硫酸は、動物から抽出されたものであってもよい。
アミノ酸の塩又はムコ多糖の塩は、医薬上、薬理学的に又は生理学的に許容される塩を含む。そのような塩としては、有機酸との塩[例えば、モノカルボン酸塩(酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、酪酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩等)、多価カルボン酸塩(フマル酸塩、マレイン酸塩等)、オキシカルボン酸塩(乳酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、マロン酸塩等)、有機スルホン酸塩(メタンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、トシル酸塩等)等]、無機酸との塩(例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩等)、有機塩基との塩(例えば、メチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、ピペラジン、ピロリジン、トリピリジン、ピコリン等の有機アミンとの塩等)、無機塩基との塩[例えば、アンモニウム塩;アルカリ金属(ナトリウム、カリウム等)、アルカリ土類金属(カルシウム、マグネシウム等)、アルミニウム等の金属との塩等]等が例示でき、化合物によって適宜選択される。
具体的な塩には、アスパラギン酸の塩(アスパラギン酸ナトリウム、アスパラギン酸カリウム、アスパラギン酸マグネシウム、アスパラギン酸マグネシウム・カリウム混合物など)、グルタミン酸の塩(グルタミン酸ナトリウム、グルタミン酸マグネシウムなど)、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウムなどが挙げられる。
なお、ナトリウム塩は、後述のナトリウムイオンに含まれる。そのため、(C3)成分がナトリウム塩を含む場合には、組成物全体においてナトリウムイオン濃度が後述の範囲となるように、ナトリウム塩を使用する必要がある。
なお、アミノ酸類は、D体、L体、DL体のいずれでもよい。
好ましいアミノ酸類には、アミノエチルスルホン酸(タウリン)又はその塩、コンドロイチン硫酸ナトリウム、アスパラギン酸塩(例えば、L−アスパラギン酸カリウム、L−アスパラギン酸マグネシウム・カリウム)、イプシロンアミノカプロン酸又はその塩、ヒアルロン酸ナトリウムなどが含まれ、これらの中でも、アミノエチルスルホン酸(タウリン)及び/又はその塩が好ましく、アミノエチルスルホン酸(タウリン)が最も好ましい。
そのため、アミノ酸類は、特に、アミノエチルスルホン酸及びその塩からなる群より選択される1種以上(特に、アミノエチルスルホン酸)を少なくとも含んでいてもよい。
なお、このような場合、アミノ酸類全体に対するアミノエチルスルホン酸及びその塩からなる群より選択される1種以上(特に、アミノエチルスルホン酸)の割合は、例えば、10質量%以上、好ましくは30質量%以上、さらに好ましくは50質量%以上、特に好ましくは70質量%以上、最も好ましくは80質量%以上であってもよく、90質量%以上(例えば、95質量%以上)であってもよく、実質的に100質量%であってもよい。
アミノ酸類は、単独で又は2種以上組み合わせて使用してもよい。
(C)成分及びその割合
本発明の組成物において、(C)成分は、(C1)成分、(C2)成分及び(C3)成分からなる群より選択される1種以上の成分を含んでいればよく、これらを組み合わせてもよい。例えば、(C1)成分と(C2)成分とを組み合わせてもよく、(C1)成分と(C3)成分とを組み合わせてもよく、(C1)成分と(C2)成分と(C3)成分とを組み合わせてもよい。
特に、本発明では、抗ヒスタミン剤は、クロルフェニラミン及びその塩からなる群より選択される1種以上(特に、マレイン酸クロルフェニラミン)を含む(C1)成分と、その他の(C)成分(例えば、プラノプロフェン及びその塩からなる群より選択される1種以上(特に、プラノプロフェン)を含む(C2)成分)とを組み合わせてもよい。
このように複数の(C)成分を組み合わせることにより、析出抑制効果等の点でより有利になる場合がある。
組成物中の(C)成分の含有量は、組成物の全量に対して、例えば、0.0001w/v%以上、好ましくは0.001〜20w/v%、より好ましくは0.003〜10w/v%、さらに好ましくは0.005〜8w/v%、さらにより好ましくは0.01〜7w/v%程度であってもよく、通常0.01〜10w/v%程度であってもよい。
組成物が(C1)成分を含む場合、組成物中の(C1)成分の含有量は、組成物の全量に対して、例えば、0.0001w/v%以上、好ましくは0.001〜10w/v%、より好ましくは0.003〜5w/v%、さらに好ましくは0.005〜1w/v%、さらにより好ましくは0.01〜0.5w/v%、特に好ましくは0.015〜0.3w/v%(例えば、0.02〜0.1w/v%)、最も好ましくは0.025〜0.05w/v%(例えば、0.03w/v%)程度であってもよく、通常0.01〜0.05w/v%程度であってもよい。
組成物が(C2)成分を含む場合、組成物中の(C2)成分の含有量は、組成物の全量に対して、例えば、0.0001w/v%以上、好ましくは0.001〜10w/v%、より好ましくは0.003〜5w/v%、さらに好ましくは0.005〜1w/v%、さらにより好ましくは0.01〜0.5w/v%、特に好ましくは0.015〜0.3w/v%(例えば、0.02〜0.1w/v%)、最も好ましくは0.025〜0.07w/v%(例えば、0.05w/v%)程度であってもよい。
組成物が(C3)成分を含む場合、組成物中の(C3)成分の含有量は、組成物の全量に対して、例えば、0.001w/v%以上、好ましくは0.01〜20w/v%、より好ましくは0.03〜15w/v%、さらに好ましくは0.05〜10w/v%、さらにより好ましくは0.1〜8w/v%、特に好ましくは0.15〜7w/v%程度であってもよく、通常0.1〜15w/v%(例えば、0.2〜10w/v%、好ましくは0.3〜8w/v%、さらに好ましくは0.5〜7w/v%)であってもよい。
組成物が、(C1)成分及び(C2)成分を含む場合、これらの割合は、前者/後者(質量比)=1/0.01〜1/100(例えば、1/0.05〜1/50)、好ましくは1/0.1〜1/20(例えば、1/0.3〜1/10)、さらに好ましくは1/0.5〜1/8、特に好ましくは1/1〜1/5(例えば、1/1.2〜1/3)、最も好ましくは1/1.3〜1/2(例えば、1/1.4〜1/1.8)程度であってもよい。
(C)成分の割合は、例えば、(A)成分1質量部に対して、0.001〜30質量部、好ましくは0.003〜25質量部、さらに好ましくは0.005〜20質量部、特に好ましくは0.01〜15質量部、より特に好ましくは0.02〜10質量部であり、最も好ましくは0.03〜5質量部であってもよい。
特に、(C)成分が(C1)成分を含む場合、(C1)成分の割合は、例えば、(A)成分1質量部に対して、0.001〜5質量部、好ましくは0.003〜1質量部、さらに好ましくは0.005〜0.5質量部、特に好ましくは0.01〜0.3質量部、より特に好ましくは0.02〜0.2質量部、最も好ましくは0.03〜0.1質量部(例えば、0.06質量部)であってもよい。
特に、(C)成分が(C2)成分を含む場合、(C2)成分の割合は、例えば、(A)成分1質量部に対して、0.001〜5質量部、好ましくは0.01〜1質量部、さらに好ましくは0.05〜0.5質量部(例えば、0.1質量部)であってもよい。
特に、(C)成分が(C3)成分を含む場合、(C3)成分の割合は、例えば、(A)成分1質量部に対して、0.001〜20質量部、好ましくは0.01〜10質量部、さらに好ましくは0.2〜5質量部(例えば、2質量部)であってもよい。
(C)成分の割合は、例えば、(B)成分1質量部に対して、0.001〜50質量部、好ましくは0.002〜40質量部、さらに好ましくは0.005〜30質量部、特に好ましくは0.007〜25質量部、より特に好ましくは0.008〜20質量部、最も好ましくは0.01〜15質量部であってもよい。
特に、(C)成分が(C1)成分を含む場合、(C1)成分の割合は、例えば、(B)成分1質量部に対して、0.001〜2質量部、好ましくは0.002〜1.8質量部、さらに好ましくは0.005〜1.5質量部、特に好ましくは0.007〜1.2質量部、より特に好ましくは0.008〜1質量部、最も好ましくは0.01〜0.5質量部であってもよい。
(C)成分の割合は、例えば、(A)成分及び(B)成分の総量1質量部に対して、0.0005〜50質量部、好ましくは0.001〜30質量部、さらに好ましくは0.003〜25質量部、特に好ましくは0.005〜20質量部、より特に好ましくは0.007〜15質量部、最も好ましくは0.01〜10質量部であってもよい。
特に、(C)成分が(C1)成分を含む場合、(C1)成分の割合は、例えば、(A)成分及び(B)成分の総量1質量部に対して、0.0005〜1質量部、好ましくは0.001〜0.5質量部、さらに好ましくは0.003〜0.3質量部、特に好ましくは0.005〜0.2質量部、より特に好ましくは0.007〜0.15質量部、最も好ましくは0.008〜0.1質量部であってもよい。
[その他の成分]
本発明の組成物は、(A)〜(C)成分の他に、さらに他の成分を含有していてもよい。本発明では、トラニラストに対して特定の成分を組み合わせている(さらにはナトリウムイオン濃度を特定濃度としている)ため、他の成分を含有させても、溶解安定性を担保できる場合が多い。
(D)清涼化剤((D)成分)
本発明の組成物は、清涼化剤(以下、(D)清涼化剤、(D)成分などということがある)を含んでいてもよい。
清涼化剤としては、特に限定されないが、例えば、メントール、アネトール、オイゲノール、カンフル、ゲラニオール、シネオール、ボルネオール、リモネン、リュウノウ等のテルペノイドが挙げられる。これらは、d体、l体又はdl体のいずれでもよい。また、ハッカ油、クールミント油、スペアミント油、ペパーミント油、ウイキョウ油、ケイヒ油、ベルガモット油、ユーカリ油、ローズ油等の精油も挙げられる。
中でも、テルペノイドが好ましく、中でも、メントール、カンフル、ゲラニオール、シネオール、ボルネオール、リュウノウが好ましく、メントール、カンフル、ボルネオールがより好ましく、メントールがさらに好ましい。
また、本発明の効果をより顕著に奏する観点等から、ユーカリ油も好ましい。
清涼化剤は、単独で又は2種以上組み合わせてもよい。
特に、清涼化剤(例えば、メントールなどのテルペノイド)は、前記(B)成分との組み合わせ(特に、所定割合でポリビニルピロリドンを含む(B)成分との組み合わせ)において、優れた使用感を実現しやすく、好適である。
(D)成分の割合は、組成物の全量に対して、例えば、0.0001w/v%以上、0.0005w/v%以上、0.001w/v%以上、0.002w/v%以上、0.003w/v%以上、0.004w/v%以上、0.005w/v%以上、0.006w/v%以上、0.007w/v%以上、0.008w/v%以上、0.009w/v%以上、0.01w/v%以上であってもよい。
また、(D)成分の割合は、組成物の全量に対して、(D)成分の総量で、1w/v%以下、0.1w/v%以下、0.09w/v%以下、0.08w/v%以下、0.07w/v%以下、0.06w/v%以下、0.05w/v%以下、0.04w/v%以下、0.03w/v%以下、0.02w/v%以下であってもよい。
(E)脂溶性抗酸化剤((E)成分)
本発明の組成物は、脂溶性抗酸化剤(以下、(E)脂溶性抗酸化剤、(E)成分などということがある)を含んでいてもよい。
脂溶性抗酸化剤としては、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)のようなブチル基含有フェノール;ノルジヒドログアヤレチック酸(NDGA);アスコルビン酸パルミテート、アスコルビン酸ステアレート、アスコルビン酸リン酸アミノプロピル、アスコルビン酸リン酸トコフェロール、アスコルビン酸トリリン酸、アスコルビン酸リン酸パルミテートのようなアスコルビン酸エステル;没食子酸エチル、没食子酸プロピル、没食子酸オクチル、没食子酸ドデシルのような没食子酸エステル;プロピルガラート;3−ブチル−4−ヒドロキシキノリン−2オン;ルテイン、アスタキサンチンのようなカロテノイド類;アントシアニン類、カテキン、タンニン、クルクミンなどのポリフェノール類;CoQ10などが挙げられる。
これらのうち、ジブチルヒドロキシトルエンが好ましい。一方、本発明の組成物は、BHTを含んでいなくてもよい。
脂溶性抗酸化剤は、単独で又は2種以上組み合わせて使用してもよい。
組成物中の(E)成分の含有量は、組成物の全量に対して、例えば、0.0001〜0.1w/v%、好ましくは0.0005〜0.01w/v%、より好ましくは0.0007〜0.009w/v%、さらに好ましくは0.001〜0.008w/v%、さらにより好ましくは0.003〜0.007w/v%、最も好ましくは0.0045〜0.006w/v%程度であってもよい。
抗アレルギー剤((F)成分)
本発明の組成物は、抗アレルギー剤(以下、(F)抗アレルギー剤、(F)成分などということがある)を含んでいてもよい。
抗アレルギー剤(トラニラスト及び/又はその塩以外の抗アレルギー剤)としては、例えば、クロモグリク酸、イブジラスト、アシタザノラスト、タザノラスト、スプラタスト、ペミロラスト、レボカバスチン、オロパタジン、ケトチフェン、アンレキサノクス、オキサトミド及びそれらの塩などが挙げられる。
塩としては、例えば、前記(A)成分〜(C)成分の項で例示の塩などが挙げられ、例えば、アルカリ金属又はアルカリ土類金属塩(クロモグリク酸ナトリウム、クロモグリク酸カリウム、クロモグリク酸マグネシウム、クロモグリク酸カルシウムなど)、無機酸塩(例えば、オロパタジン塩酸塩など)、有機酸塩[例えば、トシル酸塩、フマル酸塩(フマル酸ケトチフェンなど)など]などが挙げられる。
これらのうち、クロモグリク酸及びその塩が好ましく、クロモグリク酸ナトリウムがより好ましい。
抗アレルギー剤は、単独で又は2種以上組み合わせて使用してもよい。
組成物中の(F)成分の含有量は、組成物の全量に対して、例えば、0.1〜10w/v%、好ましくは0.2〜8w/v%、より好ましくは0.3〜5w/v%、さらにより好ましくは0.5〜3w/v%、特に好ましくは0.7〜2w/v%、さらに特に好ましくは0.8〜1.5w/v%、最も好ましくは0.9〜1.2w/v%程度であってもよい。
本発明の組成物は、各種成分(例えば、前記(A)成分〜(F)成分の範疇に属さない成分)を含んでいてもよい。このような成分(添加剤)としては、例えば、界面活性剤、防腐剤、緩衝剤、pH調節剤、等張化剤、増粘剤又は粘稠化剤、安定化剤、油分、糖類、高分子化合物、多価アルコール、無機塩類、非脂溶性抗酸化剤(又は水溶性抗酸化剤)などが挙げられる。
添加剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。また、各添加剤を、単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
添加剤の具体例を以下に例示する。
界面活性剤
本発明の組成物は、界面活性剤を含んでいてもよい。界面活性剤としては、例えば、非オン界面活性剤などが挙げられる。
非イオン界面活性剤としては、モノラウリン酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート20)、モノパルミチン酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート40)、モノステアリン酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート60)、トリステアリン酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート65)、モノオレイン酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート80)等のポリソルベート類(POEソルビタン脂肪酸エステル類);ポロクサマー407、ポロクサマー235、ポロクサマー188、ポロクサマー403、ポロクサマー237、ポロクサマー124等のPOE・POPグリコール類;POE硬化ヒマシ油40、POE硬化ヒマシ油50、POE硬化ヒマシ油60、POE硬化ヒマシ油80等のPOE硬化ヒマシ油;POEヒマシ油3、POEヒマシ油4、POEヒマシ油6、POEヒマシ油7、POEヒマシ油10、POEヒマシ油13.5、POEヒマシ油17、POEヒマシ油20、POEヒマシ油25、POEヒマシ油30、POEヒマシ油35、POEヒマシ油50等のPOEヒマシ油;モノステアリン酸ポリエチレングリコール(2E.O.)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(4E.O.)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(9E.O.)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(10E.O.)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(23E.O.)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(25E.O.)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(32E.O.)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(40E.O.、ステアリン酸ポリオキシル40)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(45E.O.)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(55E.O.)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(75E.O.)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(140E.O.)等のモノステアリン酸ポリエチレングリコール;POE(9)ラウリルエーテル等のPOEアルキルエーテル類;POE(20)POP(4)セチルエーテル等のPOE−POPアルキルエーテル類;POE(10)ノニルフェニルエーテル等のPOEアルキルフェニルエーテル類等が挙げられる。なお、上記例示した化合物において、POEはポリオキシエチレン、POPはポリオキシプロピレン、及び括弧内の数字は付加モル数を示す。
中でも、POEソルビタン脂肪酸エステル類;POE・POPグリコール類;POE硬化ヒマシ油;POEヒマシ油、モノステアリン酸ポリエチレングリコールが好ましく、ポリソルベート80、ポロクサマー407、POE硬化ヒマシ油40、POE硬化ヒマシ油60、POEヒマシ油3、POEヒマシ油10、POEヒマシ油35、ステアリン酸ポリオキシル40がより好ましく、ポリソルベート80、POE硬化ヒマシ油60がさらに好ましく、ポリソルベート80が特に好ましい。
界面活性剤は、単独で又は2種以上組み合わせて使用してもよい。
本発明の組成物にイオン界面活性剤を配合する場合、イオン界面活性剤の割合は、組成物の全量に対して、例えば、0.001w/v%以上、好ましくは0.005w/v%以上、さらに好ましくは0.01w/v%以上、特に好ましくは0.05w/v%以上であってもよい。
また、イオン界面活性剤の割合は、組成物の全量に対して、例えば、5w/v%以下、好ましくは1w/v%以下、さらに好ましくは0.5w/v%以下、特に0.3w/v%以下であってもよい。
防腐剤
本発明の組成物は、防腐剤を含んでいてもよい。
防腐剤としては、例えば、塩化ポリドロニウム、アルキルポリアミノエチルグリシン類(例えば、塩酸アルキルジアミノエチルグリシンなど)、安息香酸ナトリウム、エタノール、第四級アンモニウム塩(例えば、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウムなど)、グルコン酸クロルヘキシジン、クロロブタノール、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸エステル(例えば、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチルなど)、硫酸オキシキノリン、フェネチルアルコール、ベンジルアルコール、ビグアニド化合物(例えば、塩酸ポリヘキサニドなど)、及びグローキル(ローディア社製)などが挙げられる。
中でも、アルキルポリアミノエチルグリシン類(例えば、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン)、安息香酸ナトリウム、エタノール、第四級アンモニウム塩、グルコン酸クロルヘキシジン、クロロブタノール、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、パラオキシ安息香酸エステル、ビグアニド化合物が好ましく、第四級アンモニウム塩、グルコン酸クロルヘキシジン、クロロブタノール、ビグアニド化合物がより好ましく、塩化ベンザルコニウム、塩酸ポリヘキサニドがさらに好ましい。
一方、本発明の組成物は、ソルビン酸及びその塩(ソルビン酸カリウムなど)を含んでいなくてもよい。
本発明の組成物に防腐剤を配合する場合、その配合量の一例として、組成物の全量に対して、防腐剤の総量で、0.000001w/v%以上、中でも0.00001w/v%以上、中でも0.00005w/v%以上、中でも0.001w/v%以上、中でも0.005w/v%以上が挙げられる。また、組成物の全量に対して、防腐剤の総量で、1w/v%以下、中でも0.1w/v%以下、中でも0.05w/v%以下、中でも0.03w/v%以下、中でも0.025w/v%以下が挙げられる。
緩衝剤
本発明の組成物は、緩衝剤を含んでいてもよい。
緩衝剤としては、例えば、ホウ酸緩衝剤、リン酸緩衝剤、炭酸緩衝剤、クエン酸緩衝剤、酢酸緩衝剤等が挙げられる。
ホウ酸緩衝剤の成分としては、ホウ酸、ホウ酸塩(ホウ酸ナトリウム、テトラホウ酸カリウム、メタホウ酸カリウム、ホウ酸アンモニウム、ホウ砂など)などが挙げられる。ホウ酸塩は水和物であってもよい。
リン酸緩衝剤の成分としては、リン酸、リン酸塩(リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸二カリウム、リン酸一水素カルシウム、リン酸二水素カルシウムなど)などが挙げられる。リン酸塩は水和物であってもよい。
炭酸緩衝剤の成分としては、炭酸、炭酸塩(炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸マグネシウムなど)などが挙げられる。炭酸塩は水和物であってもよい。
クエン酸緩衝剤の成分としては、クエン酸、クエン酸塩(クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、クエン酸カルシウム、クエン酸二水素ナトリウム、クエン酸二ナトリウムなど)などが挙げられる。クエン酸塩は水和物であってもよい。
酢酸緩衝剤の成分としては、酢酸、酢酸塩(酢酸アンモニウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウム、酢酸ナトリウムなど)などが挙げられる。酢酸塩は水和物であってもよい。
中でも、ホウ酸緩衝剤、リン酸緩衝剤が好ましく、ホウ酸緩衝剤がより好ましい。ホウ酸緩衝剤としては、ホウ酸とその塩との組合せが好ましく、ホウ酸とホウ酸のアルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類金属塩との組合せがより好ましく、ホウ酸とホウ酸のアルカリ金属塩との組合せが更に好ましく、ホウ酸とホウ砂との組合せが更により好ましい。
本発明の組成物に緩衝剤を配合する場合、緩衝剤の配合量は、緩衝剤の種類、他の配合成分の種類や量等に応じて異なり、一律に規定することはできないが、例えば、組成物の全量に対して、緩衝剤の総量で、0.001w/v%以上、中でも0.01w/v%以上、中でも0.05w/v%以上、中でも0.1w/v%以上が挙げられる。また、組成物の全量に対して、緩衝剤の総量で、10w/v%以下、中でも5w/v%以下、中でも3w/v%以下、中でも2.5w/v%以下、中でも2w/v%以下が挙げられる。
特に、ホウ酸緩衝剤を使用する場合、組成物中の緩衝剤の割合は、組成物全体に対して、0.001〜10w/v%、好ましくは0.01〜5w/v%、より好ましくは0.05〜3w/v%、さらに好ましくは0.1〜2w/v%、さらにより好ましくは0.1〜1w/v%程度であってもよい。
pH調節剤
pH調節剤としては、例えば、塩酸、硫酸、ポリリン酸、有機酸(プロピオン酸、シュウ酸、グルコン酸、フマル酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸など)、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン、ジイソプロパノールアミンなどが挙げられる。
pH調整剤は、単独で又は2種以上組み合わせて使用してもよい。
等張化剤
等張化剤としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、グリセリン、及びプロピレングリコールなどが挙げられる。
等張化剤は、単独で又は2種以上組み合わせて使用してもよい。
増粘剤又は粘稠化剤
本発明の眼科組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、増粘剤ないしは粘稠化剤を含むことができる。
増粘剤又は粘稠化剤としては、グアーガム、ヒドロキシプロピルグアーガム、セルロース系高分子化合物(例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムなど)、アラビアゴム、カラヤガム、キサンタンガム、寒天、アルギン酸、α−シクロデキストリン、デキストリン、デキストラン、ムコ多糖類(例えば、ヘパリン類似物質、ヘパリン、ヘパリン硫酸、ヘパラン硫酸、ヘパリノイド、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸塩(ナトリウム塩など)など)、デンプン、キチン及びその誘導体、キトサン及びその誘導体、カラギーナン、ソルビトール、ポリビニル系高分子化合物(ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、カルボキシビニルポリマーなど)、ポリアクリル酸のアルカリ金属塩(ナトリウム塩、及びカリウム塩など)、ポリアクリル酸のアミン塩(モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩など)、カゼイン、ゼラチン、コラーゲン、ペクチン、エラスチン、セラミド、流動パラフィン、グリセリン、ポリエチレングリコール、マクロゴール、ポリエチレンイミンアルギン酸塩(ナトリウム塩など)、アルギン酸エステル(プロピレングリコールエステルなど)、トラガント末、並びにトリイソプロパノールアミンなどが挙げられる。
増粘剤又は粘稠化剤は、単独で又は2種以上組み合わせて使用してもよい。
安定化剤
安定化剤としては、例えば、トロメタモール、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート(ロンガリット)、モノエタノールアミン、モノステアリン酸アルミニウム、及びモノステアリン酸グリセリンなどが挙げられる。
安定化剤は、単独で又は2種以上組み合わせて使用してもよい。
油分
油分としては、スクワラン、精製ラノリンのような動物油、流動パラフィン、白色ワセリンのような鉱物油、ヒマシ油、ゴマ油のような植物油などが挙げられる。
油分は、単独で又は2種以上組み合わせて使用してもよい。
糖類
糖類としては、単糖類、二糖類、具体的にはグルコース、マルトース、トレハロース、スクロース、シクロデキストリン、キシリトール、ソルビトール、マンニトールなどが挙げられる。
糖類は、単独で又は2種以上組み合わせて使用してもよい。
多価アルコール
多価アルコールとしては、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、キシリトール、ジエチレングリコール、マンニトール、ソルビトール、ポリビニルアルコール等が挙げられる。
多価アルコールは、単独で又は2種以上組み合わせて使用してもよい。
無機塩類
無機塩類としては、例えば、塩化カリウム、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム(乾燥炭酸ナトリウムを含む)、炭酸水素カリウム、炭酸カリウム、硫酸マグネシウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウムなどが挙げられる。
中でも、塩化カリウム、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム(乾燥炭酸ナトリウムを含む)、硫酸マグネシウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウムが好ましく、塩化カリウム、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウムがより好ましく、塩化カリウム、塩化ナトリウムがさらに好ましい。
無機塩類は、単独で又は2種以上組み合わせて使用してもよい。
水溶性抗酸化剤
水溶性の抗酸化剤としては、例えば、アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体(アスコルビン酸−2−硫酸2ナトリウム、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸−2−リン酸マグネシウム、アスコルビン酸−2−リン酸ナトリウムなど)、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、エデト酸又はその塩(エデト酸二ナトリウム、エデト酸四ナトリウムなど)などが挙げられる。
水溶性抗酸化剤は、単独で又は2種以上組み合わせて使用してもよい。
本発明の組成物には、さらに薬理活性又は生理活性を有する成分を配合することができる。
薬理活性成分又は生理活性成分は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
このような薬理活性成分や生理活性成分として、一般用医薬品製造販売承認基準2012年版(一般社団法人レギュラトリーサイエンス学会監修)に記載された各種医薬における有効成分を例示できる。例えば、充血除去剤、眼筋調節剤、収斂剤、ビタミン類、アミノ酸類、抗菌剤又は殺菌剤、局所麻酔薬成分、無痛化剤、サルファ剤などが挙げられる。これらの薬剤の具体例を以下に例示する。
充血除去剤(血管収縮剤)
充血除去剤としては、例えば、α−アドレナリン作動薬、具体的にはオキシメタゾリン、テトラヒドロゾリン、ナファゾリン、又はそれらの塩酸塩、硝酸塩などの塩等のイミダゾリン系充血除去剤、エピネフリン、塩酸エピネフリン、塩酸エフェドリン、塩酸フェニレフリン、塩酸メチルエフェドリン、酒石酸水素エピネフリンなどが挙げられる。これらはd体、l体又はdl体のいずれでもよい。
イミダゾリン系血管収縮剤について詳述すると、イミダゾリン系血管収縮剤の塩は、薬学的又は生理学的に許容される塩であればよく、例えば、マレイン酸塩、フマル酸塩などの有機酸塩;塩酸塩、硫酸塩などの無機酸塩;金属塩などの塩が挙げられる。塩の中では、無機酸塩が好ましく、塩酸塩、又は硝酸塩がより好ましく、塩酸塩(塩酸テトラヒドロゾリン等)が特に好ましい。
充血除去剤(血管収縮剤)の中でも、イミダゾリン系血管収縮剤が好ましく、テトラヒドロゾリン、ナファゾリン、又はそれらの塩がより好ましく、テトラヒドロゾリン、又はその塩がより好ましい。
眼筋調節剤
眼筋調節剤としては、例えば、アセチルコリンと類似した活性中心を有するコリンエステラーゼ阻害剤、具体的にはメチル硫酸ネオスチグミン、トロピカミド、ヘレニエン、及び硫酸アトロピンなどが挙げられる。
ビタミン類
ビタミン類としては、例えば、フラビンアデニンジヌクレオチド又はその塩(例えば、フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム)、コバラミン又はその塩(例えば、シアノコバラミン、メチルコバラミン)、レチノール、その塩又はその誘導体(例えば、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール)、ピリドキシン又はその塩(例えば、塩酸ピリドキシン)、パンテノール、パントテン酸又はその塩(例えば、パントテン酸ナトリウム、パントテン酸カリウム、パントテン酸カルシウム、パントテン酸マグネシウム)、トコフェロール、その塩又はその誘導体(例えば、酢酸トコフェロール、コハク酸トコフェロール、ニコチン酸トコフェロール)、ピリドキサール又はその塩(例えば、リン酸ピリドキサール)、アスコルビン酸又はその塩(例えばアスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カルシウム)などが挙げられる。
中でも、フラビンアデニンジヌクレオチド又はその塩(特に、フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム)、コバラミン又はその塩(特に、シアノコバラミン)、レチノール、その塩又はその誘導体(特に、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール)、ピリドキシン又はその塩(特に、塩酸ピリドキシン)、パンテノール、パントテン酸又はその塩(特に、パントテン酸ナトリウム、パントテン酸カルシウム)、トコフェロール、その塩又はその誘導体(特に、酢酸トコフェロール)が好ましく、塩酸ピリドキシン、酢酸トコフェロールがより好ましい。
なお、本発明の組成物は、ピリドキシン及びその塩を含んでいなくてもよい。
抗菌剤又は殺菌剤
抗菌剤又は殺菌剤としては、例えば、スルファメトキサゾール、スルフイソキサゾール、スルファメトキサゾールナトリウム、スルフイソキサゾールジエタノールアミン、スルフイソキサゾールモノエタノールアミン、スルフイソメゾールナトリウム、スルフイソミジンナトリウムのようなサルファ剤、アルキルポリアミノエチルグリシン、クロラムフェニコール、オフロキサシン、ノルフロキサシン、レボフロキサシン、及び塩酸ロメフロキサシンなどが挙げられる。
局所麻酔薬成分
局所麻酔薬成分としては、例えば、塩酸プロカイン、塩酸リドカインなどが挙げられる。
無痛化剤
無痛化剤としては、例えば、塩酸プロカインなどが挙げられる。
サルファ剤
サルファ剤としては、例えば、スルファメトキサゾール、スルファメトキサゾールナトリウム、スルフイソキサゾール、スルフイソミジンナトリウム等が挙げられる。
基剤又は担体
本発明の組成物は、基剤又は担体を含んでいてもよい。
このような基剤又は担体を含む組成物は、例えば、上記各成分を、薬学的に許容される基剤又は担体と混合することにより、例えば、第17改正日本薬局方解説書に記載の慣用の方法で調製できる。
基剤又は担体として、例えば、水、エタノールのような極性溶媒(特に水溶性溶媒)、油性基剤などが挙げられる。基剤又は担体は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
特に、本発明の組成物は、水性組成物(例えば、水や、水と水溶性溶媒との混合溶媒を含む組成物)であってもよい。
性状
本発明の組成物の性状は、特に限定されず、例えば、液体状、流動状、ゲル状、又は半固形状などの何れの性状であってもよい。また、用時調製により、液体状、流動状、ゲル状、又は半固形状になったものも含まれる。半固形状は、例えば、軟膏剤のように、力を加えることにより変形させ得る塑性を有する性状をいう。
また、組成物は、前記のように、水性組成物(基剤又は担体として水性ないしは親水性のものを主に含む)であってもよく、油性組成物(基剤又は担体として油性ないしは疎水性のものを主に含む)であってもよく、特に水性組成物であってもよい。
水性組成物の場合の水の含有量は、組成物(又は製剤)の全量に対して、50質量%以上が好ましく、75質量%以上がより好ましく、90質量%以上がさらにより好ましい。また、95質量%以上、又は98質量%以上であってもよい。また、基剤又は担体が水のみからなっていてもよい。
油性組成物の場合の水の含有量は、組成物(又は製剤)の全量に対して、50質量%未満が好ましく、30質量%以下がより好ましく、20質量%以下がさらにより好ましい。
ナトリウムイオン量
本発明の組成物は、ナトリウムイオン(又はナトリウム)量が特定の範囲にあってもよい。このようなナトリウムイオン量と、前記特定の成分とを組み合わせることで、析出抑制効果や溶解安定性などの点でより有利にできる場合がある。
例えば、本発明の組成物のナトリウムイオン濃度は、300mM以下程度の範囲から選択でき、250mM以下(例えば、240mM以下)、さらに好ましくは230mM以下、特に好ましくは200mM以下、最も好ましくは150mM以下であってもよい。
本発明の組成物のナトリウムイオン濃度は、比較的低濃度であってもよく、例えば、100mM以下(例えば、90mM以下)、好ましくは80mM以下(例えば、70mM以下)、さらに好ましくは60mM以下(例えば、50mM以下)、最も好ましくは40mM以下(例えば、30mM以下)であってもよく、さらに低濃度(例えば、20mM以下、好ましくは10mM以下、実質的に0mM又は検出限界)であってもよい。
ナトリウムイオン量は、(A)成分に対する割合として規定することもできる。例えば、本発明の組成物において、ナトリウムイオンの割合は、(A)成分1モルに対して、30モル以下程度の範囲から選択でき、25モル以下、好ましくは20モル以下、さらに好ましくは15モル以下、特に好ましくは12モル以下、最も好ましくは10モル以下(例えば、9.5モル以下)であってもよく、比較的低割合[例えば、9モル以下(例えば、8モル以下)、好ましくは7モル以下(例えば、6モル以下)、さらに好ましくは5モル以下、特に好ましくは4モル以下、最も好ましくは3モル以下]であってもよく、さらに低割合(例えば、2モル以下、好ましくは1モル以下、さらに好ましくは0.5モル以下、特に好ましくは0.1モル以下、実質的に0モル又は検出限界)であってもよい。
なお、ナトリウムイオンは、組成物において遊離のイオンとなりうるものであればよく、塩を形成していてもよい。例えば、組成物中において、トラニラストがナトリウムとの塩を形成し、ナトリウムイオンが遊離の状態にない場合でも、このような塩由来のナトリウム(イオン)も、ナトリウムイオンに含まれる。
また、ナトリウム(イオン)量又は濃度は、組成物における量又は濃度を測定(直接的に測定)して得てもよく、組成物を構成する成分(原料)中のナトリウム(イオン)量又は濃度から組成物における量又は濃度を算出(間接的に測定)することにより得てもよい。なお、組成物又は原料中のナトリウム(イオン)量又は濃度は、慣用の方法又は装置(例えば、イオンクロマトグラフィー法など)で測定してもよい。
また、ナトリウムイオンには、前記のように、各成分由来のナトリウムが含まれるため、各成分が塩などとしてナトリウムを含む場合、上記ナトリウムイオン濃度となるように、調整する必要がある。このような観点から、本発明の組成物は、点眼剤用途等において汎用される塩化ナトリウム、ホウ砂、エデト酸ナトリウム等を、少ない配合量で含むか又は含まないことが望ましい。
このような観点から、特に、本発明の組成物を構成する各成分(例えば、(A)〜(C)成分、その他の成分)として、ナトリウムを含有しない成分[例えば、塩である場合には、ナトリウム塩でない塩(非ナトリウム塩)]を好適に使用してもよい。
pH
本発明の組成物のpHは、3以上(例えば、4以上)が好ましく、5以上(例えば、5.5以上)がより好ましく、6以上がさらに好ましい。また、10以下が好ましく、9以下がより好ましく、8.5以下がさらにより好ましい。
本発明の組成物のpHは、例えば、4〜10、好ましくは5〜9、さらに好ましくは5.5〜8.5(例えば、6.0〜8.3)であってもよく、7.5超[例えば、7.6〜9(例えば、7.7〜8.5)、7.8以上(例えば、7.8〜8.3)]であってもよい。
本発明では、上記のようなpHにおいても、本発明の効果(析出抑制効果など)を効率よく実現できる。
浸透圧
本発明の組成物の浸透圧比は、例えば、0.4以上が好ましく、0.5以上がより好ましく、0.6以上がさらにより好ましい。また、5以下が好ましく、3以下がより好ましく、2以下がさらにより好ましい。
浸透圧比は、第17改正日本薬局方に基づき、286mOsm(0.9w/v%塩化ナトリウム水溶液)の浸透圧に対する試料の浸透圧の比とする。浸透圧は第17改正日本薬局方記載の浸透圧測定法(氷点降下法)に従い測定する。なお、浸透圧比測定用標準液(0.9w/v%塩化ナトリウム水溶液)は、塩化ナトリウム(日本薬局方標準試薬)を500〜650℃で40〜50分間乾燥した後、デシケーター(シリカゲル)中で放冷し、その0.900gを正確に量り、精製水に溶かし正確に100mLとして調製するか、市販の浸透圧比測定用標準液(0.9w/v%塩化ナトリウム水溶液)を用いる。
剤型
本発明の組成物の剤型(剤形、形状、構造)は特に限定されず、例えば、点眼剤(点眼液又は点眼薬ともいう。また、点眼剤にはコンタクトレンズ装用中に点眼可能な点眼剤を含む)、洗眼剤、眼軟膏(水溶性眼軟膏、油溶性眼軟膏)、コンタクトレンズ装着液、眼内注射剤(例えば、硝子体内注射剤)、コンタクトレンズ用液(洗浄液、保存液、消毒液、マルチパーパスソリューション、パッケージソリューション)、移植用の角膜等の摘出眼組織の保存剤、手術時潅流液などが挙げられる。点眼剤、洗眼剤、眼軟膏には、コンタクトレンズ装着時に使用するものも含まれる。
なお、「コンタクトレンズ」は、ハードコンタクトレンズ、ソフトコンタクトレンズ(イオン性及び非イオン性の双方を包含し、シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ及び非シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズの双方を包含する)を含む。
本発明の組成物の剤型として、好ましくは、点眼剤、洗眼剤、眼軟膏(水溶性眼軟膏、油溶性眼軟膏)、コンタクトレンズ装着液、コンタクトレンズ用液(洗浄液、保存液、消毒液、マルチパーパスソリューション、パッケージソリューション)などが挙げられ、さらに好ましくは点眼剤、洗眼剤、コンタクトレンズ装着液、コンタクトレンズ用液(洗浄液、保存液、消毒液、マルチパーパスソリューション)などが挙げられ、さらにより好ましくは点眼剤、洗眼剤が挙げられ、特に好ましくは点眼剤が挙げられる。
このような本発明の組成物は、コンタクトレンズ(ハードコンタクトレンズ、ソフトコンタクトレンズ、中でもシリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ)装用時(装着時)又は装用中(装着時)に使用又は適用する眼科組成物(特に、点眼剤、洗眼剤、又は眼軟膏)を除くものとすることができる。
本発明の組成物は、使い切りのユニットドーズでも繰り返し使用できるマルチドーズでもよく、マルチドーズの形態で収容して使用してもよい。
容器
本発明の組成物は、容器に収容(充填、注入、封入)されていてもよい。
容器は、組成物(製剤)と接触する部分(面)を有する包装体であればよく、例えば、組成物(例えば、液状の組成物)を収容する容器本体部分、容器の抽出口を含む部分(ノズル、中栓)、吸い上げチューブ、キャップなどで構成されていてもよい。
容器を構成する材質は、広い範囲から選択でき、例えば、少なくとも組成物との接触部分の一部又は全部が、プラスチック(例えば、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、フッ素樹脂、塩素系樹脂(ポリ塩化ビニルなど)、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂(変性ポリフェニレンエーテルなど)、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリイミド系樹脂、セルロース系樹脂(セルロースアセテートなど)、ハロゲン原子で置換されていてよい炭化水素系樹脂など)、金属(アルミニウムなど)などが挙げられる。
容器は、単独又は2種以上の材質で構成されていてもよい。
オレフィン系樹脂としては、エチレン系樹脂[例えば、ポリエチレン(高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレンなどを含む)、エチレン−プロピレン共重合体など]、プロピレン系樹脂[例えば、ポリプロピレン(PP)(アイソタクチックポリプロピレン、シンジオタクチックポリプロピレン、アタクチックポリプロピレンなどを含む)、プロピレン−エチレン共重合体など]、メチルペンテン系樹脂(例えば、ポリメチルペンテンなど)などが挙げられる。
スチレン系樹脂としては、例えば、ポリスチレン、アクリロニトリル含有スチレン系樹脂(例えば、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)など)などが挙げられる。
アクリル系樹脂としては、例えば、アクリル酸メチルのようなアクリル酸エステル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸t−ブチルシクロヘキシルのようなメタクリル酸エステルなどを重合成分とする樹脂などが挙げられる。
ポリエステル系樹脂としては、例えば、芳香族ポリエステル系樹脂[例えば、アルキレンテレフタレート単位を有する樹脂(アルキレンテレフタレート系樹脂:例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート(PBT)など)、アルキレンナフタレート単位を有する樹脂(例えば、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンナフタレートなど)などが挙げられる。
フッ素樹脂としては、フッ素置換ポリエチレン(ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレンなど)、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、パーフルオロアルコキシフッ素樹脂、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレンコポリマー、エチレン・四フッ化エチレンコポリマー、エチレン・クロロトリフルオロエチレンコポリマーなどが挙げられる。
ポリアセタール系樹脂としては、オキシメチレン単位のみからなるものの他、一部にオキシエチレン単位を含むものが挙げられる。
変性ポリフェニレンエーテルとしては、ポリスチレン変性ポリフェニレンエーテルなどが挙げられる。
ポリアリレートとしては、非晶質ポリアリレートなどが挙げられる。
ポリイミド系樹脂としては、芳香族ポリイミド、例えばピロメリット酸二無水物と4,4’−ジアミノジフェニルエーテルとを重合させたものが挙げられる。
セルロースアセテートとしては、セルロースジアセテート、セルローストリアセテートなどが挙げられる。
容器の材質としては、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂などのプラスチック(すなわち、プラスチック製容器)が好ましく、エチレン系樹脂、プロピレン系樹脂、アルキレンテレフタレート系樹脂、ポリスチレンがより好ましく、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレンがさらに好ましく、ポリエチレンテレフタレートがさらにより好ましい。
なお、容器は、容器材質が前記ポリマー以外のポリマーとのポリマーブレンドでもよい。本発明の眼科組成物を収容する容器の容器材質が前記ポリマーとのブレンドポリマーである場合、前記ポリマーと、前記ポリマー以外のポリマーとの混合比は本発明の効果を奏すれば特に限定されないが、構成材質全体の総量に対し、前記ポリマーの合計重量が30w/w%以上であることが好ましく、50w/w%以上であることがさらに好ましく、65w/w%以上であることがさらにより好ましく、80w/w%以上であることが特に好ましい。
容器は、本発明の組成物と接触する面の少なくとも一部が上記材料で構成されていてもよい。例えば、容器内面に上記材料で構成された層又はフィルムが形成されていてもよく、容器自体が上記材料で成型されていてもよい。本発明の効果を顕著に奏する観点から、容器自体が上記材料で成型されていることが好ましい。
また、容器を構成する部分(容器本体部分、容器の抽出口を含む部分(ノズル、中栓)、吸い上げチューブ、キャップなど)が上記材料で構成されていてもよく、容器の全部分が上記材料で構成されていてもよい。特に、本発明の効果を顕著に奏する観点から、容器本体部分が上記材料で構成されているのが好ましく、容器本体部分の全てが上記材料で構成されていること(容器本体を構成する一部の層が上記以外の材料で構成されているのではない状態)がより好ましい。
対象疾患(用途)
本発明の組成物の対象疾患(用途)は、眼科用である限り、特に限定されるものではないが、例えば、アレルギー症状、異物感(コロコロする感じ等)、角膜ダメージ、角膜損傷、涙目(流涙症)などの緩和、改善、抑制、又は治療や、角膜バリア機能の亢進、正常化、角膜保護などに有用である。
なお、涙目は、涙点から涙小管、涙嚢、鼻涙管に至る涙の排出路が目やに等で閉塞状態になったり、刺激により涙が過剰に作られたりした場合に起きる症状である。
本明細書において、「緩和」は、症状の軽快、症状の進行抑制を包含し、「改善」、「抑制」、及び「治療」は、症状の軽快、症状の進行抑制、治癒ないしは完快を包含する。
特に、本発明の組成物は、アレルギー症状(目のアレルギー症状)の緩和、改善、抑制、又は治療用として好適である。
アレルギー症状のアレルゲンとしては、特に限定されないが、花粉(スギ花粉、ヒノキ花粉など)、ハウスダスト(室内塵)などであってもよい。
使用方法
本発明の組成物の使用方法(使用態様)は、その性状などに応じて適宜選択できる。
例えば、本発明の組成物が、点眼剤、洗眼剤、眼軟膏などの眼に適用する製剤である場合、その用法は、対象とする症状によって異なるが、例えば、1日1回以上、2回以上、3回以上、4回以上、5回以上、又は6回以上とすることができる。また、1日9回以下、8回以下、7回以下、6回以下、5回以下、又は4回以下とすることができる。1日4回投与することが特に好ましい。
本発明の組成物が点眼剤である場合、例えば、1回当たり、1〜3滴点眼すればよく、1〜2滴、2〜3滴であってもよい。好ましくは1〜2滴点眼すればよい。1滴とすることもできる。また、点眼一滴量は、好ましくは30〜50μLであってもよい。
本発明の組成物が洗眼剤である場合、例えば、1回当たり、1〜30mL用いて洗眼すればよく、好ましくは1〜20mL、さらに好ましくは4〜6mL用いて洗眼すればよい。
本発明の組成物が眼軟膏である場合、例えば、1回当たり、眼に0.001〜5g塗布すればよい。
本発明の組成物がコンタクトレンズ装着液である場合は、コンタクトレンズの装着時、脱着時に、例えば、1回当たり、1〜3滴、好ましくは1〜2滴を、コンタクトレンズの片面及び/又は両面に滴下して濡らした後に装用すればよく、好ましくはコンタクトレンズの両面を濡らした後に装用することが好ましい。
〔2.析出・白濁の抑制〕
本実施形態に係る眼科組成物は、眼科組成物における、析出(白濁)を抑制できる(又は溶解安定性を向上又は改善できる)という効果を奏する。
したがって、本発明の一実施形態として、(A)トラニラスト及びその塩からなる群より選択される1種以上を含む眼科組成物に、(B)ポリビニルピロリドン及びトロメタモールからなる群より選択される1種以上、及び(C)(C1)抗ヒスタミン剤、(C2)抗炎症剤、及び(C3)アミノ酸類からなる群より選択される1種以上の成分を含有させることを含む、眼科組成物における析出(白濁)を抑制する方法(溶解安定性を改善又は向上させる方法)が提供される。
この方法では、さらに、眼科組成物のナトリウムイオン濃度を前記濃度(例えば、250mM以下)としてもよい。
また、本発明の一実施形態として、(A)トラニラスト及びその塩からなる群より選択される1種以上を含有する眼科組成物における析出(白濁)を抑制するための剤(又は溶解安定性を向上又は改善するための剤)であって、(B)ポリビニルピロリドン及びトロメタモールからなる群より選択される1種以上、及び(C)(C1)抗ヒスタミン剤、(C2)抗炎症剤、及び(C3)アミノ酸類からなる群より選択される1種以上の成分を含む剤が提供される。
なお、これらの方法及び剤において、析出抑制(溶解安定性の向上又は改善)効果を奏する温度は、眼科組成物の使用温度、例えば、室温又は常温程度(第17改正日本薬局方通則によると、それぞれ1〜30℃、15〜25℃)、比較的低温などであってもよく、特に限定されないが、特に、比較的低温における効果であってもよい。そのため、前記方法及び剤は、低温[例えば、10℃以下、好ましくは5℃以下、0℃以下など]において、析出を抑制(溶解安定性を向上又は改善)する方法及び剤であってもよい。
なお、上記各実施形態における、(A)〜(C)成分の種類及び含有量等、その他の成分の種類及び含有量等、眼科組成物の製剤形態及び用途等については、〔1.眼科組成物〕で説明したとおりである。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではなく、多くの変形が本発明の技術的思想内で当分野において通常の知識を有する者により可能である。
なお、以下の試験例及び処方例において、ナトリウム(イオン)量及び濃度は、原料中のナトリウム(イオン)量に基づいて算出した。下記表に、ナトリウム(イオン)を含む成分とそのナトリウム量又は濃度の算出例を示す。
ナトリウムイオン濃度(mM)=
配合量(w/v%)/分子量×ナトリウム数(分子量あたり)×10000
なお、多糖については、ナトリウムが結合している糖部分の分子量に基づいて算出した。例えば、コンドロイチン硫酸ナトリウムはN−アセチル−D−ガラクトサミンとD−グルクロン酸の二糖を反復構造単位とするポリマーであり、Na濃度の計算は、2糖単位あたりの分子量を503.3として計算を行っている。
試験例1(ナトリウム濃度0mM及び10mMでの析出試験)
下記表2に示す組成の水性眼科組成物(点眼剤)を調製し、次のようにして、析出を評価した。
調製した組成物を、スクリューバイアル(マルエム社製、No.3L)に充填し、4℃及び−2℃の各温度でそれぞれ2日間保管した。析出確認後にスクリューバイアルを、ボルテックスミキサー(アズワン社製、ボルテックスジェニー2)を用いて、最大撹拌スピードで10秒間撹拌し、濁度計(日本電色工業(株)製、NDH−300A)を使用し、JIS K 7105に準拠して濁度を測定した。
結果を下記表2に示す。なお、下記表の水性眼科組成物において、各成分の単位は(w/v%)である(以下、他の表においても同じ)。
また、下記表において、析出改善率は、下記式で表される値である。
試験例1B、1C及び1Dの析出改善率(%)
=(試験例1Aの濁度−各試験例の濁度)/試験例1Aの濁度×100
試験例1Fの析出改善率(%)
=(試験例1Eの濁度−試験例1Fの濁度)/試験例1Eの濁度×100
上記表2の結果から明らかなように、トラニラストにポリビニルピロリドンを添加し、ナトリウムイオン濃度を0mMや10mMというごく低濃度とした場合においても、析出を生じることがわかった。一方、この析出は、塩酸ジフェンヒドラミンを添加した場合には増大するのに対して、マレイン酸クロルフェニラミンやプラノプロフェンを共存させることにより、抑制できることがわかった。
試験例2(マレイン酸クロルフェニラミンが析出に与える影響)
下記表3に示す組成の水性眼科組成物(点眼剤)を調製し、次のようにして、析出を評価した。
調製した組成物を、スクリューバイアル(マルエム社製、No.3L)に充填し、−2℃で2日間保管した。析出確認後、スクリューバイアルを、ボルテックスミキサー(アズワン社製、ボルテックスジェニー2)を用いて最大撹拌スピードで10秒間撹拌し、撹拌後の組成物1.5mLを1.5mLのサンプルチューブ(Eppendorf社製、Neutral micro test tube with cap type)に充填した。
サンプルチューブを1000rpmで10分間遠心分離処理し、蓄積した析出物の高さ(mm)を測定し、下記式で表される析出改善率を算出した。
析出改善率(%)=(Y−X)/Y×100
[式中、Xは各試験例における析出物の高さ、Yは各試験例において成分(C)(この例ではマレイン酸クロルフェニラミン)を添加することなく、各成分濃度を同じにした試験例(ブランク)における析出物の高さを示す。]
結果を下記表3に示す。
上記表3の結果から明らかなように、Naイオンが存在する場合にも析出が生じ、この析出は塩酸ジフェンヒドラミンではさらに増大するが、抗ヒスタミン剤であるマレイン酸クロルフェニラミンを添加することで、析出を抑制できることがわかった。
試験例3(温度が析出に与える影響)
試験例2において、調製した組成物の保管温度を−2℃から4℃に変更したこと以外は、試験例2と同様にして、析出改善率を算出した。
結果を下記表4に示す。
上記表4の結果から明らかなように、4℃においても、マレイン酸クロルフェニラミンを添加することで、析出を抑制できることがわかった。
試験例4(他の成分(C)やナトリウムイオン濃度が析出に与える影響)
試験例2において、下記表5に示す組成の水性眼科組成物(点眼剤)を使用し、保管温度やナトリウムイオン濃度を適宜選択したこと以外は、試験例2と同様にして、析出改善率を算出した。
結果を下記表5に示す。
上記試験例の結果から明らかなように、抗炎症剤であるプラノプロフェン、アミノ酸類であるタウリンを用いた場合でも、析出を抑制できることがわかった。
また、試験例4A〜4Dの結果から、このような析出抑制効果は、幅広いナトリウムイオン濃度において、しかも、試験例4Aの結果から、より低濃度のナトリウムイオン濃度(45mM)においても、得られることがわかった。
試験例5(トロメタモールが析出に与える影響)
下記表6に示す組成の水性眼科組成物(点眼剤)を調製し、次のようにして、析出を評価した。
調製した組成物を、スクリューバイアル(マルエム社製、No.3L)に充填し、室温及び4℃の各温度でそれぞれ1時間静置した。析出確認後にスクリューバイアルを、ボルテックスミキサー(アズワン社製、ボルテックスジェニー2)を用いて、最大撹拌スピードで10秒間撹拌し、濁度計(日本電色工業(株)製、NDH−300A)を使用し、JIS K 7105に準拠して濁度を測定した。
結果を下記表6に示す。
また、下記表において、析出改善率は、下記式で表される値である。
試験例B2の析出改善率(%)
=(試験例B1の濁度−試験例B2の濁度)/試験例B1の濁度×100
上記表6の結果から明らかなように、B成分としてトロメタモールを使用した場合でも、析出を抑制できることがわかった。
なお、このようなトロメタモールの結果は、ナトリウムイオン濃度、トロメタモールの濃度、pHや温度等を変更した場合にも確認できた。
例えば、上記試験例B1及びB2において、それぞれ、塩化ナトリウムの濃度を0.12(w/v%)から0.235(w/v%)にすることで、ナトリウムイオン濃度を40mM(トラニラスト1モルあたり2.6モル)としたこと以外は、同様にして室温における濁度を測定し、マレイン酸クロルフェニラミンを0.03(w/v%)の濃度で添加した場合の析出改善率を算出したところ、75.4%であった。
また、塩化ナトリウムを含有せず、ナトリウムイオン濃度を0mMとした場合も良好な析出改善が見られた。
試験例6(成分(C)を併用した場合の析出に与える影響)
試験例2及び3において、下記表7に示すように、各温度でマレイン酸クロルフェニラミンに加えて、プラノプロフェンを使用したこと以外は、試験例2及び3と同様にして、析出改善率を算出した。
結果を下記表7に示す。なお、比較のため、析出改善率の括弧内には、マレイン酸クロルフェニラミンを単独で用いた場合[試験例5Aでは試験例3Bに、試験例5Bでは試験例2C及び3Cに、試験例5Cでは試験例2D及び3Dに、それぞれ対応]の析出改善率を示す。
上記表の結果から明らかなように、成分(C)を組み合わせる、特に、マレイン酸クロルフェニラミンとプラノプロフェンとを組み合わせることで、より一層、高い析出抑制効果が得られることがわかった。
試験例7(ヒト官能試験)
下記表8に示す組成の水性眼科組成物(点眼剤)を調製し、次のようにして、官能試験を行った。
花粉症を有し、目の症状を発症している5名を対象とした。試験開始日から、1日4回の割合で左目に6A、右目に6Bの点眼剤を点眼し、点眼期間中、各夜に1日を通じた特定の項目につき自覚症状アンケートを行った。すなわち、試験開始3日後に眼痛について、試験開始4日後に痒み及び乾燥感について、5日後に充血について、それぞれ、アンケートを行った。
自覚症状アンケートは100点満点とし、値が大きい方が自覚症状が強いとした。また、値は5人の平均値である。
結果を以下の表に示す。
上記結果から明らかなように、試験例6Bは試験例6Aに比べて、痒み、充血、乾燥感の値が小さいものとなった。また、眼痛の値は同等か又は若干小さいものとなった。
なお、試験例6Aは、トラニラストを含んでおり、元来、痒みや充血などの改善効果を有することが知られている処方である。そのため、試験例6Bの値が、試験例6Aと同等か又はそれよりも小さい値を示したことは、トラニラストとマレイン酸クロルフェニラミンとを組み合わせても、痒みや充血の改善効果等の点で遜色がないか又はそれよりも優れることを意味する。さらに驚くべきことに、乾燥感において優れた効果を示した。
試験例8(ヒト官能試験1)
下記表10に示す組成の水性眼科組成物(点眼剤)を調製し、次のようにして、官能試験を行った。
左右の目に、それぞれ、L−メントールの有無において異なる組成物の組み合わせ(VとP、WとQ、XとR)で点眼を実施し、「べたつき」、「異物感」、「眼が重い」の3項目について、下記の基準で評価(点数化)した。
1点:全くない
2点:少しある
3点:ある
4点:かなりある
5点:非常に強くある
評価の平均値(合計点を評価人数で割った値)について、清涼化剤(メントール)を配合した組成物P〜R、清涼化剤を配合していない組成物V〜Xのうち、PVPを3w/v%配合した組成物(P、V)での評価の平均値を100とした場合のそれぞれの相対値を、水性眼科組成物の組成とともに下記表10に示す。
上記表から明らかなように、メントールのような清涼化剤(テルペノイドなど)とポリビニルピロリドンを含む組成物においては、ポリビニルピロリドンの量が少なくなるにつれ、「べたつき」、「異物感」及び「眼が重い」の傾向が小さくなることがわかった。特に「べたつき」については、ポリビニルピロリドンを低減することで大きく改善できた。一方で、清涼化剤を含まない組成物においては、ポリビニルピロリドンの量を少なくしても、「異物感」と「眼が重い」の傾向は変わらないか逆に大きくなることがわかった。また、「べたつき」の低減の程度も清涼化剤を含む組成物に比べそれほど顕著ではなかった。
試験例9(ヒト官能試験2)
試験例8と同様にして、前記表10のP〜Xの水性眼科組成物(点眼剤)について、「しみ」に関する官能試験を行った。
評価の平均値(合計点を評価人数で割った値)について、それぞれのPVP濃度で清涼化剤を配合していない組成物V〜Xでの平均値を100とした場合の、清涼化剤を配合した組成物P〜Rでの評価を相対値として下記表11に示す。
通常、「しみ」については、清涼化剤を含む組成物の方が強く感じられる。しかし、上記表から明らかなように、トラニラストとマレイン酸クロルフェニラミンを配合した表10のような組成物においては、清涼化剤を含む組成物の「しみ」評価の相対値が、含まない組成物と同程度以下であった。さらに、ポリビニルピロリドンが3w/v%より少ない配合量であると、清涼化剤を含んだ組成物の方が、清涼化剤を含まない組成物よりも「しみ」の傾向が小さくなっていた。
これらの試験例8及び9から、トラニラストとマレイン酸クロルフェニラミンを配合した組成物については、ポリビニルピロリドンが3w/v%より少なくかつ清涼化剤(メントール)を配合した組成物が、「べたつき」、「異物感」、「眼が重い」、「しみ」の官能で大きく優れていることがわかった。
[製剤例]
以下の表に記載の処方に従い、眼科組成物を調製した。なお、下記の表において、各成分の単位は(w/v%)である。
本発明では、点眼剤などとして有用な眼科組成物を提供できる。

Claims (22)

  1. (A)トラニラスト及びその塩からなる群より選択される1種以上、
    (B)ポリビニルピロリドン及びトロメタモールからなる群より選択される1種以上、並びに
    (C)(C1)抗ヒスタミン剤、(C2)抗炎症剤、及び(C3)アミノ酸類からなる群より選択される1種以上の成分を含有し、
    ナトリウムイオン濃度が250mM以下である、眼科組成物。
  2. (A)トラニラスト及びその塩からなる群より選択される1種以上、
    (B)ポリビニルピロリドン及びトロメタモールからなる群より選択される1種以上、並びに
    (C)(C1)抗ヒスタミン剤、(C2)抗炎症剤、及び(C3)アミノ酸類からなる群より選択される1種以上の成分を含有し、
    ナトリウムイオンの割合が、(A)成分1モルに対して25モル以下である、眼科組成物。
  3. (C1)抗ヒスタミン剤が、クロルフェニラミン及びその塩からなる群より選択される1種以上を含み、
    (C2)抗炎症剤が、プラノプロフェン及びその塩からなる群より選択される1種以上を含み、
    (C3)アミノ酸類が、タウリン及びその塩からなる群より選択される1種以上を含む、請求項1又は2記載の眼科組成物。
  4. (C)成分が、クロルフェニラミン及びその塩からなる群より選択される1種以上を少なくとも含む請求項1〜3のいずれかに記載の眼科組成物。
  5. (A)成分を0.01〜10w/v%含有する請求項1〜4のいずれかに記載の眼科組成物。
  6. (B)成分を0.005〜20w/v%含有する請求項1〜5のいずれかに記載の眼科組成物。
  7. (C)成分を0.001〜20w/v%含有する請求項1〜6のいずれかの記載の眼科組成物。
  8. (B)成分1質量部に対する(C)成分の割合が、0.005〜30質量部である請求項1〜7のいずれかに記載の眼科組成物。
  9. pHが5〜9である請求項1〜8のいずれかに記載の組成物。
  10. (C1)抗ヒスタミン剤が、クロルフェニラミン及びその塩からなる群より選択される1種以上を含み、
    (C2)抗炎症剤が、プラノプロフェン及びその塩からなる群より選択される1種以上を含み、
    (C3)アミノ酸類が、タウリン及びその塩からなる群より選択される1種以上を含み、
    (A)成分の割合が0.1〜1w/v%であり、
    (B)成分の割合が0.05〜5w/v%であり、
    (C)成分の割合が0.01〜10w/v%であり、
    ナトリウムイオン濃度が150mM以下であり、
    pHが5.5〜8.5である、請求項1〜9のいずれかに記載の眼科組成物。
  11. (C1)抗ヒスタミン剤が、クロルフェニラミン及びその塩からなる群より選択される1種以上を含み、
    (C2)抗炎症剤が、プラノプロフェン及びその塩からなる群より選択される1種以上を含み、
    (C3)アミノ酸類が、タウリン及びその塩からなる群より選択される1種以上を含み、
    (A)成分の割合が0.1〜1w/v%であり、
    (B)成分の割合が0.05〜5w/v%であり、
    (C)成分の割合が0.01〜10w/v%であり、
    ナトリウムイオンの割合が、(A)成分1モルに対して10モル以下であり、
    pHが5.5〜8.5である、請求項1〜9のいずれかに記載の眼科組成物。
  12. (C)成分が、クロルフェニラミン及びその塩からなる群より選択される1種以上と、プラノプロフェン及びその塩からなる群より選択される1種以上とを含む請求項1〜11のいずれかに記載の眼科組成物。
  13. (B)成分がトロメタモールを含む請求項1〜12のいずれかに記載の眼科組成物。
  14. ナトリウムイオン濃度が40mM以下である請求項1〜13のいずれかに記載の眼科組成物。
  15. ナトリウムイオン濃度が20mM以下である請求項1〜14のいずれかに記載の眼科組成物。
  16. ナトリウムイオン濃度が10mM以下である請求項1〜15のいずれかに記載の眼科組成物。
  17. さらに、(D)清涼化剤を含有する眼科組成物であって、(B)成分がポリビニルピロリドンを含み、(D)成分がテルペノイドを含み、(B)成分の割合が3w/v%未満である請求項1〜16のいずれかに記載の眼科組成物。
  18. (B)成分の割合が2w/v%以下である請求項17に記載の眼科組成物。
  19. (D)成分がメントールを含み、(B)成分の割合が1.5w/v%以下である請求項17又は18に記載の眼科組成物。
  20. (C)成分が、クロルフェニラミン及びその塩からなる群より選択される1種以上を含む請求項13〜19のいずれかに記載の眼科組成物。
  21. (A)トラニラスト及びその塩からなる群より選択される1種以上を含有する眼科組成物における析出を抑制する方法であって、眼科組成物に、
    (B)ポリビニルピロリドン及びトロメタモールからなる群より選択される1種以上、並びに
    (C)(C1)抗ヒスタミン剤、(C2)抗炎症剤、及び(C3)アミノ酸類からなる群より選択される1種以上の成分を含有させ、かつ眼科組成物のナトリウムイオン濃度を250mM以下とするか又はナトリウムイオンの割合を(A)成分1モルに対して25モル以下とする、方法。
  22. 5℃以下での析出を抑制する請求項21記載の方法。
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