JP7191524B2 - 眼科組成物 - Google Patents
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Description
一方、トラニラストは、アレルギーに起因する疾患治療などに有効であることが知られており、眼科組成物における使用例も報告されている。そして、このようなトラニラストを含む眼科組成物において、効能の改善や新たな機能の探索などを目的として、トラニラストと他の成分とを組み合わせる技術も開発されつつある。
例えば、特開2014-234368号公報(特許文献1)には、トラニラストと、特定の成分(抗炎症剤、水溶性ビタミン、清涼化剤)とを含む点眼剤が、角膜上皮バリア機能の亢進に有効であることが記載されている。
しかし、これらの成分については、単独又は特定の他の成分と組み合わされて使用できる例が報告されているだけで、これらの成分を具体的に組み合わせた例についての報告はない。
[1]
(A)トラニラスト及びその塩からなる群より選択される1種以上、
(B)クロルフェニラミン及びその塩からなる群より選択される1種以上、並びに
(C)プラノプロフェン及びその塩からなる群より選択される1種以上を含有し、
成分(A)100質量部に対する、成分(B)の割合が1~8質量部、成分(C)の割合が5~25質量部である、眼科組成物。
[2]
(A)トラニラスト及びその塩からなる群より選択される1種以上、
(B)クロルフェニラミン及びその塩からなる群より選択される1種以上、並びに
(C)プラノプロフェン及びその塩からなる群より選択される1種以上を含有する組成物であって、
(A)成分を0.3~0.7w/v%、(B)成分を0.007~0.04w/v%、(C)成分を0.03~0.15w/v%の割合で含有する、眼科組成物。
[3]
(A)成分と(B)成分と(C)成分との割合が、下記のいずれかを充足する[1]又は[2]記載の眼科組成物。
(A)成分/(B)成分/(C)成分(質量比)=100/5~7/8~12
(A)成分/(B)成分/(C)成分(質量比)=100/5~7/18~22
(A)成分/(B)成分/(C)成分(質量比)=100/1~3/8~12
(A)成分/(B)成分/(C)成分(質量比)=100/1~3/18~22
[4]
(A)~(C)成分の割合が、下記のいずれかを充足する[1]~[3]のいずれかに記載の眼科組成物。
成分(A)が0.4~0.6w/v%、成分(B)が0.02~0.04w/v%、成分(C)が0.04~0.06w/v%である割合
成分(A)が0.4~0.6w/v%、成分(B)が0.02~0.04w/v%、成分(C)が0.08~0.12w/v%である割合
成分(A)が0.4~0.6w/v%、成分(B)が0.013~0.017w/v%、成分(C)が0.04~0.06w/v%である割合
成分(A)が0.4~0.6w/v%、成分(B)が0.013~0.017w/v%、成分(C)が0.08~0.12w/v%である割合
成分(A)が0.4~0.6w/v%、成分(B)が0.008~0.012w/v%、成分(C)が0.04~0.06w/v%である割合
成分(A)が0.4~0.6w/v%、成分(B)が0.008~0.012w/v%、成分(C)が0.08~0.12w/v%である割合
[5]
ポリビニルピロリドン、モノエタノールアミン及びトロメタモールから選択される少なくとも1種以上を含む[1]~[4]のいずれかに記載の眼科組成物。
[6]
モノエタノールアミン及びトロメタモールから選択される少なくとも1種以上を含む[1]~[5]のいずれかに記載の眼科組成物。
[7]
ナトリウムイオン濃度が250mM以下であるか又はナトリウムイオンの割合が(A)成分1モルに対して25モル以下である、[1]~[6]のいずれかに記載の眼科組成物。
[8]
ナトリウムイオン濃度が20mM以下であるか又はナトリウムイオンの割合が(A)成分1モルに対して20モル以下である、[1]~[7]のいずれかに記載の眼科組成物。
[9]
アレルギー症状の緩和、改善、抑制、及び/又は治療用である[1]~[8]のいずれかに記載の眼科組成物。
[10]
目の痒み、充血、涙目、異物感及び目やにから選択された少なくとも1種の症状の緩和、改善、抑制、及び/又は治療用である[1]~[9]のいずれかに記載の眼科組成物。
[11]
[1]に記載の(A)成分、(B)成分及び(C)成分から選択された1又は2成分を含む眼科組成物に、残りの1又は2成分を含有させ、前記眼科組成物における、(1)保存効力、(2)光安定性及び(3)酸素ストレス耐性から選択された少なくとも1つを、向上、改善、付与及び/又は発現する方法。
[12]
[1]に記載の(A)成分、(B)成分及び(C)成分から選択された1又は2成分を含む眼科組成物における、(1)保存効力、(2)光安定性及び(3)酸素ストレス耐性から選択された少なくとも1つを、向上、改善、付与及び/又は発現するための剤であって、残りの1又は2成分を含む剤。
このような眼科組成物は、特定の成分(A)、(B)及び(C)を含んでおり、例えば、これらの成分が単独で又は2種組み合わせられた場合に比べて、特定の機能(例えば、保存効力、安定性など)を向上又は改善するなどの効果を奏することもできる。
例えば、本発明の他の態様では、酸素ストレス(低酸化ストレス)耐性を有する(又は低酸素ストレス耐性を損なわない)眼科組成物を得ることもできる。酸素ストレスは、細胞障害や種々の疾患・症状(ドライアイ、白内障など)との関連性が指摘されており、低酸素ストレス耐性を有する又は損なわない眼科組成物を提供できることは有用である。
本発明の眼科組成物は、(A)トラニラスト及び/又はその塩、(B)クロルフェニラミン及び/又はその塩、並びに(C)プラノプロフェン及び/又はその塩からなる群より選択される1種以上を少なくとも含有する。
トラニラストの塩としては、薬学的又は生理学的に許容される塩であればよく、例えば、有機酸塩[例えば、モノカルボン酸塩(酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、酪酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩等)、多価カルボン酸塩(フマル酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、マロン酸塩等)、オキシカルボン酸塩(乳酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩等)、有機スルホン酸塩(メタンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、トシル酸塩等)]、無機酸塩(例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩)、有機塩基との塩(例えば、メチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、ピペラジン、ピロリジン、トリピリジン、ピコリン等の有機アミンとの塩)、無機塩基との塩[例えば、アンモニウム塩;アルカリ金属(ナトリウム、カリウム等)、アルカリ土類金属(カルシウム、マグネシウム等)、アルミニウム等の金属との塩]等が挙げられる。
クロルフェニラミンの塩としては、薬学的又は生理学的に許容される塩であればよく、例えば、有機酸塩(例えば、マレイン酸塩、フマル酸塩など)、無機酸塩(例えば、塩酸塩、硫酸塩など)、金属塩などの(A)成分の項で例示の塩などが挙げられる。
プラノプロフェンの塩としては、薬学的又は生理学的に許容される塩であればよく、無機酸との塩、有機酸との塩、無機塩基との塩、有機塩基との塩などの前記(A)成分の項で例示の塩などが挙げられ、例えば、硫酸塩、乳酸塩、塩酸塩、塩化物塩、ナトリウム塩、カリウム塩などが挙げられる。
好ましいプラノプロフェン及び/又はその塩は、プラノプロフェン及びその非金属塩(非ナトリウム塩など)であり、特にプラノプロフェンが好ましい。
(B)成分の割合は、(A)成分100質量部に対して、例えば、0.1~500質量部(例えば、0.3~100質量部)、好ましくは0.4~50質量部(例えば、0.5~30質量部)、さらに好ましくは0.7~20質量部(例えば、0.8~10質量部)、特に好ましくは1~8質量部(例えば、1.2~7.5質量部)であってもよく、中でも1.5~7質量部(例えば、2~6質量部)が好ましく、具体的には、1~3質量部(例えば、1.5~2.5質量部、特に2質量部)、2~4質量部(例えば、2.5~3.5質量部、特に3質量部)、5~7質量部(例えば、5.5~6.5質量部、特に6質量部)などであってもよい。
本発明の組成物は、(A)~(C)成分の他に、さらに他の成分を含有していてもよい。本発明では、他の成分を含有させても、本発明の効果を担保できる場合が多い。また、他の成分を含有することで、さらに本発明の効果をより有効に実現できる場合もある。
(A)成分は、通常、水に難溶性である。そのため、本発明の組成物は、(A)成分の溶解を促進又は補助するための成分((D)成分)を含んでいてもよい。このような成分(D)は、溶解補助剤や可溶化剤ということもできる。
本発明の組成物は、アミノ酸類((E)成分などということがある)を含んでいてもよい。
アミノ酸としては、例えば、アミノ酸又はその塩、及びアミノ酸類似体を包含し、分子内にアミノ基とカルボキシル基又はスルホン基を有する化合物又はその誘導体などが含まれる。
このようなコンドロイチン硫酸は、どのような構造を有するものであってもよい。例えば、コンドロイチン4硫酸(コンドロイチン硫酸A)、コンドロイチン6硫酸(コンドロイチン硫酸C)、N-アセチルグルコサミンの4位及び6位が硫酸化されたコンドロイチン硫酸Eなどが挙げられる。また、コンドロイチン硫酸は、動物から抽出されたものであってもよい。
このようなアミノ酸類(タウリンなど)を使用することでダメージを受けた角膜上皮細胞の治癒促進作用などが期待できる。
本発明の組成物は、清涼化剤(以下、(F)清涼化剤、(F)成分などということがある)を含んでいてもよい。
(A)成分、(B)成分及び(C)成分を組み合わせることで、使用感が低下する又は損なわれる場合があるが、清涼化剤によりこのような使用感を向上又は改善しうる。例えば、(A)成分(トラニラスト)の溶解等の観点で組成物のpHを高めることが有利な場合がある一方で、組成物のpHが高いほど、不快感が強くなり、使用感が損なわれることがあるが、清涼化剤の使用により、このような不快感を和らげ、使用感を効率良く向上しうる。
また、本発明の効果をより顕著に奏する観点等から、ユーカリ油も好ましい。
メントールの割合は、(A)成分1質量部に対して、0.0001質量部以上(例えば、0.0003~0.5質量部)、好ましくは0.0005~0.1質量部(例えば、0.0007~0.08質量部)、さらに好ましくは0.001~0.05質量部(例えば、0.002~0.04質量部)程度であってもよい。
メントールの割合は、(C)成分1質量部に対して、0.0001質量部以上(例えば、0.0005~2質量部)、好ましくは0.001~1質量部(例えば、0.003~0.7質量部)、さらに好ましくは0.005~0.5質量部(例えば、0.01~0.4質量部)程度であってもよい。
ボルネオールの割合は、(A)成分1質量部に対して、0.0001質量部以上(例えば、0.0003~3質量部)、好ましくは0.0005~2質量部(例えば、0.0007~1.5質量部)、さらに好ましくは0.001~1.2質量部(例えば、0.002~1質量部)程度であってもよい。
ボルネオールの割合は、(C)成分1質量部に対して、0.0001質量部以上(例えば、0.0005~30質量部)、好ましくは0.001~20質量部(例えば、0.003~15質量部)、さらに好ましくは0.005~12質量部(例えば、0.01~10質量部)程度であってもよい。
ユーカリ油の割合は、(A)成分1質量部に対して、0.0001質量部以上(例えば、0.0003~0.3質量部)、好ましくは0.0005~0.05質量部(例えば、0.0007~0.04質量部)、さらに好ましくは0.001~0.03質量部(例えば、0.002~0.02質量部)程度であってもよい。
ユーカリ油の割合は、(C)成分1質量部に対して、0.0001質量部以上(例えば、0.0005~1質量部)、好ましくは0.001~0.5質量部(例えば、0.003~0.3質量部)、さらに好ましくは0.005~0.3質量部(例えば、0.01~0.2質量部)程度であってもよい。
本発明の組成物は、脂溶性抗酸化剤(以下、(G)脂溶性抗酸化剤、(G)成分などということがある)を含んでいてもよい。
本発明の組成物は、抗アレルギー剤(以下、(H)抗アレルギー剤、(H)成分などということがある)を含んでいてもよい。
本発明の組成物は、抗ヒスタミン剤(以下、(I)抗ヒスタミン剤、(I)成分などということがある)を含んでいてもよい。
抗ヒスタミン剤(クロルフェニラミン及び/又はその塩以外の抗ヒスタミン剤)としては、抗ヒスタミン作用を有する物質であれば、特に制限されず、例えば、ジフェンヒドラミン、エピナスチン、ケトチフェン、オロパタジン、レボカバスチン、イプロヘプチン及びそれらの塩が挙げられる。
本発明の組成物は、抗炎症剤(以下、(J)抗炎症剤、(J)成分などということがある)を含んでいてもよい。
抗炎症剤(プラノプロフェン及び/又はその塩以外の抗炎症剤)としては、抗炎症作用を有する物質であれば、特に制限されず、例えば、インドメタシン、アラントイン、ベルベリン、アズレンスルホン酸、ジクロフェナク、ブロムフェナク、グリチルリチン酸、亜鉛、銀、トラネキサム酸、リゾチーム及びそれらの塩などが挙げられる。
なお、本発明の眼科組成物は、グリチルリチン酸及びその塩を実質的に含んでいなくてもよい。
本発明の組成物は、界面活性剤を含んでいてもよい。界面活性剤としては、例えば、非オン界面活性剤などが挙げられる。
なお、本発明の組成物は、POE硬化ヒマシ油又はPOEヒマシ油を実質的に含んでいなくてもよい。
本発明の組成物は、防腐剤を含んでいてもよい。
防腐剤としては、例えば、塩化ポリドロニウム、アルキルポリアミノエチルグリシン類(例えば、塩酸アルキルジアミノエチルグリシンなど)、安息香酸ナトリウム、エタノール、第四級アンモニウム塩(例えば、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウムなど)、グルコン酸クロルヘキシジン、クロロブタノール、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸エステル(例えば、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチルなど)、硫酸オキシキノリン、フェネチルアルコール、ベンジルアルコール、ビグアニド化合物(例えば、塩酸ポリヘキサニドなど)、及びグローキル(ローディア社製)などが挙げられる。
本発明の組成物は、緩衝剤を含んでいてもよい。
緩衝剤としては、例えば、ホウ酸緩衝剤、リン酸緩衝剤、炭酸緩衝剤、クエン酸緩衝剤、酢酸緩衝剤等が挙げられる。
pH調節剤としては、例えば、塩酸、硫酸、ポリリン酸、有機酸(プロピオン酸、シュウ酸、グルコン酸、フマル酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸など)、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン、ジイソプロパノールアミンなどが挙げられる。
pH調整剤は、単独で又は2種以上組み合わせて使用してもよい。
等張化剤としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、グリセリン、及びプロピレングリコールなどが挙げられる。
等張化剤は、単独で又は2種以上組み合わせて使用してもよい。
本発明の眼科組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、増粘剤ないしは粘稠化剤を含むことができる。
増粘剤又は粘稠化剤は、単独で又は2種以上組み合わせて使用してもよい。
安定化剤としては、例えば、トロメタモール、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート(ロンガリット)、モノエタノールアミン、モノステアリン酸アルミニウム、及びモノステアリン酸グリセリンなどが挙げられる。
安定化剤は、単独で又は2種以上組み合わせて使用してもよい。
油分としては、スクワラン、精製ラノリンのような動物油、流動パラフィン、白色ワセリンのような鉱物油、ヒマシ油、ゴマ油のような植物油などが挙げられる。
油分は、単独で又は2種以上組み合わせて使用してもよい。
なお、本発明の眼科組成物は、ワセリン(白色ワセリンなど)を実質的に含んでいなくてもよい。
また、本発明の眼科組成物は、ヒマシ油、ゴマ油などを実質的に含有しなくてもよい。
例えば、本発明の眼科組成物は、(1)ポリオキシエチレンヒマシ油及びゴマ油を組み合わせて含む組成物を除外した組成物であってもよく、(2)ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油及びゴマ油を組み合せて含む組成物を除外した組成物であってもよい。
糖類としては、単糖類、二糖類、具体的には、グルコース、マルトース、トレハロース、スクロース、シクロデキストリン、キシリトール、ソルビトール、マンニトールなどが挙げられる。
糖類は、単独で又は2種以上組み合わせて使用してもよい。
多価アルコールとしては、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、キシリトール、ジエチレングリコール、マンニトール、ソルビトール、ポリビニルアルコール等が挙げられる。
多価アルコールは、単独で又は2種以上組み合わせて使用してもよい。
無機塩類としては、例えば、塩化カリウム、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム(乾燥炭酸ナトリウムを含む)、炭酸水素カリウム、炭酸カリウム、硫酸マグネシウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウムなどが挙げられる。
中でも、塩化カリウム、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム(乾燥炭酸ナトリウムを含む)、硫酸マグネシウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウムが好ましく、塩化カリウム、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウムがより好ましく、塩化カリウム、塩化ナトリウムがさらに好ましい。
無機塩類は、単独で又は2種以上組み合わせて使用してもよい。
水溶性の抗酸化剤としては、例えば、アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体(アスコルビン酸-2-硫酸2ナトリウム、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸-2-リン酸マグネシウム、アスコルビン酸-2-リン酸ナトリウムなど)、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、エデト酸又はその塩(エデト酸二ナトリウム、エデト酸四ナトリウムなど)などが挙げられる。
水溶性抗酸化剤は、単独で又は2種以上組み合わせて使用してもよい。
充血除去剤としては、例えば、α-アドレナリン作動薬、具体的にはオキシメタゾリン、テトラヒドロゾリン、ナファゾリン、又はそれらの塩酸塩、硝酸塩などの塩等のイミダゾリン系充血除去剤、エピネフリン、塩酸エピネフリン、塩酸エフェドリン、塩酸フェニレフリン、塩酸メチルエフェドリン、酒石酸水素エピネフリンなどが挙げられる。これらはd体、l体又はdl体のいずれでもよい。
眼筋調節剤としては、例えば、アセチルコリンと類似した活性中心を有するコリンエステラーゼ阻害剤、具体的にはメチル硫酸ネオスチグミン、トロピカミド、ヘレニエン、及び硫酸アトロピンなどが挙げられる。
ビタミン類としては、例えば、フラビンアデニンジヌクレオチド又はその塩(例えば、フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム)、コバラミン又はその塩(例えば、シアノコバラミン、メチルコバラミン)、レチノール、その塩又はその誘導体(例えば、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール)、ピリドキシン又はその塩(例えば、塩酸ピリドキシン)、パンテノール、パントテン酸又はその塩(例えば、パントテン酸ナトリウム、パントテン酸カリウム、パントテン酸カルシウム、パントテン酸マグネシウム)、トコフェロール、その塩又はその誘導体(例えば、酢酸トコフェロール、コハク酸トコフェロール、ニコチン酸トコフェロール)、ピリドキサール又はその塩(例えば、リン酸ピリドキサール)、アスコルビン酸又はその塩(例えばアスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カルシウム)などが挙げられる。
なお、本発明の組成物は、ピリドキシン及びその塩を含んでいなくてもよい。
抗菌剤又は殺菌剤としては、例えば、スルファメトキサゾール、スルフイソキサゾール、スルファメトキサゾールナトリウム、スルフイソキサゾールジエタノールアミン、スルフイソキサゾールモノエタノールアミン、スルフイソメゾールナトリウム、スルフイソミジンナトリウムのようなサルファ剤、アルキルポリアミノエチルグリシン、クロラムフェニコール、オフロキサシン、ノルフロキサシン、レボフロキサシン、及び塩酸ロメフロキサシンなどが挙げられる。
局所麻酔薬成分としては、例えば、塩酸プロカイン、塩酸リドカインなどが挙げられる。
無痛化剤としては、例えば、塩酸プロカインなどが挙げられる。
サルファ剤としては、例えば、スルファメトキサゾール、スルファメトキサゾールナトリウム、スルフイソキサゾール、スルフイソミジンナトリウム等が挙げられる。
本発明の組成物は、基剤又は担体を含んでいてもよい。
このような基剤又は担体を含む組成物は、例えば、上記各成分を、薬学的に許容される基剤又は担体と混合することにより、例えば、第17改正日本薬局方解説書に記載の慣用の方法で調製できる。
本発明の組成物の性状は、特に限定されず、例えば、液体状、流動状、ゲル状、又は半固形状などの何れの性状であってもよい。また、用時調製により、液体状、流動状、ゲル状、又は半固形状になったものも含まれる。半固形状は、例えば、軟膏剤のように、力を加えることにより変形させ得る塑性を有する性状をいう。
本発明の組成物は、ナトリウムイオン(又はナトリウム)量が特定の範囲にあってもよい。このようなナトリウムイオン量と、前記特定の成分とを組み合わせることで、析出抑制効果や溶解安定性などの点でより有利にできる場合がある。
また、ナトリウム(イオン)量又は濃度は、組成物における量又は濃度を測定(直接的に測定)して得てもよく、組成物を構成する成分(原料)中のナトリウム(イオン)量又は濃度から組成物における量又は濃度を算出(間接的に測定)することにより得てもよい。なお、組成物又は原料中のナトリウム(イオン)量又は濃度は、慣用の方法又は装置(例えば、イオンクロマトグラフィー法など)で測定してもよい。
本発明の組成物のpHは、3以上(例えば、4以上)が好ましく、5以上(例えば、5.5以上)がより好ましく、6以上がさらに好ましい。また、10以下が好ましく、9以下がより好ましく、8.5以下がさらにより好ましい。
本発明では、上記のようなpHにおいても、本発明の効果を効率よく実現できる。
本発明の組成物の浸透圧比は、例えば、0.4以上が好ましく、0.5以上がより好ましく、0.6以上がさらにより好ましい。また、5以下が好ましく、3以下がより好ましく、2以下がさらにより好ましい。
本発明の組成物の剤型(剤形、形状、構造)は特に限定されず、例えば、点眼剤(点眼液又は点眼薬ともいう。また、点眼剤にはコンタクトレンズ装用中に点眼可能な点眼剤を含む)、洗眼剤、眼軟膏(水溶性眼軟膏、油溶性眼軟膏)、コンタクトレンズ装着液、眼内注射剤(例えば、硝子体内注射剤)、コンタクトレンズ用液(洗浄液、保存液、消毒液、マルチパーパスソリューション、パッケージソリューション)、移植用の角膜等の摘出眼組織の保存剤、手術時潅流液などが挙げられる。点眼剤、洗眼剤、眼軟膏には、コンタクトレンズ装着時に使用するものも含まれる。
本発明の組成物は、容器に収容(充填、注入、封入)されていてもよい。
容器は、組成物(製剤)と接触する部分(面)を有する包装体であればよく、例えば、組成物(例えば、液状の組成物)を収容する容器本体部分、容器の抽出口を含む部分(ノズル、中栓)、吸い上げチューブ、キャップなどで構成されていてもよい。
本発明の組成物の対象疾患(用途)は、眼科用である限り、特に限定されるものではないが、例えば、アレルギー症状、目の痒み、充血、異物感(コロコロする感じ等)、角膜ダメージ、角膜損傷、涙目(流涙症)、眼瞼結膜の濾胞、眼脂(目やに)などの緩和、改善、抑制、又は治療や、角膜バリア機能の亢進、正常化、角膜保護などに有用である。
本発明の組成物の使用方法(使用態様)は、その性状などに応じて適宜選択できる。
本実施形態に係る眼科組成物は、眼科組成物における、保存効力(保存安定性)を向上又は改善できる(又は付与できる、発現できる)という効果を奏する。
したがって、本発明の一実施形態として、(A)成分、(B)成分及び(C)成分から選択された1又は2成分を含む眼科組成物に、残りの1又は2成分を含有させる(例えば、(A)成分を含有する眼科組成物に、(B)成分及び(C)成分を含有させる)ことを含む、眼科組成物における保存効力(保存安定性)を向上又は改善する方法(付与又は発現する方法)が提供される。
また、本発明の一実施形態として、(A)成分、(B)成分及び(C)成分から選択された1又は2成分を含む眼科組成物における保存効力を向上又は改善(付与又は発現)するための剤(防腐剤)であって、残りの1又は2成分を含む剤が提供される。
なお、これらの方法及び剤において、保存効力を発揮する微生物、菌、カビなどは、特に限定されず、例えば、黄色ブドウ球菌、大腸菌、緑膿菌、カンジダ菌、アスペルギルスなどが挙げられる。
本実施形態に係る眼科組成物は、眼科組成物における、安定性(例えば、熱安定性及び/又は光安定性、特に、少なくとも光安定性)を向上又は改善(付与又は発現)できるという効果を奏する。
したがって、本発明の一実施形態として、(A)成分、(B)成分及び(C)成分から選択された1又は2成分を含む眼科組成物に、残りの1又は2成分を含有させる(例えば、(A)成分を含有する眼科組成物に、(B)成分及び(C)成分を含有させる)ことを含む、眼科組成物における安定性を向上又は改善(付与又は発現)する方法が提供される。
また、本発明の一実施形態として、(A)成分、(B)成分及び(C)成分から選択された1又は2成分を含む眼科組成物における安定性を向上又は改善(付与又は発現)するための剤(光安定剤、熱安定剤、熱及び光安定剤)であって、残りの1又は2成分を含む剤が提供される。
本実施形態に係る眼科組成物は、眼科組成物における、酸素(低酸素)ストレス耐性を向上又は改善(付与又は発現)できるという効果を奏する。
したがって、本発明の一実施形態として、(A)成分、(B)成分及び(C)成分から選択された1又は2成分を含む眼科組成物に、残りの1又は2成分を含有させる(例えば、(A)成分を含有する眼科組成物に、(B)成分及び(C)成分を含有させる)ことを含む、眼科組成物における酸素(低酸素)ストレス耐性を向上又は改善(付与又は発現)する方法が提供される。
また、本発明の一実施形態として、(A)成分、(B)成分及び(C)成分から選択された1又は2成分を含む眼科組成物における酸素(低酸素)ストレス耐性を向上又は改善(付与又は発現)するための剤(酸素ストレス耐性向上剤)であって、残りの1又は2成分を含む剤が提供される。
本実施形態に係る眼科組成物は、眼科組成物における、析出(白濁)を抑制できる(又は溶解安定性を向上又は改善できる)という効果を奏する。
したがって、本発明の一実施形態として、(A)成分、(B)成分及び(C)成分から選択された1又は2成分を含む眼科組成物に、残りの1又は2成分を含有させる(例えば、(A)成分を含有する眼科組成物に、(B)成分及び(C)成分を含有させる)ことを含む、眼科組成物における析出(白濁)を抑制する方法(溶解安定性を改善又は向上させる方法)が提供される。
この方法では、さらに、眼科組成物のナトリウムイオン濃度を前記濃度(例えば、250mM以下)としたり、溶解補助剤(例えば、ポリビニルピロリドン)を含有させてもよい。
また、本発明の一実施形態として、(A)成分、(B)成分及び(C)成分から選択された1又は2成分を含む眼科組成物における析出(白濁)を抑制するための剤(又は溶解安定性を向上又は改善するための剤)であって、残りの1又は2成分を含む剤が提供される。この剤は、さらに、溶解補助剤(ポリビニルピロリドンなど)を含んでいてもよい。
なお、これらの方法及び剤において、析出抑制(溶解安定性の向上又は改善)効果を奏する温度は、特に限定されないが、特に、比較的低温における効果であってもよい。そのため、前記方法及び剤は、低温(例えば、10℃以下、好ましくは5℃以下、0℃以下など)において、析出を抑制(溶解安定性を向上又は改善)する方法及び剤であってもよい。
配合量(w/v%)/分子量×ナトリウム数(分子量あたり)×10000
下記表2に示す組成の水性眼科組成物(点眼剤)を常法により調製し、次のようにして、保存効力を評価した。
試料を5日間、遮光下23℃で保存した。5日後に菌を含む試料を計数に適切な濃度となるよう調製し、ソイビーン・カゼイン・ダイジェスト寒天培地(SCD寒天培地)上に播種し、33℃にて一晩培養後、観察されたコロニー数をカウントする事により、生菌数を求めた。
求めた生菌数から、以下の値(Log Reduction Value LRV、対数減少値)を算出し、保存効力の指標とした。
対数減少値=log(浮遊液の生菌数/100)-log(5日後の生菌数)
下記表3に示す組成の水性眼科組成物(点眼剤)を常法により調製し、試験例1において、保存期間を5日から1週間に代えたこと以外は、試験例1と同様にして保存効力を評価した。
下記表4に示す組成の水性眼科組成物(点眼剤)を常法により調製し、試験例2(保存期間1週間)において、保存前に加熱処理(熱エージング)したこと以外は、試験例2と同様にして保存効力を評価した。
なお、加熱処理は、調製した水性眼科組成物を13mL容量PET容器に13mL充填してプラスチックフィルム包装を行い、遮光条件で60℃、7日間保管することで行った。
下記表5に示す組成の水性眼科組成物(点眼剤)を常法により調製し、試験例2(保存期間1週間)と同様にして対数減少値Aを得た。
一方、同じ組成の水性眼科組成物を用い、試験例2(保存期間1週間)において、保存前に、試験例3と同様の加熱処理をしたこと以外は、試験例2と同様にして対数減少値Bを得た。
これらの結果から、対数減少値の差(A-B)を算出し、熱エージングによる保存効力の低下の程度を評価した。
下記表6に示す組成の水性眼科組成物(点眼剤)を常法により調製し、試験例2(保存期間1週間)において、保存前に曝光したこと以外は、試験例2と同様にして保存効力を評価した。
なお、曝光は、調製した水性眼科組成物を13mL容量PET容器に13mL充填した後、光安定性試験装置(「LT-120A-WCD型」、ナガノ科学株式会社製)を用いて、白色ランプを光原として、室温の下、4500lx/hrの光を時間連続照射し、水性眼科組成物に対して積算照射量10万lx・hrとなるまで行った。
下記表7に示す組成の水性眼科組成物(点眼剤)を常法により調製し、試験例2(保存期間1週間)において、黄色ブドウ球菌にかえて大腸菌(Escherichia coli(ATCC 8739))を使用したこと以外は、試験例2と同様にして保存効力を評価した。
下記表8に示す組成の水性眼科組成物(点眼剤)を常法により調製し、次のようにして、光安定性を評価した。
調製した水性眼科組成物を13mL容量PET容器に13mL充填した。光安定性試験装置(「LT-120A-WCD型」、ナガノ科学株式会社製)を用いて、白色ランプを光原として、室温の下、4500lx/hrの光を時間連続照射し、水性眼科組成物に対して積算照射量90万lx・hrの光を曝光した。曝光後、ヘーズメーター(「NDH-300A」、日本電色社製)を用いて水性眼科組成物における濁度を測定した。
試験例7-1において、濁度に大きな差が見られた組成7Aと7Dにつき、積算照射量90万lx・hr曝光後におけるマレイン酸クロルフェニラミンの量(残存量)をHPLC(高速液体クロマトグラフィー)にて測定した。
分解抑制率(%)=[1-組成7Aの分解率(%)/組成7Dの分解率(%)]×100
下記表9に示す組成の組成物を培養培地(DMEM/F12、Gibco社)に溶解し調製した。なお、トラニラストはジメチルスルホキシド(和光純薬株式会社)に溶解した後、培養培地に溶解した。また、トラニラストを含有しない組成物にはトラニラスト溶解時と同量のジメチルスルホキシドを添加した。
ヒト不死化角膜上皮細胞(HCE-T)を、6 well plate(コーニング社)に1.6×105細胞/ウェルで播種し、37度、5%CO2、湿度90%の条件で72時間培養した。
表9の組成に従い、マレイン酸クロルフェニラミン単独又はプラノプロフェンとマレイン酸クロルフェニラミンの組み合わせ、並びにプラノプロフェンとマレイン酸クロルフェニラミンとトラニラストの各成分を組み合わせた薬剤を細胞に添加した後、アネロパック・ケンキ(三菱ガス化学株式会社)を使用し、嫌気条件で、37度、18時間培養した。そして、抗酸化遺伝子として知られるhGPX1のmRNA発現量を、Quant Sutudio 7 Real-Time PCR System(アプライドバイオシステムズ社)を用いて、定量的リアルタイムPCR法により定量した。
図1の結果から明らかなように、プラノプロフェンとマレイン酸クロルフェニラミンとトラニラストの3種の組み合わせ(試験例8C)では、マレイン酸クロルフェニラミン単独(試験例8A)及びプラノプロフェンとマレイン酸クロルフェニラミンの2種の組み合わせ(試験例8B)よりも、hGPX1の有意な発現増加を示した(*p<0.05、t検定による)。また、3成分の割合を変更しても、同様のhGPX1の発現効果を示した(試験例8D)。3成分の組み合わせによる処方が、1種及び2種の組み合わせの処方と比較し、抗酸化遺伝子の発現増強に対し格別に顕著な効果を有することが明らかとなった。
下記表10に示す組成の水性眼科組成物(点眼剤)を調製し、次のようにして、官能試験を行った。
自覚症状アンケートは100点満点とし、値が大きい方が自覚症状が強いとした。また、値は5人の平均値である。
下記表12に示す組成の水性眼科組成物(点眼剤)を調製し、次のようにして、析出を評価した。
なお、下記表において、析出改善率は、下記式で表される値である。
(試験例10Aの濁度-各試験例の濁度)/試験例10Aの濁度×100
特に、上記の試験例では、マレイン酸クロルフェニラミンやプラノプロフェンといった成分も含んでいるが、このような成分を含んでいても、析出や濁りといった製剤の安定性が損なわれることはなく、むしろ3成分を組み合わせることで析出や濁りを抑制することができた。
下記表13に示す組成の水性眼科組成物(点眼剤)を調製し、次のようにして、析出を評価した。
サンプルチューブを1000rpmで10分間遠心分離処理し、蓄積した析出物の高さ(mm)を測定し、下記式で表される析出改善率を算出した。
[式中、Xは各試験例における析出物の高さ、Yは各試験例においてマレイン酸クロルフェニラミン及びプラノプロフェンを添加することなく、各成分濃度を同じにした試験例(ブランク)における析出物の高さを示す。]
下記表14に示す組成の水性眼科組成物(点眼剤)を調製し、試験例11と同様にして析出を評価した。
下記表15に示す組成の水性眼科組成物(点眼剤)を調製し、次のようにして、臨床試験を行った。
3(高度) :20個以上
2(中等度):10~19個
1(軽度) :1~9個
0(なし) :所見なし
これに対し、トラニラストを5mg/mLの濃度で含む水性点眼液、クロモグリク酸ナトリウムを20mg/Lの濃度で含む水性点眼液についての中等度改善以上の改善率について、それぞれ、「25.7%」「12.5%」であったとする報告がある(臨床医薬9巻3号(3月)1993年、669~683頁)。また、塩酸レボガバスチンを0.25mg/mLの濃度で含む点眼液についての中等度改善以上の改善率は投与2週間で「13%」又は「15.9%」であったとする報告がある(あたらしい眼科12(2):317~332、333~350、1995)。さらに、0.05%エピナスチン塩酸塩を含む水性点眼液についての眼瞼結膜の濾胞のスコアの変化量の平均は投与2週間「-0.2程度」であったとする報告がある(あたらしい眼科31(1)97~104、2014)。
以下の表に記載の処方に従い、眼科組成物を調製した。なお、下記の表において、各成分の単位は(w/v%)である。
Claims (11)
- (A)トラニラスト及びその塩からなる群より選択される1種以上、
(B)クロルフェニラミン及びその塩からなる群より選択される1種以上、並びに
(C)プラノプロフェン及びその塩からなる群より選択される1種以上を含有する組成物であって、
(A)成分を0.5w/v%、(B)成分を0.03w/v%、(C)成分を0.05w/v%の割合で含有し、
ナトリウムイオン濃度が135mM以下である、眼科組成物。 - ポリビニルピロリドン、モノエタノールアミン及びトロメタモールから選択される少なくとも1種以上を含む請求項1記載の眼科組成物。
- モノエタノールアミン及びトロメタモールから選択される少なくとも1種以上を含む請求項1又は2記載の眼科組成物。
- ナトリウムイオンの割合が(A)成分1モルに対して20モル以下である、請求項1~3のいずれかに記載の眼科組成物。
- ナトリウムイオン濃度が100mM以下であるか又はナトリウムイオンの割合が(A)成分1モルに対して15モル以下である、請求項1~4のいずれかに記載の眼科組成物。
- ナトリウムイオン濃度が40mM以下であるか又はナトリウムイオンの割合が(A)成分1モルに対して10モル以下である、請求項1~5のいずれかに記載の眼科組成物。
- pHが5.5~8.5である、請求項1~6のいずれかに記載の眼科組成物。
- アレルギー症状の緩和、改善、抑制、及び/又は治療用である請求項1~7のいずれかに記載の眼科組成物。
- 目の痒み、充血、涙目、異物感及び目やにから選択された少なくとも1種の症状の緩和、改善、抑制、及び/又は治療用である請求項1~8のいずれかに記載の眼科組成物。
- (A)トラニラスト及びその塩からなる群より選択される1種以上、
(B)クロルフェニラミン及びその塩からなる群より選択される1種以上、並びに
(C)プラノプロフェン及びその塩からなる群より選択される1種以上から選択された1又は2成分を含む眼科組成物に、(A)成分、(B)成分及び(C)成分のうち選択されない残りの1又は2成分を含有させ、前記眼科組成物における、(1)保存効力、(2)光安定性及び(3)酸素ストレス耐性から選択された少なくとも1つを、向上、改善、付与及び/又は発現する方法であり、
眼科組成物において、(A)成分の割合が0.5w/v%、(B)成分の割合が0.03w/v%、(C)成分の割合が0.05w/v%であり、ナトリウムイオン濃度が135mM以下である、方法。 - (A)トラニラスト及びその塩からなる群より選択される1種以上、
(B)クロルフェニラミン及びその塩からなる群より選択される1種以上、並びに
(C)プラノプロフェン及びその塩からなる群より選択される1種以上から選択された1又は2成分を含む眼科組成物における、(1)保存効力、(2)光安定性及び(3)酸素ストレス耐性から選択された少なくとも1つを、向上、改善、付与及び/又は発現するための剤であって、(A)成分、(B)成分及び(C)成分のうち選択されない残りの1又は2成分を含み、眼科組成物において、(A)成分の割合が0.5w/v%、(B)成分の割合が0.03w/v%、(C)成分の割合が0.05w/v%であり、ナトリウムイオン濃度が135mM以下である、剤。
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