JP2020073484A - 眼科組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来の眼科組成物より優れた特性を備える眼科組成物を提供する。【解決手段】(a) 0.07w/v%以上のプラノプロフェン及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種と、(b) 0.02w/v%以上のクロルフェニラミン及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種、並びに/又はクロモグリク酸及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種とを含有する眼科組成物。【選択図】図1
Description
本発明は、眼のアレルギー症状に有用な眼科組成物に関する。
花粉などによる眼のアレルギー症状に使用できる眼科組成物として、プラノプロフェン、マレイン酸クロルフェニラミン、及びクロモグリク酸塩を含む組成物が種々知られている。プラノプロフェンは、プロスタグランジン産生を抑制する抗炎症剤であり、マレイン酸クロルフェニラミンは、ヒスタミン受容体に拮抗する抗ヒスタミン薬であり、クロモグリク酸塩は、ヒスタミンなどのケミカルメディエーターの遊離抑制剤である。
眼科組成物は、効能効果の改善は勿論のこと、快適に使用するために種々の特性を改善することが試みられている。
しかし、より多様な角度からの、さらなる特性の改善が望まれている。
しかし、より多様な角度からの、さらなる特性の改善が望まれている。
本発明は、従来の眼科組成物より優れた特性を備える眼科組成物を提供することを課題とする。
上記課題を解決できる眼科組成物及び方法として、本発明は、下記の組成物及び方法を提供する。
項1. (a) 0.07w/v%以上のプラノプロフェン及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種と、(b) クロルフェニラミン及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種(好ましくは、組成物の全量に対して、0.02w/v%以上)、並びに/又はクロモグリク酸及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種とを含有する眼科組成物。
項2. (a) 0.07w/v%以上のプラノプロフェン及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種と、(b) クロルフェニラミン及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種(好ましくは、組成物の全量に対して、0.02w/v%以上)、並びに、クロモグリク酸及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種とを含有する項1に記載の眼科組成物。
項3. ポリオレフィン又はテレフタル酸エステル製の容器に収容される、項1又は2の眼科組成物。
項4. プラノプロフェン及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の含有量が、組成物の全量に対して、0.07〜0.15w/v%である、項1〜3の何れかに記載の眼科組成物。
項5. クロルフェニラミン及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の含有量が、組成物の全量に対して、0.02〜0.03w/v%である項1〜4の何れかに記載の組成物。
項6. クロモグリク酸及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の含有量が、組成物の全量に対して、0.5〜2w/v%である項1〜5の何れかに記載の組成物。
項7. さらに、非イオン界面活性剤を含有する項1〜6の何れかに記載の組成物。
項8. さらに、テルペノイドを含有する項1〜7の何れかに記載の組成物。
項9. さらに、ジブチルヒドロキシトルエン、及び/又はブチルヒドロキシアニソールを含有する項1〜8の何れかに記載の組成物。
項1. (a) 0.07w/v%以上のプラノプロフェン及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種と、(b) クロルフェニラミン及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種(好ましくは、組成物の全量に対して、0.02w/v%以上)、並びに/又はクロモグリク酸及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種とを含有する眼科組成物。
項2. (a) 0.07w/v%以上のプラノプロフェン及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種と、(b) クロルフェニラミン及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種(好ましくは、組成物の全量に対して、0.02w/v%以上)、並びに、クロモグリク酸及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種とを含有する項1に記載の眼科組成物。
項3. ポリオレフィン又はテレフタル酸エステル製の容器に収容される、項1又は2の眼科組成物。
項4. プラノプロフェン及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の含有量が、組成物の全量に対して、0.07〜0.15w/v%である、項1〜3の何れかに記載の眼科組成物。
項5. クロルフェニラミン及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の含有量が、組成物の全量に対して、0.02〜0.03w/v%である項1〜4の何れかに記載の組成物。
項6. クロモグリク酸及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の含有量が、組成物の全量に対して、0.5〜2w/v%である項1〜5の何れかに記載の組成物。
項7. さらに、非イオン界面活性剤を含有する項1〜6の何れかに記載の組成物。
項8. さらに、テルペノイドを含有する項1〜7の何れかに記載の組成物。
項9. さらに、ジブチルヒドロキシトルエン、及び/又はブチルヒドロキシアニソールを含有する項1〜8の何れかに記載の組成物。
項10. 眼科組成物に、(a) 0.07w/v%以上のプラノプロフェン及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種と、(b) クロルフェニラミン及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種(好ましくは、組成物の全量に対して、0.02w/v%以上)、並びに/又はクロモグリク酸及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種とを配合することにより、眼科組成物の容器からの液切れを改善する方法。
項11. (a) 0.07w/v%以上のプラノプロフェン及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種と、(b) クロルフェニラミン及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種(好ましくは、組成物の全量に対して、0.02w/v%以上)、並びに/又はクロモグリク酸及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種とを配合することにより、防腐効力又は保存効力を向上させる方法。
項12. (a) 0.07w/v%以上のプラノプロフェン及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種と、(b) クロルフェニラミン及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種(好ましくは、組成物の全量に対して、0.02w/v%以上)、並びに/又はクロモグリク酸及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種とを配合することにより、コンタクトレンズへのタンパク吸着抑制能(特に、コンタクトレンズへのタンパク吸着増大抑制能)を付与する方法。
項13. (a) 0.07w/v%以上のプラノプロフェン及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種と、(b) クロルフェニラミン及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種(好ましくは、組成物の全量に対して、0.02w/v%以上)、並びに/又はクロモグリク酸及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種とを配合することにより、炎症抑制能又は炎症性サイトカインの産生抑制能を付与する方法。
項14. (a) 0.07w/v%以上のプラノプロフェン及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種と、(b) クロルフェニラミン及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種(好ましくは、組成物の全量に対して、0.02w/v%以上)、並びに/又はクロモグリク酸及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種とを配合することにより、眼の不快症状(かゆみ、異物感などの眼のアレルギー症状、又は疲れ目など)の抑制能を付与する方法。
項11. (a) 0.07w/v%以上のプラノプロフェン及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種と、(b) クロルフェニラミン及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種(好ましくは、組成物の全量に対して、0.02w/v%以上)、並びに/又はクロモグリク酸及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種とを配合することにより、防腐効力又は保存効力を向上させる方法。
項12. (a) 0.07w/v%以上のプラノプロフェン及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種と、(b) クロルフェニラミン及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種(好ましくは、組成物の全量に対して、0.02w/v%以上)、並びに/又はクロモグリク酸及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種とを配合することにより、コンタクトレンズへのタンパク吸着抑制能(特に、コンタクトレンズへのタンパク吸着増大抑制能)を付与する方法。
項13. (a) 0.07w/v%以上のプラノプロフェン及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種と、(b) クロルフェニラミン及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種(好ましくは、組成物の全量に対して、0.02w/v%以上)、並びに/又はクロモグリク酸及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種とを配合することにより、炎症抑制能又は炎症性サイトカインの産生抑制能を付与する方法。
項14. (a) 0.07w/v%以上のプラノプロフェン及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種と、(b) クロルフェニラミン及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種(好ましくは、組成物の全量に対して、0.02w/v%以上)、並びに/又はクロモグリク酸及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種とを配合することにより、眼の不快症状(かゆみ、異物感などの眼のアレルギー症状、又は疲れ目など)の抑制能を付与する方法。
本願発明の眼科組成物は、(a)0.07w/v%以上のプラノプロフェン及びその塩の1種以上と、(b)クロルフェニラミン及びその塩の1種以上(特に、0.02w/v%以上)、並びに/又はクロモグリク酸及びその塩の1種以上とを含むために、優れた特性を備える。
本願発明の眼科組成物は、液が流動する際の眼科組成物用容器等に対する濡れ性が顕著に低い。すなわち、眼科用組成物を使用する際や、運搬時等、液の動きを伴う際の、眼科組成物用容器に対する濡れ性が低く、従って、容器等からの液切れがよく、容器等に対する液残りを抑制することができる。このために、壁面に残った液が乾燥し析出するなどの不都合を抑制することができ、また、眼科組成物を残液量が少なく使い切ることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本願の眼科組成物の1態様は、(a) 0.07w/v%以上のプラノプロフェン及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種と、(b) クロルフェニラミン及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種、並びに/又はクロモグリク酸及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種とを含む組成物である。
本願の眼科組成物の他の態様は、(a) 0.07w/v%以上のプラノプロフェン及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種と、(b) 0.02w/v%以上のクロルフェニラミン及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種、並びに/又はクロモグリク酸及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種とを含む組成物である。
本願の眼科組成物の1態様は、(a) 0.07w/v%以上のプラノプロフェン及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種と、(b) クロルフェニラミン及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種、並びに/又はクロモグリク酸及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種とを含む組成物である。
本願の眼科組成物の他の態様は、(a) 0.07w/v%以上のプラノプロフェン及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種と、(b) 0.02w/v%以上のクロルフェニラミン及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種、並びに/又はクロモグリク酸及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種とを含む組成物である。
本願発明の好ましい態様は、
(a) 0.07w/v%以上のプラノプロフェン及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種と、(b) 0.02w/v%以上のクロルフェニラミン及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種とを含む眼科組成物である。この態様の眼科組成物は、さらに、クロモグリク酸及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことができる。
また、本願発明の他の好ましい態様は、(a) 0.07w/v%以上のプラノプロフェン及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種と、(b) クロモグリク酸及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種とを含む眼科組成物である。この態様の眼科組成物は、さらに、クロルフェニラミン及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことができる。
(a) 0.07w/v%以上のプラノプロフェン及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種と、(b) 0.02w/v%以上のクロルフェニラミン及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種とを含む眼科組成物である。この態様の眼科組成物は、さらに、クロモグリク酸及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことができる。
また、本願発明の他の好ましい態様は、(a) 0.07w/v%以上のプラノプロフェン及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種と、(b) クロモグリク酸及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種とを含む眼科組成物である。この態様の眼科組成物は、さらに、クロルフェニラミン及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことができる。
プラノプロフェン及び/又はその塩((a)成分)
プラノプロフェンの塩は、薬学的又は生理学的に許容される塩であればよく、例えば、アルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩など)、アルカリ土類金属塩(カルシウム塩、マグネシウム塩など)、アンモニウム塩、金属塩(アルミニウム塩など)のような無機塩基との塩、有機アミン塩(メチルアミン塩、トリエチルアミン塩、ジエチルアミン塩、トリエタノールアミン塩、モルホリン塩、ピペラジン塩、ピロリジン塩、トリピリジン塩、ピコリン塩など)のような有機塩基との塩などが挙げられる。
プラノプロフェン及びその塩には、水和物の形態のものも含まれる。
プラノプロフェン及びその塩は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
プラノプロフェン及び/又はその塩の中で、最も好ましいのはプラノプロフェンである。
プラノプロフェンの塩は、薬学的又は生理学的に許容される塩であればよく、例えば、アルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩など)、アルカリ土類金属塩(カルシウム塩、マグネシウム塩など)、アンモニウム塩、金属塩(アルミニウム塩など)のような無機塩基との塩、有機アミン塩(メチルアミン塩、トリエチルアミン塩、ジエチルアミン塩、トリエタノールアミン塩、モルホリン塩、ピペラジン塩、ピロリジン塩、トリピリジン塩、ピコリン塩など)のような有機塩基との塩などが挙げられる。
プラノプロフェン及びその塩には、水和物の形態のものも含まれる。
プラノプロフェン及びその塩は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
プラノプロフェン及び/又はその塩の中で、最も好ましいのはプラノプロフェンである。
眼科組成物中のプラノプロフェン及び/又はその塩の含有量は、組成物の全量に対して、0.07w/v%以上であり、0.08w/v%以上が好ましく、0.09w/v%以上がより好ましく、0.1w/v%以上がさらにより好ましい。
また、眼科組成物中のプラノプロフェン及び/又はその塩の含有量は、組成物の全量に対して、例えば、1w/v%以下とすることができ、0.5w/v%以下とすることができ、0.2w/v%以下とすることもでき、0.15w/v%以下とすることもでき、0.11w/v%以下とすることもできる。
プラノプロフェンの含有量としては、0.1w/v%が特に好ましい。
上記範囲であれば、本願発明の効果が十分に得られる。
また、眼科組成物中のプラノプロフェン及び/又はその塩の含有量は、組成物の全量に対して、例えば、1w/v%以下とすることができ、0.5w/v%以下とすることができ、0.2w/v%以下とすることもでき、0.15w/v%以下とすることもでき、0.11w/v%以下とすることもできる。
プラノプロフェンの含有量としては、0.1w/v%が特に好ましい。
上記範囲であれば、本願発明の効果が十分に得られる。
クロルフェニラミン及び/又はその塩((b)成分)
クロルフェニラミンの塩は、薬学的又は生理学的に許容される塩であればよく、例えば、マレイン酸塩、フマル酸塩などの有機酸塩;塩酸塩、硫酸塩などの無機酸塩;金属塩などの塩が挙げられる。塩の中では、有機酸塩が好ましく、マレイン酸塩が特に好ましい。
クロルフェニラミン及びその塩は、水和物の形態であってもよく、また、d体、l体、dl体の何れであってもよい。
クロルフェニラミン及びその塩は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
クロルフェニラミン及び/又はその塩の中で、最も好ましいのはマレイン酸クロルフェニラミンである。
クロルフェニラミンの塩は、薬学的又は生理学的に許容される塩であればよく、例えば、マレイン酸塩、フマル酸塩などの有機酸塩;塩酸塩、硫酸塩などの無機酸塩;金属塩などの塩が挙げられる。塩の中では、有機酸塩が好ましく、マレイン酸塩が特に好ましい。
クロルフェニラミン及びその塩は、水和物の形態であってもよく、また、d体、l体、dl体の何れであってもよい。
クロルフェニラミン及びその塩は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
クロルフェニラミン及び/又はその塩の中で、最も好ましいのはマレイン酸クロルフェニラミンである。
本願の眼科組成物が(b)成分としてクロルフェニラミン及び/又はその塩を含む場合、眼科組成物中のクロルフェニラミン及び/又はその塩の含有量は、組成物の全量に対して、好ましくは0.02w/v%以上であり、0.025w/v%以上であり、0.03w/v%以上が好ましい。
また、眼科組成物中のクロルフェニラミン及び/又はその塩の含有量は、組成物の全量に対して、例えば、1w/v%以下とすることができ、0.1w/v%以下とすることもでき、0.05w/v%以下とすることもでき、0.04w/v%以下とすることもできる。
クロルフェニラミンの含有量としては、0.03w/v%が特に好ましい。
上記範囲であれば、本願発明の効果が十分に得られる。
また、眼科組成物中のクロルフェニラミン及び/又はその塩の含有量は、組成物の全量に対して、例えば、1w/v%以下とすることができ、0.1w/v%以下とすることもでき、0.05w/v%以下とすることもでき、0.04w/v%以下とすることもできる。
クロルフェニラミンの含有量としては、0.03w/v%が特に好ましい。
上記範囲であれば、本願発明の効果が十分に得られる。
本願の眼科組成物が(b)成分としてクロルフェニラミン及び/又はその塩を含む場合、眼科組成物中のクロルフェニラミン及び/又はその塩の含有量は、プラノプロフェン及び/又はその塩の1重量部に対して、0.001重量部以上が好ましく、0.01重量部以上がより好ましく、0.05重量部以上がさらにより好ましく、0.1重量部以上がさらにより好ましい。さらに0.3重量部以上であってもよい。
また、眼科組成物中のクロルフェニラミン及び/又はその塩の含有量は、プラノプロフェン及び/又はその塩の1重量部に対して、5重量部以下が好ましく、1重量部以下がより好ましく、0.5重量部以下がさらにより好ましく、0.3重量部以下がさらにより好ましい。
眼科組成物中のクロルフェニラミン及び/又はその塩の含有量は、プラノプロフェン及び/又はその塩の1重量部に対して、0.3重量部が特に好ましい。
上記範囲であれば、本願発明の効果が十分に得られる。
また、眼科組成物中のクロルフェニラミン及び/又はその塩の含有量は、プラノプロフェン及び/又はその塩の1重量部に対して、5重量部以下が好ましく、1重量部以下がより好ましく、0.5重量部以下がさらにより好ましく、0.3重量部以下がさらにより好ましい。
眼科組成物中のクロルフェニラミン及び/又はその塩の含有量は、プラノプロフェン及び/又はその塩の1重量部に対して、0.3重量部が特に好ましい。
上記範囲であれば、本願発明の効果が十分に得られる。
クロモグリク酸及び/又はその塩((b)成分)
クロモグリク酸の塩は、薬学的又は生理学的に許容される塩であればよく、例えば、アルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩など)、アルカリ土類金属塩(カルシウム塩、マグネシウム塩など)、アンモニウム塩、金属塩(アルミニウム塩など)のような無機塩基との塩、有機アミン塩(メチルアミン塩、トリエチルアミン塩、ジエチルアミン塩、トリエタノールアミン塩、モルホリン塩、ピペラジン塩、ピロリジン塩、トリピリジン塩、ピコリン塩など)のような有機塩基との塩などが挙げられる。塩の中で好ましいのは、無機塩基との塩、中でもアルカリ金属塩、中でもナトリウム塩である。
クロモグリク酸及びその塩には、水和物の形態のものも含まれる。
クロモグリク酸及びその塩は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
クロモグリク酸及び/又はその塩の中で、最も好ましいのはクロモグリク酸ナトリウムである。
クロモグリク酸の塩は、薬学的又は生理学的に許容される塩であればよく、例えば、アルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩など)、アルカリ土類金属塩(カルシウム塩、マグネシウム塩など)、アンモニウム塩、金属塩(アルミニウム塩など)のような無機塩基との塩、有機アミン塩(メチルアミン塩、トリエチルアミン塩、ジエチルアミン塩、トリエタノールアミン塩、モルホリン塩、ピペラジン塩、ピロリジン塩、トリピリジン塩、ピコリン塩など)のような有機塩基との塩などが挙げられる。塩の中で好ましいのは、無機塩基との塩、中でもアルカリ金属塩、中でもナトリウム塩である。
クロモグリク酸及びその塩には、水和物の形態のものも含まれる。
クロモグリク酸及びその塩は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
クロモグリク酸及び/又はその塩の中で、最も好ましいのはクロモグリク酸ナトリウムである。
本願の眼科組成物が(b)成分としてクロモグリク酸及び/又はその塩を含む場合、眼科組成物中のクロモグリク酸及び/又はその塩の含有量は、組成物の全量に対して、0.01w/v%以上が好ましく、0.1w/v%以上がより好ましく、0.5w/v%以上がさらにより好ましく、1w/v%以上がさらにより好ましく、1w/v%、又は2w/v%が特に好ましい。
また、眼科組成物中のクロモグリク酸及び/又はその塩の含有量は、組成物の全量に対して、10w/v%以下が好ましく、5w/v%以下がより好ましく、3w/v%以下がさらにより好ましく、2w/v%以下がさらにより好ましい。
上記範囲であれば、本願発明の効果が十分に得られる。
また、眼科組成物中のクロモグリク酸及び/又はその塩の含有量は、組成物の全量に対して、10w/v%以下が好ましく、5w/v%以下がより好ましく、3w/v%以下がさらにより好ましく、2w/v%以下がさらにより好ましい。
上記範囲であれば、本願発明の効果が十分に得られる。
本願の眼科組成物が(b)成分としてクロモグリク酸及び/又はその塩を含む場合、眼科組成物中のクロモグリク酸及び/又はその塩の含有量は、プラノプロフェン及び/又はその塩の1重量部に対して、0.1重量部以上が好ましく、1重量部以上がより好ましく、5重量部以上がさらにより好ましく、10重量部以上がさらにより好ましい。
また、眼科組成物中のクロモグリク酸及び/又はその塩の含有量は、プラノプロフェン及び/又はその塩の1重量部に対して、100重量部以下が好ましく、50重量部以下がより好ましく、30重量部以下がさらにより好ましく、20重量部以下がさらにより好ましい。
眼科組成物中のクロモグリク酸及び/又はその塩の含有量は、プラノプロフェン及び/又はその塩の1重量部に対して、10重量部が最も好ましい態様の一つとして挙げられる。
上記範囲であれば、本願発明の効果が十分に得られる。
また、眼科組成物中のクロモグリク酸及び/又はその塩の含有量は、プラノプロフェン及び/又はその塩の1重量部に対して、100重量部以下が好ましく、50重量部以下がより好ましく、30重量部以下がさらにより好ましく、20重量部以下がさらにより好ましい。
眼科組成物中のクロモグリク酸及び/又はその塩の含有量は、プラノプロフェン及び/又はその塩の1重量部に対して、10重量部が最も好ましい態様の一つとして挙げられる。
上記範囲であれば、本願発明の効果が十分に得られる。
本発明の眼科組成物中は、(b)成分として、クロルフェニラミン及び/又はその塩と、クロモグリク酸及び/又はその塩の両方を含むことが好ましい。
この場合の眼科組成物中の両成分の含有比率は、クロルフェニラミン及び/又はその塩の1重量部に対して、クロモグリク酸及び/又はその塩0.1重量部以上が好ましく、1重量部以上がより好ましく、10重量部以上がさらにより好ましく、30重量部以上がさらにより好ましい。
また、眼科組成物中のクロモグリク酸及び/又はその塩の含有量は、クロルフェニラミン及び/又はその塩の1重量部に対して、1000重量部以下が好ましく、500重量部以下がより好ましく、200重量部以下がさらにより好ましく、150重量部以下がさらにより好ましく、100重量部以下が特に好ましい。
眼科組成物中の、クロルフェニラミン及び/又はその塩の1重量部に対する、クロモグリク酸及び/又はその塩の含有比率は、クロモグリク酸及び/又はその塩1重量部に対して、33.3重量部が最も好ましい態様の一つとして挙げられる。
上記範囲であれば、本願発明の効果が十分に得られる。
この場合の眼科組成物中の両成分の含有比率は、クロルフェニラミン及び/又はその塩の1重量部に対して、クロモグリク酸及び/又はその塩0.1重量部以上が好ましく、1重量部以上がより好ましく、10重量部以上がさらにより好ましく、30重量部以上がさらにより好ましい。
また、眼科組成物中のクロモグリク酸及び/又はその塩の含有量は、クロルフェニラミン及び/又はその塩の1重量部に対して、1000重量部以下が好ましく、500重量部以下がより好ましく、200重量部以下がさらにより好ましく、150重量部以下がさらにより好ましく、100重量部以下が特に好ましい。
眼科組成物中の、クロルフェニラミン及び/又はその塩の1重量部に対する、クロモグリク酸及び/又はその塩の含有比率は、クロモグリク酸及び/又はその塩1重量部に対して、33.3重量部が最も好ましい態様の一つとして挙げられる。
上記範囲であれば、本願発明の効果が十分に得られる。
非イオン界面活性剤
本発明の眼科組成物は、容器等に対する濡れ性低下効果、保存効力向上効果、コンタクトレンズへのタンパク吸着抑制効果、炎症抑制効果、眼のかゆみ又は異物感などのアレルギー症状や疲れ目のような不快症状の軽減効果をより顕著に奏する観点から、非イオン界面活性剤を含有することが好ましい。
非イオン界面活性剤としては、モノラウリン酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート20)、モノパルミチン酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート40)、モノステアリン酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート60)、トリステアリン酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート65)、モノオレイン酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート80)等のPOEソルビタン脂肪酸エステル類;ポロクサマー407、ポロクサマー235、ポロクサマー188、ポロクサマー403、ポロクサマー237、ポロクサマー124等のPOE・POPブロックコポリマー類;POE硬化ヒマシ油40、POE硬化ヒマシ油50、POE硬化ヒマシ油60、POE硬化ヒマシ油80等のPOE硬化ヒマシ油;POEヒマシ油3、POEヒマシ油4、POEヒマシ油6、POEヒマシ油7、POEヒマシ油10、POEヒマシ油13.5、POEヒマシ油17、POEヒマシ油20、POEヒマシ油25、POEヒマシ油30、POEヒマシ油35、POEヒマシ油50等のPOEヒマシ油;モノステアリン酸ポリエチレングリコール(2E.O.)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(4E.O.)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(9E.O.)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(10E.O.)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(23E.O.)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(25E.O.)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(32E.O.)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(40E.O.、ステアリン酸ポリオキシル40)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(45E.O.)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(55E.O.)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(75E.O.)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(140E.O.)等のモノステアリン酸ポリエチレングリコール;POE(9)ラウリルエーテル等のPOEアルキルエーテル類;POE(20)POP(4)セチルエーテル等のPOE-POPアルキルエーテル類;POE(10)ノニルフェニルエーテル等のPOEアルキルフェニルエーテル類等が挙げられる。なお、上記例示した化合物において、POEはポリオキシエチレン、POPはポリオキシプロピレン、及び括弧内の数字は付加モル数を示す。
本発明の眼科組成物は、容器等に対する濡れ性低下効果、保存効力向上効果、コンタクトレンズへのタンパク吸着抑制効果、炎症抑制効果、眼のかゆみ又は異物感などのアレルギー症状や疲れ目のような不快症状の軽減効果をより顕著に奏する観点から、非イオン界面活性剤を含有することが好ましい。
非イオン界面活性剤としては、モノラウリン酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート20)、モノパルミチン酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート40)、モノステアリン酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート60)、トリステアリン酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート65)、モノオレイン酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート80)等のPOEソルビタン脂肪酸エステル類;ポロクサマー407、ポロクサマー235、ポロクサマー188、ポロクサマー403、ポロクサマー237、ポロクサマー124等のPOE・POPブロックコポリマー類;POE硬化ヒマシ油40、POE硬化ヒマシ油50、POE硬化ヒマシ油60、POE硬化ヒマシ油80等のPOE硬化ヒマシ油;POEヒマシ油3、POEヒマシ油4、POEヒマシ油6、POEヒマシ油7、POEヒマシ油10、POEヒマシ油13.5、POEヒマシ油17、POEヒマシ油20、POEヒマシ油25、POEヒマシ油30、POEヒマシ油35、POEヒマシ油50等のPOEヒマシ油;モノステアリン酸ポリエチレングリコール(2E.O.)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(4E.O.)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(9E.O.)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(10E.O.)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(23E.O.)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(25E.O.)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(32E.O.)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(40E.O.、ステアリン酸ポリオキシル40)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(45E.O.)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(55E.O.)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(75E.O.)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(140E.O.)等のモノステアリン酸ポリエチレングリコール;POE(9)ラウリルエーテル等のPOEアルキルエーテル類;POE(20)POP(4)セチルエーテル等のPOE-POPアルキルエーテル類;POE(10)ノニルフェニルエーテル等のPOEアルキルフェニルエーテル類等が挙げられる。なお、上記例示した化合物において、POEはポリオキシエチレン、POPはポリオキシプロピレン、及び括弧内の数字は付加モル数を示す。
中でも、本発明の効果が一層良好になる点で、非イオンPOEソルビタン脂肪酸エステル類;POE・POPブロックコポリマー類;POE硬化ヒマシ油;POEヒマシ油、モノステアリン酸ポリエチレングリコールが好ましく、ポリソルベート80、ポロクサマー407、POE硬化ヒマシ油40、POE硬化ヒマシ油60、POEヒマシ油3、POEヒマシ油10、POEヒマシ油35、ステアリン酸ポリオキシル40がより好ましく、ポリソルベート80、POE硬化ヒマシ油60がさらに好ましく、ポリソルベート80が特に好ましい。
非イオン界面活性剤は、市販のものを用いることもできる。
非イオン界面活性剤は、1種を単独で使用してもよく、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
非イオン界面活性剤は、1種を単独で使用してもよく、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の眼科組成物に非イオン界面活性剤を配合する場合、その配合量の一例として、眼科組成物の全量に対して、界面活性剤の総量で、0.001w/v%以上、中でも0.005%以上、中でも0.01w/v%以上、中でも0.05%以上が挙げられる。また、眼科組成物の全量に対して、界面活性剤の総量で、5w/v%以下、中でも1%以下、中でも0.5w/v%以下、中でも0.3%以下が挙げられる。
清涼化剤
本発明の眼科組成物は、容器等に対する濡れ性低下効果、保存効力向上効果、コンタクトレンズへのタンパク吸着抑制効果、炎症抑制効果、眼のかゆみ又は異物感などのアレルギー症状や疲れ目のような不快症状の軽減効果をより顕著に奏する観点から、清涼化剤を含有することが好ましい。
清涼化剤としては、メントール、アネトール、オイゲノール、カンフル、ゲラニオール、シネオール、ボルネオール、リモネン、リュウノウ等のテルペノイドが挙げられる。これらは、d体、l体又はdl体のいずれでもよい。これらは、d体、l体又はdl体のいずれでもよいまた、ハッカ油、クールミント油、スペアミント油、ペパーミント油、ウイキョウ油、ケイヒ油、ベルガモット油、ユーカリ油、ローズ油等の精油も挙げられる。
中でも、本発明の効果が一層良好になる点で、テルペノイドが好ましく、中でも、メントール、カンフル、ゲラニオール、シネオール、ボルネオール、リュウノウが好ましく、メントール、カンフル、ボルネオールがより好ましく、メントールがさらに好ましい。
清涼化剤は、市販のものを用いることもできる。
清涼化剤は、1種を単独で使用してもよく、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の眼科組成物は、容器等に対する濡れ性低下効果、保存効力向上効果、コンタクトレンズへのタンパク吸着抑制効果、炎症抑制効果、眼のかゆみ又は異物感などのアレルギー症状や疲れ目のような不快症状の軽減効果をより顕著に奏する観点から、清涼化剤を含有することが好ましい。
清涼化剤としては、メントール、アネトール、オイゲノール、カンフル、ゲラニオール、シネオール、ボルネオール、リモネン、リュウノウ等のテルペノイドが挙げられる。これらは、d体、l体又はdl体のいずれでもよい。これらは、d体、l体又はdl体のいずれでもよいまた、ハッカ油、クールミント油、スペアミント油、ペパーミント油、ウイキョウ油、ケイヒ油、ベルガモット油、ユーカリ油、ローズ油等の精油も挙げられる。
中でも、本発明の効果が一層良好になる点で、テルペノイドが好ましく、中でも、メントール、カンフル、ゲラニオール、シネオール、ボルネオール、リュウノウが好ましく、メントール、カンフル、ボルネオールがより好ましく、メントールがさらに好ましい。
清涼化剤は、市販のものを用いることもできる。
清涼化剤は、1種を単独で使用してもよく、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の眼科組成物に清涼化剤を配合する場合、その配合量の一例として、眼科組成物の全量に対して、清涼化剤の総量で、0.0001w/v%以上、中でも0.0005%以上、中でも0.001w/v%以上、中でも0.005%以上が挙げられる。また、眼科組成物の全量に対して、清涼化剤の総量で、1w/v%以下、中でも0.1%以下、中でも0.05w/v%以下、中でも0.02%以下が挙げられる。
抗酸化剤
本発明の眼科組成物は、容器等に対する濡れ性低下効果、保存効力向上効果、コンタクトレンズへのタンパク吸着抑制効果、炎症抑制効果、眼のかゆみ又は異物感などのアレルギー症状や疲れ目のような不快症状の軽減効果をより顕著に奏する観点から、抗酸化剤を含有することが好ましい。
脂溶性の抗酸化剤としては、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)のようなブチル基含有フェノール;ノルジヒドログアヤレチック酸(NDGA);アスコルビン酸パルミテート、アスコルビン酸ステアレート、アスコルビン酸リン酸アミノプロピル、アスコルビン酸リン酸トコフェロール、アスコルビン酸トリリン酸、アスコルビン酸リン酸パルミテートのようなアスコルビン酸エステル;α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロールのようなトコフェロール;酢酸トコフェロール、ニコチン酸トコフェロール、コハク酸トコフェロールのようなトコフェロール誘導体;没食子酸エチル、没食子酸プロピル、没食子酸オクチル、没食子酸ドデシルのような没食子酸エステル;プロピルガラート; 3-ブチル-4-ヒドロキシキノリン-2オン;ルテイン、アスタキサンチンのようなカロテノイド類;アントシアニン類、カテキン、タンニン、クルクミンなどのポリフェノール類;レチノール、レチノールエステル(酢酸レチノール、プロピオン酸レチノール、酪酸レチノール、オクチル酸レチノール、ラウリル酸レチノール、ステアリン酸レチノール、ミリスチン酸レチノール、オレイン酸レチノール、リノレン酸レチノール、リノール酸レチノール、パルミチン酸レチノールなど)、レチナール、レチナールエステル(酢酸レチナール、プロピオン酸レチナール、パルミチン酸レチナールなど)、レチノイン酸、レチノイン酸エステル(レチノイン酸メチル、レチノイン酸エチル、レチノイン酸レチノール、レチノイン酸トコフェロールなど)、レチノールデヒドロ体、レチナールデヒドロ体、レチノイン酸デヒドロ体、プロビタミンA(α-カロチン、β-カロチン、γ-カロチン、δ-カロチン、リコピン、ゼアキサンチン、β-クリプトキサンチン、エキネノンなど)、ビタミンAなどのビタミンA類;CoQ10などが挙げられる。
また、水溶性の抗酸化剤としては、アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体(アスコルビン酸-2-硫酸2ナトリウム、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸-2-リン酸マグネシウム、アスコルビン酸-2-リン酸ナトリウムなど)、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、エデト酸二ナトリウム、エデト酸四ナトリウムなどが挙げられる。
中でも、本発明の効果が一層良好になる点で、脂溶性抗酸化剤が好ましく、ブチル基含有フェノールがより好ましく、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)が特に好ましい。
本発明の眼科組成物は、容器等に対する濡れ性低下効果、保存効力向上効果、コンタクトレンズへのタンパク吸着抑制効果、炎症抑制効果、眼のかゆみ又は異物感などのアレルギー症状や疲れ目のような不快症状の軽減効果をより顕著に奏する観点から、抗酸化剤を含有することが好ましい。
脂溶性の抗酸化剤としては、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)のようなブチル基含有フェノール;ノルジヒドログアヤレチック酸(NDGA);アスコルビン酸パルミテート、アスコルビン酸ステアレート、アスコルビン酸リン酸アミノプロピル、アスコルビン酸リン酸トコフェロール、アスコルビン酸トリリン酸、アスコルビン酸リン酸パルミテートのようなアスコルビン酸エステル;α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロールのようなトコフェロール;酢酸トコフェロール、ニコチン酸トコフェロール、コハク酸トコフェロールのようなトコフェロール誘導体;没食子酸エチル、没食子酸プロピル、没食子酸オクチル、没食子酸ドデシルのような没食子酸エステル;プロピルガラート; 3-ブチル-4-ヒドロキシキノリン-2オン;ルテイン、アスタキサンチンのようなカロテノイド類;アントシアニン類、カテキン、タンニン、クルクミンなどのポリフェノール類;レチノール、レチノールエステル(酢酸レチノール、プロピオン酸レチノール、酪酸レチノール、オクチル酸レチノール、ラウリル酸レチノール、ステアリン酸レチノール、ミリスチン酸レチノール、オレイン酸レチノール、リノレン酸レチノール、リノール酸レチノール、パルミチン酸レチノールなど)、レチナール、レチナールエステル(酢酸レチナール、プロピオン酸レチナール、パルミチン酸レチナールなど)、レチノイン酸、レチノイン酸エステル(レチノイン酸メチル、レチノイン酸エチル、レチノイン酸レチノール、レチノイン酸トコフェロールなど)、レチノールデヒドロ体、レチナールデヒドロ体、レチノイン酸デヒドロ体、プロビタミンA(α-カロチン、β-カロチン、γ-カロチン、δ-カロチン、リコピン、ゼアキサンチン、β-クリプトキサンチン、エキネノンなど)、ビタミンAなどのビタミンA類;CoQ10などが挙げられる。
また、水溶性の抗酸化剤としては、アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体(アスコルビン酸-2-硫酸2ナトリウム、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸-2-リン酸マグネシウム、アスコルビン酸-2-リン酸ナトリウムなど)、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、エデト酸二ナトリウム、エデト酸四ナトリウムなどが挙げられる。
中でも、本発明の効果が一層良好になる点で、脂溶性抗酸化剤が好ましく、ブチル基含有フェノールがより好ましく、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)が特に好ましい。
抗酸化剤は、市販のものを用いることもできる。
抗酸化剤は、1種を単独で使用してもよく、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の眼科組成物に抗酸化剤を配合する場合、その配合量の一例として、眼科組成物の全量に対して、抗酸化剤の総量で、0.0001w/v%以上、中でも0.0005w/v%以上、中でも0.001w/v%以上、中でも0.004w/v%以上が挙げられる。また、眼科組成物の全量に対して、抗酸化剤の総量で、1w/v%以下、中でも0.1w/v%以下、中でも0.01w/v%以下、中でも0.006w/v%以下が挙げられる。
抗酸化剤は、1種を単独で使用してもよく、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の眼科組成物に抗酸化剤を配合する場合、その配合量の一例として、眼科組成物の全量に対して、抗酸化剤の総量で、0.0001w/v%以上、中でも0.0005w/v%以上、中でも0.001w/v%以上、中でも0.004w/v%以上が挙げられる。また、眼科組成物の全量に対して、抗酸化剤の総量で、1w/v%以下、中でも0.1w/v%以下、中でも0.01w/v%以下、中でも0.006w/v%以下が挙げられる。
防腐剤、殺菌剤、ないしは抗菌剤
本発明の眼科組成物は、容器等に対する濡れ性低下効果、保存効力向上効果、コンタクトレンズへのタンパク吸着抑制効果、炎症抑制効果、眼のかゆみ又は異物感などのアレルギー症状や疲れ目のような不快症状の軽減効果をより顕著に奏する観点から、防腐剤、殺菌剤、又は抗菌剤を含有することが好ましい。
防腐剤、殺菌剤、又は抗菌剤としては、塩化ポリドロニウム、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、安息香酸ナトリウム、エタノール、第四級アンモニウム塩(塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウムなど)、グルコン酸クロルヘキシジン、クロロブタノール、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸エステル(パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチルなど)、硫酸オキシキノリン、フェネチルアルコール、ベンジルアルコール、ビグアニド化合物(具体的には、ポリヘキサメチレンビグアニド又はその塩酸塩など)、及びグローキル(ローディア社製)などが挙げられる。
中でも、本発明の効果が一層良好になる点で、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、安息香酸ナトリウム、エタノール、第四級アンモニウム塩、グルコン酸クロルヘキシジン、クロロブタノール、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、パラオキシ安息香酸エステル、ビグアニド化合物が好ましく、第四級アンモニウム塩、グルコン酸クロルヘキシジン、クロロブタノール、ビグアニド化合物がより好ましく、塩化ベンザルコニウム、ポリヘキサメチレンビグアニドがさらに好ましい。
本発明の眼科組成物は、容器等に対する濡れ性低下効果、保存効力向上効果、コンタクトレンズへのタンパク吸着抑制効果、炎症抑制効果、眼のかゆみ又は異物感などのアレルギー症状や疲れ目のような不快症状の軽減効果をより顕著に奏する観点から、防腐剤、殺菌剤、又は抗菌剤を含有することが好ましい。
防腐剤、殺菌剤、又は抗菌剤としては、塩化ポリドロニウム、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、安息香酸ナトリウム、エタノール、第四級アンモニウム塩(塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウムなど)、グルコン酸クロルヘキシジン、クロロブタノール、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸エステル(パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチルなど)、硫酸オキシキノリン、フェネチルアルコール、ベンジルアルコール、ビグアニド化合物(具体的には、ポリヘキサメチレンビグアニド又はその塩酸塩など)、及びグローキル(ローディア社製)などが挙げられる。
中でも、本発明の効果が一層良好になる点で、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、安息香酸ナトリウム、エタノール、第四級アンモニウム塩、グルコン酸クロルヘキシジン、クロロブタノール、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、パラオキシ安息香酸エステル、ビグアニド化合物が好ましく、第四級アンモニウム塩、グルコン酸クロルヘキシジン、クロロブタノール、ビグアニド化合物がより好ましく、塩化ベンザルコニウム、ポリヘキサメチレンビグアニドがさらに好ましい。
防腐剤は、市販のものを用いることもできる。
防腐剤は、1種を単独で使用してもよく、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
防腐剤は、1種を単独で使用してもよく、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の眼科組成物に防腐剤、殺菌剤、又は抗菌剤を配合する場合、その配合量の一例として、眼科組成物の全量に対して、防腐剤、殺菌剤、又は抗菌剤の総量で、0.000001w/v%以上、中でも0.00001w/v%以上、中でも0.00005w/v%以上、中でも0.001w/v%以上、中でも0.005w/v%以上が挙げられる。また、眼科組成物の全量に対して、防腐剤、殺菌剤、又は抗菌剤の総量で、1w/v%以下、中でも0.1w/v%以下、中でも0.05w/v%以下、中でも0.02w/v%以下、中でも0.01w/v%以下が挙げられる。
緩衝剤
本発明の眼科組成物は、容器等に対する濡れ性低下効果、保存効力向上効果、コンタクトレンズへのタンパク吸着抑制効果、炎症抑制効果、眼のかゆみ又は異物感などのアレルギー症状や疲れ目のような不快症状の軽減効果をより顕著に奏する観点から、緩衝剤を含有することが好ましい。
緩衝剤としては、例えば、ホウ酸緩衝剤、リン酸緩衝剤、炭酸緩衝剤、クエン酸緩衝剤、酢酸緩衝剤、イプシロン−アミノカプロン酸緩衝剤、アスパラギン酸緩衝剤等が挙げられる。
ホウ酸緩衝剤の成分としては、ホウ酸、ホウ酸塩(ホウ酸ナトリウム、テトラホウ酸カリウム、メタホウ酸カリウム、ホウ酸アンモニウム、ホウ砂など)などが挙げられる。ホウ酸塩は水和物であっても良い。
リン酸緩衝剤の成分としては、リン酸、リン酸塩(リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸二カリウム、リン酸一水素カルシウム、リン酸二水素カルシウムなど)などが挙げられる。リン酸塩は水和物であっても良い。
炭酸緩衝剤の成分としては、炭酸、炭酸塩(炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸マグネシウムなど)などが挙げられる。
クエン酸緩衝剤の成分としては、クエン酸、クエン酸塩(クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、クエン酸カルシウム、クエン酸二水素ナトリウム、クエン酸二ナトリウムなど)などが挙げられる。
酢酸緩衝剤の成分としては、酢酸、酢酸塩(酢酸アンモニウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウム、酢酸ナトリウムなど)などが挙げられる。
アスパラギン酸緩衝剤の成分としては、アスパラギン酸、アスパラギン酸の塩(アスパラギン酸ナトリウム、アスパラギン酸マグネシウム、アスパラギン酸カリウムなど)などが挙げられる。
中でも、本発明の効果が一層良好になる点で、ホウ酸緩衝剤、リン酸緩衝剤が好ましく、ホウ酸緩衝剤がより好ましい。ホウ酸緩衝剤としては、ホウ酸とその塩との組合せが好ましく、ホウ酸とホウ酸のアルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類金属塩との組合せがより好ましく、ホウ酸とホウ酸のアルカリ金属塩との組合せが更に好ましく、ホウ酸とホウ砂との組合せが更により好ましい。
本発明の眼科組成物は、容器等に対する濡れ性低下効果、保存効力向上効果、コンタクトレンズへのタンパク吸着抑制効果、炎症抑制効果、眼のかゆみ又は異物感などのアレルギー症状や疲れ目のような不快症状の軽減効果をより顕著に奏する観点から、緩衝剤を含有することが好ましい。
緩衝剤としては、例えば、ホウ酸緩衝剤、リン酸緩衝剤、炭酸緩衝剤、クエン酸緩衝剤、酢酸緩衝剤、イプシロン−アミノカプロン酸緩衝剤、アスパラギン酸緩衝剤等が挙げられる。
ホウ酸緩衝剤の成分としては、ホウ酸、ホウ酸塩(ホウ酸ナトリウム、テトラホウ酸カリウム、メタホウ酸カリウム、ホウ酸アンモニウム、ホウ砂など)などが挙げられる。ホウ酸塩は水和物であっても良い。
リン酸緩衝剤の成分としては、リン酸、リン酸塩(リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸二カリウム、リン酸一水素カルシウム、リン酸二水素カルシウムなど)などが挙げられる。リン酸塩は水和物であっても良い。
炭酸緩衝剤の成分としては、炭酸、炭酸塩(炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸マグネシウムなど)などが挙げられる。
クエン酸緩衝剤の成分としては、クエン酸、クエン酸塩(クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、クエン酸カルシウム、クエン酸二水素ナトリウム、クエン酸二ナトリウムなど)などが挙げられる。
酢酸緩衝剤の成分としては、酢酸、酢酸塩(酢酸アンモニウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウム、酢酸ナトリウムなど)などが挙げられる。
アスパラギン酸緩衝剤の成分としては、アスパラギン酸、アスパラギン酸の塩(アスパラギン酸ナトリウム、アスパラギン酸マグネシウム、アスパラギン酸カリウムなど)などが挙げられる。
中でも、本発明の効果が一層良好になる点で、ホウ酸緩衝剤、リン酸緩衝剤が好ましく、ホウ酸緩衝剤がより好ましい。ホウ酸緩衝剤としては、ホウ酸とその塩との組合せが好ましく、ホウ酸とホウ酸のアルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類金属塩との組合せがより好ましく、ホウ酸とホウ酸のアルカリ金属塩との組合せが更に好ましく、ホウ酸とホウ砂との組合せが更により好ましい。
緩衝剤は、市販のものを用いることもできる。
緩衝剤は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
緩衝剤は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
本発明の眼科組成物に緩衝剤を配合する場合、緩衝剤の配合量は、緩衝剤の種類、他の配合成分の種類や量等に応じて異なり、一律に規定することはできないが、例えば、眼科組成物の全量に対して、緩衝剤の総量で、0.001w/v%以上、中でも0.01w/v%以上、中でも0.05w/v%以上、中でも0.1w/v%以上が挙げられる。また、眼科組成物の全量に対して、緩衝剤の総量で、10w/v%以下、中でも5w/v%以下、中でも3w/v%以下、中でも2w/v%以下が挙げられる。
アミノ酸
発明の眼科組成物は、容器等に対する濡れ性低下効果、保存効力向上効果、コンタクトレンズへのタンパク吸着抑制効果、炎症抑制効果、眼のかゆみ又は異物感などのアレルギー症状や疲れ目のような不快症状の軽減効果をより顕著に奏する観点から、アミノ酸を含有することが好ましい。
例えば、アミノエチルスルホン酸(タウリン)、グルタミン酸、クレアチニン、アスパラギン酸ナトリウム、アスパラギン酸カリウム、アスパラギン酸マグネシウム、アスパラギン酸マグネシウム・カリウム混合物、グルタミン酸ナトリウム、グルタミン酸マグネシウム、イプシロン−アミノカプロン酸、グリシン、アラニン、アルギニン、リジン、γ−アミノ酪酸、γ−アミノ吉草酸、及びコンドロイチン硫酸ナトリウムなどが挙げられる。これらはd体、l体又はdl体のいずれでもよい。
中でも、本発明の効果が一層良好になる点で、アミノエチルスルホン酸、アスパラギン酸カリウム、アスパラギン酸マグネシウム、アスパラギン酸マグネシウム・カリウム混合物、イプシロン−アミノカプロン酸、コンドロイチン硫酸ナトリウムが好ましく、アミノエチルスルホン酸、アスパラギン酸カリウム、アスパラギン酸マグネシウム、アスパラギン酸マグネシウム・カリウム混合物、コンドロイチン硫酸ナトリウムがより好ましく、コンドロイチン硫酸ナトリウムが更により好ましい。
発明の眼科組成物は、容器等に対する濡れ性低下効果、保存効力向上効果、コンタクトレンズへのタンパク吸着抑制効果、炎症抑制効果、眼のかゆみ又は異物感などのアレルギー症状や疲れ目のような不快症状の軽減効果をより顕著に奏する観点から、アミノ酸を含有することが好ましい。
例えば、アミノエチルスルホン酸(タウリン)、グルタミン酸、クレアチニン、アスパラギン酸ナトリウム、アスパラギン酸カリウム、アスパラギン酸マグネシウム、アスパラギン酸マグネシウム・カリウム混合物、グルタミン酸ナトリウム、グルタミン酸マグネシウム、イプシロン−アミノカプロン酸、グリシン、アラニン、アルギニン、リジン、γ−アミノ酪酸、γ−アミノ吉草酸、及びコンドロイチン硫酸ナトリウムなどが挙げられる。これらはd体、l体又はdl体のいずれでもよい。
中でも、本発明の効果が一層良好になる点で、アミノエチルスルホン酸、アスパラギン酸カリウム、アスパラギン酸マグネシウム、アスパラギン酸マグネシウム・カリウム混合物、イプシロン−アミノカプロン酸、コンドロイチン硫酸ナトリウムが好ましく、アミノエチルスルホン酸、アスパラギン酸カリウム、アスパラギン酸マグネシウム、アスパラギン酸マグネシウム・カリウム混合物、コンドロイチン硫酸ナトリウムがより好ましく、コンドロイチン硫酸ナトリウムが更により好ましい。
アミノ酸は、市販のものを用いることもできる。
アミノ酸は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
アミノ酸は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
本発明の眼科組成物にアミノ酸を配合する場合その配合量の一例として、例えば、眼科組成物の全量に対して、アミノ酸の総量で、0.01w/v%以上、中でも0.05w/v%以上、中でも0.1w/v%以上、中でも0.3w/v%以上が挙げられる。また、眼科組成物の全量に対して、アミノ酸の総量で、10w/v%以下、中でも5w/v%以下、中でも1w/v%以下、中でも0.5w/v%以下が挙げられる。
製剤
眼科組成物の性状は特に限定されず、例えば、液体状、流動状、ゲル状、又は半固形状などの何れの性状であってもよい。また、用時調製により、液体状、流動状、ゲル状、又は半固形状になったものも含まれる。半固形状は、例えば軟膏剤のように、力を加えることにより変形させ得る塑性を有する性状をいう。
眼科組成物の性状は特に限定されず、例えば、液体状、流動状、ゲル状、又は半固形状などの何れの性状であってもよい。また、用時調製により、液体状、流動状、ゲル状、又は半固形状になったものも含まれる。半固形状は、例えば軟膏剤のように、力を加えることにより変形させ得る塑性を有する性状をいう。
また、眼科組成物は、容器等に対する濡れ性低下効果、保存効力向上効果、コンタクトレンズへのタンパク吸着抑制効果、炎症抑制効果、眼のかゆみ又は異物感などのアレルギー症状や疲れ目のような不快症状の軽減効果をより顕著に奏する観点から、水性組成物(基剤又は担体として水性ないしは親水性のものを主に含む)であってもよく、油性組成物(基剤又は担体として油性ないしは疎水性のものを主に含む)であっても良い。
水性組成物の場合の水の含有量は、製剤の全量に対して、50重量%以上が好ましく、75重量%以上がより好ましく、90重量%以上がさらにより好ましい。また、95重量%以上、又は98重量%以上であってもよい。また、基剤又は担体が水のみからなっていてもよい。
油性組成物の場合の水の含有量は、製剤の全量に対して、50重量%未満が好ましく、30重量%以下がより好ましく、20重量%以下がさらにより好ましい。
本発明の眼科組成物は、水性組成物であることが好ましい。
水性組成物の場合の水の含有量は、製剤の全量に対して、50重量%以上が好ましく、75重量%以上がより好ましく、90重量%以上がさらにより好ましい。また、95重量%以上、又は98重量%以上であってもよい。また、基剤又は担体が水のみからなっていてもよい。
油性組成物の場合の水の含有量は、製剤の全量に対して、50重量%未満が好ましく、30重量%以下がより好ましく、20重量%以下がさらにより好ましい。
本発明の眼科組成物は、水性組成物であることが好ましい。
本発明の眼科組成物の剤型は特に限定されず、例えば、点眼剤(点眼液又は点眼薬ともいう。また、点眼剤にはコンタクトレンズ装用中に点眼可能な点眼剤を含む)、洗眼剤、眼軟膏(水溶性眼軟膏、油溶性眼軟膏)、コンタクトレンズ装着液、眼内注射剤(例えば、硝子体内注射剤)、コンタクトレンズ用液(洗浄液、保存液、消毒液、マルチパーパスソリューション、パッケージソリューション)、移植用の角膜等の摘出眼組織の保存剤、手術時潅流液などが挙げられる。点眼剤、洗眼剤、眼軟膏には、コンタクトレンズ装着時に使用するものも含まれる。
本発明の眼科組成物の剤型として、好ましくは、点眼剤、洗眼剤、眼軟膏(水溶性眼軟膏、油溶性眼軟膏)、コンタクトレンズ装着液、コンタクトレンズ用液(洗浄液、保存液、消毒液、マルチパーパスソリューション、パッケージソリューション)などが挙げられ、さらに好ましくは点眼剤、洗眼剤、コンタクトレンズ装着液、コンタクトレンズ用液(洗浄液、保存液、消毒液、マルチパーパスソリューション、パッケージソリューション)などが挙げられ、さらにより好ましくは点眼剤、洗眼剤が挙げられ、特に好ましくは点眼剤が挙げられる。
本発明の眼科組成物の剤型として、好ましくは、点眼剤、洗眼剤、眼軟膏(水溶性眼軟膏、油溶性眼軟膏)、コンタクトレンズ装着液、コンタクトレンズ用液(洗浄液、保存液、消毒液、マルチパーパスソリューション、パッケージソリューション)などが挙げられ、さらに好ましくは点眼剤、洗眼剤、コンタクトレンズ装着液、コンタクトレンズ用液(洗浄液、保存液、消毒液、マルチパーパスソリューション、パッケージソリューション)などが挙げられ、さらにより好ましくは点眼剤、洗眼剤が挙げられ、特に好ましくは点眼剤が挙げられる。
特に、本発明の眼科組成物は、容器等に対する濡れ性低下効果等を奏することから、一回の使用量が少量である点眼剤において特に有用である。
また、本発明の眼科組成物は、コンタクトレンズに対するタンパク質の吸着増大が抑制されていることから、コンタクトレンズ用点眼剤、コンタクトレンズ用洗眼剤、コンタクトレンズ用装着液、コンタクトレンズ用液としても有用である。
なお、「コンタクトレンズ」は、ハードコンタクトレンズ、ソフトコンタクトレンズ(イオン性及び非イオン性の双方を包含し、シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ及び非シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズの双方を包含する)を含む。
本発明の眼科用組成物は、使い切りのユニットドーズでも繰り返し使用できるマルチドーズでもよいが、保存効力に優れていることから、マルチドーズの形態で収容して使用されることが好ましい。
また、本発明の眼科組成物は、コンタクトレンズに対するタンパク質の吸着増大が抑制されていることから、コンタクトレンズ用点眼剤、コンタクトレンズ用洗眼剤、コンタクトレンズ用装着液、コンタクトレンズ用液としても有用である。
なお、「コンタクトレンズ」は、ハードコンタクトレンズ、ソフトコンタクトレンズ(イオン性及び非イオン性の双方を包含し、シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ及び非シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズの双方を包含する)を含む。
本発明の眼科用組成物は、使い切りのユニットドーズでも繰り返し使用できるマルチドーズでもよいが、保存効力に優れていることから、マルチドーズの形態で収容して使用されることが好ましい。
本発明の眼科組成物は、上記(a)成分及び(b)成分を、薬学的に許容される基剤又は担体、必要に応じて、眼科組成物の薬学的に許容される添加剤やその他の有効成分と混合することにより、例えば第16改正日本薬局方解説書に記載の慣用の方法で調製できる。
基剤又は担体
基剤又は担体として、例えば、水;エタノールのような極性溶媒;油性基剤などが挙げられる。基剤又は担体は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
基剤又は担体として、例えば、水;エタノールのような極性溶媒;油性基剤などが挙げられる。基剤又は担体は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
添加剤
添加剤としては、例えば、pH調節剤、等張化剤、増粘剤又は粘稠化剤、キレート剤、安定化剤、油分、糖類、高分子化合物、多価アルコールなどが挙げられる。
添加剤は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。また、各添加剤について、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
添加剤としては、例えば、pH調節剤、等張化剤、増粘剤又は粘稠化剤、キレート剤、安定化剤、油分、糖類、高分子化合物、多価アルコールなどが挙げられる。
添加剤は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。また、各添加剤について、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
添加剤の具体例を以下に例示する。
<pH調節剤>
pH調節剤としては、塩酸、硫酸、ポリリン酸、有機酸(プロピオン酸、シュウ酸、グルコン酸、フマル酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸など)、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン、ジイソプロパノールアミンなどが挙げられる。
<pH調節剤>
pH調節剤としては、塩酸、硫酸、ポリリン酸、有機酸(プロピオン酸、シュウ酸、グルコン酸、フマル酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸など)、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン、ジイソプロパノールアミンなどが挙げられる。
<等張化剤>
等張化剤としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、グリセリン、及びプロピレングリコールなどが挙げられる。
等張化剤としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、グリセリン、及びプロピレングリコールなどが挙げられる。
<増粘剤ないしは粘稠化剤>
増粘剤又は粘稠化剤としては、グアーガム、ヒドロキシプロピルグアーガム、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムのようなセルロース系高分子化合物、アラビアゴム、カラヤガム、キサンタンガム、寒天、アルギン酸、α−シクロデキストリン、デキストリン、デキストラン、ムコ多糖類(ヘパリン類似物質、ヘパリン、ヘパリン硫酸、ヘパラン硫酸、ヘパリノイド、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸塩(ナトリウム塩など))、デンプン、キチン及びその誘導体、キトサン及びその誘導体、カラギーナン、ソルビトール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリビニルメタアクリレートのようなポリビニル系高分子化合物、ポリアクリル酸のアルカリ金属塩(ナトリウム塩、及びカリウム塩など)、ポリアクリル酸のアミン塩(モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩など)、ポリアクリル酸のアンモニウム塩のようなカルボキシビニルポリマー、カゼイン、ゼラチン、コラーゲン、ペクチン、エラスチン、セラミド、流動パラフィン、グリセリン、ポリエチレングリコール、マクロゴール、ポリエチレンイミンアルギン酸塩(ナトリウム塩など)、アルギン酸エステル(プロピレングリコールエステルなど)、トラガント末、並びにトリイソプロパノールアミンなどが挙げられる。
増粘剤又は粘稠化剤としては、グアーガム、ヒドロキシプロピルグアーガム、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムのようなセルロース系高分子化合物、アラビアゴム、カラヤガム、キサンタンガム、寒天、アルギン酸、α−シクロデキストリン、デキストリン、デキストラン、ムコ多糖類(ヘパリン類似物質、ヘパリン、ヘパリン硫酸、ヘパラン硫酸、ヘパリノイド、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸塩(ナトリウム塩など))、デンプン、キチン及びその誘導体、キトサン及びその誘導体、カラギーナン、ソルビトール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリビニルメタアクリレートのようなポリビニル系高分子化合物、ポリアクリル酸のアルカリ金属塩(ナトリウム塩、及びカリウム塩など)、ポリアクリル酸のアミン塩(モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩など)、ポリアクリル酸のアンモニウム塩のようなカルボキシビニルポリマー、カゼイン、ゼラチン、コラーゲン、ペクチン、エラスチン、セラミド、流動パラフィン、グリセリン、ポリエチレングリコール、マクロゴール、ポリエチレンイミンアルギン酸塩(ナトリウム塩など)、アルギン酸エステル(プロピレングリコールエステルなど)、トラガント末、並びにトリイソプロパノールアミンなどが挙げられる。
<安定化剤>
安定化剤としては、トロメタモール、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート(ロンガリット)、モノエタノールアミン、モノステアリン酸アルミニウム、及びモノステアリン酸グリセリンなどが挙げられる。
安定化剤としては、トロメタモール、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート(ロンガリット)、モノエタノールアミン、モノステアリン酸アルミニウム、及びモノステアリン酸グリセリンなどが挙げられる。
<油分>
油分としては、スクワランのような動物油、流動パラフィン、ワセリンのような鉱物油、ヒマシ油、ゴマ油のような植物油などが挙げられる。
油分としては、スクワランのような動物油、流動パラフィン、ワセリンのような鉱物油、ヒマシ油、ゴマ油のような植物油などが挙げられる。
<糖類>
糖類としては、単糖類、二糖類、具体的にはグルコース、マルトース、トレハロース、スクロース、シクロデキストリン、キシリトール、ソルビトール、マンニトールなどが挙げられる。
糖類としては、単糖類、二糖類、具体的にはグルコース、マルトース、トレハロース、スクロース、シクロデキストリン、キシリトール、ソルビトール、マンニトールなどが挙げられる。
<高分子化合物>
高分子化合物としては、ヘパリン類似物質、ヘパリン、ヘパリン硫酸、ヘパラン硫酸、ヘパリノイド、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸塩のようなムコ多糖類、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、デキストリン、デキストラン、ペクチン、ポリビニルアルコール(完全、または部分ケン化物)、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、マクロゴールおよびその薬学的に許容される塩類などが挙げられる。塩は、ナトリウム塩、カリウム塩のようなアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩のようなアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩のような金属塩が挙げられる。
高分子化合物としては、ヘパリン類似物質、ヘパリン、ヘパリン硫酸、ヘパラン硫酸、ヘパリノイド、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸塩のようなムコ多糖類、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、デキストリン、デキストラン、ペクチン、ポリビニルアルコール(完全、または部分ケン化物)、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、マクロゴールおよびその薬学的に許容される塩類などが挙げられる。塩は、ナトリウム塩、カリウム塩のようなアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩のようなアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩のような金属塩が挙げられる。
<多価アルコール>
多価アルコールとしては、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、キシリトール、ジエチレングリコール、マンニトール、ソルビトール、ポリビニルアルコール等が挙げられる。
多価アルコールとしては、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、キシリトール、ジエチレングリコール、マンニトール、ソルビトール、ポリビニルアルコール等が挙げられる。
その他の薬理活性成分又は生理活性成分
本発明の眼科組成物には、上記の(a)成分及び(b)成分の他に、薬理活性又は生理活性を有する成分を配合することができる。
薬理活性成分又は生理活性成分は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
このような薬理活性成分や生理活性成分として、一般用医薬品製造販売承認基準2012年版(一般社団法人レギュラトリーサイエンス学会監修)に記載された各種医薬における有効成分を例示できる。例えば、充血除去成分、眼筋調節薬成分、(a)成分以外の抗炎症薬成分、収斂薬成分、(b)成分以外の抗ヒスタミン薬成分又は抗アレルギー薬成分、ビタミン類、抗菌薬又は殺菌薬、局所麻酔薬成分、無痛化剤などが挙げられる。これらの薬剤の具体例を以下に例示する。
本発明の眼科組成物には、上記の(a)成分及び(b)成分の他に、薬理活性又は生理活性を有する成分を配合することができる。
薬理活性成分又は生理活性成分は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
このような薬理活性成分や生理活性成分として、一般用医薬品製造販売承認基準2012年版(一般社団法人レギュラトリーサイエンス学会監修)に記載された各種医薬における有効成分を例示できる。例えば、充血除去成分、眼筋調節薬成分、(a)成分以外の抗炎症薬成分、収斂薬成分、(b)成分以外の抗ヒスタミン薬成分又は抗アレルギー薬成分、ビタミン類、抗菌薬又は殺菌薬、局所麻酔薬成分、無痛化剤などが挙げられる。これらの薬剤の具体例を以下に例示する。
充血除去成分:例えば、α−アドレナリン作動薬、具体的にはエピネフリン、塩酸エピネフリン、塩酸エフェドリン、塩酸オキシメタゾリン、塩酸テトラヒドロゾリン、塩酸ナファゾリン、塩酸フェニレフリン、塩酸メチルエフェドリン、酒石酸水素エピネフリン、及び硝酸ナファゾリンなど。これらはd体、l体又はdl体のいずれでもよい。
眼筋調節薬成分:例えば、アセチルコリンと類似した活性中心を有するコリンエステラーゼ阻害剤、具体的にはメチル硫酸ネオスチグミン、トロピカミド、ヘレニエン、及び硫酸アトロピンなど。
(a)成分以外の抗炎症薬成分、収斂薬成分:例えば、硫酸亜鉛、乳酸亜鉛、アラントイン、イプシロン−アミノカプロン酸、インドメタシン、塩化リゾチーム、硝酸銀、アズレンスルホン酸ナトリウム、グリチルリチン酸二カリウム、グリチルリチン酸二アンモニウム、ジクロフェナクナトリウム、ブロムフェナクナトリウム、塩化ベルベリン、及び硫酸ベルベリンなど。
(b)成分、(c)成分以外の抗ヒスタミン薬成分又は抗アレルギー薬成分:例えば、アシタザノラスト、ジフェンヒドラミン又はその塩酸塩などの塩、フマル酸ケトチフェン、レボカバスチン又はその塩酸塩など、アンレキサノクス、イブジラスト、タザノラスト、トラニラスト、オキサトミド、スプラタスト又はそのトシル酸塩などの塩、及びペミロラストカリウムなど。
ビタミン類:例えば、塩酸ピリドキシン、フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム、リン酸ピリドキサール、シアノコバラミン、パンテノール、パントテン酸カルシウム、パントテン酸ナトリウム、及びユビキノン誘導体など。
抗菌薬成分又は殺菌薬成分:例えば、スルファメトキサゾール、スルフイソキサゾール、スルファメトキサゾールナトリウム、スルフイソキサゾールジエタノールアミン、スルフイソキサゾールモノエタノールアミン、スルフイソメゾールナトリウム、スルフイソミジンナトリウムのようなサルファ剤、アルキルポリアミノエチルグリシン、クロラムフェニコール、オフロキサシン、ノルフロキサシン、レボフロキサシン、塩酸ロメフロキサシン、及びアシクロビルなど。
局所麻酔薬成分:例えば、塩酸プロカイン、塩酸リドカインなど。
無痛化剤:塩酸プロカインなど。
無痛化剤:塩酸プロカインなど。
なお、本発明の眼科組成物からリゾチーム、サルファ剤、トラニラスト、ケトチフェン又はその塩、パラオキシ安息香酸エステル(特に、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル)、グリチルリチン酸塩類(特に、グリチルリチン酸、グリチルリチン酸モノアンモニウム、グリチルリチン酸二アンモニウム、グリチルリチン酸三ナトリウム、グリチルリチン酸二ナトリウム、グリチルリチン酸二カリウム)、アルギン酸又はその塩、ベルベリン又はその塩、ソルビン酸又はその塩、メチル硫酸ネオスチグミン、アズレン誘導体又はその塩の1又は2以上を除くこともできる。
pH
本発明の眼科組成物のpHは、3以上が好ましく、4以上がより好ましく、5以上がさらにより好ましく、6以上がさらにより好ましい。また、10以下が好ましく、9以下がより好ましく、8.5以下がさらにより好ましく、8以下がさらにより好ましい。上記範囲であれば、眼への刺激が抑えられると共に、本願発明の上記効果が得られる。
本発明の眼科組成物のpHは、3以上が好ましく、4以上がより好ましく、5以上がさらにより好ましく、6以上がさらにより好ましい。また、10以下が好ましく、9以下がより好ましく、8.5以下がさらにより好ましく、8以下がさらにより好ましい。上記範囲であれば、眼への刺激が抑えられると共に、本願発明の上記効果が得られる。
浸透圧
本発明の眼科組成物の浸透圧比は、0.4以上が好ましく、0.6以上がより好ましく、0.8以上がさらにより好ましい。また、5以下が好ましく、3以下がより好ましく、2以下がさらにより好ましい。上記範囲であれば、眼への刺激が抑えられると共に、本願発明の上記効果が得られる。
浸透圧比は、第16改正日本薬局方に基づき、286mOsm(0.9w/v%塩化ナトリウム水溶液)の浸透圧に対する試料の浸透圧の比とする。浸透圧は第16改正日本薬局方記載の浸透圧測定法(氷点降下法)に従い測定する。なお、浸透圧比測定用標準液(0.9w/v%塩化ナトリウム水溶液)は、塩化ナトリウム(日本薬局方標準試薬)を500〜650℃で40〜50分間乾燥した後、デシケーター(シリカゲル)中で放冷し、その0.900gを正確に量り、精製水に溶かし正確に100mLとして調製するか、市販の浸透圧比測定用標準液(0.9w/v%塩化ナトリウム水溶液)を用いる。
本発明の眼科組成物の浸透圧比は、0.4以上が好ましく、0.6以上がより好ましく、0.8以上がさらにより好ましい。また、5以下が好ましく、3以下がより好ましく、2以下がさらにより好ましい。上記範囲であれば、眼への刺激が抑えられると共に、本願発明の上記効果が得られる。
浸透圧比は、第16改正日本薬局方に基づき、286mOsm(0.9w/v%塩化ナトリウム水溶液)の浸透圧に対する試料の浸透圧の比とする。浸透圧は第16改正日本薬局方記載の浸透圧測定法(氷点降下法)に従い測定する。なお、浸透圧比測定用標準液(0.9w/v%塩化ナトリウム水溶液)は、塩化ナトリウム(日本薬局方標準試薬)を500〜650℃で40〜50分間乾燥した後、デシケーター(シリカゲル)中で放冷し、その0.900gを正確に量り、精製水に溶かし正確に100mLとして調製するか、市販の浸透圧比測定用標準液(0.9w/v%塩化ナトリウム水溶液)を用いる。
容器
容器は、液を収容する容器本体部分、容器の抽出口を含む部分(ノズル、中栓)、吸い上げチューブ、キャップなど、製剤と接触する面を有する包装体を指す。
本発明の眼科組成物を収容する容器を構成する材質は、広い範囲から選択できる。
例えば、少なくとも眼科組成物との接触面の一部又は全部が、プラスチック(例えば、ポリオレフィン、アクリル酸樹脂、テレフタル酸エステル、2,6−ナフタレンジカルボン酸エステル、ポリカーボネート、ポリメチルペンテン、フッ素樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ABS樹脂、AS樹脂、ポリアセタール、変性ポリフェニレンエテル、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリイミド、セルロースアセテート、ハロゲン原子で置換されていてよい炭化水素など)、金属(アルミニウムなど)、及びガラスからなる群より選ばれる少なくとも1種の材料で構成されている容器が挙げられる。
容器は、液を収容する容器本体部分、容器の抽出口を含む部分(ノズル、中栓)、吸い上げチューブ、キャップなど、製剤と接触する面を有する包装体を指す。
本発明の眼科組成物を収容する容器を構成する材質は、広い範囲から選択できる。
例えば、少なくとも眼科組成物との接触面の一部又は全部が、プラスチック(例えば、ポリオレフィン、アクリル酸樹脂、テレフタル酸エステル、2,6−ナフタレンジカルボン酸エステル、ポリカーボネート、ポリメチルペンテン、フッ素樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ABS樹脂、AS樹脂、ポリアセタール、変性ポリフェニレンエテル、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリイミド、セルロースアセテート、ハロゲン原子で置換されていてよい炭化水素など)、金属(アルミニウムなど)、及びガラスからなる群より選ばれる少なくとも1種の材料で構成されている容器が挙げられる。
ポリオレフィンとしては、ポリエチレン(高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレンなどを含む)、ポリプロピレン(アイソタクチックポリプロピレン、シンジオタクチックポリプロピレン、アタクチックポリプロピレンなどを含む)、及びエチレン・プロピレンコポリマーなどが挙げられる。
アクリル酸樹脂としては、アクリル酸メチルのようなアクリル酸エステル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸t−ブチルシクロヘキシルのようなメタクリル酸エステルなどが挙げられる。
テレフタル酸エステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどが挙げられる。
2,6−ナフタレンジカルボン酸エステルとしては、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレートなどが挙げられる。
フッ素樹脂としては、フッ素置換ポリエチレン(ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレンなど)、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、パーフルオロアルコキシフッ素樹脂、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレンコポリマー、エチレン・四フッ化エチレンコポリマー、エチレン・クロロトリフルオロエチレンコポリマーなどが挙げられる。
ポリアミドとしては、ナイロンなどが挙げられる。
ポリアセタールとしては、オキシメチレン単位のみからなるものの他、一部にオキシエチレン単位を含むものが挙げられる。
変性ポリフェニレンエテルとしては、ポリスチレン変性ポリフェニレンエテルなどが挙げられる。
ポリアリレートとしては、非晶質ポリアリレートなどが挙げられる。
ポリイミドとしては、芳香族ポリイミド、例えばピロメリット酸二無水物と4,4’−ジアミノジフェニルエーテルとを重合させたものが挙げられる。
セルロースアセテートとしては、セルロースジアセテート、セルローストリアセテートなどが挙げられる。
本発明の眼科組成物を収容する容器としては、容器等に対する濡れ性低下効果をより顕著に奏する観点から、ポリオレフィン、テレフタル酸エステルが好ましく、テレフタル酸エステルがより好ましく、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートがさらに好ましく、ポリエチレンテレフタレートがさらにより好ましい。また別の観点から、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートが好ましく、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリブチレンテレフタレートがより好ましく、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンがさらにより好ましく、ポリエチレンテレフタレートがさらに好ましい。
本発明の眼科組成物を収容する容器としては、容器材質が前記ポリマー以外のポリマーとのブレンドポリマーでもよい。本発明の眼科組成物を収容する容器の容器材質が前記ポリマーとのブレンドポリマーある場合、前記ポリマーと、前記ポリマー以外のポリマーとの混合比は本発明の効果を奏すれば特に限定されないが、構成材質全体の総量に対し、前記ポリマーの合計重量が30w/w%以上であることが好ましく、50w/w%以上であることがさらに好ましく、65w/w%以上であることがさらにより好ましく、80w/w%以上であることが特に好ましい。
本発明の眼科組成物を収容する容器としては、容器等に対する濡れ性低下効果をより顕著に奏する観点から、ポリオレフィン、テレフタル酸エステルが好ましく、テレフタル酸エステルがより好ましく、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートがさらに好ましく、ポリエチレンテレフタレートがさらにより好ましい。また別の観点から、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートが好ましく、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリブチレンテレフタレートがより好ましく、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンがさらにより好ましく、ポリエチレンテレフタレートがさらに好ましい。
本発明の眼科組成物を収容する容器としては、容器材質が前記ポリマー以外のポリマーとのブレンドポリマーでもよい。本発明の眼科組成物を収容する容器の容器材質が前記ポリマーとのブレンドポリマーある場合、前記ポリマーと、前記ポリマー以外のポリマーとの混合比は本発明の効果を奏すれば特に限定されないが、構成材質全体の総量に対し、前記ポリマーの合計重量が30w/w%以上であることが好ましく、50w/w%以上であることがさらに好ましく、65w/w%以上であることがさらにより好ましく、80w/w%以上であることが特に好ましい。
容器は、本願の眼科組成物と接触する面の少なくとも一部が上記材料で構成されていればよい。
例えば、容器内面に上記材料で構成された層又はフィルムが形成されていてもよく、容器自体が上記材料で成型されていてもよい。
また、容器の構成する部分(容器本体部分、容器の抽出口を含む部分(ノズル、中栓)、吸い上げチューブ、キャップなど)が上記材料で構成されていてもよく、容器の全部分が上記材料で構成されていてもよい。特に、容器本体部分が上記材料で構成されているのが好ましく、容器本体部分の全てが上記材料で構成されていること(容器本体を構成する一部の層が上記材料で構成されているのではない状態)がより好ましい。
例えば、容器内面に上記材料で構成された層又はフィルムが形成されていてもよく、容器自体が上記材料で成型されていてもよい。
また、容器の構成する部分(容器本体部分、容器の抽出口を含む部分(ノズル、中栓)、吸い上げチューブ、キャップなど)が上記材料で構成されていてもよく、容器の全部分が上記材料で構成されていてもよい。特に、容器本体部分が上記材料で構成されているのが好ましく、容器本体部分の全てが上記材料で構成されていること(容器本体を構成する一部の層が上記材料で構成されているのではない状態)がより好ましい。
対象疾患
本発明の眼科組成物は、花粉、ハウスダスト(室内塵)、黄砂、PM2.5、ダニなどによる眼の不快症状(特に、アレルギー症状)(眼の充血、眼のかゆみ、目やになどによる眼のかすみ、涙目、異物感(コロコロする感じ)など)、疲れ目の予防、緩和、改善、又は治療に有用である。
また、例えば、眼瞼炎、結膜炎、角膜炎、強膜炎、上強膜炎、前眼部ブドウ膜炎、術後炎症、涙腺炎、涙嚢炎、涙小管炎等の炎症性疾患の予防、緩和、改善、又は治療に有用である。炎症性疾患が前述のアレルギー症状を伴う場合もある。
さらに、ものもらい、結膜炎等の細菌感染に起因する症状の予防、緩和、改善、又は治療にも有用である。
本発明の眼科組成物は、花粉、ハウスダスト(室内塵)、黄砂、PM2.5、ダニなどによる眼の不快症状(特に、アレルギー症状)(眼の充血、眼のかゆみ、目やになどによる眼のかすみ、涙目、異物感(コロコロする感じ)など)、疲れ目の予防、緩和、改善、又は治療に有用である。
また、例えば、眼瞼炎、結膜炎、角膜炎、強膜炎、上強膜炎、前眼部ブドウ膜炎、術後炎症、涙腺炎、涙嚢炎、涙小管炎等の炎症性疾患の予防、緩和、改善、又は治療に有用である。炎症性疾患が前述のアレルギー症状を伴う場合もある。
さらに、ものもらい、結膜炎等の細菌感染に起因する症状の予防、緩和、改善、又は治療にも有用である。
本発明において、「予防」は、発症の回避、遅延、発症率の低下を包含し、「緩和」は、症状の軽快、症状の進行抑制を包含し、「改善」及び「治療」は、症状の軽快、症状の進行抑制、治癒ないしは完快を包含する。
使用方法
本発明の眼科組成物が点眼剤、洗眼剤、眼軟膏などの眼に適用する製剤である場合、その用法は、対象とする症状によって異なるが、例えば、1日1回以上、2回以上、3回以上、4回以上、5回以上、又は6回以上とすることができる。また、1日9回以下、8回以下、7回以下、6回以下、5回以下、又は4回以下とすることができる。1日4回投与することが特に好ましい。
本発明の眼科組成物が点眼剤、洗眼剤、眼軟膏などの眼に適用する製剤である場合、その用法は、対象とする症状によって異なるが、例えば、1日1回以上、2回以上、3回以上、4回以上、5回以上、又は6回以上とすることができる。また、1日9回以下、8回以下、7回以下、6回以下、5回以下、又は4回以下とすることができる。1日4回投与することが特に好ましい。
また、症状が現れると同時又はその後に使用開始してもよいが、症状が現れる1日以上前、特に3日以上前、中でも7日以上前から使用開始しても良い。また、症状が現れる10日以上前から使用開始することもできる。また、症状が現れる前30日以内、特に20日以内、中でも14日以内から使用開始してもよい。症状が現れる前から使用することにより、症状を効果的に予防できる。
本発明の眼科組成物が点眼剤である場合、上記濃度で各成分を含む点眼剤を、例えば、1回当たり、1〜3滴点眼すればよく、好ましくは1〜2滴点眼すればよい。1滴とすることもできる。
本発明の眼科組成物が洗眼剤である場合、上記濃度で各成分を含む洗眼剤を、例えば、1回当たり、1〜30mL用いて洗眼すればよく、好ましくは1〜20mL、更に好ましくは4〜6mL用いて洗眼すればよい。
本発明の眼科組成物が眼軟膏である場合、上記濃度で各成分を含む眼軟膏を、例えば、1回当たり、0.001〜5g眼に塗布すればよい。
本発明の眼科組成物が洗眼剤である場合、上記濃度で各成分を含む洗眼剤を、例えば、1回当たり、1〜30mL用いて洗眼すればよく、好ましくは1〜20mL、更に好ましくは4〜6mL用いて洗眼すればよい。
本発明の眼科組成物が眼軟膏である場合、上記濃度で各成分を含む眼軟膏を、例えば、1回当たり、0.001〜5g眼に塗布すればよい。
本発明の眼科組成物がコンタクトレンズ装着液である場合は、コンタクトレンズの装着時、脱着時に、例えば、1回当たり、1〜3滴、好ましくは1〜2滴を、コンタクトレンズの片面及び/又は両面に滴下して濡らした後に装用すればよく、好ましくはコンタクトレンズの両面を濡らした後に装用することが好ましい。
保存方法
本発明の眼科組成物は、室温下で保存できるが、安定性に優れるため、100℃以下、80℃以下、70℃以下、又は60℃以下であって、0℃以上、4℃以上、10℃以上、15℃以上、又は20℃以上という高温下又は低温下でも安定に保存できる。
保存期間は、限定されないが、例えば、1日以上、2日以上、3日以上、又は4日以上とすることができる。また、1年、又は2年以上とすることもできる。また、3年以下、1年以下、30日以下、又は15日以下とすることができる。
本発明の眼科組成物は、室温下で保存できるが、安定性に優れるため、100℃以下、80℃以下、70℃以下、又は60℃以下であって、0℃以上、4℃以上、10℃以上、15℃以上、又は20℃以上という高温下又は低温下でも安定に保存できる。
保存期間は、限定されないが、例えば、1日以上、2日以上、3日以上、又は4日以上とすることができる。また、1年、又は2年以上とすることもできる。また、3年以下、1年以下、30日以下、又は15日以下とすることができる。
本発明の眼科組成物がコンタクトレンズ用液である場合は、それには限定されないが、例えば、眼科組成物とコンタクトレンズとを、1時間以上、2時間以上、4時間以上、又は1日以上接触させておくことができる。また、30日以下、14日以下、7日以下、又は2日以下接触させておくことができる。
コンタクトレンズと接触させておく期間の温度については、本発明の眼科組成物の保存方法について述べたのと同じである。
コンタクトレンズと接触させておく期間の温度については、本発明の眼科組成物の保存方法について述べたのと同じである。
その他
本発明は、眼科組成物に、(a) 0.07w/v%以上のプラノプロフェン及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種と、(b) クロルフェニラミン及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種(好ましくは、組成物の全量に対して、0.02w/v%以上)、並びに/又はクロモグリク酸及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種とを配合することにより、使用時や運搬時等における眼科組成物の容器等に対する濡れ性を低下させ、及び/又は液切れを改善する方法を包含する。このために、壁面に残った液が乾燥し析出するなどの不都合を抑制することができ、また、眼科組成物を残液量が少なく使い切ることができる。また、容器注出口から一定量の眼科組成物を正確に吐出することができ、弱い力でも簡単に容器から眼科組成物を吐出することもできる。
本発明は、眼科組成物に、(a) 0.07w/v%以上のプラノプロフェン及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種と、(b) クロルフェニラミン及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種(好ましくは、組成物の全量に対して、0.02w/v%以上)、並びに/又はクロモグリク酸及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種とを配合することにより、防腐効力又は保存効力を向上させる方法を包含する。
本発明は、眼科組成物に、(a) 0.07w/v%以上のプラノプロフェン及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種と、(b) クロルフェニラミン及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種(好ましくは、組成物の全量に対して、0.02w/v%以上)、並びに/又はクロモグリク酸及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種とを配合することにより、コンタクトレンズへのタンパク吸着抑制能、特にコンタクトレンズへのタンパク吸着増大抑制能を付与する方法を包含する。
本発明は、眼科組成物に、(a) 0.07w/v%以上のプラノプロフェン及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種と、(b) クロルフェニラミン及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種(好ましくは、組成物の全量に対して、0.02w/v%以上)、並びに/又はクロモグリク酸及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種とを配合することにより、炎症抑制能、又は炎症性サイトカインの産生抑制能を付与する方法を包含する。
本発明は、眼科組成物に、(a) 0.07w/v%以上のプラノプロフェン及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種と、(b) クロルフェニラミン及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種(好ましくは、組成物の全量に対して、0.02w/v%以上)、並びに/又はクロモグリク酸及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種とを配合することにより、かゆみ、異物感のような眼のアレルギー症状や、疲れ眼などの不快症状の抑制能を付与する方法を包含する。
本発明の各方法において、各成分の種類や濃度、剤型、pH、浸透圧、容器などは、本発明の眼科組成物について説明した通りである。
本発明は、眼科組成物に、(a) 0.07w/v%以上のプラノプロフェン及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種と、(b) クロルフェニラミン及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種(好ましくは、組成物の全量に対して、0.02w/v%以上)、並びに/又はクロモグリク酸及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種とを配合することにより、使用時や運搬時等における眼科組成物の容器等に対する濡れ性を低下させ、及び/又は液切れを改善する方法を包含する。このために、壁面に残った液が乾燥し析出するなどの不都合を抑制することができ、また、眼科組成物を残液量が少なく使い切ることができる。また、容器注出口から一定量の眼科組成物を正確に吐出することができ、弱い力でも簡単に容器から眼科組成物を吐出することもできる。
本発明は、眼科組成物に、(a) 0.07w/v%以上のプラノプロフェン及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種と、(b) クロルフェニラミン及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種(好ましくは、組成物の全量に対して、0.02w/v%以上)、並びに/又はクロモグリク酸及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種とを配合することにより、防腐効力又は保存効力を向上させる方法を包含する。
本発明は、眼科組成物に、(a) 0.07w/v%以上のプラノプロフェン及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種と、(b) クロルフェニラミン及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種(好ましくは、組成物の全量に対して、0.02w/v%以上)、並びに/又はクロモグリク酸及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種とを配合することにより、コンタクトレンズへのタンパク吸着抑制能、特にコンタクトレンズへのタンパク吸着増大抑制能を付与する方法を包含する。
本発明は、眼科組成物に、(a) 0.07w/v%以上のプラノプロフェン及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種と、(b) クロルフェニラミン及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種(好ましくは、組成物の全量に対して、0.02w/v%以上)、並びに/又はクロモグリク酸及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種とを配合することにより、炎症抑制能、又は炎症性サイトカインの産生抑制能を付与する方法を包含する。
本発明は、眼科組成物に、(a) 0.07w/v%以上のプラノプロフェン及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種と、(b) クロルフェニラミン及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種(好ましくは、組成物の全量に対して、0.02w/v%以上)、並びに/又はクロモグリク酸及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種とを配合することにより、かゆみ、異物感のような眼のアレルギー症状や、疲れ眼などの不快症状の抑制能を付与する方法を包含する。
本発明の各方法において、各成分の種類や濃度、剤型、pH、浸透圧、容器などは、本発明の眼科組成物について説明した通りである。
試験例1(液切れ改善確認試験)
表1に記載の処方に従い、各眼科組成物を調製した。
表1に記載の処方に従い、各眼科組成物を調製した。
接触角計DM−501(協和界面科学株式会社製)を用いて、同測定装置の拡張/収縮法の測定手順に従い、固体と液体の界面が運動する際の接触角である動的接触角を測定した。
具体的には、ポリエチレンテレフタレート製点眼容器(容器本体部分)を、接触角計のステージの上に、容器側周面がステージに接触するように置き、即ち、容器底面をステージに接触させるのではなく、容器をステージ上に横倒しにして置き、試験液をディスペンサにセットした。試験液の液滴1μLを容器表面上に滴下して半球状に着滴させた。次に速やかに、半球上部にディスペンサの液吐出部の先端を着液させた。その状態で、試験液を吐出速度2μL/秒で連続的に吐出し、液滴の形状を側面から0.1秒毎に15回撮影した。各試験液は、同一種のポリエチレンテレフタレート製点眼容器を使用して同一の室温下で続けて測定し、同様の方法で液滴の形状を撮影した。
次に、上記測定装置の解析ソフトFAMASを用いて、画像ごとに左右の接触角を求めた。ここで、接触角は、容器表面、試験液及び空気の接触点Pから試験液に引いた接線と、容器の表面に引いた接線とのなす角のうち、試験液を含む側の角を意味する。0.1秒毎の左右の接触角の平均値の経時的な挙動は、試験液を吐出して液滴が拡張するにつれて、接触角は大きくなり、次いでほぼ一定になった。次に、画像を撮影した順番に左右接触角の平均値を並べた。連続した5つの値を選択して標準偏差を求めると、標準偏差は経時的に減少した。この標準偏差が1.0未満になる全ての接触角について平均を算出し、これを本試験における動的接触角(前進角)とした。液滴形状の撮影及び動的接触角の算出を各試験液について3回行い、3つの動的接触角の平均値をその試験液と容器間の動的接触角とした。液滴が拡張する過程で動的接触角が変化しない場合も同様にして、動的接触角を算出した。
下記式(1)により、ポリエチレンテレフタレート製容器を用いた場合における、比較例1−1の動的接触角に対する各試験液の動的接触角の上昇率を算出した。結果を表1に示す。
具体的には、ポリエチレンテレフタレート製点眼容器(容器本体部分)を、接触角計のステージの上に、容器側周面がステージに接触するように置き、即ち、容器底面をステージに接触させるのではなく、容器をステージ上に横倒しにして置き、試験液をディスペンサにセットした。試験液の液滴1μLを容器表面上に滴下して半球状に着滴させた。次に速やかに、半球上部にディスペンサの液吐出部の先端を着液させた。その状態で、試験液を吐出速度2μL/秒で連続的に吐出し、液滴の形状を側面から0.1秒毎に15回撮影した。各試験液は、同一種のポリエチレンテレフタレート製点眼容器を使用して同一の室温下で続けて測定し、同様の方法で液滴の形状を撮影した。
次に、上記測定装置の解析ソフトFAMASを用いて、画像ごとに左右の接触角を求めた。ここで、接触角は、容器表面、試験液及び空気の接触点Pから試験液に引いた接線と、容器の表面に引いた接線とのなす角のうち、試験液を含む側の角を意味する。0.1秒毎の左右の接触角の平均値の経時的な挙動は、試験液を吐出して液滴が拡張するにつれて、接触角は大きくなり、次いでほぼ一定になった。次に、画像を撮影した順番に左右接触角の平均値を並べた。連続した5つの値を選択して標準偏差を求めると、標準偏差は経時的に減少した。この標準偏差が1.0未満になる全ての接触角について平均を算出し、これを本試験における動的接触角(前進角)とした。液滴形状の撮影及び動的接触角の算出を各試験液について3回行い、3つの動的接触角の平均値をその試験液と容器間の動的接触角とした。液滴が拡張する過程で動的接触角が変化しない場合も同様にして、動的接触角を算出した。
下記式(1)により、ポリエチレンテレフタレート製容器を用いた場合における、比較例1−1の動的接触角に対する各試験液の動的接触角の上昇率を算出した。結果を表1に示す。
式(1)
動的接触角の上昇率(%)
={(各試験液の動的接触角/比較例1−1の動的接触角)−1}×100
動的接触角の上昇率(%)
={(各試験液の動的接触角/比較例1−1の動的接触角)−1}×100
表1に示すとおり、比較例1−1に、さらにプラノプロフェン0.05w/v%を含有する比較例1−2では、動的接触角はプラノプロフェンを含有しない場合(比較例1−1)に対して低かった。一方、プラノプロフェン0.1w/v%を含有した場合には、全く意外なことに、プラノプロフェンを含有しない場合に比べて、顕著に高かった(実施例1−1)。
マレイン酸クロルフェニラミン及びクロモグリク酸ナトリウムを含有する眼科組成物にさらにプラノプロフェンを0.1w/v%含有する眼科組成物は、容器材質(ポリエチレンテレフタレート)に対して、液が流動する際における濡れ性が顕著に低く、濡れ抑制効果が高いことが確認された。
すなわち、ポリエチレンテレフタレート製の容器に、マレイン酸クロルフェニラミン、クロモグリク酸ナトリウム、及び0.07w/v%を超えるプラノプロフェンを含有する眼科組成物が収容された場合には、眼科組成物を使用する際や、運搬する際等の液の動きがある場合における液切れが良好であり、容器等に対する液残りが抑制されるという有利な効果が得られることが示された。
マレイン酸クロルフェニラミン及びクロモグリク酸ナトリウムを含有する眼科組成物にさらにプラノプロフェンを0.1w/v%含有する眼科組成物は、容器材質(ポリエチレンテレフタレート)に対して、液が流動する際における濡れ性が顕著に低く、濡れ抑制効果が高いことが確認された。
すなわち、ポリエチレンテレフタレート製の容器に、マレイン酸クロルフェニラミン、クロモグリク酸ナトリウム、及び0.07w/v%を超えるプラノプロフェンを含有する眼科組成物が収容された場合には、眼科組成物を使用する際や、運搬する際等の液の動きがある場合における液切れが良好であり、容器等に対する液残りが抑制されるという有利な効果が得られることが示された。
試験例2(保存効力試験)
後掲の表2に記載の処方に従い、各眼科組成物(点眼剤)を調製した。
次いで、調製した眼科組成物の保存効力試験を、第十六改正日本薬局方参考情報保存効力試験方法に従って実施した。具体的には、まず、Staphylococcus aureus(ATCC6538)を、ソイビーン・カゼイン・ダイジェスト斜面培地の表面に接種して、33℃で24時間培養した。培養菌体を白金耳で無菌的に採取し、適量の滅菌生理食塩水に浮遊させて、約1×104CFU/mLの生菌を含む細菌浮遊液を調製した。なお、浮遊液の生菌数は、別途培養して計測した。次に、15mL CORNINGコニカルチューブ(PET)に、ろ過滅菌した各眼科組成物を10mLずつ充填した。この眼科組成物に、生菌数(最終濃度)が約1×103CFU/mLとなるよう、Staphylococcus aureus菌液(生理食塩水で懸濁)を接種し、よく攪拌して試料とした。試料を24時間、遮光下、22.5℃で保存した。保存後に菌を含む試料について、メンブランフィルター法により生菌数を求めた。
その後、対応する比較例に対する、生菌数の割合(%)を算出した。対応する比較例は、比較例2-2については、比較例2-1であり、実施例2-1については、比較例2-3である。
結果を表2に示す。
後掲の表2に記載の処方に従い、各眼科組成物(点眼剤)を調製した。
次いで、調製した眼科組成物の保存効力試験を、第十六改正日本薬局方参考情報保存効力試験方法に従って実施した。具体的には、まず、Staphylococcus aureus(ATCC6538)を、ソイビーン・カゼイン・ダイジェスト斜面培地の表面に接種して、33℃で24時間培養した。培養菌体を白金耳で無菌的に採取し、適量の滅菌生理食塩水に浮遊させて、約1×104CFU/mLの生菌を含む細菌浮遊液を調製した。なお、浮遊液の生菌数は、別途培養して計測した。次に、15mL CORNINGコニカルチューブ(PET)に、ろ過滅菌した各眼科組成物を10mLずつ充填した。この眼科組成物に、生菌数(最終濃度)が約1×103CFU/mLとなるよう、Staphylococcus aureus菌液(生理食塩水で懸濁)を接種し、よく攪拌して試料とした。試料を24時間、遮光下、22.5℃で保存した。保存後に菌を含む試料について、メンブランフィルター法により生菌数を求めた。
その後、対応する比較例に対する、生菌数の割合(%)を算出した。対応する比較例は、比較例2-2については、比較例2-1であり、実施例2-1については、比較例2-3である。
結果を表2に示す。
表2に示すとおり、プラノプロフェンを0.05w/v%含有する眼科組成物にマレイン酸クロルフェニラミンとクロモグリク酸ナトリウムを配合した場合には、保存効力はほぼ変化しないが、プラノプロフェンを0.1w/v%含有する眼科組成物にマレイン酸クロルフェニラミンとクロモグリク酸ナトリウムを配合した場合には、生菌数が顕著に減少する傾向が確認された。
試験例3(タンパク吸着性試験)
表3に記載の処方に従い、各眼科組成物(点眼剤)を調製した。
表3に記載の処方に従い、各眼科組成物(点眼剤)を調製した。
まず、試験に使用するコンタクトレンズ(エタフィルコンA(etafilcon A)レンズ(ジョンソン&ジョンソン社製、商品名:2ウィークアキュビュー)を、比較例3-2〜3-4、実施例3-1の各眼科組成物4.5mLに1枚ずつ浸漬させ、34℃にて2日間保存した。
FDAガイドラインに沿ってタンパク液(バッファー溶液(塩化ナトリウム:0.9w/v%、リン酸二水素ナトリウム二水和物:0.045w/v%)に、卵白リゾチームを0.120w/v%、牛血清アルブミンを0.388 w/v%、牛グロブリンを0.161 w/v%になるように添加したもの)を調製した。
10mLバイアル瓶にこのタンパク液2.0mLを入れ、眼科組成物による処理済みのレンズを、余分な水分をふき取った後にこのタンパク液に浸漬し、34℃にて4時間保存した。
次いで、レンズを取り出し、生理食塩液100mLに素早く(約1秒間)浸漬させて余分なタンパク液をすすいだ後、ビーカーのふちを使って軽く水分を切る操作を2回行った後、10mLバイアル瓶に収容したタンパク質分離用液(1%炭酸ナトリウム及び1%SDS含有水溶液)2mLに浸漬させた。
34℃120rpmで3時間以上振とうし、レンズに吸着したタンパク質をタンパク質分離用液中に回収した。
マイクロBCAアッセイキット(Thermo SCIENTIFIC,Pierce #23235)を用いて、タンパク質分離用液中のタンパク質量を、アルブミンを標準として定量することによりアルブミン換算値として定量し、レンズに対するタンパク質吸着量とした。別途、コンタクトレンズを比較例3-2〜3-4、実施例3-1の各眼科組成物4.5mLに1枚ずつ浸漬させ、34℃にて2日間保存する代わりに、コンタクトレンズを比較例3-1の眼科組成物4.5mLに1枚ずつ浸漬させ、34℃にて6時間保存したこと以外は上記と同様に処理を行った。
下記式(2)を用いて、タンパク質の吸着増加量を算出した。
FDAガイドラインに沿ってタンパク液(バッファー溶液(塩化ナトリウム:0.9w/v%、リン酸二水素ナトリウム二水和物:0.045w/v%)に、卵白リゾチームを0.120w/v%、牛血清アルブミンを0.388 w/v%、牛グロブリンを0.161 w/v%になるように添加したもの)を調製した。
10mLバイアル瓶にこのタンパク液2.0mLを入れ、眼科組成物による処理済みのレンズを、余分な水分をふき取った後にこのタンパク液に浸漬し、34℃にて4時間保存した。
次いで、レンズを取り出し、生理食塩液100mLに素早く(約1秒間)浸漬させて余分なタンパク液をすすいだ後、ビーカーのふちを使って軽く水分を切る操作を2回行った後、10mLバイアル瓶に収容したタンパク質分離用液(1%炭酸ナトリウム及び1%SDS含有水溶液)2mLに浸漬させた。
34℃120rpmで3時間以上振とうし、レンズに吸着したタンパク質をタンパク質分離用液中に回収した。
マイクロBCAアッセイキット(Thermo SCIENTIFIC,Pierce #23235)を用いて、タンパク質分離用液中のタンパク質量を、アルブミンを標準として定量することによりアルブミン換算値として定量し、レンズに対するタンパク質吸着量とした。別途、コンタクトレンズを比較例3-2〜3-4、実施例3-1の各眼科組成物4.5mLに1枚ずつ浸漬させ、34℃にて2日間保存する代わりに、コンタクトレンズを比較例3-1の眼科組成物4.5mLに1枚ずつ浸漬させ、34℃にて6時間保存したこと以外は上記と同様に処理を行った。
下記式(2)を用いて、タンパク質の吸着増加量を算出した。
式(2)
比較例3-1に対するタンパク質吸着増加率(%)=
[(各サンプルのタンパク質吸着量−比較例3-1のタンパク質吸着量)/比較例3-1のタンパク質吸着量]×100
比較例3-1に対するタンパク質吸着増加率(%)=
[(各サンプルのタンパク質吸着量−比較例3-1のタンパク質吸着量)/比較例3-1のタンパク質吸着量]×100
結果を表3および図1に示す。
表3、および図1に示すように、プラノプロフェン0.1w/v%を配合した場合には、コンタクトレンズに対するタンパク質の吸着が増加したが、ここにマレイン酸クロルフェニラミン、及びクロモグリク酸ナトリウムを配合することによって、タンパク質の吸着が顕著に抑制された。
一方、プラノプロフェンが0.05%の場合には、タンパク質の吸着が増加するという課題が発生せず、また、ここにマレイン酸クロルフェニラミン、及びクロモグリク酸ナトリウムを配合すると、タンパク吸着が増加した。
表3、および図1に示すように、プラノプロフェン0.1w/v%を配合した場合には、コンタクトレンズに対するタンパク質の吸着が増加したが、ここにマレイン酸クロルフェニラミン、及びクロモグリク酸ナトリウムを配合することによって、タンパク質の吸着が顕著に抑制された。
一方、プラノプロフェンが0.05%の場合には、タンパク質の吸着が増加するという課題が発生せず、また、ここにマレイン酸クロルフェニラミン、及びクロモグリク酸ナトリウムを配合すると、タンパク吸着が増加した。
試験例4(IL-8産生抑制試験)
角膜上皮細胞(理化学研究所 バイオリソースセンター)を、96 well plate(コーニング社)に1.0x104細胞/ウェルとなるように播種し、37℃、5%CO2、湿度90%の条件でコンフルエントになるまで培養した。
後掲の表4に記載の組成の各サンプル製剤を調製し、100μLの培地中で培養している角膜上皮細胞に各サンプル製剤を培地と同量添加し37℃、5%CO2、湿度90%の条件で1時間培養した。次いで、TNFαとしてhuman recombinant TNFα(R&D)を用い、10ng/mLとなるように各ウェルにこのTNFαを添加した後、37℃、5%CO2、湿度90%の条件でさらに24時間培養した。
human CXCL8/IL-8 Quantikine ELISA Kit (R&D)を用いて培養上清中に放出されたIL-8濃度を定量することにより、IL-8産生量を評価した。
また、TNF-αを添加しなかったこと以外は、比較例4-1と同様の処理を行ったものをコントロールとした。
下記式(3)により、各処方例の比較例4-1に対するIL-8産生抑制率を算出した。
角膜上皮細胞(理化学研究所 バイオリソースセンター)を、96 well plate(コーニング社)に1.0x104細胞/ウェルとなるように播種し、37℃、5%CO2、湿度90%の条件でコンフルエントになるまで培養した。
後掲の表4に記載の組成の各サンプル製剤を調製し、100μLの培地中で培養している角膜上皮細胞に各サンプル製剤を培地と同量添加し37℃、5%CO2、湿度90%の条件で1時間培養した。次いで、TNFαとしてhuman recombinant TNFα(R&D)を用い、10ng/mLとなるように各ウェルにこのTNFαを添加した後、37℃、5%CO2、湿度90%の条件でさらに24時間培養した。
human CXCL8/IL-8 Quantikine ELISA Kit (R&D)を用いて培養上清中に放出されたIL-8濃度を定量することにより、IL-8産生量を評価した。
また、TNF-αを添加しなかったこと以外は、比較例4-1と同様の処理を行ったものをコントロールとした。
下記式(3)により、各処方例の比較例4-1に対するIL-8産生抑制率を算出した。
式(3)
比較例4-1に対するIL−8産生抑制率(%)
={[(比較例4-1のIL-8濃度-コントロールのIL-8濃度)-( 各処方例のIL-8濃度-コントロールのIL-8濃度)]/(比較例4-1のIL-8濃度-コントロールのIL-8濃度)}×100
比較例4-1に対するIL−8産生抑制率(%)
={[(比較例4-1のIL-8濃度-コントロールのIL-8濃度)-( 各処方例のIL-8濃度-コントロールのIL-8濃度)]/(比較例4-1のIL-8濃度-コントロールのIL-8濃度)}×100
結果を表4に示す。
プラノプロフェンはIL-8産生を促進したが、0.1w/v%プラノプロフェンにマレイン酸クロルフェニラミンとクロモグリク酸ナトリウムを配合することにより、非常に効果的にIL-8産生を抑制した。
IL-8は、各種の炎症性サイトカインの刺激により、白血球を始めとして、線維芽細胞や内皮細胞など種々の細胞から産生される白血球遊走因子(leukocyte chemotactic factor)(それ自体、炎症性サイトカインの1種)であり、従って、生体における炎症形成の重要なメディエーターと考えられる。上記結果は、本願発明の眼科組成物がIL-8産生量を抑制したことを示しており、このことは、生体における炎症を効果的に抑制することを意味している。
IL-8は、各種の炎症性サイトカインの刺激により、白血球を始めとして、線維芽細胞や内皮細胞など種々の細胞から産生される白血球遊走因子(leukocyte chemotactic factor)(それ自体、炎症性サイトカインの1種)であり、従って、生体における炎症形成の重要なメディエーターと考えられる。上記結果は、本願発明の眼科組成物がIL-8産生量を抑制したことを示しており、このことは、生体における炎症を効果的に抑制することを意味している。
試験例5(ヒト点眼試験)
表5に記載の処方に従い、各眼科組成物(点眼剤)を調製し、内容積14.2mLのポリエチレンテレフタレート製点眼容器(容器本体部分)に13mL充填した。充填後、点眼容器にポリエチレン製ノズルを装着した。裸眼の被験者4名に各点眼剤を、それぞれ左右の眼に1滴ずつ点眼させ、表5に記載の症状に関する点眼後の実行感をVAS(Visual analog scale:視覚的評価スケール)によって評価した。
表5に記載の処方に従い、各眼科組成物(点眼剤)を調製し、内容積14.2mLのポリエチレンテレフタレート製点眼容器(容器本体部分)に13mL充填した。充填後、点眼容器にポリエチレン製ノズルを装着した。裸眼の被験者4名に各点眼剤を、それぞれ左右の眼に1滴ずつ点眼させ、表5に記載の症状に関する点眼後の実行感をVAS(Visual analog scale:視覚的評価スケール)によって評価した。
VASによる評価は次のように行った。100mmの線が引いてある自覚症状調査シート上に、表5に記載の官能に関する項目(かゆみ、異物感)が全く感じられない場合を0mm、強く感じる場合を100mmとして、被験者が感じた項目の程度のところに印を付けた。この長さ(mm)をVAS値とした。すなわち、VAS値が高いほど、各官能評価項目の自覚スコアが高いということになる。
このVAS値を用いて、比較例5-1に対する実施例のVAS改善率(%)を下記式(4)を用いて求めた。
このVAS値を用いて、比較例5-1に対する実施例のVAS改善率(%)を下記式(4)を用いて求めた。
式(4)
比較例5-1に対するVAS改善率(%)
={(実施例のVAS値−比較例5-1のVAS値)/比較例5-1のVAS値}×100
比較例5-1に対するVAS改善率(%)
={(実施例のVAS値−比較例5-1のVAS値)/比較例5-1のVAS値}×100
表5の結果から、プラノプロフェン、マレイン酸クロルフェニラミン、クロモグリク酸ナトリウムを組み合わせて使用した場合には、かゆみ、異物感が顕著に改善したことが分かる。
また、点眼剤がさらに、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ジブチルヒドロキシトルエン、ポリソルベート80、l-メントール、dl−カンフル、エデト酸ナトリウム、及び濃塩化ベンザルコニウムを含む場合は、かゆみ、異物感が一層顕著に改善しており、これらの1又は複数の成分を組み合わせた場合にはこれらの効果がさらに改善する傾向が確認された。
また、点眼剤がさらに、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ジブチルヒドロキシトルエン、ポリソルベート80、l-メントール、dl−カンフル、エデト酸ナトリウム、及び濃塩化ベンザルコニウムを含む場合は、かゆみ、異物感が一層顕著に改善しており、これらの1又は複数の成分を組み合わせた場合にはこれらの効果がさらに改善する傾向が確認された。
同様にして、目の疲れに対する効果を評価した結果、比較例5-1に対する実施例5-2のVAS改善率(%)は、26.3%であった。
試験例6(液切れ改善確認試験)
表6に記載の処方に従い、各眼科組成物(点眼剤)を調製した。
表6に記載の処方に従い、各眼科組成物(点眼剤)を調製した。
表6の各点眼剤について、試験例1と同様の手順で動的接触角を測定した。
下記式(5)により、対応する試験例に対する動的接触角の上昇率(%)を算出した。
対応する試験例は、比較例6-1、実施例6-2については、実施例6-1であり、実施例6-4、6-5については、実施例6-3である。
結果を表6に示す。
下記式(5)により、対応する試験例に対する動的接触角の上昇率(%)を算出した。
対応する試験例は、比較例6-1、実施例6-2については、実施例6-1であり、実施例6-4、6-5については、実施例6-3である。
結果を表6に示す。
式(5)
対応する試験例に対する動的接触角の上昇率(%)
={(各試験液の動的接触角/対応する試験例の動的接触角)−1}×100
対応する試験例に対する動的接触角の上昇率(%)
={(各試験液の動的接触角/対応する試験例の動的接触角)−1}×100
表6に示す通り、実施例6-1、実施例6-3にさらに、コンドロイチン硫酸ナトリウム、l-メントール及び/若しくはdl-カンフル、又はジブチルヒドロキシトルエンが共存する場合には、容器等に対する濡れ性がさらに低下し、濡れ抑制効果が向上することが確認された。
試験例7(保存効力試験)
表7の処方に従い、各眼科組成物(点眼剤)を調製した。
表7に記載の各点眼剤について、試験例2と同様の手順で、生菌数を求め、比較例7-1に対する生菌数の割合(%)を算出した。
表7の処方に従い、各眼科組成物(点眼剤)を調製した。
表7に記載の各点眼剤について、試験例2と同様の手順で、生菌数を求め、比較例7-1に対する生菌数の割合(%)を算出した。
試験例8(タンパク吸着性試験)
表8の記載に従い、各眼科組成物(点眼剤)を調製した。
表8に記載の各点眼剤について、試験例3と同様の手順で、タンパク質吸着量を求め、下記式(6)を用いて、実施例8-1に対する実施例8-2のタンパク質吸着増加率を算出した。
表8の記載に従い、各眼科組成物(点眼剤)を調製した。
表8に記載の各点眼剤について、試験例3と同様の手順で、タンパク質吸着量を求め、下記式(6)を用いて、実施例8-1に対する実施例8-2のタンパク質吸着増加率を算出した。
式(6)
実施例8-1に対するタンパク質吸着増加率(%)=
[(実施例8-2のタンパク質吸着量−実施例8-1のタンパク質吸着量)/実施例8-1のタンパク質吸着量]×100
実施例8-1に対するタンパク質吸着増加率(%)=
[(実施例8-2のタンパク質吸着量−実施例8-1のタンパク質吸着量)/実施例8-1のタンパク質吸着量]×100
〔製剤例〕
本願発明の眼科組成物を代表する点眼剤の処方例を、表9〜14に例示する。表中の単位は全てw/v%である。製剤例1〜72で処方された点眼剤はポリエチレンテレフタレート製容器(容器本体部分)に充填された。
また、製剤例1〜72の点眼剤を、ポリエチレンテレフタレート製容器(容器本体部分)に充填し、ポリエチレン製のノズルを装着したものを製剤例1’〜72’とした。また、製剤例1〜72の点眼剤を、ポリエチレンテレフタレート製容器(容器本体部分)に充填し、ポリブチレンテレフタレート製のノズルを装着したものを製剤例1’’〜72’’とした。
本願発明の眼科組成物を代表する点眼剤の処方例を、表9〜14に例示する。表中の単位は全てw/v%である。製剤例1〜72で処方された点眼剤はポリエチレンテレフタレート製容器(容器本体部分)に充填された。
また、製剤例1〜72の点眼剤を、ポリエチレンテレフタレート製容器(容器本体部分)に充填し、ポリエチレン製のノズルを装着したものを製剤例1’〜72’とした。また、製剤例1〜72の点眼剤を、ポリエチレンテレフタレート製容器(容器本体部分)に充填し、ポリブチレンテレフタレート製のノズルを装着したものを製剤例1’’〜72’’とした。
本発明の眼科組成物は、アレルギー症状を効果的に予防、緩和、改善、又は治療できると共に、製剤としても優れた特性を備えるため、非常に商品価値が高いものである。
Claims (1)
- (a) 0.07w/v%以上のプラノプロフェン及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種と、(b) 0.02w/v%以上のクロルフェニラミン及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種、並びに/又はクロモグリク酸及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種とを含有する眼科組成物。
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