JP2016025032A - 正極活物質、正極及びリチウムイオン二次電池 - Google Patents

正極活物質、正極及びリチウムイオン二次電池 Download PDF

Info

Publication number
JP2016025032A
JP2016025032A JP2014149745A JP2014149745A JP2016025032A JP 2016025032 A JP2016025032 A JP 2016025032A JP 2014149745 A JP2014149745 A JP 2014149745A JP 2014149745 A JP2014149745 A JP 2014149745A JP 2016025032 A JP2016025032 A JP 2016025032A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
positive electrode
active material
electrode active
ion secondary
secondary battery
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2014149745A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6331822B2 (ja
Inventor
友彦 加藤
Tomohiko Kato
友彦 加藤
佐野 篤史
Atsushi Sano
篤史 佐野
佐々木 孝
Takashi Sasaki
孝 佐々木
樋口 章二
Shoji Higuchi
章二 樋口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TDK Corp filed Critical TDK Corp
Priority to JP2014149745A priority Critical patent/JP6331822B2/ja
Publication of JP2016025032A publication Critical patent/JP2016025032A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6331822B2 publication Critical patent/JP6331822B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Silicates, Zeolites, And Molecular Sieves (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Abstract

【課題】平均放電電圧が高く、かつ十分な容量が得られる正極活物質、正極及びリチウムイオン二次電池を提供すること。
【解決手段】一般式Li2−x1−yO(Si1−zGe)O(式中、Mは、Mo、Nb、Ta及びTiからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であり、x、y及びzはそれぞれ、0≦x≦2、0.05≦y≦0.5及び0≦z≦0.3の範囲である)で表されるリチウム−バナジウム−シリケート系化合物であることを特徴とする正極活物質を用いる。
【選択図】図1

Description

本発明は、正極活物質、正極及びリチウムイオン二次電池に関する。
従来、リチウムイオン二次電池の正極活物質としてLiCoOやLiNi1/3Mn1/3Co1/3等の層状化合物やLiMn等のスピネル化合物が用いられてきた。近年では、LiFePOに代表されるオリビン型構造の化合物が注目されている。オリビン構造を有する正極材料は高温での熱安定性が高く、安全性が高いことが知られている。しかし、LiFePOを用いたリチウムイオン二次電池は、その平均放電電圧が3.5V程度と低く、エネルギー密度が低くなるという欠点を有する。そのため、高い充放電電圧を実現し得るリン酸系正極材料として、LiCoPOやLiNiPO等が提案されている。しかし、これらの正極材料を用いたリチウムイオン二次電池においても、十分な容量が得られていないのが現状である。
更に、LiMPO型リン酸オリビンに類似する正極活物質として、単位格子中に2個のリチウム原子を有するLiCoSiO等の活物質が提案されている(例えば、特許文献1参照)
特願2006−167960号公報
しかし、上記公報で提案された電池は、平均放電電圧3.5Vと2.5Vの間で自由に容量を設計できるとされるが、放電容量は未だ十分満足できるものではなく、さらに大きな放電容量を示す正極活物質の開発が望まれている。そのため本発明は、平均放電電圧が高く、かつ十分な容量が得られるリチウムイオン二次電池を提供することを課題とする。
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、平均放電電圧が高く、かつ十分な容量が得られる正極活物質、正極及びリチウムイオン二次電池を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明に係る正極活物質は、一般式Li2−x1−yO(Si1−zGe)O(式中、Mは、Mo、Nb、Ta及びTiからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であり、x、y及びzはそれぞれ、0≦x≦2、0.05≦y≦0.5、0≦z≦0.3の範囲である)で表されるリチウム−バナジウム−シリケート系化合物であることを特徴とする。
本発明によれば、平均放電電圧が高く、かつ十分な容量が得られる正極活物質、正極及びリチウムイオン二次電池が実現することができる。この理由としては必ずしも明らかではないが、次のように考えられる。
本発明に係る正極活物質は、V及び遷移金属(M)1モルに対し、2モルのLiを含有することが可能なことから容量の理論値は大きくなり、さらに4価、4配位のVのイオン半径(0.58Å)より大きいイオン半径を持つ、Mo(0.65Å)、Nb(0.68Å)、Ta(0.68Å)及びTi(0.61Å)からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素により部分的にVを置換することで、Liの挿入脱離に好適な格子間距離となり、平均放電電圧が高く、かつ十分な容量が得られると考えられる。同様に、4価、4配位のSiのイオン半径(0.26Å)より大きいイオン半径を持つGe(0.39Å)により部分的にSiを置換することにより、Liの挿入脱離に好適な格子間距離となり、平均放電電圧が高く、かつ十分な容量が得られると考えられる。
xの範囲は0≦x≦2である。通常はx=2の化合物が合成され初期状態の組成となる。また、x=2の場合、二次電池の組み立て直後において、放電から開始できるので、充電が不要となる利点がある。さらにxの値を調整することにより遷移金属の価数を調整することも可能となる。
yの範囲は0.05≦y≦0.5の範囲ある。放電容量の点から0.1≦y≦0.4がより好ましい。また、zの好ましい範囲は0≦z≦0.3である。
また、CuKα線を使用したX線回折法による、2θ=28°付近における(200)面の回折ピーク強度Aと2θ=20°付近における(001)面の回折ピーク強度Bとのピーク強度比A/Bが0.87以上1.32以下の時には、充放電の際にLiが挿入脱離しても結晶構造が安定である程度に結晶性が高く、活物質の粉砕工程等によるダメージが抑えられる傾向となるため、平均放電電圧が高く、かつ十分な容量が得られると考えられる。
また、本発明に係る正極は、集電体と上記正極活物質を含み、前記集電体上に設けられた正極活物質層とを備えることにより、平均放電電圧が高く、かつ十分な容量を得ることができる。
また、本発明に係るリチウムイオン二次電池は、上記正極を備えることにより、平均放電電圧が高く、かつ十分な容量を得ることができる。
本発明によれば、平均放電電圧が高く、かつ十分な容量が得られる正極活物質、正極及びリチウムイオン二次電池を提供することができる。
本実施形態に係るリチウムイオン二次電池の模式断面図である。 実施例1の粉砕処理後の正極活物質と導電助剤との混合粉末のX線回折図である。
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。また以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに以下に記載した構成要素は、適宜組み合わせることができる。
<リチウムイオン二次電池>
本実施形態に係るリチウムイオン二次電池について図1を参照して簡単に説明する。
リチウムイオン二次電池100は、主として、積層体30、積層体30を密閉した状態で収容するケース50、及び積層体30に接続された一対のリード60,62を備えている。
積層体30は、正極10及び負極20がセパレータ18を挟んで対向配置されたものである。正極10は、正極集電体12上に正極活物質層14が設けられた物である。負極20は、負極集電体22上に負極活物質層24が設けられた物である。正極活物質層14及び負極活物質層24がセパレータ18の両側にそれぞれ接触している。正極集電体12及び負極集電体22の端部には、それぞれリード60,62が接続されており、リード60,62の端部はケース50の外部にまで延びている。
<正極活物質>
続いて、本実施形態に係る正極活物質について説明する。
本実施形態に係る正極活物質は、Li2−x1−yO(Si1−zGe)Oで表されるリチウム−バナジウム−シリケート系化合物であることを特徴とする。Mは、Mo、Nb、Ta及びTiからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であり、4価、4配位のVのイオン半径より大きいイオン半径を持つ。同様に、4価、4配位のSiのイオン半径より大きいイオン半径を持つGeにより部分的にSiを置換してもよい。また、x、y及びzはそれぞれ、0≦x≦2、0.05≦y≦0.5、0≦z≦0.3の範囲が好ましい。以上のようなリチウム−バナジウム−シリケート系化合物を用いることにより、Liの挿入脱離に好適な格子間距離となり、平均放電電圧が高く、かつ十分な容量が得られると考えられる。
また、X線回折法による2θ=28°付近における(200)面の回折ピーク強度Aと2θ=20°付近における(001)面の回折ピーク強度Bとのピーク強度比A/Bが0.87以上1.32以下であることがより好ましい。ピーク強度比A/Bが0.87以上1.32以下の時には、充放電の際にLiが挿入脱離しても結晶構造が安定である程度に結晶性が高く、かつ活物質の粉砕工程等によるダメージが抑えられる傾向となるため、平均放電電圧が高く、かつ十分な容量が得られると考えられる。
<正極活物質の製造方法>
正極活物質の製造方法は特に限定されないが、固相反応合成法、水熱合成法、カーボサーマルリダクション法などにより合成することができる。以下に、本実施形態に係る固相反応合成法を用いた正極活物質の製造方法について説明する。固相反応合成法は、原料調製工程、焼成工程を備える。焼成工程後に必要に応じて粉砕工程及び分級工程を実施しても良い。
原料調製工程では、リチウム源、遷移金属源、ケイ素源及びゲルマニウム源等の原料を秤量し、混合して調製する。混合は、例えば乳鉢、ボールミル、ビーズミル、振動ボールミル及び遊星ボールミル等を用いて行ってもよい。さらに、遷移金属源の価数を調整するために、カーボン等の還元剤を追加してもよい。
焼成工程の加熱処理手法は任意であるが、例えば箱形炉、管状炉、トンネル炉及びロータリーキルン等を使用することができる。加熱処理は、通常、昇温・最高温度保持・降温の三部分に分けられ、更に、昇温・最高温度保持・降温の工程を2回又はそれ以上繰り返し行なってもよい。また、加熱処理と加熱処理との間に、二次粒子を破壊しない程度に凝集を解消することを意味する解砕工程を挟んで行なってもよい。
焼成工程の雰囲気は特に限定されないが、アルゴン雰囲気中、酸素雰囲気中、窒素雰囲気中またはそれらの混合雰囲気中が好ましい。
粉砕工程では、粉砕方法として例えば遊星ボールミルやジェットミル等を用いることができる。粉砕により、一次粒子または二次粒子が微小化する。また粉砕工程では、正極活物質と導電助剤との混合物を粉砕してもよい。なお、粉砕工程は、リチウムイオン二次電池の正極活物質層14を作製する時点、すなわち、活物質、導電助剤、バインダー及び溶媒等から調製したスラリーに対して粉砕処理を施し、正極集電体12上に塗布し、乾燥することにより正極活物質層14を形成しても良い。
分級工程では、焼成工程で得た生成物あるいは粉砕工程で得られた生成物を分級することによって、粗大粒子や微小粒子を除去することができる。分級は、乾燥等が不要で、スケールアップが容易である等の利点を有することから湿式に比べ乾式が好ましい。乾式分級機としては、例えば、振動ふるい機、超音波振動ふるい機、サイクロン、ミクロン、セパレータ及び高精度気流分級機等が挙げられる。また、必要に応じて複数回、分級工程を繰り返してもよい。
正極活物質の回折ピーク強度の算出方法はX線回折法により求めることが出来る。X線回折パターンより結晶構造を同定し、リチウム−バナジウム−シリケート系化合物の2θ=28°付近における(200)面の回折ピーク、及び2θ=20°付近における(100)面の回折ピークよりそれぞれピーク強度を求めることができる。
<正極>
続いて、本実施形態に係る正極10について説明する。
正極10の正極集電体12としては、例えば、アルミニウム箔等を使用できる。正極活物質層14は、少なくとも上記本実施形態に係る正極活物質と導電助剤とを含有する。正極活物質層14は正極活物質及び導電助剤を結着するバインダーを含んでもよい。
導電助剤としては、カーボンブラック類等の炭素材料、銅、ニッケル、ステンレス、鉄等の金属粉、炭素材料及び金属粉の混合物、ITOのような導電性酸化物が挙げられる。
バインダーは、正極活物質と導電助剤とを正極集電体12に結着することができれば特に限定されず、公知の結着剤を使用できる。例えば、ポリフッ化ビニリデン(以下、PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、フッ化ビニリデン―ヘキサフルオロプロピレン共重合体等のフッ素樹脂が挙げられる。
正極活物質層14の正極活物質と導電助剤とバインダーの比率は特に限定されないが、正極活物質の比率が少ないと電極密度が小さくなる傾向にあり、正極活物質の比率は80重量%以上が好ましい。
このような正極10は、公知の方法、例えば、正極活物質、導電助剤及びバインダーを、それらの種類に応じた溶媒、例えばPVDFの場合はN−メチル−2−ピロリドン(以下、Nメチルピロリドン)、N,N−ジメチルホルムアミド等の溶媒に添加したスラリーを、正極集電体12の表面に塗布し、乾燥させることにより製造できる。
<負極>
負極集電体22としては、銅箔等を使用できる。また、負極活物質層24としては、負極活物質、導電助剤、及び、バインダーを含むものを使用できる。導電助剤としては特に限定されず、炭素材料、金属粉などが使用できる。負極に用いられるバインダーとしては、PVDF、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)等のフッ素樹脂が使用できる。
負極活物質としては、黒鉛、難黒鉛化炭素等の炭素材料、Al、Si、Sn等のリチウムと化合することのできる金属、SiO、SnO等の酸化物を主体とする非晶質の化合物、チタン酸リチウム(LiTi12)等を含む粒子が挙げられる。
負極20の製造方法は、正極10の製造方法と同様にスラリーを調整して負極集電体22に塗布すればよい。
<電解液>
電解液としては、特に限定されず、例えば、本実施形態では、有機溶媒にリチウム塩を含む電解液を使用することができる。リチウム塩としては、例えば、LiPF、LiClO、LiBF等の塩が使用できる。なお、これらの塩は1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
有機溶媒としては、例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、及び、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート等が好ましく挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を任意の割合で混合して使用してもよい。
また、セパレータ18は、ポリエチレン、ポリプロピレン又はポリオレフィンからなるフィルムの単層体、積層体や上記樹脂の混合物の延伸膜、或いは、セルロース、ポリエステル及びポリプロピレンからなる群より選択される少なくとも1種の構成材料からなる繊維不織布が使用できる。
ケース50は、その内部に積層体30及び電解液を密封するものである。ケース50は、電解液の外部への漏出や、外部からのリチウムイオン二次電池100内部への水分等の侵入等を抑止できる物であれば特に限定されず、例えば、金属ラミネートフィルムを利用できる。
リード60,62は、アルミ等の導電材料から形成されている。
本正極活物質は、リチウムイオン二次電池以外の電気化学素子の電極材料としても用いることができる。このような、電気化学素子としては、金属リチウム二次電池(正極に本発明の正極活物質粒子を含む電極を用い、負極に金属リチウムを用いたもの)等のリチウムイオン二次電池以外の二次電池や、リチウムキャパシタ等の電気化学キャパシタ等が挙げられる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
[正極活物質の作製]
VOを3.69g、TiOを0.89g、LiSiOを5.00g秤量し、乳鉢を用いて混合した。混合した粉末をアルミナるつぼに入れて電気炉を用いて800℃、12時間、アルゴン雰囲気にて熱処理を行った。冷却後に取り出したところ紫色の粉末が得られた。
得られた正極活物質について、誘導結合プラズマ法(以下、ICP法)による組成分析を行った結果、組成はLi0.8Ti0.2SiOであることが確認された。
得られた正極活物質と、導電助剤であるアセチレンブラックと、ケッチェンブラックとを、80:5:5の重量比で秤量し、容器に入れ、遊星型ボールミルによる粉砕処理を回転数500rpmにて10分間行った。
粉砕処理後の正極活物質と導電助剤との混合粉末について、X線回折法により結晶構造の同定と回折ピーク強度を求めた。X線回折装置として株式会社リガク社製「UltimaIV」を用い、以下の測定条件にて行った。
測定条件
Filter: Ni
ターゲット:Cu Kα 1.54060Å
X線出力設定:40kV−40mA
スリット:発散1/2°、散乱1/2°、受光0.15mm
走査速度:2°/min
サンプリング幅:0.02°
測定結果を図2に示す。結晶構造は正方晶のLiVOSiOの回折パターンとほぼ一致していることを確認し、2θ=28°付近における(200)面の回折ピーク強度Aと2θ=20°付近における(001)面の回折ピーク強度Bとのピーク強度比A/Bを求めたところ1.16であった。
[評価用セルの作製]
実施例1の粉砕処理後の正極活物質と導電助剤との混合粉末とバインダーであるPVDFとを重量比を90:10で混合したものを、溶媒であるNメチルピロリドン中に分散させてスラリーを調製した。このスラリーを集電体であるアルミニウム箔上に塗布し、乾燥させた後、圧延を行い、正極活物質層が形成された正極を作製した。
次に、負極として人造黒鉛(BTR社製FSN)とPVdFのNメチルピロリドン5wt%溶液を人造黒鉛:PVDF=93:7の割合になるように混合し、スラリー状の塗料を作製した。塗料を集電体である銅箔に塗布し、乾燥、圧延することによって負極を作製した。
正極と、負極とを、それらの間にポリエチレン微多孔膜からなるセパレータを挟んで積層し、積層体(素体)を得た。この積層体を、アルミラミネートパックに入れた。電解液はエチレンカーボネート、ジエチルカーボネートを体積比3:7で混合し、支持塩としてLiPFを1mol/Lになるよう溶解した。
積層体を入れたアルミラミネートパックに、上記電解液を注入した後、真空シールし、実施例1の評価用セルを作製した。
[電池特性の測定]
実施例1の評価用セルを、25℃で、電流値18mA/gで4.4Vまで定電流で充電した後、電流値18mA/gで2.5Vまで定電流放電した。このとき、実施例1の放電容量は168mAh/gであり、平均放電電圧は3.47Vであった。
(実施例2〜6、比較例1、2)
実施例2〜6及び比較例1、2においては、表1に記載の活物質組成となるように原料を秤量した以外は、実施例1と同様の方法で正極活物質の合成及び正極活物質と導電助剤との混合粉末を作製し、X線回折法により結晶構造の同定と回折ピーク強度よりピーク強度比A/Bを求めた。さらに、実施例1と同様の方法で、評価用セルの作製及び電池特性評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例7〜9)
実施例6〜8においては、遊星型ボールミルによる粉砕処理の回転数をそれぞれ480rpm、530rpm及び550rpmとした以外は、実施例1と同様の方法で正極活物質の合成及び正極活物質と導電助剤との混合粉末を作製し、X線回折法により結晶構造の同定と回折ピーク強度よりピーク強度比A/Bを求めた。さらに、実施例1と同様の方法で、評価用セルの作製及び電池特性評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例10、11、比較例3)
実施例10、11及び比較例3においては、表1に記載の活物質組成となるようにVO、TiO、LiSiO及びLiGeOを秤量した以外は、実施例1と同様の方法で正極活物質の合成及び正極活物質と導電助剤との混合粉末を作製し、X線回折法により結晶構造の同定と回折ピーク強度よりピーク強度比A/Bを求めた。さらに、実施例1と同様の方法で、評価用セルの作製及び電池特性評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 2016025032
表1から明らかなように、実施例1〜11の評価用セルの放電容量は160mAh/g以上であり、かつ平均放電電圧は3.41V以上であることが確認された。また、実施例1〜4、6、8、10及び11のピーク強度比A/Bは0.87以上1.32以下であり、放電容量は164mAh/g以上であることが確認された。
(実施例12〜18、比較例4、5)
実施例12〜18及び比較例4、5においては、表2に記載の活物質組成となるようにVO、TiO、MoO、LiSiO及びLiGeOを秤量した以外は、実施例1と同様の方法で正極活物質の合成及び正極活物質と導電助剤との混合粉末を作製し、X線回折法により結晶構造の同定と回折ピーク強度よりピーク強度比A/Bを求めた。さらに、実施例1と同様の方法で、評価用セルの作製及び電池特性評価を行った。結果を表2に示す。
Figure 2016025032
表2から明らかなように、実施例12〜18の評価用セルの放電容量は160mAh/g以上であり、かつ平均放電電圧は3.42V以上であることが確認された。また、実施例12〜17のピーク強度比A/Bは1.01以上1.24以下であり、放電容量は164mAh/g以上であることが確認された。
(実施例19〜31、比較例6〜8)
実施例19〜31及び比較例6〜8においては、表3に記載の活物質組成となるようにVO、TiO、MoO、Nb、Ta、LiSiO及びLiGeOを秤量し、さらにNb及びTaに対して50%molのアセチレンブラックを秤量した以外は、実施例1と同様の方法で正極活物質の合成及び正極活物質と導電助剤との混合粉末を作製し、X線回折法により結晶構造の同定と回折ピーク強度よりピーク強度比A/Bを求めた。さらに、実施例1と同様の方法で、評価用セルの作製及び電池特性評価を行った。結果を表3に示す。
Figure 2016025032
表3から明らかなように、実施例19〜31の評価用セルの放電容量は160mAh/g以上であり、かつ平均放電電圧は3.41V以上であることが確認された。また、実施例19〜29のピーク強度比A/Bは0.97以上1.19以下であり、放電容量は164mAh/g以上であることが確認された。
10…正極、20…負極、12…正極集電体、14…正極活物質層、18…セパレータ、22…負極集電体、24…負極活物質層、30…積層体、50…ケース、60,62…リード、100…リチウムイオン二次電池。

Claims (4)

  1. 一般式(1)で表されるリチウム−バナジウム−シリケート系化合物であることを特徴とする正極活物質。
    Li2−x1−yO(Si1−zGe)O (1)
    (式中、Mは、Mo、Nb、Ta及びTiからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であり、x、y及びzはそれぞれ、0≦x≦2、0.05≦y≦0.5及び0≦z≦0.3の範囲である。)
  2. 前記リチウム−バナジウム−シリケート系化合物のX線回折法による(200)面の回折ピーク強度Aと(001)面の回折ピーク強度Bとのピーク強度比A/Bが0.87以上1.32以下であることを特徴とする請求項1記載の正極活物質。
  3. 集電体と、請求項1又は2記載の正極活物質を含み前記集電体上に設けられた正極活物質層と、を備える正極。
  4. 請求項3記載の正極を備えるリチウムイオン二次電池。
JP2014149745A 2014-07-23 2014-07-23 正極活物質、正極及びリチウムイオン二次電池 Active JP6331822B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014149745A JP6331822B2 (ja) 2014-07-23 2014-07-23 正極活物質、正極及びリチウムイオン二次電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014149745A JP6331822B2 (ja) 2014-07-23 2014-07-23 正極活物質、正極及びリチウムイオン二次電池

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016025032A true JP2016025032A (ja) 2016-02-08
JP6331822B2 JP6331822B2 (ja) 2018-05-30

Family

ID=55271621

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014149745A Active JP6331822B2 (ja) 2014-07-23 2014-07-23 正極活物質、正極及びリチウムイオン二次電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6331822B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111211325A (zh) * 2020-03-09 2020-05-29 广东工业大学 一种锂离子电池负极材料及其制备方法与应用

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012105039A1 (ja) * 2011-02-04 2012-08-09 株式会社日立製作所 リチウム二次電池用正極材料、リチウム二次電池用正極、及びリチウム二次電池
JP2013069526A (ja) * 2011-09-22 2013-04-18 Asahi Glass Co Ltd 二次電池用正極材料の製造方法
JP2013084521A (ja) * 2011-10-12 2013-05-09 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 耐熱性リチウムイオン二次電池
JP2013101919A (ja) * 2011-10-14 2013-05-23 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 蓄電デバイス用集電体材料およびその製造方法、蓄電デバイス用電極、ならびに、蓄電デバイス

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012105039A1 (ja) * 2011-02-04 2012-08-09 株式会社日立製作所 リチウム二次電池用正極材料、リチウム二次電池用正極、及びリチウム二次電池
JP2013069526A (ja) * 2011-09-22 2013-04-18 Asahi Glass Co Ltd 二次電池用正極材料の製造方法
JP2013084521A (ja) * 2011-10-12 2013-05-09 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 耐熱性リチウムイオン二次電池
JP2013101919A (ja) * 2011-10-14 2013-05-23 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 蓄電デバイス用集電体材料およびその製造方法、蓄電デバイス用電極、ならびに、蓄電デバイス

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111211325A (zh) * 2020-03-09 2020-05-29 广东工业大学 一种锂离子电池负极材料及其制备方法与应用
CN111211325B (zh) * 2020-03-09 2021-09-17 广东工业大学 一种锂离子电池负极材料及其制备方法与应用

Also Published As

Publication number Publication date
JP6331822B2 (ja) 2018-05-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6260535B2 (ja) 炭素複合化リン酸マンガン鉄リチウム粒子粉末の製造方法、及び該粒子粉末を用いた非水電解質二次電池の製造方法
CN102439766A (zh) 含有混合锂金属氧化物的复合材料
TW201626618A (zh) 蓄電裝置用正極材料及其製造方法
JP5966992B2 (ja) リチウムイオン二次電池用正極材料、リチウムイオン二次電池用正極及びリチウムイオン二次電池
JP2016095980A (ja) 正極活物質、正極、及びリチウムイオン二次電池
JP2013095613A (ja) 炭素被覆LiVP2O7粒子とその製造方法、及びリチウムイオン二次電池
JP2022179554A (ja) リチウム化合物
KR20200092350A (ko) 전극 재료, 그것을 사용한 전극층 그리고 축전 디바이스 및 전극 재료의 제조 방법
JP7059951B2 (ja) 負極層および全固体電池
JP2010232091A (ja) リチウムイオン電池用正極活物質の製造方法とリチウムイオン電池用正極活物質及びリチウムイオン電池用電極並びにリチウムイオン電池
JPWO2016038983A1 (ja) リチウムイオン二次電池用正極活物質、リチウムイオン二次電池用正極及びリチウムイオン二次電池
Du et al. A three volt lithium ion battery with LiCoPO4 and zero-strain Li4Ti5O12 as insertion material
JP5968712B2 (ja) チタン酸リチウム粉体の製造方法、及び該チタン酸リチウム粉体を用いたリチウムイオン二次電池及びリチウムイオンキャパシタ
JP6220365B2 (ja) 蓄電デバイスの電極用チタン酸リチウム粉末および活物質材料、並びにそれを用いた電極シートおよび蓄電デバイス
JP2008288005A (ja) 非水電解質二次電池用正極活物質および非水電解質二次電池
JP6329034B2 (ja) チタン酸リチウムの製造方法およびそれを用いたリチウムイオン二次電池の製造方法
JP6331822B2 (ja) 正極活物質、正極及びリチウムイオン二次電池
JP5988095B2 (ja) リチウム二次電池用正極活物質の前駆体とその製造方法、および該前駆体を用いたリチウム二次電池用正極活物質とその製造方法、並びに該正極活物質を用いたリチウム二次電池
WO2018021480A1 (ja) リチウムイオン二次電池用正極活物質、リチウムイオン二次電池用正極およびこれを用いたリチウムイオン二次電池
JP6197609B2 (ja) 正極活物質、正極及びリチウムイオン二次電池
JP7238783B2 (ja) 三酸化タングステン
Saroha et al. Electrochemical studies of novel olivine-layered (LiFePO 4-Li 2 MnO 3) dual composite as an alternative cathode material for lithium-ion batteries
US10312523B2 (en) Lithium ion secondary battery
JP2021077445A (ja) 非水電解質電池
JP6064309B2 (ja) リチウム二次電池用正極活物質の前駆体とその製造方法、および該前駆体を用いたリチウム二次電池用正極活物質とその製造方法、並びに該正極活物質を用いたリチウム二次電池

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170601

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180312

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180403

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180416

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6331822

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150