JP2016023300A - ポリフェニレンエーテル含有液状物 - Google Patents

ポリフェニレンエーテル含有液状物 Download PDF

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Abstract

【課題】常温で連続して均一な塗工が可能であり、かつ樹脂成分と基材との接着性が良好なプリプレグ、電気特性と耐熱性に優れる電子回路基板用材料を取得可能な、PPE含有液状物を提供する。
【解決手段】ポリフェニレンエーテル(PPE)(A)を含む樹脂組成物が有機溶剤(B)に溶解及び分散しているPPE含有液状物であって、
前記有機溶媒(B)は、23℃±2℃の温度条件下で、前記PPE(A)を3質量%含有させた場合の光線透過率(波長660nm、光路長10mm)が0.4%以上60%以下となる、PPE含有液状物。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリフェニレンエーテル(PPE)を含む樹脂組成物が有機溶剤に溶解及び分散しているポリフェニレンエーテル含有液状物に関する。
近年、情報ネットワーク技術の著しい進歩、情報ネットワークを活用したサービスの拡大に伴い、電子機器には情報量の大容量化、処理速度の高速化が求められている。
デジタル信号を大容量かつ高速に伝達するためには、信号の波長を短くすることが有効であり、信号の高周波化が進んでいる。
ポリフェニレンエーテル(以下、PPEと記載する場合がある。)は、誘電率、誘電正接等の高周波特性(すなわち誘電特性)が優れており、かつ、高い耐熱性を有するため、高周波数帯を利用する電子機器の電子回路基板用の絶縁材料として好適である。
一般に、電子機器の電子回路基板は、エポキシ樹脂やPPE樹脂等の絶縁性樹脂を有機溶剤に溶解した樹脂ワニスをガラスクロス等の基材に含浸させ、続いて有機溶剤を乾燥除去してプリプレグを得た後、当該プリプレグを加熱加圧成型して製造される。
従って、電子回路基板に用いる絶縁性樹脂は、有機溶剤に溶解させ、樹脂ワニスを製造する必要がある。
しかしながら、PPEはクロロホルムのようなハロゲン化炭化水素や、加熱したトルエン、キシレンのような芳香族有機溶剤には良く溶解するものの、その他の有機溶剤には溶解しにくいという欠点を有している。
PPEを上述の有機溶剤に溶解して樹脂ワニスとする方法が、特許文献1、2等に開示されている。
特許文献1には、有機溶剤としてトリクロロエチレンなどのハロゲン化炭化水素を用いた樹脂ワニスについての開示がなされている。
特許文献2には、有機溶剤として加熱したトルエンを用いた樹脂ワニスについての開示がなされている。
一方で、プリプレグを製造する際の環境負荷低減化や安全性向上の観点から、上述したハロゲン化炭化水素や加熱したトルエンを用いず、常温で塗工する方法が、特許文献3〜9に開示されている。
特許文献3及び特許文献4には、PPEとスチレンブタジエンコポリマーなどの架橋性を有する樹脂と、トリアリルイソシアヌレートなどの架橋助剤とを含む樹脂組成物のトルエン樹脂液を、一旦35℃以上に加熱した後冷却し、PPEと架橋性を有する樹脂と架橋助剤とを含む樹脂組成物の粒子が常温のトルエンに分散している不透明な分散液を製造し、当該分散液を塗工液として使用する方法が開示されている。
また、特許文献5、6には、低分子量PPE、特許文献7には低分子量PPEとエポキシ樹脂とを含む樹脂組成物が開示されており、当該樹脂組成物を基材へ塗工する際には、常温のトルエン溶剤を用いる方法が開示されている。
さらに、特許文献8には、PPE樹脂粉末をメチルエチルケトン等の溶剤に分散させた常温の分散液を用いる方法、特許文献9には、PPEの粒子が水を90%以上含む溶剤に分散した樹脂ワニスを用いる方法が開示されている。
特開昭61−216653号公報 特開平4−239017号公報 特開平7−292126号公報 特開平8−225665号公報 特開2002−265777号公報 特開2008−260942号公報 特開2006−63114号公報 特開2008−50526号公報 特開2003−34731号公報
しかしながら、特許文献1に記載されているようなハロゲン化炭化水素は、環境保護及び人的有毒性の観点から使用が制限されるという問題を有している。
また、特許文献2に記載されている加熱したトルエンは、専用の設備が必要であり、且つ、引火爆発に対する安全を確保するため、取り扱いが限定されるという問題を有している。また、加熱したトルエンにPPEを溶解させる方法は、PPEのトルエンに対する溶解性が温度によって大きく異なるため、樹脂ワニスの保存の間、或いは、プリプレグ製造工程において基材に含浸してから乾燥設備へ移送する間、更には同工程の乾燥過程の蒸発潜熱に起因する冷却効果等によって温度が低下した際、PPEが全体的或いは局所的に析出してしまう現象が生じやすいという問題を有している。
このため、連続して均一に塗工するのが困難な上、プリプレグにおける樹脂組成物同士、又は樹脂組成物と基材との接着性が悪く、樹脂が剥がれやすく、PPEが本来有する誘電特性や耐熱性を十分に発揮できないという問題も有している。
また、特許文献3〜9に開示されている技術においては、上述のハロゲン化炭化水素や加熱したトルエンを使用せずに常温で塗工できるため、プリプレグ製造時の環境負荷の低減化や安全性の向上の観点においては優れている。一方において、連続して均一な塗工が可能であり、且つ、プリプレグの接着性を改善し、さらにはPPEが本来有する誘電特性及び耐熱性を十分に発揮する、という観点においては、未だ十分な特性が得られていない。
具体的には、下記のような問題を有している。
特許文献3、4に開示されている方法は、PPEと架橋性を有する樹脂と架橋助剤を含む樹脂組成物の粒子の分散液が非常に高粘度になるため、基材への塗工に必要な流動性が得られ難く、基材への含浸性に劣る点において問題を有している。実際に、特許文献3に記載の実施例1及び実施例2に開示されている方法を忠実にトレースしてみると、分散液はグリース状になり塗工に供すことができないか、塗工できても連続して安定に塗工することが困難であり、基材への含浸性も悪く、基材と樹脂組成物との接着性に劣ったものとなることが確認されている。
また、特許文献4中の段落〔0018〕に、「35℃以上に加熱する工程を経ずに単に樹脂成分と非ハロゲン系溶剤を配合、混合して不透明な分散液とする方法では、非ハロゲン系溶剤に対するPPEの溶解性に劣るために、樹脂成分の分散が不均一となり、そのために、ワニスから溶剤を除去して得られる樹脂組成物シートの外観が非常に悪くなり、最終的に得られる積層板の性能の均一性が確保できないという問題が生じる」と記載されているように、特許文献4に記載の技術においては、35℃未満の常温条件で、非ハロゲン溶剤を用いて均一な樹脂組成物シート(本願発明のプリプレグ)や積層板を得ることができず、加熱工程を必要とする観点においても改善が望まれている。
特許文献5、6、7に記載の低分子量PPEは、常温での芳香族有機溶剤への溶解性に優れることが記載されている。
しかしながら、PPEを低分子量化して末端水酸基の数を増やすことは誘電特性の低下や耐熱性の低下を招来し、あるいは、低分子PPEの末端水酸基を封止することは接着性の低下を招来してしまうという問題を有している。
したがって、特許文献5、6、7に記載された技術では、電気特性、耐熱性、接着性の何れかの特性が劣ってしまうという問題があり、高周波用プリント配線板に用いるには十分なものではないという問題を有している。
特許文献8に記載の方法においては、PPEを貧溶剤に分散させるため、分散液の分散安定性が低く、PPEが沈降しやすく、均一な塗工性および連続した塗工性が得られ難いという問題を有している。また、前記分散液をガラスクロスなどの基材に含浸させる際、分散液に用いる溶剤とPPEの基材への移動速度(含浸性)が大きくことなるため、PPEのみ含浸ロールなどに堆積してしまう場合があり、連続塗工性に劣るという問題を有している。
特許文献9に記載の方法は、当該特許文献9の実施例に記載されているように、目開き106μmの篩を通過した比較的大きなPPE粒子を用いている。これに加え、分散溶剤として用いている水はPPEに浸透し難いため、PPE粒子を膨潤させる作用がなく、PPE粒子は当該PPE粒子を構成するPPE分子鎖同士が密に絡み合った状態でプリプレグ中に存在していると推定される。これらの理由で、プリプレグ中に存在するPPEは通常の加熱加圧成型条件では十分に溶融することができず、得られる基板の均一性に欠けるため誘電特性や耐熱性のバラツキの発生、はんだ耐熱性やドリル加工性に劣る等の問題を有している。
上述した従来技術の問題点に鑑み、本発明においては、常温で連続して均一な塗工程が可能で、樹脂成分と基材との接着性が良好なプリプレグ、電気特性と耐熱性に優れる電子回路基板用材料を取得可能なPPE含有液状物を提供することを課題とする。
さらには、当該PPE含有液状物から製造される、樹脂成分と基材との接着性が良好なプリプレグ、及び、電気特性と耐熱性に優れる電子回路基板材料を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討し実験を重ねた結果、PPEを有機溶剤に完全には溶解させないで分散させ、且つ、前記有機溶剤について、特定の温度条件下において特定濃度のPPEを含有させたとき、所定の光線透過率を有するものに特定した上で、当該有機溶剤によりPPEを膨潤させることによって、PPE含有液状物の流動性、分散安定性、成膜性、基材への含浸性を同時に高めることが可能であり、当該分散液を含む樹脂ワニスの常温での連続して均一な塗工が可能となり、得られるプリプレグの接着性、および当該プリプレグから得られる電子回路基板の誘電特性および耐熱性が改善されることを見出し、かかる知見に基づき本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
〔1〕
ポリフェニレンエーテル(PPE)(A)を含む樹脂組成物が有機溶剤(B)に溶解及び分散しているPPE含有液状物であって、
前記有機溶媒(B)は、23℃±2℃の温度条件下で、前記PPE(A)を3質量%含有させた場合の光線透過率(波長660nm、光路長10mm)が0.4%以上60%以下となる、PPE含有液状物。
〔2〕
前記PPE(A)の数平均分子量が5,000以上40,000以下である、前記〔1〕に記載のPPE含有液状物。
〔3〕
前記PPE(A)が、前記有機溶剤(B)に溶解していないPPE粒子(A−1)と、前記有機溶剤(B)に溶解している溶解PPE(A−2)とを含み、
前記PPE粒子(A−1)と前記溶解PPE(A−2)との合計質量を100質量%としたとき、前記PPE粒子(A−1)の含有量が30質量%以上99.9質量%以下である、前記〔1〕又は〔2〕に記載のPPE含有液状物。
〔4〕
架橋型硬化性成分(C)、及び反応開始剤(D)を、さらに含有する、前記〔1〕乃至〔3〕のいずれか一に記載のPPE含有液状物。
〔5〕
前記架橋型硬化性成分(C)が、分子内に2個以上のビニル基を有するモノマーである、前記〔4〕に記載のPPE含有液状物。
〔6〕
前記架橋型硬化性樹脂(C)が、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)である、前記〔5〕に記載のPPE含有液状物。
〔7〕
前記〔1〕乃至〔6〕のいずれか一に記載のPPE含有液状物を含む樹脂ワニス。
〔8〕
前記〔7〕に記載の樹脂ワニスを用いて形成される電子回路基板材料であって、
樹脂ワニスよりなるフィルム、支持体に樹脂ワニスを塗付したフィルム、基材に前記樹脂ワニスを含浸させたプリプレグ、樹脂ワニスを付加した金属箔、及びこれらを任意に積層成型した積層体からなる群より選ばれるいずれかである、電子回路基板材料。
本発明によれば、常温で連続して均一な塗工が可能なPPE含有液状物を提供することができる。
また、本発明によれば、樹脂成分と基材との接着性が良好なプリプレグ、電気特性と耐熱性に優れる電子回路基板用材料を取得可能な、PPE含有液状物を提供することができる。
更には、当該PPE含有液状物から製造される、樹脂成分と基材との接着性が良好なプリプレグ、及び、電気特性と耐熱性に優れる電子回路基板材料を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明する。
なお、以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜変形して実施することができる。
〔PPE含有液状物〕
本実施形態のPPE含有液状物は、PPE(A)を含む樹脂組成物と、有機溶剤(B)とを含有し、前記PPE(A)を含む樹脂組成物が、有機溶剤(B)に溶解及び分散している。
ここで、「PPE(A)を含む樹脂組成物」とは、PPE(A)そのものである場合、及びPPE(A)以外にも他の樹脂が含まれている場合の双方の意味を含む。
また、「PPE(A)を含む樹脂組成物が、有機溶剤(B)に溶解及び分散している」とは、PPE(A)を含む樹脂組成物が、有機溶剤(B)に完全には溶解しておらず、溶解しているものと分散しているものとがある状態を意味する。
本実施形態のPPE含有液状物において用いる有機溶媒(B)は、23±2℃の温度条件下で、前記PPE(A)を3質量%含有させた場合の光線透過率(波長660nm、光路長10mm)が、0.4%以上60%以下となるものとする。
(PPE)
本実施形態のPPE含有液状物に含まれるPPE(A)は、好ましくは、下記一般式(1)で表される繰り返し構造単位を含む。
Figure 2016023300
式(1)中、R1、R2、R3及びR4は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアミノ基、ニトロ基又はカルボキシル基を表す。
PPE(A)としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−フェニル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジクロロ−1,4−フェニレンエーテル)等、更には、2,6−ジメチルフェノールと他のフェノール類(例えば、2,3,6−トリメチルフェノール、2−メチル−6−ブチルフェノール等)との共重合体、及び、2,6−ジメチルフェノールとビフェノール類又はビスフェノール類とをカップリングさせて得られるPPE共重合体、等が挙げられる。
工業的に安定して製造可能である観点から、特に、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)が好ましい。
なお、本願明細書中、PPEとは、置換又は非置換のフェニレンエーテル単位構造から構成されるポリマーを意味するが、本発明の作用効果を損なわない範囲で他の共重合成分を含んでもよい。
前記PPE(A)は、数平均分子量が、好ましくは5,000以上40,000以下である。
PPE(A)の数平均分子量のより好ましい範囲は7,00以上30,000以下であり、さらに好ましい範囲は8,000以上25,000以下である。
PPE(A)の数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)を用い、標準ポリスチレン換算で測定することができる。典型的には、カラムにShodex LF−804×2(昭和電工株式会社製)、溶離液に50℃のクロロホルム、検出器にRI(屈折率計)を用いてGPC測定を行い、同条件で測定した標準ポリスチレン試料の分子量と溶出時間との関係式から、数平均分子量を算出することができる。
本実施形態のPPE含有液状物中に存在するPPE(A)の数平均分子量は、例えば次のようにして求めることができる。
PPE含有液状物から加熱乾燥、凍結乾燥等の方法により有機溶剤(B)を除去し、固形分を取得する。得られた固形分をクロロホルムに展開し、不溶分をろ別等の方法で除去し、抽出物を得る。
更にクロマトフラフィー法、溶媒分別法等の方法でPPE成分を分離精製し、測定用試料とする。当該測定用試料を用い、上述のGPC法により、数平均分子量を求める。
PPE(A)の数平均分子量が5,000以上であると、本実施形態のPPE含有液状物を用いて電子回路基板等を得た場合、当該電子回路基板等において要求される、PPE(A)を含む樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度、耐吸水性、はんだ耐熱性、及び接着性(例えば、多層板における層間の剥離強度、又は硬化物と銅箔等との剥離強度)が良好なものとなる。
また、PPE(A)の数平均分子量が40,000以下であると、硬化物を得るための加熱加圧成形時等の溶融粘度を抑制することができ、良好な成形性が得られる。
本実施形態のPPE含有液状物中に含有されているPPE(A)は、1分子当たりの平均フェノール性水酸基数が0.3個以上であることが好ましい。
PPE(A)1分子当たりの平均フェノール性水酸基数のより好ましい範囲は0.8個以上であり、さらに好ましくは1.0個以上であり、さらにより好ましくは1.2個以上である。
PPE(A)1分子当たりの平均フェノール性水酸基数は、次の方法で求めることができる。
高分子論文集,vol.51,No.7(1994),第480頁記載の方法に準拠し、PPEの塩化メチレン溶液にテトラメチルアンモニウムハイドロオキシド溶液を加えて得たサンプルの波長318nmにおける吸光度変化を紫外可視吸光光度計で測定した値から水酸基の数を求める。
別途、PPEの数平均分子量を、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により求め、この値とPPEの質量とを用いてPPEの分子数(数平均分子数)を求める。
これらの値から、下記式(2):
1分子当たりの平均フェノール性水酸基数=水酸基の数/数平均分子数・・・(2)
に従って、PPE1分子当たりの平均水酸基数を算出する。
PPE含有液状物中に存在するPPE(A)の1分子当たりの平均フェノール性水酸基数は、具体的には、下記のようにして求めることができる。
上述の数平均分子量と同様に、PPE含有液状物から、PPE成分を分離精製し、上述の吸光度を利用する方法により、平均フェノール性水酸基数を求める。
1分子当たりの平均フェノール性水酸基数が0.3個以上のPPEを用いることにより、当該PPEを含む樹脂組成物の硬化物と基材(例えばガラスクロス等)との接着性や、当該PPEを含む樹脂組成物の硬化物と銅箔等の金属箔との接着性が良好となり、電子回路基板の耐吸水性、はんだ耐熱性、及び接着性(例えば、多層板における層間の剥離強度、又は硬化物と銅箔等との剥離強度)が優れたものとなる。
一方、前記1分子当たりの平均フェノール性水酸基数は、前記PPEを含む樹脂組成物の硬化物と基材とを含む複合体(例えば積層板)の吸水性が高くなることを抑制できる観点、又は、前記複合体の誘電率と誘電正接が高くなることを抑制できる観点から、好ましくは3.0個以下、より好ましくは2.5個以下、さらに好ましくは2.0個以下である。
また、本実施形態のPPE含有液状物中のPPE(A)は、有機溶剤(B)に溶解していないPPE粒子(A−1)と、有機溶剤(B)に溶解しているPPE(A−2)により構成されている。
前記有機溶剤(B)に溶解していないPPE粒子(A−1)の好ましい含有量は、前記PPE粒子(A−1)と前記PPE(A−2)の合計質量を100質量%としたとき、30質量%以上99.9質量%以下であることが好ましい。PPE粒子(A−1)含有量のより好ましい範囲は60質量%以上99.9質量%以下であり、さらに好ましい範囲は80質量%以上99.8質量%以下である。
ここで、有機溶剤(B)に溶解していないポリレニレンエーテル粒子(A−1)の含有割合は、以下の方法で求めることができる。
すなわち、遠心分離法、デカンテーション、ろ別等の方法により、所定量(g)のPPE含有液状物を有機溶剤(B)に溶解していない成分を含む相と、有機溶剤(B)に溶解している成分を含む相に分離する。
次いで、それぞれの相から加熱乾燥、凍結乾燥等の方法により有機溶剤(B)を除去し、有機溶剤(B)に溶解していない成分と、有機溶剤(B)に溶解している成分を取得する。
次いで、それぞれの成分をクロロホルムに展開し、不溶分をろ別等により除去し、有機溶剤(B)に溶解していない成分からの抽出物(以下、この抽出物を「抽出物(a)」ともいう)と、有機溶剤(B)に溶解している成分からの抽出物(以下、この抽出物を「抽出物(b)」ともいう)を得る。
抽出物(a)中および抽出物(b)中のそれぞれのPPE含有量をカーボン核磁気共鳴分光法にて定量し、抽出物(a)中のPPE含有量(Pa(g))及び、抽出物(b)中のPPE含有量(Pb(g))(それぞれ質量基準)を得る。
これらの値を用い、下記式(3)により、有機溶剤(B)に溶解していないPPE粒子(A−1)の割合を求める。
PPE粒子(A−1)の含有割合=Pa/(Pa+Pb)×100・・・(3)
カーボン核磁気共鳴分光法を用いたPPEの定量は、以下の方法で行うことができる。
化学シフトの基準としてテトラメチルシランを使用し、そのピークを0ppmとする。
PPEのピークとして、16.8、114.4、132.5、145.4、154.7ppm近傍のピークの強度を合計し、テトラメチルシランのピーク強度との比をXとする。
標準物質についてのこの値をX1、及び抽出物(A)についての値をX2とすると、(X2/X1)×100の値を算出することにより抽出物質中におけるPPE含有量を測定することができる。
ここで、PPE由来の信号は、標準物質と同じ位置のものを用いればよく、上記に限定されるものではない。
なお、定量には、数平均分子量15,000〜25,000のポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)を標準物質として用い、同一の測定サンプル量から得られるピーク強度の比を用いて求める。
数平均分子量15,000〜25,000のポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)としては、例えば、旭化成ケミカルズ(株)製S202Aグレードを用いることができる。
有機溶剤(B)に溶解していないPPE粒子(A−1)は、温度変化や固形分濃度変化(PPE含有液状物からの有機溶剤(B)の蒸発などによって生じる)による粘度変化が小さい。
前記PPE粒子(A−1)と前記PPE(A−2)の合計質量100質量%中、PPE粒子(A−1)の含有量が30質量%以上であると、本実施形態のPPE含有液状物の流動性及び含浸性を安定に保つことができ、連続塗工性に優れるので好ましい。
PPE粒子(A−1)の含有量は多い方が、流動性や安定した含浸性が得られるが、一方において成膜性に関しては、溶解しているPPE(A−2)が多い方が好ましい。よって、PPE粒子(A−1)含有量を99.9質量%以下として成膜性を調整することが好ましい。
また、前記の有機溶剤(B)に溶解していないPPE粒子(A−1)は、数平均分子量が7,000以上40,000以下であることが好ましい。
PPE粒子(A−1)の数平均分子量のより好ましい範囲は8,00以上30,000以下であり、さらに好ましい範囲は9,000以上25,000以下である。
PPE粒子(A−1)の数平均分子量は、PPE(A)の数平均分子量と同様に、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)を用いて測定される標準ポリスチレン換算値である。
PPE含有液状物に存在するPPE粒子(A−1)の数平均分子量は、例えば下記のようにして測定することができる。
上述のPPE粒子(A−1)含有量を求めた方法と同様の方法で、有機溶剤(B)に溶解していない成分からの抽出物(a)を取得する。更にクロマトフラフィー法、溶媒分別法などの方法でPPE成分を分離精製し、測定用試料とする。当該測定用試料を用い、上述のGPC法により、数平均分子量を算出する。
PPE粒子(A−1)の数平均分子量が7,000以上であると、電子回路基板等において要求される、ポリフェンレンエーテル(A)を含む樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度、耐吸水性、はんだ耐熱性、及び接着性(例えば、多層板における層間の剥離強度、又は硬化物と銅箔等との剥離強度)を良好に与えるため好ましい。また、PPE(A)の数平均分子量が40,000以下であると、硬化物を得るための加熱加圧成形時等の溶融粘度が小さく、良好な成形性が得られるため好ましい。
また、前記の有機溶剤(B)に溶解していないPPE粒子(A−1)は、1分子当たりの平均フェノール性水酸基が0.8個以上であることが好ましい。
PPE粒子(A−1)1分子当たりの平均フェノール性水酸基数のより好ましい範囲は1.2個以上であり、さらに好ましくは1.4個以上、さらにより好ましくは1.6個以上である。
PPE粒子(A−1)の1分子当たりの平均フェノール性水酸基数は、PPE(A)の1分子当たりの平均フェノール性水酸基数と同じ、高分子論文集,vol.51,No.7(1994),第480頁記載の方法に準拠して算出することができる。
本実施形態のPPE含有液状物に存在するPPE粒子(A−1)の1分子当たりの平均フェノール性水酸基数は、例えば、下記の方法により測定することができる。
上述のPPE粒子(A−1)含有量を求めた方法と同様の方法で、有機溶剤(B)に溶解していない成分からの抽出物(a)を取得する。更にクロマトフラフィー法、溶媒分別法などの方法でPPE成分を分離精製し、測定用試料とする。当該測定用試料を用い、上述の高分子論文集,vol.51,No.7(1994),第480頁記載の方法に準拠した方法により、1分子当たりの平均フェノール性水酸基数量を算出する。
1分子当たりの平均フェノール性水酸基数が0.8個以上のPPEが、PPE粒子(A−1)であることにより、PPE(A)を含有する樹脂組成物は、当該樹脂組成物の硬化物と基材(例えばガラスクロス等)との接着性、又は当該樹脂組成物の硬化物と銅箔等の金属箔との接着性が良好となり、電子回路基板の耐吸水性、はんだ耐熱性、及び接着性(例えば、多層板における層間の剥離強度、又は硬化物と銅箔等との剥離強度)に優れたものとなるため好ましい。
一方、前記平均フェノール性水酸基数は、樹脂組成物の硬化物と基材とを含む複合体(例えば積層板)の吸水性が高くなることを抑制できる観点、又は、当該複合体の誘電率と誘電正接が高くなることを抑制できる観点から、好ましくは3.0個以下、より好ましくは2.5個以下、さらに好ましくは2.0個以下である。
さらに、本実施形態のPPE含有液状物において、PPE(A)の好ましい含有量は、当該PPE含有液状物中に含まれる樹脂組成物の質量を100質量%基準として、10質量%以上70質量%以下である。
PPE(A)の樹脂組成物に占める割合のより好ましい範囲は15質量%以上65質量%以下、さらに好ましい範囲は25質量%以上60質量%以下である。
PPE(A)の樹脂組成物に占める割合は以下の方法により求めることができる。
PPE含有液状物から加熱乾燥、凍結乾燥等の方法により有機溶剤(B)を除去し、樹脂組成物を取得する。
次いで、樹脂組成物成分からクロロホルムに溶解する成分を抽出し、クロロホルムを乾燥除去し、クロロホルムに溶解する樹脂成分を取得する。
該クロロホルムに溶解する樹脂成分中のPPE含有量を、上述のカーボン核磁気共鳴分光法を用いた方法で測定する。
これらの値を用いて、下記式(4)を用いて、樹脂組成物に占めるPPE(A)の割合を算出する。
PPE(A)の樹脂組成物に占める割合=クロロホルムに溶解する樹脂成分中のPPE含有量(g)/樹脂組成物量(g)×100
・・・・・(4)
PPE(A)の樹脂組成物に占める割合が10質量%以上のとき、本実施形態のPPE含有液状物の粘度が適度に高くなり、PPE含有液状物の分散安定性が増すので好ましい。また、樹脂組成物中のPPE含有量が高められ、当該樹脂組成物の硬化物の電気特性が優れたものとなるため好ましい。
PPE(A)の樹脂組成物に占める割合が70質量%以下のとき、硬化物を得るための加熱加圧成形時等の溶融粘度が高くなりすぎるのを防ぎ、均一で良好な成形性が得られる点で好ましい。
(有機溶剤(B))
本実施形態のPPE含有液状物を構成する有機溶剤(B)は、PPE(A)を3質量%となるように、23±2℃の温度条件下で溶解及び分散させた際、その光線透過率(波長660nm、光路長10mm)が0.4%以上60%以下となる有機溶剤(B)である。
前記光線透過率(波長660、光路長10mm)の好ましい範囲は0.5%以上50%以下、より好ましい範囲は0.6%以上45%以下、さらに好ましい範囲は0.7%以上40%以下である。
ここで、PPE(A)を3質量%となるように、23±2℃の温度条件下で溶解及び分散させた際の光線透過率とは、以下の測定によって求められる値である。
PPE(A)0.15gを23±2℃の有機溶剤(B)に加え、23±2℃の条件でマグネチックスターラーを用いて1時間撹拌したのち、光路長10mmの石英セルを用い、波長660nmの光線透過率を測定する。
次いで、同様の方法で撹拌時間を2時間にして光線透過率の測定をする。
撹拌1時間と2時間の光線透過率の値の差が0.2%以内であればその平均値をPPE含有液状物の光線透過率とする。
撹拌時間1時間と2時間の光線透過率の値の差が0.2%より大きければ、撹拌時間を3時間に延長して同様に光線透過率の測定を行い、撹拌2時間と3時間の光線透過率の値の差が0.2%以内であればその平均値をPPE含有液状物の光線透過率とする。
撹拌2時間と3時間の光線透過率の値の差が0.2%より大きければ、さらに撹拌時間を1時間長くして光線透過率の測定を行い、光線透過率の差が0.2%以内となるまで繰り返し測定を行い、0.2%以内となった時点での平均値をPPE含有液状物の光線透過率とする。
光線透過率が0.4%以上であると、PPEが粒子内に有機溶剤を取り込み膨潤しやすく、基材への含浸性や、接着性に優れるため、好ましい。
光線透過率が60%以下で、PPEの過剰な膨潤による高粘度化を抑制し、分散液の流動性や基材への含浸性に優れるため好ましい。
光線透過率が0.3%以上60%以下の範囲で、ワニスの流動性、基材への含浸性に優れ、且つ、接着性に優れるため好ましい。
有機溶剤(B)は、特に限定されるものではなく、1種類の有機溶剤を用いてもよく、2種類以上の有機溶剤を適時混合して用いてもよい。
2種以上の有機溶剤を用いる場合には、上述した条件における光線透過率が90%以上となる有機溶剤と、前記光線透過率が1%以下となる有機溶剤とを、適時混合して用いることができる。
前記光線透過率が90%以上となる有機溶剤と、前記光線透過率が1%以下の有機溶剤とを混合して用いる場合の好ましい混合比は、(光線透過率が90%以上となる有機溶剤):(光線透過率が1%以下の有機溶剤)=70:30〜99.9:0.1であり、より好ましい範囲は75:25〜99.6:0.4、さらに好ましい範囲は80:20〜99.2:0.8である。
ここで、光線透過率が90%以上となる有機溶剤を70%以上含んでいると、PPE粒子内への有機溶剤(B)の浸透を短い時間で飽和させることができるため、本実施形態のPPE含有液状物の調整が容易となる点、またはPPE含有液状物の経時的な増粘を抑えられる点から好ましい。
光線透過率が1%以下となる有機溶剤を0.1%以上含有すると、PPE粒子内への有機溶剤(B)の継続的な浸透が抑制されるため、分散液の経時的な増粘を抑えられる観点から好ましい。
光線透過率が90%以上の有機溶剤と、光線透過率が1%以下の有機溶剤の質量混合比が、(光線透過率が90%以上となる有機溶剤):(光線透過率が1%以下の有機溶剤)=70:30〜99.9:0.1の範囲であるとき、分散液の調整を短時間で行うことができ、且つ、経時安定性に優れる分散液となるので好ましい。
ここで、光線透過率が90%以上となる有機溶剤は特に限定されることはなく、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、エチルベンゼン、ベンジルアルコールなどが挙げられる。これらは、1種類のみを単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、光線透過率が1%以下となる有機溶剤は特に限定されることなく、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シキロヘキサノンなどが挙げられる。これらは、1種類のみを単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(その他の成分)
本実施形態のPPE含有液状物中の樹脂組成物は、上述のPPE(A)に加え、架橋型硬化性成分(C)を含有することが好ましい。
架橋型硬化性成分(C)としては、硬化後に電子回路基板に必要な耐熱性を付与できる観点から、分子内に2個以上のビニル基を有するモノマーが好ましい。
PPE含有液状物は、PPE(A)100質量部に対して、架橋型硬化性成分(C)を好ましくは5〜95質量部、より好ましくは10〜80質量部、さらに好ましくは10〜70質量部、さらにより好ましくは20〜70質量部含有する。
本実施形態のPPE含有液状物における架橋型硬化性成分(C)の含有量が、PPE(A)100質量部に対して5質量部以上であることにより、プリプレグの状態での樹脂組成物の溶融粘度を良好に低減させることができ、加熱加圧成型などによる成型性が良好となる。
また、硬化物の状態での樹脂組成物の耐熱性を向上させることができる。
一方、架橋型硬化性成分(C)の量が95質量部以下である場合、PPEの有する優れた誘電率及び誘電正接を発現することができる。
分子内に2個以上のビニル基をもつモノマーとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)、トリアリルシアヌレート(TAC)、トリメタリルシアヌレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、ジアリルフタレート、ジアリルシアヌレート等が挙げられ、中でもPPEとの相溶性の良好な、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)が好ましい。
本実施形態のPPE含有液状物は、上述の架橋型硬化性成分(C)に加え、該架橋型硬化性成分(C)の反応開始剤(D)をさらに含むことが好ましい。
反応開始剤(D)としては、ビニルモノマーの重合反応を促進する能力を有する任意の開始剤をいずれも使用できる。反応開始剤(D)は、以下に限定されるものではないが、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、ジ(トリメチルシリル)パーオキサイド、トリメチルシリルトリフェニルシリルパーオキサイド等の過酸化物が挙げられる。
また、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン等のラジカル発生剤も反応開始剤(D)として使用できる。
中でも、耐熱性及び機械特性に優れ、更に低い誘電率及び誘電正接を有する硬化物を与えることができるという観点から、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、及び2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンが好ましい。
反応開始剤(D)の使用量は適宜設定できるが、一般的には、重合反応を良好に促進する観点から、架橋型硬化性成分(C)100質量部に対して、好ましくは1.0質量部以上、より好ましくは3.0質量部以上、さらに好ましくは5.0質量部以上であり、硬化物の誘電率及び誘電正接を低く抑えることができる観点から、好ましくは25質量部以下、より好ましくは20質量部以下、さらに好ましくは10質量部以下である。
また、本実施形態のPPE含有液状物には、上述のPPE(A)に加え、他の樹脂(例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等)を含有させることができる。
熱可塑性樹脂としては、以下に限定されるものではないが、例えば、エチレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレン、スチレン、ジビニルベンゼン、メタクリル酸、アクリル酸、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、塩化ビニル、アクリロニトリル、無水マレイン酸、酢酸ビニル、四フッ化エチレン等のビニル化合物の単独重合体及び2種以上のビニル化合物の共重合体、並びに、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアセタール、ポリフェニレンスルフィド、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
これらの中でも、スチレンの単独重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、及びスチレン−エチレン−ブタジエン共重合体が、樹脂組成物の有機溶剤(B)への溶解性及び成形性の観点から好ましい。
熱硬化性樹脂としては、以下に限定されるものではないが、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、及びシアネートエステル類が挙げられる。
上記熱可塑性樹脂及び硬化性樹脂は、酸無水物、エポキシ化合物、アミン等の官能化化合物で変成されたものでもよい。
他の樹脂成分の使用量は、PPE(A)100質量部に対して、好ましくは10質量部以上、より好ましくは15質量部以上、さらに好ましくは20質量部以上であり、PPE(A)の優れた誘電特性および耐熱性を発現させる観点から、好ましくは90質量部以下、より好ましくは70質量部以下、さらに好ましくは50質量部以下である。
本実施形態のPPE含有液状物は、目的に応じ、適当な添加剤を更に含有してもよい。
添加剤としては、難燃剤、熱安定剤、酸化防止剤、UV吸収剤、界面活性剤、滑剤、充填剤、ポリマー添加剤等が挙げられる。
特に、本実施形態のPPE含有液状物が難燃剤を含む場合、本実施形態のPPE含有液状物の有する良好な成形性、耐吸水性、はんだ耐熱性、及び接着性(例えば、多層板における層間の剥離強度、又は硬化物と銅箔等との剥離強度)に優れるプリント配線板等が得られる利点に加え、難燃性が得られる観点から好適である。
難燃剤としては、燃焼のメカニズムを阻害する機能を有するものであれば特に限定されるものではなく、従来公知の材料を適宜使用できる。
難燃剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、三酸化アンチモン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ほう酸亜鉛等の無機難燃剤、ヘキサブロモベンゼン、デカブロモジフェニルエタン、4,4−ジブロモビフェニル、エチレンビステトラブロモフタルイミド等の芳香族臭素化合物、レゾルシノールビス−ジフェニルホスフェート、レゾルシノールビス−ジキシレニルホスフェート等のリン系難燃剤等が挙げられる。
中でも、本実施形態のPPE含有液状物を用いて製造した硬化物の誘電率及び誘電正接を低く抑えられる観点からデカブロモジフェニルエタン等が好ましい。
難燃剤の使用量は、使用する難燃剤によって異なり、特に限定するものでないが、UL規格94V−0レベルの難燃性を維持する観点から、PPE(A)と、前記架橋型硬化性成分(C)との合計量を100質量部としたとき、好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上、さらに好ましくは15質量部以上である。
また、得られる硬化物の誘電率及び誘電正接を小さく維持できる観点から、上記使用量は、好ましくは50質量部以下、より好ましくは45質量部以下、さらに好ましくは40質量部以下である。
その他、各種添加剤としては、上記のように、熱安定剤、酸化防止剤、UV吸収剤、界面活性剤、滑剤、充填剤、ポリマー添加剤等が挙げられる。これらの添加剤の使用量は所望の特性に応じて当業者によって適宜設定される。
〔PPE含有液状物の製造方法〕
以下、本実施形態のPPE含有液状物の製造方法について説明する。
PPE(A)を含む樹脂組成物と、有機溶剤(B)とが、上述の要件を満たせば、製造方法は特に限定されるものではない。
例えば、PPE(A)を含む樹脂組成物を有機溶剤(B)に加えて撹拌・混合する方法(以下、「分散法」ともいう)、或いは、PPE(A)を含む樹脂組成物を有機溶剤(B)に加えた後に加熱してPPE(A)を溶解させた後に温度降下させる方法(以下、「結晶法」ともいう)が挙げられる。
[分散法]
PPE(A)を含む樹脂組成物を有機溶剤(B)に加え、撹拌、混合することにより、PPE含有液状物を得る。
商業的に入手可能なPPEが粉末状であれば、そのまま、或いは粒度を調整した後に有機溶剤(B)に加え、混合・撹拌してPPE含有液状物を得ることができる。
PPEがペレット状であれば、粉砕等により細かくしてから有機溶剤(B)に加えて、撹拌・混合することができる。
他の方法として、PPE(A)及び必要に応じてその他の成分を有機溶剤(B)に加えた後、PPE(A)が有機溶剤(B)に湿潤した状態で物理的なせん断応力をかけ、PPE(A)を解砕する方法も好ましく用いられる。
物理的なせん断力をかける方法としては、特に限定はないが、例えば、ボールミル、ホモジナイザーなどを用いる方法が挙げられる。
[結晶法]
PPE(A)及び必要に応じてその他の成分を有機溶剤(B)に加え、その後に加熱してPPE(A)を溶解させた後に温度降下することにより、PPE(A)を含む樹脂組成物が有機溶剤(B)に溶解及び分散しているPPE含有液状物を得ることができる。
〔樹脂ワニス〕
本実施形態の樹脂ワニスは、上述した本実施形態のPPE含有液状物を含む。
本実施形態の樹脂ワニスは、PPE含有液状物単独であってもよく、さらに他の成分、例えば、上述した架橋型硬化性樹脂(C)、反応開始剤(D)、他の樹脂、他の添加剤を組み合わせもよい。
〔電子回路基板材料〕
本実施形態の電子回路基板材料は、上述した本実施形態の樹脂ワニスを用いて形成される。
具体的には、樹脂ワニスよりなるフィルム、所定の支持体に樹脂ワニスを塗付したフィルム、基材に前記樹脂ワニスを含浸させたプリプレグ、樹脂ワニスを付加した金属箔、及びこれらを任意に積層成型して得られる積層体が挙げられる。
(樹脂フィルム)
本実施形態の樹脂フィルムとしては、樹脂ワニスを単独で、或いは所定の支持フィルムを支持体として樹脂ワニスを塗布し、次いで、樹脂ワニス中の有機溶剤を乾燥除去することにより得られる。
前記支持体としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミド等の各種樹脂フィルム;銅箔、アルミ箔などの金属箔;離形紙などが挙げられる。なお、支持体は、予めマッド処理、コロナ処理、離形処理などの化学的、物理的処理を施したものであってもよい。
本実施形態の樹脂フィルムは、多層プリント配線板等の積層体の層間絶縁シート、接着フィルムとして好適に用いることができる。
(基材に樹脂ワニスを含浸させたプリプレグ)
本実施形態のプリプレグは、樹脂ワニスを所定の基材に含浸させた後、熱風乾燥機等で樹脂ワニス中の有機溶剤を乾燥除去することにより得られる。
本実施形態のプリプレグは、樹脂ワニスに含有されている固形分が基材中に含浸された構造となることが特徴である。
但し、当該固形分がプリプレグ表面に層を形成した構造をとっても、当該プリプレグの硬化物を得るためのプレス成型によって基材中に固形分の硬化物が含浸された構造となれば、何ら問題はない。
プリプレグの基材としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ロービングクロス、クロス、チョップドマット、サーフェシングマット等の各種ガラス布;アスベスト布、金属繊維布、及びその他合成若しくは天然の無機繊維布;全芳香族ポリアミド繊維、全芳香族ポリエステル繊維、ポリベンゾオキサゾール繊維等の液晶繊維から得られる織布又は不織布;綿布、麻布、フェルト等の天然繊維布;カーボン繊維布、クラフト紙、コットン紙、紙−ガラス混繊糸から得られる布等の天然セルロース系基材;ポリテトラフルオロエチレン多孔質フィルム等が挙げられる。これらは1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を組合せて用いてもよい。
上記プリプレグに占める樹脂組成物の割合は、プリプレグ全量100質量部に対して、30〜90質量部であることが好ましく、より好ましくは40〜70質量部である。
樹脂組成物の割合が30質量部以上である場合、プリプレグを例えば電子回路基板形用の絶縁材料として使用した際に、優れた絶縁信頼性と電気特性が得られるため好ましい。樹脂組成物の割合のよりに好ましい範囲は40質量%以上、さらに好ましい範囲は50質量%以上である。
また、樹脂組成物の割合が90質量部以下である場合、例えば、得られる電子回路基板が、曲げ弾性率等の機械特性に優れるため好ましい。樹脂組成物の割合のより好ましい範囲は80質量%以下であり、70質量%以下である。
プリプレグにおける樹脂組成物の含有率(すなわちPPE樹脂(A)、架橋型硬化性成分(C)、反応開始剤(D)、他の樹脂成分、及び任意の添加剤の合計含有率)は、基材の厚さ及びプリプレグの使用目的に応じて適宜設定すればよく、例えば基材としてガラスクロスを使用した場合、ガラスクロスの誘電率は樹脂組成物の誘電率に比べて高いため、樹脂組成物の含有率を増やした方が誘電特性的に有利となる。
(樹脂ワニスを付加した金属箔)
本実施形態の樹脂ワニスを付加した金属箔は、樹脂ワニスを金属箔に塗布した後、熱風乾燥機等で樹脂ワニス中の有機溶剤を乾燥除去することにより得られる。
金属箔としては、以下に限定されるものではないが、例えば、アルミ箔、銅箔などを用いることができ、中でも銅箔は電気抵抗が低いため好ましい。
(積層体)
本実施形態に係る積層体は、上述した樹脂ワニスよりなるフィルム、支持体に樹脂ワニスを塗付したフィルム、基材に前記樹脂ワニスを含浸させたプリプレグ、及び樹脂ワニスを付加した金属箔からなる群より選択して適宜組み合わせて積層させた構成を有している。
典型的には、1枚又は複数枚の上記の樹脂フィルムおよびプリプレグを銅箔等の基板と重ねた後、プレス成型により硬化性樹脂組成物を硬化させて絶縁層を形成することにより製造することができる。銅箔の代わりに樹脂付金属箔を用いることも可能である。
金属箔としては、例えば、アルミ箔、銅箔などを用いることができ、中でも銅箔は電気抵抗が低いため好ましい。
金属箔と組合せる樹脂フィルムおよびプリプレグは1枚でも複数枚でもよく、用途に応じて片面又は両面に金属箔を重ねて積層板に加工する。
当該積層板は、好ましくは、樹脂ワニスの固形分の硬化物と金属箔とが重なって密着しており、優れた絶縁信頼性及び機械特性を有するため、電子回路基板の材料として好適に用いることができる。
以下、具体的な実施例及び比較例を挙げて本発明について詳細に説明するが、本発明は以下の実施例により何ら限定されるものではない。
以下の実施例、比較例及び試験例中の各物性は、以下の方法によって測定した。
(1)有機溶剤にPPEを3質量%となるよう溶解・分散させた時の光線透過率
PPE1.2gを23±2℃に調整した有機溶剤38.8gに加え、23±2℃の条件でマグネチックスターラーを用いて2時間撹拌した。
有機溶剤中にPPEが3質量%含有されたものを測定試料とし、光路長10mmの石英セルを用い、波長660nmにおける光線透過率を測定した。
同様に、撹拌時間を更に1時間追加して光線透過率を測定した。
撹拌2時間と3時間の光線透過率の値の差が0.2%以内であれば、その平均値を光線透過率とした。
撹拌時間2時間と3時間の光線透過率の値の差が0.2%より大きければ、撹拌時間を更に1時間延長して光線透過率の測定を行い、撹拌3時間と4時間の光線透過率の値の差が0.2%以内であればその平均値を光線透過率とした。
撹拌3時間と4時間の光線透過率の値の差が0.2%より大きければ、さらに撹拌時間を1時間長くして光線透過率の測定を行い、光線透過率の差が0.2%以内となるまで繰り返し測定を行い、0.2%以内となった時点の平均値を光線透過率とした。
ここで、マグネチックスターラーによる撹拌は、容器:直径33mm、スターラーバー:長さ20mm、回転数500回転/分の条件で行った。
(2)PPEの数平均分子量
ゲルパーミエーションクロマトグラフィ分析(GPC)を用い、分子量既知の標準ポリスチレンの溶出時間との比較により、PPEの数平均分子量を求めた。
測定装置には、HLC−8220GPC(東ソー株式会社製)を用い、カラム:Shodex LF−804×2(昭和電工株式会社製)、溶離液:50℃のクロロホルム、検出器:RI、の条件で測定した。
(3)PPE1分子当たりの平均フェノール性水酸基数
吸光度から求めたPPEに含まれるフェノール性水酸基数と、平均分子量から求めたPPEの分子数とを用い、1分子当たりの平均フェノール性水酸基数を求めた。
先ず、高分子論文集,vol.51,No.7(1994),第480頁記載の方法に準拠し、PPEの塩化メチレン溶液にテトラメチルアンモニウムハイドロオキシド溶液を加えて得た試料の波長318nmにおける吸光度変化を紫外可視吸光光度計で測定した値から水酸基の数を求めた。
別途、PPEの数平均分子量を、上記(2)に従いゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により求め、この値を用いて、PPEの分子数を求めた。
これらの値から、下記式に従って、PPE1分子当たりの平均水酸基数を算出した。
1分子当たりの平均フェノール性水酸基数=水酸基の数/PPEの分子数
(4)樹脂ワニスの粘度測定
B型粘度計、ローターNo.3(芝浦システム社製、単一円筒型回転粘度計)を用い、25℃、30rpm、30秒の条件で粘度の測定を行った。
(5)プリプレグの取扱い性(粉落ち、剥がれ)
後述する[試験例]で製造したプリプレグを180°に折り曲げた際に、樹脂粉落ち、あるいは樹脂剥離が生じるかを調べ、評価した。
プリプレグを200mm×300mmの大きさにカッター刃を用いて切り出し、試験片とした。
先ず、長方形の長辺側2辺が重なるようにプリプレグを180°に折り曲げた後、元に戻した。
次いで、長方形の短辺側2辺が重なるようにプリプレグを180°に折り曲げた後、元に戻した。
上述の一連のプリプレグの取り扱いにおいて、樹脂粉落ち、又は樹脂層の剥がれなどの問題がなかったものは合格(○)と評価した。一方、樹脂粉落ちが激しかったものは「不合格/粉落ち」、また、樹脂層の剥がれが著しかったものは「不合格/剥がれ」と評価した。
なお、表1において、プリプレグの取扱い性評価を実施できなかった比較例1〜4の欄は、「−」と記した。
(6)硬化物のガラス転移温度(Tg)
後述する方法により製造した硬化物試験片を用いて、硬化物のガラス転移温度を測定した。
硬化物試験片の動的粘弾性を測定し、tanδが最大となる温度をガラス転移温度として求めた。
測定装置に動的粘弾性装置(RHEOVIBRON モデルDDV-01FP、ORIENTEC社製)を用い、試験片:長さ約35mm、幅約12.5mm、及び厚さ約0.3mm、ひっぱりモード、周波数:10rad/sの条件で測定を行った。
なお、硬化物試験片は、以下の方法で製造した。
後述する[試験例]で製造したプリプレグを2枚重ね、その上下に厚み12μmの銅箔(GTS−MP箔、古川電気工業株式会社製)を重ね合わせたものを、最終到達温度200℃、最終到達圧力30kg/cm2の条件で真空プレスを行い、両面銅張積層板を得た。その後、銅箔をエッチングにて除去し、硬化物試験片を得た。
表1中、「−」は、硬化物の特性評価を行わなかったため評価結果がないことを意味する。
(7)硬化物の10GHzにおける誘電率、誘電正接
後述する方法により製造した硬化物試験片を用いて、硬化物の誘電率、誘電正接を測定した。
硬化物試験片の10GHzにおける誘電率及び誘電正接を、ネットワークアナライザーを用いた空洞共振法にて測定した。
硬化物試験片は次の方法で製造した。
後述する[試験例]で製造したプリプレグを8枚重ね、最終到達温度200℃、最終到達圧力30kg/cm2の条件で真空プレスを行い、硬化物(積層板)を得た。
当該硬化物を、50mm×1.8mmの大きさに切り出し、誘電率及び誘電正接の測定用の硬化物試験片とした。
硬化物試験片を、105±2℃のオーブンに入れ、2時間乾燥させた後、23℃、相対湿度65±5%の環境下に96±5時間放置して調湿した後、ネットワークアナライザー(N5230A、AgilentTechnologies社製)と空洞共振器(CavityResornatorSシリーズ、関東電子応用開発社製)を組み合わせた測定装置を用い、23℃、相対湿度65±5%の環境下で測定を行った。
表1中、「−」は、硬化物の特性評価を行わなかったため評価結果がないことを意味する。
(8)硬化物の吸水率
上述した「(6)硬化物のガラス転移温度」で製造した硬化物を50mm角に切り出し試験片とし、吸水加速試験後に増加した質量から吸水率を求めた。
まず、硬化物試験片を130℃で30分乾燥した後、質量を測定し、加速試験前の質量(g)とした。
次いで、温度:121℃、圧力:2atm、時間:4時間、の条件で加速試験を行った後の質量を測定し、加速試験後の質量(g)とした。
加速試験前の質量(g)と加速試験後の質量(g)とを用い、下記式により吸水率を算出し、試験片4枚の測定値の平均値を求めた。
表1中、「−」は、硬化物の特性評価を行わなかったため評価結果がないことを意味する。

吸水率(質量%)=(加速試験前の質量―加速試験後の質量)/加速試験前の質量×100
(9)硬化物の吸水試験後のはんだ耐熱性
上述した「(8)硬化物の吸水率」において、吸水率試験を行った後の試験片を用い、288℃及び260℃でのはんだ耐熱試験を行った。
上述した吸水加速試験後の試験片を、288℃又は260℃のはんだ浴に20秒間浸漬し、目視による観察を行った。
288℃のはんだ浴へ浸漬しても、膨れ、剥離及び白化の何れも確認されなかった積層板については、はんだ耐熱性が、「288℃」と評価した。
また、288℃のはんだ浴への浸漬により、膨れ、剥離及び白化の何れか1つ以上が発生したが、260℃のはんだ浴へ浸漬しても、膨れ、剥離及び白化の何れも確認されなかった試験片については、はんだ耐熱性が、「260℃」と評価した。
また、260℃のはんだ浴への浸漬により、膨れ、剥離及び白化の何れか1つ以上が発生した試験片は「不合格」と評価した。
(10)硬化物の銅箔剥離強度
両面銅張積層板の銅箔を一定速度で引き剥がす際の応力を測定した。
後述の方法で製造した、35μm銅箔(GTS−MP箔、古川電気工業株式会社製)を用いた両面銅張積層板を、幅15mm×長さ150mmのサイズに切り出し、試験片とした。
オートグラフ(AG−5000D、株式会社島津製作所製)を用い、銅箔を除去面に対し90℃の角度で50mm/分の速度で引き剥がした際の荷重の平均値を測定し、5回の測定の平均値を求めた。
前記両面銅張積層板は、以下の方法で製造した。
後述する[試験例]で製造したプリプレグを2枚重ね、その上下に厚み35μmの銅箔(GTS−MP箔、古川電気工業株式会社製)を重ね合わせたものを、最終到達温度200℃、最終到達圧力30kg/cm2の条件で真空プレスを行い、両面銅張積層板を製造した。
この両面銅張積層板を銅箔剥離強度測定用の試料として用いた。
〔製造例1:ベンジル化PPE〕
90℃に加温されたオイルバスに10Lのフラスコを設置し、フラスコ内部に毎分30mlで窒素ガスを導入した。以降、操作は常に窒素ガス気流下で行った。
ここに、ポリフェニレンーテル(S202A、旭化成ケミカルズ製)1000g、トルエン2000gを入れ、撹拌溶解させた。
次いで、水酸化ナトリウム340gをイオン交換水3050gに溶解させた水溶液とテトラブチルアンモニウムヨード31gとを加えて、5分間撹拌した。
続いて、塩化ベンジル1070gを加えてから4時間撹拌を続け、ベンジル化PPEを含む反応液を得た。
当該反応液を静置し、2層分離させた後、下槽を除去した。
次いで、メタノール200gを加え、同様に撹拌、静置し、2層に分離させた後、上層を除去した。
更にメタノール100gを加え、同様に撹拌、静置し、2層に分離させた後、下層を回収してベンジル化ポリフェニレネーテルを含む反応液を得た。
これに多量のメタノールを加え、ベンジル化ポリフェニレンエーテルを沈殿させ、ろ別後、乾燥させてベンジル化ポリフェニレンエーテルを得た。
得られたベンジル化ポリフェニレンエーテルの数平均分子量は19,000、1分子当たりの平均フェノール性水酸基数は0.04個であった。
〔製造例2:低分子量・ベンジル化PPE〕
90℃に加温されたオイルバスに10Lのフラスコを設置し、フラスコ内部に毎分30mlで窒素ガスを導入した。以降、操作は常に窒素ガス気流下で行った。
ここに、PPE1000g、及びトルエン3000gを入れ、攪拌溶解させた。
更に80gのビスフェノールAをメタノール350gに溶かした溶液を上記フラスコに攪拌しながら加えた。
5分間攪拌を続けた後、6質量%ナフテン酸コバルトミネラルスピリット溶液3mlを注射器で加え、5分間攪拌を続けた。
続いてベンゾイルパーオキサイド溶液375gにトルエン1125gを加えて、ベンゾイルパーオキサイド濃度が10質量%になるように希釈した溶液を滴下ロートに入れ、上記フラスコに2時間かけて滴下していった。滴下終了後、更に2時間加熱及び攪拌を続け、低分子量化PPEを含む反応液を得た。得られた低分子量化PPEの数平均分子量は2,800であり、1分子当たりの平均フェノール性水酸基数は1.96個であった。
次いで、該低分子量化PPEを含む反応液の温度を50℃に下げ、水酸化ナトリウム340gをイオン交換水3050gに溶解させた水溶液とテトラブチルアンモニウムヨード31gとを加えて、5分間撹拌した。
続いて、塩化ベンジル1070gを加えてから温度50℃で4時間撹拌を続け、低分子量・ベンジル化PPEを含む反応液を得た。
当該反応液を静置し、2層分離させた後、下槽を除去した。
更に水1000gを加え、撹拌した後静置し、再び2槽に分離させた後、下槽を除去した。
次いで、メタノール200gを加え、同様に撹拌、静置し、2層に分離させた後、上層を除去した。
更にメタノール100gを加え、同様に撹拌、静置し、2層に分離させた後、下層を回収して低分子量・ベンジル化PPEを含む反応液を得た。
これに多量のメタノールを加え、低分子量・ベンジル化PPEを沈殿させ、ろ別後、乾燥させて低分子量・ベンジル化PPEを得た。
得られた低分子量・ベンジル化PPEの数平均分子量は3,000、1分子当たりの平均フェノール性水酸基数は0.01個であった。
〔実施例1〕
トルエンとメタノールの混合溶剤(質量比99:1)152質量部を、ステンレスビーカーに入れ、撹拌しながら、PPE(S202A、旭化成ケミカルズ製、数平均分子量18,000、1分子当たりの平均フェノール性水酸基数1.84個)40.6質量部、トリアリルイソシアヌレート(日本化成製)17.4質量部、スチレン系エラストマー(タフテックH1401、旭化成ケミカルズ製)5.0質量部を加え、十字パドル型撹拌翼で30分間、ホモジナイザー(HM−300型版 アズワン社製)で10分間(25℃、8,000回転)分散し、PPE含有液状物Aを得た。
得られたPPE含有液状物Aに、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン(パーブチルP、日油製)2.0質量部を加え、均一に撹拌した後、デカブロモジフェニルエタン(SAYTEX8010、アルベマールジャパン製)15.0質量部、シリカフィラー(球状シリカ、龍森製)20.0質量部を加え、均一に撹拌し、樹脂ワニスAを得た。
〔実施例2〜14〕
表1に記載の組成に従い、その他の条件は、実施例1と同様の方法で、PPE含有液状物B〜N、及び樹脂ワニスB〜Nを得た。
〔比較例1〕
トルエンとメタノールの混合溶剤をトルエン単独に代えた。その他の条件は、実施例1と同様の方法で、PPE含有液状物O、および樹脂ワニスOの取得を試みた。
しかし、PPE含有液状物OはPPEの膨潤ゲル化により流動性が全く無く、固まってしまったので、樹脂ワニスOを得ることはできなかった。
〔比較例2〕
トルエンとメタノールの混合溶剤をメタノール単独に代えた。その他の条件は、実施例1と同様の方法で、PPE含有液状物P、および樹脂ワニスPの取得を試みた。
しかし、PPE含有液状物PはPPEの沈降性が著しく、続く樹脂ワニスPの製造を試みたが、均一な樹脂ワニスPを得ることはできなかった。詳細には、10分程度でPPEの沈降が生じ、塗工用樹脂ワニスとすることができなかった。
〔比較例3〕
トルエンとメタノールの混合溶剤をアセトン単独に代えた。その他の条件は、実施例1と同様の方法で、PPE含有液状物Q、および樹脂ワニスQの取得を試みた。
しかし、PPE含有液状物QはPPEの沈降性が著しく、続く樹脂ワニスQの製造を試みたが、均一な樹脂ワニスQを得ることはできなかった。詳細には、10分程度でPPEの沈降が生じ、塗工用樹脂ワニスとすることができなかった。
〔比較例4〕
トルエンとメタノールの混合溶剤をメチルエチルケトン単独に代えた、その他の条件は、実施例1と同様の方法で、PPE含有液状物R、および樹脂ワニスRの取得を試みた。
しかし、PPE含有液状物RはPPEの沈降性が著しく、続く樹脂ワニスRの製造を試みたが、均一な樹脂ワニスRを得ることはできなかった。詳細には、10分程度でPPEの沈降が生じ、塗工用樹脂ワニスとすることができなかった。
〔比較例5〜14〕
表1に記載の組成に従い、その他の条件は実施例1と同様の方法で、PPE含有液状物S〜AB、および樹脂ワニスS〜ABを得た。
〔試験例〕
実施例1〜14の樹脂ワニスA〜N、及び比較例5〜16の樹脂S〜ABを用い、ガラスクロス(Eガラス、厚さ約0.1mm、116スタイル、旭シェーベル製)2,000mへの連続塗工試験を行った。
塗工は、次のように行った。
ガラスクロスを長尺方向に移送させながら、樹脂ワニスで満たされている含浸バス内を通過させ、樹脂ワニスにガラスクロスを浸漬させた。
続いて、含浸バス内の含浸ロールでガラスクロスの移送角度を変更し、ガラスクロスを含浸バスから垂直方向に抜出した後、樹脂含量が60質量%となるようにガラスクロスに付着した余分なワニスを掻き落とし、乾燥ゾーンへ移送した。
乾燥ゾーンでは、熱風の吹付と輻射熱により、余分な溶剤を乾燥除去させた。
前述の一連の操作を連続して2000m行い、プリプレグを得た。
塗工状況、および得られたプリプレグの観察結果から連続塗工性の評価を行った。
塗工性の評価を、○(良)、×(悪)の2段階で行った。
評価内容は下記表1に示す。
また、2000m安定して塗工できた樹脂ワニスは、硬化物の特性評価((6)ガラス転移温度測定、(7)10GHzでの誘電率および誘電正接測定、(8)吸水率測定、(9)吸水試験後のはんだ耐熱試験、(10)銅箔剥離強度試験)を行った。
[塗工性評価結果]
実施例1〜14の樹脂ワニスA〜Nは、2000m、特に問題もなく、安定して塗工することができた。
得られたプリプレグは樹脂の粉落ちや剥がれが無く、取り扱い性に優れるものであった。
比較例5の樹脂ワニスS、比較例8の樹脂ワニスV、比較例10の樹脂ワニスX、比較例12の樹脂ワニスZは、初期は問題なく塗工できたが、500mを過ぎた辺りから含浸バス内の樹脂表面の被膜形成と樹脂粘度の上昇(推定)により含浸バス内での樹脂ワニスの流動性が低下し、ガラスクロスの幅方向に塗工ムラが生じてしまった。得られたプリプレグは、粉落ちや剥がれの問題はなかった。
比較例6の樹脂ワニスT、比較例7の樹脂ワニスU、比較例9の樹脂ワニスW、比較例11の樹脂ワニスYは、乾燥時の樹脂収縮が大きいためと推測されるが、プリプレグの樹脂表面にひび割れが発生してしまった。また、塗工終了後に、含浸ロールに樹脂ワニスが堆積しているのが確認された。また、得られたプリプレグは、粉落ちが生じやすいものであった。
比較例14の樹脂ワニスABは、ワニス調製後から塗工が終了するまで、ワニス容器はもちろん、ワニス含浸バス、ワニス含浸バスに樹脂ワニスを供給する配管に至るまで、全てを60℃に恒温しておく必要があった(予備試験で、温度が低下すると樹脂粘度が大きく上昇し、50℃以下になるとゲル化が生じてしまったため、60℃に保温して実施した。)。また、得られたプリプレグは樹脂層がフィルム状になっており、フィルム状の剥がれが生じやすいものであった。
[硬化物特性評価結果]
2000m、安定して塗工できた実施例1〜14のプリプレグA〜N、および比較例16のプリプレグABについて、硬化物の特性評価を行い、その結果を表1に示した。
表1から分かるように、実施例1〜12は、いずれも(6)ガラス転移温度、(7)電気特性(誘電正接、誘電率)、(8)吸水率測定、(9)はんだ耐熱性、(10)銅箔剥離強度にも優れるものであった。
一方、ベンジル化PPEを用いた実施例13は、ガラス転移温度は高い値であるが、吸水率、はんだ耐熱性、銅箔剥離強度に劣るものであった。
PPEと低分子量・ベンジル化PPEとを併用して用いた実施例14は、電気特性は良好であるが、(6)ガラス転移温度、(8)吸水率、(9)はんだ耐熱性、(10)銅箔剥離強度に劣るものであった。
PPEを加熱したトルエンに溶解した状態で塗工した比較例16は、電気特性とはんだ耐熱性は良好であったが、ガラス転移温度、吸水率、銅箔剥離強度でやや劣るものであった。
〔実施例15〕
トルエンとメタノールの混合溶剤(質量比99:1)75質量部を、ステンレスビーカーに入れ、撹拌しながら、PPE(S202A、旭化成ケミカルズ製、数平均分子量18,000、1分子当たりの平均フェノール性水酸基数1.84個)25質量部を加え、十字パドル型撹拌翼で30分間、ホモジナイザー(HM−300型版 アズワン社製)で10分間(25℃、8,000回転)分散し、PPE含有液状物ACを得た。
得られたPPE含有液状物ACを樹脂ワニスACとした。
〔実施例16、比較例15、16〕
表2に記載の組成に従い、その他の条件は、実施例15と同様の方法で、PPE含有液状物AD〜AF、及び樹脂ワニスAD〜AFを得た。
〔試験例2〕
実施例15、16の樹脂ワニスAC、AD、及び比較例15、16の樹脂AE、AFを用い、ガラスクロス(Eガラス、厚さ約0.1mm、116スタイル、旭シェーベル製)2,000mへの連続塗工試験を行った。塗工は、上述の試験例1と同様の方法で実施した。
塗工状況、および得られたプリプレグの観察結果から連続塗工性の評価を行った。
塗工性の評価を、○(良)、×(悪)の2段階で行った。評価内容は下記表2に示す。
[塗工性評価結果2]
実施例15、16の樹脂ワニスAC、ADは、2000m、特に問題もなく、安定して塗工することができた。
得られたプリプレグは樹脂の粉落ちや剥がれが無く、取り扱い性に優れるものであった。
比較例15の樹脂ワニスACは、初期は問題なく塗工できたが、500mを過ぎた辺りから含浸バス内の樹脂表面の被膜形成と樹脂粘度の上昇(推定)により含浸バス内での樹脂ワニスの流動性が低下し、ガラスクロスの幅方向に塗工ムラが生じてしまった。得られたプリプレグは、粉落ちや剥がれの問題はなかった。
比較例16の樹脂ワニスAFは、乾燥時の樹脂収縮が大きいためと推測されるが、プリプレグの樹脂表面にひび割れが発生してしまった。また、塗工終了後に、含浸ロールに樹脂ワニスが堆積しているのが確認された。また、得られたプリプレグは、粉落ちが生じやすいものであった。
Figure 2016023300
Figure 2016023300
表1、表2に示す樹脂組成物の成分について、以下に補足する。
PPE:ポリフェニレンエーテル 1:S202A、旭化成ケミカルズ製、数平均分子量18,000、1分子当たりの平均フェノール性水酸基数1.84個
トリアリルイソシアヌレート:日本化成製
スチレン系エラストマー:SEBS タフテックH1041、旭化成ケミカルズ製
シリカ:球状シリカ、龍森製
デカブロモジフェニルエタン:SAYTEX8010、アルベマールジャパン製
α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン:パーブチルP、日油製
本実施形態のPPE含有液状物は、PPE含有液状物を含む樹脂ワニス、当該樹脂ワニスを用いて形成される電子回路基板材料、樹脂ワニスよりなるフィルム、樹脂ワニスを塗付した積層フィルム、基材に樹脂ワニスを含浸させたプリプレグ、樹脂ワニスを付加した金属箔、及びこれらを任意に積層成型した積層体として産業上の利用可能性を有している。

Claims (8)

  1. ポリフェニレンエーテル(PPE)(A)を含む樹脂組成物が有機溶剤(B)に溶解及び分散しているPPE含有液状物であって、
    前記有機溶媒(B)は、23℃±2℃の温度条件下で、前記PPE(A)を3質量%含有させた場合の光線透過率(波長660nm、光路長10mm)が0.4%以上60%以下となる、PPE含有液状物。
  2. 前記PPE(A)の数平均分子量が5,000以上40,000以下である、請求項1に記載のPPE含有液状物。
  3. 前記PPE(A)が、前記有機溶剤(B)に溶解していないPPE粒子(A−1)と、前記有機溶剤(B)に溶解している溶解PPE(A−2)とを含み、
    前記PPE粒子(A−1)と前記溶解PPE(A−2)との合計質量を100質量%としたとき、前記PPE粒子(A−1)の含有量が30質量%以上99.9質量%以下である、請求項1又は2に記載のPPE含有液状物。
  4. 架橋型硬化性成分(C)、及び反応開始剤(D)を、さらに含有する、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のPPE含有液状物。
  5. 前記架橋型硬化性成分(C)が、分子内に2個以上のビニル基を有するモノマーである、請求項4に記載のPPE含有液状物。
  6. 前記架橋型硬化性樹脂(C)が、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)である、請求項5に記載のPPE含有液状物。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載のPPE含有液状物を含む樹脂ワニス。
  8. 請求項7に記載の樹脂ワニスを用いて形成される電子回路基板材料であって、
    樹脂ワニスよりなるフィルム、支持体に樹脂ワニスを塗付したフィルム、基材に前記樹脂ワニスを含浸させたプリプレグ、樹脂ワニスを付加した金属箔、及びこれらを任意に積層成型した積層体からなる群より選ばれるいずれかである、電子回路基板材料。
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