JP6478508B2 - ポリフェニレンエーテル含有液 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリフェニレンエーテル(PPE)を含む樹脂組成物が有機溶剤に溶解及び分散しているポリフェニレンエーテル含有液に関する。
近年、情報ネットワーク技術の著しい進歩、情報ネットワークを活用したサービスの拡大に伴い、電子機器には情報量の大容量化、処理速度の高速化求められている。
デジタル信号を大容量かつ高速に伝達するにためには、信号の波長を短くすることが有効であり、信号の高周波化が進んでいる。
ポリフェニレンエーテル(以下、PPEと記載する場合がある。)は、誘電率、誘電正接等の高周波特性(すなわち誘電特性)が優れており、かつ、高い耐熱性を有するため、高周波数帯を利用する電子機器の電子回路基板用の絶縁材料として好適である。
一般に、電子機器の電子回路基板は、エポキシ樹脂やPPE樹脂等の絶縁性樹脂を有機溶剤に溶解した樹脂ワニスをガラスクロス等の基材に含浸させ、続いて有機溶剤を乾燥除去してプリプレグを得た後、当該プリプレグを加熱加圧成型して製造される。
従って、電子回路基板に用いる絶縁性樹脂は、有機溶剤に溶解させ、樹脂ワニスを製造する必要がある。
しかしながら、PPEはクロロホルムのようなハロゲン化炭化水素や、加熱したトルエン、キシレンのような芳香族有機溶剤には、良く溶解するものの、その他の有機溶剤には溶解しにくいという欠点を有している。
PPEを上述の有機溶剤に溶解して樹脂ワニスとする方法が、特許文献1、2等に開示されている。
特許文献1には、トリクロロエチレンなどのハロゲン化炭化水素を用いた樹脂ワニスについての開示がなされている。
特許文献2には、加熱したトルエンを用いた樹脂ワニスについての開示がなされている。
一方で、プリプレグを製造する際の環境負荷低減化や安全性向上の観点から、上述したハロゲン化炭化水素や加熱したトルエンを用いず、常温で塗工する方法が、特許文献3〜9に開示されている。
特許文献3及び特許文献4には、PPEとスチレンブタジエンコポリマーなどの架橋性を有する樹脂と、トリアリルイソシアヌレートなどの架橋助剤とを含む樹脂組成物のトルエン樹脂液を、一旦35℃以上に加熱した後冷却し、PPEと架橋性を有する樹脂と架橋助剤とを含む樹脂組成物の粒子が常温のトルエンに分散している不透明な分散液を製造し、当該分散液を塗工液として使用する方法が開示されている。
また、特許文献5、6には、低分子量PPE、特許文献7には低分子量PPEとエポキシ樹脂とを含む樹脂組成物が開示されており、当該樹脂組成物を基材へ塗工する際には、常温のトルエン溶剤を用いる方法が開示されている。
さらに、特許文献8には、PPE樹脂粉末をメチルエチルケトン等の溶剤に分散させた常温の分散液を用いる方法、特許文献9には、PPEの粒子が水を90%以上含む溶剤に分散したワニスを用いる方法が開示されている。
特開昭61−216653号公報 特開平4−239017号公報 特開平7−292126号公報 特開平8−225665号公報 特開2002−265777号公報 特開2008−260942号公報 特開2006−63114号公報 特開2008−50526号公報 特開2003−34731号公報
しかしながら、特許文献1に記載されているようなハロゲン化炭化水素は、環境保護及び人的有毒性の観点から使用が制限されるという問題を有している。
また、特許文献2に記載されている加熱したトルエンは、専用の設備が必要であり、且つ、引火爆発に対する安全を確保するため、取り扱いが限定されるという問題を有している。また、加熱したトルエンにPPEを溶解させる方法は、PPEのトルエンに対する溶解性が温度によって大きく異なるため、樹脂ワニスを作製してから塗工に供する間の温度変化に起因してワニスの粘度が大きく変化したり、PPEが全体的或いは局所的に析出する現象が生じやすいという問題を有している。このため、ワニスの安定性に欠け、ワニスの管理方法が限定され、プリプレグにおける樹脂組成物同士、又は樹脂組成物と基材との接着性が悪く、樹脂が剥がれやすく、PPEが本来有する誘電特性や耐熱性を十分に発揮できないという問題も有している。
また、特許文献3〜9に開示されている技術においては、上述のハロゲン化炭化水素や加熱したトルエンを使用せずに常温で塗工できるため、プリプレグ製造時の環境負荷の低減化や安全性の向上の観点においては優れている。一方において、ワニスの安定性、プリプレグの接着性、さらにはPPEが本来有する誘電特性及び耐熱性を十分に発揮するという観点においては、未だ十分な特性が得られていない。
具体的には、下記のような問題を有している。
特許文献3、4に開示されている方法は、PPEと架橋性を有する樹脂と架橋助剤を含む樹脂組成物の粒子の分散液が非常に高粘度になるため、基材への塗工に必要な流動性が得られ難く、基材への含浸性に劣る点において問題を有している。実際に、特許文献3に記載の実施例1及び実施例2に開示されている方法を忠実にトレースしてみると、分散液はグリース状になり塗工に供すことができないか、塗工できても連続して安定に塗工することが困難であり、基材への含浸性も悪く、基材と樹脂組成物との接着性に劣ったものとなることが確認されている。
また、特許文献4中の段落〔0018〕に、「35℃以上に加熱する工程を経ずに単に樹脂成分と非ハロゲン系溶剤を配合、混合して不透明な分散液とする方法では、非ハロゲン系溶剤に対するPPEの溶解性に劣るために、樹脂成分の分散が不均一となり、そのために、ワニスから溶剤を除去して得られる樹脂組成物シートの外観が非常に悪くなり、最終的に得られる積層板の性能の均一性が確保できないという問題が生じる」と記載されているように、引用文献4に記載の技術においては、35℃未満の常温条件で、非ハロゲン溶剤を用いて均一な樹脂組成物シート(本願発明のプリプレグ)や積層板を得ることが出来ず、加熱工程を必要とする観点においても改善点を有している。
特許文献5、6、7に記載の低分子量PPEは、常温での芳香族有機溶剤への溶解性に優れることが記載されている。
しかしながら、PPEを低分子量化して末端水酸基の数を増やすことは誘電特性の低下や耐熱性の低下を招来し、あるいは、低分子PPEの末端水酸基を封止することは接着性の低下を招来してしまうという問題を有している。
したがって、特許文献5、6、7に記載された技術では、電気特性、耐熱性、接着性の何れかの特性が劣ってしまうという問題があり、高周波用プリント配線板に用いるには十分なものではないという問題を有している。
特許文献8に記載の方法においては、PPEを貧溶剤に分散させるため、分散液の分散安定性が低く、ポリレニレンエーテルが沈降しやすく、均一な塗工性および連続した塗工性が得られ難いという問題を有している。また、前記分散液をガラスクロスなどの基材に含浸させる際、分散液に用いる溶剤とポリレニレンエーテルの基材への移動速度(含浸性)が大きくことなるため、PPEのみ含浸ロールなどに堆積してしまう場合があり、連続塗工性に劣るという問題を有している。
特許文献9に記載の方法は、当該特許文献9の実施例に記載されているように、目開き106μmの篩を通過した比較的大きなPPE粒子を用いている。これに加え、分散溶剤として用いている水はPPEに浸透し難いため、PPE粒子を膨潤させる作用がなく、PPE粒子は当該PPE粒子を構成するPPE分子鎖同士が密に絡み合った状態でプリプレグ中に存在していると推定される。これらの理由で、プリプレグ中に存在するPPEは通常の加熱加圧成型条件では十分に溶融することができず、得られる基板の均一性に欠けるため誘電特性や耐熱性のバラツキの発生、はんだ耐熱性やドリル加工性に劣る等の問題を有している。
上述した従来技術の問題点に鑑み、本発明においては、保存安定性に優れ、かつ流動性、成膜性、基材への含浸性に優れ、常温で安定した塗工が可能なPPE含有液、当該PPE含有液を用いた樹脂ワニス、当該樹脂ワニスを用いた、樹脂成分と基材との接着性が良好なプリプレグ、電気特性と耐熱性に優れる電子回路基板材料を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討し実験を重ねた結果、PPEを有機溶剤にほとんど溶解させることなく分散させ、且つ、PPEには前記有機溶剤が十分に浸透されている状態とすることによって、PPEを含むワニスの流動性、成膜性、基材への含浸性と、保存安定性とを同時に高めることが可能であること、電気特性、耐熱性、接着性に優れる電子基板材料が安定に得られることを見出した。更には、PPEの溶解力が特定範囲の有機溶剤を用いることによって上述のPPE含有液と成し得ることを見出し、かかる知見に基づき本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
〔1〕
ポリフェニレンエーテル(A)を含む樹脂組成物と、有機溶剤(B)と、
を、含有し、
前記ポリフェニレンエーテル(A)が、前記有機溶剤(B)に溶解していないポリフェ
ニレンエーテルと、前記有機溶剤(B)に溶解している溶解ポリフェニレンエーテルとを含み、
前記有機溶剤(B)は、23±2℃の当該有機溶剤(B)100g中に、前記ポリフェ
ニレンエーテル(A)を完全に溶解し得る量が0.1g以上1.0g以下である、ポリフ
ェニレンエーテル含有液。
〔2〕
前記ポリフェニレンエーテル(A)の数平均分子量が4,000以上40,000以下
である、前記〔1〕に記載のポリフェニレンエーテル含有液。
〔3〕
前記ポリフェニレンエーテル(A)が、前記有機溶剤(B)に溶解していないポリフェ
ニレンエーテル粒子(A−1)と、前記有機溶剤(B)に溶解している溶解ポリフェニレ
ンエーテル(A−2)とを含み、
前記ポリフェニレンエーテル粒子(A−1)と前記溶解ポリフェニレンエーテル(A−
2)との合計質量を100質量%としたとき、前記ポリフェニレンエーテル粒子(A−1
)の含有量が60質量%以上99.9質量%以下である、前記〔1〕又は〔2〕に記載の
ポリフェニレンエーテル含有液。
〔4〕
架橋型硬化性成分(C)、及び反応開始剤(D)をさらに含有する、前記〔1〕乃至〔
3〕のいずれか一に記載のポリフェニレンエーテル含有液。
〔5〕
前記架橋型硬化性成分(C)が、分子内に2個以上のビニル基を持つモノマーである、
前記〔4〕に記載のポリフェニレンエーテル含有液。
〔6〕
前記架橋型硬化性樹脂(C)が、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)である、前
記〔5〕に記載のポリフェニレンエーテル含有液。
〔7〕
前記〔1〕乃至〔6〕のいずれか一に記載のポリフェニレンエーテル含有液を含む樹脂
ワニス。
〔8〕
前記〔7〕に記載の樹脂ワニスを用いて形成される電子回路基板材料であって、
前記樹脂ワニスよりなるフィルム、支持体に前記樹脂ワニスを塗付したフィルム、基材
に前記樹脂ワニスを含浸させたプリプレグ、前記樹脂ワニスを付加した金属箔、及びこれ
らを任意に積層成型した積層体からなる群より選ばれるいずれかである、電子回路基板材
料。
本発明によれば、保存安定性に優れ、且つ、流動性、成膜性、基材への含浸性に優れるため、常温での安定した塗工が可能なPPE含有液を提供することができる。
更には、前記PPE含有液を用いた樹脂ワニス、当該樹脂ワニスを用いた、樹脂成分と基材との接着性が良好なプリプレグ、及び、電気特性と耐熱性に優れた電子回路基板材料を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」と言う。)について詳細に説明する。
以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜変形して実施することができる。
〔PPE含有液〕
本実施形態のPPE含有液は、PPE(A)を含む樹脂組成物と、有機溶剤(B)とを含有する。
ここで、「PPE(A)を含む樹脂組成物」とは、PPE(A)そのものである場合、及びPPE(A)以外にも他の樹脂が含まれている場合の双方の意味を含む
本実施形態のPPE分散液は、有機溶剤(B)にPPE(A)を含む樹脂組成物が溶解及び分散している。
ここで、「有機溶剤(B)にPPE(A)を含む樹脂組成物が溶解及び分散している」とは、PPE(A)を含む樹脂組成物が、有機溶剤(B)に完全には溶解しておらず、溶解しているものと分散しているものとがある状態を意味する。
前記有機溶剤(B)は、前記有機溶剤(B)100g中に、前記PPE(A)を完全に溶解し得る量が0.1g以上1.0g以下の範囲である。
(PPE)
本実施形態のPPE含有液に含まれるPPE(A)は、好ましくは、下記一般式(1)で表される構造単位を含む。
Figure 0006478508
式(1)中、R1、R2、R3及びR4は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアミノ基、ニトロ基又はカルボキシル基を表す。
PPE(A)としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−フェニル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジクロロ−1,4−フェニレンエーテル)等、更には、2,6−ジメチルフェノールと他のフェノール類(例えば、2,3,6−トリメチルフェノール、2−メチル−6−ブチルフェノール等)との共重合体、及び、2,6−ジメチルフェノールとビフェノール類又はビスフェノール類とをカップリングさせて得られるPPE共重合体、等が挙げられる。
工業的に安定して製造可能である観点から、特に、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)が好ましい。
なお、本願明細書中、PPEとは、置換又は非置換のフェニレンエーテル単位構造から構成されるポリマーを意味するが、本発明の作用効果を損なわない範囲で他の共重合成分を含んでもよい。
また、PPE(A)は、数平均分子量が4,000以上40,000以下であることが好ましい。
PPE(A)の数平均分子量のより好ましい範囲は6,00以上30,000以下であり、更に好ましい範囲は7,000以上25,000以下である。
PPE(A)の数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)を用い、標準ポリスチレン換算で測定することができる。典型的には、カラムにShodex LF−804×2(昭和電工株式会社製)、溶離液に50℃のクロロホルム検出器にRI(屈折率計)を用いてGPC測定を行い、同条件で測定した標準ポリスチレン試料の分子量と溶出時間との関係式から、数平均分子量を算出することができる。
本実施形態のPPE含有液中に存在するPPE(A)の数平均分子量は、例えば次のようにして求めることができる。
PPE含有液から加熱乾燥、凍結乾燥等の方法により有機溶剤(B)を除去し、固形分を取得する。得られた固形分をクロロホルムに展開し、不溶分をろ別等の方法で除去し、抽出物を得る。
更にクロマトフラフィー法、溶媒分別法等の方法でPPE成分を単離し、測定用試料とする。当該測定用試料を用い、上述のGPC法により、数平均分子量を算出する。
PPE(A)の数平均分子量が4,000以上であると、本実施形態のPPE含有液を用いて電子回路基板等を得た場合、当該電子回路基板等において要求される、PPE(A)を含む樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度、耐吸水性、はんだ耐熱性、及び接着性(例えば、多層板における層間の剥離強度、又は硬化物と銅箔等との剥離強度)が良好なものとなる。
また、PPE(A)の数平均分子量が4,000以上であると、PPE(A)の有機溶剤への溶解性を小さく抑制できる。これにより、後述するようなPPE(A)を完全に溶解する量が1.0g以下となる有機溶剤(B)の選択範囲が広くなるので好ましい。
さらに、PPE(A)の数平均分子量が40,000以下であると、硬化物を得るための加熱加圧成形時等の溶融粘度を抑制することができ、良好な成形性が得られる。
本実施形態のPPE含有液に含有されているPPE(A)は、1分子当たりの平均フェノール性水酸基が0.3個以上であることが好ましい。
PPE(A)1分子当たりの平均フェノール性水酸基数のより好ましい範囲は0.8個以上であり、さらに好ましくは1.0個以上であり、さらにより好ましくは1.2個以上である。
PPE1分子当たりの平均フェノール性水酸基数は、次の方法で求めることができる。
高分子論文集,vol.51,No.7(1994),第480頁記載の方法に準拠し、PPEの塩化メチレン溶液にテトラメチルアンモニウムハイドロオキシド溶液を加えて得たサンプルを用い、波長318nmにおける吸光度変化を紫外可視吸光光度計で測定した値から水酸基の数を求めることができる。
別途、PPEの数平均分子量を、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により求め、この値とPPEの質量とを用いてPPEの分子数(数平均分子数)を求める。
これらの値から、下記式(2):
1分子当たりの平均フェノール性水酸基数=水酸基の数/数平均分子数・・・(2)
に従って、PPE1分子当たりの平均水酸基数を算出する。
PPE含有液中に存在するPPE(A)の1分子当たりの平均フェノール性水酸基数は、具体的には、下記のようにして求めることができる。
上述の数平均分子量と同様に、PPE含有液から、PPE成分を単離し、上述の吸光度を利用する方法により、平均フェノール性水酸基数を求める。
PPE1分子当たりの平均フェノール性水酸基数が0.3個以上のPPEを用いることにより、当該PPEを含む樹脂組成物の硬化物と基材(例えばガラスクロス等)との接着性や、当該PPEを含む樹脂組成物の硬化物と銅箔等の金属箔との接着性が良好となり、電子回路基板の耐吸水性、はんだ耐熱性、及び接着性(例えば、多層板における層間の剥離強度、又は硬化物と銅箔等との剥離強度)が優れたものとなる。
一方、前記PPE1分子当たりの平均フェノール性水酸基数は、前記PPEを含む樹脂組成物の硬化物と基材とを含む複合体(例えば積層板)の吸水性が高くなることを抑制できる観点、又は、前記複合体の誘電率と誘電正接が高くなることを抑制できる観点から、好ましくは3.0個以下、より好ましくは2.5個以下、さらに好ましくは2.0個以下である。
また、本実施形態のPPE含有液中のPPE(A)は、有機溶剤(B)に溶解していないPPE粒子(A−1)と、有機溶剤(B)に溶解しているPPE(A−2)により構成されている。
前記有機溶剤(B)に溶解していないPPE粒子(A−1)の好ましい含有量は、前記PPE粒子(A−1)と前記PPE(A−2)の合計質量を100質量%としたとき、60質量%以上であることが好ましい。PPE粒子(A−1)含有量のより好ましい範囲は70質量%以上99.9質量%以下であり、さらに好ましい範囲は80質量%以上99.8質量%以下である。
ここで、有機溶剤(B)に溶解していないPPE粒子(A−1)の含有量は、以下の方法で求めた値と定義する。
すなわち、遠心分離法、デカンテーション、ろ別等の方法により、所定量(g)のPPE含有液を有機溶剤(B)に溶解していない成分を含む相と、有機溶剤(B)に溶解している成分を含む相に分離する。
次いで、それぞれの相から加熱乾燥、凍結乾燥等の方法により有機溶剤(B)を除去し、有機溶剤(B)に溶解していない成分と、有機溶剤(B)に溶解している成分を取得する。
次いで、それぞれの成分をクロロホルムに展開し、不溶分をろ別等により除去し、有機溶剤(B)に溶解していない成分からの抽出物(以下、この抽出物を「抽出物(a)」ともいう)と、有機溶剤(B)に溶解している成分からの抽出物(以下、この抽出物を「抽出物(b)」ともいう)を得る。
抽出物(a)中および抽出物(b)中のそれぞれのPPE量をカーボン核磁気共鳴分光法にて定量し、抽出物(a)中のPPE含有量(Pa(g))及び、抽出物(b)中のPPE含有量(Pb(g))(それぞれ質量基準)を得る。
これらの値を用い、下記式(3)により、有機溶剤(B)に溶解していないPPE粒子(A−1)の割合を求める。
PPE粒子(A−1)の含有割合=Pa/(Pa+Pb)×100・・・(3)
カーボン核磁気共鳴分光法を用いたPPEの定量は、以下の方法で行うことができる。
化学シフトの基準としてテトラメチルシランを使用し、そのピークを0ppmとする。
PPEのピークとして、16.8、114.4、132.5、145.4、154.7ppm近傍のピークの強度を合計し、テトラメチルシランのピーク強度との比をXとする。
標準物質についてのこの値をX1、及び抽出物(A)についての値をX2とすると、(X2/X1)×100の値を算出することにより抽出物質中におけるPPE含有量を測定することができる。
ここで、PPE由来の信号は、標準物質と同じ位置のものを用いればよく、上記に限定されるものではない。
なお、定量には、数平均分子量15,000〜25,000のポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)を標準物質として用い、同一の測定サンプル量から得られるピーク強度の比を用いて求める。
数平均分子量15,000〜25,000のポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)としては、例えば、旭化成ケミカルズ(株)製S202Aグレードを用いることができる。
有機溶剤(B)に溶解していないPPE粒子(A−1)は、温度変化や固形分濃度変化(PPE含有液からの有機溶剤(B)の蒸発などによって生じる)による粘度変化が小さい。
前記PPE粒子(A−1)と前記PPE(A−2)の合計質量100質量%中、PPE粒子(A−1)の含有量が60質量%以上であると、本実施形態のPPE含有液の流動性及び含浸性を安定に保つことができ、連続塗工性に優れるので好ましい。
PPE粒子(A−1)の含有量は多い方が、流動性や安定した含浸性が得られるが、一方において成膜性に関しては、溶解しているPPE(A−2)が多い方が好ましい。よって、PPE粒子(A−1)含有量を99.9質量%以下として成膜性を調整することが好ましい。
また、前記の有機溶剤(B)に溶解していないPPE粒子(A−1)は、数平均分子量が7,000以上40,000以下であることが好ましい。
PPE粒子(A−1)の数平均分子量のより好ましい範囲は8,00以上30,000以下であり、さらに好ましい範囲は9,000以上25,000以下である。
PPE粒子(A−1)の数平均分子量は、PPE(A)の数平均分子量と同じ、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)を用いて測定される標準ポリスチレン換算値である。
PPE分散液に存在するPPE粒子(A−1)の数平均分子量は、例えば下記のようにして測定することができる。
上述のPPE粒子(A−1)含有量を求めたのと同様の方法で、有機溶剤(B)に溶解していない成分からの抽出物(a)を取得する。更にクロマトフラフィー法、溶媒分別法などの方法でPPE成分を単離し、測定用試料とする。該測定用試料を用い、上述のGPC法により、数平均分子量を算出する。
PPE粒子(A−1)の数平均分子量が7,000以上であると、電子回路基板等において要求される、ポリフェンレンエーテル(A)を含む樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度、耐吸水性、はんだ耐熱性、及び接着性(例えば、多層板における層間の剥離強度、又は硬化物と銅箔等との剥離強度)を良好に与えるため好ましい。また、PPE(A)の数平均分子量が40,000以下であると、硬化物を得るための加熱加圧成形時等の溶融粘度が小さく、良好な成形性が得られるため好ましい。
また、前記の有機溶剤(B)に溶解していないPPE粒子(A−1)は、PPE1分子当たりの平均フェノール性水酸基が0.8個以上であることが好ましい。
前記PPE粒子(A−1)における、PPE1分子当たりの平均フェノール性水酸基数のより好ましい範囲は1.2個以上であり、さらに好ましくは1.4個以上、さらにより好ましくは1.6個以上である。
PPE粒子(A−1)の1分子当たりの平均フェノール性水酸基数は、PPE(A)の1分子当たりの平均フェノール性水酸基数と同じ、高分子論文集,vol.51,No.7(1994),第480頁記載の方法に準拠して算出する値である。
本実施形態のPPE含有液に存在するPPE粒子(A−1)の1分子当たりの平均フェノール性水酸基数は、例えば、下記の方法により測定することができる。
上述のPPE粒子(A−1)含有量を求めたのと同様の方法で、有機溶剤(B)に溶解していない成分からの抽出物(a)を取得する。更にクロマトフラフィー法、溶媒分別法などの方法でPPE成分を単離し、測定用試料とする。当該測定用試料を用い、上述の高分子論文集,vol.51,No.7(1994),第480頁記載の方法に準拠した方法により、PPE1分子当たりの平均フェノール性水酸基数量を算出する。
PPE1分子当たりの平均フェノール性水酸基数が0.8個以上のPPEが、PPE粒子(A−1)であることにより、PPE(A)を含有する樹脂組成物は、当該樹脂組成物の硬化物と基材(例えばガラスクロス等)との接着性、又は当該樹脂組成物の硬化物と銅箔等の金属箔との接着性が良好となり、電子回路基板の耐吸水性、はんだ耐熱性、及び接着性(例えば、多層板における層間の剥離強度、又は硬化物と銅箔等との剥離強度)に優れたものとなるため好ましい。
一方、前記平均フェノール性水酸基数は、樹脂組成物の硬化物と基材とを含む複合体(例えば積層板)の吸水性が高くなることを抑制できる観点、又は、当該複合体の誘電率と誘電正接が高くなることを抑制できる観点から、好ましくは3.0個以下、より好ましくは2.5個以下、さらに好ましくは2.0個以下である。
さらに、本実施形態のPPE含有液において、PPE(A)の好ましい含有量は、当該PPE含有液中に含まれる樹脂組成物の質量を100質量%基準として、10質量%以上70質量%以下である。
PPE(A)の樹脂組成物に占める割合のより好ましい範囲は15質量%以上65質量%以下、さらに好ましい範囲は25質量%以上60質量%以下である。
PPE(A)の樹脂組成物に占める割合は、以下の方法により求めることができる。
PPE分散液から加熱乾燥、凍結乾燥等の方法により有機溶剤(B)を除去し、取得した樹脂組成物の質量を測定する(x1(g))。
次いで、得られた樹脂組成物分をクロロホルムに展開し、不溶分をろ別等の方法で除去し、抽出物を得る。
更にクロマトフラフィー法、溶媒分別法等の方法でPPE成分を単離し、PPE成分の質量を求める(x2(g))。
得られた樹脂組成物分の質量x1(g)と、PPE成分の質量x2(g)を用い、下式(4)により求めることができる。
PPE(A)の樹脂組成物に占める割合=x2/(x1)×100・・・(4)
PPE(A)の樹脂組成物に占める割合が10質量%以上のとき、分散液の粘度が適度に高くなり、分散液の分散安定性が増すので好ましい。
また、樹脂組成物中のPPE含有量が高められ、該樹脂組成物の硬化物の電気特性が優れたものとなるため好ましい。
PPE(A)の樹脂組成物に占める割合が70質量%以下のとき、硬化物を得るための加熱加圧成形時等の溶融粘度が高くなりすぎるのを防ぎ、均一で良好な成形性が得られる点で好ましい。
(有機溶剤(B))
本実施形態のPPE含有液を構成する有機溶剤(B)は、有機溶剤100g中に、PPE(A)を完全に溶解し得る量が0.1g以上1.0g以下である。
有機溶剤(B)100g中にPPE(A)を完全に溶解し得る量の範囲は、好ましくは0.15g以上0.9g以下、より好ましくは0.2g以上0.8g以下である。
ここで、有機溶剤(B)100g中に完全に溶解するPPE(A)の量は、以下の測定によって求められる値である。
23±2℃の有機溶剤(B)100g中に任意量のPPE(A)を加え、23±2℃の条件で撹拌径1.5cm以上のマグネチックスターラーを用いて500rpm以上の回転数で5時間撹拌したのち、光路長10mmの石英セルを用いて波長660nmの光線透過率を測定する。光線透過率が96%以上である時、有機溶媒(B)100g中にPPE(A)が完全に溶解しているとする。
PPE(A)を0.05g単位で増減させ、PPE(A)が((y−1)(g))量で前記光線透過率96%を下回り、(y(g))量で前記光線透過率96%以上となる(y)値を求め、該(y)値を本発明における有機溶剤(B)100g中にPPE(A)が完全に溶解する量とする。
有機溶剤(B)100g中に完全に溶解するPPA(A)量が0.1g以上であると、PPE溶解成分による成膜性が確保され、PPEを含む樹脂組成物同士、およびPPEを含む樹脂組成物と基材との接着性が良好となり、得られるプリプレグの粉落ちなどが少なくなるため好ましい。
有機溶剤(B)100g中に完全に溶解するPPA(A)量が1.0g以下であると、PPE含有液の通常取扱い温度範囲(0℃〜40℃)でのPPEの溶解性を小さい範囲で一定に保つことができ、PPE含有液の流動性や基材への含浸性を、広い温度範囲(0℃〜40℃)で良好、且つ安定に保つことができるため好ましい。更には、PPE含有液を長期間保存して用いることも可能になるため好ましい。
有機溶剤(B)は特に限定されるものではなく、1種類の有機溶剤を用いてもよく、2種類以上の有機溶剤を適時混合して用いてもよい。
2種以上の有機溶剤を用いる場合には、前記PPE(A)を完全に溶解する量が、有機溶剤100gあたり1.0gを超える有機溶剤と、前記PPE(A)を完全に溶解する量が有機溶剤100gあたり1.0g以下となる有機溶剤とを適時混合して用いることができる。
前記PPE(A)を完全に溶解する量が1.0gを超える有機溶剤と、前記PPE(A)を完全に溶解する量が1.0g以下の有機溶剤の好ましい混合比は、(PPE(A)を完全に溶解する量が1.0gを超える有機溶剤):(PPE(A)を完全に溶解する量が1.0g以下の有機溶剤)=60:40〜99.9:0.1であり、より好ましい範囲は65:35〜99.6:0.4、さらに好ましい範囲は70:20〜99.2:0.8である。
ここで、前記PPE(A)を完全に溶解する量が、有機溶剤100gあたり1.0gを超える有機溶剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、エチルベンゼン、ベンジルアルコールなどが挙げられる。これらは、1種類を単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
また、前記PPE(A)を完全に溶解する量が、有機溶剤100gあたり1.0g以下となる有機溶剤としては、以下に限定されるものではなく、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シキロヘキサノンなどが挙げられる。これらは1種類を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(その他の成分)
本実施形態のPPE含有液は、上述のPPE(A)に加え、架橋型硬化性成分(C)を含有することが好ましい。
架橋型硬化性成分(C)としては、硬化後に電子回路基板に必要な耐熱性を付与できる観点から、分子内に2個以上のビニル基をもつモノマーが好ましい。
本実施形態のPPE含有液は、PPE(A)100質量部に対して、架橋型硬化性成分(C)を好ましくは5〜95質量部、より好ましくは10〜80質量部、さらに好ましくは10〜70質量部、さらにより好ましくは20〜70質量部含有する。
架橋型硬化性成分(C)の含有量が、PPE(A)100質量部に対して5質量部以上である場合、PPE(A)を含む樹脂組成物の溶融粘度を良好に低減させることができ、加熱加圧成型などによる成型性が良好となる。
また、樹脂組成物の耐熱性を向上させることができる。
一方、架橋型硬化性成分(C)の量が95質量部以下である場合、PPEの有する優れた誘電率及び誘電正接を発現することができる。
前記分子内に2個以上のビニル基をもつモノマーとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)、トリアリルシアヌレート(TAC)、トリメタリルシアヌレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、ジアリルフタレート、ジアリルシアヌレート等が挙げられ、特に、PPEとの相溶性の良好なトリアリルイソシアヌレート(TAIC)が好ましい。
本実施形態のPPE含有液は、上述の架橋型硬化性成分(C)に加え、当該架橋型硬化性成分(C)の反応開始剤(D)をさらに含むことが好ましい。
反応開始剤(D)としては、ビニルモノマーの重合反応を促進する能力を有する任意の開始剤をいずれも使用できる。以下に限定されるものではないが、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、ジ(トリメチルシリル)パーオキサイド、トリメチルシリルトリフェニルシリルパーオキサイド等の過酸化物が挙げられる。
また、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン等のラジカル発生剤も反応開始剤(D)として使用できる。
中でも、耐熱性及び機械特性に優れ、更に低い誘電率及び誘電正接を有する硬化物を与えることができるという観点から、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、及び2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンが好ましい。
反応開始剤(D)の使用量は適宜設定できるが、一般的には、重合反応を良好に促進する観点から、架橋型硬化性成分(C)100質量部に対して、好ましくは1.0質量部以上、より好ましくは3.0質量部以上、さらに好ましくは5.0質量部以上であり、硬化物の誘電率及び誘電正接を低く抑えることができる観点から、好ましくは25質量部以下、より好ましくは20質量部以下、さらに好ましくは10質量部以下である。
また、本実施形態のPPE含有液には、上述のPPE(A)に加え、他の樹脂(例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等)を含有させることができる。
熱可塑性樹脂としては、以下に限定されるものではないが、例えば、エチレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレン、スチレン、ジビニルベンゼン、メタクリル酸、アクリル酸、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、塩化ビニル、アクリロニトリル、無水マレイン酸、酢酸ビニル、四フッ化エチレン等のビニル化合物の単独重合体及び2種以上のビニル化合物の共重合体、並びに、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアセタール、ポリフェニレンスルフィド、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
これらの中でも、スチレンの単独重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、及びスチレン−エチレン−ブタジエン共重合体が、樹脂組成物の有機溶剤(B)への溶解性及び成形性の観点から好ましい。
熱硬化性樹脂としては、以下に限定されるものではないが、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、及びシアネートエステル類が挙げられる。
上記熱可塑性樹脂及び硬化性樹脂は、酸無水物、エポキシ化合物、アミン等の官能化化合物で変成されたものでもよい。
他の樹脂成分の使用量は、PPE(A)100質量部に対して、好ましくは10質量部以上、より好ましくは15質量部以上、さらに好ましくは20質量部以上であり、PPE(A)の優れた誘電特性および耐熱性を発現させる観点から、好ましくは90質量部以下、より好ましくは70質量部以下、さらに好ましくは50質量部以下である。
本実施形態のPPE含有液は、目的に応じ、適当な添加剤を更に含有してもよい。
添加剤としては、難燃剤、熱安定剤、酸化防止剤、UV吸収剤、界面活性剤、滑剤、充填剤、ポリマー添加剤等が挙げられる。
特に、本実施形態のPPE含有液が難燃剤を含む場合、本発明のPPE含有液が有する良好な成形性、耐吸水性、はんだ耐熱性、及び接着性(例えば、多層板における層間の剥離強度、又は硬化物と銅箔等との剥離強度)に優れるプリント配線板等が得られる利点に加え、難燃性が得られる観点から好適である。
難燃剤としては、燃焼のメカニズムを阻害する機能を有するものであれば特に制限されず、従来公知の材料を適宜使用できる。以下に限定されるものではないが、例えば、三酸化アンチモン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ほう酸亜鉛等の無機難燃剤、ヘキサブロモベンゼン、デカブロモジフェニルエタン、4,4−ジブロモビフェニル、エチレンビステトラブロモフタルイミド等の芳香族臭素化合物、レゾルシノールビス−ジフェニルホスフェート、レゾルシノールビス−ジキシレニルホスフェート等のリン系難燃剤等が挙げられる。
中でも、得られる硬化物の誘電率及び誘電正接を低く抑えられる観点からデカブロモジフェニルエタン等が好ましい。
難燃剤の使用量は、使用する難燃剤によって異なり、特に限定するものでないが、UL規格94V−0レベルの難燃性を維持する観点から、PPE(A)と、前記架橋型硬化性成分(C)との合計100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上、さらに好ましくは15質量部以上である。
また、得られる硬化物の誘電率及び誘電正接を小さく維持できる観点から、上記使用量は、好ましくは50質量部以下、より好ましくは45質量部以下、さらに好ましくは40質量部以下である。
その他、各種添加剤としては、熱安定剤、酸化防止剤、UV吸収剤、界面活性剤、滑剤、充填剤、ポリマー添加剤等が挙げられる。これらの添加剤の使用量は所望に応じて当業者によって適宜設定される。
〔PPE分散液の製造方法〕
以下、本実施形態のPPE含有液の製造方法について説明する。
PPE(A)を含む樹脂組成物と、有機溶剤(B)とが、上述の要件を満たせば、製造方法は特に限定されるものではない。
例えば、PPE(A)を含む樹脂組成物を有機溶剤(B)に加えて撹拌・混合する方法(以下、「分散法」ともいう)、或いは、PPE(A)を含む樹脂組成物を有機溶剤(B)に加えた後に加熱してPPE(A)を溶解させた後に温度降下させる方法(以下、「結晶法」ともいう)が挙げられる。
[分散法]
PPE(A)を含む樹脂組成物を有機溶剤(B)に加え、撹拌、混合することにより、PPE含有液を得る。
商業的に入手可能なPPEが粉末状であれば、そのまま、或いは粒度を調整した後に有機溶剤(B)に加え、混合・撹拌してPPE含有液状物を得ることができる。
PPEがペレット状であれば、粉砕等により細かくしてから有機溶剤(B)に加えて、撹拌・混合することができる。
他の方法として、PPE(A)及び必要に応じてその他の成分を有機溶剤(B)に加えた後、PPE(A)が有機溶剤(B)に湿潤した状態で物理的なせん断応力をかけ、PPE(A)を解砕する方法も好ましく用いられる。
物理的なせん断応力をかける方法としては、特に限定はないが、例えば、ボールミル、ホモジナイザーなどを用いる方法が挙げられる。
[結晶法]
PPE(A)及び必要に応じてその他の成分を有機溶剤(B)に加え、その後に加熱してPPE(A)を溶解させた後に温度降下することにより、PPE含有液を得ることができる。
〔樹脂ワニス〕
本実施形態の樹脂ワニスは、上述した本実施形態のPPE含有液を含む。
本実施形態の樹脂ワニスは、PPE含有液単独であってもよく、さらに他の成分(上述の硬化性架橋樹脂、反応開始剤、他の樹脂、他の添加剤など)を組み合わせもよい。
〔電子回路基板材料〕
本実施形態の電子回路基板材料は、上述した本実施形態の樹脂ワニスを用いて形成される。
具体的には、樹脂ワニスよりなるフィルム、樹脂ワニスを塗付したフィルム、基材に樹脂ワニスを含浸させた複合体(以下、「プリプレグ」ともいう。)、樹脂ワニスを付加した金属箔、およびこれらを任意に積層成型して得られる積層体が挙げられる。
(樹脂フィルム)
本実施形態の樹脂フィルムとしては、樹脂ワニスを単独で、或いは所定の支持フィルムを支持体として樹脂ワニスを塗布し、次いで、樹脂ワニス中の有機溶剤を乾燥除去することにより得られる。
前記支持フィルムとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミド、銅箔、アルミ箔などの金属箔、離形紙などが挙げられる。なお、支持フィルムはマッド処理、コロナ処理、離形処理などの化学的、物理的処理を施してあってもよい。
本実施形態の樹脂フィルムは、多層プリント配線板等の積層体の層間絶縁シート、接着フィルムとして好適に用いることができる。
(基材との含浸複合体(プリプレグ))
本実施形態のプリプレグは、樹脂ワニスを所定の基材に含浸させた後、熱風乾燥機等で樹脂ワニス中の有機溶剤を乾燥除去することにより得られる。
本実施形態のプリプレグは、樹脂ワニスに含有されている固形分が基材中に含浸された構造となることが特徴である。
但し、当該固形分がプリプレグ表面に層を形成した構造をとっても、当該プリプレグの硬化物を得るためのプレス成型によって基材中に固形分の硬化物が含浸された構造となれば、何ら問題はない。
プリプレグの基材としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ロービングクロス、クロス、チョップドマット、サーフェシングマット等の各種ガラス布;アスベスト布、金属繊維布、及びその他合成若しくは天然の無機繊維布;全芳香族ポリアミド繊維、全芳香族ポリエステル繊維、ポリベンゾオキサゾール繊維等の液晶繊維から得られる織布又は不織布;綿布、麻布、フェルト等の天然繊維布;カーボン繊維布、クラフト紙、コットン紙、紙−ガラス混繊糸から得られる布等の天然セルロース系基材;ポリテトラフルオロエチレン多孔質フィルム等が挙げられる。これらは1種のみを単独で用いてもよく、2種以上組合せて用いてもよい。
上記プリプレグに占める樹脂組成物の割合は、プリプレグ全量100質量部に対して、30〜80質量部であることが好ましく、より好ましくは40〜70質量部である。樹脂組成物の割合が30質量部以上である場合、プリプレグを例えば電子回路基板形用の絶縁材料として使用した際に、優れた絶縁信頼性と電気特性が得られるため好ましい。また、樹脂組成物の割合が80質量部以下である場合、例えば、得られる電子回路基板が、曲げ弾性率等の機械特性に優れるため好ましい。
プリプレグにおける樹脂含有率(すなわちPPE樹脂(A)、架橋型硬化性成分(C)、開始剤(D)、他の樹脂成分、及び任意の添加剤の合計含有率)は、基材の厚さ及びプリプレグの使用目的に応じて適宜設定すればよく、例えば基材としてガラスクロスを使用した場合、ガラスクロスの誘電率は樹脂の誘電率に比べて高いため、樹脂の含有率を増やした方が誘電特性的に有利となる。一般的には、プリプレグの樹脂含有率は、誘電特性を向上させる観点および成型性を良好にする観点から、好ましくは30質量%以上、より好ましくは40質量%以上、さらに好ましくは50質量%以上である。また、プリプレグを硬化させて得られる硬化体の剛性を向上する観点から、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下、さらに好ましくは70質量%以下である。
(樹脂ワニスを付加した金属箔)
本実施形態の樹脂ワニスを付加した金属箔は、樹脂ワニスを金属箔に塗布した後、熱風乾燥機等で樹脂ワニス中の有機溶剤を乾燥除去して得ることができる。
金属箔としては、以下に限定されるものではないが、例えば、アルミ箔、銅箔などを用いることができ、中でも銅箔は電気抵抗が低いため好ましい。
(積層体)
本実施形態に係る積層体は、上述した樹脂ワニスよりなるフィルム、樹脂ワニスを塗付したフィルム、基材に前記樹脂ワニスを含浸させたプリプレグ、及び樹脂ワニスを付加した金属箔からな群より適宜組み合わせて積層させた構成を有している。典型的には、1枚又は複数枚の上記の樹脂フィルムおよびプリプレグを銅箔等の基板と重ねた後、プレス成型により硬化性樹脂組成物を硬化させて絶縁層を形成することにより製造することができる。銅箔の代わりに樹脂付金属箔を用いることも可能である。
金属箔としては、例えば、アルミ箔、銅箔などを用いることができ、中でも銅箔は電気抵抗が低いため好ましい。
金属箔と組合せる樹脂フィルムおよびプリプレグは1枚でも複数枚でもよく、用途に応じて片面又は両面に金属箔を重ねて積層板に加工する。
当該積層板は、好ましくは、樹脂ワニスの固形分の硬化物と金属箔とが重なって密着しており、優れた絶縁信頼性及び機械特性を有するため、電子回路基板の材料として好適に用いることができる。
以下、具体的な実施例及び比較例を挙げて本発明について詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
以下の実施例、比較例及び試験例中の各物性は、以下の方法によって測定した。
(1)有機溶剤100g当たりPPEが完全に溶解する量
23±2℃の有機溶剤(B)100g中に任意量のPPE(A)を加え、23±2℃の条件で撹拌径1.5cm以上のマグネチックスターラーを用いて500rpm以上の回転数で5時間撹拌したのち、光路長10mmの石英セルを用いて波長660nmの光線透過率を測定した。
光線透過率が96%以上である場合、有機溶媒(B)100g中にPPE(A)が完全に溶解していると判断した。
PPE(A)を0.05g単位で増減させ、PPE(A)が((y−1)(g))量で前記光線透過率96%を下回り、(y(g))量で前記光線透過率96%以上となる(y)値を求め、当該(y)値を、有機溶剤(B)100g中にPPE(A)が完全に溶解している量とした。
(2)PPEの数平均分子量
ゲルパーミエーションクロマトグラフィ分析(GPC)を用い、分子量既知の標準ポリスチレンの溶出時間との比較により、PPEの数平均分子量を求めた。
測定装置には、HLC−8220GPC(東ソー株式会社製)を用い、カラム:Shodex LF−804×2(昭和電工株式会社製)、溶離液:50℃のクロロホルム、検出器:RI、の条件で測定した。
(3)PPE1分子当たりの平均フェノール性水酸基数
吸光度から求めたPPEに含まれるフェノール性水酸基数と、平均分子量から求めたPPEの分子数とを用い、1分子当たりの平均フェノール性水酸基数を求めた。
先ず、高分子論文集,vol.51,No.7(1994),第480頁記載の方法に準拠し、PPEの塩化メチレン溶液にテトラメチルアンモニウムハイドロオキシド溶液を加えて得た試料の波長318nmにおける吸光度変化を紫外可視吸光光度計で測定した値から水酸基の数を求めた。
別途、PPEの数平均分子量を、上記(2)に従いゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により求め、この値を用いて、PPEの分子数を求めた。
これらの値から、下記式に従って、PPE1分子当たりの平均水酸基数を算出した。
1分子当たりの平均フェノール性水酸基数=水酸基の数/PPEの分子数
(4)樹脂ワニスの粘度測定
B型粘度計、ローターNo.3を用い、25℃、30rpm、30秒の条件で粘度の測定を行った。
なお、樹脂ワニスの粘度測定は、後述する実施例1〜8、比較例1〜12で得られた樹脂ワニスA〜Tの製造直後、及び後述する[試験例1]に示すように、冷蔵(5℃±2℃)で6ヶ月保管した後の双方において測定した。
(5)プリプレグの取扱い性
後述する[試験例2]で製造したプリプレグを180°に折り曲げた際に、樹脂粉落ち、あるいは樹脂剥離が生じるかを調べ、評価した。
プリプレグを200mm×300mmの大きさにカッター刃を用いて切り出し、試験片とした。
先ず、長方形の長辺側2辺が重なるようにプリプレグを180°に折り曲げた後、元に戻した。次いで、長方形の短辺側2辺が重なるようにプリプレグを180°に折り曲げた後、元に戻した。
上述の一連のプリプレグの取り扱いにおいて、樹脂粉落ち、又は樹脂層の剥がれなどの問題がなかったものは「合格」、樹脂粉落ちや樹脂剥がれなどが生じたものは「不合格」と評価した。
なお、比較例1〜5、7、9、11は、ワニスの流動性がない、或いは分離や沈降が生じ、試験例2における塗工性試験が実施できなかったため、プリプレグの取扱い性評価は実施せず、「−」と記した。
(6)硬化物のガラス転移温度(Tg)
後述する方法により製造した硬化物試験片を用いて、硬化物のガラス転移温度を測定した。
硬化物試験片の動的粘弾性を測定し、tanδが最大となる温度をガラス転移温度として求めた。
測定装置に動的粘弾性装置(RHEOVIBRON モデルDDV−01FP、ORIENTEC社製)を用い、試験片:長さ約35mm、幅約12.5mmm及び厚さ約0.3mm、ひっぱりモード、周波数:10rad/sの条件で測定を行った。
なお、硬化物試験片は、以下の方法で製造した。
後述する[試験例2]で製造したプリプレグを2枚重ね、その上下に銅箔(厚み12μm、GTS−MP箔、古川電気工業株式会社製)を重ね合わせたものを、室温から昇温速度3℃/分で加熱しながら圧力5kg/cm2の条件で真空プレスを行い、130℃まで達したら昇温速度3℃/分で加熱しながら圧力30kg/cm2の条件で真空プレスを行い、200℃まで達したら温度を200℃に保ったまま圧力30kg/cm2、時間60分間の条件で真空プレスを行うことによって両面銅張積層板を得た。次いで、銅箔をエッチングにて除去し、硬化物試験片を得た。
(7)硬化物の誘電率、誘電正接
後述する方法により製造した硬化物試験片を用いて、硬化物の誘電率、誘電正接を測定した。
硬化物試験片の10GHzでの誘電率及び誘電正接を、空洞共振法にて測定した。
測定装置としてネットワークアナライザー(N5230A、AgilentTechnologies社製)、関東電子応用開発社製の空洞共振器(Cavity Resornator Sシリーズ)を用いた。
硬化物試験片を、幅約20mm、長さ50mmの大きさに切り出し、105℃±2℃のオーブンに入れ2時間乾燥させた後、23℃、相対湿度65±5%の環境下に96±5時間置いた後、23℃、相対湿度65±5%の環境下で測定を行った。
なお、硬化物試験片は以下に示す方法により製造した。
後述する[試験例2]で製造したプリプレグを8枚重ね、室温から昇温速度3℃/分で加熱しながら圧力5kg/cm2の条件で真空プレスを行い、130℃まで達したら昇温速度3℃/分で加熱しながら圧力30kg/cm2の条件で真空プレスを行い、200℃まで達したら温度を200℃に保ったまま圧力30kg/cm2、時間60分間の条件で真空プレスを行うことによって積層板を作製し、硬化物試験片とした。
(8)硬化物の吸水率
上述した「(6)硬化物のガラス転移温度」で製造した硬化物を50mm角に切り出し試験片とし、吸水加速試験後に増加した質量から吸水率を求めた。
硬化物試験片を130℃で30分乾燥した後、質量を測定し、加速試験前の質量(g)とした。
次いで、温度:121℃、圧力:2atm、時間:4時間、の条件で加速試験を行った後の質量を測定し、加速試験後の質量(g)とした。
加速試験前の質量(g)と加速試験後の質量(g)とを用い、下記式により吸水率を算出し、試験片4枚の測定値の平均値を求めた。

吸水率(質量%)=(加速試験前の質量―加速試験後質量)/加速試験前の質量×100
(9)硬化物の吸水試験後のはんだ耐熱性
上述した「(8)硬化物の吸水率」において、吸水率試験を行った後の試験片を用い、288℃でのはんだ耐熱試験を行った。
上述した吸水加速試験後の試験片を、288℃のはんだ浴に20秒間浸漬し、目視による観察を行った。
288℃のはんだ浴へ浸漬しても、膨れ、剥離及び白化の何れも確認されなかった試験片については「合格」と評価した。
一方、288℃のはんだ浴への浸漬により、膨れ、剥離及び白化のいずれか1つ以上が発生した試験片は「不合格」と評価した。なお、比較例1〜5、7、9は、ワニスの流動性がない、或いは分離や沈降が生じ、試験例2における塗工性試験が実施できなかったため、はんだ耐熱性評価は実施せず、「−」と記した。
(10)硬化物の銅箔引き剥がし強さ(銅箔剥離強度N/mm)
銅張積層板の銅箔を一定速度で引き剥がす際の応力を測定した。
後述の方法で作製した硬化物試験片を、幅15mm×長さ150mmのサイズに切り出し、オートグラフ(AG−5000D、株式会社島津製作所製)を用い、銅箔を除去面に対し90℃の角度で50mm/分の速度で引き剥がした際の荷重の平均値を測定し、5回の測定の平均値を求めた。
なお、硬化物試験片は以下の方法で製造した。
後述する[試験例2]で製造したプリプレグを2枚重ね、その上下に銅箔(厚み35μm、GTS−MP箔、古川電気工業株式会社製(表1の評価結果)を重ね合わせたものを、室温から昇温速度3℃/分で加熱しながら圧力5kg/cm2の条件で真空プレスを行い、130℃まで達したら昇温速度3℃/分で加熱しながら圧力30kg/cm2の条件で真空プレスを行い、200℃まで達したら温度を200℃に保ったまま圧力30kg/cm2、時間60分間の条件で真空プレスを行うことによって両面銅張積層板を製造し、硬化物試験片とした。
〔実施例1〕
トルエンとメタノールの混合溶剤(質量比99.5:0.5)148質量部を、ステンレスビーカーに入れ、撹拌しながら、PPE(S202A、旭化成ケミカルズ製、数平均分子量18,000、1分子当たりの平均フェノール性水酸基数1.84個)37.0質量部、トリアリルイソシアヌレート(日本化成製)18.2質量部、スチレン系エラストマー(タフテックH1401、旭化成ケミカルズ製)3.0質量部を加え、十字パドル型撹拌翼で30分間、ホモジナイザー(HM−300型版 アズワン社製)で10分間(25℃、8,000回転)分散し、PPE含有液Aを得た。
得られたPPE含有液Aに、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン(パーブチルP、日油製)1.8質量部を加え、均一に撹拌した後、デカブロモジフェニルエタン(SAYTEX8010、アルベマールジャパン製)12.0質量部、シリカフィラー(球状シリカ、平均粒径3.8μm、龍森製)28.0質量部を加え、均一に撹拌し、樹脂ワニスAを得た。
〔実施例2〜6、比較例1〜10〕
表1に記載の組成に従い、その他の条件は、実施例1と同様の方法で、PPE含有液B〜P、及び樹脂ワニスB〜Pを得た。
[試験例1] 保存安定性試験
実施例1〜6、比較例1〜10で得られた樹脂ワニスA〜Pを、冷蔵(5℃±2℃)で6か月間保管し、上記「(4)樹脂ワニスの粘度測定」と同様の方法により粘度を測定し、樹脂ワニスの製造直後の粘度との比較評価を行った。
ここで、6ヶ月保存後の樹脂ワニス粘度の測定は、冷蔵保存した樹脂ワニス温度を23℃±2℃に戻し、且つ、十分に撹拌混合してから行った。
なお、製造直後の樹脂ワニスの粘度と比較して粘度変化が少ない方が、製造直後のように塗工でき、優れている、と判断した。
[試験例2] 塗工性試験
実施例1〜6、比較例1〜10で得られた樹脂ワニスA〜Pを用い、樹脂ワニスの製造翌日にガラスクロスへの含浸塗工試験を行った。
同様に、樹脂ワニスA〜Pを冷蔵(5℃±2℃)で6か月間保管した後、ガラスクロスへの含浸塗工試験を行い、冷蔵保存が塗工性に及ぼす影響を比較評価した。
なお、冷蔵保管した樹脂ワニスは、23℃±2℃に戻し且つ十分に混合撹拌してから塗工試験に供した。
ガラスクロスへの含浸塗工試験は以下の方法で行った。
厚さ約0.1mmのEガラス製ガラスクロス(116スタイル、旭シェーベル製)を長尺方向に移送させながら、樹脂ワニスで満たされている含浸バス内を通過させ、樹脂ワニスにガラスクロスを浸漬させた。
続いて、含浸バス内の含浸ロールでガラスクロスの移送角度を変更し、ガラスクロスを含浸バスから垂直方向に抜出した後、ガラスクロスに付着した余分なワニスを掻き落とし、乾燥ゾーンへ移送した。
乾燥ゾーンでは、熱風の吹付と輻射熱により、余分な溶剤を乾燥除去させた。
前述の一連の操作を連続して50m行い、樹脂含量54質量%のプリプレグを得た。
塗工性の評価を○(良)、△、×(悪)の3段階で行った。評価内容を下記表1に示す。
[試験例3] 硬化物評価
冷蔵(5℃±2℃)で6か月間保管した後でも安定して塗工できたものについては、硬化物の特性評価((6)ガラス転移温度測定、(7)10GHzでの誘電率および誘電正接測定、(8)吸水率測定、(9)吸水試験後のはんだ耐熱試験、(10)銅箔剥離強度試験)を行った。
硬化物評価については、全て冷蔵で6ヶ月保存後のサンプルについての特性評価を行った。
6ヶ月保存後においても安定して塗工ができた実施例1〜6、及び含浸ロールへの堆積が発生したがプリプレグを製造することができた比較例6、8、10については、プリプレグの取扱い性、及び硬化物の特性評価を実施した。その結果を表1に示す。
Figure 0006478508
表1及び下記表2に示す樹脂組成物の成分について、以下に補足する。
PPE:ポリフェニレンエーテル 1:S202A、旭化成ケミカルズ製、数平均分子量18,000、1分子当たりの平均フェノール性水酸基数1.84個
トリアリルイソシアヌレート:日本化成製
スチレン系エラストマー:SEBS タフテックH1041、旭化成ケミカルズ製
シリカ:球状シリカ、龍森製
デカブロモジフェニルエタン:SAYTEX8010、アルベマールジャパン製
α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン:パーブチルP、日油製
実施例1〜6の樹脂ワニスA〜Fは、冷蔵保管してもワニス粘度の変化が殆どなく、製造直後と同様にガラスクロスへの含浸塗工することができた。
また、冷蔵保存した後の樹脂ワニスを用いても、樹脂の粉落ちや剥がれが無く、取り扱い性に優れるプリプレグが得られた。
更には、冷蔵保存した後の樹脂ワニスを用いて製造した硬化物においても、ガラス転移温度、電気特性(誘電正接、誘電率)、耐吸水性、はんだ耐熱性、銅箔剥離強度のいずれにおいても良好な結果が得られた。
比較例1の樹脂ワニスGは、製造段階で既に流動性が低く、塗工試験に供することはできなかった。
当該樹脂ワニスGは、PPEの膨潤ゲル化により流動性がなくなったと推定される。
比較例2〜4の樹脂ワニスH〜Jは、均一な樹脂ワニスとすることができず、10分程度で多くの沈降物が生じてしまった。
沈降物には、シリカ、デカブロモジフェニルエタンの他、PPEも存在していた。
比較例5、7、9の樹脂ワニスK、M、Oは、冷蔵保存後に大きく増粘し流動性が不足したため、冷蔵保存後は塗工試験に供すことができなかった。
比較例6、8、10の樹脂ワニスL、N、Pは、冷蔵保存後に粘度の低減が生じた。
また、冷蔵保存後の塗工試験では、含浸ロールへの固形分の堆積が発生し、堆積した固形分によってガラスクロスに歪がかかった状態でガラスクロスの移送が行われた。
また、含浸ロールへ固形分が堆積するに従って、含浸ロールと含浸バスの隙間が狭くなり、試験した50m以上の塗工は困難と思われた(実際、比較例10のワニスPを、50mを超えて継続して塗工を試みたが、約70m時点で、固形分が堆積して肥大化した含浸ロールと含浸バスの間にガラスクロスが挟まれてブレーキがかかり、装置の安全装置(テンション異常)が作動して塗工が停止してしまった。)。
比較例6、8、10の冷蔵保存後の樹脂ワニスを用いて製造されたプリプレグは、樹脂粉落ちが生じ、取り扱い性に優れるものではなかった。また、前記プリプレグから得られた硬化物は、実施例1〜6の樹脂ワニスA〜Fに比べて銅箔剥離強度が低い傾向を示した上、はんだ耐熱性試験において膨れが生じてしまい耐熱性に優れるものではなかった。
〔実施例7〕
トルエンとメタノールの混合溶剤(質量比99.5:0.5)75質量部を、ステンレスビーカーに入れ、撹拌しながら、PPE(S202A、旭化成ケミカルズ製、数平均分子量18,000、1分子当たりの平均フェノール性水酸基数1.84個)25質量部を加え、十字パドル型撹拌翼で30分間、ホモジナイザー(HM−300型版 アズワン社製)で10分間(25℃、8,000回転)分散し、PPE含有液Qを得た。
得られたPPE含有液Qを樹脂ワニスQとした。
〔実施例8、比較例11、12〕
表2に記載の組成に従い、その他の条件は、実施例7と同様の方法で、PPE含有液R〜T、及び樹脂ワニスR〜Tを得た。
[試験例4] 保存安定性試験
実施例7、8、比較例11、12で得られた樹脂ワニスQ〜Tを、冷蔵(5℃±2℃)で6か月間保管し、上記「(4)樹脂ワニスの粘度測定」と同様の方法により粘度を測定し、樹脂ワニスの製造直後の粘度との比較評価を行った。
ここで、6ヶ月保存後の樹脂ワニス粘度の測定は、冷蔵保存した樹脂ワニス温度を23℃±2℃に戻し、且つ、十分に撹拌混合してから行った。
なお、製造直後の樹脂ワニスの粘度と比較して粘度変化が少ない方が、製造直後のように塗工でき、優れている、と判断した。
[試験例5] 塗工性試験
実施例7、8、比較例11、12で得られた樹脂ワニスQ〜Tを用い、樹脂ワニスの製造翌日にガラスクロスへの含浸塗工試験を行った。
同様に、樹脂ワニスQ〜Tを冷蔵(5℃±2℃)で6か月間保管した後、ガラスクロスへの含浸塗工試験を行い、冷蔵保存が塗工性に及ぼす影響を比較評価した。
なお、冷蔵保管した樹脂ワニスは、23℃±2℃に戻し且つ十分に混合撹拌してから塗工試験に供した。
ガラスクロスへの含浸塗工試験は上述の[試験例2]と同様の方法で行った。
塗工性の評価を○(良)、△、×(悪)の3段階で行った。評価内容は下記表2に示す。
6ヶ月保存後においても安定して塗工ができた実施例7、8及び含浸ロールへの堆積が発生したがプリプレグを製造することができた比較例12については、上述した(5)の方法により、プリプレグの取扱い性の評価を実施した。その結果を表2に示す。
なお、測定に用いたプリプレグは、上述した[試験例2]に示した方法に準拠して作製した。
Figure 0006478508
実施例7、8の樹脂ワニスQ、Rは、冷蔵保管してもワニス粘度の変化が殆どなく、製造直後と同様にガラスクロスへの含浸塗工することができた。また、冷蔵保存した後の樹脂ワニスを用いても、樹脂の粉落ちや剥がれが無く、取り扱い性に優れるプリプレグが得られた。
比較例11の樹脂ワニスSは、製造段階で既に流動性が低く、塗工試験に供することはできなかった。
比較例12の樹脂ワニスTは、冷蔵保存後に粘度の低減が生じた。また、冷蔵保存後の塗工試験では、含浸ロールへの固形分の堆積が発生し、堆積した固形分によってガラスクロスに歪がかかった状態でガラスクロスの移送が行われた。また、含浸ロールへ固形分が堆積するに従って、含浸ロールと含浸バスの隙間が狭くなり、試験した50m以上の塗工は困難と思われた。
本実施形態のPPE含有液は、PPE含有液を含む樹脂ワニス、当該樹脂ワニスを用いて形成される電子回路基板材料、樹脂ワニスよりなるフィルム、樹脂ワニスを塗付した積層フィルム、基材に樹脂ワニスを含浸させたプリプレグ、樹脂ワニスを付加した金属箔、及びこれらを任意に積層成型した積層体として産業上の利用可能性を有している。

Claims (8)

  1. ポリフェニレンエーテル(A)を含む樹脂組成物と、有機溶剤(B)と、
    を、含有し、
    前記ポリフェニレンエーテル(A)が、前記有機溶剤(B)に溶解していないポリフェ
    ニレンエーテルと、前記有機溶剤(B)に溶解している溶解ポリフェニレンエーテルとを含み、
    前記有機溶剤(B)は、23±2℃の当該有機溶剤(B)100g中に、前記ポリフェ
    ニレンエーテル(A)を完全に溶解し得る量が0.1g以上1.0g以下である、ポリフ
    ェニレンエーテル含有液。
  2. 前記ポリフェニレンエーテル(A)の数平均分子量が4,000以上40,000以下
    である、請求項1に記載のポリフェニレンエーテル含有液。
  3. 前記ポリフェニレンエーテル(A)が、前記有機溶剤(B)に溶解していないポリフェ
    ニレンエーテル粒子(A−1)と、前記有機溶剤(B)に溶解している溶解ポリフェニレ
    ンエーテル(A−2)とを含み、
    前記ポリフェニレンエーテル粒子(A−1)と前記溶解ポリフェニレンエーテル(A−
    2)との合計質量を100質量%としたとき、前記ポリフェニレンエーテル粒子(A−1
    )の含有量が60質量%以上99.9質量%以下である、請求項1又は2に記載のポリフ
    ェニレンエーテル含有液。
  4. 架橋型硬化性成分(C)、及び反応開始剤(D)をさらに含有する、請求項1乃至3の
    いずれか一項に記載のポリフェニレンエーテル含有液。
  5. 前記架橋型硬化性成分(C)が、分子内に2個以上のビニル基を持つモノマーである、
    請求項4に記載のポリフェニレンエーテル含有液。
  6. 前記架橋型硬化性樹脂(C)が、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)である、請
    求項5に記載のポリフェニレンエーテル含有液。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載のポリフェニレンエーテル含有液を含む樹脂ワニ
    ス。
  8. 請求項7に記載の樹脂ワニスを用いて形成される電子回路基板材料であって、
    前記樹脂ワニスよりなるフィルム、支持体に前記樹脂ワニスを塗付したフィルム、基材
    に前記樹脂ワニスを含浸させたプリプレグ、前記樹脂ワニスを付加した金属箔、及びこれ
    らを任意に積層成型した積層体からなる群より選ばれるいずれかである、電子回路基板材
    料。
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