JP6080604B2 - ポリフェニレンエーテル樹脂粒子分散液並びに該樹脂粒子と基材との複合体の製法 - Google Patents

ポリフェニレンエーテル樹脂粒子分散液並びに該樹脂粒子と基材との複合体の製法 Download PDF

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Description

本発明は、電子基板材料として好適な、ポリフェニレンエーテル(以下、PPEともいう。)樹脂粒子を含む樹脂分散液、該樹脂分散液を含むワニスと基材との樹脂複合体、及びそれらの製法に関する。本発明は、該樹脂複合体を用いて形成される電気、電子部品用の積層板にも関する。
衛星通信等高周波領域で使用する積層板には誘電特性が優れていることが求められる。PPEは広い周波数範囲、温度範囲及び湿度範囲で誘電率及び誘電正接がいずれも安定しており、かつ誘電正接が低い材料として着目されている。
積層板の製造方法としては、加熱保持した非ハロゲン溶媒中にPPE樹脂を溶解して得た溶液を加熱保持のまま基材に含浸させるという方法がある。しかしながら、この方法では複雑な設備が必要であり、かつ取り扱い性、作業安全性、環境問題等の点で問題があり、加熱保持しない製法が求められている。
そこで、例えば、以下の特許文献1には、PPE樹脂と、トリアリルイソシアヌレートなどの架橋助剤と、スチレンブタジエンコポリマーなどの架橋性樹脂とを含む樹脂組成物のトルエン溶液を一旦35℃以上に加熱した後に冷却し、PPE樹脂と架橋助剤と架橋性樹脂とを含む樹脂粒子が分散している不透明な分散液を得る手法が記載されている。
特開平7−292126号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、PPE樹脂と架橋性樹脂と架橋助剤を含む樹脂組成物の粒子の分散液が非常に高粘度になるため、基材への塗工に必要な流動性が得られず、基材への含浸に劣る点で、十分ではなかった。実際に、特許文献1の実施例に開示されている方法を忠実に追試してみると、分散液はグリース状になり塗工に供すことができないか、塗工できても基材への含浸が悪く基材と樹脂組成物の接着性に劣るものしか得られなかった。この分散液を希釈して光学顕微鏡で観察すると、3μm以下の非常に小さな粒子が密集していた。上述のようにPPE樹脂と加工性樹脂と架橋性樹脂とが混在した高濃度、高粘度の条件で温度下降させると、PPEを含む樹脂結晶が成長せず、非常に小さな結晶が多く発生し、グリース状になってしまったと考えられる。
このように、PPEが本来有する低い誘電率及び誘電正接を有し、かつ、耐熱性、及び樹脂/基材接着性に優れる、常温塗工可能な樹脂分散液は、従来技術においては見出されていないのが現状である。従って、PPE樹脂を構成成分としつつ上記のような特性を有する常温塗工可能な樹脂分散液が強く望まれていた。
かかる従来技術の問題に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、樹脂/基材接着性が良好なPPE樹脂粒子分散液を用いて製造される樹脂複合体(例えば、プリプレグ)、及びPPEが本来有する優れた耐熱性を有する積層板を提供することである。
前記課題を解決すべく、本発明者らは鋭意検討し、実験を重ねた結果、予想外に、所定の有機溶媒を含む分散媒にPPE樹脂を一旦加温して溶解させてから晶析時の温度を制御しながら冷却することにより、常温で流動安定性が良好なPPE樹脂分散液を得ることができること、さらに、得られた樹脂分散液と基材との複合時の温度を制御することにより、基材との優れた接着性をもたらし、その結果、得られた樹脂複合体(例えば、プリプレグ)、さらには樹脂硬化体が優れた銅箔ピール強度及び吸水耐熱性を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下のとおりのものである。
[1]以下の:
23℃におけるPPE樹脂の溶解度が5重量%以上である有機溶媒を含む分散媒を50℃以上に昇温してPPE樹脂の溶液を調製した後、以下の式(1):
A−15≦X≦A−2 式(1)
{式(1)中、A(℃)は、前記分散媒中でPPE樹脂が析出を開始する温度である。}を満たす晶析温度X(℃)で、PPE樹脂粒子を晶析させて、PPE樹脂粒子を含む樹脂分散液を得る工程(I)、
を含む、PPE樹脂粒子を含む樹脂分散液の製造方法。
[2]前記樹脂分散液中のPPE樹脂の数平均分子量が5000〜40000である、前記[1]に記載の方法。
前記[1]又は[2]に記載の方法により得られた樹脂分散液架橋型硬化性成分と混合する工程、
を含むワニスの製造方法
]前記[に記載の方法により得られたワニスを基材と複合し、前記有機溶媒を除去する工程、
を含む樹脂複合体の製造方法
]前記[に記載の方法により得られた樹脂複合体を硬化させる工程、
を含む積層体の製造方法
]以下の工程(I)と(II):
23℃におけるPPE樹脂の溶解度が5重量%以上である有機溶媒を含む分散媒を50℃以上に昇温してPPE樹脂の溶液を調製した後、以下の式(1):
A−15≦X≦A−2 式(1)
{式(1)中、A(℃)は、前記分散媒中でPPE樹脂が析出を開始する温度である。}を満たす晶析温度X(℃)で、PPE樹脂粒子を晶析させて、PPE樹脂粒子を含む樹脂分散液を得る工程(I);及び
得られた樹脂分散液を、以下の式(2):
X−5≦Y≦A+10 式(2)
{式(2)中、X(℃)は、前記式(1)を満たす晶析温度であり、そしてA(℃)は、前記分散媒中でPPE樹脂が析出を開始する温度である。}を満たす塗工温度Y(℃)で、基材に塗工して、PPE樹脂粒子と基材との樹脂複合体を得る工程(II);
を含む、PPE樹脂粒子と基材との樹脂複合体の製造方法。
]工程(I)で得た樹脂分散液に架橋型硬化性成分を添加してワニスを得る工程を、工程(II)の前に実施する、前記[]に記載の方法。
]前記樹脂分散液中のポリフェニレンエーテル樹脂の数平均分子量が5000〜40000である、前記[]又は[]に記載の方法。
前記[6]〜[8]のいずれかに記載の方法により得られた樹脂複合体を硬化させる工程、
を含む積層体の製造方法
本発明によれば、樹脂/基材接着性が良好なPPE樹脂粒子分散液を用いて製造される樹脂複合体(例えば、プリプレグ)、及びPPEが本来有する優れた耐熱性を有する積層板が得られる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「実施の形態」と略記する。)について詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本実施の形態において、PPE樹脂粒子と基材との樹脂複合体の製造方法は、以下の工程(I)と(II):
23℃におけるPPE樹脂の溶解度が5重量%以上である有機溶媒を含む分散媒を50℃以上に昇温してPPE樹脂の溶液を調製した後、以下の式(1):
A−15≦X≦A−2 式(1)
{式(1)中、A(℃)は、前記分散媒中でPPE樹脂が析出を開始する温度である。}を満たす晶析温度X(℃)で、PPE樹脂粒子を晶析させて、PPE樹脂粒子を含む樹脂分散液を得る工程(I);及び
得られた樹脂分散液を、以下の式(2):
X−5≦Y≦A+10 式(2)
{式(2)中、X(℃)は、前記式(1)を満たす晶析温度であり、そしてA(℃)は、前記分散媒中でPPE樹脂が析出を開始する温度である。}を満たす塗工温度Y(℃)で、基材に塗工して、PPE樹脂粒子と基材との樹脂複合体を得る工程(II);
を含む。
本実施形態の方法は、温度を制御し樹脂分散媒を得る工程(I)と樹脂複合体を得る工程(II)を少なくとも含む。工程(I)では、晶析温度(X℃)を制御することで、過度な析出を抑制し、分散安定性、や動安定性に優れた樹脂分散液を得ることができる。工程(II)では、塗工温度(Y℃)を制御することで、樹脂分散液からの過度な結晶析出を抑制できるので、ワニス粘度の安定性が高く、基材に複合させる工程において樹脂/基材の接着性が良好な樹脂複合体を得ることができる。
即ち、PPE樹脂粒子分散液を得る際の晶析温度を制御することで、粘度安定性に優れた分散液を得ることができ、これによりプリプレグを安定的に製造することが可能となる。さらに、PPE樹脂粒子分散液を得る際の晶析温度と、該分散液を含むワニスを基材と複合させる際の塗工温度を制御することで、基材(例えば、ガラスクロス)と複合させた際に、樹脂/基材接着性に優れた樹脂複合体(例えば、プリプレグ)を得ることができる。かかる樹脂複合体から得られる硬化物も優れた耐熱性を発現する。
<ポリフェニレンエーテル(PPE)樹脂>
PPE樹脂は、PPE骨格を有するものであり、典型的には下記一般式(I):
Figure 0006080604
{式中、R1〜R8は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアミノ基、ニトロ基又はカルボキシル基を表し、R9は、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアミノ基、ニトロ基又はカルボキシル基である。}で表される構造を有する。
PPE樹脂としては、例えば、上記一般式(I)において、R9が水素原子である構造の具体例としては、例えば、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−フェニル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジクロロ−1,4−フェニレンエーテル)、2,6−ジメチルフェノールと他のフェノール類(例えば、2,3,6−トリメチルフェノール、2−メチル−6−ブチルフェノール等)との共重合体、2,6−ジメチルフェノールとビフェノール類又はビスフェノール類とをカップリングさせて得られるポリフェニレンエーテル共重合体、等が挙げられる。容易に入手可能であるという観点において、好ましいPPE樹脂は、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)である。
本実施形態において、PPE樹脂の数平均分子量(以下、Mnともいう。)は、5000以上40000以下が好ましく、8000以上30000以下がより好ましく、9000以上25000以下が更に好ましい。Mnが5000以上であるとTg及びハンダ耐熱性に優れた硬化物を形成可能な樹脂分散液が得られ、40000以下であると溶融粘度が適切であるために、基板成形性に優れた樹脂分散液が得られる。
本実施形態のPPE樹脂分散液において、PPE樹脂は、典型的には、上記一般式(I)で表されるPPE樹脂の末端の水酸基が官能基化されているPPE樹脂を用いることもできる。水酸基が官能基化されていることで、未変性PPE樹脂と比較して結晶析出温度を低くすることができ、過度な粒子の析出を防ぐことができるので、優れたワニス安定性や樹脂/基材の接着性、さらには耐熱性の良好な硬化体を得ることが可能となる。
官能基としては、ベンジル基、ビニルベンジル基、アリル基、プロパギル基、グリシジル基、メタクリル基、シアノ基、マレイン酸基等が挙げられ、上記の2種類以上の官能基を組み合わせていてもよい。
好ましい様態において、本実施形態の硬化体は、PPE樹脂と不飽和カルボン酸又は酸無水物との反応生成物であることができる。酸無水物の例としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水グルタコン酸、無水シトラコン酸等が挙げられる。PPE樹脂液の冷却時における晶析が抑制され、余分な粒子が析出することなく、容易に樹脂分散液の流動性を確保できる点から、無水マレイン酸が好ましい。硬化反応は、PPE樹脂と不飽和カルボン酸又は酸無水物を100℃〜390℃の温度範囲で加熱することによって行われる。この際ラジカル開始剤を共存させてもよい。溶液法と溶融混合法の両方が使用できるが、押出し機等を用いる溶融混合法の方が簡便に行うことができ点で好ましい。
PPEの水酸基への酸無水物等による官能基の付加量は、官能基化PPE樹脂100質量部に対する割合として、0.1質量部以上である。該付加量は、好ましくは0.1質量部以上5質量部以下、より好ましくは0.1質量部以上3質量部以下である。また、官能基化PPE樹脂は、前述のように、含有される全てのPPEが官能化されている必要はなく、未官能化(すなわち未変性)PPEを含んでいてもよい。樹脂分散液中に含まれるPPE樹脂全体としての100質量部あたり、上記割合が官能化されていることにより、常温での粒子の過剰な析出を防ぐことができる。これにより、流動性を確保できるだけでなく、樹脂と基材との接着性に優れた樹脂複合体を製造することができる樹脂分散液を容易に入手できることができる。
樹脂分散液中の官能基化PPE樹脂について、例えば、官能化を酸無水物で行う場合、一般的なカルボン酸の中和滴定により、その官能基付加量を測定することができる。例えば、上記官能基化PPE樹脂を含む溶液に対して、水酸化ナトリウム等の塩基を、溶液が中和されるまで加えていき、その滴定量より官能基化PPE樹脂における官能基の付加量を算出できる。上記付加量を有する官能基化PPE樹脂は、例えば、酸無水物を用いる場合、官能化前のPPE樹脂に対する、酸無水物及びラジカル開始剤の等量を制御することにより得ることができ、例えば、ベンジル基を導入する場合、塩化ベンジル又は臭化ベンジルと塩基との当量を官能化前のPPE樹脂の有する水酸基の当量に合わせて配合することにより得ることができる。
<分散媒>
樹脂分散液に含まれる有機溶媒としては、23℃におけるPPE樹脂の溶解度が5質量%以上である溶媒を含んでいる必要がある。例えば、かかる有機溶媒として、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族有機溶剤、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、及びメタノール、エタノール、ブタノール等のアルコール類が挙げられる。分散液中の分散媒に含まれる上記有機溶媒の割合としては、PPE樹脂粒子の分散安定性を、基材(例えば、ガラスクロス)への常温での塗工性、得られた複合体(例えば、プリプレグ)の樹脂との接着性に優れたものが得られるという点から、50質量%以上100質量%以下であることが好ましく、80質量%以上100質量%以下である事がより好ましい。
樹脂分散液中の分散媒の割合としては、PPE樹脂100質量部に対し、樹脂分散液の安定性を確保する観点から、100質量部以上が好ましく、120質量部以上がより好ましく、140質量部以上が更に好ましい。樹脂分散液をワニス等へ使用するために適した粘度を確保する観点から、900質量部以下が好ましく、700質量部以下がより好ましく、500質量部以下が更に好ましい。
<樹脂分散液>
本実施の形態である工程(I)は、23℃におけるPPE樹脂の溶解度が5重量%以上である有機溶媒を含む分散媒を50℃以上に昇温してPPE樹脂の溶液を調製した後、以下の式(1):
A−15≦X≦A−2 式(1)
{式(1)中、A(℃)は、前記分散媒中でPPE樹脂が析出を開始する温度である。}を満たす晶析温度X(℃)で、PPE樹脂粒子を晶析させて、PPE樹脂粒子を含む樹脂分散液を得る工程である。樹脂分散液より過度な析出を抑制し、分散安定性、流動安定性に優れた樹脂分散液を得ることができる観点から、A−15≦Xであり、好ましくはA−10≦Xである。樹脂分散液より常温流動安定性を発現するのに必要な量のPPE樹脂粒子を析出させることができる点で、X≦A−2であり、好ましくはX≦A−5である。
本実施形態において、樹脂分散液中のPPE樹脂は、一部が粒子として有機溶媒中に存在しており、残部は有機溶媒中に溶存している。官能基化PPE樹脂の総量100質量%に対し、粒子の割合は30質量%以上90質量%以下であり、好ましくは30質量%以上80質量%以下、より好ましくは30質量%以上75質量%以下である。粒子の割合が30質量%以上であることで、常温での分散安定性に優れた粘度の適切な樹脂分散液となることができる。また、粒子の割合が90質量%以下であることで、該樹脂分散液を用いて、基材と樹脂との接着性に優れたプリプレグ(これは本発明の一態様に係る樹脂組成物複合体の例である)を製造することができ、その結果該プリプレグを用いて製造した積層板の耐熱性が優れたものとなる。
本発明の第一の実施形態において、分散液に含まれる樹脂粒子はPPEを70質量%以上含有しており、より好ましい範囲は75質量%以上であり、更に好ましい範囲は80質量%以上である。ここで樹脂粒子中のPPE成分の含有比率は以下の測定により求めた値とする。
まず、遠心分離等の方法により、樹脂分散液から粒子を沈殿させ、それより上澄み液を取り除き、質量比95:5のトルエンとメタノールの混合溶剤を5g加え、激しく振とうした後、同恒温室内で24時間静置させる。次いで、上澄み液を取り除き、質量比95:5のトルエンとメタノールの混合溶剤を5g加える。この抽出物より溶媒を加熱除去し、クロロホルム中に展開し不溶分をろ過により除去し、抽出物Aを得る。抽出物Aに対し、カーボン核磁気共鳴分光法を用いて測定を行なう。
カーボン核磁気共鳴分光法によるPPEの定量は、以下の方法で行うことができる。化学シフトの基準としてテトラメチルシランを使用し、そのピークを0ppmとする。PPEのピークとして、16.8、114.4、 132.5、145.4、154.7ppm近傍のピークの強度を合計し、テトラメチルシランのピーク強度との比をXとする。標準物質についてのこの値をX1、及び抽出物Aについての値をX2とすると、(X2/X1)×100の値を算出することにより抽出物中におけるPPE含有率(質量基準)を測定することができる。ここで、PPE由来の信号は、標準物質と同じ位置のものを用いればよく、上記に限定されるものではない。尚、定量には、数平均分子量15,000〜25,000のポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)を標準物質として用い、同一の測定サンプル量から得られるピーク強度の比を用いて求める。数平均分子量15,000〜25,000のポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)としては、例えば、旭化成ケミカルズ(株)製S202Aグレードを用いることができる。
樹脂粒子中のPPE成分の比率が上述の範囲内であれば、結晶化により後述する粒度のPPE樹脂粒子を得やすいために好ましい。後述する硬化物としても耐熱性や接着性が優れる点で好ましい。これは樹脂複合体に対して加熱加圧処理を行なう際、PPE樹脂が溶融し均一に硬化性樹脂成分と相溶してから硬化することから基板内での成分の均一化により性能が発現していると考えられる。その理由により、樹脂粒子成分の中、全てがPPE成分で成り立っていることが最も望ましい。
本実施形態において、樹脂分散液において分散安定性が保たれる範囲で良好な流動性が確保されるという観点から、PPE樹脂の粒子成分の総数の好ましくは80粒子数%以上が、より好ましくは90粒子数%以上が、複粒として存在し、その複粒の長径5μm以上30μm以下の大きさであることが好ましく、長径8μm以上25μm以下の大きさであることがより好ましい。60粒子数%以上の複粒の長径が5μm以上であると分散液の流動安定性に優れ、また、添加剤を加えた際に増粘を抑制することができ、30μm以下であることで加熱加圧時の溶融性が良好で、硬化体の均一性や接着性に優れるという点で、好ましい。
PPE樹脂の粒子径は、以下のように測定できる。遠心分離等の方法により、樹脂分散液から粒子を沈殿させ、それより上澄み液を取り除き、質量比95:5のトルエンとメタノールの混合溶剤を5g加え、激しく振とうした後、同恒温室内で24時間静置させる。次いで上澄み液を取り除き、質量比95:5のトルエンとメタノールの混合溶剤を5g加える。この抽出物を試料台に滴下し、溶剤を揮発させた後に、SEM−EDX観察を行い、炭素、酸素、水素の合計が95%以上の粒子を官能基化PPE樹脂粒子として、その長径を計測する。粒子の内部を通るように直線を引き、直線が一番長くなる時の長さをその一次粒子の長径とする。400個以上の一次粒子の長径を無作為に測定する。
樹脂分散液の固形分総量に対するPPE樹脂の割合は、良好な誘電特性を得る観点から、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは30質量%以上である。上記割合は100質量%であってもよいが、後述の他の成分による効果を良好に得る観点から、すなわち積層板の耐熱性及び難燃性を付与する目的で他の樹脂等を更に使用する観点から、上限は高々90質量%である。
本実施形態の樹脂分散液は、PPE樹脂及び分散媒に加え、追加の成分を含有してもよい。例えば、樹脂分散液は、架橋型硬化性成分及び開始剤をさらに含むことができる。好ましい態様において、樹脂分散液は、難燃剤、他の樹脂、各種添加剤等をさらに含有してもよい。
架橋型硬化性成分としては、分子内に2個以上の不飽和基をもつモノマーが好ましい。樹脂分散液は、官能基化PPE樹脂100質量部に対して、架橋型硬化性成分を好ましくは5〜95質量部、より好ましくは10〜80質量部、更に好ましくは10〜70質量部、更に好ましくは20〜70質量部含有する。該架橋型硬化性成分の量が5質量部以上である場合、樹脂分散液中の樹脂の溶融粘度を良好に低減させることができるために基板成形性が良好である。また、95質量部以下である場合、PPEの有する優れた誘電率及び誘電正接を発現することができる。
分子内に2個以上の不飽和基をもつモノマーとしては、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)、トリアリルシアヌレート(TAC)、トリメタリルシアヌレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、ジアリルフタレート、ジアリルシアヌレート等が挙げられ、中でもポリフェニレンエーテルとの相溶性の良好なTAICが好ましい。
開始剤としては、ビニルモノマーの重合反応を促進する能力を有する任意の開始剤を使用でき、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、ジ(トリメチルシリル)パーオキサイド、トリメチルシリルトリフェニルシリルパーオキサイド等の過酸化物が挙げられる。また、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン等のラジカル発生剤も反応開始剤として使用できる。中でも、耐熱性及び機械特性に優れ、更に低い誘電率及び誘電正接を有する硬化物を与えることができるという観点から、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、及び2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンが好ましい。
開始剤の使用量は適宜設定できるが、一般的には、架橋型硬化性成分100質量部に対して、重合反応を良好に促進する観点から、好ましくは1.0質量部以上、より好ましくは3.0質量部以上、更に好ましくは5.0質量部以上であり、硬化物の誘電率及び誘電正接を低く抑えることが出来る観点から、好ましくは25質量部以下、より好ましくは20質量部以下、更に好ましくは10質量部以下である。
難燃剤としては、燃焼のメカニズムを阻害する機能を有するものであれば特に制限されず、三酸化アンチモン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ほう酸亜鉛等の無機難燃剤、ヘキサブロモベンゼン、デカブロモジフェニルエタン、4,4−ジブロモビフェニル、エチレンビステトラブロモフタルイミド等の芳香族臭素化合物、レゾルシノールビス−ジフェニルホスフェート、レゾルシノールビス−ジキシレニルホスフェート等のリン系難燃剤等が挙げられる。中でも、得られる硬化物の誘電率及び誘電正接を低く抑えられる観点からデカブロモジフェニルエタン等が好ましい。
難燃剤の使用量は、使用する難燃剤によって異なり、特に限定するものでないが、UL規格94V−0レベルの難燃性を維持する観点から、官能基化ポリフェニレンエーテル樹脂と架橋型硬化性成分との合計100質量部に対して好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上、更に好ましくは15質量部以上である。また、得られる硬化物の誘電率及び誘電正接を小さく維持できる観点から、上記使用量は、好ましくは50質量部以下、より好ましくは45質量部以下、更に好ましくは40質量部以下である。
他の樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、エチレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレン、スチレン、ジビニルベンゼン、メタクリル酸、アクリル酸、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、塩化ビニル、アクリロニトリル、無水マレイン酸、酢酸ビニル、四フッ化エチレン等のビニル化合物の単独重合体及び2種以上のビニル化合物の共重合体、並びに、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアセタール、ポリフェニレンスルフィド、ポリエチレングリコール等を例として挙げることができる。これらの中でもスチレンの単独重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、及びスチレン−エチレン−ブタジエン共重合体が、硬化性樹脂組成物の溶剤への溶解性及び成形性の観点から好ましく用いることができる。熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、及びシアネートエステル類を例として挙げることができる。上記熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂は、酸無水物、エポキシ化合物、アミン等の官能化化合物で変成されたものでもよい。
他の樹脂の使用量は、上記ポリフェニレンエーテル樹脂と架橋型硬化性成分の合計100質量部に対して、好ましくは10質量部以上、より好ましくは15質量部以上、更に好ましくは20質量部以上であり、ポリフェニレンエーテル樹脂の優れた誘電特性および耐熱性を発現させる点から、好ましくは90質量部以下、より好ましくは70質量部以下、更に好ましくは50質量部以下である。
その他、各種添加剤としては、難燃剤、熱安定剤、酸化防止剤、UV吸収剤、界面活性剤、滑剤、充填剤、ポリマー添加剤等が挙げられる。これらの添加剤の使用量は所望に応じて当業者によって適宜設定される。
本発明の別の態様は、上述した樹脂分散液を含むワニスを提供する。
本発明の別の態様は、該ワニスから溶媒を除去することによって得られる、樹脂組成物を提供する。
<樹脂複合体>
本実施の形態である工程(II)は、 得られた樹脂分散液を、以下の式(2):
X−5≦Y≦A+10 式(2)
{式(2)中、X(℃)は、前記式(1)を満たす晶析温度であり、そしてA(℃)は、前記分散媒中でPPE樹脂が析出を開始する温度である。}を満たす塗工温度Y(℃)で、基材に塗工して、PPE樹脂粒子と基材との樹脂複合体を得る工程である。得られた樹脂分散液からの過度な結晶析出を抑制できるので、ワニス粘度の安定性が高く、基材に複合させる工程においてスケールアップし長尺化しても問題なく製造することができる観点から、X−5≦Yであり、より好ましくはX≦Yである。分散液中に析出したPPE粒子が分散媒に再溶解することがないので、ワニスの粘度が下がることもなく、流動安定性に優れる観点から、Y≦A+10であり、Y≦A+5がより好ましい。
本発明の別の態様は、上述した本発明の樹脂分散液を含むワニスを基材に塗布し、次いで該ワニスが塗布された基材から溶媒を除去して得られる樹脂複合体を提供する。樹脂複合体は、例えば、プリプレグであることができる。
プリプレグは、PPE樹脂100質量部に対して、架橋型硬化性成分を好ましくは5〜95質量部、より好ましくは10〜80質量部、更に好ましくは10〜70質量部、更に好ましくは20〜70質量部含有する。該架橋型硬化性成分の量が5質量部以上である場合、プリプレグを用いて基板を形成することによって積層板を形成する際、樹脂が基材中に良好に含浸し絶縁信頼性に優れた積層板が得られる。また、95質量部以下である場合、弾性率等の機械特性や誘電特性に優れた積層板が得られる。
基材としては、ロービングクロス、クロス、チョップドマット、サーフェシングマット等の各種ガラス布;アスベスト布、金属繊維布、及びその他合成若しくは天然の無機繊維布;全芳香族ポリアミド繊維、全芳香族ポリエステル繊維、ポリベンゾオキサゾール繊維等の液晶繊維から得られる織布又は不織布;綿布、麻布、フェルト等の天然繊維布;カーボン繊維布、クラフト紙、コットン紙、紙−ガラス混繊糸から得られる布等の天然セルロース系基材;ポリテトラフルオロエチレン多孔質フィルム;等を単独で、又は2種以上組合せて用いることができる。
樹脂複合体中の樹脂含有率(すなわち、PPE樹脂、架橋型硬化性成分、及び任意の他の樹脂の合計含有率)は、基材の厚さ及びプリプレグの使用目的に応じて適宜設定すればよく、例えば、基材としてガラスクロスを使用した場合、ガラスクロスの誘電率は樹脂の誘電率に比べて高いため、樹脂の含有率を増やした方が誘電特性的に有利となる。一般的には、樹脂含有率は、誘電特性を向上させる観点、および成型性を良好にする観点から、好ましくは30質量%以上、より好ましくは40質量%以上、更に好ましくは50質量%以上であり、樹脂組成物複合体を硬化させて得られる硬化体の剛性を向上する観点から、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下、更に好ましくは70質量%以下である。
また、本発明の別の態様は、上述した樹脂分散液を含むワニスを基材に塗布する工程、及び該ワニスが塗布された基材から溶媒を除去する工程を含む樹脂複合体(例えば、プリプレグ)の製造方法を提供する。
本実施形態に係る樹脂複合体の製造方法としては、粒子成分が分散した状態の樹脂分散液を含み、又は該樹脂分散液からなるワニスを上記の基材に含浸し、溶媒を乾燥除去する方法が挙げられる。その乾燥工程では、例えば、50℃〜150℃、及び1分〜30分、プリプレグを加熱することにより溶媒を除去することができる。樹脂複合体においては、樹脂分散液に含まれていた固形分が基材中に含浸されている。該固形分は樹脂複合体表面に層を形成していてもよい。
<積層板(体)>
また、本発明の別の態様は、上述した樹脂分散液から得られる層又は上述した樹脂複合体(例えばプリプレグ)から得られる層を含む積層板(体)を提供する。
また、本発明の別の態様は、基板上に上述した樹脂分散液又は樹脂複合体(例えば、プリプレグ)を積層する工程、及び、該樹脂分散液又は該樹脂複合体が積層された基板を加熱加圧成型する工程を含む積層板(体)の製造方法を提供する。
上述した樹脂分散液を用い、該樹脂分散液から得られる樹脂の硬化物と基材とを含む硬化物複合体と、金属箔とが積層されている積層板を形成できる。該積層板は、好ましくは、上記硬化物複合体と金属箔とが重なって密着しているもので、電子基板の材料として好適に用いられる。金属箔としては、例えば、アルミ箔及び銅箔を用いることができ、中でも銅箔は電気抵抗が低いため好ましい。金属箔と組合せる硬化物複合体は1枚でも複数枚でもよく、用途に応じて複合体の片面又は両面に金属箔を重ねて積層板に加工する。積層板の製造方法としては、例えば、樹脂分散液を含むワニスから溶媒を除去して得られる樹脂組成物と基材とを有する樹脂複合体(例えば、前述のプリプレグ)を形成し、これを金属箔と重ねた後、樹脂を硬化させることにより、硬化物複合体と金属箔とが積層されている積層板を得る方法が挙げられる。該積層板の特に好ましい用途の1つはプリント配線板である。
積層板の好ましい例は、上述した樹脂複合体の樹脂を硬化させて得られる硬化体と、基材とを含むプリント配線板である。プリント配線板は、典型的には、上述したプリプレグを用いて、加圧加熱成型によって形成できる。基材としては後述のものが挙げられる。プリント配線板は、上述したような樹脂分散液を用いて形成されていることにより、優れた絶縁信頼性及び機械特性を有することができる。
基材としては、ロービングクロス、クロス、チョップドマット、サーフェシングマット等の各種ガラス布;アスベスト布、金属繊維布、及びその他合成若しくは天然の無機繊維布;全芳香族ポリアミド繊維、全芳香族ポリエステル繊維、ポリベンゾオキサゾール繊維等の液晶繊維から得られる織布又は不織布;綿布、麻布、フェルト等の天然繊維布;カーボン繊維布、クラフト紙、コットン紙、紙−ガラス混繊糸から得られる布等の天然セルロース系基材;ポリテトラフルオロエチレン多孔質フィルム;等を単独で、又は2種以上組合せて用いることができる。
本実施形態に係る積層板は、典型的には、1枚又は複数枚の上記のプリプレグを銅箔等の基板と重ねた後、加熱加圧成型により樹脂成分を硬化させて絶縁層を形成することにより製造することができる。
加熱加圧成型の条件は、製造する積層板の厚みやプリプレグの樹脂含有率にもよるが、例えば、温度を180〜220℃、圧力を5〜60kg/cm2、時間を30〜150分とすることができる。
本発明の実施形態において、PPE樹脂分散液を得る際の温度X℃と、得た分散液を含むワニスを基材と複合させる際の温度Y℃を制御することで、PPE樹脂粒子の粒子径や結晶化度を制御することができるため、ワニスの安定性、塗工均一性が良好なPPE樹脂粒子を含む樹脂分散液を提供することができる。よって、基材(例えば、ガラスクロス)と複合させた際に、基材への含浸性に優れるため、樹脂とガラスクロスの接着性に優れた樹脂複合体(例えば、プリプレグ)を得ることができる。また、結晶化度、つまり粒子として析出したPPEと溶媒中に溶存しているPPEの量を制御していることにより、加熱溶融時の溶融性を向上させることができるため、硬化物の接着性(銅箔等の金属箔と樹脂の接着性や、積層体においては樹脂層と樹脂層の接着性)や耐熱性に優れた積層板を得ることができる。更に、PPEの優れた誘電特性をも充分に発現することができる。
本開示で上記した各パラメータは、以下の実施例において説明する方法又はこれと同等であることが当業者に理解される方法によって測定される値である。
以下、実施例により、本実施形態を具体的に説明するが、本実施形態は以下の実施例により何ら限定されるものではない。以下の実施例及び比較例中の各物性は、以下の方法によって測定した。以下で、部及び%は特記がない限り質量基準である。
(1)PPEの数平均分子量
ゲルパーミエーションクロマトグラフィ分析(GPC)を用い、分子量既知の標準ポリスチレンの溶出時間との比較で数平均分子量を求めた。
測定装置にはHLC−8220GPC(東ソー株式会社製)を用い、カラム:Shodex LF−804×2(昭和電工株式会社製)、溶離液:50℃のクロロホルム、検出器:RI、の条件で測定を行った。
(2)PPE1分子当たりの平均フェノール性水酸基数
吸光度から求めたPPEに含まれるフェノール性水酸基数と、平均分子量から求めたPPEの分子数とを用い、1分子当たりの平均フェノール性水酸基数を求めた。
先ず、高分子論文集,vol.51,No.7(1994),第480頁記載の方法に準拠し、PPEの塩化メチレン溶液にテトラメチルアンモニウムハイドロオキシド溶液を加えて得た試料の波長318nmにおける吸光度変化を紫外可視吸光光度計で測定した値から水酸基の数を求めた。
別途、PPEの数平均分子量を、上記(1)に従いゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により求め、この値を用いて、PPEの分子数を求めた。これらの値から、下記式:
1分子当たりの平均フェノール性水酸基数=水酸基の数/数平均分子数
に従って、PPE1分子当たりの平均水酸基数を算出した。
(3)PPE樹脂の析出開始温度(A(℃))
PPE樹脂その他の樹脂を、加温した分散媒に溶解させた樹脂液を徐冷し、析出温度を観察した。まず、80℃、50mlで作製した樹脂液を50℃水浴に入れ、内温が完全に50℃に達した後、1℃/10分の冷却速度で徐冷し、濁りが生じた時点の温度をポリフェニレンエーテル樹脂の析出開始温度A(℃)とした。
(4)樹脂/クロス接着性
プリプレグを180°に折り曲げた際に、樹脂粉落ち、あるいは樹脂剥離が生じるかを調べ、評価した。まず、プリプレグを200mm×300mmの大きさにカッター刃を用いて切り出した。次いで、長方形の長辺側2辺が重なるようにプリプレグを180°に折り曲げた後、元に戻した。次いで、長方形の短辺側2辺が重なるようにプリプレグを180°に折り曲げた後、元に戻した。上述の一連のプリプレグの取り扱いにおいて、樹脂粉落ち及び樹脂剥離が目視で観察されなかったものは「OK」と評価した。一方、樹脂粉落ち又は樹脂剥離が目視で観察されたものは「NG」と評した。
(5)耐熱性
プリプレグを2枚重ねたものの両面に厚さ18μmの銅箔(古河電工製、GTS−MP箔)を重ねて、200℃、40kg/cm2の条件で60分間加熱加圧成型し、厚さ0.3mmの銅張積層板を作製した。銅箔をエッチングにより除去し、積層板を50mm角に切り出し試験片を作製した。該試験片を130℃で30分乾燥した後、温度:121℃、圧力:2atm、時間:3時間、の条件で加速試験を行った後のサンプルを、260℃のハンダに20秒浸漬させ、積層板の表面を観察した。表面に膨れ及び白化が目視で観察されなかったものを「○」、膨れ又は白化が目視で観察されたものを「×」とした。さらに、「○」となったサンプルに対して、再び260℃のハンダ浴中で60秒浸漬を続け、膨れや白化が生じなかったものを「◎」と記載した。
(6)銅箔ピール強度(N/mm)
プリプレグを2枚重ねたものの両面に厚さ35μmの銅箔(古河電工製、GTS−MP箔)を重ねて、200℃、40kg/cmの条件で60分間加熱加圧成型し、厚さ0.35mmの銅張積層板を作製した。幅15mm×長さ150mmのサイズに切り出し、オートグラフ(AG−5000D、島津製作所製)を用い、銅箔を除去面に対し90℃の角度で50mm/分の速度で引き剥がした際の荷重の平均値を測定し、3回の測定の平均値を求めた。
<原料>
<ポリフェニレンエーテル(PPE)>
PPE1:旭化成ケミカルズ株式会社製 S202Aグレード(Mn18000、フェノール性水酸基量1.8個)
PPE2:無水マレイン酸変性PPE(Mn18000、マレイン酸付加率0.8質量%)
PPE3:無水マレイン酸変性PPE(Mn10000、フェノール性水酸基量0.7個)
PPE4:無水マレイン酸変性PPE(Mn22000、フェノール性水酸基量1.0個)
PPE5:ベンジル基変性ポリフェニレンエーテル(Mn2500、フェノール性水酸基量0.1個
<ゴム成分>
SBS:スチレン−ブタジエンコポリマー、旭化成ケミカルズ株式会社製、タフプレンA
PS:ポリスチレン、旭化成ケミカルズ株式会社製、GPPS−685
<架橋剤(架橋型硬化性成分)>
トリアリルイソシアヌレート(TAIC)、日本化成株式会社製>
<硬化開始剤>
パーブチルP(PBP):α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、日油株式会社製
<難燃剤>
SAYTEX8010:デカブロモジフェニルエタン、アルベマールジャパン製
<実施例1>
セパラブルフラスコ中、トルエン241.8部を80℃に加温し、攪拌しながらPPE1を80.6部とポリスチレン3.7を加えて溶解させた。その後、50℃に保温したウォーターバスへ入れ、内温が50℃に到達後、35℃まで冷却させた。途中、樹脂液は45℃で析出開始することを確認した。PPEの樹脂粒子が浮遊した分散液を35℃のまま、架橋剤、硬化開始剤、及び難燃剤を加えてワニスとし、35℃でガラスクロス(旭シュエーベル製、スタイル2116)に含浸させ、スリットで余分なワニスを掻き落とした後、溶媒を乾燥除去し、樹脂含有量60質量%のプリプレグを得た。以下の表1に示すように、得られたプリプレグは、樹脂の粉落ちや剥がれが無く樹脂/クロスの接着性に優れ、取り扱い性が良好なものであった。
<実施例2〜12>
以下の表1に示す組成及び晶析温度と塗工温度で、実施例1と同様に樹脂分散液及びプリプレグを製造した。いずれの条件においても樹脂/クロスの接着性に優れており、取り扱い性は良好であった。
<比較例1>
実施例1と同様に樹脂液を50℃に冷却した後、(析出開始温度40℃よりも20℃低い温度である)25℃まで冷却し樹脂分散液を得た。25℃のままガラスクロスに含浸させると、得られたプリプレグは樹脂がクロスより剥がれやすくなっており、また積層板においては耐熱性が劣っていた。
<比較例2>
実施例3と同様に樹脂液を50℃に冷却した後、18℃まで冷却し樹脂分散液を得た。18℃のままガラスクロスに含浸させると、得られたプリプレグは樹脂とクロスの接着性が悪く、剥がれやすいものであった。さらに、積層板においては耐熱性が劣ったものであった。
<比較例3>
実施例4と同様に樹脂液を50℃に冷却した後、10℃まで冷却して樹脂分散液を得た。10℃のままガラスクロスに含浸させると樹脂とクロスの接着性や積層板の耐熱性が実施例4のそれと比較して劣ったものであった。
<比較例4>
実施例5と同様に樹脂液を50℃まで冷却した後、20℃まで冷却して分散液を得た。20℃のままガラスクロスに含浸させると樹脂とクロスの接着性や積層板の耐熱性、銅箔ピール強度が実施例5のそれと比較して劣ったものであった。
<比較例5>
実施例1と同様に樹脂液を50℃まで冷却した後、35℃まで冷却して分散液を得た。その後、架橋剤、架橋開始剤、難燃剤を加え、さらに(析出温度よりも10℃低い)25℃まで温度を下げてからガラスクロスへ含浸した。得られたプリプレグは樹脂がクロスより剥がれやすくなっており、また積層板においては耐熱性や銅箔ピール強度が劣っていた。
<比較例6>
実施例9と同様に樹脂液を50℃まで冷却した後、35℃まで冷却して分散液を得た。その後、架橋剤、架橋開始剤、難燃剤を加え、その後60℃まで加温してからガラスクロスへ含浸しプリプレグを製造した。すると、ワニスの粘度が大幅に低下し、評価に値するプリプレグを製造することはできなかった。
<比較例7>
実施例9と同様に樹脂液を50℃まで冷却した後、44℃まで冷却して分散液を得た。その後、架橋剤、架橋開始剤、難燃剤を加え、44℃のままガラスクロスに含浸させたが、このワニスは粘度に安定性がなく、プリプレグを安定的に製造することはできなかった。
<比較例8:特許文献1の追試実験>
以下の表1に示すPPE、ゴム成分、架橋剤、及び架橋開始剤を80℃に加温した溶媒(トルエン)中に溶解させ、冷却させると42℃で結晶析出が開始した。特許文献1に記載されるとおり25℃まで冷却し、難燃剤を添加してワニスとしたところ増粘したワニスとなった。ガラスクロスに含浸させ、プリプレグを製造すると、想定どおり樹脂/クロスの接着性に劣る結果であった。当然のごとく積層板の耐熱性や銅箔ピール強度に劣るものであった。
<比較例9:特許文献1の追試実験>
以下の表1に示すPPE、ゴム成分、架橋剤、及び架橋開始剤を80℃に加温した溶媒(トルエン+MEK)中に溶解させ、冷却させると48℃で結晶析出が開始した。特許文献1に記載されるとおり、25℃まで冷却させワニスとしたところ増粘したワニスとなり、ガラスクロスに含浸させ、プリプレグを製造すると、想定どおり樹脂/クロスの接着性に劣る結果であった。当然のごとく積層板の耐熱性や銅箔ピール強度に劣るものであった。
<実施例13>
比較例8と同様の組成で樹脂液を加熱溶解し、30℃まで冷却してワニスを得た。プリプレグを製造したところ、樹脂/クロスの接着性は、比較例8で得たプリプレグに比較して良好なものであり、積層板の耐熱性や銅箔ピール強度も改善されていた。
<実施例14>
比較例9と同様の組成で樹脂液を加熱溶解し、35℃まで冷却してワニスを得た。プリプレグを製造したところ、樹脂/クロスの接着性は、比較例9で得たプリプレグに比較して良好なものであり、積層板の耐熱性や銅箔ピール強度も改善されていた。
Figure 0006080604
表1に示す結果から、PPE溶液から冷却により分散液を得、プリプレグを得る手法において、晶析温度及び塗工温度を制御することで、結晶の過度な析出を防ぐことができる結果、分散液の流動安定性が優れ、さらに樹脂/クロスの接着性に優れたプリプレグが得られることがわかった。したがって、PPEの基板(例えば、プリント基板)を製造するために有用である。
本発明は、高周波数帯を利用する電子機器のプリント配線板用の材料として好適に利用可能である。

Claims (9)

  1. 以下の:
    23℃におけるポリフェニレンエーテル樹脂の溶解度が5重量%以上である有機溶媒を含む分散媒を50℃以上に昇温してポリフェニレンエーテル樹脂の溶液を調製した後、以下の式(1):
    A−15≦X≦A−2 式(1)
    {式(1)中、A(℃)は、前記分散媒中でポリフェニレンエーテル樹脂が析出を開始する温度である。}を満たす晶析温度X(℃)で、ポリフェニレンエーテル樹脂粒子を晶析させて、ポリフェニレンエーテル樹脂粒子を含む樹脂分散液を得る工程(I)、
    を含む、ポリフェニレンエーテル樹脂粒子を含む樹脂分散液の製造方法。
  2. 前記樹脂分散液中のポリフェニレンエーテル樹脂の数平均分子量が5000〜40000である、請求項1に記載の方法。
  3. 請求項1又は2に記載の方法により得られた樹脂分散液架橋型硬化性成分と混合する工程、
    を含むワニスの製造方法
  4. 請求項3に記載の方法により得られたワニスを基材と複合し、前記有機溶媒を除去する工程、
    を含む樹脂複合体の製造方法
  5. 請求項4に記載の方法により得られた樹脂複合体を硬化させる工程、
    を含む積層体の製造方法
  6. 以下の工程(I)と(II):
    23℃におけるポリフェニレンエーテル樹脂の溶解度が5重量%以上である有機溶媒を含む分散媒を50℃以上に昇温してポリフェニレンエーテル樹脂の溶液を調製した後、以下の式(1):
    A−15≦X≦A−2 式(1)
    {式(1)中、A(℃)は、前記分散媒中でポリフェニレンエーテル樹脂が析出を開始する温度である。}を満たす晶析温度X(℃)で、ポリフェニレンエーテル樹脂粒子を晶析させて、ポリフェニレンエーテル樹脂粒子を含む樹脂分散液を得る工程(I);及び
    得られた樹脂分散液を、以下の式(2):
    X−5≦Y≦A+10 式(2)
    {式(2)中、X(℃)は、前記式(1)を満たす晶析温度であり、そしてA(℃)は、前記分散媒中でポリフェニレンエーテル樹脂が析出を開始する温度である。}を満たす塗工温度Y(℃)で、基材に塗工して、ポリフェニレンエーテル樹脂粒子と基材との樹脂複合体を得る工程(II);
    を含む、ポリフェニレンエーテル樹脂粒子と基材との樹脂複合体の製造方法。
  7. 工程(I)で得た樹脂分散液に架橋型硬化性成分を添加してワニスを得る工程を、工程(II)の前に実施する、請求項に記載の方法。
  8. 前記樹脂分散液中のポリフェニレンエーテル樹脂の数平均分子量が5000〜40000である、請求項又はに記載の方法。
  9. 請求項6〜8のいずれか1項に記載の方法により得られた樹脂複合体を硬化させる工程、
    を含む積層体の製造方法
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