JP6254762B2 - 樹脂分散液、ワニス、樹脂複合体、及び積層体 - Google Patents
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Description
すなわち、本発明は以下のとおりのものである。
該樹脂粒子はポリフェニレンエーテル樹脂を含み、
該分散媒は、23℃における該ポリフェニレンエーテル樹脂の溶解度が5質量%以上である有機溶媒を含み、
該樹脂粒子の全粒子数の80%以上が3μm以上30μm以下の長径を有しており、
該ポリフェニレンエーテル樹脂は、数平均分子量(Mn)が5000以上15000以下であり、かつ重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)が4.5以上7.5以下である、樹脂分散液。
[2] 前記ポリフェニレンエーテル樹脂が、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、及びポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)と酸無水物との反応生成物からなる群から選択される1種以上の樹脂を、合計で20質量%以上100質量%以下含む、上記[1]に記載の樹脂分散液。
[3] 上記[1]又は[2]に記載の樹脂分散液と、熱硬化性成分とを含有する、ワニス。
[4] 上記[3]に記載のワニスを基材と複合し、溶媒を除去することによって得られた、樹脂複合体。
[5] 上記[4]に記載の樹脂複合体の硬化物からなる層を含む、積層体。
樹脂粒子と分散媒とを含む樹脂分散液であって、
該樹脂粒子はポリフェニレンエーテル樹脂を含み、
該分散媒は、23℃における該ポリフェニレンエーテル樹脂の溶解度が5質量%以上である有機溶媒を含み、
該樹脂粒子の全粒子数の80%以上が3μm以上30μm以下の長径を有しており、
該ポリフェニレンエーテル樹脂は、数平均分子量(Mn)が5000以上15000以下であり、かつ重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)が4.5以上7.5以下である、樹脂分散液である。
即ち、ポリフェニレンエーテルの樹脂分散液を用いる手法において、数平均分子量及び分子量分布を制御したポリフェニレンエーテル樹脂を用いることは、特定の溶解度を示す有機溶媒(たとえば加温トルエン)との併用によって溶液環境が適切に調整され、良好な流動安定性や良好な塗工均一性が実現されているのではないかと考えられる。また、そのような分散液を用いて形成されるワニスを基材(たとえばガラスクロス)と複合させる際には、樹脂の基材への含浸性や基材との相互作用が向上し、樹脂と基材との接着性に優れた樹脂複合体(たとえばプリプレグ)が実現されるのではないかと考えられる。更に、その樹脂複合体を加熱成型することにより、耐熱性に優れた積層体をも実現し得る。
樹脂粒子はポリフェニレンエーテル樹脂を含む。ポリフェニレンエーテル樹脂はポリフェニレンエーテル骨格を有するものであり、典型的には下記式(I):
(粒子比率)=(粒子の質量(a))÷(固形分総質量(c)) (1)
により、樹脂分散液サンプル中の固形分総質量を100質量%としたときの粒子の比率を得ることが出来る。
(粒子割合)=(粒子の質量(a)×比率(PA))÷(粒子の質量(a)×比率(PA)+溶解成分の質量(b)×比率(PB)) (2)
により、粒子割合を算出することができる。
まず、遠心分離等の方法により、樹脂分散液から粒子を沈殿させ、それより上澄み液を取り除き、質量比95:5のトルエンとメタノールの混合溶剤を5g加え、激しく振とうした後、恒温室内で24時間静置させる。次いで上澄み液を取り除き、質量比95:5のトルエンとメタノールの混合溶剤を5g加える。この抽出物より溶媒を加熱除去し、クロロホルム中に展開し不溶分をろ過により除去し、抽出物Aを得る。抽出物Aに対し、カーボン核磁気共鳴分光法を用いて測定を行なう。
樹脂分散液中の分散媒は、用いるポリフェニレンエーテル樹脂の溶解度が23℃において5質量%以上である有機溶媒(本開示で、ポリフェニレンエーテル溶解性有機溶媒ともいう)を含む。本開示で、ポリフェニレンエーテル樹脂の溶解度とは、飽和溶液100質量%に対する溶存ポリフェニレンエーテル樹脂の割合を意味する。ポリフェニレンエーテル溶解性有機溶媒が、上記溶解度5質量%以上を有することは、ポリフェニレンエーテル樹脂を含む樹脂粒子の分散安定性、樹脂分散液の基材(例えばガラスクロス)への常温での塗工性、及び、得られた複合体(例えばプリプレグ)における樹脂と基材との接着性が良好に得られるという観点から好ましい。上記溶解度は、より好ましくは8質量%以上、更に好ましくは10質量%以上である。一方、樹脂粒子を樹脂分散液中に所望の程度存在させることが容易であるという観点から、上記溶解度は、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下である。なお用いるポリフェニレンエーテル樹脂が2種以上の樹脂の組合せである場合には、用いる全てのポリフェニレンエーテル樹脂の溶解度が上記範囲であることが意図される。
本実施形態の樹脂分散液を製造する手法としては、例えば、ポリフェニレンエーテル樹脂を非ハロゲン溶剤中に添加し、加温してポリフェニレンエーテル樹脂を溶解させた後に温度降下させる方法(本開示で、「結晶分散法」ともいう。)を挙げることができる。上記結晶分散法においては、ポリフェニレンエーテル樹脂が固形分中70質量%以上含まれる樹脂溶解液を用い、温度降下により粒子を得るのがよい。
本発明の別の態様は、上述した樹脂分散液と、熱硬化性成分とを含むワニスを提供する。熱硬化性成分としては、エポキシ樹脂、シアネートエステル樹脂、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート等が挙げられる。これらはポリフェニレンエーテルの優れた誘電特性を発現する事が可能である観点から有利である。
本発明の別の態様は、上述したワニスを基材と複合し、溶媒を除去することによって得られた樹脂複合体を提供する。樹脂複合体は、例えば、該ワニスを基材に塗布し、次いで該ワニスが塗布された基材から溶媒を除去して得られる。樹脂複合体は例えばプリプレグであることができる。
また、本発明の別の態様は、上述した樹脂複合体(例えばプリプレグ)の硬化物からなる層を含む積層体を提供する。例えば、上述した樹脂分散液を用い、該樹脂分散液から得られる樹脂組成物の硬化物と基材とを含む硬化物複合体と、金属箔とが積層されている積層体を形成できる。該積層体は、好ましくは、上記硬化物複合体と金属箔とが重なって密着しているもので、電子基板の材料として好適に用いられる。金属箔としては、例えば、アルミ箔及び銅箔を用いることができ、中でも銅箔は電気抵抗が低いため好ましい。金属箔と組合せる硬化物複合体は1枚でも複数枚でもよく、用途に応じて複合体の片面又は両面に金属箔を重ねて積層体に加工する。積層体の製造方法としては、例えば、樹脂分散液を含むワニスから溶媒を除去して得られる樹脂組成物と基材とを有する樹脂複合体(例えば、前述のプリプレグ)を形成し、これを金属箔と重ねた後、樹脂組成物を硬化させることにより、硬化物複合体と金属箔とが積層されている積層体を得る方法が挙げられる。該積層体の特に好ましい用途の1つはプリント配線板である。
分散液を遠心分離して不溶分を沈殿させた後、上澄み液を1g採取し、溶媒を加熱乾燥によって完全に除去し、得られた残渣の質量を測定する事で、上澄み液単位量(すなわち1g)あたりの溶解成分量を測定して、上澄み液の溶解成分質量比を得た。また、この上澄み液から溶媒を加熱除去した後クロロホルムに溶解して得た試料について、カーボン核磁気共鳴分光法にてポリフェニレンエーテルの定量を行った。これらの結果の組合せから、ポリフェニレンエーテル樹脂の溶解度を算出した。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィ分析(GPC)を用い、分子量既知の標準ポリスチレンの溶出時間との比較で数平均分子量を求めた。
測定装置にはHLC−8220GPC(東ソー株式会社製)を用い、カラム:Shodex GPC K−806L×3(昭和電工株式会社製)、溶離液:50℃のクロロホルム、検出器:RI、カラム温度40℃の条件で測定を行った。
吸光度から求めたPPEに含まれるフェノール性水酸基数と、平均分子量から求めたPPEの分子数とを用い、1分子当たりの平均フェノール性水酸基数を求めた。
先ず、高分子論文集,vol.51,No.7(1994),第480頁記載の方法に準拠し、PPEの塩化メチレン溶液にテトラメチルアンモニウムハイドロオキシド溶液を加えて得た試料の波長318nmにおける吸光度変化を紫外可視吸光光度計で測定した値から水酸基の数を求めた。
別途、PPEの数平均分子量を、上記(1)に従いゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により求め、この値を用いて、PPEの分子数を求めた。これらの値から、下記式:
1分子当たりの平均フェノール性水酸基数=水酸基の数/数平均分子数
に従って、PPE1分子当たりの平均水酸基数を算出した。
樹脂分散液に対し、遠心分離を行う事により粒子を沈殿させ、上澄み液を取り除き、質量比95:5のトルエンとメタノールの混合溶剤を5g加え、激しく振とうした後、恒温室内で24時間静置させた。次いで上澄み液を取り除き、質量比95:5のトルエンとメタノールの混合溶剤を5g加えた。この抽出物を試料台に滴下し、溶剤を揮発させた後に、SEM−EDX観察を行い、炭素、酸素、水素の合計が95原子%以上の粒子を樹脂粒子として、計測した。粒子400個以上を無作為に抽出し、それらの粒子に対し長径を測定することにより粒子径の分布を測定した。それらの数平均となる長径を粒子径として算出し、それを中心に80個数%を占める粒子分布範囲(80%粒子径)を測定した。
得られた樹脂分散液に対し、B型粘度計、ローターNo.3を用い、25℃、30rpm、30秒の条件で粘度の測定を行い、V1とする。この分散液を25℃条件で24時間保存した後、再度粘度の測定を行いV2とし、(V2/V1)で得られる粘度変化率の値を保存安定性として記載した。
プリプレグを180°に折り曲げた際に、樹脂粉落ち、あるいは樹脂剥離が生じるかを調べ、評価した。まず、プリプレグを200mm×300mmの大きさにカッター刃を用いて切り出した。次いで、長方形の長辺側2辺が重なるようにプリプレグを180°に折り曲げた後、元に戻した。次いで、長方形の短辺側2辺が重なるようにプリプレグを180°に折り曲げた後、元に戻した。上述の一連のプリプレグの取り扱いにおいて、樹脂粉落ち及び樹脂剥離が目視で観察されなかったものは「OK」と評価した。一方、樹脂粉落ち又は樹脂剥離が目視で観察されたものは「NG」と評した。
プリプレグを2枚重ねたものの両面に厚さ35μmの銅箔(古河電工製、GTS−MP箔)を重ねて、200℃、40kg/cm2の条件で60分間加熱加圧成型し、厚さ0.35mmの銅張積層板(積層体として)を作製した。幅15mm×長さ150mmのサイズに切り出し、オートグラフ(AG−5000D、島津製作所製)を用い、銅箔を除去面に対し90℃の角度で50mm/分の速度で引き剥がした際の荷重の平均値を測定し、3回の測定の平均値を求めた。
プリプレグを2枚重ねたものの両面に厚さ12μmの銅箔(古河電工製、F2−WS箔)を重ねて、200℃、40kg/cm2の条件で60分間加熱加圧成型し、厚さ0.3mmの銅張積層板を作製した。銅箔をエッチングにより除去し、積層板を50mm角に切り出し試験片を作製した。該試験片を130℃で30分乾燥した後、温度:121℃、圧力:2atm、時間:3時間、の条件で加速試験を行った後のサンプルを、288℃のハンダに20秒浸漬させ、積層板の表面を観察した。表面に膨れ及び白化が目視で観察されなかったものを「OK」、膨れ又は白化が目視で観察されたものを「NG」とした。
積層板の1GHzにおける誘電率及び誘電正接を、インピーダンスアナライザーを用いて測定した。測定装置としてインピーダンスアナライザー(4291B op.002 with 16453A,16454A、AgilentTechnologies社製)を用い、試験片厚さ:約2mm、電圧:100mV、周波数:1mmHz〜1.8GHzの条件で測定し、掃引回数100回の平均値として求めた。
ポリフェニレンエーテル1(Mn18000、Mw/Mn=2.7、旭化成ケミカルズ製、ポリ(2,6−ジメチルー1,4−フェニレンエーテル)、フェノール性水酸基数1.8個)100質量部、無水マレイン酸1.5質量部、及び2,5−ジメチル2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(パーヘキサ25B、日本油脂製)1.0質量部を室温でドライブレンドした後、シリンダー温度300℃、スクリュー回転数230rpmの条件で2軸押出し機により押出し、ポリフェニレンエーテルと無水マレイン酸との反応生成物:ポリフェニレンエーテル2(Mn18000、Mw/Mn=2.8、無水マレイン酸変性ポリフェニレンエーテル、フェノール性水酸基量0.9個)を得た。
ポリフェニレンエーテル2を100部を加温したトルエン300部に溶解し、メタノール50部を加えて一部のポリフェニレンエーテルを沈殿させ、フィルターにより沈殿物を除去した。この溶液に再度メタノール50部を加えて析出した沈殿物を再度除去し、溶液より溶媒を除去、さらに減圧乾燥させることによりポリフェニレンエーテル3(Mn10000、Mw/Mn=4.7、無水マレイン酸変性ポリフェニレンエーテル、フェノール性水酸基量0.8個)を得た。
90℃に加温されたオイルバスに10Lのフラスコを設置し、フラスコ内部に毎分30mlで窒素ガスを導入した。以降、操作は常に窒素ガス気流下で行った。ここに、ポリフェニレンエーテル1を1000g、及びトルエン3000gを入れ、攪拌溶解させた。更に80gのビスフェノールAをメタノール350gに溶かした溶液を上記フラスコに攪拌しながら加えた。5分間攪拌を続けた後、6質量%ナフテン酸コバルトミネラルスピリット溶液3mlを注射器で加え、5分間攪拌を続けた。続いてベンゾイルパーオキサイド溶液375gにトルエン1125gを加えて、ベンゾイルパーオキサイド濃度が10質量%になるように希釈した溶液を滴下ロートに入れ、上記フラスコに2時間かけて滴下していった。滴下終了後、更に2時間加熱及び攪拌を続け、低分子量化ポリフェニレンエーテルを含む反応液を得た。得られた反応液に多量のメタノールを加え、ポリフェニレンエーテルを沈殿させ、ろ別後、乾燥させてポリフェニレンエーテル5(Mn2500、Mw/Mn=1.6、フェノール性水酸基量1.8個)を得た。
製造例1に記載の方法で製造した、低分子量化ポリフェニレンエーテルを含む反応液の温度を50℃に下げ、水酸化ナトリウム340gをイオン交換水3050gに溶解させた水溶液とテトラブチルアンモニウムヨード31gとを加えて、5分間撹拌した。続いて、塩化ベンジル1070gを加えてから温度50℃で4時間撹拌を続け、低分子量・ベンジル化ポリフェニレンエーテルを含む反応液を得た。該反応液を静置し、2層分離させた後、下層を除去した。更に水1000gを加え、撹拌した後静置し、再び2層に分離させた後、下層を除去した。次いで、メタノール200gを加え、同様に撹拌、静置し、2層に分離させた後、上層を除去した。更にメタノール100gを加え、同様に撹拌、静置し、2層に分離させた後、下層を回収した。これに多量のメタノールを加え、低分子量・ベンジル化ポリフェニレンエーテルを沈殿させ、ろ別後、乾燥させてポリフェニレンエーテル6(Mn2800、Mw/Mn=1.5、フェノール性水酸基量0.1個)を得た。
特開2005−336457比較例3に記載の方法を参考に合成した。まず、酸素雰囲気下で10Lフラスコに、トルエン2500g、塩化銅(II)20.5g、およびテトラメチルエチレンジアミン20.5gを加温して攪拌した。そこに、2,6−ジメチルフェノール250gを加え、更に攪拌を続けた。30分後、濃塩酸を含む大量のメタノール溶液を添加し沈殿析出させた。これを回収し、クロロホルムで溶解させ、再度メタノールを大量に加える事で再沈殿させた。沈殿物を回収し、減圧乾燥させることにより、ポリフェニレンエーテル8(Mn44000、Mw/Mn=2.0、未変性ポリフェニレンエーテル、フェノール性水酸基量1.8個)を得た。
特開2004−217854に記載の合成例1に記載の方法を参考に合成した。まず、10Lフラスコに、トルエン2600g、臭化銅(II)2.8g、N−N’−ジ−t−ブチルエチレンジアミン0.5g、n−ブチルジメチルアミン20gを仕込み加温しながら攪拌しておく。別途、5Lフラスコにメタノール2300g、2,2’,3,3’,5,5’−ヘキサメチル−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジオール129g、2,6−ジメチルフェノール175g、N−N’−ジ−t−ブチルエチレンジアミン0.4g、n−ブチルジメチルアミン7.8gを混合しておく。この混合液を先ほどのトルエン溶液に添加し、酸素雰囲気下で攪拌を行う。エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム14.2gと水1500gを加えた。水層を除去した後、有機層を塩酸水溶液と水で洗浄し、得られた溶液より溶媒を除去し、ポリフェニレンエーテル9(Mn500、Mw/Mn=2.1、未変性ポリフェニレンエーテル、フェノール性水酸基量1.4個)を得た。
トルエン344質量部(23℃においてポリフェニレンエーテル1の溶解度は7.8質量%、ポリフェニレンエーテル5の溶解度は25質量%)をセパラブルフラスコに入れ80℃に加熱した。ポリフェニレンエーテル1を80質量部、ポリフェニレンエーテル5を20質量部、及びスチレン系エラストマー(SEBS、旭化成ケミカルズ製、H1041グレード)18質量部を加えて溶解させた。この溶液に対して、攪拌を行ないながら、25℃まで冷却を行ない、樹脂粒子(ポリフェニレンエーテル含有量97質量%)が浮遊した分散液を得た。この分散液にトリアリルイソシアヌレート(日本化成製)82質量部、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン(パーブチルP、日油製)10質量部を加え、均一に撹拌した後、デカブロモジフェニルエタン(SAYTEX8010、アルベマールジャパン製)56質量部、シリカフィラー(球状シリカ、龍森製)77質量部を加え均一に撹拌し、塗工用ワニスを得た。
ポリフェニレンエーテル樹脂として、ポリフェニレンエーテル1を70質量部、及びポリフェニレンエーテル5を30質量部用いて分散液を製造したこと以外は実施例1と同様の手法でプリプレグを製造した。得られたプリプレグは樹脂含量59%の、樹脂/基材の接着性に優れたプリプレグであった。
ポリフェニレンエーテル樹脂として、ポリフェニレンエーテル1を60質量部、及びポリフェニレンエーテル5を40質量部用いて分散液を製造したこと以外は実施例1と同様の手法でプリプレグを製造した。得られたプリプレグは樹脂含量59%の、樹脂/基材の接着性に優れたプリプレグであった。
ポリフェニレンエーテル樹脂として、ポリフェニレンエーテル1を80質量部、及びポリフェニレンエーテル6(トルエンに対する溶解度は23℃において28質量%)を20質量部用いて分散液を製造したこと以外は実施例1と同様の手法でプリプレグを製造した。得られたプリプレグは樹脂含量60%の、樹脂/基材の接着性に優れたプリプレグであった。
ポリフェニレンエーテル樹脂として、ポリフェニレンエーテル2(23℃においてトルエンに対する溶解度は9.5質量%)を80質量部、及びポリフェニレンエーテル5を20質量部用いて分散液を製造したこと以外は実施例1と同様の手法でプリプレグを製造した。得られたプリプレグは樹脂含量58%の、樹脂/基材の接着性に優れたプリプレグであった。
ポリフェニレンエーテル樹脂として、ポリフェニレンエーテル2を70質量部、及びポリフェニレンエーテル6を30質量部用いて分散液を製造したこと以外は実施例1と同様の手法でプリプレグを製造した。得られたプリプレグは樹脂含量60%の、樹脂/基材の接着性に優れたプリプレグであった。
ポリフェニレンエーテル樹脂として、ポリフェニレンエーテル3(トルエンに対する溶解度は23℃において11.5質量%)100質量部を使用して分散液を製造したこと以外は実施例1と同様の手法でプリプレグを製造した。得られたプリプレグは樹脂含量60%の、樹脂/基材の接着性に優れたプリプレグであった。
ポリフェニレンエーテル樹脂として、ポリフェニレンエーテル4(Mn10000、Mw/Mn=2.7、旭化成ケミカルズ製、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、未変性ポリフェニレンエーテル、フェノール性水酸基量1.7個)(トルエンに対する溶解度は10.5質量%)55質量部及びポリフェニレンエーテル7(Mn22000、Mw/Mn=4.9、旭化成ケミカルズ製、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、未変性ポリフェニレンエーテル、フェノール性水酸基量1.7個)(トルエンに対する溶解度は7.1質量%)45質量部を使用して分散液を製造したこと以外は実施例1と同様の手法でプリプレグを製造した。得られたプリプレグは樹脂含量59%の、樹脂/基材の接着性に優れたプリプレグであった。
ポリフェニレンエーテル樹脂として、ポリフェニレンエーテル5を7質量部及びポリフェニレンエーテル7を93質量部使用して分散液を製造したこと以外は実施例1と同様の手法でプリプレグを製造した。得られたプリプレグは樹脂含量61%の、樹脂/基材の接着性に優れたプリプレグであった。
ポリフェニレンエーテル樹脂として、ポリフェニレンエーテル1を100質量部使用して分散液を製造したこと以外は実施例1と同様の手法でプリプレグを製造した。長径10〜15μmの樹脂粒子が浮遊した分散液が得られたが、その粘度変化率は2.2と保存安定性に劣るものであった。一方で、得られたプリプレグは樹脂剥がれが生じ接着性に欠けており、さらに加熱成型により得た積層板も吸水耐熱性に劣る結果となった。
ポリフェニレンエーテル樹脂として、ポリフェニレンエーテル4を100質量部使用して分散液を製造したこと以外は実施例1と同様の手法でプリプレグを製造した。得られたプリプレグの接着性は良好なものの、積層板の耐熱性や保存安定性がやや劣る結果となった。
ポリフェニレンエーテル樹脂として、ポリフェニレンエーテル7を100質量部使用して分散液を製造したこと以外は実施例1と同様の手法でプリプレグを製造した。すると、長径3μm以下の樹脂粒子が浮遊した分散液が得られたものの粘度が高く、24時間後にはさらに大きな増粘を起こした。プリプレグを何とか製造する事ができたが、樹脂/基材の接着性や吸水耐熱性に劣る結果であった。
ポリフェニレンエーテル樹脂として、ポリフェニレンエーテル5を40質量部、及びポリフェニレンエーテル8(トルエンに対する溶解度は5質量%)を60質量部使用して分散液を製造したこと以外は実施例1と同様の手法でプリプレグを製造した。得られた分散液の保存安定性、及び積層板の耐熱性は劣る結果であった。
特許文献 第WO2012/081705号パンフレットの実施例2に記載されている内容を追試した。ポリフェニレンエーテル1を70質量部、ポリフェニレンエーテル6を30質量部、及びエラストマーを、トルエン中、加熱溶解させることなく25℃で攪拌し、樹脂分散液を得た。粒子を観察すると不定形の長径2μm以下の粒子が存在し、また積層板は耐熱性に劣る結果であった。また、樹脂分散液が保存安定性に劣っていたことから、ポリフェニレンエーテルを加熱溶解させ、次いで結晶化させる手法が、上述した樹脂分散液を得るための有効な手法である事がわかる。
ポリフェニレンエーテル樹脂として、ポリフェニレンエーテル6を使用して、エラストマーを加えて25℃でトルエン中攪拌する事で樹脂液を得た。この樹脂液ではポリフェニレンエーテルが溶解しており、保存安定性も優れていた。しかし、得られた積層板の耐熱性や誘電特性が大きく劣る結果であった。
ポリフェニレンエーテル樹脂として、ポリフェニレンエーテル4を70質量部、及びポリフェニレンエーテル9(トルエンに対する溶解度は55質量%)を30質量部使用して分散液を製造したこと以外は実施例1と同様の手法でプリプレグを製造した。得られた分散液は保存安定性には優れているものの、耐熱性が大きく劣る積層板しか得られなかった。
Claims (5)
- 樹脂粒子と分散媒とを含む樹脂分散液であって、
該樹脂粒子はポリフェニレンエーテル樹脂を70質量%以上含み、
該分散媒は、23℃における該ポリフェニレンエーテル樹脂の溶解度が5質量%以上である有機溶媒を含み、
該樹脂粒子の全粒子数の80%以上が3μm以上30μm以下の長径を有しており、
該ポリフェニレンエーテル樹脂は、数平均分子量(Mn)が5000以上15000以下であり、かつ重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)が4.5以上7.5以下である、樹脂分散液。 - 前記ポリフェニレンエーテル樹脂が、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、及びポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)と酸無水物との反応生成物からなる群から選択される1種以上の樹脂を、合計で20質量%以上100質量%以下含む、請求項1に記載の樹脂分散液。
- 請求項1又は2に記載の樹脂分散液と、熱硬化性成分とを含有する、ワニス。
- 請求項3に記載のワニスを基材と複合し、溶媒を除去することによって得られた、樹脂複合体。
- 請求項4に記載の樹脂複合体の硬化物からなる層を含む、積層体。
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