JP6254762B2 - 樹脂分散液、ワニス、樹脂複合体、及び積層体 - Google Patents

樹脂分散液、ワニス、樹脂複合体、及び積層体 Download PDF

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Description

本発明は、電子基板材料として好適な、ポリフェニレンエーテル(以下、PPEともいう。)樹脂含有粒子を含む樹脂分散液、並びに、該樹脂分散液を含むワニスと基材とを用いて製造される樹脂複合体、及び該樹脂複合体を用いて形成される電気、電子部品用の積層体に関する。
衛星通信等高周波領域で使用する積層板には誘電特性が優れていることが求められる。ポリフェニレンエーテルは広い周波数範囲、温度範囲及び湿度範囲で誘電率及び誘電正接がいずれも安定しており、かつ誘電正接が低い材料として着目されている。
積層板の製造方法としては、加熱保持した非ハロゲン溶媒中にポリフェニレンエーテルを溶解して得た溶液を加熱保持のまま基材に含浸させるという方法がある。しかし、この方法では複雑な設備が必要であり、かつ取り扱い性、作業安全性、環境問題等の点で問題があり、加熱保持しない製法が求められている。
そこで例えば特許文献1には、PPEを数平均分子量3000程度に低分子量化し、溶剤への溶解性を高める方法が記載されている。また、特許文献2には数平均分子量12000程度のポリフェニレンエーテルと、トリアリルイソシアヌレート等の架橋助剤と、スチレンブタジエンコポリマー等の架橋性樹脂とを含む樹脂組成物のトルエン溶液を一旦35℃以上に加熱した後冷却し、ポリフェニレンエーテルと架橋助剤と架橋性樹脂とを含む樹脂粒子が分散している不透明な分散液を得る手法が記載されている。
特開平9−290481号公報 特開平7−292126号公報
しかし、特許文献1ではポリフェニレンエーテルとして低分子量体を用いており、このことは、得られる積層板の耐熱性が低いという問題、及びPPEの末端水酸基の数が多いために誘電率及び誘電正接が大きいという問題を招来する。従って、特許文献1の技術はプリント配線板に用いるには十分なものではなかった。
特許文献2に記載の方法では、ポリフェニレンエーテルと架橋性樹脂と架橋助剤とを含む樹脂組成物(これは粒子の分散液である)が、非常に高粘度になるため、基材への塗工に必要な流動性が得られ難い点、基材への含浸に劣る点で、十分な性能ではなかった。実際に、特許文献2の実施例に記載されている方法を忠実に追試してみると、分散液はグリース状になり塗工に供すことができないか、塗工できても基材への含浸が悪く基材と樹脂組成物の接着性に劣るものしか得られなかった。この分散液を希釈して光学顕微鏡で観察すると、3μm以下の非常に小さな粒子が密集していた。上述のようにポリフェニレンエーテルと架橋性樹脂と架橋助剤とが混在した組成物を、高濃度及び高粘度の条件で温度下降させると、ポリフェニレンエーテルを含む樹脂結晶が成長せず、非常に小さな結晶が多く発生し、グリース状になってしまったと考えられる。
このように、ポリフェニレンエーテルが本来有する低い誘電率及び誘電正接を有し、かつ、耐熱性、及び接着性に優れる、常温塗工可能な樹脂分散液は従来技術においては見出されていないのが現状である。従って、ポリフェニレンエーテルを構成成分としつつ上記のような特性を有する常温塗工可能な樹脂分散液が強く望まれていた。
そこで本発明が解決しようとする課題は、常温での流動安定性(すなわち、均一塗工性が良好な粘度範囲での流動性が確保されること)に優れた、ポリフェニレンエーテル樹脂含有粒子を含む樹脂分散液、樹脂と基材との接着性が良好な、該樹脂分散液を用いて製造される樹脂複合体(例えばプリプレグ)、及びポリフェニレンエーテルが本来有する優れた耐熱性を有する積層体を提供する事である。
前記課題を解決すべく、本発明者らは鋭意検討し、実験を重ねた結果、予想外にも、ポリフェニレンエーテルの樹脂溶液を冷却することにより得ることができる、ポリフェニレンエーテル樹脂の分散液において、ポリフェニレンエーテル樹脂の数平均分子量及び分散度を制御しておくことが、分散液の常温での流動安定化及びワニスライフの向上をもたらすこと、得られた分散液と基材とを複合した樹脂複合体は樹脂と基材との接着性に優れること、更に、該樹脂複合体の硬化体を含む積層体は優れたピール強度(例えば銅箔ピール強度)及び耐吸水性及び耐熱性を有することを見出した。
すなわち、本発明は以下のとおりのものである。
[1] 樹脂粒子と分散媒とを含む樹脂分散液であって、
該樹脂粒子はポリフェニレンエーテル樹脂を含み、
該分散媒は、23℃における該ポリフェニレンエーテル樹脂の溶解度が5質量%以上である有機溶媒を含み、
該樹脂粒子の全粒子数の80%以上が3μm以上30μm以下の長径を有しており、
該ポリフェニレンエーテル樹脂は、数平均分子量(Mn)が5000以上15000以下であり、かつ重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)が4.5以上7.5以下である、樹脂分散液。
[2] 前記ポリフェニレンエーテル樹脂が、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、及びポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)と酸無水物との反応生成物からなる群から選択される1種以上の樹脂を、合計で20質量%以上100質量%以下含む、上記[1]に記載の樹脂分散液。
[3] 上記[1]又は[2]に記載の樹脂分散液と、熱硬化性成分とを含有する、ワニス。
[4] 上記[3]に記載のワニスを基材と複合し、溶媒を除去することによって得られた、樹脂複合体。
[5] 上記[4]に記載の樹脂複合体の硬化物からなる層を含む、積層体。
本発明によれば、ポリフェニレンエーテル樹脂含有粒子を含み、常温での流動安定性に優れた樹脂分散液、樹脂と基材との接着性が良好な、該分散液を用いて製造される樹脂複合体(例えばプリプレグ)、及びポリフェニレンエーテルが本来有する優れた耐熱性を有する積層体を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「実施の形態」と略記する。)について詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本実施の形態において、樹脂分散液は、
樹脂粒子と分散媒とを含む樹脂分散液であって、
該樹脂粒子はポリフェニレンエーテル樹脂を含み、
該分散媒は、23℃における該ポリフェニレンエーテル樹脂の溶解度が5質量%以上である有機溶媒を含み、
該樹脂粒子の全粒子数の80%以上が3μm以上30μm以下の長径を有しており、
該ポリフェニレンエーテル樹脂は、数平均分子量(Mn)が5000以上15000以下であり、かつ重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)が4.5以上7.5以下である、樹脂分散液である。
本実施形態において、このようなMn、或いはMw/Mnを有するポリフェニレンエーテル樹脂を採用することで常温での流動安定性、樹脂と基材との接着性、優れた耐熱性を実現されるメカニズムの詳細は詳らかではないが、以下の様に推察される。
即ち、ポリフェニレンエーテルの樹脂分散液を用いる手法において、数平均分子量及び分子量分布を制御したポリフェニレンエーテル樹脂を用いることは、特定の溶解度を示す有機溶媒(たとえば加温トルエン)との併用によって溶液環境が適切に調整され、良好な流動安定性や良好な塗工均一性が実現されているのではないかと考えられる。また、そのような分散液を用いて形成されるワニスを基材(たとえばガラスクロス)と複合させる際には、樹脂の基材への含浸性や基材との相互作用が向上し、樹脂と基材との接着性に優れた樹脂複合体(たとえばプリプレグ)が実現されるのではないかと考えられる。更に、その樹脂複合体を加熱成型することにより、耐熱性に優れた積層体をも実現し得る。
なお、本実施形態において、原料として数平均分子量及び分子量分布を制御したポリフェニレンエーテル樹脂を用いて、分散媒(たとえば加温トルエン)に溶解させ冷却により結晶化することで、ポリフェニレンエーテル樹脂を分散液中で粒子及び溶存物の両者として存在させることができ、さらに、粒子として存在するポリフェニレンエーテル樹脂と溶存しているポリフェニレンエーテル樹脂との比率の制御が容易となる。このため、ワニスの流動安定性及び塗工均一性が良好な、樹脂粒子を含む樹脂分散液を提供することができる。該樹脂分散液より作製したワニスを、基材(たとえばガラスクロス)と複合させた際には、樹脂のガラスクロスへの含浸性が良好であるので、樹脂とガラスクロスとの接着性に優れた樹脂複合体(たとえばプリプレグ)を得ることができる。その樹脂複合体より加熱成型により得た硬化物においても樹脂/ガラスクロス部位の接着性に優れることから、吸水性の低い積層体となる。一方で、溶存しているポリフェニレンエーテル樹脂はポリフェニレンエーテル樹脂含有粒子よりも、加熱成型時の溶融性に優れるために、成型時の樹脂組成物の溶融粘度の低減をもたらす。これにより、得られた積層体もまた良好な接着性(樹脂/金属箔の接着性、さらに、たとえば樹脂複合体を2つ以上用いた積層体の場合には樹脂層/樹脂層の接着性)を有することから耐熱性やピール強度(たとえば銅箔ピール強度)に優れた積層体を得ることができる。これによりポリフェニレンエーテルの本来有する優れた誘電特性を発現することが可能となる。
<樹脂粒子>
樹脂粒子はポリフェニレンエーテル樹脂を含む。ポリフェニレンエーテル樹脂はポリフェニレンエーテル骨格を有するものであり、典型的には下記式(I):
Figure 0006254762
(式中、R1〜R9は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアミノ基、ニトロ基又はカルボキシル基を表す)で表される構造を含む。
上記一般式(I)においてR9が水素原子である構造の具体例としては、例えば、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−フェニル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジクロロ−1,4−フェニレンエーテル)等、更に、2,6−ジメチルフェノールと他のフェノール類(例えば、2,3,6−トリメチルフェノール、2−メチル−6−ブチルフェノール等)との共重合体、及び、2,6−ジメチルフェノールとビフェノール類又はビスフェノール類とをカップリングさせて得られるポリフェニレンエーテル共重合体、等が挙げられる。容易に入手可能であるという観点において、好ましい例は、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)である。
上記ポリフェニレンエーテル樹脂としては、典型的には、上記式(I)で表されるポリフェニレンエーテル樹脂の末端の水酸基が官能基化されているポリフェニレンエーテル(本開示で、官能基化ポリフェニレンエーテルともいう)を用いることができる。官能基化ポリフェニレンエーテルでは、未変性ポリフェニレンエーテルと比較して結晶析出温度を低くすることができ、過度な粒子の析出を防ぐ事ができる。よって官能基化ポリフェニレンエーテルによれば、優れたワニス安定性、樹脂と基材との接着性、さらに硬化体における良好な耐熱性を得ることが可能となる。
上記官能基化によって導入される官能基としては、ベンジル基、ビニルベンジル基、アリル基、プロパギル基、グリシジル基、メタクリル基、シアノ基、マレイン酸基等が挙げられ、上記の2種類以上の官能基を組み合わせていてもよい。
好ましい様態において、上記官能基化ポリフェニレンエーテルは、未変性ポリフェニレンエーテルと、不飽和カルボン酸又は酸無水物との反応生成物であることができる。酸無水物の例としては無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水グルタコン酸、無水シトラコン酸等が挙げられる。樹脂分散液の冷却時における晶析が抑制され、余分な粒子が析出することなく、容易に樹脂分散液の流動性を確保できる点から、無水マレイン酸が好ましい。反応は未変性ポリフェニレンエーテルと不飽和カルボン酸又は酸無水物とを100℃〜390℃の温度範囲で加熱することによって行われる。この際ラジカル開始剤を共存させてもよい。上記反応には、溶液法と溶融混合法との両方が使用できるが、押出し機等を用いる溶融混合法の方が簡便に行うことができ、好ましい。
酸無水物等による水酸基への官能基の付加量は、樹脂分散液中に存在するポリフェニレンエーテル樹脂100質量部に対する割合として、0.1質量部以上であることが好ましい。該付加量は、より好ましくは0.1質量部以上5質量部以下、さらに好ましくは0.1質量部以上3質量部以下である。樹脂分散液中に含まれる全てのポリフェニレンエーテルが官能化されている必要はなく、樹脂分散液は未官能化(すなわち未変性)ポリフェニレンエーテルを含んでいてよい。樹脂分散液中に含まれるポリフェニレンエーテル樹脂全体としての100質量部あたり、上記割合の官能基を有することにより、常温での粒子の過剰な析出を防ぐことができるという効果がもたらされる。これにより、流動性を確保できるだけでなく、樹脂と基材との接着性に優れた樹脂複合体を製造できる樹脂分散液を容易に入手できることが出来る。
樹脂分散液中の官能基化ポリフェニレンエーテルについて、例えば官能基化を酸無水物で行う場合、一般的なカルボン酸の中和滴定により、官能基付加量を測定することが出来る。例えば、上記官能基化ポリフェニレンエーテルを含む樹脂分散液に対して、水酸化ナトリウム等の塩基を、溶液が中和されるまで加えていき、その滴定量より、ポリフェニレンエーテル樹脂全体における官能基の付加量を算出できる。上記付加量をもたらす官能基化ポリフェニレンエーテルは、例えば酸無水物を用いる場合、官能基化前のポリフェニレンエーテルに対する、酸無水物及びラジカル開始剤の当量を制御することにより得ることができる。例えばベンジル基を導入する場合、塩化ベンジル又は臭化ベンジルと塩基との当量を官能基化前のポリフェニレンエーテルが有する水酸基の当量に合わせて配合することにより、所望の官能基付加量を得ることができる。
好ましい態様においては、ポリフェニレンエーテル樹脂が、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、及びポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)と酸無水物との反応生成物からなる群から選択される1種以上の樹脂を含む。酸無水物の好ましい例としては官能基化ポリフェニレンエーテルに関して前述したものが挙げられる。ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、及びポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)と酸無水物との反応生成物からなる群から選択される1種以上の樹脂の合計量は、ポリフェニレンエーテル樹脂100質量%に対して、誘電特性が良好である観点から20質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましく、75質量%以上がさらに好ましい。また上記量は、上記観点からは、合計で100質量%であることが好ましいが、樹脂/基材の接着性を向上させることができる観点からは、好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下であることができる。上記量は、樹脂分散液の原料となるポリフェニレンエーテル樹脂における、2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル成分、及びポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)成分と酸無水物との反応生成物、および他の構造を有するポリフェニレンエーテルの成分の使用量によって制御できる。なお、ポリフェニレンエーテル樹脂中の上記合計量は、分散液をフィルターろ過後の試料を溶媒除去し、クロロホルムに溶解後の試料より再度フィルターろ過後の試料に対し、プロトン核磁気共鳴分光法を用いて確認できる。
本発明の第一の実施形態において、ポリフェニレンエーテル樹脂の数平均分子量(以下Mnとも記載)は5000以上15000以下であり、好ましくは8000以上13000以下であり、更に好ましい範囲は9000以上12000以下である。Mnが5000以上であるとTg及びハンダ耐熱性に優れた硬化物を形成可能な樹脂分散液が得られ、15000以下であるとポリフェニレンエーテル樹脂の溶融粘度が適切であるために、基板成形性に優れた樹脂分散液が得られる。また、数平均分子量が上記範囲に存在した条件下、分子量分布(以下Mw/Mnとも記載)は4.5以上7.5以下であり、好ましくは4.5以上6.0以下である。Mw/Mnが4.5以上であるとポリフェニレンエーテル樹脂の溶剤への溶解性が高く、分散液の保存安定性に優れるだけでなく、積層体の耐熱性にも優れる点で好ましい。Mw/Mnが7.5以下であると、例えば分子量500以下と過度に低分子量のポリフェニレンエーテルが少ないことから耐熱性に優れる積層体が得られる点で好ましい。さらに適度なMw/Mnであるポリフェニレンエーテル樹脂を用いることで、架橋剤(たとえばトリアリルイソシアヌレート)との相溶性が良好となり、硬化体においてポリフェニレンエーテル樹脂と架橋剤との分布均一性が良好となり、積層体の耐熱性が向上する。上記数平均分子量及び分子量分布は、樹脂分散液から溶媒を加熱除去し、残渣を再度クロロホルムに溶解した後、フィルターろ過を行なう方法で得た試料につき、ゲルパーミエーションクロマトグラフィを用い、標準ポリスチレン換算にて測定される値である。
上記範囲の数平均分子量及び分子量分布を有するポリフェニレンエーテル樹脂は、1種類の未変性又は官能基化されたポリフェニレンエーテルとして直接合成して得てもよいし、例えば、比較的低分子量の未変性又は官能基化されたポリフェニレンエーテルと比較的高分子量の未変性又は官能基化されたポリフェニレンエーテルとを混合する方法等、複数種の樹脂の組合せによって得てもよい。組合せの好ましい例としては、例えば、Mnが好ましくは15000〜32000の範囲、より好ましくは15000〜22000の範囲でかつMw/Mnが好ましくは1.0〜3.5の範囲である第1のポリフェニレンエーテル樹脂と、Mnが好ましくは500〜4000の範囲、より好ましくは1500〜3000の範囲でかつMw/Mnが好ましくは1.0〜3.5の範囲である第2のポリフェニレンエーテル樹脂との混合が挙げられる。
本実施形態においては、樹脂分散液において分散安定性が保たれる範囲で良好な流動性が確保されるという観点から、樹脂粒子の全粒子数の80%以上が3μm以上30μm以下の長径を有する。3μm以上の長径は、樹脂分散液の流動安定性、及び添加剤を加えた際の増粘の抑制の観点から有利である。また30μm以下の長径は、加熱加圧時の溶融性が良好で、硬化体の均一性や接着性に優れるという観点から有利である。3μm以上30μm以下の長径を有する樹脂粒子の、全樹脂粒子数に対する割合は、上記効果を良好に得る観点から、80%以上が好ましく、90%以上100%以下がより好ましい。また上記観点から、全樹脂粒子数の好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上で、長径は5μm以上25μm以下であることが好ましく、5μm以上20μm以下であることがより好ましい。
ポリフェニレンエーテル樹脂の長径は、以下のように測定できる。遠心分離(回転数5000rpm、時間10分)の方法により、樹脂分散液から粒子を沈殿させ、それより上澄み液を取り除き、質量比95:5のトルエンとメタノールの混合溶剤を5g加え、激しく振とうした後、恒温室内で24時間静置させる。次いで上澄み液を取り除き、質量比95:5のトルエンとメタノールの混合溶剤を5g加える。この抽出物を試料台に滴下し、溶剤を揮発させた後に、SEM−EDX(走査型電子顕微鏡によるエネルギー分散型X線分光法)観察を行い、炭素、酸素及び水素の合計が95原子%以上の粒子を樹脂粒子として検出し、その長径を計測する。SEM画像上で、樹脂粒子の内部を通りその外周を両端とするように引かれた線分の中で最長のものの長さをその樹脂粒子の長径とする。これは一次粒子の長径である。400個の粒子の長径を無作為に測定する。
樹脂粒子の長径は、例えば、樹脂溶液から樹脂粒子を析出させて樹脂分散液を製造する際に、温度、撹拌等の条件を調整することによって制御できる。例えば、例えば、ポリフェニレンエーテル樹脂を非ハロゲン溶剤中に添加し、加温してポリフェニレンエーテル樹脂を溶解させた後に温度降下させる方法(以下、「結晶分散法」ともいう。)において、温度降下及び撹拌の条件を制御する方法が挙げられる。また、上記樹脂溶液の溶剤の種類及び固形分濃度を変化させる事によっても長径を制御する事は可能であり、所望の長径を有する樹脂粒子を得るために、これらの方法を組み合わせて使用することも可能である。
本実施形態において、樹脂分散液中のポリフェニレンエーテル樹脂は、典型的には、一部が樹脂粒子として分散媒中に分散しており、残部は分散媒中に溶存している。ポリフェニレンエーテル樹脂の総量100質量%に対する、樹脂粒子として存在するポリフェニレンエーテル樹脂の割合(本開示で、粒子割合ともいう)は、23℃において、好ましくは30質量%以上90質量%以下であり、より好ましくは30質量%以上80質量%以下、さらに好ましくは30質量%以上75質量%以下である。粒子割合が30質量%以上であることで、常温での分散安定性に優れた粘度の適切な樹脂分散液となることが出来る。また、粒子の割合が90質量%以下であることで、該樹脂分散液を用いて、基材と樹脂との接着性に優れたプリプレグ(これは本実施形態の一態様に係る樹脂複合体の例である)を製造でき、その結果該プリプレグを用いて製造した積層体の耐熱性が優れたものとなる。
粒子割合は、以下の方法で算出される値である。まず、遠心分離法等の方法により樹脂分散液から粒子を沈降させ、粒子を含まない上澄み液を得る。この上澄み液を単位量(例えば1g)採取し、溶媒を加熱乾燥等の方法により完全に除去し、得られた残渣の質量を測定する事で、上澄み液単位量(例えば1g)あたりの溶解成分量を測定して、上澄み液の溶解成分質量比を得る。一方で、粒子を含む元の樹脂分散液の所定量を採取し(以下、樹脂分散液サンプルという)、樹脂分散液サンプルから加熱乾燥等の方法で溶媒を回収する事で、樹脂分散液サンプル中の固形分総質量(c)及び溶媒量を実測する。この溶媒量と、先の溶解成分質量比とから、該樹脂分散液サンプル中の溶解成分の質量(b)を算出することができる。また樹脂分散液サンプルの乾燥後の固形分総質量(c)から溶解成分の質量(b)を減ずることで、樹脂分散液サンプル中に存在していた粒子の質量(a)を算出することができる。そして最終的には、下記式(1):
(粒子比率)=(粒子の質量(a))÷(固形分総質量(c)) (1)
により、樹脂分散液サンプル中の固形分総質量を100質量%としたときの粒子の比率を得ることが出来る。
樹脂分散液中にポリフェニレンエーテル樹脂以外の樹脂が存在しない場合には、上記式(1)で算出される粒子比率がそのまま上記粒子割合となる。一方、樹脂分散液中にポリフェニレンエーテル樹脂以外の樹脂が存在する場合には、例えば以下の方法で、樹脂分散液中に含まれる、ポリフェニレンエーテル樹脂とその他の成分との比を求めることにより、上記粒子割合を導くことができる。
樹脂分散液から溶剤含有量が1質量%以下となるように、該溶剤の沸点以下の温度で溶剤を乾燥除去する。次いで、溶剤が乾燥除去された分散液1.5gに23℃±3℃の質量比95:5のトルエンとメタノールの混合溶剤を20g加える。23℃±2℃の恒温室で、5分毎に激しく振とうしながら、1時間経過させる。次いで、同恒温室内で24時間静置させる。次いで、上澄み液を取り除き、質量比95:5のトルエンとメタノールの混合溶剤を5g加え、激しく振とうした後、同恒温室内で24時間静置させる。次いで上澄み液を取り除き、質量比95:5のトルエンとメタノールの混合溶剤を5g加える。次いで、溶剤を乾燥して除去した後に、クロロホルム中に展開し、不溶分をろ別して除去し、抽出物を得る(以下、この抽出物を「抽出物(A)」ともいう。)。一方、遠心分離法等の方法により樹脂分散液から粒子を沈降させ、粒子を含まない上澄み液を得る。この上澄み液から溶媒を加熱乾燥等の方法により完全に除去して残渣を得る。この残渣をクロロホルム中に展開し、不溶分をろ別して除去し、抽出物を得る(以下、この抽出物を抽出物(B)ともいう)。抽出物(A)中及び抽出物(B)中のそれぞれのポリフェニレンエーテル量をカーボン核磁気共鳴分光法にて定量を行い、抽出物(A)中のポリフェニレンエーテルの比率(PA)及び抽出物(B)中のポリフェニレンエーテルの比率(PB)(それぞれ質量基準)を得る。これらの値を用い、下記式(2):
(粒子割合)=(粒子の質量(a)×比率(PA))÷(粒子の質量(a)×比率(PA)+溶解成分の質量(b)×比率(PB)) (2)
により、粒子割合を算出することができる。
第一の実施形態において、分散液に含まれる樹脂粒子は、ポリフェニレンエーテル樹脂を、典型的には70質量%以上含む粒子である。樹脂粒子中のポリフェニレンエーテル樹脂の割合は、75質量%以上がより好ましく、80質量%以上が更に好ましい。樹脂粒子中のポリフェニレンエーテル樹脂の比率が上述の範囲内であれば、結晶化により後述する粒度の樹脂粒子を得やすいために好ましい。またこれにより、後述する硬化物が優れた耐熱性及び接着性を有する点で好ましい。これは、樹脂複合体に対して加熱加圧処理を行なう際、ポリフェニレンエーテル樹脂が溶融し均一に硬化性樹脂成分と相溶してから硬化することから、基板内での成分の均一化により性能が発現しているためと考えられる。樹脂粒子中に存在しうる、ポリフェニレンエーテル樹脂以外の成分としてはポリスチレン等の熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂、シアネートエステル樹脂等の熱硬化性樹脂、及び他の架橋性樹脂等が挙げられる。しかし、上記理由により、樹脂粒子は、ポリフェニレンエーテル樹脂からなることが最も望ましい。なお、樹脂粒子がポリフェニレンエーテル樹脂からなるとは、所期の効果を損なわない範囲で他の成分が混在する可能性を排除するものではないことを意図する。
本開示で、樹脂粒子中のポリフェニレンエーテル樹脂の比率は、以下の測定により求められる値である。
まず、遠心分離等の方法により、樹脂分散液から粒子を沈殿させ、それより上澄み液を取り除き、質量比95:5のトルエンとメタノールの混合溶剤を5g加え、激しく振とうした後、恒温室内で24時間静置させる。次いで上澄み液を取り除き、質量比95:5のトルエンとメタノールの混合溶剤を5g加える。この抽出物より溶媒を加熱除去し、クロロホルム中に展開し不溶分をろ過により除去し、抽出物Aを得る。抽出物Aに対し、カーボン核磁気共鳴分光法を用いて測定を行なう。
ポリフェニレンエーテルの定量は、以下の方法で行うことができる。化学シフトの基準としてテトラメチルシランを使用し、そのピークを0ppmとする。PPEのピークとして、16.8、114.4、132.5、145.4、154.7ppm近傍のピークの強度を合計し、テトラメチルシランのピーク強度との比をXとする。標準物質についてのこの値をX1、及び抽出物Aについての値をX2とすると、(X2/X1)×100の値を算出することにより抽出物A中におけるPPE含有率(質量基準)を測定することが出来る。ここで、PPE由来の信号は、標準物質と同じ位置のものを用いればよく、上記に限定されるものではない。尚、定量には、数平均分子量15,000〜25,000のポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)を標準物質として用い、同一の測定サンプル量から得られるピーク強度の比を用いて求める。数平均分子量15,000〜25,000のポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)としては、例えば、旭化成ケミカルズ(株)製S202Aグレードを用いることができる。
<分散媒>
樹脂分散液中の分散媒は、用いるポリフェニレンエーテル樹脂の溶解度が23℃において5質量%以上である有機溶媒(本開示で、ポリフェニレンエーテル溶解性有機溶媒ともいう)を含む。本開示で、ポリフェニレンエーテル樹脂の溶解度とは、飽和溶液100質量%に対する溶存ポリフェニレンエーテル樹脂の割合を意味する。ポリフェニレンエーテル溶解性有機溶媒が、上記溶解度5質量%以上を有することは、ポリフェニレンエーテル樹脂を含む樹脂粒子の分散安定性、樹脂分散液の基材(例えばガラスクロス)への常温での塗工性、及び、得られた複合体(例えばプリプレグ)における樹脂と基材との接着性が良好に得られるという観点から好ましい。上記溶解度は、より好ましくは8質量%以上、更に好ましくは10質量%以上である。一方、樹脂粒子を樹脂分散液中に所望の程度存在させることが容易であるという観点から、上記溶解度は、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下である。なお用いるポリフェニレンエーテル樹脂が2種以上の樹脂の組合せである場合には、用いる全てのポリフェニレンエーテル樹脂の溶解度が上記範囲であることが意図される。
上記溶解度は、以下の方法で確認される。分散液を遠心分離等の方法により不溶分を沈殿させた後、上澄み液を単位量(例えば1g)採取し、溶媒を加熱乾燥等の方法により完全に除去し、得られた残渣の質量を測定する事で、上澄み液単位量(例えば1g)あたりの溶解成分量を測定して、上澄み液の溶解成分質量比を得る。また、この上澄み液から溶媒を加熱除去した後クロロホルムに溶媒して得た試料について、カーボン核磁気共鳴分光法にてポリフェニレンエーテルの定量を行う。これらの結果の組合せから、分散液の溶媒へのポリフェニレンエーテル樹脂の溶解度を算出することが可能となる。
ポリフェニレンエーテル溶解性有機溶媒の例としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族有機溶媒、及びジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン系有機溶媒が挙げられ、例えばプリプレグ製造上の環境問題の観点から好ましい例は、トルエン、キシレン等である。
分散液中の分散媒に含まれる、上記ポリフェニレンエーテル溶解性有機溶媒の割合は、樹脂粒子の分散安定性、基材(例えばガラスクロス)への常温での塗工性、及び、得られた複合体(例えばプリプレグ)における樹脂と基材との接着性が良好に得られるという点から、50質量%以上100質量%以下であることが好ましく、80質量%以上100質量%以下であることが更に好ましい。分散媒の一部として、ポリフェニレンエーテル溶解性有機溶媒以外に含まれてもよい溶媒としては、例えばシクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、及びメタノール、エタノール、ブタノール等のアルコール類等が挙げられる。
樹脂分散液中の分散媒の割合としては、ポリフェニレンエーテル樹脂100質量部に対し、樹脂分散液の安定性を確保する観点から、好ましくは100質量部以上、より好ましくは120質量部以上、更に好ましくは140質量部以上であり、樹脂分散液をワニス等へ使用するために適した粘度を確保する観点から、好ましくは900質量部以下、より好ましくは700質量部以下、更に好ましくは500質量部以下である。
<樹脂分散液>
本実施形態の樹脂分散液を製造する手法としては、例えば、ポリフェニレンエーテル樹脂を非ハロゲン溶剤中に添加し、加温してポリフェニレンエーテル樹脂を溶解させた後に温度降下させる方法(本開示で、「結晶分散法」ともいう。)を挙げることができる。上記結晶分散法においては、ポリフェニレンエーテル樹脂が固形分中70質量%以上含まれる樹脂溶解液を用い、温度降下により粒子を得るのがよい。
樹脂分散液の固形分総量に対するポリフェニレンエーテル樹脂の割合は、良好な誘電特性を得る観点から、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは30質量%以上である。上記割合は100質量%であってもよいが、後述の他の成分による効果を良好に得る観点から、すなわち積層体の耐熱性及び難燃性を付与する目的で他の樹脂等を更に使用する観点から、上限は高々90質量%である。
本実施形態の樹脂分散液は、ポリフェニレンエーテル樹脂及び分散媒に加え、追加の成分を含有してもよい。例えば、樹脂分散液は、架橋型硬化性成分及び開始剤をさらに含むことができる。好ましい態様において、樹脂分散液は、難燃剤、他の樹脂、各種添加剤等をさらに含有してもよい。
架橋型硬化性成分としては、分子内に2個以上の不飽和基をもつモノマーが好ましい。樹脂分散液は、ポリフェニレンエーテル樹脂100質量部に対して、架橋型硬化性成分を好ましくは5〜95質量部、より好ましくは10〜80質量部、更に好ましくは10〜70質量部、更に好ましくは20〜70質量部含有する。該架橋型硬化性成分の量が5質量部以上である場合、樹脂分散液中の樹脂の溶融粘度を良好に低減させることができるために基板成形性が良好である。また、95質量部以下である場合、ポリフェニレンエーテルの有する優れた誘電率及び誘電正接を発現することができる。
分子内に2個以上の不飽和基をもつモノマーとしては、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)、トリアリルシアヌレート(TAC)、トリメタリルシアヌレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、ジアリルフタレート、ジアリルシアヌレート等が挙げられ、中でもポリフェニレンエーテルとの相溶性の良好なTAICが好ましい。
開始剤としては、ビニルモノマーの重合反応を促進する能力を有する任意の開始剤を使用でき、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、ジ(トリメチルシリル)パーオキサイド、トリメチルシリルトリフェニルシリルパーオキサイド等の過酸化物が挙げられる。また、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン等のラジカル発生剤も反応開始剤として使用できる。中でも、耐熱性及び機械特性に優れ、更に低い誘電率及び誘電正接を有する硬化物を与えることができるという観点から、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、及び2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンが好ましい。
開始剤の使用量は適宜設定できるが、一般的には、架橋型硬化性成分100質量部に対して、重合反応を良好に促進する観点から、好ましくは1.0質量部以上、より好ましくは3.0質量部以上、更に好ましくは5.0質量部以上であり、硬化物の誘電率及び誘電正接を低く抑えることが出来る観点から、好ましくは25質量部以下、より好ましくは20質量部以下、更に好ましくは10質量部以下である。
難燃剤としては、燃焼のメカニズムを阻害する機能を有するものであれば特に制限されず、三酸化アンチモン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ほう酸亜鉛等の無機難燃剤、ヘキサブロモベンゼン、デカブロモジフェニルエタン、4,4−ジブロモビフェニル、エチレンビステトラブロモフタルイミド等の芳香族臭素化合物、レゾルシノールビス−ジフェニルホスフェート、レゾルシノールビス−ジキシレニルホスフェート等のリン系難燃剤等が挙げられる。中でも、得られる硬化物の誘電率及び誘電正接を低く抑えられる観点からデカブロモジフェニルエタン等が好ましい。
難燃剤の使用量は、使用する難燃剤によって異なり、特に限定するものでないが、UL規格94V−0レベルの難燃性を維持する観点から、官能基化ポリフェニレンエーテル樹脂と架橋型硬化性成分との合計100質量部に対して好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上、更に好ましくは15質量部以上である。また、得られる硬化物の誘電率及び誘電正接を小さく維持できる観点から、上記使用量は、好ましくは50質量部以下、より好ましくは45質量部以下、更に好ましくは40質量部以下である。
他の樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂、硬化性樹脂等が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、エチレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレン、スチレン、ジビニルベンゼン、メタクリル酸、アクリル酸、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、塩化ビニル、アクリロニトリル、無水マレイン酸、酢酸ビニル、四フッ化エチレン等のビニル化合物の単独重合体及び2種以上のビニル化合物の共重合体、並びに、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアセタール、ポリフェニレンスルフィド、ポリエチレングリコール等を例として挙げることができる。これらの中でもスチレンの単独重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、及びスチレン−エチレン−ブタジエン共重合体が、硬化性樹脂の溶剤への溶解性及び成形性の観点から好ましく用いることができる。硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、及びシアネートエステル類を例として挙げることができる。上記熱可塑性樹脂及び硬化性樹脂は、酸無水物、エポキシ化合物、アミン等の官能化化合物で変成されたものでもよい。
他の樹脂の使用量は、上記ポリフェニレンエーテル樹脂と架橋型硬化性成分の合計100質量部に対して、好ましくは10質量部以上、より好ましくは15質量部以上、更に好ましくは20質量部以上であり、ポリフェニレンエーテル樹脂の優れた誘電特性及び耐熱性を発現させる点から、好ましくは90質量部以下、より好ましくは70質量部以下、更に好ましくは50質量部以下である。
その他、各種添加剤としては、難燃剤、熱安定剤、酸化防止剤、UV吸収剤、界面活性剤、滑剤、充填剤、ポリマー添加剤等が挙げられる。これらの添加剤の使用量は所望に応じて当業者によって適宜設定される。
樹脂分散液の溶液粘度は、良好な塗工性の観点から、例えば、25℃において単一円筒型回転式粘度計(B型粘時計)により30rpmで測定したときに、好ましくは100〜2000mPa.s、より好ましくは300〜1500mPa.s、更に好ましくは500〜1000mPa.sである。
<ワニス>
本発明の別の態様は、上述した樹脂分散液と、熱硬化性成分とを含むワニスを提供する。熱硬化性成分としては、エポキシ樹脂、シアネートエステル樹脂、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート等が挙げられる。これらはポリフェニレンエーテルの優れた誘電特性を発現する事が可能である観点から有利である。
本発明の別の態様は、該ワニスから溶媒を除去することによって得られる、樹脂組成物を提供する。この樹脂組成物について、例えば、粘弾性測定装置で昇温速度5℃/minの条件で測定したときの溶融粘度は、樹脂積層体における面内厚み精度が良好である観点から、好ましくは500mPa.s以上、より好ましくは1000mPa.s以上であり、一方、樹脂積層体において樹脂と基材との接着性が良好であるという観点から、好ましくは50000mPa.s以下、より好ましくは10000mPa.s以下である。
<樹脂複合体>
本発明の別の態様は、上述したワニスを基材と複合し、溶媒を除去することによって得られた樹脂複合体を提供する。樹脂複合体は、例えば、該ワニスを基材に塗布し、次いで該ワニスが塗布された基材から溶媒を除去して得られる。樹脂複合体は例えばプリプレグであることができる。
また、本発明の別の態様は、上述した樹脂分散液を含むワニスを基材に塗布する工程、及び該ワニスが塗布された基材から溶媒を除去する工程を含む樹脂複合体(例えばプリプレグ)の製造方法を提供する。
樹脂複合体中の樹脂含有率(すなわちポリフェニレンエーテル樹脂、架橋型硬化性成分及び任意の他の樹脂の合計含有率)は、基材の厚さ及びプリプレグの使用目的に応じて適宜設定すればよい。例えば基材としてガラスクロスを使用した場合、ガラスクロスの誘電率は樹脂の誘電率に比べて高いため、樹脂の含有率を増やした方が誘電特性的に有利となる。一般的には、樹脂含有率は、誘電特性を向上させる観点及び成型性を良好にする観点から、好ましくは30質量%以上、より好ましくは40質量%以上、更に好ましくは50質量%以上であり、樹脂複合体を硬化させて得られる硬化体の剛性を向上する観点から、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下、更に好ましくは70質量%以下である。
基材としては、ロービングクロス、クロス、チョップドマット、サーフェシングマット等の各種ガラス布;アスベスト布、金属繊維布、及びその他合成又は天然の無機繊維布;全芳香族ポリアミド繊維、全芳香族ポリエステル繊維、ポリベンゾオキサゾール繊維等の液晶繊維から得られる織布又は不織布;綿布、麻布、フェルト等の天然繊維布;カーボン繊維布、クラフト紙、コットン紙、紙−ガラス混繊糸から得られる布等の天然セルロース系基材;ポリテトラフルオロエチレン多孔質フィルム;等を単独で、又は2種以上組合せて用いることができる。
本実施形態に係る樹脂複合体の製造方法としては、粒子成分が分散した状態の樹脂分散液を含み、又は該樹脂分散液からなるワニスを上記の基材に含浸し、溶媒を乾燥除去する方法が挙げられる。その乾燥工程では、例えば、50℃〜150℃、及び1分〜30分、樹脂複合体を加熱することにより溶媒を除去することが出来る。樹脂複合体においては、樹脂分散液に含まれていた固形分が基材中に含浸されている。該固形分は樹脂複合体表面に層を形成していてもよい。
樹脂複合体、特にプリプレグは、ポリフェニレンエーテル樹脂100質量部に対して、架橋型硬化性成分を好ましくは5〜95質量部、より好ましくは10〜80質量部、更に好ましくは10〜70質量部、更に好ましくは20〜70質量部含有する。該架橋型硬化性成分の量が5質量部以上である場合、樹脂複合体を用いて基板を形成することによって積層体を形成する際、樹脂が基材中に良好に含浸し絶縁信頼性に優れた積層体が得られる。また、95質量部以下である場合、弾性率等の機械特性や誘電特性に優れた積層体が得られる。
<積層体>
また、本発明の別の態様は、上述した樹脂複合体(例えばプリプレグ)の硬化物からなる層を含む積層体を提供する。例えば、上述した樹脂分散液を用い、該樹脂分散液から得られる樹脂組成物の硬化物と基材とを含む硬化物複合体と、金属箔とが積層されている積層体を形成できる。該積層体は、好ましくは、上記硬化物複合体と金属箔とが重なって密着しているもので、電子基板の材料として好適に用いられる。金属箔としては、例えば、アルミ箔及び銅箔を用いることができ、中でも銅箔は電気抵抗が低いため好ましい。金属箔と組合せる硬化物複合体は1枚でも複数枚でもよく、用途に応じて複合体の片面又は両面に金属箔を重ねて積層体に加工する。積層体の製造方法としては、例えば、樹脂分散液を含むワニスから溶媒を除去して得られる樹脂組成物と基材とを有する樹脂複合体(例えば、前述のプリプレグ)を形成し、これを金属箔と重ねた後、樹脂組成物を硬化させることにより、硬化物複合体と金属箔とが積層されている積層体を得る方法が挙げられる。該積層体の特に好ましい用途の1つはプリント配線板である。
積層体の好ましい例は、上述した樹脂複合体の樹脂組成物を硬化させて得られる硬化体と、金属箔等を含むプリント配線板である。プリント配線板は、典型的には、上述したプリプレグを用いて、前述のようなアルミ箔、銅箔等の金属箔を加圧加熱成型することによって形成できる。プリント配線板は、上述したような樹脂分散液を用いて形成されていることにより、優れた絶縁信頼性及び機械特性を有することができる。
また、本発明の別の態様は、基板上に上述した樹脂複合体(例えばプリプレグ)を積層する工程、及び、該樹脂複合体が積層された基板を加熱加圧成型する工程を含む積層体の製造方法を提供する。
本実施形態に係る積層体は、典型的には、1枚又は複数枚の上記のプリプレグを銅箔等の基板と重ねた後、加熱加圧成型により樹脂成分を硬化させて絶縁層を形成することにより製造することが出来る。
加熱加圧成型の条件は、製造する積層体の厚みやプリプレグの樹脂含有率にもよるが、例えば温度を180〜220℃、圧力を5〜60kg/cm2、時間を30〜150分とすることが出来る。
本開示で上記した各パラメータは、以下の実施例において説明する方法又はこれと同等であることが当業者に理解される方法によって測定される値である。
以下、実施例により、本実施形態を具体的に説明するが、本実施形態は以下の実施例により何ら限定されるものではない。以下の実施例及び比較例中の各物性は、以下の方法によって測定した。以下で、部及び%は特記がない限り質量基準である。
1)ポリフェニレンエーテル樹脂の溶解度
分散液を遠心分離して不溶分を沈殿させた後、上澄み液を1g採取し、溶媒を加熱乾燥によって完全に除去し、得られた残渣の質量を測定する事で、上澄み液単位量(すなわち1g)あたりの溶解成分量を測定して、上澄み液の溶解成分質量比を得た。また、この上澄み液から溶媒を加熱除去した後クロロホルムに溶解して得た試料について、カーボン核磁気共鳴分光法にてポリフェニレンエーテルの定量を行った。これらの結果の組合せから、ポリフェニレンエーテル樹脂の溶解度を算出した。
2)ポリフェニレンエーテル樹脂の数平均分子量(Mn)及び分子量分布(Mw/Mn)
ゲルパーミエーションクロマトグラフィ分析(GPC)を用い、分子量既知の標準ポリスチレンの溶出時間との比較で数平均分子量を求めた。
測定装置にはHLC−8220GPC(東ソー株式会社製)を用い、カラム:Shodex GPC K−806L×3(昭和電工株式会社製)、溶離液:50℃のクロロホルム、検出器:RI、カラム温度40℃の条件で測定を行った。
3)PPE 1分子当たりの平均フェノール性水酸基数
吸光度から求めたPPEに含まれるフェノール性水酸基数と、平均分子量から求めたPPEの分子数とを用い、1分子当たりの平均フェノール性水酸基数を求めた。
先ず、高分子論文集,vol.51,No.7(1994),第480頁記載の方法に準拠し、PPEの塩化メチレン溶液にテトラメチルアンモニウムハイドロオキシド溶液を加えて得た試料の波長318nmにおける吸光度変化を紫外可視吸光光度計で測定した値から水酸基の数を求めた。
別途、PPEの数平均分子量を、上記(1)に従いゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により求め、この値を用いて、PPEの分子数を求めた。これらの値から、下記式:
1分子当たりの平均フェノール性水酸基数=水酸基の数/数平均分子数
に従って、PPE1分子当たりの平均水酸基数を算出した。
4)樹脂粒子の粒子径の測定
樹脂分散液に対し、遠心分離を行う事により粒子を沈殿させ、上澄み液を取り除き、質量比95:5のトルエンとメタノールの混合溶剤を5g加え、激しく振とうした後、恒温室内で24時間静置させた。次いで上澄み液を取り除き、質量比95:5のトルエンとメタノールの混合溶剤を5g加えた。この抽出物を試料台に滴下し、溶剤を揮発させた後に、SEM−EDX観察を行い、炭素、酸素、水素の合計が95原子%以上の粒子を樹脂粒子として、計測した。粒子400個以上を無作為に抽出し、それらの粒子に対し長径を測定することにより粒子径の分布を測定した。それらの数平均となる長径を粒子径として算出し、それを中心に80個数%を占める粒子分布範囲(80%粒子径)を測定した。
5)樹脂分散液の保存安定性
得られた樹脂分散液に対し、B型粘度計、ローターNo.3を用い、25℃、30rpm、30秒の条件で粘度の測定を行い、V1とする。この分散液を25℃条件で24時間保存した後、再度粘度の測定を行いV2とし、(V2/V1)で得られる粘度変化率の値を保存安定性として記載した。
6)樹脂/基材接着性
プリプレグを180°に折り曲げた際に、樹脂粉落ち、あるいは樹脂剥離が生じるかを調べ、評価した。まず、プリプレグを200mm×300mmの大きさにカッター刃を用いて切り出した。次いで、長方形の長辺側2辺が重なるようにプリプレグを180°に折り曲げた後、元に戻した。次いで、長方形の短辺側2辺が重なるようにプリプレグを180°に折り曲げた後、元に戻した。上述の一連のプリプレグの取り扱いにおいて、樹脂粉落ち及び樹脂剥離が目視で観察されなかったものは「OK」と評価した。一方、樹脂粉落ち又は樹脂剥離が目視で観察されたものは「NG」と評した。
7)銅箔ピール強度
プリプレグを2枚重ねたものの両面に厚さ35μmの銅箔(古河電工製、GTS−MP箔)を重ねて、200℃、40kg/cm2の条件で60分間加熱加圧成型し、厚さ0.35mmの銅張積層板(積層体として)を作製した。幅15mm×長さ150mmのサイズに切り出し、オートグラフ(AG−5000D、島津製作所製)を用い、銅箔を除去面に対し90℃の角度で50mm/分の速度で引き剥がした際の荷重の平均値を測定し、3回の測定の平均値を求めた。
8)耐熱性
プリプレグを2枚重ねたものの両面に厚さ12μmの銅箔(古河電工製、F2−WS箔)を重ねて、200℃、40kg/cm2の条件で60分間加熱加圧成型し、厚さ0.3mmの銅張積層板を作製した。銅箔をエッチングにより除去し、積層板を50mm角に切り出し試験片を作製した。該試験片を130℃で30分乾燥した後、温度:121℃、圧力:2atm、時間:3時間、の条件で加速試験を行った後のサンプルを、288℃のハンダに20秒浸漬させ、積層板の表面を観察した。表面に膨れ及び白化が目視で観察されなかったものを「OK」、膨れ又は白化が目視で観察されたものを「NG」とした。
9)誘電正接
積層板の1GHzにおける誘電率及び誘電正接を、インピーダンスアナライザーを用いて測定した。測定装置としてインピーダンスアナライザー(4291B op.002 with 16453A,16454A、AgilentTechnologies社製)を用い、試験片厚さ:約2mm、電圧:100mV、周波数:1mmHz〜1.8GHzの条件で測定し、掃引回数100回の平均値として求めた。
<製造例1>ポリフェニレンエーテル2の製造方法
ポリフェニレンエーテル1(Mn18000、Mw/Mn=2.7、旭化成ケミカルズ製、ポリ(2,6−ジメチルー1,4−フェニレンエーテル)、フェノール性水酸基数1.8個)100質量部、無水マレイン酸1.5質量部、及び2,5−ジメチル2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(パーヘキサ25B、日本油脂製)1.0質量部を室温でドライブレンドした後、シリンダー温度300℃、スクリュー回転数230rpmの条件で2軸押出し機により押出し、ポリフェニレンエーテルと無水マレイン酸との反応生成物:ポリフェニレンエーテル2(Mn18000、Mw/Mn=2.8、無水マレイン酸変性ポリフェニレンエーテル、フェノール性水酸基量0.9個)を得た。
<製造例2>ポリフェニレンエーテル3の製造方法
ポリフェニレンエーテル2を100部を加温したトルエン300部に溶解し、メタノール50部を加えて一部のポリフェニレンエーテルを沈殿させ、フィルターにより沈殿物を除去した。この溶液に再度メタノール50部を加えて析出した沈殿物を再度除去し、溶液より溶媒を除去、さらに減圧乾燥させることによりポリフェニレンエーテル3(Mn10000、Mw/Mn=4.7、無水マレイン酸変性ポリフェニレンエーテル、フェノール性水酸基量0.8個)を得た。
<製造例3>ポリフェニレンエーテル5の製造方法
90℃に加温されたオイルバスに10Lのフラスコを設置し、フラスコ内部に毎分30mlで窒素ガスを導入した。以降、操作は常に窒素ガス気流下で行った。ここに、ポリフェニレンエーテル1を1000g、及びトルエン3000gを入れ、攪拌溶解させた。更に80gのビスフェノールAをメタノール350gに溶かした溶液を上記フラスコに攪拌しながら加えた。5分間攪拌を続けた後、6質量%ナフテン酸コバルトミネラルスピリット溶液3mlを注射器で加え、5分間攪拌を続けた。続いてベンゾイルパーオキサイド溶液375gにトルエン1125gを加えて、ベンゾイルパーオキサイド濃度が10質量%になるように希釈した溶液を滴下ロートに入れ、上記フラスコに2時間かけて滴下していった。滴下終了後、更に2時間加熱及び攪拌を続け、低分子量化ポリフェニレンエーテルを含む反応液を得た。得られた反応液に多量のメタノールを加え、ポリフェニレンエーテルを沈殿させ、ろ別後、乾燥させてポリフェニレンエーテル5(Mn2500、Mw/Mn=1.6、フェノール性水酸基量1.8個)を得た。
<製造例4>ポリフェニレンエーテル6の製造方法
製造例1に記載の方法で製造した、低分子量化ポリフェニレンエーテルを含む反応液の温度を50℃に下げ、水酸化ナトリウム340gをイオン交換水3050gに溶解させた水溶液とテトラブチルアンモニウムヨード31gとを加えて、5分間撹拌した。続いて、塩化ベンジル1070gを加えてから温度50℃で4時間撹拌を続け、低分子量・ベンジル化ポリフェニレンエーテルを含む反応液を得た。該反応液を静置し、2層分離させた後、下層を除去した。更に水1000gを加え、撹拌した後静置し、再び2層に分離させた後、下層を除去した。次いで、メタノール200gを加え、同様に撹拌、静置し、2層に分離させた後、上層を除去した。更にメタノール100gを加え、同様に撹拌、静置し、2層に分離させた後、下層を回収した。これに多量のメタノールを加え、低分子量・ベンジル化ポリフェニレンエーテルを沈殿させ、ろ別後、乾燥させてポリフェニレンエーテル6(Mn2800、Mw/Mn=1.5、フェノール性水酸基量0.1個)を得た。
<製造例5>ポリフェニレンエーテル8の製造方法
特開2005−336457比較例3に記載の方法を参考に合成した。まず、酸素雰囲気下で10Lフラスコに、トルエン2500g、塩化銅(II)20.5g、およびテトラメチルエチレンジアミン20.5gを加温して攪拌した。そこに、2,6−ジメチルフェノール250gを加え、更に攪拌を続けた。30分後、濃塩酸を含む大量のメタノール溶液を添加し沈殿析出させた。これを回収し、クロロホルムで溶解させ、再度メタノールを大量に加える事で再沈殿させた。沈殿物を回収し、減圧乾燥させることにより、ポリフェニレンエーテル8(Mn44000、Mw/Mn=2.0、未変性ポリフェニレンエーテル、フェノール性水酸基量1.8個)を得た。
<製造例6>ポリフェニレンエーテル9の製造方法
特開2004−217854に記載の合成例1に記載の方法を参考に合成した。まず、10Lフラスコに、トルエン2600g、臭化銅(II)2.8g、N−N’−ジ−t−ブチルエチレンジアミン0.5g、n−ブチルジメチルアミン20gを仕込み加温しながら攪拌しておく。別途、5Lフラスコにメタノール2300g、2,2’,3,3’,5,5’−ヘキサメチル−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジオール129g、2,6−ジメチルフェノール175g、N−N’−ジ−t−ブチルエチレンジアミン0.4g、n−ブチルジメチルアミン7.8gを混合しておく。この混合液を先ほどのトルエン溶液に添加し、酸素雰囲気下で攪拌を行う。エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム14.2gと水1500gを加えた。水層を除去した後、有機層を塩酸水溶液と水で洗浄し、得られた溶液より溶媒を除去し、ポリフェニレンエーテル9(Mn500、Mw/Mn=2.1、未変性ポリフェニレンエーテル、フェノール性水酸基量1.4個)を得た。
<実施例1>
トルエン344質量部(23℃においてポリフェニレンエーテル1の溶解度は7.8質量%、ポリフェニレンエーテル5の溶解度は25質量%)をセパラブルフラスコに入れ80℃に加熱した。ポリフェニレンエーテル1を80質量部、ポリフェニレンエーテル5を20質量部、及びスチレン系エラストマー(SEBS、旭化成ケミカルズ製、H1041グレード)18質量部を加えて溶解させた。この溶液に対して、攪拌を行ないながら、25℃まで冷却を行ない、樹脂粒子(ポリフェニレンエーテル含有量97質量%)が浮遊した分散液を得た。この分散液にトリアリルイソシアヌレート(日本化成製)82質量部、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン(パーブチルP、日油製)10質量部を加え、均一に撹拌した後、デカブロモジフェニルエタン(SAYTEX8010、アルベマールジャパン製)56質量部、シリカフィラー(球状シリカ、龍森製)77質量部を加え均一に撹拌し、塗工用ワニスを得た。
ついで塗工用ワニスを、厚さ0.1mmのEガラス製ガラスクロス(2116スタイル、旭シェエーベル製)に含浸させ、スリットで余分なワニスを掻き落とした後、溶媒を乾燥除去し、樹脂含有量60質量%のプリプレグを得た。該プリプレグは、樹脂の粉落ちや剥がれが無く樹脂/基材の接着性に優れ、取り扱い性が良好なものであった。
<実施例2>
ポリフェニレンエーテル樹脂として、ポリフェニレンエーテル1を70質量部、及びポリフェニレンエーテル5を30質量部用いて分散液を製造したこと以外は実施例1と同様の手法でプリプレグを製造した。得られたプリプレグは樹脂含量59%の、樹脂/基材の接着性に優れたプリプレグであった。
<実施例3>
ポリフェニレンエーテル樹脂として、ポリフェニレンエーテル1を60質量部、及びポリフェニレンエーテル5を40質量部用いて分散液を製造したこと以外は実施例1と同様の手法でプリプレグを製造した。得られたプリプレグは樹脂含量59%の、樹脂/基材の接着性に優れたプリプレグであった。
<実施例4>
ポリフェニレンエーテル樹脂として、ポリフェニレンエーテル1を80質量部、及びポリフェニレンエーテル6(トルエンに対する溶解度は23℃において28質量%)を20質量部用いて分散液を製造したこと以外は実施例1と同様の手法でプリプレグを製造した。得られたプリプレグは樹脂含量60%の、樹脂/基材の接着性に優れたプリプレグであった。
<実施例5>
ポリフェニレンエーテル樹脂として、ポリフェニレンエーテル2(23℃においてトルエンに対する溶解度は9.5質量%)を80質量部、及びポリフェニレンエーテル5を20質量部用いて分散液を製造したこと以外は実施例1と同様の手法でプリプレグを製造した。得られたプリプレグは樹脂含量58%の、樹脂/基材の接着性に優れたプリプレグであった。
<実施例6>
ポリフェニレンエーテル樹脂として、ポリフェニレンエーテル2を70質量部、及びポリフェニレンエーテル6を30質量部用いて分散液を製造したこと以外は実施例1と同様の手法でプリプレグを製造した。得られたプリプレグは樹脂含量60%の、樹脂/基材の接着性に優れたプリプレグであった。
<実施例7>
ポリフェニレンエーテル樹脂として、ポリフェニレンエーテル3(トルエンに対する溶解度は23℃において11.5質量%)100質量部を使用して分散液を製造したこと以外は実施例1と同様の手法でプリプレグを製造した。得られたプリプレグは樹脂含量60%の、樹脂/基材の接着性に優れたプリプレグであった。
<実施例8>
ポリフェニレンエーテル樹脂として、ポリフェニレンエーテル4(Mn10000、Mw/Mn=2.7、旭化成ケミカルズ製、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、未変性ポリフェニレンエーテル、フェノール性水酸基量1.7個)(トルエンに対する溶解度は10.5質量%)55質量部及びポリフェニレンエーテル7(Mn22000、Mw/Mn=4.9、旭化成ケミカルズ製、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、未変性ポリフェニレンエーテル、フェノール性水酸基量1.7個)(トルエンに対する溶解度は7.1質量%)45質量部を使用して分散液を製造したこと以外は実施例1と同様の手法でプリプレグを製造した。得られたプリプレグは樹脂含量59%の、樹脂/基材の接着性に優れたプリプレグであった。
<実施例9>
ポリフェニレンエーテル樹脂として、ポリフェニレンエーテル5を7質量部及びポリフェニレンエーテル7を93質量部使用して分散液を製造したこと以外は実施例1と同様の手法でプリプレグを製造した。得られたプリプレグは樹脂含量61%の、樹脂/基材の接着性に優れたプリプレグであった。
<比較例1>
ポリフェニレンエーテル樹脂として、ポリフェニレンエーテル1を100質量部使用して分散液を製造したこと以外は実施例1と同様の手法でプリプレグを製造した。長径10〜15μmの樹脂粒子が浮遊した分散液が得られたが、その粘度変化率は2.2と保存安定性に劣るものであった。一方で、得られたプリプレグは樹脂剥がれが生じ接着性に欠けており、さらに加熱成型により得た積層板も吸水耐熱性に劣る結果となった。
<比較例2>
ポリフェニレンエーテル樹脂として、ポリフェニレンエーテル4を100質量部使用して分散液を製造したこと以外は実施例1と同様の手法でプリプレグを製造した。得られたプリプレグの接着性は良好なものの、積層板の耐熱性や保存安定性がやや劣る結果となった。
<比較例3>
ポリフェニレンエーテル樹脂として、ポリフェニレンエーテル7を100質量部使用して分散液を製造したこと以外は実施例1と同様の手法でプリプレグを製造した。すると、長径3μm以下の樹脂粒子が浮遊した分散液が得られたものの粘度が高く、24時間後にはさらに大きな増粘を起こした。プリプレグを何とか製造する事ができたが、樹脂/基材の接着性や吸水耐熱性に劣る結果であった。
<比較例4>
ポリフェニレンエーテル樹脂として、ポリフェニレンエーテル5を40質量部、及びポリフェニレンエーテル8(トルエンに対する溶解度は5質量%)を60質量部使用して分散液を製造したこと以外は実施例1と同様の手法でプリプレグを製造した。得られた分散液の保存安定性、及び積層板の耐熱性は劣る結果であった。
<比較例5>
特許文献 第WO2012/081705号パンフレットの実施例2に記載されている内容を追試した。ポリフェニレンエーテル1を70質量部、ポリフェニレンエーテル6を30質量部、及びエラストマーを、トルエン中、加熱溶解させることなく25℃で攪拌し、樹脂分散液を得た。粒子を観察すると不定形の長径2μm以下の粒子が存在し、また積層板は耐熱性に劣る結果であった。また、樹脂分散液が保存安定性に劣っていたことから、ポリフェニレンエーテルを加熱溶解させ、次いで結晶化させる手法が、上述した樹脂分散液を得るための有効な手法である事がわかる。
<比較例6>
ポリフェニレンエーテル樹脂として、ポリフェニレンエーテル6を使用して、エラストマーを加えて25℃でトルエン中攪拌する事で樹脂液を得た。この樹脂液ではポリフェニレンエーテルが溶解しており、保存安定性も優れていた。しかし、得られた積層板の耐熱性や誘電特性が大きく劣る結果であった。
<比較例7>
ポリフェニレンエーテル樹脂として、ポリフェニレンエーテル4を70質量部、及びポリフェニレンエーテル9(トルエンに対する溶解度は55質量%)を30質量部使用して分散液を製造したこと以外は実施例1と同様の手法でプリプレグを製造した。得られた分散液は保存安定性には優れているものの、耐熱性が大きく劣る積層板しか得られなかった。
Figure 0006254762
Figure 0006254762
実施例1から3と比較例1及び2とを比較すると、高分子量のポリフェニレンエーテルと低分子量のポリフェニレンエーテルとの混合により数平均分子量及び分散度を制御することで、分散液の流動安定性や保存安定性が良好であり、樹脂/クロスの接着性に優れたプリプレグが得られる事がわかった。この接着性に優れたプリプレグを用いると、積層板の耐熱性も良好であり、ポリフェニレンエーテルの有する優れた性能を充分に発現することが出来る。
実施例1から6、8及び9に示したとおり、2種類以上の分子量の異なるポリフェニレンエーテルを混合して分子量と分子量分布とを制御する手法でも、実施例7に示したように数平均分子量と分子量分布とが所望の条件を満たすポリフェニレンエーテルを直接合成して用いる手法でも、効果を充分発現することが確認された。
さらに実施例2と比較例5とを比較すると、同じ組成の分散液であっても、ポリフェニレンエーテル樹脂を加熱溶解した後、冷却することによって、全樹脂粒子数の80%以上の長径が所定の範囲となるように結晶粒子を形成することで、積層板の耐熱性が優れるだけでなく、さらに得られたワニスの保存安定性も優れることがわかる。以上の結果は、ポリフェニレンエーテルを用いて基板(例えばプリント基板)を製造するための有用な手段であることを示した。
本発明は、例えば高周波数帯を利用する電子機器のプリント配線板用の材料として好適に利用可能である。

Claims (5)

  1. 樹脂粒子と分散媒とを含む樹脂分散液であって、
    該樹脂粒子はポリフェニレンエーテル樹脂を70質量%以上含み、
    該分散媒は、23℃における該ポリフェニレンエーテル樹脂の溶解度が5質量%以上である有機溶媒を含み、
    該樹脂粒子の全粒子数の80%以上が3μm以上30μm以下の長径を有しており、
    該ポリフェニレンエーテル樹脂は、数平均分子量(Mn)が5000以上15000以下であり、かつ重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)が4.5以上7.5以下である、樹脂分散液。
  2. 前記ポリフェニレンエーテル樹脂が、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、及びポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)と酸無水物との反応生成物からなる群から選択される1種以上の樹脂を、合計で20質量%以上100質量%以下含む、請求項1に記載の樹脂分散液。
  3. 請求項1又は2に記載の樹脂分散液と、熱硬化性成分とを含有する、ワニス。
  4. 請求項3に記載のワニスを基材と複合し、溶媒を除去することによって得られた、樹脂複合体。
  5. 請求項4に記載の樹脂複合体の硬化物からなる層を含む、積層体。
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