JP6080455B2 - 樹脂分散液、樹脂組成物、樹脂組成物複合体及び積層板 - Google Patents
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Description
すなわち、本発明は以下のとおりのものである。
官能基化ポリフェニレンエーテル樹脂(A)が数平均分子量(Mn)5000〜40000を有し、
官能基化ポリフェニレンエーテル樹脂(A)の総量の30〜90質量%が粒子として有機溶媒(B)中に存在しており、
官能基化ポリフェニレンエーテル樹脂(A)は、ポリフェニレンエーテルの末端の水酸基が、該官能基化ポリフェニレンエーテル樹脂(A)100質量部に対し0.1質量部以上の量の官能基に官能化されている構造を有する、樹脂分散液。
[2] 前記官能基化ポリフェニレンエーテル樹脂(A)において、前記ポリフェニレンエーテルの末端の水酸基が酸無水物により官能化されている、上記[1]に記載の樹脂分散液。
[3] 前記酸無水物が、無水マレイン酸である、上記[2]に記載の樹脂分散液。
[4] 前記粒子の総数の60%以上が、長径3μm以上30μm以下を有する、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の樹脂分散液。
[5] 架橋型硬化性成分(C)及び開始剤(D)をさらに含む、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の樹脂分散液。
[6] 上記[1]〜[5]のいずれかに記載の樹脂分散液を含む、ワニス。
[7] 上記[6]に記載のワニスから溶媒を除去することによって得られる、樹脂組成物。
[8] 上記[1]〜[5]のいずれかに記載の樹脂分散液を含むワニスを基材に塗布し、次いで該ワニスが塗布された基材から溶媒を除去して得られる、樹脂組成物複合体。
[9] 上記[7]に記載の樹脂組成物から得られる層又は上記[8]に記載の樹脂組成物複合体から得られる層を含む、積層板。
本実施形態は、
官能基化ポリフェニレンエーテル樹脂(A)及び有機溶媒(B)を含み、
官能基化ポリフェニレンエーテル樹脂(A)が数平均分子量(Mn)5000〜40000を有し、
官能基化ポリフェニレンエーテル樹脂(A)の総量の30〜90質量%が粒子として有機溶媒(B)中に存在しており、
官能基化ポリフェニレンエーテル樹脂(A)は、ポリフェニレンエーテルの末端の水酸基が、該官能基化ポリフェニレンエーテル樹脂(A)100質量部に対し0.1質量部以上の量の官能基に官能化されている構造を有する、樹脂分散液を提供する。
官能基化ポリフェニレンエーテル樹脂(A)においては、ポリフェニレンエーテルの末端の水酸基が官能化されていることで、未変性ポリフェニレンエーテルと比較して、溶解液からの結晶析出温度を低くすることができ、その結果、樹脂液を加温した後冷却することによって樹脂分散液を製造する際の常温温度領域での過度な結晶粒子の成長を抑制することができる。官能化ポリフェニレンエーテルを用いることにより、樹脂分散液中の樹脂粒子の析出量と粒度とを常温温度領域で適時調整することが容易に達成できるため、常温でも流動性が良好で、ワニス安定性や塗工均一性にも優れる樹脂分散液を得ることができる。また、常温温度領域での結晶析出を抑制できることは、同時に、溶存しているポリフェニレンエーテル量を多く温存させることを可能とする。溶存しているポリフェニレンエーテルは、基材との濡れ性が高く、加熱成型時の樹脂組成物の粘度を低下させることも可能なため、樹脂と基材との優れた接着性や樹脂組成物複合体層の優れた剥離強度を与え、その樹脂組成物複合体より製造した硬化体も優れた耐熱性を有する。
で表される構造を含む。すなわちR9は官能化によって導入された官能基である。官能基化ポリフェニレンエーテル樹脂(A)は、官能化された構造(例えば上記式(1)で表される構造)に加え、未変性構造(例えば上記式中のR9の部位が水素原子である構造)を有してもよい。官能基化ポリフェニレンエーテル樹脂(A)は、ポリフェニレンエーテル骨格を有する2種以上の樹脂の混合物であってもよく、官能基化ポリフェニレンエーテル樹脂(A)全体として本発明所定の特性を満足すればよい。例えば、官能基化ポリフェニレンエーテル樹脂(A)は、本発明の効果を損なわない範囲で、未変性ポリフェニレン分子を含んでもよい。
(粒子比率)=(粒子の質量(a))÷(固形分総質量(c)) (1)
により、樹脂分散液サンプル中の固形分総質量を100質量%としたときの粒子の比率を得ることが出来る。
樹脂分散液から溶剤含有量が1質量%以下となるように、該溶剤の沸点以下の温度で溶剤を乾燥除去する。次いで、溶剤が乾燥除去された分散液1.5gに23℃±3℃の質量比95:5のトルエンとメタノールの混合溶剤を20g加える。23℃±2℃の恒温室で、5分毎に激しく振とうしながら、1時間経過させる。次いで、同恒温室内で24時間静置させる。次いで、上澄み液を取り除き、質量比95:5のトルエンとメタノールの混合溶剤を5g加え、激しく振とうした後、同恒温室内で24時間静置させる。次いで上澄み液を取り除き、質量比95:5のトルエンとメタノールの混合溶剤を5g加える。次いで、溶剤を乾燥して除去した後に、クロロホルム中に展開し、不溶分をろ別して除去し、抽出物を得る(以下、この抽出物を「抽出物(A)」ともいう。)。一方、遠心分離法等の方法により樹脂分散液から粒子を沈降させ、粒子を含まない上澄み液を得る。この上澄み液から溶媒を加熱乾燥等の方法により完全に除去して残渣を得る。この残渣をクロロホルム中に展開し、不溶分をろ別して除去し、抽出物を得る(以下、この抽出物を抽出物(B)ともいう)。抽出物(A)中及び抽出物(B)中のそれぞれのポリフェニレンエーテル量をカーボン核磁気共鳴分光法にて定量を行い、抽出物(A)中のポリフェニレンエーテルの比率(PA)及び抽出物(B)中のポリフェニレンエーテルの比率(PB)(それぞれ質量基準)を得る。これらの値を用い、下記式(2):
(官能基化ポリフェニレンエーテル粒子比率)=(粒子の質量(a)×比率(PA))÷(粒子の質量(a)×比率(PA)+溶解成分の質量(b)×比率(PB)) (2)
により、官能基化ポリフェニレンエーテル粒子比率を算出することができる。
樹脂分散液に含まれる有機溶媒(B)としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族有機溶剤、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、及びメタノール、エタノール、ブタノール等のアルコール類が挙げられる、有機溶媒(B)は、これらの1種からなる溶剤であってもよく、又は2種以上の混合溶剤であっても良い。
本実施形態の樹脂分散液は、上記官能基化ポリフェニレンエーテル樹脂(A)及び有機溶媒(B)に加え、追加の成分を含有してもよい。例えば、樹脂分散液は、架橋型硬化性成分(C)及び開始剤(D)をさらに含むことができる。好ましい態様において、樹脂分散液は、難燃剤、他の樹脂、各種添加剤等をさらに含有してもよい。樹脂分散液は、単独で、又は更に他の物質と組合せてワニスとして使用出来る。一方、本実施形態の樹脂分散液は官能基化ポリフェニレンエーテル樹脂(A)及び有機溶媒(B)からなることができる。この場合、樹脂分散液を、単独で、又は追加の成分(例えば上述したようなもの)と組合せてワニスとして使用できる。
本実施形態の樹脂分散液を製造する手法としては、例えば、ポリフェニレンエーテルを非ハロゲン溶剤中に添加し、加温してポリフェニレンエーテルを溶解させた後に温度降下させる方法(以下、「結晶分散法」ともいう。)を挙げることができる。ポリフェニレンエーテルを非ハロゲン溶剤中に添加し、加温して溶解させた後に温度降下させてポリフェニレンエーテル結晶粒子を得る方法においては、ポリフェニレンエーテルが固形分中70質量%以上含まれる樹脂溶解液を用い、温度降下により粒子を得るのがよい。長径が3μm以上30μm以下の粒子の数が粒子総数の60%以上であることが、塗工に適切な粘度が得られる点で、好ましい。
本発明の別の態様は、上述した本発明の樹脂分散液を含むワニスを提供する。
本発明の別の態様は、該ワニスから溶媒を除去することによって得られる、樹脂組成物を提供する。
本発明の別の態様は、上述した本発明の樹脂分散液を含むワニスを基材に塗布し、次いで該ワニスが塗布された基材から溶媒を除去して得られる、樹脂組成物複合体を提供する。樹脂組成物複合体は例えばプリプレグであることができる。
また、本発明の別の態様は、上述した本発明の樹脂分散液を含むワニスを基材に塗布する工程、及び該ワニスが塗布された基材から溶媒を除去する工程を含む樹脂組成物複合体(例えばプリプレグ)の製造方法を提供する。
また、本発明の別の態様は、上述した本発明の樹脂組成物から得られる層又は上述した本発明の樹脂組成物複合体(例えばプリプレグ)から得られる層を含む積層板を提供する。
また、本発明の別の態様は、基板上に上述した本発明の樹脂組成物又は樹脂組成物複合体(例えばプリプレグ)を積層する工程、及び、該樹脂組成物又は該樹脂組成物複合体が積層された基板を加熱加圧成型する工程を含む積層板の製造方法を提供する。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィ分析(GPC)を用い、分子量既知の標準ポリスチレンの溶出時間との比較で数平均分子量を求めた。
測定装置にはHLC−8220GPC(東ソー株式会社製)を用い、カラム:Shodex GPC K−806L×3(昭和電工株式会社製)、溶離液:50℃のクロロホルム、検出器:RI、カラム温度40℃の条件で測定を行った。
樹脂分散液を遠心分離を行う事により粒子を沈殿させ、上澄み液を取り除き、質量比95:5のトルエンとメタノールの混合溶剤を5g加え、激しく振とうした後、同恒温室内で24時間静置させた。次いで上澄み液を取り除き、質量比95:5のトルエンとメタノールの混合溶剤を5g加えた。この抽出物を試料台に滴下し、溶剤を揮発させた後に、SEM−EDX観察を行い、炭素、酸素、水素の合計が95%以上の粒子をPPE粒子(A)として、その一次粒子の長径を計測した。粒子400個以上を無作為に抽出し、それらの粒子に対し長径を測定することにより粒子径の分布を測定した。それらの数平均となる粒子径を算出し、それを中心に90個数%及び60個数%を占める粒子分布範囲を測定した。
まず、遠心分離法により樹脂分散液から粒子を沈降させ、上澄み液を官能基化ポリフェニレンエーテル溶解液として得た。この溶液を1g採取し、溶媒を加熱乾燥により完全に除去し、得られた固形分の質量を測定して、溶液1gあたりの溶解成分質量比を測定した。一方で、粒子を含む元の樹脂分散液を所定量採取し(以下、樹脂分散液サンプルという)、樹脂分散液サンプルから加熱乾燥で溶媒を回収する事で、樹脂分散液サンプル中の固形分総質量(c)及び溶媒量を測定した。この溶媒量と、先の溶解成分質量比とから、該樹脂分散液サンプル中の溶解成分の質量(b)を算出した。また樹脂分散液サンプルの乾燥後の固形分総質量(c)から溶解成分の質量を減ずることで、樹脂分散液サンプル中に存在していた粒子の質量(a)を算出した。最終的に、下記式(1):
(粒子比率)=(粒子の質量(a))÷(固形分総質量(c)) (1)
により、樹脂分散液サンプル中の固形分総質量を100質量%としたときの粒子の比率を得た。
一方、上記2)と同様に得た抽出物につき、抽出後の粒子をクロロホルムで溶解させ、不溶分をろ別して除去し、抽出物(A)を得た。一方、遠心分離により樹脂分散液から粒子を沈降させ、粒子を含まない上澄み液を得た。この上澄み液から溶媒を加熱乾燥により完全に除去して残渣を得た。この残渣をクロロホルムに溶解させ、不溶分をろ別して除去し、抽出物(B)を得た。
抽出物(A)中のポリフェニレンエーテルの比率(PA)及び抽出物(B)中のポリフェニレンエーテルの比率(PB)(それぞれ質量基準)をカーボン核磁気共鳴分光法にて測定した。化学シフトの基準としてテトラメチルシランを使用し、そのピークを0ppmとした。ポリフェニレンエーテル樹脂特有である、16.8、114.4、 132.5、145.4、154.7ppm近傍のピークよりポリフェニレンエーテルの含有比率(質量基準)を算出した。下記式(2):
(官能基化ポリフェニレンエーテル粒子比率)=(粒子の質量(a)×比率(PA))÷(粒子の質量(a)×比率(PA)+溶解成分の質量(b)×比率(PB)) (2)
により、官能基化ポリフェニレンエーテル粒子比率を算出した。
B型粘度計、ローターNo.3を用い、25℃、30rpm、30秒の条件で粘度の測定を行った。
プリプレグを180°に折り曲げた際に、樹脂粉落ち、あるいは樹脂剥離が生じるかを調べ、評価した。まず、プリプレグを200mm×300mmの大きさにカッター刃を用いて切り出した。次いで、長方形の長辺側2辺が重なるようにプリプレグを180°に折り曲げた後、元に戻した。次いで、長方形の短辺側2辺が重なるようにプリプレグを180°に折り曲げた後、元に戻した。上述の一連のプリプレグの取り扱いにおいて、樹脂粉落ち及び樹脂剥離が目視で観察されなかったものは「良好」と評価した。一方、樹脂粉落ち又は樹脂剥離が目視で観察されたものは「不良」と評した。
プリプレグを2枚重ねたものの両面に厚さ18μmの銅箔(古河電工製、GTS−MP箔)を重ねて、200℃、40kg/cm2の条件で60分間加熱加圧成型し、厚さ0.3mmの銅張積層板を作製した。銅箔をエッチングにより除去し、プリプレグの硬化物である50mm×50mmの積層板を水洗し、130℃で1時間加熱乾燥した後、121℃、2atmの条件で3時間処理した後、260℃のハンダに20秒浸漬させ、積層板の表面を観察した。表面に膨れ及び白化が目視で観察されなかったものを「OK」、膨れ又は白化が目視で観察されたものを「NG」とした。
積層板の1GHzにおける誘電率及び誘電正接を、インピーダンスアナライザーを用いて測定した。測定装置としてインピーダンスアナライザー(4291B op.002 with 16453A,16454A、AgilentTechnologies社製)を用い、試験片厚さ:約2mm、電圧:100mV、周波数:1mmHz〜1.8GHzの条件で測定し、掃引回数100回の平均値として求めた。
プリプレグを2枚重ねたものの両面に厚さ18μmの銅箔(古河電工製、GTS−MP箔)を重ねて、200℃、40kg/cm2の条件で60分間加熱加圧成型し、厚さ0.3mmの銅張積層板を作製した。銅箔をエッチングにより除去し、水洗して風乾した後の基板について、RDAII(TAインストゥルメント製)で、昇温速度2.5℃、ステップ昇温で粘弾性測定を実施し、tanδのピークの現れる温度をガラス転移温度(Tg)とした。
表1に示す通り、マレイン酸変性ポリフェニレンエーテル1(官能基化ポリフェニレンエーテル樹脂(A)として)を25部とトルエン(有機溶媒(B)として)75部に加えて、ポリスチレン(旭化成ケミカルズ製、GPPS685)1.53部を80℃で溶解させた後、35℃まで冷却させて分散液を作製した。この分散液について、粒子の粒子径(長径として)分布、粒子成分比率及び粘度を測定した、結果を表1に示す。この、粘度360mPa.sの分散液に、TAIC(日本化成製)(架橋型硬化性成分(B)として)11.4部、デカブロモジフェニルエタン(アルベマール製、SAYTEX8010)(難燃剤として)8部、及びα,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン(日油製、パーブチルP)(開始剤(D)として)0.76部を添加し、本発明の樹脂分散液を得た。なお、マレイン酸変性ポリフェニレンエーテル1の粒子の評価は上記の分散液について行ったが、該粒子の存在状態は樹脂分散液中においても同様であると考えられる。以上の手順で、樹脂分散液からなる塗工用ワニスを得た。これを0.1mm厚みのEガラスクロス(旭シュエーベル製、2116タイプ)に含浸させ、溶媒除去することによって、樹脂含有率59%のプリプレグを得た。樹脂/クロスの接着性は良好で、取り扱い性に優れるものであった。
マレイン酸変性ポリフェニレンエーテル1を22.5部、トルエン77.5部、ポリスチレン1.37部より同様の手法で分散液を得た。TAIC(日本化成製)10.2部、デカブロモジフェニルエタン(アルベマール製、SAYTEX8010)7部、及びα,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン(日油製、パーブチルP)0.69部を添加して塗工用ワニスとし、実施例1と同じ手法で樹脂含有率60%のプリプレグを得た。樹脂/クロスの接着性に優れたプリプレグであった。
官能基化ポリフェニレンエーテル樹脂(A)としてマレイン酸変性ポリフェニレンエーテル2を用いた以外は実施例1と同様の手法でワニス、プリプレグを得た。樹脂含量は58%であり、樹脂/クロスの接着性に優れたプリプレグであった。
官能基化ポリフェニレンエーテル樹脂(A)としてマレイン酸変性ポリフェニレンエーテル2とマレイン酸変性ポリフェニレンエーテル3の混合物を用いた以外は実施例1と同様の手法でワニス、プリプレグを得た。樹脂含有率は59%であり、樹脂/クロスの接着性に優れたプリプレグであった。
官能基化ポリフェニレンエーテル樹脂(A)としてマレイン酸変性ポリフェニレンエーテル2と低分子量ベンジル基変性ポリフェニレンエーテル2の混合物を用いた以外は実施例1と同様の手法でワニス、プリプレグを作製し、樹脂含有率58%のプリプレグを得た。ベンジル基による官能化も、マレイン酸変性と同様、結晶析出抑制の効果をもたらし、樹脂/クロスの接着性に優れたプリプレグが得られた。
官能化ポリフェニレンエーテル(A)として、マレイン酸変性ポリフェニレンエーテルの代わりにメタクリル酸変性ポリフェニレンエーテルを使用した以外は、実施例1に記載の方法でワニス、プリプレグを作製し、樹脂含有率60%のプリプレグを得た。メタクリル基による官能化も、マレイン酸変性と同様、結晶析出抑制の効果をもたらし、樹脂/クロスの接着性に優れたプリプレグが得られた。
官能化ポリフェニレンエーテル(A)として、マレイン酸変性ポリフェニレンエーテルの代わりにベンジル基変性ポリフェニレンエーテル1を使用した以外は、実施例1に記載の方法でワニス、プリプレグを作製し、樹脂含有率58%のプリプレグを得た。ベンジル基による官能化も、マレイン酸変性と同様、結晶析出抑制の効果をもたらし、樹脂/クロスの接着性に優れたプリプレグが得られた。
官能基化ポリフェニレンエーテル樹脂(A)に代えて未変性ポリフェニレンエーテルを使用した以外は、実施例1と同様にワニス、プリプレグを作製した。樹脂含有率58%のプリプレグが得られたが、結晶が過剰に析出してしまった結果、分散液中に溶存しているポリフェニレンエーテルが少なくなっているために、樹脂がクロスより剥がれ落ちる取り扱い性の劣ったものであった。
官能基化ポリフェニレンエーテル樹脂(A)に代えて未変性ポリフェニレンエーテルを使用した以外は、実施例2と同様にワニス、プリプレグを作製した。樹脂含有率60%のプリプレグが得られ、樹脂がクロスより剥がれ落ちる取り扱い性の劣ったものであった。
官能基化ポリフェニレンエーテル樹脂(A)として低分子量ベンジル基変性ポリフェニレンエーテル2を使用した以外は、実施例1と同様にワニス、プリプレグを作製した。樹脂含有率58%のプリプレグが得られ、樹脂とクロスの接着性には優れたプリプレグではあったものの、成型後のハンダ耐熱性は劣り、Tgも低いものとなった。
Claims (9)
- 官能基化ポリフェニレンエーテル樹脂(A)及び有機溶媒(B)を含み、
官能基化ポリフェニレンエーテル樹脂(A)が数平均分子量(Mn)5000〜40000を有し、
官能基化ポリフェニレンエーテル樹脂(A)の総量の30〜90質量%が粒子として、残部が溶存状態で、有機溶媒(B)中に存在しており、
官能基化ポリフェニレンエーテル樹脂(A)は、ポリフェニレンエーテルの末端の水酸基が、該官能基化ポリフェニレンエーテル樹脂(A)100質量部に対し0.1質量部以上の量の官能基に官能化されている構造を有し、
有機溶媒(B)が、ベンゼン、トルエン及びキシレンからなる群から選択される1種以上である、樹脂分散液。 - 前記官能基化ポリフェニレンエーテル樹脂(A)において、前記ポリフェニレンエーテルの末端の水酸基が酸無水物により官能化されている、請求項1に記載の樹脂分散液。
- 前記酸無水物が、無水マレイン酸である、請求項2に記載の樹脂分散液。
- 前記粒子の総数の60%以上が、長径3μm以上30μm以下を有し、前記長径が、下記手順:
樹脂分散液を遠心分離して粒子を沈殿させ、上澄み液を取り除いて沈殿物1を得ること;
前記沈殿物1に、質量比95:5のトルエンとメタノールの混合溶剤を加え、振とう後、23℃±2℃の恒温室内で24時間静置させた後、上澄み液を取り除いて沈殿物2を得ること;
前記沈潜物2に、質量比95:5のトルエンとメタノールの混合溶剤を加えて混合液を得ること;
前記混合液を試料台に滴下し、溶剤を揮発させて観察用試料を得ること;
前記観察用試料のSEM−EDX画像を得ること;及び
前記SEM−EDX画像において、炭素、酸素及び水素の合計が95%以上の粒子を400個以上選択し、当該粒子の一次粒子長径を計測すること;
に従って測定されたものである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂分散液。 - 架橋型硬化性成分(C)及び開始剤(D)をさらに含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂分散液。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂分散液を含む、ワニス。
- 樹脂組成物の製造方法であって、請求項6に記載のワニスから溶媒を除去することを含む、方法。
- 樹脂組成物複合体の製造方法であって、請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂分散液を含むワニスを基材に塗布し、次いで該ワニスが塗布された基材から溶媒を除去することを含む、方法。
- 積層板の製造方法であって、請求項7に記載の方法で樹脂組成物の層を得ること、又は請求項8に記載の方法で樹脂組成物複合体の層を得ること、を含む、方法。
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