JP2016020649A - 筒内噴射式内燃機関の制御装置 - Google Patents

筒内噴射式内燃機関の制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】噴射燃料の着火・燃焼を確実・安定に行い、燃焼効率を向上させる。
【解決手段】筒内噴射式内燃機関10の噴射弁20の噴孔21aは、燃焼室CCの上壁面であって燃焼室CCの略中央部に配置されている。点火プラグ30の火花発生部30aは、噴孔21aの近傍に配置されている。噴射弁から噴射された燃料の一部は火花発生部30aの近傍を通過する。制御装置(電子制御ユニット)は、噴射弁により燃料噴射を実行させる際、噴射弁の弁体のリフト量の最大値を変更することにより噴射される燃料の貫徹力を変更する。更に、制御装置は、点火時期の直前に実行される燃料噴射(直前噴射)における弁体のリフト量の最大値が小さいほど、その直前噴射の噴射終了時期と点火時期との時間が長くなるように、直前噴射の噴射終了時期を変更する。
【選択図】図1

Description

本発明は、筒内(即ち、燃焼室内)に燃料を直接噴射する噴射弁(即ち、筒内燃料噴射弁)を備える筒内噴射式内燃機関の制御装置に関する。
従来から知られる筒内噴射式内燃機関の一つは、燃焼室に噴孔が露呈するように配設された燃料噴射弁と、その噴孔近傍に火花発生部(電極部)が位置するように配設された点火プラグと、を備える(例えば、特許文献1を参照。)。この機関において、燃料噴射弁及び点火プラグは、その燃料噴射弁から噴射された燃料(実際には、燃料噴霧)が点火プラグの火花発生部に直接到達するように配置されている。これにより、火花発生部周りに着火性が良好な混合気が形成され且つその混合気を着火することができる。その結果、噴射される燃料の量を低減することができるので、燃費を改善することができる。このような機関は、燃料噴射によって噴霧を火花発生部に直接導く(ガイドする)ので、スプレーガイド方式の内燃機関とも称呼されている。
特開2008−31930号公報
スプレーガイド方式の内燃機関において、安定した着火・燃焼を実現するためには、噴射された燃料が火花発生部の近傍を通過している最中に点火を実行しなければならない。しかしながら、燃料噴射弁の噴孔と点火プラグの火花発生部との距離は短いので、「燃料が噴射された時点」から「その燃料の噴霧が火花発生部の近傍を通過して拡散してしまう時点」までの時間(以下、便宜上「点火許容時間」と称呼する。)は極めて短い。特に、上記特許文献1の図2に示されているように、燃料噴射弁の噴孔及び点火プラグの火花発生部が共に燃焼室の上部中央に配置される場合、点火許容時間は極めて短くなる。従って、燃料の気化が十分に進まない時点及び/又は燃料の噴霧に空気が十分に取り込まれていない時点にて点火が実行され、その結果、完全燃焼する燃料の割合が低下して燃焼効率が低下する。
本発明は、上述した課題に対処するためになされたものである。即ち、本発明の目的の一つは、スプレーガイド方式の内燃機関に適用され、噴射された燃料の着火・燃焼を確実に且つ安定して行うことを可能にしながら燃焼効率を向上させることができる「内燃機関の制御装置(以下、「本発明装置」と称呼する。)」を提供することにある。
本発明装置が適用される内燃機関(筒内噴射式内燃機関)は、火花発生部(電極部)を有する点火プラグと、移動可能な弁体を有する噴射弁(燃料噴射弁)と、を備える。
前記噴射弁は、前記弁体を移動することにより、その噴孔から内燃機関の筒内へ燃料を直接噴射する。更に、前記噴射弁は、その噴射弁から噴射された燃料の少なくとも一部を含む噴霧が点火プラグの火花発生部(の近傍)に直接到達するように配置・構成されている。
更に、本発明装置は制御部を備える。この制御部は、
(1)前記噴射弁により前記燃料噴射を実行させるとともに同燃料噴射における前記弁体のリフト量(移動量)の最大値を変更することにより前記噴射される燃料の貫徹力(ペネトレーション・フォース)を変更し、且つ、
(2)前記火花発生部から火花を発生させる点火時期を前記機関の運転状態に基づいて制御する。
ところで、燃料噴射中の噴射弁の弁体のリフト量の最大値(以下、「噴射中リフト量最大値」とも称呼する。)が小さいほど、噴射弁内部の噴孔入口部に到達する燃料の圧力は小さくなる。そのため、噴射中リフト量最大値が小さいほど、噴孔の出口部から筒内に噴射される燃料の貫徹力は小さくなり、噴射された燃料の移動速度(飛行速度)は小さくなる。従って、貫徹力が小さくなるほど、上述した点火許容時間は長くなる。噴射される燃料の貫徹力は、気筒壁面への燃料の付着量及び噴射すべき燃料の量等、種々の要求により変更される。一方、噴射された燃料が実際に点火されるまでの時間が長いほど、その燃料の気化が進行したり燃料噴霧中に空気がより多く巻き込まれたりするので、完全燃焼の割合が増大し、よって、燃焼効率は向上する。
そこで、本発明装置の前記制御部は、点火時期の直前に実行される燃料噴射(以下、「直前噴射」と称呼する。)の噴射終了時期から点火時期までの時間(以下、「余裕時間」とも称呼する。)」を、以下に述べるように制御する。
即ち、前記制御部は、直前噴射中の前記リフト量の最大値を第1の値に設定したときの余裕時間が、直前噴射中の前記リフト量の最大値を「前記第1の値よりも大きい第2の値」に設定したときの余裕時間、よりも長くなるように直前噴射の噴射終了時期を変更する。このとき、制御部は、点火時期を変更してもよいが、燃費の観点からは点火時期を変更しないことが好ましい。更に、制御部は、直前噴射の噴射終了時期から点火時期までの時間(余裕時間)を変更するにあたり、この時間をクランク角度(及び機関回転速度)により管理してもよい。
このように、本発明装置は、燃料が噴射されてから点火されるまでの時間を前記リフト量の最大値(従って、噴射された燃料の貫徹力)に応じて設定することができる。従って、本発明装置は、直前噴射中の前記リフト量の最大値がどのような値であっても、噴射された燃料が点火プラグの火花発生部近傍に存在している時点で点火を行うことができるので、混合気を確実に着火・燃焼させることができる。更に、本発明装置は、燃料が噴射されてから点火されるまでの時間を前記リフト量の最大値に応じて長くすることができる。従って、燃料の気化がより進んだ時点及び/又は燃料噴霧中に空気がより多く巻き込まれた時点にて燃焼を開始させることができる。この結果、本発明装置は、燃焼効率を向上することができる。
ところで、直前噴射を行うときの燃料圧力(噴射弁に供給される燃料の圧力)が低いほど噴射される燃料の貫徹力は小さくなる。そこで、前記制御部は、前記直前噴射を行うときの燃料圧力が低いほど「前記直前噴射の噴射終了時期から前記点火時期までの時間(余裕時間)」が長くなるように前記直前噴射の噴射終了時期を変更する。これにより、燃料圧力が変化する場合においても、安定した着火・燃焼を実現しながら、燃焼効率を向上することができる。
更に、前記制御部は、前記直前噴射に加え同直前噴射の前の時点にて、前記噴射弁により前記燃料噴射を先行噴射として実行させるように構成され得る。この場合、先行噴射が「直前噴射により噴射された燃料(噴霧)」に及ぼす影響を考慮することが好ましい。
例えば、先行噴射により気筒内に気流が発生する。この気流は直前噴射の実行時点まで残存することがある。この「先行噴射により筒内に生成され且つ直前噴射の実行時点において筒内に残存している気流」は、単に「残存気流」とも称呼される。残存気流が強いほど、直前噴射により噴射された燃料の貫徹力及び/又は移動速度は大きくなる。従って、残存気流が強いほど、上述した点火許容時間が短かくなるから、上述した余裕時間を短くすることが望ましい。
そこで、前記制御部は、
残存気流の強さに相関を有する第1パラメータを取得するとともに、前記残存気流が強いほど「前記直前噴射の噴射終了時期から前記点火時期までの時間(余裕時間)」が短くなるように、前記取得した第1パラメータに応じて前記直前噴射の噴射終了時期を変更する、ように構成され得る。
これによれば、余裕時間が残存気流の強さに応じた適切な時間に設定され得る。即ち、先行噴射により発生させられる気筒内の気流に起因して上述した点火許容時間が変化した場合であっても、燃焼変動が悪化することを抑えながら燃焼効率をより良好な値にすることができる。
この場合、前記制御部は、前記第1パラメータとして、
前記先行噴射の噴射終了時期から前記直前噴射の噴射開始時期までの時間、
前記先行噴射により噴射される燃料の量、
前記先行噴射を行うときの燃料圧力、及び、
前記先行噴射における前記弁体のリフト量の最大値、
の少なくとも一つを取得することができる。
これらのパラメータと残存気流の強さとの関係は以下のとおりである。
前記先行噴射の噴射終了時期から前記直前噴射の噴射開始時期までの時間が短いほど前記残存気流はより強くなる。
前記先行噴射により噴射される燃料の量が多いほど前記残存気流はより強くなる。
前記先行噴射を行うときの燃料圧力が高いほど前記残存気流はより強くなる。
前記先行噴射における前記弁体のリフト量の最大値が大きいほど前記残存気流はより強くなる。
代替として、前記制御部は、
前記先行噴射の噴射終了時期から前記直前噴射の噴射開始時期までの時間、
前記先行噴射により噴射される燃料の量、及び、
前記先行噴射を行うときの燃料圧力、
のうちの少なくとも2つ以上に基づいて、前記第1パラメータを算出するように構成されてもよい。
ところで、本発明装置の一態様に係る噴射弁は、少なくとも前記弁体が移動された状態において前記噴孔が連通するサック室(燃料溜まり)を当該噴射弁の先端部に備えている。この場合、サック室内に生じている燃料の流動が強いほど、噴射される燃料の拡散度合が高まるから、噴射された燃料の貫徹力は低下する。
そこで、前記制御部は、前記直前噴射の実行時点において前記サック室内に残留している燃料流動(以下、「サック室燃料流動」とも称呼する。)の強さに相関を有する第2パラメータを取得する。更に、前記制御部は、前記サック室燃料流動が強いほど前記直前噴射の噴射終了時期から前記点火時期までの時間(即ち、余裕時間)が長くなるように、前記取得した第2パラメータに応じて前記直前噴射の噴射終了時期を変更する。これによれば、直前噴射の燃料の貫徹力がサック室燃料流動の影響を受けて変化して上述した点火許容時間が変化した場合であっても、燃焼変動が悪化することを抑えながら燃焼効率をより良好な値にすることができる。
この場合、前記制御部は、前記第2パラメータとして、
前記先行噴射の噴射終了時期から前記直前噴射の噴射開始時期までの時間、
前記先行噴射により噴射される燃料の量、
前記先行噴射を行うときの燃料圧力、
前記先行噴射における前記弁体のリフト量の最大値、及び、
前記サック室内の圧力に基づいて取得されるサック室内の燃料圧力の変動量、
の少なくとも一つを取得することができる。
これらのパラメータとサック室燃料流動の強さとの関係は以下のとおりである。
前記先行噴射の噴射終了時期から前記直前噴射の噴射開始時期までの時間が短いほど前記サック室燃料流動はより強くなる。
前記先行噴射により噴射される燃料の量が多いほど前記サック室燃料流動はより強くなる。
前記先行噴射を行うときの燃料圧力が高いほど前記サック室燃料流動はより強くなる。
前記先行噴射における前記弁体のリフト量の最大値が大きいほど前記サック室燃料流動はより強くなる。
前記サック室内の圧力に基づいて取得されるサック室内の燃料圧力の変動量が大きいほど前記サック室燃料流動はより強くなる。
代替として、前記制御部は、
前記先行噴射の噴射終了時期から前記直前噴射の噴射開始時期までの時間、
前記先行噴射により噴射される燃料の量、及び、
前記先行噴射を行うときの燃料圧力、
のうちの少なくとも2つ以上に基づいて、前記第2パラメータを算出するように構成されてもよい。
加えて、本発明装置の制御部の一態様は、前記直前噴射の実行時点において前記筒内に残存している気流(残存気流)の強さと、前記直前噴射の実行時点において前記サック室内に残留している燃料流動(サック室燃料流動)の強さと、の両方を考慮して、余裕時間を変更するように構成され得る。即ち、前記制御部は、前記残存気流の強さが強いほど前記余裕時間を短くし、前記サック室燃料流動の強さが強いほど前記余裕時間を長くする、ように構成され得る。
この場合、前記制御部は、
前記先行噴射の噴射終了時期から前記直前噴射の噴射開始時期までの時間、
前記先行噴射により噴射される燃料の量、及び、
前記先行噴射を行うときの燃料圧力、
のうちの少なくとも一つを、前記第1パラメータ及び前記第2パラメータに共通のパラメータとして取得するとともに、前記先行噴射により前記筒内に生成される気流及び前記先行噴射により前記サック室内に生成される燃料流動が「前記直前噴射により噴射された燃料の貫徹力に及ぼす影響」を補正するための補正量を、前記共通のパラメータに基づいて求め、その補正量を用いて「前記直前噴射の噴射終了時期から前記点火時期までの時間(余裕時間)」を修正するように構成され得る。これによれば、より一層適切な余裕時間を設定できるので、燃焼変動が悪化することを抑えながら燃焼効率を一層良好な値にすることができる。
本発明の他の目的、他の特徴及び付随する利点は、以下の図面を参照しつつ記述される本発明の各実施形態についての説明から容易に理解されるであろう。
図1は、本発明の第1実施形態に係る制御装置(第1装置)が適用される内燃機関の任意の一つの気筒の部分概略縦断面図である。 図2の(A)及び(B)は、図1に示した気筒(燃焼室)における噴射燃料の噴霧形状を示した同気筒の平面図である。 図3は、図1に示した噴射弁の概略縦断面図である。 図4は、図1に示した噴射弁の先端部の正面図である。 図5の(A)乃至(C)は、図1に示した噴射弁の先端部を当該噴射弁の中心軸に沿う平面にて切断した部分断面図である。 図6は、図1に示した噴射弁の弁体(ニードル弁)のリフト量及び噴射弁駆動信号を示したタイムチャートである。 図7は、第1装置の電子制御ユニットのブロック図である。 図8の(A)は噴射終了時期から点火時期までの時間(噴射・点火時間)に対する燃焼変動を表す値の変化を示す図であり、図8の(B)は噴射・点火時間に対する燃焼効率の変化を示す図である。 図9は、図7に示した電子制御ユニットのCPUが実行するルーチンを示したフローチャートである。 図10の(A)は各噴射のタイミングを示した図であり、図10の(B)は直前噴射及び先行噴射におけるニードルリフト量の変化を示したタイムチャートである。 図11は、本発明の第2実施形態に係る制御装置(第2装置)のCPUが実行するルーチンを示したフローチャートである。 図12は、図1に示した燃焼室内において発生する気流を示した、任意の一つの気筒の部分概略縦断面図である。 図13は、先行噴射実行中における燃料圧力と補正係数との関係を示したグラフである。 図14は、先行噴射実行中におけるニードルリフト量の最大値と補正係数との関係を示したグラフである。 図15は、先行噴射により気筒内に生成された気流の強さと補正係数との関係を示したグラフである。 図16は、本発明の第3実施形態に係る制御装置(第3装置)のCPUが実行するルーチンを示したフローチャートである。 図17は、先行噴射の噴射量と補正係数との関係を示したグラフである。 図18は、先行噴射実行中における燃料圧力と補正係数との関係を示したグラフである。 図19は、サック室内流動強さと補正係数との関係を示したグラフである。
以下、本発明の各実施形態に係る「内燃機関の制御装置(以下、「本制御装置」と称呼する場合がある。)」について図面を参照しながら説明する。
<第1実施形態>
(構成)
本発明の第1実施形態に係る制御装置(以下、単に「第1装置」と称呼する。)は、図1に示した内燃機関(以下、「機関」と称呼する。)10に適用される。機関10は、ピストン往復動型・筒内噴射(直噴)・火花点火式・多気筒(本例では4気筒)・ガソリン機関である。機関10は、燃焼室(気筒)CCを備えている。
燃焼室CCは、シリンダボア壁面(気筒の側壁面)11と、シリンダヘッド下壁面(燃焼室上壁面)12と、ピストンの冠面13と、後述する「吸気弁16及び排気弁17」と、により画定される略円筒状の空間である。
シリンダヘッド部には、燃焼室CCに連通した吸気ポート14と、燃焼室CCに連通した排気ポート15と、が形成されている。シリンダヘッド部には、吸気弁16と、排気弁17と、が配設されている。吸気弁16は図示しない吸気カムシャフトのカムにより「吸気ポート14と燃焼室CCとの接続部」を開閉するようになっている。排気弁17は、図示しない排気カムシャフトのカムにより「排気ポート15と燃焼室CCとの接続部」を開閉するようになっている。従って、燃焼室CCは、吸気弁16及び排気弁17により開閉されるようになっている。
なお、実際には、一つの燃焼室CCに対して一対の吸気ポート14が形成されている。それぞれの吸気ポート14と燃焼室CCとの接続部は、一対の吸気弁16のそれぞれによって開閉させられる。同様に、一つの燃焼室CCに対して一対の排気ポート15が形成されている。それぞれの排気ポート15と燃焼室CCとの接続部は、一対の排気弁17のそれぞれによって開閉させられる。
更に、機関10は、噴射弁(燃料噴射弁、フューエルインジェクタ)20及び点火プラグ30を備えている。
噴射弁20はシリンダヘッドに配設されている。噴射弁20の燃料の噴孔21aは、シリンダヘッドの下壁面12であって燃焼室CCの略中央部(シリンダボアの中心軸CLが通過する領域近傍位置)において燃焼室CCに露出している。
点火プラグ30は、噴射弁20に隣接するようにシリンダヘッドに配設されている。図1、図2の(A)及び図2の(B)に示したように、点火プラグ30の火花発生部(中心電極及び接地電極を含む電極部)30aは、シリンダヘッドの下壁面12であって噴孔21aに近接した位置(燃焼室CCの略中央部)において燃焼室CCに露出している。
噴射弁20は、図3に示したように、ノズル本体部21と、弁体としてのニードル弁22と、スプリング23と、ソレノイド24と、を備えている。
ノズル本体部21には、円筒状空間A1と、円筒状空間A2と、円筒状空間A3と、が形成されている。これらの空間は、何れも中心軸CNに関して同軸的に形成され、互いに連通している。ノズル本体部21の先端部には、図4に示したように、複数(本例において8個)の噴孔21aが形成されている。
複数の噴孔21aのそれぞれは円筒状空間A1と外部とを連通する連通孔である。更に図5の(A)乃至(C)に示したように、ノズル本体部21の先端部であって複数の噴孔21aに囲まれた領域内には、燃料が貯留される略半球状のサック室Skが形成されている。
複数の噴孔21aは、図4に示したように、ノズル本体部21の先端部に、中心軸CNを中心とした円周上に周方向において互いに等間隔となるように形成されている。それ故、燃料が噴孔21aを介して噴射されたとき、燃料噴霧Fmの形状は図1及び図2に示したような形状となる。前述した点火プラグ30の火花発生部30aは、「噴孔21aから噴射された燃料の少なくとも一部を含む燃料噴霧」が直接到達する位置に設定されている。より具体的には、図2の(B)に示したように、火花発生部30aは、火花発生部30a側に噴射されて形成される「噴霧Fma及びFmb」との間に位置し、これらの噴霧の一部が到達する位置に配置されている。このように火花発生部30aへの燃料の案内が、噴射弁20による噴射(スプレー)によって行われるので、機関10はスプレーガイド式内燃機関とも称呼される。
再び図3を参照すると、ノズル本体部21の基端部には、円筒状空間A3と燃料配管(図示省略)とを連通する燃料取込孔21bが形成されている。
ニードル弁22は、小径の円柱形状を有する円柱部22aと、大径の円柱形状を有する鍔部22bと、を有している。円柱部22aの先端は略半球形状を有する。円柱部22aの先端側は円筒状空間A1内に収容されている。その結果、ノズル本体部21の先端側部の周りに燃料通路FPが形成されている。鍔部22bは円筒状空間A2内に収容されている。ニードル弁22は、中心軸(ニードル弁軸線)CNに沿って移動するようになっている。
更に、ニードル弁22の内部には「ニードル弁22の基端部と円柱部22aの先端側部の外周壁面とを連通する燃料通路」が形成されている。その結果、燃料取込孔21bから円筒状空間A3に流入する燃料は、このニードル弁22内の燃料通路を通過して燃料通路FPに供給される。
スプリング23は、円筒状空間A3内に配置されている。スプリング23は、ニードル弁22を噴孔21a側に付勢するようになっている。
ソレノイド24は、ノズル本体部21の基端部の近傍であって、円筒状空間A2の周囲に配設されている。ソレノイド24は、後述するECU40からの噴射弁駆動信号により通電状態となり、その場合、ニードル弁22をスプリング23の付勢力に抗して燃料取込孔21b側(基端部側)に移動させる磁力を発生する。
ソレノイド24が非通電状態であるとき、ニードル弁22の先端部(円柱部22aの先端)はスプリング23によってノズル本体部21の先端部内周壁面(シート部)Shに押し付けられる。この状態のニードル弁22の中心軸CN方向の移動量が「0」であると定義される。以下において、ニードル弁22の中心軸CN方向の移動量は「ニードルリフト量」又は「リフト量」と称呼される場合がある。
図5の(A)に示したように、ニードルリフト量が「0」であるとき、噴孔21aはニードル弁22の先端部によって閉じられる。その結果、燃料通路FPから噴孔21aの内部に燃料が供給されないから、燃料は噴射されない。従って、シート部Shの噴孔21aの周囲はニードル弁22の弁座を構成していると言うことができる。
ソレノイド24が通電状態となってニードル弁22が基端部側へと移動してニードルリフト量が「0」よりも大きくなると、図5の(B)及び(C)に示したように、ニードル弁22の先端部はシート部Shから離れる。その結果、噴孔21aが開かれるので、燃料が噴孔21aを介して噴射される。
ニードルリフト量が所定の大きさになると、図3に示した鍔部22bがノズル本体部21の円筒状空間A2を形成している壁部と当接する。その結果、ニードル弁22の動きが規制される。このときのニードルリフト量は「最大リフト量(又は、フルリフト量)」と称呼される。即ち、ニードルリフト量は、「0」から「最大リフト量」までの範囲で変化する。
図5の(C)に示した「燃料噴射中のニードルリフト量の最大値が最大リフト量に到達する態様での燃料噴射」はフルリフト噴射とも称呼される。これに対し、図4の(B)に示した「燃料噴射中のニードルリフト量の最大値が最大リフト量よりも小さいリフト量である態様における燃料噴射」はパーシャルリフト噴射とも称呼される。以下において、「0」と「最大リフト量」との間のリフト量は「パーシャルリフト量」と称呼される場合がある。
ニードルリフト量は、ソレノイド24への通電時間を変更することによって制御される。換言すると、燃料噴射の開始、停止及び燃料噴射中におけるニードルリフト量の最大値は、ソレノイド24への通電タイミングに基づいて制御される。
例えば、燃料噴射中におけるニードルリフト量の最大値を図6の第1リフト量に設定したパーシャルリフト噴射は次に述べるように実行される。即ち、噴射弁駆動信号が時刻t1において「0」から所定電圧VInjへと変更されると弁体22の移動が開始する。その後、時刻t2にて弁体22のリフト量は「最大リフト量よりも小さい第1リフト量」に到達する。この時刻t2にて噴射弁駆動信号が所定電圧VInjから「0」へと変更される。その結果、ニードルリフト量は、一点鎖線PLInj1により示したように、第1リフト量から減少して時刻t2の直後にて「0」に到達する。燃料は時刻t1から時刻t2の直後の時刻までの間に噴射される。この場合、噴射される燃料の量は、図6に示したニードルリフト量の波形で囲まれた部分(三角形)の面積に相関を有する値となる。なお、実際には、噴射弁駆動信号が「0」から所定電圧VInjへと変更された時点から無効噴射時間τdが経過した時点にて弁体22の移動が始まる。但し、無効噴射時間τdは極めて短いので、以下の説明において省略される。
同様に、噴射弁駆動信号が、時刻t1にて所定電圧VInjへと変更され、時刻t2よりも後の時刻t3にて「0」へと変更されると、ニードルリフト量の最大値を第2リフト量に設定したパーシャルリフト噴射が行われる(二点鎖線PLInj2を参照。)。この場合、燃料は時刻t1から時刻t3の直後の時刻までの間に噴射される。
フルリフト噴射は次に述べるように実行される。即ち、図6に示したように、噴射弁駆動信号が時刻t1において「0」から所定電圧VInjへと変更されると弁体22の移動が開始する。その後、時刻t4にて弁体22のリフト量は最大リフト量に到達するので、弁体22の移動が規制される。従って、時刻t4以降においてニードルリフト量は最大リフト量に維持される。時刻t5にて噴射弁駆動信号が所定電圧VInjから「0」へと変更されると、ニードルリフト量は最大リフト量から急減して時刻t6にて「0」に到達する。燃料は時刻t1から時刻t6の間に噴射される。
ところで、燃料噴射中におけるニードルリフト量の最大値が小さくなるほど、図5の(B)に示したように、ニードル弁22の先端部とシート部Shとの間の流路面積が小さくなる。そのため、燃料通路FPから噴孔21aに到達する燃料の圧力が低下する。この結果、パーシャルリフト噴射における噴射燃料(噴射された燃料)の貫徹力はフルリフト噴射における噴射燃料の貫徹力よりも小さくなる。更に、パーシャルリフト噴射であっても、燃料噴射中におけるニードルリフト量の最大値が小さくなるほど、噴射燃料の貫徹力は小さくなる。噴射燃料の貫徹力と噴射燃料の噴霧の移動速度(飛行速度)とは強い相関がある。従って、貫徹力が小さいほど(換言すると、燃料噴射中におけるニードルリフト量の最大値が小さくなるほど)、「燃料が噴射された時点」から「その燃料が点火プラグ30の火花発生部30aの近傍を通過し終わる時点」までの時間(即ち、点火許容時間)は長くなる。
第1装置は、図7に示した電子制御ユニット(制御部)40を含んでいる。電子制御ユニット40は、以下、ECU40と表記される。ECU40は、周知の「CPU、インストラクション(プログラム)を格納するROM、RAM、バックアップRAM及びインターフェース等を有するマイクロコンピュータ」を含む電子回路装置である。ECU40は、次に述べる複数のセンサからの検出信号を受信するようになっている。
・機関10の吸入空気量(空気の質量流量)Gaを検出するエアフローメータ41。
・図示しないクランクシャフトが所定角度回転する毎にパルスを発生するクランク角センサ42。
・図示しないカムシャフトが所定角度回転する毎にパルスを発生するカムポジションセンサ43。
・図示しないアクセルペダルの操作量APを検出するアクセルペダル操作量センサ44。
・図示しないスロットル弁の開度TAを検出するスロットル弁開度センサ45。
・噴射弁20に燃料を供給する配管(燃料配管)に設けられ、その配管内の燃料圧力Pfを検出する燃料圧力センサ46。
・機関10の冷却水温THWを検出する冷却水温センサ47。
なお、ECU40は、クランク角センサ42及びカムポジションセンサ43からの信号に基づいて、各気筒の絶対クランク角CAを取得するようになっている。更に、ECU40は、クランク角センサ42からの信号に基づいて機関回転速度NEを取得するようになっている。
ECU40は、次に述べる複数のアクチュエータに駆動信号を送信するようになっている。以下において、Nは1〜4の整数である。
・第N気筒(#N)の噴射弁20(#N)。
・第N気筒(#N)の点火装置31(#N)。
・フューエルポンプ装置35。
なお、点火装置31(#N)は図示しない「イグナイタ及びコイル」を含む。点火装置31(#N)はECU40が点火時期SAにて発生する点火信号(駆動信号)に基づいて高電圧を発生させ、その発生させた高電圧を第N気筒(#N)の点火プラグ30(#N)に印加するようになっている。この高電圧の印加により、第N気筒(#N)の点火プラグ30(#N)の火花発生部30a(#N)から点火用火花が発生する。
フューエルポンプ装置35は図示しない「フューエルポンプ及び燃圧調整弁」を含む。フューエルポンプが吐出する燃料は、図示しない燃料配管を介して噴射弁20(#N)に供給される。ECU40は、燃圧調整弁に駆動信号(指示信号)を送出し、噴射弁20(#N)に供給される燃料の圧力を変更する。
前述したように、ECU40は、噴射弁20(#N)の電磁機構に噴射弁駆動信号を送出する。この噴射弁駆動信号が「0」であるときソレノイド23は非通電状態となり、噴射弁駆動信号が所定電圧VInjであるときソレノイド23は通電状態となる。
(制御の概要)
次に、第1装置の制御の概要について図8を参照しながら説明する。図8の(A)及び(B)に示したグラフの横軸は、「点火時期(火花発生部30aでの火花発生時期)の直前に実行された燃料噴射の終了時期」から「点火時期」までの時間である。以下、この時間を便宜上「噴射・点火時間」と称呼する。また、点火時期の直前に実行される燃料噴射を、「直前噴射」と称呼する場合がある。
図8の(A)に示したグラフの縦軸は、燃焼変動を表す値であり、具体的には「COV of IMEP」である。IMEPは、Indicated Mean Effective Pressure(即ち、、図示平均有効圧)である。COVは、Coefficient Of Varianceの略である。従って、縦軸は、図示平均有効圧の標準偏差を図示平均有効圧の平均値で除した値であり、燃焼が複数のサイクルに渡って安定しているほど小さい値となる。図8の(B)に示したグラフの縦軸は、燃焼効率(完全燃焼により発生する熱量に対する、実際の燃焼によって発生した熱量の比率)である。
図8の(A)及び(B)のグラフにおいて、実線PLInjはパーシャルリフト噴射を行った場合の値を示し、破線FLInjはフルリフト噴射を行った場合の値を示す。但し、この場合のフルリフト噴射は、図6の時刻t4(ニードルリフト量が最大リフト量に到達した時点)にて噴射弁駆動信号を「0」に設定することによる噴射である。更に、図8の(A)における要求値Drは、機関10を搭載した車両が許容できる限界の振動を示す場合の燃焼変動値である。
<フルリフト噴射実行時>
図8の(A)及び(B)の破線FLInjから理解されるように、フルリフト噴射を行った場合、噴射・点火時間が時間t1未満であるときには燃焼変動が要求値Drより大きく(悪く)且つ燃焼効率も低い。これは、噴射燃料(燃料噴霧)が火花発生部30aに到達する前の時点にて点火が行われるから、着火・燃焼が不安定となるためである。更に、噴射燃料の気化が不十分な状態で点火が行われるから、完全燃焼する燃料の量が少なくなるためである。
噴射・点火時間が時間t1と時間t3との間の時間である場合、噴射燃料の少なくとも一部を含む燃料噴霧が火花発生部30aの周囲に存在する。従って、噴射・点火時間が時間t1と時間t3の間であるときに点火を行なえば、着火・燃焼が安定するので、燃焼変動は小さくなり、要求値Drは満たされる。なお、この期間(t1〜t3)においては、噴射・点火時間が長くなるほど、燃料の気化及び燃料噴霧への空気の取り込み(以下、これらを纏めて、単に「燃料の気化」と言うことがある。)が進むので、燃焼効率は高くなる。
噴射・点火時間が時間t3よりも長くなると、燃料噴霧は火花発生部30aの周囲を通過して拡散してしまう。従って、噴射・点火時間が時間t3よりも長くなった時点にて点火を行うと、着火・燃焼が不安定となり、燃焼変動が要求値Drより大きくなる。なお、時間t3以降においても燃焼効率は比較的高い値を維持するが、これは燃料の気化が進み、燃料が着火した場合には完全燃焼する燃料の割合が多くなっているからである。
以上から、フルリフト噴射を行う場合、安定した燃焼を発生させるためには、燃料・点火時間が時間t1と時間t3との間にある期間に点火時期を設定する必要があることが理解される。更に、時間t3の直前に点火時期を設定すれば、燃焼効率がより高くなる。
<パーシャルリフト噴射実行時>
図8の(A)及び(B)の実線PLInjから理解されるように、パーシャルリフト噴射を行った場合、噴射・点火時間が「時間t1よりも僅かに長い時間t2」未満であるときには燃焼変動が要求値Drより大きく(悪く)且つ燃焼効率も低い。これは、フルリフト噴射実行時と同様、噴射燃料が火花発生部30aに到達する前の時点にて点火が行われるから、着火・燃焼が不安定となるためである。更に、噴射燃料の気化が不十分な状態で点火が行われるから、完全燃焼する燃料の量が少なくなるためである。
ところで、パーシャルリフト噴射によって噴射された燃料の貫徹力(従って、燃料噴霧の移動速度)はフルリフト噴射によって噴射された燃料の貫徹力よりも小さい。よって、パーシャルリフト噴射による噴射燃料の少なくとも一部を含む燃料噴霧が火花発生部30aの周囲に存在する時間は長くなる。従って、パーシャルリフト噴射を行った場合、噴射・点火時間が「時間t2」と「時間t3よりも長い時間t4」との間の時間である期間内に点火を行なえば、着火・燃焼が安定する。その結果、燃焼変動は小さくなり、要求値Drは満たされる。この期間(t2〜t4)においても、噴射・点火時間が長くなるほど、燃料の気化が進むので、燃焼効率は高くなる。
噴射・点火時間が時間t4よりも長くなると、燃料噴霧は火花発生部30aの周囲を通過して拡散してしまう。従って、噴射・点火時間が時間t4よりも長くなった時点にて点火を行うと、着火・燃焼が不安定となる。
以上から明らかなように、燃料噴射中のニードルリフト量の最大値が小さくなるほど、安定した燃焼を実現できる点火時期を設定できる期間は長くなる。しかも、噴射終了時期から点火時期までの時間が長くなるほど、噴射燃料の気化が進むので、燃焼効率が高くなる。その一方、機関10が発生するトルクを最大とするための点火時期は機関10の負荷及び機関回転速度NEに応じて定まるので、その点火時期を変更することは燃費の観点から得策ではない。そこで、第1装置及び他の実施形態に係る制御装置は、点火の直前に実行される燃料噴射中(直前噴射中)のニードルリフト量の最大値に応じて、その噴射終了時期から点火時期までの時間(即ち、余裕時間)を最適化するように噴射終了時期を変更する。より具体的に述べると、第1装置及び他の実施形態に係る制御装置は、燃料噴射中のニードルリフト量の最大値が小さいほど、余裕時間が長くなるように、点火時期を変更することなく噴射終了時期を変更する(進角させる)。
(実際の作動)
電子制御ユニット40のCPUは、図9にフローチャートにより示した点火・噴射制御ルーチンの処理を任意の気筒のクランク角がその任意の気筒の吸気上死点に一致する毎にその任意の気筒に対して実行するようになっている。
従って、ある気筒(特定気筒)のクランク角がその特定気筒の吸気上死点に一致すると、CPUは図9のステップ900から処理を開始し、以下に述べるステップ905乃至ステップ965の処理を順に行い、ステップ995に進む。
ステップ905:CPUは、アクセルペダル操作量AP及び機関回転速度NEをルックアップテーブルMapTqreq(AP,NE)に適用することにより、要求トルク(機関10に要求されているトルク)Tqreqを決定する。テーブルMapTqreq(AP,NE)によれば、要求トルクTqreqは、機関回転速度NEが所定の一定値である場合、アクセルペダル操作量APが大きいほど大きくなるように決定される。
ステップ910:CPUは、要求トルクTqreq及び機関回転速度NEをルックアップテーブルMapSA(Tqreq,NE)に適用することにより、点火時期SAを決定する。テーブルMapSA(Tqreq,NE)によれば、点火時期SAは、ノッキングが生じない範囲においてMBT(Minimum Spark Advance For Best Torque)に設定される。更に、点火時期は圧縮上死点前のクランク角として定められる。従って、点火時期SAが大きいほど点火時期は進角側の値となる(図10の(A)及び(B)を参照。)。なお、点火時期SAは、機関負荷KLと機関回転速度NEに基づいて決定されてもよい。
ステップ915:CPUは、特定気筒が迎える燃焼行程に対して供給(噴射)すべき燃料噴射量の合計量(以下、「総噴射量」と称呼する。)Qtotalを算出する。より具体的に述べると、CPUは、要求トルクTqreq及び機関回転速度NEをルックアップテーブルMapQtotal(Tqreq,NE)に適用することにより総噴射量Qtotalを決定する。テーブルMapQtotal(Tqreq,NE)によれば、機関回転速度NEが所定の一定値である場合、総噴射量Qtotalは要求トルクTqreqが大きいほど大きくなるように決定される。
ステップ920:CPUは、点火時期SAの直前に実行される燃料噴射(即ち、直前噴射)により噴射される燃料の量(直前噴射量)Qsを決定する(図10の(B)を参照。)。より具体的に述べると、CPUは、要求トルクTqreq、機関回転速度NE及び冷却水温THWをルックアップテーブルMapQs(Tqreq,NE,THW)に適用することにより、直前噴射量Qsを決定する。テーブルMapQs(Tqreq,NE,THW)によれば、直前噴射量Qsは、要求トルクTqreq(即ち、吸気行程において吸入される筒内空気量に応じた値)が大きいほど大きくなるように決定される。更に、テーブルMapQs(Tqreq,NE,THW)によれば、直前噴射量Qsは、冷却水温THWが低いほど大きくなるように決定される。更に、直前噴射量Qsは、総噴射量Qtotalの20%程度の量になるように設定されている。なお、直前噴射は、後述する図10の(A)及び(B)においてInjCにより表される噴射である。
ステップ925:CPUは、直前噴射におけるニードルリフト量の最大値Lsを直前噴射量Qsに基づいて決定する(図10の(B)を参照。)。より具体的に述べると、CPUは、直前噴射量QsをルックアップテーブルMapLs(Qs)に適用することによりリフト量の最大値Lsを決定する。
ステップ930:CPUは、直前噴射に対する燃料噴射時間(以下、「直前噴射時間」とも称呼する。)Tsを直前噴射量Qsに基づいて決定する(図10の(B)を参照。)。燃料噴射時間は、噴射弁駆動信号が電圧VInjに維持される時間である。より具体的に述べると、CPUは、直前噴射量QsをルックアップテーブルMapTs(Qs)に適用することにより直前噴射時間Tsを決定する。なお、図10の(B)に示した直前噴射InjCのリフト量の波形から理解されるように、リフト量の最大値Lsと直前噴射時間Tsとは、一方が決まると他方が決まる所定の関係を有する。
ステップ935:CPUは、他の燃料噴射の開始時期及び燃料噴射時間等を決定する。本例においては、図10の(A)に示したように、燃料噴射は一つの燃焼行程に対して3回に分けて行われる。より具体的に述べると、特定気筒の1サイクルに対し、燃料は、吸気行程において実行される吸気行程噴射InjAと、圧縮行程後期に行われる先行噴射InjBと、前述した直前噴射InjCと、によって噴射される。先行噴射InjBは直前噴射InjCの直前に実施される噴射である。
CPUは、総噴射量Qtotalの0〜15%程度を先行噴射InjBの噴射量(先行噴射量)Qbとして求める。より具体的には、CPUは、要求トルクTqreq、冷却水温THW及び機関回転速度NEを予め定められたルックアップテーブルMapQb(Tqreq,THW,NE)に適用することによって、先行噴射量Qbを求める。
なお、先行噴射量Qbは、例えば、冷却水温THWが閾値以上であり、機関回転速度NEが閾値以上であり、且つ、要求トルクTqreqが閾値以上である場合等において「0」に設定されることがある。換言すると、先行噴射InjBが行われない場合がある。
更に、先行噴射InjBはパーシャルリフト噴射及びフルリフト噴射の何れかである。そこで、CPUは、先行噴射量Qbを予め定められたルックアップテーブルMapLb(Qb)に適用することにより、先行噴射におけるニードルリフト量の最大値Lbを求める。加えて、CPUは、先行噴射量QbをルックアップテーブルMapTb(Qb)に適用することにより先行噴射時間Tbを決定する。
加えて、CPUは、先行噴射InjBの噴射開始時期を、冷却水温THW及び機関回転速度NEに基づいて「圧縮上死点前(BTDC)50°クランク角〜30°クランク角度の間の所定の時期」に定める。本例においては、ピストン冠面への燃料付着量が少なくなるように、先行噴射InjBの噴射開始時期は冷却水温THWが低いほど進角するように定められる。CPUは、先行噴射の噴射開始時期SOIbと先行噴射時間Tbと機関回転速度NEとから、先行噴射の噴射終了時期EOIbを計算により求める(図10の(B)を参照。)。
CPUは、総噴射量Qtotalの60〜70%を吸気行程噴射InjAの噴射量(吸気行程噴射量)Qaとして求める。吸気行程噴射量Qaは、総噴射量Qtotalから直前噴射量Qs及び先行噴射量Qbを減じた値に等しい。更に、CPUは、その吸気行程噴射量Qaに対する噴射時間TaをルックアップテーブルMapTa(Qa)に基づいて求めるとともに、吸気行程噴射の噴射開始時期を「吸気上死点後60°前後の所定の時期」に定める。更に、CPUは、吸気行程噴射の噴射開始時期と噴射時間Taと機関回転速度NEとから、の吸気行程噴射の噴射終了時期を計算により求める。なお、吸気行程噴射InjAはフルリフト噴射である。
ステップ940:CPUは、直前噴射の噴射終了時期EOIsを決定するために、直前噴射終了時期EOIsから点火時期SAまでの余裕時間ΔTを、直前噴射におけるニードルリフト量の最大値Lsに基づいて定める。より具体的に述べると、CPUは、ステップ925にて求めた最大値Lsを「図9のブロックB1内に示したルックアップテーブルMapΔT(Ls)」に適用することにより余裕時間ΔTを決定する。余裕時間ΔTは、前述したように、燃焼変動が要求値Drを満たす範囲内において燃焼効率が最も良くなるように(即ち、最も長くなるように)ニードルリフト量の最大値Lsに関連付けて予め実験等により決定され、テーブルMapΔT(Ls)の形式にてROM内に記憶されている。従って、このテーブルMapΔT(Ls)によれば、余裕時間ΔTは、図9のブロックB1内に示したように、最大値Lsが大きくなるほど短くなるように決定される。例えば、ニードルリフト量の最大値Lsが第1の値Ls1であれば余裕時間ΔTは第1の時間ΔT1として求められる。ニードルリフト量の最大値Lsが「第1の値Ls1よりも大きい第2の値Ls2」であれば余裕時間ΔTは「第1の時間ΔT1よりも短い第2の時間ΔT2」として求められる。
ステップ945:CPUは、機関回転速度NEに基づいて、ステップ940にて求めた余裕時間ΔTをクランク角(以下、「余裕クランク角」と称呼する。)ΔCに変換する(図10の(B)を参照。)。
ステップ950:CPUは、点火時期SAに余裕クランク角ΔCを加えることにより、直前噴射の噴射終了時期EOIsを決定する(図10の(B)を参照。)。
ステップ955:CPUは、機関回転速度NEに基づいて、ステップ930にて求めた直前噴射時間Tsをクランク角Csに変換する(図10の(B)を参照。)。
ステップ960:CPUは、噴射終了時期EOIsにクランク角Csを加えることにより、直前噴射の噴射開始時期SOIsを決定する(図10の(B)を参照。)。
ステップ965:CPUは、点火時期SAにて点火を実行するための処理、及び、吸気行程噴射InjA、先行噴射InjB並びに直前噴射InjCのそれぞれを実行するための処理を行う。これにより、例えば、直前噴射は、クランク角が直前噴射の噴射開始時期SOIsと一致したときに開始され、クランク角が直前噴射の噴射終了時期EOIsと一致したときに終了する。加えて、直前噴射の実行中におけるニードルリフト量の最大値はLsに設定される。
以上、説明したように、第1装置は、
噴射弁20により燃料噴射を実行させるとともに(図9のステップ965)、その燃料噴射における弁体22のリフト量の最大値Lsを変更することにより噴射される燃料の貫徹力を変更し(図9のステップ925)、且つ、火花発生部30aから火花を発生させる点火時期SAを機関10の運転状態(要求トルクTqreq及び機関回転速度NE等)に基づいて制御する制御部(ECU40、図9のステップ910及びステップ965等)を備える。
更に、その制御部は、
点火時期SAの直前に実行される燃料噴射(直前噴射)InjCにおけるリフト量の最大値を第1の値(Ls1)に設定したときの「同直前噴射の噴射終了時期から前記点火時期までの時間(余裕時間ΔT1)」が、前記直前噴射における前記リフト量の最大値を前記第1の値よりも大きい第2の値(Ls2)に設定したときの「直前噴射の噴射終了時期から点火時期までの時間(余裕時間ΔT2)」よりも長くなるように、直前噴射の噴射終了時期EOIsを変更するように構成されている(図9のステップ940乃至ステップ950、及び、ブロックB1を参照。)。
従って、直前噴射InjCにより噴射された燃料の噴霧の少なくとも一部が火花発生部30aの近傍に存在しているときに点火を実行できるので、燃焼変動を小さくすることができる。更に、燃焼変動が悪化しない範囲内において燃料噴射時点(例えば、直前噴射の噴射終了時期EOIs)から出来るだけ長い時間が経過した後に点火を実行できるので、燃料の気化及び空気の取り込みが進んだ状態にて燃焼を発生させることができる。その結果、燃焼効率を向上することができる。
なお、CPUは、図9のステップ940において、余裕時間ΔTを、ニードルリフト量の最大値Lsのみならず直前噴射を行うときの燃圧(燃料圧力)Pfにも基づいて決定してもよい。燃圧Pfが高いほど噴射燃料の貫徹力が大きくなる。従って、CPUは、図9のブロックB2内に示したように、燃圧Pfが高いほど余裕時間ΔTが短くなるように余裕時間ΔTを決定する。これにより、燃圧Pfが変化する場合であっても、燃焼変動を小さい値に維持しながら燃焼効率を向上させることができる。なお、直前噴射を行うときの燃圧Pfを用いて余裕時間ΔTを決定する場合、余裕時間ΔTの算出は直前噴射が行われるであろう時点の直前に実行するとよい。但し、燃圧Pfが機関10が1回転する間には殆ど変らない程度に穏やかに変化する場合、吸気上死点近傍で取得された燃圧Pfを直前噴射を行うときの燃圧Pfとして用いてもよい。
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態に係る内燃機関の制御装置(以下、「第2装置」とも称呼する。)は、先行噴射InjBによって生成される気筒内の気流が「直前噴射InjCにより噴射された燃料(噴霧)」へ及ぼす影響を考慮して余裕時間ΔTを変更する点のみにおいて、第1装置と相違している。なお、先行噴射InjBは、前述したように、圧縮行程における直前噴射InjCの一つ前の噴射である。
より具体的に述べると、第2装置のCPUは、図11にフローチャートにより示した点火・噴射制御ルーチンの処理を任意の気筒のクランク角がその任意の気筒の吸気上死点に一致する毎にその任意の気筒に対して実行するようになっている。
従って、ある気筒(特定気筒)のクランク角がその特定気筒の吸気上死点に一致すると、CPUは図11のステップ1100から処理を開始し、前述したステップ905乃至ステップ930の処理を行う。これにより、要求トルクTqreq、点火時期SA、総噴射量Qtotal、直前噴射量Qs、直前噴射におけるニードルリフト量の最大値Ls及び直前噴射に対する燃料噴射時間(直前噴射時間)Ts等が決定される。次に、CPUは、前述したステップ935の処理を行い、他の燃料噴射の燃料噴射開始時期、燃料噴射終了時期及び燃料噴射時間等を決定する。
次いで、CPUは、以下に述べるステップ1105乃至ステップ1125の処理を順に行い、ステップ1130に進む。
ステップ1105:このステップは、前述したステップ940と同様の処理により、暫定的な余裕時間(以下、「暫定余裕時間」と称呼する。)ΔTzを求めるステップである。即ち、CPUは、直前噴射の暫定的な噴射終了時期(以下、単に「暫定終了時期」と称呼する。)EOIszを決定するために、暫定終了時期EOIszから点火時期SAまでの暫定余裕時間ΔTzを、直前噴射におけるニードルリフト量の最大値Lsに基づいて定める。このステップにて使用されるルックアップテーブルMapΔTz(Ls)は、図11のブロックB1内に示したように、図9のブロックB1に示され且つステップ940にて使用されるルックアップテーブルMapΔT(Ls)と同じである。
ステップ1110:CPUは、前述したステップ945と同様な処理を行う。即ち、CPUは、機関回転速度NEに基づいて、暫定余裕時間ΔTzをクランク角(以下、「暫定余裕クランク角」と称呼する。)ΔCzに変換する。
ステップ1115:CPUは、前述したステップ950と同様な処理を行う。即ち、CPUは、点火時期SAに暫定余裕クランク角ΔCzを加えることにより、暫定終了時期EOIszを決定する。
ステップ1120:CPUは、前述したステップ955と同様な処理を行う。即ち、CPUは、機関回転速度NEに基づいて、ステップ930にて求めた直前噴射時間Tsをクランク角Csに変換する。
ステップ1125:CPUは、前述したステップ960と同様な処理を行う。即ち、CPUは、暫定終了時期EOIszにクランク角Csを加えることにより、直前噴射の暫定的な噴射開始時期(以下、「暫定開始時期」と称呼する。)SOIszを決定する。
次に、CPUはステップ1130に進み、先行噴射InjBが存在するか否かを判定する。先行噴射InjBが存在しない場合(即ち、先行噴射量Qbが「0」である場合)、CPUはステップ1130にて「No」と判定してステップ1135に進み、最終的な「直前噴射の噴射開始時期SOIs」として暫定開始時期SOIszを採用する。従って、最終的な直前噴射の暫定終了時期EOIsは直前噴射の暫定終了時期EOIszに一致させられる。その後、CPUはステップ1170に進み、前述したステップ965と同様に、点火及び各噴射を実行するための設定処理を行う。次いで、CPUは、ステップ1195に進み、本ルーチンを一旦終了する。
一方、先行噴射InjBが存在する場合、CPUはステップ1130にて「Yes」と判定して以下に述べるステップ1140乃至ステップ1165の処理を順に行う。
ステップ1140:CPUは、先ず、直前噴射InjCと先行噴射InjBとのインターバル(以下、「先行噴射とのインターバルTint」と称呼する。)を求める。先行噴射とのインターバルTintは、より正確には、図10の(B)に示したように、先行噴射InjBの噴射終了時期EOIbから直前噴射InjCの暫定開始時期SOIszまでの時間(EOIbからSOIszまでのクランク角を機関回転速度NEに基づいて変換した時間)である。次に、CPUは、図11のブロックB3内に示したルックアップテーブルMapk1(Tint)に求めた先行噴射とのインターバルTintを適用することにより、補正係数k1を決定する。テーブルMapk1(Tint)によれば、補正係数k1は、先行噴射とのインターバルTintが小さいほど、「1」よりも小さい範囲において小さくなるように決定される。補正係数k1の最大値は「1」である。
この補正係数k1は、後述するステップ1150にて、最終的な余裕時間ΔTfを決定するために暫定余裕時間ΔTzに乗じられる係数である。よって、補正係数k1が小さいほど、余裕時間ΔTfは短くなる。この理由は、先行噴射とのインターバルTintが短いほど、図12に矢印FLにより示した「先行噴射によって形成された気流(残存気流・ガス流動)」が直前噴射時点においてより強く残存しており、この気流に直前噴射の燃料(噴霧)が乗ってしまうので、燃料が噴射されてから火花発生部30aに到達するまでの時間が短くなるためである。即ち、先行噴射とのインターバルTintは、残存気流の強さに相関を有する第1パラメータの一つである。
ステップ1145:CPUは、図11のブロックB4内に示したルックアップテーブルMapk2(Qb)に先行噴射InjBの噴射量Qbを適用することにより、補正係数k2を決定する。テーブルMapk2(Qb)によれば、補正係数k2は、先行噴射InjBの噴射量Qbが大きいほど、「1」よりも小さい範囲において小さくなるように決定される。補正係数k2の最大値は「1」である。
この補正係数k2も、補正係数k1と同様、後述するステップ1150にて、最終的な余裕時間ΔTfを決定するために暫定余裕時間ΔTzに乗じられる係数である。よって、補正係数k2が小さいほど、余裕時間ΔTfは短くなる。この理由は、先行噴射InjBの噴射量Qbが大いほど、図12に矢印FLにより示した「先行噴射によって形成された気流」が直前噴射時点においてより強く残存しているからである。従って、この気流に直前噴射の燃料(噴霧)が乗ってしまうので、燃料が噴射されてから火花発生部30aに到達するまでの時間が短くなるためである。即ち、先行噴射InjBの噴射量Qbは、残存気流の強さに相関を有する第1パラメータの一つである。
ステップ1150:CPUは、暫定余裕時間ΔTzに補正係数k1及び補正係数k2の双方を乗じることによって、最終的な余裕時間ΔTfを算出する。
ステップ1155:CPUは、前述したステップ945及びステップ1110と同様な処理を行う。即ち、CPUは、機関回転速度NEに基づいて、余裕時間ΔTfをクランク角ΔCfに変換する。
ステップ1160:CPUは、前述したステップ950及びステップ1115と同様な処理を行う。即ち、CPUは、点火時期SAにクランク角ΔCfを加えることにより、最終的な直前噴射の噴射終了時期EOIsを決定する。
ステップ1165:CPUは、前述したステップ960及びステップ1125と同様な処理を行う。即ち、CPUは、噴射終了時期EOIsにクランク角Csを加えることにより、直前噴射の最終的な噴射開始時期SOIsを決定する。
その後、CPUはステップ1170に進み、前述したステップ965と同様に、点火及び各噴射を実行するための設定処理を行う。次いで、CPUは、ステップ1195に進み、本ルーチンを一旦終了する。
以上、説明したように、第2装置の制御部(ECU40)は、
直前噴射InjCに加え、直前噴射の前の時点にて先行噴射InjBとして噴射弁20により燃料噴射を実行させ(図11のステップ935及びステップ1170)、更に、
先行噴射の噴射終了時期EOIbから直前噴射の噴射開始時期SOIszまでの時間(先行噴射とのインターバルTint)が短くなるほど、前記直前噴射の噴射終了時期から前記点火時期までの時間(余裕時間ΔTf)が短くなるように前記直前噴射の噴射終了時期EOIsを変更する(図11のブロックB3、ステップ1140、ステップ1150乃至ステップ1160等を参照。)。
更に、前記制御部(ECU40)は、
先行噴射InjBにより噴射される燃料の量Qbが大きいほど直前噴射InjCの噴射終了時期から前記点火時期までの時間(余裕時間ΔTf)が短くなるように前記直前噴射の噴射終了時期EOIsを変更する(図11のブロックB4、ステップ1145、ステップ1150乃至ステップ1160等を参照。)。
これによれば、先行噴射によって生成される気筒内の気流であって直前噴射を行う時点において気筒内に残存している気流(残存気流)の強さに応じて余裕時間を変更することができる。従って、残存気流が燃焼変動及び/又は燃焼効率に及ぼす好ましくない影響を小さくすることができる。即ち、残存気流により上述した点火許容時間が変化した場合であっても、燃焼変動が悪化することを抑えながら燃焼効率を良好な値にすることができる。なお、第2装置(及び後述の変形例)は、直前噴射の噴射終了時期EOIs(及び、噴射開始時期SOIs)を所定クランク角度だけ変更した場合、それに伴って、先行噴射の噴射終了時期EOIb(及び噴射開始時期SOIb)を所定クランク角度だけ変更することが望ましい。
(第2実施形態の第1変形例)
先行噴射実行中の燃料圧力が高いほど、先行噴射によって生成される気筒内の気流の強さが強くなるから、残存気流も強くなる。即ち、先行噴射実行中の燃料圧力は、残存気流の強さに相関を有する第1パラメータの一つである。そこで、この第1変形例は、先行噴射実行中の燃料圧力が高いほど余裕時間ΔTfを短くする。
より具体的に述べると、第1変形例のCPUは、図11のステップ1145とステップ1150との間に補正係数k3を求める処理を行う。即ち、CPUは「先行噴射実行中の燃圧(燃料圧力)Pf」を取得し、その取得した燃圧Pfを図13に示したルックアップテーブルMapk3(Pf)に適用することにより補正係数k3を求める。このテーブルMapk3(Pf)によれば、補正係数k3は、先行噴射実行中の燃圧Pfが高いほど、「1」よりも小さい範囲において小さくなるように決定される。なお、先行噴射実行中の燃圧Pfは、例えば、先行噴射開始時期における燃圧Pfであってもよいし、先行噴射開始時期と先行噴射終了時期の間の所定時点における燃圧Pfであってもよい。但し、これらの場合、補正係数k3の算出及び最終的な余裕時間ΔTfの算出タイミングは、先行噴射開始時期よりも後であって直前噴射開始時期前であることが好ましい。なお、燃圧Pfが機関10が1回転する間には殆ど変らない程度に穏やかに変化する場合、吸気上死点近傍で取得された燃圧Pfを先行噴射を行うときの燃圧Pfとして用いてもよい。
更に、第1変形例のCPUは、図11のステップ1150において、補正係数k1、k2及びk3の積を暫定余裕時間ΔTzに乗じることによって、最終的な余裕時間ΔTfを算出する。その他の点は、第2装置と同様である。この第1変形例によれば、先行噴射時の燃圧に起因して気筒内の気流の強さが変化し、そのために残存気流の強さが変化して上述した点火許容時間が変化した場合であっても、燃焼変動が悪化することを抑えながら燃焼効率をより良好な値にすることができる。
(第2実施形態の第2変形例)
先行噴射実行中のニードルリフト量の最大値Lbが大きいほど、先行噴射によって生成される気筒内の気流の強さが強くなる。即ち、先行噴射実行中のニードルリフト量の最大値Lbは、残存気流の強さに相関を有する第1パラメータの一つである。そこで、この第2変形例は、先行噴射実行中のニードルリフト量の最大値Lbが大きいほど余裕時間ΔTfを短くする。
より具体的に述べると、第2変形例のCPUは、図11のステップ1145とステップ1150との間に補正係数k3及び補正係数k4を求める処理を行う。CPUは、補正係数k3を上述したように求める。更に、CPUは、先行噴射実行中のニードルリフト量の最大値Lbを図14に示したルックアップテーブルMapk4(Lb)に適用することにより補正係数k4を求める。このテーブルMapk4(Lb)によれば、補正係数k4は、ニードルリフト量の最大値Lbが大きいほど、「1」よりも小さい範囲において小さくなるように決定される。
更に、第2変形例のCPUは、図11のステップ1150において、補正係数k1、k2、k3及びk4の積を暫定余裕時間ΔTzに乗じることによって、最終的な余裕時間ΔTfを算出する。その他の点は、第2装置の第1変形例と同様である。この第2変形例によれば、先行噴射実行中のニードルリフト量の最大値Lbに起因して気筒内の気流の強さが変化し、そのために残存気流の強さが変化して上述した点火許容時間が変化した場合であっても、燃焼変動が悪化することを抑えながら燃焼効率をより良好な値にすることができる。
(第2実施形態の第3変形例)
ところで、上記補正係数k1乃至k4は、いずれも「先行噴射により発生した残存気流の強さが点火許容時間(言い換えると、余裕時間)に与える影響」を排除するための「余裕時間の補正量」である。換言すれば、これらの補正係数を求めるためのパラメータ(即ち、先行噴射とのインターバルTint、先行噴射の噴射量Qb、先行噴射実行中の燃圧Pf=Pfb及び先行噴射実行中のニードルリフト量の最大値Lb)は、前記気筒内の気流の強さに相関を有する。そこで、この第3変形例のCPUは、これらのパラメータに基づいて「残存気流CFの強さ」を推定し、この推定した強さCFが大きいほど余裕時間ΔTfを短くする。
より具体的に述べると、第3変形例のCPUは、図11のステップ1140及びステップ1145の処理に代え、補正係数kCFを求める処理を行う。即ち、CPUは、先ず、残存気流CFの強さを下記関数式fcfに基づいて推定する。a1乃至a4は所定の定数である。但し、関数fcfは他の関数又はルックアップテーブルであってもよい。なお、CPUは、先行噴射とのインターバルTint、先行噴射の噴射量Qb、先行噴射実行中の燃圧Pf及び先行噴射実行中のニードルリフト量の最大値Lbの中から選択される2つ以上のパラメータに基づいて、残存気流の強さCFを推定してもよい。或いは、CPUは、先行噴射とのインターバルTintと、先行噴射の噴射量Qb、先行噴射実行中の燃圧Pf及び先行噴射実行中のニードルリフト量の最大値Lbの中から選択される1つ以上のパラメータと、に基づいて残存気流の強さCFを推定してもよい。更に、CPUは、先行噴射とのインターバルTint、先行噴射の噴射量Qb及び先行噴射実行中の燃圧Pfの中から選択される2つ以上のパラメータに基づいて、残存気流の強さCFを推定してもよい。このように求められる残存気流の強さCFは、残存気流の強さに相関を有する第1パラメータであると言うこともできる。

CF=fcf(Tint,Qb,Pfb,Lb)
=a1/Tint+a2・Qb+a3・Pfb+a4・Lb
次に、CPUは、残存気流の強さCFを図15に示したルックアップテーブルMapkCF(CF)に適用することにより補正係数kCFを求める。このテーブルMapkCF(CF)によれば、補正係数kCFは、残存気流の強さCFが大きいほど、「1」よりも小さい範囲において小さくなるように決定される。
更に、CPUは、図11のステップ1150において、補正係数kCFを暫定余裕時間ΔTzに乗じることによって、最終的な余裕時間ΔTfを算出する。その他の点は、第2装置と同様である。この第3変形例によれば、先行噴射によって発生する気筒内の気流の強さが変化し、そのために残存気流の強さCFが変化して上述した点火許容時間が変化した場合であっても、燃焼変動が悪化することを抑えながら燃焼効率をより良好な値にすることができる。
<第3実施形態>
本発明の第3実施形態に係る内燃機関の制御装置(以下、「第3装置」とも称呼する。)は、先行噴射InjBによって生成される「噴射弁20のサック室Sk内の燃料の流動」が直前噴射InjCへ及ぼす影響を更に考慮して余裕時間ΔTを変更する点、及び、補正係数k2の算出及び使用を省略している点のみにおいて、第2装置と相違している。
先行噴射(実際には、先行噴射がない場合には直前噴射の前に噴射された吸気行程噴射)により、噴射弁20のサック室Sk内に燃料の流動(流れの乱れ)が生じる。この燃料流動が残存している場合に直前噴射が実行されると、噴射された燃料の噴霧が分散し易くなり且つ貫徹力も弱くなる。その結果、最適な余裕時間が変化する(長くなる)。第3装置は、以下に述べるように、この燃料流動の強さ(サック室燃料流動の強さ)による影響を排除するための補正係数k5を先行噴射とのインターバルTintに基づいて決定する。
より具体的に述べると、第3装置のCPUは、図16にフローチャートにより示した点火・噴射制御ルーチンの処理を任意の気筒のクランク角がその任意の気筒の吸気上死点に一致する毎にその任意の気筒に対して実行するようになっている。このルーチンは、図11のステップ1145に代わるステップ1610と、図11のステップ1150に代わるステップ1620と、を有する点のみにおいて、図11に示したルーチンと相違している。従って、以下、この相違点を中心として説明する。なお、図16において図11に示したステップと同じ処理を実行するためのステップには、図11のそのようなステップに付与された符号と同じ符号が付されている。
先行噴射が実行される場合、CPUはステップ1130にて「Yes」と判定してステップ1140に進み、図16のブロックB3内に示したルックアップテーブルMapk1(Tint)に先行噴射とのインターバルTintを適用することにより、補正係数k1を決定する。テーブルMapk1(Tint)によれば、補正係数k1は、先行噴射とのインターバルTintが小さいほど、「1」よりも小さい範囲において小さくなるように決定される。なお、先行噴射とのインターバルTintが最小時間Ti1であるとき、補正係数k1は値「g(0<g<1)」となる。更に、補正係数k1は、先行噴射とのインターバルTintが「値Ti1よりも大きい値Ti2」以上であるとき「1」となる。この補正係数k1は、先のステップ1140についての記載において述べたとおりであり、残存気流の影響を排除するための係数である。。
次に、CPUはステップ1610に進み、図16のブロックB5内に示したルックアップテーブルMapk5(Tint)に先行噴射とのインターバルTintを適用することにより、補正係数k5を決定する。テーブルMapk5(Tint)によれば、補正係数k5は、先行噴射とのインターバルTintが小さいほど、「1」よりも大きい範囲において大きくなるように決定される。
この補正係数k5は、後述するステップ1620にて、最終的な余裕時間ΔTfを決定するために暫定余裕時間ΔTzに乗じられる係数である。よって、補正係数k5が大きいほど余裕時間ΔTfは長くなる。この理由は、先行噴射とのインターバルTintが短いほど直前噴射時点におてより強い燃料流動が噴射弁20のサック室Sk内に残留しているから、この燃料流動(サック室燃料流動)によって直前噴射中に噴射された燃料の噴霧が分散し易くなり且つ貫徹力も弱くなり、従って、点火許容時間が長くなるからである。
なお、先行噴射とのインターバルTintが最小時間Ti1であるとき、補正係数k5は「1」と値「1/g」との間の値となる。従って、先行噴射とのインターバルTintが最小時間Ti1であるとき、補正係数k1と補正係数k5との積は、「1」よりも小さい値となる。これは、先行噴射とのインターバルTintが小さい場合、先行噴射によって生成された気筒内の気流の影響が、先行噴射によってサック室Sk内に生成された燃料流動の影響よりも強いからである。
一方、補正係数k5は、先行噴射とのインターバルTintが値Ti2であるとき「1」より大きく、先行噴射とのインターバルTintが「値Ti2よりも大きい値Ti3」以上であるとき「1」になる。従って、補正係数k1と補正係数k5との積は、先行噴射とのインターバルTintが長くなるに従って、「1」より小さい値から「1」より大きい値へど変化し、その後、「1」へと収束する。これは、先行噴射によってサック室Sk内に生成された燃料流動が、先行噴射によって気筒内に生成された気流よりも長時間に渡って残存するからである。
次に、CPUはステップ1620に進み、暫定余裕時間ΔTzに補正係数k1及び補正係数k5の双方を乗じることによって、最終的な余裕時間ΔTfを算出する。その後、CPUはステップ1155乃至ステップ1170の処理を実行する。
以上、説明したように、第3装置は、
前記直前噴射の実行時点において前記サック室Sk内に残留している燃料流動であるサック室燃料流動の強さに相関を有する第2パラメータ(この場合、先行噴射とのインターバルTint)を取得するとともに、前記サック室燃料流動が強いほど前記直前噴射の噴射終了時期から前記点火時期までの時間(余裕時間ΔTf)が長くなるように前記取得した第2パラメータに応じて前記直前噴射の噴射終了時期を変更する制御部を有する(ECU40、前記16のステップ1610及びステップ1620等を参照。)。
従って、直前噴射の燃料の貫徹力がサック室燃料流動の影響を受けて変化して上述した点火許容時間が変化した場合であっても、燃焼変動が悪化することを抑えながら燃焼効率をより良好な値にすることができる。なお、第3装置(及び後述の変形例)も、直前噴射の噴射終了時期EOIs(及び、噴射開始時期SOIs)を所定クランク角度だけ変更した場合、それに伴って、先行噴射の噴射終了時期EOIb(及び噴射開始時期SOIb)を所定クランク角度だけ変更することが望ましい。
(第3実施形態の第1変形例)
先行噴射の燃料噴射量(先行噴射量)Qbが大きいほど、先行噴射によりサック室Sk内に生成される燃料流動の強さが強くなるから、サック室燃料流動の強さも強くなる。そこで、この第1変形例は、先行噴射量Qbが大きいほど余裕時間ΔTfを長くする。換言すると、先行噴射量Qbは、サック室燃料流動の強さに相関を有する第2パラメータであると言うことができる。
より具体的に述べると、第2変形例のCPUは、図16のステップ1610とステップ1620との間に補正係数k6を求める処理を行う。即ち、CPUは、先行噴射量Qbを図17に示したルックアップテーブルMapk6(Qb)に適用することにより補正係数k6を求める。このテーブルMapk6(Qb)によれば、補正係数k6は、先行噴射量Qbが大きいほど、「1」よりも大きい範囲において大きくなるように決定される。
更に、第2変形例のCPUは、図16のステップ1620において、補正係数k1、k5及びk6の積を暫定余裕時間ΔTzに乗じることによって、最終的な余裕時間ΔTfを算出する。その他の点は第3装置と同様である。この第1変形例によれば、先行噴射量Qbに起因してサック室Sk内に生成される燃料流動の強さが変化し、そのために上述した点火許容時間が変化した場合であっても、燃焼変動が悪化することを抑えながら燃焼効率をより良好な値にすることができる。
(第3実施形態の第2変形例)
先行噴射実行中の燃圧Pf(=Pfb)が高いほど、先行噴射によりサック室Sk内に生成される燃料流動の強さが強くなるから、サック室燃料流動の強さも強くなる。そこで、この第2変形例は、先行噴射実行中の燃圧Pf(=Pfb)が高いほど余裕時間ΔTfを長くする。換言すると、先行噴射実行中の燃圧Pfは、サック室燃料流動の強さに相関を有する第2パラメータであると言うことができる。
より具体的に述べると、第1変形例のCPUは、図16のステップ1610とステップ1620との間に補正係数k6及び補正係数k7を求める処理を行う。CPUは、補正係数k6を上述したように求める。更に、CPUは、「先行噴射実行中の燃圧(燃料圧力)Pf」を取得し、その取得した燃圧Pfを図18に示したルックアップテーブルMapk7(Pf)に適用することにより補正係数k7を求める。このテーブルMapk7(Pf)によれば、補正係数k7は、先行噴射実行中の燃圧Pfが高いほど、「1」よりも大きい範囲において大きくなるように決定される。なお、先行噴射実行中の燃圧Pfは、例えば、先行噴射開始時期における燃圧Pfであってもよいし、先行噴射開始時期と先行噴射終了時期の間の所定時点における燃圧Pfであってもよい。また、補正係数k7の算出及び最終的な余裕時間ΔTfの算出タイミングは、前述した「補正係数k3の算出及び補正係数k3を用いた最終的な余裕時間ΔTfの算出タイミング」と同様である。
更に、第2変形例のCPUは、図16のステップ1620において、補正係数k1、k5、k6及びk7の積を暫定余裕時間ΔTzに乗じることによって、最終的な余裕時間ΔTfを算出する。その他の点は第3装置の第1変形例と同様である。この第2変形例によれば、先行噴射実行中の燃圧Pfに起因してサック室Sk内に生成される燃料流動の強さが変化し、そのためにサック室燃料流動が変化して上述した点火許容時間が変化した場合であっても、燃焼変動が悪化することを抑えながら燃焼効率をより良好な値にすることができる。
(第3実施形態の第3変形例)
ところで、上記補正係数k5乃至k7は、いずれも「先行噴射によりサック室Sk内に生成され直前噴射の時点においてサック室Skに残留している燃料流動(サック室燃料流動)の強さが点火許容時間(言い換えると、余裕時間)に与える影響」を排除するための「余裕時間の補正量」である。換言すれば、これらの補正係数を求めるためのパラメータ(即ち、先行噴射とのインターバルTint、先行噴射の噴射量Qb及び先行噴射実行中の燃圧Pf=Pfb)は、サック室燃料流動の強さに相関を有する。そこで、この第3変形例のCPUは、これらのパラメータに基づいて「サック室燃料流動の強さRD」を推定し、この推定した強さRDが大きいほど余裕時間ΔTfを長くする。
より具体的に述べると、第3変形例のCPUは、図16のステップ1610にて、補正係数k5に代わる補正係数kRDを求める処理を行う。即ち、CPUは、先ず、「直前噴射時点において残存している燃料流動の強さRD」を下記関数式frdに基づいて推定する。b1乃至b3は所定の定数である。但し、関数frdは他の関数又はルックアップテーブルであってもよい。なお、CPUは、先行噴射におけるニードルリフト量の最大値Lbを更に考慮して燃料流動の強さRDを求めても良く、先行噴射とのインターバルTintと、先行噴射の噴射量Qb、先行噴射実行中の燃圧Pf(=Pfb)及びリフト量の最大値Lbの中から選択される1つ以上のパラメータと、に基づいて燃料流動の強さRDを推定してもよい。或いは、CPUは、先行噴射とのインターバルTint、先行噴射の噴射量Qb及び先行噴射実行中の燃圧Pfの中から選択される2つ以上のパラメータに基づいて、燃料流動の強さRDを求めても良い。サック室燃料流動の強さRDは、サック室燃料流動の強さに相関を有する第2パラメータであると言うこともできる。

RD=frd(Tint,Qb,Pfb)
=b1/Tint+b2・Qb+b3・Pfb
次に、CPUは、燃料流動の強さRDを図19に示したルックアップテーブルMapkRD(RD)に適用することにより補正係数kRDを求める。このテーブルMapkRD(RD)によれば、補正係数kRDは、サック室燃料流動の強さRDが大きいほど、「1」よりも大きい範囲において大きくなるように決定される。
更に、CPUは、図16のステップ1620において、補正係数k1と補正係数kRDとの積を暫定余裕時間ΔTzに乗じることによって、最終的な余裕時間ΔTfを算出する。その他の点は、第3装置と同様である。この第3変形例によれば、サック室燃料流動の強さRDが変化し、そのために上述した点火許容時間が変化した場合であっても、燃焼変動が悪化することを抑えながら燃焼効率をより良好な値にすることができる。
なお、CPUは、以下に述べる他の方法により、サック室燃料流動の強さRDを推定してもよい。
・CPUは、サック室Sk内に設けられた「圧電素子を含む圧力センサ」の出力値に基づいてサック室Sk内の燃料圧力を取得し、その取得した燃料圧力の変動(例えば、所定期間における燃料圧力の振幅の平均値)に基づいてサック室燃料流動の強さRDを推定する。
・CPUは、噴射弁20の内部であってシート部Shよりも上流側部位に設けられた「圧電素子を含む圧力センサ」の出力値に基づいて燃料通路FP内の燃料圧力を取得し、その取得した燃料圧力の変動(例えば、所定期間における燃料圧力の振幅の平均値)に基づいてサック室燃料流動の強さRDを推定する。
以上、説明したように、本発明の各実施形態及び変形例によれば、余裕時間を適切に設定することができる(点火許容時間の終了直前の時点にて点火を実行できる)ので、燃焼変動が過大にならないようにしながら、燃焼効率を向上することができる。本発明は上記実施形態及び変形例に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。
例えば、本制御装置は、暫定余裕時間ΔTzに「補正係数k1乃至k4から選択される一つ以上の補正係数」を乗じることにより、最終的な余裕時間ΔTfを求めても良い。同様に、本制御装置は、暫定余裕時間ΔTzに「補正係数k5乃至k7から選択される一つ以上の補正係数」を乗じることにより、最終的な余裕時間ΔTfを求めても良い。更に、本制御装置は、暫定余裕時間ΔTzに、補正係数kCFと「補正係数k5乃至k7から選択される一つ以上の補正係数」とを乗じることにより、最終的な余裕時間ΔTfを求めても良い。加えて、本制御装置は、暫定余裕時間ΔTzに、補正係数kRDと「補正係数k1乃至k4から選択される一つ以上の補正係数」とを乗じることにより、最終的な余裕時間ΔTfを求めても良い。また、本制御装置は、暫定余裕時間ΔTzに補正係数kCFと補正係数kRDとを乗じることにより、最終的な余裕時間ΔTfを求めても良い。
更に、本制御装置は、
前記先行噴射の噴射終了時期から前記直前噴射の噴射開始時期までの時間(先行噴射とのインターバルTint)、
前記先行噴射により噴射される燃料の量(Qb)、及び、
前記先行噴射を行うときの燃料圧力(Pf=Pfb)、
のうちの少なくとも一つを、前記第1パラメータ及び前記第2パラメータに共通のパラメータとして取得するとともに、前記残存気流及び前記サック室燃料流動が前記直前噴射により噴射された燃料の貫徹力に及ぼす影響、を補正するための補正量を、前記共通のパラメータに基づいて求め、その補正量を用いて余裕時間ΔTfを修正(暫定余裕時間ΔTzを補正)してもよい。
この場合、例えば、前記共通のパラメータとして先行噴射とのインターバルTintを用いるのであれば、その先行噴射とのインターバルTintに基づいて「補正係数k1と補正係数k5との積」に相当する補正係数を求め、その補正係数により余裕時間ΔTfを修正すればよい。
更に、第2装置等は、暫定余裕時間ΔTzに「補正係数k1乃至k4から選ばれる補正係数」を乗じることにより最終的な余裕時間ΔTfを求めていた。これに対し、第2装置及びその変形例は、補正係数k1乃至k4のそれぞれに対応する補正時間T1乃至T4を求め、それらの補正時間から選ばれる一つ以上の補正時間を暫定余裕時間ΔTzに加えることにより最終的な余裕時間ΔTfを求めてもよい。加えて、第2装置の第3変形例は、暫定余裕時間ΔTzに補正係数kCFを乗じることにより最終的な余裕時間ΔTfを求めていた。これに対し、第2装置の第3変形例は、補正係数kCFに対応する補正時間TCFを求め、その補正時間TCFを暫定余裕時間ΔTzに加えることにより最終的な余裕時間ΔTfを求めてもよい。なお、この場合において、任意の補正係数の値が「1」未満であるならば、その補正係数に対する補正時間は負の値となる。
同様に、第3装置等は、暫定余裕時間ΔTzに「補正係数k5乃至k7から選ばれる補正係数」を乗じることにより最終的な余裕時間ΔTfを求めていた。これに対し、第3装置及びその変形例は、補正係数k5乃至k7のそれぞれに対応する補正時間T5乃至T7を求め、それらの補正時間から選ばれる一つ以上の補正時間を暫定余裕時間ΔTzに加えることにより最終的な余裕時間ΔTfを求めてもよい。加えて、第3装置の第3変形例は、暫定余裕時間ΔTzに補正係数kRDを乗じることにより最終的な余裕時間ΔTfを求めていた。これに対し、第3装置の第3変形例は、補正係数kRDに対応する補正時間TRDを求め、その補正時間TRDを暫定余裕時間ΔTzに加えることにより最終的な余裕時間ΔTfを求めてもよい。なお、任意の補正係数の値が「1」よりも大きい場合、その補正係数に対する補正時間は正の値となる。
加えて、先行噴射InjBはフルリフト噴射であってもよい。また、吸気行程噴射InjAは、吸気行程前半(例えば、吸気上死点後60〜80°クランク角)に行われる燃料噴射と、吸気行程後半(例えば、吸気上死点後100〜120°クランク角)に行われる燃料噴射と、の2回に分割して行われてもよい。即ち、1サイクルにおける燃料噴射の態様は上記実施形態のように限定されることはない。更に、点火時期SAは、冷却水温THW、吸気温度、吸入空気量Ga及びスロットル弁開度TA等、機関10の運転状態を表す他のパラメータに基づいて決定されてもよい。
更に、噴射弁20は、その噴孔21aがニードル弁22の先端部にて直接閉じられる形式の噴射弁であったが、噴孔21aが比較的大きなサック室と常に連通するように形成され、ニードル弁22がそのサック室と燃料通路FPとの接続部を開閉するように移動する形式(内弁式)の噴射弁であってもよい。加えて、上記実施形態においては、余裕時間(ΔT又はΔTf)を変更する際に直前噴射の噴射終了時期EOIsのみが変更されていたが、同時に点火時期SAが僅かに変更されてもよい。更に、上記実施形態及び変形例においては、余裕時間そのものが決定され変更されていたが、直前噴射の噴射終了時期から点火時期までのクランク角度(余裕クランク角度)を管理・変更することにより、余裕時間を変更してもよい。
10…内燃機関、20…噴射弁、21a…噴孔、22…ニードル弁、30…点火プラグ、30a…火花発生部、40…電子制御ユニット。

Claims (14)

  1. 火花発生部を備える点火プラグと、
    移動可能な弁体を有し当該弁体の移動により噴孔を通しての筒内への燃料噴射を実行する噴射弁であって同噴射された燃料の少なくとも一部を含む噴霧が前記火花発生部に直接到達するように配設された噴射弁と、
    を有する筒内噴射式内燃機関に適用され、
    前記噴射弁により前記燃料噴射を実行させるとともに同燃料噴射における前記弁体のリフト量の最大値を変更することにより前記噴射される燃料の貫徹力を変更し、且つ、前記火花発生部から火花を発生させる点火時期を前記機関の運転状態に基づいて制御する制御部、を備えた内燃機関の制御装置において、
    前記制御部は、
    前記点火時期の直前に実行される燃料噴射である直前噴射における前記リフト量の最大値を第1の値に設定したときの同直前噴射の噴射終了時期から前記点火時期までの時間が、前記直前噴射における前記リフト量の最大値を前記第1の値よりも大きい第2の値に設定したときの同直前噴射の噴射終了時期から前記点火時期までの時間、よりも長くなるように、少なくとも前記直前噴射の噴射終了時期を変更するように構成された制御装置。
  2. 請求項1に記載の内燃機関の制御装置において、
    前記制御部は、
    前記直前噴射を行うときの燃料圧力が低いほど前記直前噴射の噴射終了時期から前記点火時期までの時間が長くなるように前記直前噴射の噴射終了時期を変更する制御装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の内燃機関の制御装置において、
    前記制御部は、
    前記直前噴射に加え同直前噴射の前の時点にて前記噴射弁により前記燃料噴射を先行噴射として実行させ、更に、
    前記先行噴射により前記筒内に生成され且つ前記直前噴射の実行時点において同筒内に残存している気流である残存気流の強さに相関を有する第1パラメータを取得するとともに、前記残存気流が強いほど前記直前噴射の噴射終了時期から前記点火時期までの時間が短くなるように前記取得した第1パラメータに応じて前記直前噴射の噴射終了時期を変更する制御装置。
  4. 請求項3に記載の内燃機関の制御装置において、
    前記制御部は、
    前記先行噴射の噴射終了時期から前記直前噴射の噴射開始時期までの時間を、その時間が短いほど前記残存気流がより強いことを示す前記第1パラメータとして取得するように構成された制御装置。
  5. 請求項3に記載の内燃機関の制御装置において、
    前記制御部は、
    前記先行噴射により噴射される燃料の量を、その燃料の量が多いほど前記残存気流がより強いことを示す前記第1パラメータとして取得するように構成された制御装置。
  6. 請求項3に記載の内燃機関の制御装置において、
    前記制御部は、
    前記先行噴射を行うときの燃料圧力を、その燃料圧力が高いほど前記残存気流がより強いことを示す前記第1パラメータとして取得するように構成された制御装置。
  7. 請求項3に記載の内燃機関の制御装置において、
    前記制御部は、
    前記先行噴射の噴射終了時期から前記直前噴射の噴射開始時期までの時間、
    前記先行噴射により噴射される燃料の量、及び、
    前記先行噴射を行うときの燃料圧力、
    のうちの少なくとも2つ以上に基づいて、前記第1パラメータを算出するように構成された制御装置。
  8. 請求項1又は請求項2に記載の内燃機関の制御装置において、
    前記噴射弁は、
    少なくとも前記弁体が移動された状態において前記噴孔が連通するサック室を当該噴射弁の先端部に備え、
    前記制御部は、
    前記直前噴射の実行時点において前記サック室内に残留している燃料流動であるサック室燃料流動の強さに相関を有する第2パラメータを取得するとともに、前記サック室燃料流動が強いほど前記直前噴射の噴射終了時期から前記点火時期までの時間が長くなるように前記取得した第2パラメータに応じて前記直前噴射の噴射終了時期を変更する制御装置。
  9. 請求項8に記載の内燃機関の制御装置において、
    前記制御部は、
    前記直前噴射に加え同直前噴射の前の時点にて前記噴射弁により前記燃料噴射を先行噴射として実行させ、更に、
    前記先行噴射の噴射終了時期から前記直前噴射の噴射開始時期までの時間を、その時間が短いほど前記サック室燃料流動がより強いことを示す前記第2パラメータとして取得するように構成された制御装置。
  10. 請求項8に記載の内燃機関の制御装置において、
    前記制御部は、
    前記直前噴射に加え同直前噴射の前の時点にて前記噴射弁により前記燃料噴射を先行噴射として実行させ、更に、
    前記先行噴射により噴射される燃料の量を、その燃料の量が大きいほど前記サック室燃料流動がより強いことを示す前記第2パラメータとして取得するように構成された制御装置。
  11. 請求項8に記載の内燃機関の制御装置において、
    前記制御部は、
    前記直前噴射に加え同直前噴射の前の時点にて前記噴射弁により前記燃料噴射を先行噴射として実行させ、更に、
    前記先行噴射を行うときの燃料圧力を、その燃料圧力が高いほど前記サック室燃料流動がより強いことを示す前記第2パラメータとして取得するように構成された制御装置。
  12. 請求項8に記載の内燃機関の制御装置において、
    前記制御部は、
    前記直前噴射に加え同直前噴射の前の時点にて前記噴射弁により前記燃料噴射を先行噴射として実行させ、更に、
    前記先行噴射の噴射終了時期から前記直前噴射の噴射開始時期までの時間、
    前記先行噴射により噴射される燃料の量、及び、
    前記先行噴射を行うときの燃料圧力、
    のうちの少なくとも2つ以上に基づいて、前記第2パラメータを算出するように構成された制御装置。
  13. 請求項3に記載の内燃機関の制御装置において、
    前記噴射弁は、
    少なくとも前記弁体が移動された状態において前記噴孔が連通するサック室を当該噴射弁の先端部に備え、
    前記制御部は、
    前記直前噴射の実行時点において前記サック室内に残留している燃料流動であるサック室燃料流動の強さに相関を有する第2パラメータを取得するとともに、前記サック室燃料流動が強いほど前記直前噴射の噴射終了時期から前記点火時期までの時間が長くなるように前記取得した第2パラメータに応じて前記直前噴射の噴射終了時期を変更する制御装置。
  14. 請求項13に記載の内燃機関の制御装置において、
    前記制御部は、
    前記先行噴射の噴射終了時期から前記直前噴射の噴射開始時期までの時間、
    前記先行噴射により噴射される燃料の量、及び、
    前記先行噴射を行うときの燃料圧力、
    のうちの少なくとも一つを、前記第1パラメータ及び前記第2パラメータに共通のパラメータとして取得するとともに、前記先行噴射により前記筒内に生成される気流及び前記先行噴射により前記サック室内に生成される燃料流動が前記直前噴射により噴射された燃料の貫徹力に及ぼす影響、を補正するための補正量を前記共通のパラメータに基づいて求め、その補正量を用いて前記直前噴射の噴射終了時期から前記点火時期までの時間を修正するように構成された、制御装置。
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