JP2019138248A - 燃料噴射制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】内燃機関の状態に応じて適切に貫徹力を制御した燃料噴射を行うことによって、良好に燃料を燃焼させることができる燃料噴射制御装置を提供する。【解決手段】蓄圧容器(32)内の高圧燃料を内燃機関(10)の燃焼室(21)内に噴射する燃料噴射弁(30)を備える燃料噴射システム(1)に適用される燃料噴射制御装置(40)であって、前記燃料の噴射開始時期を設定する時期設定部(42)と、前記噴射開始時期が前記内燃機関の吸気行程である場合には前記燃料噴射弁の弁体(54)が全開に至る前に噴射を終了するパーシャルリフト噴射を実行し、前記噴射開始時期が前記内燃機関の圧縮行程である場合には前記燃料噴射弁30の弁体を全開まで開弁させるフルリフト噴射を実行する噴射制御部(43)と、を備える。【選択図】 図3

Description

本発明は、内燃機関に燃料を噴射する燃料噴射システムを制御する燃料噴射制御装置に関する。
特許文献1に、内燃機関の圧縮行程において燃料を直接噴射するための制御装置が記載されている。この制御装置では、噴射燃料の高圧化に伴い増大する燃料噴霧の乱れを利用して点火時の火炎の伝播速度を実質的に高めることによって、ノッキングの発生を抑制するとともに、点火時期をMBT(Minimum spark advance for Best Torque)に近づけている。これによって、ノッキングを抑制しつつ、内燃機関の出力を高めている。
特許第4161828号公報
ノッキング発生を抑制するために、燃料の噴射時期を遅角させることがある。燃料の噴射時期を遅角させると、噴射から点火までの期間が短いため、点火時期までに均質な混合気(空気と燃料との混合気体)が形成されず、燃費低下やエミッション悪化が発生する場合がある。燃料の着火を安定的に行うためには、噴射した燃料を迅速かつ均質に混合し、点火プラグまで到達させる貫徹力の高い燃料噴射を実行することが好ましい。一方で、貫徹力が大き過ぎると、噴射した燃料が内燃機関の燃焼室の内壁面に到達し易くなり、燃焼室内の状態によっては燃料の液滴が燃焼室内に付着する現象(燃料ウェット)が発生して燃費が低下し、エミッションが悪化する。
上記に鑑み、本発明は、内燃機関の状態に応じて適切に貫徹力を制御した燃料噴射を行うことによって、良好に燃料を燃焼させることができる燃料噴射制御装置を提供することを目的とする。
本発明は、蓄圧容器内の高圧燃料を内燃機関の燃焼室内に噴射する燃料噴射弁を備える燃料噴射システムに適用される燃料噴射制御装置を提供する。この燃料噴射制御装置は、燃料の噴射開始時期を設定する時期設定部と、噴射開始時期が内燃機関の吸気行程である場合には燃料噴射弁の弁体が全開に至る前に噴射を終了するパーシャルリフト噴射を実行し、噴射開始時期が内燃機関の圧縮行程である場合には燃料噴射弁の弁体を全開まで開弁させるフルリフト噴射を実行する噴射制御部と、を備える。
本発明によれば、燃料ウェットの発生が懸念される吸気行程に燃料の噴射開始時期が設定された場合には、パーシャルリフト噴射を実行することによって貫徹力を抑制して燃料噴射を行うことができる。また、内燃機関の燃焼室内が高温となり、燃料ウェットの発生が懸念されない圧縮行程に燃料の噴射開始時期が設定された場合には、フルリフト噴射を実行することによって貫徹力の高い燃料噴射を行って、内燃機関の燃焼室内の混合気の均質性と着火安定性とを確保することができる。噴射開始時期に基づいて燃料噴射弁におけるリフト量を調整して貫徹力を適切に調整して燃料を噴射するため、良好に燃料を燃焼させることができる。
実施形態に係る燃料噴射システムの概略図。 図2(a)は燃料噴射弁のフルリフト状態を示す図、図2(b)は燃料噴射弁のパーシャルリフト状態を示す図。 実施形態に係る燃料噴射制御処理のフローチャート。
図1に示すように、燃料噴射システム1は、蓄圧容器32に蓄えられた高圧燃料を、直噴式の燃料噴射弁30から内燃機関10の燃焼室内に噴射可能なシステムとして構成されている。内燃機関10は、吸気行程、圧縮行程、燃焼行程、排気行程を1燃焼サイクルとする筒内噴射式の多気筒エンジンである。蓄圧容器32は、デリバリパイプであり、高圧ポンプ31から圧送された高圧燃料を貯留する。蓄圧容器32内の燃料の圧力(燃圧)を検知する燃圧センサ37が設けられている。
内燃機関10の吸気管12の上流部には、吸入空気の流量を検知する吸気流量センサ13と、吸気温度センサ14とが設けられている。その下流側には、モータ15によって開度調節されるスロットルバルブ16と、このスロットルバルブ16の開度(スロットル開度)を検知するスロットル開度センサ17とが設けられている。
スロットルバルブ16の下流側にはサージタンク18が設けられ、このサージタンク18に、吸気管内の圧力を検知する吸気管圧力センサ19が設けられている。サージタンク18には、内燃機関10の燃焼室21に空気を導入する吸気ポート20が接続されている。内燃機関10の各気筒のシリンダヘッド11Bには、それぞれ燃焼室21内に燃料を直接噴射する電磁式の燃料噴射弁30と、点火プラグ22が取り付けられている。点火プラグ22の火花放電によって燃焼室21内の混合気に着火される。
内燃機関10の排気管23には、排気の空燃比を検知するA/Fセンサ24が設けられている。A/Fセンサ24の下流側に、触媒層25と、粒子除去層35とが設けられている。触媒層25は、三元触媒(3way触媒)等の排気浄化触媒を備える層である。粒子除去層35は、ガソリン・パティキュレートフィルタ(GPF)、GPFに触媒を担持した4way−GPF等の主に排気中の粒子状物質を除去するための層である。粒子除去層35の下流側には、排気中の粒子状物質(PM)の濃度を検知するPMセンサ36が設けられている。A/Fセンサ24とPMセンサ36とは、排気中の所定成分の成分量を検知する排気センサの一例であり、代替的または付加的に、NOxセンサ、O2センサ等を用いてもよい。
内燃機関10のシリンダブロック11Aには、冷却水温を検知する水温センサ26や、ノッキングを検知するノックセンサ27が取り付けられている。クランク軸28の外周側には、クランク軸28が所定クランク角だけ回転するごとにパルス信号を出力するクランク角センサ29が取り付けられ、このクランク角センサ29のクランク角信号に基づいてクランク角や内燃機関10の回転速度が検知される。さらに、内燃機関10の燃焼室21内の圧力を検知する燃料室内圧センサ(CPS)、温度を検知する燃焼室内温センサが設けられていてもよい。
これら各種センサの出力はECU40に入力される。ECU40は、マイクロコンピュータを主体として構成された電子制御ユニットであり、各種センサの検知信号を用いて内燃機関10の各種制御を実行する。ECU40は、内燃機関10の運転状態に応じた燃料噴射量を算出して燃料噴射弁30の燃料噴射を制御するとともに、点火プラグ22の点火時期を制御する。
ECU40は、燃料噴射弁30を制御して、パーシャルリフト噴射とフルリフト噴射とを実行させることができる。図2(a)はフルリフト噴射時の燃料噴射弁30の動作を示し、(b)はパーシャルリフト噴射時の燃料噴射弁30の動作を示している。
図2(a)(b)に示すように、燃料噴射弁30は、通電により電磁力を生じさせる電磁部としてのコイル51と、磁性体よりなる固定コア52と、磁性体よりなり電磁力によって固定コア52の側に吸引される可動コア53と、可動コア53と一体的に駆動されるニードル状の弁体54と、弁体54を閉弁側に付勢する第1スプリング55と、可動コア53を反閉弁側に付勢する第2スプリング56とを有している。そして、コイル51への通電に伴い弁体54が弁座から離れて開弁側に移動することで、燃料噴射弁30が開弁状態となり、燃料噴射が行われる。なお、第2スプリング56の付勢力は、第1スプリング55の付勢力よりも小さく設定されている。燃料噴射弁30の弁体54が全開に至る前に噴射を終了する噴射がパーシャルリフト噴射であり、燃料噴射弁30の弁体54を全開まで開弁させる噴射がフルリフト噴射である。
図2(a)、(b)では噴射パルス幅(通電時間)が相違しており、(a)に示すように噴射パルス幅が比較的長くなる場合、すなわち弁体リフト量がフルリフト量となる場合には、弁体54が、可動コア53が固定コア52側のストッパ52aに突き当たる位置であるフルリフト位置に到達する。一方、(b)に示すように、噴射パルス幅が比較的短くなる場合、すなわち弁体リフト量がパーシャルリフト量となる場合には、弁体54が、可動コア53がストッパ52aに突き当たる手前の状態であり、フルリフト位置に到達しないパーシャルリフト状態となる。そして、噴射パルスの立ち下がりに伴いコイル51の通電が停止されると、可動コア53と弁体54とが閉弁位置に戻ることで燃料噴射弁30が閉弁状態となり、燃料噴射が停止される。なお、可動コア53と弁体54とが別体で構成されているため、弁体54が閉位置に到達した際には、弁体54はその閉位置で保持されるのに対し、可動コア53は単独でより先端側に移動する。
噴射パルスにより燃料噴射弁30が開弁駆動される際には、燃料噴射弁30のコイル51に対して低電圧と高電圧とが時系列で切り替えられて印加されるようになっている。この場合、開弁初期には高電圧が印加されることで、燃料噴射弁30の開弁応答性が確保されるとともに、それに引き続いて低電圧が印加されることで、燃料噴射弁30の開弁状態が保持される。すなわち、弁体リフト量がパーシャルリフト量となった状態で、燃料噴射弁30のコイル51に印加する電圧を高電圧から低電圧に切り替えることによって、パーシャルリフト状態を維持することができる。
ECU40は、データ取得部41と、時期設定部42と、噴射制御部43とを備えている。データ取得部41は、A/Fセンサ24、PMセンサ36、水温センサ26、吸気流量センサ13、吸気温度センサ14、クランク角センサ29、燃圧センサ37等の各種センサの検知値を取得する。データ取得部41によって取得されたデータは、ECU40に記憶されてもよい。
時期設定部42は、内燃機関10の負荷または回転速度に基づいて、燃料噴射弁30が噴射する燃料の噴射開始時期を設定する。内燃機関10の負荷は、例えば、吸気流量センサ13と、吸気温度センサ14との検知値に基づいて、導出することができる。内燃機関10の回転速度は、クランク角センサ29の検知値に基づいて導出できる。ECU40には、内燃機関10の負荷または回転速度と、燃料の噴射量との対応関係が予めマップまたは数式等として記憶されている。時期設定部42は、このマップまたは数式を参照し、算出した内燃機関10の負荷または回転速度に基づいて、燃料噴射弁30の噴射開始時期を算出することができる。または、内燃機関10の負荷に替えて、負荷に影響する各種センサの検知値(例えば、吸気流量センサ13、吸気温度センサ14等の検知値)と燃料の噴射量との対応関係が予めマップまたは数式等として記憶されていてもよい。この場合、時期設定部42は、各種センサの検知値から内燃機関10の負荷を算出することなく、そのまま噴射開始時期を導き出すことができる。
例えば、内燃機関10の排気に含まれるNOx、粒子状物質(PM)、未燃焼燃料等の成分量を低減するためには、燃料の噴射時期は、内燃機関10の燃焼サイクルにおける吸気行程または圧縮行程後半に設定することが好ましい。燃料の噴射時期を吸気行程と圧縮行程後半とのいずれの行程に設定した方がより排気中の低減対象成分を低減できるかは、内燃機関10の運転状態によって変わる。
内燃機関10が高負荷運転状態にある場合には、ノッキングが発生し易くなる。圧縮行程後半においては内燃機関10の燃焼室内が高温となるため、高貫徹力で噴射された燃料が速やかに気化されて燃焼速度が向上し、ノッキングを抑制することができる。すなわち、内燃機関10が高負荷運転状態にある場合には、時期設定部42は、燃料の噴射時期を内燃機関10の圧縮行程から圧縮行程後半の点火タイミング前までの間に設定することが好ましく、これによってノッキングを抑制することができる。
内燃機関10が低負荷運転状態にある場合には、ノッキングは発生しない。このため、ノッキング発生を抑制する目的で圧縮行程後半に噴射時期を設定する必要がない。すなわち、内燃機関10が低負荷運転状態にある場合には、時期設定部42は、燃料の噴射時期を内燃機関10の吸気行程から圧縮行程前半までの間に設定することが好ましい。
時期設定部42は、各種センサからの検知値に基づいて算出した負荷に対して閾値を設定し、負荷と閾値とを比較することによって、負荷の度合いを判定してもよい。例えば、内燃機関10の負荷が所定の閾値以下である場合に低負荷運転状態であると判定し、負荷が所定の閾値を超える場合に、高負荷運転状態であると判定してもよい。
噴射制御部43は、噴射開始時期が内燃機関10の吸気行程である場合には燃料噴射弁30の弁体54が全開に至る前に噴射を終了するパーシャルリフト噴射を実行する。また、噴射開始時期が圧縮行程である場合には燃料噴射弁30の弁体54を全開まで開弁させるフルリフト噴射を実行する。パーシャルリフト噴射を実行する場合には、フルリフト噴射を実行する場合よりも燃焼室内に噴射された燃料の貫徹力を低くすることができる。
燃料ウェットの発生が懸念される吸気行程に燃料の噴射開始時期が設定された場合には、パーシャルリフト噴射を実行することによって貫徹力を抑制して燃料噴射を行うことができる。また、内燃機関10の燃焼室内が高温となり、燃料ウェットの発生が懸念されない圧縮行程に燃料の噴射開始時期が設定された場合には、フルリフト噴射を実行することによって貫徹力の高い燃料噴射を行って、内燃機関10の燃焼室内の混合気の均質性と着火安定性とを確保することができる。噴射開始時期に基づいて燃料噴射弁30の弁体54のリフト量を調整して貫徹力を適切に調整して燃料を噴射するため、良好に燃料を燃焼させることができる。
噴射制御部43は、燃料噴射弁30のコイル51への通電時間や高電圧から低電圧に切り替えるタイミングを制御することによって、燃料噴射弁30からの燃料の噴射をパーシャルリフト噴射またはフルリフト噴射に制御することができる。
内燃機関10が高負荷運転状態にある場合に、時期設定部42が、燃料の噴射開始時期を内燃機関10の圧縮行程に設定し、燃料の噴射終了時期を圧縮行程後半の点火タイミング前に設定した場合には、噴射制御部43は、フルリフト噴射を行うよう燃料噴射弁30を制御する。
内燃機関10が低負荷運転状態にある場合に、時期設定部42が、燃料の噴射開始時期を内燃機関10の吸気行程に設定し、燃料の噴射終了時期を吸気行程または圧縮行程前半に設定した場合には、噴射制御部43は、パーシャルリフト噴射を行うよう燃料噴射弁30を制御する。
噴射する燃料の燃圧を高くすることによって、噴射率(単位時間当たりの燃料の噴射量)を高めることができる。一方で、燃圧を高くすると、燃料の貫徹力は高くなる。パーシャルリフト噴射を行う場合には、フルリフト噴射を行う場合と比較して、噴射率(単位時間当たりの燃料の噴射量)が低くなるため、同じ燃圧で同じ噴射量だけ燃料を噴射する場合、噴射期間(噴射開始時期から噴射終了時期までの期間)が長くなる。このため、パーシャルリフト噴射を行う場合には、噴射期間を短縮するために、貫徹力が高くなり過ぎない範囲で燃圧を高くする制御を行う必要がある場合がある。すなわち、パーシャルリフト噴射を行う場合には、噴射制御部43は、データ取得部41が取得する燃圧センサ37の検知値(蓄圧容器32内の燃料の燃圧の検知値)に基づいて、燃料の噴射量を設定することが好ましい。さらには、貫徹力が高くなり過ぎない範囲で調整可能な最高燃圧Pmaxであっても所望の噴射期間内に燃料の噴射が完了しない場合には、噴射制御部43は、吸気行程内で燃料の噴射を分割し、複数回の噴射を行うように燃料噴射弁30を制御してもよい。
貫徹力が高くなり過ぎない燃圧の範囲は、貫徹力が関連するパラメータに基づいて設定することができる。例えば、吸気行程に貫徹力が高くなり過ぎると、燃料ウェットによって排気中のNOx、PM、未燃焼燃料等の低減対象成分が増加したり、燃費が悪化したりする。このため、低減対象成分が閾値以下となる燃圧の範囲、または、燃費が閾値以上となる燃圧の範囲を、貫徹力が高くなり過ぎない燃圧の範囲として設定することができる。貫徹力が高くなり過ぎない燃圧の範囲は、ECU40に予め記憶されていてもよい。
例えば、噴射する燃料の燃圧と、排気中のPM成分量との関係をマップまたは数式として予め取得し、PM成分量が所定値以下となる燃圧を最高燃圧Pmaxとしてもよい。ここで、燃圧とPM成分量との関係は、燃圧センサ37の検知値とPMセンサ36の検知値に基づいて得られたものであってもよい。排気中のPM成分量との関係を示すマップまたは数式は、ECU40に予め記憶されていてもよい。
なお、貫徹力を直接算出して、貫徹力が所定値以下となるように燃圧を設定してもよい。貫徹力は、燃料の噴射量および燃圧と、噴射時の燃焼室内の圧力分布から算出することができる。噴射時の燃焼室内の圧力分布は、演算もしくは燃焼室内の圧力を検知する燃焼室内圧センサ(CPS)から取得することができる。
図3は、ECU40が実行する燃料噴射制御処理のフローチャートである。
ステップS101では、クランク角センサ29の検知値を取得し、内燃機関10の負荷が所定の閾値X以下であるか否かを判定する。内燃機関10の負荷は、吸気流量センサ13と、吸気温度センサ14との検知値から算出することができる。内燃機関10の負荷>閾値Xとなる高負荷状態の場合には、ステップS102に進み、内燃機関10の1サイクル中に行う燃料の噴射を圧縮行程後半までに終了することを決定する。内燃機関10の負荷≦閾値Xとなる低負荷状態の場合には、ステップS103に進み、内燃機関10の1サイクル中に行う燃料の噴射を吸気行程から圧縮行程前半の間に終了することを決定する。
ステップS102、S103から、ステップS104に進み、燃料の噴射量と噴射開始時期を設定する。ECU40には、内燃機関10の負荷または回転速度と、燃料の噴射量との対応関係が予めマップまたは数式等として記憶されている。このマップまたは数式を参照し、算出した内燃機関10の負荷に基づいて、燃料噴射弁30の噴射開始時期を算出する。具体的には、例えば、吸気流量センサ13と燃圧センサ37との検知値に基づいて、目標となる空燃比となるように燃料の噴射量を設定することができる。
噴射開始時期は、ステップS102またはS103で決定した噴射を終了する時期に応じて設定する。噴射開始時期は、吸気行程または圧縮行程に設定することができるが、吸気行程から圧縮行程前半の間に終了することを決定した場合(ステップS103)には、噴射開始時期は、圧縮行程後半には設定しない。
内燃機関10の1サイクル中に複数回の噴射を行う分割噴射を行うようにしてもよく、分割噴射における各噴射について、噴射量と噴射開始時期を決定してもよい。また、分割噴射を行う場合には、最後に行う噴射の噴射終了時期がステップS102またはステップS103で決定した終了時期に設定されていればよい。
ステップS105では、噴射開始時期が吸気行程に設定された否かを判定する。噴射開始時期が吸気行程に設定されていない場合には、ステップS106〜ステップS108に示す圧縮行程での噴射制御が実行される。噴射開始時期が吸気行程に設定された場合には、ステップS110〜ステップS116に示す吸気行程での噴射制御が実行される。
噴射開始時期が吸気行程に設定されていない場合には、ステップS106,S107に進み、燃料の噴射燃圧および噴射期間を算出し、決定する。次に、ステップS108に進み、フルリフト噴射を行うように燃料噴射弁30を制御して、終了する。
噴射開始時期が吸気行程に設定された場合には、ステップS110に進み、吸気行程で行われる燃料の噴射について、燃料の噴射量に応じて、噴射燃圧および噴射期間を算出する。
次に、ステップS112に進み、ECU40に予め記憶された噴射燃圧と排気中のPM成分量との関係を示すマップを参照し、ステップS110で算出した噴射燃圧Pが、貫徹力が高くなり過ぎない範囲で調整可能な最高燃圧Pmax以下(P≦Pmax)となるか否かを判定する。
P>Pmaxである場合には、ステップS113に進み、吸気行程の範囲内で、燃料の噴射を複数回に分割する。その後、ステップS110に戻り、分割された各噴射について、噴射燃圧および噴射期間を算出する。吸気行程内で分割された各噴射の噴射燃圧PがPmax以下となるまで、ステップS110〜S113が繰り返される。
P≦Pmaxである場合には、ステップS114に進み、燃料の噴射燃圧および噴射期間を決定する。さらに、ステップS115に進み、フルリフト噴射を行うように燃料噴射弁30を制御して、ステップS116に進む。
ステップS116において、内燃機関10の1燃焼サイクルで実行する全ての燃焼噴射が完了したか否かを判定する。ステップS104において、全ての噴射について噴射開始時期が吸気行程に設定されている場合には、処理を終了する。ステップS104において、分割噴射を行うように設定され、さらに圧縮行程での噴射も実行する場合には、ステップS105に戻り、ステップS106〜ステップS108に示す圧縮行程での噴射制御を実行後、終了する。
上記の実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
時期設定部42によって吸気行程に燃料の噴射開始時期が設定された場合には、噴射制御部43は、パーシャルリフト噴射を実行することによって貫徹力を抑制して燃料噴射を行うことができる。このため、燃料の液滴が燃焼室内に付着する燃料ウェットが発生して燃費が低下し、エミッションが悪化することを抑制できる。
また、時期設定部42によって圧縮行程に燃料の噴射開始時期が設定された場合には、フルリフト噴射を実行することによって貫徹力の高い燃料噴射を行うことができる。内燃機関10の燃焼室内が高温となり、燃料ウェットの発生が懸念されない圧縮行程で燃料を噴射するに際しては、噴射した燃料を迅速かつ均質に混合し、点火プラグ22まで到達させる貫徹力の高い燃料噴射を実行することによって、内燃機関10の燃焼室内の混合気の均質性と着火安定性とを確保することができる。
また、内燃機関10が高負荷運転状態にある場合には、時期設定部42は、燃料の噴射開始時期を内燃機関10の圧縮行程に設定し、燃料の噴射終了時期を圧縮行程後半の点火タイミング前に設定する。噴射制御部43は、フルリフト噴射を行うよう燃料噴射弁30を制御する。内燃機関10の燃焼室内が高温となる圧縮行程後半に高貫徹力で燃料を噴射するため、燃料が速やかに気化されて燃焼速度が向上し、ノッキングを防止することができる。
また、内燃機関10が低負荷運転状態にある場合には、時期設定部42は、燃料の噴射開始時期を内燃機関10の吸気行程に設定し、燃料の噴射終了時期を吸気行程または圧縮行程前半に設定する。噴射制御部43は、パーシャルリフト噴射を行うよう燃料噴射弁30を制御する。内燃機関10が低負荷運転状態にある場合には、ノッキングは発生しないため、吸気行程に低貫徹力で燃料を噴射することによって、燃費を向上させ、排気に含まれるNOx、粒子状物質(PM)、未燃焼燃料等の成分量を低減する噴射制御を安定的に行うことができる。さらに、噴射制御部43は、燃圧センサ37の検知値に基づいて、吸気行程で行うパーシャルリフト噴射における燃料の噴射量を制御するため、燃料ウェットをより確実に抑制することができる。
・なお、本発明の燃料噴射制御装置は、ガソリンエンジン以外にディーゼルエンジンにおいても適用可能である。すなわち、直噴式ディーゼルエンジンの燃料噴射弁を制御する燃料噴射制御装置への適用が可能となっている。
1…燃料噴射システム、10…内燃機関、21…燃焼室、30…燃料噴射弁、32…蓄圧容器、37…燃圧センサ、40…ECU、41…データ取得部、42…時期設定部、43…噴射制御部、54…弁体

Claims (4)

  1. 蓄圧容器(32)内の高圧燃料を内燃機関(10)の燃焼室(21)内に噴射する燃料噴射弁(30)を備える燃料噴射システム(1)に適用される燃料噴射制御装置であって、
    前記燃料の噴射開始時期を設定する時期設定部(42)と、
    前記噴射開始時期が前記内燃機関の吸気行程である場合には前記燃料噴射弁の弁体(54)が全開に至る前に噴射を終了するパーシャルリフト噴射を実行し、前記噴射開始時期が前記内燃機関の圧縮行程である場合には前記燃料噴射弁の弁体を全開まで開弁させるフルリフト噴射を実行する噴射制御部(43)と、を備える燃料噴射制御装置(40)。
  2. 前記蓄圧容器内の燃料の圧力を取得する燃圧取得部(41)をさらに備え、
    前記噴射制御部は、前記燃圧取得部が検知する燃圧に基づいて、前記パーシャルリフト噴射の前記燃料の噴射量を設定する請求項1に記載の燃料噴射制御装置。
  3. 前記時期設定部は、前記内燃機関が低負荷運転状態にある場合には、前記燃料の噴射開始時期を前記内燃機関の吸気行程に設定し、前記燃料の噴射終了時期を前記内燃機関の吸気行程または圧縮行程前半に設定する請求項1または2に記載の燃料噴射制御装置。
  4. 前記時期設定部は、前記内燃機関が高負荷運転状態にある場合には、前記燃料の噴射開始時期を前記内燃機関の圧縮行程に設定し、前記燃料の噴射終了時期を前記内燃機関の圧縮行程後半かつ前記燃料の点火タイミング前に設定する請求項1〜3のいずれかに記載の燃料噴射制御装置。
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