JP2012193710A - 内燃機関の燃料噴射制御装置 - Google Patents

内燃機関の燃料噴射制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】オイル消費量の低減を図ることのできる内燃機関の燃料噴射制御装置を提供する。
【解決手段】この装置は、吸気通路に燃料を噴射する通路噴射弁と気筒内に燃料を直接噴射する筒内噴射弁とを有する内燃機関に適用されて、それら噴射弁の開弁駆動を通じて気筒内への燃料供給を行う。内燃機関の運転領域が高回転かつ高負荷運転領域(実行領域E)であるときに、気筒の内壁面の温度低下を図るべく、ポート噴射率Rpとして「0」より大きい値を設定して、筒内噴射弁による燃料噴射と通路噴射弁による燃料噴射とを合わせて実行する。
【選択図】図2

Description

本発明は、吸気通路に燃料を噴射する通路噴射弁と気筒内に燃料を直接噴射する筒内噴射弁とを有する内燃機関の燃料噴射制御装置に関するものである。
近年、特許文献1に記載の装置のように、吸気通路に燃料を噴射するタイプの燃料噴射弁(通路噴射弁)と気筒内に燃料を直接噴射するタイプの燃料噴射弁(筒内噴射弁)とをそれぞれ内燃機関に設けることが提案されている。こうした装置では、内燃機関の運転状態に応じたかたちで通路噴射弁の駆動制御と筒内噴射弁の駆動制御とを合わせて実行することにより、同内燃機関の気筒内への燃料供給が行われる。
筒内噴射弁による燃料噴射は、通路噴射弁による燃料噴射と比較して、燃料の気化潜熱によって気筒内の温度および圧力を低下させる効果が大きいために、大きな機関トルクが要求される運転状態に適している。そのため特許文献1に記載の装置では、大きな機関トルクが要求される高回転かつ高負荷運転領域においては、通路噴射弁を用いた燃料噴射を実行することなく、筒内噴射弁のみを用いて燃料噴射が実行される。
特開2006−138252号公報
内燃機関の運転領域が高回転かつ高負荷領域であるときには、気筒内部における単位時間あたりの発生熱量が多いために、気筒内壁の温度が高くなりやすい。内燃機関の気筒内壁面には潤滑オイルが供給されているために、気筒内壁の温度が高くなると、潤滑オイルの温度も高くなってしまう。そして、そうした潤滑オイルの温度上昇は、潤滑オイルの蒸発によるオイル消費量の増加を招く一因となるために好ましくない。
本発明は、そうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、オイル消費量の低減を図ることのできる内燃機関の燃料噴射制御装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について説明する。
請求項1に記載の装置は、吸気通路に燃料を噴射する通路噴射弁と気筒内に燃料を直接噴射する筒内噴射弁とを有しており、それら噴射弁の開弁駆動を通じて内燃機関の気筒内への燃料供給を行う。
通路噴射弁による燃料噴射を実行する場合、筒内噴射弁のみによって燃料噴射を実行する場合と比較して、気筒内壁面の付近において霧化する燃料の量や気筒内壁面に付着する燃料の量が多くなるために、そうした燃料によって内壁面の温度を低下させる効果が大きくなる。
請求項1に記載の装置によれば、内燃機関の高回転かつ高負荷運転領域、すなわち気筒の内壁面の温度が高くなる運転領域において、そうした通路噴射弁による燃料噴射を実行することにより、気筒の内壁面の温度を低く抑えることができる。これにより、気筒内壁面に供給される潤滑オイルの温度上昇を抑えることができるために、同オイルの蒸発を抑えてオイル消費量の低減を図ることができる。
複数の気筒を有する内燃機関では、その構造上、他の気筒と比較して内壁温度が高くなり易い気筒がある。そのため、内燃機関の高回転かつ高負荷運転領域において各気筒共通の実行態様で通路噴射弁からの燃料噴射を実行した場合に、気筒内に供給される燃料量のうちの通路噴射弁による噴射分の占める割合を内壁温度が高くなり易い気筒に合わせて定めると、他の気筒において通路噴射弁の噴射割合が不要に大きくなって機関トルクの不要な低下を招いてしまう。一方、上記割合を内壁温度が高くなり難い気筒に合わせて定めると、他の気筒において通路噴射弁の噴射割合が不足して気筒内壁面の温度上昇を適切に抑えることができなくなってしまう。
請求項2に記載の装置では、複数の気筒を有する内燃機関において、気筒内に供給される燃料量のうちの通路噴射弁による噴射分の占める割合として気筒毎に異なる割合が設定される。そのため、気筒内壁の温度の上昇傾向に応じたかたちで通路噴射弁からの燃料噴射の割合を気筒毎に設定することができるようになり、機関トルクの低下を抑えつつ各気筒の内壁面の温度を的確に低下させることができるようになる。
請求項3に記載の装置によれば、内燃機関の運転時における気筒内壁面の温度が高い気筒ほど、前記割合を高くすることによって通路噴射弁から噴射される燃料の量を多くして、気筒内壁面の温度を低下させる効果を大きくすることができる。
機関回転速度が高いときほど、単位時間あたりの噴射回数が多くなって気筒内部における発熱量も多くなるため、気筒内壁の温度が高くなり易い。
請求項4に記載の装置によれば、機関回転速度が高いために気筒内壁の温度が高くなり易いときほど、前記割合を高く設定して、気筒内壁面の温度を低下させる効果を大きくすることができる。そのため、機関トルクの低下を抑えつつ気筒内壁面の温度を的確に低下させることができる。
機関負荷が大きいときほど、内燃機関の吸入空気量が多く気筒内部における発熱量も多くなるため、気筒内壁の温度が高くなり易い。
請求項5に記載の装置によれば、機関負荷が大きいために気筒内壁の温度が高くなり易いときほど、前記割合を高く設定して、気筒内壁面の温度を低下させる効果を大きくすることができる。そのため、機関トルクの低下を抑えつつ気筒内壁面の温度を的確に低下させることができる。
本発明を具体化した一実施の形態にかかる内燃機関の燃料噴射制御装置の概略構成を示す略図。 機関回転速度と機関トルクとポート噴射率との関係を示す略図。 ポート噴射率と燃焼室の内壁面温度との関係の一例を示すグラフ。
以下、本発明にかかる内燃機関の燃料噴射制御装置を具体化した一実施の形態について説明する。
図1に示すように、内燃機関10の吸気通路11にはスロットル機構12が設けられている。このスロットル機構12は、スロットルバルブ13とスロットルモータ14とを備えている。そして、このスロットルモータ14の作動制御を通じてスロットルバルブ13の開度(スロットル開度TA)が調節され、これにより吸気通路11を通じて燃焼室15内に吸入される空気の量(吸入空気量GA)が調節される。
また、上記吸気通路11には通路噴射弁16が設けられている。この通路噴射弁16は、その開弁駆動に伴って吸気通路11(詳しくは、吸気ポート11a)の内部に燃料を噴射する。内燃機関10には、上記通路噴射弁16に加えて、筒内噴射弁17が設けられている。この筒内噴射弁17は、その開弁駆動に伴って内燃機関10の気筒(詳しくは、燃焼室15)の内部に燃料を噴射する。
内燃機関10の燃焼室15においては、吸入空気と噴射燃料とからなる混合気に対して点火プラグ18による点火が行われる。この点火動作によって混合気が燃焼してピストン19が往復移動し、クランクシャフト20が回転する。そして、燃焼後の混合気は排気として燃焼室15から排気通路21に送り出される。
内燃機関10にはオイルを貯留するオイルタンク22が設けられており、このオイルタンク22の内部にはポンプ23が設けられている。そして、このポンプ23によって圧送されることにより、オイルタンク22内のオイルが内燃機関10の各稼働部に供給される。各稼働部の潤滑などに供された後のオイルは内燃機関10の内壁を伝い落ちる等してオイルタンク22内に貯まるようになっている。
内燃機関10は、例えばマイクロコンピュータを有して構成される電子制御装置30を備えている。電子制御装置30には、内燃機関10の運転状態を検出するための各種センサの検出信号が取り込まれている。各種センサとしては、例えばクランクシャフト20の回転速度(機関回転速度NE)を検出するためのクランクセンサや、アクセルペダル(図示略)の踏み込み量(アクセル踏み込み量ACC)を検出するためのアクセルセンサ、スロットルバルブ13の開度(スロットル開度TA)を検出するためのスロットルセンサが設けられている。その他、吸入空気量GAを検出するためのエアフローメータや、ノッキングの発生の有無を判定するためのノックセンサなども設けられている。
電子制御装置30は、各種センサの検出信号をもとに各種の演算を行い、その演算結果に基づいてスロットルモータ14の駆動制御(スロットル制御)や、通路噴射弁16および筒内噴射弁17の作動制御(燃料噴射制御)、点火プラグ18の作動制御(点火時期制御)などといった機関制御を実行する。
本実施の形態のスロットル制御は次のように実行される。すなわち先ず、アクセル踏み込み量ACCおよび機関回転速度NEに基づいてスロットル開度TAについての制御目標値(目標スロットル開度Tta)が設定される。そして、この目標スロットル開度Ttaと実際のスロットル開度TAとが一致するようにスロットルモータ14の作動が制御される。
本実施の形態の燃料噴射制御は、基本的に、次のように実行される。すなわち先ず、燃料噴射量の制御目標値(目標噴射量Tq)として、燃焼室15内での燃焼に供される混合気の空燃比が所望の比率(例えば、理論空燃比)となる燃料噴射量が吸入空気量GAに基づき算出される。
また、そうした目標噴射量Tqの算出に合わせて、機関回転速度NEおよび機関負荷KLに基づいて通路噴射弁16からの燃料噴射比率(ポート噴射率Rp[ただし0≦Rp<1.0])が算出される。なおポート噴射率Rpは、燃焼室15内に供給される燃料量のうちの通路噴射弁16による噴射分の占める割合に相当する値である。また機関負荷KLは、吸入空気量GAと機関回転速度NEとに基づき算出される。さらに本実施の形態では、機関回転速度NEおよび機関負荷KLにより定まる機関運転領域と同運転領域に適したポート噴射率Rpとの関係が、各種の実験やシミュレーションの結果等に基づいて予め求められた上で、演算マップAとして電子制御装置30に記憶されている。上記ポート噴射率Rpは、演算マップAをもとに機関回転速度NEおよび機関負荷KLに基づき算出される。
そして本実施の形態の燃料噴射制御では、目標噴射量Tqにポート噴射率Rpを乗算した量[Tq×Rp]と同量の燃料が噴射されるように通路噴射弁16が開弁駆動されるとともに、目標噴射量Tqから上記量[Tq×Rp]を減算した量[Tq×(1.0−Rp)]と同量の燃料が噴射されるように筒内噴射弁17が開弁駆動される。
ポート噴射率Rpは、基本的には、次のように設定される。内燃機関10の中回転領域や中負荷領域では、ポート噴射率Rpとして「0」以外の値(0<Rp<1.0)が設定されて、通路噴射弁16からの燃料噴射および筒内噴射弁17からの燃料噴射の双方が実行される。この運転領域にあっては、内燃機関10の運転状態に応じて燃焼に最適な混合気を形成するべく、ポート噴射率Rpが設定される。一方、それ以外の機関運転領域、すなわち低回転領域や低負荷領域、高回転領域、並びに高負荷領域では、基本的に、ポート噴射率Rpとして「0」が設定されて、通路噴射弁16からの燃料噴射が行われずに筒内噴射弁17のみによる燃料噴射が実行される。
本実施の形態の点火時期制御は次のように実行される。すなわち上記目標噴射量Tq、機関回転速度NE、およびポート噴射率Rpに基づいて点火時期についての制御目標値(目標点火時期)が算出されるとともに、同目標点火時期において点火動作がなされるように点火プラグ18の作動が制御される。また本実施の形態の点火時期制御では、上記ノックセンサの検出結果に基づいてノッキング発生の有無を判定するノック判定が実行されるとともに、その判定結果に応じて点火時期を調整するノック制御が実行される。このノック制御では、詳しくは、ノック判定においてノッキングの発生有りと判定された場合には目標点火時期が所定量だけ遅角される一方、ノッキングの発生無しと判定された場合には目標点火時期が徐々に進角される。
ここで、筒内噴射弁17による燃料噴射は、通路噴射弁16による燃料噴射と比較して、噴射された燃料の気化潜熱によって燃焼室15内の温度および圧力を低下させる効果が大きいために、大きな機関トルクが要求される運転状態に適している。そのため、大きな機関トルクが要求される高回転高負荷運転領域においては、通路噴射弁16を用いた燃料噴射を実行することなく、筒内噴射弁17のみを用いて燃料噴射を実行することが望ましい。
しかしながら、内燃機関10の運転領域が高回転かつ高負荷領域であるときには、燃焼室15の内部における単位時間あたりの発生熱量が多いために、同燃焼室15の内壁の温度が高くなりやすい。燃焼室15の内壁面にはピストン19(詳しくは、ピストンリング19a)との接触部分の潤滑のためのオイルが供給されているために、その内壁面の温度が高くなると、オイルの温度も高くなってしまう。そして、そうしたオイルの温度上昇は、オイルの蒸発によるオイル消費量の増加を招く一因となってしまう。
この点をふまえて本実施の形態では、図2に示すように、高回転かつ高負荷運転領域の中でも、最も高い機関回転速度NEmと内燃機関10の出力曲線Lとが交差する作動点(最大出力点N1)に近い運転領域(以下、実行領域E)であるときに、筒内噴射弁17による燃料噴射と通路噴射弁16による燃料噴射とを合わせて実行するようにしている。これにより、燃焼室15の内壁面の温度がごく高くなるおそれのある実行領域Eにおいて、同温度の低下が図られるようになる。
通路噴射弁16による燃料噴射が実行される場合には、内燃機関10の吸気通路11内において噴射された燃料が吸入空気ともども燃焼室15内に吸入されるために、噴射燃料が燃焼室15内部において広範囲に行き渡り易い。これに対して、筒内噴射弁17による燃料噴射が実行される場合には、空気の流動が比較的小さい状態になった燃焼室15内部に燃料が噴射されるために、噴射燃料が燃焼室15の内部において広がり難い。こうしたことから、通路噴射弁16による燃料噴射が実行される場合には、筒内噴射弁17のみによって燃料噴射を実行する場合と比較して、燃焼室15の内壁面の付近において霧化する燃料の量や燃焼室15の内壁面に付着する燃料の量が多くなると云える。そのため、この場合には、そうした燃焼室15の内壁面付近における燃料の霧化による脱熱効果や内壁面に付着する燃料による脱熱効果、すなわち噴射燃料によって燃焼室15の内壁面の温度を低下させる効果が大きくなる。
本実施の形態では、上記実行領域E、すなわち燃焼室15の内壁面の温度がごく高くなるおそれのある運転領域であるときに、通路噴射弁16による燃料噴射が実行されるために、筒内噴射弁17のみによる燃料噴射を実行する場合と比較して、燃焼室15の内壁面の温度を低く抑えることができる。これにより、燃焼室15の内壁面に供給されるオイルの温度上昇を抑えることができるため、同オイルの蒸発を抑えてオイル消費量の低減を図ることができる。
なお、オイルの温度が沸点(例えば、180℃)以上になることを抑えることにより、オイル消費量を好適に低減させることができる。本実施の形態の装置では、上記実行領域Eとして、筒内噴射弁17のみによる燃料噴射を実行した場合にオイルの温度が沸点以上になる可能性のある運転領域が設定されている。本実施の形態によれば、そうした実行領域Eにおいて、燃焼室15の内壁面の温度を低く抑えることができるため、同内壁面に供給されるオイルの温度が沸点以上になることを抑えてオイル消費量を好適に低減させることができる。
図3に、上記実行領域Eにおけるポート噴射率Rpと燃焼室15の内壁面の温度との関係の一例を示す。
同図3に示すように、上記実行領域Eにおいてポート噴射率Rpを「0」から徐々に大きくした場合、同ポート噴射率Rpが所定値(本実施の形態では、「0.1」)になるまでの範囲においては、上述したように燃焼室15の内壁面の温度が徐々に低くなる。
ただし、ポート噴射率Rpが上記所定値より大きくなると、それに伴い燃焼室15の内壁面の温度は徐々に高くなってしまう。これは次のような理由によるものと考えられる。ポート噴射率Rpが大きくなると、燃料の気化潜熱による温度低下効果が小さくなるために、燃焼室15内の温度および圧力が高くなってノッキングが発生し易くなり、その分だけ点火時期制御(詳しくは、ノック制御)を通じて点火時期が遅角側の時期になる。そして、そうした点火時期の遅角側への変化量が大きくなると、燃焼室15内の圧力がごく低くなった状況で燃料が燃焼する状態、いわゆる後燃え状態が発生するようになる。こうした後燃え状態では、燃料の燃焼に伴い発生したエネルギがピストン19の押圧に用いられ難いために、同エネルギが熱として燃焼室15の内壁に伝わり易い。そして、そうした後燃え状態の発生に伴う燃焼室15の内壁への熱伝達の増加分が多くなると、燃焼室15の内壁面の温度が高くなってしまう。
こうした実情をふまえて本実施の形態では、前記実行領域Eにおけるポート噴射率Rpを、「0」から上記所定値の範囲(本実施の形態では、0<Rp≦「1.0」)で設定するようにしている。そのため本実施の形態では、ポート噴射率Rpとして大きい値を設定するときほど、通路噴射弁16による燃料噴射によって燃焼室15の内壁面の温度を低下させる効果が大きくなる。
本実施の形態では詳しくは、図2に示すように、実行領域Eであるときにおける機関回転速度NEが高いときほど、また機関トルクが大きいときほど、ポート噴射率Rpとして大きい値が設定される。なお、図2に示す複数の実線はそれぞれ、ポート噴射率Rpが等しい作動点を繋いだ線を示している。このように機関回転速度NEや機関負荷KLに応じてポート噴射率Rpを設定することによって以下に記載する作用が得られる。
上記実行領域Eの中でも、機関回転速度NEが高い運転領域ほど、単位時間あたりの噴射回数が多くなって燃焼室15の内部における発熱量も多くなるため、燃焼室15の内壁の温度が高くなり易い。また、機関負荷KLが大きい運転領域ほど、内燃機関10の吸入空気量GAが多く燃焼室15の内部における発熱量も多くなるために、燃焼室15の内壁の温度が高くなり易い。本実施の形態によれば、上記実行領域Eの中でも燃焼室15の内壁の温度が高くなり易い領域であるときほど、ポート噴射率Rpとして大きい値を設定することができるために、通路噴射弁16による噴射分の占める割合を大きくして燃焼室15の内壁面の温度を低下させる効果を大きくすることができる。
したがって、燃焼室15の内壁面の温度を的確に低下させることができる。しかも、このとき通路噴射弁16から噴射される燃料の量が不要に多くなることが抑えられるために、同通路噴射弁16からの燃料噴射の実行に起因する機関トルクの低下を小さく抑えることもできる。
なお本実施の形態の点火時期制御では、実行領域Eにおいて設定される目標点火時期として、実行領域において筒内噴射弁17のみによって燃料噴射が実行される比較例の装置と比較して、遅角側の時期が設定される。ここで、仮に比較例の装置における実行領域において筒内噴射弁17による燃料噴射に合わせて通路噴射弁16による燃料噴射を実行した場合には、燃焼室15内の温度および圧力が高くなるために、これに伴いノッキングが発生し易くなる分だけ点火時期制御(詳しくは、ノック制御)を通じて点火時期が遅角側の時期に変化するようになる。本実施の形態の装置によれば、そうした通路噴射弁16による燃料噴射の実行に起因して点火時期が遅角される分だけ、目標点火時期を予め遅角側の時期に設定することができる。そのため点火時期制御をポート噴射率Rpの設定態様に応じたかたちで適正に実行することができる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、以下に記載する効果が得られるようになる。
(1)高回転かつ高負荷運転領域の中でも最大出力点N1に近い実行領域Eであるときには、燃焼室15の内壁面の温度の低下を図るべく、筒内噴射弁17による燃料噴射と通路噴射弁16による燃料噴射とを合わせて実行するようにした。そのため、燃焼室15の内壁面に供給されるオイルの温度上昇を抑えることができ、同オイルの蒸発を抑えてオイル消費量の低減を図ることができる。
(2)機関回転速度NEが高いときほど、ポート噴射率Rpとして大きい値を設定するようにした。そのため、上記実行領域Eの中でも燃焼室15の内壁の温度が高くなり易い領域であるときほど、燃焼室15の内壁面の温度を低下させる効果を大きくすることができる。
(3)機関負荷KLが大きいときほど、ポート噴射率Rpとして大きい値を設定するようにした。そのため、上記実行領域Eの中でも燃焼室15の内壁の温度が高くなり易い領域であるときほど、燃焼室15の内壁面の温度を低下させる効果を大きくすることができる。
なお、上記実施の形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・内燃機関10の中負荷領域や、中回転領域、低負荷領域、低回転領域におけるポート噴射率Rpの設定態様は任意に変更可能である。
・実行領域Eにおいて、ポート噴射率Rpを機関回転速度NEに応じて可変設定する構成を省略してもよい。
・実行領域Eにおいて、ポート噴射率Rpを機関負荷KLに応じて可変設定する構成を省略してもよい。
・上記実施の形態にかかる燃料噴射制御装置は、複数の気筒を有する内燃機関に適用することができる。同構成においては、ポート噴射率として、複数の気筒において異なる値を設定してもよい。ここで複数の気筒を有する内燃機関では、その構造上、他の気筒と比較して内壁温度が高くなり易い気筒がある。そのため、内燃機関の高回転かつ高負荷運転領域において各気筒共通の実行態様で通路噴射弁16による燃料噴射を実行した場合、ポート噴射率を内壁温度が高くなり易い気筒に合わせて定めると、他の気筒において通路噴射弁16の噴射割合が不要に大きくなって機関トルクの不要な低下を招いてしまう。一方、ポート噴射率を内壁温度が高くなり難い気筒に合わせて定めると、他の気筒において通路噴射弁16の噴射割合が不足して気筒内壁面の温度上昇を適切に抑えることができなくなってしまう。この点、上記構成によれば、ポート噴射率として気筒毎に異なる値が設定されるために、気筒内壁温度の上昇傾向に応じたかたちで通路噴射弁16からの燃料噴射の割合を気筒毎に設定することができるようになり、機関トルクの低下を抑えつつ各気筒の内壁面の温度を的確に低下させることができるようになる。
こうした構成の実現のためには、内燃機関の運転時における内壁面の温度が高い気筒ほどポート噴射率を高く設定するといった構成を採用することが望ましい。同構成によれば、内燃機関の運転時における内壁面の温度が高い気筒ほど、通路噴射弁16から噴射される燃料の量を多くして、気筒内壁面の温度を低下させる効果を大きくすることができる。
また、この場合には、ポート噴射率として高い割合が設定される気筒ほど、通路噴射弁16による燃料噴射が実行される実行領域として広い領域を設定することが望ましい。内燃機関の運転時における内壁面の温度が高い気筒ほど、気筒内壁面の温度がオイルの沸点以上になる可能性のある機関運転領域も広くなる。同構成によれば、そうした傾向に合わせて気筒毎に実行領域を設定することができるため、各燃焼室15の内壁面の温度をそれぞれ的確に低下させることができる。
さらに、この場合には、実行領域において設定される目標点火時期として、ポート噴射率として高い割合が設定される気筒ほど、遅角側の時期を設定することが望ましい。同構成によれば、各気筒について、通路噴射弁16による燃料噴射の実行に起因して点火時期が遅角されるようになる分だけ、目標点火時期を予め遅角側の時期に設定することができる。そのため各気筒における点火時期制御をポート噴射率の設定態様に応じたかたちでそれぞれ適正に実行することができる。
ポート噴射率として複数の気筒において異なる値を設定する構成としては、例えば以下の(構成イ)や(構成ロ)などを採用することができる。なお(構成イ)および(構成ロ)は共に、一番気筒♯1、二番気筒♯2、三番気筒♯3、四番気筒♯4の順に並んで配置される直列四気筒の内燃機関に適用される。また(構成イ)および(構成ロ)では、一番気筒♯1の内壁温度をT1、ポート噴射率をRp1とし、二番気筒♯2の内壁温度をT2、ポート噴射率をRp2とし、三番気筒♯3の内壁温度をT3、ポート噴射率をRp3とし、四番気筒♯4の内壁温度をT4、ポート噴射率をRp4とする。
(構成イ)冷却水が、シリンダブロックに形成された流入口を介してウォータジャケットの内部に流入するとともに「♯1の周囲→♯2の周囲→♯3の周囲→♯4の周囲→シリンダヘッドの内部」の順に流れた後、シリンダヘッドに形成された流出口を介してウォータジャケットの外部に流出する水冷式の内燃機関に適用される。こうした内燃機関では、各気筒(詳しくは、燃焼室15)の内壁面の温度が「T1<T2<T3<T4」といった関係になるため、実行領域における各気筒のポート噴射率として「Rp1<Rp2<Rp3<Rp4」といった関係を満たす値をそれぞれ設定する。
なお実行領域における各気筒のポート噴射率としては、関係式「Rp1=Rp2<Rp3<Rp4」を満たす値や、関係式「Rp1=Rp2=Rp3<Rp4」を満たす値などを設定するようにしてもよい。また、関係式「Rp1<Rp2=Rp3=Rp4」を満たす値や、関係式「Rp1<Rp2<Rp3=Rp4」を満たす値、関係式「Rp1=Rp2<Rp3=Rp4」を満たす値などを実行領域における各気筒のポート噴射率として設定することもできる。その他、実行領域における一番気筒♯1のポート噴射率Rp1として「0」を設定することも可能である。いずれの構成によっても、内壁温度の上昇傾向に応じたかたちで通路噴射弁16からの燃料噴射の割合を気筒毎に設定することができる。
(構成ロ)冷却水が、内燃機関のシリンダブロックに形成された流入口を介してウォータジャケットの内部に流入するとともに「♯1の周囲→♯2の周囲→♯3の周囲→♯4の周囲→♯3の周囲→♯2の周囲→♯1の周囲→シリンダヘッドの内部」の順に流れた後、シリンダヘッドに形成された流出口を介してウォータジャケットの外部に流出する。こうした内燃機関では、各気筒(詳しくは、燃焼室15)の内壁面の温度が「T1<T2、且つT2≒T3、且つT3>T4」といった関係になるため、実行領域における各気筒のポート噴射率として「Rp1<Rp2、且つT2≒Rp3、且つT3>Rp4」といった関係を満たす値をそれぞれ設定する。なお実行領域における各気筒のポート噴射率としては、関係式「Rp1<Rp2、且つRp2>Rp3=Rp4」を満たす値や、関係式「Rp1=Rp2<Rp3、且つRp3>Rp4」を満たす値を設定することもできる。また、実行領域における一番気筒♯1のポート噴射率Rp1として「0」を設定したり、四番気筒♯4のポート噴射率Rp4として「0」を設定したりすることも可能である。
・上記実施の形態にかかる燃料噴射制御装置は、燃料噴射制御においてポート噴射率Rpを設定する装置に限らず、筒内噴射弁17からの燃料噴射比率(筒内噴射率Rs[ただし0<Rs≦1.0])を算出する装置にも、その構成を適宜変更したうえで適用することができる。こうした構成によっても、筒内噴射率Rsを設定することにより、ポート噴射率に相当する割合[1.0−Rs]が自ずと定まる。
10…内燃機関、11…吸気通路、11a…吸気ポート、12…スロットル機構、13…スロットルバルブ、14…スロットルモータ、15…燃焼室、16…通路噴射弁、17…筒内噴射弁、18…点火プラグ、19…ピストン、19a…ピストンリング、20…クランクシャフト、21…排気通路、22…オイルタンク、23…ポンプ、30…電子制御装置(実行手段)。

Claims (5)

  1. 吸気通路に燃料を噴射する通路噴射弁と気筒内に燃料を直接噴射する筒内噴射弁とを有してそれら噴射弁の開弁駆動を通じて前記気筒内への燃料供給を行う内燃機関の燃料噴射制御装置において、
    前記内燃機関の運転領域が高回転かつ高負荷運転領域であるときに、前記気筒の内壁面の温度低下を図るべく、前記筒内噴射弁による燃料噴射と前記通路噴射弁による燃料噴射とを合わせて実行する実行手段を備える
    ことを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
  2. 請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置において、
    前記内燃機関は複数の気筒を有してなり、
    前記実行手段は、前記気筒内に供給される燃料量のうちの前記通路噴射弁による噴射分の占める割合として、前記複数の気筒において異なる割合を設定する
    ことを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
  3. 請求項2に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置において、
    前記実行手段は、前記内燃機関の運転時における前記内壁面の温度が高い気筒ほど前記割合を高く設定する
    ことを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置において、
    前記実行手段は、機関回転速度が高いときほど、前記気筒内に供給される燃料量のうちの前記通路噴射弁による噴射分の占める割合を高く設定する
    ことを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置において、
    前記実行手段は、機関負荷が大きいときほど、前記気筒内に供給される燃料量のうちの前記通路噴射弁による噴射分の占める割合を高く設定する
    ことを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014240627A (ja) * 2013-06-12 2014-12-25 日産自動車株式会社 内燃機関の制御装置および制御方法
JP2015063909A (ja) * 2013-09-24 2015-04-09 三菱自動車工業株式会社 エンジンの制御装置

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